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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024148006
(43)【公開日】2024-10-17
(54)【発明の名称】入力操作装置
(51)【国際特許分類】
   H01H 19/02 20060101AFI20241009BHJP
   H01H 19/60 20060101ALI20241009BHJP
   G05G 5/03 20080401ALI20241009BHJP
【FI】
H01H19/02 H
H01H19/60
G05G5/03 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023060854
(22)【出願日】2023-04-04
(71)【出願人】
【識別番号】391043974
【氏名又は名称】株式会社ユー・コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100133101
【弁理士】
【氏名又は名称】島崎 俊英
(74)【代理人】
【識別番号】100092808
【弁理士】
【氏名又は名称】羽鳥 亘
(74)【代理人】
【識別番号】100140981
【弁理士】
【氏名又は名称】柿原 希望
(72)【発明者】
【氏名】粕谷 智
【テーマコード(参考)】
3J070
5G219
【Fターム(参考)】
3J070AA14
3J070BA12
3J070BA51
3J070CD31
3J070DA17
5G219HT02
5G219HT06
5G219HU01
5G219KS07
5G219MS01
5G219MS11
(57)【要約】
【課題】クリック感と静電容量を変化のタイミングのずれを抑制し、操作性を向上させた入力操作装置を提供する。
【解決手段】情報処理装置の入力部との間に発生した静電容量を変化させる入力操作装置1において、基台20に対して移動可能な操作部11、基台20に固定されたグランド13、グランド13に固定され、円形状の貫通孔が形成された非導電性のクリックシート14、その貫通孔に嵌合可能な球形状であって、グランドと接離可能な導電性の接触体18、接触体18が一端部に設けられ、接触体18をグランド13方向に押圧する導電性の押圧部材17、押圧部材17の他端部に設けられ、入力部との間に配置される導電性の可動電極部19を有し、接触体18、押圧部材17および可動電極部19は、操作部11と共に移動し、接触体18がクリックシート14の貫通孔141と嵌合したときグランド13と当接する。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置の入力部との間に発生した静電容量を変化させる入力操作装置において、
基台に対して移動可能な操作部と、
前記基台に固定されたグランドと、
前記グランドに固定され、円形状の貫通孔が形成された非導電性の導通制御部材と、
前記貫通孔に嵌合可能な球形状であって、前記グランドと接離可能な導電性の接触体と、
前記接触体が一端部に設けられ、前記接触体を前記グランド方向に押圧する導電性の押圧部材と、
前記押圧部材の他端部に設けられ、前記入力部との間に配置される導電性の電極部と、
を有し、
前記接触体、前記押圧部材および前記電極部は、前記操作部と共に移動し、前記接触体が前記導通制御部材の貫通孔と嵌合したとき前記グランドと当接することを特徴とする入力操作装置。
【請求項2】
請求項1に記載の入力操作装置において、
前記導通制御部材は、複数の貫通孔が形成され、
前記接触体は、前記導通制御部材の貫通孔間に配置されたとき前記導通制御部材を介して前記グランドと離間し、前記操作部と共に移動して前記導通制御部材の貫通孔と嵌合したとき前記グランドと当接することを特徴とする入力操作装置。
【請求項3】
請求項2に記載の入力操作装置において、
前記基台、前記操作部、前記グランドおよび前記導通制御部材は、円環状に形成され、
前記基台、前記グランドおよび前記導通制御部材は、前記操作部に覆われ、
前記操作部は、前記基台に回転可能に支持されていることを特徴とする入力操作装置。
【請求項4】
請求項3に記載の入力操作装置において、
前記接触体を第1の接触体、前記押圧部材を第1の押圧部材、前記電極部を第1の電極部とし、
前記グランドと常に接触する導電性の第2の接触体と、
前記第2の接触体が一端部に設けられ、前記接触体を前記グランド方向に押圧する導電性の第2の押圧部材と、
前記第2の押圧部材の他端部に設けられ、前記入力部との間に配置される導電性の第2の電極部と、
円環状に形成され、前記操作部に覆われて前記操作部とともに回転し、前記第1の接触体、前記第1の押圧部材および第1の電極部並びに前記第2の接触体、前記第2の押圧部材および第2の電極部が設けられた回転部材を有し、
前記第1の接触体および前記第1の押圧部材と、前記第2の接触体および前記第2の押圧部材とは、前記回転部材において径が異なる位置に設けられていることを特徴とする入力操作装置。
【請求項5】
請求項4に記載の入力操作装置において、
前記第2の接触体、前記第2の押圧部材および前記第2の電極部は、前記回転部材に一または複数設けられていることを特徴とする入力操作装置。
【請求項6】
請求項3に記載の入力操作装置において、
前記基台に固定された第1の可動域調整部材と、
前記操作部に固定された第2の可動域調整部材とを有し、
前記第2の可動域調整部材の端部が前記第1の可動域調整部材の端部と当接して前記操作部の可動域を規制することを特徴とする入力操作装置。
【請求項7】
請求項3に記載の入力操作装置において、
前記操作部は、円環状の上面から中心に向かって前記基台方向に傾斜する傾斜面が形成されていることを特徴とする入力操作装置。
【請求項8】
請求項7に記載の入力操作装置において、
前記グランドは、円環状の第1のグランドと円環状の第2のグランドとが接着されて形成され、
前記第2のグランドは、前記第1のグランドより前記操作部の上面側に配置され、内径が前記第1のグランドの内径より大きく形成されていることを特徴とする入力操作装置。
【請求項9】
請求項2に記載の入力操作装置において、
前記操作部は、前記基台に、直線方向に移動可能に支持されていることを特徴とする入力操作装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作に応じて情報処理装置の入力部との間に発生した静電容量を変化させる入力操作装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の入力操作装置は、回転操作部の回転操作に応じて可動電極が回転して固定電極に接触もしくは離間するように構成され、その可動電極と固定電極との接触もしくは離間により、固定電極とタッチパネル部のセンサ電極との間の電気的状態を変化させて、固定電極とセンサ電極との間に発生した静電容量を変化させることにより、回転操作部の回転操作を検出できるようにしているものがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6627085号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の技術においては、回転操作部の回転に伴い操作者が受けるクリック感と静電容量の変化のタイミングがずれてしまう場合があり、必ずしも操作性が良いものではないという問題がある。
【0005】
本発明は、このような問題に鑑み、クリック感と静電容量を変化のタイミングのずれを抑制し、入力操作装置の操作性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そのため、本発明は、情報処理装置の入力部との間に発生した静電容量を変化させる入力操作装置において、基台に対して移動可能な操作部と、前記基台に固定されたグランドと、前記グランドに固定され、円形状の貫通孔が形成された非導電性の導通制御部材と、前記貫通孔に嵌合可能な球形状であって、前記グランドと接離可能な導電性の接触体と、前記接触体が一端部に設けられ、前記接触体を前記グランド方向に押圧する導電性の押圧部材と、前記押圧部材の他端部に設けられ、前記入力部との間に配置される導電性の電極部と、を有し、前記接触体、前記押圧部材および前記電極部は、前記操作部と共に移動し、前記接触体が前記導通制御部材の貫通孔と嵌合したとき前記グランドと当接することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
このようにした本発明は、クリック感と静電容量の変化のタイミングのずれを抑制し、入力操作装置の操作性を向上させることができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1の実施例における入力操作装置の全体斜視図
図2】第1の実施例における入力操作装置の分解斜視図
図3】第1の実施例における入力操作装置の六面図
図4】第1の実施例における入力操作装置の断面図
図5】第1の実施例におけるクリックシートの上面図
図6】第1の実施例における入力操作装置の使用状態を示す説明図
図7】第1の実施例における導通・非導通の状態を示す説明図
図8】第1の実施例における可動域調整部材の説明図
図9】変形例におけるクリックシートの上面図
図10】第2の実施例における入力操作装置の分解斜視図
図11】第3の実施例における入力操作装置の説明図
図12】第3の実施例における入力操作装置の使用状態を示す説明図
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して本発明による入力操作装置の実施例を説明する。
【実施例0010】
図1は第1の実施例における入力操作装置の全体斜視図である。なお、図1(a)は入力操作装置を上面から見た斜視図であり、図1(b)は入力操作装置を底面から見た斜視図である。
図1において、入力操作装置1は、操作に応じて情報処理装置の入力部(例えば、タッチパネル等の静電容量方式の入力部)との間に発生した静電容量を変化させるものである。なお、本実施例の入力操作装置1は、回転操作に応じて情報処理装置の入力部との間に発生した静電容量を変化させるものとして説明するが、回転操作に限定されるものでなく、直線的なスライド操作等に応じて静電容量を変化させるものであっても良い。
【0011】
図2は第1の実施例における入力操作装置の分解斜視図、図3は第1の実施例における入力操作装置の六面図である。なお、図3(a)は入力操作装置の上面図、図3(b)は入力操作装置の底面図、図3(c)~(f)は入力操作装置の側面図である。また、図4は第1の実施例における入力操作装置の断面図であり、図4(a)は図3(a)におけるA-A断面図、図4(b)は図3(a)におけるB-B断面図である。さらに、図5は第1の実施例におけるクリックシートの上面図である。
【0012】
図2において、入力操作装置1は、操作部11、可動域調整部材12、GND13、クリックシート14、接着部材15、回転部材16、押圧部材17、接触部材18、可動電極部19、基部20、および接着部材21を備え、その操作部11、可動域調整部材12、GND13、クリックシート14、接着部材15、回転部材16、および基部20が図中矢印Cで示す積層方向に積層される。
【0013】
以下、入力操作装置1を図2図3図4および図5を参照しながら説明する。
操作部11は、上面から見て円環状の非導電性の樹脂等で形成され、操作者の操作により時計回りの方向および反時計回りの方向に回転可能なものである。この円環状の操作部11の中央部には、貫通孔としての円形状の孔112と、操作部11の上面から孔112の中心に向かって積層方向(基台20の方向)に傾斜するテーパ状の傾斜面113とが形成されている。
また、操作部11の底面には円環状の開口部が形成され、操作部11の内部に、円環状の可動域調整部材12、GND13、クリックシート14、接着部材15、および回転部材16、並びに押圧部材17、接触部材18、および可動電極部19を積層して収容することができるようになっている。
さらに、操作部11は、可動域調整部材12、GND13、クリックシート14、回転部材16、および基部20を覆い、基部20に摺動可能に支持されて操作者の操作により基部20に対して移動(回転)可能に構成されている。
【0014】
また、操作部11と回転部材16は連結され、回転部材16は操作部11とともに基部20に対して回転可能に構成されている。一方、GND13およびGND13に接着されたクリックシート14は、基部20に固定されている。
なお、操作部11は、フィルムや紙等で構成された円環状の化粧シート111が上面に貼付され、その化粧シート111に操作用の各種情報や図柄等を記録することができるようになっている。また、操作部11の外周面には複数の凹部が形成されており、回転操作の操作性を向上させるようにしている。
【0015】
可動域調整部材12は、操作部11の回転可動域を調整する板状のものであり、第1の可動域調整部材121と第2の可動域調整部材122とで構成されている。第1の可動域調整部材121は、GND13(第1のGND131)の上面に接着され、第2の可動域調整部材122は、GND13が収容される操作部11の内部の底面に接着されている。従って、第1の可動域調整部材121は、基部20に固定され、第2の可動域調整部材122は、操作部11とともに回転する。
回転可能な第2の可動域調整部材122の回転方向における端部が、基部20に固定された第1の可動域調整部材121の端部と当接することにより、操作部11の回転可動域が規制される。
【0016】
GND13は、導電性の部材で円環状に形成され、グランドとなるものである。本実施例のGND13は、導電性の部材で円環状に形成された、第1のGND131、接着部材132、および第2のGND133が積層されて構成され、第1のGND131と第2のGND133とが接着部材132で連結固定されている。第1のGND131および第2のGND133は、例えばアルミニウム、鉄、真鍮等の導電性素材で形成されたものであり、また接着部材132は、例えば導電性の両面接着テープ等である。
第2のGND133は、第1のGND131より操作部11の上面側に配置され、内径が第1のGND131の内径より大きく形成されている。
なお、本実施例のGND13は、静電容量の変化量を大きくするため第1のGND131および第2のGND133で構成するようにしたが、静電容量の変化量が十分であれば第2のGND133を設けることなく第1のGND131のみで構成するようにしても良い。
接着部材15は、第1のGND131と基部20の接着面202とを接着するものであり、例えば両面テープである。従って、GND13は基部20に固定され、操作部11と連れ回ることはない。
【0017】
導通制御部材としてのクリックシート14は、例えばポリエステルフィルム等の非導電性絶縁体で円環状に形成されたものである。このクリックシート14は、操作部11を回転させたとき操作者にクリック感を与えるとともに、静電容量を変化させるものであり、図5に示すように上面から見て円形状に複数(例えば、60個)の貫通孔141が形成されている。
また、クリックシート14は、第1のGND131の底面に、それぞれの内周が一致するように接着されて固定されている。従って、クリックシート14は、操作部11と連れ回ることはない。
貫通孔141は、クリックシート14の中心(図3に示す入力操作装置1の中心D)から所定の半径となる位置に形成されている。
【0018】
操作部11と共に回転する回転部材16に設けられた接触部材18が、貫通孔141との嵌合と非嵌合とを繰り返すことにより操作者にクリック感を与え、また接触部材18は貫通孔141と嵌合したとき第1のGND131と接触し、貫通孔141と非嵌合の状態になったときクリックシート14を介することにより第1のGND131と離間するように構成されている。
クリックシート14は、プレス加工などの工程で低コストに作製することができ、クリック感やクリックさせる位置、クリックポイントの数量などを容易に設定することができる。
【0019】
回転部材16は、例えばABS樹脂やポリカーボネート樹脂等の非導電性樹脂で円環状に形成され、操作部11に覆われて操作部11と共に回転するものである。円環状の回転部材16の内周面に設けられた複数の突起部160と操作部11の内環壁面114(図4参照)に設けられた複数の凹部とがそれぞれ係合して回転部材16は操作部11と一体となって回転するようになっている。
また、回転部材16は、図2中矢印Cが示す積層方向に貫通する貫通孔161aおよび貫通孔161b並びに貫通孔162aおよび貫通孔162bが形成されている。貫通孔161aおよび貫通孔162aは、回転部材16の中心(図3に示す入力操作装置1の中心D)から第1の半径となる位置に形成され、また貫通孔161bおよび貫通孔162bは、回転部材16の中心(図3に示す入力操作装置1の中心D)から第1の半径と異なる位置、すなわち第1の半径より大きい第2の半径となる位置に形成されている。これらの貫通孔には押圧部材17および接触部材18が挿嵌される。
本実施例では、上述したクリックシート14の貫通孔141が配置される所定の半径と、貫通孔161aおよび貫通孔162aが配置される第1の半径が一致するように形成されている。すなわち、回転可能な貫通孔161aおよび貫通孔162aは、クリックシート14の貫通孔141と対応するようになっている。
【0020】
押圧部材17(17a、17b)は、ステンレス等の導電性素材で形成されたバネ等であり、接触部材18(18a、18b)をクリックシート14およびGND13方向に押圧するものである。押圧部材17の一方の端部には接触部材18が接触して配設され、他方の端部には可動電極部19が接触して配設される。
本実施例では、貫通孔161aに第1の押圧部材17aおよび第1の接触部材18aが挿嵌され、貫通孔162bに第2の押圧部材17bおよび第2の接触部材18bが挿嵌される。
【0021】
接触部材18(18a、18b)は、クリックシート14の貫通孔141に嵌合可能な球形状であって、GND13と接離可能な導電性の接触体である。この接触部材18(18a、18b)は、例えばステンレスや鉄等の導電性素材で形成された球体であり、押圧部材17により支持され、クリックシート14またはGND13に押圧されるものである。
接触部材18は、クリックシート14の貫通孔141から突出する径を有しており、貫通孔141に嵌合したとき、押圧部材17により押圧され、押圧方向の先端部分がGND13と当接(接触)するように構成されている。また、接触部材18は、貫通孔141に嵌合しないとき、押圧方向の先端部分がクリックシート14に押圧されGND13から離間、例えば隣り合う貫通孔141(図5に示す貫通孔141aと貫通孔141b)の間に配置されたとき、押圧方向の先端部分がクリックシート14に押圧されGND13から離間した状態を保持するように構成されている。
すなわち、接触部材18は、操作部11および回転部材16の回転と共に回転し、GND13と接触または離間を繰り返すことができるようになっている。
なお、本実施例では、接触部材18aが操作部11および回転部材16の回転と共に回転し、クリックシート14の貫通孔141から突出してGND13と接触し、またクリックシート14に押圧されてGND13から離間することを繰り返す。また、操作部11および回転部材16の回転と共に回転する接触部材18bはクリックシート14を介することなく常時GND13と接触するようになっている。
【0022】
可動電極部19(19a、19b)は、押圧部材17の端部に設けられ、情報処理装置の入力部との間に配置される導電性の電極部である。この可動電極部19(19a、19b)は、例えばステンレス等の導電性素材で形成された電極であり、回転部材16の底面に取り付けられ、接触部材18が取り付けられていない押圧部材17の一方の端部と接触して配設されたものである。第1の可動電極部19aは押圧部材17aと接触して配設され、また第2の可動電極部19bは押圧部材17bと接触して配設されている。
なお、可動電極部19(19a、19b)の底面は、情報処理装置の入力部と接触するように配置されても良く、また入力部と非接触となるように配置されても良い。
可動電極部19(19a、19b)は、押圧部材17および接触部材18と電気的に接続されており、接触部材18がGND13と接触したとき入力部との間の静電容量を変化させることができる。
【0023】
基部20は、例えばPOM(ポリオキシメチレン)樹脂等の摺動性に優れた非導電性樹脂で円環状に形成されたものである。この基部20は、係合部201と接触部203を有し、操作部11の被係合部と係合部201とが係合して操作部11を摺動可能に支持するとともに、回転部材16の接触部163と接触部203とが接触して回転部材16を摺動可能に支持するものである。
【0024】
接着部材21は、基部20を情報処理装置等の入力部と接着するものであり、例えば両面テープである。この接着部材21により入力操作装置1を情報処理装置等の入力部に固定することができる。なお、接着部材21を用いることなく、情報処理装置等の入力部にフレームを設け、基部20をそのフレームに固定して入力操作装置1を使用するようにしても良く、また基部20を情報処理装置等の入力部に押し当てて入力操作装置1を使用するようにしても良い。
【0025】
図6は第1の実施例における入力操作装置の使用状態を示す説明図である。
図6(a)、図6(b)に示すように、例えば、入力操作装置1を情報処理装置等の入力部としての静電容量方式のタッチパネル100に固定して使用する。また、図6(c)、図6(d)に示すように、複数(例えば、2つ)の入力操作装置1をタッチパネル100に固定して使用するようにしても良い。
【0026】
上述した構成の作用について図7に基づいて図1から図6を参照しながら説明する。
図7は第1の実施例における導通・非導通の状態を示す説明図であり、図7(a)は接触部材18(18a)がクリックシート14の貫通孔141(図5に示す貫通孔141a)と嵌合してGND13と接触している状態を示し、図7(b)は接触部材18(18a)がクリックシート14の隣り合う貫通孔141の間(図5に示す貫通孔141aと貫通孔141b)に配置されてGND13と離間している状態を示し、図7(c)は接触部材18(18a)がクリックシート14の貫通孔141(図5に示す貫通孔141b)と嵌合してGND13と接触している状態を示している。
【0027】
入力操作装置1の操作部11を回転させると、操作部11の回転と共に回転部材16、押圧部材17a、可動電極部19a、および接触部材18aが移動し、図7(a)に示すように、接触部材18aがクリックシート14の貫通孔141aと嵌合し、押圧部材17aにより押圧されている接触部材18aはGND13と接触する。
これにより、GND13と、接触部材18a、押圧部材17aおよび可動電極部19aとが電気的に接続され、可動電極部19aと入力部との間の静電容量を変化させる。
【0028】
図7(a)に示す、接触部材18aがクリックシート14の貫通孔141aと嵌合してGND13と接触している状態から、さらに入力操作装置1の操作部11を回転させると、操作部11の回転と共に回転部材16、押圧部材17a、可動電極部19a、および接触部材18aが図7中の矢印Eが示す方向に移動し、図7(b)に示すように、接触部材18aがクリックシート14の貫通孔141aとの嵌合状態が解除され、クリックシート14の隣り合う貫通孔141aと貫通孔141bに配置される。
このとき、貫通孔141aと嵌合していた接触部材18aは、その球面が貫通孔141aの端部142aと接触した後、押圧部材17aを逆押圧方向に押してクリックシート14の底面と接触するようになる。接触部材18aが貫通孔141aの端部142aと接触した後、クリックシート14の底面と接触するまでは、操作部11の回転負荷が生じるが、操作者には大きなクリック感とはならない。さらに、接触部材18aが貫通孔141aの端部142aと接触しても当接音が生じないため、聴覚の面においても操作者にはクリック感とはならない。
このように接触部材18aが貫通孔141aの端部142aと接触した後、クリックシート14の底面と接触すると、接触部材18aは、絶縁素材のクリックシート14を介してGND13と離間した状態となる。
これにより、GND13と、接触部材18a、押圧部材17aおよび可動電極部19aとが電気的な接続は解除され、可動電極部19aと入力部との間の静電容量は変化しない。
【0029】
図7(b)に示す、接触部材18aがクリックシート14の隣り合う貫通孔141aと貫通孔141bに配置された状態から、さらに入力操作装置1の操作部11を回転させると、操作部11の回転と共に回転部材16、押圧部材17a、可動電極部19a、および接触部材18aが図7中の矢印Eが示す方向に移動し、図7(c)に示すように、接触部材18aがクリックシート14の貫通孔141bと嵌合し、押圧部材17aにより押圧されている接触部材18aはGND13と接触する。
このとき、クリックシート14の底面と接触していた接触部材18aは、その球面が貫通孔141aの端部142bと接触した後、接触部材18aがクリックシート14の貫通孔141bと嵌合し、押圧部材17aにより押圧されている接触部材18aはGND13と当接して接触した状態となる。
これにより、GND13と、接触部材18a、押圧部材17aおよび可動電極部19aとが電気的に接続され、可動電極部19aと入力部との間の静電容量を変化させる。
【0030】
ここで、接触部材18aが貫通孔141aの端部142bと接触した後、接触部材18aがクリックシート14の貫通孔141bと嵌合するとき、接触部材18aは押圧部材17aにより押圧されているため、所定の押圧力でGND13に当接する。このとき、接触部材18aがGND13に当接して当接音を発生させるともに、接触部材18aが貫通孔141bと嵌合する状態となって操作部11の回転負荷を生じさせる。
従って、操作部11を操作する操作者に対して、接触部材18aがクリックシート14の貫通孔141bと嵌合したときの当接音、および接触部材18aが貫通孔141bと嵌合する状態となって生じる操作部11の回転負荷により、大きなクリック感を感じさせることができる。
すなわち、操作部11を操作する操作者が感じるクリック感と、可動電極部19aと入力部との間の静電容量を変化させるタイミングとを同期させることができる。
なお、以降、入力操作装置1の操作部11を回転させる操作を行うと、同様に図7(b)および図7(c)に示す状態を繰り返し、操作者が感じるクリック感に同期させて可動電極部19aと入力部との間の静電容量を変化させる。
【0031】
このように本実施例では、接触部材18a、押圧部材17aおよび可動電極部19aが操作部11と共に移動し、その接触部材18aがクリックシート14の貫通孔141と嵌合したときGND13と当接するようにしたことにより、入力操作装置1の操作部11のクリック感と静電容量の変化のタイミングのずれを抑制することができ、入力操作装置1の操作性を向上させることができる。これにより操作者は正確なスイッチ入力を行うことができる。
また、GND13を設けたことにより、操作者が手袋等をしている場合であっても可動電極部19aと入力部との間の静電容量を変化させることができる。
さらに、操作部11を回転させることで良好なクリック感を実現することができる。
【0032】
次に、図2および図4に示す接触部材18bの作用について説明する。
接触部材18bは、接触部材18aと異なり、クリックシート14の貫通孔141と嵌合することなく、またクリックシート14を介することなく常にグランド13と接触している。
従って、情報処理装置の入力部は接触部材18bの位置を常に検出することができるため、回転する接触部材18bの軌跡の座標に基づいて入力操作装置1の中心座標を算出することができ、さらに算出した中心座標と接触部材18aが配設されている既知の第1の半径から接触部材18aの軌道を予測することができるようになる。
【0033】
また、本実施例のように、接触部材18aと接触部材18bとを入力操作装置1の中心を挟んで直径上に配置した場合、接触部材18bにより静電容量が変化した座標および接触部材18aにより静電容量が変化した座標、並びに接触部材18aが配設されている既知の第1の半径および接触部材18bが配設されている既知の第2の半径に基づいて入力操作装置1の中心座標を算出し、算出した中心座標と第1の半径から接触部材18aの軌道の座標を予測することができるようになる。
このように、接触部材18bを設けたことにより、接触部材18aにより静電容量が変化する位置を、情報処理装置の入力部に対して予測させることができるようになる。
ただし、接触部材18aにより静電容量が変化する位置を予測できるようにする必要がない場合は接触部材18bを設ける必要はない。
【0034】
一方、接触部材18aにより静電容量が変化する位置を、より正確に予測できるようにする場合は複数(例えば、2つ、またはそれ以上)の接触部材18bを設けることができる。このように複数の接触部材18bを設けることにより、入力操作装置1の中心座標をより正確に算出することができ、接触部材18aにより静電容量が変化する位置をより正確に予測できるようになる。
なお、接触部材18bを複数設ける場合、接触部材18bおよび可動電極部19bも接触部材18bに対応させて複数設ければ良い。
このように、一または複数の接触部材18b、押圧部材17bおよび可動電極部19bを回転部材16に設けることにより、接触部材18aの軌道を予測することができ、接触部材18aにより静電容量が変化する位置を予測できるようになる。
【0035】
次に、可動域調整部材を図8の第1の実施例における可動域調整部材の説明図に基づいて説明する。
図8において、可動域調整部材12は、図2に示すGND13を介して基部20に固定された第1の可動域調整部材121と、図2に示す操作部11とともに図8中矢印Fが示す方向に回転可能な第2の可動域調整部材122(図8(b)参照)とを有している。
図8(a)に示すように、回転自在な第2の可動域調整部材122の回転方向における一方の端部が第1の可動域調整部材121の一方の端部と当接することにより、操作部11の回転可動域が規制され、また図8(c)に示すように、第2の可動域調整部材122の回転方向における他方の端部が第1の可動域調整部材121の他方の端部と当接することにより、操作部11の回転可動域が規制される。
【0036】
図8(d)に示すように、本実施例では、回転自在な第2の可動域調整部材122を、360度-(第1の可動域調整部材121の中心角α+第2の可動域調整部材122の中心角β)度の回転角度となるように規制することができる。
従って、第1の可動域調整部材121の中心角αおよび第2の可動域調整部材122の中心角βを任意に設定することにより、図2に示す操作部11の回転可動域を所定の角度となるように規制することができる。
このように、可動域調整部材12を設けたことにより、回転する操作部11の可動域を安価に調整することができる。
【0037】
次に、クリックシートの変形例を図9の変形例におけるクリックシートの上面図に基づいて説明する。
本実施例では、図5に示すように上面から見て円形状に複数(例えば、60個)の貫通孔141が形成されているクリックシート14で説明したが、図9(a)に示すように、2つの貫通孔141aおよび貫通孔141bが形成されたクリックシート14であっても良く、また図9(b)に示すように、3つの貫通孔141a、貫通孔141bおよび貫通孔141cが形成されたクリックシート14であっても良い。さらに、1つの貫通孔が形成されたクリックシート14であっても良い。
クリックシート14に形成される貫通孔の数は任意であり、情報処理装置の入力部の信号検知の仕様に応じて任意に設定し、静電容量を変化させる位置を任意に設定することができる。
このように、クリックに伴う静電容量変化の間隔(操作部11の回転角)を安価に変化させることができる。
また、クリックシート14を用いるようにしたことにより、クリック感を安価に変化させることができる。
【0038】
以上説明したように、第1の実施例では、接触部材18a、押圧部材17aおよび可動電極部19aが操作部11と共に移動し、その接触部材18aがクリックシート14の貫通孔141と嵌合したときGND13と当接するようにしたことにより、入力操作装置1の操作部11のクリック感と静電容量の変化のタイミングのずれを抑制することができ、入力操作装置1の操作性を向上させることができるという効果が得られる。
また、操作部11に孔112を設けて円環状に形成したことにより、操作者は孔112から情報処理装置の入力部に表示された画像を視認することができるという効果が得られる。
さらに、操作部11に傾斜面113を設けたことにより、視認性を向上させることができるという効果が得られる。
また、GND13を設けたことにより、操作者が手袋等をしている場合であっても可動電極部19aと入力部との間の静電容量を変化させることができるという効果が得られる。
さらに、可動域調整部材12を設けたことにより、回転する操作部11の可動域を安価に調整することができるという効果が得られる。
また、クリックシート14を用いるようにしたことにより、クリックに伴う静電容量変化の間隔(操作部11の回転角)を安価に変化させることができ、またリック感を安価に変化させることができるという効果が得られる。
【実施例0039】
図10は第2の実施例における入力操作装置の分解斜視図である。第2の実施例では、GND13の構成が第1の実施例と異なっている。
なお、上述した第1の実施例と同様の部分は、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0040】
図10において、入力操作装置1は、第1の実施例と同様に、操作部11、可動域調整部材12、GND13、クリックシート14、接着部材15、回転部材16、押圧部材17、接触部材18、可動電極部19、基部20、および接着部材21を備え、その操作部11、可動域調整部材12、GND13、クリックシート14、接着部材15、回転部材16、および基部20が図中矢印Cで示す積層方向に積層される。
操作部11は、上面から見て円環状の非導電性の樹脂等で形成され、操作者の操作により回転可能なものである。この円環状の操作部11の中央部には、貫通孔としての円形状の孔112が形成されている。
【0041】
GND13は、導電性の部材で円環状に形成され、グランドとなるものである。このGND13は、例えばアルミニウム、鉄、真鍮等の導電性素材で形成されたものである。
なお、本実施例のGND13は、接触部材18、押圧部材17および可動電極部19と電気的に接続されたとき、可動電極部19と情報処理装置の入力部との間の静電容量を十分に変化させることができるものである。
【0042】
接着部材15は、GND13と基部20の接着面202とを接着するものであり、例えば両面テープである。従って、GND13は基部20に固定され、操作部11と連れ回ることはない。
また、クリックシート14は、GND13の底面に接着されて固定されている。従って、クリックシート14は、操作部11と連れ回ることはない。
【0043】
接触部材18は、クリックシート14の貫通孔141と嵌合したときGND13と接触し、貫通孔141と非嵌合の状態になったときクリックシート14を介することによりGND13と離間するように構成されている。
【0044】
このように、GND13を一つの部材で構成したことにより、図中矢印Cで示す積層方向における操作部11の高さを、第1の実施例と比較して低くすることができる。
従って、操作部11の中央部に傾斜面を形成することなく孔112からの視認性を確保することができる。また、操作部11の製造コストを低減させることができる。
【0045】
以上説明したように、第2の実施例では、第1の実施例の効果に加え、操作部11の中央部の孔112からの視認性を確保しつつ、操作部11を安価に製造することができるという効果が得られる。
【実施例0046】
図11は第3の実施例における入力操作装置の説明図である。第1の実施例では操作部を操作者の操作により回転する操作部として説明したが、第3の実施例では、操作部を操作者の操作により直線的に往復移動する操作部として説明する。
なお、上述した第1の実施例と同様の部分は、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0047】
図11において、入力操作装置3は、操作部31、GND33、クリックシート34、移動部材36、押圧部材17、接触部材18、可動電極部19、および基部40を備えている。
なお、入力操作装置3、操作部31、GND33、クリックシート34、移動部材36、および基部40は、第1の実施例の入力操作装置1、操作部11、GND13、クリックシート14、回転部材16、および基部20にそれぞれ対応し、操作部31、GND33、クリックシート34、移動部材36、押圧部材17、接触部材18、可動電極部19、および基部20は、第1の実施例と同様に、積層されている。
【0048】
操作部31は、上面から見て矩形状の非導電性の樹脂等で形成され、操作者の操作により図中矢印Gが示す直線方向に往復移動可能なものである。この操作部31は、基部40に直線方向に摺動可能に支持されて操作者の操作により基部40に対して移動可能に構成されている。
また、操作部31と摺動部材36は連結され、摺動部材36は操作部31とともに基部40に対して移動可能に構成されている。一方、GND33に接着されたクリックシート34は、基部40に固定されている。
【0049】
GND33は、導電性の部材で図中矢印Gが示す方向に伸びる長尺状に形成され、グランドとなるものである。このGND33は、例えばアルミニウム、鉄、真鍮等の導電性素材で形成されたものである。GND33は基部40に固定され、操作部31と連動することはない。
なお、本実施例のGND33を、導電性の部材で長尺状に形成された、第1のGND、接着部材、および第2のGNDで第1の実施例と同様に構成するようにしても良い。
【0050】
導通制御部材としてのクリックシート34は、例えばポリエステルフィルム等の絶縁体で長尺状に形成されたものである。このクリックシート34は、操作部31を移動させたとき操作者にクリック感を与えるとともに、静電容量を変化させるものであり、上面から見て直線状に複数の貫通孔が形成されている。
また、クリックシート34は、GND33の底面に接着されて固定されている。従って、クリックシート34は、操作部31と連動することはない。
操作部31と共に移動する移動部材36に設けられた接触部材18が、クリックシート34の貫通孔との嵌合と非嵌合とを繰り返すことにより操作者にクリック感を与え、また接触部材18は貫通孔と嵌合したときGND33と接触し、貫通孔と非嵌合の状態になったときクリックシート34を介することによりGND33と離間するように構成されている。
クリックシート34は、プレス加工などの工程で低コストに作製することができ、クリック感やクリックさせる位置、クリックポイントの数量などを容易に設定することができる。
【0051】
移動部材36は、例えばABS樹脂やポリカーボネート樹脂等の非導電性樹脂で形成され、操作部31と共に移動するものである。移動部材36に設けられた突起部と操作部31に設けられた凹部とが係合して移動部材36は操作部31と一体となって移動するようになっている。
また、移動部材36は、貫通孔が形成され、その貫通孔には押圧部材17および接触部材18が挿嵌される。なお、移動する貫通孔は、クリックシート34の貫通孔と対応するようになっている。
【0052】
基部40は、例えばPOM(ポリオキシメチレン)樹脂等の摺動性に優れた非導電性樹脂で長尺状に形成されたものである。この基部40は、操作部31を摺動可能に支持するとともに、移動部材36を摺動可能に支持するものである。
【0053】
図12は第3の実施例における入力操作装置の使用状態を示す説明図である。
図12(a)、図12(b)に示すように、例えば、複数の入力操作装置3を情報処理装置等の入力部としての静電容量方式のタッチパネル100に固定して使用する。また、図12(c)、図12(d)に示すように、複数(例えば、2つ)の第1の実施例に示す入力操作装置1と、複数の入力操作装置3とをタッチパネル100に固定して使用するようにしても良い。なお、図12に示すタッチパネル100は一部が化粧カバーで覆われている例を示している。
【0054】
上述した構成の作用について説明する。
まず、図11に示す入力操作装置3の操作部31を図中矢印Gが示す方向に移動させ、操作部31の移動と共に移動部材36、押圧部材17、可動電極部19、および接触部材18が移動し、接触部材18がクリックシート34の貫通孔141aと嵌合し、押圧部材17により押圧されている接触部材18はGND33と接触するものとする。
接触部材18がGND33と接触することにより、GND33と、接触部材18、押圧部材17および可動電極部19とが電気的に接続され、可動電極部19と入力部との間の静電容量を変化させる。
【0055】
次に、接触部材18がクリックシート34の貫通孔141aと嵌合してGND33と接触している状態から、さらに入力操作装置3の操作部31を図中右方向へ移動させると、操作部31の移動と共に移動部材36、押圧部材17、可動電極部19、および接触部材18が移動し、接触部材18がクリックシート34の貫通孔141aとの嵌合状態が解除され、クリックシート34の隣り合う貫通孔141aと貫通孔141bに配置される。
このとき、貫通孔141aと嵌合していた接触部材18は、その球面が貫通孔141aの端部と接触した後、押圧部材17を逆押圧方向に押してクリックシート34の底面と接触するようになる。接触部材18が貫通孔141aの端部と接触した後、クリックシート34の底面と接触するまでは、操作部31の移動負荷が生じるが、操作者には大きなクリック感とはならない。さらに、接触部材18が貫通孔141aの端部と接触しても当接音が生じないため、聴覚の面においても操作者にはクリック感とはならない。
【0056】
このように接触部材18が貫通孔141aの端部と接触した後、クリックシート34の底面と接触すると、接触部材18は、絶縁素材のクリックシート34を介してGND33と離間した状態となる。
これにより、GND33と、接触部材18、押圧部材17および可動電極部19とが電気的な接続は解除され、可動電極部19と入力部との間の静電容量は変化しない。
【0057】
次に、接触部材18がクリックシート34の隣り合う貫通孔141aと貫通孔141bに配置された状態から、さらに入力操作装置3の操作部31を図中右方向へ移動させると、操作部31の移動と共に移動部材36、押圧部材17、可動電極部19、および接触部材18が移動し、接触部材18がクリックシート34の貫通孔141bと嵌合し、押圧部材17により押圧されている接触部材18はGND33と接触する。
このとき、クリックシート34の底面と接触していた接触部材18は、その球面が貫通孔141aの端部と接触した後、接触部材18がクリックシート34の貫通孔141bと嵌合し、押圧部材17により押圧されている接触部材18はGND33と当接して接触した状態となる。
これにより、GND33と、接触部材18、押圧部材17および可動電極部19とが電気的に接続され、可動電極部19と入力部との間の静電容量を変化させる。
【0058】
ここで、接触部材18が貫通孔141aの端部と接触した後、接触部材18がクリックシート34の貫通孔141bと嵌合するとき、接触部材18は押圧部材17により押圧されているため、所定の押圧力でGND33に当接する。このとき、接触部材18がGND33に当接して当接音を発生させるともに、接触部材18が貫通孔141bと嵌合する状態となって操作部31の移動負荷を生じさせる。
従って、操作部31を操作する操作者に対して、接触部材18がクリックシート34の貫通孔141bと嵌合したときの当接音、および接触部材18が貫通孔141bと嵌合する状態となって生じる操作部31の移動負荷により、大きなクリック感を感じさせることができる。
すなわち、操作部31を操作する操作者が感じるクリック感と、可動電極部19と入力部との間の静電容量を変化させるタイミングとを同期させることができる。
なお、以降、入力操作装置3の操作部31を移動させる操作を行うと、上述した状態を繰り返し、操作者が感じるクリック感に同期させて可動電極部19と入力部との間の静電容量を変化させる。
【0059】
このように本実施例では、入力操作装置3の操作部31のクリック感と信号出力のタイミングのずれを抑制することができ、入力操作装置3の操作性を向上させることができる。
以上説明したように、第3の実施例でも、第1の実施例と同様に、入力操作装置3の操作部31のクリック感と静電容量の変化のタイミングのずれを抑制することができ、入力操作装置3の操作性を向上させることができるという効果が得られる。
なお、第1の実施例から第3の実施例では、入力操作装置を情報処理装置の入力部との間の静電容量を変化させる例で説明したが、それに限られることなく、静電容量方式の入力部であれば工作機械等の様々な装置の入力部の静電容量を変化させるものとしても良い。
【符号の説明】
【0060】
1、3 入力操作装置
11、31 操作部
12 可動域調整部材
13、33 GND
14、34 クリックシート
15 接着部材
16 回転部材
17 押圧部材
18 接触部材
19 可動電極部
20、40 基部
36 移動部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12