(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024148012
(43)【公開日】2024-10-17
(54)【発明の名称】点鼻用移注デバイスおよび点鼻用移注デバイスを備えるアダプター連結吸い上げ式点鼻用移注キット
(51)【国際特許分類】
A61M 11/06 20060101AFI20241009BHJP
【FI】
A61M11/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】21
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023060869
(22)【出願日】2023-04-04
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 第26回日本ワクチン学会学術集会 開催日:令和4年11月26日および27日
(71)【出願人】
【識別番号】390002705
【氏名又は名称】東興薬品工業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000206185
【氏名又は名称】大成化工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100221501
【弁理士】
【氏名又は名称】式見 真行
(74)【代理人】
【識別番号】100197583
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 健
(72)【発明者】
【氏名】上下 泰造
(72)【発明者】
【氏名】宮崎 隆
(72)【発明者】
【氏名】染川 剛
(72)【発明者】
【氏名】片桐 悠貴
(57)【要約】
【課題】簡単に薬液を移注することのできる点鼻用移注デバイスを提供する。
【解決手段】薬液が封入されたバイヤルから薬液を移注する点鼻用移注デバイスであって、薬液を噴射するノズル部と、ノズル部と接続し、略中空円筒状のシリンジと、シリンジに対して初期位置と押込位置との間で軸方向に挿通可能に配置され、略円柱状の本体部と、本体部の一端部に配置されたガスケットと、本体部の他端部に配置された押圧力を印加する円盤部とを有するプランジャーと、プランジャーがシリンジに対して初期位置から押込位置へ移動するに従って、変形して復元力を生じさせる復元弾性部とを備え、シリンジの内壁および前記プランジャーのガスケットが点鼻用移注デバイス内の薬液を保持する第1空間を画定し、復元弾性部が復元力によって元の形状に復元することに伴って、薬液が第1空間に移注される、点鼻用移注デバイス。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬液が封入されたバイヤルから該薬液を移注する点鼻用移注デバイスであって、
前記薬液を噴射するノズル部と、
前記ノズル部と接続し、略中空円筒状のシリンジと、
前記シリンジに対して初期位置と押込位置との間で軸方向に挿通可能に配置され、略円柱状の本体部と、該本体部の一端部に配置されたガスケットと、該本体部の他端部に配置された押圧力を印加する円盤部とを有するプランジャーと、
前記プランジャーが前記シリンジに対して前記初期位置から前記押込位置へ移動するに従って、変形して復元力を生じさせる復元弾性部と
を備え、
前記シリンジの内壁および前記プランジャーの前記ガスケットが前記点鼻用移注デバイス内の前記薬液を保持する第1空間を画定し、
前記復元弾性部が前記復元力によって元の形状に復元することに伴って、前記薬液が前記第1空間に移注される、点鼻用移注デバイス。
【請求項2】
前記ノズル部が、前記バイヤルと前記点鼻用移注デバイスとの間に配置されるアダプターと接続可能であり、
前記第1空間から前記バイヤルの内部まで軸方向に連通する空間が外部から密閉されている、請求項1に記載の点鼻用移注デバイス。
【請求項3】
前記復元弾性部は、1段階で変形する、請求項1または2に記載の点鼻用移注デバイス。
【請求項4】
前記復元弾性部は、中空構造を有する、請求項1または2に記載の点鼻用移注デバイス。
【請求項5】
前記復元弾性部は、中空円筒状の第1側面部と、該第1側面部よりも大きな径の中空円筒状の第2側面部と、前記第1側面部と前記第2側面部とを接続する円錐状の傾斜部とを有する、請求項1または2に記載の点鼻用移注デバイス。
【請求項6】
前記プランジャーが前記シリンジに対して前記初期位置から前記押込位置へ移動するに従い、前記第1側面部が前記第2側面部の内部に入り込むようにして変形する、請求項5に記載の点鼻用移注デバイス。
【請求項7】
前記プランジャーが挿入される前記シリンジの開口部側にフランジをさらに有し、
前記復元弾性部の前記第1側面部が前記フランジと接続し、
前記復元弾性部の前記第2側面部が前記ブランジャーの前記円盤部と接続し、
前記復元弾性部の内側面と、前記円盤部と、前記フランジとで画定される第2空間が外部から密閉されている、請求項5に記載の点鼻用移注デバイス。
【請求項8】
前記円盤部に印加する押圧力によって前記プランジャーが前記シリンジに対して前記初期位置から前記押込位置へ移動するに従って、前記第2空間の体積が減少して、前記第2空間の内圧が増加する、請求項7に記載の点鼻用移注デバイス。
【請求項9】
前記復元弾性部は、前記プランジャーの軸方向の移動に伴って変形する、請求項7に記載の点鼻用移注デバイス。
【請求項10】
前記第1側面部および前記2側面の厚みは、前記傾斜部の厚みに比べ大きい、請求項5に記載の点鼻用移注デバイス。
【請求項11】
前記傾斜部は、軸方向に対して単一方向に傾斜している、請求項5に記載の点鼻用移注デバイス。
【請求項12】
前記プランジャーは、軸方向に対して断面形状が実質的に同一である、請求項1または2に記載の点鼻用移注デバイス。
【請求項13】
前記プランジャーが前記初期位置にある場合、前記第1空間は点鼻1回分の薬液に相当する、請求項1または2に記載の点鼻用移注デバイス。
【請求項14】
請求項1または2に記載の点鼻用移注デバイスと、
前記点鼻用移注デバイスと係合するアダプターと
を備え、
前記アダプターが
前記ノズル部と係合する第1雌係合部と、
該第1雌係合部と対向し、前記バイヤルと係合する第2雌係合部と、
前記点鼻用移注デバイスおよび前記アダプターが接続している状態で、前記ノズル部と流体連通する第1流体流路を有するニードルと
を有する、アダプター連結吸い上げ式点鼻用移注キット。
【請求項15】
前記第1雌係合部は、弾性密閉部をさらに有し、
前記点鼻用移注デバイスおよび前記アダプターは、前記ノズル部の先端と前記第1雌係合部との間で前記弾性密閉部を押しつぶすようにして接続する、請求項14に記載のアダプター連結吸い上げ式点鼻用移注キット。
【請求項16】
前記第1雌係合部は、断面視で、凹部の内側面にリブをさらに有し、
前記アダプターは、前記ノズル部を前記リブで挟み込むようにして前記点鼻用移注デバイスと接続する、請求項14に記載のアダプター連結吸い上げ式点鼻用移注キット。
【請求項17】
前記点鼻用移注デバイスは、前記プランジャーが挿入される前記シリンジの開口部側にフランジをさらに備え、
前記点鼻用移注デバイス、前記アダプターおよび前記バイヤルを接続させた状態で、前記プランジャーを前記フランジに対して初期位置から押込位置へ移動させて前記バイヤル内に外気を注入して前記バイヤル内の内圧を高め、該内圧および前記復元弾性部の復元力によって前記プランジャーを前記シリンジに対して前記押込位置から前記初期位置へ移動させて前記薬液を前記点鼻用移注デバイスに移注する、請求項14に記載のアダプター連結吸い上げ式点鼻用移注キット。
【請求項18】
前記点鼻用移注デバイスは、前記プランジャーが挿入される前記シリンジの開口部側にフランジをさらに有し、
前記復元弾性部は、中空円筒状の第1側面部と、該第1側面部よりも大きな径の中空円筒状の第2側面部と、前記第1側面部と前記第2側面部とを接続する円錐状の傾斜部とを有し、
前記復元弾性部の前記第1側面部が前記フランジと接続し、
前記復元弾性部の前記第2側面部が前記ブランジャーの前記円盤部と接続し、
前記復元弾性部の内側面と、前記円盤部と、前記フランジとで画定される第2空間が外部から密閉されており、
前記点鼻用移注デバイス、前記アダプターおよび前記バイヤルを接続させた状態で、前記プランジャーを前記フランジに対して初期位置から押込位置へ移動させて前記第2空間の内圧を高め、該内圧によって前記プランジャーを前記シリンジに対して前記押込位置から前記初期位置へ移動させて前記薬液を前記点鼻用移注デバイスに移注する、請求項17に記載のアダプター連結吸い上げ式点鼻用移注キット。
【請求項19】
前記薬液がワクチンである、請求項14に記載のアダプター連結吸い上げ式点鼻用移注キット。
【請求項20】
前記薬液の粘度が20℃で100~5,000mPa・sである、請求項14に記載のアダプター連結吸い上げ式点鼻用移注キット。
【請求項21】
前記第1雌係合部および第2雌係合部が一体化している、請求項14に記載のアダプター連結吸い上げ式点鼻用移注キット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、点鼻用移注デバイスおよび点鼻用移注デバイスを備えるアダプター連結吸い上げ式点鼻用移注キットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、薬液を患者に投与するためのインジェクター型アトマイザーとしては、例えば、特許第2930526号(特許文献1)に記載されたものがある。このアトマイザーは、先端に噴射ノズルを備えたシリンダー、シリンダーに嵌入されたピストンおよび先端をピストンに取り付けられ後端がシリンダーの後端より突出したロッドを備え、シリンダーの後端とロッドの後端間がロッドの軸方向の押圧力に応じて段階をもって潰れるクッション材で結合されている。
【0003】
薬液は、雑菌等の汚染を避けるために無菌状態で密封して保存されており、点鼻当日に点鼻用移注デバイスに薬液を予め充填(またはプレフィルドまたは予め移注)して準備する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、本発明者は、鋭意検討した結果、投与当日に薬液を予め充填して準備する場合では、多くの人員の手間を要するとの問題に気が付いた。仮に製造設備を用いる場合であっても、薬液の種類に応じた新たな製造設備を設ける必要があり、多くの時間、労力およびコストを要することが分かった。このため、パンデミックや薬液効力の試験用に準備する小ロット製造には、迅速に対応することができない虞がある。
【0006】
本開示はかかる課題に鑑みて為されたものである。すなわち、本開示の目的は、簡単に薬液を移注することのできる点鼻用移注デバイスを提供することである。本開示の別の目的は、そのような点鼻用移注デバイスを備えるアダプター連結吸い上げ式点鼻用移注キットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一実施形態に係る点鼻用移注デバイスは、
薬液が封入されたバイヤルから該薬液を移注する点鼻用移注デバイスであって、
前記薬液を噴射するノズル部と、
前記ノズル部と接続し、略中空円筒状のシリンジと、
前記シリンジに対して初期位置と押込位置との間で軸方向に挿通可能に配置され、略円柱状の本体部と、該本体部の一端部に配置されたガスケットと、該本体部の他端部に配置された押圧力を印加する円盤部とを有するプランジャーと、
前記プランジャーが前記シリンジに対して前記初期位置から前記押込位置へ移動するに従って、変形して復元力を生じさせる復元弾性部と
を備え、
前記シリンジの内壁および前記プランジャーの前記ガスケットが前記点鼻用移注デバイス内の前記薬液を保持する第1空間を画定し、
前記復元弾性部が前記復元力によって元の形状に復元することに伴って、前記薬液が前記第1空間に移注される。
【0008】
本開示の一実施形態に係るアダプター連結吸い上げ式点鼻用移注キットは、
上記点鼻用移注デバイスと、
前記点鼻用移注デバイスと係合するアダプターと
を備え、
前記アダプターが
前記ノズル部と係合する第1雌係合部と、
該第1雌係合部と対向し、前記バイヤルと係合する第2雌係合部と、
前記点鼻用移注デバイスおよび前記アダプターが接続している状態で、前記ノズル部と流体連通する第1流体流路を有するニードルと
を有する。
【発明の効果】
【0009】
本開示の一実施形態に係る点鼻用移注デバイスは、簡単に薬液を移注することができる。また、本開示の別の実施形態に係るアダプター連結吸い上げ式点鼻用移注キットは、簡単に薬液を点鼻用移注デバイスへ移注することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、第1実施形態を示す点鼻用移注デバイスを備えるアダプター連結吸い上げ式点鼻用移注キットを示す分解斜視図である。
【
図2】
図2は、第1実施形態を示す点鼻用移注デバイスを示す側面図である。
【
図3】
図3は、第3実施形態を示すアダプター連結吸い上げ式点鼻用移注キットを示す側面図である。
【
図4】
図4は、第1実施形態を示す点鼻用移注デバイスの復元弾性部を示す断面図である。
【
図5】
図5は、第3実施形態を示すアダプター連結吸い上げ式点鼻用移注キットのアダプターを示す断面図である。
【
図6】
図6は、アダプター連結吸い上げ式点鼻用移注キットの使用時における点鼻用移注デバイスを示す側面図である。
【
図7】
図7は、第3実施形態を示すアダプター連結吸い上げ式点鼻用移注キットの使用方法を説明する斜視図である。
【
図8】
図8は、第1実施形態を示す点鼻用移注デバイスの使用方法を説明する斜視図である。
【
図9】
図9は、第2実施形態を示す点鼻用移注デバイスを備えるアダプター連結吸い上げ式点鼻用移注キットを示す分解斜視図である。
【
図10】
図10は、第5実施形態に係る点鼻用移注キットにおけるアダプターを示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示の実施形態である点鼻用移注デバイスおよびアダプター連結吸い上げ式点鼻用移注キットを図示の実施の形態により詳細に説明する。なお、図面は模式的なものを含み、実際の寸法や比率を反映していない場合がある。
【0012】
本明細書において、形容詞または名詞に付す用語「略」は、当該用語を付す形容詞または名詞の厳密な意味だけでなく、現実のばらつきを考慮した範囲の形容詞または名詞も包含する。例えば、略円柱状とは、厳密な円柱状の形状だけでなく、製造条件における経時での現実のばらつき等を考慮した円柱状の形状も包含する。
【0013】
本明細書で言及する数値範囲は、「未満」、「より大きい」および「より小さい」のような特段の用語が付されない限り、下限値および上限値そのものも含むことを意図している。例えば、1~10といった数値範囲を例にとれば、その数値範囲は下限値「1」および上限値「10」を含むものとして解釈される。
【0014】
<第1実施形態:点鼻用移注デバイス>
第1実施形態は、点鼻用移注デバイスに関する。
第1実施形態に係る点鼻用移注デバイスは、
薬液が封入されたバイヤルから該薬液を移注する点鼻用移注デバイスであって、
薬液を噴射するノズル部と、
ノズル部と接続し、略中空円筒状のシリンジと、
シリンジに対して初期位置と押込位置との間で軸方向に挿通可能に配置され、略円柱状の本体部と、本体部の一端部に配置されたガスケットと、本体部の他端部に配置された押圧力を印加する円盤部とを有するプランジャーと、
プランジャーがシリンジに対して初期位置から押込位置へ移動するに従って、変形して復元力を生じさせる復元弾性部と
を備え、
シリンジの内壁およびプランジャーのガスケットが点鼻用移注デバイス内の薬液を保持する第1空間を画定し、
復元弾性部が前記復元力によって元の形状に復元することに伴って、薬液が前記第1空間に移注される。
【0015】
第1実施形態に係る点鼻用移注デバイスは、簡単に薬液を移注することができる。特定の理論に拘束させるわけではないが、その理由は以下のように推測される。
第1実施形態に係る点鼻用移注デバイスは、シリンジに対してプランジャーの初期位置から押込位置への移動に伴い変形して復元力を生じさせる復元弾性部を備える。このため、例えば、アダプターと接続した第2実施形態に係るアダプター連結吸い上げ式点鼻用移注キットでは、バイヤルと接続した状態でプランジャーを押し込んでシリンジに対して初期位置から押込位置へ移動させると、復元弾性部に復元力が生じる。このため、プランジャーに印加する押圧力を解除するだけで、復元力によりプランジャーが押込位置から初期位置へ移動して、薬液が第1空間に充填される。よって、第1実施形態に係る点鼻用移注デバイスは、簡単に薬液を移注することができる。
【0016】
[点鼻用移注デバイスの構成]
第1実施形態に係る点鼻用移注デバイスの構成を
図1および
図2を参照して説明する。
図1は、第1実施形態を示す点鼻用移注デバイスを備えるアダプター連結吸い上げ式点鼻用移注キットを示す分解斜視図である。
図2は、第1実施形態に係る点鼻用移注デバイスを示す側面図である。
【0017】
図1~2中、プランジャー16のシリンジ13内の移動方向(軸方向)がX方向であり、X方向に直交する方向においてノーズレスト12およびフランジ14の長軸方向がY方向であり、X方向に直交する方向においてノーズレスト12およびフランジ14の短軸方向がZ方向である。
【0018】
図1および
図2に示すように、第1実施形態に係る点鼻用移注デバイス10は、薬液が封入されたバイヤル30から(アダプター20を介して)薬液を移注する点鼻用移注デバイスである。
【0019】
点鼻用移注デバイス10は、ノズル部11と、シリンジ13と、復元弾性部15と、プランジャー16と備え、さらにノーズレスト12と、フランジ14とを備える。
【0020】
(ノズル部)
ノズル部11は、シリンジ13の第1開口部132と流体連通してシリンジ13の遠位端(詳細は後述する)に配置され、薬液(薬剤)を噴霧(噴射)する。ノズル部11は、噴霧(噴射)により薬液を微小液滴の形態(例えば、霧状の形態)でノズル部11の先端の開口部11aから外部へ吐出させることができる。ノズル部11は、微小液滴の形態で薬液を噴射するため、薬液は患者の鼻腔を介して体内に効果的に投与され得る。
【0021】
ノズル部11は、略中空筒状である。つまり、ノズル部11は、略円柱状の中空部を有する筒状構造を備え、略円柱状の中空部の底面(端面)に相当する箇所に2つの開口部111,115を有する。2つの開口部111,115は、中空部により流体連通している。開口部111は薬液を点鼻用移注デバイス10の外部に噴霧(噴射)する。開口部115は、シリンジ13の第1開口部132と流体連通している。
【0022】
ノズル部11は、バイヤル30と点鼻用移注デバイス10との間に配置されるアダプター20と接続可能であり、第1空間Aからバイヤル30内部までに軸方向に連通する空間が外部から密閉されている。このため、点鼻用移注デバイス10がアダプター20を介してバイヤル30と接続している場合、プランジャー16を初期位置から押込位置へ移動させると、バイヤル30内に空気を注入してバイヤル内の圧力を増加させることができる。なお、第1空間Aとは、シリンジの内壁および前記プランジャーの前記ガスケット161により確定されるシリンジ13内の空間である。
【0023】
ノズル部11は、開口部111と、円錐部112と、くびれ部113と、鍔部114とを備える。開口部111は、円錐部112の先端に配置され、薬液を点鼻用移注デバイス10の外部へ噴射する。円錐部112は、略円錐状であり、その先端に開口部111を有し、開口部111と軸方向に対向する位置でくびれ部113と接続する。くびれ部113は、円錐部112と接続し、ノーズレスト12を脱着可能に装着できる。くびれ部113の径(直径)は、YZ断面視において円錐部112の径に比べ小さい。くびれ部113の径がYZ断面視において円錐部112および鍔部114に比べ小さいため、くびれ部113に装着したノーズレスト12の軸方向への移動が阻止される。これにより、ノーズレスト12がノズル部11に安定的に固定され、鼻腔内部への安定的な薬液の噴射を可能にする。鍔部114は、その径がYZ断面視において円錐部112の径に比べ大きい。
【0024】
ノズル部11は、例えば、樹脂材、ガラス材、金属材およびセラミック材からなる群より選択される少なくとも1つの材から構成される。
【0025】
(シリンジ)
シリンジ13は、ノズル部11と接続し、略中空円筒状である。シリンジ13の内壁およびプランジャー16のガスケット161が点鼻用移注デバイス10内の薬液を保持する第1空間Aを画定する。
【0026】
シリンジ13は、略中空円筒状の本体部131と、本体部131の軸方向の両端側に配置された第1,第2開口部132,133と、本体部131の近位端側に配置された鍔部134とを有する。
【0027】
本体部131は、その内部にプランジャー16を挿通可能に保持する。第1開口部132は、シリンジ13の遠位端に配置され、ノズル部11の開口部115と流体連通する。薬液は、第1開口部132を介して、点鼻用移注デバイス10の第1空間Aに移注される。第2開口部133は、シリンジ13の近位端に配置され、プランジャー16を挿入する。鍔部134は、YZ断面において本体部131よりも大きな径を有し、フランジ14と接続する。
【0028】
本明細書において、近位端はシリンジ13の第2開口部133の開口面(開口端)に相当し、点鼻用移注デバイス10を使用する際に、シリンジ13においてその使用する者から相対的に近い側の端を指す。一方、遠位端はシリンジ13の第1開口部132の開口面(開口端)に相当し、点鼻用移注デバイス10を使用する際に、シリンジ13においてその使用する者から相対的に遠い側の端を指す。なお、点鼻用移注デバイス10を使用する際には、その使用者は、後述の
図7~8に示すように、フランジ14とプランジャー16の円盤部163とに指を掛けて使用する。
【0029】
本明細書において、シリンジ13の第1開口部132から第2開口部133までのX方向(軸方向)において、近位端側とは相対的に近位端が位置する側を指し、遠位端側とは相対的に遠位端が位置する側を指す。
【0030】
シリンジ13は、例えば、透明な材(より具体的には、透明な樹脂材および透明なガラス材からなる群より選択される少なくとも1つの材)から構成される。本明細書において、「透明」とは、点鼻用移注デバイス10を外部から観察した場合、目視で空間A内の薬液31の有無が判別できる程度の透明をいう。
【0031】
(フランジ)
フランジ(またはフィンガーレストまたはフィンガーグリップまたは指掛け部)14は、シリンジ13の近位端付近に配置される。詳しくは、フランジ14は、プランジャー16が挿入されるシリンジ13の開口部133側に配置される。フランジ14は、シリンジ13の鍔部134と接続する。フランジ14は、YZ平面視で略楕円状である。フランジ14は、点鼻用移注デバイス10を使用する際に、使用する者が指を掛ける部材であり、より具体的には、点鼻用移注デバイス10に薬液31を移注する際および点鼻用移注デバイス10のノズル部11を鼻腔内に挿入する際に指を掛ける部材である。点鼻用移注デバイス10がフランジ14を備えることで、薬液移注および薬液噴霧の際のハンドリング性をより高めることができる。
【0032】
フランジ14は、例えば、樹脂材、ガラス材、金属材およびセラミック材からなる群より選択される少なくとも1つの材から構成される。
【0033】
(プランジャー)
プランジャー16は、シリンジ13に対して初期位置と押込位置との間で挿通可能に配置されている。プランジャー16の可動域は初期位置から押込位置までの軸方向である。プランジャー16の円盤部163は復元弾性部15の第1側面部151と接続しているため、プランジャー16の軸方向への移動に伴い復元弾性部15が変形する。より具体的には、プランジャー16が押込位置に位置する場合、プランジャー16のガスケット161の先端面が、シリンジ13の遠位端側の内壁に接触する。プランジャー16が初期位置に位置する場合、復元弾性部15は変形していない初期の状態である。
【0034】
点鼻用移注デバイス10がアダプター20を介してバイヤル30と接続した状態でプランジャー16が初期位置から押込位置へと移動させると、バイヤル30内へ空気が押し込まれバイヤル30内の圧力(内圧)が増加する。
【0035】
次いで、プランジャー16が押込位置から初期位置へと移動させると、薬液がバイヤル30から点鼻用移注デバイス10へ移注される。プランジャー16は、復元弾性部15の復元力により押込位置から初期位置へ移動する。よって、点鼻用移注デバイス10は、簡易に、迅速に充填することができる。
また、プランジャー16が初期位置にある場合、第1空間Aは点鼻1回分の薬液に相当する。よって、プランジャー16を押込位置から初期位置まで移動させることで、点鼻用移注デバイス10は点鼻1回分の薬液を正確に移注させることができる。
【0036】
次いで、点鼻用移注デバイス10に薬液が充填されている状態で、点鼻用移注デバイス10をアダプター20から取り外してノズル部11を鼻腔内に挿入してプランジャー16が初期位置から押込位置へと移動させると、点鼻用移注デバイス10から鼻腔内へ薬液が噴射される。
【0037】
本明細書において、初期位置とはプランジャー16に押し込むための力を印加していない状態におけるプランジャー16の位置を指す。一方、本明細書において、押込位置とはプランジャー16の円盤部163に押込力を印加してプランジャー16の先端(ガスケット161の先端)がシリンジ13の遠位端(開口端)に位置する状態におけるプランジャー16の位置を指す。
【0038】
プランジャー16は、略円柱状の本体部162と、本体部162の一端部に配置されたガスケット161と、本体部162の他端部に配置された押圧力を印加する円盤部163とを有する。本体部162は、本体部162の遠位端でガスケット161と接続し、近位端で円盤部163と接続する。本体部162は、軸方向に対して断面形状(ZY断面における形状)が実質的に同一である。つまり、本体部162は、例えば、リブのような突起部を有しない。なお、実質的に同一には、厳密な同一だけでなく、製造条件における経時のわずかなばらつきによる現実的な同一も包含される。YZ断面における本体部162の形状(断面形状)は、
図1に示すように、漢数字の十であるが、これに限定されず、例えば、略円および略楕円であってもよい。本体部162は、樹脂材、ガラス材、金属材およびセラミック材からなる群より選択される少なくとも1つの材から構成される。
【0039】
ガスケット161は、略円柱状の本体部162の遠位端に配置される。ガスケット161は、シリンジ13の内壁と密着して第1空間Aの気密性を高める。ガスケット161の側面は、YZ断面において比較的大きな径を有する第1側面部と比較的小さな径を有する第2側面部とが軸方向に交互に配列するように設けられている。ガスケット161は、複数の第1側面部と、複数の第2側面部とを有する。複数の第1側面部はシリンジ13の内壁に当接する。複数の第1側面部がシリンジ13の内壁に当接することで、シリンジ13における第1空間Aと、プランジャー16の本体部162側の空間との流体連通を防止する。これにより、ガスケット161とシリンジ13とで画定される第1空間Aの気密性を高める。一方、第2側面部はシリンジ13の内壁に当接しない。このようにシリンジ13へのガスケット161の接触面積を適度に減らすことで、プランジャー16のシリンジ13内の軸方向の移動をスムーズにする。
【0040】
ガスケット161は、弾性を有し、例えば、クッション性のある材料(例えば、軟質樹脂材およびエラストマー材)で構成される。
【0041】
(復元弾性部)
復元弾性部15は、シリンジ13に対してプランジャー16の初期位置から押込位置への移動に伴い変形して復元力を生じさせる。復元弾性部15がその復元力によって元の形状に復元することに伴って、薬液が第1空間Aに移注される。
【0042】
さらに
図4を参照して、復元弾性部15を説明する。
図4は、点鼻用移注デバイス10の復元弾性部15を示す断面図である。復元弾性部15は、中空円筒状の第1側面部151と、第1側面部151よりも大きな径の中空円筒状の第2側面部152と、第1側面部151と第2側面部152とを接続する円錐状の傾斜部153とを有する。つまり、復元弾性部15はプランジャー16の移動方向に平行な断面(ZX断面)において、傾斜部153を介して異なる2つの径を有する蛇腹形状である。
【0043】
復元弾性部15は蛇腹構造を有するため、プランジャー16がシリンジ13に対して初期位置から押込位置へ移動するに従い、第1側面部151が第2側面部152の内部に入り込むようにして(折り畳むようにして)変形する。つまり、復元弾性部15は、プランジャー16が初期位置に位置する場合の
図4に示す初期構造から、
図6(a)に示す折り畳み構造へと変形する。このように復元弾性部15が1段階で変形するため、点鼻用移注デバイス10は、1回の操作で患者に対して薬液1回分を投与する。
【0044】
復元弾性部15は中空構造を有する。復元弾性部15は、例えば、2段階で変形するための支持部を有さず、上述のように1段階で変形する。また、プランジャー16の円盤部163は第1側面部151と接続しているため、復元弾性部15は、プランジャー16の軸方向の移動に伴って変形する。ここで、第1側面部151および第2側面部152の厚みは、
図4に示すように、傾斜部153の厚みに比べ大きく、傾斜部153は軸方向に対して単一方向に傾斜している。このため、プランジャー16の初期位置から押込位置への移動によって、復元弾性部15に応力が印加されると、復元弾性部15の傾斜部153が主として変形する。つまり、
図4に示すXY断面において、傾斜部153に屈曲点を生じさせないようにして復元弾性部15が変形する。より具体的には、第1側面部151(の外表面)と傾斜部153(の外表面)とがなす角が減少し、かつ第2側面部152(の外表面)と傾斜部153(の外表面)とがなす角が増加するようにして変形する。
【0045】
復元弾性部15は、例えば、クッション性のある材料(例えば、軟質樹脂材およびエラストマー材)で構成される。
【0046】
(ノーズレスト)
ノーズレスト12は、ノズル部11のくびれ部113を挟み込むようにして着脱可能に接続する。
図8は、点鼻用移注デバイス10の使用方法を説明する斜視図である。
図8に示すように、ノーズレスト12によりノズル部11を外鼻孔の周辺部に当接(押すように接触)させるようにして、ノズル部11を外鼻孔から鼻腔内の所定の位置に挿入させることができる。このようにノズル部11の先端を所望の向きに調整することができるため、薬液31を鼻腔内の所定の箇所に噴霧でき、薬液31を人体に効果的に投与することができる。
【0047】
ノーズレスト12は、例えば、樹脂材、金属材およびセラミック材からなる群より選択される少なくとも1つの材から構成される。
【0048】
<第2実施形態:点鼻用移注デバイス>
第2実施形態は点鼻用移注デバイスに関する。第2実施形態に係る点鼻用移注デバイスは、復元弾性部と、プランジャーの円盤部と、フランジとで画定される第2空間Bが外部から密閉されている点において、第1実施形態に係る点鼻用移注デバイス10と異なる。以下、この相違する構成を主として説明する。なお、第2実施形態において、第1実施形態と同一の符号は、第1実施形態と同じ構成であるため、原則としてその説明を省略する。
【0049】
図9を参照して第2実施形態に係る点鼻用移注デバイスを説明する。
図9は、第2実施形態を示す点鼻用移注デバイス10Aを示す分解斜視図である。
図9に示すように、フランジ14Aは、YZ断面において略円形の断面形状を有する。フランジ14AのYZ断面の径は、復元弾性部15(の第2側面部152)のYZ断面における径よりも大きい。復元弾性部15の第1側面部151(の端面154)は第1実施形態で言及したように、プランジャー16の円盤部163と接着剤等により接続している。復元弾性部15の第2側面部152(の端面156)は、フランジ14Aに接着剤等により接続している。このため、復元弾性部15の内側面と、円盤部163と、フランジ14Aとで画定される第2空間Bは、外部から密閉されている。
【0050】
第2空間Bが外部から密閉されているため、円盤部163に印加する押圧力によってプランジャー16がシリンジ13に対して初期位置から押込位置へ移動するに従って、第2空間Bの体積が減少して、第2空間Bの内圧が増加する。
【0051】
このため、点鼻用移注デバイス10Aがアダプター20を介してバイヤル30に接続している場合、プランジャー16が押込位置にあるときに円盤部へ印加される押圧力をなくすと、内圧によってバイヤル30から第1空間Aに薬液が移注される。つまり、第2実施形態では、点鼻用移注デバイス10Aがアダプター20を介してバイヤル30に接続している状態において、点鼻用移注デバイス10Aは第1空間Aと連通する空間の内圧および復元弾性部15の復元力に加え、第2空間Bの内圧によってプランジャー16が押込位置から初期位置へ移動する。これにより、第2実施形態に係る点鼻用移注デバイス10Aでは、薬液がバイヤル30から点鼻用移注デバイス10Aにさらに移注されやすい。
【0052】
<第3実施形態:アダプター連結吸い上げ式点鼻用移注キット>
第3実施形態は、アダプター連結吸い上げ式点鼻用移注キット(以下、単に「点鼻用移注キット」とも称する)100に関する。第3実施形態に係る点鼻用移注キット100は、第1実施形態に係る点鼻用移注デバイス10に比べ、さらにアダプター20を有する点で相違する。以下、この相違する構成を主として説明する。なお、第3実施形態において、第1実施形態と同一の符号は、第1実施形態と同じ構成であるため、原則としてその説明を省略する。
【0053】
図1に示すように、第3実施形態に係る点鼻用移注キット100は、
第1実施形態に係る点鼻用移注デバイス10と、
点鼻用移注デバイス10と係合するアダプター20と
を備え、
アダプター20が
ノズル部11と係合する第1雌係合部210と、
第1雌係合部210と対向し、バイヤル30と係合する第2雌係合部220と、
点鼻用移注デバイス10およびアダプター20が接続している状態で、ノズル部11と流体連通する第1流体流路224を有するニードル223と
を有する。
【0054】
第3実施形態に係る点鼻用移注キット100は、簡単に薬液を移注することができる。特定の理論に拘束させるわけではないが、その理由は以下のように推測される。
第3実施形態に係る点鼻用移注キット100は、点鼻用移注デバイス10と、点鼻用移注デバイス10と係合するアダプター20とを備える。点鼻用移注キット100は、薬液が封入されたバイヤル30を接続すると、密閉系を形成することができる。このため、バイヤル30を接合した点鼻用移注デバイス10において、プランジャー16を初期位置から押込位置まで移動させると、点鼻1回の薬液の体積に相当する空気(外気)をバイヤル30内に押し込むこと(注入すること)ができる。これにより、バイヤル30内の圧力(内圧)が増加する。プランジャー16に印加する押圧力を解除すると、第1実施形態で既述した復元弾性部15の復元力に加え上記内圧により、プランジャー16が押込位置から初期位置へ移動して、薬液31が第1空間Aに充填される。よって、第3実施形態に係る点鼻用移注キット100は、簡単に薬液31を移注することができる。なお、本明細書において「外気」とは、密封されたバイヤル30外に存在する空気をいう。
【0055】
点鼻用移注キット100では、点鼻用移注デバイス10、アダプター20およびバイヤル30を接続させた状態で、プランジャー16をシリンジ13に対して初期位置から押込位置へ移動させてバイヤル30内に外気を注入してバイヤル30内の内圧を高め、内圧および復元弾性部15の復元力によってプランジャー16をシリンジ13に対して押込位置から初期位置へ移動させて薬液31を点鼻用移注デバイス10に移注することができる。
【0056】
(本開示を案出する契機)
本発明者は、点鼻用移注キット100が薬液31を鼻腔内に噴霧して患者に薬液を投与することに着目した。通常、無菌状態で薬液が封入されたバイヤル30内に外気を入れることは無菌ブレークの観点から慣習的に可能な限り避けるべきものである。そして、バイヤル30の無菌ブレークから可能な限り短期間で、薬液を患者に投与する必要がある。しかしながら、薬液投与対象の鼻腔内は雑菌が存在するため、短期間であれば点鼻用では無菌状態で封入されたバイヤル30内に多少の外気を入れることができるとの知見を得た。このような技術的知見に基づき、バイヤル30と接続させた点鼻用移注キット100を密閉系として、バイヤル30内に外気を注入してバイヤル30内の内圧を高め、復元弾性部15の復元力とバイヤル30内の内圧を駆動力として、薬液31を点鼻用移注キット100へ移注させる点鼻用移注キット100を想到した。
【0057】
[点鼻用移注キットの構成]
(アダプター)
図3に示すように、アダプター20は、点鼻用移注デバイス10と係合する。さらに
図5を参照してアダプター20を説明する。
図5は、点鼻用移注キット100のアダプター20を示す断面図である。
図5に示すように、アダプター20は、ノズル部11と係合する第1雌係合部210と、第1雌係合部210と軸方向に対向しバイヤル30と係合する第2雌係合部220と、点鼻用移注デバイス10およびアダプター20が接続している状態で、ノズル部11と流体連通する第1流体流路224を有するニードル223とを有する。アダプター20は、第1雌係合部210と第2雌係合部220の2つの部材とからなり、第2雌係合部220の雌型ねじに第1雌係合部210の雄型ねじがはめ込まれる。アダプター20は、弾性密閉部227,215を除き、例えば、樹脂材、金属材およびセラミック材からなる群より選択される少なくとも1つの材から構成される。
【0058】
-第1雌係合部-
第1雌係合部210は、ノズル部11をはめ込む凹部211と、第2雌係合部220の第1流体流路224と流体連通する第2流体流路212と、凹部211の内側面において第2流体流路212側に配置されたリブ213と、外側面の一部に配置された凸部214と、弾性密閉部215と、切り欠き部216とを有する。
【0059】
凸部214は、第1雌係合部210の外側面の一部に配置される。凸部214は、第1雌係合部210の外側面に突き出すように配置される。つまり、第1雌係合部210の外周面の一部は雄ねじとなっており、第2雌係合部220の雌ねじと係合する。
【0060】
凹部211は、ノズル部11をはめ込む。凹部211の内側面の開口側には、リブ213が配置されている。リブ213は、YZ断面においてリング状の形状を有する。このため、ノズル部11の先端はYZ断面においてリング状のリブ213に取り囲まれるようにして凹部211にはめ込まれる。これにより、点鼻用移注デバイス10とアダプター20との接続部は密閉性に優れる。このように第1雌係合部210がリブ213を有すると、アダプター20は、ノズル部11をリブ213で挟み込むようにして点鼻用移注デバイス10と接続する。つまり、点鼻用移注デバイス10をアダプター20に安定して接続することができる。これにより、薬液31の点鼻用移注デバイス10への移注時において、点鼻用移注デバイス10がアダプター20から外れにくい。一方、リブ213による接続は強固ではないため、移注後に簡単に点鼻用移注デバイス10をアダプター20から簡単に取り外すことができる。
【0061】
また、弾性密閉部215は、YZ断面においてリング状の形状を有し、開口部は第2流体流路212と流体連通する。弾性密閉部215は、例えば、Оリングである。弾性密閉部215は、凹部211の底面に配置されるクッション性を有する弾性部材である。弾性密閉部215は、例えば、クッション性のある材料(例えば、ゴム材、軟質樹脂材およびエラストマー材)で構成される。このため、点鼻用移注デバイス10およびアダプター20は、ノズル部11の先端と第1雌係合部210との間で弾性密閉部215を押しつぶすようにして接続する。このように点鼻用移注デバイス10およびアダプター20が接続部において弾性密閉部215を押しつぶすようにして接続すると、密閉性をさらに高めることができる。これにより第1空間Aの密閉性が高まるため、点鼻用移注デバイス10への薬液31の移注において、第1空間Aの内圧を利用しやすくなる。
【0062】
切り欠き部216は、2つ存在する。2つの切り欠き部216がYZ断面において軸に介して互いに対向するようにして配置されている。このため、切り欠き部216の平面状の部材を差込み、軸を中心に回転させることで第1雌係合部210と第2雌係合部220とをよりきつく締め込んで密閉性をさらに高めることができる。これにより第1空間Aの密閉性が高まるため、点鼻用移注デバイス10への薬液31の移注において、第1空間Aの内圧を利用しやすくなる。
【0063】
-第2雌係合部-
第2雌係合部220は、ノズル部11をはめ込む第1凹部221と、バイヤル30を接続する第2凹部222と、バイヤル30との接続時にバイヤル30に孔を形成するニードル223と、バイヤル30の本体部32を保持するホールド部225と、バイヤル30の蓋部33をはめ込む爪部226と、弾性密閉部227とを有する。
【0064】
第1凹部221の内側面は、雌ねじとなっており、第2雌係合部220をはめ込む。弾性密閉部227は、第1凹部221の底面に配置され、第1流体流路224と流体連通する開口部を有する。弾性密閉部227は、YZ断面においてリング状の形状を有し、開口部は第1流体流路224と流体連通する。弾性密閉部227は、例えば、Оリングである。弾性密閉部227は、第1凹部221の底面に配置されるクッション性を有する弾性部材である。弾性密閉部227は、例えば、クッション性のある材料(例えば、ゴム材、軟質樹脂材およびエラストマー材)で構成される。このため、第1雌係合部210と第2雌係合部220との間で弾性密閉部227を押しつぶすようにして第1雌係合部210および第2雌係合部220が互いに接続する。このように第1雌係合部210および第2雌係合部220が接続部において弾性密閉部227を押しつぶすようにして接続すると、密閉性をさらに高めることができる。これにより第1空間Aの密閉性が高まるため、点鼻用移注デバイス10への薬液31の移注において、第1空間Aの内圧を利用しやすくなる。
【0065】
ホールド部225は、バイヤル30の本体部32を保持する。爪部226は、バイヤル30の蓋部33をはめ込む。このように、ホールド部225および爪部226によって、バイヤル30がアダプター20の第2雌係合部220に安定して接続されるために、バイヤル30およびアダプター20の接続部が固定され、密閉性が保持されやすくなる。これにより、第1空間Aの密閉性の低下を抑制し、点鼻用移注デバイス10への薬液31の移注において、第1空間Aの内圧を利用しやすくなる。
【0066】
リブ229は、ホールド部225の内壁面に複数配置された、矩形断面形状を有する凸部である。この複数のリブ229は、軸方向に沿って配置されており、バイヤル30接続時にバイヤル30の外面と接触する。つまり、ホールド部225は複数のリブ229と接触するようにしてバイヤル30を保持する。これにより、バイヤル30接続時の回転を防止して、バイヤル30とアダプター20との接続を強固にし、第1空間Aの密閉性を高める。
【0067】
(バイヤル)
バイヤル30は、点鼻用移注キット100を直接的に構成しないが、点鼻用移注キット100を説明する上で重要な事項であるため、説明する。
【0068】
バイヤル30は、無菌状態で薬液31が封入されている。点鼻用移注キット100にバイヤル30を接続させる場合、点鼻用移注キット100においてアダプター20の第2雌係合部220にバイヤル30を係合させる。このとき、アダプター20のニードル223がバイヤル30(の蓋部33)の天面に孔を形成する。ニードル223はノズル部11と流体連通する第1流体流路224を有するため、点鼻用移注キット100にバイヤル30が接続させた状態では、バイヤル30内とシリンジ13内と流体連通する。
【0069】
薬液31は、復元弾性部15の復元力およびバイヤル30の内圧を駆動力とするため、その粘度が比較的高くても移注され得る。このような薬液31の粘度は、例えば、25℃で100~5,000mPa・sである。
【0070】
点鼻用移注キット100は点鼻用であるため、薬液31はワクチンであっても、簡易に薬液31を点鼻用移注デバイス10に移注させることができる。
【0071】
[点鼻デバイスの使用方法:点鼻用移注デバイスへの移注と薬液の鼻腔内への噴霧]
図6~8を参照して、点鼻デバイスの使用方法の一例を説明する。
図6は、点鼻デバイス使用時における点鼻用移注デバイスを示す側面図である。
図7は、点鼻用移注キット100の使用方法を示す斜視図である。
【0072】
図7(a)に示すように、バイヤル30と接続した点鼻用移注キット100において、バイヤル30が鉛直方向となるように点鼻用移注キット100を配置した状態で、プランジャー16を押し込んで初期位置から押込位置へ移動させる。ここで、ノーズレスト12は点鼻用移注キット100から外されている。これにより、点鼻1回分の薬液の体積に相当する空気がバイヤル30内に押し込まれ、バイヤル30内の圧力(内圧)が増加する。このとき、点鼻用移注デバイス10は、
図6(a)に示すように、復元弾性部15が相対的に小さい径の第1側面部151が相対的に大きな径の第2側面部152の内部に入り込むようにして折り畳まれる。復元弾性部15には元の形状に戻ろうとする力(復元力)が生じる。
【0073】
図7(b)に示すように、バイヤル30が逆鉛直方向となるように点鼻用移注キット100を配置した状態で、プランジャー16に印加する力を解除する。ここで、復元弾性部15の復元力とバイヤル30の内圧により、プランジャー16が押込位置から初期位置に移動する。これにより、薬液31が点鼻用移注デバイス10に移注され、第1空間A内に保持される。なお、バイヤル30が逆鉛直方向となるようにして薬液31を移注するため、バイヤル30内の空気が点鼻用移注デバイス10に移注されない。このとき、点鼻用移注デバイス10は、
図6(b)に示すように、復元弾性部15が元の形状に戻るようにして、プランジャー16が押込位置から初期位置へ移動する。
【0074】
図7(c)に示すように、ノーズレスト12を点鼻用移注デバイス10に装着してノズル部11の開口部が逆鉛直方向を向くように配置して、ノズル部11の一部を鼻腔内に挿入する。この状態で、
図6(c)に示すように、プランジャー16を初期位置から押込位置に移動させて、薬液31を鼻腔内に噴霧する。
【0075】
<第4実施形態:点鼻用移注キット>
第4実施形態は点鼻用移注キットに関する。第4実施形態に係る点鼻用移注キットは、点鼻用移注デバイス10の代わりに点鼻用移注デバイス10Aを備える点において、第3実施形態に係る点鼻用移注キット100と異なる。以下、この相違する構成を主として説明する。なお、第4実施形態において、第1~3実施形態と同一の符号は、それぞれ第1~3実施形態と同じ構成であるため、原則としてその説明を省略する。
【0076】
第4実施形態に係る点鼻用移注キット100Aにおける点鼻用移注デバイス10Aでは、復元弾性部15の内側面と、プランジャー16の円盤部163と、フランジ14とで画定される第2空間Bは外部から密閉されている。このため、
図9に示すように、点鼻用移注デバイス10A、アダプター20およびバイヤル30を接続させた状態で、プランジャー16をフランジ14に対して初期位置から押込位置へ移動させて第2空間Bの内圧を高め、内圧によってプランジャー16をシリンジ13に対して押込位置から初期位置へ移動させて薬液31を点鼻用移注デバイス10Aに移注することができる。
【0077】
つまり、第4実施形態に係る点鼻用移注キット100Aでは、第3実施形態における第1空間Aの内圧および復元弾性部15の復元力に加え、第2空間Bの内圧を利用して、薬液31を点鼻用移注デバイス10Aへ移注することができる。このため、点鼻用移注キット100Aは、より簡単に薬液31を点鼻用移注デバイス10Aへ移注することができる。
【0078】
<第5実施形態:点鼻用移注キット>
第5実施形態は点鼻用移注キットに関する。第5実施形態に係る点鼻用移注キットは、アダプター20の代わりにアダプター20Bを備える点において、第3実施形態に係る点鼻用移注キット100と異なる。以下、この相違する構成を主として説明する。なお、第4実施形態において、第1~3実施形態と同一の符号は、それぞれ第1~3実施形態と同じ構成であるため、原則としてその説明を省略する。
【0079】
図9および
図10を参照して、第5実施形態に係る点鼻用移注キットにおけるアダプターを説明する。
図10は、第5実施形態に係る点鼻用移注キットにおけるアダプターを示す断面図である。アダプター20Bは、第4実施形態に係るアダプター20に対して、第1雌係合部210Bおよび第2雌係合部220Bが一体化している点に相違する。厳密には、アダプター20Bは、アダプター20に対して、さらに弾性密閉部215およびリブ213を有しない点で相違する。ただし、他の態様ではアダプター20Bはこれらのうちの少なくとも1つを有してもよい。
【0080】
アダプター20Bは、アダプター20Bは接合部の箇所が少ないため、点鼻用移注デバイス100、アダプター20Bおよびバイヤル30が接続している状態で、第1空間Aからバイヤル30の内部まで軸方向に連通する空間の密閉性がより向上する。これにより、内圧が高まりやすく、薬液31を点鼻用移注デバイス10Aに移注することができる。
【0081】
<その他の実施形態>
本開示は上述の実施形態に限定されず、本開示の要旨を逸脱しない範囲で設計変更可能である。
【0082】
第1実施形態では、フランジ14は、YZ平面視で略楕円状であるが、これに限定されない。例えば、指と復元弾性部がかかれば、どのような形状であってもよい。
【0083】
リブ213は、凹部211の内側面の開口側に配置されているが、これに限定されない。リブ213の配置箇所は、凹部211の内側面の第2流体流路212側であってもよい。
【0084】
本開示に係る点鼻用移注デバイスおよび点鼻用移注デバイスを備える移注点鼻デバイスの態様は、以下の通りである。
<1>
薬液が封入されたバイヤルから該薬液を移注する点鼻用移注デバイスであって、
前記薬液を噴射するノズル部と、
前記ノズル部と接続し、略中空円筒状のシリンジと、
前記シリンジに対して初期位置と押込位置との間で軸方向に挿通可能に配置され、略円柱状の本体部と、該本体部の一端部に配置されたガスケットと、該本体部の他端部に配置された押圧力を印加する円盤部とを有するプランジャーと、
前記プランジャーが前記シリンジに対して前記初期位置から前記押込位置へ移動するに従って、変形して復元力を生じさせる復元弾性部と
を備え、
前記シリンジの内壁および前記プランジャーの前記ガスケットが前記点鼻用移注デバイス内の前記薬液を保持する第1空間を画定し、
前記復元弾性部が前記復元力によって元の形状に復元することに伴って、前記薬液が前記第1空間に移注される、点鼻用移注デバイス。
<2>
前記ノズル部が、前記バイヤルと前記点鼻用移注デバイスとの間に配置されるアダプターと接続可能であり、
前記第1空間から前記バイヤルの内部まで軸方向に連通する空間が外部から密閉されている、<1>に記載の点鼻用移注デバイス。
<3>
前記復元弾性部は、1段階で変形する、<1>または<2>に記載の点鼻用移注デバイス。
<4>
前記復元弾性部は、中空構造を有する、<1>~<3>のいずれか1つに記載の点鼻用移注デバイス。
<5>
前記復元弾性部は、中空円筒状の第1側面部と、該第1側面部よりも大きな径の中空円筒状の第2側面部と、前記第1側面部と前記第2側面部とを接続する円錐状の傾斜部とを有する、<1>~<4>のいずれか1つに記載の点鼻用移注デバイス。
<6>
前記プランジャーが前記シリンジに対して前記初期位置から前記押込位置へ移動するに従い、前記第1側面部が前記第2側面部の内部に入り込むようにして変形する、<5>に記載の点鼻用移注デバイス。
<7>
前記プランジャーが挿入される前記シリンジの開口部側にフランジをさらに有し、
前記復元弾性部の前記第1側面部が前記フランジと接続し、
前記復元弾性部の前記第2側面部が前記ブランジャーの前記円盤部と接続し、
前記復元弾性部の内側面と、前記円盤部と、前記フランジとで画定される第2空間が外部から密閉されている、<5>または<6>に記載の点鼻用移注デバイス。
<8>
前記円盤部に印加する押圧力によって前記プランジャーが前記シリンジに対して前記初期位置から前記押込位置へ移動するに従って、前記第2空間の体積が減少して、前記第2空間の内圧が増加する、<7>に記載の点鼻用移注デバイス。
<9>
前記復元弾性部は、前記プランジャーの軸方向の移動に伴って変形する、<7>または<8>に記載の点鼻用移注デバイス。
<10>
前記第1側面部および前記2側面の厚みは、前記傾斜部の厚みに比べ大きい、<5>~<9>のいずれか1つに記載の点鼻用移注デバイス。
<11>
前記傾斜部は、軸方向に対して単一方向に傾斜している、<5>~<10>のいずれか1つに記載の点鼻用移注デバイス。
<12>
前記プランジャーは、軸方向に対して断面形状が実質的に同一である、<1>~<11>のいずれか1つに記載の点鼻用移注デバイス。
<13>
前記プランジャーが前記初期位置にある場合、前記第1空間は点鼻1回分の薬液に相当する、<1>~<12>のいずれか1つに記載の点鼻用移注デバイス。
<14>
<1>~<13>のいずれか1つに記載の点鼻用移注デバイスと、
前記点鼻用移注デバイスと係合するアダプターと
を備え、
前記アダプターが
前記ノズル部と係合する第1雌係合部と、
該第1雌係合部と対向し、前記バイヤルと係合する第2雌係合部と、
前記点鼻用移注デバイスおよび前記アダプターが接続している状態で、前記ノズル部と流体連通する第1流体流路を有するニードルと
を有する、アダプター連結吸い上げ式点鼻用移注キット。
<15>
前記第1雌係合部は、弾性密閉部をさらに有し、
前記点鼻用移注デバイスおよび前記アダプターは、前記ノズル部の先端と前記第1雌係合部との間で前記弾性密閉部を押しつぶすようにして接続する、<14>に記載のアダプター連結吸い上げ式点鼻用移注キット。
<16>
前記第1雌係合部は、断面視で、凹部の内側面にリブをさらに有し、
前記アダプターは、前記ノズル部を前記リブで挟み込むようにして前記点鼻用移注デバイスと接続する、<14>または<15>に記載のアダプター連結吸い上げ式点鼻用移注キット。
<17>
前記点鼻用移注デバイスは、前記プランジャーが挿入される前記シリンジの開口部側にフランジをさらに有し、
前記点鼻用移注デバイス、前記アダプターおよび前記バイヤルを接続させた状態で、前記プランジャーを前記フランジに対して初期位置から押込位置へ移動させて前記バイヤル内に外気を注入して前記バイヤル内の内圧を高め、該内圧および前記復元弾性部の復元力によって前記プランジャーを前記シリンジに対して前記押込位置から前記初期位置へ移動させて前記薬液を前記点鼻用移注デバイスに移注する、<14>~<16>のいずれか1つに記載のアダプター連結吸い上げ式点鼻用移注キット。
<18>
前記点鼻用移注デバイスは、前記プランジャーが挿入される前記シリンジの開口部側にフランジをさらに有し、
前記復元弾性部は、中空円筒状の第1側面部と、該第1側面部よりも大きな径の中空円筒状の第2側面部と、前記第1側面部と前記第2側面部とを接続する円錐状の傾斜部とを有し、
前記復元弾性部の前記第1側面部が前記フランジと接続し、
前記復元弾性部の前記第2側面部が前記ブランジャーの前記円盤部と接続し、
前記復元弾性部の内側面と、前記円盤部と、前記フランジとで画定される第2空間が外部から密閉されており、
前記点鼻用移注デバイス、前記アダプターおよび前記バイヤルを接続させた状態で、前記プランジャーを前記フランジに対して初期位置から押込位置へ移動させて前記第2空間の内圧を高め、該内圧によって前記プランジャーを前記シリンジに対して前記押込位置から前記初期位置へ移動させて前記薬液を前記点鼻用移注デバイスに移注する、<17>に記載のアダプター連結吸い上げ式点鼻用移注キット。
<19>
前記薬液がワクチンである、<14>~<18>のいずれか1つに記載のアダプター連結吸い上げ式点鼻用移注キット。
<20>
前記薬液の粘度が20℃で100~5,000mPa・sである、<14>~<19>のいずれか1つに記載のアダプター連結吸い上げ式点鼻用移注キット。
<21>
前記第1雌係合部および第2雌係合部が一体化している、<14>~<20>のいずれか1つに記載のアダプター連結吸い上げ式点鼻用移注キット。
【産業上の利用可能性】
【0085】
本開示に係る点鼻用移注デバイスおよびアダプター連結吸い上げ式点鼻用移注キットは、薬液を移注して経鼻により患者へ薬液を投与することに利用することができる。
【符号の説明】
【0086】
10,10A ・・・点鼻用移注デバイス
11 ・・・ノズル部
12 ・・・ノーズレスト
13 ・・・シリンジ
131 ・・・本体部
132 ・・・第1開口部
133 ・・・第2開口部
14 ・・・フランジ
15 ・・・復元弾性部
151 ・・・第1側面部
152 ・・・第2側面部
153 ・・・傾斜部
16 ・・・プランジャー
161 ・・・ガスケット
162 ・・・本体部
163 ・・・円盤部
20,20B ・・・アダプター
210 ・・・第1雌係合部
211 ・・・凹部
213 ・・・リブ
215 ・・・弾性密閉部
220 ・・・第2雌係合部
223 ・・・ニードル
224 ・・・第1流体流路
30 ・・・バイヤル
31 ・・・薬液
100,100A ・・・アダプター連結吸い上げ式点鼻用移注キット(点鼻用移注キット)