(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024148036
(43)【公開日】2024-10-17
(54)【発明の名称】データ出入力システム、画像形成装置、画像読取装置、及び情報処理装置
(51)【国際特許分類】
H04N 1/00 20060101AFI20241009BHJP
G06F 21/62 20130101ALI20241009BHJP
B41J 29/00 20060101ALI20241009BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20241009BHJP
【FI】
H04N1/00 838
H04N1/00 127Z
G06F21/62 318
B41J29/00 Z
B41J29/38 201
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023060916
(22)【出願日】2023-04-04
(71)【出願人】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003443
【氏名又は名称】弁理士法人TNKアジア国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ユナリリ・マイ・クルパ
(72)【発明者】
【氏名】リネル・グマパック
(72)【発明者】
【氏名】ジャキ・アギラ
【テーマコード(参考)】
2C061
5C062
【Fターム(参考)】
2C061AP03
2C061AP04
2C061AP07
2C061AQ06
2C061AR01
2C061CL10
2C061HJ07
2C061HJ08
2C061HN04
2C061HN15
5C062AA05
5C062AA13
5C062AA29
5C062AB17
5C062AB22
5C062AB38
5C062AB40
5C062AC02
5C062AC04
5C062AC22
5C062AC30
5C062AC34
5C062AF06
5C062AF12
(57)【要約】
【課題】
機密性の高いデータの出入力を、安全性を確保した上で容易に行なえるようにする。
【解決手段】
画像形成装置1Aの制御部10は、データの出入力条件を含む二次元コード300を生成し、二次元コード300の印刷処理又は送信処理を実行する。画像形成装置1Bの制御部10は、画像読取部11に対し、二次元コード300を読取らせて画像データを生成させ、通信部22を介して、画像データを情報処理装置2に送信する。情報処理装置2の制御部30は、通信部34を介して受信した画像データが示す二次元コード300から出入力条件を取得し、出入力条件が満たされている場合に、通信部34を介して、画像形成装置1AのHDD18から出入力対象とするデータを取得するとともに、取得した出入力対象とするデータを画像形成装置1Bに送信する。画像形成装置1Bの制御部10は、通信部22を介して、出入力対象とするデータを受信する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置と、画像読取装置と、情報処理装置とを含むデータ出入力システムであって、
前記画像形成装置は、
記録媒体に画像を形成する画像形成部と、
ネットワークを介して外部装置と通信を行なう第1通信部と、
出入力対象とするデータを記憶する記憶部と、
データの出入力条件を含む二次元コードを生成し、前記画像形成部に対し、前記二次元コードを前記記録媒体に形成させる処理、又は、前記第1通信部を介して、前記二次元コードを前記外部装置に送信する処理を実行する第1制御部と、を備え、
前記画像読取装置は、
ネットワークを介して外部装置と通信を行なう第2通信部と、
原稿を読取って画像データを生成する画像読取部と、
前記画像読取部に対し、前記記録媒体上の又は前記外部装置に表示されている前記二次元コードを読取らせて画像データを生成させ、前記第2通信部を介して、前記画像データが示す出入力条件情報を前記情報処理装置に送信する第2制御部と、を備え、
前記情報処理装置は、
ネットワークを介して外部装置と通信を行なう第3通信部と、
前記第3通信部を介して、前記画像読取装置から送信されてくる前記画像データを受信すると、前記出入力条件情報から前記出入力条件を取得し、前記出入力条件が満たされている場合に、前記第3通信部を介して、前記画像形成装置の前記記憶部から前記出入力対象とするデータを取得するとともに、取得した前記出入力対象とするデータを前記画像読取装置に送信する第3制御部と、を備え、
前記画像読取装置の前記第2制御部は、前記第2通信部を介して、前記出入力対象とするデータを受信する、データ出入力システム。
【請求項2】
前記画像形成装置の前記第1制御部は、前記出入力条件として、受信者を含む前記二次元コードを生成し、
前記情報処理装置の前記第3制御部は、前記画像読取装置のログインユーザーが前記受信者と一致する場合、前記出入力条件が満たされていると判定し、前記画像読取装置のログインユーザーが前記受信者と一致しない場合、前記出入力条件が満たされていないと判定する、請求項1に記載のデータ出入力システム。
【請求項3】
前記画像形成装置の前記第1制御部は、前記出入力条件として、有効期限を含む前記二次元コードを生成し、
前記情報処理装置の前記第3制御部は、現在の日時が前記有効期限を超過していない場合、前記出入力条件が満たされていると判定し、現在の日時が前記有効期限を超過している場合、前記出入力条件が満たされていないと判定する、請求項1に記載のデータ出入力システム。
【請求項4】
前記画像形成装置の前記第1制御部は、前記出入力条件として、使用回数を含む前記二次元コードを生成し、
前記情報処理装置の前記第3制御部は、前記出入力対象とするデータの取得回数が前記使用回数を超過していない場合、前記出入力条件が満たされていると判定し、前記出入力対象とするデータの取得回数が前記使用回数を超過している場合、前記出入力条件が満たされていないと判定する、請求項1に記載のデータ出入力システム。
【請求項5】
前記画像読取装置は、表示部と、ユーザーの指示が入力される操作部とを更に備え、
前記画像形成装置の前記第1制御部は、前記出入力条件として、パスコードを含む前記二次元コードを生成し、
前記情報処理装置の前記第3制御部は、前記第3通信部を介して、前記出入力条件情報から得た前記パスコードを前記画像読取装置に送信し、
前記画像読取装置の前記第2制御部は、前記第2通信部を介して、前記パスコードを受信すると、前記パスコードの入力画面を前記表示部に表示させ、前記操作部を介してパスコードの入力を受付けると、入力された前記パスコードが受信した前記パスコードと一致するか否かを判定し、一致する場合には、前記第2通信部を介して一致情報を前記情報処理装置に送信し、一致しない場合には、前記第2通信部を介して不一致情報を前記情報処理装置に送信し、
前記第3制御部は、前記第3通信部を介して前記一致情報を受信した場合には、前記出入力条件が満たされていると判定し、前記第3通信部を介して前記不一致情報を受信した場合には、前記出入力条件が満たされていないと判定する、請求項1に記載のデータ出入力システム。
【請求項6】
記録媒体に画像を形成する画像形成部と、
ネットワークを介して外部装置と通信を行なう第1通信部と、
出入力対象とするデータを記憶する記憶部と、
データの出入力条件を含む二次元コードを生成し、前記画像形成部に対し、前記二次元コードを前記記録媒体に形成させる処理、又は、前記第1通信部を介して、前記二次元コードを前記外部装置に送信する処理を実行する第1制御部と、を備える、画像形成装置。
【請求項7】
ネットワークを介して外部装置と通信を行なう第2通信部と、
原稿を読取って画像データを生成する画像読取部と、
前記画像読取部に対し、前記記録媒体上の又は前記外部装置に表示されている前記二次元コードを読取らせて画像データを生成させ、前記第2通信部を介して、前記画像データが示す出入力条件情報を前記情報処理装置に送信し、前記第2通信部を介して、前記出入力対象とするデータを受信する第2制御部と、を備える、画像読取装置。
【請求項8】
ネットワークを介して外部装置と通信を行なう第3通信部と、
前記第3通信部を介して、前記画像読取装置から送信されてくる前記画像データを受信すると、前記出入力条件情報から前記出入力条件を取得し、前記出入力条件が満たされている場合に、前記第3通信部を介して、前記画像形成装置の前記記憶部から前記出入力対象とするデータを取得するとともに、取得した前記出入力対象とするデータを前記画像読取装置に送信する第3制御部と、を備える、情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データ出入力システム、画像形成装置、画像読取装置、及び情報処理装置に関し、特に、画像形成装置から画像読取装置へのデータの出力を行なうための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
デバイスに対するアクセスを行なう際に、予め定められたコードを用いる技術が知られている。例えば、特許文献1は、プログラムコードを用いて認証を行なう技術を開示している。特許文献2は、デバイスにアクセスするときの安全性を向上させるために、認証用のQR(Quick Response)コード(登録商標)を定期的に変化させる技術を開示している。特許文献3は、電子デバイス間の接続の確立を容易するために、接続管理データをQRコード(登録商標)等のコンテキストコードに符号化する技術を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第10218700号明細書
【特許文献2】米国特許第10430568号明細書
【特許文献3】米国特許第8998076号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
画像形成装置は、ドキュメントファイル、アドレス帳、各種ジョブの設定内容、及びネットワークの設定内容等の機密性の高いデータを保有している場合がある。このような機密性の高いデータを他の画像形成装置に出力する場合には、当該データの出入力の実行が許可されている予め定められたメンテナンス担当者又は管理者を呼ぶ必要があるため、手間及び時間がかかる。
【0005】
また、機密性の高いデータを複数のユーザーで共有するために、データのパスワードを複数のユーザーで共有することは、安全上好ましくない。さらに、機密性の高いデータを出力するために、USB(Universal Serial Bus)メモリー等のデバイスに当該データを記憶させたり、電子メールに当該データを添付したりする場合、当該データの内容が外部に漏洩するおそれがある。
【0006】
特許文献1乃至特許文献3に開示されている技術は、単にデバイスに対するアクセスを行なうための技術であるため、上記した問題を解決できない。
【0007】
本発明は、上記の事情に鑑みなされたものであり、機密性の高いデータの出入力を、安全性を確保した上で容易に行なえるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一局面に係るデータ出入力システムは、画像形成装置と、画像読取装置と、情報処理装置とを含む。画像形成装置は、記録媒体に画像を形成する画像形成部と、ネットワークを介して外部装置と通信を行なう第1通信部と、出入力対象とするデータを記憶する記憶部と、データの出入力条件を含む二次元コードを生成し、画像形成部に対し、二次元コードを記録媒体に形成させる処理、又は、第1通信部を介して、二次元コードを外部装置に送信する処理を実行する第1制御部と、を備える。画像読取装置は、ネットワークを介して外部装置と通信を行なう第2通信部と、原稿を読取って画像データを生成する画像読取部と、画像読取部に対し、記録媒体上の又は外部装置に表示されている二次元コードを読取らせて画像データを生成させ、第2通信部を介して、画像データが示す出入力条件情報を情報処理装置に送信する第2制御部と、を備える。情報処理装置は、ネットワークを介して外部装置と通信を行なう第3通信部と、第3通信部を介して、画像読取装置から送信されてくる画像データを受信すると、出入力条件情報から出入力条件を取得し、出入力条件が満たされている場合に、第3通信部を介して、画像形成装置の記憶部から出入力対象とするデータを取得するとともに、取得した出入力対象とするデータを画像読取装置に送信する第3制御部と、を備える。画像読取装置の第2制御部は、第2通信部を介して、出入力対象とするデータを受信する。
【0009】
本発明の他の一局面に係る画像形成装置は、記録媒体に画像を形成する画像形成部と、ネットワークを介して外部装置と通信を行なう第1通信部と、出入力対象とするデータを記憶する記憶部と、データの出入力条件を含む二次元コードを生成し、画像形成部に対し、二次元コードを記録媒体に形成させる処理、又は、第1通信部を介して、二次元コードを外部装置に送信する処理を実行する第1制御部と、を備える。
【0010】
本発明の他の一局面に係る画像読取装置は、ネットワークを介して外部装置と通信を行なう第2通信部と、原稿を読取って画像データを生成する画像読取部と、画像読取部に対し、記録媒体上の又は外部装置に表示されている二次元コードを読取らせて画像データを生成させ、第2通信部を介して、画像データが示す出入力条件情報を情報処理装置に送信し、第2通信部を介して、出入力対象とするデータを受信する第2制御部と、を備える。
【0011】
本発明の他の一局面に係る情報処理装置は、ネットワークを介して外部装置と通信を行なう第3通信部と、第3通信部を介して、画像読取装置から送信されてくる画像データを受信すると、出入力条件情報から出入力条件を取得し、出入力条件が満たされている場合に、第3通信部を介して、画像形成装置の記憶部から出入力対象とするデータを取得するとともに、取得した出入力対象とするデータを画像読取装置に送信する第3制御部と、を備える。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、二次元コードが示す出入力条件が満たされている場合にのみ、画像形成装置から画像読取装置へのデータの出入力が行なわれるので、手間及び時間をかけることなく、データの出入力に係る安全性を確保できる。また、ネットワーク経由でデータの出入力が行なわれるので、機密性の高いデータの内容が外部に漏洩することを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】データ出入力システムの構成を示す図である。
【
図2】画像形成装置の構造を示す正面断面図である。
【
図3】画像形成装置の内部構成を示すブロック図である。
【
図4】情報処理装置の内部構成を示すブロック図である。
【
図5】二次元コード出力処理の流れを示す図である。
【
図6】二次元コード出力処理を示すフローチャートである。
【
図7】ドキュメント選択画面の一例を示す図である。
【
図10】アクセスレベル設定画面の一例を示す図である。
【
図11】データ取得処理及びデータ転送処理の流れを示す図である。
【
図12】データ取得処理を示すフローチャートである。
【
図13】データ転送処理を示すフローチャートである。
【
図16】ユーザー毎のアクセス権限の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の一実施形態に係るデータ出入力システムについて図面を参照して説明する。
図1は、データ出入力システム3の構成を示す図である。
図1を参照して、データ出入力システム3は、画像形成装置1A,1B,1Cと、情報処理装置2と、を含む。
【0015】
本実施形態において、画像形成装置1Aはオフィスビルの2階に設置されている。画像形成装置1Bはオフィスビルの6階に設置されている。画像形成装置1Cはオフィスビルの15階に設置されている。以下、画像形成装置1A,1B,1Cを総称する場合、単に「画像形成装置1」と記す。なお、画像形成装置1の数は3つに限定されず、4つ以上であってもよい。
【0016】
[画像形成装置1の構成]
図2は、画像形成装置1の構造を示す正面断面図である。
図3は、画像形成装置1の内部構成を示すブロック図である。
図2及び
図3を参照して、画像形成装置1は、コピー機能、送信機能、プリンター機能、及びファクシミリ機能等の複数の機能を備えるカラー複合機である。
【0017】
画像形成装置1の筐体には、画像形成装置1の様々な機能を実現するための複数の機器が収容されている。例えば、画像形成装置1の筐体には、画像読取部11、画像形成部12、定着部13、及び給紙部14等が収容されている。
【0018】
画像読取部11は、原稿台に載置されている原稿を搬送する原稿搬送部6と、原稿搬送部6によって搬送されてくる原稿又はプラテンガラス7に載置されている原稿を光学的に読み取るスキャナーと、を含むADF(Auto Document Feeder)である。画像読取部11は、光照射部により原稿を照射し、反射光をCCD(Charge-Coupled Device)センサーで受光することによって、原稿を読取って、画像データを生成する。
【0019】
画像形成部12は、感光体ドラム、帯電装置、露光装置、現像装置、及び転写装置を含む。画像形成部12は、画像読取部11によって生成された画像データ、又は、通信部22を介して入力された画像データ等に基づいて、搬送部17によって搬送路Tに沿って搬送されてくる記録紙Pに、トナー像によって構成されている画像を形成する。
【0020】
定着部13は、画像形成部12によってトナー像が形成された記録紙Pを加熱及び加圧することによってトナー像を記録紙Pに定着させる。定着部13によってトナー像が定着された記録紙Pは、排出トレイ8に排出される。
【0021】
給紙部14は、手差しトレイ、及び複数の給紙カセットを備える。給紙部14は、複数の給紙カセットのいずれかに収容されている記録紙P、又は手差しトレイに載置されている記録紙をピックアップローラーによって一枚ずつ引出して、搬送路Tに給紙する。
【0022】
画像形成装置1は、制御ユニット100を含む。制御ユニット100は、プロセッサー、RAM(Random Access Memory)、及びROM(Read Only Memory)等を含む。プロセッサーは、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、又はASIC(Application Specific Integrated Circuit)等である。制御ユニット100は、ROM又はHDD18に記憶されている制御プログラムが上記プロセッサーによって実行されることにより、制御部10として機能する。
【0023】
制御部10は、画像形成装置1の全体制御を司る。より詳細には、制御部10は、画像形成装置1の各部の動作、及び、ネットワークを介して接続されている情報処理装置2等との通信を制御する。なお、制御部10は、上記制御プログラムに基づく動作によらず、ロジック回路により構成されていてもよい。
【0024】
制御部10は、後述する第1プログラムにしたがって動作することで、データの出入力条件を含む二次元コードを生成し、生成した二次元コードの印刷処理又は送信処理を実行する二次元コード出力処理を実行する。
【0025】
制御部10はまた、後述する第2プログラムにしたがって動作することで、画像読取部11に対し、二次元コードを読取らせて画像データを生成させ、画像データが示す出入力条件情報を、通信部22を介して情報処理装置2に送信し、出入力対象とするデータを、通信部22を介して受信するデータ取得処理を実行する。
【0026】
制御ユニット100は、原稿搬送部6、画像読取部11、画像形成部12、定着部13、給紙部14、表示部15、操作部16、搬送部17、HDD18、画像処理部19、画像メモリー20、ファクシミリ通信部21、及び通信部22等と電気的に接続されている。
【0027】
表示部15は、液晶ディスプレイ又は有機EL(Organic Light-Emitting Diode)ディスプレイ等によって構成されている表示装置である。表示部15は、画像形成装置1によって実行可能な各処理についての各種の画面を表示する。
【0028】
操作部16は、各処理の実行開始を指示するためのスタートキー16A等の複数のハードキーを含む。操作部16はまた、表示部15の表示領域に重ねて配置されているタッチパネル16Bを含む。操作部16には、ユーザーの指示等が入力される。
【0029】
搬送部17は、搬送ローラー対17A及び排出ローラー対17B等と、搬送ローラー対17A及び排出ローラー対17B等と接続されている搬送モーターとを含む。制御部10は、搬送モーターを駆動させて搬送ローラー対17A及び排出ローラー対17B等を回転させることによって、画像形成部12及び排出トレイ8に向けて、給紙部14によって給紙されてくる記録紙Pを搬送路Tに沿って搬送させる。
【0030】
HDD18は、画像読取部11によって生成された画像データ等の各種データを記憶するための大容量の記憶装置である。HDD18は、特許請求の範囲における記憶部の一例である。HDD18は、画像形成装置1の動作を実現するための各種制御プログラムを記憶している。HDD18は、上記した各種制御プログラムの一つとして、本発明の一実施形態に係る二次元コード出力処理を実行するための第1プログラムと、データ取得処理を実行するための第2プログラムとを記憶している。
【0031】
HDD18は、上記した各種制御プログラムの一つとして、一般的な二次元コード生成プログラムを記憶している。制御部10は、二次元コード生成プログラムに従って動作することによって、二次元コードを生成する。二次元コードとしては、一般的に使用されているものであれば特に限定されないが、例えば、QR(Quick Response)コード(登録商標)である。
【0032】
HDD18は、ログイン認証に用いるための認証情報として、画像形成装置1のログインを許可されているユーザーのユーザーID、及び当該ユーザーIDに対応するパスワードを、ユーザー毎に記憶している。
【0033】
画像処理部19は、画像読取部11によって生成された画像データに対して、必要に応じて画像処理を実行する。画像メモリー20は、画像読取部11によって生成された画像データを一時的に記憶する領域を含む。ファクシミリ通信部21は、公衆回線への接続を行ない、公衆回線を介して画像データの送受信を行なう。
【0034】
通信部22は、LAN(Local Area Network)ボード等の通信モジュールを含む。制御部10は、通信部22を介して、ネットワークを介して接続されている情報処理装置2等の外部装置とデータ通信を行なう。
【0035】
画像形成装置1の各部には電源が接続されており、当該電源から電力が供給されることによって、画像形成装置1の各部が動作する。
【0036】
[情報処理装置2の構成]
図4は、情報処理装置2の内部構成を示すブロック図である。
図4を参照して、情報処理装置2は、例えばサーバー装置である。情報処理装置2は、制御ユニット300を備える。制御ユニット300は、プロセッサー、RAM及びROM等を含む。プロセッサーは、例えば、CPU、MPU、又はASIC等である。制御ユニット300は、操作部31、表示部32、HDD33、及び通信部34等と電気的に接続されている。
【0037】
制御ユニット300は、ROM又はHDD33に記憶されている制御プログラムが上記プロセッサーによって実行されることにより、制御部30として機能する。制御部30は、情報処理装置2の全体制御を司る。より詳細には、制御部30は、情報処理装置2の各部の動作、及び、ネットワークを介して接続されている画像形成装置1との通信を制御する。なお、制御部30は、上記制御プログラムに基づく動作によらず、ロジック回路により構成されていてもよい。
【0038】
制御部30はまた、後述する転送プログラムにしたがって動作することによって、通信部34を介して、例えば画像形成装置1Bから送信されてくる画像データを受信すると、出入力条件情報から出入力条件を取得し、出入力条件が満たされている場合に、通信部34を介して、例えば画像形成装置1AのHDD18から出入力対象とするデータを取得するとともに、取得した出入力対象とするデータを画像形成装置1Bに送信するデータ転送処理を実行する。
【0039】
操作部31は、文字の入力等を行なうためのキーボードと、ポインティングデバイスであるマウスと、を含む。操作部31には、情報処理装置2が実行可能な各処理についてのユーザーの指示等が入力される。
【0040】
表示部32は、液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイ等によって構成されている表示装置である。表示部32は、情報処理装置2における処理結果等を示す各種の画面を表示する。
【0041】
HDD33は、画像データ等の各種データを記憶するための大容量の記憶装置である。HDD33は、情報処理装置2の一般的な動作を実現するための各種制御プログラムを記憶する。HDD33は、上記した各種制御プログラムの一つとして、本発明の一実施形態に係るデータ転送処理を実行するための転送プログラムを記憶している。
【0042】
HDD33は、各種制御プログラムの一つとして、一般的な二次元コード読取りプログラムを記憶している。制御部30は、二次元コード読取りプログラムに従って動作することによって、二次元コードを解析して、二次元コードが示す情報を取得する。
【0043】
通信部34は、LANボード等の通信モジュールを含む。制御部30は、通信部34を介して、ネットワークを介して接続されている画像形成装置1等の外部装置とデータ通信を行なう。
【0044】
情報処理装置2の各部には電源が接続されており、当該電源から電力が供給されることによって、情報処理装置2の各部が動作する。
【0045】
[動作]
以下、
図5乃至
図15等を参照して、画像形成装置1及び情報処理装置2の動作について説明する。以下の説明では、画像形成装置1は、電源が投入されている状態であるものとする。なお、画像形成装置1Aは、特許請求の範囲における画像形成装置に対応し、画像形成装置1Bは、特許請求の範囲における画像読取装置に対応する。
【0046】
(1)二次元コード出力処理時における画像形成装置1Aの動作
図5は、二次元コード出力処理の流れを示す図である。
図6は、二次元コード出力処理を示すフローチャートである。
図7は、ドキュメント選択画面70の一例を示す図である。
図8は、出力処理選択画面80の一例を示す図である。
図9は、プロパティ設定画面90の一例を示す図である。
図10は、アクセスレベル設定画面101の一例を示す図である。
【0047】
図5に示すように、オフィスビルの2階に勤務しているユーザーAは、オフィスビルの6階に勤務しているユーザーB、及び、オフィスビルの15階に勤務しているユーザーCと、画像形成装置1Aが保有しているドキュメントを共有したいと考えている。
【0048】
尚、以下の説明では、ユーザーAがオフィスビルの2階に設置されている画像形成装置1Aを用いて二次元コード出力処理を実行するときの動作を代表して説明するが、ユーザーBがオフィスビルの6階に設置されている画像形成装置1Bを用いて二次元コード出力処理を実行するとき、及び、ユーザーCがオフィスビルの15階に設置されている画像形成装置1Cを用いて二次元コード出力処理を実行するときにおいても同様の動作が実行される。
【0049】
図5に示すように、ユーザーAは、ログイン認証を行なうために、画像形成装置1Aのタッチパネル16Bを用いて、ユーザーID及びパスワードを入力する。画像形成装置1Aの制御部10は、入力されたユーザーID及びパスワードと、HDD18に予め記憶されている認証情報とが一致する場合、画像形成装置1Aに対するログインを許可する。一方、制御部10は、入力されたユーザーID及びパスワードと認証情報とが一致しない場合、画像形成装置1Aに対するログインを許可することなく、ログイン不可であることを示すエラーメッセージを表示部15に表示させる。
【0050】
この場合、制御部10は、ユーザーAによる画像形成装置1Aに対するログインを許可する。このような状況で、ユーザーAは、タッチパネル16Bを用いて、ドキュメント選択画面の表示指示を入力する。ここで、HDD18は、ユーザーAのドキュメントボックスに、機密性の高い複数のドキュメントファイル(以下、単に「ドキュメント」と記す。)を記憶しているものとする。
【0051】
制御部10は、タッチパネル16Bを介して上記表示指示を受付けると、
図7に示すドキュメント選択画面70を表示部15に表示させる。制御部10は、表示部15に対し、ユーザーAのドキュメントボックスに保存されている複数のドキュメントのファイル名を表示させている。ユーザーAは、ドキュメント選択画面70における、ファイル名が「Document0001」の第1ドキュメント及びファイル名が「Document 0010」の第2ドキュメントを出入力対象とするデータとしてそれぞれ選択するためのチェックボックス71及び72にチェックを入れ、キー73をタッチしたものとする。
【0052】
タッチパネル16Bがキー73に対するタッチ操作を検出すると、制御部10は、
図6に示す二次元コード出力処理の実行を開始して、
図8に示す出力処理選択画面80を表示部15に表示させる(ステップS10)。ステップS10の処理後、制御部10は、出力処理選択画面80における、二次元コードの印刷処理を選択するためのキー81又は二次元コードの送信処理を選択するためのキー82がタッチされるまで、印刷指示を受付けていないと判定する処理(ステップS11にてNO)、及び、送信指示を受付けていないと判定する処理(ステップS12にてNO)を繰返す。
【0053】
(1-1)印刷指示を受付けた場合
ユーザーAがキー81をタッチすると、制御部10は、印刷指示を受付けたと判定し(ステップS11にてYES)、印刷設定画面を表示部15に表示させる(ステップS13)。ステップS13の処理後、制御部10は、スタートキー16Aが押下されるまで、印刷開始指示を受付けていないと判定する処理(ステップS14にてNO)を繰返す。
【0054】
制御部10は、タッチパネル16Bを介して受付けたユーザーAの指示にしたがって、各種印刷設定を行なう。この場合、制御部10は、ユーザーAの指示にしたがって、印刷部数として「2」部を設定したものとする。制御部10はまた、タッチパネル16Bが、印刷設定画面におけるプロパティ設定画面の表示指示を入力するためのキーに対するユーザーAのタッチ操作を検出すると、
図9に示すプロパティ設定画面90を表示部15に表示させる。
【0055】
制御部10は、表示部15に対し、プロパティ設定画面90に、二次元コードの受信者を設定するためのキー91を表示させている。制御部10は、タッチパネル16Bがキー91に対するユーザーAのタッチ操作を検出すると、複数の受信者候補を示す候補リストを表示部15に表示させる。制御部10は、タッチパネル16Bを介して候補リストに対するユーザーAのタッチ操作を検出して、受信者として、ユーザーB及びユーザーCを設定したものとする。
【0056】
制御部10は、表示部15に対し、プロパティ設定画面90に、二次元コードの有効期限を設定するためのキー92を表示させている。この場合、制御部10は、表示部15に対し、予め設定されているデフォルトの有効期限(ここでは、プロパティ設定画面90の表示時点から予め定められた期間(例えば24時間)の経過時点である「2020年04月24日21時38分」)を、キー92に表示させている。尚、制御部10は、タッチパネル16Bに対するユーザーAの操作にしたがって、有効期限を変更可能である。
【0057】
制御部10は、表示部15に対し、プロパティ設定画面90に、二次元コードの使用回数を設定するためのキー93を表示させている。制御部10は、表示部15に対し、設定している使用回数を、キー93に表示させている。この場合、制御部10は、二次元コードの使用回数を、設定している印刷部数と同じ数(この場合、「2」回)に設定する。尚、制御部10は、タッチパネル16Bに対するユーザーAの操作にしたがって、使用回数を変更可能である。
【0058】
制御部10は、表示部15に対し、プロパティ設定画面90に、パスコードを設定するためのキー94を表示させている。タッチパネル16Bがキー94に対するユーザーAのタッチ操作を検出すると、制御部10は、パスコードの入力画面を表示部15に表示させる。この場合、制御部10は、タッチパネル16Bを介してユーザーAにより入力されたパスコードを設定し、表示部15に対し、設定したパスコードを、伏字にしてキー94に表示させている。尚、制御部10は、タッチパネル16Bを介してパスコードの入力を受付けない場合には、パスコードを設定しない。
【0059】
制御部10は、表示部15に対し、プロパティ設定画面90に、ドキュメントのアクセスレベルを設定するためのキー95を表示させている。タッチパネル16Bがキー95に対するユーザーAのタッチ操作を検出すると、制御部10は、
図10に示すアクセスレベル設定画面101を表示部15に表示させる。ユーザーAは、アクセスレベル設定画面101における、印刷処理、送信処理、及び保存処理をそれぞれ選択するためのチェックボックス102乃至104にチェックを入れ、キー105をタッチしたものとする。
【0060】
タッチパネル16Bがキー105に対するタッチ操作を検出すると、制御部10は、出入力対象とするデータ(この場合、第1ドキュメント及び第2ドキュメント)について、選択された処理(この場合、印刷処理、送信処理、及び保存処理)のアクセスレベルを有効に設定する。なお、チェックが入れられていないチェックボックスがある場合、制御部10は、当該チェックボックスに対応する処理のアクセスレベルを無効に設定する。
【0061】
制御部10は、表示部15に対し、プロパティ設定画面90に、ネットワークユーザー及びローカルユーザーのうちのいずれかを設定するためのキー96を表示させている。制御部10は、タッチパネル16Bに対するユーザーAの操作にしたがってネットワークユーザーを設定している場合、上記候補リストに示す受信者候補を制限する。すなわち、制御部10は、表示部15に対し、上記複数の受信者候補のうちの特定の受信者候補を、上記候補リストに表示させないようにする。制御部10は、タッチパネル16Bに対するユーザーAの操作にしたがってローカルユーザーを設定している場合、上記制限を行なわない。
【0062】
ユーザーAは、各種印刷設定及び二次元コードのプロパティの設定を行なった後、スタートキー16Aを押下する。制御部10は、スタートキー16Aの押下を検知すると、印刷開始指示を受付けたと判定し(ステップS14にてYES)、HDD18に記憶されている二次元コード生成プログラムを用いて、
図5に示す二次元コード300を生成する(ステップS15)。
【0063】
二次元コード300は、出入力対象とするデータを特定するための特定情報(この場合、ファイル名である「Document0001」及び「Document 0010」)と、データ転送処理の実行開始指示を示すコマンドと、送信者(この場合、ユーザーA)を特定するための送信者コードと、ドキュメントのアクセスレベルと、データの出入力条件とを含む。二次元コード300は、データの出入力条件として、受信者(この場合、ユーザーB及びユーザーC)を特定するための受信者コードと、有効期限と、使用回数と、パスコードと、を含む。尚、二次元コード300は、出入力対象のドキュメント自体を含まない。
【0064】
ステップS15の処理後、制御部10は、画像形成部12等に対し、印刷設定にしたがって、二次元コード300を記録紙Pに印刷させる(ステップS16)。この場合、画像形成部12等は、二次元コード300が印刷された記録紙Pを2部出力する。ユーザーAは、二次元コード300が印刷された記録紙Pを、受信者であるユーザーB及びユーザーCに、1部ずつ提供する。ステップS16の処理後、制御部10は、二次元コード出力処理を終了する。
【0065】
(1-2)送信指示を受付けた場合
ユーザーAがキー82をタッチすると、制御部10は、送信指示を受付けたと判定し(ステップS12にてYES)、送信設定画面を表示部15に表示させる(ステップS17)。ステップS17の処理後、制御部10は、スタートキー16Aが押下されるまで、送信開始指示を受付けていないと判定する処理(ステップS18にてNO)を繰返す。
【0066】
制御部10は、タッチパネル16Bを介して受付けたユーザーAの指示にしたがって、各種送信設定を行なう。この場合、制御部10は、ユーザーAの指示にしたがって、2つの送信先(電子メールアドレス又はFAX番号)を設定したものとする。制御部10はまた、タッチパネル16Bが、送信設定画面におけるプロパティ設定画面の表示指示を入力するためのキーに対するユーザーAのタッチ操作を検出すると、プロパティ設定画面90を表示部15に表示させる。
【0067】
制御部10は、表示部15に対し、上記と同様にして、プロパティ設定画面90に、キー91乃至96を表示させている。制御部10は、上記と同様にして、タッチパネル16Bを介して入力されるユーザーAの指示にしたがって、受信者(この場合、ユーザーB及びユーザーC)、パスコード、及びアクセスレベルを設定する。制御部10はまた、二次元コードの使用回数を、設定している送信先の数と同じ数(この場合、「2」回)に設定する。
【0068】
ユーザーAは、各種送信設定及び二次元コードのプロパティの設定を行なった後、スタートキー16Aを押下する。制御部10は、スタートキー16Aの押下を検知すると、送信開始指示を受付けたと判定し(ステップS18にてYES)、HDD18に記憶されている二次元コード生成プログラムを用いて、二次元コード300を生成する(ステップS19)。
【0069】
ステップS19の処理後、制御部10は、設定している送信先に、二次元コード300を送信する(ステップS20)。具体的には、制御部10は、送信先として電子メールアドレスを設定している場合には、通信部22を介して、二次元コード300を送信する。制御部10は、送信先としてFAX番号を設定している場合には、ファクシミリ通信部21を介して、二次元コード300を送信する。
【0070】
この場合、二次元コード300は、受信者であるユーザーB及びユーザーC宛に送信される。ユーザーBは、画像形成装置1Bを用いて、取得した二次元コード300を記録紙Pに印刷させる。ユーザーCは、画像形成装置1Cを用いて、取得した二次元コード300を記録紙Pに印刷させる。ステップS20の処理後、制御部10は、二次元コード出力処理を終了する。
【0071】
(2)データ取得処理時における画像形成装置1Bの動作、及び、データ転送処理時における情報処理装置2の動作
図11は、データ取得処理及びデータ転送処理の流れを示す図である。
図12は、データ取得処理を示すフローチャートである。
図13は、データ転送処理を示すフローチャートである。
図14は、確認画面140の一例を示す図である。
図15は、指示入力画面150の一例を示す図である。
【0072】
尚、以下の説明では、ユーザーBが画像形成装置1Bを用いてデータ取得処理を実行するときの動作を代表して説明するが、ユーザーAが画像形成装置1Aを用いてデータ取得処理を実行するとき、及び、ユーザーCが画像形成装置1Cを用いてデータ取得処理を実行するときにおいても同様の動作が実行される。
【0073】
(2-1)画像形成装置1Bの動作
図11に示すように、上記と同様にして、ユーザーBは、画像形成装置1Bに対してログイン認証を行なう。画像形成装置1Bに対するログインが許可されると、ユーザーBは、タッチパネル16Bを用いて、データ取得処理の実行開始指示を入力する。制御部10は、タッチパネル16Bを介して上記実行開始指示を受付けると、
図12に示すデータ取得処理を開始して、スタートキー16Aが押下されるまで、読取開始指示を受付けていないと判定する処理(ステップS30にてNO)を繰返す。
【0074】
このような状況で、ユーザーBはプラテンガラス7に、二次元コード300が印刷された記録紙Pを原稿として載置し、スタートキー16Aを押下したものとする。スタートキー16Aが押下されると、制御部10は、読取開始指示を受付けたと判定し(ステップS30にてYES)、画像読取部11に対し、プラテンガラス7に載置されている原稿の画像を読取らせて、画像データを生成させる(ステップS31)。
【0075】
ステップS31の処理後、制御部10は、通信部22を介して、ログインユーザーBのユーザーIDとともに、生成された画像データを、出入力条件情報として、情報処理装置2に送信する(ステップS32)。ステップS32の処理後、制御部30は、通信部22を介して、情報処理装置2から送信されてくる出入力対象とするデータ又はエラー情報を受信するまで、出入力対象とするデータを受信していないと判定する処理(ステップ33にてNO)、及び、エラー情報を受信していないと判定する処理(ステップ34にてNO)を繰返す。
【0076】
(2-2)情報処理装置2の動作
情報処理装置2の電源が投入されると、制御部30は、
図13に示すデータ転送処理の実行を開始して、通信部34を介して画像データを受信するまで、画像データを受信していないと判定する処理(ステップS40にてNO)を繰返す。制御部30は、画像形成装置1Bから送信されてくる画像データを、通信部34を介して受信すると(ステップS40にてYES)、HDD33に記憶されている二次元コード読取りプログラムを用いて、受信した画像データが示す二次元コード300を解析して、二次元コード300が示す情報(特定情報、コマンド、送信者コード、アクセスレベル、及び出入力条件)を取得する(ステップS41)。
【0077】
ステップS41の処理後、制御部30は、取得した出入力条件が満たされているか否かを判定する(ステップS42)。具体的には、制御部30はまず、画像形成装置1BのログインユーザーBのユーザーIDが、出入力条件が示す受信者コードと一致するか否かを判定する。ユーザーIDと受信者コードとが一致しない場合、制御部30は、出入力条件が満たされていないと判定する(ステップS42にてNO)。
【0078】
ユーザーIDと受信者コードとが一致する場合、制御部30は、現在の日時が、出入力条件が示す有効期限を超過しているか否かを判定する。有効期限を超過している場合、制御部30は、出入力条件が満たされていないと判定する(ステップS42にてNO)。有効期限を超過していない場合、制御部30は、二次元コード300に基づくデータの取得回数が、出入力条件が示す使用回数を超過しているか否かを判定する。使用回数を超過している場合、制御部30は、出入力条件が満たされていないと判定する(ステップS42にてNO)。
【0079】
使用回数を超過していない場合、制御部30は、出入力条件がパスコードを示しているか否かを判定する。出入力条件がパスコードを示している場合、制御部30は、当該パスコードを、通信部34を介して画像形成装置1Bに送信する。出入力条件がパスコードを示していない場合、制御部30は、出入力条件が満たされていると判定する(ステップS42にてYES)。
【0080】
画像形成装置1Bの制御部10は、通信部22を介して、情報処理装置2から送信されてくるパスコードを受信すると、表示部15に、パスコードの入力画面を表示させる。制御部10は、タッチパネル16Bを介してユーザーBによるパスコードの入力を受付けると、入力されたパスコードが受信したパスコードと一致するか否かを判定する。制御部10は、両者のパスコードが一致する場合、通信部22を介して、一致情報を情報処理装置2に送信する。制御部10は、両者のパスコードが一致しない場合、通信部22を介して、不一致情報を情報処理装置2に送信する。
【0081】
情報処理装置2の制御部30は、通信部34を介して一致情報を受信すると、出入力条件が満たされていると判定する(ステップS42にてYES)。制御部30は、通信部34を介して不一致情報を受信すると、出入力条件が満たされていないと判定する(ステップS42にてNO)。
【0082】
この場合、制御部30は、出入力条件が満たされていると判定し(ステップS42にてYES)、通信部34を介して、画像形成装置1AのHDD18から出入力対象とするデータを取得する(ステップS43)。具体的には、制御部30は、通信部34を介して、出入力対象とするデータの送信要求と、特定情報(この場合、第1ドキュメント及び第2ドキュメントのファイル名)とを画像形成装置1Aに送信する。
【0083】
画像形成装置1Aの制御部10は、通信部22を介して、データの送信要求及び特定情報を受信すると、特定情報に対応する出入力対象とするデータ(この場合、第1ドキュメント及び第2ドキュメント)をHDD18から読出す。制御部10は、通信部22を介して、読出した出入力対象とするデータを情報処理装置2に送信する。
【0084】
情報処理装置2の制御部30は、通信部34を介して、画像形成装置1Aから送信されてくる出入力対象とするデータを受信することで、出入力対象とするデータを取得する。ステップS43の処理後、制御部30は、通信部34を介して、取得した出入力対象とするデータと、出入力対象とするデータのアクセスレベルとを、画像形成装置1Bに送信する(ステップS44)。ステップS44の処理後、制御部30は、データ転送処理を終了する。
【0085】
一方、制御部30は、出入力条件が満たされていないと判定した場合(ステップS42にてNO)、通信部34を介して、エラー情報を画像形成装置1Bに送信する(ステップS45)。ステップS45の処理後、制御部30は、データ転送処理を終了する。
【0086】
(2-3)画像形成装置1Bの動作
画像形成装置1Bの制御部10は、通信部34を介して、出入力対象とするデータ及びアクセスレベルを受信すると、出入力対象とするデータを受信したと判定し(ステップ33にてYES)、出入力対象とするデータをRAMに一時的に保存するとともに、
図14に示す確認画面140を、表示部15に表示させる(ステップS35)。ステップS35の処理後、制御部10は、データ取得処理を終了する。
【0087】
制御部10は、表示部15に対し、確認画面140に、出入力対象とするデータである、第1ドキュメントを示すキー141と、第2ドキュメントを示すキー142とを表示させている。制御部10は、タッチパネル16Bを介して、例えばキー141に対するユーザーBのタッチ操作を検出すると、
図15に示す指示入力画面150を表示部15に表示させる。
【0088】
制御部10は、表示部15に対し、指示入力画面150に、キー141に対応する第1ドキュメントのプレビュー画像151と、第1ドキュメントについてのアクセスレベルが有効に設定されている複数の出力処理(この場合、印刷処理、送信処理、及び保存処理)のそれぞれを示すキー152乃至154とを表示させている。
【0089】
制御部10は、タッチパネル16Bを介して、キー152に対するタッチ操作を検出すると、送信設定画面を表示部15に表示させる。制御部10は、タッチパネル16Bを介して受付けたユーザーAの指示にしたがって、第1ドキュメントの送信先等の各種送信設定を行なう。ユーザーAは、各種送信設定を行なった後、スタートキー16Aを押下する。制御部10は、スタートキー16Aの押下を検知すると、送信開始指示を受付けたと判定し、設定された送信先に、第1ドキュメントを送信する。制御部10は、第1ドキュメントの送信が完了すると、RAMから第1ドキュメントを削除するとともに、二次元コード300に基づくデータの取得回数をカウントアップして、例えばHDD18に記憶させる。
【0090】
一方、制御部10は、タッチパネル16Bを介して、キー153に対するタッチ操作を検出すると、印刷設定画面を表示部15に表示させる。制御部10は、タッチパネル16Bを介して受付けたユーザーAの指示にしたがって、第1ドキュメントの印刷部数等の各種印刷設定を行なう。ユーザーAは、各種印刷設定を行なった後、スタートキー16Aを押下する。制御部10は、スタートキー16Aの押下を検知すると、印刷開始指示を受付けたと判定し、印刷設定にしたがって、画像形成部12等に対し、第1ドキュメントが示す画像を記録紙Pに形成させる。制御部10は、第1ドキュメントの印刷が完了すると、RAMから第1ドキュメントを削除するとともに、二次元コード300に基づくデータの取得回数をカウントアップして、例えばHDD18に記憶させる。
【0091】
このように、制御部10は、出入力対象とするデータの送信処理又は印刷処理を行なうと、画像形成装置1BのRAMから出入力対象とするデータを削除する。したがって、出入力対象とするデータの転送先である画像形成装置1Bに、出入力対象とするデータの痕跡が残らないため、出入力対象とするデータの漏洩を防ぐことができる。
【0092】
一方、制御部10は、タッチパネル16Bを介して、キー154に対するタッチ操作を検出すると、出入力対象とするデータの保存指示を受付けたと判定し、第1ドキュメントをHDD18に記憶させる。制御部10は、第1ドキュメントをHDD18に記憶させると、RAMから第1ドキュメントを削除するとともに、二次元コード300に基づくデータの取得回数をカウントアップして、例えばHDD18に記憶させる。
【0093】
上記実施形態によれば、画像形成装置1Aの制御部10は、データの出入力条件を含む二次元コード300を生成し、生成した二次元コード300の印刷処理又は送信処理を実行する。画像形成装置1Bの制御部10は、画像読取部11に対し、二次元コード300を読取らせて画像データを生成させ、通信部22を介して、画像データを情報処理装置2に送信する。
【0094】
情報処理装置2の制御部30は、通信部34を介して、画像形成装置1Bから送信されてくる画像データを受信すると、出入力条件情報から出入力条件を取得し、出入力条件が満たされている場合に、通信部34を介して、画像形成装置1AのHDD18から出入力対象とするデータを取得するとともに、取得した出入力対象とするデータを、通信部34を介して画像形成装置1Bに送信する。画像形成装置1Bの制御部10は、通信部22を介して、出入力対象とするデータを受信する。
【0095】
このように、二次元コード300が示す出入力条件が満たされている場合にのみ、画像形成装置1Aから画像形成装置1B,1Cへのデータの出入力が行なわれるので、手間及び時間をかけることなく、データの出入力に係る安全性を確保できる。また、ネットワーク経由でデータの出入力が行なわれるので、機密性の高いデータの内容が外部に漏洩することを防止できる。
【0096】
また上記実施形態によれば、画像形成装置1Bの制御部10は、画像形成装置1Bのログインユーザーが受信者と一致し、現在の日時が有効期限を超過しておらず、出入力対象とするデータの取得回数が使用回数を超過しておらず、かつ、入力されたパスコードと受信したパスコードとが一致している場合には、出入力条件が満たされていると判定し、それ以外の場合には、出入力条件が満たされていないと判定する。
【0097】
このように、複数の出入力条件が満たされている場合にのみ、画像形成装置1Aから画像形成装置1B,1Cへのデータの出入力が行なわれるので、データの出入力に係る安全性をより一層確実に確保できる。
【0098】
(第1変形例)
上記実施形態では、制御部10は、出入力対象とするデータとして、ドキュメントを設定したが、本発明はそのような実施形態に限定されない。例えば、制御部10は、出入力対象とするデータとして、フォルダを設定してもよい。この場合、制御部10は、特定情報としてフォルダ名を使用する。
【0099】
制御部10はまた、出入力対象とするデータとして、アドレス帳に登録されている複数のアドレスのうちの一部(特定のアドレス又はグループ)を設定してもよい。この場合、制御部10は、特定情報として、各アドレスに付されている番号又はグループ名等を使用する。これによって、所望のアドレスのみを共有できる。
【0100】
制御部10はまた、出入力対象とするデータとして、各種ジョブの設定内容を示すジョブ設定データ又はネットワーク設定の内容を示すネットワーク設定データを設定してもよい。この場合、制御部10は、特定情報として、例えば設定データ毎に付されている番号を使用する。
【0101】
(第2変形例)
上記実施形態では、設定可能な出入力対象とするデータは、全てのユーザーについて共通していたが、本発明はそのような実施形態に限定されない。第2変形例では、管理者と、管理者権限を有していない通常のユーザーとで、設定可能な出入力対象とするデータが異なる。
【0102】
具体的には、管理者は、出入力対象とするデータとして、ドキュメント、フォルダ、アドレス帳、ジョブ設定データ、及びネットワーク設定データを含む、画像形成装置1が保有する全てのデータについて、設定を許可されている。一方、通常のユーザーは、出入力対象とするデータとして、自身がアクセス権限を有しているデータのみについて、設定を許可されている。
【0103】
図16は、ユーザー毎に付与されているアクセス権限の一例を示す図である。
図16に示すように、ユーザーAは、出入力対象とするデータとして、ドキュメント、フォルダ、及びアドレス帳のみについて、設定を許可されている。ユーザーBは、出入力対象とするデータとして、アドレス帳、並びに、基本デバイス及び拡張デバイスにいてのジョブ設定データ及びネットワーク設定データのみについて、設定を許可されている。
【0104】
(その他の変形例)
上記実施形態では、画像形成装置1Aの制御部10は、出入力条件として、受信者、有効期限、使用回数、及びパスコードを含む二次元コード300を生成したが、本発明はそのような実施形態に限定されない。例えば、制御部10は、出入力条件として、受信者、有効期限、使用回数、及びパスコードのうちの少なくともいずれか一つを含む二次元コード300を生成してもよい。
【0105】
また上記実施形態では、画像読取部11は、記録紙Pに印刷されている二次元コード300を読み取ったが、本発明はそのような実施形態に限定されない。例えば、画像読取部11は、携帯端末装置又はスマートフォン等の外部装置に表示されている二次元コード300を読み取ってもよい。
【0106】
また上記実施形態では、制御部10は、生成された画像データを、出入力条件情報として情報処理装置2に送信したが、本発明はそのような実施形態に限定されない。例えば、制御部10は、二次元コード読取りプログラムを用いて、生成された画像データが示す二次元コード300が含む情報を取得し、取得した情報を、出入力条件情報として情報処理装置2に送信してもよい。
【0107】
なお、本発明は上記実施形態の構成に限られず種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態では、画像形成装置1としてカラー複合機を用いているが、これは一例に過ぎず、モノクロ複合機、コピー機、又はファクシミリ装置等の他の画像形成装置が用いられてもよい。
【0108】
図1乃至
図16を用いて示した上記実施形態の構成及び処理は、本発明の一実施形態に過ぎず、本発明を当該構成及び処理に限定する趣旨ではない。
【符号の説明】
【0109】
1A乃至1C 画像形成装置
2 情報処理装置
3 データ出入力システム
10,30 制御部
11 画像読取部
12 画像形成部
15 表示部
16 操作部
18 HDD
21 ファクシミリ通信部
22,34 通信部