IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ミタニマイクロニクス株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-スクリーンマスクの製造方法 図1
  • 特開-スクリーンマスクの製造方法 図2
  • 特開-スクリーンマスクの製造方法 図3
  • 特開-スクリーンマスクの製造方法 図4
  • 特開-スクリーンマスクの製造方法 図5
  • 特開-スクリーンマスクの製造方法 図6
  • 特開-スクリーンマスクの製造方法 図7
  • 特開-スクリーンマスクの製造方法 図8
  • 特開-スクリーンマスクの製造方法 図9
  • 特開-スクリーンマスクの製造方法 図10
  • 特開-スクリーンマスクの製造方法 図11
  • 特開-スクリーンマスクの製造方法 図12
  • 特開-スクリーンマスクの製造方法 図13
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024148051
(43)【公開日】2024-10-17
(54)【発明の名称】スクリーンマスクの製造方法
(51)【国際特許分類】
   B41C 1/055 20060101AFI20241009BHJP
   B41N 1/24 20060101ALI20241009BHJP
【FI】
B41C1/055 511
B41N1/24
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023060937
(22)【出願日】2023-04-04
(71)【出願人】
【識別番号】000176534
【氏名又は名称】ミタニマイクロニクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】篠原 華奈
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 好信
(72)【発明者】
【氏名】飯島 芙早子
(72)【発明者】
【氏名】青木 希仁
(72)【発明者】
【氏名】旭 晃一
【テーマコード(参考)】
2H084
2H114
【Fターム(参考)】
2H084AA30
2H084AA32
2H084BB07
2H084CC10
2H114AB05
2H114AB06
2H114AB09
2H114DA51
2H114DA53
2H114DA55
2H114DA62
2H114EA02
(57)【要約】
【課題】位置精度を向上できるスクリーンマスクの製造方法を提供する。
【解決手段】一形態にかかるスクリーンマスクの製造方法は、基材上に第1層を成膜する第1成膜処理と、前記第1層を露光する第1露光処理と、第1層上に第2層を成膜する第2成膜処理と、基材または前記第1層にアライメントマークを形成するアライメント処理と、前記アライメントマークの位置情報を検出する検出処理と、前記位置情報に基づき、前記第2層を露光する第2露光処理と、を備える、スクリーンマスクの製造方法。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材上に第1層を成膜する第1成膜処理と、
前記第1層を露光する第1露光処理と、
第1層上に第2層を成膜する第2成膜処理と、
基材または前記第1層にアライメントマークを形成するアライメント処理と、
前記アライメントマークの位置情報を検出する検出処理と、
前記位置情報に基づき、前記第2層を露光する第2露光処理と、
を備える、
スクリーンマスクの製造方法。
【請求項2】
前記基材は、塗布材を透過可能な孔を有し、
前記第1露光処理及び前記第2露光処理によりそれぞれ前記第1層及び前記第2層に、互いに異なるパターンで開口を形成する、請求項1に記載のスクリーンマスクの製造方法。
【請求項3】
前記アライメントマークは前記第1露光処理によって前記第1層に形成される、請求項1に記載のスクリーンマスクの製造方法。
【請求項4】
前記アライメントマークは、第1成膜処理の前に、前記基材に形成される、
請求項1に記載のスクリーンマスクの製造方法。
【請求項5】
第1露光処理と第2露光処理は、前記基材の一方側から光を照射する、マスクレス露光である、請求項1に記載のスクリーンマスクの製造方法。
【請求項6】
前記アライメントマークは前記基材に貼付けられる感光発色シートにより形成される、請求項4に記載のスクリーンマスクの製造方法。
【請求項7】
前記アライメントマークは、前記第1層に形成された開口であって、前記第2層によって塞がれる、請求項1に記載のスクリーンマスクの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スクリーンマスクの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
印刷手法の一つであるスクリーン印刷は、基材であるメッシュ上に樹脂組成物で形成された所定のパターン開口が形成されたスクリーンマスクを用い、被印刷物に任意の印刷体を形成する方法である。このスクリーン印刷法は、例えば配線、電極、蛍光材料の印刷等、種々の印刷に用いられ、電子部品等を含む様々な分野で利用されている。
【0003】
近年、電子部品の小型化、高品質化により、スクリーンマスクの高精度化が求められている。
【0004】
例えば、スクリーンマスクは、塗布材を透過可能な孔を有するメッシュと、メッシュに設けられパターン開口を有するマスク膜と、を備える。マスク膜に形成されるパターン開口は、例えば印刷パターンに対応した形状であり、所定の幅を有している。例えばマスク膜を形成する乳剤をメッシュに塗布した後に、露光処理によってパターン開口を形成している。このようなスクリーンマスクにおいて、複数層の乳剤層を積層してマスク膜を構成することがある。例えば、ステージ上にはメッシュの枠を位置決めする位置決め部材が設けられており、この位置決め部材を基準とした露光パターンにて複数層の露光処理を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2013-169783号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このようなスクリーンマスクにおいて、位置精度を向上できるスクリーンマスクの製造方法が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一形態にかかるスクリーンマスクの製造方法は、基材上に第1層を成膜する第1成膜処理と、前記第1層を露光する第1露光処理と、第1層上に第2層を成膜する第2成膜処理と、基材または前記第1層にアライメントマークを形成するアライメント処理と、前記アライメントマークの位置情報を検出する検出処理と、前記位置情報に基づき、前記第2層を露光する第2露光処理と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明の実施形態によれば、位置精度を向上できるスクリーンマスクの製造方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1実施形態にかかるスクリーン印刷装置の平面図。
図2】同スクリーン印刷装置の断面図。
図3】同実施形態にかかるスクリーンマスクの一部の構成を示す平面図。
図4】同スクリーンマスクの一部の構成を示す断面図。
図5】同スクリーンマスクの製造方法を示す説明図。
図6】同スクリーンマスクの製造方法を示す説明図。
図7】他の実施形態にかかるスクリーンマスクの一部の構成を示す斜視図。
図8】同実施形態にかかるスクリーンマスクの断面図。
図9】他の実施形態にかかるスクリーンマスクの製造方法を示す説明図。
図10】他の実施形態にかかるスクリーンマスクの製造方法を示す説明図。
図11】他の実施形態にかかるスクリーンマスクの製造方法を示す説明図。
図12】他の実施形態にかかるスクリーンマスクの製造方法を示す説明図。
図13】他の実施形態にかかるスクリーン印刷装置の平面図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態にかかるスクリーン印刷装置10及びスクリーンマスク20について図1乃至図5を参照して説明する。図1は本実施形態に係るスクリーン印刷装置10を示す平面図であり、図2は断面図である。図3はスクリーンマスク20の断面図であり、図4図5、及び図6はスクリーンマスク20の一部の構成を示す平面図、断面図及び斜視図である。なお、各図では説明のため、適宜構成を拡大、縮小、省略して示している。図中矢印X,Y,Zは互いに直交する3方向をそれぞれ示している。
【0011】
図1に示すように、スクリーン印刷装置10は、スクリーンマスク20と、スクリーンマスク20の印刷面側とは反対の裏面(他方の面)20bに当接した状態で移動可能に構成されたスキージ13と、スキージ13を移動させる移動部と、スクリーンマスク20を印刷媒体に対向して支持する支持部12と、を備える。
【0012】
スクリーン印刷装置10は、印刷媒体の表面に、各種印刷材料を所定のパターンで形成する。例えばスクリーン印刷装置10は、チップ部品(コンデンサー、チップ抵抗、インダクター、サーミスター等)、タッチパネル、液晶基板(Liquid crystal display, LCD)シール、LTCC(Low Temperature Co-fired ceramics)基板、太陽電池用電極、その他の電子部品等の製造に用いられる。
【0013】
図1乃至図6に示すように、スクリーンマスク20は、フレーム21と、フレーム21に張設された基材であるメッシュ22と、メッシュ22に形成されたマスク膜23と、を備える。スクリーンマスク20において、印刷を行う際に印刷媒体の表面に対向する側を表面とし、その反対側であって塗布材が供給される側を裏面とする。
【0014】
フレーム21は、互いに平行な2対の縁部を有し、例えば所望のサイズの方形の開口を備える枠状に構成される。フレーム21はメッシュ22の外周縁を支持し、開口にメッシュ22を張設する。本実施形態では一例として、開口部のY方向の寸法が275mm、X方向の寸法が275mmのフレーム21を用いる。
【0015】
またフレーム21は、所定量の塗布材をマスク膜23の裏面側に保持する枠としても機能する。フレーム21とメッシュ22は、例えば合成ゴム系やシアノアクリレート系の接着剤により接合部で接合されている。
【0016】
メッシュ22は、経糸22aと緯糸22bとが編まれて形成された織物であり、塗布材を透過可能に開口した孔部22cを多数有している。経糸22aと緯糸22bは、例えばステンレス等の金属のワイヤ、あるいはポリエステル等の樹脂で構成された繊維である。経糸22aと緯糸22bは、それぞれ例えばスキージ13の移動方向(第1方向)に対して、斜めに延びている。
【0017】
このメッシュ22に、所定のパターン開口24を有するマスク膜23が形成される。すなわち、メッシュ22によって、フレーム21の開口部分にマスク膜23が保持される。
【0018】
マスク膜23は、光硬化性の樹脂組成物、例えばPVA、PVAc、シリコン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂等からなる層である。例えばマスク膜23は複数の層を有する多層構造である。例えば本実施形態においてマスク膜23は図4に示すようにベース層23bとカバー層23cが積層されて構成される2層構造である。一例として、カバー層23cはベース層23bよりも柔軟な材料で構成されている。
【0019】
マスク膜23の厚みは例えば10μm~100μmに構成されている。
【0020】
マスク膜23は、メッシュ22に形成され、フレーム21の開口部分に配されている。マスク膜23には、露光によって、印刷用の所定のパターン開口24が形成されている。
【0021】
また、マスク膜23は貫通孔であるパターン開口24の他に、凹部25などの段差を有していてもよい。
【0022】
なお、パターン開口24の最小開口幅、すなわち、パターン開口24の最も狭い部分における開口の幅寸法は、30μm以下である。ここでは、一例として、マスク膜23の表面、すなわち印刷媒体に対向する表面における寸法を基準とした。
【0023】
パターン開口24は、印刷パターンに対応する形状のパターン孔であってマスク膜23を厚さ方向(深さ方向)に貫通するスリットを構成する。パターン開口24は塗布材を保持可能に構成される。印刷パターンの形状は適宜設定可能である。一例として、本実施形態においては複数の同じパターンユニットがマトリクス状に配されたパターン形状を有する。
【0024】
一例としてパターン開口24は、部位によって深さ寸法が異なる。例えばパターン開口24は、複数の独立した開口を有してもよいし、連続する開口において部位によって厚さが異なるものでもよい。例えば連続するライン状のパターン開口24において、一部の塗布厚さを増減させてもよいし、異なる塗布厚さの複数のパターン開口24が形成されていてもよい。例えばパターン開口24は例えばスリット状のラインパターンや、角形状、円形状、の開口部等種々の形状に設定可能である。
【0025】
マスク膜23は、パターン開口24において感光性樹脂が存在せず、メッシュ22の孔部を通過して塗布材が裏面から表面へと透過可能な印刷部を構成する。マスク膜23のパターン開口24以外であってメッシュ22の孔部が感光性樹脂で塞がれた部位は、塗布材としてのインクを透過しない非印刷部を構成する。
【0026】
また、マスク膜23の、有効エリアA3外の隅部には、アライメントマークAMが形成される。例えばアライメントマークAMはクロス形状に構成され、このクロスの中心位置を基準位置として、検出可能に構成される。例えばアライメントマークAMは、開口あるいは周囲とOD値や色が異なるなどにより、光学的に位置情報を検出可能な指標である。本実施形態においてアライメントマークAMはクロス形状の開口として、形成される。アライメントマークAMは露光及び現像によりマスク膜23の一部が除去されることで、構成される。例えばアライメントマークAMは、メッシュ22上のマスク膜23において、有効エリアA3外であってフレーム21の枠内となる、4角の所定箇所に、それぞれ形成される。
【0027】
マスク膜23が形成されたメッシュ22は、例えばスキージ13による押圧力によって撓み変形し、押圧力が解除されることで復元するように、弾性変形可能に構成されている。マスク膜23のパターン開口24に塗布材が保持された状態で、メッシュ22の弾性変形によりマスク膜23が印刷媒体に接離することで、塗布材がパターン開口24から、マスク膜23の印刷面側に対向配置された印刷媒体に転写される。
【0028】
スキージ13は例えばウレタンゴム・シリコンゴム・合成ゴム・金属・プラスチック等の材料から、例えば薄い板状に構成される。例えば、スキージ13は先端の厚みが低減するように面取りされている。スキージ13はフレーム21に対して移動可能に構成されている。例えばスキージ13は移動方向と直交する方向においてマスク膜23の領域の全長にわたる長さを有する。スキージ13の先端部分がスクリーンマスク20の裏面に当接し、表側に押しつけられた状態で、図1中矢印に沿う移動方向に移動することで、マスク膜23の全面を押圧し、塗布材が予め充填されたパターン開口24から塗布材を表側に押し出す。
【0029】
支持部12は、印刷媒体に対して所定の間隔を開けて平行に、フレーム21を支持する。例えば支持部12は、フレーム21の位置を規制する複数の位置決めピン12aを備える。移動部は、スキージ13を所定の速度で所定方向に沿って移動させる。
【0030】
次に、本実施形態にかかるスクリーンマスク20の製造方法について図5及び図6を参照して説明する。図5及び図6は、スクリーンマスク20の製造方法を示す説明図である。スクリーンマスク20の製造方法は、第1層形成工程ST1(第1成膜処理)と、第1パターニング工程ST2(第1露光処理)と、第1のエッチング工程(第1現像工程)ST3と、第2層形成工程ST4(第2成膜処理)と、第2パターニング工程ST5(第2露光処理)と、第2のエッチング工程(第2現像工程)ST6と、を備える。またスクリーンマスク20の製造方法は、基材または第1層にアライメントマークを形成するアライメント処理と、アライメント処理の後、第2パターニング工程の前の所定のタイミングで、アライメントマークAMの位置情報を検出する検出処理と、を備える。一例として本実施形態は、第1パターニング工程によってアライメントマークAMが形成されるため、アライメント処理は第1パターニング工程に含まれる。
【0031】
第1層形成工程ST1において、塗布材を透過可能な孔を有するサポート材に第1の乳剤Pm1を塗布して第1の乳剤層を形成する。第1の乳剤Pm1は例えば、光硬化性の樹脂であり、たとえばポリビニルアルコール(PVA)、ポリ酢酸ビニル(PVAc)、シリコン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂等を包含する液体である。具体的には、まず、フレーム21の枠内にメッシュ22を略平面となるように取り付けた状態で、第1の乳剤Pm1をメッシュ22上に塗布する塗布処理を行うことで、メッシュ22上に、ベース層23bが平板状に形成される。このとき、塗布する回数に応じて厚さが変わるため、必要に応じて複数回塗布を繰り返す。また、乾燥後に膜厚を測定し場合によっては追加で塗布することもある。本実施形態では乾燥後に第1の乳剤層の乳厚5~20μm程度となるように乳剤Pm1の厚さを設定する。
【0032】
次に、第1の乳剤層に所定の第1露光パターンで露光する第1パターニング工程ST2を行う。第1パターニング工程ST2として、図6に示すように、マスクレス露光装置50(マスクレス露光機)にて、マスクレス露光処理を行う。露光装置50は、フォトマスクを介在させず、予め設定された対象のCADデータに基づく描画パターンで、照射ヘッド52で直接スクリーンマスク20に描画する露光装置である。露光装置50は、位置決めピンAPを有する支持装置51と、照射ヘッド52と、光学センサ53と、各部の動作を制御する制御部54と、を備える。制御部54は、印刷面側から光を照射する露光処理を行う。具体的には、所定の露光パターン領域に、乳剤Pmの表面側を紫外線ランプや紫外線LED等の照射ヘッドに向けて配置し、照射ヘッドにより光を照射させ、乳剤Pm1の表面を照らす露光処理を行う。例えば位置決めピンAPは、スクリーンマスク20の外周部において複数個設けられ、例えば図1に示す位置決めピン12aと同様に、異なる2方向の2辺の外側にそれぞれ1または複数個設けられる。
【0033】
例えばST2において、所定の露光パターン領域において、ベース層23bの表面側を紫外線ランプや紫外線LED等の照明に向けて配置し、照明により光を照射させ、乳剤の表面を照らす露光処理を行う。ベース層23bのうち第1の露光処理によって露光される部位である第1露光部位は紫外線によって硬化する第1硬化部Pa1となる。一方、ベース層23bのうち第1露光部位を除く部位である第1非露光部位は、乳剤が硬化しない未硬化部Pb1となる。第1未硬化部Pb1(第1非露光部位)は、後の工程で除去されることでベース開口24b及びアライメントマークAMを形成する第1除去対象部を構成する。すなわち、本実施形態において、第1パターニング工程では、パターン開口24やアライメントマークAMとなる部位を未硬化部位第1未硬化部Pb1とし、その他の領域を第1硬化部Pa1とする。
【0034】
以上によりベース層23bがパターニングされ、後にエッチング工程により除去されてベース開口24b及びアライメントマークAMを構成するアライメント開口AMbを含む部位に第1除去対象部が形成される。すなわち、本実施形態において、第1パターニング工程によってアライメントマークAMが形成される。言い換えると本実施形態においてアライメント処理は第1パターニング工程に含まれる。
【0035】
その後、第1のエッチング工程ST3(第1現像工程)として、水や溶剤により、マスク膜の少なくとも片側を洗い流す。この処理によって、乳剤Pm1の未硬化部Pb1が洗い流される厚み方向において表面側から裏面側まで貫通するベース開口24b及びアライメント開口AMbが形成される。
【0036】
次に、第2層形成工程ST4として、第2の乳剤Pm2をベース層23b上に塗布する塗布処理を行うことで、ベース層23bの印刷面側に第2の乳剤Pm2によりカバー層23cが形成される。このとき、塗布する回数に応じて厚さが変わるため、必要に応じて複数回塗布を繰り返す。また、乾燥後に膜厚を測定し場合によっては追加で塗布することもある。本実施形態では乾燥後にカバー層23cの乳厚が2~50μm程度となるように乳剤Pm2の厚さを設定する。この第2層形成工程ST4において、カバー層23cは、アライメント開口AMb内にも形成される。なお、この場合、シーズニング工程の必要性が大幅に低減される。
【0037】
次に、第1露光パターンとは異なる第2露光パターンにて露光する第2パターニング工程ST5を行う。第2パターニング工程ST5において、例えばフォトマスクを用いないマスクレス露光にて、第2のマスクレス露光処理を行う。このとき、光学センサ53によって、対象エリアのOD値を検出し、周辺とのOD値の差から、ベース層23bに形成されるアライメントマークを検出し、位置情報を取得する。そして、当該位置情報に基づいて第2の露光の位置決めを行う。
【0038】
具体的には、所定の第2の露光パターン領域に、乳剤Pm2の表面側を紫外線ランプや紫外線LED等の照明に向けて配置し、照明により光を照射させ、乳剤Pm2の表面を照らす露光処理を行う。第2の露光処理によって、露光パターン領域の部位に対応して、乳剤Pm2の紫外線が照射された部分が紫外線によって硬化する。すなわち、カバー層23cのうち第2の露光処理によって露光される部位である第2露光部位は紫外線によって硬化する第2硬化部Pa2を形成する。第2硬化部Pa2の一部はパターン開口24の壁を構成する。一方、カバー層23cのうち第2露光部位を除く部位である第2非露光部位は、乳剤が硬化しない第2未硬化部Pb2となる。第2未硬化部Pb2は、後の工程で除去されることでパターン開口24となるカバー開口24cやアライメントマークAMを構成するアライメント開口AMcを含む第2除去対象部を構成する。本実施形態において、第2パターニング工程では、パターン開口24やアライメントマークAMをとなる部位を第2未硬化部Pb2とし、その他の領域を第2硬化部Pa2とする。
【0039】
第1の露光処理及び第2の露光処理は、いずれも印刷面側から光を照射するマスクレス露光処理であり、それぞれ所定のパターンで露光することにより、露光パターンに対応する領域を硬化させる。このとき、第1露光パターンとは異なる第2露光パターンにて露光することにより、段差を有する開口や凹部、あるいは凸部など、様々な3次元形状を容易に形成できる。例えばベース開口24bとカバー開口24cのパターニングを異ならせることにより、段差を形成することができる。
【0040】
その後、第2のエッチング工程ST6(第2現像工程)として、水や溶剤により、マスク膜の少なくとも片側を洗い流す。この処理によって、乳剤Pm2の未硬化部Pb2が洗い流され、厚み方向において表面側から裏面側まで貫通するパターン開口24が形成される。
【0041】
次に、本実施形態にかかるスクリーン印刷装置10を用いたスクリーン印刷方法により印刷物を製造する方法について、図1及び図2を参照して説明する。まず、スクリーンマスク20の表面側を印刷媒体30の表面に対向させて配置する。例えばこのとき、位置決めピン12a等の位置決め部材により、スクリーンマスク20を位置決めする。
【0042】
そして、高粘度のペースト状の塗布材をスクリーンマスク20の裏面側、すなわち、印刷媒体とは反対側の面から供給し、塗布材をパターン開口24内に充填させる。
【0043】
次に、スクリーンマスク20の裏面、すなわち印刷面側とは反対側の面に、スキージ13を配置する。このとき、例えばスキージ13を、印刷媒体の表側の面に対して所定の角度で傾斜させて配置する。そして、スキージ13をメッシュ22及びマスク膜23の裏面において、所定の印圧で印刷媒体側に向けて押しつけながら、所定の速度で移動させる。マスク膜23の裏面全面にわたる領域で、スキージ13がマスク膜23を押圧する。スキージ13の押圧により、マスク膜23は押圧される部分が表側に変位するように変形し、印刷媒体に当接する。スキージ13の通過により押圧された塗布材がパターン開口24から印刷媒体側に押し出される。
【0044】
スキージ13が通過した後、マスク膜23及びメッシュ22が復元するように変形して印刷媒体から離れるとともに、一部の塗布材が印刷媒体上に転写されて残ることで、印刷媒体上にパターン印刷がなされ、印刷物が完成する。このとき、塗布材は裏側の一部がマスク膜23側に残る。なお塗布材は、例えば金属材や樹脂材などを含む各種材料であり、印刷対象の種類、例えば、電子部品、ディスプレイ、等によって、多様な材料が用いられる。
【0045】
以上のように構成されたスクリーンマスク20の製造方法によれば、第2露光処理の際に、メッシュ22またはベース層23bに形成されたアライメントマークAMから位置情報を検出することにより、位置精度を向上できる。例えば一層目のベース層23bと2層目のカバー層23cを位置決めピンAPのみで位置合わせした比較例1では、重ね合わせ精度10μm、となるのに対し、上記実施形態の製造方法によれば、位置決めピンAPに加えてアライメントマークAMで検出した情報に基づいて位置合わせを行うことで、重ね合わせ精度3μmとなり、精度を向上できる。
【0046】
例えば一般にスクリーンマスクは製造工程等によって熱的な負荷がかかることで、熱膨張等による位置ずれが発生し、あるいはシータ回転や全体的な拡大縮小が生じることがある。特にスクリーンマスクはメッシュにテンションがかかっているなどの理由で、例えばガラス材などと比べても変形が生じやすいが、上記実施形態によれば、1層目のメッシュまたはベース層にあらかじめアライメントマークを形成することで、シータ回転や全体的な拡大縮小による2層目のカバー層への描画時の位置ずれを効果的に抑制できる。
【0047】
例えば本実施形態においてマスク膜23はベース層23bとカバー層23cとを有し、複数層に分けて露光パターンを設定できることから、立体的な形状を容易に作成できる。
【0048】
また、本実施形態によれば、メッシュ22またはマスク膜23に形成されたアライメントマークAMを基準に位置合わせを行うことから、熱膨張による位置ずれを考慮しなくてよく、シーズニングの必要性を低減できる。すなわち、従来はカバー層を塗工した後に乳剤乾燥で温度をかける影響でシーズニングが必須であり、位置精度を合わせこむことが難しかったが、本実施形態によれば、メッシュ22またはマスク膜23に形成されたアライメントマークAMを基準に位置合わせを行うことができ、シーズニングの必要性を低減できる。
【0049】
また、特にスクリーンマスクにおいてはメッシュと半透明の乳剤があることから位置を検出しにくい部分が存在するが、メッシュまたはマスク膜に形成されたアライメントマークAMを検出することで、容易に位置を検出できるようになる。
【0050】
なお、パターン開口24の構成や配置は上記に限られるものではなく、印刷形状に応じて適宜変更可能であり、高さの設定も設定可能である。例えば段差がある例を示したがこれに限られるものではない。一例として2層が同じ開口を形成してもよいし、1層目の開口の内壁を2層目で形成する構成であってもよい。したがって、両方に開口するパターン開口24や、一方の層、例えばカバー層23cのみが部分的に除去されて形成される凹部を含む、立体的なパターンを形成することができる。
【0051】
例えば、他の実施形態として図7乃至図9に示すスクリーンマスク20Aのように、パターン開口24の他に、カバー層23cのみが開口する凹部25を有する構成としてもよい。例えば、本実施形態において、上記第1実施形態と同様にST1~ST4の処理を行った後、第2露光処理ST15としてカバー層23cは、ベース層23bの開口部と重なる位置に加え、ベース層23bの硬化領域に異なる位置にも、未硬化領域を形成する。例えばパターン開口24と同時に、凹部25となる部位が未硬化となる露光パターンにて、露光する。すなわち、第2露光処理により、ベース層23bが硬化し、カバー層23cが未硬化となる部分が形成される。続いて現像処理ST16を行うことで、パターン開口24と同工程にて、エッチング処理によって凹部25や段差を形成することができる。例えばベース層23bが硬化した部分に重ねてカバー層23cに開口を形成することで、カバー層23cのみが除去され、ベース層23bが残る凹部25が形成できる。また、例えばベース層23bの開口部よりもカバー層23cの開口部を広くすることで、開口が拡大する段差が形成でき、逆にベース層23bの開口部よりも狭い開口をカバー層23cに形成することで、開口が縮小する段差を形成することができる。
【0052】
本実施形態によれば複数の層23b,23cの露光パターンを異ならせることにより、凹み形状や段差形状を任意に形成することができる。
【0053】
例えば上記実施形態においては、一層目を現像により開口させてから、2層目を形成したが、これに限られるものではない。例えば多の実施形態として、図10に示すように、第1露光処理ST2の後、第1現像処理ST3を省略し、カバー層23cを形成し(ST4)、第2露光処理ST5の後の現像処理ST6にて、ベース層23bとカバー層23cの未硬化部位を同時に除去する方法としてもよい。
【0054】
また、上記実施形態において、マスク膜にアライメントマークを開口として形成した例を示したが、これに限られるものではない。例えば光学的に露光形状をアライメントマークとして検出できるものであればよく、例えば他の実施形態として図11に示すように、開口をカバー層23cで塞ぐ構成であってもよい。すなわち、第2露光処理の際に、アライメントマークAMの部分はエッチングによって除去せず、塞いだままとしてもよい。この場合においても、ベース層23bの開口の壁を光学的に検出することができるため、上記開口とした場合と同様に、OD値の検出によって位置情報を検出することができる。また、位置情報は、OD値に限られるものではなく、色や明るさ等各種の位置情報とすることができる。
【0055】
また、アライメントマークAMは、マスク膜23の開口とした例を示したが、これに限られるものではない。例えばマスク膜23ではなく、メッシュ22にアライメントマークAMを設けてもよい。また、アライメントマークAMはサポートメッシュ27上に形成されてもよい。例えば他の実施形態として図11に示す例では、第1層形成工程ST1(第1成膜処理)の後、第1パターニング工程よりも前に、メッシュ22の、露光側の面に、サンアートペーパーなどの感光発色シートSPを貼付ける(ST21)。そして、上記第1実施形態の第1露光処理と同様に第1の乳剤層を露光する第1パターニング工程ST22(第1露光処理)において、貼付けられた感光発色シートSPを同時に露光する。この露光によって、感光発色シートSPに感光部Saと非感光部Sbが形成される。続いて感光発色シートSPについて現像処理(ST23)を行うことで、アライメントマークAMとなる像を形成する。具体的には感光部Saで形成される着色部と、非感光部Sbで形成される非着色部Scとを有するアライメントマークAMが形成され、OD値の検出によって位置情報を検出することができる。その後、上記第1実施形態の第2層形成工程ST4、第2パターニング工程ST5、第2のエッチング工程ST6と同様に、第2層形成工程ST24、第2パターニング工程ST25、第2のエッチング工程ST26の処理を順次行う。
なお、第2層形成工程ST24、第2パターニング工程ST25、第2のエッチング工程ST26の処理は、サポートメッシュ27のエリアには行われないようにしてもよく、あるいはメインメッシュ26に対する各処理ST24,ST25,ST26と同時に、サポートメッシュ27にも同様の処理が行われてもよい。なお着色部と非着色部としたが、これに限られるものではなく、例えば部位によって色の彩度、明度、あるいは濃さ等、他の要素によって位置情報を示す構成としてもよい。
本実施形態においても、第2露光処理の際に、メッシュ22上の感光発色シートSPに形成されたアライメントマークAMの位置を検出することで、上記第1実施形態等と同様に、位置精度を向上できる。
【0056】
また、上記各実施形態において、メッシュ22としていわゆるシングルメッシュを例示したが、これに限られるものではない。例えば、メッシュ22として、メインメッシュ26とメインメッシュ26の外周に設けられるサポートメッシュ27を備える、いわゆるコンビネーション型のメッシュ構造を用いてもよい。また、メッシュ22の中央部分の一部にのみマスク膜23が形成されていても、全域にマスク膜23が形成されていてもよい。
【0057】
なお、アライメントマークAMはメインメッシュ26のエリアに形成してもよく、サポートメッシュ27上に形成されてもよい。例えば他の実施形態として図12及び図13に示す例では、メッシュ22がコンビネーション型であって、サポートメッシュ27に、アライメントマークAMが形成されていてもよい。本実施形態にかかるスクリーンマスクの製造方法は、第1実施形態と同様の、第1層形成工程ST1(第1成膜処理)と、第1パターニング工程ST2(第1露光処理)と、第1のエッチング工程(第1現像工程)ST3と、第2層形成工程ST4(第2成膜処理)と、第2パターニング工程ST5(第2露光処理)と、第2のエッチング工程(第2現像工程)ST6と、を備える。
本実施形態においては、上記第1実施形態のST1、ST2,ST3、ST4の処理を行うとき、サポートメッシュ27の位置に、アライメントマークAMを形成する。さらにST5,ST6においては、メインメッシュ26の領域に、第2層形成工程ST4、第2パターニング処理ST5、及び第2のエッチング工程ST6を行う。この場合にも、サポートメッシュ27上のアライメントマークAMの位置を検出することで、上記第1実施形態等と同様に、位置精度を向上できる。
【0058】
また、エッチングによって開口を形成することなく、露光部位と未露光部位とで光学的な特性を異ならせることで、アライメントマークを構成してもよい。例えば露光部位と未露光部位との色特性や明るさ特性あるいはOD値の差を形成し、当該差を位置情報として検出することも可能である。
【0059】
また、マスク膜23はパターン開口24や凹部25の形状についても上記実施形態に限られるものではない。例えばパターン開口24は深さ方向に断面形状が変化する開口としてもよく、パターン開口24や凹部25の深さを設定することもできる。あるいは開口24に連続する突起を形成することも可能である。例えば深さの異なる開口を形成し、塗布材の塗布量をパターン開口24の深さに応じて調整できるように構成してもよい。すなわち、パターン開口24が深く構成された部位においては、塗布高さが高くなり、パターン開口24が浅く構成された部位において塗布高さは低くなる。したがって、スクリーンマスク20によって厚さの異なる領域を有するパターン形状に印刷でき、3次元の立体的なパターニングが実現できる。
【0060】
また、上述した複数の異なる実施形態における特徴を組み合わせてもよい。
【0061】
なお、本発明は上記各実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。
【0062】
なお、上記各実施形態において、第1の乳剤と第2の乳剤を用いる場合において、第1の乳剤Pm1と第2の乳剤Pm2は異なる材料であってもよいし、同じ材料であってもよい。
【0063】
この他、上記実施形態に例示された各構成要素を削除してもよく、各構成要素の形状、構造、材質等を変更してもよい。上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。素材の寸法比を調整することで、縦横の伸び量の差を低減できるため印刷精度が向上できる。
【符号の説明】
【0064】
10…スクリーン印刷装置、13…スキージ、20…スクリーンマスク、21…フレーム、22…メッシュ、22a…経糸、22b…緯糸、22c…孔部、23…マスク膜、23b…ベース層、23c…カバー層、24…パターン開口、26…メインメッシュ、27…サポートメッシュ、AM…アライメントマーク、Pa1…第1硬化部、Pa2…第2乳剤硬化部、Pb1…第1未硬化部、Pb2…第2未硬化部、Pm1…第1の乳剤、Pm2…第2の乳剤。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【手続補正書】
【提出日】2024-07-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
メッシュ材である基材上に樹脂を含む乳剤層である第1層を成膜する第1成膜処理と、
前記第1層をマスクレス露光する第1露光処理と、
第1層上に乳剤層である第2層を成膜する第2成膜処理と、
基材または前記第1層にアライメントマークを形成するアライメント処理と、
OD値に基づいて前記アライメントマークの位置情報を検出する検出処理と、
前記位置情報に基づき、前記第2層をマスクレス露光する第2露光処理と、
を備え
前記第1層及び前記第2層により、光硬化性の樹脂材を含むマスク膜を形成する、スクリーンマスクの製造方法。
【請求項2】
前記基材は、塗布材を透過可能な孔を有し、
前記第1露光処理及び前記第2露光処理によりそれぞれ前記第1層及び前記第2層に、互いに異なるパターンで開口を形成する、請求項1に記載のスクリーンマスクの製造方法。
【請求項3】
前記アライメントマークは前記第1露光処理によって前記第1層に形成される、請求項1に記載のスクリーンマスクの製造方法。
【請求項4】
前記アライメントマークは、第1成膜処理の前に、前記基材に形成される、
請求項1に記載のスクリーンマスクの製造方法。
【請求項5】
第1露光処理と第2露光処理は、前記基材の一方側から光を照射する、露光である、請求項1に記載のスクリーンマスクの製造方法。
【請求項6】
前記アライメントマークは前記基材に貼付けられる感光発色シートにより形成される、請求項に記載のスクリーンマスクの製造方法。
【請求項7】
前記アライメントマークは、前記第1層に形成された開口であって、前記第2層によって塞がれる、請求項1に記載のスクリーンマスクの製造方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
一形態にかかるスクリーンマスクの製造方法は、メッシュ材である基材上に樹脂を含む乳剤層である第1層を成膜する第1成膜処理と、前記第1層をマスクレス露光する第1露光処理と、第1層上に乳剤層である第2層を成膜する第2成膜処理と、基材または前記第1層にアライメントマークを形成するアライメント処理と、OD値に基づいて前記アライメントマークの位置情報を検出する検出処理と、前記位置情報に基づき、前記第2層をマスクレス露光する第2露光処理と、を備え、前記第1層及び前記第2層により、光硬化性の樹脂材を含むマスク膜を形成する
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0063
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0063】
この他、上記実施形態に例示された各構成要素を削除してもよく、各構成要素の形状、構造、材質等を変更してもよい。上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。素材の寸法比を調整することで、縦横の伸び量の差を低減できるため印刷精度が向上できる。
以下に、本願出願当初の特許請求の範囲に記載された発明と同等の記載を付記する。
[1]
基材上に第1層を成膜する第1成膜処理と、
前記第1層を露光する第1露光処理と、
第1層上に第2層を成膜する第2成膜処理と、
基材または前記第1層にアライメントマークを形成するアライメント処理と、
前記アライメントマークの位置情報を検出する検出処理と、
前記位置情報に基づき、前記第2層を露光する第2露光処理と、
を備える、
スクリーンマスクの製造方法。
[2]
前記基材は、塗布材を透過可能な孔を有し、
前記第1露光処理及び前記第2露光処理によりそれぞれ前記第1層及び前記第2層に、互いに異なるパターンで開口を形成する、請求項1に記載のスクリーンマスクの製造方法。
[3]
前記アライメントマークは前記第1露光処理によって前記第1層に形成される、[1]に記載のスクリーンマスクの製造方法。
[4]
前記アライメントマークは、第1成膜処理の前に、前記基材に形成される、
[1]に記載のスクリーンマスクの製造方法。
[5]
第1露光処理と第2露光処理は、前記基材の一方側から光を照射する、マスクレス露光である、[1]に記載のスクリーンマスクの製造方法。
[6]
前記アライメントマークは前記基材に貼付けられる感光発色シートにより形成される、[4]に記載のスクリーンマスクの製造方法。
[7]
前記アライメントマークは、前記第1層に形成された開口であって、前記第2層によって塞がれる、[1]に記載のスクリーンマスクの製造方法。