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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024148067
(43)【公開日】2024-10-17
(54)【発明の名称】流路切換弁
(51)【国際特許分類】
   F16K 11/00 20060101AFI20241009BHJP
【FI】
F16K11/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023060976
(22)【出願日】2023-04-04
(71)【出願人】
【識別番号】391002166
【氏名又は名称】株式会社不二工機
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】近藤 大介
(72)【発明者】
【氏名】原 聖一
【テーマコード(参考)】
3H067
【Fターム(参考)】
3H067AA24
3H067AA32
3H067BB02
3H067BB12
3H067CC32
3H067DD03
3H067DD12
3H067DD32
3H067EA02
3H067FF29
3H067GG13
(57)【要約】
【課題】熱媒体として流体を利用する複数の要素に対し、複数のモードで流体を供給できるようにする。
【解決手段】流路切換弁10は、熱媒体として流体を利用する少なくとも2つの要素に対し流体を供給可能とされ、流体を要素に個別に供給する並列モードと、流体を少なくとも2つの要素に直列に供給する直列モードと、を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱媒体として流体を利用する少なくとも2つの要素に対し前記流体を供給可能とされ、
前記流体を前記要素に個別に供給する並列モードと、前記流体を少なくとも2つの前記要素に直列に供給する直列モードと、を有する流路切換弁。
【請求項2】
前記要素が3つ設けられ、
前記並列モード及び前記直列モードにおいて、前記流体を3つの前記要素に供給するAモードと、前記流体を2つの前記要素に供給するBモードと、を有する請求項1に記載の流路切換弁。
【請求項3】
内部に弁室が形成されると共に、前記弁室を形成する壁面にそれぞれ前記流体が出入りする第一入出口、第二入出口及び第三入出口が形成された弁本体と、前記弁室内に回転自在に配置され、流路が形成された弁体と、前記第一入出口と連通する第一流路と、前記弁本体を挟んで前記第一流路に並設され、前記第二入出口と連通する第二流路と、前記第三入出口と連通し、前記第三入出口と反対側が開口した第三流路と、を備えた弁ユニットを有し、
前記弁ユニットの前記第一流路及び前記第二流路に、別の前記弁ユニットの前記第一流路及び前記第二流路を接続することで、4つの前記弁ユニットが直列に接続された第1の弁ユニット群が構成され、
前記第1の弁ユニット群とは別に3つの前記弁ユニットが直列に接続された第2の弁ユニット群が構成され、
前記第2の弁ユニット群が、前記第1の弁ユニット群における前記弁体の回転軸の方向に重ねて連結され、
前記第1の弁ユニット群における前記弁ユニットに連結され、前記第一入出口、前記第二入出口及び前記第三入出口の連通状態が前記弁体の前記流路を通じて選択的に切り換わるように、前記回転軸の方向に重なる2つの前記弁体を連動して回転させる回転駆動部を更に備えた、請求項1又は請求項2に記載の流路切換弁。
【請求項4】
前記流体に熱を与える熱交換器が前記第1の弁ユニット群の前記第二流路と前記第2の弁ユニット群の前記第二流路の間に接続可能とされ、
3つの前記要素のうち第一要素が、前記第1の弁ユニット群の前記第一流路と前記第2の弁ユニット群の前記第一流路の間に接続可能とされ、
3つの前記要素のうち第二要素が、前記第1の弁ユニット群における一の前記弁ユニットの前記第三流路と前記第2の弁ユニット群における一の前記弁ユニットの前記第三流路との間に接続可能とされ、
3つの前記要素のうち第三要素が、前記第1の弁ユニット群における他の前記弁ユニットの前記第三流路と前記第2の弁ユニット群における他の前記弁ユニットの前記第三流路との間に接続可能とされた、請求項3に記載の流路切換弁。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流路切換弁に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車の冷却水の循環回路に設けられる弁(流路切換弁)が開示されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-67366号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記した従来例では、仕様に応じて接続ポートの数や流路の組合せが固定されているため自由度がなく、仕様が変われば設計からやり直す必要が生じると考えられる。
【0005】
本発明は、熱媒体として流体を利用する複数の要素に対し、複数のモードで流体を供給できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の態様に係る流路切換弁は、熱媒体として流体を利用する少なくとも2つの要素に対し前記流体を供給可能とされ、前記流体を前記要素に個別に供給する並列モードと、前記流体を少なくとも2つの前記要素に直列に供給する直列モードと、を有する。
この流路切換弁では、熱媒体として流体を利用する少なくとも2つの要素に対し流体を供給可能であり、流体を要素に個別に供給する並列モードと、流体を少なくとも2つの要素に直列に供給する直列モードと、を有するので、複数の要素に対する流体の供給モードを複数設定できる。
第2の態様は、第1の態様に係る流路切換弁において、前記要素が3つ設けられ、前記並列モード及び前記直列モードにおいて、前記流体を3つの前記要素に供給するAモードと、前記流体を2つの前記要素に供給するBモードと、を有する。
この流路切換弁では、流体を3つの要素に供給するAモードと、流体を2つの要素に供給するBモードと、を有するので、熱媒体として流体を利用する複数の要素に対し、複数の要素に対する流体の供給モードを更に多く設定できる。
第3の態様は、第1の態様又は第2の態様に係る流路切換弁において、内部に弁室が形成されると共に、前記弁室を形成する壁面にそれぞれ前記流体が出入りする第一入出口、第二入出口及び第三入出口が形成された弁本体と、前記弁室内に回転自在に配置され、流路が形成された弁体と、前記第一入出口と連通する第一流路と、前記弁本体を挟んで前記第一流路に並設され、前記第二入出口と連通する第二流路と、前記第三入出口と連通し、前記第三入出口と反対側が開口した第三流路と、を備えた弁ユニットを有し、前記弁ユニットの前記第一流路及び前記第二流路に、別の前記弁ユニットの前記第一流路及び前記第二流路を接続することで、4つの前記弁ユニットが直列に接続された第1の弁ユニット群が構成され、前記第1の弁ユニット群とは別に3つの前記弁ユニットが直列に接続された第2の弁ユニット群が構成され、前記第2の弁ユニット群が、前記第1の弁ユニット群における前記弁体の回転軸の方向に重ねて連結され、前記第1の弁ユニット群における前記弁ユニットに連結され、前記第一入出口、前記第二入出口及び前記第三入出口の連通状態が前記弁体の前記流路を通じて選択的に切り換わるように、前記回転軸の方向に重なる2つの前記弁体を連動して回転させる回転駆動部を更に備える。
この流路切換弁では、1つの弁ユニットにおいて、弁体を回転させることで、弁室の第一入出口、第二入出口及び第三入出口の連通状態を、弁体の流路を通じて選択的に切り換えることができる。
また、この流路切換弁では、4つの弁ユニットが直列に接続された第1の弁ユニット群が構成され、第1の弁ユニット群とは別に3つの弁ユニットが直列に接続された第2の弁ユニット群が構成されている。更に、第2の弁ユニット群は、第1の弁ユニット群における弁体の回転軸の方向に重ねて連結されている。そして、回転駆動部は、弁体の回転軸の方向に重なる2つの弁体を連動して回転させることで、各弁ユニットにおける弁室の第一入出口、第二入出口及び第三入出口の連通状態を、弁体の流路を通じて選択的に切り換えることができる。
このように、弁ユニットを縦横に連結することで、コンパクト化を図ることができる。
第4の態様は、第3の態様に係る流路切換弁において、前記流体に熱を与える熱交換器が前記第1の弁ユニット群の前記第二流路と前記第2の弁ユニット群の前記第二流路の間に接続可能とされ、3つの前記要素のうち第一要素が、前記第1の弁ユニット群の前記第一流路と前記第2の弁ユニット群の前記第一流路の間に接続可能とされ、3つの前記要素のうち第二要素が、前記第1の弁ユニット群における一の前記弁ユニットの前記第三流路と前記第2の弁ユニット群における一の前記弁ユニットの前記第三流路との間に接続可能とされ、3つの前記要素のうち第三要素が、前記第1の弁ユニット群における他の前記弁ユニットの前記第三流路と前記第2の弁ユニット群における他の前記弁ユニットの前記第三流路との間に接続可能とされている。
この流路切換弁では、熱交換器で熱が与えられた流体の流路を切り換えることで、流体を第一要素、第二要素及び第三要素に対して個別に供給する並列モードと、流体を第一要素、第二要素及び第三要素に対して直列に供給する直列モードを実現することができる。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、熱媒体として流体を利用する複数の要素に対し、複数のモードで流体を供給できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施形態に係る流路切換弁の切換モードのうち、並列モードのAモード(パターン1)を示すブロック図である。
図2】本発明の一実施形態に係る流路切換弁の切換モードのうち、直列モードのAモード(パターン2)を示すブロック図である。
図3】本発明の一実施形態に係る流路切換弁の切換モードのうち、直列モードのBモード(パターン3)を示すブロック図である。
図4】本発明の一実施形態に係る流路切換弁の切換モードのうち、並列モードのBモード(パターン4)を示すブロック図である。
図5】本発明の一実施形態に係る流路切換弁の全体構成を示す斜視図である。
図6】2つの弁ユニットが重ねられ、2つの弁体を1つの回転駆動部により回転させる流路切換弁を示す部分破断斜視図である。
図7】弁ユニットを示す部分破断斜視図である。
図8】弁ユニットを示す部分破断斜視図である。
図9】弁ユニットを第一流路の雄継手側から見た状態を示す正面図である。
図10】弁ユニットを第三流路の開口側から見ると共に、第二流路を径方向に切断した状態を示す部分断面図である。
図11】弁体を示す正面図である。
図12】弁体を示す底面図である。
図13】第一流路の途中に設けられた開口部が蓋部材で閉塞された状態を示す拡大断面図である。
図14】2つの弁ユニットが重ねられた流路切換弁において、一の弁ユニットのうち別の弁ユニットと重ねられる部位が、他の弁ユニットの弁室を閉塞する蓋とされている構成を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための形態を図面に基づき説明する。各図面において同一の符号を用いて示される構成要素は、同一の構成要素であることを意味する。なお、以下に説明する実施形態において重複する説明及び符号については、省略する場合がある。また、以下の説明において用いられる図面は、いずれも模式的なものであり、図面に示される、各要素の寸法の関係、各要素の比率等は、現実のものとは必ずしも一致していない。また、複数の図面の相互間においても、各要素の寸法の関係、各要素の比率等は必ずしも一致していない。
【0010】
また、本明細書において、上下、左右、前後等の位置、方向を表わす記述は、図1の方向矢印表示を基準としており、実際の使用状態での位置、方向を指すものではない。図1において、「U」は上方向(上側)、「D」は下方向(下側)、「LH」は左方向(左側)、「RH」は右方向(右側)、「F」は前方向(前側)、「R」は後方向(後側)を示している。「上下方向」とは、矢印U方向及び矢印D方向を意味する。「左右方向」とは、矢印LH方向及び矢印RH方向を意味する。そして、「前後方向」とは、矢印F方向及び矢印R方向を意味する。
【0011】
[流路切換弁の概要]
図1において、流路切換弁10は、熱媒体として流体を利用する少なくとも2つの要素に対し流体を供給可能とされている。要素としては、例えば第一要素、第二要素及び第三要素の3つの要素が使用される(図示せず)。
【0012】
また、流路切換弁10は、流体を各要素に個別に供給する並列モードと、流体を少なくとも2つの要素に直列に供給する直列モードと、を有する。この並列モード及び直列モードは、例えば、流体を3つの要素に供給するAモードと、流体を2つの要素に供給するBモードと、それぞれ有する。
【0013】
図1は並列モードかつAモードを示しており、これをパターン1とする。図2は並列モードかつAモードを示しており、これをパターン2とする。図3は並列モードかつAモードを示しており、これをパターン3とする。図4は並列モードかつAモードを示しており、これをパターン4とする。
【0014】
つまり、本実施形態における流路切換弁10は、パターン1~4の切換モードを有している。流路切換弁10の具体的構成は、このような切換モードを実現できるものであればよく、特定のものに限定されない。次に、流路切換弁10の具体的構成の一例について説明する。
【0015】
[流路切換弁の具体的構成の一例]
図1は、本発明の一実施形態に係る流路切換弁10の全体構成を示す斜視図である。この流路切換弁10では、左右方向に3つの弁ユニット20が連結され、各々の弁ユニット20の下側に他の弁ユニット20がそれぞれ重ねられている。つまり6つの弁ユニット20が組み合わされている。図6は、2つの弁ユニット20が重ねられ、2つの弁体を1つの回転駆動部により回転させる流路切換弁を示す部分破断斜視図である。この図6は、図1から上下2つの弁ユニット20を抜き出したものに相当する。図7図8は、1つの弁ユニット20を示す部分破断斜視図である。
【0016】
流路切換弁10は、例えば自動車のエンジンルーム内等を流れる流体の流路を切り換えるロータリー形の三方弁(図7)又は四方弁として使用されるものである。図6から図10に示されるように、流路切換弁10は、弁ユニット20と、回転駆動部18とを有している。
【0017】
[弁ユニット]
弁ユニット20は、弁本体14と、弁体16と、第一流路21と、第二流路22と、第三流路23とを備えている。図7に示される例では、弁ユニット20は、例えば、第一流路21と第三流路23が連通する状態と、第二流路22と第三流路23が連通する状態と、第一流路21と第二流路22と第三流路23とが互いに非連通の状態とを切り換える三方弁である。
【0018】
(弁本体)
図8において、弁本体14は、例えば合成樹脂製とされ、内部に弁室12が形成されている。弁室12の上方向は開口しており、上方向から後述する弁体16及び封止部38が挿入されている。弁室12を形成する壁面には、例えば互いに対向しそれぞれ流体が出入りする第一入出口31及び第二入出口32が形成されている。一例として、第一入出口31は弁室12の後方向の壁面に形成され、第二入出口32は弁室12の前方向の壁面に形成されている。つまり、第一入出口31と第二入出口32は、弁室12の前後方向に対向している。また、弁室12の底面には、第三入出口33が形成されている。
【0019】
(弁体)
図6図7図11図12において、弁体16は、例えば合成樹脂から作製されたボール状の部材であり、弁室12内に回転自在に配置されている。弁体16の上部には、回転駆動部18における弁軸28が差し込まれる差込み穴16Aが形成されている。弁軸28と差込み穴16Aとは、弁軸28の軸方向回りに互いに係合しており、弁軸28の回転が弁体16に伝達されるようになっている。差込み穴16Aは、例えば弁体16の流路36まで貫通している。
【0020】
弁本体14の第一入出口31、第二入出口32及び第三入出口33を選択的に連通させるべく、言い換えれば、第一入出口31、第二入出口32及び第三入出口33の連通状態を選択的に切り換えるべく、弁体16の内部には流路(内部流路)36が設けられている。詳細には、図11に示されるように、弁体16には、その外周(側部)から流路36に通じる横穴36Aが形成されている。また、弁体16には、その外周(下部)から流路36に通じる下穴36Cが形成されている。流路36は、横穴36Aから下穴36Cまで連通している。弁体16の状態に応じて、横穴36Aは、第一入出口31又は第二入出口32と対向可能となっている。何れの入出口も、横穴36Aが対向していない状態では、弁体16が後述するシート部材40に密着して閉じられた状態となる。
【0021】
図11図12に示されるように、弁体16の流路36には、第三入出口33に向かう方向(上下方向)に延びるリブ16Bが形成されている。このリブ16Bは、例えば薄板状の突起であり、例えば弁体16の流路36における横穴36Aの奥側の内壁に形成されている。
【0022】
この横穴36Aの構成は、図1の弁ユニット20のII, III, IVに相当する。なお、弁体16における流路36の形状は、上記構成に限られない。例えば横穴が平面視で挟角90°の二方向に設けられていてもよい。また、横穴が平面視で弁体16の直径方向に一直線上に設けられていてもよい(図1の弁ユニット20のI参照)。
【0023】
図6図7において、弁体16と第一入出口31,第二入出口32との間には、各々の間を封止する封止部38がそれぞれ設けられている。封止部38は、例えばシート部材40とOリング42とを有している。シート部材40は、例えば合成樹脂から作製され、第一入出口31、第二入出口32に対応する開口を持つ円環状に形成されている。このシート部材40は、弁本体14の内壁面(弁室12の前後の壁面)における第一入出口31,第二入出口32周りにそれぞれ配置されている。弁体16は、2つのシート部材40に挟まれており、各々のシート部材40に接触しながら回転摺動自在に配置されている。
【0024】
シート部材40と弁本体14との間は、それぞれOリング42により例えば気密的、水密的にシールされている。Oリング42は、例えばシート部材40に形成されたOリング溝(図示せず)に取り付けられている。
【0025】
一例として、弁本体14、及び弁体16にPPS(ポリフェニレンサルファイド)を使用し、シート部材40にPTFE(フッ素樹脂)を使用し、Oリング42に合成ゴムを使用することができる。
【0026】
(回転駆動部)
図6において、回転駆動部18は、弁ユニット20に連結され、第一入出口31、第二入出口32及び第三入出口33の連通状態が弁体16の流路を通じて選択的に切り換わるように弁体16を回転させる装置である。回転駆動部18は、上側の弁ユニット20における弁本体14の上方に配置されている。具体的には、上側の弁本体14の上には、例えばブラケット24が固定され、該ブラケット24の上に回転駆動部18が例えばねじ26(図1)を用いて固定されている。上側の弁本体14の弁室12における上方向の開口(図7)は、例えばブラケット24により閉塞されている(図14)。換言すれば、ブラケット24が、弁室12の開口を塞ぐ形状を有している。ブラケット24は、弁室12の開口の内側にインロー嵌合した状態で溶着される。ブラケット24には、凸部30が設けられている。この凸部30は、弁本体14における弁室12の周囲の縁に対向又は当接する。凸部30は、溶融代であってもよい。また凸部30は、ブラケット24ではなく弁本体14に設けられていてもよい。
【0027】
回転駆動部18は、例えばギヤードモータである。この回転駆動部18には、例えば制御部との通信及び電力供給のための配線が接続されるコネクタ50が設けられている。回転駆動部18には、出力軸としての弁軸28が結合されている。弁軸28は、ブラケット24に形成された貫通孔24Aに挿通されている。弁軸28には、Oリング29が取り付けられている。このOリング29により、弁軸28と貫通孔24Aとの間の水密性が確保されている。また、弁軸28の下端は、弁体16の差込み穴16A(図7)に差し込まれている。
【0028】
(第一流路、第二流路、第三流路)
【0029】
図6から図8において、第一流路21、第二流路22、第三流路23は、例えば弁本体14と一体的に構成された管部である。第一流路21を第一ポート、第二流路22を第二ポート、第三流路23を第三ポートと言い換えることもできる。
【0030】
第一流路21は、例えば両端が開口し、弁室12の第一入出口31と連通している。この第一流路21は、例えば左右方向に直線的に延びている。第一入出口31は、第一流路21の途中に接続されている。これにより、第一流路21と第一入出口31は、平面視で略T字形に形成されている。
【0031】
第二流路22は、弁本体14を挟んで第一流路21に並設され、例えば両端が開口し、第二入出口32と連通している。第二流路22は、例えば左右方向に直線的に延びている。第二入出口32は、第二流路22の途中に接続されている。これにより、第二流路22と第二入出口32は、平面視で略T字形に形成されている。
【0032】
図7図8に示されるように、第一流路21及び第二流路22の一端には、雌継手51,52がそれぞれ設けられている。第一流路21及び第二流路22の他端には、雄継手61,62がそれぞれ設けられている。雄継手61,62は、雌継手51,52と接続可能な構造とされている。雄継手61,62の外周には、環状の溝61A,62Aが形成されている。また、雌継手51,52には、例えば一対の弧状のスリット51A,52Aが形成されている。雄継手61,62は、雌継手51,52にそれぞれ嵌入され、クリップ34をスリット51A,52Aを通じて溝61A,62Aに嵌めることで、抜け止めがなされる構造となっている。各継手の接続部分の止水は、例えばOリング66により行われる。このような継手構造を有することにより、一の弁ユニット20の第一流路21及び第二流路22に、別の弁ユニット20の第一流路21及び第二流路22をそれぞれ接続して連結可能とされている(図5参照)。なお、この継手構造は一例であり、他の任意の継手構造を用いることが可能である。
【0033】
図8から図10において、第一流路21における第一入出口31との接続部には、第一入出口31側から第一流路21の内部に向かって突出する第一突起部71が設けられている。この第一突起部71は、例えば第一流路21に対する第一入出口31の開口に沿って形成された弧状の突条である。第一突起部71の範囲は、例えば第一流路21の内周面における第一入出口31側の半周未満とされている。左右方向における第一突起部71の片面は、第一流路21の内壁の一部を延長した凹面とされている。図示の例では、第一突起部71は第一入出口31の左側に設けられている。なお、第一突起部71が第一入出口31の右側に設けられていてもよく、第一突起部71の左右両側に設けられていてもよい。
【0034】
また、第二流路22における第二入出口32との接続部には、第二入出口32側から第二流路22の内部に向かって突出する第二突起部72が設けられている。この第二突起部72は、例えば第二流路22に対する第二入出口32の開口に沿って形成された弧状の突条である。第二突起部72の範囲は、例えば第二流路22の内周面における第二入出口32側の半周未満とされている。左右方向における第二突起部72の片面は、第二流路22の内壁の一部を延長した凹面とされている。図示の例では、第二突起部72は第二入出口32の左側に設けられている。なお、第二突起部72が第二入出口32の右側に設けられていてもよく、第二突起部72の左右両側に設けられていてもよい。
【0035】
図1図5図6図13に示されるように、第一流路21における例えば第一入出口31と対向する位置には、蓋体44で閉塞された副流路46が設けられていてもよい。蓋体44と副流路46の端部との間は、溶着により封止され、またはOリング48等のシール部材により止水されている。蓋体44を取り外すことで、副流路46を利用することも可能である。副流路46には、例えば貯留タンクを接続することが可能である。弁ユニット20を上下に重ねた場合には、副流路46が上下に2つ存在する。この2つの副流路46を、2つの接続口が設けられた貯留タンクに接続することも可能である。この場合、貯留タンクは、各々の接続口に対応し、互いに仕切られた2つの貯留室を有していてもよい。これにより、同じ流体でも温度の異なる流体を別々に貯留できる。
【0036】
また、流路切換弁10における末端の第一流路21の雌継手51又は雄継手61と、末端の第二流路22の雌継手52又は雄継手62には、それぞれポンプを取り付けることができる。ポンプが、上側の弁ユニット20における第一流路21の雌継手51に取り付けられていてもよい。また、ポンプが、上側の弁ユニット20における第二流路22の雌継手52に取り付けられていてもよい。ポンプは、流体の出入口となる継手を有する。ポンプは、継手を介して、他の機器からの流体を第一流路21に供給したり、第一流路21の流体を他の機器に供給したりすることができる。また、ポンプは、継手を介して、他の機器からの流体を第二流路22に供給したり、第二流路22の流体を他の機器に供給したりすることができる。
【0037】
図6図7図9において、第三流路23は、第三入出口33と連通し、第三入出口33と反対側が開口している。具体的には、第三流路23は屈曲部23Aを有している。第三入出口33は、屈曲部23Aの上方に位置する。第三流路23の開口側の末端は、例えば屈曲部23Aの前方に位置し、例えば第二流路22より前方に突出している。第三流路23の開口側の末端には、他の機器への配管に接続可能な例えば雄継手64が設けられている。
【0038】
図6図7に示されるように、第三流路23の屈曲部23Aにおける第三入出口33と対向する部位、つまり第三入出口33の下方には、例えば球面状の凹部23Bが設けられている。凹部23Bは、略半球面状に形成されている。凹部23Bは、屈曲部23Aより前方側の横流路の底23Cよりも下方に窪んでいる。これにより、第三入出口33から第三流路23に入った流体の一部は、一度凹部23Bまで落ち込んでから第三流路23の横流路に入るようになっている。
【0039】
図7に示される例では、凹部23Bの底に貫通孔23Dが形成されている。貫通孔23Dには弁軸58を通すことが可能となっている(図6)。弁軸58と貫通孔23Dとの間は、Oリング60により止水されている。下方に他の弁ユニットが重ねられない場合、図6の下側の弁ユニット20のように、例えば凹部23Bの底に貫通孔23Dのない構造とされる。なお、貫通孔23Dを設けられていても、これを別部材(例えば閉塞部86とする)で閉塞する構成であってもよい。例えば、閉塞部86は、温度センサ84を備えていてもよい。温度センサ84は、例えば閉塞部86に支持されており、先端が第三流路23内に位置するように配置される。閉塞部86には例えばOリング88が取り付けられている。このOリング88により、閉塞部86と貫通孔23Dとの間の水密性が確保されている。温度センサ84を用いることにより、第三流路23内の温度を正確に測定できる。
【0040】
[弁ユニットの重ね合せ]
図1図6において、本実施形態では、一の弁ユニット20の回転駆動部18と反対側に、他の弁ユニット20を重ねて連結可能とされている。上側の弁ユニット20のうち下側の弁ユニット20と重ねられる部位は、下側の弁ユニット20の弁室12を閉塞する蓋68とされている。この閉塞構造は、図14におけるブラケット24による弁室12の閉塞構造と概ね同様であり、上側の弁本体14の底部が、下側の弁本体14における弁室12の開口の内側にインロー嵌合した状態で溶着される。
【0041】
また、図6に示されるように、一の弁ユニット20に他の弁ユニット20を重ねて連結し、2つの弁ユニット20における2つの弁体16を1つの回転駆動部18により回転させる構造であってもよい。この例では、上側の弁ユニット20の弁軸28と、下側の弁ユニット20の弁軸58とが、連結軸56により連結されている。連結軸56は、上側の弁体16の内部と第三流路23の縦流路を通って、上下の弁軸28,58を連結している。回転駆動部18で上側の弁軸28を回転駆動すると、その回転が連結軸56を介して下側の弁軸58に伝達され、上下の弁体16が同期して回転するようになっている。
【0042】
なお、上下の弁ユニット20に回転駆動部18をそれぞれ設け、弁体16の回転制御を別々に行うようにしてもよい。
【0043】
[弁ユニット群]
図5において、弁ユニット20の第一流路21及び第二流路22に、別の弁ユニット20の第一流路121及び第二流路22を接続することで、4つの弁ユニット20が直列に接続された第1の弁ユニット群201が構成されている。また、第1の弁ユニット群201とは別に、3つの弁ユニット20が直列に接続された第2の弁ユニット群202が構成されている。各々の弁ユニット20について、右側から順に、弁ユニット20(I)、弁ユニット20(II)、弁ユニット20(III)、弁ユニット20(IV)とする。
【0044】
[弁ユニット群の重ね合せ]
図5において、第2の弁ユニット群202は、第1の弁ユニット群201における弁体16の回転軸の方向(具体的には、弁軸28の軸方向)に重ねて連結されている。各々の弁ユニット20の重ね合わせについては上記したとおりである。
【0045】
また、回転駆動部18は、第1の弁ユニット群201における弁ユニット20に連結され、第一入出口31、第二入出口32及び第三入出口33の連通状態が弁体16の流路を通じて選択的に切り換わるように、回転軸の方向(弁軸28の軸方向)に重なる2つの弁体16を連動して回転させるようになっている。回転駆動部18は、第1の弁ユニット群201における4つの弁ユニット20にそれぞれ設けられている。
【0046】
第二流路22の右側端をポートA、第一流路21の右側端をポートBとする。また、第二流路122の右側端をポートC、第一流路121の右側端をポートDとする。そして、第二流路122の左側端をポートJとする。
【0047】
第三流路については、第1の弁ユニット群201の右から順に、第三流路23I,23II,23III,23IVとし、第2の弁ユニット群202の右から順に、第三流路123I,123II,123IIIとする。また、第三流路23II,23III,23IVをそれぞれポートE,G,Iとする。そして、第三流路123II,123IIIをそれぞれポートF,Hとする。
【0048】
ポートA~J以外の流路の開口部は、それぞれ閉塞して使用することができる。
【0049】
(作用)
本実施形態は、上記のように構成されており、以下その作用について説明する。図6において、本実施形態に係る流路切換弁10では、回転駆動部18により弁体16を回転させることで、弁室12の第一入出口31、第二入出口32及び第三入出口33の連通状態を、弁体16の流路36を通じて選択的に切り換えることができる。第一入出口31と第二入出口32が弁室12を挟んで対向し、弁体16に横穴36Aが1つ形成されているので、流路の切り換えは、弁体16を180°回転させることで行うことができる。
【0050】
一の弁ユニット20の第一流路21及び第二流路22には、他の弁ユニット20の第一流路21及び第二流路22をそれぞれ接続して連結可能とされているので、弁ユニット20の組合せにより様々な仕様の流路切換弁を容易に実現できる。具体的には、第一流路21及び第二流路22の一端に雌継手51,52がそれぞれ設けられ、第一流路21及び第二流路22の他端に雄継手61,62がそれぞれ設けられている。雄継手61,62は、雌継手51,52とそれぞれ接続可能である。したがって、例えば一の弁ユニット20と他の弁ユニット20の第一流路21同士、第二流路22同士を容易に接続することができる。
【0051】
また、弁室12から第三入出口33を通じて第三流路23に流入した流体は、屈曲部23Aを通過する。第三流路23の屈曲部23Aにおける第三入出口33と対向する部位に球面状の凹部23Bが設けられている場合、当該部位に凹部23Bがなく単に屈曲している構成と比較して、流体の抵抗が低減する。このため、第三流路23における圧力損失を抑制できる。
【0052】
更に、図11図12に示されるように、弁体16の流路36に、第三入出口33に向かう方向に延びるリブ16Bが形成されている場合、弁体16内を流れる流体を整流することができる。弁室12内への弁体16の組付け時には、リブ16Bに力を作用させることで、弁体16の向きを容易に調整することができる。
【0053】
また、図8から図10に示されるように、第一流路21における弁室12の第一入出口31との接続部に第一突起部71が設けられている場合、第一突起部71で第一流路21での流体の流れが乱される。これにより、第一流路21を流れる流体を第一入出口31へ導くことができる。また、第二流路22における弁室12の第二入出口32との接続部に第二突起部72が設けられている場合、第二突起部72で第二流路22での流体の流れを乱すことで、第二流路22を流れる流体を第二入出口32へ導くことができる。このようにして、第一流路21及び第二流路22から弁室12への流体の流入を促進できる。
【0054】
更に、図1図6に示されるように、一の弁ユニット20の回転駆動部18と反対側に、他の弁ユニット20を重ねて連結可能とすることで、弁ユニット20の組合せの自由度を高めることができる。
【0055】
一の弁ユニット20のうち別の弁ユニット20と重ねられる部位が、他の弁ユニット20の弁室12を閉塞する蓋68とされている場合、一の弁ユニット20と別の弁ユニット20を重ねる際に、他の弁ユニット20の弁室12を閉塞するための別部品が不要となる。このため、部品点数の増加を抑制すると共に、弁ユニット20を重ねて連結する際の作業性を高めることができる。
【0056】
重ねられた2つの弁ユニット20における2つの弁体16を1つの回転駆動部18により回転させる場合、2つの弁ユニット20にそれぞれ回転駆動部18を設ける場合と比較して、部品点数の削減とコストの低減を図ることができる。
【0057】
このように、本実施形態によれば、様々な仕様の流路切換弁を容易に実現できる。
【0058】
また、本実施形態では、熱媒体として流体を利用する少なくとも2つの要素に対し流体を供給可能であり、流体を要素に個別に供給する並列モードと、流体を少なくとも2つの要素に直列に供給する直列モードと、を有するので、複数の要素に対する流体の供給モードを複数設定できる。また、流体を3つの要素に供給するAモードと、流体を2つの要素に供給するBモードと、を有するので、熱媒体として流体を利用する複数の要素に対し、複数の要素に対する流体の供給モードを更に多く設定できる。
【0059】
図1は、切換モードが並列モードのAモード(パターン1)とされた状態を示している。図2は、切換モードが直列モードのAモード(パターン2)とされた状態を示している。図3は、切換モードが直列モードのBモード(パターン3)とされた状態を示している。図4は、切換モードが並列モードのBモード(パターン4)とされた状態を示している。
【0060】
(パターン1)
図1に示されるパターン1では、ポートAがポートB,G,Eと連通するとともに、ポートCがポートD,H,Fと連通する。このとき、ポートBとD、ポートEとF、ポートGとHをそれぞれ連結する流路を形成すると、ポートAに入力された流体をポートB,G,Eの3つの流路に分岐してポートD,H,Fをそれぞれ経由してポートCに戻る並列流路(並列回路)を構成できる。連結した3つの流路にそれぞれ要素を配置した場合、並列モードのAモード(流体を3つの要素に供給するモード)を構成できる。
【0061】
なお、パターン1では、上側の弁ユニット20(I)でポートAとBを連通させ、上側の弁ユニット20(II)でポートAとEを連通させ、上側の弁ユニット20(III)でポートAとGを連通させ、上側の弁ユニット20(IV)でポートA、B及びIを遮断している。また、下側の弁ユニット20(I)でポートCとDを連通させ、下側の弁ユニット20(II)でポートCとFを連通させ、下側の弁ユニット20(III)でポートCとHを連通させている。ポートCとJは第2流路122の両端であり常時連通している。
【0062】
(パターン2)
図2に示されるパターン2では、ポートAとポートE、ポートBとポートG、ポートHとポートC、ポートFとポートDがそれぞれ連通する。このとき、ポートBとD、ポートEとF、ポートGとHをそれぞれ連結する流路を形成すると、ポートAに入力された流体はポートE,F,D,B,G,Hを経由してポートCに戻る直列流路(直列回路)を構成できる。つまり、連結した3つの流路にそれぞれ要素を配置した場合、直列モードのAモードを構成できる。
【0063】
なお、パターン2では、上側の弁ユニット20(I)でポートAとBを遮断し、上側の弁ユニット20(II)でポートAとEを連通させ、上側の弁ユニット20(III)でポートBとGを連通させ、上側の弁ユニット20(IV)でポートA、B及びIを遮断している。また、下側の弁ユニット20(I)でポートCとDを遮断し、下側の弁ユニット20(II)でポートDとFを連通させ、下側の弁ユニット20(III)でポートCとHを連通させている。ポートCとJは第2流路122の両端であり常時連通している。
【0064】
(パターン3)
図3に示されるパターン3では、ポートAとポートE、ポートBとポートI、ポートFとポートDがそれぞれ連通する。なお、ポートJとポートCの間には弁体はないため連通している。このとき、ポートBとD、ポートEとF、ポートIとJ、をそれぞれ連結する流路を形成すると、ポートAに入力された流体はポートE,F,D,B,I,Jを経由してポートCに戻る直列流路(直列回路)を構成できる。連結した3つの流路のうち2つの流路にそれぞれ要素を配置した場合、直列モードのBモード(流体を2つの要素に供給するモード)を構成できる。
【0065】
なお、パターン3では、上側の弁ユニット20(I)でポートAとBを遮断し、上側の弁ユニット20(II)でポートAとEを連通させ、上側の弁ユニット20(III)でポートA、B及びGを遮断し、上側の弁ユニット20(IV)でポートBとIを連通させている。また、下側の弁ユニット20(I)でポートCとDを遮断し、下側の弁ユニット20(II)でポートDとFを連通させ、下側の弁ユニット20(III)でポートC、D及びHを遮断している。ポートCとJは第2流路122の両端であり常時連通している。
【0066】
(パターン4)
図4に示されるパターン4では、ポートAがポートB,Eと連通するとともに、ポートCがポートD,Fと連通する。このとき、ポートBとD、ポートEとF、をそれぞれ連結する流路を形成すると、ポートAに入力された流体をポートB,Eの2つの流路に分岐して、ポートD,Fをそれぞれ経由してポートCに戻る並列流路(並列回路)を構成できる。連結した3つの流路のうち2つの流路にそれぞれ要素を配置した場合、並列モードのBモードを構成できる。
【0067】
なお、パターン4では、上側の弁ユニット20(I)でポートAとBを連通させ、上側の弁ユニット20(II)でポートAとEを連通させ、上側の弁ユニット20(III)でポートA、B及びGを遮断し、上側の弁ユニット20(IV)でポートA、B及びIを遮断している。また、下側の弁ユニット20(I)でポートCとDを連通させ、下側の弁ユニット20(II)でポートCとFを連通させ、下側の弁ユニット20(III)でポートC、D及びHを遮断している。ポートCとJは第2流路122の両端であり常時連通している。
【0068】
本実施形態では、4つの弁ユニット20が直列に接続された第1の弁ユニット群201が構成され、第1の弁ユニット群201とは別に3つの弁ユニット20が直列に接続された第2の弁ユニット群202が構成されている。更に、第2の弁ユニット群202は、第1の弁ユニット群201における弁体16の回転軸の方向に重ねて連結されている。そして、回転駆動部18は、弁体16の回転軸の方向に重なる2つの弁体16を連動して回転させることで、各弁ユニット20における弁室12の第一入出口31、第二入出口32及び第三入出口33の連通状態を、弁体16の流路36を通じて選択的に切り換えることができる。
【0069】
このように、弁ユニット20を縦横に連結することで、流路切換弁10のコンパクト化を図ることができる。また、本実施形態によれば、マニホールド配管(別途用意する集合配管)を不要な構成にできる。
【0070】
[他の実施形態]
以上、本発明の実施形態の一例について説明したが、本発明の実施形態は、上記に限定されるものでなく、上記以外にも、その主旨を逸脱しない範囲内において種々変形して実施可能であることは勿論である。
【0071】
第一流路21及び第二流路22の一端に雌継手51,52がそれぞれ設けられ、第一流路21及び第二流路22の他端に、雌継手51,52と接続可能な構造の雄継手61,62がそれぞれ設けられるものとしたが、このような継手構造を有しない構成であってもよい。
【0072】
第三流路23の屈曲部23Aに凹部23Bが設けられるものとしたが、このような凹部23Bを設けない構成であってもよい。弁体16の流路36にリブ16Bが形成されるものとしたが、このようなリブ16Bのない構成であってもよい。
【0073】
第一流路21における第一入出口31との接続部に第一突起部71が設けられ、第二流路22における第二入出口32との接続部に第二突起部72が設けられるものとしたが、第一突起部71又は第二突起部72の何れかが設けられていてもよく、第一突起部71及び第二突起部72が設けられていなくてもよい。
【0074】
一の弁ユニット20の回転駆動部18と反対側に、他の弁ユニット20を重ねて連結可能であるものとしたが、2つの弁ユニット20の間に他の部材が介在していてもよい。また、このような連結が可能でなくてもよい。
【0075】
上記の流路切換弁では弁ユニット20を2段に重ねた構成としたが、3段以上重ねてもよい。
【0076】
切換モードとして、流体を3つの要素に供給するAモードと、流体を2つの要素に供給するものとしたが、切換モードはこれらに限られず、4つ以上の要素に供給するモードを有していてもよい。
【符号の説明】
【0077】
10 流路切換弁
12 弁室
14 弁本体
16 弁体
18 回転駆動部
20 弁ユニット
21 第一流路
22 第二流路
23 第三流路
23I 第三流路
23II 第三流路
23III 第三流路
23IV 第三流路
31 第一入出口
32 第二入出口
33 第三入出口
36 流路
121 第一流路
122 第二流路
123 第三流路
123I 第三流路
123II 第三流路
123III 第三流路
201 第1の弁ユニット群
202 第2の弁ユニット群
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14