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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024148068
(43)【公開日】2024-10-17
(54)【発明の名称】ワイヤハーネス
(51)【国際特許分類】
   H01B 7/00 20060101AFI20241009BHJP
   B60R 16/02 20060101ALI20241009BHJP
   H02G 3/30 20060101ALI20241009BHJP
【FI】
H01B7/00 301
B60R16/02 620Z
H02G3/30
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023060977
(22)【出願日】2023-04-04
(71)【出願人】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】小野寺 康太
【テーマコード(参考)】
5G309
5G363
【Fターム(参考)】
5G309AA01
5G309AA09
5G363AA16
5G363DC02
(57)【要約】
【課題】組付作業性を向上させつつも、余長を短く抑えることを可能としたワイヤハーネスを提供する。
【解決手段】ワイヤハーネスWは、電気機器Daに接続される接続部品10と、接続部品10から第1の経路に沿って引き出される第1電線部材11と、接続部品10から第1の経路とは異なる第2の経路に沿って引き出される第2電線部材12と、を備える。第1電線部材11および第2電線部材12の少なくとも一方は、接続部品10に接続された第1分割電線31と、第1分割電線31の一端部に接離可能に構成された第2分割電線32とに分割された構成を有している。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気機器に接続される接続部品と、
前記接続部品から第1の経路に沿って引き出される第1電線部材と、
前記接続部品から前記第1の経路とは異なる第2の経路に沿って引き出される第2電線部材と、を備えるワイヤハーネスであって、
前記第1電線部材および前記第2電線部材の少なくとも一方は、前記接続部品に接続された第1分割電線と、前記第1分割電線の一端部に接離可能に構成された第2分割電線とに分割された構成を有している、
ワイヤハーネス。
【請求項2】
前記第1分割電線は、前記第1分割電線の一端部に設けられた第1コネクタを有し、
前記第2分割電線は、前記第2分割電線の一端部に設けられ、前記第1コネクタに対して着脱可能に構成された第2コネクタを有している、
請求項1に記載のワイヤハーネス。
【請求項3】
前記第1電線部材および前記第2電線部材のそれぞれに対して直接的または間接的に繋がる第3電線部材をさらに備え、
前記第1電線部材、前記第2電線部材および前記第3電線部材にて環状部が形成されている、
請求項1に記載のワイヤハーネス。
【請求項4】
前記第1電線部材は、1つまたは複数設けられ、
前記第2電線部材は、前記第1電線部材よりも多い数で複数設けられ、
前記第1電線部材および前記第2電線部材のうち、前記第1電線部材のみが前記第1分割電線と前記第2分割電線とに分割された構成を有している、
請求項1に記載のワイヤハーネス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ワイヤハーネスに関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、車両用のワイヤハーネスにおいて、電気機器に接続される接続部品と、接続部品から引き出される複数の電線部材と、を備えるワイヤハーネスがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2023-19062号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のようなワイヤハーネスでは、図4に示すように、接続部品100に接続された複数の電線部材が、第1の経路に沿って引き出される第1電線部材101と、第1の経路とは異なる第2の経路に沿って引き出される第2電線部材102とを含む場合がある。接続部品100が電気機器103に接続されることで、第1電線部材101と第2電線部材102とが電気機器103に電気的に接続される。接続部品100から引き出された第1電線部材101は、電気機器103とは別の第1車載機器101Aに接続される。接続部品100から引き出された第2電線部材102は、電気機器103および第1車載機器101Aとは別の第2車載機器102Aに接続される。
【0005】
接続部品100、第1電線部材101および第2電線部材102を含むワイヤハーネスWaの組み付けの際には、まず、ワイヤハーネスWaを車両に配置する。その後、第1電線部材101を車両に固定された第1車載機器101Aに接続するとともに、第2電線部材102を車両に固定された第2車載機器102Aに接続する。次に、電気機器103を車両に組み付ける。
【0006】
その後、電気機器103に接続部品100を接続する。ここで、接続部品100を電気機器103に接続する際の作業性向上のために、接続部品100をある程度可動できるように構成することが望ましい(図4参照)。そのために、第1電線部材101および第2電線部材102の少なくとも一方において、ある程度の長さの余長を作っておく必要がある。しかしながら、余長が長くなると、ワイヤハーネスが振動しやすくなるため、異音の発生や、周囲部品との干渉が問題となるおそれがある。
【0007】
本開示の目的は、組付作業性を向上させつつも、余長を短く抑えることを可能としたワイヤハーネスを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示のワイヤハーネスは、電気機器に接続される接続部品と、前記接続部品から第1の経路に沿って引き出される第1電線部材と、前記接続部品から前記第1の経路とは異なる第2の経路に沿って引き出される第2電線部材と、を備えるワイヤハーネスであって、前記第1電線部材および前記第2電線部材の少なくとも一方は、前記接続部品に接続された第1分割電線と、前記第1分割電線の一端部に接離可能に構成された第2分割電線とに分割された構成を有している。
【発明の効果】
【0009】
本開示のワイヤハーネスによれば、組付作業性を向上させつつも、余長を短く抑えることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、実施形態におけるワイヤハーネスの概略平面図である。
図2図2は、同形態におけるワイヤハーネスの概略正面図である。
図3図3は、同形態におけるワイヤハーネスの組付態様を示す概略正面図である。
図4図4は、従来のワイヤハーネスを示す概略側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様を列記して説明する。
本開示のワイヤハーネスは、
[1]電気機器に接続される接続部品と、前記接続部品から第1の経路に沿って引き出される第1電線部材と、前記接続部品から前記第1の経路とは異なる第2の経路に沿って引き出される第2電線部材と、を備えるワイヤハーネスであって、前記第1電線部材および前記第2電線部材の少なくとも一方は、前記接続部品に接続された第1分割電線と、前記第1分割電線の一端部に接離可能に構成された第2分割電線とに分割された構成を有している。
【0012】
この構成によれば、接続部品を電気機器に接続する際、第1分割電線と第2分割電線とを分離させることで、接続部品の可動範囲を広くすることが可能となる。これにより、電気機器に対する接続部品の組付作業性を向上させつつも、第1電線部材および第2電線部材の余長を短く抑えることが可能となる。
【0013】
[2]上記[1]において、前記第1分割電線は、前記第1分割電線の一端部に設けられた第1コネクタを有し、前記第2分割電線は、前記第2分割電線の一端部に設けられ、前記第1コネクタに対して着脱可能に構成された第2コネクタを有していてもよい。
【0014】
この構成によれば、第1コネクタと第2コネクタとの着脱により、第1分割電線と第2分割電線との接続および分離を容易に行うことが可能となる。これにより、ワイヤハーネスの組付作業性の向上に寄与できる。
【0015】
[3]上記[1]または[2]において、前記ワイヤハーネスは、前記第1電線部材および前記第2電線部材のそれぞれに対して直接的または間接的に繋がる第3電線部材をさらに備え、前記第1電線部材、前記第2電線部材および前記第3電線部材にて環状部が形成されていてもよい。
【0016】
この構成によれば、第1電線部材、第2電線部材および第3電線部材にて環状部が形成されるため、第1電線部材および第2電線部材の各々が接続される接続部品の可動範囲が狭くなりがちである。その点、上記のように第1分割電線と第2分割電線とを分離可能に構成することで、より効果的に接続部品の可動範囲を広くすることが可能となる。
【0017】
[4]上記[1]から[3]のいずれかにおいて、前記第1電線部材は、1つまたは複数設けられ、前記第2電線部材は、前記第1電線部材よりも多い数で複数設けられ、前記第1電線部材および前記第2電線部材のうち、前記第1電線部材のみが前記第1分割電線と前記第2分割電線とに分割された構成を有していてもよい。
【0018】
この構成によれば、第1分割電線および第2分割電線にて分割される箇所をより少なく構成できるため、構成の簡素化に寄与できる。
[本開示の実施形態の詳細]
本開示のワイヤハーネスの具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。各図面では、説明の便宜上、構成の一部を誇張または簡略化して示す場合がある。
【0019】
図1および図2に示す本実施形態のワイヤハーネスWは、例えば、自動車等の車両に用いられる。ワイヤハーネスWは、例えば、その少なくとも一部が車両のエンジンルームに配策される。ワイヤハーネスWは、電気機器Daに接続される接続部品10と、接続部品10から引き出される第1電線部材11と、接続部品10から引き出される第2電線部材12と、を備える。
【0020】
(第1電線部材11および第2電線部材12)
本実施形態のワイヤハーネスWは、例えば、1つの第1電線部材11と、2つの第2電線部材12とを有している。第1電線部材11は、接続部品10から第1の経路に沿って引き出される。各第2電線部材12は、接続部品10から第1の経路とは異なる第2の経路に沿って引き出される。
【0021】
(接続部品10)
接続部品10は、例えば端子台である。接続部品10は、例えば、第1電線部材11の長さ方向の一端部に設けられた図示しない第1端子と、各第2電線部材12において長さ方向の一端部に設けられた図示しない第2端子とを保持する。第1電線部材11および第2電線部材12はそれぞれ、前記第1端子および前記第2端子と電気的に繋がっている。
【0022】
電気機器Daは、例えば車載バッテリである。接続部品10が電気機器Daに組み付けられることで、前記第1端子と前記第2端子の各々が電気機器Daに電気的に接続される。すなわち、接続部品10が電気機器Daに組み付けられることで、第1電線部材11と第2電線部材12がそれぞれ電気機器Daに電気的に接続される。前記第1端子および前記第2端子の各々は、例えば、電気機器Daが有する一対の接続端子に対してボルト締結等によって固定される。接続部品10は、例えば組付方向Xに沿って電気機器Daに組み付けられる。組付方向Xは、前記第1端子および前記第2端子の前記電気機器Daの接続端子に対する締結方向と一致する。
【0023】
図2に示すように、ワイヤハーネスWの正面視において、例えば、組付方向Xに対して平行な接続部品10の中心線CLによって区画される2つの領域をそれぞれ第1領域A1および第2領域とする。接続部品10から第1の経路に沿って引き出された第1電線部材11は、第1領域A1に向かって引き出される。接続部品10から第2の経路に沿って引き出された各第2電線部材12は、第2領域A2に向かって引き出される。すなわち、第1電線部材11と各第2電線部材12とは、互いに反対側の領域に向かって引き出される。
【0024】
第1電線部材11は、接続部品10から引き出された先で、車両に搭載された第1機器D1に接続される。第1機器D1は、例えば第1領域A1に配置されている。第1機器D1は、例えば電動パワーステアリング装置である。
【0025】
複数の第2電線部材12の少なくとも1つは、接続部品10から引き出された先で、車両に搭載された第2機器D2に接続される。第2機器D2は、例えば第2領域A2に配置されている。第2機器D2は、例えば、ジャンクションボックスやリレーボックスやヒューズボックス等の電気接続箱である。本実施形態では、各第2電線部材12が第2機器D2に接続されるが、これに特に限定されるものではなく、例えば、複数の第2電線部材12の1つまたは複数が、第2機器D2とは別の車載機器に接続される構成であってもよい。
【0026】
(第3電線部材21)
図1および図2に示すように、本実施形態のワイヤハーネスWは、第3電線部材21をさらに備える。第3電線部材21は、第1領域A1と第2領域A2とに跨がって配置される。第3電線部材21は、第1電線部材11および第2電線部材12のそれぞれに対して直接的または間接的に繋がっている。
【0027】
詳しくは、第3電線部材21は、第1領域A1と第2領域A2とに跨がって配置される幹線22と、幹線22からそれぞれ枝分かれする第1枝線23および第2枝線24とを含む。
【0028】
第1枝線23は、その少なくとも一部が第1領域A1に配置される。第1枝線23は、幹線22から引き出された先で、例えば第1電線部材11と共に束ねられている。これにより、第3電線部材21の一部を構成する第1枝線23は、第1電線部材11に対して直接的に繋がる。
【0029】
第2枝線24は、その少なくとも一部が第2領域A2に配置される。第2枝線24は、幹線22から引き出された先で、例えば第2機器D2に接続されている。これにより、第3電線部材21の一部を構成する第2枝線24は、第2電線部材12に対し、第2機器D2を介して間接的に繋がる。
【0030】
ワイヤハーネスWは、接続部品10と、第1電線部材11と、各第2電線部材12と、第3電線部材21とが組み合わされて1つの一体部品として構成される。すなわち、車両に対する組み付けの際には、ワイヤハーネスWを当該一体部品として組み付ける。
【0031】
図1に示すように、上記のような構成のワイヤハーネスWでは、第1電線部材11、第2電線部材12および第3電線部材21にて環状部25が形成されている。環状部25は、図1に示す平面視において環状をなす。電気機器Daは、例えば、平面視において、電気機器Daの少なくとも一部が環状部25のループ内に位置するように配置される。
【0032】
(第1電線部材11の分割構成)
第1電線部材11は、接続部品10に接続された第1分割電線31と、第1分割電線31の一端部に接離可能に構成された第2分割電線32とに分割された構成を有している。なお、本実施形態では、第1電線部材11と第2電線部材12のうち、第1電線部材11のみが第1分割電線31と第2分割電線32とに分割された構成を有している。すなわち、各第2電線部材12は、連続する1本の電線にて構成されている。
【0033】
第1分割電線31と第2分割電線32とは、第1電線部材11の長さ方向において並設される。そして、第1分割電線31と第2分割電線32とが互いに接続されることで、1本の第1電線部材11が形成される。
【0034】
第1分割電線31は、第1分割電線31の一端部に設けられた第1コネクタ33を有する。第1分割電線31において、第1コネクタ33が設けられた側の端部とは反対側の端部は、接続部品10に保持される前記第1端子に接続される。
【0035】
第2分割電線32は、第2分割電線32の一端部に設けられた第2コネクタ34を有する。第1コネクタ33と第2コネクタ34とは、互いに着脱可能に構成されている。第1コネクタ33と第2コネクタ34とが互いに接続されることで、第1分割電線31と第2分割電線32とが電気的に接続される。第2分割電線32は、第3電線部材21の第1枝線23と共に束ねられている。第2分割電線32において、第2コネクタ34が設けられた側の端部とは反対側の端部は、第1機器D1に接続される。第1分割電線31と第2分割電線32とを含む第1電線部材11によって、電気機器Daと第1機器D1とが電気的に接続される。
【0036】
本実施形態の作用について説明する。
車両への組み付けの際には、まず、接続部品10、第1電線部材11、各第2電線部材12および第3電線部材21を含むワイヤハーネスWを車両に配置する。このとき、第1電線部材11において、第1分割電線31の第1コネクタ33と第2分割電線32の第2コネクタ34とを互いに接続された状態とする。
【0037】
その後、第1電線部材11の第2分割電線32を車両に固定された第1機器D1に接続する。これにより、第2分割電線32が第1機器D1を介して車両に固定された状態となる。また、各第2電線部材12を車両に固定された第2機器D2に接続する。これにより、各第2電線部材12は、第2機器D2を介して車両に固定された状態となる。なお、第2分割電線32と各第2電線部材12とを、クランプ等の固定部材によって車両にそれぞれ固定してもよい。
【0038】
次に、第1コネクタ33を第2コネクタ34から取り外すことで、第1分割電線31と第2分割電線32とを分離する。
次に、電気機器Daを車両に組み付ける。なお、電気機器Daを車両に組み付ける工程と、第1コネクタ33を第2コネクタ34から取り外す工程とは作業順が反対でもよい。
【0039】
次に、図3に示すように、接続部品10を例えば組付方向Xに沿って電気機器Daに接続する。このとき、第1分割電線31と第2分割電線32とは互いに分離された状態である。すなわち、接続部品10から延出する第1分割電線31の先端は開放端となっている。このため、接続部品10の可動範囲が第1電線部材11によっては制限されない。したがって、第1コネクタ33を第2コネクタ34から外すことで、接続部品10を電気機器Daに接続する際の接続部品10の可動範囲を広げることが可能となっている。
【0040】
接続部品10を電気機器Daに組み付けた後、第1コネクタ33を第2コネクタ34に接続する。これにより、第1分割電線31と第2分割電線32とが互いに電気的に接続される。
【0041】
上記のような構成によれば、接続部品10を電気機器Daに接続する際の接続部品10の可動範囲を広げるために、第1電線部材11および各第2電線部材12の少なくとも一方に余長を設定しなくて済む。これにより、第1電線部材11および各第2電線部材12のそれぞれの長さを短く構成可能となるため、第1電線部材11および各第2電線部材12の振動を抑制することが可能となる。その結果、振動による異音の発生や、ワイヤハーネスWが例えばエンジンASSY等の周辺機器D3(図1参照)に干渉することを抑制することが可能となる。
【0042】
本実施形態の効果について説明する。
(1)第1電線部材11は、接続部品10に接続された第1分割電線31と、第1分割電線31の一端部に接離可能に構成された第2分割電線32とに分割された構成を有している。この構成によれば、接続部品10を電気機器Daに接続する際、第1分割電線31と第2分割電線32とを分離させることで、接続部品10の可動範囲を広くすることが可能となる。これにより、電気機器Daに対する接続部品10の組付作業性を向上させつつも、第1電線部材11および第2電線部材12の余長を短く抑えることが可能となる。
【0043】
(2)第1分割電線31は、第1分割電線31の一端部に設けられた第1コネクタ33を有する。第2分割電線32は、第2分割電線32の一端部に設けられ第1コネクタ33に対して着脱可能に構成された第2コネクタ34を有している。この構成によれば、第1コネクタ33と第2コネクタ34との着脱により、第1分割電線31と第2分割電線32との接続および分離を容易に行うことが可能となる。これにより、ワイヤハーネスWの組付作業性の向上に寄与できる。
【0044】
(3)ワイヤハーネスWは、第1電線部材11および第2電線部材12のそれぞれに対して直接的または間接的に繋がる第3電線部材21を備える。第1電線部材11、第2電線部材12および第3電線部材21にて環状部25が形成されている。この構成によれば、第1電線部材11、第2電線部材12および第3電線部材21にて環状部25が形成されるため、第1電線部材11および第2電線部材12の各々が接続される接続部品10の可動範囲が狭くなりがちである。その点、上記のように第1分割電線31と第2分割電線32とを分離可能に構成することで、より効果的に接続部品10の可動範囲を広くすることが可能となる。
【0045】
(4)第1電線部材11は、1つまたは複数設けられる。第2電線部材12は、第1電線部材11よりも多い数で複数設けられる。第1電線部材11および第2電線部材12のうち、第1電線部材11のみが第1分割電線31と第2分割電線32とに分割された構成を有している。この構成によれば、第1分割電線31および第2分割電線32にて分割される箇所をより少なく構成できるため、構成の簡素化に寄与できる。
【0046】
(変更例)
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0047】
・上記実施形態では、第3電線部材21の第1枝線23は、第1電線部材11の第2分割電線32と共に束ねられる構成、すなわち第1電線部材11に直接的に繋がる構成とされたが、これに特に限定されるものではない。例えば、第1枝線23が第1機器D1に接続される構成、すなわち、第1機器D1を介して第1電線部材11に間接的に繋がる構成であってもよい。
【0048】
・上記実施形態では、第3電線部材21の第2枝線24は第2機器D2に接続されている。すなわち、第2枝線24は、第2電線部材12に対し、第2機器D2を介して間接的に繋がる構成とされたが、これに特に限定されるものではない。例えば、第2枝線24が第2電線部材12と共に束ねられる構成、すなわち第2電線部材12に直接的に繋がる構成であってもよい。
【0049】
・上記実施形態のワイヤハーネスWにおいて、第3電線部材21が省略された構成としてもよい。
・接続部品10から第1の経路に沿って引き出される第1電線部材11が複数設けられていてもよい。この場合、複数の第1電線部材11の各々が、第1分割電線31と第2分割電線32とに分割された構成を有することが望ましい。
【0050】
・接続部品10から第2の経路に沿って引き出される第2電線部材12の個数は、上記実施形態に限定されるものではなく、1つまたは3つ以上であってもよい。
・上記実施形態において、第2電線部材12が第1分割電線31と第2分割電線32とに分割された構成を有していてもよい。
【0051】
・上記実施形態において、第1電線部材11の全体が第1領域A1に含まれている必要はない。例えば、第1電線部材11が車両に対する固定点を有する場合、第1電線部材11における少なくとも接続部品10から直近の固定点までの範囲が第1領域A1に含まれていればよい。
【0052】
・上記実施形態において、第2電線部材12の全体が第2領域A2に含まれている必要はない。例えば、第2電線部材12が車両に対する固定点を有する場合、第2電線部材12における少なくとも接続部品10から直近の固定点までの範囲が第2領域A2に含まれていればよい。
【0053】
・上記実施形態において、ワイヤハーネスWは、第1の経路および第2の経路のいずれとも異なる経路に沿って接続部品10から引き出される電線部材(以下、第4電線部材と呼称する)を備えていてもよい。この場合、第1電線部材11、第2電線部材12および第4電線部材のうちの少なくとも2つが、第1分割電線31と第2分割電線32とに分割された構成を有することが望ましい。
【0054】
・上記実施形態では、第1分割電線31と第2分割電線32とは、第1コネクタ33と第2コネクタ34との嵌合によって互いに接続される。しかしながら、これに限らず、第1分割電線31と第2分割電線32とがコネクタ嵌合以外の構成によって互いに接続される構成であってもよい。
【0055】
・電気機器Da、第1機器D1および第2機器D2のそれぞれの具体例は上記実施形態に限定されるものではなく、それぞれ適宜変更可能である。すなわち、電気機器Da、第1機器D1および第2機器D2をそれぞれ、例えば、ジャンクションボックスやリレーボックスやヒューズボックス等といった電気接続箱、インバータ、モータ、車載バッテリ、またはその他の車載機器のいずれかに置き換え可能である。
【0056】
・今回開示された実施形態及び変更例はすべての点で例示であって、本発明はこれらの例示に限定されるものではない。すなわち、本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0057】
W ワイヤハーネス
10 接続部品
11 第1電線部材
12 第2電線部材
21 第3電線部材
22 幹線
23 第1枝線
24 第2枝線
25 環状部
31 第1分割電線
32 第2分割電線
33 第1コネクタ
34 第2コネクタ
A1 第1領域
A2 第2領域
CL 接続部品の中心線
D1 第1機器
D2 第2機器
D3 周辺機器
Da 電気機器
X 組付方向
図1
図2
図3
図4