(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024148071
(43)【公開日】2024-10-17
(54)【発明の名称】金属サンドイッチパネル
(51)【国際特許分類】
E04C 2/292 20060101AFI20241009BHJP
E04B 1/94 20060101ALI20241009BHJP
E04B 1/80 20060101ALI20241009BHJP
E04F 13/12 20060101ALI20241009BHJP
【FI】
E04C2/292
E04B1/94 V
E04B1/80 100Q
E04F13/12 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023060982
(22)【出願日】2023-04-04
(71)【出願人】
【識別番号】000207436
【氏名又は名称】日鉄鋼板株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】後藤 治
(72)【発明者】
【氏名】大平 智広
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 極
(72)【発明者】
【氏名】生喜 隆之
【テーマコード(参考)】
2E001
2E110
2E162
【Fターム(参考)】
2E001DD01
2E001DE01
2E001FA04
2E001GA42
2E001HB01
2E001HC07
2E001HD02
2E001HD03
2E001HD04
2E001HD09
2E001HE01
2E001KA01
2E001LA01
2E001LA12
2E110AA26
2E110AA57
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2E110DC01
2E110DC03
2E110DC12
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2E162CC06
2E162CD11
2E162CE05
2E162CE06
2E162DA09
(57)【要約】
【課題】金属外皮が膨らみにくくなって外観低下が生じにくい金属サンドイッチパネルを提供する。
【解決手段】金属サンドイッチパネル10は、二つの金属外皮1,2の間に樹脂フォーム4を備えている。二つの金属外皮1,2は、それぞれ、対向部111、211を有する。対向部111、211は、金属サンドイッチパネル10の端部において、樹脂フォーム4を介して対向している。対向部111,211の間には、樹脂フォーム4の端面40を覆う塞ぎ材6が設けられている。塞ぎ材6及び樹脂フォーム4には、ガス抜き通路7が形成されている。ガス抜き通路7を通じて樹脂フォーム4中のガスを金属サンドイッチパネル10外に放出することができ、ガス圧による樹脂フォーム4と金属外皮1、2との剥離が生じにくくなる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
二つの金属外皮の間に樹脂フォームを備えた金属サンドイッチパネルであって、
前記二つの金属外皮は、それぞれ、対向部を有し、前記対向部は、前記金属サンドイッチパネルの端部において、前記樹脂フォームを介して対向しており、
前記対向部の間には、前記樹脂フォームの端面を覆う塞ぎ材が設けられており、
前記塞ぎ材及び前記樹脂フォームには、ガス抜き通路が形成されている。
金属サンドイッチパネル。
【請求項2】
前記ガス抜き通路は、孔部及びスリットの少なくとも一方を含む、
請求項1に記載の金属サンドイッチパネル。
【請求項3】
前記ガス抜き通路は、複数の孔部を含み、
前記複数の孔部は、前記金属サンドイッチパネルの長さ方向に並んでいる、
請求項1に記載の金属サンドイッチパネル。
【請求項4】
前記ガス抜き通路は、前記金属サンドイッチパネルの長さ方向に延びるスリットを含む、
請求項1に記載の金属サンドイッチパネル。
【請求項5】
前記対向部と、前記対向部の間にある前記樹脂フォームとを含む嵌合凸部を有し、
前記嵌合凸部の端面が前記塞ぎ材で形成されている、
請求項1に記載の金属サンドイッチパネル。
【請求項6】
前記金属外皮は、前記嵌合凸部の前方に位置する覆い部を有する、
請求項5に記載の金属サンドイッチパネル。
【請求項7】
前記ガス抜き通路は、前記樹脂フォームの前記端面から一方の前記金属外皮の方に向かって延びている、
請求項1に記載の金属サンドイッチパネル。
【請求項8】
前記塞ぎ材は、紙、樹脂フィルム、不織布、織布の群から選ばれる少なくとも一つである、
請求項1~7のいずれか1項に記載の金属サンドイッチパネル。
【請求項9】
二つの金属外皮の間に樹脂フォームを備えた金属サンドイッチパネルであって、
前記二つの金属外皮は、それぞれ、対向部を有し、前記対向部は、前記金属サンドイッチパネルの端部において、前記樹脂フォームを介して対向しており、
前記樹脂フォームには、前記対向部の間に位置する端面に開口するガス抜き通路が形成されている、
金属サンドイッチパネル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、金属サンドイッチパネルに関する。より詳細には、本開示は、金属外皮と芯材とを有する金属サンドイッチパネルに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、内部結露防止外断熱装置が記載されている。この装置は、建物の耐火壁の外側に、建物と間隔を持たせて外装材を設置し、耐火壁と外装材との間に、ウレタンに対し相溶性のよい難燃材を混入させた難燃性ウレタン発泡体を充填して構成している。外装材としては、ウレタンフォームまたはイソシアヌレートフォームを芯材とし、これを2枚の金属板で挟持した金属サンドイッチパネルが使用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような金属サンドイッチパネルは、芯材が液状から発泡体へと硬化する際に生じる接着力(自己接着力)により、芯材と金属板とが接着している。しかし、芯材や金属板の経日変化により、芯材と金属板とが部分的に剥離し、芯材と剥離した部分で金属板が金属サンドイッチパネルの表面側に膨らみ、金属サンドイッチパネルの外観が低下することがあった。
【0005】
本開示は、金属外皮の膨らみによる外観低下が生じにくい金属サンドイッチパネルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る金属サンドイッチパネルは、二つの金属外皮の間に樹脂フォームが充填された金属サンドイッチパネルである。前記二つの金属外皮は、それぞれ、互いに対向する端部を有し、前記二つの金属外皮は、それぞれ、対向部を有する。前記対向部は、前記金属サンドイッチパネルの端部において、前記樹脂フォームを介して対向している。前記対向部の間には、前記樹脂フォームの端面を覆う塞ぎ材が設けられている。前記塞ぎ材及び前記樹脂フォームには、ガス抜き通路が形成されている。
【0007】
本開示の一態様に係る金属サンドイッチパネルは、二つの金属外皮の間に樹脂フォームを備えた金属サンドイッチパネルである。前記二つの金属外皮は、それぞれ、対向部を有する。前記対向部は、前記金属サンドイッチパネルの端部において、前記樹脂フォームを介して対向している。前記樹脂フォームには、前記対向部の間に位置する端面に開口するガス抜き通路が形成されている。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、ガス抜き孔を通じて樹脂フォーム中のガスを金属サンドイッチパネル外に放出することができ、ガス圧による樹脂フォームと金属外皮との剥離が生じにくくなる。従って、金属外皮が膨らみにくくなって外観低下が生じにくい。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、本実施形態に係る金属サンドイッチパネルを示す一部の断面図である。
【
図2】
図2は、本実施形態に係る金属サンドイッチパネルを示す斜視図である。
【
図3】
図3は、本実施形態に係る金属サンドイッチパネルを示す断面図である。
【
図4】
図4は、本実施形態に係る金属サンドイッチパネルの接続状態を示す断面図である。
【
図5】
図5は、本実施形態に係る金属サンドイッチパネルを示す一部の斜視図である。
【
図6】
図6は、本実施形態に係る金属サンドイッチパネルを示す一部の斜視図である。
【
図7】
図7は、本実施形態に係る金属サンドイッチパネルの他例を示す斜視図である。
【
図8】
図8は、本実施形態に係る金属サンドイッチパネルの他例を示す断面図である。
【
図9】
図9は、本実施形態に係る金属サンドイッチパネルの他例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示を添付図面に示す実施形態に基づいて説明するが、本開示は下記の実施形態に限定されるものではなく、本開示の意図する範囲内であれば、適宜の設計変更が可能である。
【0011】
(実施形態)
(1)概要
図10は、本実施形態と同様の金属サンドイッチパネル10xを示している。この金属サンドイッチパネル10xは、二つの金属外皮1,2の間に樹脂フォーム4を備えている。金属外皮1と金属外皮2とは対向して配置され、金属外皮1と金属外皮2との間に樹脂フォーム4が芯材として設けられている。樹脂フォーム4は、ポリウレタンフォームやポリフェノールフォームなどの樹脂発泡体であり、断熱性や耐火性を有している。樹脂フォーム4は、一方の金属外皮1の片面に供給された樹脂液が発泡して形成される。樹脂液の発泡の途中で、金属外皮1と対向させて他方の金属外皮2を配置し、金属外皮1と金属外皮2との間で樹脂液をさらに発泡させる。そして、樹脂液が完全に発泡すると樹脂フォーム4となる。樹脂フォーム4は、自己接着力により、金属外皮1、2と接着する。
【0012】
ところで、金属外皮1と金属外皮2とは、ヒートブリッジを防止するため、直接接触しないように配置されている。例えば、
図10では、金属サンドイッチパネル10xの下部において、金属外皮1の下部1xと金属外皮2の下部2xとが所定の間隔を開けて対向配置されている。また下部1xと下部2xとの間には、樹脂フォーム4が充填されており、下部1xと下部2xとが直接接触しないように形成されている。ここで、下部1xと下部2xとの間隔は、樹脂液が完全に発泡する前に形成されるため、下部1xと下部2xとの間隙を塞ぐように塞ぎ材6を設けて、下部1xと下部2xとの間から発泡途中の樹脂液が漏れ出ないようにしている。
【0013】
通常、製造時に発生するガス(二酸化炭素など)は、発泡剤が気化したガスであって、その大部分は、僅かな隙間から金属サンドイッチパネル10x外に排出される。しかしながら、ガスが十分に排出されず、樹脂フォーム4中に残存することがある。また樹脂フォーム4中に、未反応の成分が残存した場合では、金属サンドイッチパネル10xの完成後に、未反応の成分が反応し、新たにガス(二酸化炭素など)を発生させることもある。そして、樹脂フォーム4中のガスが、金属サンドイッチパネル10xから外部に排出されないと、ガスが樹脂フォーム4と金属外皮1との間に溜まり、このガスの圧力で樹脂フォーム4と金属外皮1とが剥離され、
図10のように、金属外皮1の一部に膨らみ部100xが生じることがあった。図中の想像線Xで囲まれる範囲が、特に、膨らみ100xが発生しやすい範囲である。そこで、本発明者らは、膨らみ部100xが生じにくい金属サンドイッチパネル10を開発するに至った。
【0014】
図1に示すように、本実施形態に係る金属サンドイッチパネル10は、二つの金属外皮1、2の間に樹脂フォーム4を備えている。二つの金属外皮1,2は、それぞれ、対向部111、211を有する。対向部111、211は、金属サンドイッチパネル10の端部において、樹脂フォーム4を介して対向している。対向部111,211の間には、樹脂フォーム4の端面40を覆う塞ぎ材6が設けられている。塞ぎ材6及び樹脂フォーム4には、ガス抜き通路7が形成されている。
【0015】
本実施形態の金属サンドイッチパネル10では、金属サンドイッチパネル10の製造後に、ガス抜き通路7を通じて樹脂フォーム4中のガスを金属サンドイッチパネル10外に放出することができ、ガス圧による樹脂フォーム4と金属外皮1、2との剥離が生じにくくなり、金属外皮1、2が膨らみにくくなって外観低下が生じにくい。特に、金属サンドイッチパネル10の製造後から金属サンドイッチパネル10の施工前までの間は、ガス抜き通路7が塞がれにくいため、樹脂フォーム4中のガスがガス抜き通路7を通じて金属サンドイッチパネル10外に放出されやすい。従って、施工前の金属サンドイッチパネル10の樹脂フォーム4から十分にガスが排出され、施工後の金属サンドイッチパネル10の金属外皮1、2に膨れが生じにくい。
【0016】
(2)詳細
本実施形態の金属サンドイッチパネル10は、ビルや工場などの建物の外壁等に使用される建築用パネルである。
図2に示されるように、金属サンドイッチパネル10は、第1の金属外皮1により構成された表面板11と、表面板11に対向配置されると共に第2の金属外皮2により構成された裏面板21と、この表面板11と裏面板21との間に配設される樹脂フォーム4とを備えている。樹脂フォーム4は、金属サンドイッチパネル10の芯材として形成されている。
【0017】
本実施形態の金属サンドイッチパネル10は、正面視略矩形状に形成されている。本実施形態の金属サンドイッチパネル10は、幅方向の一方の端部に嵌合凹部9が形成されており、他方の端部に嵌合凸部8が形成されている。金属サンドイッチパネル10は、同一平面上に複数並設されて施工される。この場合、嵌合凹部9と嵌合凸部8との嵌合により、隣接する金属サンドイッチパネル10が接続される。なお、以下の説明においては、便宜上、嵌合凹部9と嵌合凸部8とを嵌合する方向と同方向を幅方向とし、この幅方向に直角で且つ金属サンドイッチパネル10の面内方向に沿った方向を長さ方向とし、幅方向及び長さ方向に直角の方向を厚み方向と定義する。
【0018】
金属サンドイッチパネル10の長さ方向の寸法は、幅方向の寸法及び厚み方向の寸法よりも大きい。金属サンドイッチパネル10の幅方向の寸法は、厚み方向の寸法よりも大きい。金属サンドイッチパネル10は、通常、幅方向を上下方向として施工され、長さ方向を左右方向として施工される。従って、嵌合凹部9は、金属サンドイッチパネル10の上端部に設けられ、嵌合凸部8は、金属サンドイッチパネル10の下端部に設けられる。嵌合凹部9及び嵌合凸部8は、金属サンドイッチパネル10の長さ方向の全長にわたって形成されている。第1の金属外皮1と第2の金属外皮2とは、金属サンドイッチパネル10の厚み方向で対向している。なお、金属サンドイッチパネル10は、幅方向を左右方向として施工され、長さ方向を上下方向として施工されてもよい。その場合、嵌合凹部9は、金属サンドイッチパネル10の左右方向の一端に設けられ、嵌合凸部8は、金属サンドイッチパネル10の左右方向の他端部に設けられる。
【0019】
第1及び第2の金属外皮1、2は平板状の金属板にロール成形等などの加工を施して所定の形状に形成されている。金属板としては、従来から建材を形成する際に使用されるものであって、例えば、エスジーエル(登録商標)鋼板、ガルバリウム鋼板(登録商標)、亜鉛めっき鋼板、塗装鋼板などを挙げることができる。金属板の板厚も特に限定は無く、例えば、0.25~2.3mmとすることができる。
【0020】
図3に示すように、第1の金属外皮1は、第1パネル本体112を有している。第1パネル本体112は平板状に形成され、金属サンドイッチパネル10の表面側の主面を構成している。第1の金属外皮1は、第1横片113を有している。第1横片113は、第1パネル本体112の上端から後方(樹脂フォーム4側)に向かって突出している。第1の金属外皮1は、第1縦片114を有している。第1縦片114は、第1横片113の上端から上方に向かって突出している。第1の金属外皮1は、下凹溝片115を有している。下凹溝片115は、第1縦片114の上端から後方(樹脂フォーム4側)に向かって突出している。第1の金属外皮1は、凹溝片116を有している。凹溝片116は、下凹溝片115の上端から上方に向かって突出している。第1の金属外皮1は、上凹溝片117を有している。上凹溝片117は、凹溝片116の上端から前方(樹脂フォーム4と反対側)に向かって突出している。第1の金属外皮1は、第2縦片118を有している。第2縦片118は、上凹溝片117の上端から上方に向かって突出している。第1の金属外皮1は、第1凹部片119を有している。第1凹部片119は、第2縦片118の上端から下方に向かって折り返すように突出している。第1の金属外皮1は、第1凹部底片120を有している。第1凹部底片120は、第1凹部片119の下端から後方に向かって突出している。第1の金属外皮1は、第1上差込み片121を有している。第1上差込み片121は、第1凹部底片120の後端から下方に向かって突出している。第1上差込み片121は、樹脂フォーム4の上側の端面42から内部に差し込まれている。
【0021】
第1の金属外皮1は、覆い部3を有している。覆い部3は、第1の金属外皮1の下端部に設けられている。覆い部3は、前覆い部30と後覆い部31とを有している。前覆い部30は、第1パネル本体112の下端から下方に突出して形成されている。前覆い部30と第1パネル本体112とは段差なく平坦状に形成されている。後覆い部31は、前覆い部30の後方に位置している。後覆い部31は、前覆い部30の下端から上方に向かって折り返すように形成されている。前覆い部30と後覆い部31とは、厚み方向(前後方向)で所定の間隔を介して対向している。前覆い部30と後覆い部31との間には、樹脂製の補強材41が充填されている。
【0022】
第1の金属外皮1は、隙間片122を有している。隙間片122は、後覆い部31の上端から後方に向かって突出している。第1の金属外皮1は、第1凸部片123を有している。第1凸部片123は、隙間片122の後端から下方に向かって突出している。第1の金属外皮1は、第1下差込み片124を有している。第1下差込み片124は、第1凸部片123の下端から上方に向かって折り返すように突出している。第1下差込み片124は、樹脂フォーム4の下側の端面40から内部に差し込まれている。第1下差込み片124と第1凸部片123とは、厚み方向(前後方向)で所定の間隔を介して対向している。そして、第1下差込み片124と第1凸部片123とで、第1の金属外皮1の下側の端部には、第1の対向部111が形成されている。
【0023】
図3に示すように、第2の金属外皮2は、第2パネル本体212を有している。第2パネル本体212は平板状に形成され、金属サンドイッチパネル10の表面側の主面を構成している。第2パネル本体212は厚み方向で第1の金属外皮1と対向している。第2の金属外皮2は、第2凹部片219を有している。第2凹部片219は、第2パネル本体212の上端から下方に向かって折り返すように突出している。第2凹部片219は、第1凹部片119と厚み方向で対向している。第2の金属外皮2は、第2凹部底片220を有している。第2凹部底片220は、第2凹部片219の下端から前方に向かって突出している。第2の金属外皮2は、第2上差込み片221を有している。第2上差込み片221は、第2凹部底片220の前端から下方に向かって突出している。第2上差込み片221は、樹脂フォーム4の上側の端面42から内部に差し込まれている。
【0024】
第2の金属外皮2は、下段片222を有している。下段片222は、第2パネル本体212の下端から前方に向かって突出している。第2の金属外皮2は、第2凸部片223を有している。第2凸部片223は、下段片222の前端から下方に向かって突出している。第2凸部片223は、第1凸部片123と所定の間隔を介して厚み方向で対向している。第2の金属外皮2は、第2下差込み片224を有している。第2下差込み片224は、第2凸部片223の下端から上方に向かって折り返すように突出している。第2下差込み片224は、樹脂フォーム4の下側の端面40から内部に差し込まれている。第2下差込み片224と第2凸部片223とは、厚み方向(前後方向)で所定の間隔を介して対向している。そして、第2下差込み片224と第2凸部片223とで、第2の金属外皮2の下側の端部には、第2の対向部211が形成されている。第1の対向部111と第2の対向部211とは、厚み方向(前後方向)で所定の間隔を介して対向している。このようにして第1の金属外皮1と第2の金属外皮2とは、ヒートブリッジを防止するため、直接接触しないように配置されている。
【0025】
嵌合凹部9は、第1凹部片119、第2凹部片219、第1凹部底片120、第2凹部底片220及び樹脂フォーム4の上側の端面42で囲まれる空間で形成されている。嵌合凹部9には、EPDM、ブチルゴム及び軟質ウレタンフォーム等で形成されるパッキン90が長さ方向の全長にわたって設けられている。嵌合凸部8は、第1の対向部111、第2の対向部211及び第1の対向部111と第2の対向部211との間にある樹脂フォーム4の一部で構成されている。
【0026】
図1に示すように、金属サンドイッチパネル10の下側端面には塞ぎ材6が設けられている。塞ぎ材6は、金属サンドイッチパネル10の製造時に、第1の対向部111と第2の対向部211の間から樹脂フォーム4が漏れ出るのを抑制するために設けられている。塞ぎ材6は、長さ方向の全長にわたって設けられている。金属サンドイッチパネル10の下側端面である嵌合凸部8の端面80は塞ぎ材6の外面(樹脂フォーム4と反対側の面)で形成されている。塞ぎ材6は、第1の対向部111の第1凸部片123と第2の対向部211の第2凸部片223のとの間に架け渡して設けられている。従って、第1の対向部111と第2の対向部211との間にある樹脂フォーム4の端面40は、塞ぎ材6によって覆われている。塞ぎ材6は、第1凸部片123の外面と第2凸部片223の外面とに接着されている。
【0027】
塞ぎ材6の材質は、特に限定されないが、紙、樹脂フィルム、不織布、織布の群から選ばれる少なくとも一つであることが好ましい。紙としては、クラフト紙と粘着部ラミネート材との二層構成のものを例示することができる。この場合、孔部70又はスリット71のガス抜き通路7を形成しやすい。塞ぎ材6は、長さ方向に延びる帯状に形成され、シート状、フィルム状、板状などに形成することができる。塞ぎ材6の厚み(上下方向の寸法)は、0.01mm以上0.5mm以下にすることができるが、これに限定されるものではなく、孔部70又はスリット71のガス抜き通路7を形成しやすい厚みであればよい。
【0028】
樹脂フォーム4は、金属サンドイッチパネル10の主体を構成する部分であり、樹脂の発泡体により構成される。本実施形態の樹脂フォーム4は、ポリイソシアヌレートフォーム、ウレタンフォーム、スチレンフォームまたはフェノールフォームの群から選ばれる少なくとも一種である。樹脂フォーム4として、これら複数種類を組み合わせて形成してもよいし、どれか一つだけを用いてもよい。また、複数種類の材料を厚み方向に積層してもよい。樹脂フォーム4は、断熱性を有し、耐火性を有するのが好ましい。
【0029】
本実施形態の金属サンドイッチパネル10は、ガス抜き通路7を有する。ガス抜き通路7は、樹脂フォーム4中にある二酸化炭素などのガスを金属サンドイッチパネル10の外部に排出するための通路である。
図5に示すように、ガス抜き通路7は、複数の孔部70で形成することができる。複数の孔部70は、金属サンドイッチパネル10の略厚み方向の中央部で、金属サンドイッチパネル10の長さ方向に所定の間隔を介して並べて設けられている。隣り合う孔部70の間隔は、特に限定されないが、例えば、5mm以上100mm以下にすることができる。これにより、樹脂フォーム4中にあるガスを金属サンドイッチパネル10の外部に排出しやすくなる。
【0030】
各孔部70は、塞ぎ材6を上下方向で貫通し、樹脂フォーム4内にまで形成されている。従って、孔部70は、嵌合凸部8を構成する樹脂フォーム4の内部から塞ぎ材6の下面(嵌合凸部8の端面80)にまで達するように形成されている。すなわち、孔部70は、樹脂フォーム4の端面40に開口し、嵌合凸部8の端面80にも開口している。孔部70の上下寸法は、嵌合凸部8の上下寸法よりも大きく形成することが好ましく、例えば、孔部70の上端は、嵌合凸部8の上方に位置し、第2の金属外皮2の第2パネル本体212の下端とほぼ同じ高さ位置にあることが好ましい。孔部70の上下方向の寸法(塞ぎ材6の下面における開口から上端までの寸法)は、特に限定されないが、100mm以下にすることができ、20mm~40mmがより好ましい。これにより、樹脂フォーム4中にあるガスを金属サンドイッチパネル10の外部に排出しやすくなる。また、各孔部70の直径は、特に限定されないが、1.0mm以上5.0mm以下にすることができる。これにより、樹脂フォーム4中にあるガスを金属サンドイッチパネル10の外部に排出しやすくなる。
【0031】
図6に示すように、本実施形態の金属サンドイッチパネル10は、ガス抜き通路7がスリット71で形成されていてもよい。スリット71は、金属サンドイッチパネル10の厚み方向の略中央部で、金属サンドイッチパネル10の長さ方向に延びるように形成することができる。スリット71は、金属サンドイッチパネル10の長さ方向の全長にわたって連続するように形成することができるが、これに限らず、所定長さのスリット71を複数長さ方向に並べて設けることができる。
【0032】
スリット71は、塞ぎ材6を上下方向で貫通し、樹脂フォーム4内にまで形成されている。従って、スリット71は、嵌合凸部8を構成する樹脂フォーム4の内部から塞ぎ材6の下面(嵌合凸部8の端面80)にまで達するように形成されている。すなわち、スリット71は、樹脂フォーム4の端面40に開口し、嵌合凸部8の端面80にも開口している。
【0033】
スリット71の上下寸法は、嵌合凸部8の上下寸法よりも大きく形成することが好ましく、例えば、スリット71の上端は、嵌合凸部8の上方に位置し、第2の金属外皮2の第2パネル本体212の下端とほぼ同じ高さ位置にあることが好ましい。スリット71の上下方向の寸法(塞ぎ材6の下面における開口から上端までの寸法)は、特に限定されないが、100mm以下にすることができ、20mm~40mmがより好ましい。これにより、樹脂フォーム4中にあるガスを金属サンドイッチパネル10の外部に排出しやすくなる。また、スリット71の厚み方向(前後方向)の寸法は、特に限定されないが、1.0mm以上5.0mm以下にすることができる。これにより、樹脂フォーム4中にあるガスを金属サンドイッチパネル10の外部に排出しやすくなる。
【0034】
なお、ガス抜き通路7は、複数の孔部70と所定長さのスリット71とを併用して形成してもよい。この場合、孔部70と所定長さのスリット71とが混在していてもよいし、規則正しく並んでいてもよい。
【0035】
本実施形態の金属サンドイッチパネル10では、金属サンドイッチパネル10の製造後に、孔部70又はスリット71のガス抜き通路7を通じて樹脂フォーム4中のガスを金属サンドイッチパネル10外に放出することができる。すなわち、金属サンドイッチパネル10の製造後に、樹脂フォーム4中の二酸化炭素などのガスや未反応成分などのガスが、樹脂フォーム4から孔部70又はスリット71に導入され、このガスが孔部70又はスリット71を通じて、塞ぎ材6の下面に開口する孔部70又はスリット71の下端開口から金属サンドイッチパネル10の外部に排出される。これにより、ガスが樹脂フォーム4中に溜まりにくくなり、ガス圧による樹脂フォーム4と金属外皮1、2との剥離が生じにくくなる。この結果、金属外皮1、2が膨らみにくくなって外観低下が生じにくい。
【0036】
図4は、上下方向で隣接する二つの金属サンドイッチパネル10の接続構造を示している。上側の金属サンドイッチパネル10の嵌合凸部8が、下側の金属サンドイッチパネル10の嵌合凹部9に嵌め込まれて嵌合することにより、二つの金属サンドイッチパネル10が接続される。ここで、嵌合凸部8の端面80はパッキン90の上面に密着する。また、覆い部3は、嵌合凸部8の前方に位置しており、覆い部3の下端は、嵌合凸部8の下端よりも下方に位置している。このため、下側の金属サンドイッチパネル10を固定するビスなどの固定具50が、上側の金属サンドイッチパネル10の覆い部3よりも後方に位置することになり、覆い部3で固定具50が前方から見えなくなるように覆うことができる。なお、固定具50は、凹溝片116に前方から打ち込まれ(ねじ込まれ)、金属サンドイッチパネル10を厚み方向で貫通し、金属サンドイッチパネル10の後方に位置する胴縁などの壁下地に打ち込まれる(ねじ込まれる)。このとき、固定具50の頭部51は、凹溝片116の前面に密着するように位置している。このようにして金属サンドイッチパネル10が壁下地に固定されて施工される。
【0037】
本実施形態の金属サンドイッチパネル10は、以下のようにして製造される。まず、第1の金属外皮1の片面(樹脂フォーム4に接着される方の面)に樹脂液を供給する。樹脂液は発泡して樹脂フォーム4になる液状の樹脂材料である。次に、樹脂液の発泡の途中で、第1の金属外皮1と対向させて第2の金属外皮2を配置し、第1の金属外皮1と第2の金属外皮2との間で樹脂液をさらに発泡させる。このとき、対向して配置した第1の金属外皮1の対向部111と第2の金属外皮2の対向部211との間に塞ぎ材6を配置する。塞ぎ材6は、第1凸部片123の外面と第2凸部片223の外面とに接着されて配置される。また、パッキン90が第1凹部片119、第2凹部片219、第1凹部底片120、第2凹部底片220で囲まれる空間に配置される。第1の金属外皮1と第2の金属外皮2との間で樹脂液をさらに発泡させるには、対向する第1の金属外皮1と第2の金属外皮2とをダブルコンベアで挟んで加熱加圧しながら行う。そして、樹脂液が完全に発泡すると樹脂フォーム4となる。
【0038】
樹脂フォーム4は、自己接着力により、第1の金属外皮1及び第2の金属外皮2に接着する。第1の金属外皮1と第2の金属外皮2とは、ヒートブリッジを防止するため、直接接触しないように配置されている。従って、第1の対向部111と第2の対向部211とは、厚み方向(前後方向)で所定の間隔を介して対向しているが、発泡途中の樹脂フォーム4が漏れ出ないように、第1の対向部111と第2の対向部211との間を塞ぎ材6で塞ぐことができる。
【0039】
この後、塞ぎ材6及び樹脂フォーム4にガス抜き通路7を形成する。複数の孔部70を含むガス抜き通路7は、針、ドリルなどを使用して塞ぎ材6の外側から樹脂フォーム4に至る孔部70を順次形成する。スリット71を含むガス抜き通路7は、カッターなどを使用して塞ぎ材6の外側から樹脂フォーム4に至るスリット71を形成する。このようにして金属サンドイッチパネル10を製造することができる。
【0040】
そして、本実施形態の金属サンドイッチパネル10では、製造後に、塞ぎ材6の外面に開口する孔部70やスリット71のガス抜き通路7を通じて、樹脂フォーム4中のガスや未反応成分を金属サンドイッチパネル10の外部に排出することができる。特に、金属サンドイッチパネル10の製造後から施工するまでの間に、樹脂フォーム4中のガスや未反応成分を排出しやすい。従って、金属サンドイッチパネル10の製造後にガス圧による樹脂フォーム4と金属外皮1、2との剥離が生じにくくなり、第1の金属外皮1及び第2の金属外皮2が膨らみにくくなる。
【0041】
(変形例)
実施形態は、本開示の様々な実施形態の一つに過ぎない。実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
【0042】
図7に示す金属サンドイッチパネル10は、上部に嵌合凸部8を有し、下部に嵌合凹部9を有している。また、この金属サンドイッチパネル10は、覆い部3を有していない。そして、嵌合凸部8の上端面が塞ぎ材6で形成され、この塞ぎ材6にガス抜き通路7として複数の孔部70が形成されている。
【0043】
なお、塞ぎ材6は、嵌合凸部8の端面80を構成するだけでなく、嵌合凹部9の底面を構成するようにしてもよい。
【0044】
上記実施形態では、ガス抜き通路7(孔部70又はスリット71)が上下方向に沿って真っ直ぐ形成されているが、これに限定されない。
図8に示すように、ガス抜き通路7は、樹脂フォーム4の端面40から一方の金属外皮1の方に向かって延びている。すなわち、ガス抜き通路7は、下端から上端に向かって、上下方向に対して前方に傾いて形成されている。これにより、ガス抜き通路7が上下方向に沿って真っ直ぐ形成されている場合に比べて、ガス抜き通路7の上端が一方(前側)の金属外皮1に近くなり、嵌合凸部8の上方において、金属外皮1により近い樹脂フォーム4中のガスが排除しやすくなる。なお、ガス抜き通路7は、樹脂フォーム4の端面40から他方の金属外皮2に向かって延びていてもよい。また複数の孔部70又はスリット71のうち、一部が一方の金属外皮1の方に向かって延び、他の一部が他方の金属外皮2の方に向かって延びていてもよい。なお、この変形例において、孔部70又はスリット71の長さは、100mm以下にすることができ、20mm~40mmがより好ましいが、これに限定されるものではない。
【0045】
上記実施形態では、塞ぎ材6を備えた金属サンドイッチパネル10を示したが、
図9のように、塞ぎ材6を備えない金属サンドイッチパネル10であってもよい。この場合、嵌合凸部8の端面80は、樹脂フォーム4の端面40で構成されている。樹脂フォーム4の端面40は、対向部111と対向部211の間に位置し、金属サンドイッチパネル10の外部に露出されている。そして、ガス抜き通路7(複数の孔部70又はスリット71)は、樹脂フォーム4の端面40に開口している。なお、塞ぎ材6は、ガス抜き通路7を樹脂フォーム4に形成する前又は後で、対向部111、211及び樹脂フォーム4の端面40から剥離して除去することができる。
【0046】
そして、塞ぎ材6で樹脂フォーム4の端面40が覆われていない場合は、端面40からガスが排出されやすくなり、ガス圧による樹脂フォーム4と金属外皮1、2との剥離が生じにくくなる。なお、塞ぎ材6は、厚みの薄い金属サンドイッチパネル10の場合に不要になることがある。
【0047】
(まとめ)
以上説明したように、第1の態様に係る金属サンドイッチパネル(10)は、二つの金属外皮(1,2)の間に樹脂フォーム(4)を備えている。二つの金属外皮(1,2)は、それぞれ、対向部(111、211)を有する。対向部(111、211)は、金属サンドイッチパネル(10)の端部において、樹脂フォーム(4)を介して対向している。対向部(111,211)の間には、樹脂フォーム4の端面(40)を覆う塞ぎ材(6)が設けられている。塞ぎ材(6)及び樹脂フォーム(4)には、ガス抜き通路(7)が形成されている。
【0048】
この態様によれば、ガス抜き通路(7)を通じて樹脂フォーム(4)中のガスを金属サンドイッチパネル(10)外に放出することができ、ガス圧による樹脂フォーム(4)と金属外皮(1、2)との剥離が生じにくくなり、金属外皮(1,2)が膨らみにくくなって外観低下が生じにくい。
【0049】
第2の態様は、第1の態様に係る金属サンドイッチパネル(10)であって、ガス抜き通路(7)は、孔部(70)及びスリット(71)の少なくとも一方を含む。
【0050】
この態様によれば、孔部(70)及びスリット(71)を通じて、樹脂フォーム(4)中のガスを金属サンドイッチパネル(10)外に放出することができる。
【0051】
第3の態様は、第1又は2の態様に係る金属サンドイッチパネル(10)であって、ガス抜き通路(7)は、複数の孔部(70)を含む。複数の孔部(70)は、金属サンドイッチパネル(10)の長さ方向に並んでいる。
【0052】
この態様によれば、金属サンドイッチパネル(10)の長さ方向に並ぶ複数の孔部(70)から樹脂フォーム(4)中のガスを金属サンドイッチパネル(10)外に放出することができる。
【0053】
第4の態様は、第1又は2の態様に係る金属サンドイッチパネル(10)であって、ガス抜き通路(7)は、金属サンドイッチパネル(10)の長さ方向に延びるスリット(71)を含む。
【0054】
この態様によれば、金属サンドイッチパネル(10)の長さ方向に延びるスリット(71)から樹脂フォーム(4)中のガスを金属サンドイッチパネル(10)外に放出することができる。
【0055】
第5の態様は、第1~4のいずれか1つの態様に係る金属サンドイッチパネル(10)であって、対向部(111、211)と、対向部(111、211)の間にある樹脂フォーム(4)と、を含む嵌合凸部(8)を有する。嵌合凸部(8)の端面(80)が塞ぎ材(6)で形成されている。
【0056】
この態様によれば、嵌合凸部(8)を構成する樹脂フォーム(4)の一部からガス抜き通路(7)を通じてガスが金属サンドイッチパネル(10)外に放出されやすくなって、金属外皮(1,2)の嵌合凸部(8)の周辺部分において膨れが生じにくくなる。
【0057】
第6の態様は、第1~5のいずれか1つの態様に係る金属サンドイッチパネル(10)であって、金属外皮(1)は、嵌合凸部(8)の前方に位置する覆い部(3)を有する。
【0058】
この態様によれば、覆い部(3)及びその周辺部分(例えば、
図10の想像線Xで囲まれる範囲)において膨れが生じにくくなる。
【0059】
第7の態様は、第1~6のいずれか1つの態様に係る金属サンドイッチパネル(10)であって、ガス抜き通路(7)は、樹脂フォーム(4)の端面(40)から一方の金属外皮(1)に向かって延びている。
【0060】
この態様によれば、ガス抜き通路(7)を通じて、一方の金属外皮(1)の近くの樹脂フォーム(4)中のガスを金属サンドイッチパネル(10)外に放出しやすい。
【0061】
第8の態様は、第1~7のいずれか1つの態様に係る金属サンドイッチパネル(10)であって、塞ぎ材(6)は、紙、樹脂フィルム、不織布、織布の群から選ばれる少なくとも一つである。
【0062】
この態様によれば、孔部(70)又はスリット(71)のガス抜き通路(7)を形成しやすい。
【0063】
第9の態様に係る金属サンドイッチパネル(10)は、二つの金属外皮(1,2)の間に樹脂フォーム(4)を備えている。二つの金属外皮(1,2)は、それぞれ、対向部(111、211)を有する。対向部(111、211)は、金属サンドイッチパネル(10)の端部において、樹脂フォーム(4)を介して対向している。樹脂フォーム(4)には、対向部(111、211)の間に位置する端面(40)に開口するガス抜き通路(7)が形成されている。
【0064】
この態様によれば、ガス抜き通路(7)を通じて樹脂フォーム(4)中のガスを金属サンドイッチパネル(10)外に放出することができ、ガス圧による樹脂フォーム(4)と金属外皮(1、2)との剥離が生じにくくなり、金属外皮(1,2)が膨らみにくくなって外観低下が生じにくい。
【符号の説明】
【0065】
10 金属サンドイッチパネル
1 金属外皮
111 対向部
2 金属外皮
211 対向部
3 覆い部
4 樹脂フォーム
6 塞ぎ材
7 ガス抜き通路
70 孔部
71 スリット
8 嵌合凸部
80 端面