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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024148072
(43)【公開日】2024-10-17
(54)【発明の名称】給湯器
(51)【国際特許分類】
   F24H 15/196 20220101AFI20241009BHJP
   F24H 15/14 20220101ALI20241009BHJP
   F24H 15/20 20220101ALI20241009BHJP
   F24H 15/45 20220101ALI20241009BHJP
   F24H 1/14 20220101ALI20241009BHJP
   F24H 15/395 20220101ALN20241009BHJP
【FI】
F24H15/196 301Z
F24H15/196 301L
F24H15/14
F24H15/20
F24H15/45 101
F24H1/14 B
F24H15/395
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023060983
(22)【出願日】2023-04-04
(71)【出願人】
【識別番号】000004709
【氏名又は名称】株式会社ノーリツ
(74)【代理人】
【識別番号】100111383
【弁理士】
【氏名又は名称】芝野 正雅
(74)【代理人】
【識別番号】100170922
【弁理士】
【氏名又は名称】大橋 誠
(72)【発明者】
【氏名】圓尾 健人
(72)【発明者】
【氏名】内倉 政治
(72)【発明者】
【氏名】井上 清晴
【テーマコード(参考)】
3L024
3L034
【Fターム(参考)】
3L024DD06
3L024DD22
3L024DD34
3L024DD35
3L034BA25
3L034BB03
(57)【要約】
【課題】給湯器を制御するための給湯器制御基板を用いながら、特別な機能を実行するための装置を円滑に駆動可能な給湯器を提供する。
【解決手段】給湯器は、給湯器の制御を行う給湯器制御基板11aと、給湯器に備えられたオゾン生成装置248およびUV照射装置249を駆動するためのデバイス基板11bと、を備える。デバイス基板11bは、電源を生成する電源生成回路110と、電源生成回路110により生成された電源を用いてオゾン生成装置248に電源を供給するためのオゾンデバイス電源供給回路120と、電源生成回路110により生成された電源を用いてUV照射装置249に電源を供給するためのUVデバイス電源供給回路130と、を備える。電源生成回路110、オゾンデバイス電源供給回路120およびUVデバイス電源供給回路130は、給湯器制御基板11aからの信号により、電源の供給および遮断が制御される。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
給湯器の制御を行う給湯器制御基板と、
ふろに接続される配管にオゾン水を供給するオゾンデバイスおよび浴槽と前記給湯器とを循環する湯に紫外線を照射するUVデバイスをそれぞれ駆動するために前記給湯器制御基板とは別に配置され、前記給湯器制御基板と信号のやり取りを行うデバイス基板と、を備え、
前記デバイス基板は、
電源を生成する電源生成回路と、
前記電源生成回路により生成された前記電源を用いて前記オゾンデバイスに電源を供給するためのオゾンデバイス電源供給回路と、
前記電源生成回路により生成された前記電源を用いて前記UVデバイスに電源を供給するためのUVデバイス電源供給回路と、を備え、
前記電源生成回路、前記オゾンデバイス電源供給回路および前記UVデバイス電源供給回路は、前記給湯器制御基板からの信号により、電源の供給および遮断が制御される、
ことを特徴とする給湯器。
【請求項2】
請求項1に記載の給湯器において、
前記給湯器制御基板は、動作状態を相互に監視し合う第1制御回路および第2制御回路を備え、
前記電源生成回路における電源の供給および遮断、前記オゾンデバイス電源供給回路における電源の供給および遮断、および、前記UVデバイス電源供給回路における電源の供給および遮断が、前記第1制御回路および前記第2制御回路により分担して制御される、
ことを特徴とする給湯器。
【請求項3】
請求項1に記載の給湯器において、
前記給湯器制御基板は、前記オゾンデバイスに制御信号を供給するとともに、前記オゾンデバイスから駆動に関するフィードバック信号を受信する、
ことを特徴とする給湯器。
【請求項4】
請求項3に記載の給湯器において、
前記給湯器制御基板は、前記電源生成回路、前記オゾンデバイス電源供給回路および前記オゾンデバイスに対して異常条件に応じた制御をそれぞれ実行したときの前記フィードバック信号に基づいて、前記異常条件に対応する異常の有無を判定する、
ことを特徴とする給湯器。
【請求項5】
請求項4に記載の給湯器において、
前記異常条件は、
前記電源生成回路に電源の供給を遮断させ、
前記オゾンデバイス電源供給回路に電源の供給を行わせ、且つ、
前記オゾンデバイスを駆動させるよう制御した場合に、
前記フィードバック信号が駆動中であることを示していると、
前記電源生成回路に異常が生じていると判定することである、
ことを特徴とする給湯器。
【請求項6】
請求項4に記載の給湯器において、
前記異常条件は、
前記電源生成回路に電源の供給を行わせ、
前記オゾンデバイス電源供給回路に電源の供給を遮断させ、且つ、
前記オゾンデバイスを駆動させるよう制御した場合に、
前記フィードバック信号が駆動中であることを示していると、
前記オゾンデバイス電源供給回路に異常が生じていると判定することである、
ことを特徴とする給湯器。
【請求項7】
請求項4に記載の給湯器において、
前記異常条件は、
前記電源生成回路に電源の供給を行わせ、
前記オゾンデバイス電源供給回路に電源の供給を行わせ、且つ、
前記オゾンデバイスを駆動させないよう制御した場合に、
前記フィードバック信号が駆動中であることを示していると、
前記制御信号に異常が生じていると判定することである、
ことを特徴とする給湯器。
【請求項8】
請求項4に記載の給湯器において、
前記異常条件は、
前記電源生成回路に電源の供給を行わせ、
前記オゾンデバイス電源供給回路に電源の供給を行わせ、且つ、
前記オゾンデバイスを駆動させるよう制御した場合に、
前記フィードバック信号が非駆動中であることを示していると、
前記フィードバック信号に異常が生じていると判定することである、
ことを特徴とする給湯器。
【請求項9】
請求項4ないし8の何れか一項に記載の給湯器において、
前記給湯器制御基板は、前記オゾンデバイスを駆動させる直前に前記異常の有無の判定を行う、
ことを特徴とする給湯器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、給湯器に関し、ふろ機能を有する給湯器に用いて好適なものである。
【背景技術】
【0002】
従来、湯張りや追い焚き等のふろ機能を有する給湯器が知られている。この種の給湯器では、制御基板に実装された制御回路によって、各種機能が制御される。制御基板には、全ての機能に対応可能に回路部が実装される。このため、給湯器の機能増加に伴い、制御基板に実装される回路部も増加する。
【0003】
以下の特許文献1には、複数のマイコンを備えた燃焼装置の制御装置が記載されている。これらのマイコンは、相互に動作を監視し合う。これにより、燃焼動作の安全性を高めることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3871663号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
給湯器には、湯張りや追い焚き等のふろ機能の他、ふろ配管の清掃や、浴槽内の湯水を除菌する機能が装備され得る。また、ふろ配管の清掃や湯水の除菌に、さらにオゾン水や紫外線を用いることも検討され得る。この場合、給湯器には、紫外線照射装置やオゾン生成装置が別途配備され、さらに、これらの装置に電源を供給するための回路が必要となる。
【0006】
しかし、これらの特別な装置は、全ての機種の給湯器に一律に配置されるものではない。このため、給湯器を制御するための給湯器制御基板を用いつつ、これらの装置に円滑かつ柔軟に対応可能であることが望まれる。
【0007】
かかる課題に鑑み、本発明は、給湯器を制御するための給湯器制御基板を用いながら、特別な機能を実行するための装置を円滑に駆動可能な給湯器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の主たる態様に係る給湯器は、給湯器の制御を行う給湯器制御基板と、ふろに接続される配管にオゾン水を供給するオゾンデバイスおよび浴槽と前記給湯器とを循環する湯に紫外線を照射するUVデバイスをそれぞれ駆動するために前記給湯器制御基板とは別に配置され、前記給湯器制御基板と信号のやり取りを行うデバイス基板と、を備える。前記デバイス基板は、電源を生成する電源生成回路と、前記電源生成回路により生成された前記電源を用いて前記オゾンデバイスに電源を供給するためのオゾンデバイス電源供給回路と、前記電源生成回路により生成された前記電源を用いて前記UVデバイスに電源を供給するためのUVデバイス電源供給回路と、を備える。前記電源生成回路、前記オゾンデバイス電源供給回路および前記UVデバイス電源供給回路は、前記給湯器制御基板からの信号により、電源の供給および遮断が制御される。
【0009】
本態様に係る給湯器によれば、給湯器の制御を行う給湯器制御基板とは別に、電源生成回路、オゾンデバイス電源供給回路およびUVデバイス電源供給回路を備えたデバイス基板が配置され、これらの回路は、給湯器制御基板からの信号により制御される。よって、給湯器を制御するための給湯器制御基板を用いつつ、特別な機能を実行するためのオゾンデバイスおよびUVデバイスを円滑に駆動できる。
【0010】
本態様に係る給湯器において、前記給湯器制御基板は、動作状態を相互に監視し合う第1制御回路および第2制御回路を備え、前記電源生成回路における電源の供給および遮断、前記オゾンデバイス電源供給回路における電源の供給および遮断、および、前記UVデバイス電源供給回路における電源の供給および遮断が、前記第1制御回路および前記第2制御回路により分担して制御されるよう構成され得る。
【0011】
この構成によれば、動作状態を相互に監視し合う第1制御回路および第2制御回路により、電源生成回路と、オゾンデバイス電源供給回路およびUVデバイス電源供給回路とが、分担して制御されるため、電源生成回路、オゾンデバイス電源供給回路およびUVデバイス電源供給回路を適正に制御できる。よって、オゾンデバイスおよびUVデバイスを適正に駆動できる。
【0012】
本態様に係る給湯器において、前記給湯器制御基板は、前記オゾンデバイスに制御信号を供給するとともに、前記オゾンデバイスから駆動に関するフィードバック信号を受信するよう構成され得る。
【0013】
この構成によれば、デバイス基板に制御回路を実装せずとも、給湯器制御基板からの制御によって、オゾンデバイスを円滑に制御できる。
【0014】
この場合、前記給湯器制御基板は、前記電源生成回路、前記オゾンデバイス電源供給回路および前記オゾンデバイスに対して異常条件に応じた制御をそれぞれ実行したときの前記フィードバック信号に基づいて、前記異常条件に対応する異常の有無を判定するよう構成され得る。
【0015】
この構成によれば、給湯器制御基板によって、オゾンデバイスの異常を円滑かつ適正に判定できる。
【0016】
ここで、前記異常条件は、前記電源生成回路に電源の供給を遮断させ、前記オゾンデバイス電源供給回路に電源の供給を行わせ、且つ、前記オゾンデバイスを駆動させるよう制御した場合に、前記フィードバック信号が駆動中であることを示していると、前記電源生成回路に異常が生じていると判定することとされ得る。
【0017】
この異常条件によれば、電源生成回路に生じた異常を適正に判定できる。
【0018】
また、前記異常条件は、前記電源生成回路に電源の供給を行わせ、前記オゾンデバイス電源供給回路に電源の供給を遮断させ、且つ、前記オゾンデバイスを駆動させるよう制御した場合に、前記フィードバック信号が駆動中であることを示していると、前記オゾンデバイス電源供給回路に異常が生じていると判定することとされ得る。
【0019】
この異常条件によれば、オゾンデバイス電源供給回路に生じた異常を適正に判定できる。
【0020】
また、前記異常条件は、前記電源生成回路に電源の供給を行わせ、前記オゾンデバイス電源供給回路に電源の供給を行わせ、且つ、前記オゾンデバイスを駆動させないよう制御した場合に、前記フィードバック信号が駆動中であることを示していると、前記制御信号に異常が生じていると判定することとされ得る。
【0021】
この異常条件によれば、制御信号に生じた異常を適正に判定できる。
【0022】
また、前記異常条件は、前記電源生成回路に電源の供給を行わせ、前記オゾンデバイス電源供給回路に電源の供給を行わせ、且つ、前記オゾンデバイスを駆動させるよう制御した場合に、前記フィードバック信号が非駆動中であることを示していると、前記フィードバック信号に異常が生じていると判定することとされ得る。
【0023】
この異常条件によれば、フィードバック信号に生じた異常を適正に判定できる。
【0024】
ここで、前記給湯器制御基板は、前記オゾンデバイスを駆動させる直前に前記異常の有無の判定を行うよう構成され得る。
【0025】
これにより、オゾンデバイスが異常な状態で駆動されることを、未然且つ確実に抑制できる。
【0026】
この場合、上記の異常判定が行われることで、オゾン生成装置が異常な状態で駆動されることを防ぎ得る。よって、安全に、ふろ配管の清掃を行うことができる。
【発明の効果】
【0027】
以上のとおり、本発明によれば、給湯器を制御するための給湯器制御基板を用いながら、特別な機能を実行するための装置を円滑に駆動可能な給湯器を提供することができる。
【0028】
本発明の効果ないし意義は、以下に示す実施形態の説明により更に明らかとなろう。ただし、以下に示す実施形態は、あくまでも、本発明を実施化する際の一つの例示であって、本発明は、以下の実施形態に記載されたものに何ら制限されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1図1は、実施形態に係る、給湯装置の構成を示す図である。
図2図2は、実施形態に係る、給湯器の燃焼系および配管の構成を模式的に示す図である。
図3図3は、実施形態に係る、給湯器制御基板およびデバイス基板に配置されている回路部の構成を模式的に示す図である。
図4図4は、実施形態に係る、オゾン生成装置に関連する異常を判定するための処理を示すフローチャートである。
図5図5は、実施形態に係る、異常の判定に用いる異常条件を示す図である。
図6図6は、変更例に係る、給湯器制御基板およびデバイス基板に配置されている回路部の構成を模式的に示す図である。
図7図7は、他の変更例に係る、異常の判定に用いる異常条件を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
【0031】
図1は、実施形態に係る、給湯装置10の構成を示す図である。
【0032】
給湯装置10は、給湯器11と、リモートコントローラ12、13とを備えている。給湯器11は、ガスを燃料として湯を供給するガス給湯器である。すなわち、給湯器11は、ガス燃料を燃焼させて生じる燃焼ガスで水を温めるガス燃焼式給湯器である。
【0033】
給湯器11により生成された湯は、台所の蛇口や、浴槽、カラン等に供給される。また、床暖房機能や、室内暖房機能、浴室暖房機能を実現するそれぞれの機器(暖房端末)に対して、給湯器11から湯が供給される。
【0034】
リモートコントローラ12、13は、給湯器11に接続され、給湯装置10の各機能について種々の設定や指示を行うために用いられる。リモートコントローラ12は、液晶パネルからなる表示部12aと、入力部12bとを備え、リモートコントローラ13は、タッチパネルからなる表示入力部13aと、運転ボタン13bとを備える。
【0035】
使用者は、表示部12aに表示された画面に従って入力部12bを操作することにより、湯張りや給湯温度調節等について、任意の設定を行うことができる。また、使用者は、表示入力部13aを操作することによっても、湯張り等の設定を行える。
【0036】
リモートコントローラ12は浴室に設置され、リモートコントローラ13はキッチン等に設置される。リモートコントローラ12、13には、音声を入出力するための音声窓12c、13cが設けられている。以下、リモートコントローラ12を「浴室リモコン12」と称し、リモートコントローラ13を「台所リモコン13」と称する。
【0037】
給湯器11には、給湯器制御基板11aとデバイス基板11bとが設置されている。給湯器制御基板11aは、給湯器11の制御を行う。デバイス基板11bは、給湯器制御基板11aと信号のやり取りを行い、給湯器11に備えられたオゾン生成装置248およびUV照射装置249を駆動する。
【0038】
オゾン生成装置248は、浴槽に繋がる配管を清掃するための湯水にオゾンを導入する。UV照射装置249は、浴槽と給湯器11とを循環する湯に紫外線を照射して、湯を除菌する。オゾン生成装置248は、配管清掃機能の実行時に駆動され、UV照射装置249は、湯水除菌機能の実行時に駆動される。給湯器11は、これらの特別な機能の実行のために、オゾン生成装置248とUV照射装置249とを備えている。
【0039】
図2は、給湯器11の燃焼系および配管の構成を模式的に示す図である。
【0040】
給湯器11は、その外郭を形成する筐体200内に、第1供給部210と第2供給部220とを備える。第1供給部210は、給湯機能のために、給湯用の湯を生成して、カラン、浴槽等の給湯端末に供給する。第2供給部220は、床暖房、室内暖房および浴室暖房を含む暖房機能のために、暖房用の湯を生成して床暖房機等の暖房端末に供給する。さらに、第2供給部220は、追い焚き機能のために、追い焚き用の湯を生成して浴槽に供給する。
【0041】
さらに、筐体200には、燃焼室を構成する缶体250と、缶体250の内部に燃焼用の空気を供給するためのファン260とが収容されている。缶体250の排気口251は、筐体200の上面から外部に導かれている。
【0042】
第1供給部210は、1次熱交換器211と、2次熱交換器212と、燃焼器213とを備える。燃焼器213は、燃料ガスを燃焼させるガスバーナである。1次熱交換器211および2次熱交換器212は、燃焼器213で生じた燃焼ガスから熱を回収して、入水管214を流れる水を加熱昇温させる。入水管214には、水源からの水が供給される。1次熱交換器211および2次熱交換器212における熱交換により生成された湯が、出湯管215から出湯される。出湯された湯は、台所および浴室のカランに供給される。
【0043】
入水管214と出湯管215の間には、バイパス管216が設けられている。このバイパス管216に、給湯器制御基板11aによって制御される流量調節弁217が設置されている。流量調節弁217が開放されると、バイパス管216を介して、入水管214から出湯管215に水が流入する。こうして、出湯管215を流れる湯に水が混ざることで、湯の温度が調整される。また、出湯管215に設けられた流量調節弁218によって入水管214および出湯管215を流れる湯水の流量を調整することによっても、湯の温度を調整できる。流量調節弁218は、入水管214に設けられてもよい。
【0044】
燃焼器213には、ガス管271を介して、燃料ガスが供給される。ガス管271には、燃料ガスの供給および遮断を切り替えるための元ガス電磁弁272が設置されている。元ガス電磁弁272は、給湯器制御基板11aによって制御される。ガス管271は、元ガス電磁弁272の下流側において2つの流路271a、271bに分岐している。流路271a、271bには、それぞれ、燃料ガスの流通量を制御するための比例弁273、274が設置されている。比例弁273、274は、給湯器制御基板11aによって制御される。
【0045】
流路271a、271bは、それぞれ、燃焼器213、223に接続されている。元ガス電磁弁272が開放されると、比例弁273、274により規定される流通量の燃料ガスが、燃焼器213、223に供給される。これにより、所定の燃焼量で燃焼器213、223が燃焼を行う。
【0046】
第2供給部220は、1次熱交換器221と、2次熱交換器222と、燃焼器223とを備える。燃焼器223は、燃料ガスを燃焼させるガスバーナである。1次熱交換器221および2次熱交換器222は、それぞれ、燃焼器223で生じた燃焼ガスから熱を回収して、流通管234、233を流れる水を加熱昇温させる。
【0047】
暖房機能について、流通管231から出湯された湯は、比較的高温(たとえば、80℃程度)の湯を必要とする暖房端末、すなわち室内暖房機と浴室換気乾燥暖房機に供給される。流通管232から出湯された湯は、比較的低温(たとえば、60℃程度)の温水を必要とする暖房端末、すなわち床暖房機に供給される。これらの暖房端末を循環した湯は、流通管233に戻される。すなわち、流通管231、232、233と、これらの流通管と暖房端末とを接続する配管、および、流通管234、235とによって、暖房端末との間の循環経路が構成される。
【0048】
給湯器制御基板11aによりポンプ237が駆動されると、膨張タンク236内の湯が、流通管231、232を通って各暖房端末に導入され、さらに、各暖房端末を通った湯が、流通管233に戻される。流通管233に戻された湯は、2次熱交換器222で加熱昇温され、膨張タンク236に貯留される。
【0049】
膨張タンク236に貯留された低温の湯は、流通管232を通って、低温の暖房端末に供給される。また、膨張タンク236に貯留された低温の湯は、流通管234を通って1次熱交換器221に流通され、高温の湯に加熱昇温される。その後、高温の湯は、流通管231を通って、高温の暖房端末に供給される。
【0050】
このとき、流通管235に設置された流量調節弁238が、適宜、給湯器制御基板11aにより開かれる。これにより、膨張タンク236内の低温の湯が、流通管231を流れる高温の湯に混ぜられて、流通管231から出湯される温水の温度が調整される。こうして、各暖房端末と、1次熱交換器221および2次熱交換器222との間で、低温または高温の湯が循環される。なお、流通管231、232には、図示しない開閉弁が設けられ、高温の暖房端末のみに湯を供給するときには、低温用の流通管232の開閉弁が閉鎖され、低温の暖房端末のみに湯を供給するときには、高温用の流通管231の開閉弁が閉鎖される。
【0051】
追い焚き機能について、流通管241から出湯された湯は、浴槽に供給された後、浴槽から流通管243に戻される。すなわち、流通管241、242と、これらの流通管と浴槽とを接続する配管とによって、浴槽との間の循環経路が構成される。流通管242には、浴槽との間で湯を循環させるためのポンプ244が設置されている。さらに、流通管242には、流通管243を流れる温水との間で熱交換を行うための液液熱交換器245が設置されている。
【0052】
追い焚き時には、給湯器制御基板11aによりポンプ237が駆動された状態で、給湯器制御基板11aにより開閉弁246が開放される。これにより、1次熱交換器221で加熱昇温された湯が流通管243を流れ、液液熱交換器245により、流通管242を流れる湯が加熱昇温される。加熱昇温された湯は、ポンプ244の駆動により、浴槽に供給される。こうして、浴槽と流通管241、242との間で循環する湯が液液熱交換器245で加熱昇温されることにより、浴槽内の湯に対する追い焚きが行われる。
【0053】
湯張り機能について、出湯管215を流れる湯は、出湯管215から分岐した流通管247へと分流されて、流通管242へと導かれる。流通管242へと導かれた湯は、ポンプ244の駆動により、浴槽に供給される。こうして、第1供給部210で生成された湯が浴槽へと供給され、浴槽に湯張りが行われる。
【0054】
また、筐体200内には、湯の供給動作を実行するための各種センサが設置されている。すなわち、8つのサーミスタS1~S8(温度センサ)が、筐体200内に設置されている。
【0055】
サーミスタS1は、出湯管215から出湯される直前の湯水の温度を検知し、サーミスタS2は、缶体250の出口付近において出湯管215を流れる湯水の温度を、給湯温度として検知する。サーミスタS3、S4は、それぞれ、流通管231、232から各暖房端末に出湯される直前の湯水の温度を検知し、サーミスタS5は、各暖房端末から流通管233に戻された湯水の温度を検知する。サーミスタS6は、流通管241から浴槽に出湯される直前の湯水の温度を検知し、サーミスタS7は、浴槽から流通管242に戻された湯水の温度を検知する。サーミスタS8は、排気口251付近の温度を検知する。
【0056】
この他、出湯管215を流れる湯水の流量を検知するための流量センサS9が筐体200内に設置される。運転オン状態にある場合、給湯器制御基板11aは、流量センサS9により所定量以上の流量が検知されると、第1供給部210を動作させる。これにより、給湯機能の給湯運転が開始される。
【0057】
また、入水管214および出湯管215の缶体250付近には、入水管214および出湯管215を温めるためのヒータH1、H2が配置されている。また、流通管233、234の缶体250付近には、流通管233、234を温めるためのヒータH3、H4が配置されている。
【0058】
これらのヒータは、凍結予防運転時に駆動される。すなわち、サーミスタS8により検出される温度が所定の閾値を下回ったことを条件に、給湯器制御基板11aは、ヒータH1~H4を駆動して、1次熱交換器211、221および2次熱交換器212、222の凍結を防止する。この他、図示しない外気温検知用の温度センサの検知温度が所定の閾値を下回ったことを条件に、給湯器制御基板11aは、浴槽内の湯を給湯器11と浴槽とを接続する配管に流通させて、この配管の凍結を防ぐ。
【0059】
この他、給湯器11には、上述のオゾン生成装置248とUV照射装置249が配置されている。給湯器制御基板11aは、これらの装置を用いて、配管清掃機能と湯水除菌機能とを実行する。
【0060】
オゾン生成装置248は、流通管247に配置され、配管清掃機能の実行時に、流通管247を流れる湯水にオゾンを導入する。配管清掃機能では、浴槽からの湯の排水がほぼ終了するタイミングで、出水管215から流通管247へと新たに湯水が供給され、供給された湯水が、ポンプ244により流通管241を流れて浴槽へと導かれる。このとき、オゾン生成装置248が駆動されて、この湯水にオゾンが導入される。これにより、これらの配管とともに、給湯器11と浴槽との間の配管も、オゾンが導入された湯水で清掃される。
【0061】
UV照射装置249は、流通管241に配置され、湯水除菌機能の実行時に、流通管241を流れる湯に紫外線を照射する。湯水除菌機能は、たとえば、入浴者が浴室から退出したことに応じて実行される。このとき、ポンプ244が駆動されて、浴槽内の湯が流通管241に流される。さらに、UV照射装置249が駆動されて、流通管241を流れる湯に紫外線が照射される。これにより、浴槽内の湯が紫外線で除菌される。
【0062】
図3は、給湯器制御基板11aおよびデバイス基板11bに配置されている回路部の構成を模式的に示す図である。
【0063】
給湯器制御基板11aには、端子T11~T16が配置され、デバイス基板11bには、端子T20、T21~T26、T31~T35が配置されている。これらの端子は、信号または電源の入出力に用いられる。
【0064】
給湯器制御基板11aには、第1マイコン101と第2マイコン102が配置されている。第1マイコン101および第2マイコン102は、マイクロコンピュータであり、給湯、ふろおよび暖房に関する上述の各機能を給湯器11が実行する際に、給湯器11の各部に対する制御を分担する。
【0065】
便宜上、図3には、給湯器制御基板11aに配置される回路部として、第1マイコン101および第2マイコン102のみが示されているが、図2の流量調節弁217等を駆動するための駆動回路等、上記機能を実行するためのその他の回路部も給湯器制御基板11aに配置されている。
【0066】
第1マイコン101および第2マイコン102は、所定のタイミングで、各々の動作状態を相互に監視し合う。たとえば、一方のマイコンから他方のマイコンに対して動作確認用のパルス信号が発信され、その応答の有無に基づいて、他方のマイコンが正常に動作しているか否かが判定される。
【0067】
この応答がない場合、一方のマイコンは他方のマイコンが正常に動作していないと判定し、他方のマイコンをリセットするための信号を他方のマイコンに発信する。その後、一方のマイコンは、他方のマイコンに対して、再度動作確認を行う。この動作確認においても他方のマイコンから応答がない場合、一方のマイコンは、給湯器11の動作を停止させ、浴室リモコン12および台所リモコン13に、マイコンの異常を報知させる。
【0068】
なお、本実施形態では、第1マイコン101が主たる制御を行うメインマイコンであり、第2マイコン102が、第1マイコン101からのコマンドに応じて制御を行うサブマイコンである。第1マイコン101は、所定の機能を実行する際に、第2マイコン102にこの機能の実行のためのコマンドを送信する。第2マイコン102は、このコマンドに応じて、対応する機能部を制御し、また、この機能部から受信した信号を適宜、第1マイコン101に送信する。
【0069】
デバイス基板11bには、電源生成回路110と、オゾンデバイス電源供給回路120と、UVデバイス電源供給回路130とが配置されている。
【0070】
電源生成回路110は、電源生成部111と、スイッチ112とを備える。電源生成部111は、商用電源等の交流電源から所定電圧値の直流電圧を生成して後段回路に出力する。電源生成部111は、トランスや整流回路、平滑コンデンサ等を有する周知の電源回路と同様の構成を有する。
【0071】
スイッチ112は、交流電源が入力される端子T20と電源生成部111との間の配線に配置され、第1マイコン101からの制御信号により、この配線を導通または非導通に設定する。スイッチ112は、FET等のスイッチング素子またはメカニカルスイッチ等により構成され得る。スイッチ112が導通状態に設定されることにより、交流電源が電源生成部111に供給され、電源生成部111から直流電圧が出力される。
【0072】
オゾンデバイス電源供給回路120は、オゾン生成装置248に電源を供給する。オゾンデバイス電源供給回路120は、電圧変換部121と、スイッチ122とを備える。電圧変換部121は、電源生成部111から入力される直流電圧を、オゾン生成装置248に適する大きさの直流電圧に変換する。電圧変換部121は、たとえばDC-DCコンバータ等の周知の電圧変換回路により構成される。
【0073】
スイッチ122は、電圧変換部121と端子T33との間の配線に配置され、第2マイコン102からの制御信号により、この配線を導通または非導通に設定する。スイッチ122は、FET等のスイッチング素子またはメカニカルスイッチ等により構成され得る。スイッチ122が導通状態に設定されることにより、電圧変換部121により生成された電源(直流電圧)が、端子T33を介してオゾン生成装置248に供給される。
【0074】
UVデバイス電源供給回路130は、UV照射装置249に電源を供給する。UVデバイス電源供給回路130は、電圧変換部131と、スイッチ132とを備える。電圧変換部131は、電源生成部111から入力される直流電圧を、UV照射装置249に適する大きさの直流電圧に変換する。電圧変換部131は、たとえば、DC-DCコンバータ等の周知の電圧変換回路により構成される。
【0075】
スイッチ132は、電圧変換部131と端子T31との間の配線に配置され、第2マイコン102からの制御信号により、この配線を導通または非導通に設定する。スイッチ132は、FET等のスイッチング素子またはメカニカルスイッチ等により構成され得る。スイッチ132が導通状態に設定されることにより、電圧変換部131により生成された電源(直流電圧)が、端子T31を介してUV照射装置249に供給される。
【0076】
給湯器制御基板11a側の端子T11~T16と、デバイス基板11b側の端子T21~T26とは、それぞれ、信号線により接続されている。また、デバイス基板11bの端子T31~T35は、電圧供給線または信号線により、オゾン生成装置248またはUV照射装置249に接続されている。これらの接続にコネクタが用いられ得る。
【0077】
さらに、デバイス基板11bにおいて、端子T24と端子T32とはパターン配線で接続され、端子T25と端子T34とはパターン配線で接続され、端子T26と端子T35とはパターン配線で接続されている。これにより、デバイス基板11b上のパターン配線を介して、第2マイコン102とオゾン生成装置248およびUV照射装置249との間で、信号のやり取りが可能となっている。
【0078】
スイッチ112をON/OFF制御するための制御信号は、端子T11、T21を介して、第1マイコン101からスイッチ112に出力される。スイッチ122をON/OFF制御するための制御信号は、端子T13、T23を介して、第2マイコン102からスイッチ122に出力される。スイッチ132をON/OFF制御するための制御信号は、端子T12、T22を介して、第2マイコン102からスイッチ112に出力される。
【0079】
UV照射装置249を制御するための制御信号は、端子T14、T24、T32を介して、第2マイコン102からUV照射装置249に出力される。この制御信号は、たとえば、UV照射装置249を駆動または停止させるための信号である。UV照射装置249が紫外線の光量を変更可能である場合、この制御信号が、紫外線の光量を調整するための信号を含んでいてよい。
【0080】
オゾン生成装置248を制御するための制御信号は、端子T15、T25、T34を介して、第2マイコン102からオゾン生成装置248に出力される。この制御信号は、オゾンの生成量、すなわち、湯水に対するオゾンの導入量を制御するための信号である。オゾン生成装置248は、この制御信号に応じて、オゾンの生成量を調節可能である。また、オゾン生成装置248は、オゾンの生成量を示す信号をフィードバック信号として出力可能である。このフィードバック信号は、端子T16、T26、T35を介して、第2マイコン102に出力される。
【0081】
第2マイコン102は、第1マイコン101からの指示値に応じて、オゾン生成装置248におけるオゾンの生成量を制御する。第2マイコン102は、オゾン生成装置248から入力されるフィードバック信号に基づき、オゾンの生成量が指示値に一致するよう、オゾン生成装置248をフィードバック制御する。第2マイコン102は、この制御のための制御信号を、端子T15、T25、T34を介して、オゾン生成装置248に出力する。
【0082】
フィードバック信号は、オゾンの生成量に応じた電圧値を有する電圧信号であってよく、あるいは、オゾンの生成量を値として示すコード信号であってもよい。
【0083】
UV照射装置249を駆動する場合、第1マイコン101は、スイッチ112をONに設定する制御信号を端子T11から出力するとともに、UV照射装置249を駆動させるためのコマンド信号を第2マイコン102に出力する。これに応じて、第2マイコン102は、スイッチ132をONに設定する制御信号を端子T12から出力し、さらに、UV照射装置249を駆動するための制御信号を端子T14から出力する。これにより、UV照射装置249に電源と制御信号が入力され、UV照射装置249が駆動される。
【0084】
オゾン生成装置248を駆動する場合、第1マイコン101は、スイッチ112をONに設定する制御信号を端子T11から出力するとともに、オゾン生成装置248を所定のオゾン生成量(指示値)で駆動させるためのコマンド信号を第2マイコン102に出力する。これに応じて、第2マイコン102は、スイッチ122をONに設定する制御信号を端子T13から出力し、さらに、第1マイコン101からの指示値でオゾン生成装置248にオゾンを生成させるための制御信号を端子T15から出力する。
【0085】
その後、第2マイコン102は、端子T16から入力されるフィードバック信号に基づいて、オゾン生成量が指示値となるように制御信号を調整する。さらに、第2マイコン102は、第1マイコン101から入力されるオゾン生成量の指示値の変更に応じて、制御信号を調整する。第1マイコン101は、図2の流通管247を流れる湯水の流速の変化に応じて、湯水に導入されるオゾンの濃度が所定値以下となるように、オゾン生成量の指示値を変更する。
【0086】
以上の制御の他、第1マイコン101は、オゾン生成装置248に関連する異常を判定するための処理を実行する。
【0087】
図4は、オゾン生成装置248に関連する異常を判定するための処理を示すフローチャートである。
【0088】
第1マイコン101は、オゾン生成装置248の駆動タイミングになると(S11:YES)、実際の駆動の前に、テスト動作を実行する(S12)。このテスト動作において、第1マイコン101は、第2マイコン102と連携して、電源生成回路110、オゾンデバイス電源供給回路120およびオゾン生成装置248に、所定の異常条件に応じた制御をそれぞれ実行する。
【0089】
第1マイコン101は、この制御において取得したフィードバック信号を参照し(S13)、この制御およびフィードバック信号の内容が、上記異常条件を充足するか否かを判定する(S14)。第2マイコン102は、オゾン生成装置248から取得したフィードバック信号を、随時、第1マイコン101に出力する。第1マイコン101は、第2マイコン102から入力されたフィードバック信号を用いて、ステップS14に判定を行う。
【0090】
ステップS14の判定がYESの場合、第1マイコン101は、この異常条件に対応する異常が生じていると判定し、当該異常に応じた処理を実行する(S15)。この処理において、第1マイコン101は、オゾン生成装置248の駆動を中止し、当該エラーに関する報知を浴室リモコン12および台所リモコン13に実行させる。
【0091】
他方、ステップS14の判定がNOの場合、第1マイコン101は、この異常条件に対応する異常が生じていないと判定し、オゾン生成装置248の駆動を開始させる通常処理を実行する(S16)。これにより、第1マイコン101は、図4の処理を終了する。
【0092】
図5は、図4のステップS14において判定される異常条件を示す図である。
【0093】
ここでは、4つの異常条件(条件1~条件4)が設定されている。図5において、SW1は、図3のスイッチ112であり、SW2は、図3のスイッチ122である。また、図5の制御信号は、端子T15、T25、T34を介してオゾン生成装置248に入力される制御信号である。
【0094】
条件1では、スイッチ112をOFFに設定し、スイッチ122をONに設定し、且つ、オゾン生成装置248を駆動させるための制御信号をオゾン生成装置248に出力させる制御が実行される。この制御において、オゾン生成装置248が駆動中であることをフィードバック信号が示していると、デバイス基板11b上の電源生成回路110に異常が生じていると判定される。
【0095】
条件2では、スイッチ112をONに設定し、スイッチ122をOFFに設定し、且つ、オゾン生成装置248を駆動させるための制御信号をオゾン生成装置248に出力させる制御が実行される。この制御において、オゾン生成装置248が駆動中であることをフィードバック信号が示していると、デバイス基板11b上のオゾンデバイス電源供給回路120に異常が生じていると判定される。
【0096】
条件3では、スイッチ112をONに設定し、スイッチ122をONに設定し、且つ、オゾン生成装置248を駆動させる制御信号をオゾン生成装置248に出力させない制御が実行される。この制御において、オゾン生成装置248が駆動中であることをフィードバック信号が示していると、オゾン生成装置248に入力される制御信号に異常が生じていると判定される。
【0097】
条件4では、スイッチ112をONに設定し、スイッチ122をONに設定し、且つ、オゾン生成装置248を駆動させるための制御信号をオゾン生成装置248に出力させる制御が実行される。この制御において、オゾン生成装置248が非駆動中であることをフィードバック信号が示していると、オゾン生成装置248から出力されるフィードバック信号に異常が生じていると判定される。
【0098】
第1マイコン101は、図4のステップS12のテスト動作において、図5の条件1~条件4に対応する制御を順番に実行し、条件ごとに、フィードバック信号の参照(S13)および異常条件の充足の有無(S14)を判定する。そして、第1マイコン101は、少なくとも1つの条件について異常を判定すると、ステップS15の異常処理を実行し、何れの条件にも異常を判定しなければ、ステップS16の正常処理を実行する。
【0099】
なお、テスト動作時における図5の制御信号は、必要最低限のオゾン生成量でオゾン生成装置248を駆動させる内容に制限されることが好ましい。これにより、テスト動作時に、なるべくオゾンを湯水に流入させなくでき、オゾンによる人体への影響を適切に抑制できる。
【0100】
<実施形態の効果>
実施形態によれば、以下の効果が奏され得る。
【0101】
図1に示したように、給湯器11は、給湯器11の制御を行う給湯器制御基板11aとは別に、給湯器制御基板11aと信号のやり取りを行って、オゾン生成装置248(オゾンデバイス)およびUV照射装置249(UVデバイス)を駆動するためのデバイス基板11bを備える。また、図3に示したように、デバイス基板11bは、電源生成回路110、オゾンデバイス電源供給回路120およびUVデバイス電源供給回路130を備え、これらの回路は、給湯器制御基板11aからの信号により制御される。よって、給湯器11を制御するための給湯器制御基板11aを用いつつ、特別な機能を実行するためのオゾン生成装置248(オゾンデバイス)およびUV照射装置249(UVデバイス)を円滑に駆動できる。
【0102】
図3に示したように、給湯器制御基板11aは、動作状態を相互に監視し合う第1マイコン101(第1制御回路)および第2マイコン102(第2制御回路)を備ええる。そして、電源生成回路110における電源の供給および遮断、オゾンデバイス電源供給回路120における電源の供給および遮断、および、UVデバイス電源供給回路130における電源の供給および遮断が、第1マイコン101(第1制御回路)および第2マイコン102(第2制御回路)により分担して制御される。
【0103】
この構成によれば、第1マイコン101(第1制御回路)および第2マイコン102(第2制御回路)が動作状態を相互に監視し合うため、これらマイコンが異常な動作状態で動作することが回避される。そして、これらのマイコンにより、電源生成回路110、オゾンデバイス電源供給回路120およびUVデバイス電源供給回路130の制御が分担されるため、これらの回路を適正に制御できる。よって、オゾン生成装置248(オゾンデバイス)およびUV照射装置249(UVデバイス)を適正に駆動させ得る。
【0104】
図3に示したように、給湯器制御基板11aは、オゾン生成装置248(オゾンデバイス)に制御信号を供給するとともに、オゾン生成装置248(オゾンデバイス)から駆動に関するフィードバック信号を受信する。これにより、デバイス基板11bに制御回路を実装せずとも、給湯器制御基板11aからの制御によって、オゾン生成装置248(オゾンデバイス)を円滑に制御できる。
【0105】
図4に示したように、給湯器制御基板11a(第1マイコン101)は、電源生成回路110、オゾンデバイス電源供給回路120およびオゾン生成装置248(オゾンデバイス)に対して、図5に示す異常条件に応じた制御(S12)をそれぞれ実行したときのフィードバック信号(S13)に基づいて、異常条件に対応する異常の有無を判定する(S14)。これにより、給湯器制御基板11aによって、オゾン生成装置248(オゾンデバイス)の異常を円滑かつ適正に判定できる。
【0106】
図5に示したように、異常条件(条件1)は、電源生成回路110に電源の供給を遮断させ、オゾンデバイス電源供給回路120に電源の供給を行わせ、且つ、オゾン生成装置248(オゾンデバイス)を駆動させるよう制御した場合に、フィードバック信号が駆動中であることを示していると、電源生成回路110に異常が生じていると判定することとされている。この異常条件(条件1)によれば、電源生成回路110に生じた異常を適正に判定できる。
【0107】
図5に示したように、異常条件(条件2)は、電源生成回路110に電源の供給を行わせ、オゾンデバイス電源供給回路120に電源の供給を遮断させ、且つ、オゾン生成装置248(オゾンデバイス)を駆動させるよう制御した場合に、フィードバック信号が駆動中であることを示していると、オゾンデバイス電源供給回路120に異常が生じていると判定することとされている。この異常条件(条件2)によれば、オゾンデバイス電源供給回路120に生じた異常を適正に判定できる。
【0108】
図5に示したように、異常条件(条件3)は、電源生成回路110に電源の供給を行わせ、オゾンデバイス電源供給回路120に電源の供給を行わせ、且つ、オゾン生成装置248(オゾンデバイス)を駆動させないよう制御した場合に、フィードバック信号が駆動中であることを示していると、オゾン生成装置248に対する制御信号に異常が生じていると判定することとされている。この異常条件(条件3)によれば、オゾン生成装置248に対する制御信号に生じた異常を適正に判定できる。
【0109】
図5に示したように、異常条件(条件4)は、電源生成回路110に電源の供給を行わせ、オゾンデバイス電源供給回路120に電源の供給を行わせ、且つ、オゾン生成装置248(オゾンデバイス)を駆動させるよう制御した場合に、フィードバック信号が非駆動中であることを示していると、オゾン生成装置248からのフィードバック信号に異常が生じていると判定することとされている。この異常条件によれば、オゾン生成装置248からのフィードバック信号に生じた異常を適正に判定できる。
【0110】
図4に示したように、給湯器制御基板11a(第1マイコン101)は、オゾン生成装置248(オゾンデバイス)を駆動させる直前に(S11:YES)、異常の有無の判定を行う(S12~S14)。これにより、オゾン生成装置248(オゾンデバイス)が異常な状態で駆動されることを、未然且つ確実に抑制できる。
【0111】
上記のように、本実施形態では、ふろに接続される配管にオゾン水を供給するためのオゾン生成装置248の駆動を対象に、図4の異常判定が行われる。これにより、オゾン生成装置248が異常な状態で駆動されることを防ぐことができる。よって、配管清掃機能によって、安全に、ふろ配管の清掃を行うことができる。
【0112】
<変更例>
図3の構成では、第1マイコン101が電源生成回路110を制御し、第2マイコン102がオゾンデバイス電源供給回路120、UVデバイス電源供給回路130、オゾン生成装置248およびUV照射装置249を制御したが、これらマイコンにおける制御の分担方法は、これに限られるものではない。たとえば、第1マイコン101が、第2マイコン102における上記の制御の一部を分担してもよく、第1マイコン101および第2マイコン102における上記制御の分担が、相互に入れ替わってもよい。また、第2マイコン102がメインマイコンであってもよく、第1マイコン101と第2マイコン102とに主従の関係がなくてもよい。
【0113】
また、図3では、給湯器制御基板11aが1つの基板として図示されたが、給湯器制御基板11aは複数に分割されていてもよい。たとえば、図6に示すように、給湯器制御基板が、第1基板11a1と第2基板11a2とに分割され、第1基板11a1および第2基板11a2に、それぞれ、第1マイコン101および第2マイコン102が配置されてもよい。この場合、第1マイコン101、第2マイコン102およびデバイス基板11bに配置される回路部以外の回路部は、第1基板11a1および第2基板11a2に選択的に配置されればよい。
【0114】
また、上記実施形態では、第1マイコン101が図4の判定処理を行ったが、第2マイコン102が図4の判定処理を行ってもよい。
【0115】
また、給湯器制御基板11aに配置されるマイコン(制御回路)は、必ずしも2つでなくてもよく、たとえば、マイコン(制御回路)が1つだけ給湯器制御基板11aに配置されてもよい。また、デバイス基板11b側に、電源生成回路110、オゾンデバイス電源供給回路120およびUVデバイス電源供給回路130を制御するためのマイコン(制御回路)が配置されてもよく、さらに、このマイコンが、オゾン生成装置248およびUV照射装置249を制御してもよい。この場合、このマイコンが図4の判定処理を行ってもよい。
【0116】
また、図4の判定に用いられる異常条件は、図5に示した条件に限られるものではなく、適宜変更され得る。たとえば、図5の条件1~5の一部が省略されてもよく、あるいは、他の条件が含まれてもよい。たとえば、図6に示すように、図5の条件4が条件5に置き換えられてもよい。条件5では、電源生成回路110に電源の供給を遮断させ、オゾンデバイス電源供給回路120に電源の供給を遮断させ、且つ、オゾン生成装置248(オゾンデバイス)を駆動させないよう制御した場合に、フィードバック信号が駆動中であることを示していると、オゾン生成装置248からのフィードバック信号に異常が生じていると判定される。
【0117】
また、給湯器11に搭載される特別な装置は、オゾン生成装置248およびUV照射装置249に限られるものではなく、他の装置が含まれてもよい。また、異常の判定対象とされる装置もオゾン生成装置248に限られるものではなく、フィードバック信号に基づくフィードバック制御が行われる他の装置が、図4の処理による異常判定の対象に含まれてもよい。
【0118】
また、給湯装置10および給湯器11の構成は、上記実施形態に示した構成に限られるものではなく、他の構成であってもよい。たとえば、給湯装置10および給湯器11が、暖房機能を有さない構成であってもよく、暖房機能に含まれる床暖房機能、室内暖房機能および浴室暖房機能のうち、1つまたは2つの機能を有さない構成であってもよい。
【0119】
また、上記実施形態では、給湯器11が、ガス燃料を燃焼させて生じる燃焼ガスで水を温めるガス燃焼式給湯器であったが、給湯器11の構成はこれに限られるものではない。たとえば、給湯器11がオイル燃料を燃焼させて水を温めるオイル燃焼式の給湯器11であってもよい。また、給湯装置10が、給湯器11とともに、電力を生成する発電機からの排熱を利用して温水を生成する構成を備えた、コジェネレーション型給湯装置であってもよい。
【0120】
また、給湯器11の燃焼系および配管の構成は、図3に示した構成に限られるものではなく、他の構成であってもよい。
【0121】
この他、本発明の実施形態は、特許請求の範囲に記載の範囲で適宜種々の変更可能である。
【符号の説明】
【0122】
10 給湯装置
11 給湯器
11a 給湯器制御基板
11b デバイス基板
101 第1マイコン(第1制御回路)
102 第2マイコン(第2制御回路)
110 電源生成回路
120 オゾンデバイス電源供給回路
130 UVデバイス電源供給回路
248 オゾン生成装置(オゾンデバイス)
249 UV照射装置(UVデバイス)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7