(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024148106
(43)【公開日】2024-10-17
(54)【発明の名称】移動サービス提供システムおよび移動サービス提供方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/40 20240101AFI20241009BHJP
【FI】
G06Q50/30
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023061037
(22)【出願日】2023-04-04
(71)【出願人】
【識別番号】000001993
【氏名又は名称】株式会社島津製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100104433
【弁理士】
【氏名又は名称】宮園 博一
(74)【代理人】
【識別番号】100172362
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 達哉
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 隆介
(72)【発明者】
【氏名】舘 昌邦
(72)【発明者】
【氏名】杉江 智哉
(72)【発明者】
【氏名】星野 昌吾
(72)【発明者】
【氏名】岩田 直樹
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC41
5L050CC41
(57)【要約】
【課題】移動車両の運転が困難であるとともに、自身で移動車両の提供を依頼することが困難な利用者に対して、移動車両を提供することが可能な移動サービス提供システムを提供する。
【解決手段】この移動サービス提供システム100は、移動車両3の運転が困難である利用者90に対して移動サービスを提供する移動サービス提供システムであって、利用者90が移動する際の経路情報10を利用者90の保護者91が予め入力する端末1と、利用者90に対して移動サービスを提供する企業92が有するサーバ2と、を備え、サーバ2は、利用者90と保護者91とを対応付けて記憶する第1記憶部2bと、経路情報10を取得し、利用者90が運転することなく利用者90を移動させることが可能な移動車両3を利用者90に対して提供する第2制御部2aとを含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動車両の運転が困難である利用者に対して移動サービスを提供する移動サービス提供システムであって、
前記利用者が移動する際の経路情報を前記利用者の保護者が予め入力する端末と、
前記利用者に対して前記移動サービスを提供する企業が有するサーバと、を備え、
前記サーバは、前記利用者と前記保護者とを対応付けて記憶する記憶部と、前記経路情報を取得し、前記利用者が運転することなく前記利用者を移動させることが可能な前記移動車両を前記利用者に対して提供する制御部とを含む、移動サービス提供システム。
【請求項2】
前記制御部は、前記利用者の移動情報を遠隔地にいる前記保護者が閲覧可能なように提供するように構成されている、請求項1に記載の移動サービス提供システム。
【請求項3】
前記制御部は、前記利用者の前記移動情報を表示する画面を、遠隔地にいる前記保護者が前記端末において閲覧可能なように提供するように構成されている、請求項2に記載の移動サービス提供システム。
【請求項4】
前記制御部は、前記端末によって前記保護者に入力されて前記記憶部に記憶された前記利用者の情報に基づいて前記利用者と前記保護者との対応関係を取得するとともに、取得した前記利用者と前記保護者との対応関係に基づいて、前記利用者の前記移動情報を表示する画面を遠隔地にいる前記保護者に提供するように構成されている、請求項3に記載の移動サービス提供システム。
【請求項5】
前記制御部は、前記利用者の移動中のリアルタイムの前記移動情報、または、前記利用者の移動が完了した後の移動履歴を含む前記移動情報を、遠隔地にいる前記保護者に対して提供するように構成されている、請求項4に記載の移動サービス提供システム。
【請求項6】
前記経路情報は、前記端末によって前記保護者に入力された前記利用者が移動する際の出発地点の情報および目的地点の情報と、前記利用者が前記出発地点を出発する日時の情報である出発日時情報と、を含み、
前記記憶部は、前記経路情報として、前記出発地点の情報と、前記目的地点の情報と、前記出発日時情報とを記憶するように構成されており、
前記制御部は、前記出発地点の情報と、前記目的地点の情報と、前記出発日時情報とに基づいて、前記利用者の移動経路を設定するように構成されている、請求項1に記載の移動サービス提供システム。
【請求項7】
前記移動車両は、自動運転車両であり、
前記制御部は、前記出発地点の情報および前記出発日時情報に基づいて、前記移動車両を前記利用者の前記出発地点まで自動で移動させる制御を行うように構成されている、請求項6に記載の移動サービス提供システム。
【請求項8】
前記制御部は、前記利用者の移動が完了した場合、前記移動車両を予め設定された返却場所まで自動で移動させる制御を行うように構成されている、請求項7に記載の移動サービス提供システム。
【請求項9】
前記移動車両に設けられた表示部と、
前記移動車両に設けられ、前記利用者が前記保護者または前記利用者の目的地の施設に対して通話可能な通話機能部と、をさらに備え、
前記表示部は、前記通話機能部による通話を開始するための操作部である通話開始操作部を表示するように構成されている、請求項1に記載の移動サービス提供システム。
【請求項10】
前記移動車両に設けられた表示部をさらに備え、
前記記憶部は、前記端末によって前記保護者に入力された前記利用者の持ち物の情報を予め記憶するように構成されており、
前記制御部は、前記記憶部に記憶された前記利用者の前記持ち物の情報に基づいて、前記移動車両に対する前記利用者の前記持ち物の積み忘れ、または、前記移動車両から前記利用者の前記持ち物の降ろし忘れがないか否かを判定するとともに、前記利用者の前記持ち物の積み忘れ、または、前記利用者の前記持ち物の降ろし忘れがあった場合に、その旨を前記表示部に表示させるように構成されている、請求項1に記載の移動サービス提供システム。
【請求項11】
前記利用者は、高齢者、または、認知症患者であり、
前記制御部は、前記移動車両に乗降する際の注意喚起の情報、および、前記移動車両によって移動中に前記移動車両からの降車を抑制する情報の少なくともいずれかを、前記利用者に対して通知する制御をように構成されている、請求項1に記載の移動サービス提供システム。
【請求項12】
前記利用者が前記移動車両によって移動している際の前記利用者の体調に関する情報を取得する体調情報取得部をさらに備え、
前記制御部は、移動中における前記利用者の体調に関する情報を遠隔地にいる前記保護者に提供するように構成されている、請求項1に記載の移動サービス提供システム。
【請求項13】
前記記憶部は、前記端末によって前記保護者に入力された前記利用者の体調に関する懸念事項を予め記憶するように構成されており、
前記制御部は、前記記憶部に記憶された前記利用者の体調に関する前記懸念事項と、前記体調情報取得部により取得された前記利用者の体調に関する情報とに基づいて、移動中における前記利用者の体調に関する情報を遠隔地にいる前記保護者に提供するように構成されている、請求項12に記載の移動サービス提供システム。
【請求項14】
移動車両の運転が困難である利用者に対して移動サービスを提供する移動サービス提供方法であって、
前記利用者が移動する際の経路情報を前記利用者の保護者が予め入力するステップと、
サーバが、前記利用者と前記保護者とを対応付けて記憶するステップと、
前記サーバが、前記経路情報を取得し、前記利用者が運転することなく前記利用者を移動させることが可能な前記移動車両を前記利用者に対して提供するステップと、を備える、移動サービス提供方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動サービス提供システムおよび移動サービス提供方法に関し、特に、利用者自身が運転しない移動車両を用いた移動サービス提供システムおよび移動サービス提供方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、利用者自身が運転しない移動車両を用いた移動サービス提供システムが知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1に記載されているタクシーシステムは、複数のタクシー車両と、管理センタとを備えている。上記特許文献1に開示されているタクシー車両は、利用者からの依頼を受けて、利用者を目的地まで輸送するように構成されている。また、上記特許文献1に開示されているタクシー車両は、運転手が乗車しておらず、動的運転タスクの全てを車両側で行う自動運転車両である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、上記特許文献1に記載されているタクシーシステム(移動サービス提供システム)では、利用者自身が依頼することにより、タクシー車両(移動車両)が利用者に提供される。しかしながら、利用者によっては、移動車両の提供を依頼する操作を行うための端末の扱いが不慣れであり、利用者自身で移動車両の提供を依頼することが困難な場合がある。この場合、利用者が移動サービス提供システムを利用することが困難であるという問題点がある。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、移動車両の運転が困難であるとともに、自身で移動車両の提供を依頼することが困難な利用者に対して、移動車両を提供することが可能な移動サービス提供システムおよび移動サービス提供方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、この発明の第1の局面における移動サービス提供システムは、移動車両の運転が困難である利用者に対して移動サービスを提供する移動サービス提供システムであって、利用者が移動する際の経路情報を利用者の保護者が予め入力する端末と、利用者に対して移動サービスを提供する企業が有するサーバと、を備え、サーバは、利用者と保護者とを対応付けて記憶する記憶部と、経路情報を取得し、利用者が運転することなく利用者を移動させることが可能な移動車両を利用者に対して提供する制御部とを含む。なお、本明細書において、「保護者」とは、利用者の家族、親戚、知人、および、利用者の関係者を含む。また、利用者の関係者とは、医師、看護師、および、介護士などを含む。また、「移動車両を利用者に対して提供する」とは、利用者に対して移動車両のサービスを提供することを意味する。
【0008】
また、この発明の第2の局面における移動サービス提供方法は、移動車両の運転が困難である利用者に対して移動サービスを提供する移動サービス提供方法であって、利用者が移動する際の経路情報を利用者の保護者が予め入力するステップと、サーバが、利用者と保護者とを対応付けて記憶するステップと、サーバが、経路情報を取得し、利用者が運転することなく利用者を移動させることが可能な移動車両を利用者に対して提供するステップと、を備える。
【発明の効果】
【0009】
上記第1の局面における移動サービス提供システム、および、上記第2の局面における移動サービス提供方法は、上記のように、利用者の保護者によって入力された経路情報に基づいて、利用者に対して移動車両の提供を行う。これにより、利用者が移動車両の提供を依頼することなく、保護者が入力した経路情報に基づいて、利用者に対して移動車両を提供することができる。その結果、移動車両の運転が困難であるとともに、自身で移動車両の提供を依頼することが困難な利用者に対して、移動車両を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】一実施形態による移動サービス提供システムの構成を示すブロック図である。
【
図2】一実施形態による移動サービス提供システムにおいて、保護者が経路情報の入力に用いる端末の構成を示すブロック図である。
【
図3】一実施形態によるサーバの構成を示すブロック図である。
【
図4】一実施形態による移動サービス提供システムにおいて、利用者が利用する移動車両の構成を示すブロック図である。
【
図5】一実施形態による移動車両の構成を説明するための模式図である。
【
図6】一実施形態による端末において保護者が利用者の情報を入力する際に表示する利用者情報入力画面を示す模式図である。
【
図7】一実施形態による端末において保護者が経路情報を入力する際に表示する経路情報入力画面を示す模式図である。
【
図8】一実施形態による移動車両に利用者が乗降する際に、移動車両の表示部において注意喚起の情報を表示する画面を示す模式図である。
【
図9】一実施形態による移動車両の表示部において、利用者に対して持ち物の積み忘れがある旨の情報を表示する画面を示す模式図である。
【
図10】一実施形態による移動車両によって利用者が移動している際に、移動車両の表示部において移動経路を表示する画面を示す模式図である。
【
図11】一実施形態による移動車両によって利用者が移動している際に、移動車両の表示部において降車を抑制する情報を表示する画面を示す模式図である。
【
図12】一実施形態による移動車両の表示部において、利用者に対して持ち物の降ろし忘れがある旨の情報を表示する画面を示す模式図である。
【
図13】一実施形態による端末において保護者が利用者の移動情報を閲覧する際に表示する移動情報表示画面を示す模式図である。
【
図14】一実施形態による端末において、利用者の体調に関する情報を表示する画面を示す模式図である。
【
図15】一実施形態による移動サービス提供システムにおいて、移動サービスを提供する処理を説明するためのフローチャートである。
【
図16】一実施形態による移動サービス提供システムにおける事前登録処理を説明するためのフローチャートである。
【
図17】一実施形態による移動サービス提供システムにおけるサービス提供処理を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に基づいて説明する。
【0012】
図1~
図14を参照して、本実施形態による移動サービス提供システム100について説明する。
【0013】
(移動サービス提供システムの全体構成)
図1に示すように、移動サービス提供システム100は、端末1と、サーバ2と、を備える。移動サービス提供システム100は、移動車両3の運転が困難である利用者90に対して移動サービスを提供する移動サービス提供システムである。具体的には、移動サービス提供システム100は、保護者91が企業92に依頼することにより、利用者90に対して移動車両3を提供するシステムである。なお、本実施形態では、利用者90は、高齢者、または、認知症患者である。
【0014】
図1に示すように、端末1と、サーバ2とは、ネットワーク80を介して接続されている。また、サーバ2と、移動車両3とは、ネットワーク80を介して接続されている。ネットワーク80は、たとえば、インターネットを含む。すなわち、ネットワーク80は、端末1、サーバ2、および、移動車両3以外からも接続可能なオープンネットワークである。
【0015】
端末1は、利用者90が移動する際の経路情報10を利用者90の保護者91が予め入力可能なように構成されている。端末1は、たとえば、スマートフォン、タブレット端末などを含む。端末1の詳細な構成については、後述する。
【0016】
サーバ2は、利用者90に対して移動サービスを提供する。具体的には、サーバ2は、利用者90が運転することなく利用者90を移動させることが可能な移動車両3を利用者90に対して提供する。また、サーバ2は、利用者90の移動情報13を遠隔地にいる保護者91が閲覧可能なように提供する。サーバ2は、企業92が有しており、たとえば、データセンターなどに設けられている。サーバ2の詳細な構成については、後述する。
【0017】
移動車両3は、利用者90が運転することなく利用者90を移動させることが可能に構成されている。移動車両3の詳細な構成については、後述する。
【0018】
(端末)
図2に示すように、端末1は、第1制御部1aと、第1入力受付部1bと、第1表示部1cと、第1通信部1dとを備える。
【0019】
第1制御部1aは、端末1の各部の制御を行うように構成されている。第1制御部1aは、たとえば、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサ、または、回路(Circuitry)と、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)などのメモリとを含む。
【0020】
第1入力受付部1bは、保護者91(
図1参照)の入力を受け付けるように構成されている。第1入力受付部1bは、たとえば、タッチパッドなどの入力デバイスを含む。
【0021】
第1表示部1cは、保護者91が利用者90(
図1参照)の情報11(
図1参照)を入力する際の画面、利用者90の移動情報13(
図1参照)を表示する画面などを表示するように構成されている。第1表示部1cは、たとえば、液晶モニタを含む。なお、第1入力受付部1bと、第1表示部1cとは、たとえば、タッチパネルなどのように、一体的に構成されていてもよい。
【0022】
第1通信部1dは、ネットワーク80(
図1参照)を介してサーバ2(
図1参照)と接続可能に構成されている。第1通信部1dは、有線通信用のインターフェース、または、無線通信用のインターフェースなどを含む。
【0023】
再び
図1を参照する。
図1に示すように、端末1は、保護者91によって入力された経路情報10、利用者90の情報11、保護者91の情報12、利用者90の持ち物の情報14、および、利用者90の体調に関する懸念事項16を、ネットワーク80を介してサーバ2に送信するように構成されている。また、端末1は、ネットワーク80を介して、利用者90の移動情報13、および、利用者90の体調に関する情報15をサーバ2から受信するように構成されている。経路情報10、利用者90の情報11、保護者91の情報12、利用者90の移動情報13、利用者90の持ち物の情報14、利用者90の体調に関する情報15、および、利用者90の体調に関する懸念事項16の詳細については、後述する。
【0024】
(サーバ)
図3に示すように、サーバ2は、第2制御部2aと、第1記憶部2bと、を備える。また、サーバ2は、第2入力受付部2cと、第2表示部2dと、第2通信部2eとを備える。なお、「第2制御部2a」、および、「第1記憶部2b」は、それぞれ、特許請求の範囲の「制御部」、および、「記憶部」の一例である。
【0025】
第1記憶部2bは、第2制御部2aが実行する各種プログラムを記憶している。また、第1記憶部2bは、利用者90(
図1参照)と保護者91(
図1参照)とを対応付けて記憶するように構成されている。具体的には、第1記憶部2bは、利用者90の情報11と、保護者91の情報12とを対応付けて記憶することにより、利用者90と保護者91とを対応付けて記憶する。また、第1記憶部2bは、保護者91によって入力された経路情報10を記憶するように構成されている。経路情報10は、端末1(
図1参照)によって保護者91に入力された、利用者90が移動する際の出発地点の情報10aおよび目的地点の情報10bと、利用者90が出発地点を出発する日時の情報である出発日時情報10cと、を含む。第1記憶部2bは、経路情報10として、出発地点の情報10aと、目的地点の情報10bと、出発日時情報10cとを記憶するように構成されている。
【0026】
出発地点の情報10aは、たとえば、出発地点の住所、または、出発地点の緯度および経度など、出発地点を特定可能な情報である。また、目的地点の情報10bは、たとえば、目的地点の住所、または、目的地点の緯度および経度など、目的地点を特定可能な情報である。また、目的地点の情報10bは、たとえば、目的地点の施設の電話などを含んでいてもよい。出発日時情報10cは、利用者90が移動車両3を利用する日付の情報、および、出発時刻の情報を含む。
【0027】
また、第1記憶部2bは、端末1によって保護者91に入力された利用者90の持ち物の情報14(
図1参照)を予め記憶するように構成されている。また、第1記憶部2bは、端末1によって保護者91に入力された利用者90の体調に関する懸念事項16(
図1参照)を予め記憶するように構成されている。また、第1記憶部2bは、後述する移動車両3の返却場所の情報を記憶している。第1記憶部2bは、HDD(Hard Disk Drive)、または、SSD(Solid State Drive)などの不揮発性の記憶装置を含む。
【0028】
第2制御部2aは、第1記憶部2bに記憶された各種プログラムを実行することより、サーバ2の各部を制御するように構成されている。また、第2制御部2aは、経路情報10を取得し、利用者90が運転することなく利用者90を移動させることが可能な移動車両3(
図1参照)を利用者90に対して提供するように構成されている。また、第2制御部2aは、利用者90の移動情報13(
図1参照)を遠隔地にいる保護者91が閲覧可能なように提供するように構成されている。第2制御部2aは、たとえば、CPUなどのプロセッサ、または、回路(Circuitry)と、ROMおよびRAMなどのメモリとを含む。第2制御部2aが移動車両3を利用者90に対して提供する構成の詳細、および、利用者90の移動情報13を保護者91に提供する構成の詳細については、後述する。
【0029】
第2入力受付部2cは、操作者の操作入力を受け付けるように構成されている。第2入力受付部2cは、たとえば、マウス、キーボードなどの入力装置を含む。
【0030】
第2表示部2dは、操作者がサーバ2を操作する際の各種画面を表示するように構成されている。第2表示部2dは、たとえば、液晶モニタを含む。
【0031】
第2通信部2eは、ネットワーク80(
図1参照)を介して端末1と接続可能に構成されている。また、第2通信部2eは、ネットワーク80を介して、移動車両3と接続可能に構成されている。第2通信部2eは、有線通信用のインターフェース、または、無線通信用のインターフェースなどを含む。
【0032】
再び
図1を参照する。
図1に示すように、サーバ2は、端末1からネットワーク80を介して送信された経路情報10、利用者90の情報11、保護者91の情報12、利用者90の持ち物の情報14、および、利用者90の体調に関する懸念事項16を受信するように構成されている。また、サーバ2は、ネットワーク80を介して、端末1に対して利用者90の移動情報13、および、利用者90の体調に関する情報15を送信するように構成されている。また、サーバ2は、ネットワーク80を介して、移動車両3に対して、経路情報10、および、利用者90の持ち物の情報14を送信するように構成されている。また、サーバ2は、ネットワーク80を介して、利用者90の移動情報13、および、利用者90の体調に関する情報15を、移動車両3から受信するように構成されている。
【0033】
(移動車両)
図4に示すように、移動車両3は、第3制御部3aと、第3入力受付部3bと、第3表示部3cと、を備える。また、移動車両3は、通話機能部3dと、体調情報取得部3eと、を備える。また、移動車両3は、第2記憶部2fと、駆動部3gと、持ち物検知部3hと、第3通信部3iとを備える。なお、「第3表示部3c」は、特許請求の範囲の「表示部」の一例である。
【0034】
第3制御部3aは、移動車両3の各部を制御するように構成されている。また、第3制御部3aは、ネットワーク80(
図1参照)を介して、サーバ2(
図1参照)から受信した経路情報10に基づいて、移動車両3を移動させる制御を行うように構成されている。すなわち、本実施形態による移動車両3は、自動運転車両である。第3制御部3aは、たとえば、CPUなどのプロセッサ、または、回路(Circuitry)と、ROMおよびRAMなどのメモリとを含む。
【0035】
第3入力受付部3bは、利用者90(
図1参照)の入力を受け付けるように構成されている。第3入力受付部3bは、たとえば、タッチパッドなどの入力デバイスを含む。
【0036】
第3表示部3cは、利用者90に対して移動中に経路52(
図7参照)などの情報を表示した画面などを表示するように構成されている。第3表示部3cは、たとえば、液晶モニタを含む。なお、第3入力受付部3bと、第3表示部3cとは、たとえば、タッチパネルなどのように、一体的に構成されていてもよい。
【0037】
通話機能部3dは、移動車両3に設けられ、利用者90が保護者91または利用者90の目的地の施設に対して通話可能に構成されている。通話機能部3dは、たとえば、通話モジュールを含む。
【0038】
体調情報取得部3eは、利用者90が移動車両3によって移動している際の利用者90の体調に関する情報15を取得するように構成されている。利用者90の体調に関する情報15は、たとえば、利用者90の体温、脈拍、姿勢、視線、および、握力などを含む。体調情報取得部3eは、利用者90の体温、脈拍、姿勢、視線、および、握力などを取得可能な各種センサを含む。各種センサは、たとえば、温度センサ、脈拍センサ、利用者90の姿勢および視線を測定可能なカメラ、および、圧力センサなどを含む。
【0039】
第2記憶部3fは、第3制御部3aが実行する各種プログラムを記憶している。また、第2記憶部3fは、ネットワーク80を介してサーバ2から送信された経路情報10、および、利用者90の持ち物に関する情報14を記憶するように構成されている。
【0040】
駆動部3gは、第3制御部3aの制御の下、移動車両3に駆動力を供給するように構成されている。駆動部3gは、たとえば、エンジン、および/または、モータを含む
【0041】
持ち物検知部3hは、利用者90の持ち物を検知するように構成されている。持ち物検知部3hは、たとえば、利用者90の持ち物に設けられたIC(Integrated Circuit)タグを検知するセンサ、カメラ、または、重量センサを含む。持ち物検知部3hは、ICタグの読み込み、画像処理、または、重量を検知することにより、利用者90の持ち物を検知するように構成されている。
【0042】
第3通信部3iは、ネットワーク80(
図1参照)を介してサーバ2(
図1参照)と接続可能に構成されている。第3通信部3iは、有線通信用のインターフェース、または、無線通信用のインターフェースなどを含む。
【0043】
図5に示すように、移動車両3は、車両本体部3jと、複数の車輪3kと、フロントガラス3lと、座席3mと、荷台3nと、を含み、1人、または、2人の利用者90(
図1参照)と、利用者90の持ち物とを輸送(移動)させることが可能な自動運転車両である。また、第3表示部3cは、座席3mと対向する位置に設けられ、座席3mに座った利用者90に対して各種情報を表示するように構成されている。また、荷台3nの上方には、屋根部3oが設けられている。したがって、荷台3nに乗せた利用者90に持ち物が、雨などによって濡れることを抑制することができる。なお、移動車両3は、複数の車両を含み、予め設定された保管場所において保管されている。
【0044】
再び
図1を参照する。
図1に示すように、移動車両3は、ネットワーク80を介して、経路情報10、および、利用者90の持ち物の情報14を、サーバ2から受信するように構成されている。また、移動車両3は、ネットワーク80を介して、利用者90の移動情報13、および、利用者90の体調に関する情報15を、サーバ2に対して送信するように構成されている。
【0045】
ここで、利用者90が高齢者または認知症患者の場合、移動車両3の提供を依頼する操作を行うための端末の扱いが不慣れであり、利用者90自身で移動車両3の提供を依頼することが困難な場合がある。そこで、本実施形態では、移動サービス提供システム100は、利用者90の代わりに、保護者91が移動車両3の提供を依頼することが可能なように構成されている。
【0046】
移動サービス提供システム100によるサービスの提供は、まず、保護者91が、利用者90の情報11、および、経路情報10などをサーバ2に登録(記憶)することから開始される。そして、サーバ2は、保護者91によって登録された各種情報に基づいて、利用者90に対して移動車両3を提供する。
【0047】
(保護者による情報の登録)
図6および
図7を参照して、保護者91(
図1参照)が経路情報10(
図1参照)、利用者90の情報11(
図1参照)、および、保護者91の情報12(
図1参照)をサーバ2(
図1参照)に登録する構成について説明する。
【0048】
(利用者の情報および保護者の情報の入力)
まず、
図6を参照し、サーバ2が、端末1を介して保護者91が入力した各種情報を第1記憶部2b(
図4参照)に記憶する構成について説明する。
【0049】
図6は、保護者91が、利用者90の情報11、および、保護者91の情報12を入力する際に、端末1に表示される入力画面30を示している。本実施形態では、利用者90の情報11は、たとえば、利用者90の氏名、生年月日、住所、電話番号、および、メールアドレスを含む。また、保護者91の情報12は、保護者91の氏名、生年月日、住所、電話番号、メールアドレス、および、保護者91と利用者90との関係を含む。
【0050】
図6に示すように、入力画面30は、利用者90の情報11を入力する領域31と、保護者91の情報12を入力する領域32とを含む。また、入力画面30は、表示する画面を切り替えるタブを表示する領域33を含む。
【0051】
利用者90の情報11を入力する領域31は、第1入力欄31a~第6入力欄31fを含む。
【0052】
第1入力欄31aは、利用者90の氏名を入力する入力欄である。また、第2入力欄31bは、利用者90の生年月日を入力する入力欄である。第2入力欄31bは、利用者90の生まれた年、月、および、日をそれぞれ入力する年入力欄31g、月入力欄31h、および、日入力欄31iを含む。
【0053】
また、第3入力欄31cは、利用者90の住所を入力する入力欄である。また、第4入力欄31dは、利用者90の電話番号を入力する入力欄である。また、第5入力欄31eは、利用者90のメールアドレスを入力する入力欄である。
【0054】
また、第6入力欄31fは、利用者90の体調に関する懸念事項16(
図3参照)を入力する入力欄である。利用者90の体調に関する懸念事項16は、たとえば、利用者90の持病、けがなどの有無などの情報を含む。
【0055】
保護者91の情報12を入力する領域32は、第1入力欄32a~第6入力欄32fを含む。
【0056】
第1入力欄32aは、保護者91の氏名を入力する入力欄である。また、第2入力欄32bは、保護者91の生年月日を入力する入力欄である。第2入力欄32bは、保護者91の生まれた年、月、および、日をそれぞれ入力する年入力欄32g、月入力欄32h、および、日入力欄32iを含む。
【0057】
また、第3入力欄32cは、保護者91の住所を入力する入力欄である。また、第4入力欄32dは、保護者91の電話番号を入力する入力欄である。また、第5入力欄32eは、保護者91のメールアドレスを入力する入力欄である。また、第6入力欄32fは、利用者90と保護者91との関係を入力する入力欄である。
【0058】
第1制御部1a(
図2参照)は、保護者91による送信操作に基づいて、利用者90の情報11を入力する領域31に入力された利用者90の情報11と、保護者91の情報12を入力する領域32入力された保護者91の情報12とを、サーバ2に対して送信する。なお、保護者91による送信操作とは、たとえば、入力画面30に表示された送信ボタン(図示せず)を、保護者91が押下する操作である。
【0059】
サーバ2は、端末1から送信された利用者90の情報11と、保護者91の情報12とを、第1記憶部2bにおいて対応付けて第1記憶部2bに記憶させるように構成されている。具体的には、サーバ2は、利用者90の情報11と保護者91の情報12とを対応付けるデータテーブルなどを作成することにより、利用者90の情報11と保護者91の情報12とを対応づけて第1記憶部2bに記憶させる。
【0060】
なお、入力画面30において、移動サービス提供システム100によって提供されるサービスの支払い方法を入力可能に構成されていてもよい。この場合、移動サービス提供システム100によって提供されるサービスを利用する度に料金を支払うように支払い方法を入力してもよいし、所定の期間の利用料金を支払う方法を入力してもよい。すなわち、移動サービス提供システム100によって提供されるサービスは、いわゆる、サブスクリプションサービスであってもよい。
【0061】
サーバ2は、入力画面30において入力された支払方法を、第1記憶部2bに記憶する。
【0062】
図6に示すように、表示する画面を切り替えるタブを表示する領域33には、第1タブ33a~第3タブ33cが表示されている。
【0063】
第1タブ33aは、利用者90の情報11および保護者91の情報12を入力する入力画面30を表示するためのタブである。また、第2タブ33bは、経路情報10(
図3参照)を入力するための、後述する経路入力画面34(
図7参照)を表示するためのタブである。また、第3タブ33cは、保護者91が利用者90の移動情報13を閲覧するための、後述する閲覧画面37(
図13参照)を表示するためのタブである。
【0064】
第1制御部1aは、第1タブ33a~第3タブ33cのうち、保護者91が選択したタブに対応した画面を表示する制御を行うように構成されている。また、第1制御部1aは、第1タブ33a~第3タブ33cのうち、保護者91によって選択されたタブを、選択されていないタブと識別可能に表示するように構成されている。
図6では、便宜的に、第1タブ33aに対してハッチングを付すことにより、第1タブ33aが選択された状態であることを示している。
【0065】
(経路情報の入力)
次に、
図7を参照して、端末1(
図1参照)において経路情報10(
図3参照)を入力する構成について説明する。
【0066】
本実施形態では、経路情報10は、利用者90(
図1参照)が移動する際の出発地点の情報10a(
図3参照)および目的地点の情報10b(
図3参照)と、利用者90が出発地点を出発する日時の情報である出発日時情報10c(
図3参照)と、を含む。
【0067】
図7は、端末1において保護者91(
図1参照)が経路情報10を入力する際に、第1表示部1c(
図2参照)に表示される経路入力画面34を示している。
【0068】
経路入力画面34は、経路情報10の入力欄を表示する領域35と、入力された経路情報10に基づく経路52を表示する領域36と、表示する画面を切り替えるタブを表示する領域33とを含む。
図7に示す例では、便宜的に、第2タブ33bにハッチングを付すことにより、第2タブ33bが選択されたことを示している。
【0069】
経路情報10の入力欄を表示する領域35には、第1入力欄35a~第5入力欄35eと、到着予定時刻表示欄35fと、決定ボタン35gとが表示されている。
【0070】
第1入力欄35aは、出発地点の情報10aを入力する入力欄である。また、第2入力欄35bは、目的地点の情報10bを入力する入力欄である。また、第3入力欄35cおよび第4入力欄35dの各々は、出発日時情報10cを入力する入力欄である。具体的には、第3入力欄35cは、出発日の情報を入力する入力欄である。本実施形態では、第3入力欄35cに入力される出発日の情報は、利用者90が移動車両3を利用する日である。また、第4入力欄35dは、出発時間の情報を入力する入力欄である。
【0071】
また、第5入力欄35eは、利用者90の持ち物の情報14(
図1参照)を入力する入力欄である。利用者90の持ち物の情報14は、たとえば、利用者90が目的地点に行く際に必須の持ち物の情報を含む。たとえば、利用者90の目的地点が医療機関の場合、利用者90が目的地点に行く際に必須の持ち物は、たとえば、保険証、お薬手帳などである。また、たとえば、利用者90の目的地点が、利用者90が所有する農場などの場合、飲み物、定期的に服用している薬などの情報である。
【0072】
決定ボタン35gは、経路入力画面34に表示されるGUI(Graphical User Interface)の操作ボタンである。決定ボタン35gが押下されることにより、第1入力欄35a~第5入力欄35eに入力された情報が、サーバ2(
図1参照)に対して送信される。具体的には、第1制御部1a(
図2参照)は、保護者91によって決定ボタン35gが押下された際に、第1入力欄35a~第5入力欄35eに入力された情報を、ネットワーク80(
図1参照)を介して、サーバ2に送信する。
【0073】
サーバ2は、端末1から送信された経路情報10に基づいて、経路52を決定するとともに、到着予定時刻を取得する。具体的には、第2制御部2a(
図4参照)は、出発地点の情報10aと、目的地点の情報10bと、出発日時情報10cとに基づいて、利用者90の移動経路52を設定するように構成されている。また、第2制御部2aは、経路情報10に基づいて決定した経路52を表示する地
図36aを生成する。そして、第2制御部2aは、生成した地
図36a、および、取得した到着予定時刻を、ネットワーク80を介して、端末1に送信する。また、第2制御部2aは、経路情報10を、第1記憶部2b(
図3参照)に記憶する制御を行う。
【0074】
図7に示すように、第1制御部1aは、サーバ2から受信した地
図36aを、入力された経路情報10に基づく経路を表示する領域36に表示する。
【0075】
地
図36aには、出発地点を示す印50と、目的地点を示す印51と、出発地点から目的地点までの経路52とが識別可能に表示されている。
図7に示す例では、印50として、二重丸マークを出発地点に図示している。また、印51として、旗のマークを目的地点に図示している。また、経路52に対してハッチングを付すことにより、経路52を識別可能に表示している。
【0076】
このように構成することにより、保護者91は、経路情報10に基づいて設定された経路52を、視覚的に容易に把握することができる。
【0077】
また、第1制御部1aは、サーバ2から取得した到着予定時刻を、到着予定時刻表示欄35fに表示する。
【0078】
本実施形態では、第2制御部2a(
図3参照)は、保護者91が入力し、第1記憶部2bに記憶された経路情報10に含まれる出発日時に間に合うように、移動車両3(
図1参照)を移動する制御を行う。すなわち、第2制御部2aは、経路情報10に含まれる出発地点の情報10a、および、出発日時情報10cに基づいて、移動車両3が保管されている場所から出発地点までに要する時間を取得し、出発日時までに、出発地点まで移動車両3を移動させる制御を行う。すなわち、第2制御部2aは、出発地点の情報10aおよび出発日時情報10cに基づいて、移動車両3を利用者90の出発地点まで自動で移動させる制御を行うように構成されている。
【0079】
(移動車両による移動)
次に、
図8~
図12を参照して、利用者90(
図1参照)が移動車両3(
図1参照)によって移動する際に、利用者90に対して情報を表示する構成について説明する。
【0080】
(注意喚起情報の表示)
利用者90は、出発時刻に出発地点まで移動してきた移動車両3に乗り込む。本実施形態では、第2制御部2a(
図3参照)は、高齢者または認知症患者である利用者90が移動車両3に乗り込む際に転倒などが生じないように、利用者90に対して情報を通知するように構成されている。具体的には、
図8に示すように、第2制御部2aは、移動車両3に乗降する際の注意喚起の情報20を、利用者90に対して通知する制御をように構成されている。
【0081】
図8に示すように、第2制御部2aは、画面40を生成する。画面40は、移動車両3に設けられた第3表示部3c(
図4参照)において表示する、注意喚起の情報20を表示する画面である。そして、第2制御部2aは、生成した画面40を、ネットワーク80(
図1参照)を介して、移動車両3に対して送信する。
【0082】
移動車両3は、ネットワーク80を介して受信した画面40を、第3表示部3cにおいて表示する。具体的には、第3制御部3aは、受信した画面40を第3表示部3cに表示させる制御を行う。これにより、注意喚起の情報20を表示する画面40が、利用者90に対して表示される。なお、第3制御部3aは、受信した画面40を第3表示部3cに表示するとともに、音声、および/または、光などを用いて、利用者90に注意喚起を行ってもよい。
【0083】
(持ち物の積み忘れの通知)
また、利用者90の持ち物の情報14が第1記憶部2bに記憶されている場合、第2制御部2aは、(
図3参照)利用者90に対して持ち物の積み忘れを通知するように構成されている。
【0084】
具体的には、
図9に示すように、第2制御部2aは、第1記憶部2b(
図3参照)に記憶された利用者90(
図1参照)の持ち物の情報14(
図3参照)に基づいて、移動車両3(
図1参照)に対する利用者90の持ち物の積み忘れがないか否かを判定するように構成されている。
【0085】
より具体的には、第2制御部2aは、移動車両3に設けられた持ち物検知部3h(
図4参照)によって検知された利用者90の持ち物と、第1記憶部2bに記憶された利用者90の持ち物の情報14とが整合するか否かを判定する。移動車両3に設けられた持ち物検知部3hによって検知された利用者90の持ち物と、第1記憶部2bに記憶された利用者90の持ち物の情報14とが整合する場合、第2制御部2aは、利用者90の持ち物の積み忘れが生じていないと判定する。また、移動車両3に設けられた持ち物検知部3hによって検知された利用者90の持ち物と、第1記憶部2bに記憶された利用者90の持ち物の情報14と整合しない場合、第2制御部2aは、利用者90の持ち物の積み忘れが生じていると判定する。
【0086】
第2制御部2aは、利用者90の持ち物の積み忘れがあった場合に、その旨を第3表示部3c(
図4参照)に表示させるように構成されている。具体的には、第2制御部2aは、
図9に示すように、利用者90の持ち物の積み忘れがある旨の情報21を表示する画面41を生成する。そして、第2制御部2aは、ネットワーク80(
図1参照)を介して、移動車両3に対して、利用者90の持ち物の積み忘れがある旨の情報21を表示する画面41を送信する。
【0087】
移動車両3は、ネットワーク80を介して受信した利用者90の持ち物の積み忘れがある旨の情報21を表示する画面41を、第3表示部3cに表示する。具体的には、第3制御部3a(
図4参照)は、利用者90の持ち物の積み忘れがある旨の情報21を表示する画面41を第3表示部3cに表示させる制御を行う。なお、第3制御部3aは、受信した画面41を第3表示部3cに表示するとともに、音声、および/または、光などを用いて、利用者90に対して持ち物の積み忘れがある旨を通知してもよい。
【0088】
その後、利用者90は、移動車両3に乗り込み、出発開始の操作を行う。第3制御部3aは、出発開始の操作入力を受け付けることにより、出発地点から目的地点に向けて移動を開始する制御を行う。なお、第3制御部3aは、利用者90の乗り込みが完了したことを画像処理によって判定し、利用者90の乗り込みが完了したと判定した場合には、自動的に移動車両3の移動を開始する制御を行うように構成されていてもよい。
【0089】
(移動経路の表示)
本実施形態では、第3制御部3a(
図4参照)は、利用者90(
図1参照)の移動中に、利用者90に対して移動経路52(
図10参照)を表示する制御を行うように構成されている。
【0090】
具体的には、第3制御部3aは、
図10に示すように、移動経路52を示す画面43を第3表示部3c(
図4参照)に表示することにより、利用者90に対して移動経路52を表示する。
【0091】
移動経路52を示す画面43は、行き先(目的地点)の情報43aと、到着予定時効43bと、目的地点までの経路52を表示する地
図43cとを表示する。
【0092】
地
図43cは、目的地点までの経路52、および、利用者90の現在地点を識別可能に表示する。具体的には、第3制御部3aは、地
図43cにおいて、現在地点を表す印53を表示させる。現在地点を表す印53は、利用者90の位置に応じて、リアルタイムに変化する。そのため、利用者90は、経路52における現在地点を容易に把握することができる。なお、
図10に示す例では、便宜的に、経路52に対してハッチングを付すことにより、経路52を識別可能に表示している。
【0093】
(通話機能)
また、本実施形態では、第3表示部3c(
図4参照)は、通話機能部3d(
図4参照)による通話を開始するための操作部である通話開始操作部43dを表示するように構成されている。具体的には、第3制御部3aは、画面43において、通話開始操作部43dを表示させる制御を行うように構成されている。
【0094】
通話開始操作部43dは、利用者90の保護者91との通話を開始するための第1通話開始操作部43eと、目的地点の施設との通話を開始するための第2通話開始操作部43fとを含む。
【0095】
第1通話開始操作部43eが押下された場合、第3制御部3aは、第2記憶部3f(
図4参照)に記憶されている保護者91の情報12に基づいて、利用者90の保護者91に対して通話を開始する。
【0096】
また、第2通話開始操作部43fが押下された場合、第3制御部3aは、第2記憶部3f(
図4参照)に記憶されている目的地点の情報10bに基づいて、目的地点の施設に対して通話を開始する。
【0097】
なお、第3制御部3aは、通話開始操作部43dが操作された場合、音声のみによる通話を開始してもよいし、音声と画像とによるビデオ電話を開始するように構成されていてもよい。
【0098】
また、第3制御部3aは、画面43において、降りるボタン43gを表示するように構成されている。降りるボタン43gが操作(押下)された場合、第3制御部3aは、周囲の安全確認を行ったうえで、停車可能な位置に移動車両3を停車させる制御を行う。これにより、利用者90の体調が悪くなったり、利用者90がトイレに行きたくなったりした場合などに、移動車両3を安全に停車させることができる。
【0099】
(降車を抑制する情報の表示)
なお、利用者90が認知症患者の場合、移動車両3が移動中において、降りるボタン43gが押下されていない状態で利用者90が移動車両3から降りようとする可能性がある。そこで、本実施形態では、
図11に示すように、第2制御部2a(
図1参照)は、移動車両3(
図1参照)によって移動中に移動車両3からの降車を抑制する情報22を、利用者90に対して通知する制御をように構成されている。
【0100】
具体的には、第2制御部2aは、移動車両3からの降車を抑制する情報22を表示する画面44を生成する。そして、第2制御部2aは、ネットワーク80(
図1参照)を介して、移動車両3に対して移動車両3からの降車を抑制する情報22を表示する画面44を送信する。
【0101】
移動車両3は、ネットワーク80(
図1参照)を介して第2制御部2aから送信された画面44を、第3表示部3c(
図4参照)に表示する。具体的には、第3制御部3a(
図4参照)は、受信した画面44を第3表示部3cに表示させる制御を行う。これにより、移動車両3によって移動中に、移動車両3からの降車を抑制する情報22を利用者90に対して通知することができる。なお、第3制御部3aは、受信した画面44を第3表示部3cに表示するとともに、音声、および/または、光などを用いて、利用者90に対して降車を抑制する旨を通知してもよい。
【0102】
第3制御部3aは、移動車両3が目的地点に到着した場合、移動車両3を停車させる。そして、利用者90は、移動車両3から降車する。なお、第3制御部3aは、移動車両3が移動中に、所定の間隔で、利用者90の移動情報13をサーバ2に対して送信する。具体的には、第3制御部3aは、GPS(Global Positioning System)によって取得した移動車両3の位置情報を、利用者90の移動情報13として、サーバ2に対して送信する。また、第3制御部3aは、移動車両3によって移動中に、体調情報取得部3eによって取得された利用者90の体調に関する情報15を、サーバ2に対して送信する。
【0103】
サーバ2は、移動車両3から送信された利用者90の移動情報13を、第1記憶部2bに記憶する。また、サーバ2は、移動車両3から送信された利用者90の体調に関する情報15を、第1記憶部2bに記憶する。すなわち、第2制御部2aは、利用者90が出発地点から目的点まで移動する際の利用者90の移動情報13と、移動中の利用者90の体調に関する情報15とを、利用者90がサービスを利用するごとに関連付けて記憶する。
【0104】
(持ち物の降ろし忘れの通知)
なお、利用者90が高齢者または認知症患者の場合、移動車両3に対して積み込んでいる利用者90の持ち物を降ろし忘れることが考えられる。そこで、本実施形態では、利用者90に対して、持ち物の降ろし忘れがあることを通知するように構成されている。
【0105】
具体的には、第2制御部2aは、第1記憶部2bに記憶された利用者90の持ち物の情報14(
図3参照)に基づいて、移動車両3から利用者90の持ち物の降ろし忘れがないか否かを判定するように構成されている。また、第2制御部2aは、利用者90の持ち物の降ろし忘れがあった場合に、その旨を第3表示部3cに表示させるように構成されている。
【0106】
図12に示すように、第2制御部2a(
図3参照)は、持ち物の積み忘れがある旨の情報23を、利用者90(
図1参照)に対して通知する。具体的には、第2制御部2aは、持ち物の積み忘れがある旨の情報23を表示する画面45を生成する。また、第2制御部2aは、生成した画面45を、ネットワーク80(
図1参照)を介して移動車両3に対して送信する。
【0107】
移動車両3は、ネットワーク80を介して受信した画面45を、第3表示部3c(
図4参照)に表示する。具体的には、第3制御部3a(
図4参照)は、受信した画面45を第3表示部3cに表示させる制御を行うように構成されている。なお、第3制御部3aは、受信した画面45を第3表示部3cに表示するとともに、音声、および/または、光などを用いて、利用者90に対して持ち物の積み忘れがある旨を通知してもよい。
【0108】
本実施形態では、第2制御部2aは、利用者90の移動が完了した場合、移動車両3を予め設定された返却場所まで自動で移動させる制御を行うように構成されている。具体的には、返却場所の情報は、第1記憶部2b(
図3参照)に予め記憶されており、第2制御部2aは、第1記憶部2bに記憶された返却場所の情報に基づき、移動車両3を返却場所まで自動的に移動させる制御を行う。
【0109】
ここで、遠隔地にいる保護者91が、利用者90が予め登録した情報に基づいて移動したか否かを把握したいというニーズがある。
【0110】
(移動情報の表示)
そこで、本実施形態では、第2制御部2aは、利用者90の移動情報13を表示する画面を、遠隔地にいる保護者91が端末1において閲覧可能なように提供するように構成されている。
【0111】
具体的には、
図13に示すように、第2制御部2a(
図1参照)は、利用者90(
図1参照)の移動情報13(
図1参照)を表示する閲覧画面37を生成する。また、第2制御部2aは、端末1(
図1参照)から入力された保護者91(
図1参照)のリクエストに基づいて、端末1に対して閲覧画面37を送信する。なお、第2制御部2aは、端末1によって保護者91に入力されて第1記憶部2bに記憶された利用者90の情報11に基づいて利用者90と保護者91との対応関係を取得するように構成されている。そして、第2制御部2aは、取得した利用者90と保護者91との対応関係に基づいて、利用者90の移動情報13を表示する閲覧画面37を遠隔地にいる保護者91に提供するように構成されている。
【0112】
また、本実施形態では、
図13に示すように、第2制御部2aは、利用者90の移動中のリアルタイムの移動情報13、または、利用者90の移動が完了した後の移動履歴を含む移動情報13を、遠隔地にいる保護者91に対して提供するように構成されている。
【0113】
図13に示す閲覧画面37は、リアルタイムの移動情報13を表示する領域38と、利用者90の移動が完了した後の移動履歴を含む移動情報13を表示する領域39とを含む。
【0114】
図13に示すように、リアルタイムの移動情報13を表示する領域38には、利用者90が移動している日付および曜日の情報38a、出発地点および目的地点の情報38b、移動開始時刻の情報38c、利用者90が移動している経路52を示す地
図38d、および、詳細ボタン38eが表示されている。
【0115】
また、
図13に示すように、移動履歴を含む移動情報13を表示する領域39には、利用者90が移動した日付および曜日の情報39a、出発地点および目的地点の情報39b、移動開始時刻および移動終了時刻の情報39c、利用者90が移動した経路52を示す地
図39d、および、詳細ボタン39eが表示されている。
【0116】
詳細ボタン38eおよび詳細ボタン39eは、GUIのボタンである。第2制御部2aは、詳細ボタン38eまたは詳細ボタン39eが押下された場合、後述する詳細閲覧画面37a(
図14参照)を表示する制御を行うように構成されている。
【0117】
第2制御部2aは、第1記憶部2b(
図4参照)に記憶されている経路情報10(
図4参照)、出発日時情報10c(
図4参照)、および、移動車両3から送信される利用者90の移動情報13に基づいて、閲覧画面37を生成する。利用者90が移動中の場合、第2制御部2aは、リアルタイムで閲覧画面37を生成する。また、利用者90の移動履歴が第1記憶部2bに記憶されている場合、第2制御部2aは、移動履歴を含む移動情報13を表示する領域39を含む閲覧画面37を生成する。また、複数の移動履歴がある場合、第2制御部2aは、利用者90の移動履歴ごとの領域39を含む閲覧画面37を生成する。また、第2制御部2aは、生成した閲覧画面37を、ネットワーク80(
図1参照)を介して、端末1(
図1参照)に対して送信する。なお、第2制御部2aは、端末1を介して保護者91から移動情報13を確認する操作入力を受け付けた場合に、閲覧画面37を生成し、端末1に対して閲覧画面37を送信するように構成されている。なお、第2制御部2aは、端末1から移動情報13を確認する操作入力を受け付けていない場合でも、利用者90が移動を開始した際に、閲覧画面37を生成し、端末1に対して送信するように構成されていてもよい。
【0118】
端末1は、ネットワーク80を介して送信された閲覧画面37を、第1表示部1cに表示する。具体的には、第1制御部1a(
図1参照)は、閲覧画面37を第1表示部1cに表示させる制御を行う。
【0119】
(利用者の体調に関する情報の表示)
本実施形態では、第2制御部2aは、移動中における利用者90の体調に関する情報15を遠隔地にいる保護者91に提供するように構成されている。具体的には、
図14に示すように、第2制御部2a(
図3参照)は、詳細閲覧画面37aを端末1において表示することにより、移動中における利用者90(
図1参照)の体調に関する情報15を遠隔地にいる保護者91(
図1参照)に提供する。
【0120】
詳細閲覧画面37aは、詳細ボタン38e(
図13参照)または詳細ボタン39e(
図13参照)が押下された際に端末1に表示される画面である。
図14に示す例は、詳細ボタン38eが押下された場合の詳細閲覧画面37aを示している。
【0121】
詳細閲覧画面37aは、リアルタイムの移動情報13を表示する領域38とともに、利用者90の体調に関する情報15を表示する領域37bを含む。
図14に示す例では、領域37bにおいて、利用者90の体調に関する情報15として、利用者90の体温、脈拍、姿勢、視線、および、握力を表示している。
【0122】
第2制御部2aは、移動車両3(
図1参照)から送信された利用者90の移動情報13と、利用者90の体調に関する情報15と、第1記憶部2bに記憶された経路情報10と、出発日時情報10cと、に基づいて、詳細閲覧画面37aを生成する。
【0123】
なお、本実施形態では、第2制御部2aは、第1記憶部2bに記憶された利用者90の体調に関する懸念事項16と、体調情報取得部3e(
図5参照)により取得された利用者90の体調に関する情報15とに基づいて、移動中における利用者90の体調に関する情報15を遠隔地にいる保護者91に提供するように構成されている。すなわち、第2制御部2aは、懸念事項16に含まれる情報に基づき、体調情報取得部3eによって取得される利用者90の体調に関する情報15のうちの所定の情報を表示する詳細閲覧画面37aを生成する。たとえば、利用者90の体調に関する懸念事項16として、利用者90が風邪をひいている可能性があるといった情報が記憶されている場合には、第2制御部2aは、利用者90の体調に関する情報15のうち、体温、姿勢、および、視線などの情報を表示する詳細閲覧画面37aを生成する。また、第2制御部2aは、生成した詳細閲覧画面37aを、ネットワーク80(
図1参照)を介して、端末1に対して送信する。
【0124】
端末1は、ネットワーク80を介して受信した詳細閲覧画面37aを、第1表示部1c(
図2参照)に表示する。具体的には、第1制御部1a(
図1参照)は、受信した詳細閲覧画面37aを、第1表示部1cに表示させる制御を行う。
【0125】
なお、詳細ボタン39eが押下された場合には、第2制御部2aは、第1記憶部2bに記憶された経路情報10、出発日時情報10c、利用者90の移動情報13、および、利用者90の体調に関する情報15に基づいて、詳細閲覧画面37aを生成する。
【0126】
(移動サービス提供処理)
次に、
図15~
図17を参照して、本実施形態による移動サービス提供システム100(
図1参照)が、利用者90(
図1参照)に対して移動サービスを提供する移動サービス提供方法について説明する。
【0127】
図15に示すように、移動サービス提供システム100(
図1参照)による移動サービス提供方法には、大きく分けて、利用者90(
図1参照)の情報11(
図1参照)などをサーバ2(
図1参照)に事前登録するステップ101と、利用者90に対して移動車両3(
図1参照)によるサービスを提供するステップ102とを含む。
【0128】
(事前登録処理)
まず、
図16を参照して、移動サービス提供システム100(
図1参照)における事前登録処理(ステップ101(
図15参照)の処理)について説明する。ステップ101の処理は、大きく分けて、端末1(
図1参照)によるステップ110と、サーバ2(
図1参照)によるステップ200とを含む。なお、
図16において、人(保護者91)が行うステップについては、破線で図示している。
【0129】
ステップ110は、保護者91が利用者90の情報11(
図1参照)、保護者91の情報12(
図1参照)、および、利用者90の体調に関する懸念事項16(
図1参照)を入力するステップ110aと、端末1が保護者91によって入力された情報を取得するステップ110bと、端末1が取得した情報をサーバ2に送信するステップ110cとを含む。
【0130】
ステップ110aにおいて、保護者91が、利用者90の情報11と、保護者91の情報12と、利用者90の体調に関する懸念事項16とを入力する。
【0131】
ステップ110bにおいて、端末1が、保護者91によって入力された利用者90の情報11と、保護者91の情報12と、利用者90の体調に関する懸念事項16とを取得する。
【0132】
ステップ110cにおいて、端末1が、利用者90の情報11と、保護者91の情報12と、利用者90の体調に関する懸念事項16とを、ネットワーク80(
図1参照)を介して、サーバ2に対して送信する。その後、端末1によるステップ110の処理が終了する。
【0133】
次に、処理は、サーバ2によるステップ200へ移る。ステップ200は、サーバ2が端末1から情報を受信するステップ200aと、受信した情報を記憶するステップ200bとを含む。
【0134】
ステップ200aにおいて、サーバ2が、ネットワーク80を介して端末1から送信された、利用者90の情報11と、保護者91の情報12と、利用者90の体調に関する懸念事項16とを受信する。
【0135】
ステップ200bにおいて、サーバ2が、利用者90と保護者91とを対応付けて記憶する。本実施形態では、サーバ2は、第1記憶部2b(
図3参照)において、データテーブルの形式で、利用者90と保護者91とを対応付けて記憶する。また、ステップ200bにおいて、サーバ2は、利用者90の情報11と、保護者91の情報12と、利用者90の体調に関する懸念事項16とを対応付けて、第1記憶部2bに記憶する。その後、サーバ2によるステップ200の処理は、終了する。
【0136】
次に、
図17を参照して、移動サービス提供システム100(
図1参照)が、利用者90(
図1参照)に対して、移動車両3(
図1参照)によるサービスを提供する処理(ステップ102(
図15参照)の処理)について説明する。ステップ102の処理は、大きく分けて、端末1(
図1参照)によるステップ120と、サーバ2(
図1参照)によるステップ210と、移動車両3によるステップ300とを含む。なお、
図17において、人(保護者91)が行うステップについては、破線で図示している。
【0137】
端末1によるステップ120は、保護者91によって入力された情報を取得し、サーバ2に対して送信するステップ120a~ステップ120cまでの処理と、保護者91によるリクエストに基づいて、利用者90の移動情報13および利用者90の体調に関する情報15を表示するステップ120dおよびステップ120eの処理とを含む。
【0138】
また、サーバ2によるステップ210の処理は、端末1から送信された情報に基づき、移動車両3の提供を開始するためのステップ210aおよびステップ210bの処理と、移動車両3から送信された情報を記憶するステップ210cの処理と、保護者91からのリクエストに基づいて、利用者90の移動情報13および利用者90の体調に関する情報15を送信するステップ210dおよびステップ210eの処理とを含む。
【0139】
また、移動車両3によるステップ300の処理は、サーバ2から送信された情報に基づいて移動を開始し、利用者90の移動情報13および利用者90の体調に関する情報15を送信しつつ、利用者90を移動させるステップ300a~ステップ300dの処理と、目的地点までの移動が完了し、返却場所に移動するステップ300eおよびステップ300fの処理とを含む。
【0140】
ステップ120aにおいて、利用者90が移動する際の経路情報10を利用者90の保護者91が予め入力する。なお、本実施形態では、ステップ120aの処理において、保護者91は、利用者90の持ち物の情報14(
図1参照)についても入力する。
【0141】
ステップ120bにおいて、端末1が、ステップ120aにおいて保護者91が入力した情報を取得する。具体的には、端末1が、経路情報10、および、利用者90の持ち物の情報14を取得する。
【0142】
ステップ120cにおいて、端末1が、ステップ120bにおいて取得した情報を、サーバ2に対して送信する。具体的には、端末1が、経路情報10、および、利用者90の持ち物の情報14を、ネットワーク80(
図1参照)を介して、サーバ2に対して送信する。
【0143】
次に、処理は、サーバ2に移る。すなわち、ステップ210aにおいて、サーバ2が、経路情報10を受信する。なお、本実施形態では、ステップ210aにおいて、サーバ2が、経路情報10とともに、利用者90の持ち物の情報14も併せて受信する。
【0144】
ステップ210bにおいて、サーバ2が、経路情報10および利用者90の持ち物に関する情報14を、ネットワーク80を介して、移動車両3に対して送信する。なお、ステップ210bの処理は、第1記憶部2bに記憶されている経路情報10に含まれる出発日時情報10cに基づいて行われる。すなわち、出発日時情報10cに含まれる出発日になると、第2制御部2aが、経路情報10および利用者90の持ち物に関する情報14を、移動車両3に対して送信する。なお、第2制御部2aは、保管場所に保管されている複数の移動車両3のうちの利用者90に提供可能な移動車両3に対して、経路情報10および利用者90の持ち物に関する情報14を送信する。
【0145】
次に、処理は、移動車両3に移る。すなわち、ステップ300aにおいて、移動車両3が、経路情報10と、利用者90の持ち物の情報14と、を受信する。
【0146】
ステップ300bにおいて、移動車両3が、経路情報10に含まれる出発地点の情報10a(
図4参照)に基づいて、出発地点まで移動する。
【0147】
すなわち、ステップ210b、および、ステップ300a、および、ステップ300bにおいて、サーバ2が、経路情報10を取得し、利用者90が運転することなく利用者90を移動させることが可能な移動車両3を利用者90に対して提供する。
【0148】
つぎに、ステップ300cにおいて、移動車両3が、経路情報10に含まれる目的地点の情報10b(
図4参照)に基づいて、目的地点へ向けて移動を開始する。なお、本実施形態では、移動車両3に乗車した利用者90が行った移動開始の操作入力に基づいて、移動車両3が移動を開始する。
【0149】
ステップ300dにおいて、移動車両3が、ネットワーク80を介して、利用者90の移動情報13、および、利用者90の体調に関する情報15を、サーバ2に対して送信する。
【0150】
次に、処理は、サーバ2による処理に移る。すなわち、ステップ210cにおいて、サーバ2が、移動車両3から送信された利用者90の移動情報13、および、利用者90の体調に関する情報15を受信する。そして、サーバ2が、受信した利用者90の移動情報13、および、利用者90の体調に関する情報15を、第1記憶部2bに記憶する。
【0151】
次に、処理は、端末1による処理に移る。すなわち、ステップ120dにおいて、端末1が、保護者91によって入力された利用者90の移動情報13を取得するリクエストを、サーバ2に対して送信する。
【0152】
次に、処理は、サーバ2に移る。すなわち、ステップ210dにおいて、サーバ2が、端末1から送信された利用者90の移動情報13を取得するリクエストを受信する。
【0153】
ステップ210eにおいて、サーバ2が、利用者90の移動情報13を遠隔地にいる保護者91が閲覧可能なように提供する。すなわち、サーバ2が、ネットワーク80を介して、利用者90の移動情報13を含む閲覧画面37(
図13参照)を、端末1に対して送信する。
【0154】
次に、処理は、端末1に移る。すなわち、ステップ120eにおいて、端末1が、利用者90の移動情報13および利用者90の体調に関する情報15を受信する。そして、端末1が、利用者90の移動情報13および利用者90の体調に関する情報15を、第1表示部1c(
図2参照)に表示させる。
【0155】
なお、ステップ300dの処理、ステップ210cの処理、および、ステップ210eの処理は、ステップ120dにおいて、保護者91から利用者90の移動情報13を取得するリクエストが送信された後、移動車両3が目的地点に到着するまで、所定のタイミングで継続して行われる。
【0156】
具体的には、ステップ300eにおいて、移動車両3が、目的地点に到着したか否かを判定する。より具体的には、移動車両3が、目的地点の情報10bと、移動車両3の現在位置の情報とに基づいて、移動車両3が目的地点に到着したか否かを判定する。移動車両3が目的地点に到着していない場合、処理は、ステップ300dへ進む。移動車両3が目的地点に到着している場合、処理は、ステップ300fへ進む。
【0157】
ステップ300fにおいて、移動車両3が、利用者90の移動情報13の送信を停止する。そして、移動車両3が、予め設定された返却場所まで移動する。なお、ステップ300fの処理は、移動車両3が、利用者90が移動車両3から降車したことを確認した後に行われる。その後、移動車両3による処理は終了する。
【0158】
なお、ステップ300fにおいて、移動車両3からの利用者90の移動情報13の送信が停止した場合、第2制御部2aは、利用者90の移動情報13の記憶、および、端末1に対する送信を停止する。
【0159】
(本実施形態の効果)
本実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0160】
本実施形態では、上記のように、移動サービス提供システム100は、移動車両3の運転が困難である利用者90に対して移動サービスを提供する移動サービス提供システムであって、利用者90が移動する際の経路情報10を利用者90の保護者91が予め入力する端末1と、利用者90に対して移動サービスを提供する企業92が有するサーバ2と、を備え、サーバ2は、利用者90と保護者91とを対応付けて記憶する第1記憶部2bと、経路情報10を取得し、利用者90が運転することなく利用者90を移動させることが可能な移動車両3を利用者90に対して提供する第2制御部2aとを含む。
【0161】
これにより、利用者90が移動車両3の提供を依頼することなく、保護者91が入力した経路情報10に基づいて、利用者90に対して移動車両3を提供することができる。その結果、移動車両3の運転が困難であるとともに、自身で移動車両3の提供を依頼することが困難な利用者90に対して、移動車両3を提供することができる。
【0162】
また、本実施形態では、上記のように、移動サービス提供方法は、移動車両3の運転が困難である利用者90に対して移動サービスを提供する移動サービス提供方法であって、利用者90が移動する際の経路情報10を利用者90の保護者91が予め入力するステップと、サーバ2が、利用者90と保護者91とを対応付けて記憶するステップと、サーバ2が、経路情報10を取得し、利用者90が運転することなく利用者90を移動させることが可能な移動車両3を利用者90に対して提供するステップと、を備える。
【0163】
これにより、上記移動サービス提供システム100と同様に、移動車両3の運転が困難であるとともに、自身で移動車両3の提供を依頼することが困難な利用者90に対して、移動車両3を提供することが可能な移動サービス提供方法を提供することができる。
【0164】
また、上記実施形態では、以下のように構成したことによって、下記のような更なる効果が得られる。
【0165】
すなわち、本実施形態では、上記のように、第2制御部2a(制御部)は、利用者90の移動情報13を遠隔地にいる保護者91が閲覧可能なように提供するように構成されている。これにより、第2制御部2aによって、利用者90の移動情報13が遠隔地にいる保護者91が閲覧可能なように提供されるので、利用者90の移動情報13を遠隔地にいる保護者91が確認することができる。その結果、遠隔地にいる保護者91が利用者90の移動を容易に把握することができる。特に、利用者90が高齢者や認知症患者などの要介護者の場合、遠隔地にいる保護者91が利用者90の移動状況を把握できることは効果的である。
【0166】
また、本実施形態では、上記のように、第2制御部2a(制御部)は、利用者90の移動情報13を表示する画面(閲覧画面37)を、遠隔地にいる保護者91が端末1において閲覧可能なように提供するように構成されている。これにより、遠隔地にいる保護者91は、端末1に画面表示した状態で利用者90の移動情報13を閲覧することが可能となるので、利用者90の移動情報13を文字情報のみによって閲覧する構成と比較して、利用者90の移動情報13を一見して容易に把握することができる。その結果、遠隔地にいる保護者91が、利用者90の移動状況を直接把握することが困難であることに起因して、保護者91が不安を感じることを抑制することができる。
【0167】
また、本実施形態では、上記のように、第2制御部2a(制御部)は、端末1によって保護者91に入力されて第1記憶部2b(記憶部)に記憶された利用者90の情報11に基づいて利用者90と保護者91との対応関係を取得するとともに、取得した利用者90と保護者91との対応関係に基づいて、利用者90の移動情報13を表示する画面(閲覧画面37)を遠隔地にいる保護者91に提供するように構成されている。これにより、利用者90と保護者91との対応関係に基づいて、利用者90の移動情報13を容易に取得することができる。その結果、遠隔地にいる保護者91に対して、利用者90の移動情報13を容易に提供することができる。
【0168】
また、本実施形態では、上記のように、第2制御部2a(制御部)は、利用者90の移動中のリアルタイムの移動情報13、または、利用者90の移動が完了した後の移動履歴を含む移動情報13を、遠隔地にいる保護者91に対して提供するように構成されている。これにより、保護者91は、利用者90の移動中のリアルタイムの移動情報13、または、利用者90の移動が完了した後の移動履歴を含む移動情報13を確認することができる。その結果、利用者90の移動中のリアルタイムの移動情報13、または、移動履歴を含む移動情報13を保護者91が容易に把握することが可能となるので、保護者91の利便性(ユーザビリティ)を向上させることができる。
【0169】
また、本実施形態では、上記のように、経路情報10は、端末1によって保護者91に入力された、利用者90が移動する際の出発地点の情報10aおよび目的地点の情報10bと、利用者90が出発地点を出発する日時の情報である出発日時情報10cと、を含み、第1記憶部2b(記憶部)は、経路情報10として、出発地点の情報10aと、目的地点の情報10bと、出発日時情報10cとを記憶するように構成されており、第2制御部2aは、出発地点の情報10aと、目的地点の情報10bと、出発日時情報10cとに基づいて、利用者90の移動経路52を設定するように構成されている。これにより、第2制御部2aは、出発地点の情報10a、目的地点の情報10b、および、出発日時情報10cに応じて、最適な移動経路52を設定することができる。その結果、たとえば、渋滞が生じている経路を回避することなどが可能となるため、利用者90の利便性(ユーザビリティ)を向上させることができる。また、保護者91が出発地点から目的地点までの移動経路52の全てを詳細に設定することなく、利用者90が移動する際の移動経路52が設定されるので、保護者91の負担を軽減することができる。
【0170】
また、本実施形態では、上記のように、移動車両3は、自動運転車両であり、第2制御部2a(制御部)は、出発地点の情報10aおよび出発日時情報10cに基づいて、移動車両3を利用者90の出発地点まで自動で移動させる制御を行うように構成されている。これにより、たとえば、移動車両3の呼び出し操作など、移動車両3を出発地点までを移動させるための操作を利用者90自身が行うことなく、移動車両3を利用者90の出発地点まで移動させることができる。その結果、移動車両3の利用を開始するまでの利用者90の負担を軽減することができる。
【0171】
また、本実施形態では、上記のように、第2制御部2a(制御部)は、利用者90の移動が完了した場合、移動車両3を予め設定された返却場所まで自動で移動させる制御を行うように構成されている。これにより、たとえば、移動車両3を返却するための操作など、移動車両3を返却場所までを移動させるための操作を利用者90自身が行うことなく、移動車両3を返却場所まで移動させることができる。その結果、移動車両3を返却するための操作を行う必要がなくなるため、利用者90の負担を軽減することができる。
【0172】
また、本実施形態では、上記のように、移動車両3に設けられた第3表示部3c(表示部)と、移動車両3に設けられ、利用者90が保護者91または利用者90の目的地の施設に対して通話可能な通話機能部3dと、をさらに備え、第3表示部3cは、通話機能部3dによる通話を開始するための操作部である通話開始操作部43dを表示するように構成されている。これにより、通話開始操作部43dが第3表示部3cに表示されているため、第3表示部3cに表示された通話開始操作部43dを操作することにより、利用者90が容易に通話を開始することができる。その結果、利用者90が移動中に保護者91、または、利用者90の目的地の施設に対して、容易に通話することが可能となるので、利用者90の利便性(ユーザビリティ)を向上させることができる。
【0173】
また、本実施形態では、上記のように、移動車両3に設けられた第3表示部3c(表示部)をさらに備え、第1記憶部2b(記憶部)は、端末1によって保護者91に入力された利用者90の持ち物の情報14を予め記憶するように構成されており、第2制御部2a(制御部)は、第1記憶部2bに記憶された利用者90の持ち物の情報14に基づいて、移動車両3に対する利用者90の持ち物の積み忘れ、または、移動車両3から利用者90の持ち物の降ろし忘れがないか否かを判定するとともに、利用者90の持ち物の積み忘れ、または、利用者90の持ち物の降ろし忘れがあった場合に、その旨を第3表示部3cに表示させるように構成されている。これにより、利用者90が移動車両3に対して持ち物を積み込むことを忘れている旨を第3表示部3cに表示する場合には、利用者90が持ち物を忘れていることを事前に把握することができる。その結果、利用者90が持ち物を忘れたままの状態で移動を開始することを抑制することができる。また、移動車両3に積み込んだ利用者90の持ち物を降ろし忘れている旨を第3表示部3cに表示する場合には、利用者90が持ち物を移動車両3に積み込んだまま移動車両3から離れることを抑制することができる。その結果、利用者90が持ち物を紛失することを抑制することができる。
【0174】
また、本実施形態では、上記のように、利用者90は、高齢者、または、認知症患者であり、第2制御部2a(制御部)は、移動車両3に乗降する際の注意喚起の情報20、および、移動車両3によって移動中に移動車両3からの降車を抑制する情報22の少なくともいずれかを、利用者90に対して通知する制御をように構成されている。これにより、注意喚起の情報20を利用者90に対して通知する場合、高齢者、または、認知症患者である利用者90が、移動車両3に乗降する際に、たとえば、頭部などを移動車両3にぶつけることを抑制することができる。また、降車を抑制する情報22を利用者90に対して通知する場合、高齢者、または、認知症患者である利用者90が移動中の移動車両3から誤って降車することを抑制することができる。これらの結果、高齢者、または、認知症患者である利用者90が、負傷することを事前に抑制することができる。
【0175】
また、本実施形態では、上記のように、利用者90が移動車両3によって移動している際の利用者90の体調に関する情報15を取得する体調情報取得部3eをさらに備え、第2制御部2a(制御部)は、移動中における利用者90の体調に関する情報15を遠隔地にいる保護者91に提供するように構成されている。これにより、移動中における利用者90の体調に関する情報15を、遠隔地にいる保護者91が容易に確認することができる。その結果、利用者90の体調を容易に把握することが可能となるので、利用者90の体調を直接把握することが困難な遠隔地にいる保護者91が不安を感じることを抑制することができる。
【0176】
また、本実施形態では、上記のように、第1記憶部2b(記憶部)は、端末1によって保護者91に入力された利用者90の体調に関する懸念事項16を予め記憶するように構成されており、第2制御部2a(制御部)は、に記憶された利用者90の体調に関する懸念事項16と、体調情報取得部3eにより取得された利用者90の体調に関する情報15とに基づいて、移動中における利用者90の体調に関する情報15を遠隔地にいる保護者91に提供するように構成されている。これにより、第2制御部2aは、利用者90の体調に関する情報15のうち、利用者90の体調に関する懸念事項16と関連性の高い情報を選択的に保護者91に対して提供することができる。
【0177】
[変形例]
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
【0178】
たとえば、上記実施形態では、第2制御部2aが、利用者90の移動情報13を遠隔地にいる保護者91が閲覧可能なように提供する構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、第2制御部2aは、利用者90の移動情報13を遠隔地にいる保護者91が閲覧可能なように提供するように構成されていなくてもよい。しかしながら、第2制御部2aが、利用者90の移動情報13を遠隔地にいる保護者91が閲覧可能なように提供するように構成されていない場合遠隔地にいる保護者91が利用者90の移動状況を把握できなくなる。したがって、第2制御部2aは、利用者90の移動情報13を遠隔地にいる保護者91が閲覧可能なように提供するように構成されていることが好ましい。
【0179】
また、上記実施形態では、第2制御部2aが、利用者90の移動情報13を表示する画面(閲覧画面37)を、遠隔地にいる保護者91が端末1において閲覧可能なように提供する構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、第2制御部2aは、利用者90の移動情報13を表示する画面(閲覧画面37)を、遠隔地にいる保護者91が端末1において閲覧可能なように提供するように構成されていなくてもよい。第2制御部2aは、利用者90の移動情報13を、文字情報として遠隔地にいる保護者91の端末1に提供するように構成されていてもよい。しかしながら、第2制御部2aが、利用者90の移動情報13を表示する画面(閲覧画面37)を、遠隔地にいる保護者91が端末1において閲覧可能なように提供するように構成されていない場合、保護者91は、利用者90の移動情報13を一見して容易に把握することが困難になる。そのため、第2制御部2aは、利用者90の移動情報13を表示する画面(閲覧画面37)を、遠隔地にいる保護者91が端末1において閲覧可能なように提供するように構成されることが好ましい。
【0180】
また、上記実施形態では、移動サービス提供システム100が、リアルタイムの移動情報13、および、移動履歴を含む移動情報13の両方を保護者91に対して提供する構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、移動サービス提供システム100は、リアルタイムの移動情報13、および、移動履歴を含む移動情報13のどちらか一方のみを保護者91に対して提供するように構成されていてもよい。
【0181】
また、上記実施形態では、第2制御部2aが、経路情報10に基づいて利用者90が移動する際の経路52を取得する構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。経路52は、第1制御部1aが取得してもよいし、第3制御部3aが取得するように構成されてもよい。
【0182】
また、上記実施形態では、移動車両3が自動運転車両である構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、移動車両3は、利用者90以外の人が運転する車両であれば、どういった車両であってもよい。たとえば、移動車両3は、利用者90以外の人が運転する車両であれば、タクシーであってもよいし、カーシェアサービスによって提供される車両であってもよい。
【0183】
また、上記実施形態では、移動車両3が、通話機能部3dを備える構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、移動車両3は、通話機能部3dを備えていなくてもよい。しかしながら、移動車両3が通話機能部3dを備えていない構成の場合、利用者90が移動車両3によって移動している際に、保護者91などに対して容易に連絡することが困難になる。したがって、移動車両3は、通話機能部3dを備えていることが好ましい。
【0184】
また、上記実施形態では、第2制御部2aが、利用者90の持ち物の積み忘れ、または、降ろし忘れを判定する構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、第3制御部3aが、利用者90の持ち物の積み忘れ、または、降ろし忘れを判定するように構成されてもよい。
【0185】
また、上記実施形態では、第2制御部2aが、利用者90に対して、持ち物の積み忘れがある旨の情報20、および、持ち物の降ろし忘れがある旨の情報23を表示させる構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、第3制御部3aが、持ち物の積み忘れがある旨の情報20、および、持ち物の降ろし忘れがある旨の情報23を利用者90に対して通知するように構成されていてもよい。
【0186】
また、上記実施形態では、移動サービス提供システム100が、利用者90の持ち物の積み忘れ、または、降ろし忘れを判定する構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、移動サービス提供システム100は、利用者90の持ち物の積み忘れ、または、降ろし忘れを判定するように構成されていなくてもよい。しかしながら、移動サービス提供システム100が利用者90の持ち物の積み忘れ、または、降ろし忘れを判定するように構成されていない場合、利用者90の利便性(ユーザビリティ)が低下する。したがって、移動サービス提供システム100は、利用者90の持ち物の積み忘れ、または、降ろし忘れを判定するように構成されていることが好ましい。
【0187】
また、上記実施形態では、第2制御部2aが、注意喚起の情報20、および、降車を抑制する情報22を利用者90に対して通知する構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、第3制御部3aが、注意喚起の情報20、および、降車を抑制する情報22を利用者90に対して通知するように構成されていてもよい。
【0188】
また、上記実施形態では、移動サービス提供システム100が、注意喚起の情報20、および、降車を抑制する情報22の両方を利用者90に対して通知する構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、移動サービス提供システム100は、注意喚起の情報20、および、降車を抑制する情報22のいずれか一方を利用者90に対して通知するように構成されていてもよい。しかしながら、利用者90の安全面を考慮すると、移動サービス提供システム100は、注意喚起の情報20、および、降車を抑制する情報22の両方を利用者90に対して通知するように構成されることが好ましい。
【0189】
また、上記実施形態では、移動サービス提供システム100が、注意喚起の情報20、および、降車を抑制する情報22の両方を利用者90に対して通知する構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、移動サービス提供システム100は、注意喚起の情報20、および、降車を抑制する情報22の両方を利用者90に対して通知しないように構成されていてもよい。しかしながら、利用者90の安全面を考慮すると、移動サービス提供システム100は、注意喚起の情報20、および、降車を抑制する情報22のうちの少なくともいずれかを利用者90に対して通知するように構成されることが好ましい。
【0190】
また、上記実施形態では、移動サービス提供システム100が、体調情報取得部3eを備える構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、移動サービス提供システム100は、体調情報取得部3eを備えていなくてもよい。しかしながら、移動サービス提供システム100が体調情報取得部3eを備えていない場合、遠隔地にいる保護者91が利用者90の体調に関する情報15を確認することができない。したがって、移動サービス提供システム100は、体調情報取得部3eを備えていることが好ましい。
【0191】
また、上記実施形態では、体調情報取得部3eが、利用者90の体調に関する情報15として、利用者90の体温、脈拍、姿勢、視線、および、握力を取得する構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、体調情報取得部3eは、利用者90の体調に関する情報15として、利用者90の体温、脈拍、姿勢、視線、および、握力以外の情報を取得してもよい。利用者90の体調に関する情報であれば、体調情報取得部3eが取得する情報はどのような情報であってもよい。
【0192】
また、上記実施形態では、第2制御部2aが、利用者90の体調に関する懸念事項16に基づいて、利用者90の体調に関する情報15を保護者91に提供する構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。第2制御部2aは、利用者90の体調に関する懸念事項16に基づかず、体調情報取得部3eによって取得された利用者90の体調に関する情報15の全てを保護者91に対して提供するように構成されていてもよい。
【0193】
また、上記実施形態では、利用者90の情報11が、利用者90の氏名と、生年月日と、住所と、電話番号と、メールアドレスとを含む構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、利用者90の情報11は、利用者90の個人番号(マイナンバー)、利用者90のパスポートの番号などを含んでいてもよい。
【0194】
また、上記実施形態では、保護者91の情報12が、保護者91の氏名と、生年月日と、住所と、電話番号と、メールアドレスとを含む構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、保護者91の情報12は、保護者91の個人番号(マイナンバー)、保護者91のパスポートの番号、保護者91の運転免許証番号などを含んでいてもよい。
【0195】
また、上記実施形態では、保護者91によって入力される出発日時情報10cが、利用者90に移動車両3を提供する1日だけの例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、保護者91によって入力される出発日時情報10cは、複数の日付であってもよいし、特定の曜日であってもよい。
【0196】
また、上記実施形態では、保護者91が利用者90の情報11を入力する構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、利用者90自身が、利用者90の情報11を入力するように構成されていてもよい。
【0197】
[態様]
上記した例示的な実施形態は、以下の態様の具体例であることが当業者により理解される。
【0198】
(項目1)
移動車両の運転が困難である利用者に対して移動サービスを提供する移動サービス提供システムであって、
前記利用者が移動する際の経路情報を前記利用者の保護者が予め入力する端末と、
前記利用者に対して前記移動サービスを提供する企業が有するサーバと、を備え、
前記サーバは、前記利用者と前記保護者とを対応付けて記憶する記憶部と、前記経路情報を取得し、前記利用者が運転することなく前記利用者を移動させることが可能な前記移動車両を前記利用者に対して提供するとともに、制御部とを含む、移動サービス提供システム。
【0199】
(項目2)
前記制御部は、前記利用者の移動情報を遠隔地にいる前記保護者が閲覧可能なように提供するように構成されている、項目1に記載の移動サービス提供システム。
【0200】
(項目3)
前記制御部は、前記利用者の前記移動情報を表示する画面を、遠隔地にいる前記保護者が前記端末において閲覧可能なように提供するように構成されている、項目2に記載の移動サービス提供システム。
【0201】
(項目4)
前記制御部は、前記端末によって前記保護者に入力されて前記記憶部に記憶された前記利用者の情報に基づいて前記利用者と前記保護者との対応関係を取得するとともに、取得した前記利用者と前記保護者との対応関係に基づいて、前記利用者の前記移動情報を表示する画面を遠隔地にいる前記保護者に提供するように構成されている、項目3に記載の移動サービス提供システム。
【0202】
(項目5)
前記制御部は、前記利用者の移動中のリアルタイムの前記移動情報、または、前記利用者の移動が完了した後の移動履歴を含む前記移動情報を、遠隔地にいる前記保護者に対して提供するように構成されている、項目3または4に記載の移動サービス提供システム。
【0203】
(項目6)
前記経路情報は、前記端末によって前記保護者に入力された、前記利用者が移動する際の出発地点の情報および目的地点の情報と、前記利用者が前記出発地点を出発する日時の情報である出発日時情報と、を含み、
前記記憶部は、前記経路情報として、前記出発地点の情報と、前記目的地点の情報と、前記出発日時情報とを記憶するように構成されており、
前記制御部は、前記出発地点の情報と、前記目的地点の情報と、前記出発日時情報とに基づいて、前記利用者の移動経路を設定するように構成されている、項目1~5のいずれか1項に記載の移動サービス提供システム。
【0204】
(項目7)
前記移動車両は、自動運転車両であり、
前記制御部は、前記出発地点の情報および前記出発日時情報に基づいて、前記移動車両を前記利用者の前記出発地点まで自動で移動させる制御を行うように構成されている、項目6に記載の移動サービス提供システム。
【0205】
(項目8)
前記制御部は、前記利用者の移動が完了した場合、前記移動車両を予め設定された返却場所まで自動で移動させる制御を行うように構成されている、項目7に記載の移動サービス提供システム。
【0206】
(項目9)
前記移動車両に設けられた表示部と、
前記移動車両に設けられ、前記利用者が前記保護者または前記利用者の目的地の施設に対して通話可能な通話機能部と、をさらに備え、
前記表示部は、前記通話機能部による通話を開始するための操作部である通話開始操作部を表示するように構成されている、項目1~8のいずれか1項に記載の移動サービス提供システム。
【0207】
(項目10)
前記移動車両に設けられた表示部をさらに備え、
前記記憶部は、前記端末によって前記保護者に入力された前記利用者の持ち物の情報を予め記憶するように構成されており、
前記制御部は、前記記憶部に記憶された前記利用者の前記持ち物の情報に基づいて、前記移動車両に対する前記利用者の前記持ち物の積み忘れ、または、前記移動車両から前記利用者の前記持ち物の降ろし忘れがないか否かを判定するとともに、前記利用者の前記持ち物の積み忘れ、または、前記利用者の前記持ち物の降ろし忘れがあった場合に、その旨を前記表示部に表示させるように構成されている、項目1~8のいずれか1項に記載の移動サービス提供システム。
【0208】
(項目11)
前記利用者は、高齢者、または、認知症患者であり、
前記制御部は、前記移動車両に乗降する際の注意喚起の情報、および、前記移動車両によって移動中に前記移動車両からの降車を抑制する情報の少なくともいずれかを、前記利用者に対して通知する制御をように構成されている、項目1~9のいずれか1項に記載の移動サービス提供システム。
【0209】
(項目12)
前記利用者が前記移動車両によって移動している際の前記利用者の体調に関する情報を取得する体調情報取得部をさらに備え、
前記制御部は、移動中における前記利用者の体調に関する情報を遠隔地にいる前記保護者に提供するように構成されている、項目1~11のいずれか1項に記載の移動サービス提供システム。
【0210】
(項目13)
前記記憶部は、前記端末によって前記保護者に入力された前記利用者の体調に関する懸念事項を予め記憶するように構成されており、
前記制御部は、前記記憶部に記憶された前記利用者の体調に関する前記懸念事項と、前記体調情報取得部により取得された前記利用者の体調に関する情報とに基づいて、移動中における前記利用者の体調に関する情報を遠隔地にいる前記保護者に提供するように構成されている、項目12に記載の移動サービス提供システム。
【0211】
(項目14)
移動車両の運転が困難である利用者に対して移動サービスを提供する移動サービス提供方法であって、
前記利用者が移動する際の経路情報を前記利用者の保護者が予め入力するステップと、
サーバが、前記利用者と前記保護者とを対応付けて記憶するステップと、
前記サーバが、前記経路情報を取得し、前記利用者が運転することなく前記利用者を移動させることが可能な前記移動車両を前記利用者に対して提供するステップと、を備える、移動サービス提供方法。
【符号の説明】
【0212】
1 端末
2 サーバ
2a 第2制御部(制御部)
2b 第1記憶部(記憶部)
3 移動車両
3c 第3表示部(表示部)
3d 通話機能部
3d 体調情報取得部
10 径路情報
10a 出発地点の情報
10b 目的地点の情報
10c 出発地点情報
11 利用者の情報
13 利用者の移動情報
14 利用者の持ち物の情報
15 利用者の体調に関する情報
16 利用者の体調に関する懸念事項
40c 通話開始操作部
40e 注意喚起の情報
40h 降車を抑制する情報
43d 通話開始操作部
52 移動経路
90 利用者
91 保護者
92 企業
100 移動サービス提供システム