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特開2024-148117対話型AIのプロンプト生成プログラムの自動教材作成支援システム
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  • 特開-対話型AIのプロンプト生成プログラムの自動教材作成支援システム 図1
  • 特開-対話型AIのプロンプト生成プログラムの自動教材作成支援システム 図2
  • 特開-対話型AIのプロンプト生成プログラムの自動教材作成支援システム 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024148117
(43)【公開日】2024-10-17
(54)【発明の名称】対話型AIのプロンプト生成プログラムの自動教材作成支援システム
(51)【国際特許分類】
   G06F 8/30 20180101AFI20241009BHJP
   G09B 3/02 20060101ALI20241009BHJP
   G09B 19/00 20060101ALI20241009BHJP
   G06Q 50/20 20120101ALI20241009BHJP
【FI】
G06F8/30
G09B3/02
G09B19/00 Z
G06Q50/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2023069657
(22)【出願日】2023-04-04
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.JAVASCRIPT
(71)【出願人】
【識別番号】513158759
【氏名又は名称】吉成 雄一郎
(72)【発明者】
【氏名】吉成 雄一郎
【テーマコード(参考)】
5B376
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5B376BC07
5B376BC46
5B376BC52
5L049CC34
5L050CC34
(57)【要約】
【課題】対話型AIを使った学習教材を作成する際、問題提示機能に加えて、学習者の回答と設問等の文脈を含んだプロンプトを作り出し、それをAIに送る。しかし、設問毎にそのようなプログラムを作成するのは教材作成者には難しい。それを簡単にできるシステムを提供する。
【解決手段】教材作成者用Web入力画面を用意し、そこにAIへの指示や学習者への指示、設問や正解等を記入すると、自動的に学習者用のJavaScriptが作られる。それを学習者が開き、回答すると、AI向けのプロンプトがクリップボードに転送される。学習者はAIの入力欄にペーストするだけで、学習者の回答の他、設問など詳細な情報が含まれたプロンプトが渡される。これにより、AIからは文脈に即したフィードバックを得られるだけでなく、学習者も文脈を説明せずに、文脈に即した質問ができる。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対話型AIを活用した教材作成支援システムにおいて、
教材作成者用入力部を備え、対話型AIへの指示文(文脈に関する情報を含む)、学習者への指示文、設問、正解等を入力できるようにした対話型AIのプロンプト生成プログラムを自動的に作る手段を備えたシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のシステムにおいて、
生成されたプロンプト生成用のJavaScriptを出力し、教材作成者がLMSなどに貼り付けることができるようにした、対話型AIのプロンプト生成プログラムを自動的に作る教材作成支援システム。
【請求項3】
請求項1または2に記載のシステムにおいて、
学習者が生成されたJavaScriptを利用して問題に解答し、学習者の解答と教材作成者が入力した情報を組み合わせたプロンプトを生成し、クリップボードに転送できるようにした、対話型AIのプロンプト生成プログラムを自動的に作る教材作成支援システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、対話型AIを使った学習教材を作成する際、AIへのプロンプト生成プログラムを容易に作成できるシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
対話型AIが一般にリリースされて以来、その教育的な利用が広まっている。その方法の一つに、ある設問に対しての学習者の回答に対して、AIにフィードバックさせたり、設問についての質問をAIが回答するというものがある。
【0002】
文脈のない、簡単な質問であれば学習者は対話型AIに質問を書き込むことができるが、英語などの長文問題など、文脈を含めて対話型AIにプロンプトとして入力しなければならない場合には、全文を入力する手間がかかり、現実的ではない。
【0003】
そこで、AIに入力する前に、文脈(長文問題など)と学習者の質問と合わせてプロンプトを生成するプログラムがあれば、学習者の負担は軽減される。しかし、そのような仕組みを持った教材はJavaScriptなどによるプログラミング作業が必要であり、しかも1問毎にプログラムを作らなければならない。
【0004】
一般的な教材作成者の場合、プログラミングに精通していることは少ない。そこで、プログラミングを知らない教材作成者でも、簡単にプロンプトが生成可能なプログラム(たとえばJavaScript)が作り出せるシステムを提案する。
【先行技術文献】
【0005】
なし。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
対話型AIが一般にリリースされて以来、その学習支援のための利用が広まっている。しかし、課題もある。対話型AIから何かしらのフィードバックまたは回答を得ようとすると、適切なプロンプトが必要である。1行から数行程度の質問で事足りる質問なら問題ないが、たとえば英語の長文問題などに関する質問をしたい場合など、文脈を含めて対話型AIにプロンプトとして入力しなければならない。たとえば、文中の代名詞thatが何を指しているか、などは、長い英文全体を対話型AIに知らせなければならない。
【0007】
そのような場合、英語の長文をすべて入力すればよいのであるが、それは手間がかかり、現実的ではない。そこで、対話型AIに入力する前段階として、文脈を含んだプロンプトを生成するプログラムが必要となる。たとえばJavaScriptの中にあらかじめ教材作成者が、長文素材や設問などの情報を入れておき、学習者はJavaScriptを開き、そこに質問を入力すれば、文脈(長文問題)と質問を含めたプロンプトができ上げる、それを対話型AIに送ることができると、学習者の負担は軽減される。
【0008】
しかし、それにはさらにもう一つの課題がある。文脈毎にそれぞれ専用のプログラムが必要となる。英語の長文問題を例に取ると、長文問題が30セットあれば、30本の専用のプログラムが必要である。特に教材作成者はプログラマではないので、素材に合わせてプログラミングするのは無理である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に関わるシステムは、プログラミングを知らない教材作成者でも、簡単にプロンプト生成可能なJavaScriptが作り出せるシステムである。
【0010】
本システムは以下の部分から構成される。
【0011】
(a)教材作成者用入力部
この部分は、教材作成者が入力するWebシステムである。たとえば、以下の入力欄が用意される。▲1▼対話型AIへの指示文(文脈に関する情報を含む)、▲2▼学習者への指示文、▲3▼設問、▲3▼正解等である。
【0012】
(b)JavaScript出力部
この部分は、教材作成者が(a)を入力後、本システムを実行することで、JavaScriptなどによるプログラムが自動的に生成される。生成されたプログラムを教材作成者はLMS(Learning Management System)等に登録する。
【0013】
(c)学習者用回答部
この部分は、設問や指示文などを表示する機能を持ち、学習者が設問の回答を入力するWebシステムである。(b)で生成されたJavaScriptを開くと、問題が表示され、学習者が解答する。
【0014】
(d)クリップボードへChatGPTへのプロンプト転送部
学習者が(c)の回答を終えて、プログラムを実行すると、対話型AIのプロンプトがクリップボードに転送される。その内容は、▲1▼対話型AIへの指示文(文脈に関する情報を含む)、▲2▼設問、▲3▼正解、▲4▼学習者の回答などである。
【0015】
その後、学習者は対話型AIの入力欄にペーストし、実行すると対話型AIが採点し、コメントや説明を返す。その後、学習者は、文脈についての説明なしに文脈に依存した質問をすることができる。なぜならその設問についてのすべての情報、つまり文脈が対話型AIに渡されているからである。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、教材作成者はプログラミングの知識がなくても簡単にプロンプト生成プログラムを作成できる。これにより、教材作成者が効率的に教材を作成しやすくなる。
【0017】
また、学習者は、文脈に依存した質問を文脈についての説明なしに行うことができる。それにより、学習者はより深い質疑応答ができ、理解を深めることができる。
【0018】
さらに、対話型AIに学習者の回答に対するフィードバックを行う場合でも、AIが問題の文脈を把握して、より適切なコメントを返すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】 本発明に係る教材作成者用入力部および実生成されたプログラムが表示された画面イメージである。
図2】 JavaScriptが実行された(開かれた)時の画面イメージである。
図3図2の「クリップボードにコピーする」を押下後、クリップボードに転送されたプロンプトを可視化したものである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1において、教材作成者は、各入力項目(対話型AIへの指示文(文脈に関する情報を含む)、学習者への指示文、設問、正解等)を入力し、実行ボタンを押下する。
【0021】
図1において、自動的にプログラム(JavaScript)が生成される。教材作成者は、生成されたJavaScriptをLMSなどに貼り付け、教材として使える状態にする。
【0022】
学習者は、JavaScriptを開き、問題に回答する。その後、実行ボタンを押下する。実行ボタンを押下すると、クリップボードにプロンプトが転送される。
【符号の説明】
【0023】
1 教材作成者が入力する各入力欄
2 入力が完了したら押下する実行ボタン
3 実行ボタンを押下後、表示されるプログラム
図1
図2
図3