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特開2024-148158複数のホスト材料、有機エレクトロルミネセント化合物、及びこれらを含む有機エレクトロルミネセントデバイス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024148158
(43)【公開日】2024-10-17
(54)【発明の名称】複数のホスト材料、有機エレクトロルミネセント化合物、及びこれらを含む有機エレクトロルミネセントデバイス
(51)【国際特許分類】
   H10K 50/11 20230101AFI20241009BHJP
   H10K 85/60 20230101ALI20241009BHJP
   H10K 59/10 20230101ALI20241009BHJP
   C07D 307/77 20060101ALI20241009BHJP
【FI】
H10K50/11
H10K85/60
H10K59/10
C07D307/77 CSP
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024052756
(22)【出願日】2024-03-28
(31)【優先権主張番号】10-2023-0044282
(32)【優先日】2023-04-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】509266480
【氏名又は名称】デュポン スペシャルティ マテリアルズ コリア リミテッド
【氏名又は名称原語表記】DUPONT SPECIALTY MATERIALS KOREA LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110000589
【氏名又は名称】弁理士法人センダ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キム チシク
(72)【発明者】
【氏名】キム ヨングァン
(72)【発明者】
【氏名】ト ユジン
(72)【発明者】
【氏名】キム ヘヨン
【テーマコード(参考)】
3K107
【Fターム(参考)】
3K107AA01
3K107BB01
3K107BB02
3K107CC04
3K107CC12
3K107CC22
3K107DD53
3K107DD59
3K107DD68
(57)【要約】      (修正有)
【課題】改善された、駆動電圧、発光効率、寿命特性、を有する有機エレクトロルミネセントデバイスを提供できる複数の改良されたホスト材料を提供すること。
【解決手段】1種以上の式(1)で表される化合物を含む第1のホスト材料と、第1のホスト化合物とは異なる1種以上の特定構造を有する第2のホスト材料とを含む複数のホスト材料。

【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1種以上の第1のホスト化合物と前記第1のホスト化合物とは異なる1種以上の第2のホスト化合物とを含む複数のホスト材料であって、前記第1のホスト化合物が下記式1:
【化1】
(式中、
Ar及びArは、それぞれ独立して、置換若しくは無置換(C6~C30)アリール、又は置換若しくは無置換(3~30員)ヘテロアリールを表し;
及びLは、それぞれ独立して、単結合、置換若しくは無置換(C6~C30)アリーレン、又は置換若しくは無置換(3~30員)ヘテロアリーレンを表し;
及びRは、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、シアノ、置換若しくは無置換(C1~C30)アルキル、置換若しくは無置換(C3~C30)シクロアルキル、置換若しくは無置換(C6~C30)アリール、置換若しくは無置換(3~30員)ヘテロアリール、置換若しくは無置換(C1~C30)アルコキシ、又は-N-(Ar)(Ar)を表し;
Ar及びArは、それぞれ独立して、水素、重水素、置換若しくは無置換(C1~C30)アルキル、置換若しくは無置換(C2~C30)アルケニル、置換若しくは無置換(C6~C30)アリール、又は置換若しくは無置換(3~30員)ヘテロアリールを表し;
a及びbは、それぞれ独立して1~4の整数を表し、a及びbがそれぞれ独立して2以上の整数である場合には、R及びRのそれぞれは同じであっても異なっていてもよい)
で表され、前記第2のホスト化合物が、下記式2:
【化2】
(式中、
Arは、置換若しくは無置換(C6~C30)アリール又は置換若しくは無置換(3~30員)ヘテロアリールを表し;
は、単結合、置換若しくは無置換(C6~C30)アリーレン、又は置換若しくは無置換(3~30員)ヘテロアリーレンを表し;
~Rは、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、シアノ、置換若しくは無置換(C1~C30)アルキル、置換若しくは無置換(C3~C30)シクロアルキル、置換若しくは無置換(C6~C30)アリール、置換若しくは無置換(3~30員)ヘテロアリール、置換若しくは無置換(C1~C30)アルコキシ、又は-N-(Ar)(Ar10)を表し;
Ar及びAr10は、それぞれ独立して、水素、重水素、置換若しくは無置換(C1~C30)アルキル、置換若しくは無置換(C2~C30)アルケニル、置換若しくは無置換(C6~C30)アリール、又は置換若しくは無置換(3~30員)ヘテロアリールを表し;
c及びdは、それぞれ独立して1~3の整数を表し、e及びfは、それぞれ独立して1~4の整数を表し、c~fが2以上の整数である場合には、R、R、R、及びRのそれぞれは、同じであっても異なっていてもよい)
で表される、複数のホスト材料。
【請求項2】
式1のAr及びAr並びに式2のArが、それぞれ独立して、置換若しくは無置換フェニル、置換若しくは無置換ビフェニル、置換若しくは無置換テルフェニル、置換若しくは無置換ナフチル、置換若しくは無置換フェナントレニル、置換若しくは無置換トリフェニレニル、置換若しくは無置換フルオレニル、置換若しくは無置換ジベンゾフルオレニル、置換若しくは無置換ジベンゾフラニル、置換若しくは無置換ジベンゾチオフェニル、置換若しくは無置換カルバゾリル、又は置換若しくは無置換ジベンゾセレノフェニルを表す、請求項1に記載の複数のホスト材料。
【請求項3】
前記置換(C1~C30)アルキル、前記置換(C3~C30)シクロアルキル、前記置換(C1~C30)アルコキシ、前記置換(C6~C30)アリール、前記置換(C6~C30)アリーレン、前記置換(3~30員)ヘテロアリール、及び前記置換(3~30員)ヘテロアリーレンが、それぞれ独立して、重水素、ハロゲン、シアノ、カルボキシル、ニトロ、ヒドロキシ、ホスフィンオキシド、(C1~C30)アルキル、ハロ(C1~C30)アルキル、(C2~C30)アルケニル、(C2~C30)アルキニル、(C1~C30)アルコキシ、(C1~C30)アルキルチオ、(C3~C30)シクロアルキル、(C3~C30)シクロアルケニル、(3員~7員)ヘテロシクロアルキル、(C6~C30)アリールオキシ、(C6~C30)アリールチオ、無置換であるか又は重水素と(C6~C30)アリールのうちの少なくとも1つで置換された(3員~30員)ヘテロアリール、無置換であるか又は重水素と(3員~30員)ヘテロアリールのうちの少なくとも1つで置換された(C6~C30)アリール、トリ(C1~C30)アルキルシリル、トリ(C6~C30)アリールシリル、ジ(C1~C30)アルキル(C6~C30)アリールシリル、(C1~C30)アルキルジ(C6~C30)アリールシリル、アミノ、モノ-若しくはジ-(C1~C30)アルキルアミノ、モノ-若しくはジ-(C2~C30)アルケニルアミノ、モノ-若しくはジ-(C6~C30)アリールアミノ、モノ-若しくはジ-(3員~30員)ヘテロアリールアミノ、(C1~C30)アルキル(C2~C30)アルケニルアミノ、(C1~C30)アルキル(C6~C30)アリールアミノ、(C1~C30)アルキル(3員~30員)ヘテロアリールアミノ、(C2~C30)アルケニル(C6~C30)アリールアミノ、(C2~C30)アルケニル(3員~30員)ヘテロアリールアミノ、(C6~C30)アリール(3員~30員)ヘテロアリールアミノ、(C1~C30)アルキルカルボニル、(C1~C30)アルコキシカルボニル、(C6~C30)アリールカルボニル、(C6~C30)アリールホスフィン、ジ(C6~C30)アリールボロニル、ジ(C1~C30)アルキルボロニル、(C1~C30)アルキル(C6~C30)アリールボロニル、(C6~C30)ar(C1~C30)アルキル、及び(C1~C30)アルキル(C6~C30)アリールからなる群から選択される1つ以上で置換されている、請求項1に記載の複数のホスト材料。
【請求項4】
式1で表される前記化合物が以下の化合物:
【化3】
【化4】
【化5】
【化6】
から選択され、化合物H1-56~H1-100、H1-102、及びH1-104のDnは、n個の水素が重水素で置換されていることを意味し、nは1から各化合物中の水素の最大の数である、請求項1に記載の複数のホスト材料。
【請求項5】
式2で表される前記化合物が、次の化合物:
【化7】
【化8】
【化9】
【化10】
【化11】
【化12】
【化13】
から選択され、化合物C-136~C-295のDnは、n個の水素が重水素で置換されていることを意味し、nは1から各化合物中の水素の最大の数である、請求項1に記載の複数のホスト材料。
【請求項6】
下記式3で表される化合物:
【化14】
(式中、
Arは、置換若しくは無置換(C6~C30)アリール、又は置換若しくは無置換(3~30員)ヘテロアリールを表し;
は、単結合、置換若しくは無置換(C6~C30)アリーレン、又は置換若しくは無置換(3~30員)ヘテロアリーレンを表し;
は、置換若しくは無置換(C6~C30)アリール又は置換若しくは無置換(3~30員)ヘテロアリールを表し;
~R12は、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、シアノ、置換若しくは無置換(C1~C30)アルキル、置換若しくは無置換(C3~C30)シクロアルキル、置換若しくは無置換(C6~C30)アリール、置換若しくは無置換(3~30員)ヘテロアリール、置換若しくは無置換(C1~C30)アルコキシ、又は-N-(Ar11)(Ar12)を表し;
Ar11及びAr12は、それぞれ独立して、水素、重水素、置換若しくは無置換(C1~C30)アルキル、置換若しくは無置換(C2~C30)アルケニル、置換若しくは無置換(C6~C30)アリール、又は置換若しくは無置換(3~30員)ヘテロアリールを表し;
gは1又は2の整数を表し、h、i、及びjは、それぞれ独立して1~4の整数を表し、g~jが2以上の整数である場合には、R~R12のそれぞれは、同じであっても異なっていてもよい)。
【請求項7】
式3が、下記式3-1又は3-2で表される、請求項6に記載の化合物:
【化15】
(式中、Ar、R~R12、及びg~jは、請求項6において定義されたものと同じである)。
【請求項8】
式3で表される前記化合物が以下の化合物:
【化16】
【化17】
【化18】
【化19】
【化20】
【化21】
【化22】
から選択され、化合物C-136~C-270のDnは、n個の水素が重水素で置換されていることを意味し、nは1から各化合物中の水素の最大の数である、請求項6に記載の化合物。
【請求項9】
下記式4で表される化合物:
【化23】
(式中、
Arは、置換若しくは無置換(C6~C30)アリール、又は置換若しくは無置換(3~30員)ヘテロアリールを表し;
は、単結合、置換若しくは無置換(C6~C30)アリーレン、又は置換若しくは無置換(3~30員)ヘテロアリーレンを表し;
13は水素又は重水素を表し;
14~R18は、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、シアノ、置換若しくは無置換(C1~C30)アルキル、置換若しくは無置換(C3~C30)シクロアルキル、置換若しくは無置換(C6~C30)アリール、置換若しくは無置換(3~30員)ヘテロアリール、置換若しくは無置換(C1~C30)アルコキシ、又は-N-(Ar13)(Ar14)を表し;
Ar13及びAr14は、それぞれ独立して、水素、重水素、置換若しくは無置換(C1~C30)アルキル、置換若しくは無置換(C2~C30)アルケニル、置換若しくは無置換(C6~C30)アリール、又は置換若しくは無置換(3~30員)ヘテロアリールを表し;
kは1又は2の整数を表し、lは1~3の整数を表し、m及びnは、それぞれ独立して1~4の整数を表し、k~nが2以上の整数である場合には、R14、R15、R17、及びR18のそれぞれは、同じであっても異なっていてもよいが、
14、R15、及びR16のうちの少なくとも1つが置換若しくは無置換(C6~C30)アリール、又は置換若しくは無置換(3~30員)ヘテロアリールを表し、且つR13~R18のうちの少なくとも1つが重水素を表すことを条件とする)。
【請求項10】
式4が下記式4-1又は4-2で表される、請求項9に記載の化合物:
【化24】
(式中、Ar、R13~R18、及びk~nは、請求項9において定義されたものと同じである)。
【請求項11】
式4で表される前記化合物が以下の化合物:
【化25】
から選択され、化合物C-271~C-295のDnは、n個の水素が重水素で置換されていることを意味し、nは1から各化合物中の水素の最大の数である、請求項9に記載の化合物。
【請求項12】
第1の電極と、第2の電極と、前記第1の電極と前記第2の電極との間の少なくとも1つの発光層とを含む有機エレクトロルミネセントデバイスであって、前記発光層の少なくとも1つの層が請求項1に記載の複数のホスト材料を含有する、有機エレクトロルミネセントデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、複数のホスト材料、有機エレクトロルミネセント化合物、及びこれらを含む有機エレクトロルミネセントデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
発光層と電荷輸送層とからなるTPD/Alq二層小分子有機エレクトロルミネセントデバイス(OLED)は、1987年にEastman KodakのTangらによって最初に開発された。その後、OLEDに関する研究が急速に行われており、OLEDは、商業化されている。現在、有機エレクトロルミネセントデバイスは、パネル実現において優れた発光効率を有するリン光材料を主に使用している。ディスプレイの長期使用と高解像度のためには、低い駆動電圧及び/又は高い発光効率及び/又は長い寿命を有するOLEDが必要とされる。
【0003】
発光効率及び/又は駆動電圧及び/又は寿命を改善するために、様々な材料又はコンセプトが有機エレクトロルミネセントデバイスの有機層のために提案されているが、それらは、実用上十分なものではなかった。そのため、関連技術に開示されている有機エレクトロルミネセントデバイスと比較して、より改善された性能、例えば改善された駆動電圧及び/又は発光効率及び/又は電力効率及び/又は寿命特性を有する有機エレクトロルミネセントデバイスを開発することが継続的に求められている。
【0004】
(特許文献1)には、アントラセン-フェナントロフランに基づく化合物をホストとして使用する有機エレクトロルミネセントデバイスが開示されている。しかしながら、前記文献は、本開示で特許請求される特定の組み合わせの複数のホスト材料を使用する有機エレクトロルミネセントデバイスを具体的には開示しておらず、OLEDの性能を向上させるためのホスト材料の開発が依然として求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】中国特許出願公開第110294663A号明細書
【特許文献2】韓国特許第10-2283849号明細書
【特許文献3】韓国特許第10-1427457号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本開示の目的は、改善された駆動電圧及び/又は発光効率及び/又は寿命特性を有する有機エレクトロルミネセントデバイスを提供することができる複数の改良されたホスト材料を提供することである。
【0007】
本開示の別の目的は、有機エレクトロルミネセントデバイスに適用するのに好適な新規な構造を有する有機エレクトロルミネセント化合物を提供することである。
【0008】
本開示の更に別の目的は、本開示の化合物又は化合物の特定の組み合わせを含めることにより、改善された駆動電圧及び/又は発光効率及び/又は寿命特性を有する有機エレクトロルミネセントデバイスを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記技術的課題を解決すべく鋭意研究を行った結果、前記目的が、1種以上の第1のホスト化合物と1種以上の第2のホスト化合物とを含む複数のホスト材料によって達成され、第1のホスト化合物が下記式1:
【化1】
(式中、
Ar及びArは、それぞれ独立して、置換若しくは無置換(C6~C30)アリール、又は置換若しくは無置換(3~30員)ヘテロアリールを表し;
及びLは、それぞれ独立して、単結合、置換若しくは無置換(C6~C30)アリーレン、又は置換若しくは無置換(3~30員)ヘテロアリーレンを表し;
及びRは、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、シアノ、置換若しくは無置換(C1~C30)アルキル、置換若しくは無置換(C3~C30)シクロアルキル、置換若しくは無置換(C6~C30)アリール、置換若しくは無置換(3~30員)ヘテロアリール、置換若しくは無置換(C1~C30)アルコキシ、又は-N-(Ar)(Ar)を表し;
Ar及びArは、それぞれ独立して、水素、重水素、置換若しくは無置換(C1~C30)アルキル、置換若しくは無置換(C2~C30)アルケニル、置換若しくは無置換(C6~C30)アリール、又は置換若しくは無置換(3~30員)ヘテロアリールを表し;
a及びbは、それぞれ独立して1~4の整数を表し、a及びbがそれぞれ独立して2以上の整数である場合には、R及びRのそれぞれは同じであっても異なっていてもよい)
で表され、第2のホスト化合物が、下記式2:
【化2】
(式中、
Arは、置換若しくは無置換(C6~C30)アリール、又は置換若しくは無置換(3~30員)ヘテロアリールを表し;
は、単結合、置換若しくは無置換(C6~C30)アリーレン、又は置換若しくは無置換(3~30員)ヘテロアリーレンを表し;
~Rは、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、シアノ、置換若しくは無置換(C1~C30)アルキル、置換若しくは無置換(C3~C30)シクロアルキル、置換若しくは無置換(C6~C30)アリール、置換若しくは無置換(3~30員)ヘテロアリール、置換若しくは無置換(C1~C30)アルコキシ、又は-N-(Ar)(Ar10)を表し;
Ar及びAr10は、それぞれ独立して、水素、重水素、置換若しくは無置換(C1~C30)アルキル、置換若しくは無置換(C2~C30)アルケニル、置換若しくは無置換(C6~C30)アリール、又は置換若しくは無置換(3~30員)ヘテロアリールを表し;
c及びdは、それぞれ独立して1~3の整数を表し、e及びfは、それぞれ独立して1~4の整数を表し、c~fが2以上の整数である場合には、R、R、R、及びRのそれぞれは、同じであっても異なっていてもよい)
で表されることを発見し、本開示を完成させた。
【0010】
更に、本発明者らは、下記式3又は4で表される化合物によって前記目的が達成されることを発見し、本発明を完成させた:
【化3】
(式中、
Arは、置換若しくは無置換(C6~C30)アリール、又は置換若しくは無置換(3~30員)ヘテロアリールを表し;
は、単結合、置換若しくは無置換(C6~C30)アリーレン、又は置換若しくは無置換(3~30員)ヘテロアリーレンを表し;
は、置換若しくは無置換(C6~C30)アリール、又は置換若しくは無置換(3~30員)ヘテロアリールを表し;
~R12は、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、シアノ、置換若しくは無置換(C1~C30)アルキル、置換若しくは無置換(C3~C30)シクロアルキル、置換若しくは無置換(C6~C30)アリール、置換若しくは無置換(3~30員)ヘテロアリール、置換若しくは無置換(C1~C30)アルコキシ、又は-N-(Ar11)(Ar12)を表し;
Ar11及びAr12は、それぞれ独立して、水素、重水素、置換若しくは無置換(C1~C30)アルキル、置換若しくは無置換(C2~C30)アルケニル、置換若しくは無置換(C6~C30)アリール、又は置換若しくは無置換(3~30員)ヘテロアリールを表し;
gは1又は2の整数を表し、h、i、及びjは、それぞれ独立して1~4の整数を表し、g~jが2以上の整数を表す場合には、R~R12のそれぞれは、同じであっても異なっていてもよい)
【化4】
(式中、
Arは、置換若しくは無置換(C6~C30)アリール、又は置換若しくは無置換(3~30員)ヘテロアリールを表し;
は、単結合、置換若しくは無置換(C6~C30)アリーレン、又は置換若しくは無置換(3~30員)ヘテロアリーレンを表し;
13は、水素又は重水素を表し;
14~R18は、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、シアノ、置換若しくは無置換(C1~C30)アルキル、置換若しくは無置換(C3~C30)シクロアルキル、置換若しくは無置換(C6~C30)アリール、置換若しくは無置換(3~30員)ヘテロアリール、置換若しくは無置換(C1~C30)アルコキシ、又は-N-(Ar13)(Ar14)を表し;
Ar13及びAr14は、それぞれ独立して、水素、重水素、置換若しくは無置換(C1~C30)アルキル、置換若しくは無置換(C2~C30)アルケニル、置換若しくは無置換(C6~C30)アリール、又は置換若しくは無置換(3~30員)ヘテロアリールを表し;
kは1又は2の整数を表し、lは1~3の整数を表し、m及びnは、それぞれ独立して1~4の整数を表し、k~nが2以上の整数である場合には、R14、R15、R17、及びR18のそれぞれは、同じであっても異なっていてもよいが、
14、R15、及びR16のうちの少なくとも1つが置換若しくは無置換(C6~C30)アリール、又は置換若しくは無置換(3~30員)ヘテロアリールを表し、且つR13~R18のうちの少なくとも1つが重水素を表すことを条件とする)。
【0011】
発明の有利な効果
本開示による複数のホスト材料及び有機エレクトロルミネセント化合物は、有機エレクトロルミネセントデバイスにおける使用に適した性能を示す。
【0012】
加えて、有機エレクトロルミネセント材料としての本開示による化合物、又は複数のホスト材料としての本開示による化合物の特定の組み合わせを含めることによって、従来の有機エレクトロルミネセントデバイスと比較してより低い駆動電圧及び/又はより高い発光効率及び/又はより長い寿命特性を有する有機エレクトロルミネセントデバイスを提供することができ、またこれを使用する表示デバイス又は照明デバイスを製造することができる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下では、本開示を詳細に説明する。しかしながら、以下の記載は、本開示を説明することを意図し、本開示の範囲を限定することを決して意味しない。
【0014】
本明細書において、本開示における用語「有機エレクトロルミネセント化合物」は、有機エレクトロルミネセントデバイスにおいて使用することができ、且つ必要に応じて有機エレクトロルミネセントデバイスを構成する任意の層に含まれ得る化合物を指す。
【0015】
本明細書において、本開示における用語「有機エレクトロルミネセント材料」は、有機エレクトロルミネセントデバイスにおいて使用することができ、1種以上の化合物を含むことができ、且つ必要に応じて有機エレクトロルミネセントデバイスを構成する任意の層に含まれ得る材料を指す。例えば、有機エレクトロルミネセント材料は、正孔注入材料、正孔輸送材料、正孔補助材料、発光補助材料、電子阻止材料、発光材料(ホスト材料及びドーパント材料を含む)、電子緩衝材料、正孔阻止材料、電子輸送材料、電子注入材料などであってよい。
【0016】
本明細書において、本開示における用語「複数のホスト材料」は、有機エレクトロルミネセントデバイスを構成する任意の発光層中に含まれ得る2種類以上の化合物の組み合わせを含むホスト材料を指し、有機エレクトロルミネセントデバイス中に含まれる前(例えば蒸着前)及び含まれた後(例えば蒸着後)の両方の材料を指す場合がある。一実施形態では、本開示の複数のホスト材料は、2種以上のホスト材料の組み合わせであってよく、任意選択的には、有機エレクトロルミネセント材料に含まれる従来の材料を更に含み得る。本開示の複数のホスト材料に含まれる少なくとも2つ以上のタイプの化合物は、1つの発光層中に一緒に含まれていてもよく、或いは当該技術分野において用いられる方法によって、異なる発光層中に含まれ得る。例えば、2つ以上のタイプのホスト材料が混合蒸着されていても共蒸着されていてもよく、或いは個別に蒸着されていてもよい。
【0017】
本明細書において、本開示における用語「(C1~C30)アルキル」は、鎖を構成する1~30個の炭素原子を有する直鎖又は分岐のアルキルを指し、この炭素原子の数は、好ましくは1~10、より好ましくは1~6である。アルキルの具体的な例としては、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、sec-ブチルなどを挙げることができる。
【0018】
本明細書において、本開示における用語「(C3~C30)シクロアルキル」又は「(C3~C30)シクロアルキレン」は、3~30個の環骨格炭素原子、好ましくは3~20個の炭素原子、より好ましくは3~7個の炭素原子を有する単環式又は多環式の炭化水素を指す。シクロアルキルの例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロペンチルメチル、シクロヘキシルメチル等を挙げることができる。
【0019】
本明細書において、本開示における用語「(3~7員)ヘテロシクロアルキル」は、3~7個の環骨格原子を有し、且つB、N、O、S、Si、及びPからなる群から選択される少なくとも1個のヘテロ原子、好ましくはO、S、及びNからなる群から選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含むシクロアルキルを指し、例えばテトラヒドロフラン、ピロリジン、チオラン、テトラヒドロピランなどである。
【0020】
本明細書において、本開示における「(C6~C30)アリール」又は「(C6~C30)アリーレン」は、6~30個の環骨格炭素原子を有する芳香族炭化水素から誘導される単環又は縮合環に基づくラジカルを指し、それらは部分的に飽和であってもよい。アリール及びアリーレンには、スピロ構造を有するものが含まれる。
【0021】
上記のアリールには、フェニル、ビフェニル、テルフェニル、ナフチル、ビナフチル、フェニルナフチル、ナフチルフェニル、フルオレニル、フェニルフルオレニル、ジフェニルフルオレニル、ベンゾフルオレニル、ジベンゾフルオレニル、フェナントレニル、フェニルフェナントレニル、ベンゾフェナントレニル、アントラセニル、インデニル、トリフェニレニル、ピレニル、テトラセニル、ペリレニル、クリセニル、ナフタセニル、フルオランテニル、スピロビフルオレニル、スピロ[フルオレン-ベンゾフルオレン]イル、スピロ[シクロペンテン-フルオレン]イル、スピロ[ジヒドロインデン-フルオレン]イル、アズレニル、テトラメチルジヒドロフェナントレニル等が含まれ得る。具体的には、アリールの例としては、フェニル、1-ナフチル、2-ナフチル、1-アントリル、2-アントリル、9-アントリル、ベンズアントリル、1-フェナントリル、2-フェナントリル、3-フェナントリル、4-フェナントリル、9-フェナントリル、ナフタセニル、ピレニル、1-クリセニル、2-クリセニル、3-クリセニル、4-クリセニル、5-クリセニル、6-クリセニル、ベンゾ[c]フェナントリル、ベンゾ[g]クリセニル、1-トリフェニレニル、2-トリフェニレニル、3-トリフェニレニル、4-トリフェニレニル、1-フルオレニル、2-フルオレニル、3-フルオレニル、4-フルオレニル、9-フルオレニル、ベンゾ[a]フルオレニル、ベンゾ[b]フルオレニル、ベンゾ[c]フルオレニル、ジベンゾフルオレニル、2-ビフェニレニル、3-ビフェニレニル、4-ビフェニレニル、o-テルフェニル、m-テルフェニル-4-イル、m-テルフェニル-3-イル、m-テルフェニル-2-イル、p-テルフェニル-4-イル、p-テルフェニル-3-イル、p-テルフェニル-2-イル、m-クアテルフェニル、3-フルオランテニル、4-フルオランテニル、8-フルオランテニル、9-フルオランテニル、ベンゾフルオランテニル、o-トリル、m-トリル、p-トリル、2,3-キシリル、3,4-キシリル、2,5-キシリル、メシチル、o-クメニル、m-クメニル、p-クメニル、p-tert-ブチルフェニル、p-(2-フェニルプロピル)フェニル、4’-メチルビフェニル、4”-tert-ブチル-p-テルフェニル-4-イル、9,9-ジメチル-1-フルオレニル、9,9-ジメチル-2-フルオレニル、9,9-ジメチル-3-フルオレニル、9,9-ジメチル-4-フルオレニル、9,9-ジフェニル-1-フルオレニル、9,9-ジフェニル-2-フルオレニル、9,9-ジフェニル-3-フルオレニル、9,9-ジフェニル-4-フルオレニル、11,11-ジメチル-1-ベンゾ[a]フルオレニル、11,11-ジメチル-2-ベンゾ[a]フルオレニル、11,11-ジメチル-3-ベンゾ[a]フルオレニル、11,11-ジメチル-4-ベンゾ[a]フルオレニル、11,11-ジメチル-5-ベンゾ[a]フルオレニル、11,11-ジメチル-6-ベンゾ[a]フルオレニル、11,11-ジメチル-7-ベンゾ[a]フルオレニル、11,11-ジメチル-8-ベンゾ[a]フルオレニル、11,11-ジメチル-9-ベンゾ[a]フルオレニル、11,11-ジメチル-10-ベンゾ[a]フルオレニル、11,11-ジメチル-1-ベンゾ[b]フルオレニル、11,11-ジメチル-2-ベンゾ[b]フルオレニル、11,11-ジメチル-3-ベンゾ[b]フルオレニル、11,11-ジメチル-4-ベンゾ[b]フルオレニル、11,11-ジメチル-5-ベンゾ[b]フルオレニル、11,11-ジメチル-6-ベンゾ[b]フルオレニル、11,11-ジメチル-7-ベンゾ[b]フルオレニル、11,11-ジメチル-8-ベンゾ[b]フルオレニル、11,11-ジメチル-9-ベンゾ[b]フルオレニル、11,11-ジメチル-10-ベンゾ[b]フルオレニル、11,11-ジメチル-1-ベンゾ[c]フルオレニル、11,11-ジメチル-2-ベンゾ[c]フルオレニル、11,11-ジメチル-3-ベンゾ[c]フルオレニル、11,11-ジメチル-4-ベンゾ[c]フルオレニル、11,11-ジメチル-5-ベンゾ[c]フルオレニル、11,11-ジメチル-6-ベンゾ[c]フルオレニル、11,11-ジメチル-7-ベンゾ[c]フルオレニル、11,11-ジメチル-8-ベンゾ[c]フルオレニル、11,11-ジメチル-9-ベンゾ[c]フルオレニル、11,11-ジメチル-10-ベンゾ[c]フルオレニル、11,11-ジフェニル-1-ベンゾ[a]フルオレニル、11,11-ジフェニル-2-ベンゾ[a]フルオレニル、11,11-ジフェニル-3-ベンゾ[a]フルオレニル、11,11-ジフェニル-4-ベンゾ[a]フルオレニル、11,11-ジフェニル-5-ベンゾ[a]フルオレニル、11,11-ジフェニル-6-ベンゾ[a]フルオレニル、11,11-ジフェニル-7-ベンゾ[a]フルオレニル、11,11-ジフェニル-8-ベンゾ[a]フルオレニル、11,11-ジフェニル-9-ベンゾ[a]フルオレニル、11,11-ジフェニル-10-ベンゾ[a]フルオレニル、11,11-ジフェニル-1-ベンゾ[b]フルオレニル、11,11-ジフェニル-2-ベンゾ[b]フルオレニル、11,11-ジフェニル-3-ベンゾ[b]フルオレニル、11,11-ジフェニル-4-ベンゾ[b]フルオレニル、11,11-ジフェニル-5-ベンゾ[b]フルオレニル、11,11-ジフェニル-6-ベンゾ[b]フルオレニル、11,11-ジフェニル-7-ベンゾ[b]フルオレニル、11,11-ジフェニル-8-ベンゾ[b]フルオレニル、11,11-ジフェニル-9-ベンゾ[b]フルオレニル、11,11-ジフェニル-10-ベンゾ[b]フルオレニル、11,11-ジフェニル-1-ベンゾ[c]フルオレニル、11,11-ジフェニル-2-ベンゾ[c]フルオレニル、11,11-ジフェニル-3-ベンゾ[c]フルオレニル、11,11-ジフェニル-4-ベンゾ[c]フルオレニル、11,11-ジフェニル-5-ベンゾ[c]フルオレニル、11,11-ジフェニル-6-ベンゾ[c]フルオレニル、11,11-ジフェニル-7-ベンゾ[c]フルオレニル、11,11-ジフェニル-8-ベンゾ[c]フルオレニル、11,11-ジフェニル-9-ベンゾ[c]フルオレニル、11,11-ジフェニル-10-ベンゾ[c]フルオレニル、9,9,10,10-テトラメチル-9,10-ジヒドロ-1-フェナントレニル、9,9,10,10-テトラメチル-9,10-ジヒドロ-2-フェナントレニル、9,9,10,10-テトラメチル-9,10-ジヒドロ-3-フェナントレニル、9,9,10,10-テトラメチル-9,10-ジヒドロ-4-フェナントレニル等が挙げられる。
【0022】
本明細書において、用語「(3~30員)ヘテロアリール」又は「(3~30員)ヘテロアリーレン」は、3~30個の環骨格原子を有し、且つB、N、O、S、Si、及びPからなる群から選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含むアリール基又はアリーレン基を指す。ヘテロ原子の数は、好ましくは1~4であり、単環系又は1つ以上のベンゼン環と縮合した縮環系であってもよく、部分的に飽和していてもよい。更に、本明細書におけるヘテロアリール又はヘテロアリーレンには、1つ以上のヘテロアリール基又はアリール基が単結合によってヘテロアリールに連結している形態も含まれ、スピロ構造を有するものも含まれる。ヘテロアリールの例としては、フリル、チオフェニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、イソチアゾリル、イソキサゾリル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、トリアジニル、テトラジニル、トリアゾリル、テトラゾリル、フラザニル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル等などの単環型ヘテロアリール;及びベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、イソベンゾフラニル、ジベンゾフラニル、ジベンゾチオフェニル、ジベンゾセレノフェニル、ナフトベンゾフラニル、ナフトベンゾチオフェニル、ベンゾフロキノリニル、ベンゾフロキナゾリニル、ベンゾフロナフチリジニル、ベンゾフロピリミジニル、ナフトフロピリミジニル、ベンゾチエノキノリニル、ベンゾチエノキナゾリニル、ベンゾチエノナフチリジニル、ベンゾチエノピリミジニル、ナフトチエノピリミジニル、ピリミドインドリル、ベンゾピリミドインドリル、ベンゾフロピラジニル、ナフトフロピラジニル、ベンゾチエノピラジニル、ナフトチエノピラジニル、ピラジンドリル、ベンゾピラジンドリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイソチアゾリル、ベンゾイソキサゾリル、ベンゾオキサゾリル、イソインドリル、インドリル、インダゾリル、ベンゾチアジアゾリル、キノリル、イソキノリル、シンノリニル、キナゾリニル、キノキサリニル、カルバゾリル、ベンゾカルバゾリル、ジベンゾカルバゾリル、フェノキサゾイル、フェノキサジニル、ベンゾジオキソリル、ベンゾトリアゾリニル、ヒドロアクリダゾリル、フェノチダゾリル、キナゾリニル、キノキサリニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾカルバゾリル、ベンゾカルバゾリル、フェノチダゾリル、ベンゾトリアゾリノリナゾイル、フェナゾリノインドリル縮合環状ヘテロアリール、例えばリニル、ジメチルベンゾピリミジニル、インドロカルバゾリル、インデノカルバゾリル等などの縮合型ヘテロアリールが挙げられ得る。より具体的には、ヘテロアリールの例としては、1-ピロリル、2-ピロリル、3-ピロリル、ピラジニル、2-ピリジニル、2-ピリミジニル、4-ピリミジニル、5-ピリミジニル、6-ピリミジニル、1,2,3-トリアジン-4-イル、1,2,4-トリアジン-3-イル、1,3,5-トリアジン-2-イル、1-イミダゾリル、2-イミダゾリル、1-ピラゾリル、1-インドリジジニル、2-インドリジジニル、3-インドリジジニル、5-インドリジジニル、6-インドリジジニル、7-インドリジジニル、8-インドリジジニル、2-イミダゾピリジニル、3-イミダゾピリジニル、5-イミダゾピリジニル、6-イミダゾピリジニル、7-イミダゾピリジニル、8-イミダゾピリジニル、3-ピリジニル、4-ピリジニル、1-インドリル、2-インドリル、3-インドリル、4-インドリル、5-インドリル、6-インドリル、7-インドリル、1-イソインドリル、2-イソインドリル、3-イソインドリル、4-イソインドリル、5-イソインドリル、6-イソインドリル、7-イソインドリル、2-フリル、3-フリル、2-ベンゾフラニル、3-ベンゾフラニル、4-ベンゾフラニル、5-ベンゾフラニル、6-ベンゾフラニル、7-ベンゾフラニル、1-イソベンゾフラニル、3-イソベンゾフラニル、4-イソベンゾフラニル、5-イソベンゾフラニル、6-イソベンゾフラニル、7-イソベンゾフラニル、2-キノリル、3-キノリル、4-キノリル、5-キノリル、6-キノリル、7-キノリル、8-キノリル、1-イソキノリル、3-イソキノリル、4-イソキノリル、5-イソキノリル、6-イソキノリル、7-イソキノリル、8-イソキノリル、2-キノキサリニル、5-キノキサリニル、6-キノキサリニル、1-カルバゾリル、2-カルバゾリル、3-カルバゾリル、4-カルバゾリル、9-カルバゾリル、アザカルバゾリル-1-イル、アザカルバゾリル-2-イル、アザカルバゾリル-3-イル、アザカルバゾリル-4-イル、アザカルバゾリル-5-イル、アザカルバゾリル-6-イル、アザカルバゾリル-7-イル、アザカルバゾリル-8-イル、アザカルバゾリル-9-イル、1-フェナントリジニル、2-フェナントリジニル、3-フェナントリジニル、4-フェナントリジニル、6-フェナントリジニル、7-フェナントリジニル、8-フェナントリジニル、9-フェナントリジニル、10-フェナントリジニル、1-アクリジニル、2-アクリジニル、3-アクリジニル、4-アクリジニル、9-アクリジニル、2-オキサゾリル、4-オキサゾリル、5-オキサゾリル、2-オキサジアゾリル、5-オキサジアゾリル、3-フラザニル、2-チエニル、3-チエニル、2-メチルピロール-1-イル、2-メチルピロール-3-イル、2-メチルピロール-4-イル、2-メチルピロール-5-イル、3-メチルピロール-1-イル、3-メチルピロール-2-イル、3-メチルピロール-4-イル、3-メチルピロール-5-イル、2-tert-ブチルピロール-4-イル、3-(2-フェニルプロピル)ピロール-1-イル、2-メチル-1-インドリル、4-メチル-1-インドリル、2-メチル-3-インドリル、4-メチル-3-インドリル、2-tert-ブチル-1-インドリル、4-tert-ブチル-1-インドリル、2-tert-ブチル-3-インドリル、4-tert-ブチル-3-インドリル、1-ジベンゾフラニル、2-ジベンゾフラニル、3-ジベンゾフラニル、4-ジベンゾフラニル、1-ジベンゾチオフェニル、2-ジベンゾチオフェニル、3-ジベンゾチオフェニル、4-ジベンゾチオフェニル、1-ナフト-[1,2-b]-ベンゾフラニル、2-ナフト-[1,2-b]-ベンゾフラニル、3-ナフト-[1,2-b]-ベンゾフラニル、4-ナフト-[1,2-b]-ベンゾフラニル、5-ナフト-[1,2-b]-ベンゾフラニル、6-ナフト-[1,2-b]-ベンゾフラニル、7-ナフト-[1,2-b]-ベンゾフラニル、8-ナフト-[1,2-b]-ベンゾフラニル、9-ナフト-[1,2-b]-ベンゾフラニル、10-ナフト-[1,2-b]-ベンゾフラニル、1-ナフト-[2,3-b]-ベンゾフラニル、2-ナフト-[2,3-b]-ベンゾフラニル、3-ナフト-[2,3-b]-ベンゾフラニル、4-ナフト-[2,3-b]-ベンゾフラニル、5-ナフト-[2,3-b]-ベンゾフラニル、6-ナフト-[2,3-b]-ベンゾフラニル、7-ナフト-[2,3-b]-ベンゾフラニル、8-ナフト-[2,3-b]-ベンゾフラニル、9-ナフト-[2,3-b]-ベンゾフラニル、10-ナフト-[2,3-b]-ベンゾフラニル、1-ナフト-[2,1-b]-ベンゾフラニル、2-ナフト-[2,1-b]-ベンゾフラニル、3-ナフト-[2,1-b]-ベンゾフラニル、4-ナフト-[2,1-b]-ベンゾフラニル、5-ナフト-[2,1-b]-ベンゾフラニル、6-ナフト-[2,1-b]-ベンゾフラニル、7-ナフト-[2,1-b]-ベンゾフラニル、8-ナフト-[2,1-b]-ベンゾフラニル、9-ナフト-[2,1-b]-ベンゾフラニル、10-ナフト-[2,1-b]-ベンゾフラニル、1-ナフト-[1,2-b]-ベンゾチオフェニル、2-ナフト-[1,2-b]-ベンゾチオフェニル、3-ナフト-[1,2-b]-ベンゾチオフェニル、4-ナフト-[1,2-b]-ベンゾチオフェニル、5-ナフト-[1,2-b]-ベンゾチオフェニル、6-ナフト-[1,2-b]-ベンゾチオフェニル、7-ナフト-[1,2-b]-ベンゾチオフェニル、8-ナフト-[1,2-b]-ベンゾチオフェニル、9-ナフト-[1,2-b]-ベンゾチオフェニル、10-ナフト-[1,2-b]-ベンゾチオフェニル、1-ナフト-[2,3-b]-ベンゾチオフェニル、2-ナフト-[2,3-b]-ベンゾチオフェニル、3-ナフト-[2,3-b]-ベンゾチオフェニル、4-ナフト-[2,3-b]-ベンゾチオフェニル、5-ナフト-[2,3-b]-ベンゾチオフェニル、1-ナフト-[2,1-b]-ベンゾチオフェニル、2-ナフト-[2,1-b]-ベンゾチオフェニル、3-ナフト-[2,1-b]-ベンゾチオフェニル、4-ナフト-[2,1-b]-ベンゾチオフェニル、5-ナフト-[2,1-b]-ベンゾチオフェニル、6-ナフト-[2,1-b]-ベンゾチオフェニル、7-ナフト-[2,1-b]-ベンゾチオフェニル、8-ナフト-[2,1-b]-ベンゾチオフェニル、9-ナフト-[2,1-b]-ベンゾチオフェニル、10-ナフト-[2,1-b]-ベンゾチオフェニル、2-ベンゾフロ[3,2-d]ピリミジニル、6-ベンゾフロ[3,2-d]ピリミジニル、7-ベンゾフロ[3,2-d]ピリミジニル、8-ベンゾフロ[3,2-d]ピリミジニル、9-ベンゾフロ[3,2-d]ピリミジニル、2-ベンゾチオ[3,2-d]ピリミジニル、6-ベンゾチオ[3,2-d]ピリミジニル、7-ベンゾチオ[3,2-d]ピリミジニル、8-ベンゾチオ[3,2-d]ピリミジニル、9-ベンゾチオ[3,2-d]ピリミジニル、2-ベンゾフロ[3,2-d]ピラジニル、6-ベンゾフロ[3,2-d]ピラジニル、7-ベンゾフロ[3,2-d]ピラジニル、8-ベンゾフロ[3,2-d]ピラジニル、9-ベンゾフロ[3,2-d]ピラジニル、2-ベンゾチオ[3,2-d]ピラジニル、6-ベンゾチオ[3,2-d]ピラジニル、7-ベンゾチオ[3,2-d]ピラジニル、8-ベンゾチオ[3,2-d]ピラジニル、9-ベンゾチオ[3,2-d]ピラジニル、1-シラフルオレニル、2-シラフルオレニル、3-シラフルオレニル、4-シラフルオレニル、1-ゲルマフルオレニル、2-ゲルマフルオレニル、3-ゲルマフルオレニル、4-ゲルマフルオレニル、1-ジベンゾセレノフェニル、2-ジベンゾセレノフェニル、3-ジベンゾセレノフェニル、4-ジベンゾセレノフェニルが挙げられる。本明細書において、「ハロゲン」という用語には、F、Cl、Br、及びIが含まれる。
【0023】
加えて、「オルト(o-)」、「メタ(m-)」及び「パラ(p-)」は、それぞれ置換基の相対位置を表す接頭辞である。オルトは、2つの置換基が互いに隣接することを表し、例えばベンゼン誘導体の2つの置換基が位置1及び2を占有するとき、それは、オルト位と呼ばれる。メタは、2つの置換基が1位及び3位にあることを表し、例えばベンゼン誘導体の2つの置換基が位置1及び3を占有するとき、それは、メタ位と呼ばれる。パラは、2つの置換基が1位及び4位にあることを表し、例えばベンゼン誘導体の2つの置換基が位置1及び4を占有するとき、それは、パラ位と呼ばれる。
【0024】
加えて、表現「置換若しくは無置換」における「置換」は、別の原子又は別の官能基(すなわち置換基)で置き換えられた官能基中の水素原子を指す。本明細書において、置換アルキル、置換シクロアルキル、置換アリール、置換ヘテロアリール、及び置換アルコキシの置換の置換基は、それぞれ独立して、重水素;ハロゲン;シアノ;カルボキシル;ニトロ;ヒドロキシ;ホスフィンオキシド;(C1~C30)アルキル;ハロ(C1~C30)アルキル;(C2~C30)アルケニル;(C2~C30)アルキニル;(C1~C30)アルコキシ;(C1~C30)アルキルチオ;(C3~C30)シクロアルキル;(C3~C30)シクロアルケニル;(3~7員)ヘテロシクロアルキル;(C6~C30)アリールオキシ;(C6~C30)アリールチオ;無置換であるか又は(C1~C30)アルキル及びジ(C6~C30)アリールアミノのうちの少なくとも1つで置換された(C6~C30)アリール;無置換であるか又は少なくとも1つの(C6~C30)アリールで置換された(3~30員)ヘテロアリール;トリ(C1~C30)アルキルシリル;トリ(C6~C30)アリールシリル;ジ(C1~C30)アルキル(C6~C30)アリールシリル;(C1~C30)アルキルジ(C6~C30)アリールシリル;(C3~C30)脂肪族環と(C6~C30)芳香族環との縮合環;アミノ;モノ-又はジ-(C1~C30)アルキルアミノ;モノ-又はジ-(C2~C30)アルケニルアミノ;無置換であるか又は(C1~C30)アルキルで置換されたモノ-又はジ-(C6~C30)アリールアミノ;モノ-又はジ-(3~30員)ヘテロアリールアミノ;(C1~C30)アルキル(C2~C30)アルケニルアミノ;(C1~C30)アルキル(C6~C30)アリールアミノ;(C1~C30)アルキル(3~30員)ヘテロアリールアミノ;(C2~C30)アルケニル(C6~C30)アリールアミノ;(C2~C30)アルケニル(3~30員)ヘテロアリールアミノ;(C6~C30)アリール(3~30員)ヘテロアリールアミノ;(C1~C30)アルキルカルボニル;(C1~C30)アルコキシカルボニル;(C6~C30)アリールカルボニル;ジ(C6~C30)アリールボロニル;ジ(C1~C30)アルキルボロニル;(C1~C30)アルキル(C6~C30)アリールボロニル;(C6~C30)ar(C1~C30)アルキル;及び(C1~C30)アルキル(C6~C30)アリールからなる群から選択される。本開示の一実施形態によれば、置換基は、それぞれ独立して、(C1~C30)アルキル;無置換であるか又は(C1~C30)アルキル及びジ(C6~C30)アリールアミノのうちの少なくとも1つで置換された(C6~C30)アリール;無置換であるか又は少なくとも1つの(C6~C30)アリールで置換された(3~30員)ヘテロアリール;及び置換若しくは無置換ジ(C6~C30)アリールアミノからなる群から選択される少なくとも1つである。本開示の別の実施形態によれば、置換基は、それぞれ独立して、(C1~C6)アルキル;無置換であるか又は(C1~C6)アルキル及びジ(C6~C12)アリールアミノのうちの少なくとも1つで置換された(C6~C20)アリール;無置換であるか又は少なくとも1つの(C6~C12)アリールで置換された(5~15員)ヘテロアリール;及び置換若しくは無置換ジ(C6~C18)アリールアミノからなる群から選択される少なくとも1つである。例えば、置換基は、それぞれ独立して、メチル;無置換であるか又はナフチル若しくはジフェニルアミノで置換されたフェニル;ナフチル;ビフェニル;フェナントレニル;テルフェニル;ジメチルフルオレニル;1つ以上のフェニルで置換されたピリミジニル;フェニル、ナフチル、及びビフェニルのうちの1つ以上で置換されたトリアジニル;ジベンゾフラニル;ジベンゾチオフェニル;フェニルで置換されたカルバゾリル;又はフェニル、ナフチル、ビフェニル、及びフェナントレニルのうちの1つ以上で置換されたアミノなどであってよい。
【0025】
本明細書において、隣接する置換基と連結して環が形成される場合、又は隣接する2つの置換基が互いに連結して環を形成する場合、前記環は、2つ以上の隣接する置換基と連結することによって形成される置換若しくは無置換の(3員~30員)の単環式若しくは多環式の、脂環式環若しくは芳香族環、又はそれらの組み合わせであってよい。加えて、形成された環は、B、N、O、S、Si、及びPから選択される1つ以上のヘテロ原子、好ましくはN、O、及びSからなる群から選択される1つ以上のヘテロ原子を含み得る。本開示の一実施形態によれば、環骨格原子の数は(5~20員)であり、本開示の別の実施形態によれば、環骨格原子の数は(5~15員)である。例えば、縮合環は、置換若しくは無置換ジベンゾチオフェン環、置換若しくは無置換ジベンゾフラン環、置換若しくは無置換ナフタレン環、置換若しくは無置換フェナントレン環、置換若しくは無置換フルオレン環、置換若しくは無置換ベンゾチオフェン環、置換若しくは無置換ベンゾフラン環、置換若しくは無置換インドール環、置換若しくは無置換インデン環、置換若しくは無置換ベンゼン環又は置換若しくは無置換カルバゾール環であってよい。
【0026】
本明細書において、ヘテロアリール又はヘテロアリーレンは、それぞれ独立して、B、N、O、S、Si、及びPから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含み得る。加えて、ヘテロ原子は、水素、重水素、ハロゲン、シアノ、置換若しくは無置換(C1~C30)アルキル、置換若しくは無置換(C6~C30)アリール、置換若しくは無置換(5~30員)ヘテロアリール、置換若しくは無置換(C3~C30)シクロアルキル、置換若しくは無置換(C1~C30)アルコキシ、置換若しくは無置換トリ(C1~C30)アルキルシリル、置換若しくは無置換ジ(C1~C30)アルキル(C6~C30)アリールシリル、置換若しくは無置換(C1~C30)アルキルジ(C6~C30)アリールシリル、置換若しくは無置換トリ(C6~C30)アリールシリル、置換若しくは無置換モノ-若しくはジ-(C1~C30)アルキルアミノ、置換若しくは無置換モノ-若しくはジ-(C6~C30)アリールアミノ、及び置換若しくは無置換(C1~C30)アルキル(C6~C30)アリールアミノからなる群から選択される少なくとも1つに結合していてもよい。
【0027】
式1で表される化合物は、以下の通りより詳細に説明され得る。
【0028】
式1において、Ar及びArは、それぞれ独立して、置換若しくは無置換(C6~C30)アリール、又は置換若しくは無置換(3~30員)ヘテロアリールであってよく、好ましくは置換若しくは無置換(C6~C25)アリール、又は置換若しくは無置換(3~25員)ヘテロアリールであってよく、より好ましくは置換若しくは無置換(C6~C20)アリール、又は置換若しくは無置換(3~20員)ヘテロアリールであってよい。本開示の一実施形態によれば、式1のA及びAは、それぞれ独立して、置換若しくは無置換フェニル、置換若しくは無置換ビフェニル、置換若しくは無置換テルフェニル、置換若しくは無置換ナフチル、置換若しくは無置換フェナントレニル、置換若しくは無置換トリフェニレニル、置換若しくは無置換フルオレニル、置換若しくは無置換ジベンゾフルオレニル、置換若しくは無置換ジベンゾフラニル、置換若しくは無置換ジベンゾチオフェニル、置換若しくは無置換カルバゾリル、又は置換若しくは無置換ジベンゾセレノフェニルであってよい。例えば、式1において、Ar及びArは、それぞれ独立して、置換若しくは無置換フェニル、置換若しくは無置換ビフェニル、置換若しくは無置換p-テルフェニル、置換若しくは無置換m-テルフェニル、置換若しくは無置換o-テルフェニル、置換若しくは無置換ナフチル、置換若しくは無置換フェニルナフチル、置換若しくは無置換フェナントレニル、又は置換若しくは無置換フェニルフェナントレニルであってよく、また各置換基の中の水素は重水素で置換されていてもよい。
【0029】
式1において、L及びLは、それぞれ独立して、単結合、置換若しくは無置換(C6~C30)アリーレン、又は置換若しくは無置換(3~30員)ヘテロアリーレンであってよく、好ましくは、単結合、置換若しくは無置換(C6~C25)アリーレン、又は置換若しくは無置換(3~25員)ヘテロアリーレンであってよく、より好ましくは、単結合、置換若しくは無置換(C6~C25)アリーレン、又は置換若しくは無置換(3~25員)ヘテロアリーレンであってよい。例えば、式1において、L及びLは、それぞれ独立して、単結合、置換若しくは無置換フェニレン、置換若しくは無置換p-テルフェニレン、置換若しくは無置換m-テルフェニレン、置換若しくは無置換o-テルフェニレン、置換若しくは無置換ナフチレン、置換若しくは無置換フェニルナフチレン、又は置換若しくは無置換フェナントレニレンであり、また各置換基の中の水素は重水素で置換されていてもよい。
【0030】
式1において、R及びRは、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、シアノ、置換若しくは無置換(C1~C30)アルキル、置換若しくは無置換(C3~C30)シクロアルキル、置換若しくは無置換(C6~C30)アリール、置換若しくは無置換(3~30員)ヘテロアリール、置換若しくは無置換(C1~C30)アルコキシ、置換若しくは無置換アミノ、置換若しくは無置換モノ-若しくはジ-(C1~C30)アルキルアミノ、置換若しくは無置換モノ-若しくはジ-(C2~C30)アルケニルアミノ、置換若しくは無置換モノ-若しくはジ-(C6~C30)アリールアミノ、置換若しくは無置換モノ-若しくはジ-(3~30員)ヘテロアリールアミノ、置換若しくは無置換(C1~C30)アルキル(C2~C30)アルケニルアミノ、置換若しくは無置換(C1~C30)アルキル(C6~C30)アリールアミノ、置換若しくは無置換(C1~C30)アルキル(3~30員)ヘテロアリールアミノ、置換若しくは無置換(C2~C30)アルケニル(C6~C30)アリールアミノ、置換若しくは無置換(C2~C30)アルケニル(3~30員)ヘテロアリールアミノ、又は置換若しくは無置換(C6~C30)アリール(3~30員)ヘテロアリールアミノであってよい。例えば、式1において、R及びRは、それぞれ独立して水素又は重水素であってよい。
【0031】
式1において、a及びbは、それぞれ独立して、1~4の整数、例えば1、2、3、又は4であってよい。
【0032】
式1で表される化合物は、以下の化合物から選択することができるが、これらに限定されない。
【化5】
【化6】
【化7】
【化8】
【0033】
化合物H1-56~H1-100、H1-102、及びH1-104のDnは、n個の水素が重水素で置換されていることを意味し、nは1から各化合物中の水素の最大の数である。
【0034】
式2で表される化合物は、以下の通りより詳細に説明され得る。
【0035】
式2において、Arは、置換若しくは無置換(C6~C30)アリール、又は置換若しくは無置換(3~30員)ヘテロアリールであってよく、好ましくは置換若しくは無置換(C6~C25)アリール、又は置換若しくは無置換(3~25員)ヘテロアリールであってよく、より好ましくは置換若しくは無置換(C6~C20)アリール、又は置換若しくは無置換(3~20員)ヘテロアリールであってよい。本開示の一実施形態では、式2のArは、置換若しくは無置換フェニル、置換若しくは無置換ビフェニル、置換若しくは無置換テルフェニル、置換若しくは無置換ナフチル、置換若しくは無置換フェナントレニル、置換若しくは無置換トリフェニレニル、置換若しくは無置換フルオレニル、置換若しくは無置換ジベンゾフルオレニル、置換若しくは無置換ジベンゾフラニル、置換若しくは無置換ジベンゾチオフェニル、置換若しくは無置換カルバゾリル、置換若しくは無置換ジベンゾセレノフェニル、又は置換若しくは無置換ナフトベンゾフラニルであってよい。例えば、式2において、Arは、置換若しくは無置換フェニル、置換若しくは無置換ビフェニル、置換若しくは無置換p-テルフェニル、置換若しくは無置換m-テルフェニル、置換若しくは無置換o-テルフェニル、置換若しくは無置換ナフチル、置換若しくは無置換フェニルナフチル、置換若しくは無置換フェナントレニル、置換若しくは無置換フェニルフェナントレニル、置換若しくは無置換ナフチルフェナントレニル、置換若しくは無置換ジベンゾフラニル、置換若しくは無置換ナフトベンゾフラニル、又は置換若しくは無置換カルバゾリルであってよく、また各置換基の中の水素は重水素で置換されていてもよい。
【0036】
式2において、Lは、単結合、置換若しくは無置換(C6~C30)アリーレン、又は置換若しくは無置換(3~30員)ヘテロアリーレンであってよく、好ましくは、単結合、置換若しくは無置換(C6~C25)アリーレン、又は置換若しくは無置換(3~25員)ヘテロアリーレンであってよく、より好ましくは、単結合、置換若しくは無置換(C6~C25)アリーレン、又は置換若しくは無置換(3~25員)ヘテロアリーレンであってよい。例えば、Lは単結合であってよい。
【0037】
式2において、R~Rは、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、シアノ、置換若しくは無置換(C1~C30)アルキル、置換若しくは無置換(C3~C30)シクロアルキル、置換若しくは無置換(C6~C30)アリール、置換若しくは無置換(3~30員)ヘテロアリール、置換若しくは無置換(C1~C30)アルコキシ、置換若しくは無置換アミノ、置換若しくは無置換モノ-若しくはジ-(C1~C30)アルキルアミノ、置換若しくは無置換モノ-若しくはジ-(C2~C30)アルケニルアミノ、置換若しくは無置換モノ-若しくはジ-(C6~C30)アリールアミノ、置換若しくは無置換モノ-若しくはジ-(3~30員)ヘテロアリールアミノ、置換若しくは無置換(C1~C30)アルキル(C2~C30)アルケニルアミノ、置換若しくは無置換(C1~C30)アルキル(C6~C30)アリールアミノ、置換若しくは無置換(C1~C30)アルキル(3~30員)ヘテロアリールアミノ、置換若しくは無置換(C2~C30)アルケニル(C6~C30)アリールアミノ、置換若しくは無置換(C2~C30)アルケニル(3~30員)ヘテロアリールアミノ、又は置換若しくは無置換(C6~C30)アリール(3~30員)ヘテロアリールアミノであってよい。例えば、式2において、R~Rは、それぞれ独立して、水素、重水素、置換若しくは無置換フェニル、又は置換若しくは無置換ビフェニルであってよく、また各置換基の中の水素は重水素で置換されていてもよい。
【0038】
式2において、c及びdは、それぞれ独立して、1~3の整数、例えば1、2、又は3であってよい。
【0039】
式2において、e及びfは、それぞれ独立して、1~4の整数、例えば1、2、3、又は4であってよい。
【0040】
式2で表される化合物は、以下の化合物から選択することができるが、これらに限定されない。
【化9】
【化10】
【化11】
【化12】
【化13】
【化14】
【化15】
【0041】
化合物C-136~C-295のDnは、n個の水素が重水素で置換されていることを意味し、nは1から各化合物中の水素の最大の数である。
【0042】
式1及び2に含まれる置換アルキル、置換アリール、置換アリーレン、置換ヘテロアリール、及び置換ヘテロアリーレンの置換基は、それぞれ独立して、重水素;ハロゲン;シアノ;カルボキシル;ニトロ;ヒドロキシ;ホスフィンオキシド;(C1~C30)アルキル;ハロ(C1~C30)アルキル;(C2~C30)アルケニル;(C2~C30)アルキニル;(C1~C30)アルコキシ;(C1~C30)アルキルチオ;(C3~C30)シクロアルキル;(C3~C30)シクロアルケニル;(3員~7員)ヘテロシクロアルキル;(C6~C30)アリールオキシ;(C6~C30)アリールチオ;無置換であるか又は重水素と(C6~C30)アリールのうちの少なくとも1つで置換された(3員~30員)ヘテロアリール;無置換であるか又は重水素と(3員~30員)ヘテロアリールのうちの少なくとも1つで置換された(C6~C30)アリール;トリ(C1~C30)アルキルシリル;トリ(C6~C30)アリールシリル;ジ(C1~C30)アルキル(C6~C30)アリールシリル;(C1~C30)アルキルジ(C6~C30)アリールシリル;アミノ;モノ-若しくはジ-(C1~C30)アルキルアミノ;モノ-若しくはジ-(C2~C30)アルケニルアミノ;モノ-若しくはジ-(C6~C30)アリールアミノ;モノ-若しくはジ-(3員~30員)ヘテロアリールアミノ;(C1~C30)アルキル(C2~C30)アルケニルアミノ;(C1~C30)アルキル(C6~C30)アリールアミノ;(C1~C30)アルキル(3員~30員)ヘテロアリールアミノ;(C2~C30)アルケニル(C6~C30)アリールアミノ;(C2~C30)アルケニル(3員~30員)ヘテロアリールアミノ;(C6~C30)アリール(3員~30員)ヘテロアリールアミノ;(C1~C30)アルキルカルボニル;(C1~C30)アルコキシカルボニル;(C6~C30)アリールカルボニル;(C6~C30)アリールホスフィン;ジ(C6~C30)アリールボロニル;ジ(C1~C30)アルキルボロニル;(C1~C30)アルキル(C6~C30)アリールボロニル;(C6~C30)ar(C1~C30)アルキル;及び(C1~C30)アルキル(C6~C30)アリールからなる群から選択することができる。
【0043】
式3で表される化合物は、以下の通りより詳細に説明され得る。
【0044】
式3において、Arは、置換若しくは無置換(C6~C30)アリール、又は置換若しくは無置換(3~30員)ヘテロアリールであってよく、好ましくは置換若しくは無置換(C6~C25)アリール、又は置換若しくは無置換(3~25員)ヘテロアリールであってよく、より好ましくは置換若しくは無置換(C6~C20)アリール、又は置換若しくは無置換(3~20員)ヘテロアリールであってよい。本開示の一実施形態によれば、式3のArは、置換若しくは無置換フェニル、置換若しくは無置換ビフェニル、置換若しくは無置換テルフェニル、置換若しくは無置換ナフチル、置換若しくは無置換フェナントレニル、置換若しくは無置換トリフェニレニル、置換若しくは無置換フルオレニル、置換若しくは無置換ジベンゾフルオレニル、置換若しくは無置換ジベンゾフラニル、置換若しくは無置換ジベンゾチオフェニル、置換若しくは無置換カルバゾリル、置換若しくは無置換ジベンゾセレノフェニル、又は置換若しくは無置換ナフトベンゾフラニルであってよい。例えば、式3において、Arは、置換若しくは無置換フェニル、置換若しくは無置換ビフェニル、置換若しくは無置換p-テルフェニル、置換若しくは無置換m-テルフェニル、置換若しくは無置換o-テルフェニル、置換若しくは無置換ナフチル、置換若しくは無置換フェニルナフチル、置換若しくは無置換フェナントレニル、置換若しくは無置換フェニルフェナントレニル、置換若しくは無置換ナフチルフェナントレニル、置換若しくは無置換ジベンゾフラニル、置換若しくは無置換ナフトベンゾフラニル、又は置換若しくは無置換カルバゾリルであってよく、また各置換基の中の水素は重水素で置換されていてもよい。
【0045】
式3において、Lは、単結合、置換若しくは無置換(C6~C30)アリーレン、又は置換若しくは無置換(3~30員)ヘテロアリーレンであってよく、好ましくは、単結合、置換若しくは無置換(C6~C25)アリーレン、又は置換若しくは無置換(3~25員)ヘテロアリーレンであってよく、より好ましくは、単結合、置換若しくは無置換(C6~C25)アリーレン、又は置換若しくは無置換(3~25員)ヘテロアリーレンであってよい。例えば、Lは単結合であってよい。
【0046】
式3において、Rは、置換若しくは無置換(C6~C30)アリール、又は置換若しくは無置換(3~30員)ヘテロアリール、好ましくは置換若しくは無置換(C6~C25)アリール、又は置換若しくは無置換(3~25員)ヘテロアリール、より好ましくは置換若しくは無置換(C6~C25)アリール、又は置換若しくは無置換(3~25員)ヘテロアリールを表す。例えば、式3において、Rは、置換若しくは無置換フェニル、置換若しくは無置換ビフェニル、又は置換若しくは無置換ナフチルであってよく、各置換基の水素は重水素で置換されていてもよい。
【0047】
式3において、R~R12、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、シアノ、置換若しくは無置換(C1~C30)アルキル、置換若しくは無置換(C3~C30)シクロアルキル、置換若しくは無置換(C6~C30)アリール、置換若しくは無置換(3~30員)ヘテロアリール、置換若しくは無置換(C1~C30)アルコキシ、置換若しくは無置換アミノ、置換若しくは無置換モノ-若しくはジ-(C1~C30)アルキルアミノ、置換若しくは無置換モノ-若しくはジ-(C2~C30)アルケニルアミノ、置換若しくは無置換モノ-若しくはジ-(C6~C30)アリールアミノ、置換若しくは無置換モノ-若しくはジ-(3~30員)ヘテロアリールアミノ、置換若しくは無置換(C1~C30)アルキル(C2~C30)アルケニルアミノ、置換若しくは無置換(C1~C30)アルキル(C6~C30)アリールアミノ、置換若しくは無置換(C1~C30)アルキル(3~30員)ヘテロアリールアミノ、置換若しくは無置換(C2~C30)アルケニル(C6~C30)アリールアミノ、置換若しくは無置換(C2~C30)ヘテロアリールアミノ、又は置換若しくは無置換(C6~C30)アリール(3~30員)ヘテロアリールアミノであってよい。例えば、式3において、R~R12は、それぞれ独立して、水素又は重水素であってよい。
【0048】
式3において、gは1又は2の整数であり、例えば1又は2であってよい。
【0049】
式3において、h、i、及びjは、それぞれ独立して1~4の整数であり、例えば1、2、3、又は4であってよい。
【0050】
本開示の一実施形態によれば、式3は、以下の式3-1又は3-2で表すことができる。
【化16】
【0051】
式3-1及び3-2において、
Ar、R~R12、及びg~jは、式3において定義したものと同じである。
【0052】
式3で表される化合物は、以下の化合物から選択することができるが、これらに限定されない。
【化17】
【化18】
【化19】
【化20】
【化21】
【化22】
【化23】
【0053】
化合物C-136~C-270のDnは、n個の水素が重水素で置換されていることを意味し、nは1から各化合物中の水素の最大の数である。
【0054】
式4で表される化合物は、以下の通りより詳細に説明され得る。
【0055】
式4において、Arは、置換若しくは無置換(C6~C30)アリール、又は置換若しくは無置換(3~30員)ヘテロアリールであってよく、好ましくは置換若しくは無置換(C6~C25)アリール、又は置換若しくは無置換(3~25員)ヘテロアリールであってよく、より好ましくは置換若しくは無置換(C6~C20)アリール、又は置換若しくは無置換(3~20員)ヘテロアリールであってよい。本開示の一実施形態では、式4のAは、置換若しくは無置換フェニル、置換若しくは無置換ビフェニル、置換若しくは無置換テルフェニル、置換若しくは無置換ナフチル、置換若しくは無置換フェナントレニル、置換若しくは無置換トリフェニレニル、置換若しくは無置換フルオレニル、置換若しくは無置換ジベンゾフルオレニル、置換若しくは無置換ジベンゾフラニル、置換若しくは無置換ジベンゾチオフェニル、置換若しくは無置換カルバゾリル、又は置換若しくは無置換ジベンゾセレノフェニルであってよい。例えば、式4において、Arは、置換若しくは無置換フェニル、置換若しくは無置換ビフェニル、置換若しくは無置換ナフチル、置換若しくは無置換フェニルナフチル、又は置換若しくは無置換フェナントレニルであってよく、また各置換基の中の水素は重水素で置換されていてもよい。
【0056】
式4において、Lは、単結合、置換若しくは無置換(C6~C30)アリーレン、又は置換若しくは無置換(3~30員)ヘテロアリーレンであってよく、好ましくは、単結合、置換若しくは無置換(C6~C25)アリーレン、又は置換若しくは無置換(3~25員)ヘテロアリーレンであってよく、より好ましくは、単結合、置換若しくは無置換(C6~C25)アリーレン、又は置換若しくは無置換(3~25員)ヘテロアリーレンであってよい。例えば、式4において、Lは単結合であってよい。
【0057】
式4において、R13は、水素又は重水素であってよい。
【0058】
式4において、R14~R18、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、シアノ、置換若しくは無置換(C1~C30)アルキル、置換若しくは無置換(C3~C30)シクロアルキル、置換若しくは無置換(C6~C30)アリール、置換若しくは無置換(3~30員)ヘテロアリール、置換若しくは無置換(C1~C30)アルコキシ、置換若しくは無置換アミノ、置換若しくは無置換モノ-若しくはジ-(C1~C30)アルキルアミノ、置換若しくは無置換モノ-若しくはジ-(C2~C30)アルケニルアミノ、置換若しくは無置換モノ-若しくはジ-(C6~C30)アリールアミノ、置換若しくは無置換モノ-若しくはジ-(3~30員)ヘテロアリールアミノ、置換若しくは無置換(C1~C30)アルキル(C2~C30)アルケニルアミノ、置換若しくは無置換(C1~C30)アルキル(C6~C30)アリールアミノ、置換若しくは無置換(C1~C30)アルキル(3~30員)ヘテロアリールアミノ、置換若しくは無置換(C2~C30)アルケニル(C6~C30)アリールアミノ、置換若しくは無置換(C2~C30)アルケニル(30員)ヘテロアリールアミノ、又は置換若しくは無置換(C6~C30)アリール(3~30員)ヘテロアリールアミノであってよい。例えば、式4において、R14~R18は、それぞれ独立して、水素、重水素、又は置換若しくは無置換フェニルであってよく、また各置換基の中の水素は重水素で置換されていてもよい。
【0059】
ただし、式4において、R14、R15、及びR16のうちの少なくとも1つは、置換若しくは無置換(C6~C30)アリール、又は置換若しくは無置換(3~30員)ヘテロアリールを表し;且つR13~R18のうちの少なくとも1つは重水素であってよいことを条件とする。
【0060】
式4において、kは1又は2の整数であってよく、例えば1又は2であってよい。
【0061】
式4において、lは1~3の整数であってよく、例えば1、2、又は3であってよい。
【0062】
式4において、m及びnは、それぞれ独立して1~4の整数であってよく、例えばそれぞれ独立して1、2、3、又は4であってよい。
【0063】
本開示の一実施形態によれば、式4は、以下の式4-1又は4-2で表すことができる。
【化24】
【0064】
式4-1及び4-2において、
Ar、R13~R18、及びk~nは式4において定義されたものと同じである。
【0065】
式4で表される化合物は、以下の化合物から選択することができるが、これらに限定されない。
【化25】
【0066】
化合物C-271~C-295のDnは、n個の水素が重水素によって置換されていることを意味し、nは1から各化合物中の水素の最大の数である。
【0067】
本開示による式1で表される化合物は、当業者に公知の合成方法によって調製することができ、例えば、以下の反応スキームに示されるように調製することができるが、それらに限定されない。
[反応スキーム1]
【化26】
【0068】
スキーム1において、Ar、L、及びLは、式1で定義された通りであり、Dnはn個の水素が重水素によって置換されていることを意味し、nは1から化合物中の水素の最大の数である。
【0069】
以下の式5で表される化合物を本開示の有機エレクトロルミネセントデバイスに含まれるドーパントとして使用できるが、それらに限定されない。
【化27】
【0070】
式5において、
環A、環B、及び環Cは、それぞれ独立して、置換若しくは無置換(C6~C30)アリール、又は置換若しくは無置換(3~50員)ヘテロアリールを表し;
はBを表し;
11及びX12は、それぞれ独立して、NR、O、又はSを表し;
は、水素、重水素、ハロゲン、シアノ、置換若しくは無置換(C1~C30)アルキル、置換若しくは無置換(C6~C30)アリール、置換若しくは無置換(3~30員)ヘテロアリール、置換若しくは無置換(C3~C30)シクロアルキル、置換若しくは無置換(C1~C30)アルコキシ、置換若しくは無置換トリ(C1~C30)アルキルシリル、置換若しくは無置換ジ(C1~C30)アルキル(C6~C30)アリールシリル、置換若しくは無置換(C1~C30)アルキルジ(C6~C30)アリールシリル、置換若しくは無置換トリ(C6~C30)アリールシリル、又は-L-N-(Ar15)(Ar16)を表すか;或いは環A、環B、及び環Cの少なくとも1つと連結して環を形成することができ;
は、単結合、置換若しくは無置換(C6~C30)アリーレン、置換若しくは無置換(3~30員)ヘテロアリーレン、置換若しくは無置換の二価の(C2~C30)脂肪族炭化水素基、又は(C3~C30)脂肪族環と(C6~C30)芳香族環との置換若しくは無置換の二価の縮合環を表し;
Ar15及びAr16は、それぞれ独立して、置換若しくは無置換(C1~C30)アルキル、置換若しくは無置換(C2~C30)アルケニル、置換若しくは無置換(C6~C30)アリール、又は置換若しくは無置換(3~30員)ヘテロアリールを表す。
【0071】
一実施形態によれば、ルミネセント化合物は、以下の化合物によってより具体的に例示することができるが、これらに限定されない。
【化28】
【化29】
【化30】
【化31】
【化32】
【化33】
【化34】
【0072】
前記化合物において、D2~D5は、2~5個の水素がそれぞれ重水素で置換されていることを意味する。
【0073】
本開示は、追加的な実施形態として、有機エレクトロルミネセントデバイスを製造するための有機エレクトロルミネセント材料を提供する。有機エレクトロルミネセント材料、好ましくは、有機エレクトロルミネセントデバイスの発光層、正孔輸送層、正孔補助層、又は発光補助層を製造するための組成物であり、且つ本開示の化合物を含む。2つ以上の正孔輸送層が存在する場合、本開示の化合物は、発光層に隣接した正孔輸送層(正孔補助層)を製造するための組成物に含まれ得る。
【0074】
本開示による有機エレクトロルミネセントデバイスは、アノード、カソード、及びアノードとカソードとの間に挟まれている1つ以上の有機層を含む。有機層は、発光層を含むことができ、正孔注入層、正孔輸送層、正孔補助層、発光補助層、電子輸送層、電子緩衝層、電子注入層、中間層、正孔阻止層、及び電子阻止層から選択される少なくとも1つの層を更に含み得る。各層は、いくつかの層から更に構成され得る。
【0075】
アノード及びカソードのそれぞれは、透明導電性材料から形成されていてもよく、或いは半透過性又は反射性導電性材料から形成されていてもよい。有機エレクトロルミネセントデバイスは、アノード及びカソードを形成する材料の種類に応じて、上面発光型、底面発光型、又は両面発光型であってよい。加えて、正孔注入層は、p型ドーパントで更にドープされていてもよく、電子注入層は、n型ドーパントで更にドープされていてもよい。
【0076】
有機層は、アリールアミン系化合物及びスチリルアリールアミン系化合物からなる群から選択される少なくとも1つの化合物を更に含み得る。
【0077】
更に、本開示の有機エレクトロルミネセントデバイスにおいて、有機材料層は、1族、2族、第4周期遷移金属、第5周期遷移金属、ランタニド金属、及びd-遷移元素からなる群から選択される少なくとも1種の金属又はそのような金属を含む少なくとも1種の錯体化合物を更に含み得る。
【0078】
加えて、本開示の有機エレクトロルミネセントデバイスは、本開示の化合物に加えて、当該技術分野で公知の青色、赤色、又は緑色の発光化合物を含む少なくとも1つの発光層を更に含むことによって白色光を放出することができる。更に、必要に応じて、黄色又はオレンジ色の発光層を更に含めることができる。
【0079】
本開示の有機エレクトロルミネセントデバイスにおいて、好ましくは、カルコゲナイド層、金属ハロゲン化物層、及び金属酸化物層から選択される少なくとも1つの内表面層(以下では「表面層」という)が、電極の対の少なくとも一方の内表面に配置され得る。具体的には、ケイ素及びアルミニウムのカルコゲニド(酸化物を含む)層が、好ましくはエレクトロルミネセント媒体層のアノード表面の上に配置され、ハロゲン化金属層又は金属酸化物層が、好ましくは発光媒体層のカソード表面の上に配置される。有機エレクトロルミネセントデバイスにおける動作安定性は、表面層によって得ることができる。カルコゲナイドの好ましい例としては、SiO(1≦X≦2)、AlO(1≦X≦1.5)、SiON、SiAlON等が挙げられ;金属ハロゲン化物の好ましい例としては、LiF、MgF、CaF、希土類金属フッ化物等が挙げられ、金属酸化物の好ましい例としては、CsO、LiO、MgO、SrO、BaO、CaO等が挙げられる。
【0080】
発光補助層は、アノードと発光層との間、又はカソードと発光層との間に配置される層であり、アノードと発光層との間に配置される場合には、発光補助層は、正孔の注入及び/若しくは輸送を促進するために、又は電子のオーバーフローを阻止するために使用することができ、或いはカソードと発光層との間に配置される場合には、発光補助層は、電子の注入及び/若しくは輸送を促進するために、又は正孔のオーバーフローを阻止するために使用することができる。加えて、正孔補助層は、正孔輸送層(又は正孔注入層)と発光層との間に配置され、正孔の輸送速度(又は注入速度)を促進又は阻止する効果を示すことができ、それによって電荷バランスを調節することができる。加えて、電子阻止層は、正孔輸送層(又は正孔注入層)と発光層との間に配置される層であり、これは、発光層からの電子のオーバーフローを阻止し、発光層中に励起子を閉じ込め、発光漏れを防止する。正孔輸送層が2層以上を含む場合、その追加で含まれる層は、正孔補助層として又は電子阻止層として使用することができる。発光補助層、正孔補助層、又は電子阻止層は、その有機エレクトロルミネセントデバイスの効率及び/又は寿命を改善する効果を有する。
【0081】
加えて、本開示の有機エレクトロルミネセントデバイスにおいて、好ましくは、電子輸送化合物と還元性ドーパントとの混合領域又は正孔輸送化合物と酸化性ドーパントとの混合領域は、電極の対の少なくとも1つの表面に配置され得る。この場合においては、電子輸送化合物が還元されてアニオンとなり、その結果、その混合領域からエレクトロルミネセント媒体への電子の注入及び輸送がより容易となる。更に、正孔輸送化合物は、カチオンに酸化されるため、混合領域からエレクトロルミネセント媒体への正孔の注入及び輸送がより容易になる。好ましくは、酸化性ドーパントは、種々のルイス酸及びアクセプター化合物を含み、還元性ドーパントは、アルカリ金属、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属、希土類金属及びそれらの混合物を含む。加えて、還元性ドーパント層は、2つ以上の発光層を有し、白色光を発する有機エレクトロルミネセントデバイスを製造するために電荷生成層として用いられ得る。
【0082】
本開示の一実施形態による有機エレクトロルミネセント材料は、白色有機発光デバイスのための発光材料として使用され得る。白色有機エレクトロルミネセントデバイスにおけるR(赤色)、G(緑色)、YG(黄緑色)、及びB(青色)の発光ユニットの配置形式に応じて、サイドバイサイド方式、スタッキング方式、又は色変換材料(CCM)方式など、様々な構造が提案されている。加えて、本開示の実施形態による有機エレクトロルミネセント材料は、量子ドットQDを含む有機エレクトロルミネセントデバイスにも使用され得る。
【0083】
本開示の有機エレクトロルミネセントデバイスのそれぞれの層は、真空蒸発、スパッタリング、プラズマ、イオンプレーティングなどの乾式膜形成法、及びインクジェット印刷、ノズル印刷、スロットコーティング、スピンコーティング、浸漬コーティング、フローコーティングなどの湿式膜形成法のいずれか1つによって形成することができる。
【0084】
湿式製膜法では、各層を形成する材料が、エタノール、クロロホルム、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどの適切な溶媒に溶解又は分散されることで薄膜を形成し、溶媒は、各層を形成する材料が溶解又は分散することができ、且つ製膜特性に問題がない限り、任意の溶媒であってよい。
【0085】
加えて、本開示の有機エレクトロルミネセントデバイスを使用して、表示デバイス、例えばスマートフォン、タブレット、ノートブック、PC、テレビ、若しくは自動車のための表示デバイス、又は照明デバイス、例えば屋外若しくは屋内の照明デバイスを製造することが可能である。
【0086】
本開示の有機エレクトロルミネセントデバイスにおいて、正孔注入層、正孔輸送層、若しくは電子阻止層、又はこれらの組み合わせから選択される層を、アノードと発光層との間に使用することができる。正孔注入層として、アノードから正孔輸送層又は電子阻止層への正孔注入障壁(又は正孔注入電圧)を低下させる目的で複数の層を使用することができ、各層で2種の化合物を同時に使用することができる。複数の層は、正孔輸送層又は電子阻止層として使用することができる。
【0087】
加えて、電子緩衝層、正孔阻止層、電子輸送層、電子注入層、又はこれらの組み合わせから選択される層は、発光層とカソードとの間に用いることができる。電子注入を制御し、且つ発光層と電子注入層との間の界面特性を改善するために、電子緩衝層として複数の層を使用することができ、2種の化合物をそれぞれの層として同時に使用することができる。正孔阻止層又は電子輸送層のために複数の層を使用することができ、各層で複数の化合物を使用することができる。
【0088】
加えて、本開示による有機エレクトロルミネセント化合物又は複数のホスト材料は、量子ドット(QD)を含む有機エレクトロルミネセントデバイスにも使用され得る。
【0089】
本開示の有機エレクトロルミネセントデバイスの各層を形成するために、真空蒸発、スパッタリング、プラズマ、イオンプレーティング法等などの乾式膜形成法、又はインクジェット印刷、ノズル印刷、スロットコーティング、スピンコーティング、ディップコーティング、フローコーティング法等などの湿式膜形成法を使用することができる。
【0090】
湿式成膜方法を用いる場合、薄膜は、各層を形成する材料をエタノール、クロロホルム、テトラヒドロフラン、ジオキサン等の任意の好適な溶媒に溶解又は拡散させることによって形成され得る。溶媒は、各層を形成する材料が溶解又は拡散することができ、膜形成能力に問題がない任意の溶媒であってよい。
【0091】
更に、本開示の第1及び第2のホスト化合物は、上述した方法によって形成されてもよく、多くの場合、共蒸着又は混合蒸着プロセスによって形成することができる。共蒸着は、2種以上の材料をそれぞれのるつぼ源に入れ、2つのセルに電流を流すことによって材料を同時に蒸発させ混合する方法であり、混合蒸着は、蒸着前に1つのるつぼ源の中の2種以上の材料を混合及び蒸着し、その後1つのセルに電流を流すことによって材料を蒸発させ混合する方法である。更に、第1及び第2のホスト化合物が有機エレクトロルミネセントデバイスの同じ層又は異なる層に存在している場合、2種のホスト化合物は個別に形成されてもよい。例えば、第1のホスト化合物を蒸着させた後、第2のホスト化合物を蒸着させることができる。
【0092】
本開示は、式1で表される化合物と式2で表される化合物とを含む複数のホスト材料を使用することによってディスプレイ装置を提供することができる。すなわち、本開示の複数のホスト材料を使用してディスプレイ装置又は照明装置を製造することができる。具体的には、本出願の複数のホスト材料を使用して、ディスプレイシステム、例えばスマートフォン、タブレット、ノートパソコン、PC、TV若しくは車のためのディスプレイシステム、又は照明システム、例えば屋外若しくは屋内の照明システムを製造することができる。
【0093】
以降で、本開示の詳細な理解のために、本開示による有機エレクトロルミネセント化合物の調製方法、その物理的特性、及びそれを含む有機エレクトロルミネセントデバイスの発光特性について、本開示の代表的な化合物を使用して説明する。しかしながら、本開示は、以下の実施例に限定されない。
【実施例0094】
実施例1:化合物C-1の合成
【化35】
(1)化合物C-1-7の合成
2-ブロモ-1-フルオロ-3-ヨードベンゼン(60g,199.40mmol)、エチニルトリメチルシラン(23.50g、239.28mmol)、ヨウ化銅(「CuI」)(1.89g、9.97mmol)、PdCl(PPh(6.99g、9.97mmol)、及び420mlのトリエチルアミンを混合し、室温で撹拌した。2時間後、これに塩化メチレンを添加し、得られたものをセライト用いて減圧下で濾過した。残留物を減圧蒸留し、カラムクロマトグラフィーによって分離して化合物C-1-7(52.2g、収率:96.67%)を得た。
【0095】
(2)化合物C-1-6の合成
化合物C-1-7(29g、106.9mmol)、2-メトキシ-[1,1’-ビフェニル]-3-イル)ボロン酸(26.82g、117.6mmol)、PdCl(Amphos)(2.27g、3.20mmol)、800mlのトルエン、Aliquat336(2.4ml,5.34mmol)、NaCO(22.66g、213.8mmol)、及び200mlの蒸留水を混合し、135℃で撹拌した。2時間後、混合物を室温まで冷却し、蒸留水を添加し、有機層を酢酸エチルで抽出した。次いで、有機層をMgSOで乾燥し、減圧下で濾過した。残留物を減圧蒸留し、カラムクロマトグラフィーによって分離して化合物C-1-6(31.0g、収率:77.42%)を得た。
【0096】
(3)化合物C-1-5の合成
化合物C-1-6(31.0g、82.77mmol)を93mlの塩化メチレンに溶解し、その後310mlのメタノール、KCO(14.87g、107.60mmol)、及び16mlの蒸留水を添加し、混合物を室温で撹拌した。1時間後、蒸留水を添加し、有機層を塩化メチレンで抽出した。次いで、有機層をMgSOで乾燥し、減圧下で濾過した。残留物を減圧蒸留し、カラムクロマトグラフィーによって分離して化合物C-1-5(24g、収率:95.92%)を得た。
【0097】
(4)化合物C-1-4の合成
化合物C-1-5(24g、79.37mmol)と1000mlのアセトンを混合し、NBS(17.65g、99.22mmol)及びAgNO(1.4g、8.26mmol)を添加し、室温で撹拌した。1時間後、チオ硫酸ナトリウム水溶液を添加し、その後撹拌した。30分後、有機層を塩化メチレンで抽出した。NaCO水溶液を添加して中和し、その後MgSOで乾燥し、減圧下で濾過した。残留物を減圧蒸留し、カラムクロマトグラフィーによって分離して化合物C-1-4(24g、収率:79.31%)を得た。
【0098】
(5)化合物C-1-3の合成
化合物C-1-4(24g、62.95mmol)と800mlのトルエンを混合し、PtCl(1.0g、3.77mmol)を添加し、混合物を還流下で撹拌した。5時間後、混合物を室温まで冷却し、蒸留水を添加し、有機層を酢酸エチルで抽出した。その後、これをMgSOで乾燥し、減圧下で濾過した。残留物を減圧蒸留し、カラムクロマトグラフィーによって分離して化合物C-1-3(18.0g、収率:75.00%)を得た。
【0099】
(6)化合物C-1-2の合成
化合物C-1-3(18.0g、47.21mmol)を塩化メチレンに溶解し、70.82mlのBBr(塩化メチレン中1M)を0℃で添加し、30分後、混合物を室温で12時間撹拌した。その後、反応液を氷水に添加して撹拌した。30分後、有機層を塩化メチレンで抽出した。NaCOの水溶液を添加して中和し、MgSOで乾燥し、その後減圧下で濾過した。残留物を減圧蒸留し、カラムクロマトグラフィーによって分離して化合物C-1-2(8.0g、収率:46.16%)を得た。
【0100】
(7)化合物C-1-1の合成
化合物C-1-2(8.0g、21.78mmol)をN-メチル-2-ピロリドン(NMP)と混合し、KCO(15g、108.93mmol)を添加した。120℃で1時間撹拌した後、混合物を室温に冷却した。蒸留水を添加し、得られた固体を減圧下で濾過した。固体を塩化メチレンに溶解し、MgSOで乾燥し、減圧下で濾過した。減圧蒸留後、固体をカラムクロマトグラフィーによって分離して化合物C-1-1(7.5g、収率:99.20%)を得た。
【0101】
(8)化合物C-1の合成
化合物C-1-1(7.0g、20.16mmol)、(10-フェニルアントラセン-9-イル)ボロン酸(6.61g、22.17mmol)、Pd(OAc)2(0.18g、0.80mmol)、S-phos(0.99g、2.42mmol)、KPO(10.69g、50.40mmol)、150mlのトルエン、50mlの蒸留水、及び25mlのエタノールを入れ、混合物を還流下で撹拌した。2時間40分後、混合物を室温まで冷却し、蒸留水を加え、有機層を塩化メチレンで抽出した。その後、これをMgSOで乾燥し、減圧下で濾過した。残留物を減圧蒸留し、カラムクロマトグラフィーによって分離して化合物C-1(7.2g、収率:68.63%)を得た。
【0102】
【表1】
【0103】
実施例2:化合物C-136の合成
【化36】
(特許文献2)、(特許文献3)に開示されている重水素化方法から選択される方法によって化合物C-1を合成して化合物C-136-D16(4.4g、収率:73.66%;MS:[M+H]+=537.2)を得た。
【0104】
【表2】
【0105】
デバイス実施例1:本開示による化合物を含むOLEDの製造
本開示によるOLEDを製造した。最初に、OLEDのためのガラス基板上の透明電極酸化インジウムスズ(ITO)薄膜(10Ω/sq)(ジオマテック株式会社、日本)を、順次、アセトン及びイソプロピルアルコールでの超音波洗浄にかけ、次いでイソプロピルアルコール中に保存した。ITO基板は、真空蒸着装置の基板ホルダーに装着した。化合物HIを真空蒸着装置のセルに導入し、化合物HT-1を別のセルに導入した。2つの材料を異なる速度で蒸発させ、化合物HIを、化合物HI及び化合物HT-1の総量を基準として5重量%のドーピング量で蒸着させて、10nmの厚さの正孔注入層を形成した。その後、化合物HT-1を正孔注入層上に蒸着させて、80nmの厚さの第1の正孔輸送層を形成した。次に、化合物HT-2を真空蒸着装置の別のセルに導入し、セルに電流を流すことによって蒸発させ、それにより第1の正孔輸送層上に15nmの厚さの第2の正孔輸送層を蒸着させた。正孔注入層及び正孔輸送層を形成した後、以下の通り発光層をその上に蒸着した。真空蒸着装置のセルにホストとして化合物C-1を入れ、別のセルにドーパントとして化合物BDを入れ、2つの材料を異なる速度で蒸発させて、ホスト及びドーパントの総量に対して2重量%のドーパントをドープして、第2の正孔輸送層上に22.5nmの厚さの発光層を蒸着させた。化合物ET-1を電子緩衝層として5nmの厚さに蒸着し、その後化合物EI-1及び化合物EI-2を別の2つのセルに入れて2:1の割合で蒸発させ、それによって発光層上に25nmの厚さを有する電子輸送層を形成した。化合物Yb:LiFを電子注入層として別の2つのセルに入れ、2:1の割合で蒸発させ、電子輸送層上に、電子注入層を1nmの厚さに蒸着させ、その後別の真空蒸着装置を用いてAlカソードを80nmの厚さに蒸着させて、OLEDを製造した。材料に使用された化合物は、全て10-6トールでの真空昇華によって精製した。
【0106】
デバイス実施例2:本開示による化合物を含むOLEDの製造
発光層のホスト材料として化合物C-136のみを単独で使用したことを除いて、デバイス実施例1と同じ方法でOLEDを製造した。
【0107】
デバイス比較例1:従来の化合物を含むOLEDの製造
発光層のホスト材料として化合物F-1のみを単独で使用したことを除いて、デバイス実施例1と同じ方法でOLEDを製造した。
【0108】
上記の通り製造されたデバイス実施例1及び2並びにデバイス比較例1の有機エレクトロルミネセントデバイスの、1,000ニットの輝度における駆動電圧、電流効率(cd/A)、及びCIE色座標を測定した。それらの結果を以下の表1に示す。
【0109】
【表3】
【0110】
デバイス実施例3~7:本開示による化合物を含むOLEDの製造
発光層のホスト材料として、第1のホスト化合物と第2のホスト化合物とをそれぞれ1:1の重量比で添加して蒸着したことを除いてはデバイス実施例1と同じ方法でOLEDを製造した。
【0111】
デバイス比較例2及び3:従来の化合物を含むOLEDの製造
発光層のホスト材料として化合物H1-42及びF-1のみをそれぞれ単独で使用したことを除いて、デバイス実施例1と同じ方法でOLEDを製造した。
【0112】
上記の通り製造されたデバイス実施例3~7並びにデバイス比較例2及び3の有機エレクトロルミネセントデバイスの、駆動電圧に応じた輝度で光の強度が100%から95%に低下するのに要した最小時間(寿命:T95)、並びに1,000ニットの輝度における電力効率(cd/A)、CIE色座標、及びCIE色座標を測定した。それらの結果を以下の表2に示す。
【0113】
【表4】
【0114】
表1より、本開示による特定の化合物を含む有機エレクトロルミネセントデバイスは、従来の有機エレクトロルミネセントデバイスと比較して、大幅に改善された駆動電圧効率及び/又は電流効率を示すことが確認できる。特に、青色OLEDは、6cd/A以上の優れた電力効率を示すことが確認できる。本開示の発明者らは、本開示による特定の化合物の優れた効果は、アントラセンに結合したフェニル置換フェナントロフランのフェニル置換基が化合物中の特定の位置に結合することによる分子の共鳴、ひいては分子間相互作用の増加に基づくと予想した。
【0115】
表2より、本開示による複数のホスト材料を含む有機エレクトロルミネセントデバイスは、従来の有機エレクトロルミネセントデバイスと比較して、大幅に改善された駆動電圧効率及び/又は電流効率を示すことが確認できる。特に、青色OLEDは、6cd/Aを超える優れた電力効率を示すことが確認できる。
【0116】
デバイス実施例及びデバイス比較例に用いた化合物を以下の表3に具体的に示す。
【0117】
【表5】
【外国語明細書】