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特開2024-148170リサイクル炭素繊維と熱可塑性マトリックスから複合材料を製造するための最適化されたプロセス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024148170
(43)【公開日】2024-10-17
(54)【発明の名称】リサイクル炭素繊維と熱可塑性マトリックスから複合材料を製造するための最適化されたプロセス
(51)【国際特許分類】
   C08J 5/04 20060101AFI20241009BHJP
【FI】
C08J5/04 CFG
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024060492
(22)【出願日】2024-04-03
(31)【優先権主張番号】23166509.2
(32)【優先日】2023-04-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】595014653
【氏名又は名称】フラウンホーファー-ゲゼルシャフト ツール フエルデルング デア アンゲヴァンテン フォルシュング エー.ファオ.
(71)【出願人】
【識別番号】000000033
【氏名又は名称】旭化成株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100206335
【弁理士】
【氏名又は名称】太田 和宏
(72)【発明者】
【氏名】マニス フランク
(72)【発明者】
【氏名】セイス ジュリアン
(72)【発明者】
【氏名】木村 俊太
(72)【発明者】
【氏名】森 勇樹
【テーマコード(参考)】
4F072
【Fターム(参考)】
4F072AA08
4F072AB10
4F072AB29
4F072AD44
4F072AG03
4F072AH05
4F072AH21
4F072AH49
(57)【要約】      (修正有)
【課題】リサイクル炭素繊維と熱可塑性ポリアミドを含む熱可塑性マトリックスとを含む半製品の取得プロセス、半製品、及び複合材料の製造におけるその使用を提供する。
【解決手段】リサイクル炭素繊維を含む不織布を提供するステップa)と、熱可塑性ポリアミドを含むポリマー粉末を前記リサイクル炭素繊維を含む不織布に均一に配置するステップb)と、前記ステップb)で取得された前記不織布を圧密して繊維強化半製品を取得するステップc)とを含む、リサイクル炭素繊維強化半製品の取得方法である。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
リサイクル炭素繊維を含む不織布を提供するステップa)と、
熱可塑性ポリアミドを含むポリマー粉末を前記リサイクル炭素繊維を含む不織布に均一に配置するステップb)と、
前記ステップb)で取得された前記不織布を圧密して繊維強化半製品を取得するステップc)と
を含むことを特徴とする、リサイクル炭素繊維強化半製品の取得方法。
【請求項2】
前記リサイクル炭素繊維を含む前記不織布は、50~200g・m-2、好ましくは75~150g・m-2、より好ましくは90~110g・m-2の範囲内の坪量を有し、かつ/又は前記不織布は、前記不織布の総重量に基づいて、80~100重量%、好ましくは90~100重量%、より好ましくは98~100重量%の範囲内の量の前記リサイクル炭素繊維を含み、かつ/又は前記リサイクル炭素繊維は、20mm~180mm、好ましくは25mm~150mm、より好ましくは30mm~100mmの範囲内の長さを有する不連続炭素繊維であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記熱可塑性ポリアミドを含む前記ポリマー粉末は、ポリアミド6(PA6)、ポリアミド66(PA66)、ポリアミド6I(PA6I)、ポリアミド66/6I(PA66/6I)及びそれらの混合物からなるリストから選択されるポリアミドを含み、かつ/又は前記熱可塑性ポリアミドを含む前記ポリマー粉末の最大粒径が、1μm~1000μm、好ましくは10μm~600μmの範囲内にあり、かつ/又は前記ステップb)で配置される前記熱可塑性ポリアミドを含む前記ポリマー粉末の量が、取得される前記半製品の総重量に基づいて、30重量%~90重量%、好ましくは40重量%~80重量%の範囲内にあることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記熱可塑性ポリアミドを含む前記ポリマー粉末と前記リサイクル炭素繊維を含む前記不織布との重量比が、0.5~5、好ましくは0.7~3、より好ましくは0.8~2の範囲内にあり、かつ/又は前記熱可塑性ポリアミドを含む前記ポリマー粉末と前記rCFを含む前記不織布との合計量が、取得される前記半製品の総重量に基づいて、90重量%~100重量%、より好ましくは95重量%~100重量%、より好ましくは98重量%~100重量%の範囲内にあることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記ステップb)では、前記熱可塑性ポリアミドを含む前記ポリマー粉末は、前記不織布の各面に均一に配置され、かつ/又は150℃~350℃、好ましくは200℃~300℃、より好ましくは225℃~275℃の範囲内の温度で配置されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記ステップc)における圧密は、230℃~330℃、好ましくは250℃~310℃の範囲内の温度及び/若しくは1~60バール、好ましくは5~30バール、より好ましくは8~20バールの範囲内の圧力で行われ、かつ/又はダブルスチールベルトプレス内で行われることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
リサイクル炭素繊維を含む不織布と、熱可塑性ポリアミドを含む熱可塑性マトリックスとを含むリサイクル炭素繊維強化半製品であって、前記半製品は、平均繊維体積分率(aFVF)及び繊維体積分率差(ΔFVF)を有し、
前記平均繊維体積分率(aFVF)は、前記リサイクル炭素繊維強化半製品の総体積に基づいて、5~50体積%、好ましくは10~40体積%、より好ましくは17~30体積%の範囲内にあり、前記平均繊維体積分率(aFVF)は、前記リサイクル炭素繊維強化半製品において互いに5cm以上20cm以下離れた点から採取されたn個の10mm×20mmのサンプルの繊維体積分率を測定し、以下の式(i)に従って計算することにより取得され、
【数1】
式中、nは、採取された前記サンプルの数であり、nは≧2、好ましくは≧4であり、FVFは、サンプルnの繊維体積分率であり、
前記繊維体積分率差(ΔFVF)は、測定された前記サンプルnの繊維体積分率(FVF)と前記平均繊維体積分率(aFVF)との間の差であり、以下の式(ii)に従って計算され、
ΔFVF=FVF-aFVF (ii)
前記繊維体積分率差(ΔFVF)は、≦±3体積%、好ましくは≦±2体積%、より好ましくは≦±1.5体積%であることを特徴とするリサイクル炭素繊維強化半製品。
【請求項8】
前記不織布は、前記不織布の総重量に基づいて、80~100重量%、好ましくは90~100重量%、より好ましくは98~100重量%の範囲内の量の前記リサイクル炭素繊維を含み、かつ/又は前記リサイクル炭素繊維は、20mm~180mm、好ましくは25mm~150mm、より好ましくは30mm~100mmの範囲内の長さを有する不連続炭素繊維であることを特徴とする請求項7に記載のリサイクル炭素繊維強化半製品。
【請求項9】
前記熱可塑性ポリアミドを含む前記ポリマーマトリックスは、ポリアミド6(PA6)、ポリアミド66(PA66)、ポリアミド6I(PA6I)、ポリアミド66/6I(PA66/6I)及びそれらの混合物からなるリストから選択されるポリアミドを含み、かつ/又は前記熱可塑性ポリアミドを含む前記ポリマーマトリックスの量が、前記半製品の総重量に基づいて、30重量%~90重量%、好ましくは40重量%~80重量%の範囲内にあり、かつ/又は前記熱可塑性ポリアミドを含む前記ポリマーマトリックスと前記リサイクル炭素繊維を含む前記不織布との重量比が、0.5~5、好ましくは0.7~3、より好ましくは0.8~2の範囲内にあり、かつ/又は前記熱可塑性ポリアミドを含む前記ポリマーマトリックスと前記rCFを含む前記不織布との合計量が、前記半製品の総重量に基づいて、90重量%~100重量%、より好ましくは95重量%~100重量%、より好ましくは98重量%~100重量%の範囲内にあることを特徴とする請求項7に記載のリサイクル炭素繊維強化半製品。
【請求項10】
請求項1~6のいずれか一項に記載の方法により取得されることを特徴とする請求項7に記載のリサイクル炭素繊維強化半製品。
【請求項11】
請求項1~6のいずれか一項により取得されるか又は請求項7~10のいずれか一項に記載のリサイクル炭素繊維強化半製品を提供するステップI)と、
前記リサイクル炭素繊維強化半製品を加熱するステップII)と、
加熱された前記リサイクル炭素繊維強化半製品を複合材料に成形するステップIII)と
を含むことを特徴とする複合材料の取得方法。
【請求項12】
前記ステップII)における加熱は、前記熱可塑性ポリアミドの融点より低い温度、好ましくは150℃~300℃、より好ましくは200℃~250℃の範囲内の温度で行われることを特徴とする請求項11に記載の複合材料の取得方法。
【請求項13】
前記ステップIII)における成形は、50℃~150℃、好ましくは60℃~120℃の範囲内の温度を有する加熱された工具内で行われることを特徴とする請求項11に記載の複合材料の取得方法。
【請求項14】
請求項7~10のいずれか一項に記載のリサイクル炭素繊維強化半製品を含むことを特徴とする複合材料。
【請求項15】
請求項11~13のいずれか一項に記載の方法により取得されることを特徴とする請求項14に記載の複合材料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リサイクル炭素繊維と熱可塑性ポリアミドを含む熱可塑性マトリックスとを含む半製品の取得プロセス、取得された半製品、及び複合材料の製造におけるその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
炭素繊維は、主に炭素原子で構成される。炭素繊維の製造にはかなりのコストがかかるが、炭素繊維は、高い剛性、高い引張強度、高い強度重量比、高い耐化学薬品性、高い温度許容度及び低い熱膨張などの非常に求められるいくつかの特性により世界中で幅広い用途が見出されている。
【0003】
その結果、炭素繊維を含む廃棄物の量は、着実に増加する。これらの貴重な繊維をリサイクルするために、通常、各々の廃棄物を細断し、熱分解又は加溶媒分解を使用して複合材料から繊維を再生利用する。
【0004】
リサイクル炭素繊維のもう1つの供給源は、半製品織物からの切れ端である。これらのリサイクル炭素繊維は、それぞれの用途に応じて必要な長さに短縮される。その後に、切断廃棄物として取得された不連続廃棄炭素繊維は、炭素繊維を再利用するためのプロセスに供給され得る。
【0005】
リサイクル炭素繊維(rCF)又は切断廃棄炭素繊維は、不織布に加工され得る。
【0006】
しかしながら、リサイクル炭素繊維を含む不織布は、バージン炭素繊維を含む不織布と比較して、布地特性が異なり、ほとんど劣っている。
【0007】
これは主に、廃棄物を含む炭素繊維の細断又はバージン繊維の切断により生じる取得されるランダムに配向された不連続炭素繊維によるものである。加溶媒分解又は熱分解などの一般的なリサイクル方法でも、炭素繊維のサイジング剤が除去され、繊維の保護が低下する。
【0008】
特に、これらのリサイクル炭素繊維を含む不織布を熱可塑性マトリックスを備えた半製品に加工することは、歴史的に困難であり、不織布のロフト(lofting)などの問題が圧密(結合、consolidation)中にポリマーの酸化を引き起こし、半製品の含浸不良につながる。
【0009】
通常、熱可塑性ポリマー繊維は、リサイクル炭素繊維を含む不織布に加工され、各々の不織布が圧密された後に熱可塑性マトリックスを形成する。これにより、半製品における熱可塑性ポリマーの不均一な分散が生じ、使用可能な熱可塑性ポリマーが繊維に紡糸できるポリマーに限定される可能性がある。
【0010】
したがって、リサイクル炭素繊維と熱可塑性ポリマーとを含む良好な特性を有する半製品を取得し、複合材料の製造に使用できる半製品の大量生産を可能にするプロセスが必要とされている。
【0011】
本技術分野において徹底的に研究した結果、驚くべきことに、リサイクル炭素繊維を含む不織布を各々の半製品に圧密する前に、粉末含浸法を利用して熱可塑性ポリアミド粉末を不織布に配置することによって、その不織布をリサイクル炭素繊維強化半製品に加工することができることが判明した。
【0012】
取得されたリサイクル炭素繊維強化半製品は、半製品の異なる点の繊維体積分率の差が非常に小さいことから明らかなように、優れた均質性を示した。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、リサイクル炭素繊維強化半製品の取得プロセスに関し、このプロセスは、
リサイクル炭素繊維を含む不織布を提供するステップa)と、
熱可塑性ポリアミドを含むポリマー粉末を前記リサイクル炭素繊維を含む前記不織布に均一に配置するステップb)と、
前記ステップb)で取得された前記不織布を圧密して繊維強化半製品を取得するステップc)とを含む。
【0014】
別の態様では、本発明は、リサイクル炭素繊維を含む不織布と、熱可塑性ポリアミドを含む熱可塑性マトリックスとを含むリサイクル炭素繊維強化半製品に関し、この半製品は、平均繊維体積分率(aFVF)及び繊維体積分率差(ΔFVF)を有し、
前記平均繊維体積分率(aFVF)が、前記リサイクル炭素繊維強化半製品の総体積に基づいて、5~50体積%、好ましくは10~40体積%、より好ましくは17~30体積%の範囲内にあり、前記平均繊維体積分率(aFVF)が、前記リサイクル炭素繊維強化半製品において互いに5cm以上20cm以下離れた点から採取されたn個の10mm×20mmのサンプルの繊維体積分率を測定し、以下の式(i)に従って計算することにより取得され、
【数1】
式中、nは、採取された前記サンプルの数であり、nは≧2、好ましくは≧4であり、FVFは、サンプルnの繊維体積分率であり、
前記繊維体積分率差(ΔFVF)が、測定された前記サンプルnの繊維体積分率(FVF)と前記平均繊維体積分率(aFVF)との間の差であり、以下の式(ii)に従って計算され、
ΔFVF=FVF-aFVF (ii)
前記繊維体積分率差(ΔFVF)が、≦±3体積%、好ましくは≦±2体積%、より好ましくは≦±1.5体積%であることを特徴とする。
【0015】
更なる態様では、本発明は、複合材料の取得プロセスに関し、このプロセスは、
本発明に関するリサイクル炭素繊維強化半製品を提供するステップI)と、
前記リサイクル炭素繊維強化半製品を加熱するステップII)と、
加熱された前記リサイクル炭素繊維強化半製品を複合材料に成形するステップIII)とを含む。
【0016】
最後に、本発明は、本発明に関するリサイクル炭素繊維強化半製品を含む複合材料に関する。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明は、リサイクル炭素繊維強化半製品の取得プロセス(方法)に関し、このプロセスは、
リサイクル炭素繊維を含む不織布を提供するステップa)と、
熱可塑性ポリアミドを含むポリマー粉末をリサイクル炭素繊維を含む不織布に均一に配置するステップb)と、
ステップb)で取得された不織布を圧密して繊維強化半製品を取得するステップc)とを含むことを特徴とする。
【0018】
繊維強化半製品
繊維強化半製品は、先行技術において知られており、繊維で強化されたポリマーマトリックスからなる。繊維強化半製品は、通常、シートの形態で取得される。
【0019】
リサイクル炭素繊維を含む不織布
炭素繊維のリサイクル方法は、先行技術において知られている。通常、炭素繊維を含む各々の廃棄物を細断し、熱分解又は加溶媒分解を使用して繊維を残りの廃棄物から分離する。
【0020】
廃棄物を細断すると、廃棄物中に存在する配向された連続炭素繊維が破壊される。したがって、取得されたリサイクル炭素繊維は、ランダムに配向された不連続炭素繊維となる。これらのリサイクル炭素繊維の長さは、通常180mm未満である。
【0021】
追加的に、熱分解及び加溶媒分解の両方により、通常炭素繊維に適用されるサイジング剤が除去される(サイジングされていない繊維)。
【0022】
繊維のサイジングは、先行技術において知られている。これにより、製造プロセス中に繊維の表面に薄く均質なコーティングが施される。サイジングは、取り扱い及び加工中、更にその後の配合及び複合加工中のフィラメントの破損を防止するのに役立ち、後続のプロセスでの繊維の適合性(相溶性)を向上させる。
【0023】
リサイクル炭素繊維は、長さが短く、配向がランダムであるため、織布に織り込むことができないが、不織布に加工することができる。
【0024】
不織布を取得するプロセスは、先行技術において知られている。不織布を取得するプロセスとしては、湿式プロセス、乾式プロセスなどが挙げられる。
【0025】
本発明に関するプロセスにおいて使用されるリサイクル炭素繊維を含む不織布は、以下の特性のうちの1つ以上を有することが好ましい。
【0026】
リサイクル炭素繊維の長さは、好ましくは20mm~180mm、より好ましくは25mm~150mm、更により好ましくは30~100mmの範囲内にある。
【0027】
不織布は、不織布の総重量に基づいて、好ましくは80~100重量%、より好ましくは90~100重量%、更により好ましくは98~100重量%の量のリサイクル炭素繊維を含む。
【0028】
リサイクル炭素繊維を含む不織布の坪量は、好ましくは50g・m-2~250g・m-2、より好ましくは75g・m-2~150g・m-2、更により好ましくは90g・m-2~110g・m-2の範囲内にある。
【0029】
本発明に関するプロセスの一実施形態では、不織布のリサイクル炭素繊維は、不連続である。
【0030】
本発明に関するプロセスの別の一実施形態では、不織布のリサイクル炭素繊維は、不連続であり、サイジングされていない。
【0031】
熱可塑性ポリアミドを含むポリマー粉末
リサイクル炭素繊維(rCF)を含む不織布の含浸には、上述したように、熱可塑性ポリアミドを含むポリマー粉末が使用される。
【0032】
ポリマー粉末を取得する方法は、先行技術において知られている。例えば、各々のポリマーを粉砕することにより、適切なポリマー粉末を提供することができる。更に、極低温粉砕を使用することは、例えばポリマーの脆性を増加させ、ポリマーの粉砕プロセスを容易にすることに有利であり得る。
【0033】
ポリマー粉末の良好な含浸及び分散を達成するために、熱可塑性ポリアミドを含むポリマー粉末の最大粒径は、1μm~1000μm、好ましくは10μm~600μmの範囲内にあることが好ましい。
【0034】
本発明に関するプロセスに熱可塑性ポリアミドを含むポリマー粉末が使用されるため、適切な熱可塑性ポリアミドは、繊維に紡糸できるポリアミドに限定されない。したがって、低い粘度及び/又は低い分子量を有するポリアミドを熱可塑性ポリアミドとして使用することができる。
【0035】
熱可塑性は、特定の高温で成形可能であり、冷却すると固化するというプラスチックポリマー材料の特性を表す。
【0036】
適切なポリアミドは、例えば、ポリアミド6(PA6)、ポリアミド66(PA66)、ポリアミド6I(PA6I)、ポリアミド66/6I(PA66/6I)及びそれらの混合物である。
【0037】
熱可塑性ポリアミドPA66は、18000~24000g・mol-1、好ましくは19000~20000g・mol-1の範囲内の数平均分子量(Mn)及び/又は35000~50000g・mol-1、好ましくは38500~41000g・mol-1の範囲内の重量平均分子量(Mw)を有してもよい。
【0038】
熱可塑性ポリアミドPA66/6Iは、10000~14500g・mol-1、好ましくは12000~13000g・mol-1の範囲内の数平均分子量(Mn)及び/又は18000~34000g・mol-1、好ましくは24000~28000g・mol-1の範囲内の重量平均分子量(Mw)を有してもよい。
【0039】
熱可塑性ポリアミドPA6Iは、8000~13000g・mol-1、好ましくは10000~12000g・mol-1の範囲内の数平均分子量(Mn)及び/又は17500~27000g・mol-1、好ましくは20000~25000g・mol-1の範囲内の重量平均分子量(Mw)を有してもよい。
【0040】
熱可塑性ポリアミドPA6は、15000~20000g・mol-1、好ましくは17000~19000g・mol-1の範囲内の数平均分子量(Mn)及び/又は29000~38000g・mol-1、好ましくは33000~36000g・mol-1の範囲内の重量平均分子量(Mw)を有してもよい。
【0041】
平均分子量は、ISO16014-1に従って測定される。
【0042】
熱可塑性ポリアミドを含むポリマー粉末は、90重量%を超える量、好ましくは95重量%~100重量%の範囲内の量の熱可塑性ポリアミドを含み、より好ましくは熱可塑性ポリアミドからなることが好ましい。
【0043】
rCFを含む不織布に熱可塑性ポリアミドを含むポリマー粉末を含浸させるために、熱可塑性ポリアミドを含むポリマー粉末を、不織布の片面、好ましくは両面に均一に配置する。
【0044】
ポリマー粉末を配置する技術は、先行技術において知られている。
【0045】
熱可塑性ポリアミドを含むポリマー粉末は、150℃~350℃、好ましくは200℃~300℃、より好ましくは225℃~275℃の範囲内の温度でrCFを含む不織布に配置されることが好ましい。
【0046】
rCFを含む不織布に配置される熱可塑性ポリアミドを含むポリマー粉末の量は、含浸後の不織布の総重量に基づいて、好ましくは30重量%~90重量%、より好ましくは40重量%~80重量%の範囲内である。
【0047】
熱可塑性ポリアミドを含むポリマー粉末とrCFを含む不織布との合計量は、取得される半製品の総重量に基づいて90重量%~100重量%、より好ましくは95重量%~100重量%、より好ましくは98重量%~100重量%の範囲内にあることが好ましい。
【0048】
圧密
圧密は、材料又は材料組成物に熱と圧力を加えるプロセスである。
【0049】
熱と圧力を加えることで、熱可塑性ポリアミドを含むポリマー粉末を溶融させ、rCFを含む不織布に押し込み、リサイクル炭素繊維強化半製品を取得する。
【0050】
圧密方法は、先行技術において知られている。好ましい実施形態では、圧密のためにダブルベルトプレス(double belt press)が使用される。更により好ましくは、圧密のためにダブルスチールベルトプレスが使用される。
【0051】
加えられる熱及び圧力の量は、熱可塑性ポリアミドを含むポリマー粉末の溶融を引き起こすのに十分でなければならない。
【0052】
圧密は、好ましくは230℃~330℃、より好ましくは250℃~310℃の範囲内の温度及び/又は1~60バール(bar)、好ましくは5~30バール、より好ましくは8~20バールの範囲内の圧力で行われる。
【0053】
圧密中に、熱可塑性ポリアミドを含むポリマー粉末は、リサイクル炭素繊維維強化半製品の熱可塑性マトリックスに変換される。
【0054】
rCFを含む不織布の熱可塑性ポリアミドによる完全な含浸は、上述したような本発明に関するプロセスによって達成することができる。
【0055】
半製品
本発明は、更に、上述したような本発明に関するプロセスによって製造することができるリサイクル炭素繊維強化半製品に関し、この半製品は、上述したようなリサイクル炭素繊維を含む不織布と、上述したような熱可塑性ポリアミドを含むポリマーマトリックスとを含むことを特徴とする。
【0056】
このリサイクル炭素繊維強化半製品の平均繊維体積分率(aFVF)は、リサイクル炭素繊維強化半製品の総体積に基づいて、5~50体積%、より好ましくは10~40体積%、更により好ましくは17~30体積%の範囲内にある。
【0057】
平均繊維体積分率(aFVF)を測定するために、半製品の異なる点から複数(n個)のサンプルを採取し、各サンプルの繊維体積分率を測定する。代表的なサンプルを取得するために、各サンプルが採取された点は、少なくとも5cm離れる必要がある。本発明において使用される測定方法では、点は、互いに5~20cm離れる。
【0058】
繊維強化材料の繊維体積分率を測定する技術は、先行技術において知られている。
【0059】
繊維体積分率を測定する1つの方法は、DIN EN2564又はDIN16459に従って熱処理又は化学処理によってサンプルからポリマーマトリックスを除去することである。その後に、残りの繊維を洗浄し、乾燥させ、重量を量る。半製品の初期重量及び初期体積、並びに繊維の密度がわかれば、繊維の体積分率を測定することができる。
【0060】
平均繊維体積分率(aFVF)は、以下の式(i)に従って計算され得る。
【数2】
式中、nは、採取されたサンプルの数であり、nは≧2、好ましくは≧4であり、FVFは、サンプルnの繊維体積分率である。
【0061】
上述したような本発明に関するプロセスを利用して、高度に均質なリサイクル炭素繊維強化半製品を取得することができる。
【0062】
本開示によれば、rCF強化半製品の均質性は、サンプルnの測定された繊維体積分率(FVF)と半製品の平均繊維体積分率(aFVF)との間の繊維体積分率差(ΔFVF)に相当する。
【0063】
繊維体積分率差(ΔFVF)は、以下の式(ii)に従って計算され得る。
ΔFVF=FVF-aFVF (ii)
【0064】
本発明によれば、任意のサンプルnのΔFVFは、≦±3体積%、好ましくは≦±2体積%、より好ましくは≦±1.5体積%である。
【0065】
繊維体積分率のこの小さな変動は、本技術分野で知られている他の混合及び浸透技術と比較して、本発明に関するリサイクル炭素繊維強化半製品の均質性が向上していることを示している。
【0066】
複合材料
本発明のリサイクル炭素繊維強化半製品は、複合材料に加工され得る。
【0067】
本発明に関する複合材料の取得プロセスは、
上述したようなリサイクル炭素繊維強化半製品又は上述したようなプロセスのいずれかにより取得されるリサイクル炭素繊維強化半製品を提供するステップI)と、
リサイクル炭素繊維強化半製品を加熱するステップII)と、
加熱されたリサイクル炭素繊維強化半製品を複合材料に成形するステップIII)と
を含む。
【0068】
ステップII)における加熱は、本技術分野で知られている任意の方法によって行われてもよい。好ましい実施形態では、リサイクル炭素繊維強化半製品は、コンベクションオーブン又は赤外線オーブン内で加熱される。
【0069】
上述したようにrCFを含む不織布を熱可塑性ポリアミドで完全に含浸させるため、ステップII)におけるリサイクル炭素繊維強化半製品の加熱を熱可塑性ポリアミドの融点より低い温度で行うことにより、不織布のロフトによるポリマーの酸化量を低減することができる。
【0070】
ステップII)における加熱は、好ましくは熱可塑性ポリアミドの融点より低い温度、より好ましくは150℃~300℃、更により好ましくは200℃~250℃の範囲内の温度で行われる。
【0071】
複合材料の成形は、本技術分野で知られている。好ましい実施形態では、複合材料は、ヒートプレスによって成形され、ヒートプレスでは、半製品が加熱された工具に挿入される。
【0072】
好ましくは、ステップIII)における成形は、50℃~150℃、好ましくは60℃~120℃の範囲内の温度を有する工具内で行われる。
【0073】
最後に、本発明は、複合材料に関し、この複合材料は、リサイクル炭素繊維を含む不織布と、熱可塑性ポリアミドを含む熱可塑性マトリックスとを含み、好ましくは、上述したようなプロセス若しくは以下で説明するプロセスのいずれかにより取得されるか又はそれに記載のリサイクル炭素繊維強化半製品を含むことを特徴とする。
【0074】
この複合材料は、任意の既知の方法によって更に機能化され得る。適切な方法の例としては、射出成形プロセスが挙げられる。
【0075】
更に、本発明は、以下の番号付きの条項によって説明することができる。
【0076】
1. リサイクル炭素繊維を含む不織布を提供するステップa)と、
熱可塑性ポリアミドを含むポリマー粉末をリサイクル炭素繊維を含む不織布に均一に配置するステップb)と、
ステップb)で取得された不織布を圧密して繊維強化半製品を取得するステップc)と
を含むことを特徴とする、リサイクル炭素繊維強化半製品の取得プロセス。
【0077】
2. リサイクル炭素繊維を含む不織布は、50~250g・m-2、好ましくは75~150g・m-2、より好ましくは90~110g・m-2の範囲内の坪量を有することを特徴とする条項1に記載のプロセス。
【0078】
3. 不織布は、不織布の総重量に基づいて、80~100重量%、好ましくは90~100重量%、より好ましくは98~100重量%の範囲内の量のリサイクル炭素繊維を含むことを特徴とする条項1又は2に記載のプロセス。
【0079】
4. 不織布のリサイクル炭素繊維は、20mm~180mm、好ましくは25mm~150mm、より好ましくは30mm~100mmの範囲内の長さを有する不連続炭素繊維であることを特徴とする条項1~3のいずれか一項に記載のプロセス。
【0080】
5. 不織布のリサイクル炭素繊維はサイジングされていないことを特徴とする条項4に記載のプロセス。
【0081】
6. 熱可塑性ポリアミドを含むポリマー粉末は、ポリアミド6(PA6)、ポリアミド66(PA66)、ポリアミド6I(PA6I)、ポリアミド66/6I(PA66/6I)及びそれらの混合物からなるリストから選択されるポリアミドを含むことを特徴とする条項1~5のいずれか一項に記載のプロセス。
【0082】
7. 熱可塑性ポリアミドは、
18000~24000g・mol-1、好ましくは19000~20000g・mol-1の範囲内の数平均分子量(Mn)及び/又は35000~50000g・mol-1、好ましくは38500~41000g・mol-1の範囲内の重量平均分子量(Mw)を有するPA66、
10000~14500g・mol-1、好ましくは12000~13000g・mol-1の範囲内の数平均分子量(Mn)及び/又は18000~34000g・mol-1、好ましくは24000~28000g・mol-1の範囲内の重量平均分子量(Mw)を有するPA66/6I、
8000~13000g・mol-1、好ましくは10000~12000g・mol-1の範囲内の数平均分子量(Mn)及び/又は17500~27000g・mol-1、好ましくは20000~25000g・mol-1の範囲内の重量平均分子量(Mw)を有するPA6I、
15000~20000g・mol-1、好ましくは17000~19000g・mol-1の範囲内の数平均分子量(Mn)及び/又は29000~38000g・mol-1、好ましくは33000~36000g・mol-1の範囲内の重量平均分子量(Mw)を有するPA6、
並びにそれらの混合物
からなるリストから選択されることを特徴とする条項6に記載のプロセス。
【0083】
8. 熱可塑性ポリアミドを含むポリマー粉末の最大粒径が、1μm~1000μm、好ましくは10μm~600μmの範囲内にあることを特徴とする条項1~7のいずれか一項に記載のプロセス。
【0084】
9. 熱可塑性ポリアミドを含むポリマー粉末における熱可塑性ポリアミドの量が、熱可塑性ポリアミドを含むポリマー粉末の総重量に基づいて、80~100重量%、好ましくは90~100重量%、より好ましくは98~100重量%の範囲内にあることを特徴とする条項1~8のいずれか一項に記載のプロセス。
【0085】
10. 熱可塑性ポリアミドを含むポリマー粉末の量が、取得される半製品の総重量に基づいて、30重量%~90重量%、好ましくは40重量%~80重量%の範囲内にあることを特徴とする条項1~9のいずれか一項に記載のプロセス。
【0086】
11. 熱可塑性ポリアミドを含むポリマー粉末とリサイクル炭素繊維を含む不織布との重量比が、0.5~5、好ましくは0.7~3、より好ましくは0.8~2の範囲内にあることを特徴とする条項1~10のいずれか一項に記載のプロセス。
【0087】
12. 熱可塑性ポリアミドを含むポリマー粉末とrCFを含む不織布との合計量が、取得される半製品の総重量に基づいて、90重量%~100重量%、より好ましくは95重量%~100重量%、より好ましくは98重量%~100重量%の範囲内にあることを特徴とする条項1~11のいずれか一項に記載のプロセス。
【0088】
13. ステップb)では、熱可塑性ポリアミドを含むポリマー粉末は、150℃~350℃、好ましくは200℃~300℃、より好ましくは225℃~275℃の範囲内の温度で不織布に均一に配置されることを特徴とする条項1~12のいずれか一項に記載のプロセス。
【0089】
14. ステップc)における圧密は、230℃~330℃、好ましくは250℃~310℃の範囲内の温度で行われることを特徴とする条項1~13のいずれか一項に記載のプロセス。
【0090】
15. ステップc)における圧密は、1~60バール、好ましくは5~30バール、より好ましくは8~20バールの範囲内の圧力で行われることを特徴とする条項1~14のいずれか一項に記載のプロセス。
【0091】
16. ステップc)における圧密は、ダブルベルトプレス内で、好ましくはダブルスチールベルトプレス内で行われることを特徴とする条項1~15のいずれか一項に記載のプロセス。
【0092】
17. 条項1~16のいずれか一項に記載されるようなリサイクル炭素繊維を含む不織布と、条項1~16のいずれか一項に記載されるような熱可塑性ポリアミドを含む熱可塑性マトリックスとを含むリサイクル炭素繊維強化半製品であって、半製品は、平均繊維体積分率(aFVF)を有し、平均繊維体積分率(aFVF)は、リサイクル炭素繊維強化半製品の総体積に基づいて、5~50体積%、好ましくは10~40体積%、より好ましくは17~30体積%の範囲内にあり、平均繊維体積分率(aFVF)は、リサイクル炭素繊維強化半製品において互いに5cm以上20cm以下離れた点から採取されたn個の10mm×20mmのサンプルの繊維体積分率を測定し、以下の式(i)に従って計算することにより取得され、
【数3】
式中、nは、採取されたサンプルの数であり、nは≧2、好ましくは≧4であり、FVFは、サンプルnの繊維体積分率であることを特徴とする、リサイクル炭素繊維強化半製品。
【0093】
18. 測定されたサンプルnの繊維体積分率(FVF)と平均繊維体積分率(aFVF)との間の繊維体積分率差(ΔFVF)は、以下の式(ii)に従って計算され、
ΔFVF=FVF-aFVF (ii)
繊維体積分率差(ΔFVF)は、≦±3体積%、好ましくは≦±2体積%、より好ましくは≦±1.5体積%である条項17に記載のリサイクル炭素繊維強化半製品。
【0094】
19. 半製品における、リサイクル炭素繊維を含む不織布と熱可塑性ポリアミドを含む熱可塑性マトリックスとの総量は、半製品の総重量に基づいて、80~100重量%、好ましくは90~100重量%、より好ましくは98~100重量%の範囲内にあることを特徴とする条項17又は18に記載のリサイクル炭素繊維強化半製品。
【0095】
20. リサイクル炭素繊維を含む不織布と、熱可塑性ポリアミドを含む熱可塑性マトリックスとからなることを特徴とする条項17~19のいずれか一項に記載のリサイクル炭素繊維強化半製品。
【0096】
21. 条項1~16のいずれか一項に記載のプロセスにより取得されることを特徴とする条項17~20のいずれか一項に記載のリサイクル炭素繊維強化半製品。
【0097】
22. 条項1~16のいずれか一項により取得されるリサイクル炭素繊維強化半製品又は条項17~21のいずれか一項に記載のリサイクル炭素繊維強化半製品を提供するステップI)と、
リサイクル炭素繊維強化半製品を加熱するステップII)と、
加熱されたリサイクル炭素繊維強化半製品を複合材料に成形するステップIII)とを含むことを特徴とする、複合材料の取得プロセス。
【0098】
23. ステップII)における加熱は、熱可塑性ポリマーの融点より低い温度、好ましくは150℃~300℃、より好ましくは200℃~250℃の範囲内の温度で行われることを特徴とする条項22に記載の複合材料の取得プロセス。
【0099】
24. ステップIII)における成形は、50℃~150℃、好ましくは60℃~120℃の範囲内の温度を有する加熱された工具内で行われることを特徴とする条項22又は23に記載の複合材料の取得プロセス。
【0100】
25. 条項17~21のいずれか一項に記載のリサイクル炭素繊維強化半製品を含むことを特徴とする複合材料。
【0101】
26. 条項22~24のいずれか一項に記載のプロセスにより取得されることを特徴とする条項25に記載の複合材料。
【実施例0102】
実験手順について
リサイクル炭素繊維強化半製品
平行メートルあたり80gの最大粒径<600μmのPA66ポリアミド(Mw:8000g・mol-1)粉末(D99.9%)を、250℃、0.5バール、塗布速度2m/分で、坪量が100g・m-2である、リサイクルされたがサイジングされない不連続炭素繊維からなる不織布の各面(合計160g・m-2)に均一に配置した。その後、不織布をダブルスチールベルトプレス内で280℃、15バール、0.5m/分の速度で圧密した。得られたオルガノシートの形態のrCF強化半製品は、260g・m-2の坪量及び22.67体積%の平均繊維体積分率(aFVF)を有した。
【0103】
6つの10mm×20mmのサンプルを、rCF強化半製品の互いに5cm~20cm離れた点から採取し、ポリマーマトリックスを除去した後に繊維体積分率を測定した。
【0104】
【表1】
【0105】
最大の繊維体積分率差(ΔFVF)は、21.50体積%のFVFを有するサンプル3に見られた。これにより、FVFとaFVFとの間の繊維体積分率差(ΔFVF)は、-1.17体積%であった。
【0106】
したがって、取得された半製品は、他の混合及び浸透技術と比較して非常に均質である。
【0107】
複合材料
rCF強化半製品を赤外線オーブン内で225℃まで6分間加熱した。その後、加熱したrCF強化半製品を加熱された工具内に入れ、80℃のヒートプレスで複合材料を成形した。
【外国語明細書】