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特開2024-148184補正装置、補正プログラム、および、補正システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024148184
(43)【公開日】2024-10-18
(54)【発明の名称】補正装置、補正プログラム、および、補正システム
(51)【国際特許分類】
   G01S 7/497 20060101AFI20241010BHJP
   G06T 7/00 20170101ALI20241010BHJP
   G06V 10/40 20220101ALI20241010BHJP
【FI】
G01S7/497
G06T7/00 300Z
G06V10/40
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023061060
(22)【出願日】2023-04-05
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003166
【氏名又は名称】弁理士法人山王内外特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】西岡 哲朗
(72)【発明者】
【氏名】谷口 琢也
【テーマコード(参考)】
5J084
5L096
【Fターム(参考)】
5J084AA04
5J084AA05
5J084AA10
5J084AA11
5J084AA14
5J084AB01
5J084AC02
5J084AD01
5J084CA03
5J084CA31
5J084CA32
5J084CA70
5J084EA11
5L096BA04
5L096HA02
5L096JA11
(57)【要約】
【課題】センサが物体を検知することで得られた物体検知情報について、種々の機能を果たす技術において利用するのにじゅうぶんな信頼度を有する情報に補正することができる補正装置を提供する。
【解決手段】対象領域においてセンサ(100)が検知した物体に関する物体検知情報であって、物体の状態に関連する状態関連項目の情報を含む物体検知情報、を取得する物体検知情報取得部(301)と、物体検知情報取得部(301)が取得した物体検知情報と状態関連項目の情報を補正するための補正用情報とに基づき、物体検知情報に含まれている状態関連項目の情報を補正して、補正後の物体検知情報である物体情報を生成する補正部(305)と、補正部(305)が生成した物体情報を出力する物体情報出力部(306)とを備えた。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象領域においてセンサが検知した物体に関する物体検知情報であって、前記物体の状態に関連する状態関連項目の情報を含む前記物体検知情報、を取得する物体検知情報取得部と、
前記物体検知情報取得部が取得した前記物体検知情報と前記状態関連項目の情報を補正するための補正用情報とに基づき、前記物体検知情報に含まれている前記状態関連項目の情報を補正して、補正後の前記物体検知情報である物体情報を生成する補正部と、
前記補正部が生成した前記物体情報を出力する物体情報出力部
とを備えた補正装置。
【請求項2】
前記補正部は、
前記物体検知情報取得部が取得した前記物体検知情報に含まれている前記状態関連項目の情報の信頼度である第1信頼度と、前記補正用情報の信頼度である第2信頼度を算出する信頼度算出部と、
前記信頼度算出部が算出した前記第1信頼度と前記第2信頼度とを比較して、前記物体検知情報に含まれている前記状態関連項目の情報を、前記補正用情報で補正すべきか否かを判定する信頼度比較部と、
前記信頼度比較部による前記物体検知情報に含まれている前記状態関連項目の情報を前記補正用情報で補正すべきか否かの判定結果に基づき、前記物体検知情報に含まれている前記状態関連項目の情報を前記補正用情報に基づいて補正して、前記物体情報を生成する物体情報生成部とを備えた
ことを特徴とする請求項1記載の補正装置。
【請求項3】
前記補正部は、前記物体検知情報取得部が取得した前記物体検知情報と前記補正用情報と前記物体検知情報取得部が取得した前記物体検知情報の履歴とに基づき、前記物体検知情報に含まれている前記状態関連項目の情報を補正して、前記物体情報を生成する
ことを特徴とする請求項1記載の補正装置。
【請求項4】
前記補正部は、
前記物体検知情報取得部が取得した前記物体検知情報に含まれている前記状態関連項目の情報の信頼度である第1信頼度と、前記補正用情報の信頼度である第2信頼度と、前記物体検知情報の履歴に含まれている前記状態関連項目の情報の信頼度である第3信頼度を算出する信頼度算出部と、
前記信頼度算出部が算出した前記第1信頼度と前記第2信頼度と前記第3信頼度とを比較して、前記物体検知情報に含まれている前記状態関連項目の情報を、前記補正用情報または前記物体検知情報の履歴に含まれている前記状態関連項目の情報で補正すべきか否かを判定する信頼度比較部と、
前記信頼度比較部による、前記物体検知情報に含まれている前記状態関連項目の情報を前記補正用情報または前記物体検知情報の履歴に含まれている前記状態関連項目の情報で補正すべきか否かの判定結果、に基づき、前記物体検知情報に含まれている前記状態関連項目の情報を、前記補正用情報または前記物体検知情報の履歴に含まれている前記状態関連項目の情報に基づいて補正して、前記物体情報を生成する物体情報生成部とを備えた
ことを特徴とする請求項3記載の補正装置。
【請求項5】
前記状態関連項目は複数存在し、
前記補正部は、前記状態関連項目ごとに、前記物体検知情報の前記状態関連項目の情報を当該状態関連項目の情報のままとするか、前記補正用情報に基づく情報とするかを選択することで、前記物体検知情報を補正して、前記物体情報を生成する
ことを特徴とする請求項1記載の補正装置。
【請求項6】
前記状態関連項目は複数存在し、
前記補正部は、前記状態関連項目ごとに、前記物体検知情報の前記状態関連項目の情報を当該状態関連項目の情報のままとするか、前記補正用情報に基づく情報とするか、前記物体検知情報の履歴に含まれている前記状態関連項目の情報とするかを選択することで、前記物体検知情報を補正して、前記物体情報を生成する
ことを特徴とする請求項3記載の補正装置。
【請求項7】
コンピュータを、
請求項1から請求項6のうちのいずれか1項記載の補正装置として機能させるための補正プログラム。
【請求項8】
請求項1から請求項6のうちのいずれか1項記載の補正装置と、
前記対象領域に存在する前記物体を検知する前記センサ
とを備えた補正システム。
【請求項9】
前記センサは、前記対象領域に放射した光が前記物体で反射された反射光を検知することで前記物体を検知する電波センサである
ことを特徴とする請求項8記載の補正システム。
【請求項10】
前記センサは、前記対象領域を撮像するカメラである
ことを特徴とする請求項8記載の補正システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、センサが検知した物体に関する情報(以下「物体検知情報」という。)を補正する補正装置、補正プログラム、および、補正システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、カメラまたはLiDAR等のセンサが物体を検知することで得られた物体検知情報を利用して、車両の自動運転等の種々の機能を果たす技術の開発が行われている。
ところで、例えば、特許文献1には、監視カメラが撮像した入力画像に含まれる物体を検知し、検知された物体の移動履歴情報を学習済みモデルに入力して得られた物体の種別毎の確率に基づき入力画像に含まれる物体の種別を判定することで、入力画像に含まれる物体に係る画素数が少ない場合に、当該物体の種別を迅速かつ正確に判定する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-21111号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来技術では、センサが物体を検知することで得られた物体検知情報について、種々の機能を果たす技術において利用するのにじゅうぶんな信頼度を有する情報とはなっていない可能性があるという課題があった。
例えば、センサの設置間隔が疎である場合、または、センサから物体までの距離が遠い場合、センサが物体を検知することで得られた物体検知情報の精度は低く、当該物体検知情報から認識できる物体の信頼度が低い可能性がある。
なお、特許文献1に開示されているような従来技術は、入力画像に含まれる物体に係る画素数が少ない入力画像、言い換えれば、信頼度が低い入力画像が入力されたとしても信頼できる情報(種別毎の確率)が得られるよう、予め学習済みのモデルを用意しておくことで入力画像の信頼度の低さを補うようにするものであり、入力画像自体をじゅうぶんな信頼度を有する情報とするものではない。そのため、特許文献1に開示されているような従来技術では、依然として、上記課題を解決できない。
【0005】
本開示は、上記のような課題を解決するためになされたもので、センサが物体を検知することで得られた物体検知情報について、種々の機能を果たす技術において利用するのにじゅうぶんな信頼度を有する情報に補正することができる補正装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る補正装置は、対象領域においてセンサが検知した物体に関する物体検知情報であって、物体の状態に関連する状態関連項目の情報を含む物体検知情報、を取得する物体検知情報取得部と、物体検知情報取得部が取得した物体検知情報と状態関連項目の情報を補正するための補正用情報とに基づき、物体検知情報に含まれている状態関連項目の情報を補正して、補正後の物体検知情報である物体情報を生成する補正部と、補正部が生成した物体情報を出力する物体情報出力部とを備えた。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、補正装置は、センサが物体を検知することで得られた物体検知情報について、種々の機能を果たす技術において利用するのにじゅうぶんな信頼度を有する情報に補正することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態1に係る補正装置の構成例を示す図である。
図2】実施の形態1に係る補正装置が備える補正部の詳細な構成例を示す図である。
図3】実施の形態1に係る補正装置において、各構成部間で受け渡しされる情報の流れについて示す図である。
図4】実施の形態1に係る補正装置の動作について説明するためのフローチャートである。
図5図4のステップST3の処理の詳細について説明するためのフローチャートである。
図6図4のフローチャートを用いて説明したような補正装置の動作について、補正装置が上記シーンで適用された場合の、補正装置の動作の一例について説明するための図である。
図7図7Aおよび図7Bは、実施の形態1に係る補正装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る補正装置300の構成例を示す図である。
補正装置300は、センサ100と接続されている。補正装置300とセンサ100とで補正システム30を構成する。
【0010】
センサ100は、物体を検知する対象とする領域(以下「対象領域」という。)において存在する物体を検知する。
センサ100は、例えば、LiDAR(Light detection and ranging)、ミリ波レーダ等の電波センサ、または、カメラである。センサ100は、周辺に存在する物体を検知可能なセンサであればよい。
なお、図1では、センサ100は1つのみ図示しているが、これは一例に過ぎない。補正システム30において、センサ100は複数備えられていてもよい。センサ100が複数備えられているとき、当該複数のセンサ100は、異なる種類のセンサ100であってもよい。
【0011】
センサ100は、検知部200を備えている。検知部200は、センサ100にて検知された物体に関する情報(以下「物体検知情報」という。)を生成する。詳細には、例えば、センサ100が赤外線カメラである場合、検知部200は、センサ100が取得したRGB画像を入力として、画像認識処理を行い、RGB画像内で撮像されている物体の位置、物体の種別等を取得し、物体検知情報を生成する。センサ100が物体を検知した際の情報は、センサ100の種別に特有の形式を有している。検知部200は、これを、抽象化された情報として、物体検知情報を生成する。
物体検知情報は、当該物体検知情報で示される物体を検知したセンサ100を特定可能な識別子と、センサ100が物体を検知した瞬間の環境情報と、物体の状態に関する情報(以下「物体状態情報」という。)を含む。
識別子は、例えば、当該物体を検知したセンサ100単位で一意に決まる、ID(例えば「001」)等である。
環境情報は、例えば、センサ100の設置位置を示す情報である。
物体状態情報は、1つ以上の、物体の状態に関連する項目(以下「状態関連項目」という。)の情報を含む。状態関連項目としては、例えば、物体の位置、物体までの距離、物体の速度、物体のサイズ、物体の種別、物体の方位等が挙げられる。
検知部200は、生成した物体検知情報を、補正装置300に出力する。
なお、図1では、センサ100が検知部200を備えるものとしているが、これは一例に過ぎない。補正装置300が検知部200を備えていてもよいし、センサ100の外部にて、センサ100および補正装置300と接続されているPC(Personal Computer)等の装置が検知部200を備えていてもよい。
【0012】
補正装置300は、例えば、サーバに搭載され、センサ100とネットワークを介して接続される。
補正装置300は、対象領域においてセンサ100が検知した物体に関する物体検知情報、言い換えれば、センサ100から出力された物体検知情報を、必要に応じて、補正する。
具体的には、補正装置300は、物体検知情報に含まれる物体状態情報の状態関連項目の情報のうち、補正対象となる状態関連項目(以下「補正対象状態関連項目」という。)の情報を、必要に応じて、補正する。詳細には、補正装置300は、物体検知情報に含まれる物体状態情報の状態関連項目の情報のうち、信頼性が低い値が収録されていると判定した補正対象状態関連項目の情報を、補正用情報(詳細は後述する)、または、物体検知情報の履歴で補正する。どの状態関連項目を補正対象状態関連項目とするかは、予め、適宜決定されている。
補正対象状態関連項目となり得る状態関連項目は、例えば、物体が移動する、または、センサ100の位置が変わることがあったとしても、そのときによって変わることがない、不変な情報を示す項目である。補正対象状態関連項目となり得る状態関連項目の一例としては、例えば、物体のサイズ、または、物体の種別が挙げられる。例えば、センサ100が検知する物体が車両であり、車両が必ず道路に沿って進むという仮定をするなら、車両の方位も、補正対象状態関連項目となり得る。
補正装置300の詳細については、後述する。
【0013】
以下の実施の形態1では、一例として、センサ100はLiDARとする。LiDARは、三次元空間である対象領域に光を放射し、放射した光が対象領域に存在する物体で反射した光(反射光)を検知することで、対象領域に存在する物体までの距離、当該物体の性質等を検知する。
また、センサ100は、例えば、道路の路肩等に設置され、道路上を走行している車両等の移動体を検知するものとする。以下の説明において、「物体」というとき、「道路上を走行している車両等の移動体」を想定している。
センサ100が検知した物体に関する情報は、点群データとして検知部200に出力される。検知部200は点群データに基づき、物体検知情報を生成する。
また、以下の実施の形態1では、一例として、センサ100が検知した物体に関する物体検知情報の物体状態情報は、物体の位置、物体のサイズ、物体の方位、および、物体の種別の、4つの状態関連項目の情報を含むものとする。
補正装置300は、検知部200から得た物体検知情報に含まれている4つの状態関連項目の情報のうち、信頼性が低い値が収録されていると判定した補正対象状態関連項目の情報を、補正用情報または物体検知情報の履歴で補正し、補正後の物体検知情報を、物体情報として生成する。
以下の実施の形態1では、一例として、4つの状態関連項目(物体の位置、物体のサイズ、物体の方位、物体の種別)うち、物体の方位が、補正対象状態関連項目であるとする。
【0014】
補正装置300は、生成した物体情報を、出力する。
例えば、補正装置300は、生成した物体情報を、車両に搭載されている運転制御装置(図示省略)およびナビゲーション装置(図示省略)に出力する。車両は、自動運転機能を有する車両(以下「自動運転車両」という。)を想定している。自動運転車両の運転制御装置は、周辺認知センサ等を搭載していない場合であっても、物体情報と地図情報に基づいて、物体(例えば、自動運転車両の走行を妨げる障害物)を認識し、障害物が存在しているエリアを追い越すよう運転制御することができる。
例えば、ナビゲーション装置は、物体情報に基づく障害物を、地図上に重畳させて、ナビゲーション装置が備えている表示装置(図示省略)に表示してもよい。自動運転車両の乗員は、表示装置を見れば、障害物を認識できる。
【0015】
ここで、仮に、補正装置300が物体検知情報を、補正することなく自動運転車両に出力したとする。このとき、例えば、センサ100が障害物の方位を明らかに実際とは異なる方位に検知していた、または、センサ100が障害物のサイズを実際よりも明らかに巨大なサイズと検知していた、とする。
そうすると、自動運転車両において、運転制御装置は、物体検知情報に基づき、明らかに誤った方位または明らかに巨大なサイズの障害物が存在しているエリアを追い越すよう、自動運転車両を制御することになる。その結果、自動運転車両は、実際に障害物が存在しているエリアの追い越しができないおそれがあるという不具合が生じる。
また、例えば、ナビゲーション装置は、物体検知情報に基づき、障害物を、明らかに誤った方位または明らかに巨大なサイズで、地図上に重畳表示することになる。地図上に重畳されている障害物の方位またはサイズが明らかに誤っている場合、運転者は、障害物の方位またはサイズを誤認識するおそれがあるという不具合が生じる。
【0016】
これに対し、実施の形態1では、補正装置300が、物体検知情報を補正した物体情報を出力する。運転制御装置は、補正装置300から出力された物体情報と地図情報に基づいて障害物を認識し、障害物が存在しているエリアを追い越すよう、自動運転車両を制御できる。ナビゲーション装置は、補正装置300から出力された物体情報と地図情報に基づいて、障害物を重畳表示させた地図を表示させる。その結果、上述したような不具合が生じることなく、自動運転車両は、障害物が存在しているエリアを追い越すことができる。また、自動運転車両の運転者は、障害物を実際の方位または大きさで認識することができる。
【0017】
図1に示すように、補正装置300は、物体検知情報取得部301、検知結果保持部302、補正用情報取得部303、補正用情報保持部304、補正部305、および、物体情報出力部306を備える。
【0018】
物体検知情報取得部301は、検知部200から物体検知情報を取得する。
物体検知情報取得部301は、取得した物体検知情報を、補正部305に出力するとともに、検知結果保持部302に記憶させる。
物体検知情報取得部301は、物体検知情報を、当該物体検知情報の取得日時および識別子と対応付けて、検知結果保持部302に記憶させる。
【0019】
検知結果保持部302は、物体検知情報取得部301が取得した物体検知情報を履歴として記憶する。
検知結果保持部302は、物体検知情報を、予め設定された条件(以下「履歴保持条件」という。)に従って、記憶する。履歴保持条件には、例えば、管理者等によって、所定の時間または所定の件数が設定されている。検知結果保持部302は、履歴保持条件に従い、例えば、所定の時間分の物体検知情報、または、所定の件数分の物体検知情報を、記憶する。
なお、図1では、検知結果保持部302は、補正装置300に備えられているが、これは一例に過ぎない。検知結果保持部302は、補正装置300の外部の、補正装置300が参照可能な場所に備えられてもよい。
【0020】
補正用情報取得部303は、補正用情報保持部304で保持されている情報(以下「補正用情報生成用情報」という。)から、補正用情報を取得する。
補正用情報は、物体検知情報を補正するための情報である。より詳細には、補正用情報は、物体検知情報の物体状態情報に含まれている状態関連項目の情報のうち、補正対象状態関連項目を補正するための情報である。実施の形態1では、一例として、補正対象状態関連項目は物体の方位としているので、補正用情報は、物体の方位を補正するための情報である。
補正用情報は、例えば、補正対象状態関連項目の情報を直接置き換え可能な絶対値を示す情報であってもよいし、補正対象状態関連項目の情報に対する相対値を示す情報であってもよい。また、補正用情報は、例えば、補正対象状態関連項目の情報をキーとし、当該キーに補正対象状態関連項目の情報と置き換えるべき変数が対応付けられた辞書型配列の情報であってもよい。
【0021】
補正用情報保持部304が保持している補正用情報生成用情報は、例えば、地図情報である。
例えば、補正用情報取得部303は、補正用情報保持部304が保持している補正用情報生成用情報と物体検知情報とに基づき補正用情報を生成することで、補正用情報を取得する。補正用情報取得部303は、物体検知情報を、物体検知情報取得部301から取得すればよい。なお、図1において、物体検知情報取得部301から補正用情報取得部303への矢印の図示は省略している。
具体例を挙げると、物体検知情報には、物体の位置の情報が含まれている。補正用情報取得部303は、補正用情報保持部304が保持している地図情報を参照し、物体検知情報における物体の位置に対応する道路形状を判定する。地図情報は、道路形状の情報を含んでいる。補正用情報取得部303は、地図情報と、物体の位置に対応する道路形状とに基づき、物体の方位を推測する。そして、補正用情報取得部303は、推測した物体の方位に関する情報を生成し、これを補正用情報として取得する。
なお、これは一例に過ぎず、例えば、補正用情報保持部304には補正用情報として使用できる情報が保持されており、補正用情報取得部303は、補正用情報保持部304が保持している情報を補正用情報として取得してもよい。
例えば、補正装置300の開発者または使用者等は、対象領域に関する地理状況またはセンサ100が検知する対象となる物体(ここでは車両)の特徴等に基づき、予め補正用情報を生成し、補正用情報保持部304に記憶させておく。例えば、対象領域が工場地帯であれば、センサ100が検知する車両のほとんどがトラックであるという特徴がある。補正装置300の開発者または使用者等は、工場地帯であること、また、車両のほとんどがトラックであることを考慮し、補正用情報を生成しておく。
【0022】
補正用情報取得部303は、取得した補正用情報を、補正部305に出力する。
【0023】
補正用情報保持部304は、補正用情報として使用できる情報、または、補正用情報生成用情報(例えば、地図情報)を記憶する。
なお、図1では、補正用情報保持部304は、補正装置300に備えられているが、これは一例に過ぎない。補正用情報保持部304は、補正装置300の外部の、補正装置300が参照可能な場所に備えられてもよい。
【0024】
また、補正用情報保持部304が補正用情報を保持している場合、補正用情報保持部304が保持している補正用情報には、補正対象状態関連項目以外の状態関連項目の情報を補正するための情報が含まれていてもよい。補正用情報は、補正対象状態関連項目の情報を補正するための情報を含んでいればよい。
すなわち、実施の形態1では、補正用情報は、少なくとも物体の方位を補正するための情報を含んでいればよい。
補正用情報保持部304が保持している補正用情報に補正対象状態関連項目を補正するための情報以外の情報が含まれている場合、補正用情報取得部303は、補正用情報保持部304が保持している補正用情報から補正対象状態関連項目の情報を補正するための情報を抽出し、これを補正用情報として取得する。
【0025】
補正部305は、物体検知情報取得部301が取得した物体検知情報と補正用情報取得部303が取得した補正用情報と物体検知情報取得部301が取得した物体検知情報の履歴、言い換えれば、検知結果保持部302に記憶されている物体検知情報の履歴とに基づき、物体検知情報に含まれている状態関連項目の情報を補正して、物体情報を生成する。
実施の形態1では、補正部305は、物体検知情報と補正用情報と物体検知情報の履歴とに基づき、物体検知情報に含まれている物体の方位の情報を補正して、物体情報を生成する。
【0026】
ここで、図2は、実施の形態1に係る補正装置300が備える補正部305の詳細な構成例を示す図である。
補正部305は、信頼度算出部3051、信頼度比較部3052、および、物体情報生成部3053を備える。
【0027】
信頼度算出部3051は、物体検知情報取得部301が取得した物体検知情報に含まれている状態関連項目の情報の信頼度(以下「第1信頼度」という。)と、補正用情報の信頼度(以下「第2信頼度」という。)と、物体検知情報の履歴に含まれている状態関連項目の情報の信頼度(以下「第3信頼度」という。)を算出する。第1信頼度、第2信頼度、および、第3信頼度は、例えば、「0.0」~「1.0」までの値であらわされる。
より詳細には、信頼度算出部3051は、物体検知情報に含まれている補正対象状態関連項目の情報の第1信頼度と、補正用情報で示されている補正対象状態関連項目の情報の第2信頼度と、物体検知情報の履歴に含まれている補正対象状態関連項目の情報の第3信頼度を、算出する。実施の形態1では、信頼度算出部3051は、物体検知情報に含まれている物体の方位、言い換えれば、センサ100が検知した物体の方位の情報の第1信頼度と、物体の方位を補正するため情報の第2信頼度と、物体検知情報に含まれている物体の方位、言い換えれば、センサ100が検知した物体の方位の情報の履歴の第3信頼度を、算出する。
実施の形態1において、信頼度算出部3051が行う、第1信頼度、第2信頼度、および、第3信頼度を算出する処理を「信頼度算出処理」ともいう。
【0028】
信頼度算出部3051は、物体検知情報の補正対象状態関連項目の情報、補正用情報の、補正対象状態関連項目の情報に対応する情報、または、物体検知情報の履歴の補正対象状態関連項目の情報で示される値が、真値に対して近いと推測できるほど、第1信頼度、第2信頼度、または、第3信頼度について、それぞれ高い値を算出する。
信頼度算出部3051は、物体検知情報の履歴を、検知結果保持部302から取得すればよい。その際、信頼度算出部3051は、物体検知情報取得部301が取得した物体検知情報に付与されている識別子と検知結果保持部302に記憶されている物体検知情報に付与されている識別子とをつき合わせ、マッチした物体検知情報を、検知結果保持部302から取得する。
【0029】
ここで、信頼度算出部3051による、第1信頼度、第2信頼度、および、第3信頼度の算出方法について説明する。
まず、信頼度算出部3051による、第2信頼度の算出方法について一例を挙げて説明する。
実施の形態1において、信頼度算出部3051が第2信頼度をどのような値として算出するかは、予め決められている。第2信頼度は、例えば、予め、補正装置300の開発者または使用者等が補正用情報を生成した際に、当該補正用情報において、補正対象状態関連項目に対応する情報と対応付けておく。例えば、補正装置300の開発者または使用者等は、物体の方位がほぼ「南」であるとわかっていれば、補正用情報における方位の情報に「南」を示す情報を設定しておくとともに、当該「南」を示す情報に第2信頼度「0.8」を対応付けておく。信頼度算出部3051は、補正用情報から、「0.8」を、第2信頼度として算出した値とする。例えば、信頼度算出部3051が、予め、補正装置300の開発者または使用者等によって決定された補正対象状態関連項目ごとの第2信頼度を、信頼度算出部3051のバッファ等に記憶しておいてもよい。この場合、信頼度算出部3051は、予め記憶されている第2信頼度を、バッファ等から抽出すればよい。
例えば、予め、補正装置300の開発者または使用者等によって、第2信頼度を算出するための条件が設定され、信頼度算出部3051のバッファに記憶されているようにしてもよい。この場合、信頼度算出部3051は、予め設定された条件に従って、第2信頼度を算出すればよい。
【0030】
上述のとおり、信頼度算出部3051は、第2信頼度を、予め、補正装置300の開発者または使用者等が決定した値となるよう算出する。当該第2信頼度は、確からしさに応じて、言い換えれば、真値に対して近いと推測できるほど、大きい値になるよう、決定されている。
【0031】
次に、信頼度算出部3051による、第1信頼度の算出方法について一例を挙げて説明する。
第1信頼度についても、信頼度算出部3051は、補正対象状態関連項目の情報が確からしいほど大きい値になるよう算出する。例えば、センサ100は、検知する物体までの距離が近いほど、当該物体の特徴を正確に捉えることができると想定される。言い換えれば、センサ100から検知する物体までの距離が近いほど、センサ100によって検知された物体の特徴は、真値に近いと想定される。センサ100から物体までの距離が遠いほど、検知した情報には誤差またはノイズが生じる傾向にあるためである。そこで、信頼度算出部3051は、例えば、センサ100と物体との距離が近いほど、第1信頼度が大きい値になるよう、当該第1信頼度を算出する。なお、物体検知情報には物体の位置の情報を含む物体状態情報と、センサ100の設置位置を示す環境情報とが含まれているので、信頼度算出部3051は、物体検知情報に基づけば、センサ100と物体との距離を算出できる。
【0032】
信頼度算出部3051が、センサ100と物体との距離がどれぐらいである場合に、第1信頼度をどれぐらいの値として算出するかの条件は、予め、補正装置300の開発者または使用者等によって決定され、信頼度算出部3051のバッファ等に記憶されている。補正装置300の開発者または使用者等は、第2信頼度の決定条件を考慮しながら、第1信頼度を算出するための条件を決定する。
詳細には、補正装置300の開発者または使用者等は、物体検知情報に含まれている補正対象状態関連項目の情報、ここでは、物体の方位の情報について、補正すべきと想定されるときに当該物体の方位の情報が補正用情報で補正されることになるよう、第1信頼度を算出するための条件を決定する。具体的には、補正装置300の開発者または使用者等は、物体検知情報に含まれている補正対象状態関連項目の情報が補正されるべきと想定されるときに、第1信頼度が第2信頼度よりも大きく算出されるよう、第1信頼度を算出するための条件を決定する。物体検知情報に含まれている補正対象状態関連項目の情報が補正されるべきと想定されるときとは、例えば、センサ100から物体までの距離が近い(例えば、予め設定された距離よりも近い)ときである。
【0033】
したがって、実施の形態1において、第2信頼度とは、補正用情報における補正対象状態関連項目の情報に対応する情報自体が信頼できるかを示す値というものではなく、物体検知情報に含まれている補正対象状態関連項目の情報について補正を行うか否かの重み付けをコントロールするために用いられる値といえる。
【0034】
次に、信頼度算出部3051による、第3信頼度の算出方法について一例を挙げて説明する。
信頼度算出部3051は、例えば、物体検知情報の履歴に含まれる補正対象状態関連項目の情報に対応付けられている信頼度(第1信頼度)が予め設定された閾値(以下「第1信頼度判定用閾値」という。)以上である場合、第1信頼度判定用閾値以上の信頼度が対応付けられている物体検知情報の履歴の補正対象状態関連項目の情報に対応する第3信頼度を高く算出する。なお、信頼度算出部3051は、第1信頼度を算出した際に、検知結果保持部302に記憶されている物体検知情報における当該第1信頼度に対応する補正対象状態関連項目の情報に、算出した第1信頼度を対応付けて記憶させておくようにする。信頼度算出部3051は、物体検知情報に付与されている識別子と物体検知情報の取得日時に基づけば、第1信頼度に対応する補正対象状態関連項目の情報を特定できる。
例えば、信頼度算出部3051は、履歴に含まれる複数の物体検知情報、に含まれている補正対象状態関連項目の情報に対応付けられている第1信頼度のうち、最も大きい値を抽出する。そして、信頼度算出部3051は、抽出した第1信頼度と第1信頼度判定用閾値とを比較して、第3信頼度を算出する。
例えば、信頼度算出部3051は、履歴に含まれる複数の物体検知情報に含まれている補正対象状態関連項目の情報に対応付けられている第1信頼度の平均値と、第1信頼度判定用閾値とを比較して、第3信頼度を算出してもよい。
【0035】
なお、信頼度算出部3051は、補正対象状態関連項目が複数存在する場合、補正対象状態関連項目の情報ごとに、第1信頼度および第3信頼度を算出する。また、信頼度算出部3051は、補正用情報に含まれている、補正対象状態関連項目の情報に対応する情報ごとに、第2信頼度を算出する。
【0036】
信頼度算出部3051は、第1信頼度に関する情報(以下「第1信頼度情報」という。)と、第2信頼度に関する情報(以下「第2信頼度情報」という。)と、第3信頼度に関する情報(以下「第3信頼度情報」という。)を、信頼度比較部3052に出力する。
第1信頼度情報は、物体検知情報の補正対象状態関連項目の情報と第1信頼度とが対応付けられた情報である。補正対象状態関連項目が複数ある場合、補正対象状態関連項目ごとに、当該補正対象状態関連項目の情報と対応する第1信頼度とが対応付けられている。
第2信頼度情報は、補正用情報の、補正対象状態関連項目の情報に対応する情報と第2信頼度とが対応付けられた情報である。補正対象状態関連項目に対応する情報が複数ある場合、補正対象状態関連項目に対応する情報ごとに、当該補正対象状態関連項目に対応する情報と、対応する第2信頼度とが対応付けられている。
第3信頼度情報は、物体検知情報の履歴の補正対象状態関連項目の情報と第3信頼度とが対応付けられた情報である。
なお、信頼度算出部3051は、第1信頼度情報、第2信頼度情報、および、第3信頼度情報とともに、物体検知情報取得部301から出力された物体検知情報と、補正用情報取得部303から取得した補正用情報と、検知結果保持部302から取得した物体検知情報の履歴を、信頼度比較部3052に出力する。
【0037】
信頼度比較部3052は、信頼度算出部3051が算出した第1信頼度と第2信頼度と第3信頼度とを比較して、物体検知情報取得部301が取得した物体検知情報に含まれている状態関連項目、より詳細には、補正対象状態関連項目の情報を、補正用情報または物体検知情報の履歴に含まれている状態関連項目、より詳細には、補正対象状態関連項目の情報で補正すべきか否かを判定する。
実施の形態1において、信頼度比較部3052が行う、第1信頼度と第2信頼度と第3信頼度とを比較して、物体検知情報に含まれている状態関連項目の情報を、補正用情報または物体検知情報の履歴に含まれている状態関連項目の情報で補正すべきか否かを判定する処理を、「信頼度比較処理」ともいう。
【0038】
例えば、信頼度比較部3052は、第1信頼度と第2信頼度と第3信頼度とを比較した結果、第1信頼度よりも第2信頼度または第3信頼度のほうが高い場合、物体検知情報に含まれている補正対象状態関連項目の情報を補正すべきと判定する。
信頼度比較部3052は、第1信頼度と第2信頼度と第3信頼度のうち、最も高い信頼度の算出元となった情報を選択する。
例えば、第2信頼度が最も高かった場合、信頼度比較部3052は、補正用情報において、当該第2信頼度の算出元となった、補正対象状態関連項目の情報に対応する情報を、選択する。実施の形態1では、補正対象状態関連項目は物体の方位としているので、例えば、第2信頼度が最も高かった場合、信頼度比較部3052は、補正用情報において、第2信頼度の算出元となった、物体の方位に対応する情報を、選択する。
例えば、第3信頼度が最も高かった場合、信頼度比較部3052、物体検知情報の履歴の補正対象状態関連項目の情報を、選択する。実施の形態1では、補正対象状態関連項目は物体の方位としているので、信頼度比較部3052は、物体検知情報の履歴において、第3信頼度の算出元となった、物体の方位を示す情報を、選択する。
【0039】
例えば、信頼度比較部3052は、予め設定された条件(以下「補正要否判定用条件」という。)を満たす場合、物体検知情報に含まれている補正対象状態関連項目の情報を補正すべきと判定する。ここでは、信頼度比較部3052は、補正要否判定用条件を満たす場合、物体検知情報に含まれている物体の方位の情報を補正すべきと判定する。
補正要否判定用条件には、例えば、以下のような条件が設定されている。
・第1信頼度が予め設定された閾値(以下「信頼度判定用閾値」という。)未満であり、かつ、第2信頼度または第3信頼度が信頼度判定用閾値以上であること

補正要否判定用条件は、予め、補正装置300の開発者または使用者等によって設定され、補正装置300が参照可能な場所に記憶されている。
信頼度比較部3052は、信頼度判定用閾値以上である信頼度(第2信頼度または第3信頼度)の算出元となった情報を選択する。
例えば、第2信頼度のみが信頼度判定用閾値以上であったとすると、信頼度比較部3052は、補正用情報において、第2信頼度の算出元となった、物体の方位を補正するための情報を、選択する。
【0040】
信頼度比較部3052は、選択した情報を、それが物体検知情報においてどの補正対象状態関連項目の情報に対応する情報であるかを特定可能な情報と対応付けて、信頼度比較結果として、物体情報生成部3053に出力する。
なお、信頼度比較部3052は、補正対象状態関連項目の情報の補正は不要であると判定した場合は、その旨を示す情報を、信頼度比較結果として、物体情報生成部3053に出力する。
【0041】
物体情報生成部3053は、信頼度比較部3052による、物体検知情報取得部301が取得した物体検知情報に含まれている状態関連項目、より詳細には、補正対象状態関連項目の情報を、補正用情報または物体検知情報の履歴に含まれている状態関連項目、より詳細には、補正対象状態関連項目の情報で補正すべきか否かの判定結果に基づき、物体検知情報に含まれている状態関連項目、より詳細には、補正対象状態関連項目の情報を、補正用情報、または、物体検知情報の履歴に含まれている状態関連項目、より詳細には、補正対象状態関連項目の情報、に基づいて補正して、物体情報を生成する。
【0042】
具体的には、物体情報生成部3053は、物体検知情報取得部301が取得した物体検知情報に含まれている補正対象状態関連項目の情報について、信頼度比較部3052から、当該信頼度比較部3052が選択した情報が出力された場合、当該信頼度比較部3052から出力された情報で書き換える補正を行う。
実施の形態1では、物体情報生成部3053は、例えば、信頼度比較部3052が、第2信頼度の算出元となった、物体の方位に対応する情報を選択した場合、物体検知情報取得部301が取得した物体検知情報に含まれている物体の方位の情報について、第2信頼度の算出元となった、物体の方位に対応する情報、すなわち、補正用情報における、物体の方位に対応する情報で、書き換える補正を行う。物体情報生成部3053は、例えば、信頼度比較部3052が、第3信頼度の算出元となった、物体の方位の情報を選択した場合、物体検知情報取得部301が取得した物体検知情報に含まれている物体の方位の情報について、第3信頼度の算出元となった、物体の方位の情報、すなわち、物体検知情報の履歴における、物体の方位の情報で、書き換える補正を行う。
物体情報生成部3053は、補正後の物体検知情報を、物体情報とする。
【0043】
なお、物体情報生成部3053は、例えば、信頼度比較部3052から、ある補正対象状態関連項目の情報に対応する情報として、選択された情報が複数出力された場合、複数の選択された情報で示されている値の平均値をとる等、複数の選択された情報で示されている値同士から変換した値で、物体検知情報に含まれている補正対象状態関連項目の情報を書き換える。
【0044】
例えば、物体情報生成部3053は、物体検知情報における補正対象状態関連項目の情報を書き換える際、補正用情報における、補正対象状態関連項目に対応する情報、または、物体検知情報の履歴における補正対象状態関連項目に対応する情報の、そのままの値で書き換えるのではなく、物体検知情報との中間値で書き換える等、何等かの計算処理を行ってもよい。
例えば、物体検知情報における補正対象状態関連項目に対応する情報と、補正用情報における、補正対象状態関連項目に対応する情報との中間値等の計算処理は、補正用情報取得部303が補正用情報を生成する際に行うようにしてもよい。補正用情報取得部303は、上記計算処理を行って中間値等を算出し、算出した中間値等を含む補正用情報を生成することで補正用情報を取得する。
【0045】
物体情報生成部3053は、生成した物体情報を、物体情報出力部306に出力する。
【0046】
物体情報出力部306は、物体情報生成部3053が生成した物体情報を、外部の装置に出力する。
物体情報出力部306による物体情報の出力先となる外部の装置は、上述したように、例えば、自動運転車両に搭載されている運転制御装置またはナビゲーション装置である。外部の装置は、例えば、管理室等にて対象領域を監視しているPC等の管理装置(図示省略)が備える表示装置であってもよい。
【0047】
図3は、実施の形態1に係る補正装置300において、各構成部間で受け渡しされる情報の流れについて示す図である。
なお、便宜上、補正部305において、信頼度算出部3051から信頼度比較部3052に出力される物体検知情報、補正用情報、および、物体検知情報の履歴と、信頼度比較部3052から物体情報生成部3053に出力される物体検知情報、補正用情報、および、物体検知情報の履歴の図示は省略している。
【0048】
実施の形態1に係る補正装置300の動作について説明する。
図4は、実施の形態1に係る補正装置300の動作について説明するためのフローチャートである。
【0049】
物体検知情報取得部301は、検知部200から物体検知情報を取得する(ステップST1)。
物体検知情報取得部301は、ステップST1にて取得した物体検知情報を、補正部305に出力するとともに、検知結果保持部302に記憶させる。
【0050】
補正用情報取得部303は、補正用情報を取得する(ステップST2)。
補正用情報取得部303は、取得した補正用情報を、補正部305に出力する。
【0051】
補正部305は、ステップST1にて物体検知情報取得部301が取得した物体検知情報とステップST2にて補正用情報取得部303が取得した補正用情報と物体検知情報取得部301が取得した物体検知情報の履歴、言い換えれば、検知結果保持部302に記憶されている物体検知情報の履歴とに基づき、物体検知情報に含まれている状態関連項目の情報を補正して、物体情報を生成する(ステップST3)。
【0052】
物体情報出力部306は、ステップST3にて補正部305が生成した物体情報を出力する(ステップST4)。
【0053】
図5は、図4のステップST3の処理の詳細について説明するためのフローチャートである。
【0054】
信頼度算出部3051は、第1信頼度と第2信頼度と第3信頼度を算出する信頼度算出処理を実施する(ステップST11)。
信頼度算出部3051は、第1信頼度情報と第2信頼度情報と第3信頼度情報を、信頼度比較部3052に出力する。
なお、信頼度算出部3051は、第1信頼度情報、第2信頼度情報、および、第3信頼度情報とともに、物体検知情報取得部301から出力された物体検知情報と、補正用情報取得部303から取得した補正用情報と、検知結果保持部302から取得した物体検知情報の履歴を、信頼度比較部3052に出力する。
【0055】
信頼度比較部3052は、ステップST11にて信頼度算出部3051が算出した第1信頼度と第2信頼度と第3信頼度とを比較して、物体検知情報取得部301が取得した物体検知情報に含まれている状態関連項目、より詳細には、補正対象状態関連項目の情報を、補正用情報または物体検知情報の履歴に含まれている状態関連項目、より詳細には、補正対象状態関連項目、の情報で補正すべきか否かを判定する信頼度比較処理を実施する(ステップST12)。
【0056】
信頼度比較部3052は、信頼度比較処理にて選択した情報を、それが物体検知情報においてどの補正対象状態関連項目の情報に対応する情報であるかを特定可能な情報と対応付けて、信頼度比較結果として、物体情報生成部3053に出力する。
【0057】
物体情報生成部3053は、信頼度比較部3052による、物体検知情報取得部301が取得した物体検知情報に含まれている状態関連項目、より詳細には、補正対象状態関連項目の情報を、補正用情報または物体検知情報の履歴に含まれている状態関連項目、より詳細には、補正対象状態関連項目、の情報、で補正すべきか否かの判定結果に基づき、物体検知情報に含まれている状態関連項目、より詳細には、補正対象状態関連項目の情報を、補正用情報、または、物体検知情報の履歴に含まれている状態関連項目、より詳細には、補正対象状態関連項目、の情報に基づいて補正して、物体情報を生成する(ステップST13)。
物体情報生成部3053は、生成した物体情報を、物体情報出力部306に出力する。
【0058】
図4のフローチャートを用いて説明したような補正装置300の動作について、具体的な適用シーンの一例を挙げて説明する。
図6は、図4のフローチャートを用いて説明したような補正装置300の動作について、補正装置300が上記シーンで適用された場合の、補正装置300の動作の一例について説明するための図である。
なお、ここまでの実施の形態1では、一例として、センサ100が検知した物体に関する物体検知情報の物体状態情報は、物体の位置、物体のサイズ、物体の方位、および、物体の種別の、4つの状態関連項目の情報を含むものとし、このうち、物体の方位を、補正対象状態関連項目としていたが、以下の適用シーンの一例の説明では、物体のサイズを補正対象状態関連項目とする。物体のサイズも、補正対象状態関連項目となり得る。
補正装置300は、物体を検知するセンサ100が種々の場面で検知した種々の物体に関する物体検知情報について、当該物体検知情報に含まれている、そのときによって変わることのない不変な種々の情報、すなわち、補正対象状態関連項目となり得る種々の情報、を補正し、物体情報を生成することができる。
【0059】
図6において、車両(図6にてA、B、またはCで示されている)は、道路(図6にて1000で示されている)上を走行しているものとする。図6にてAで示されている車両の位置は時刻T1における位置であり、図6にてBで示されている車両の位置は時刻T2における位置であり、図6にてCで示されている車両の位置は時刻T3における位置である。説明の簡単のため、図6では、時刻T1における車両と時刻T2における車両と時刻T3における車両をあわせて示しているが、車両は、時系例で時刻T1における位置→時刻T2における位置→時刻T3における位置へと移動するものとする。つまり、わかりやすさのため、図6に示す車両を「A」、「B」、「C」で区別しているが、「A」で示されている車両と「B」で示されている車両と「C」で示されている車両は同一の車両である。
センサ100は路肩に設けられており、車両を検知し、検知部200は、センサ100が検知した車両に関する物体検知情報を生成して、補正装置300(図6では図示省略)に出力する。
【0060】
センサ100は、時刻T1において、車両(図6にてAで示されている)の位置を、図6にて「a1」で示されている位置と検知し、当該車両のサイズを図6にて「a2」で示されているサイズと検知したとする。
また、センサ100は、時刻T2において、車両(図6にてBで示されている)の位置を、図6にて「b1」で示されている位置と検知し、当該車両のサイズを図6にて「b2」で示されているサイズと検知したとする。
また、センサ100は、時刻T3において、車両(図6にてCで示されている)の位置を、図6にて「c1」で示されている位置と検知し、当該車両のサイズを図6にて「c2」で示されているサイズと検知したとする。
なお、ここでは、車両の位置は、車両の中心位置であらわされるものとする。
【0061】
図6に示すように、「B」で示されている車両は、センサ100にじゅうぶん近く、センサ100は、当該「B」で示されている車両の実際のサイズから大きく乖離することなく、当該「B」で示されている車両のサイズを検知できている。
【0062】
例えば、時刻T1の時点では、車両はセンサ100から遠い位置にあり、センサ100から車両までの距離は、予め設定された距離よりも遠いとする。
この場合、補正装置300において、補正部305の信頼度算出部3051が算出する、物体のサイズに対応する第1信頼度は、物体のサイズに対応する第2信頼度よりも低くなる。なお、時刻T1の時点では物体検知情報の履歴がないため、信頼度算出部3051は第3信頼度を算出しない。このように、信頼度算出部3051は、物体検知情報取得部301が取得した物体検知情報の履歴が検知結果保持部302に記憶されていない場合、第3信頼度を算出しない。
補正部305の信頼度比較部3052は、物体検知情報に含まれている車両のサイズの情報を、補正用情報に含まれている、車両のサイズに対応する、車両のサイズを補正するための情報に基づいて補正する必要があると判定し、車両のサイズを補正するための情報を選択する。信頼度比較部3052は、選択した、車両のサイズを補正するための情報を、物体検知情報において車両のサイズに対応する情報であることを特定可能な情報と対応付けて、信頼度比較結果として、補正部305の物体情報生成部3053に出力する。
物体情報生成部3053は、物体検知情報取得部301が取得した物体検知情報について、当該物体検知情報に含まれている車両のサイズを示す情報を、補正用情報に含まれている車両のサイズを補正するための情報に基づいて補正し、補正後の物体検知情報を、物体情報とする。
【0063】
例えば、時刻T2の時点になると、車両はセンサ100に近づき、センサ100から車両までの距離は、予め設定された距離よりも近くなる。その結果、センサ100は、じゅうぶん高精度に車両を検知できていると想定される。
この場合、補正装置300において、信頼度算出部3051が算出する、物体のサイズに対応する第1信頼度は、物体のサイズに対応する第2信頼度および第3信頼度よりも高くなる。
信頼度比較部3052は、物体検知情報に含まれている車両のサイズの情報を補正する必要はないと判定し、その旨を示す情報を、信頼度比較結果として、物体情報生成部3053に出力する。
物体情報生成部3053は、物体検知情報取得部301が取得した物体検知情報の内容を補正せず、当該物体検知情報を、物体情報とする。
【0064】
例えば、時刻T3の時点では、再び、車両はセンサ100から遠い位置にあるようになり、センサ100から車両までの距離は、予め設定された距離よりも遠くなる。
一方で、時刻T2時点で検知結果保持部302に記憶された物体検知情報は、センサ100と車両とがじゅうぶんに近い場合にあり、センサ100がじゅうぶん高精度に車両を検知できていた物体検知情報である。
この場合、補正装置300において、信頼度算出部3051が算出する、物体のサイズに対応する第3信頼度は、物体のサイズに対応する第1信頼度および第2信頼度よりも高くなる。
信頼度比較部3052は、物体検知情報に含まれている車両のサイズの情報を、物体検知情報の履歴に含まれている車両のサイズの情報に基づいて補正する必要があると判定し、物体検知情報の履歴に含まれている車両のサイズの情報、より詳細には、時刻T2に取得された物体検知情報に含まれている車両のサイズの情報を選択する。信頼度比較部3052は、選択した、車両のサイズの情報を、物体検知情報において車両のサイズに対応する情報であることを特定可能な情報と対応付けて、信頼度比較結果として、補正部305の物体情報生成部3053に出力する。
物体情報生成部3053は、物体検知情報取得部301が取得した物体検知情報について、当該物体検知情報に含まれている車両のサイズを示す情報を、時刻T2に取得された物体検知情報に含まれている車両のサイズの情報に基づいて補正し、補正後の物体検知情報を、物体情報とする。
【0065】
このように、補正装置300は、対象領域においてセンサ100が検知した物体に関する物体検知情報であって、物体の状態に関連する状態関連項目の情報を含む物体検知情報、を取得し、取得した物体検知情報と状態関連項目の情報を補正するための補正用情報と物体検知情報の履歴とに基づき、物体検知情報に含まれている状態関連項目の情報を補正して、補正後の物体検知情報である物体情報を生成する。
そのため、補正装置300は、センサ100が物体を検知することで得られた物体検知情報について、種々の機能を果たす技術において利用するのにじゅうぶんな信頼度を有する情報に補正することができる。
【0066】
上述したように、例えば、センサ100の設置間隔が疎である場合、または、センサ100から物体までの距離が遠い場合、センサ100が物体を検知することで得られた物体検知情報の精度は低く、当該物体検知情報から認識できる物体の信頼度が低い可能性がある。
例えば、LiDARが物体を検知することで得られた物体検知情報において、遠方にある物体は少ない点群であらわされる。また、例えば、カメラが物体を検知することで得られた物体検知情報において、遠方にある物体は少ない画素数であらわされる。その結果、物体検知情報に基づいて物体を認識することが困難である可能性がある。すなわち、物体検知情報は精度の低い情報である可能性がある。
【0067】
これに対し、実施の形態1に係る補正装置300は、上述のとおり、取得した物体検知情報と状態関連項目の情報を補正するための補正用情報と物体検知情報の履歴とに基づき、物体検知情報に含まれている状態関連項目の情報を補正して、補正後の物体検知情報である物体情報を生成する。
そのため、補正装置300は、センサ100が物体を検知することで得られた物体検知情報について、種々の機能を果たす技術において利用するのにじゅうぶんな信頼度を有する情報に補正することができる。
【0068】
なお、以上の実施の形態1では、補正装置300は、検知部200から取得した物体検知情報の履歴を記憶しておき、物体検知情報の履歴も用いて、検知部200から取得した物体検知情報を補正するようにしていた。
しかし、これは一例に過ぎず、補正装置300は、検知部200から取得した物体検知情報を補正する際に、物体検知情報の履歴を用いることを必須としない。
例えば、補正装置300は、物体検知情報の履歴が存在しない場合には、当該履歴を用いず、検知部200から取得した物体検知情報を補正すればよいし、補正装置300は、物体検知情報の履歴を記憶する機能を有していない構成としてもよい。この場合、補正装置300は、検知結果保持部302を備えることを必須としない。
すなわち、補正装置300は、物体検知情報を取得し、取得した物体検知情報と状態関連項目の情報を補正するための補正用情報とに基づき、物体検知情報に含まれている状態関連項目の情報を補正して、補正後の物体検知情報である物体情報を生成する構成としてもよい。
このように構成しても、補正装置300は、センサ100が物体を検知することで得られた物体検知情報について、種々の機能を果たす技術において利用するのにじゅうぶんな信頼度を有する情報に補正することができる。
【0069】
また、以上の実施の形態1において、補正用情報保持部304が補正用情報を記憶しており、補正用情報には、補正対象状態関連項目の情報を補正するための情報のみ含まれるものとしてもよい。この場合、補正装置300において、補正部305は、補正用情報保持部304から直接補正用情報を取得すればよく、補正装置300は、補正用情報取得部303を備えない構成としてもよい。
【0070】
また、以上の実施の形態1では、補正装置300はサーバ(図示省略)に搭載されていることを想定していたが、これは一例に過ぎない。
補正装置300は、例えば、センサ100に搭載されていてもよいし、検知部200と補正装置300とが共通の装置に搭載されていてもよい。検知部200は、補正装置300に備えられてもよい。
【0071】
図7Aおよび図7Bは、実施の形態1に係る補正装置300のハードウェア構成の一例を示す図である。
実施の形態1において、物体検知情報取得部301と、補正用情報取得部303と、補正部305と、物体情報出力部306の機能は、処理回路1001により実現される。すなわち、補正装置300は、センサ100が検知した物体に関する物体検知情報を補正する制御を行うための処理回路1001を備える。
処理回路1001は、図7Aに示すように専用のハードウェアであっても、図7Bに示すようにメモリに格納されるプログラムを実行するプロセッサ1004であってもよい。
【0072】
処理回路1001が専用のハードウェアである場合、処理回路1001は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、またはこれらを組み合わせたものが該当する。
【0073】
処理回路がプロセッサ1004の場合、物体検知情報取得部301と、補正用情報取得部303と、補正部305と、物体情報出力部306の機能は、ソフトウェア、ファームウェア、または、ソフトウェアとファームウェアとの組み合わせにより実現される。ソフトウェアまたはファームウェアは、プログラムとして記述され、メモリ1005に記憶される。プロセッサ1004は、メモリ1005に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、物体検知情報取得部301と、補正用情報取得部303と、補正部305と、物体情報出力部306の機能を実行する。すなわち、補正装置300は、プロセッサ1004により実行されるときに、上述の図4のステップST1~ステップST4が結果的に実行されることになるプログラムを格納するためのメモリ1005を備える。また、メモリ1005に記憶されたプログラムは、物体検知情報取得部301と、補正用情報取得部303と、補正部305と、物体情報出力部306の処理の手順または方法をコンピュータに実行させるものであるともいえる。ここで、メモリ1005とは、例えば、RAM、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)等の、不揮発性もしくは揮発性の半導体メモリ、または、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、DVD(Digital Versatile Disc)等が該当する。
【0074】
なお、物体検知情報取得部301と、補正用情報取得部303と、補正部305と、物体情報出力部306の機能について、一部を専用のハードウェアで実現し、一部をソフトウェアまたはファームウェアで実現するようにしてもよい。例えば、物体検知情報取得部301と補正用情報取得部303については専用のハードウェアとしての処理回路1001でその機能を実現し、補正部305と、物体情報出力部306についてはプロセッサ1004がメモリ1005に格納されたプログラムを読み出して実行することによってその機能を実現することが可能である。
また、検知結果保持部302および補正用情報保持部304は、例えばメモリ1005を使用する。なお、これは一例であって、検知結果保持部302および補正用情報保持部304は、HDDまたはSSD(Solid State Drive)等によって構成されてもよい。
また、補正装置300は、センサ100等の装置と、有線通信または無線通信を行う入力インタフェース装置1002および出力インタフェース装置1003を備える。
【0075】
以上のように、実施の形態1によれば、補正装置300は、対象領域においてセンサ100が検知した物体に関する物体検知情報であって、物体の状態に関連する状態関連項目の情報を含む物体検知情報、を取得する物体検知情報取得部301と、物体検知情報取得部301が取得した物体検知情報と状態関連項目の情報を補正するための補正用情報とに基づき、物体検知情報に含まれている状態関連項目の情報を補正して、補正後の物体検知情報である物体情報を生成する補正部305と、補正部305が生成した物体情報を出力する物体情報出力部306とを備えるように構成した。そのため、補正装置300は、センサ100が物体を検知することで得られた物体検知情報について、種々の機能を果たす技術において利用するのにじゅうぶんな信頼度を有する情報に補正することができる。
【0076】
なお、本開示は、実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは実施の形態の任意の構成要素の省略が可能である。
【符号の説明】
【0077】
100 センサ、200 検知部、300 補正装置、301 物体検知情報取得部、302 検知結果保持部、303 補正用情報取得部、304 補正用情報保持部、305 補正部、3051 信頼度算出部、3052 信頼度比較部、3053 物体情報生成部、306 物体情報出力部、30 補正システム、1001 処理回路、1002 入力インタフェース装置、1003 出力インタフェース装置、1004 プロセッサ、1005 メモリ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7