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特開2024-148192非接触給電システム、コンピュータプログラム、受電装置および送電装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024148192
(43)【公開日】2024-10-18
(54)【発明の名称】非接触給電システム、コンピュータプログラム、受電装置および送電装置
(51)【国際特許分類】
   H02J 50/40 20160101AFI20241010BHJP
   H02J 50/12 20160101ALI20241010BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20241010BHJP
   H02J 3/14 20060101ALI20241010BHJP
   H02J 13/00 20060101ALI20241010BHJP
   H02J 50/80 20160101ALI20241010BHJP
   B60M 7/00 20060101ALI20241010BHJP
   B60L 50/60 20190101ALI20241010BHJP
   B60L 58/12 20190101ALI20241010BHJP
   B60L 53/60 20190101ALI20241010BHJP
   B60L 5/00 20060101ALI20241010BHJP
   B60L 53/12 20190101ALI20241010BHJP
【FI】
H02J50/40
H02J50/12
H02J7/00 301D
H02J7/00 P
H02J3/14
H02J13/00 311T
H02J50/80
H02J7/00 X
B60M7/00 X
B60L50/60
B60L58/12
B60L53/60
B60L5/00 B
B60L53/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023061079
(22)【出願日】2023-04-05
(71)【出願人】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中屋敷 侑生
(72)【発明者】
【氏名】谷 恵亮
(72)【発明者】
【氏名】山口 宜久
(72)【発明者】
【氏名】大林 和良
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼橋 将也
(72)【発明者】
【氏名】山田 英俊
(72)【発明者】
【氏名】金▲崎▼ 正樹
【テーマコード(参考)】
5G064
5G066
5G503
5H105
5H125
【Fターム(参考)】
5G064AA04
5G064AB05
5G064AC09
5G064CB08
5G064CB21
5G064DA05
5G064DA11
5G066AE09
5G066KA01
5G066KA11
5G066KB06
5G503AA01
5G503BA04
5G503BB01
5G503CA10
5G503CB09
5G503DA07
5G503DA08
5G503EA05
5G503FA06
5G503GB03
5G503GB06
5G503GB08
5G503GD03
5G503GD04
5G503GD06
5H105BB07
5H105CC02
5H105EE15
5H125AA11
5H125AC12
5H125AC27
5H125BC05
5H125CC06
5H125EE27
5H125FF15
(57)【要約】
【課題】非接触給電システムにおいて、複数の受電装置による給電電力の合計が、送電回路の出力可能電力を上回ることを抑制する。
【解決手段】非接触給電システム1000、1000A、1000Bであって、系統電源PSから電力を供給されて、予め定められた動作周波数の高周波交流電力の供給を実行する送電回路110、110Aと、送電回路に対して互いに並列に接続され、非接触給電可能な複数の送電装置120、120A、120Bと、各送電装置による送電が実行可能である送電エリア内のいずれかに位置するときに、送電装置から非接触で給電を受ける複数の受電装置200と、複数の受電装置から要求される給電電力の合計が出力可能電力を上回らないように、各受電装置を制御する給電電力抑制部400と、を備え、各受電装置は、受電装置側情報を給電電力抑制部に対して送信し、給電電力抑制部は、受電装置側情報を利用して各受電装置を制御する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
非接触給電システム(1000、1000A、1000B)であって、
系統電源(PS)から電力を供給されて、予め定められた動作周波数の高周波交流電力の供給を実行する送電回路(110、110A)と、
前記送電回路に対して互いに並列に接続され、非接触給電可能な複数の送電装置(120、120A、120B)と、
前記各送電装置による送電が実行可能である送電エリア内のいずれかに位置するときに、前記送電装置から非接触で給電を受ける複数の受電装置(200)と、
前記複数の受電装置から要求される給電電力の合計が、前記系統電源および前記送電回路が電力供給を継続可能な電力である出力可能電力を上回らないように、各前記受電装置を制御する給電電力抑制部(400)と、
を備え、
各前記受電装置は、前記受電装置の稼働状況を示す情報である受電装置側情報を前記給電電力抑制部に対して送信し、
前記給電電力抑制部は、前記受電装置側情報を利用して各前記受電装置を制御する、
非接触給電システム。
【請求項2】
請求項1に記載の非接触給電システムであって、
前記複数の送電装置はそれぞれ、1次側コイル(Ls)と1次側コンデンサ(C11、C12、C13)とを有する1次側共振回路(10、10A)を備え、
前記複数の受電装置はそれぞれ、
前記1次側コイルと磁気的に結合する2次側コイル(Lr)と2次側コンデンサ(Cr)とを有する2次側共振回路(240)と、
前記2次側共振回路から出力される交流電力を整流して直流電力に変換する受電回路(230)と、
前記受電回路を制御する受電側制御部(220)と、
前記直流電力が供給される負荷装置(210)と、
を備える、
非接触給電システム。
【請求項3】
請求項1に記載の非接触給電システムであって、
各前記受電装置は、バッテリ(210)を有し、前記受電装置側情報として、該受電装置の位置情報と、該受電装置が前記送電エリア内に位置するか否かを示す情報と、前記バッテリのSOCと、前記バッテリの残存電力量と、現在の給電電力と、現在の消費電力と、のうちの少なくともいずれかひとつを含む情報を前記給電電力抑制部に対して送信し、
前記給電電力抑制部は、前記受電装置側情報を利用して、前記複数の受電装置のうちの少なくとも一部の前記受電装置である通知対象受電装置の各々に対して、
給電を許可することを通知する給電許可通知、または、給電を許可しないことを通知する給電不許可通知を送信することと、
給電可能な電力である許可給電電力を通知する給電電力通知を送信することと、
のうちの少なくともいずれか一方を実行し、
前記通知対象受電装置は、
前記給電許可通知を受信したことを少なくとも含む予め定められた給電条件が満たされた場合には給電を開始または継続し、前記給電不許可通知を受信した場合には給電を待機または停止し、
前記給電電力通知を受信した場合には、通知された前記許可給電電力で給電を行う、
非接触給電システム。
【請求項4】
請求項3に記載の非接触給電システムであって、
前記給電条件は、前記受電装置ごとに予め定められた動作の実行中であるとの条件をさらに含む、
非接触給電システム。
【請求項5】
請求項3または請求項4に記載の非接触給電システムであって、
各前記受電装置は、前記受電装置側情報として、前記バッテリのSOCと、前記バッテリの残存電力量と、現在の消費電力と、のうちの少なくともいずれかひとつを含む情報を前記給電電力抑制部に送信し、
前記給電電力抑制部は、前記受電装置側情報を利用して、複数の前記通知対象受電装置のうち、優先的に給電を許可する前記通知対象受電装置である優先受電装置を決定し、前記優先受電装置に対して、前記給電許可通知を優先的に送信する、
非接触給電システム。
【請求項6】
請求項3または請求項4に記載の非接触給電システムであって、
各前記受電装置は、前記受電装置側情報として、前記バッテリのSOCと、前記バッテリの残存電力量と、現在の消費電力と、のうちの少なくともいずれかひとつを含む情報を前記給電電力抑制部に送信し、
前記給電電力抑制部は、前記受電装置側情報を利用して、複数の前記通知対象受電装置のうち、優先的に給電を許可する前記通知対象受電装置である優先受電装置を決定し、複数の前記通知対象受電装置のうち、前記優先受電装置ではない前記通知対象受電装置に対して、前記優先受電装置に対して通知される前記許可給電電力よりも抑制された前記許可給電電力を通知する前記給電電力通知を送信する、
非接触給電システム。
【請求項7】
請求項3または請求項4に記載の非接触給電システムであって、
各前記受電装置は、前記受電装置側情報として、前記バッテリのSOCを少なくとも含む情報を前記給電電力抑制部に送信し、
前記給電電力抑制部は、前記受電装置側情報を利用して、複数の前記通知対象受電装置のうち、前記送電装置の上限送電電力による給電を実行可能な前記通知対象受電装置である最大電力受電装置を決定し、前記最大電力受電装置のみに対して前記給電許可通知を通知する、
非接触給電システム。
【請求項8】
請求項3または請求項4に記載の非接触給電システムであって、
前記通知対象受電装置のうち、前記給電不許可通知を受信した前記通知対象受電装置は、給電を直ちに実行可能な状態である待機状態から、給電を直ちに開始しない非待機状態に移行する、
非接触給電システム。
【請求項9】
請求項3または請求項4に記載の非接触給電システムであって、
前記複数の受電装置のうちの少なくとも一部は、移動体(202)に搭載された前記受電装置である移動受電装置であり、
複数の前記通知対象受電装置のうち、前記移動受電装置である前記通知対象受電装置は、前記給電不許可通知を受信した場合には、前記送電エリアから退避する、
非接触給電システム。
【請求項10】
請求項3または請求項4に記載の非接触給電システムであって、
前記複数の受電装置は、前記送電エリアに固定して設置された固定設備に搭載された前記受電装置である固定受電装置と、移動体に搭載された前記受電装置である移動受電装置と、を含み、
前記給電電力抑制部は、前記移動受電装置が前記送電エリア内に位置する場合には、前記移動受電装置に対して、前記給電許可通知を優先的に送信する、
非接触給電システム。
【請求項11】
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の非接触給電システムであって、
前記送電回路は、
前記系統電源から供給される交流電力を直流電力に変換する直流電力回路(116)と、
前記直流電力回路に接続されて、前記直流電力回路から直流電力を供給される直流送電バス(BSdc)と、
前記直流送電バスに接続されて、前記直流送電バスから供給された直流電力を前記高周波交流電力に変換する交流電力回路(118)と、
前記交流電力回路に接続されて、前記交流電力回路から前記高周波交流電力を供給される交流送電バス(BSac)と、
を備え、
前記複数の送電装置は、前記交流送電バスを介して、前記交流電力回路に対して並列に接続されている、
非接触給電システム。
【請求項12】
非接触給電システムを制御するためのコンピュータプログラムであって、
前記非接触給電システムは、
系統電源から電力を供給されて、予め定められた動作周波数の高周波交流電力の供給を実行する送電回路と、
前記送電回路に対して互いに並列に接続され、非接触給電可能な複数の送電装置と、
前記各送電装置による送電が実行可能である送電エリア内のいずれかに位置するときに、前記送電装置から非接触で給電を受ける複数の受電装置と、
を備え、
前記コンピュータプログラムは、各前記受電装置の稼働状況を示す情報である受電装置側情報を利用して、前記複数の受電装置から要求される給電電力の合計が、前記系統電源および前記送電回路が電力供給を継続可能な電力である出力可能電力を上回らないように、各前記受電装置を制御する機能をコンピュータに実現させる、
コンピュータプログラム。
【請求項13】
複数の送電装置のうちの少なくとも一部から非接触で給電を受ける受電装置であって、
前記複数の送電装置は、系統電源から電力を供給されて、予め定められた動作周波数の高周波交流電力の供給を実行する送電回路に対して互いに並列に接続され、非接触給電可能であり、
前記受電装置は、前記受電装置を含む複数の受電装置から要求される給電電力の合計が、前記系統電源および前記送電回路が電力供給を継続可能な電力である出力可能電力を上回らないように給電を受ける、
受電装置。
【請求項14】
受電装置に非接触で給電を行う送電装置であって、
系統電源から電力を供給されて、予め定められた動作周波数の高周波交流電力の供給を実行する送電回路に対して、他の送電装置と互いに並列に接続されており、
前記受電装置は、前記受電装置を含む複数の受電装置から要求される給電電力の合計が、前記系統電源および前記送電回路が電力供給を継続可能な電力である出力可能電力を上回らないように給電を受ける、
送電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、非接触給電システム、コンピュータプログラム、受電装置および送電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電動車両に給電を行う給電システムが知られている。このような給電システムにおいて複数の電動車両への給電を行う場合、電源装置の出力可能電力を給電電力が超過しないように給電を行う必要がある。特許文献1に記載の充電システムは、各電動車両の充電池の残量および移動先を取得して、各家庭に設置された充電装置における充電スケジュールを決定することにより、複数の充電装置において一斉に充電が行われて給電電力が過大となることを抑制している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013-65265号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、AGV(Automatic Guided Vehicle)のように給電可能エリアを走行中に給電を行う電動車両や稼働中に給電を行う固定設備等を対象とする給電システムにおいては、受電装置が搭載された電動車両や固定設備の稼働状況によって給電のタイミングや給電量が大きく変動する。そのため、特許文献1に記載の充電システムのように充電装置の充電スケジュールを制御する方式では、電動車両や固定設備の稼働状況によっては十分に給電電力を抑制できない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、以下の形態として実現することが可能である。
【0006】
本開示の一形態によれば、非接触給電システム(1000、1000A、1000B)が提供される。非接触給電システムは、系統電源(PS)から電力を供給されて、予め定められた動作周波数の高周波交流電力の供給を実行する送電回路(110、110A)と、前記送電回路に対して互いに並列に接続され、非接触給電可能な複数の送電装置(120、120A、120B)と、前記各送電装置による送電が実行可能である送電エリア内のいずれかに位置するときに、前記送電装置から非接触で給電を受ける複数の受電装置(200)と、前記複数の受電装置から要求される給電電力の合計が、前記系統電源および前記送電回路が電力供給を継続可能な電力である出力可能電力を上回らないように、各前記受電装置を制御する給電電力抑制部(400)と、を備え、各前記受電装置は、前記受電装置の稼働状況を示す情報である受電装置側情報を前記給電電力抑制部に対して送信し、前記給電電力抑制部は、前記受電装置側情報を利用して各前記受電装置を制御する。
【0007】
この形態の制御装置によれば、受電装置側情報を利用して、複数の受電装置から要求される給電電力の合計が出力可能電力を上回らないように各受電装置を制御するので、各受電装置の稼働状況に応じて給電電力を調整できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1実施形態の非接触給電システムの概略構成を示す説明図である。
図2】第1実施形態の送電回路の回路構成を示す説明図である。
図3】第1実施形態の非接触給電システムの回路構成を示す説明図である。
図4】第1実施形態の給電電力抑制制御において給電電力抑制部が実行する制御の手順を示すフローチャートである。
図5】第1実施形態の給電電力抑制制御において受電装置が実行する制御の手順を示すフローチャートである。
図6】第2実施形態の給電電力抑制制御において給電電力抑制部が実行する制御の手順を示すフローチャートである。
図7】第4実施形態の給電電力抑制制御において給電電力抑制部が実行する制御の手順を示すフローチャートである。
図8】第5実施形態の給電電力抑制制御において受電装置が実行する制御の手順を示すフローチャートである。
図9】第6実施形態の給電電力抑制制御において受電装置が実行する制御の手順を示すフローチャートである。
図10】他の実施形態の送電回路の回路構成を示す説明図である。
図11】他の実施形態の非接触給電システムの回路構成を示す説明図である。
図12】他の実施形態の非接触給電システムの回路構成を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
A.第1実施形態:
A-1.装置構成:
本実施形態の非接触給電システム1000は、工場や倉庫内において、AGV(Automatic Guided Vehicle)のような移動体または搬送用多関節ロボットやコンベアのような固定設備に搭載された受電装置200に対して、送電システム100から非接触で給電を行うシステムである。以下の説明において、移動体に搭載された受電装置200を「移動受電装置」、固定設備に搭載された受電装置200を「固定受電装置」と、必要に応じて区別して呼ぶ。図1に示すように、非接触給電システム1000は、送電システム100と、受電装置200と、制御装置300とを備える。本実施形態では、送電システム100は、床105の下に埋設されている。図1においては、移動受電装置として、床105上を走行する移動体としての電動車両202に搭載された受電装置200が示されている。図1において、x軸方向は電動車両202の進行方向を示し、y軸方向は電動車両202の幅方向を示し、z軸方向は鉛直上方向を示す。なお、固定受電装置としての受電装置200の構成は、移動受電装置としての受電装置200と同様であるので、図1において図示は省略されている。また、非接触給電システム1000は、複数の受電装置200を備えるが、それぞれ同様の構成であるので、図1において図示は省略されている。
【0010】
送電システム100は、送電回路110と、複数の送電装置120とを備える。送電回路110は、系統電源PSから交流電力を供給されて、予め定められた動作周波数の交流電力に変換する。送電回路110は、図2に示すように、系統電源PSに接続されている側から順に、ノイズフィルタ111と、PFC(Power Factor Correction)回路112と、インバータ113と、高周波フィルタ114とを備える。本実施形態では、系統電源PSに対して2つの送電回路110が互いに並列して接続されている。なお、送電回路110は、系統電源PSに対して1つのみ接続されていてもよく、3つ以上互いに並列に接続されていてもよい。
【0011】
ノイズフィルタ111は、系統電源PSから供給される交流電力のノイズを除去する。PFC回路112は、ノイズフィルタ111におけるノイズ除去により発生する入力電圧と出力電流との位相差を無くし、高調波を抑制して力率を1に近づけるように改善する周知の回路である。ノイズフィルタ111とPFC回路112とにより、系統電源PSから供給された交流電力は直流電力に変換され平滑化される。インバータ113は、供給された直流電力を高周波交流電力に変換する。高周波フィルタ114は、供給された高周波交流電力から予め定められた動作周波数の交流電力を抽出して通過させる。高周波フィルタ114を通過した交流電力は、交流送電バスBSacを介して各送電装置120へ供給される。
【0012】
図1に示すように、複数の送電装置120は、床105の地中においてx軸方向に沿って設置されている。送電装置120は、床105の地中以外の場所、例えば、固定設備の側面に設置されていてもよい。また、各送電装置120は、送電回路110に対して互いに並列に接続され、送電回路110から交流電力を供給される。各送電装置120は、一次側共振回路10を有する。一次側共振回路10は、送電回路110から交流電力を供給されて、後述する二次側共振回路240に対して非接触で交流電力を送電する。一次側共振回路10の具体的な構成については後述する。
【0013】
受電装置200は、送電装置120ごとに予め定められたエリア(以下、「送電エリア」とも呼ぶ)内のいずれかに位置する場合であって、予め定められた給電条件が満たされた場合に、送電装置120から給電される。本実施形態では、移動受電装置においては、給電条件は、電動車両202が走行中であること、および、後述する給電許可通知を受信したことである。「電動車両202が走行中」とは、電動車両202が移動している場合の他、搬送物の載せ替え等で搬送ロボットやコンベア等の固定設備付近に電動車両202が停止している場合も含む。また、固定受電装置においては、給電条件は、固定設備が搬送物の載せ替え等の搬送動作の実行中であること、および、後述する給電許可通知を受信したことである。なお、給電条件は、上記に限らず、受電装置200が搭載された機器ごとに、各機器が実行する動作に応じて適切な頻度で給電が行われるように、任意に設定されてよい。
【0014】
受電装置200は、バッテリ210と、補機バッテリ215と、受電側制御部220と、受電回路230と、二次側共振回路240と、DC/DCコンバータ回路260と、インバータ回路270と、モータジェネレータ280と、補機290と、を備える。なお、受電装置200は、補機290を備えなくてもよく、この場合、補機バッテリ215およびDC/DCコンバータ回路260も備えなくてよい。本実施形態では、二次側共振回路240は、床105に面した位置、例えば、電動車両202の下面に設けられている。なお、送電装置120が、固定設備の側面に配置されている場合には、電動車両202の側面に二次側共振回路240が設けられていても良い。二次側共振回路240の具体的な構成については後述する。
【0015】
二次側共振回路240は、受電回路230に接続されており、二次側共振回路240で受電した交流電力は、受電回路230により直流電力に変換される。受電回路230の出力には、バッテリ210と、DC/DCコンバータ回路260の高圧側と、インバータ回路270と、が接続されている。DC/DCコンバータ回路260の低圧側には、補機バッテリ215と、補機290とが接続されている。インバータ回路270には、モータジェネレータ280が接続されている。受電回路230から出力される直流電力は、バッテリ210の充電や、インバータ回路270を介したモータジェネレータ280の駆動に利用することができる。また、受電回路230から出力される直流電力は、DC/DCコンバータ回路260を用いて降圧することで、補機バッテリ215の充電や、補機290の駆動にも利用可能である。
【0016】
バッテリ210は、モータジェネレータ280を駆動するための比較的高い直流電力、例えば数十Vから数百Vの電圧を出力する2次電池である。モータジェネレータ280は、3相交流モータとして動作し、電動車両202の走行のための駆動力を発生する。モータジェネレータ280は、電動車両202の減速時にはジェネレータとして動作し、電力を回生する。インバータ回路270は、モータジェネレータ280がモータとして動作するとき、バッテリ210の電力を3相交流に変換してモータジェネレータ280に供給する。インバータ回路270は、モータジェネレータ280がジェネレータとして動作するとき、モータジェネレータ280が回生した3相交流を直流に変換してバッテリ210に供給する。なお、バッテリ210は、本開示における「負荷装置」に相当する。
【0017】
DC/DCコンバータ回路260は、バッテリ210の出力を、バッテリ210の出力電圧より低い電圧、例えば12Vに変換して補機バッテリ215及び補機290に供給する。補機バッテリ215は、補機290を駆動するための2次電池であり、その電圧は比較的低い。補機290は、電動車両202の周辺装置や電動車両202の様々なアクセサリーを含む。
【0018】
受電側制御部220は、電動車両202内のインバータ回路270の他、各部を制御する。受電側制御部220は、給電を受ける際には、受電回路230を制御して電力を受電する。
【0019】
受電側制御部220は、制御装置300と互いに通信可能に構成されている。受電側制御部220は、受電装置200の状態を示す受電装置側情報を制御装置300に対して送信するとともに、制御装置300から送信される後述する各種通知を受信する。本実施形態では、「受電装置側情報」は、受電装置200の位置情報と、受電装置200が送電エリア内に位置するか否かを示す情報と、バッテリ210のSOC(States Of Charge)と、バッテリ210の残存電力量と、現在の給電電力と、現在の消費電力と、のうちの少なくともいずれかひとつを含む情報を意味する。これらの情報は、受電装置200が備える種々のセンサにより検出され、受電側制御部220に送信される。
【0020】
制御装置300は、CPU310と、メモリ320と、通信装置330とを有するコンピュータとして構成されている。CPU310は、メモリ320に予め記憶されたプログラムを実行することにより給電電力抑制部400として機能する。
【0021】
給電電力抑制部400は、複数の受電装置200から要求される給電電力の合計(以下、「要求給電電力」とも呼ぶ)が、出力可能電力を上回らないように、受電装置200を制御する。「出力可能電力」は、系統電源PSおよび送電回路110が電力供給を継続可能な電力を意味する。なお、出力可能電力は、系統電源PSおよび送電回路110の定格出力電力以下の電力として設定されてよく、系統電源PSおよび送電回路110が直ちに動作を停止しない程度の大きさであれば、定格出力電力よりも大きい電力、例えば定格出力電力よりも数kW程度大きい電力として設定されていてもよい。本実施形態では、送電回路110の出力可能電力は予め設定されている。給電電力抑制部400による具体的な制御については後述する。
【0022】
A-2.回路構成:
図3に示すように、送電装置120は、一次側コイルLsと、インピーダンス可変素子20と、一次側検出回路30と、一次側制御回路40とを有する。なお、図3においては、送電回路110に対して並列に接続された複数の送電装置120のうち、ひとつの送電装置120のみが示され、他の送電装置120の図示は省略されている。
【0023】
インピーダンス可変素子20は、送電回路110と一次側コイルLsとの間において一次側コイルLsと直列に接続され、一次側コイルLsとともに一次側共振回路10を構成する。インピーダンス可変素子20は、2つのコンデンサC11、C12と、スイッチSW1と、を備える。コンデンサC11と一次側コイルLsとは、直列に接続されている。コンデンサC12とスイッチSW1は直列に接続され、直列に接続されたコンデンサC12とスイッチSW1は、コンデンサC11と並列に接続されている。スイッチSW1は、リレーなどの機械的な接点を外部からの指示により切り替えるものでもよいが、MOS-FETやアナログスイッチなどの半導体素子を用いる構成であってもよい。コンデンサC11、12は、本開示における「一次側コンデンサ」に相当する。
【0024】
インピーダンス可変素子20は、スイッチSW1のオン・オフを切り替えられることにより、電気容量が変化する。スイッチSW1がオンのとき、コンデンサC12は、一次側コイルLsと接続される。このとき、インピーダンス可変素子20の電気容量は、コンデンサC11の電気容量とコンデンサC12の電気容量との合計と等しくなる。また、スイッチSW1がオフのとき、コンデンサC12は、一次側コイルLsと切り離される。このとき、インピーダンス可変素子20の電気容量はコンデンサC11の電気容量と等しくなる。このようにインピーダンス可変素子20の電気容量が変化することにより、スイッチSW1がオンのときの一次側共振回路10のインピーダンスは、スイッチSW1がオフのときに比べて低下する。かかる一次側共振回路10のインピーダンス変化に伴って、一次側共振回路10の共振状態も変化する。本実施形態では、一次側共振回路10は、スイッチSW1がオンのとき、動作周波数にて共振状態となり送電状態となる。また、一次側共振回路10は、スイッチSW1がオフのとき動作周波数にて非共振状態となり待機状態となる。待機状態において、送電装置120は、送電状態に流れる電流よりも小さい待機電流を一次側コイルLsに流し磁束を発生させる。
【0025】
一次側検出回路30は、一次側コイルLsに鎖交する磁束の大きさを検出する磁束センサと1次側コイルを流れる電流の大きさを検出する電流センサとを有する。本実施形態では、磁束センサは、一次側コイルLsと磁気結合された検出コイルにかかる電圧の変化を利用して磁束の大きさを検出する。また、電流センサは、コンデンサC11にかかる電圧の変化を利用して電流の大きさを検出する。一次側検出回路30は、検出した磁束の大きさを示す信号および電流の大きさを示す信号を一次側制御回路40に出力する。
【0026】
一次側制御回路40は、一次側検出回路30から出力される信号を利用して、スイッチSW1を駆動させてスイッチSW1のオン・オフを切り替える。より具体的には、一次側制御回路40は、一次側検出回路30から出力される信号が示す磁束の大きさが予め設定された閾値以上である場合にはスイッチSW1をオンにする。また、一次側制御回路40は、一次側検出回路30から出力される信号が示す電流の大きさが閾値以上となる場合にはスイッチSW1をオフにする。電流の大きさ、磁束の大きさは、送電装置120と受電装置200との磁気的な結合の程度に応じて変化する。非共振状態において、磁束の大きさは、送電装置120と受電装置200とが接近するにつれて大きくなる。また共振状態において、電流の大きさは、送電装置120と受電装置200とが接近するにつれて小さくなる。磁束の大きさ、電流の大きさの閾値は、受電装置200が、送電エリア内に進入した際の値として、予めシミュレーション等を行うことにより特定され設定されている。
【0027】
受電装置200の回路構成について説明する。なお、図3においては、受電装置200の回路構成のうち、特にバッテリ210への給電に係る回路構成が図示され、その他の部分は省略されている。図3に示すように、二次側共振回路240は、二次側コイルLrと二次側コンデンサCrとが直列に接続されてなる。また、受電装置200は、図1に示す構成に加えて、二次側検出回路250を備える。
【0028】
二次側検出回路250は、二次側コイルLrに鎖交する磁束の大きさを検出する磁束センサを有する。本実施形態では、磁束センサは、二次側コイルLrと磁気結合された検出コイルにかかる電圧の変化を利用して磁束の大きさを検出する。二次側検出回路250は、検出した磁束の大きさを示す信号を受電側制御部220に出力する。
【0029】
受電側制御部220は、二次側検出回路250から出力される信号が示す磁束の大きさを利用して、受電装置200が送電エリア内に位置するか否かを判定する。より具体的には、受電側制御部220は、磁束の大きさが予め設定された閾値以上である場合に、受電装置200が送電エリア内に位置すると判定する。磁束の大きさの閾値は、受電装置200が、送電エリア内に進入した際の値として、予めシミュレーション等を行うことにより特定され設定されている。なお、受電装置200が送電エリア内に位置するか否かを示す情報を、受電側制御部220が受電装置側情報として制御装置300に対して送信しない構成においては、受電装置200は、二次側検出回路250を備えなくてもよい。
【0030】
本実施形態では、受電回路230は、整流回路231と、DC-DCコンバータ232とを有する。整流回路231は、ブリッジ回路を構成する4つのスイッチング素子Q21~Q24と、平滑コンデンサC22からなる。本実施形態において、スイッチング素子Q21~Q24は、MOSFETにより実現されている。整流回路231は、受電側制御部220による制御に従ってスイッチング素子Q21~Q24のオン・オフ状態を切り替え、二次側共振回路240から入力される交流電力の直流電力への変換、および、バッテリ210への直流電力の供給の実行・停止の切り替えを行う。DC-DCコンバータ232は、整流回路231から供給される直流電力の電圧を、受電側制御部220による制御に従って変圧し、バッテリ210に供給する。
【0031】
A-3.給電電力抑制制御:
図4および図5に示すように、本実施形態の各受電装置200は、上述の受電装置側情報を給電電力抑制部400に送信するとともに、給電電力抑制部400により送信される各種通知に従って、給電を開始または停止する。受電装置200および給電電力抑制部400において実行される制御により実現される制御を「給電電力抑制制御」とも呼ぶ。
【0032】
給電電力抑制部400は、制御装置300が起動されると図4に示す制御を開始し、制御装置300が起動している間、かかる制御を繰り返し実行する。ステップS110において、各受電装置200から受信した受電装置側情報を利用して、給電を許可する受電装置200(以下、「給電許可受電装置」とも呼ぶ)を決定する。より具体的には、給電電力抑制部400は、複数の受電装置200のうちの少なくとも一部の受電装置200(以下、「通知対象受電装置」とも呼ぶ)を対象として、給電許可受電装置を決定する。本実施形態では、給電電力抑制部400は、複数の受電装置200のうち、送電エリア内に位置する受電装置200を通知対象受電装置とする。
【0033】
給電許可受電装置の決定についてより具体的に説明する。上述のように、給電電力抑制部400は、受電装置側情報として、受電装置200の位置情報と、受電装置200が送電エリア内に位置するか否かを示す情報と、バッテリ210のSOCと、バッテリ210の残存電力量と、現在の給電電力と、現在の消費電力と、のうちの少なくともいずれかひとつを含む情報を各受電装置200から受信する。給電電力抑制部400は、各受電装置200の位置情報と、各受電装置200が送電エリア内に位置するか否かを示す情報とのうちの少なくともいずれかを利用して、当該受電装置200が磁気的に結合し得る送電装置120を特定でき、受電装置200と磁気的に結合し得る送電装置120の数から要求給電電力を推定できる。また、給電電力抑制部400は、バッテリ210のSOCまたは残存電力量を利用して、各受電装置200による要求給電電力を推定できる。また、給電電力抑制部400は、受電装置200の現在の給電電力または消費電力を利用しても、各受電装置200による要求給電電力を推定できる。このように、給電電力抑制部400は、受電装置側情報を利用して推定した要求給電電力を利用して、送電回路110の出力可能電力を要求給電電力が上回らないように給電許可受電装置を決定する。例えば、給電電力抑制部400は、受電装置側情報を受信した順に各受電装置200による要求給電電力を加算していき、要求給電電力の合計が出力可能電力に達するまでに受信された受電装置側情報に紐づく各受電装置200を、給電許可受電装置とする。
【0034】
ステップS120において、給電電力抑制部400は、通知対象受電装置ごとに、給電を許可するか否かを判定する。給電を許可すると判定した場合(ステップS120:Yes)、給電電力抑制部400は、給電を許可する通知対象受電装置に対して、給電許可通知および給電電力通知を送信する(ステップS130)。「給電許可通知」は、受電装置200に対して給電を許可することを通知する通知を意味する。「給電電力通知」は、受電装置200に対して給電可能な電力を通知する通知を意味する。
【0035】
他方、給電を許可しないと判定した場合(ステップS120:No)、給電電力抑制部400は、給電を許可しない受電装置200に対して、給電不許可通知を送信する(ステップS140)。「給電不許可通知」は、受電装置200に対して給電を許可しないことを通知する通知を意味する。給電電力抑制部400は、以上説明した制御を繰り返し実行する。
【0036】
各受電装置200は、送電エリアに進入すると図5に示す制御を開始し、送電エリア内への滞在中、かかる制御を繰り返し実行する。図5に示すように、受電装置200は、ステップS210の制御と、ステップS220、S230、S240、S250の制御とを並列して実行する。
【0037】
ステップS210において、受電側制御部220は、受電装置側情報を給電電力抑制部400に対して送信する。本実施形態では、受電側制御部220は、予め設定された時間が経過するごとに本ステップを繰り返し実行する。
【0038】
ステップS220において、受電側制御部220は、給電許可通知および給電電力通知を受信したか否かを判定する。給電許可通知および給電電力通知を受信していないと判定された場合(ステップS220:No)、受電側制御部220は、かかる判定を繰り返し実行する。
【0039】
給電許可通知および給電電力通知を受信したと判定された場合(ステップS220:Yes)、受電側制御部220は、受電回路230を制御して、許可給電電力で給電を開始する(ステップS230)。より具体的には、受電側制御部220は、整流回路231を制御して給電を開始するとともに、DC-DCコンバータ232を制御してバッテリ210へ供給される給電電力を制御する。
【0040】
ステップS240において、受電側制御部220は、給電不許可通知を受信したか否かを判定する。給電不許可通知を受信していないと判定されている間(ステップS240:No)、受電側制御部220は、受電回路230を制御して給電を継続する。
【0041】
給電不許可通知を受信したと判定された場合(ステップS240:Yes)、受電側制御部220は、受電回路230を制御して給電を停止する(ステップS250)。より具体的には、受電側制御部220は、整流回路231を制御して給電を停止する。その後、受電側制御部220は、再びステップS220を実行する。
【0042】
以上説明した第1実施形態の非接触給電システム1000によれば、受電装置側情報を利用して、複数の受電装置200から要求される給電電力の合計が出力可能電力を上回らないように各受電装置200を制御するので、各受電装置200の稼働状況に応じて給電電力を調整できる。
【0043】
また、非接触給電システム1000は、給電許可通知または給電不許可通知を受電装置200に対して送信し、受電装置200は、給電許可通知を受信した場合に給電を実行するので、一部の受電装置200に対して選択的に給電を実行させることができ、給電電力を抑制できる。また、非接触給電システム1000は、給電電力通知を受電装置200に対して送信し、受電装置200は、給電電力通知により通知された許可給電電力で給電を実行するので、受電装置200の稼働状況に応じて通常よりも抑制された許可給電電力を通知することにより、給電電力を抑制できる。加えて、すべての受電装置200に対して同時に給電を実行する構成、または、常に最大の電力で給電を実行する構成に比べて送電回路110に求められる電力供給能力を抑制でき、非接触給電システム1000の導入コストを抑制できる。
【0044】
B.第2実施形態:
第2実施形態の非接触給電システム1000は、図6に示すように、給電電力抑制制御において、給電電力抑制部400が、ステップS102、ステップS122、ステップS132をさらに実行する点において、第1実施形態の非接触給電システム1000と異なっている。なお、第2実施形態の非接触給電システム1000のシステム構成および給電電力抑制制御におけるその他の手順は、第1実施形態の非接触給電システム1000と同じであるので、同一の構成および同一の手順には同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0045】
本実施形態では、各受電装置200は、受電装置側情報として、バッテリ210のSOCと、バッテリ210の残存電力量と、現在の消費電力と、のうちの少なくともいずれかひとつを含む情報を給電電力抑制部400に送信する。
【0046】
図6に示すように、ステップS102において、給電電力抑制部400は、受電装置側情報を利用して、優先受電装置を決定する。「優先受電装置」は、複数の通知対象受電装置のうち、優先的に給電を許可する受電装置200を意味する。給電電力抑制部400は、例えば、各通知対象受電装置のバッテリ210のSOCまたは残存電力量を比較し、バッテリ210のSOCまたは残存電力量が低い順に予め設定された台数の通知対象受電装置を選び、優先受電装置として決定してよい。このような受電装置200が搭載された機器は、電力不足により動作を継続できなくなるおそれがあり、給電の必要性が高いからである。また、給電電力抑制部400は、例えば、各通知対象受電装置の消費電力を比較し、消費電力が高い順に予め設定された台数の通知対象受電装置を選び、優先受電装置として決定してよい。このような受電装置200が搭載された機器は、短時間で電力を消費して電力不足により動作を継続できなくなるおそれがあり、給電の必要性が高いからである。
【0047】
ステップS110において、給電電力抑制部400は、優先受電装置に対して優先的に給電許可通知を送信するように、給電許可受電装置を決定する。
【0048】
ステップS120において判定対象の通知対象受電装置への給電を許可すると判定した場合であって(ステップS120:Yes)、当該通知対象受電装置が優先受電装置である場合(ステップS122:Yes)、給電電力抑制部400は、上述のステップS130を実行し、再びステップS102を実行する。
【0049】
他方、判定対象の通知対象受電装置への給電を許可すると判定した場合であって(ステップS120:Yes)、当該受電装置200が優先受電装置でない場合(ステップS122:No)、給電電力抑制部400は、給電許可通知と、ステップS130において送信される給電電力通知が示す給電電力よりも抑制された給電電力を通知する給電電力通知を送信する(ステップS132)。言い換えれば、給電電力抑制部400は、給電許可受電装置であっても、優先受電装置ではない通知対象受電装置に対しては、優先受電装置に対して通知される給電電力よりも抑制された給電電力を通知する。ステップS132の終了後、給電電力抑制部400は、再びステップS102を実行する。
【0050】
以上説明した第2実施形態の非接触給電システム1000によれば、第1実施形態の非接触給電システム1000と同様の効果を奏する。加えて、優先受電装置を決定し、優先受電装置に対して給電許可通知を優先的に送信するので、給電の必要性が高い受電装置200に対して優先的に給電を実行でき、受電装置200が搭載された機器が給電できずに動作を停止することを抑制できる。
【0051】
また、給電電力抑制部400は、優先受電装置ではない通知対象受電装置には、給電を許可する場合であっても優先受電装置よりも抑制した許可給電電力を通知するので、これによっても給電電力の合計が出力可能電力を上回ることを抑制できる。
【0052】
C.第3実施形態:
第3実施形態の非接触給電システム1000は、優先受電装置の決定方法が異なる点において、第2実施形態の非接触給電システム1000と異なる。なお、第3実施形態の非接触給電システム1000のシステム構成および給電電力抑制制御におけるその他の手順は、第2実施形態の非接触給電システム1000と同じであるので、同一の構成および同一の手順には同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0053】
上述のステップS102において、給電電力抑制部400は、固定受電装置よりも移動受電装置を優先的に優先受電装置を決定する。給電電力抑制部400は、例えば、通知対象受電装置のうちの移動受電装置のそれぞれのバッテリ210のSOCまたは残存電力量を比較し、バッテリ210のSOCまたは残存電力量が低い順に予め設定された台数の移動受電装置を選び、優先受電装置として決定してよい。また、給電電力抑制部400は、例えば、通知対象受電装置のうちの移動受電装置のそれぞれの消費電力を比較し、消費電力が高い順に予め設定された台数の移動受電装置を選び、優先受電装置として決定してよい。
【0054】
以上説明した第3実施形態の非接触給電システム1000によれば、第2実施形態の非接触給電システム1000と同様の効果を奏する。加えて、移動受電装置に対して受電許可通知を優先的に送信するので、固定受電装置に比べて給電機会の少ない移動受電装置に対する給電を優先的に実行でき、移動受電装置が給電できずに動作を停止することを抑制できる。
【0055】
D.第4実施形態:
第4実施形態の非接触給電システム1000は、図7に示すように、給電電力抑制制御において、給電電力抑制部400が、ステップS104をさらに実行する点において、第1実施形態の非接触給電システム1000と異なっている。なお、第4実施形態の非接触給電システム1000のシステム構成および給電電力抑制制御におけるその他の手順は、第1実施形態の非接触給電システム1000と同じであるので、同一の構成および同一の手順には同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0056】
本実施形態では、各受電装置200は、受電装置側情報として、バッテリ210のSOCを少なくとも含む情報を給電電力抑制部400に送信する。
【0057】
ステップS104において、給電電力抑制部400は、受電装置側情報を利用して、最大電力受電装置を決定する。「最大電力受電装置」は、複数の通知対象受電装置のうち、バッテリ210のSOCが予め設定された閾値未満であり、送電装置120の上限送電電力による給電を実行可能な通知対象受電装置を意味する。なお、給電電力はバッテリ210のSOCに応じて定まり、SOCが低いほど大電力での給電が可能である。
【0058】
ステップS110において、給電電力抑制部400は、最大電力受電装置のみを給電許可受電装置として決定する。なお、複数の最大電力受電装置のうち何台を給電許可受電装置として決定するかは、送電装置120の上限送電電力および送電回路110の出力可能電力に応じて任意に定められてよい。
【0059】
ステップS120以降の制御は上述の第1実施形態と同様であるが、ステップS110において最大電力受電装置のみを給電許可受電装置としているため、ステップS130においては、最大電力受電装置のみに対して給電許可通知および給電電力通知が送信されることとなる。
【0060】
以上説明した第4実施形態の非接触給電システム1000によれば、第1実施形態の非接触給電システム1000と同様の効果を奏する。加えて、最大電力受電装置のみに対して給電許可通知を送信するので、送電装置120の上限送電電力による給電の実行頻度が低下することを抑制でき、非接触給電システム1000における給電効率の低下を抑制できる。
【0061】
E.第5実施形態:
第5実施形態の非接触給電システム1000は、図8に示すように給電電力抑制制御において、受電装置200が、ステップS260をさらに実行する点において、第1実施形態の非接触給電システム1000と異なっている。なお、第5実施形態の非接触給電システム1000のシステム構成および給電電力抑制制御におけるその他の手順は、第1実施形態の非接触給電システム1000と同じであるので、同一の構成および同一の手順には同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0062】
ステップS220において給電許可通知および給電電力通知を受信していないと判定された場合(ステップS220:No)、言い換えれば、給電不許可通知を受信した場合、受電側制御部220は、電動車両202を送電エリア外へ退避させる(ステップS260)。より具体的には、受電側制御部220は、電動車両202に搭載されて電動車両202の走行を制御する図示しないECUを介して電動車両202を制御する。
【0063】
以上説明した第5実施形態の非接触給電システム1000によれば、第1実施形態の非接触給電システム1000と同様の効果を奏する。加えて、給電不許可通知を受信した受電装置200は、送電エリアから退避するので、より給電の必要性が高い給電装置の給電機会が減少することを抑制でき、受電装置200が給電できずに動作を停止することを抑制できる。
【0064】
F.第6実施形態:
第6実施形態の非接触給電システム1000は、図9に示すように、給電電力抑制制御において、受電装置200が、ステップS260に代えてステップS262を実行する点と、ステップS222をさらに実行する点とにおいて、第5実施形態の非接触給電システム1000と異なっている。なお、第5実施形態の非接触給電システム1000のシステム構成および給電電力抑制制御におけるその他の手順は、第5実施形態の非接触給電システム1000と同じであるので、同一の構成および同一の手順には同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0065】
ステップS220において給電許可通知および給電電力通知を受信していないと判定された場合(ステップS220:No)、言い換えれば、給電不許可通知を受信した場合、受電側制御部220は、受電回路230を制御して受電装置200の受電状態を、給電の開始を待機しない非待機状態に移行させる(ステップS262)。
【0066】
他方、給電許可通知および給電電力通知を受信したと判定された場合(ステップS220:Yes)、受電側制御部220は、受電回路230を制御して受電装置200の受電状態を、給電を実行可能である待機状態に移行させる。
【0067】
以上説明した第6実施形態の非接触給電システム1000によれば、第1実施形態の非接触給電システム1000と同様の効果を奏する。加えて、給電不許可通知を受信した受電装置200は待機状態から非待機状態に移行するので、待機状態の維持のための消費電力を抑制できる。これにより、バッテリ210の電力消費を抑制できるので給電頻度を抑制でき、給電電力の合計が出力可能電力を上回ることをさらに抑制できる。
【0068】
G.他の実施形態:
(G1)上記実施形態において、受電装置200は、移動体または固定設備に搭載されているが、本開示はこれに限定されない。受電装置200は、移動体のみに搭載されていてもよい。かかる形態の非接触給電システム1000によっても、上記実施形態と同様の効果を奏する。
【0069】
(G2)上記実施形態において、各受電装置200は、予め定められた時間経過するごとに、受電装置側情報を給電電力抑制部400に対して送信するが、本開示はこれに限定されない。例えば、給電電力抑制部400が、任意のタイミングですべての受電装置200に対して受電装置側情報の送信を要求する通知を送信し、かかる通知を受信した受電装置200のうち、送電エリア内に位置する受電装置200のみが受電装置側情報を給電電力抑制部400に対して送信してもよい。かかる形態の非接触給電システム1000によっても、上記実施形態と同様の効果を奏する。加えて、送電エリア内に位置しない受電装置200は受電装置側情報を送信する必要がないので、情報の送信のための電力消費を抑制できる。
【0070】
(G3)上記実施形態において、給電電力抑制部400は、複数の受電装置200のうち、送電エリア内に位置する受電装置200を通知対象受電装置とするが、本開示はこれに限定されない。通知対象受電装置には、送電エリア外に位置する受電装置200も含まれてよい。例えば、通知対象受電装置が送電エリア外に位置する場合、給電電力抑制部400は、当該通知対象受電装置に対して給電不許可通知を送信してもよい。また、送電エリア内に位置する各受電装置200による要求給電電力が出力可能電力を下回り、他の受電装置200にも給電を行う余力がある場合、給電電力抑制部400は、送電エリア外に位置する受電装置200に対して給電許可通知および給電電力通知を送信してもよい。かかる形態の非接触給電システム1000によっても、上記実施形態と同様の効果を奏する。
【0071】
(G4)上記実施形態において、給電電力抑制部400は、給電許可受電装置に対して、給電許可通知と給電電力通知とを送信するが、本開示はこれに限定されない。給電電力抑制部400は、給電許可受電装置に対して給電許可通知のみを送信し、給電許可通知を受信した給電許可受電装置は、予め設定された給電電力で給電を実行してもよい。かかる形態の非接触給電システム1000によっても、上記実施形態と同様の効果を奏する。
【0072】
(G5)上記実施形態において、送電システム100は、系統電源PSに対して互いに並列に接続された複数の送電回路110を有し、各送電回路110は、ノイズフィルタ111とPFC回路112とインバータ113と高周波フィルタ114とを有するが、本開示はこれに限定されない。送電システム100Aは、図10に示すように、送電回路110に代えて、系統電源PSに対して接続されたひとつの直流電力回路116と、直流電力回路116に対して互いに並列に接続された複数の交流電力回路118とを有する送電回路110Aを備えてもよい。直流電力回路116は、ノイズフィルタ111とPFC回路112を有し、系統電源PSから供給された交流電力を直流電力に変換して平滑化して出力する。直流電力回路116から出力された直流電力は直流送電バスBSdcを介して各交流電力回路118へ供給される。交流電力回路118は、インバータ113と高周波フィルタ114とを有し、直流電力回路116から供給された直流電力を高周波交流電力に変換して出力する。交流電力回路118から出力された高周波交流電力は、交流送電バスBSacを介して各送電装置120へ供給される。なお、交流電力回路118は、直流電力回路116に対して1つのみ接続されていてもよく、3つ以上互いに並列に接続されていてもよい。かかる形態の送電システム100Aを備える非接触給電システム1000によれば、交流電力回路118を送電装置120の付近に設置することにより直流送電バスBSdcよりもコストが高い交流送電バスBSacの長さを短縮できるので、非接触給電システム1000の導入コストを抑制できる。
【0073】
(G6)上記実施形態では、送電装置120は、インピーダンス可変素子20を有するが、本開示はこれに限定されない。図11に示すように、送電装置は、インピーダンス可変素子20に代えてインピーダンス可変素子20Aを有する送電装置120Aとして構成されていてもよい。インピーダンス可変素子20Aは、一次側コイルLsとともに一次側共振回路10Aを構成する。インピーダンス可変素子20Aは、一次側コイルLsに対して互いに並列となるようにそれぞれ接続されたコンデンサC13およびスイッチSW2と、送電回路110とスイッチSW2との間において一次側コイルLsに対して直列に接続されたスイッチSW3とを有する。このように構成されたインピーダンス可変素子20Aにおいて、一次側検出回路30がスイッチSW2およびスイッチSW3のオン・オフを切り替えることによっても、一次側共振回路10Aの共振状態を切り替えることができる。かかる送電装置120Aを有する送電システム100Aを備える非接触給電システム1000Aによっても、上記実施形態と同様の効果を奏する。
【0074】
また、図12に示すように、送電装置は、送電装置120の構成に加えて三次側共振回路13を備える送電装置120Bとして構成されていてもよい。三次側共振回路13は、三次側コイルLs31と、スイッチSW4と、コンデンサC31と、コンデンサC32とを有する閉回路である。スイッチSW4とコンデンサC31とは互いに直列に接続され、三次側コイルLs31と、コンデンサC32と、互いに直列に接続されたスイッチSW4およびコンデンサC31とは、互いに並列に接続されている。三次側共振回路13は、三次側コイルLs31が一次側共振回路10の一次側コイルLsおよび二次側共振回路240の二次側コイルLrと磁気的に結合された状態となるように配置されている。このように構成された送電装置120Bにおいて、一次側検出回路30がスイッチSW1およびスイッチSW4のオン・オフを切り替えることによって、一次側共振回路10Aおよび三次側共振回路13の共振状態を切り替えることができる。かかる送電装置120Bを有する送電システム100Bを備える非接触給電システム1000Bによっても、上記実施形態と同様の効果を奏する。なお、三次側共振回路13に代えて、コンデンサC31を有さない構成の三次側共振回路を備える非接触給電システムにおいても同様の効果を奏する。
【0075】
(G7)上記実施形態において、給電電力抑制部400は、予め設定された出力可能電力を利用して、給電電力の合計が出力可能電力を上回らないように受電装置200を制御するが、本開示はこれに限定されない。給電電力抑制部400は、系統電源PSおよび各送電回路110の現在の出力可能電力を示す情報を系統電源PSおよび各送電回路110のそれぞれから取得し、かかる情報を利用して、受電装置200を制御してもよい。かかる構成の給電電力抑制部400によれば、系統電源PSおよび各送電回路110の出力可能電力が、例えば工場や倉庫において利用されている他の系統電源における供給電力に応じて変動する場合であっても、現在の出力可能電力を給電電力の合計が上回らないように受電装置200を制御できる。
【0076】
(G8)上記第2実施形態において、給電電力抑制部400は、優先受電装置以外の通知対象受電装置に対しても給電電力を抑制して給電を実行するが、本開示はこれに限定されない。給電電力抑制部400は、優先受電装置のみに対して給電を実行してもよい。かかる形態の非接触給電システム1000によっても、給電の必要性が高い受電装置200に対して優先的に給電を実行でき、受電装置200が搭載された機器が給電できずに動作を停止することを抑制できる。
【0077】
本開示に記載の給電電力抑制部400およびその手法は、コンピュータプログラムにより具体化された一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサおよびメモリを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。あるいは、本開示に記載の制御部およびその手法は、一つ以上の専用ハードウエア論理回路によってプロセッサを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。もしくは、本開示に記載の給電電力抑制部400およびその手法は、一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサおよびメモリと一つ以上のハードウエア論理回路によって構成されたプロセッサとの組み合わせにより構成された一つ以上の専用コンピュータにより、実現されてもよい。また、コンピュータプログラムは、コンピュータにより実行されるインストラクションとして、コンピュータ読み取り可能な非遷移有形記録媒体に記憶されていてもよい。
【0078】
本開示は、上述の実施形態に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した形態中の技術的特徴に対応する各実施形態中の技術的特徴は、上述の課題の一部または全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部または全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
(形態1)
非接触給電システム(1000、1000A、1000B)であって、
系統電源(PS)から電力を供給されて、予め定められた動作周波数の高周波交流電力の供給を実行する送電回路(110、110A)と、
前記送電回路に対して互いに並列に接続され、非接触給電可能な複数の送電装置(120、120A、120B)と、
前記各送電装置による送電が実行可能である送電エリア内のいずれかに位置するときに、前記送電装置から非接触で給電を受ける複数の受電装置(200)と、
前記複数の受電装置から要求される給電電力の合計が、前記系統電源および前記送電回路が電力供給を継続可能な電力である出力可能電力を上回らないように、各前記受電装置を制御する給電電力抑制部(400)と、
を備え、
各前記受電装置は、前記受電装置の稼働状況を示す情報である受電装置側情報を前記給電電力抑制部に対して送信し、
前記給電電力抑制部は、前記受電装置側情報を利用して各前記受電装置を制御する、
非接触給電システム。
(形態2)
形態1に記載の非接触給電システムであって、
前記複数の送電装置はそれぞれ、1次側コイル(Ls)と1次側コンデンサ(C11、C12、C13)とを有する1次側共振回路(10、10A)を備え、
前記複数の受電装置はそれぞれ、
前記1次側コイルと磁気的に結合する2次側コイル(Lr)と2次側コンデンサ(Cr)とを有する2次側共振回路(240)と、
前記2次側共振回路から出力される交流電力を整流して直流電力に変換する受電回路(230)と、
前記受電回路を制御する受電側制御部(220)と、
前記直流電力が供給される負荷装置(210)と、
を備える、
非接触給電システム。
(形態3)
形態1または形態2に記載の非接触給電システムであって、
各前記受電装置は、バッテリ(210)を有し、前記受電装置側情報として、該受電装置の位置情報と、該受電装置が前記送電エリア内に位置するか否かを示す情報と、前記バッテリのSOCと、前記バッテリの残存電力量と、現在の給電電力と、現在の消費電力と、のうちの少なくともいずれかひとつを含む情報を前記給電電力抑制部に対して送信し、
前記給電電力抑制部は、前記受電装置側情報を利用して、前記複数の受電装置のうちの少なくとも一部の前記受電装置である通知対象受電装置の各々に対して、
給電を許可することを通知する給電許可通知、または、給電を許可しないことを通知する給電不許可通知を送信することと、
給電可能な電力である許可給電電力を通知する給電電力通知を送信することと、
のうちの少なくともいずれか一方を実行し、
前記通知対象受電装置は、
前記給電許可通知を受信したことを少なくとも含む予め定められた給電条件が満たされた場合には給電を開始または継続し、前記給電不許可通知を受信した場合には給電を待機または停止し、
前記給電電力通知を受信した場合には、通知された前記許可給電電力で給電を行う、
非接触給電システム。
(形態4)
形態3に記載の非接触給電システムであって、
前記給電条件は、前記受電装置ごとに予め定められた動作の実行中であるとの条件をさらに含む、
非接触給電システム。
(形態5)
形態3または形態4に記載の非接触給電システムであって、
各前記受電装置は、前記受電装置側情報として、前記バッテリのSOCと、前記バッテリの残存電力量と、現在の消費電力と、のうちの少なくともいずれかひとつを含む情報を前記給電電力抑制部に送信し、
前記給電電力抑制部は、前記受電装置側情報を利用して、複数の前記通知対象受電装置のうち、優先的に給電を許可する前記通知対象受電装置である優先受電装置を決定し、前記優先受電装置に対して、前記給電許可通知を優先的に送信する、
非接触給電システム。
(形態6)
形態3から形態5のいずれか一項に記載の非接触給電システムであって、
各前記受電装置は、前記受電装置側情報として、前記バッテリのSOCと、前記バッテリの残存電力量と、現在の消費電力と、のうちの少なくともいずれかひとつを含む情報を前記給電電力抑制部に送信し、
前記給電電力抑制部は、前記受電装置側情報を利用して、複数の前記通知対象受電装置のうち、優先的に給電を許可する前記通知対象受電装置である優先受電装置を決定し、複数の前記通知対象受電装置のうち、前記優先受電装置ではない前記通知対象受電装置に対して、前記優先受電装置に対して通知される前記許可給電電力よりも抑制された前記許可給電電力を通知する前記給電電力通知を送信する、
非接触給電システム。
(形態7)
形態3または形態4に記載の非接触給電システムであって、
各前記受電装置は、前記受電装置側情報として、前記バッテリのSOCを少なくとも含む情報を前記給電電力抑制部に送信し、
前記給電電力抑制部は、前記受電装置側情報を利用して、複数の前記通知対象受電装置のうち、前記送電装置の上限送電電力による給電を実行可能な前記通知対象受電装置である最大電力受電装置を決定し、前記最大電力受電装置のみに対して前記給電許可通知を通知する、
非接触給電システム。
(形態8)
形態3から形態7のいずれか一項に記載の非接触給電システムであって、
前記通知対象受電装置のうち、前記給電不許可通知を受信した前記通知対象受電装置は、給電を直ちに実行可能な状態である待機状態から、給電を直ちに開始しない非待機状態に移行する、
非接触給電システム。
(形態9)
形態3から形態8のいずれか一項に記載の非接触給電システムであって、
前記複数の受電装置のうちの少なくとも一部は、移動体(202)に搭載された前記受電装置である移動受電装置であり、
複数の前記通知対象受電装置のうち、前記移動受電装置である前記通知対象受電装置は、前記給電不許可通知を受信した場合には、前記送電エリアから退避する、
非接触給電システム。
(形態10)
形態3から形態9のいずれか一項に記載の非接触給電システムであって、
前記複数の受電装置は、前記送電エリアに固定して設置された固定設備に搭載された前記受電装置である固定受電装置と、移動体に搭載された前記受電装置である移動受電装置と、を含み、
前記給電電力抑制部は、前記移動受電装置が前記送電エリア内に位置する場合には、前記移動受電装置に対して、前記給電許可通知を優先的に送信する、
非接触給電システム。
(形態11)
形態1から形態10のいずれか一項に記載の非接触給電システムであって、
前記送電回路は、
前記系統電源から供給される交流電力を直流電力に変換する直流電力回路(116)と、
前記直流電力回路に接続されて、前記直流電力回路から直流電力を供給される直流送電バス(BSdc)と、
前記直流送電バスに接続されて、前記直流送電バスから供給された直流電力を前記高周波交流電力に変換する交流電力回路(118)と、
前記交流電力回路に接続されて、前記交流電力回路から前記高周波交流電力を供給される交流送電バス(BSac)と、
を備え、
前記複数の送電装置は、前記交流送電バスを介して、前記交流電力回路に対して並列に接続されている、
非接触給電システム。
(形態12)
非接触給電システムを制御するためのコンピュータプログラムであって、
前記非接触給電システムは、
系統電源から電力を供給されて、予め定められた動作周波数の高周波交流電力の供給を実行する送電回路と、
前記送電回路に対して互いに並列に接続され、非接触給電可能な複数の送電装置と、
前記各送電装置による送電が実行可能である送電エリア内のいずれかに位置するときに、前記送電装置から非接触で給電を受ける複数の受電装置と、
を備え、
前記コンピュータプログラムは、各前記受電装置の稼働状況を示す情報である受電装置側情報を利用して、前記複数の受電装置から要求される給電電力の合計が、前記系統電源および前記送電回路が電力供給を継続可能な電力である出力可能電力を上回らないように、各前記受電装置を制御する機能をコンピュータに実現させる、
コンピュータプログラム。
(形態13)
複数の送電装置のうちの少なくとも一部から非接触で給電を受ける受電装置であって、
前記複数の送電装置は、系統電源から電力を供給されて、予め定められた動作周波数の高周波交流電力の供給を実行する送電回路に対して互いに並列に接続され、非接触給電可能であり、
前記受電装置は、前記受電装置を含む複数の受電装置から要求される給電電力の合計が、前記系統電源および前記送電回路が電力供給を継続可能な電力である出力可能電力を上回らないように給電を受ける、
受電装置。
(形態14)
受電装置に非接触で給電を行う送電装置であって、
系統電源から電力を供給されて、予め定められた動作周波数の高周波交流電力の供給を実行する送電回路に対して、他の送電装置と互いに並列に接続されており、
前記受電装置は、前記受電装置を含む複数の受電装置から要求される給電電力の合計が、前記系統電源および前記送電回路が電力供給を継続可能な電力である出力可能電力を上回らないように給電を受ける、
送電装置。
【符号の説明】
【0079】
110、110A…送電回路、120、120A、120B…送電装置、200…受電装置、400…給電電力抑制部、1000、1000A、1000B…非接触給電システム、PS…系統電源
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12