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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024148197
(43)【公開日】2024-10-18
(54)【発明の名称】建物の基礎断熱構造及び施工方法
(51)【国際特許分類】
   E02D 27/01 20060101AFI20241010BHJP
   E04B 1/76 20060101ALI20241010BHJP
   E04B 1/80 20060101ALI20241010BHJP
【FI】
E02D27/01 A
E04B1/76 500Z
E04B1/80
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023061092
(22)【出願日】2023-04-05
(71)【出願人】
【識別番号】000004673
【氏名又は名称】パナソニックホームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104134
【弁理士】
【氏名又は名称】住友 慎太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100156225
【弁理士】
【氏名又は名称】浦 重剛
(74)【代理人】
【識別番号】100168549
【弁理士】
【氏名又は名称】苗村 潤
(74)【代理人】
【識別番号】100200403
【弁理士】
【氏名又は名称】石原 幸信
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 寛
(72)【発明者】
【氏名】下川床 和尊
【テーマコード(参考)】
2D046
2E001
【Fターム(参考)】
2D046BA01
2E001DD01
2E001FA21
2E001GA12
2E001GA28
2E001HD02
2E001HD03
2E001HD09
2E001KA05
2E001LA04
(57)【要約】
【課題】 断熱性能を向上しつつ、防蟻メンテナンス性にも優れた基礎断熱構造を提供する。
【解決手段】 建物Bの基礎断熱構造1は、布基礎2と、土間コンクリート3と、基礎断熱材4とを含む。布基礎2は、建物Bの外部地盤面G1よりも下方を水平に延びるベース部5と、ベース部5から上方に延び、かつ、外部地盤面G1から突出する立上り部6とを含む。立上り部6は、建物Bの床下空間7側を向く内向き面6iを有する。土間コンクリート3は、ベース部5よりも上方、かつ、立上り部6の内向き面6iから水平方向に隙間10を隔て床下地盤面G2を覆うように配されている。基礎断熱材4は、立上り部6の内向き面6iに沿って上下に延び、かつ、隙間10を貫通する第1部分15と、土間コンクリート3と床下地盤面G2との間を水平に延び、かつ、第1部分15に対して水平勝ちに配される第2部分16とを含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物の基礎断熱構造であって、
布基礎と、土間コンクリートと、基礎断熱材とを含み、
前記布基礎は、前記建物の外部地盤面よりも下方を水平に延びるベース部と、前記ベース部から上方に延び、かつ、前記外部地盤面から突出する立上り部とを含み、
前記立上り部は、前記建物の床下空間側を向く内向き面を有し、
前記土間コンクリートは、前記ベース部よりも上方、かつ、前記立上り部の前記内向き面から水平方向に隙間を隔て床下地盤面を覆うように配されており、
前記基礎断熱材は、
前記立上り部の前記内向き面に沿って上下に延び、かつ、前記隙間を貫通する第1部分と、
前記土間コンクリートと前記床下地盤面との間を水平に延び、かつ、前記第1部分に対して水平勝ちに配される第2部分とを含む、
建物の基礎断熱構造。
【請求項2】
防蟻薬液を吸収可能な薬液吸収手段を含み、
前記薬液吸収手段は、前記立上り部の前記内向き面と前記第1部分との間に配置される縦部分と、前記縦部分に連なり、かつ、前記床下地盤面と前記第2部分との間に配置される横部分とを含む、請求項1に記載の基礎断熱構造。
【請求項3】
前記床下地盤面と前記薬液吸収手段との間に、防蟻性能を有する第1防湿シートが敷設されている、請求項2に記載の基礎断熱構造。
【請求項4】
前記床下地盤面と前記土間コンクリートとの間に、前記防蟻性能を有しない第2防湿シートが敷設されており、
前記第2防湿シートは、前記第1防湿シートと部分的に重ねられている、請求項3に記載の基礎断熱構造。
【請求項5】
前記第1部分のうち、少なくとも前記薬液吸収手段の前記縦部分に接触する第1当接部は、前記防蟻薬液の浸透を阻害する非浸透性表面を有する、請求項2に記載の基礎断熱構造。
【請求項6】
前記第2部分のうち、少なくとも前記薬液吸収手段の前記横部分に接触する第2当接部は、前記防蟻薬液の吸収を阻害する非浸透性表面を有する、請求項2に記載の基礎断熱構造。
【請求項7】
請求項1ないし6のいずれか1項に記載の基礎断熱構造を施工するための方法であって、
地盤上に前記布基礎を形成する工程と、
前記床下地盤面の上に、前記基礎断熱材の前記第2部分を配置する工程と、
前記第2部分の上面に前記基礎断熱材の前記第1部分の下端を当接させ、かつ、前記立上り部の前記内向き面に沿って前記第1部分を配置することにより、前記第1部分に対して前記第2部分を水平勝ちとする工程と、
前記第1部分から前記床下地盤面側において、前記第2部分を覆うように前記土間コンクリートを施工する工程とを含む、
基礎断熱構造の施工方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物の基礎断熱構造及び施工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、発泡樹脂系断熱材を含む基礎断熱構造が提案されている。この発泡樹脂系断熱材は、立上がり部に沿って延びる縦部と、この縦部から床下空間側に延びる水平部とを含んで構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013-194422号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般に、床下空間には、土間コンクリートが施工され、その上に床パネルや大引等を支持するための束が設けられる。しかしながら、上記のような基礎断熱構造では、土間コンクリート上の束が立設された箇所は、発泡樹脂系断熱材で覆うことが困難であることから、断熱性能の向上についてはさらなる改善の余地があった。
【0005】
また、発泡樹脂系の断熱材については、シロアリが蟻道を形成する場合があるため、基礎断熱材の構造については、防蟻メンテナンスを容易に行えるよう配慮する必要がある。
【0006】
本発明は、以上のような実状に鑑み案出されたもので、断熱性能を向上しつつ、防蟻メンテナンス性にも優れた基礎断熱構造を提供することを主たる目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、建物の基礎断熱構造であって、布基礎と、土間コンクリートと、基礎断熱材とを含み、前記布基礎は、前記建物の外部地盤面よりも下方を水平に延びるベース部と、前記ベース部から上方に延び、かつ、前記外部地盤面から突出する立上り部とを含み、前記立上り部は、前記建物の床下空間側を向く内向き面を有し、前記土間コンクリートは、前記ベース部よりも上方、かつ、前記立上り部の前記内向き面から水平方向に隙間を隔て床下地盤面を覆うように配されており、前記基礎断熱材は、前記立上り部の前記内向き面に沿って上下に延び、かつ、前記隙間を貫通する第1部分と、前記土間コンクリートと前記床下地盤面との間を水平に延び、かつ、前記第1部分に対して水平勝ちに配される第2部分とを含む、建物の基礎断熱構造である。
【発明の効果】
【0008】
本発明の基礎断熱構造は、上記の構成を採用することで、断熱性能を向上しつつ、優れた防蟻メンテナンス性を具えることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本実施形態の建物の基礎断熱構造を示す部分断面図である。
図2図1の部分拡大図である。
図3】布基礎を形成する工程を説明する断面図である。
図4】第2防湿シートを敷設する工程を説明する断面図である。
図5】第1防湿シートを敷設する工程を説明する断面図である。
図6】薬液吸収手段を敷設する工程を説明する断面図である。
図7】基礎断熱材の第2部分を配置する工程を説明する断面図である。
図8】基礎断熱材の第1部分を配置する工程を説明する断面図である。
図9】土間コンクリートを施工する工程を説明する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態が図面に基づき説明される。図面は、発明の内容の理解を助けるために、誇張表現や、実際の構造の寸法比とは異なる表現が含まれることが理解されなければならない。また、各実施形態を通して、同一又は共通する要素については同一の符号が付されており、重複する説明が省略される。さらに、実施形態及び図面に表された具体的な構成は、本発明の内容理解のためのものであって、本発明は、図示されている具体的な構成に限定されるものではない。
【0011】
[基礎断熱構造]
図1は、本実施形態の建物Bの基礎断熱構造1を示す部分断面図である。本実施形態の建物Bは、住宅である場合が例示されているが、ビル等であってもよい。本実施形態の基礎断熱構造1は、布基礎2と、土間コンクリート3と、基礎断熱材4とを含んで構成されている。
【0012】
[布基礎]
本実施形態の布基礎2は、ベース部5と、立上り部6とを含んで構成されている。本実施形態の布基礎2は、建物Bの外周に沿って配されている。これにより、建物Bには、床下空間7が区画される。布基礎2は、例えば、鉄筋コンクリートで形成されている。
【0013】
[ベース部]
ベース部5は、建物Bの外部地盤面G1よりも下方(本例では、地中8内)を、水平に延びている。外部地盤面G1は、建物Bの外部(布基礎2に対して屋外14側)の土地(地盤9)の上面である。本実施形態の外部地盤面G1は、建物Bの垂直高さの基準となるグランドラインとして特定される。
【0014】
[立上り部]
立上り部6は、ベース部5から上方へ延び、かつ、外部地盤面G1から突出している。本実施形態の立上り部6は、ベース部5の幅方向の中央から上方へ延びている。これにより、布基礎2は、断面T字状に形成される。本実施形態の立上り部6は、床下空間7側を向く内向き面6iを有している。
【0015】
[土間コンクリート]
土間コンクリート3は、床下地盤面G2を覆うように配されている。これにより、土間コンクリート3は、床下空間7の底面7sを構成している。床下地盤面G2は、建物Bの床下空間7内(布基礎2に対して屋内18側)の土地(地盤9)の上面である。本実施形態の床下地盤面G2は、外部地盤面G1とは異なり、グランドラインとして特定されない。
【0016】
土間コンクリート3(床下地盤面G2)は、ベース部5よりも上方に配置されている。さらに、土間コンクリート3は、立上り部6の内向き面6iから水平方向に隙間10を隔て、床下地盤面G2を覆うように配されている。したがって、土間コンクリート3と立上り部6とが離間して配置されている。また、土間コンクリート3(床下空間7の底面7s)には、例えば、床パネル11や大引12等を支持するための束13が立設されている。
【0017】
本実施形態の土間コンクリート3は、立上り部6の内向き面6iに向かって実質的に一定の厚さW1で延びている。このような土間コンクリート3は、例えば、内向き面6iに向かって、ハンチ状に厚さW1が徐々に大きくなる土間コンクリート(図示省略)に比べると、施工性が向上する。さらに、床下地盤面G2を掘削したときに生じる残土処理が低減されうる。なお、「実質的に一定の厚さW1」とは、施工上の誤差を許容するものである。
【0018】
[基礎断熱材]
基礎断熱材4は、布基礎2を断熱するためのものである。基礎断熱材4には、従来の断熱材が採用されうる。断熱材の一例としては、ポリスチレンフォーム、ウレタンフォーム、又は、フェノールフォーム等が挙げられる。
【0019】
本実施形態の基礎断熱材4は、第1部分15と、第2部分16とを含んで構成されている。これらの第1部分15及び第2部分16は、断面矩形状に形成された断熱パネルとして形成されている。
【0020】
第1部分15は、立上り部6の内向き面6iに沿って上下に延びている。このような第1部分15により、建物Bの外部からの熱が、布基礎2を介して、床下空間7及び土間コンクリート3に伝えられるのが抑制される。本実施形態の第1部分15は、立上り部6の内向き面6iと土間コンクリート3との隙間10を貫通している。
【0021】
第2部分16は、土間コンクリート3と床下地盤面G2(凹部26)との間を水平に延びている。本実施形態の第2部分16は、床下地盤面G2に形成された凹部26に配されている。
【0022】
図2は、図1の部分拡大図である。図2において、図1に示した束13が省略されている。図2に示されるように、本実施形態の第2部分16は、屋外14側(立上り部6側)を向く外端16aが、立上り部6の内向き面6iに沿って配されている。このような第2部分16により、建物Bの外部からの熱が、布基礎2や土間コンクリート3の端部3t側を介して、床下空間7に伝えられるのが抑制される。
【0023】
第2部分16は、第1部分15に対して水平勝ちに配される。これにより、第2部分16は、立上り部6の内向き面6iと土間コンクリート3との隙間10を介して、第1部分15と連続し、断面L字状の基礎断熱材4が形成される。
【0024】
本実施形態において、「水平勝ち(横勝ち)」とは、第1部分15に対して第2部分16が延びる納め方である。本実施形態では、第2部分16の上面(土間コンクリート3を向く上面)16uに、第1部分15の下端(床下地盤面G2を向く下端)15dが当接している。
【0025】
本実施形態では、第2部分16が、第1部分15に対して水平勝ちに配されることで、第1部分15の下端15dが、第2部分16の上面16uによって安定して支持され、第1部分15が第2部分16(床下地盤面G2)よりも下方に沈み込むのが抑制されうる。これにより、第1部分15の外面(内向き面6iに向く外面)15aと、第2部分16の外端16aと、第2部分16の下面(凹部26を向く下面)16dとで、立上り部6の内向き面6i側で出隅となる出隅コーナー部17が、安定して形成される
【0026】
このように、本実施形態の基礎断熱構造1では、第1部分15及び第2部分16を含む断面L字状の基礎断熱材4により、布基礎2及び土間コンクリート3を介して伝えられる建物Bの外部からの熱が、効果的に遮断されうる。さらに、土間コンクリート3と布基礎2の立上り部6とが離間して配置され、かつ、それらの隙間10に、基礎断熱材4の第1部分15が設けられている。これにより、立上り部6に伝えられた建物Bの外部からの熱が、土間コンクリート3や床下空間7に伝えられるのを、より確実に防ぐことが可能となる。
【0027】
また、本実施形態の第2部分16は、土間コンクリート3と床下地盤面G2との間を水平に延びているため、土間コンクリート3の上に立設された束13(図1に示す)との干渉が防止される。これにより、土間コンクリート3のうち、束13が立設された領域にも、第2部分16が配置されるため、断熱性能の向上が可能となる。
【0028】
さらに、基礎断熱材4が断面L字状に形成されることで、第1部分15を布基礎2のベース部5まで延ばさなくても、断熱性能が発揮されうる。これにより、第1部分15を構成する断熱材の使用量が少なくなり、基礎断熱構造1に必要なコストが低減される。とりわけ、土間コンクリート3とベース部5との上下方向の距離が大きくなる布基礎(いわゆる、深基礎)2が構成されている場合には、第1部分15の断熱材の使用量が大幅に少なくなり、コストがより低減される。
【0029】
一般に、土間コンクリート3(床下地盤面G2)には、一年を通じて温度変化の少ない地中8の熱(土間コンクリート3の下方の地熱)が伝えられる。このため、土間コンクリート3は、布基礎2の立上り部6に比べると、建物Bの外部からの熱の影響は小さい。このような観点より、図1に示されるように、土間コンクリート3と床下地盤面G2との間に配される第2部分16の厚さW3は、立上り部6に配される第1部分15の厚さW2よりも小さく設定されてもよい。これにより、第2部分16の断熱材の使用量が少なくなり、基礎断熱構造1に必要なコストが低減される。一方、建物Bの外部からの熱の影響が大きい立上り部6に配される第1部分15の厚さW2が相対的に大きく設定されるのが好ましい。これにより、基礎断熱構造1の断熱性能が維持されうる。このような作用を効果的に発揮させるために、第2部分16の厚さW3は、第1部分15の厚さW2の50%~80%に設定されるのが好ましい。
【0030】
第1部分15の厚さW2及び第2部分16の厚さW3は、例えば、基礎断熱構造1に求められる断熱性能に応じて適宜設定されうる。第1部分15の厚さW2は、40~120mm程度に設定される。第2部分16の厚さW3は、20~100mm程度に設定される。
【0031】
また、基礎断熱構造1では、基礎断熱材4にシロアリが侵入して蟻道を形成するのを防ぐためのメンテナンス(以下、単に「防蟻メンテナンス」ということがある。)が、定期的に行われるのが好ましい。防蟻メンテナンスには、防蟻薬液(図示省略)が用いられる。防蟻薬液は、例えば、特許文献(特許第6130664号公報)に記載の公知の薬剤を含有している液体が採用されうる。
【0032】
防蟻薬液(図示省略)は、例えば、図2に示されるように、基礎断熱材4の第1部分15に予め形成された孔部33に注入される。本実施形態の孔部33は、第1部分15の内面(床下空間7側を向く内面)15bから立上り部6の内向き面6iに延びている。このような孔部33に、防蟻薬液(図示省略)が注入されることで、立上り部6の内向き面6iと、第1部分15の外面15aとの間に、防蟻薬液が供給される。その防蟻薬液は、例えば、後述の薬液吸収手段31や、特許文献(特許第6130664号公報)に記載のガイド溝等を介して、第1部分15の下端15d側に案内される。
【0033】
本実施形態では、第2部分16が第1部分15に対して水平勝ちとされることで、安定した出隅コーナー部17(断面L字状)が形成されている。一方、第1部分15が第2部分16に対して垂直勝ち(縦勝ち)とされた場合、第1部分15の下端15dが、第2部分16の上面16uに支持されなくなる。このため、垂直勝ちでは、第1部分15の下端15dが、第2部分16の下面16dよりも下方に沈み込みやすく、安定した出隅コーナー部17(断面L字状)の形成が困難となる。本実施形態において、「垂直勝ち(縦勝ち)」とは、第2部分16に対して第1部分15が延びる納め方である。この場合、第1部分15の内面15bに、第2部分16の外端16aが当接する。
【0034】
このように、水平勝ちとされる本実施形態では、垂直勝ちとされる場合に比べて、第1部分15の下端15d側に向かって案内された防蟻薬液が、第2部分16の外端16a及び出隅コーナー部17を介して、第2部分16の下面16dに円滑に案内されうる。これにより、第1部分15及び第2部分16の広範囲に、防蟻薬液が容易に供給されるため、防蟻メンテナンス性が向上する。
【0035】
[薬液吸収手段]
基礎断熱構造1には、防蟻薬液を吸収可能な薬液吸収手段31がさらに含まれるのが好ましい。このような薬液吸収手段31により、防蟻薬液を吸収し、かつ、防蟻薬液が保持されるため、防蟻性能が長期間に亘って維持されうる。
【0036】
薬液吸収手段31は、防蟻薬液を吸収可能なものであれば、適宜構成されうる。本実施形態の薬液吸収手段31は、不織布32で構成されている。このような不織布32により、防蟻薬液が迅速に吸収され、かつ、防蟻薬液が安定して保持されうる。
【0037】
本実施形態の薬液吸収手段31は、縦部分35と、横部分36とを含んで構成される。
【0038】
縦部分35は、立上り部6の内向き面6iと、第1部分15(外面15a)との間に配置されている。このような縦部分35により、第1部分15の外面15a側で、防蟻薬液が吸収及び保持されるため、第1部分15へのシロアリの侵入が抑制され、第1部分15に蟻道が形成されるのが防止されうる。さらに、縦部分35により、第1部分15の下端15d(出隅コーナー部17)側に、防蟻薬液が案内されるため、第1部分15の広範囲に亘って、シロアリの侵入が抑制されうる。なお、出隅コーナー部17に防蟻薬液を円滑に案内するために、縦部分35の下端側は、立上り部6の内向き面6iと、第2部分16の外端16aとの間に配置されるのが好ましい。
【0039】
基礎断熱材4の第1部分15のうち、少なくとも薬液吸収手段31の縦部分35に接触する第1当接部27(外面15a)は、防蟻薬液の浸透を阻害する非浸透性表面29を有するのが好ましい。このような非浸透性表面29により、縦部分35に供給された防蟻薬液が、第1部分15に浸透(吸収)するのが抑制される。これにより、縦部分35は、防蟻薬液を保持しつつ、防蟻薬液を出隅コーナー部17に円滑に案内しうる。
【0040】
非浸透性表面29は、薬液吸収手段31よりも防蟻薬液が浸透し難く(水分浸透性が低く)設定されていれば、適宜形成されうる。非浸透性表面29は、例えば、吸水量が小さい性質を有する独立気泡構造の断熱材の外面で形成されてもよい。なお、断熱材の外面に、吸水量が比較的大きな表面材(ガラス繊維混抄紙など)が設けられている場合には、その表面材が除去されることで、非浸透性表面29が容易に形成されうる。また、非浸透性表面29を形成する独立気泡構造の断熱材の吸水量は、5g/100cm2以下に設定されるのが好ましい。なお、吸水量は、JIS A9521の規定に準拠して測定されうる。
【0041】
縦部分35の上端35uは、土間コンクリート3の上面3u(図1に示した床下空間7の底面7s)よりも上方に配置されており、さらに、孔部33よりも上方に配されるのが好ましい。これにより、床下空間7から孔部33を介して注入された防蟻薬液が、薬液吸収手段31に円滑に供給され、防蟻メンテナンス性が向上する。
【0042】
横部分36は、縦部分35に連なり、かつ、床下地盤面G2(凹部26)と第2部分16との間に配置される。このような横部分36により、第2部分16の下面16d側で、防蟻薬液が吸収及び保持されるため、第2部分16へのシロアリの侵入が抑制され、第2部分16に蟻道が形成されるのが防止されうる。さらに、横部分36により、第2部分16の内端(床下空間7側を向く内端)16b側に、防蟻薬液が案内されるため、第2部分16の広範囲に亘って、シロアリの侵入が抑制されうる。なお、第2部分16の内端16b側に防蟻薬液を円滑に案内するために、横部分36の内端側は、第2部分16の内端16bと、凹部26との間に配置されるのが好ましい。
【0043】
本実施形態では、第1部分15に対して第2部分16が水平勝ちに配されることで、これらの第1部分15及び第2部分16に沿って配置される薬液吸収手段31の縦部分35及び横部分36にも、安定した出隅コーナー部17が形成される。これにより、薬液吸収手段31に注入された防蟻薬液が、縦部分35から横部分36へと円滑に案内されるため、基礎断熱構造1の防蟻性能が長期間に亘って維持されうる。
【0044】
第2部分16のうち、少なくとも薬液吸収手段31の横部分36に接触する第2当接部28は、防蟻薬液の吸収を阻害する非浸透性表面29を有するのが好ましい。なお、非浸透性表面29は、第1部分15の非浸透性表面29と同様に形成されうる。このような非浸透性表面29により、横部分36に供給された防蟻薬液が、第2部分16に浸透(吸収)するのが抑制される。これにより、横部分36は、防蟻薬液を保持しつつ、防蟻薬液を第2部分16の内端16b側に円滑に案内しうる。
【0045】
[第1防湿シート]
基礎断熱構造1には、第1防湿シート21がさらに含まれてもよい。本実施形態の第1防湿シート21は、床下地盤面G2と薬液吸収手段31との間に敷設されている。
【0046】
第1防湿シート21は、防蟻性能を有している。この防蟻性能は、例えば、特許文献(特許第6130664号公報)に記載されるような防蟻機能を有する公知の薬剤が、第1防湿シート21に含有されることで発揮されうる。
【0047】
本実施形態の基礎断熱構造1では、第1防湿シート21により、地中8に含まれる水分が、薬液吸収手段31、基礎断熱材4の第2部分16及び土間コンクリート3を介して、床下空間7に浸入するのが抑制される。さらに、第1防湿シート21は、防蟻性能を有しているため、防蟻薬液が吸収された薬液吸収手段31とともに、地中8のシロアリが第2部分16に侵入するのが抑制され、第2部分16に蟻道が形成されるのが防止されうる。これにより、防蟻性能を有する高価な断熱材で第2部分16が構成されていなくても、第2部分16にシロアリが侵入する(蟻道が形成される)のが抑制される。したがって、基礎断熱構造1に必要なコストが低減されうる。
【0048】
本実施形態では、経年によって、第1防湿シート21の防蟻性能が低下したとしても、例えば、薬液吸収手段31に吸収された防蟻薬液が、第1防湿シート21に供給されることで、防蟻性能が継続して発揮されうる。
【0049】
本実施形態の第1防湿シート21は、第1片23と、第2片24と、第3片25とを含んで構成されている。第1片23は、基礎断熱材4の第2部分16の外端16a及び薬液吸収手段31の縦部分35と、立上り部6の内向き面6iとの間に配置されている。第2片24は、第2部分16の下面16d及び薬液吸収手段31の横部分36と、床下地盤面G2(凹部26)との間に配置されている。第3片25は、第2部分16の内端16b及び薬液吸収手段31の横部分36と、床下地盤面G2(凹部26)との間に配されている。
【0050】
これらの第1片23、第2片24及び第3片25を含む第1防湿シート21により、土間コンクリート3で覆われる第2部分16の上面16uを除いて、第2部分16の全域が覆われる。これにより、床下空間7への水分の浸入や、第2部分16へのシロアリの侵入が、より確実に防がれる。さらに、第1防湿シート21は、薬液吸収手段31と重ねられるため、薬液吸収手段31に吸収された防蟻薬液を、第1防湿シート21の広い範囲に行き渡らせることが可能となる。
【0051】
[第2防湿シート]
基礎断熱構造1には、第2防湿シート22がさらに含まれてもよい。本実施形態の第2防湿シート22は、床下地盤面G2と土間コンクリート3との間に敷設されている。
【0052】
本実施形態では、基礎断熱材4の第2部分16へのシロアリの侵入が、第1防湿シート21によって防がれている。このため、本実施形態の第2防湿シート22は、防蟻性能を有していない。このような第2防湿シート22は、防蟻性能を有する第1防湿シート21に比べて安価となり、基礎断熱構造1に必要なコストが低減される。
【0053】
本実施形態の第2防湿シート22により、地中8に含まれる水分が、土間コンクリート3を介して、床下空間7に浸入するのが抑制される。このような床下空間7への水分の浸入を確実に防ぐために、第2防湿シート22は、第1防湿シート21と部分的に重ねられているのが好ましい。これにより、土間コンクリート3と床下地盤面G2との間に、第1防湿シート21と第2防湿シート22とが連続して配置されるため、床下空間7への水分の浸入が、より確実に防がれる。
【0054】
本実施形態では、第1防湿シート21の第3片25に、第2防湿シート22が重ねられているが、特に限定されるわけではない。第2防湿シート22は、例えば、第1防湿シート21の第3片25だけでなく、第2片24にも重ねられてもよい。
【0055】
[基礎断熱構造の施工方法]
次に、基礎断熱構造1の施工方法(以下、単に「施工方法」ということがある。)が説明される。
【0056】
[布基礎を形成]
本実施形態の施工方法では、先ず、地盤上に布基礎2が形成される(工程S1)。図3は、布基礎2を形成する工程S1を説明する断面図である。
【0057】
工程S1では、従来と同様の手順に基づいて、布基礎2が形成される。本実施形態では、建物Bの外部地盤面G1よりも下方を水平に延びるベース部5と、ベース部5から上方に延び、かつ、外部地盤面G1から突出する立上り部6とを含む布基礎2が形成される。本実施形態の工程S1では、建物B(図1に示す)の外周に沿って、布基礎2が形成される。
【0058】
本実施形態の工程S1では、図1に示した基礎断熱材4の第2部分16の一部分を埋設するための凹部26を形成するために、床下地盤面G2のうち、例えば、立上り部6の内向き面6i側が掘削される。本実施形態の凹部26の底面26dは、布基礎2のベース部5よりも上方に配されている。
【0059】
本実施形態では、後述の工程S7において、図1に示した実質的に一定の厚さW1で延びる土間コンクリート3が施工(打設)される。このため、例えば、内向き面6iに向かって、ハンチ状に厚さW1が徐々に大きくなる従来の土間コンクリートを施工するのに必要な凹部(図示省略)を形成する必要がない。これにより、床下地盤面G2を掘削したときに生じる残土処理が低減されうる。
【0060】
[第2防湿シートを敷設]
次に、本実施形態の施工方法では、図1に示した第2防湿シート22が敷設される(工程S2)。図4は、第2防湿シート22を敷設する工程S2を説明する断面図である。
【0061】
本実施形態の工程S2では、先ず、凹部26を除く床下地盤面G2に、少なくとも第2防湿シート22が敷設される。本実施形態では、第2防湿シート22の端部22aが、凹部26に配置されている。
【0062】
[第1防湿シートを敷設]
次に、本実施形態の施工方法では、床下地盤面G2の凹部26に、図1に示した第1防湿シート21が敷設される(工程S3)。図5は、第1防湿シート21を敷設する工程S3を説明する断面図である。
【0063】
本実施形態の工程S3では、布基礎2の立上り部6の内向き面6iに沿って、第1防湿シート21の第1片23が敷設される。さらに、床下地盤面G2の凹部26の底面26dに沿って、第1防湿シート21の第2片24が敷設される。一方、第1防湿シート21の第3片25は、第2防湿シート22の端部22aに重ねられる。これにより、床下地盤面G2に、第1防湿シート21と第2防湿シート22とが連続して配置されうる。
【0064】
[薬液吸収手段を敷設]
次に、本実施形態の施工方法では、図1に示した薬液吸収手段31が敷設される(工程S4)。図6は、薬液吸収手段31を敷設する工程S4を説明する断面図である。
【0065】
工程S4では、第1防湿シート21の上に、薬液吸収手段31(不織布32)が敷設される。薬液吸収手段31には、防蟻薬液が予め吸収されていてもよい。
【0066】
本実施形態の工程S4では、立上り部6の内向き面6i及び第1防湿シート21の第1片23に沿って、薬液吸収手段31の縦部分35が敷設される。この縦部分35の上端35uは、床下地盤面G2及び後述の土間コンクリート3の上面3u(図1に示す)よりも上方に配置されている。また、本実施形態の工程S4では、第1防湿シート21の第2片24及び第3片25の上に、薬液吸収手段31の横部分36が敷設される。これにより、工程S4では、第1防湿シート21の全域に、薬液吸収手段31が敷設される。
【0067】
[基礎断熱材の第2部分を配置]
次に、本実施形態の施工方法では、床下地盤面G2の上に、図1に示した基礎断熱材4の第2部分16が配置される(工程S5)。図7は、基礎断熱材4の第2部分16を配置する工程S5を説明する断面図である。
【0068】
本実施形態では、床下地盤面G2の凹部26の底面26dに沿って敷設された第1防湿シート21及び薬液吸収手段31の上に、第2部分16の下面16dが配置される。これにより、工程S5では、第2部分16が水平に配置される。本実施形態では、第2部分16の外端16aが、立上り部6の内向き面6i(第1防湿シート21の第1片23及び薬液吸収手段31の縦部分35)に沿って配されている。
【0069】
[基礎断熱材の第1部分を配置]
次に、本実施形態の施工方法では、図1に示した基礎断熱材4の第1部分15が配置される(工程S6)。図8は、基礎断熱材4の第1部分15を配置する工程S6を説明する断面図である。
【0070】
本実施形態の工程S6では、第2部分16の上面16uに、第1部分15の下端15dが当接される。次に、工程S6では、立上り部6の内向き面6i(本例では、薬液吸収手段31の縦部分35を含む)に沿って、第1部分15が配置される。これにより、工程S6では、第1部分15に対して、第2部分16が水平勝ちとされる。
【0071】
第1部分15には、第1部分15の内面15bから立上り部6の内向き面6iに延び、かつ、薬液吸収手段31に防蟻薬液を注入可能な孔部33(図2に示す)が形成されてもよい。
【0072】
[土間コンクリートを施工する工程]
次に、本実施形態の施工方法では、図1に示した土間コンクリート3が施工される(工程S7)。図9は、土間コンクリート3を施工する工程S7を説明する断面図である。
【0073】
本実施形態の工程S7では、第1部分15から床下地盤面G2側において、第2部分16を覆うように、土間コンクリート3が施工(打設)される。本実施形態では、土間コンクリート3によって、第1防湿シート21、第2防湿シート22及び薬液吸収手段31が、第2部分16とともに覆われる。土間コンクリート3の端部3tは、第1部分15の内面15bに当接している。これにより、土間コンクリート3は、布基礎2のベース部5よりも上方、かつ、立上り部6の内向き面6iから水平方向に隙間10を隔てて床下地盤面G2を覆うように配されうる。
【0074】
本実施形態の施工方法では、工程S1~工程S7により、基礎断熱構造1が形成される。土間コンクリート3には、図1に示した床パネル11や大引12等を支持するための束13が設けられる。
【0075】
このように、本実施形態の施工方法では、土間コンクリート3と床下地盤面G2との間を水平に延びる第2部分16が配置されることで、図1に示した土間コンクリート3に立設された束13との干渉が防がれる。これにより、基礎断熱構造1の施工性が向上する。さらに、土間コンクリート3のうち、束13が立設された領域に、第2部分16が配されるため、断熱性能を向上させた基礎断熱構造1が製造されうる。
【0076】
また、本実施形態の施工方法では、基礎断熱材4が断面L字状に形成される。これにより、第1部分15を布基礎2のベース部5まで延ばさなくても、断熱性能が発揮されるため、基礎断熱構造1の施工コストの低減が可能となる。
【0077】
さらに、本実施形態の施工方法では、第1部分15に対して第2部分16が水平勝ちとされることで、図2に示されるように、安定した出隅コーナー部17(断面L字状)が形成されうる。これにより、孔部33への防蟻薬液(図示省略)の注入により、薬液吸収手段31を介して、第2部分16の外端16a及び出隅コーナー部17を介して、第2部分16の下面16dに、防蟻薬液が円滑に案内されうる。したがって、第1部分15及び第2部分16の広範囲に、防蟻薬液を供給して、防蟻性能を長期間に亘って維持することが可能となり、優れた防蟻メンテナンス性を有する基礎断熱構造1が製造されうる。
【0078】
以上、本発明の特に好ましい実施形態について詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施しうる。
【0079】
[付記]
本発明は以下の態様を含む。
【0080】
[本発明1]
建物の基礎断熱構造であって、
布基礎と、土間コンクリートと、基礎断熱材とを含み、
前記布基礎は、前記建物の外部地盤面よりも下方を水平に延びるベース部と、前記ベース部から上方に延び、かつ、前記外部地盤面から突出する立上り部とを含み、
前記立上り部は、前記建物の床下空間側を向く内向き面を有し、
前記土間コンクリートは、前記ベース部よりも上方、かつ、前記立上り部の前記内向き面から水平方向に隙間を隔て床下地盤面を覆うように配されており、
前記基礎断熱材は、
前記立上り部の前記内向き面に沿って上下に延び、かつ、前記隙間を貫通する第1部分と、
前記土間コンクリートと前記床下地盤面との間を水平に延び、かつ、前記第1部分に対して水平勝ちに配される第2部分とを含む、
建物の基礎断熱構造。
[本発明2]
防蟻薬液を吸収可能な薬液吸収手段を含み、
前記薬液吸収手段は、前記立上り部の前記内向き面と前記第1部分との間に配置される縦部分と、前記縦部分に連なり、かつ、前記床下地盤面と前記第2部分との間に配置される横部分とを含む、本発明1に記載の基礎断熱構造。
[本発明3]
前記床下地盤面と前記薬液吸収手段との間に、防蟻性能を有する第1防湿シートが敷設されている、本発明2に記載の基礎断熱構造。
[本発明4]
前記床下地盤面と前記土間コンクリートとの間に、前記防蟻性能を有しない第2防湿シートが敷設されており、
前記第2防湿シートは、前記第1防湿シートと部分的に重ねられている、本発明3に記載の基礎断熱構造。
[本発明5]
前記第1部分のうち、少なくとも前記薬液吸収手段の前記縦部分に接触する第1当接部は、前記防蟻薬液の浸透を阻害する非浸透性表面を有する、本発明2ないし4のいずれかに記載の基礎断熱構造。
[本発明6]
前記第2部分のうち、少なくとも前記薬液吸収手段の前記横部分に接触する第2当接部は、前記防蟻薬液の吸収を阻害する非浸透性表面を有する、本発明2ないし5のいずれかに記載の基礎断熱構造。
[本発明7]
本発明1ないし6のいずれかに記載の基礎断熱構造を施工するための方法であって、
地盤上に前記布基礎を形成する工程と、
前記床下地盤面の上に、前記基礎断熱材の前記第2部分を配置する工程と、
前記第2部分の上面に前記基礎断熱材の前記第1部分の下端を当接させ、かつ、前記立上り部の前記内向き面に沿って前記第1部分を配置することにより、前記第1部分に対して前記第2部分を水平勝ちとする工程と、
前記第1部分から前記床下地盤面側において、前記第2部分を覆うように前記土間コンクリートを施工する工程とを含む、
基礎断熱構造の施工方法。
【符号の説明】
【0081】
1 基礎断熱構造
2 布基礎
3 土間コンクリート
4 基礎断熱材
5 ベース部
6 立上り部
7 床下空間
15 第1部分
16 第2部分
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9