(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024148207
(43)【公開日】2024-10-18
(54)【発明の名称】流量調整弁
(51)【国際特許分類】
F16K 31/50 20060101AFI20241010BHJP
F16K 1/38 20060101ALI20241010BHJP
F16K 1/04 20060101ALI20241010BHJP
【FI】
F16K31/50 B
F16K1/38 C
F16K1/04 A
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023061124
(22)【出願日】2023-04-05
(71)【出願人】
【識別番号】000151346
【氏名又は名称】株式会社タツノ
(74)【代理人】
【識別番号】110000431
【氏名又は名称】弁理士法人高橋特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】竹澤 正浩
【テーマコード(参考)】
3H052
3H063
【Fターム(参考)】
3H052AA01
3H052BA03
3H052CA02
3H052CB02
3H052CC01
3H052CC03
3H052CD01
3H052DA02
3H052EA01
3H063AA01
3H063BB05
3H063BB09
3H063BB24
3H063DA02
3H063DB03
3H063FF03
3H063GG03
(57)【要約】
【課題】小流量時には高精度の制御が可能であり、且つ、大流量による気体燃料供給が可能な流量調整弁の提供。
【解決手段】本発明の流量調整弁(30)は、小径の先端(1A:シャフト先端)を備えたシャフト(1)と、流路(3:流路小径部3Aを含む)が形成された本体部(2)と、開度調整用回転部材(4:開度調整ダイヤル)と、開度調整用回転部材(4)の回転をシャフト(1)の軸線方向移動に変換する変換機構(5)を備え、シャフト先端(1A:シャフト先端テーパー部1AT)が本体部(2)に形成された流路(3)の流路小径部(3A)に挿入可能に配置されており、シャフト先端(1A)の外周と流路小径部(3A)の内周面の間には(微小な)隙間(δ)が存在する様に設定されている。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
小径の先端を備えたシャフトと、流路が形成された本体部と、開度調整用回転部材と、開度調整用回転部材の回転をシャフトの軸線方向移動に変換する変換機構を備え、
シャフト先端が本体部に形成された流路の流路小径部に挿入可能に配置されており、シャフト先端の外周と流路小径部の内周面の間には隙間が存在する様に設定されていることを特徴とする流量調整弁。
【請求項2】
開度調整用回転部材の回転をシャフトの軸線方向移動に変換する機構は、開度調整用回転部材に形成された内ネジとシャフトの開度調整用回転部材側のネジ山との螺合部を有している請求項1の流量調整弁。
【請求項3】
開度調整用回転部材を回転した際に、シャフトが開度調整用回転部材と共回りすることを防止する共回り防止機構を設けている請求項2の流量調整弁。
【請求項4】
前記シャフトを前記シャフト先端側に移動させる機能を有する開度急速調整部材を設けている請求項1~3の何れか1項の流量調整弁。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば燃料電池車輌(FCV)の水素タンク等の様な気体燃料を充填するべき機器に対して、例えば水素の様な気体燃料を充填するための充填装置(例えば水素充填装置)に関し、特に、当該充填装置に好適に用いられる流量調整弁に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の環境問題の対策の一つとして、水素ガスを燃料とする燃料電池自動車(FCV)及びそれに関連する設備の開発が活発に行われている。水素ガスを燃料する車両の普及を促進するためには、FCVに対して安定して水素ガスを充填することが出来る水素充填装置が必要である。出願人は、その様な水素充填装置を既に提案しており(例えば特許文献1)、当該水素充填装置においては、水素供給配管に介装され制御装置の信号に基づき充填する水素の流量制御を行う流量調整弁が開示されている。
また、流量調整弁としては、例えば、ボディ内部に形成される流入口と流出口とを連通する流路と、当該流路に形成される弁座と、弁座に当接・離間し、流路を連通・遮断する弁体と、弁体を移動させるアクチュエータとを備える流量調整弁が提案されている(特許文献2参照)。係る流量調整弁(特許文献2の流量調整弁)では、アクチュエータのステッピングモータの回転軸はボールネジと接続されており、当該ボールネジは、筒状の上部カバー内に上下動可能に備えられたスライダに配設されており、前記ボールネジによって、ステッピングモータの回転運動をスライダの直線運動に変換している。係る構成により、例えば特許文献2の流量調整弁は、作動流体が高圧である場合においても確実に開閉制御を行うことが出来る。
【0003】
しかし、上述した流量調整弁では、弁体が弁座を離隔した瞬間に、急激に流路断面積が増加して流量が増加するので、特に小流量の水素を流すことが要求される場合には、弁開度或いは流量の制御が困難であるという問題を有している。
ここで、流量を絞ることにより、流量を高精度に制御することが可能であるが、水素等の気体燃料の充填に際してはなるべく早く充填を終わらせたいという要請があり、そのため、大流量で充填することが要求される。
小流量時にも高精度の制御が可能であり、且つ、大流量による気体燃料供給の要請に応えることが出来る流量調整弁は、未だに提案されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-139390号公報
【特許文献2】特開2021-196001号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上述した従来技術の問題点に鑑みて提案されたものであり、小流量時にも高精度の制御が可能であり、且つ、大流量による気体燃料供給が可能な流量調整弁の提供を目的にしている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の流量調整弁(30)は、小径の先端(1A:シャフト先端)を備えたシャフト(1)と、流路(3:流路小径部3Aを含む)が形成された本体部(2)と、開度調整用回転部材(4:開度調整ダイヤル)と、開度調整用回転部材(4)の回転をシャフト(1)の軸線方向移動に変換する変換機構(5)を備え、
シャフト先端(1A)が本体部(2)に形成された流路(3)の流路小径部(3A)に挿入可能に配置されており、シャフト先端(1A)の外周と流路小径部(3A)の内周面の間には(微小な)隙間(δ)が存在する様に設定されていることを特徴としている。
【0007】
本発明において、開度調整用回転部材(4)の回転をシャフト(1)の軸線方向移動に変換する機構(5)は、開度調整用回転部材(4)に形成された内ネジ(4C)とシャフト(1)の開度調整用回転部材側(シャフト基部1B)のネジ山(1C)との螺合部(5A)を有しているのが好ましい。
【0008】
また、開度調整用回転部材(4)を回転した際に、シャフト(1)が開度調整用回転部材(4)と共回りすることを防止する共回り防止機構(6:共回り防止部材6Aと共回り防止ボルト6B)を設けているのが好ましい。
【0009】
さらに本発明において、前記シャフト(1)を前記シャフト先端(1A)側(シャフト軸方向の流路調整部10側)に移動させる機能を有する開度急速調整部材(7:開度急速調整ボタン)を設けることが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
上述の構成を具備する本発明の流量調整弁(30)によれば、小径のシャフト先端(1A)に隣接するシャフト先端テーパー部(1AT)が弁体を構成しており、本体部(2)に形成された流路小径部(3A)に隣接する流路テーパー部(3AT)が弁座を構成して、シャフト先端テーパー部(1AT)が流路テーパー部(3AT)に係合することで閉鎖され、シャフト先端テーパー部(1AT)が流路テーパー部(3AT)から離隔することで開放される。
ここで、シャフト先端(1A)の外周と流路小径部(3A)の内周面の間には隙間(δ)が存在する。流量調整弁(30)の開放時であって、シャフト先端(1A)が流路小径部(3A)内に挿入されている場合(小流量領域)には、隙間(δ)を気体燃料(例えば水素)が流れる。隙間(δ)は微小であり、隙間(δ)を気体燃料が流れる距離(シャフト軸方向長さLt)が長いと流路抵抗が大きく、気体燃料流量は小さくなるが、距離が短いと流路抵抗が小さくなり、気体燃料の流量は大きくなる。
本発明によれば、隙間(δ)を気体燃料が流れる長さ、すなわちシャフト先端(1A)が流路小径部(3A)内に挿入されている長さを調整することにより、隙間(δ)を介して流れる気体燃料の流量(比較的小さい流量)を正確に微調整することが出来る。
【0011】
ここで本発明によれば、開度調整用回転部材(4)の回転をシャフト(1)の軸線方向移動に変換する変換機構(5)が設けられているので、開度調整用回転部材(4)を回転してシャフト(1)を軸方向に移動して、流路小径部(3A)内のシャフト軸方向長さ(Lt)及び流路抵抗を変動し、シャフト先端(1A)が流路小径部(3A)内に挿入されている長さ(Lt)、すなわち隙間(δ)を気体燃料が流れる距離を調整することが出来る。係る機構はネジの回転をネジの軸線方向移動に変換する機構を構成するので、開度調整用回転部材(4)の回転量が大きくてもシャフト軸線方向の移動量は大きくならず、シャフト軸線方向の移動量の微調整が可能である。
ここで、隙間(δ)を気体燃料が流れる場合には、隙間(δ)の流路抵抗が大きいため、気体燃料は小流量であり、小流量領域の微調整が容易且つ確実に行われる。
また、シャフト先端テーパー部(1AT)が流路テーパー部(3AT)から離隔しても、気体燃料は流路抵抗が大きい隙間(δ)を流れる。そのため、本発明の流量調整弁(30)によれば、開放した瞬間に、大量の気体燃料が流れてしまうことが防止される。
【0012】
ここで、本発明の流量調整弁(30)が閉鎖している状態から、隙間(δ)を介して小流量の水素が流れる状態を介して、水素流量が急速に増加する状態(大流量の状態)に至るまでは、シャフト先端(1A)が流路小径部(3A)から外れる方向に移動することにより流量調整が実行される。そのため、本発明によれば、
閉鎖状態→小流量の状態→大流量の状態
の移行は、シャフト先端(1A)を流路小径部(3A)から外す方向に移動する操作により連続的に行われる。
そのため本発明の流量調整弁(30)によれば、閉鎖直後すなわち開弁時は少ない流量で水素が流れ、徐々に少ない流量が増加して(小流量領域)、ある状態(
図9で示す状態)以降は急速に流量が増加する(大流量領域)。
【0013】
気体燃料の充填に際しては、気体燃料を充填するべき容器(25:例えばFCVの水素タンク)と気体燃料供給タンク(21)との差圧が減少すると、気体燃料供給タンクを超高圧タンク(22)に切り換える必要がある。超高圧タンク(22)に切り換える際には、流量調整弁(30)の開度を小さくして気体燃料の流量を小さくする必要がある。
本発明において開度急速調整部材(7:開度急速調整ボタン)を備えていれば、開度急速調整部材(7)をシャフト軸方向の流路調整部(10)側に押圧することにより(
図4の領域LC)、シャフト(1)全体を、シャフト基部(1B)で螺合している開度調整ダイヤル(4)と共に、シャフト軸方向の流路調整部側(10)に移動させることが出来る。その結果、シャフト先端(1A)が流路小径部(3A)に挿入されている長さ(隙間δを気体燃料が流れる距離:シャフト軸方向長さLt)が長くなり、流路抵抗が大きくなるので、流量調整弁(30)からの流量は小さくなる(
図4の領域LD)。
すなわち本発明によれば、開度急速調整部材(7)をシャフト軸方向の流路調整部(10)側に押圧することにより、流量調整弁(30)からの流量を急激に小さくして、気体燃料供給タンクの交換を安全且つ円滑に行うことが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図2】FCVタンク圧力の時間に対する特性を示す特性図である。
【
図3】FCVへの水素充填において望ましい流量調整弁開度-水素流量特性を示す特性図である。
【
図4】FCVへの水素充填における時間-流量調整弁開度特性の一例を示す特性図である。
【
図5】本発明の第1実施形態に係る流量調整弁の閉鎖時を示す断面図である。
【
図6】第1実施形態に係る流量調整弁の閉鎖時におけるシャフト先端と流路小径部の相対位置を示す拡大説明断面図である。
【
図7】流量調整弁の小流量領域の状態を示す断面図である。
【
図8】
図7の小流量領域の状態におけるシャフト先端と流路小径部の相対位置を示す拡大説明断面図である。
【
図9】流量調整弁の小流量領域の状態と大流量の領域の境界におけるシャフト先端と流路小径部の相対位置を示す拡大説明断面図である。
【
図10】流量調整弁の大流量領域の状態を示す断面図である。
【
図11】
図10の大流量領域の状態におけるシャフト先端と流路小径部の相対位置を示す拡大説明断面図である。
【
図12】
図10の大流量領域の状態から、開度急速調整ボタンを押圧して、シャフト全体を流路調整部側に移動させた状態を示す断面図である。
【
図13】本発明の第2実施形態に係る流量調整弁の閉鎖時を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
図示の実施形態では、充填装置である水素充填装置により、気体燃料として水素を、FCV(燃料電池自動車:燃料が充填される機器)に充填する態様を例示して説明する。
最初に
図1~
図3を参照して、水素充填における流量調整弁30の作用について説明する。
図1において、水素ガス供給タンク20側は、高圧タンク21と超高圧タンク22により構成されている。水素ガス供給タンク20は水素配管26を介して燃料電池自動車FCVの燃料タンク25に接続され、水素配管26には流量調整弁30が介装されている。
水素配管26において、合流箇所27では、高圧タンク21に接続される水素配管26Aと超高圧タンク22に接続される水素配管26Bが合流している。水素配管26A、26Bにはそれぞれ切換開閉弁23A、23Bが介装されている。
水素ガスの充填に際しては、最初は水素ガスを充填するべき燃料タンク25と水素ガス供給側の高圧タンク21とを連通し、燃料タンク25と高圧タンク21の差圧が減少すると、高圧タンク21を超高圧タンク22に切り換える。高圧タンク21を超高圧タンク22に切り換える際には、切換開閉弁23A、23Bを操作し、切換当初は流量調整弁30の開度を小さくして、流量調整弁30における水素ガスの流量を小さくしている。
図1において、水素充填装置の図示は省略している。
【0016】
図1を参照して説明した水素充填において、FCV側タンク圧力の時間に対する特性が、
図2において特性線L2として示されている。
ここで、特性線L2における傾きθが大きい場合には急激な圧力変化(上昇)が生じているので、充填速度は速くなるが、燃料タンク25(
図1)や水素配管26(
図1)が損傷、破損する可能性が増加する。
一方、水素充填に際しては、耐圧、耐久等の面で関連機器が許す限り、早期に充填を終了するため高速で水素充填を行いたいという要請が存在する。
係る要請に対しては、水素流量(例えば質量流量)を高精度に制御する必要があり、当該制御を実行するため、流量調整弁30(
図1)が設けられている。
ここで、
図2で示す特性線L2における領域LAは、上述した水素ガス供給側を高圧タンク21から超高圧タンク22に切り換える領域を表示している。
【0017】
図3では、流量調整弁の開度と水素流量の特性が特性線L3で示されており、流量調整弁の開度が閉鎖状態(
図3の原点)から開弁された後、開度が徐々に増加する(
図3の原点近傍の領域)。そして、開度が小さい状態の小流量領域R1から、開度が増加した大流量領域R2に移行する。
図3において、小流量領域R1における特性線L31の傾きθ1よりも、大流量領域R2における特性線L32の傾きθ2が大きい。特性線L31の傾きθ1を小さくすることにより、小流量領域R1における圧力上昇を小さくして、FCVの燃料タンクや各種配管へのダメージを小さくすることが出来るからである。また、特性線L32の傾きθ2が大きければ、水素流量が大きくなり、高速で水素充填を行いたいという要請に応えることが出来る。
ここで、水素供給系統(FCVの燃料タンク等の関連機器を含む)がダメージを受け易いのは、小流量領域R1、特に流量調整弁が開弁した直後である。
図示の実施形態に係る流量調整弁30(
図5~
図13参照)について、小流量領域R1での流量調整弁の作動については
図5~
図9を参照して説明され、大流量領域R2での流量調整弁の作動については、
図10~
図11を参照して説明される。
図3において、符号L33は小流量領域R1と第流量領域R2の境界であり、図示の実施形態において、
図3の符号33で示す状態における状態については、
図9を参照して後述する。
【0018】
図4において、水素充填における流量調整弁開度の時間特性を例示する特性線L4において、充填開始直後から時間LBまでは、調整弁開度は傾きθ1で線形に増加する。上述した様に、充填開始直後は水素を小流量で供給し(小流量領域R1)、その後、水素を大流量で供給する(大流量領域R2)。
ここで、大流量領域R2における傾きが小流量領域R1の傾きθ1から変化して大きくなる可能性があるが、図示の簡略化のため、
図4の特性線L4では、小流量領域R1と大流量領域R2は、同一の傾きθ1の直線で表現されている。
図4において符号LC、LDで示す領域は、高圧タンクから超高圧タンクに切り換えるタイミングを示している。符号LCで示す領域では、タンクを切り換えるために急激に弁開度を減少する。そして、タンク切り換えのために領域LDを経過した後に、超高圧タンクからFCVのタンクに水素を充填され、特性線L41に従って調整弁開度が線形に増加する。
そして、
図3、
図4で示す特性は、図示の実施形態に係る流量調整弁30により実現される。
【0019】
本発明の第1実施形態について、
図5~
図11を参照して説明する。
図5において、第1実施形態に係る流量調整弁は全体を符号30で示されており、流量調整弁30は、小径の先端1Aを備えたシャフト1と、流路小径部3Aが形成された本体部2と、開度調整用回転部材4(開度調整ダイヤル)と、開度調整用回転部材4の回転をシャフト1の軸方向移動に変換する変換機構5を備えている。
シャフト1は、先端側(
図5では上方側)の流路調整部10(
図5において2点鎖線で示す領域)に位置するシャフト先端1A、シャフト先端1Aの他端(
図5で下端部)近傍に位置するシャフト基部1Bを有しており、本体部2に形成された空間内を軸方向(
図5で上下方向)に移動可能である。
本体部2の一部を構成し、シャフト先端1Aが挿入される流路3Aが形成されている領域である流路形成部は、
図5では符号2Cで示されている。
【0020】
開度調整ダイヤル4は中空の部材であり、径寸法の異なる円筒状部材であるシャフト嵌合部4A、ダイヤル操作部4Bをシャフト中心軸方向に接続して構成されている。そして開度調整ダイヤル4は、流量調整弁30における流路調整部10と反対側(
図5で下方)の端部に配置されている。
開度調整ダイヤル4のシャフト嵌合部4Aの内周面には内ネジ4Cが形成され、シャフト基部1Bに形成されたシャフトネジ山1Cと螺合しており、螺合部5Aを構成している。そして螺合部5Aは、開度調整ダイヤル4の回転をシャフト1の軸線方向移動に変換する変換機構5を構成している。換言すれば、変換機構5は、回転運動(ネジの回転)を直線運動(ネジの軸線方向移動)に変換する機能を有する機構であり、図示の実施形態ではネジ機構により構成されている。
開度調整ダイヤル4のダイヤル操作部4Bは、本体部2から(
図5では下方に)突出して配置されている。
開度調整ダイヤル4のダイヤル操作部4Bを回転すると、ダイヤル操作部4Bにおける当該回転は、螺合部5Aにおいて、シャフト1をシャフト軸方向(
図5の上下方向)に移動する動きに変換される。その結果、シャフト1は上下に移動する。
開度調整ダイヤル4を円滑に回転するために、流量調整弁30の本体部2の内部において、開度調整ダイヤル4のシャフト嵌合部4Aの下端(
図5で)はスラストベアリング8によって支持されている。そのため、開度調整ダイヤル4がシャフト軸方向に押圧されても円滑に回転することが出来る。
開度調整ダイヤル4の操作は手動で行われるが、例えばモーター等の手段により回転させることも可能である。
【0021】
高圧タンク21(或いは超高圧タンク22:
図1参照)から供給される水素ガスは、水素流入口2Aから本体部2に流入し(矢印A1)、流路調整部10を流過し、流出口2Bから流出する(矢印A2)。そして水素充填装置の充填ノズル(図示せず)を介して、水素ガスはFCVの車載タンク25(
図1)に充填される。流路調整部10では、シャフト1(小径の先端1A)の軸方向位置により、水素ガスの充填開始から流量調整弁30の弁開度(或いは水素ガス流量)が微調整され、圧力、流量が調整(制御)される。
流路調整部10において、シャフト1が(
図5で)上方へ移動すると、シャフト先端1Aが本体部2に形成された流路小径部3A(
図6参照)に差し込まれ、シャフト先端1Aが流路小径部3Aに差し込まれる軸方向長さが長くなる。
一方、流路調整部10において、シャフト1が(
図5で)下方へ移動すると、シャフト先端1Aが流路小径部3A(
図6参照)に差し込まれる軸方向長さが小さくなり、さらにシャフト先端1Aが流路小径部3Aから外れる。
図6を参照して後述する様に、シャフト先端1Aが流路小径部3Aに差し込まれる軸方向長さが大きいと、流路小径部3Aにおける流路抵抗が大きくなり、流路小径部3Aを流れる水素ガスの流量が小さくなる。一方、シャフト先端1Aが流路小径部3Aに差し込まれる軸方向長さが小さいと、流路小径部3Aにおける流路抵抗が小さくなり、流路小径部3Aを流れる水素ガスの流量が大きくなる。流路調整部10における水素ガスの流量調整制御については、
図6も参照して詳述する。
【0022】
図5において、開度調整ダイヤル4を回転した際に、シャフト1が開度調整ダイヤル4と共回りをしてしまうと、シャフト1は軸方向(
図5の上下方向)に移動しない。開度調整ダイヤル4を回転した際にシャフト1が開度調整ダイヤル4と共回りしない様にするため、流量調整弁30には共回り防止機構6が設けられている。共回り防止機構6は、共回り防止部材6Aと共回り防止ボルト6Bとを有している。ここで、共回り防止ボルト6Bに代えて、ピンを用いることも可能である。
共回り防止部材6Aは、中空円筒形である上側部材6A1と下側部材6A2を組み合わせた回転体形状をしている。上側部材6A1の上端部には半径方向外方に延在するつば部6A3が形成され、下側部材6A2にはシャフト軸方向に延在する溝6A4(共回り防止部材の溝)が形成されている。共回り防止部材6Aは、図示しない手段により本体部2に取り付けられているため、シャフト円周方向には回転しない。
【0023】
共回り防止ボルト6Bは下側部材6A2の溝6A4からシャフト1の大径部1Dに螺合されており、他端にはナット6Dが嵌合している。溝6A4はシャフト軸方向に延在しているので、共回り防止ボルト6B及びシャフト1はシャフト軸方向(
図5では上下方向)には移動可能である。
本体部2の内部において、共回り防止部材6Aの半径方向外方に複数の(例えば4箇所の)付勢用バネ6Cがシャフト円周方向に等間隔に設けられている。
付勢用バネ6Cの(
図5における)上端は、シャフト軸方向に固定されたつば部6A3に当接し、付勢用バネ6Cの下端は、共回り防止ボルト6Bに当接している。そして、付勢用バネ6Cのシャフト軸方向に伸長しようとする弾性反発力は、共回り防止ボルト6Bを常にシャフト軸方向の(
図5における)下側に押し付ける様に作用している。
【0024】
共回り防止ボルト6Bにはシャフト回転防止ベアリング6Eが下側部材6A2の溝6A4に当接するように設けられている。シャフト回転防止ベアリング6Eは、共回り防止ボルト6Bの周方向について円滑に回転するので、共回り防止ボルト6Bが共回り防止部材6Aの溝6A4内でシャフト軸方向(
図5では上下方向)に円滑に移動するのを補助する。
従って、螺合部5A(変換機構5)において開度調整ダイヤル4の回転がシャフト1の軸方向移動に変換されて、シャフト1はシャフト軸方向(
図5では上下方向)に円滑に移動する。
【0025】
図5において、シャフト1の軸方向位置で、シャフト先端1Aと共回り防止部材6Aが配置される位置の中間位置には可動シール9が配置される。
可動シール9は、流入口2Aから本体部2に流入した水素ガス(矢印A1)が、シャフト1と本体部2との境界に沿って、流出口2Bと反対方向(
図5で下方)に漏洩するのを防止する機能を有する。そして、当該漏洩防止機能に加えて、シャフト1と本体部2のシャフト軸方向の円滑な相対移動を支持する機能も有している。ただし可動シール9は、シャフト1の半径方向移動は防止している。
また、シャフト1における共回り防止部材6Aの内周面には軸方向ベアリング11が配置される。軸方向ベアリング11を設けることにより、シャフト1の円滑な軸方向移動(
図5の上下方向:本体部2に対する上下方向の相対移動)が促進される。
【0026】
図5において、流量調整弁30におけるシャフト先端1Aと反対側(流路調整部10と反対側:
図5では下方)の端部に、シャフト1をシャフト先端1A側(流路調整部10側、
図5では上方)に素早く移動させる機能を有する開度急速調整部材7(開度急速調整ボタン)が配置されている。開度急速調整ボタン7はボタン操作部7Aと軸部7Bを備えており、軸部7Bの先端近傍のシャフト螺合部7Cにおいてシャフト基部1Bに形成された内ネジ(雌ネジ)に締結され、以て、軸部7Bはシャフト基部1Bに固定されている。
開度急速調整ボタン7をシャフト先端1A側(
図5の上方向)に押圧することにより、シャフト1全体を流路小径部3A側(
図5の上方向)に移動させることが出来る。
【0027】
図5に加え、
図6を参照して、流量調整弁30の流路調整部10における調整弁開度或いは水素ガス流量の制御について説明する。
図5、
図6で示す状態では流量調整弁30は閉鎖されている。
流路調整部10の詳細を示す
図6において、シャフト先端1Aが挿入される領域を構成する流路形成部2Cには流路3(水素ガス流路)が形成されており、流路形成部2Cは本体部2の一部を構成している。
流路3は、流出口2Bに連通する流路小径部3Aと、流路流入口2Aに連通する流路大径部3Bと、それらを繋ぐ流路テーパー部3ATとで形成されている。
シャフト先端1Aの流入口2A側(
図5、
図6では下側)にはシャフト先端テーパー部1ATが形成されており、シャフト先端テーパー部1ATの流入口2A側はシャフト1(シャフト本体)に連続している。
図6の状態では、シャフト先端1Aは流路小径部3Aに挿入されており、シャフト先端テーパー部1ATは流路テーパー部3ATに係合(着座)している。ここで、シャフト先端テーパー部1ATが弁体を構成し、流路テーパー部3ATが弁座を構成している。
図6の状態では、流量調整弁30は閉鎖されており、水素ガスは通過不可能である。
ここで、弁体を構成しているシャフト先端テーパー部1ATが、流路テーパー部3ATに係合していない状態から係合(座着)するためには、シャフト先端テーパー部1ATは、
図5及び
図6において、上方(流出口2B側)へ移動する。
【0028】
図6において、シャフト先端1Aの外周と流路小径部3Aの内周面の間には、微小な半径方向寸法の円環状隙間δが存在する。当該隙間δのシャフト半径方向寸法は極めて微小であり、例えば、シャフト先端1Aの直径の3%以下である。弁体を構成しているシャフト先端テーパー部1ATと流路テーパー部3ATが離隔している場合、
図8で後述する様に、水素は小流量ながら円環状隙間δを流過する。
また、シャフト先端1Aが流路小径部3Aに挿入されているシャフト軸方向長さLtは、円環状隙間δを水素ガスが流れる距離(シャフト軸方向長さ)である。
【0029】
図5、
図6に示す流量調整弁30が閉弁している状態から、開度調整ダイヤル4を回転してシャフト1(シャフト先端1A)を(
図5において下側に)移動させた場合の状態が、
図7、
図8で示されている。
図7において、シャフト基部1Bの外周のネジ山1Cと開度調整ダイヤル4のシャフト嵌合部4Aの内ネジ4Cが螺合している螺合部5Aの位置は、
図5に比較すると、シャフト先端1A側(
図5、
図7の上側)になっている。開度調整ダイヤル4のシャフト中心軸方向位置(
図5、
図7の上下方向位置)は固定されているので、
図7で示す様に螺合部5Aの位置がシャフト先端1A側になれば、
図5に比較してシャフト1(シャフト先端1A)は本体部2に対して下方に位置することになる。
図7における流路調整部10を詳細に示す
図8において、シャフト1(シャフト先端1A)が下降したため、シャフト先端テーパー部1ATは流路テーパー部3ATから離隔して、流量調整弁30は開弁する。ここで、シャフト先端1Aが流路小径部3Aに挿入されているシャフト軸方向長さLtは、
図6に比較して短い。
【0030】
図8で示す状態では、円環状隙間δ内を、水素ガスが流れる。隙間δの半径方向寸法は微小であり、且つ、
図8の状態では流路小径部3Aに挿入されているシャフト軸方向長さLtが長いので、円環状隙間δにおける流路抵抗が大きい。そのため、隙間δ内を流れる水素ガスの流量は小さい。
ここで、
図8よりもシャフト1(シャフト先端1A)が下降して、流路小径部3Aに挿入されているシャフト軸方向長さLtが短くなると(図示せず)、隙間δにおける流路抵抗が小さくなり、水素ガス流量は多くなる。
図示の第1実施形態では、開度調整ダイヤル4を回転して、シャフト軸方向長さLtを変動して流路抵抗を変動させることにより、円環状隙間δを流れる水素ガスの流量を微調整することが出来る。
【0031】
図7、
図8で示す状態から、開度調整ダイヤル4を回転してシャフト1(シャフト先端1A)を開度急速調整ボタン7側に更に移動すると(
図7、
図8においてシャフト1をさらに下降すると)、
図9で示す様に、シャフト先端1Aの端面1ABが、流路小径部3Aと流路テーパー部3ATの境界3Cと整合する位置となる。つまり、シャフト軸方向長さLt(
図8)はゼロとなる。
図9で示す状態が、図示の第1実施形態に係る流量調整弁30の小流量領域と大流量領域の境界の状態である。
すなわち、
図3、
図4における小流量領域R1は
図5~
図8で示す状態であり、
図3、
図4における大流量領域R2は後述する
図10、
図11で示す状態であり、小流量領域R1と大流量領域R2の境界の状態が
図9で示す状態である。
【0032】
図5~
図9を参照して説明した様に、小流量領域においてはシャフト1(シャフト先端1A)をシャフト軸線方向に移動させることにより、隙間δにおける流路抵抗を変動して水素の流量を制御している。
シャフト1のシャフト軸線方向の移動に際しては、螺合部5Aで開度調整ダイヤル4の回転を軸線方向の移動に変換している。そのため、開度調整ダイヤル4の回転量に対してシャフト1(シャフト先端1A)のシャフト軸線方向の移動量は小さく、微調整が可能となる。すなわち、小流量領域における流量を微調整することが出来る。ここで、隙間δを流れる水素ガスは小流量である。
そして、
図5、
図6で示す流量調整弁30が閉鎖した状態から、シャフト先端テーパー部1ATを流路テーパー部3ATから離隔した直後においても、微小な隙間δの領域Ltが長く流路抵抗が大きいので、隙間δを大量の水素ガスが流れることは出来ない。すなわち、流量調整弁30が閉鎖状態から開放した直後に急速に流量が増加することが確実に防止される。
【0033】
図10、
図11は、流量調整弁30が
図7、
図8に示す状態から、開度調整ダイヤル4を回転してシャフト1(シャフト先端1A)をさらに(
図7において)下降させることにより、
図3、
図4の大流量領域R2の特性を実現した状態である。
図10において、ダイヤル操作部4Bのシャフト1側(
図10の上側)端面は符号4BTで示されており、シャフト基部1Bのダイヤル操作部4B側(
図10の下方)端面は符号1BBで示されている。そして、ダイヤル操作部4Bのシャフト1側端面4BTと、シャフト基部1Bのダイヤル操作部4B側端面1BBとの間隔(シャフト1の軸線方向距離)は符号L10で示されている。
【0034】
図10における流路調整部10を示す
図11において、シャフト先端1Aの端面1ABは、流路小径部3Aと流路テーパー部3ATの境界3Cよりも、下方に位置している。
水素ガスの流路の断面積は、
図5~
図8の小流量領域ではシャフト先端1Aの外周面と流路小径部3Aの内周面との間の円環状隙間δの領域で構成されるが、
図11の状態(大流量領域)ではシャフト先端1Aの外周面と流路テーパー部3ATの内周面との間の領域で構成される。そしてシャフト1(シャフト先端1A)がさらに下降した場合、シャフト先端1Aの外周面と流路大径部3Bの内周面との間の領域で、水素ガスの流路が構成される。そのため、
図10、
図11の状態における水素ガスの流路の断面積が飛躍的に増大する。
図10、
図11で示す様に水素ガスが大流量で流れる状態(大流量領域)であれば、充填時間を短くしたい(素早く充填したい)という要請に応えることが出来る。
換言すれば、
図8で示す様に、水素ガスが流れる流路が円環状隙間δにより構成されており、流路抵抗が大きい状態における水素ガスの流量が、「小流量」である。一方、
図11で示す様に、水素ガスが流れる流路がシャフト先端1Aの外周面と流路テーパー部3ATの内周面との間の領域で構成される状態における水素ガスの流量が、「大流量」である。
【0035】
図示の実施形態によれば、閉鎖状態→小流量の状態→大流量の状態の移行は、全てシャフト先端1Aを流路小径部3Aから外す方向に移動する操作により連続的に行われる。
従って、図示の実施形態の流量調整弁30によれば、連続的で円滑な操作により、閉鎖直後すなわち開弁時は少ない流量で水素ガスが流れ、徐々に少ない流量が増加して(小流量領域R1)、
図9で示す状態(
図3のL33)以降は、急速に水素ガス流量が増加する(大流量領域R2)。
【0036】
例えば、流量調整弁30が
図10に示す大流量領域の状態において、高圧タンクから超高圧タンクに切り換える場合には(
図4の領域LC、LD)、タンク交換を安全且つ円滑に行うため、流量調整弁30の弁開度を急激に減少させて、水素ガスの流量を小さくすることが必要である。
図示の第1実施形態では、
図10において、開度急速調整ボタン7をシャフト軸方向の流路調整部10側(シャフト先端1A側:
図10で上方)に押圧して(
図4の領域LC)、シャフト1全体を(開度調整ダイヤル4と共に)、素早くシャフト軸方向の流路調整部10側に移動させることが出来る。
開度調整ダイヤル4のダイヤル操作部4Bは小径円筒形状であり、開口2Dを貫通しているので、開度急速調整ボタン7をシャフト軸方向のシャフト先端1A側(
図10で上方)に押圧した際に、ダイヤル操作部4Bが本体部と干渉することはなく、シャフト1と共にシャフト軸方向に移動する。
【0037】
図12は、開度急速調整ボタン7(ボタン操作部7A)を操作して、シャフト1全体をシャフト軸方向の流路調整部10側(
図12で上方)に移動させた状態を示している。
図5、
図7、
図10と比較すると、
図12では、開度調整ダイヤル4(シャフト嵌合部4A、ダイヤル操作部4B)がシャフト1と共にシャフト軸方向の流路調整部10側に移動している。
ダイヤル操作部4Bのシャフト1側(
図10の上側)端面4BTと、シャフト基部1Bのダイヤル操作部4B側(
図10の下方)端面との間隔(シャフト1の軸線方向距離)は、
図12では符号L12で示されている。
図10の間隔L10と
図12の間隔L12の差分だけ、開度調整ダイヤル4(シャフト嵌合部4A、ダイヤル操作部4B)がシャフト軸方向の流路調整部10側に移動している。
シャフト先端1Aが流路小径部3A内に挿入されている長さLt(
図6、
図8参照)が長く、流路抵抗が大きくなり、流量調整弁30を流れる水素ガスの流量は小さくなる(
図4の領域LD)。そのため、シャフト全体1を素早くシャフト軸方向の流路調整部10側に移動させることにより、気体燃料供給タンクの交換が安全且つ円滑に行われる。
【0038】
次に
図13を参照して、本発明の第2実施形態について説明する。
第2実施形態に係る流量調整弁は、
図13において全体を符号30-1で示されている。
図13で示す流量調整弁30-1は、閉鎖した状態である。以下の第2実施形態の説明にでは、第1実施形態と異なる構成のみを説明し、第1実施形態と同様な構成については説明を省略する。
図13において、第2実施形態に係る流量調整弁30-1は、共回り防止機構6に配置される付勢用バネ6C-1は、第1実施形態の流量調整弁30(
図5~
図12)における共回り防止機構6の付勢用バネ6Cと異なる構成となっている。
図5~
図12の第1実施形態では、付勢用バネ6Cはシャフト円周方向に等間隔に複数設けられている。それに対して、
図13で示す第2実施形態では、単一の付勢用バネ6C-1が、共回り防止部材6A-1の中空部に設けられている。そして単一の付勢用バネ6C-1は、シャフト包囲部6AB-1を包囲する様に配置されている。
単一の付勢用バネ6C-1は、一端が共回り防止部材6A-1における中空部6A1-Iの底面6A1-T(上方端面:閉鎖面)に当接しており、もう一端がシャフト1に形成されたつば部1Eと当接している。そして、単一の付勢用バネ6C-1はシャフトつば部1Eをシャフト軸方向の開度調整ダイヤル4側(
図13の下側)に常時付勢している。
図13の第2実施形態におけるその他の構成及び作用効果は、
図5~
図12の第1実施形態と同様である。
【0039】
図示の実施形態はあくまでも例示であり、本発明の技術的範囲を限定する趣旨の記述ではないことを付記する。
例えば、本発明の流量調整弁は、水素以外の気体燃料をFCV以外の機器に充填する充填装置(水素充填機以外の充填装置)について用いることが可能である。
【符号の説明】
【0040】
1・・・シャフト
1A・・・シャフト先端(小径の先端)
1AT・・・シャフト先端テーパー部
1B・・・シャフト基部
1C・・・ネジ山(シャフト基部のネジ山)
2・・・本体部
3・・・流路
3A・・・流路小径部
3AT・・・流路テーパー部
4・・・開度調整用回転部材(開度調整ダイヤル)
4C・・・内ネジ(開度調整用回転部材に形成された内ネジ)
5・・・変換機構
5A・・・螺合部
6・・・共回り防止機構
6A・・・共回り防止部材
6B・・・共回り防止ボルト
7・・・開度急速調整部材(開度急速調整ボタン)
10・・・流路調整部
30・・・流量調整弁
δ・・・微小な隙間