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特開2024-148209棚板ユニット及び電気電子機器収納用箱
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024148209
(43)【公開日】2024-10-18
(54)【発明の名称】棚板ユニット及び電気電子機器収納用箱
(51)【国際特許分類】
   H05K 7/18 20060101AFI20241010BHJP
【FI】
H05K7/18 L
H05K7/18 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023061127
(22)【出願日】2023-04-05
(71)【出願人】
【識別番号】000227401
【氏名又は名称】日東工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001977
【氏名又は名称】弁理士法人クスノキ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】宮副 勉
(72)【発明者】
【氏名】村田 聡
(72)【発明者】
【氏名】澤井 良介
(57)【要約】
【課題】機器載置板に配線用の穴部を設けなくても、機器載置板のおもて側から裏側への配線、若しくは裏側からおもて側への配線を容易に行えるようにすること。
【解決手段】筐体81の内部に電気電子機器を収納するために用いる棚板ユニット1であって、左右方向に延びる第一フレーム10、前後方向に延びる第二フレーム20、縦フレーム811a、のそれぞれに対して固定される固定部材30と、第一フレーム若しくは第二フレームの少なくとも一方に支えられる機器載置板40と、を備え、固定部材が、第一フレームの左端部を第二フレームの左側面よりも突出若しくは第一フレームの右端部を第二フレームの右側面よりも突出させた第一突出部における第二フレーム側の前側面若しくは後側面と、第二フレームの左側面若しくは右側面と、縦フレームと、に固定され、機器載置板の左右方向の長さが第一フレームの左右方向の長さよりも短い構成などとする。
【選択図】図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下方向に延びる縦フレームを備えた筐体の内部に電気電子機器を収納するために用いる棚板ユニットであって、
左右方向に延びる第一フレーム、前後方向に延びる第二フレーム、縦フレーム、のそれぞれに対して固定される固定部材と、第一フレーム若しくは第二フレームの少なくとも一方に支えられる機器載置板と、を備え、
固定部材が、
第一フレームの左端部を第二フレームの左側面よりも突出若しくは第一フレームの右端部を第二フレームの右側面よりも突出させた第一突出部における第二フレーム側の前側面若しくは後側面と、第二フレームの左側面若しくは右側面と、縦フレームと、に固定され、
機器載置板の左右方向の長さが第一フレームの左右方向の長さよりも短い、
又は、
固定部材が
第二フレームの前端部を第一フレームの前側面よりも突出若しくは第二フレームの後端部を第二フレームの後側面よりも突出させた第二突出部における第一フレーム側の左側面若しくは右側面と、第一フレームの前側面若しくは後側面と、縦フレームと、に固定され、
機器載置板の前後方向の長さが第二フレームの前後方向の長さよりも短い、
棚板ユニット。
【請求項2】
固定部材は、第一フレームと固定する第一固定部を有する第一の辺と、
第二フレームと固定する第二固定部を有する第二の辺と、第三の辺と、
を有し、
第一フレームと第二フレームで第一突出部を形成し、第一の辺の端部から縦フレームの方向に延びる第三の辺の前後方向の長さが、第一フレームの前後方向の幅よりも長い、
又は、
第一フレームと第二フレームで第二突出部を形成し、第二の辺の端部から縦フレームの方向に延びる第三の辺の左右方向の長さが、第二フレームの左右方向の幅よりも長い、
請求項1に記載の棚板ユニット。
【請求項3】
第一フレームと第二フレームで第一突出部を形成し、第三の辺に設けられた第三固定部を介して、縦フレームの右側若しくは左側に設けられた面に固定される、
又は、
第一フレームと第二フレームで第二突出部を形成し、第三の辺に設けられた第三固定部を介して、縦フレームの前側若しくは後側に設けられた面に固定される、
請求項2に記載の棚板ユニット。
【請求項4】
請求項1から3の何れかの記載の棚板ユニットを複数備え、
棚板ユニットが上下方向に間隔をあけて取り付けられた電気電子機器収納用箱。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、棚板ユニット及び電気電子機器収納用箱に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載されているように、縦フレーム、横フレーム、奥行フレームを備え、各フレームにより形成された骨格を扉や側板、天板、底板などで覆う電気電子機器収納用箱が知られている。また、このような電気電子機器収納用箱において、フレームに対して固定金具を用いて機器載置板を取り付けることが知られている。特許文献1では、垂直に立ち上がった機器載置板を奥行き方向に移動可能とするものである。ただし、機器載置板は、棚として機能するように取り付けることも考えられる。この場合、機器載置板は、面が水平方向に広がるように、フレームに取り付けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014-22393号公報
【0004】
ところで、機器載置板を、棚として機能させるために、上記したようにフレームに取り付ける場合、機器載置板の側面端部と、扉や側板、天板、底板の間に隙間がなくなることが予想される。この場合、例えば、機器載置板のおもて側に位置する電気機器から機器載置板の裏側に配線しようとすると、機器載置板に配線用の穴部を設けるために、機器載置板に穴開け加工をする必要が生じることが予想される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本件の発明者は、この点について鋭意検討することにより、解決を試みた。本発明が解決しようとする課題は、機器載置板に配線用の穴部を設けなくても、機器載置板のおもて側から裏側への配線、若しくは裏側からおもて側への配線を容易に行えるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、上下方向に延びる縦フレームを備えた筐体の内部に電気電子機器を収納するために用いる棚板ユニットであって、左右方向に延びる第一フレーム、前後方向に延びる第二フレーム、縦フレーム、のそれぞれに対して固定される固定部材と、第一フレーム若しくは第二フレームの少なくとも一方に支えられる機器載置板と、を備え、固定部材が、第一フレームの左端部を第二フレームの左側面よりも突出若しくは第一フレームの右端部を第二フレームの右側面よりも突出させた第一突出部における第二フレーム側の前側面若しくは後側面と、第二フレームの左側面若しくは右側面と、縦フレームと、に固定され、機器載置板の左右方向の長さが第一フレームの左右方向の長さよりも短い、又は、固定部材が第二フレームの前端部を第一フレームの前側面よりも突出若しくは第二フレームの後端部を第二フレームの後側面よりも突出させた第二突出部における第一フレーム側の左側面若しくは右側面と、第一フレームの前側面若しくは後側面と、縦フレームと、に固定され、機器載置板の前後方向の長さが第二フレームの前後方向の長さよりも短い、棚板ユニットとする。
【0007】
また、固定部材は、第一フレームと固定する第一固定部を有する第一の辺と、第二フレームと固定する第二固定部を有する第二の辺と、第三の辺と、を有し、第一フレームと第二フレームで第一突出部を形成し、第一の辺の端部から縦フレームの方向に延びる第三の辺の前後方向の長さが、第一フレームの前後方向の幅よりも長い、又は、第一フレームと第二フレームで第二突出部を形成し、第二の辺の端部から縦フレームの方向に延びる第三の辺の左右方向の長さが、第二フレームの左右方向の幅よりも長い、構成とすることが好ましい。
【0008】
また、第一フレームと第二フレームで第一突出部を形成し、第三の辺に設けられた第三固定部を介して、縦フレームの右側若しくは左側に設けられた面に固定される、又は、第一フレームと第二フレームで第二突出部を形成し、第三の辺に設けられた第三固定部を介して、縦フレームの前側若しくは後側に設けられた面に固定される、構成とすることが好ましい。
【0009】
また、前記棚板ユニットを複数備え、棚板ユニットが上下方向に間隔をあけて取り付けられた電気電子機器収納用箱とすることが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明では、機器載置板に配線用の穴部を設けなくても、機器載置板のおもて側から裏側への配線、若しくは裏側からおもて側への配線を容易に行えるようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施形態における電気電子機器収納用箱の斜視図である。
図2図1に示す電気電子機器収納用箱の扉を開いた状態を示す図である。ただし、内部に蓄電池が収納されている状態を示す図。
図3図1に示す電気電子機器収納用箱の内部に備えられた支持枠に四つの棚板ユニットが取り付けられている状態を示す図である。
図4】棚板ユニットの例を示す斜視図である。
図5図4に示す棚板ユニットの分解斜視図である。
図6図4に示す棚板ユニットから機器載置板を取り外した状態を示す平面図である。
図7図6における左後方に配置された縦フレーム周りの拡大図である。
図8図7に示された固定部材の斜視図である。
図9図8に示された固定部材を別の方向から見た斜視図である。
図10】棚板ユニットと縦フレームと側板等の位置関係を示す図である。ただし、上方から下方に向けてみた図である。
図11図10とは異なる形態の機器載置板とした例の図である。
図12】第一フレームと第二フレームで囲われる部分を二つの機器載置板で覆った例を示す図である。
図13】第四の辺を備えた固定部材を用いて第一フレームと第二フレームと縦フレームを固定した例を示す図である。
図14】固定部材を用いて第一フレームと第二フレームと縦フレームを固定した例を示す図である。ただし、図7とは異なり、第一フレームの左端よりも左側に位置する第二フレームが第一フレームの後端よりも後側に突出している。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に発明を実施するための形態を示す。図1乃至図4に示されていることから理解されるように、本実施形態の棚板ユニット1は、上下方向に延びる縦フレーム811aを備えた筐体81の内部に電気電子機器91を収納するために用いる棚板ユニット1である。この棚板ユニット1は、「左右方向に延びる第一フレーム10、前後方向に延びる第二フレーム20、縦フレーム811a、のそれぞれに対して固定される固定部材30」と、「第一フレーム10若しくは第二フレーム20の少なくとも一方に支えられる機器載置板40」と、を備えている。また、固定部材30が、「「第一フレーム10の左端部を第二フレーム20の左側面よりも突出若しくは第一フレーム10の右端部を第二フレーム20の右側面よりも突出させた第一突出部Pa」における第二フレーム20側の前側面若しくは後側面と、第二フレーム20の左側面若しくは右側面と、縦フレーム811aと、に固定され、機器載置板40の左右方向の長さが第一フレーム10の左右方向の長さよりも短い」、又は、固定部材30が「「第二フレーム20の前端部を第一フレーム10の前側面よりも突出若しくは第二フレーム20の後端部を第二フレーム20の後側面よりも突出させた第二突出部Pb」における第一フレーム10側の左側面若しくは右側面と、第一フレーム10の前側面若しくは後側面と、縦フレーム811aと、に固定され、機器載置板40の前後方向の長さが第二フレーム20の前後方向の長さよりも短い」構成とする。このため、機器載置板40に配線用の穴部を設けなくても、機器載置板40のおもて側から裏側への配線、若しくは裏側からおもて側への配線を容易に行えるようにすることができる。
【0013】
ここで、棚板ユニット1が備えられる電気電子機器収納用箱80について説明をする。図1及び図2に示す電気電子機器収納用箱80は、開口を有する筐体81と、筐体81に設けられた開口を塞ぐことが可能な扉82と、を備えている。直方体状に形成された筐体81は、上下方向に延びる縦フレーム811aなどを用いて構成された支持枠811を備えている(図3参照)。また、実施形態の電気電子機器収納用箱80は、平面視において、この支持枠811の外側となる部分に扉82若しくは側面812が備えられている。実施形態の電気電子機器収納用箱80は、扉82や側面812などにより外郭が形成されている。
【0014】
また、図2に示す電気電子機器収納用箱80は、筐体81の内部の空間を上下方向に区分けして利用するために、棚板ユニット1を備えている。この棚板ユニット1には電気電子機器91を載置することができる機器載置板40を備えている。図2に示す電気電子機器収納用箱80は、機器載置板40に載置して収納される電気電子機器91を蓄電池としている。ただし、電気電子機器収納用箱80に収納される電気電子機器91は、蓄電池に限定されるものではない。電力線若しくは通信線などの配線が必要となる電気電子機器91であるなら如何なるものであってもよい。
【0015】
次に、電気電子機器91を収納されるために利用される棚板ユニット1について説明をする。実施形態の棚板ユニット1は、左右方向に延びる二本の第一フレーム10と、前後方向に延びる二本の第二フレーム20と、第一フレーム10と第二フレーム20を枠体状にするために用いられる四つの固定部材30を備えている(図4及び図5参照)。
【0016】
実施形態においては、第一フレーム10と第二フレーム20が固定部材30に固定されて枠体状となる部分は、上側に機器載置板40が取り付けられるものであり、機器載置板40を支えることができる。なお、実施形態においては枠体状となる部分にネジを用いて機器載置板40が固定されているが、機器載置板40の固定はネジを用いる方法以外であってもよい。
【0017】
第一フレーム10と第二フレーム20が枠体状となるように取り付けられる固定部材30は、上下方向の延びる縦フレーム811aに固定される。図3に示すことから理解されるように、実施形態では、縦フレーム811aなどによって構成される支持枠811は、直方体状となっており、平面視において支持枠811の四隅に縦フレーム811aが位置している。棚板ユニット1は、この四つの縦フレーム811aのそれぞれに対して固定される。
【0018】
次に、第一フレーム10と第二フレーム20と固定部材30と縦フレーム811aの接続について説明を行う。概略としていえば、機器載置板40よりも上の空間から機器載置板40よりも下の空間に配線をするために利用できるスペースを機器載置板40の側方に設けるために、第一フレーム10と第二フレーム20の一方が突出するように固定部材30を用いて組まれている。
【0019】
ただし、図6に示すことから理解されるように、実施形態においては、これらは前後と左右が対象となるように組まれている。四か所の固定部材30に関して説明をすると、説明が長くなるため、ここでは、左側後方に位置することになる固定部材30、縦フレーム811a、後側の第一フレーム10の左端部周辺、左側の第二フレーム20の後端部の組み合わせを代表的な例に挙げて説明をする。
【0020】
第一フレーム10と第二フレーム20のいずれが突出するかによって、説明の仕方が変わるため、第一フレーム10が第二フレーム20よりも右若しくは左に突出する部分である第一突出部Paが構成される場合と、第二フレーム20が第一フレーム10よりも前若しくは後に突出する部分である第二突出部Pbが構成される場合を分けて説明をする。
【0021】
まず、第一突出部Paを形成する場合について説明をする。図6に示す例では、二本の第一フレーム10と二本の第二フレーム20が固定部材30を用いて枠体状に組まれるが、第一フレーム10の左端部と第二フレーム20の左側面はずれている(図7参照)。より詳しくは、第一フレーム10の左端部の方が第二フレーム20の左側面よりも左方向に突出することで第一突出部Paが形成される構成である。なお、第一フレーム10と第二フレーム20はネジ等を介して固定部材30に固定されればよい。
【0022】
固定部材30と第一フレーム10とを固定することができるようにするために、固定部材30には第一固定部311を有する第一の辺31を備えている(図8及び図9参照)。図7に示す例では、第一フレーム10の第一突出部Paの前側面と第一の辺31が向かい合うような状態で、固定部材30と第一フレーム10が固定される。また、固定部材30と第二フレーム20とを固定することができるようにするために、固定部材30には第二固定部321を有する第二の辺32を備えている。
【0023】
図7に示す例では、第二フレーム20の後端部付近の左側面と第二の辺32が向かい合うような状態で、固定部材30と第二フレーム20が固定される。このようなことを可能とするため固定部材30の第一の辺31は第二の辺32に対して90度方向に延びるように構成されている。また、貫通孔状に構成された第一固定部311と第二固定部321は、その貫通方向が互いに90度異なるように構成されている。
【0024】
なお、図7に示す例においては、固定部材30と第一フレーム10や固定部材30と第二フレーム20は当接しているが、板材などをそれらの間に介在させるようにしてもよい。また、第一固定部311や第二固定部321は、貫通孔状でなくてもよい。
【0025】
また、図6に示す例では、二本の第一フレーム10と二本の第二フレーム20が、左側後方と同様に枠体の右側後方、左側前方、右側前方に第一突出部Paを形成するように固定部材30を用いて固定されている。このため、左側に位置する第二フレーム20よりも左側であって二本の第一フレーム10の間と、右側に位置する第二フレーム20よりも右側であって二本の第一フレーム10の間の空間を配線空間として利用することが可能である。例えば、第一フレーム10の右端及び左端が機器載置板40よりも突出するようにすればよい。ただし、右側だけ又は左側だけを配線空間として利用するようにしてもよい。この場合、例えば、第一フレーム10の右端だけ又は左端だけが機器載置板40よりも突出するようにすれば、機器載置板40の面積を確保しつつ、機器載置板40の隣に配線することが可能となる。
【0026】
また、電気電子機器収納用箱80内の配線空間をより多くするようにするために、機器載置板40の前側及び後側の少なくとも一方を配線空間として利用できるようにしてもよい。例えば、前後方向で縦フレーム811aよりも電気電子機器収納用箱80の中央よりに第一フレーム10を配置し、左側の縦フレーム811aと、右側の縦フレーム811aの間の空間などを配線空間として利用するようにしてもよい。
【0027】
このようなことを可能とするために、固定部材30に第三の辺33を備える場合、第三の辺33の前後方向の長さを、第一フレーム10の前後方向の幅よりも長い構造とするのが好ましい。より詳しくは、例えば、左後側に配置された固定部材30の第三の辺33は後側に配置された第一フレーム10よりも後側に突出する長さとするのが好ましい。
【0028】
このような固定部材30の第三の辺33を、例えば、縦フレーム811aの右側に位置する部分に設けられた右側面若しくは縦フレーム811aの左側に位置する部分に設けられた左側面に、ネジなどを用いて固定する。このようにして、左右方向に見て縦フレーム811aと第一フレーム10がオーバーラップしない構成とすれば、縦フレーム811a間の空間を配線空間として利用することができる。また、左右方向に見て縦フレーム811aと、その縦フレーム811aに隣接する第一フレーム10と、の間隔をあければ、配線空間として利用できる空間を広めに設定することが可能となる。
【0029】
このような固定部材30を用いれば、例えば図6に示すように、第一フレーム10と第二フレーム20と固定部材30と縦フレーム811aの接続をすることができる。これらは機器載置板40を支えるために組まれたものであり、機器載置板40が第一フレーム10と第二フレーム20の少なくとも一方に固定される。
【0030】
図10に示す例では、一枚の機器載置板40が第一フレーム10と第二フレーム20に固定されている。この機器載置板40は左右方向の長さが第一フレーム10の左右方向の長さよりも短く構成されている。より詳しくは、機器載置板40は左右方向の長さが左右に位置する第一突出部Pa同士の間隔よりも短く構成されている。また、この機器載置板40の前後方向の長さは前側に位置する第二フレーム20の前端と後側に位置する第二フレーム20の後端との距離よりも短く構成されている。このようにすれば、機器載置板40の前後左右の四方に配線空間を形成することが可能となる。
【0031】
もちろん、機器載置板40は図10に示すようなものである必要はない。例えば、図11に示す例では、この機器載置板40の前後方向の長さは前側に位置する第二フレーム20の前端と後側に位置する第二フレーム20の後端との距離よりも長く構成されている。ただし、後側に位置する縦フレーム811a間の空間は配線空間として利用できるように、機器載置板40の後端は、後側に位置する第二フレーム20の後端よりも後側に突出しない配置となるようにしている。したがって、機器載置板40の前端は、前側に位置する第二フレーム20の前端よりも前側に突出する配置となる。
【0032】
また、複数の機器載置板40を第一フレーム10や第二フレーム20で支えるようにしてもよい。図12に示す例では、二枚の機器載置板40を第一フレーム10や第二フレーム20で支えるようにしている。
【0033】
ところで、固定部材30は図7から図9に示す例のようなものである必要はない。例えば、第三の辺33から更に延びる部分を設けてその部分を縦フレーム811aと対向するように配置して固定するようにしてもよい。例えば、第三の辺33の端部から第三の辺33の延びる方向とは異なる方向に延びる第四の辺34を備えるようにして、その第四の辺34を縦フレーム811aと対向するように配置して固定するようにしてもよい。図13に示す例では、前後方向に延びる第三の辺33の端部から左右方向に延びる第四の辺34を備えており、縦フレーム811aの前側に位置する部分に設けられた前側面と、第四の辺34を対向するように配置して固定するようにしている。
【0034】
この場合、第四の辺34の縦フレーム811aと対向する面は後側に位置する第一フレーム10の後端よりも後方に位置している。図13に示す例が前側に位置する縦フレーム811aと固定部材30との接続に適用される場合、第四の辺34の縦フレーム811aと対向する面は前側に位置する第一フレーム10の前端よりも前方に位置するようにすればよい。
【0035】
次に、第二突出部Pbを形成する場合について説明をする。ここまでの説明では、第一フレーム10の左端部と第二フレーム20の左側面をずらすことなどで、第一突出部Paを形成したが、第二フレーム20の後端部と第一フレーム10の後側面をずらすことで、第二フレーム20の後端部の方が第一フレーム10の後側面よりも後方向に突出させるなどして第二突出部Pbが形成されるようにする(図14参照)。第一フレーム10と第二フレーム20は、ネジ等を用いて固定部材30に固定すればよい。この例のように左側後方や右側後方などに第二突出部Pbを設ける場合、左側後方に設けた第二突出部Pbと、右側後方に設けた第二突出部Pbの間に形成された空間を配線空間として利用することが可能となる。
【0036】
図14に示す例の固定部材30においては、図7に示す例の固定部材30と比較して、第一フレーム10に固定される第一の辺31の場所と第二フレーム20に固定される第二の辺32の場所が入れ替わる構造となり、第二の辺32の一方の端部から延びる第三の辺33を備えている。
【0037】
また前側の縦フレーム811aと後側の縦フレーム811aの間に配線空間を形成するためには、固定部材30は、第三の辺33の左右方向の長さを第二フレーム20の左右方向の幅よりも長くすることが好ましい。
【0038】
第一突出部Paを形成する場合と、第二突出部Pbを形成する場合についてまとめると、固定部材30は、第一フレーム10と固定する第一固定部311を有する第一の辺31と、第二フレーム20と固定する第二固定部321を有する第二の辺32と、第三の辺33と、を有し、「第一フレーム10と第二フレーム20で第一突出部Paを形成し、第一の辺31の端部から縦フレーム811aの方向に延びる第三の辺33の前後方向の長さが、第一フレーム10の前後方向の幅よりも長い」、又は、「第一フレーム10と第二フレーム20で第二突出部Pbを形成し、第二の辺32の端部から縦フレーム811aの方向に延びる第三の辺33の左右方向の長さが、第二フレーム20の左右方向の幅よりも長い」、構成とするのが好ましいということになる。
【0039】
なお、図8及び図9図13図14における固定部材30は一枚の板部材を切断して折り曲げることで構成しており、複数の部材を組み合わせて構成したものではないため、組立に要する部材の点数を抑制することができる。
【0040】
図8及び図9図13における固定部材30は第一の辺31に対して第二の辺32と第三の辺33が略90度方向に延びるように構成されており、第二の辺32と第三の辺33が略平行に延びるように構成されている。つまり、固定部材30の第一の辺31と第二の辺32と第三の辺33は断面形状が略Z形状となるように構成されている。また、図13に示す例については、第一の辺31と第四の辺34が略平行に延びるように構成されている。また、図14における固定部材30は第二の辺32に対して第一の辺31と第三の辺33が略90度方向に延びるように構成されており、第一の辺31と第三の辺33が略平行に延びるように構成されている。この場合も、固定部材30の第一の辺31と第二の辺32と第三の辺33は断面形状が略Z形状となるように構成されている。
【0041】
ただし、棚板ユニット1は、「第一フレーム10と第二フレーム20で第一突出部Paを形成し、第三の辺33に設けられた第三固定部331を介して、縦フレーム811aの右側若しくは左側に設けられた面に固定される」、又は、「第一フレーム10と第二フレーム20で第二突出部Pbを形成し、第三の辺33に設けられた第三固定部331を介して、縦フレーム811aの前側若しくは後側に設けられた面に固定される」、構成とするのが好ましい。第三の辺33に設けられた第三固定部331を介して、縦フレーム811aと固定する構成とする方がコンパクトな構成とすることができる。
【0042】
ところで、第一フレーム10と第二フレーム20と固定部材30と縦フレーム811aの接続については図6に示すように、第一フレーム10と第二フレーム20で平面視略矩形状を形成するように配置し、その四隅に第一突出部Paや第二突出部Pbを設けるのが典型的である。ただし、四隅の全てに第一突出部Paや第二突出部Pbを設けることは必ずしも必要ではない。つまり、四隅の一部に対してのみ、第一突出部Paや第二突出部Pbを設ける構成としてもよい。
【0043】
四隅の全てに第一突出部Paや第二突出部Pbを設けることは必ずしも必要ではないため、固定部材30も四隅の全てに設ける必要はない。四隅の一部に対してのみ、固定部材30を設ける構成としてもよい。このようにしても、棚板ユニット1の前後左右のいずれかの方向に配線空間を形成することは可能となる。固定部材30を利用しない場合は、第一フレーム10と第二フレーム20を直接接続するようにしもよい。
【0044】
ところで、図7から図9に示す固定部材30は上下方向に対称な構造としている。このような構成とすれば、同じ固定部材30の向きを変えることで、異なる隅に利用することができる。このため、例えば四カ所すべての固定を同じ種類の固定部材30を用いて対応することが可能となる。ただし、前方と後方では縦フレーム811aと、その縦フレーム811aに隣接する第一フレーム10と、の前後方向の距離を異なるものとしたい場合もあるため、四隅を同じ種類の固定部材30にしなくてもよい。
【0045】
いずれにせよ、棚板ユニット1は電気電子機器収納用箱80に取り付けられるものである。電気電子機器収納用箱80は棚板ユニット1を一つだけ備えるものであってもよいが、棚板ユニット1を複数備えるようにすることが好ましい。また、電気電子機器収納用箱80は、棚板ユニット1が上下方向に間隔をあけて取り付けられたものであることが好ましい。電気電子機器91を載置できる機器載置板40の上に設けられる機器配置空間の数が増えるほど、電気電子機器91の点数が増える可能性があり、配線空間を確保することのメリットが生じやすいからである。
【0046】
なお、棚板ユニット1の左右方向の長さは、縦フレーム811aの左右の間隔と同じか、それより短いように構成するのが好ましい。このような構成とすれば、固定部材30で第一フレーム10と第二フレーム20を固定した状態の棚板ユニット1を斜めにしなくても電気電子機器収納用箱80の筐体81の前側から入れることができる。
【0047】
以上、実施形態を例に挙げて本発明について説明してきたが、本発明は上記実施形態に限定されることはなく、各種の態様とすることが可能である。例えば、固定部材の第一の辺と第二の辺と第三の辺は断面形状が略Z形状となるようにしなくてもよい。
【符号の説明】
【0048】
1 棚板ユニット
10 第一フレーム
20 第二フレーム
30 固定部材
31 第一の辺
311 第一固定部
32 第二の辺
321 第二固定部
33 第三の辺
331 第三固定部
40 機器載置板
80 電気電子機器収納用箱
81 筐体
811a 縦フレーム
91 電気電子機器

Pa 第一突出部
Pb 第二突出部
図1
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図6
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