(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024148235
(43)【公開日】2024-10-18
(54)【発明の名称】照明器具
(51)【国際特許分類】
H05B 47/19 20200101AFI20241010BHJP
H05B 45/37 20200101ALI20241010BHJP
H05B 47/155 20200101ALI20241010BHJP
【FI】
H05B47/19
H05B45/37
H05B47/155
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023061185
(22)【出願日】2023-04-05
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】390014546
【氏名又は名称】三菱電機照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001461
【氏名又は名称】弁理士法人きさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】石井 慎二
(72)【発明者】
【氏名】西川 弘明
(72)【発明者】
【氏名】丹下 理和
(72)【発明者】
【氏名】鶴留 和幸
(72)【発明者】
【氏名】小野寺 直紀
(72)【発明者】
【氏名】中村 聡
【テーマコード(参考)】
3K273
【Fターム(参考)】
3K273PA08
3K273QA23
3K273QA29
3K273QA30
3K273QA38
3K273RA13
3K273SA08
3K273SA17
3K273SA33
3K273SA36
3K273SA47
3K273SA60
3K273TA15
3K273TA16
3K273TA17
3K273TA22
3K273TA26
3K273TA52
3K273TA54
3K273TA63
3K273UA15
3K273UA21
3K273UA22
3K273UA23
3K273UA27
3K273UA28
3K273UA29
(57)【要約】
【課題】バッテリの点検作業において、省力化を図ることができる照明器具を提供する。
【解決手段】照明器具は、光源部と、光源部に電力を供給するバッテリと、バッテリの点検の動作を制御する制御装置と、を備え、制御装置は、バッテリの点検を実施させる点検信号を受信した場合に、バッテリから光源部へ電力を供給させる点検部と、点検部が点検信号を受信した場合に、外部へ点検信号を送信する送信部と、を備える。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源部と、
前記光源部に電力を供給するバッテリと、
前記バッテリの点検の動作を制御する制御装置と、
を備え、
前記制御装置は、
前記バッテリの点検を実施させる点検信号を受信した場合に、前記バッテリから前記光源部へ電力を供給させる点検部と、
前記点検部が前記点検信号を受信した場合に、外部へ前記点検信号を送信する送信部と、
を備えた照明器具。
【請求項2】
前記送信部は、
前記点検信号を受信してから一定時間が経過する前に点検を実施させる第2信号を受信した場合に、前記点検信号を受信してから前記一定時間が経過した後に点検を実施させる第1信号を送信し、
前記第1信号を受信した場合に、前記第2信号を送信する
請求項1に記載の照明器具。
【請求項3】
前記点検部は、前記外部に配置されている外部端末から前記点検信号を受信した場合に、前記点検信号を受信してから前記一定時間が経過する前に点検を実施する
請求項2に記載の照明器具。
【請求項4】
前記点検部に点検を実施させる点検スイッチを更に有し、
前記点検スイッチは、押下された場合に、前記点検部へ前記第1信号を送信する
請求項2又は請求項3に記載の照明器具。
【請求項5】
前記送信部は、
前記点検信号を受信してから前記一定時間が経過した後に、前記外部へ前記点検信号を送信する
請求項2に記載の照明器具。
【請求項6】
前記送信部は、
前記点検信号を受信した場合に、前記外部へ前記点検信号を送信する第1状態と、
前記点検信号を受信しても、前記外部に前記点検信号を送信しない第2状態と、
を切り替えることができる
請求項1に記載の照明器具。
【請求項7】
前記送信部は、
前記点検信号を受信してから前記一定時間が経過した後に、前記外部へ前記点検信号を送信する第3状態と、
前記点検信号を受信してから前記一定時間が経過する前に、前記外部へ前記点検信号を送信する第4状態と、
を切り替えることができる
請求項5に記載の照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、照明器具に関し、特に、誘導灯、又は、非常灯など非常用の照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
非常用の照明器具は、火災等による停電時にランプを点灯させ、照明を確保することを目的としている。照明器具は、照明器具に常備されているバッテリ電源の電力で点灯する。ここで、バッテリの点検は、消防法及び建築基準法において義務づけられている。
【0003】
非常用の照明器具のバッテリを自動で点検する技術として、特許文献1が開示されている。特許文献1に係る非常用照明器具は、点検スイッチのON操作によりバッテリの状態の自動点検が開始されるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の構成では、点検スイッチのON操作がなされた照明器具でのみバッテリの点検が実施される。点検スイッチは1台毎の照明器具に設けられているため、複数の照明器具がある場合には、施工されている照明器具の台数分の点検スイッチでON操作をしなければならず、非効率である。
【0006】
本開示は、複数施工された照明器具のバッテリの点検作業において、省力化を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に係る照明器具は、光源部と、前記光源部に電力を供給するバッテリと、前記バッテリの点検の動作を制御する制御装置と、を備え、前記制御装置は、前記バッテリの点検を実施させる点検信号を受信した場合に、前記バッテリから前記光源部へ電力を供給させる点検部と、前記点検部が前記点検信号を受信した場合に、外部へ前記点検信号を送信する送信部と、を備えている。
【発明の効果】
【0008】
本開示に係る照明器具によれば、受信した点検信号に基づき点検部によりバッテリの点検が実施されるとともに、送信部により点検を実施させる信号が外部へ送信され、外部の器具において自動的に点検が開始される。このため、外部の器具において、点検を開始させる動作が実施されなくてもバッテリの点検が実施され、点検の作業性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施の形態1に係る照明器具の外観を示す概略図である。
【
図2】実施の形態1に係る照明器具の内部が露出された概略図である。
【
図3】実施の形態1に係る照明器具の分解斜視図である。
【
図4】実施の形態1に係る照明器具の構成の概略を示すブロック図である。
【
図5】実施の形態1に係る照明器具の点検部による点検の処理を説明するフローチャートである。
【
図6】実施の形態1の変形例1に係る誘導灯の斜視図である。
【
図7】実施の形態1の変形例2に係る照明器具が有するリモコンの斜視図である。
【
図8】実施の形態2に係る照明器具の点検部による点検の処理を説明するフローチャートである。
【
図9】実施の形態2に係る照明器具における点検のタイミングを説明する図である。
【
図10】実施の形態2に係る照明器具が複数施工されている場合の点検の処理を説明するフローチャートである。
【
図11】実施の形態2の変形例に係る照明器具における点検の処理を説明するフローチャートである。
【
図12】実施の形態3に係る照明器具の構成の概略を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面に基づいて本開示の実施の形態について説明する。なお、各図において、同一の符号を付したものは、同一の又はこれに相当するものであり、これは明細書の全文において共通している。また、断面図の図面においては、視認性に鑑みて適宜ハッチングが省略されている。更に、明細書全文に示す構成要素の形態は、あくまで例示であってこれらの記載に限定されるものではない。
【0011】
実施の形態1.
<照明器具1の構成>
図1は、実施の形態1に係る照明器具1の外観を示す概略図である。
図2は、実施の形態1に係る照明器具1の内部が露出された概略図である。
図3は、実施の形態1に係る照明器具1の分解斜視図である。
図1、
図2及び
図3に示すように、実施の形態1に係る照明器具1は、本体2、枠13、光源ユニット4、バッテリ51及びコントロールユニット6を有する。照明器具1は、例えば、複数の照明器具1が配置されている照明空間L(
図9参照)に配置されている。照明器具1の外部であって周囲には、他の照明器具1が配置されている。
【0012】
照明器具1は、例えば、非常灯である。すなわち、照明器具1は、停電又は断線などにより、照明器具1の外部に設けられた商用電源(図示せず)から照明器具1に電力が供給されない非常時において点灯する非常用照明器具である。
【0013】
照明器具1の本体2は、一方側に開口が形成された筒形状をしたものである。本体2は、天井取付バネ21を有する。本体2は、光源ユニット4、バッテリ51及びコントロールユニット6を収容するものである。
【0014】
天井取付バネ21は、曲面に形成された板金で形成されたバネである。天井取付バネ21は、照明器具1を天井又は壁などの照明器具1が取り付けられる構造物である被取付部(図示せず)に取り付けるための取付部材である。
【0015】
枠13は、円板状をしたものであり、本体2に形成された開口を塞ぐように本体2に取り付けられるものである。枠13には、本体2に収容された光源ユニット4の一部、又は、コントロールユニット6の一部を露出させる孔14が形成されている。
【0016】
光源ユニット4は、光源部42を有する。光源部42は、電力を供給されて発光するLED(Light Emitting Diode)である。光源部42は、LEDであるものとして説明するが、これに限定するものではなく、有機EL又はレーザーダイオードなどの電力を供給されて発光する発光素子であればよい。
【0017】
バッテリ51は、ニッケル水素蓄電池(以下、Ni-MH蓄電池と称する)である。バッテリ51は、商用電源から供給される電力によって充電されるものである。バッテリ51は、電力を供給されて充電するトリクル充電が行われるものである。また、バッテリ51は、商用電源からの電力の供給が停止した場合に光源部42へ電力を供給するものである。ここで、バッテリ51は、Ni-MH蓄電池と説明したが、これに限定されず、ニッケルカドミウム蓄電池(Ni―Cd蓄電池と称してもよい)又はリチウムイオン電池(Li-Ion電池と称してもよい)などの2次電池としてもよい。
【0018】
<コントロールユニット6の構成>
図4は、実施の形態1に係る照明器具1の構成の概略を示すブロック図である。
図4に示すように、コントロールユニット6は、電源回路59、点灯回路61、充電回路62、制御装置63、モニタ70、点検スイッチ65、受信部66、及び、送信部64を有するものである。コントロールユニット6は、本体2に収容されるものである。コントロールユニット6は、光源部42及びバッテリ51の動作を制御するように構成されている。
【0019】
電源回路59は、商用電源から供給された交流電圧を直流電圧に変換するものである。
【0020】
充電回路62は、商用電源から供給され、電源回路59によって直流電圧に変換された電力を、バッテリ51に供給してバッテリ51に充電させるものである。
【0021】
点灯回路61は、光源部42の点灯又は消灯に関する点灯制御を行うものである。点灯回路61は、電源回路59から供給された電力、又は、バッテリ51から供給された電力を光源部42に供給して、光源部42を点灯させるものである。
【0022】
制御装置63は、照明器具1における点灯、又は、点検などの照明器具1の動作を制御する装置である。制御装置63は、ハードウェアとしては、たとえば、CPU(Central Processing Unit)などの処理装置及びRAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)などの不揮発性又は揮発性の半導体メモリからなる記憶部を有するマイクロコンピュータ又はマイクロコントローラで構成されているものである。制御装置63は、点検部67、タイマ68及び判定部69を有する。
【0023】
点検部67は、点検スイッチ65が押下された場合、又は、外部の照明器具1から送信された点検信号を受信した場合に、バッテリ51の点検を実施するものである。なお、点検部67は、点検が実施されている期間において、点検スイッチ65、又は、受信部66から新たに点検信号を受信しても受け付けないように構成されている。
【0024】
タイマ68は、計時の動作をするものである。タイマ68は、点検が実施されると動作し、点検時間を計測する。求められる点検時間は、例えば、建築基準法、又は、消防法によって定められた時間である。照明器具1が非常灯の場合、点検時間は、30分又は60分である。バッテリ51の満充電時間は、例えば48時間である。
【0025】
判定部69は、タイマ68の動作が停止した場合にバッテリ51の電圧が各機種に定められた閾値の電圧を超えたか、超えていないかを判定する。閾値の電圧は、例えば光源部42が点灯可能な放電基準電圧である。
【0026】
点検スイッチ65は、コントロールユニット6に取り付けられたスイッチであり、バッテリ51の点検を実施させるものである。点検スイッチ65が押下されると、バッテリ51の点検が開始される。
【0027】
受信部66は、リモコン3(
図7参照)など、照明器具1の外部に配置されている外部端末、又は、照明器具1の外部であって、照明器具1の周囲に配置されている他の照明器具1の送信部64から送信される点検信号を受信する。受信部66は、受信した点検信号を点検部67に送信する。
【0028】
送信部64は、点検部67により点検が実施されると、照明器具1の外部であって、周囲の照明器具1に点検を実施させる点検信号を送信するものである。送信部64から外部の照明器具1へ送信される点検信号は、無線通信によって送信される構成でよく、外部の照明器具1が有線でつながれ有線通信で送信される構成であってもよい。
【0029】
モニタ70は、判定部69の判定結果を表示するものである。モニタ70は、例えば、LED等の発光素子である。発光素子は、例えば、バッテリ51の電圧が閾値の電圧より大きい場合に、緑点灯し、閾値の電圧より低い場合に、緑点滅する。
【0030】
照明器具1の点検を実施させる点検信号は、照明器具1本体の点検スイッチ65の押下、リモコン3の点検スイッチ65の押下、又は、外部の照明器具1の送信部64により送信される。照明器具1において、点検信号が受信されると、点検部67により点検が開始されるとともに、点検を実施させる点検信号が、送信部64により、外部の照明器具1に対し送信される。送信部64により送信された点検信号は、更に隣接する外部の照明器具1にて受信される。点検信号を受信した外部の照明器具1においても、点検部67により点検が実施されると同時に、点検信号が、送信部64により、更に外部の照明器具1に送信される。このようにして、2つ以上の照明器具1が施工されている場合に、1つの照明器具1において点検スイッチ65が押下されると、隣接する他の照明器具1に次々と点検信号が送信されていく。この結果、一回の操作により、施工されている全ての照明器具1において、一斉に点検を行うことができる。
【0031】
<点検部67の動作>
図5は、実施の形態1に係る照明器具1の点検部67による点検の処理を説明するフローチャートである。点検部67による点検の処理は、点検部67に対し、点検を実施させる点検信号が送信されることで開始される。
【0032】
図5に示すように、処理が開始されると、点検部67は、ステップS11において、点検を実施させる点検信号を受信し、ステップS12に移行する。
【0033】
ステップS12において、点検部67は、送信部64により、隣接する外部の照明器具1に対し、点検信号を送信し、ステップS13に移行する。
【0034】
ステップS13において、点検部67は、バッテリ51の自動点検を開始する。具体的には、点検部67は、充電回路62によるバッテリ51への充電を停止させ、点灯回路61において光源部42にバッテリ51からの電力を供給して、光源部42を点灯させる。
【0035】
ステップS14において、点検部67は、タイマ68の動作を開始させ、ステップS15に移行する。
【0036】
ステップS15において、点検部67は、タイマ68により計時された時間が、点検時間に達していないと判断すると(ステップS15のNO)、再度、ステップS15の処理を行う。このとき、点検部67は、照明器具1の点検を継続している状態である。点検時間は、照明器具1が非常灯である場合、例えば、30分又は60分である。一方、点検部67は、ステップS15において、タイマ68により計時された時間が、点検時間に達していると判断すると(ステップS15のYES)、ステップS16に移行する。
【0037】
ステップS16において、点検部67は、自動点検を終了させる。具体的には、点検部67は、バッテリ51の電圧が閾値以上であるか否かを判断し、点灯回路61へバッテリ51から光源部42への電力の供給を停止させ、充電回路62へバッテリ51への充電を開始させ、ステップS17に移行する。ステップS17において、点検部67は、バッテリ51の点検結果をモニタ70に表示させ、点検部67による点検の処理が終了する。点検結果は、例えば、正常の場合には、緑点灯、異常の場合には、緑点滅により表示される。
【0038】
なお、上記において、点検スイッチ65が、押下により、複数の照明器具1において、一斉に自動で点検が行われる構成として説明されているが、点検スイッチ65は、自動点検又は個別点検を選択できる構成であってもよい。例えば、点検スイッチ65の押下により、自動点検が行われる第1状態と、個別点検が行われる第2状態とを選択できる構成とすることができる。この場合、送信部64は、点検信号を受信した場合に、外部の照明器具1へ点検信号を送信する第1状態と、点検信号を受信しても、外部の照明器具1に点検信号を送信しない第2状態と、を切り替えることができる。
【0039】
また、照明器具1の台数が多い場合に、自動点検が正常に実施されたか否かの確認は、例えば、リモコン3の送受信機能により、リモコン3に表示する構成により行うことができる。
【0040】
また、自動点検が正常に実施されたか否かは、照明器具1のモニタ70への表示により確認できる構成であってもよい。
【0041】
変形例1.
図6は、実施の形態1の変形例1に係る誘導灯60の斜視図である。誘導灯60は、照明器具1の一例である。
図6に示すように、誘導灯60には、点検スイッチ65が配置されている。点検スイッチ65が押下されることにより、誘導灯60の自動点検が実施される。誘導灯60の場合、20分又は60分後に判定動作により、電圧が定められた閾値に対し、超えるか、超えないかが判定される。
【0042】
変形例2.
図7は、実施の形態1の変形例2に係る照明器具1が有するリモコン3の斜視図である。
図7に示すように、リモコン3には、点検スイッチ65が配置されている。リモコン3は、点検スイッチ65を、例えば、2つ有していてもよい。リモコン3は、照明器具1の本体2を遠隔操作するためのものである。2つの点検スイッチ65は、例えば、非常灯と、誘導灯60とのそれぞれにおいて点検を実施させるためのものである。リモコン3の点検スイッチ65が押下されると、リモコン3の点検開始信号がONとなり、リモコン3により遠隔操作される照明器具1に対し、点検信号が送信される。
【0043】
以上説明した、実施の形態1に係る照明器具1によれば、点検信号を受信した場合に、送信部64が、外部の照明器具1へ点検信号を送信し、外部の器具において自動的に点検が開始される。そのため、外部の照明器具1では、送信された点検信号に基づき、点検部67により点検が実施されるとともに、送信部64により点検信号が、外部の照明器具1へ送信される。これにより、外部の照明器具1において、点検開始の動作をすることなく点検が実施され、点検の作業性が向上する。
【0044】
また、送信部64は、点検信号を受信した場合に、外部の照明器具1へ点検信号を送信する第1状態と、点検信号を受信しても、外部の照明器具1に点検信号を送信しない第2状態と、を切り替えることができる。第1状態と第2状態とを切り替えることにより、複数施工されている照明器具1において一斉に点検を実施するか、又は、1つの照明器具1において個別に点検を実施するかを選択することができる。
【0045】
実施の形態2.
<点検の動作>
図8は、実施の形態2に係る照明器具1の点検部67による点検の処理を説明するフローチャートである。実施の形態2は、点検部67による処理において、即時自動点検を実施させる第2信号、又は、一定時間が経過した後に自動点検を実施させる第1信号が送信される点で、実施の形態1と相違する。実施の形態2では、実施の形態1と共通する部分は同一の符号を付して説明を省略し、実施の形態1との相違点を中心に説明する。点検部67による点検の処理は、点検部67に対し、点検を実施させる点検信号が送信されることで開始される。
【0046】
図8に示すように、処理が開始されると、点検部67は、ステップS101において、点検を実施させる点検信号を受信し、ステップS102に移行する。点検信号は、受信部66で受信され、点検部67に送信される。
【0047】
ステップS102において、点検部67は、受信した点検信号が、リモコン3などの外部の端末、あるいは、点検スイッチ65により送信された点検信号であるか否かを判断する。ステップS102において、受信した点検信号が、リモコン3などの外部の端末、あるいは、照明器具1に設けられた点検スイッチ65により送信された点検信号であると判断すると(ステップS102のYES)、点検部67は、ステップS104に移行する。
【0048】
一方、ステップS102において、受信した点検信号が、リモコン3などの外部の端末、あるいは、点検スイッチ65により送信された点検信号ではないと判断すると(ステップS102のNO)、点検部67は、ステップS103に移行する。受信した点検信号が、点検スイッチ65により送信された点検信号ではないと判断された場合、受信した点検信号は、周囲の他の照明器具1、つまり、外部の隣接する照明器具1の送信部64によって送信された点検信号であると判断されたことになる。
【0049】
ステップS103において、点検部67は、受信した点検信号が、第2信号であるか否かを判断する。第2信号は、点検信号を受信してから、即時に自動点検を実施させる信号である。ステップS103において、受信した点検信号が、第2信号であると判断すると(ステップS103のYES)、点検部67は、ステップS104に移行する。ステップS104において、点検部67は、隣接する外部の照明器具1に対し、第1信号を発信し、ステップS108に移行する。
【0050】
一方、ステップS103において、受信した点検信号が、第2信号ではないと判断されると(ステップS103のNO)、点検部67は、ステップS105に移行する。受信した点検信号が、第2信号ではないと判断された場合、受信した点検信号は、一定時間が経過した後に自動点検を実施させる第1信号である。一定時間は、自動点検の点検時間と、バッテリ51が満充電になるまでの時間とを足した時間以上の時間に設定される。
【0051】
ステップS105において、点検部67は、送信部64により、隣接する外部の照明器具1に対し、第2信号を送信させ、ステップS106に移行する。
【0052】
ステップS106において、点検部67は、タイマ68の動作を開始させ、ステップS107に移行する。
【0053】
ステップS107において、点検部67は、タイマ68により計時された時間が一定時間を経過したか否かを判断し、経過していないと判断すると、再度、ステップS107の処理を行い、一定時間を経過するまで処理を継続する。ステップS107において、タイマ68により計時された時間が一定時間を経過していると判断されると(ステップS107のYES)、点検部67は、ステップS108に移行する。
【0054】
ステップS108において、点検部67は、自動点検を開始させる。具体的には、点検部67は、充電回路62によるバッテリ51への充電を停止させ、点灯回路61において、バッテリ51から光源部42に電力を供給して、光源部42を点灯させ、ステップS109に移行する。
【0055】
ステップS109において、点検部67は、タイマ68の動作を開始させ、ステップS110に移行する。なお、自動点検の開始と、タイマ68の動作の開始とは、同時に行われてもよい。
【0056】
ステップS110において、点検部67は、タイマ68により計時された時間が、点検時間に達したか否かを判断し、点検時間に達していないと判断すると、点検部67は、再度、ステップS110の処理を行う。このとき、点検部67は、照明器具1の点検を継続している状態である。点検時間は、照明器具1が非常灯である場合、例えば、30分又は60分である。一方、点検部67は、ステップS110において、点検時間に達していると判断すると、ステップS111に移行する。
【0057】
ステップS111において、点検部67は、自動点検を終了させる。具体的には、点検部67は、バッテリ51の電圧が閾値以上であるか否かを判断し、点灯回路61へバッテリ51から光源部42への電力の供給を停止させ、充電回路62へバッテリ51への充電を開始させ、ステップS112に移行する。
【0058】
ステップS112において、点検部67は、バッテリ51の点検結果をモニタに表示させ、点検部67による点検の処理が終了する。
【0059】
<点検のタイミング>
図9は、実施の形態2に係る照明器具1における点検のタイミングを説明する図である。
図9に示すように、照明器具1が複数施工されている場合、点検部67において、即時に点検を実施させる第2信号を受信する照明器具1と、一定時間が経過した後に点検を実施させる第1信号を受信する照明器具1と、が存在している。
図9において、即時に点検を実施させる第2信号を受信する照明器具1は、白地の円で示し、一定時間が経過した後に点検を実施させる第1信号を受信する照明器具1は、網掛けされた円で示している。
【0060】
第2信号が受信された照明器具1では、点検部67により、隣接する外部の照明器具1に対し、点検を実施させる第1信号が発信されるとともに、即時に点検の動作が開始される。一方、第1信号が受信された照明器具1では、点検部67により、隣接する外部の照明器具1に対し、即時に点検を実施させる第2信号が発信されるとともに、一定時間が経過した後、点検の動作が開始される。
【0061】
一定時間は、例えば、照明器具1において自動でバッテリ51の点検が実施され、更に、バッテリ51が満充電となるまでの時間である。また、一定時間は、例えば、照明器具1において即時に点検を実施させる第2点検信号が受信されたときから計時される時間である。
【0062】
この結果、照明器具1が複数施工されている場合、一部の照明器具1では、即時に点検の動作が実施され、他の一部の照明器具1では、一定時間が経過した後に点検が実施される。
【0063】
図9を例にとり説明すると、紙面の左上の照明器具1において点検部67が点検信号を受信した場合、照明器具1で即時に点検の動作が開始される。また、左上の照明器具1から外部に第1信号が送信され、左上の照明器具1と隣接する3つの照明器具1にて受信される。第1信号を受信した3つの照明器具1は、点検部67により、更に3つの照明器具1に隣接する5つの照明器具1に第2信号を送信するとともに、一定時間が経過した後、点検を開始させる。第2信号を受信した5つの照明器具1は、点検部67により、更に7つの照明器具1に隣接する9つの照明器具1に第1信号を送るとともに即時に点検を開始させる。このようにして、照明器具1が複数施工されている場合、各照明器具1を個別に操作しなくても自動で点検が実施される。
【0064】
照明器具1が複数施工されている場合、全ての照明器具1が、同時に自動で点検を実施する構成であると、点検の実施中、又は、点検直後に災害等が発生し、停電となった場合に、蓄電池の容量が不足して非常点灯せず、避難時に真っ暗になることも考えられる。複数施工された照明器具1において、点検が開始されるタイミングをずらすことで、点検の実施中、又は、点検直後に停電となった場合であっても、蓄電池容量が不足して非常点灯せず、避難時に真っ暗になってしまうことが防止できる。
【0065】
なお、第1信号又は第2信号が送信される相手の照明器具1は、予めそれぞれの照明器具1にアドレスを割り振っておき、アドレスによって送信する相手を特定しておいてもよい。これにより、点検の実施中、又は、点検の直後に停電となった場合に、点灯できない非常灯の位置を決定することができ、暗がりになる領域を低減させることができる。
【0066】
図10は、実施の形態2に係る照明器具1が複数施工されている場合の点検の処理を説明するフローチャートである。
図10に示すように、照明器具1は、例えば、器具Aと、器具Aに隣接する外部の器具Bと、器具Bに隣接する外部の器具Cと、を含む。
【0067】
器具Aにおいて、点検スイッチ65が押下されONとなるか、もしくは、リモコン3のボタンが押下されリモコン3の点検開始信号がONされると、通信手段により、器具Aの点検部67に点検信号が送信される。
【0068】
送信された点検信号が器具Aの点検部67で受信されると、器具Aの点検部67は、ステップSA01において、点検信号が、点検スイッチ65の押下によるものか否かを判断する。ステップSA01において、点検信号が、点検スイッチ65の押下によるものであると判断されると、点検部67は、ステップSA03及びステップSA04に移行する。
【0069】
また、器具Aの点検部67は、ステップSA02において、点検信号が、リモコン3の操作により送信された点検信号であるか否かを判断する。ステップSA02において、点検信号が、リモコン3の操作により送信された点検信号であると判断された場合にも、点検部67は、ステップSA03及びステップSA04に移行する。
【0070】
ステップSA03において、点検部67は、第1信号を、通信手段により、隣接している器具Bに送信する。また、ステップSA04において、点検部67は、自動点検を開始させる。自動点検が開始されると、タイマ68が点検時間に達するまで動作し、その後、バッテリ51の電圧が、機種毎に定められた閾値に対し、超える、超えないかの判定がなされる。その後、判定結果に基づき、例えば、モニタ70に、バッテリ51の状態が表示される。
【0071】
器具Aに隣接している器具Bでは、ステップSB01において、点検部67により器具Aから送信された第1信号が受信され、ステップSB02に移行する。
【0072】
ステップSB02において、点検部67は、タイマ68の動作を開始させると同時に、ステップSB03に移行し、点検部67は、通信手段により、第2信号を隣接している器具Cに送信する。また、点検部67は、ステップSB02において開始されたタイマ68により、一定時間が経過したと判断すると、ステップSB04に移行し、ステップSB04において、自動点検の動作を開始させる。一定時間は、例えば、点検時間と、バッテリ51が満充電になるまでの時間との和である。ステップSB04以降のステップは、ステップSA04以降のステップと同様であるので説明を割愛する。
【0073】
器具Bに隣接している器具Cでは、ステップSC01において、点検部67により器具Bから送信された第2信号が受信され、ステップSC02に移行する。
【0074】
ステップSC02において、点検部67は、タイマ68の動作を開始させると同時に、ステップSC03に移行し、点検部67は、通信手段により、第1信号を、更に隣接している照明器具1に送信する。また、点検部67は、ステップSC02において開始されたタイマ68により一定時間が経過したと判断される前に、ステップSC04に移行し、ステップSC04において、自動点検を開始させる。一定時間が経過したと判断される前は、例えば、即時であり、この場合、タイマ68による動作は省略してもよい。ステップSC04以降のステップは、ステップSA04及びステップSB04以降のステップと同様であるので説明を割愛する。
【0075】
このように、照明器具1は、例えば、隣接して設けられた器具A、器具B、及び、器具Cを含む。器具A、器具B、及び、器具Cは、点検が開始されるタイミングがずれるように構成されている。これにより、点検の実施中、又は、点検の直後に災害等で停電となった場合であっても、全ての照明器具1で同時に自動点検が実施された場合のように、蓄電池の容量が不足して非常点灯せず、避難時に真っ暗になってしまうことが防止できる。
【0076】
また、例えば、器具Bに送信された点検信号は、器具Bに隣接している器具Cの通信手段において受信され、器具Cにおいて自動点検が開始され、同時に、点検信号が自動で、更に隣接する照明器具1に送信されるように構成されている。このように、1台の器具Aに対し、点検スイッチ65が押下され、もしくは、リモコン3のボタンが押下されることで、器具Aに隣接する器具Bに点検信号が送信され、更に器具Bに隣接する器具Cに点検信号が送信されていく。これにより、照明器具1が複数施工されている場合に、施工されている複数の照明器具1の点検を一斉に行うことが可能となる。
【0077】
また、送信される点検信号は、即時に自動点検が実施される器具A及び器具Cと、一定時間が経過した後に自動点検が実施される器具Bとで異なる点検信号である。そのため、点検のタイミングが、器具Aと、器具Bと、器具Cとでずれることとなり、点検の実施中、又は、点検の直後の災害により停電が発生した場合にも、自動点検による影響を最小限に抑えることが可能となる。
【0078】
なお、送信部64は、第1信号を送信する第3状態と、第2信号を送信する第4状態と、に切り替えられる構成であってもよい。第3状態と、第4状態との切り替えは、外部の照明器具1から第1信号と第2信号とのいずれを受信したかに基づいてもよく、点検スイッチ65の押下に基づく構成であってもよい。第3状態と、第4状態とを切り替えることにより、複数施工された照明器具1において、一斉に点検を実施させること、及び、タイミングをずらして点検を実施させることができる。
【0079】
<変形例>
図11は、実施の形態2の変形例に係る照明器具1における点検の処理を説明するフローチャートである。実施の形態2の変形例において、実施の形態2と共通する部分は同一の符号を付して説明を省略し、実施の形態2との相違点を中心に説明する。
【0080】
図11に示すように、実施の形態2の変形例に係る照明器具1においては、第2信号が発信されるタイミングが異なる。具体的には、ステップS103において、受信した点検信号が、第2信号か否かの判断において、第2信号ではないと判断された場合(ステップS103のNO)、外部へ第2信号を発信することなく、ステップS108に移行し、自動点検を開始する。ステップS111において自動点検が終了すると、点検部67は、ステップS112に移行し、バッテリ51の点検結果を、例えば、モニタ70に表示させる。
【0081】
その後、点検部67は、ステップS114に移行し、第1信号が発信済みであるか否かを判断し、発信済みではないと判断すると(ステップS114のNO)、ステップS115に移行する。ステップS115において、点検部67は、送信部64により、外部の照明器具1に対し、第2信号を発信して、処理が終了する。
【0082】
このように、点検部67は、照明器具1の点検が終了し、バッテリ51の充電が終了してバッテリ51が満充電になった状態を確認した後、つまり、ステップS111の処理の後に、第2信号を隣接する外部の照明器具1に送信する構成であってもよい。
【0083】
一定時間は、点検時間と、バッテリ51が満充電になるまでに要する時間との和としているが、バッテリ51が満充電になるまでに要する時間は、各バッテリ51において個体差がある。そのため、照明器具1が第1信号を受信した場合、以下の懸念点がある。
【0084】
まず第1に、外部の照明器具1のバッテリ51が充電中に照明器具1の点検が開始されてしまう場合を考える。この場合に、例えば、停電が起こってしまうと、充電中の照明器具1、及び、点検中の照明器具1は、定められた点灯時間を満たすことができない。
【0085】
第2に、外部の照明器具1のバッテリ51が、一定時間で想定した時間よりも早く終了した場合を考える。この場合、外部の照明器具1から第1信号を受信した照明器具1は、外部の照明器具1の点検が既に終了しているにもかかわらず、点検を実施せず、待機した状態になってしまい、全体的な自動点検の時間が延長されてしまう。
【0086】
変形例に係る照明器具1においては、点検部67は、送信部64により、点検後、バッテリ51が満充電になった状態を確認した後に、外部の照明器具1に第2信号を送信する。これにより、バッテリ51が満充電になる時間の個体差による影響を抑制することができるので、上述の懸念点を解消することができる。
【0087】
以上説明した、実施の形態2に係る照明器具1によれば、送信部64が、第1信号を受信した場合に第2信号を送信し、第2信号を受信した場合に第1信号を送信する。点検が一定期間経過後に実施される第1信号を受信した場合は、点検が即時実施される第2信号が送信され、第2信号を受信した場合は、第1信号が送信される。これにより、照明器具1が複数施工されている場合に、点検のタイミングがずれることとなり、照明器具1の点検中に停電が発生しても影響が低減できる。
【0088】
また、点検部67は、外部の照明器具1から点検信号を受信した場合に、点検信号を受信してから一定時間が経過する前に点検を実施するように構成されていてもよい。この場合、外部の照明器具1が充電中である可能性がなく、且つ、外部の器具が満充電になってもなお点検が開始されず待機状態となることもないため、満充電となる時間にバッテリ51の個体差があってもその影響が抑制できる。
【0089】
また、照明器具1は、点検スイッチ65を有し、点検スイッチ65が押下された場合に、点検部67へ第2信号が送信される。点検の対象となる照明器具1の点検スイッチ65を押下することで、点検が即時実施されるため、即時に点検が必要な場合に有効である。
【0090】
また、送信部64は、点検信号を受信してから一定時間が経過した後に、外部の照明器具1へ点検信号を送信する。これにより、外部の照明器具1が充電中である可能性がなく、且つ、外部の照明器具1が満充電になってもなお点検が開始されず待機状態となることもないため、満充電となる時間にバッテリ51の個体差があってもその影響が抑制される。
【0091】
また、送信部64は、点検信号を受信してから一定時間が経過した後に、外部の照明器具1へ点検信号を送信する第3状態と、点検信号を受信してから一定時間が経過する前に、外部の照明器具1へ点検信号を送信する第4状態と、を切り替えることができる。これにより、複数施工された照明器具1が、それぞれの照明器具1において受信された点検信号に応じて第3状態又は第4状態となり、同じタイミング、又は、ずれたタイミングで点検が実施される。このため、照明器具1が複数施工されている場合に、点検の実施中、又は、点検の直後において停電が発生した場合に、全ての照明器具1において、蓄電池容量が不足する、又は、避難時に真っ暗になってしまうなどの影響が抑制される。
【0092】
実施の形態3.
図12は、実施の形態3に係る照明器具1の構成の概略を示すブロック図である。実施の形態3は、複数の照明器具1において実施された点検の点検結果を互いに送受信する点で、実施の形態1又は2と相違する。実施の形態3では、実施の形態1又は2と共通する部分は同一の符号を付して説明を省略し、実施の形態1又は2との相違点を中心に説明する。
【0093】
照明器具1は、実施の形態1及び2と同様、複数の照明器具1が設置された照明空間Lにおいて、リモコン3などの外部端末、あるいは、点検スイッチ65から送信される点検信号を受信すると、周囲の他の照明器具1に点検を実施させる信号を送信する。また、照明空間Lに設置された照明器具1は、実施の形態2と同様、点検信号を受信してから即時に自動点検を開始させる第2信号を受信した場合に、周囲の他の照明器具1に点検信号を受信してから一定時間経過後に自動点検を開始させる第1信号を送信する。
【0094】
図12に示すように、実施の形態3に係る照明器具1は、コントロールユニット6の制御装置63に記憶部71を有する。第1信号又は第2信号を受信した照明器具1は、周囲の他の照明器具1に第1信号又は第2信号を送信するとともに、自身のアドレスを、第1信号及び第2信号と対応づけて記憶させる。記憶部71は、照明器具1において、他の照明器具1から点検を実施させる第1信号、又は、第2信号を受信した場合に、第1信号、又は、第2信号と、その信号を送信した他の照明器具1のアドレスとを対応付けて記憶する。
【0095】
照明器具1は、点検を実施させる第1信号、又は、第2信号を受信すると、自動点検を実施する。自動点検において、照明器具1は、バッテリ51から光源部42に電力を供給して光源部42を点灯させ、その後、バッテリ51を充電して満充電の状態にさせる。照明器具1において第1信号が受信された場合には、自動点検は、光源部42が点灯してから、バッテリ51が満充電の状態になるまでに必要な時間が経過した後に開始される。照明器具1において第2信号が受信された場合には、自動点検は、即時に開始される。
【0096】
自動点検が終了すると、照明器具1は、自身の照明器具1の点検結果を取得する。照明器具1は、送信部64により、自身の点検結果と、自身のアドレスとを、記憶部71に記憶されている自身に点検信号を送信した照明器具1に対し、送信する。
【0097】
点検結果が、点検信号を送信した照明器具1に送信されることで、ユーザが点検を指示した照明器具1に、照明空間Lに配置された複数の照明器具1の点検結果が送信されることになる。ユーザが点検を指示した照明器具1は、照明空間Lに配置された複数の照明器具1のうちの少なくとも1つの照明器具1において点検結果に異常がある場合と、全ての照明器具1で問題がない場合とで、異なる報知をモニタ70に表示させる。報知を表示する方法は、例えば、異なる色、又は、点滅が採用される。報知を表示する方法は、また、それぞれの照明器具1の点検結果を示す場合と、照明空間Lに設置された全ての照明器具1の点検結果を示す場合とで、異なる点滅方法、又は、異なる点灯時間を採用してもよい。
【0098】
このような構成により、点検が終了した後、点検を指示した照明器具1のモニタ70を確認することで、照明空間Lに設置された複数の照明器具1の中に異常である照明器具1があるかどうかを確認することができる。
【0099】
ここで、第1信号を受信した照明器具1と、第2信号を受信した照明器具1とでは、点検結果が出る時間が異なる。例えば、点検実施後にバッテリ51を満充電状態にさせるためには、48時間経過することが必要であることから、点検結果が取得されるまでの時間に差がある。照明器具1は、自動点検が終了した場合に、即時に点検結果を送信部64から送信する構成でよく、また、照明空間Lの複数の照明器具1の点検が全て終了した場合に、点検結果を送信部64から送信する構成であってもよい。
【0100】
従って、自動点検が終了した場合に、即時に点検結果を送信する構成であると、ユーザが点検を指示した照明器具1は、第1信号を受信した照明器具1から送信された点検結果と、第2信号を受信した照明器具1から送信された点検結果とを時間差で受信する。このため、第1信号を受信した照明器具1から送信された点検結果と、第2信号を受信した照明器具1から送信された点検結果とを、個別に確認することができるため、いずれかの照明器具1で異常があるかを確認する対象が減少し、特定が容易になる。一方、照明空間Lの複数の照明器具1の点検が全て終了した場合に、点検結果を送信する構成であると、ユーザが全ての照明器具1の点検結果を一度に確認することができるため、点検結果の確認が容易になる。
【0101】
点検結果は、例えば、ユーザが点検を指示した照明器具1から、無線通信によって、リモコン3などの外部端末に送信される。点検結果は、点検を実施した照明器具1のアドレスと対応付けられているので、点検を指示した照明器具1において、照明空間Lに設置された複数の照明器具1の各々についての点検結果を取得することができる。
【0102】
照明器具1は、確認スイッチを有していてもよい。確認スイッチは、押下された場合に、照明空間Lのどの照明器具1に異常があったのかを探すことを可能とするために設けられている。照明器具1は、確認スイッチが押下された場合、周囲の他の照明器具1から受信し、照明器具1と対応付けられた点検結果を、元の点検が実施された照明器具1に再度送信し、点検が実施された照明器具1に改めて点検結果を表示させるものである。特に、ユーザが点検を指示した照明器具1において、照明空間Lに設置された複数の照明器具1で異常があると報知された場合に、確認ボタンを押下することで照明空間Lのどの照明器具1に異常があったのか探すことができるため、有効である。確認ボタンは、照明空間Lに設置されたすべての照明器具1に配置されていてもよいし、ユーザが点検を指示する照明器具1だけに配置されていてもよい。
【0103】
照明器具1は、記憶部71に記憶された点検信号を送信した照明器具1のアドレスを記憶し、その照明器具1へ点検結果を送信すると説明したが、それに限らない。照明器具1は、周囲の他の照明器具1に点検結果を送信する構成であってもよく、照明空間Lに設置された複数の照明器具1において、互いに点検結果が送信されて記憶される。これにより、点検が指示された照明器具1に限らず、どの照明器具1においても、照明空間Lに設置された複数の照明器具1の各々の点検結果を取得し、報知させることができる。
【0104】
また、照明器具1は、点検結果を、周囲の他の照明器具1に限らず、その他の照明器具1に送信する構成であってもよい。照明器具1は、点検結果を、例えば、通信可能な制御装置63、又は、ネットワークを介して、クラウド、又は、サーバに送信する構成であってもよい。
【0105】
以下、本開示の諸態様を付記としてまとめて記載する。
【0106】
(付記1)
光源部と、
前記光源部に電力を供給するバッテリと、
前記バッテリの点検の動作を制御する制御装置と、
を備え、
前記制御装置は、
前記バッテリの点検を実施させる点検信号を受信した場合に、前記バッテリから前記光源部へ電力を供給させる点検部と、
前記点検部が前記点検信号を受信した場合に、外部へ前記点検信号を送信する送信部と、
を備えた照明器具。
(付記2)
前記送信部は、
前記点検信号を受信してから一定時間が経過する前に点検を実施させる第1信号を受信した場合に、前記点検信号を受信してから前記一定時間が経過した後に点検を実施させる第2信号を送信し、
前記第2信号を受信した場合に、前記第1信号を送信する
付記1に記載の照明器具。
(付記3)
前記点検部は、前記外部に配置されている外部端末から前記点検信号を受信した場合に、前記点検信号を受信してから前記一定時間が経過する前に点検を実施する
付記2に記載の照明器具。
(付記4)
前記点検部に点検を実施させる点検スイッチを更に有し、
前記点検スイッチは、押下された場合に、前記点検部へ前記第1信号を送信する
付記2又は付記3に記載の照明器具。
(付記5)
前記送信部は、
前記点検信号を受信してから前記一定時間が経過した後に、前記外部へ前記点検信号を送信する
付記2~付記4のいずれか1つに記載の照明器具。
(付記6)
前記送信部は、
前記点検信号を受信した場合に、前記外部へ前記点検信号を送信する第1状態と、
前記点検信号を受信しても、前記外部に前記点検信号を送信しない第2状態と、
を切り替えることができる
付記1~付記5のいずれか1つに記載の照明器具。
(付記7)
前記送信部は、
前記点検信号を受信してから前記一定時間が経過した後に、前記外部へ前記点検信号を送信する第3状態と、
前記点検信号を受信してから前記一定時間が経過する前に、前記外部へ前記点検信号を送信する第4状態と、
を切り替えることができる、付記2~付記6のいずれか1つに記載の照明器具。
【符号の説明】
【0107】
1 照明器具、2 本体、3 リモコン、4 光源ユニット、6 コントロールユニット、13 枠、14 孔、21 天井取付バネ、42 光源部、51 バッテリ、59 電源回路、60 誘導灯、61 点灯回路、62 充電回路、63 制御装置、64 送信部、65 点検スイッチ、66 受信部、67 点検部、68 タイマ、69 判定部、70 モニタ、71 記憶部。