(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024148238
(43)【公開日】2024-10-18
(54)【発明の名称】セルフオーダーシステム
(51)【国際特許分類】
G07G 1/12 20060101AFI20241010BHJP
G07G 1/00 20060101ALI20241010BHJP
G06Q 30/06 20230101ALI20241010BHJP
【FI】
G07G1/12 361C
G07G1/00 301D
G06Q30/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023061191
(22)【出願日】2023-04-05
(71)【出願人】
【識別番号】302071092
【氏名又は名称】株式会社LIMNO
(74)【代理人】
【識別番号】100118393
【弁理士】
【氏名又は名称】中西 康裕
(72)【発明者】
【氏名】宅野 慎二
(72)【発明者】
【氏名】有本 秀幸
(72)【発明者】
【氏名】石黒 智子
(72)【発明者】
【氏名】石河 三加
(72)【発明者】
【氏名】木下 昌彦
(72)【発明者】
【氏名】坂田 武晴
(72)【発明者】
【氏名】寺谷 公成
(72)【発明者】
【氏名】中川 明美
(72)【発明者】
【氏名】森田 佳成
【テーマコード(参考)】
3E142
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
3E142AA07
3E142BA01
3E142CA13
3E142CA19
3E142GA13
3E142GA18
3E142GA32
3E142HA02
3E142JA01
5L030BB72
5L049BB72
(57)【要約】
【課題】本発明は、オーダー用端末の操作を妨げることなく、また、容易な操作で来客が店員の呼び出し等の要請を行うことができるセルフオーダーシステムを提供することを目的とする。
【解決手段】少なくとも、充電式のオーダー用端末3と、このオーダー用端末3を充電するクレードル4と、を備えるセルフオーダーシステム100であって、クレードル4は物理ボタンからなる呼出ボタン431と、精算ボタン432からなる要請用ボタンを備える。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも、充電式のオーダー用端末と、前記オーダー用端末を充電するクレードルと、を備えるセルフオーダーシステムであって、
前記クレードルは要請用ボタンを備えることを特徴とするセルフオーダーシステム。
【請求項2】
前記要請用ボタンは、店員を呼び出す呼出用の物理ボタンであることを特徴とする請求項1に記載のセルフオーダーシステム。
【請求項3】
前記要請用ボタンは、精算を要請する精算用の物理ボタンであることを特徴とする請求項1に記載のセルフオーダーシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はセルフオーダーシステムに関し、詳しくは、来客が注文を操作する充電式のオーダー用端末と、オーダー用端末を充電するクレードルと、を備えるセルフオーダーシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記されるように、オーダー用端末がファミレスや居酒屋などに設置され、これを来客自身が操作して飲食物等の商品を注文するセルフオーダーシステムが販売され、使用されている。そして、非特許文献1のオーダー用端末には、店員を呼び出すタッチ式のボタンが表示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】EASY ORDER 飲食店向けセルフオーダーシステム[スタッフ呼び出し機能] 検索日:令和5年2月8日〈https://easy-order.jp/call_staff/〉
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、来客がオーダー用端末を使用して店員を呼び出そうとすると、店員を呼び出すボタンを探すのに時間が掛かる。例えば、水やお汁をこぼしたときは早く店員を呼びたい。また、オーダー用端末で注文中であれば、注文操作が途切れることとなる。また、呼び出しボタンはタッチ式であるので、機構的な押しボタンよりも操作しづらいという問題があった。
【0006】
そこで、本発明は、オーダー用端末の操作を妨げることなく、また、容易な操作で来客が店員の呼び出し等の要請を行うことができるセルフオーダーシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明のセルフオーダーシステムは、少なくとも、充電式のオーダー用端末と、前記オーダー用端末を充電するクレードルと、を備えるセルフオーダーシステムであって、前記クレードルは要請用ボタンを備えることを特徴とする。
【0008】
オーダー用端末を操作しなくてもクレードル側で店員に対する要請をおこなうことができるので、要請の操作を早く行うことができる。また、セルフオーダー端末で行っている注文操作等の操作を妨げることなく要請を行うことができる。また、クレードルは定位置に設置されるので、要請ボタンの位置が解り易い。また、システムを構成するクレードルを利用するので、別途、要請(例えば、店員の呼び出し)のための設備を設ける必要がなく、安価に提供できる。
【0009】
なお、前記要請用ボタンは、店員を呼び出す呼出用の物理ボタンであることが好ましい。また、前記要請用ボタンは、精算を要請する精算用の物理ボタンであることが好ましい。
【0010】
また、本発明のセルフオーダーシステムは、オーダー用端末とクレードルとが直接通信可能であり、クレードルの備える要請用ボタンによる要請は、オーダー用端末を介して行われる構成とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本実施形態のセルフオーダーシステムの要部を示すブロック図である。
【
図2】本実施形態のオーダー用端末とクレードルの要部を示すブロック図である。
【
図3】オーダー用端末がクレードルに載置された状態を示す左側面図である。
【
図4】Aはオーダー用端末の表示呼出ボタンと表示精算ボタンを示す表示画面の図であり、Bはクレードルの呼出ボタンと精算ボタンを示す斜視図である。
【
図5】本実施形態のクレードルの主要な動作を示すフローチャートである。
【
図6】本実施形態のオーダー用端末の主要な動作を示すフローチャートである。
【
図7】本実施形態のサーバの主要な動作を示すフローチャートである。
【
図8】本実施形態の店員用端末の主要な動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、実施形態及び図面を参照にして本発明を実施するための形態を説明するが、以下に示す実施形態は、本発明をここに記載したものに限定することを意図するものではなく、本発明は特許請求の範囲に示した技術思想を逸脱することなく種々の変更を行ったものにも均しく適用し得るものである。なお、この明細書における説明のために用いられた各図面においては、各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各部材毎に縮尺を異ならせて表示しており、必ずしも実際の寸法に比例して表示されているものではない。
【0013】
[実施形態1]
図1、
図2のブロック図を用いて実施形態1のセルフオーダーシステム100の要部のシステム構成を説明する。なお、本実施形態のセルフオーダーシステム100は、特許文献1に記載されているような飲食注文システムのように、情報管理用のシステムとしても機能するものであり、来客のオーダーをキッチンと共有し、また、POS端末と情報を共有して会計を行ったり、経理情報や在庫情報を管理したりするものである。
【0014】
[構成]
図1に示すように、実施形態1のセルフオーダーシステム100は、サーバ1、複数の店員用端末2、複数のオーダー用端末3、複数のクレードル4、アクセスポイント5、POS端末6、厨房端末7、来店受付端末8、卓番表示機9、とからなる。
【0015】
図1に示すように、パーソナルコンピュータからなるサーバ1は、各部を制御する制御回路11、制御回路11が実行するのに必要なプログラムやデータを記憶するEEPROMやROMからなる記憶部12、液晶表示器からなる表示部13、キーボードやマウスなどからなる入力部14、とからなる。
【0016】
図1に示すように、モバイル機器からなる店員用端末2は、各部を制御する制御回路21、制御回路21が実行するのに必要なプログラムやデータを記憶するEEPROMやROMからなる記憶部22、タッチパネル付きの表示器からなる入力・表示部23、無線LAN通信を行う通信回路24、店員呼び出しや精算要請に関する報知を行う報知部25、計算書などの印刷を行うプリンタ26、駆動電源である充電式電池27、無線LAN通信のアンテナ28、とからなる。この店員用端末2は、接客の際等に店員が所持して用いる端末である。
【0017】
モバイル機器であるオーダー用端末3は、各テーブルの数だけ備わっている。オーダー用端末3は、
図2に示すように、各部を制御する制御回路31、制御回路31が実行するのに必要なプログラムやデータを記憶するEEPROMやROMからなる記憶部32、タッチパネル付きの表示機からなる入力・表示部33、無線LAN通信を行う通信回路34、店員呼び出しや精算要請に関する報知を行う報知部35、駆動電源である充電式電池36、無線LAN通信のアンテナ37、とからなる。
【0018】
また、オーダー用端末3は、
図4Aに示すように、タッチパネル式の表示器からなる入力・表示部33において、店員を呼び出すために表示される表示呼出ボタン331と、精算を要請するために表示される表示精算ボタン332とが表示可能、操作可能となっている。
【0019】
なお、オーダー用端末3は、
図1に示すようにテーブル毎に設置されているが、必ずしも各テーブルに1つである必要はなく、広いテーブルや、広い個室のような場合であれば複数のオーダー用端末3が備わっていても構わない。
【0020】
クレードル4は、オーダー用端末3を充電するための専用の機器であり、各オーダー用端末3に対応して準備されている。つまり、セルフオーダーシステム100は、オーダー用端末3の充電をクレードル4にて行う構成となっている。したがって、オーダー用端末3に直接充電用のケーブルを着脱する必要がなく、また、オーダー用端末3不使用時にクレードル4へセットしておくことでテーブル上のスペースを有効に活用できる等、セルフオーダーシステム100においてクレードル4を用いるメリットは非常に大きい。
【0021】
このクレードル4は、
図2に示すように、各部を制御する制御回路41、制御回路41が実行するのに必要なプログラムやデータを記憶するEEPROMやROMからなる記憶部42、店員を呼び出す呼出ボタン431と精算を要求する精算ボタン432からなる入力部43と、無線通信を行う通信回路44、店員呼び出しや精算要求に係る報知を行う報知部45、オーダー用端末3を充電する充電回路46、無線通信のアンテナ47、とからなる。なお、本実施形態における報知部45は、具体的にはLED光源からなる呼出LED451と、精算LED452の点灯による報知となっている。
【0022】
この呼出ボタン431と精算ボタン432は、クレードル4に備わる要請用ボタンのことであり、来客が意思表示を行う際に使用されるものである。そして、呼出ボタン431と精算ボタン432は、
図4Bに示すように、物理ボタンと呼ばれたりするものである。この物理ボタンとは、実際に押下の感触がある機構的に設けられたボタンのことであり、タッチパネルと表示器で形成されているオーダー用端末3の表示呼出ボタン331や表示精算ボタン332とは異なるものである。
【0023】
図3に示すように、オーダー用端末3がクレードル4に載置されることで、オーダー用端末3の接続端子38がクレードル4の接続端子48と接触して充電可能な状態になる。なお、クレードル4には、図示していないが接続端子41へ電力を供給する外部電源を備えている。実施形態1の充電接続の方法は有線接続の接触充電であるが、コイルによる無線接続の非接触充電にしてもよい。また、
図3に示すように、クレードル4の周辺には、メニューMが図示していないスタンド等を用いて設置されている。
【0024】
図1に示すように、無線LAN親機とも呼ばれるアクセスポイント5は、店員用端末2やオーダー用端末3を、アンテナ28、37、51を介して無線でLAN接続し、店員用端末2やオーダー用端末3はアクセスポイント5に有線LAN(参照符号LAN)で接続されたサーバ1などと通信を行うことができる。
【0025】
また、各テーブルのオーダー用端末3とクレードル4は、Bluetooth(登録商標)による通信が可能となっており、事前の認証作業によるペアリングが行われている。このため、各テーブルのオーダー用端末3とクレードル4とは直接無線での通信が可能となっている。
【0026】
なお、本実施形態においてオーダー用端末3とクレードル4とは、Bluetooth(登録商標)によるペアリングを行うことで、クレードル4がオーダー用端末3とのみ通信可能な構成とし、クレードル4が対応するオーダー用端末3を介してサーバ1等と通信可能な構成としている。これは、セルフオーダーシステム100のような場合、
図1に示すアクセスポイント5等のルーターを介してサーバ1との通信を行う際に、一度にルーターと接続できる機器には限りがあるためである。そこで、本実施形態のようにクレードル4については対応するオーダー用端末3にのみ限定した無線通信とすることで、ルーターと接続できる機器を減らしている。したがって、このような点を考慮する必要性が低い場合には、クレードル4をアクセスポイント5と接続してサーバ1等との通信を行う構成とすることも可能である。
【0027】
POS端末6はカード読み取り装置やレシートプリンタを備えており、会計処理を行う。厨房端末7はプリンタを備えており、料理人に対して注文状況などを印刷、表示や音声などで知らせる。来店受付端末8は来店した来客が食事の予約を店舗で行うもので、人数や希望の席等を入力する。卓番表示機9は店員の呼び出しを行っている卓番(テーブル番号)をサーバ1の制御により表示する。
【0028】
以上のような本実施形態のセルフオーダーシステム100の構成において、クレードル4には、物理ボタンからなる要請用ボタンである呼出ボタン431と精算ボタン432とが備わっている。次にこの呼出ボタン431と精算ボタン432の具体的な動作を用いてセルフオーダーシステム100について説明する。
【0029】
[要請動作:店員呼び出し]
図5~
図8を用いて本実施形態のセルフオーダーシステム100の動作を説明する。
図5はクレードル4の動作、
図6はオーダー用端末3の動作、
図7はサーバ1の動作、
図8は店員用端末2の動作を示すフローチャートである。
【0030】
ここで、まず本動作が想定されるような場面について説明する。テーブルにおいて、来客がメニューを選んでいるような場合、クレードル4が設置されているテーブル端(例えば店内の窓側)とは反対側(例えば店内の通路側)の方でオーダー用端末3が使用されていることもある。この時、クレードル4側に座る来客が水を溢してしまったような場合に、オーダー用端末3にある表示呼出ボタン331ではなく、クレードル4に設けられている物理ボタンからなる呼出ボタン431が押下されることになる。
【0031】
つまり、水を溢した来客は、急いで店員の呼び出しを行いたいが、オーダー用端末3が自分の位置から離れていると直ぐにオーダー用端末3の表示呼出ボタン331を押下することができない。また、オーダー用端末3でメニューのオーダー操作を行っているような場合であれば、オーダー操作を中断することになってしまう。とくに居酒屋やカラオケボックスのような大人数での使用が想定されるような場合には、オーダー用端末3の表示呼出ボタン3での店員呼び出しには時間が掛かってしまうことがある。
【0032】
そこで、店員の呼び出しを行う場合に、クレードル4に設けられている呼出ボタン431が押下されることになる。クレードル4は、来客である使用者によって呼出ボタン431が押下されてONすると(
図5に示すS1のYes)、オーダー用端末3へこの「呼出ボタンON情報」を送信する(S4)。また、この時呼出ボタン431を押下した者に対して、この呼出ボタン431が押下されて動作したことを確実に知らせるため、呼出LED451を点灯させる。
【0033】
このクレードル4とペアリングされているオーダー用端末3は、クレードル4からのこのON情報を受信すると(
図6に示すS12のYes)、サーバ1へこの「呼出ボタンON情報」と共に当該テーブル番号の情報を付加して送信する(S17)。
【0034】
また、オーダー用端末3は、ステップS18にある呼出報知処理の動作を行う。このオーダー用端末3での呼出報知処理とは、例えば、
図4Aに示す表示呼出ボタン331の色を変化させたり、点滅させたりする動作である。このようオーダー用端末3での呼出報知処理が行われることにより、同テーブルで店員の呼び出しの要請を行ったことをオーター用端末3の操作者も認識することができる。
【0035】
なお、本実施形態では、上記のようにステップS6のオーダー用端末3へ「呼出ボタンON情報」を送信すると呼出LED451を点灯させることで、押下者に呼出ボタンが動作したことを認識させる構成としている。その他の構成として、例えば、S17のサーバ1へ呼出ボタンON情報を送信した後、オーダー用端末3が送信完了したことをクレードル4へ送信し、その送信を受信した後、クレードル4が呼出LED451を点灯させる構成とすることもできる。
【0036】
オーダー用端末3からのステップS17の「呼出ボタンON情報」とテーブル番号の情報を受信した(
図7に示すS31のYes)サーバ1は、卓番表示機9に当該テーブル番号を表示させる(S34)。卓番表示機9にテーブル番号が表示されることにより、店内の店員に対して、該当するテーブルで何かしらの要請があったことを認識させることができる。
また、サーバ1は、各店員用端末2に対しても「呼出ボタンON情報」とテーブル番号の情報を送信する(S35)。
また、サーバ1は、該当するオーダー用端末3に対して「暫くお待ちください」のメッセージ情報を返信する(S36)。
【0037】
サーバ1からのステップS35の「呼出ボタンON情報」とそのテーブル番号を受信した(
図8に示すS41のYes)店員用端末2は、呼出報知処理を行う(S44)。この店員用端末2でのステップS44の呼出報知処理は、例えば、スピーカ(図示せず)による報知音、バイブレータ(図示せず)による振動、入力・表示部23による「呼出ボタンON情報」とそのテーブル番号に関する表示等である。
【0038】
このように店員用端末2での呼出報知処理が行われることにより、端末を所持している店員は、来客からの店員呼出の要請があったことを認識することができる。なお、この呼出報知処理が、例えば、スピーカーによる報知音や、バイブレータによる振動であれば、卓番表示機9に表示されているテーブル番号を確認することで、どのテーブルで呼出が行われたのかについても認識することができる。
【0039】
サーバ1からのステップS36の「暫くお待ちください」の返信を受信した(S15)オーダー用端末3は、返信処理を行う(S21)。このオーダー用端末3でのステップS21の返信処理は、例えば、入力・表示部33において
図4Aに示すように、メッセージ領域351に「暫くお待ちください」との表示を行うことである。
【0040】
このようにオーダー用端末3での返信処理21が行われることにより、オーダー用端末3を所持している操作者は、呼出の要請が店員に伝わっていることを認識することができる。
【0041】
この後、呼び出しの要請のあったテーブルに店員が到着し、来客への対応が行われることになる。そして、店員が該当するテーブルへ到着した際、この店員が所持する店員用端末2は、要請に対する接客(接客操作)が行われた否かの判定する(S53)。具体的には、店員用端末2の入力・表示部23に、到着したか否かの表示を行い、到着が押下されると、店員用端末2は、接客操作が行われたと判定する(S53のYes)。そして、店員用端末2は、サーバ1へ接客の送信を行う(S56)。
【0042】
店員用端末2からのステップS56の接客の情報を受信した(S33のYes)サーバ1は、店番表示機9での当該テーブル番号の表示を消去する(S40)。また、サーバ1は、当該テーブル番号のオーダー用端末3へ接客の情報を送信する(S41)。
【0043】
サーバ1からのステップS40の接客の情報を受信した(S16のYes)オーダー用端末3は、ペアリングしているクレードル4へ報知終了の指示を送信し(S22)する。この報知終了の指示を受信した(S3のYES)クレードル4は、報知終了処理を行う(S6)。このクレードル4での報知終了処理とは、例えば、
図4Bに示す呼出LED451の点灯を消灯する動作である。
【0044】
また、ステップS22でクレードル4への報知終了の指示を送信したオーダー用端末3は、報知終了処理を行う(S23)。このオーダー用端末3での報知終了処理とは、例えば、
図4Aの表示呼出ボタン331の色を元に戻したり、点滅を中止したり、「暫くお待ちください」のメッセージを消去する動作である。
【0045】
クレードル4の物理ボタンである呼出ボタン431が押下されると、上記のような処理が行われる。他方、クレードル4の呼出ボタン431の押下(S1)ではなく、オーダー用端末3の表示呼出ボタン331がタッチされてONすると(S11のYes)、オーダー用端末3は、ステップS17に進んで、以降、クレードル4の呼出ボタン431の押下と同じ動作を行うことになる。
【0046】
[要請動作:精算請求]
次に、精算請求の動作について説明する。本動作について、オーダー用端末3にある表示精算ボタン332ではなく、クレードル4に設けられている物理ボタンからなる精算ボタン432が押下されることになる。
【0047】
特に、オーダー用端末3の表示精算ボタン332に比べ、クレードル4の精算ボタン432は物理ボタンであることから、押した感触を感じることから操作が認識しやすい。とくに、タッチパネルに慣れていない人にとっても非常に操作しやすい。
そこで、テーブルでの飲食が終了し精算を要請する場合に、クレードル4に設けられている物理ボタンからなる精算ボタン432が押下されることになる。
【0048】
クレードル4は、来客である使用者によって精算ボタン432が押下されてONすると(
図5に示すS2のYes)、オーダー用端末3へこの「精算ボタンON情報」を送信する(S5)。また、この時精算ボタン432を押下した者に対して、この精算ボタン432が押下されて動作したことを確実に知らせるため、精算LED452を点灯させる。
【0049】
オーダー用端末3は、クレードル4からのこのON情報を受信すると(
図6に示すS14のYes)、サーバ1へこの「精算ボタンON情報」と共に当該テーブル番号の情報を付加して送信する(S19)。
【0050】
また、オーダー用端末3は、ステップS20にある精算報知処理の動作を行う。このオーダー用端末3での精算報知処理とは、例えば、
図4Aに示す表示精算ボタン332の色を変化させたり、点滅させたりする動作である。このようオーダー用端末3での精算報知処理が行われることにより、同テーブルで精算の要請を行ったことをオーター用端末3の操作者も認識することができる。
【0051】
オーダー用端末3からのステップS19の「精算ボタンON情報」とテーブル番号の情報を受信した(
図7に示すS32のYes)サーバ1は、卓番表示機9に当該テーブル番号を表示させる(S37)。卓番表示機9にテーブル番号が表示されることにより、店内の店員に対して、該当するテーブルからの要請があり、対応が必要であることを認識させることができる。
【0052】
また、サーバ1は、各店員用端末2に対しても「精算ボタンON情報」とテーブル番号の情報を送信する(S38)。また、サーバ1は、該当するオーダー用端末3に対して「暫くお待ちください」のメッセージ情報を返信する(S39)。
【0053】
サーバ1からのステップS38の「精算ボタンON情報」とそのテーブル番号を受信した(
図8に示すS52のYes)店員用端末2は、精算報知処理を行う(S55)。この店員用端末2でのステップS55の精算報知処理は、例えば、入力・表示部23による「精算ボタンON情報」とそのテーブル番号に関する表示である。
【0054】
このように店員用端末2での精算報知処理が行われることにより、端末を所持している店員は、来客からの精算要請があったことを認識することができる。なお、この店員用端末2での精算報知処理は、必ずしも必要ということではなく、店員に対して何かしらの要請があったことを認識させることができればよいので、例えば、卓番表示機9によるテーブル番号の表示としてもよい。
【0055】
サーバ1からのステップS39の「暫くお待ちください」の返信を受信した(S15)オーダー用端末3は、返信処理を行う(S21)。このオーダー用端末3でのステップS21の返信処理は、呼出動作の時と同じく、例えば、入力・表示部33において
図4Aに示すように、メッセージ領域351に「暫くお待ちください」との表示を行うことである。このようにオーダー用端末3での返信処理21が行われることにより、オーダー用端末3を所持している操作者は、精算の要請が店員に伝わっていることを認識することができる。
【0056】
この後、精算の要請のあったテーブルに店員が到着し、来客への対応が行われることになる。そして、店員が該当するテーブルへ到着した際、この店員が所持する店員用端末2は、要請に対する接客(接客操作)が行われた否かの判定する(S53)。具体的には、呼出動作と同様に、店員用端末2の入力・表示部23に、到着したか否かの表示を行い、到着が押下されると、店員用端末2は、接客操作が行われたと判定する(S53のYes)。そして、店員用端末2は、サーバ1へ接客の送信を行う(S56)。
【0057】
店員用端末2からのステップS56の接客の情報を受信した(S33のYes)サーバ1は、店番表示機9での当該テーブル番号の表示を消去する(S40)。また、サーバ1は、当該テーブル番号のオーダー用端末3へ接客の情報を送信する(S41)。
【0058】
サーバ1からのステップS41の接客の情報を受信した(S16のYes)オーダー用端末3は、ペアリングしているクレードル4へ報知終了の指示を送信し(S22)する。この報知終了の指示を受信した(S3のYES)クレードル4は、呼出動作の時と同様に報知終了処理を行う(S6)。
【0059】
また、ステップS22でクレードル4への報知終了の指示を送信したオーダー用端末3は、報知終了処理を行う(S23)。このオーダー用端末3での報知終了処理とは、呼出動作の時と同様に、
図4Aの表示精算ボタン332の色を元に戻したり、点滅を中止したり、「暫くお待ちください」のメッセージを消去する動作である。
【0060】
クレードル4の物理ボタンである精算ボタン432が押下されると、上記のような処理が行われる。他方、クレードル4の精算ボタン432の押下(S2)ではなく、オーダー用端末3の表示精算ボタン332がタッチされてONすると(S13のYes)、オーダー用端末3は、ステップS19に進んで、以降、クレードル4の精算ボタン432の押下と同じ動作を行うことになる。
【0061】
本実施形態では、テーブル上の定位置に置かれているクレードル4に物理ボタンからなる呼出ボタン431や精算ボタン432が設けられているので、これらの要請用ボタンに気付き易い。また、オーダー用端末での注文操作を行っているよう場合に、この注文操作を妨げることなく、他の客によって店員を早く呼び出すことができる。
【0062】
なお、飲食店においてセルフオーダーシステム100とは連動していない専用の店員呼び出しボタンが、各テーブルに独立して設置されていることも現実には多い。しかしながら、このような専用の呼出ボタンの設置は、設置のための電源確保や、運用費用が別途必要となり、費用も増大してしまう。しかしながら本実施形態のセルフオーダーシステム100であれば、システムを構成するクレードル4に要請用ボタンが設けられているため、設備投資の費用を抑制することができる。
【0063】
また、本実施形態の呼出ボタン431や精算ボタン432は、物理ボタンであることから、押下し易く、押下したことを実感できる。また、クレードル4に要請用ボタンが設けられているため、オーダー用端末3側での表示呼出ボタン331や表示精算ボタン332を常時表示しておく必要もないので、通常時にはメニュー表示のための表示領域を広く確保することもできる。
【0064】
本実施形態は、クレードル4に備わる要請用ボタンとして、呼出ボタン431と精算ボタン432を示した。しかしながら、セルフオーダーシステム100を活用する業態によっては、来客からの意思表示の内容も様々であり、その他の要請もあり得ることから、物理ボタンを増やしたり、物理ボタンを他の要請に適用したりすることもできる。例えば、カラオケ店におけるマイク交換の要請等が考えられる。そして、このような個別の要請毎に対応可能とすることで、要請のあった客からわざわざ要請内容を確認することなく接客でき(例えば、わざわざ確認することなく店員が交換マイクを持っていく)、効率的に業務を行うことができる。
【0065】
また、本実施形態においては説明していないが、クレードル4の呼出ボタン431とオーダー用端末3の表示呼出ボタンの利用履歴をオーター用端末3において記憶しておく構成を採用してもよい。このように呼出しの利用履歴を記憶しておくことで、呼出報知の処理が行われたか否かをオーター用端末3において後で確認することができる。このような構成は、クレードル4に呼出LED451がないような場合でも呼び出しが行われたか否かを確認することができる。
【符号の説明】
【0066】
100:セルフオーダーシステム
1:サーバ
2:店員用端末
3:オーダー用端末
331:表示呼出ボタン
332:表示精算ボタン
4:クレードル
431:呼出ボタン
432:精算ボタン
451:呼出LED
452:精算LED
9:卓番表示機