(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024148244
(43)【公開日】2024-10-18
(54)【発明の名称】美容機器及び電極制御方法
(51)【国際特許分類】
A61N 1/36 20060101AFI20241010BHJP
【FI】
A61N1/36
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023061203
(22)【出願日】2023-04-05
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100170575
【弁理士】
【氏名又は名称】森 太士
(74)【代理人】
【識別番号】100141449
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 隆芳
(74)【代理人】
【識別番号】100142446
【弁理士】
【氏名又は名称】細川 覚
(72)【発明者】
【氏名】干場 太一
(72)【発明者】
【氏名】北村 央
(72)【発明者】
【氏名】大野木 洋子
(72)【発明者】
【氏名】吉田 莉子
【テーマコード(参考)】
4C053
【Fターム(参考)】
4C053JJ02
4C053JJ03
4C053JJ04
4C053JJ05
4C053JJ24
4C053JJ40
(57)【要約】
【課題】人体の肌に対して、より適切な電気刺激を付与することが可能な美容機器を提供する。
【解決手段】美容機器は、第1電極と、第1電極に付与する第1電気刺激を制御する電極制御装置100と、を備える。電極制御装置100は、第1電気刺激の波形の種類を示すモード情報を取得するモード情報取得部111を有する。また、電極制御装置100は、第1電気刺激の電圧を示すレベル情報を取得するレベル情報取得部112を有する。また、電極制御装置100は、第1電気刺激の周波数の特性を示す周波数情報を設定する周波数設定部113を有する。また、電極制御装置100は、第1電極に付与する第1電気刺激の電圧レベルを設定する電圧設定部114を有する。さらに、電極制御装置100は、第1電気刺激のパルス形状がプラス側及びマイナス側の矩形波を交互に形成した両側矩形波となるように生成し、第1電極に付与する電極制御部115を有する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者の肌に接触させて第1電気刺激を付与するための第1電極と、
前記第1電極に付与する前記第1電気刺激を制御する電極制御装置と、を備え、
前記電極制御装置は、
前記第1電極から付与する前記第1電気刺激の波形の種類を示すモード情報を取得するモード情報取得部と、
前記第1電気刺激の電圧を示すレベル情報を取得するレベル情報取得部と、
前記モード情報に基づいて、前記第1電極に付与する前記第1電気刺激の周波数の特性を示す周波数情報を設定する周波数設定部と、
前記レベル情報に基づいて、前記第1電極に付与する前記第1電気刺激の電圧レベルを設定する電圧設定部と、
前記周波数情報及び前記電圧レベルに基づいて、前記第1電気刺激のパルス形状がプラス側及びマイナス側の矩形波を交互に形成した両側矩形波となるように生成し、前記第1電極に付与する電極制御部と、
を有する美容機器。
【請求項2】
前記電極制御部は、前記周波数情報に基づいて、前記両側矩形波のパルス幅を変化させる、請求項1に記載の美容機器。
【請求項3】
前記第1電極から出力される前記第1電気刺激の搬送波周波数は、1kHz~10kHzである、請求項2に記載の美容機器。
【請求項4】
前記両側矩形波の最大パルス幅は、前記搬送波周波数の波長の半分以下である、請求項3に記載の美容機器。
【請求項5】
前記電極制御部は、前記周波数情報に基づいて、前記第1電気刺激の実効値を正弦波状に繰り返し増加減少させる、請求項1に記載の美容機器。
【請求項6】
前記第1電気刺激の前記実効値の増加減少の周期は、1Hz~20Hzである、請求項5に記載の美容機器。
【請求項7】
前記第1電気刺激の電圧の最大値は、20V以下である、請求項1に記載の美容機器。
【請求項8】
前記使用者が把持する場所に位置する第2電極をさらに備え、
前記モード情報取得部は、前記第1電極及び前記第2電極の間で第2電気刺激を付与するための前記モード情報をさらに取得し、
前記レベル情報取得部は、前記第2電気刺激の前記レベル情報をさらに取得し、
前記周波数設定部は、前記モード情報に基づいて、前記第2電極に付与する前記第2電気刺激の周波数の特性を示す前記周波数情報をさらに設定し、
前記電圧設定部は、前記レベル情報に基づいて、前記第2電極に付与する前記第2電気刺激の前記電圧レベルをさらに設定し、
前記電極制御部は、前記第2電気刺激が付与される場合において、複数の前記第1電極は、電圧の極性が同じであり、複数の前記第1電極及び前記第2電極は、電圧の極性が異なるように、前記第2電気刺激を前記第1電極及び前記第2電極に付与する、請求項1~7のいずれか一項に記載の美容機器。
【請求項9】
前記第2電気刺激の周波数は、1kHz~10kHzである、請求項8に記載の美容機器。
【請求項10】
前記第1電気刺激と、前記第2電気刺激とは、異なる時間帯に交互に出力される、請求項8に記載の美容機器。
【請求項11】
前記第1電気刺激は、前記第2電気刺激よりも、印加時間が短い、請求項8に記載の美容機器。
【請求項12】
前記第1電極は、複数のピン体によって構成され、
複数の前記ピン体は、1480mm2以下の面積の領域内に配置される、請求項8に記載の美容機器。
【請求項13】
前記第1電極は、複数のピン体によって構成され、
前記第1電極の複数の前記ピン体は、プラス極で構成される複数の前記ピン体と、マイナス極で構成される複数の前記ピン体とを含み、
前記プラス極で構成される前記ピン体が配置される領域と、前記マイナス極で構成される前記ピン体が配置される領域とに挟まれる領域の面積が200mm2以上、400mm2以下である請求項8に記載の美容機器。
【請求項14】
コンピュータによって実行される電極制御方法であって、
使用者の肌に接触させて第1電気刺激を付与するための第1電極から付与する前記第1電気刺激の波形の種類を示すモード情報を取得し、
前記第1電気刺激の電圧のレベルを設定するレベルスイッチの押下情報に基づいて、前記第1電気刺激の電圧を示すレベル情報を取得し、
前記モード情報に基づいて、前記第1電極に付与する前記第1電気刺激の周波数の特性を示す周波数情報を設定し、
前記レベル情報に基づいて、前記第1電極に付与する前記第1電気刺激の電圧レベルを設定し、
前記周波数情報及び前記電圧レベルに基づいて、前記第1電気刺激のパルス形状がプラス側及びマイナス側の矩形波を交互に形成した両側矩形波となるように生成し、前記第1電極に付与する、電極制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、美容機器及び電極制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、使用者の肌面に電極を接触させた状態で電極に通電させることで、肌に対して美容効果を与える美容機器がある。特許文献1には、矩形波パルス群の繰り返しを出力端子から人体に付与する生体刺激装置が開示されている。特許文献1に開示された生体刺激装置は、矩形波パルス群を構成する個々のオンパルス幅を、PWM変調によって漸増又は漸減させ、この矩形波パルス群を人体に付与する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示された生体刺激装置においては、正又は負の連続したパルス群が人体に付与されるが、この正又は負の連続したパルス群は、想定されるよりも多くの刺激を人体の肌に対して付与することがある。そのため、人体の肌に対して、より適切な刺激を付与することが可能な装置が求められている。
【0005】
本開示は、このような従来技術の有する課題に鑑みてなされたものである。そして、本開示の目的は、人体の肌に対して、より適切な電気刺激を付与することが可能な美容機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の態様に係る美容機器は、使用者の肌に接触させて第1電気刺激を付与するための第1電極と、第1電極に付与する第1電気刺激を制御する電極制御装置と、を備え、電極制御装置は、第1電極から付与する第1電気刺激の波形の種類を示すモード情報を取得するモード情報取得部と、第1電気刺激の電圧を示すレベル情報を取得するレベル情報取得部と、モード情報に基づいて、第1電極に付与する第1電気刺激の周波数の特性を示す周波数情報を設定する周波数設定部と、レベル情報に基づいて、第1電極に付与する第1電気刺激の電圧レベルを設定する電圧設定部と、周波数情報及び電圧レベルに基づいて、第1電気刺激のパルス形状がプラス側及びマイナス側の矩形波を交互に形成した両側矩形波となるように生成し、第1電極に付与する電極制御部と、を有する。
【0007】
本開示の他の態様に係る電極制御方法は、コンピュータによって実行される電極制御方法であって、使用者の肌に接触させて第1電気刺激を付与するための第1電極から付与する第1電気刺激の波形の種類を示すモード情報を取得し、第1電気刺激の電圧のレベルを設定するレベルスイッチの押下情報に基づいて、第1電気刺激の電圧を示すレベル情報を取得し、モード情報に基づいて、第1電極に付与する第1電気刺激の周波数の特性を示す周波数情報を設定し、レベル情報に基づいて、第1電極に付与する第1電気刺激の電圧レベルを設定し、周波数情報及び電圧レベルに基づいて、第1電気刺激のパルス形状がプラス側及びマイナス側の矩形波を交互に形成した両側矩形波となるように生成し、第1電極に付与する。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、人体の肌に対して、より適切な電気刺激を付与することが可能な美容機器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1A】本実施形態に係る美容機器の外観を示す斜視図である。
【
図1B】本実施形態に係る美容機器の外観を示す背面図である。
【
図1C】本実施形態に係る美容機器の電極について説明するための図である。
【
図2】本実施形態に係る美容機器の構成を示すブロック図である。
【
図3】本実施形態に係る美容機器の機能的構成を示すブロック図である。
【
図4A】本実施形態に係る美容機器の電圧のレベルについて説明するための図である。
【
図4B】本実施形態に係る美容機器で適用されるモードについて説明するための図である。
【
図5A】本実施形態に係る美容機器の第1モードにおいて付与されるパルスの一例について説明するための図である。
【
図5B】本実施形態に係る美容機器の第1モードにおいて付与されるパルスの基本波形について説明するための図である。
【
図6A】本実施形態に係る美容機器の第2モードにおいて付与される波形について説明するための図である。
【
図6B】本実施形態に係る美容機器の第2モードにおいて付与される基本波形について説明するための図である。
【
図6C】本実施形態に係る美容機器の第2モードにおいて付与される基本波形について説明するための図である。
【
図7A】本実施形態に係る美容機器の第2モードにおいて付与される波形の詳細について説明するための図である。
【
図7B】本実施形態に係る美容機器の第2モードにおいて付与される波形の詳細について説明するための図である。
【
図8】本実施形態に係る美容機器の処理の一例を示すフローチャートである。
【
図9A】他の実施形態に係る美容機器に用いられる着脱アタッチメントについて説明するための図である。
【
図9B】他の実施形態に係る美容機器に着脱アタッチメントを適用した状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら実施形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明、又は、実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。なお、添付図面及び以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるのであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図していない。
【0011】
図1Aは、本実施形態に係る美容機器10の外観を示す斜視図である。また、
図1Bは、本実施形態に係る美容機器10の外観を示す背面図である。さらに、
図1Cは、本実施形態に係る美容機器10の電極配置について説明するための図である。
【0012】
図1Aに示すように、本実施形態において美容機器10は、使用者の肌に接触させて第1電気刺激を付与するための電極であって、少なくとも2つ以上の第1電極11を備える。第1電極11は、複数のピン体によって構成される。また、美容機器10は、電源スイッチ12及びレベルスイッチ13を備える。
【0013】
なお、本明細書において、
図1Aに示す美容機器10の第1電極11、電源スイッチ12及びレベルスイッチ13を備える側の短手方向をX軸方向として定める。また、
図1Aに示す美容機器10の第1電極11、電源スイッチ12及びレベルスイッチ13を備える側の長手方向をZ軸方向として定める。また、
図1Aに示す美容機器10の第1電極11、電源スイッチ12及びレベルスイッチ13を備える側から奥行方向(美容機器10の厚さ方向)をY軸方向として定める。
【0014】
第1電極11は、
図1Aに示すように、ブラシ状に形成され、Y軸方向に延伸する。本実施形態においては、使用者が当該第1電極11を肌に当て、第1電気刺激又は第2電気刺激を付与することで、引き締まった肌を得る効果や、美容成分による美容効果を得ることが可能となる。
【0015】
電源スイッチ12は、使用者(ユーザ)によって、押下されるスイッチであって、美容機器10の電源のオンオフを切り替えるスイッチである。また、本実施形態において、電源スイッチ12は、美容機器10において適用される使用モードの切り替える機能を備える。使用モードの詳細については後述する。なお、美容機器10は、美容機器10が使用されてから所定の時間経過後に自動で電源がオフになる機能を備えてもよい。美容機器10は、例えば、所定の時間として使用開始から6分経過後に自動で電源がオフになることで、使用モードの過剰使用を防ぐことが可能となる。
【0016】
レベルスイッチ13は、使用者(ユーザ)によって、押下されるスイッチであって、電気刺激の電圧のレベル(通電レベル)を設定するためのスイッチである。レベルの詳細については後述する。
【0017】
また、
図1Bに示すように、美容機器10は、本体の背面に第2電極14を備える。第2電極14は、美容機器10において、使用者が把持する場所に位置する。本実施形態においては、使用者が美容機器10を把持し、当該第1電極11を肌に当てることで、第1電極11と第2電極14との間に第2電気刺激の電流を通電させることが可能となる。
【0018】
また、第1電極11は、第1電気刺激を出力する場合には、左右方向(
図1AにおけるX軸方向)に異極構成となる。すなわち、第1電極11の複数のピン体は、プラス極で構成される複数のピン体と、マイナス極で構成される複数のピン体とを含む。
図1Cに示す例においては、図中向かって左側をプラス極(+極)とし、図中向かって右側をマイナス極(-極)とした場合の例を示している。また本実施形態においては、
図1Cに示すように、各極それぞれ16本のピン体が設けられる。
【0019】
本実施形態において、第1電極11の最外形を結んだ形状で示される領域であって、第1電極11が配置される領域の面積は、例えば、1480mm
2以下であってもよい。
図1Cに示す例においては、第1電極11が配置される領域A1を縦Lが46mm、横W1が32mmであり、46mm×32mm=1472mm
2である場合の例を示している。一般的に、電極と皮膚と間の接触面積に対して、電極が存在する領域が大きくなるほど、単位面積当たりの電極面積が小さくなり、安定した電流が印加されず、刺激感が乏しくなる。本実施形態に係る美容機器10は、第1電極11が配置される領域A1の面積を、1480mm
2以下とすることで、安定した電流を印加し、より適切な刺激感を与えることが可能となる。
【0020】
また、第1電極11の異極間で挟まれた領域A2の面積は、例えば、200mm
2以上、400mm
2以下であってもよい。
図1Cに示す例においては、第1電極11の異極間で挟まれた領域A2の面積が、縦Lが46mm、横幅W2が6mmであり、46mm×6mm=252mm
2である場合の例を示している。一般的に、異極間で挟まれた面積が大きいほど、電気刺激により施術される筋肉量がふえ、広範囲への刺激が可能になるが、逆に大きすぎると、安全性のため電圧や電流に上限がある機器では電流が分散され逆に使用感が乏しくなる。本実施形態に係る美容機器10は、異極間の領域A2の面積を、200mm
2以上、400mm
2以下とすることで、より適切な使用感を与えることが可能となる。
【0021】
(美容機器10の構成)
次に、
図2を参照して、本実施形態に係る美容機器10の構成について説明する。
図2は、本実施形態に係る美容機器10の各構成を模式的に示したブロック図である。
【0022】
図2に示すように、美容機器10は、電極制御装置100と、第1電極11と、電源スイッチ12と、レベルスイッチ13と、第2電極14と、を含んで構成される。
【0023】
電極制御装置100は、制御部110(CPU)と、記憶部120(メモリ)と、入出力IF130(Interface)と、を含む汎用のマイクロコンピュータを備えるシステムとして構成してもよい。この場合、マイクロコンピュータには、電極制御装置100として機能させるためのコンピュータプログラムがインストールされていてもよい。コンピュータプログラムを実行することにより、マイクロコンピュータは、電極制御装置100が備える複数の情報処理回路として機能する。
【0024】
なお、本実施形態においては、ソフトウェアによって電極制御装置100が備える複数の情報処理機能を実現する例を示す。電極制御装置100は、コンピュータプログラムを実行することにより、電極制御装置100が備える複数の情報処理回路として機能する。
【0025】
また、別の構成としては、電極制御装置100は、各情報処理機能を実行するための専用のハードウェアを用意して、システムLSI(Large Scale Integration)等により当該情報処理機能を構成することも可能である。また、複数の情報処理機能を個別のハードウェアによりシステムを構成してもよい。制御部110及び記憶部120の詳細については後述する。
【0026】
制御部110は、記憶部120に格納されたプログラム(図示なし)に基づいて動作し、電極制御装置100が備える各機能を実行する。なお、プログラムは、記憶部120に格納される形態に限定されず、例えば、美容機器10内の、ROM等(図示なし)に記憶された構成としてもよい。制御部110は、
図3に示すような、モード情報取得部111、レベル情報取得部112、周波数設定部113、電圧設定部114、及び電極制御部115を機能として備える。
【0027】
記憶部120は、
図3に示すように、設定情報DB121(Data Base)、に格納される情報をデータとして記憶部120に記憶する。
図4A及び
図4Bは、設定情報DB121に格納された設定情報の一例を示す図である。これら設定情報の詳細については、後述する。
【0028】
また、記憶部120は、上述の通り、制御部110において実行される各機能に対するプログラムを記憶してもよい。なお、記憶部120に格納される情報やプログラムは、一つのストレージデバイスの中に物理的又は論理的に分けて設けられた領域として構成されていてもよい。あるいは、物理的に異なる複数のストレージデバイスに各データの記憶部120を設ける構成としてもよい。
【0029】
入出力IF130は、電極制御装置100と、美容機器10に設けられた、第1電極11、電源スイッチ12、レベルスイッチ13、及び第2電極14と、の間においてやりとりさせる情報を送受信するためのインタフェースである。
【0030】
例えば、使用者が押下した電源スイッチ12やレベルスイッチ13に関する情報が入出力IF130を介して、制御部110及び/又は記憶部120に送られる。また、制御部110からの第1電極11及び第2電極14への制御情報が入出力IF130を介して、第1電極11及び第2電極14へ送られる。
【0031】
(電極制御装置100の機能)
図3は、電極制御装置100の機能的構成を示すブロック図である。
図3に示すように、電極制御装置100の制御部110は、上述の通り、モード情報取得部111と、レベル情報取得部112と、周波数設定部113と、電圧設定部114と、電極制御部115と、を機能として備える。また、電極制御装置100の記憶部120は、設定情報DB121を、設定情報を格納するデータベースとして備える。
【0032】
モード情報取得部111は、第1電極11及び/又は第2電極14から付与する第1電気刺激及び/又は第2電気刺激の波形の種類を示すモード情報を取得する。本実施形態において、美容機器10は、第1モード及び第2モードを有する。第1モードは、スカルプモードであり、使用者の頭皮に対して電気刺激を付与するモードに相当する。また、第2モードは、フェイスモードであり、使用者の顔に対して電気刺激を付与するモードに相当する。
【0033】
本実施形態において、モード情報は、使用者が押下した電源スイッチ12からの情報によって取得される。例えば、使用者が電源スイッチ12を押下することで、美容機器10は第1モードで起動し、さらに使用者が電源スイッチ12を押下することで、美容機器10は、第2モードに切り替わるものとする。なお、美容機器10の処理の停止は、使用者が電源スイッチ12を長押しすることで行われてもよい。あるいは、第2モードの状態で、使用者が電源スイッチ12を押下することで停止する構成としてもよい。
【0034】
図4Aは、本実施形態における各モードと、付与する電気刺激について説明するための図である。なお、本実施形態において、第1電気刺激は、複数の第1電極11の電極間において付与される電気刺激であり、EMSパルス(Electrical Muscle Stimulation)に相当し、筋肉運動効果を奏する。また、本実施形態において、第2電気刺激は、第1電極11と、第2電極14との電極間において付与される電気刺激であり、IPパルス(イオン導入:Iontophoresis)に相当し、美容成分の浸透効果を奏する。
【0035】
第1モードは、第1電気刺激が全体の33.3%の時間的割合で付与される。また、第2モードは、第1電気刺激が全体の5.2%の時間的割合で付与され、第2電気刺激が全体の67.8%の時間的割合で付与される。これらの各モードにおける電気刺激の詳細については、後述する。
【0036】
レベル情報取得部112は、レベルスイッチ13の押下情報に基づいて、第1電気刺激及び/又は第2電気刺激の電圧を示すレベル情報を取得する。
図4Bは、本実施形態におけるレベル情報である。
図4Bに示すように、使用者が美容機器10のレベルスイッチ13を押下することで、各レベルに対応した電圧値が設定される。なお、レベル情報は電圧レベル情報に相当する。
【0037】
周波数設定部113は、モード情報に基づいて、第1電極11及び/又は第2電極14に付与する第1電気刺激及び/又は第2電気刺激の周波数の特性を示す周波数情報を設定する。具体的には、周波数設定部113は、取得したモード情報に基づいて、設定情報DB121に格納された設定情報を参照し、第1電気刺激及び/又は第2電気刺激の周波数の特性を示す周波数情報を設定する。
【0038】
電圧設定部114は、レベル情報に基づいて、第1電極11及び/第2電極14に付与する第1電気刺激及び/又は第2電気刺激の電圧レベルを設定する。具体的には、電圧設定部114は、レベル情報に基づいて、設定情報DB121に格納された設定情報を参照し、第1電気刺激及び/又は第2電気刺激の電圧レベルを設定する。
【0039】
電極制御部115は、周波数情報及び電圧レベルに基づいて、第1電極11及び第2電極14に第1電気刺激及び/第2電気刺激を付与する。具体的には、電極制御部115は、第1電気刺激を付与する場合には、第1電気刺激のパルス形状がプラス側及びマイナス側の矩形波を交互に形成した両側矩形波となるように生成し、第1電極11に付与する。また、電極制御部115は、第2電気刺激を付与する場合には、第2電気刺激のパルス形状が、プラス側の片側矩形波となるように生成し、第1電極11及び第2電極14に付与する。これら第1電気刺激及び第2電気刺激の波形の例について、
図5A~
図5B、
図6A~
図6C、及び
図7A~
図7Bを参照して説明する。
【0040】
(第1モード:スカルプモード)
図5Aは、第1モード(スカルプモード)で付与される第1電気刺激の波形を示す図である。また、
図5Bは、第1モードで付与される第1電気刺激の基本波形について説明するための図である。なお、
図5Aに示す波形は、
図5Bに示す基本波形のパルス幅の変化について模式的に示す図である。
図5Bに示す基本波形は、パルス幅が最大の場合の波形を示し、当該基本波形は、
図5Aの中央部付近の基本波形に相当する。電極制御部115は、周波数情報に基づいて、このパルスの形状を生成する。また、電極制御部115は、電圧レベルに基づいて、このパルスの電圧値を定める。
【0041】
また、第1モードでは、美容機器10は、パルス幅の増加減少を繰り返すことで、第1電気刺激を生成する。すなわち、
図5Aに示す例においては、波形の左から時間が経過するのに従って、パルス幅が増加し、500msを超えた後は、時間が経過するのに従って、パルス幅が減少する例を示している。このように、本実施形態における第1モードでは、経時的に電気刺激のパルス幅が増加減少を繰り返すことで、増減の度合いに応じて、使用者の肌に緩急のついた使用感を与えることが可能となる。
【0042】
また、
図5Bに示すように、第1電気刺激の電圧は、パルス形状がプラス側及びマイナス側の矩形波を交互に形成した両側矩形波で構成される。また、電極制御部115は、周波数情報に基づいて、両側矩形波のパルス幅を変化させる。このように、本実施形態において、電極制御部115は第1電気刺激の電圧を、正負の両側に対する両側矩形波で構成することにより、使用者の皮膚の分極現象を防ぐとともに、使用者に対して、心地よい刺激感を与えることが可能となる。
【0043】
また、本実施形態において、第1電極11から出力される第1電気刺激の搬送波周波数は、1kHz~10kHzであってもよい。一般に、人体の肌は抵抗成分とコンデンサ成分を有した並列回路で等価されることが知られている。このように、本実施形態に係る美容機器10は、搬送波周波数を1kHz~10kHzの中周波とすることで、肌の抵抗を下げ、効果的な通電が可能となる。
【0044】
また、本実施形態において、両側矩形波の最大パルス幅が搬送波周波数の波長の半分以下(50%以下)であってもよい。これにより、本実施形態において、美容機器10は、両側矩形波の最大パルス幅を搬送波周波数の波長の半分以下とすることで、使用者の皮膚の分極現象を防ぐとともに、使用者に対して、心地よい刺激感を与えることが可能となる。
【0045】
また、電極制御部115は、周波数情報に基づいて、第1電気刺激の実効値を正弦波状に繰り返し増加減少させてもよい。これにより、本実施形態に係る美容機器10は、第1電気刺激の実効値を正弦波状に繰り返し増加減少させることで、使用者に対して、揺らぎを持った刺激を与えることが可能となる。
【0046】
さらに、第1電気刺激の実効値の増加減少の周期は、1Hz~20Hzであってもよい。これにより、本実施形態に係る美容機器10は、第1電気刺激の実効値の増加減少の周期は、1Hz~20Hzとすることで、使用者に対して、増加減少の度合いに応じた刺激を与え、より心地よい刺激を与えることが可能となる。
【0047】
また、本実施形態において、第1電気刺激の電圧の最大値は、20V以下である。これにより、本実施形態に係る美容機器10は、使用者に対して、高電圧を与えることなく、より心地よい刺激感を与えることが可能となる。
【0048】
(第2モード:フェイスモード)
図6Aは、第2モード(フェイスモード)で付与される第1電気刺激及び第2電気刺激の波形の構成を示す図である。また、
図6Bは、第2モードにおける波形A及び波形Bを構成する基本波形のうち、第1電気刺激の波形の例を示す図である。また、
図6Cは、第2モードにおける波形A及び波形Bを構成する基本波形のうち、第2電気刺激の波形の例を示す図である。
【0049】
また、
図7Aは、
図6Aで示す第2モードの波形Aの構成を示す図である。さらに、
図7Bは、
図6Aで示す第2モードの波形Bの構成を示す図である。
【0050】
図6A~
図6C、及び
図7A~
図7Bに示すように、第2モードは、所定の回数の波形Aと、所定の回数の波形Bによる電気刺激が繰り返し実施される。本実施形態において、所定の回数は、
図6Aに示すように、5回である。なお、所定の回数は、本実施形態の構成を限定するものではなく、5回より少ない、又は多い回数であってもよい。
【0051】
第2モードのIPパルスによる第2電気刺激においては、複数の第1電極11は、電圧の極性が同じであり、また、複数の第1電極11及び第2電極14は、電圧の極性が異なる。これにより、美容機器10は、第1電極11及び第2電極14の極性を設定することで、使用者は、設定を切り替えることなく、EMSパルスによる筋肉運動効果と、IPパルスによる美容成分の浸透効果を同時に得ることが可能となる。
【0052】
また、第2モードにおいては、第2電気刺激のIPパルスの周波数は、1kHz~10kHzであってもよい。これにより、美容機器10は、第2電気刺激のIPパルスの周波数を、1kHz~10kHzとすることで、より美容成分を角質層の奥深くに浸透させることで、効果的に美容成分の浸透効果を得ることが可能となる。
【0053】
さらに、第2モードにおいては、第1電気刺激のEMSパルスと、第2電気刺激のIPパルスとは、異なる時間帯に交互に出力される。さらに、第2モードにおいては、第1電気刺激は、第2電気刺激よりも、印加時間が短い。これにより、美容機器10は、使用者の表情筋を電気信号で振動させることで、引き締まった肌を得る作用を得つつ、使用者に対して、美容成分を奥深く角質層に浸透させることで、美容成分による美容効果を高めることが可能となる。
【0054】
(電極制御装置100の処理フローの概略)
次に、電極制御装置100における状態判定に係る処理(電極制御方法)について、
図8のフローチャートに基づいて説明する。
図8のフローチャートに示す電極制御装置100の一連の動作は、電極制御装置100が起動されると開始され、電源オフにより処理を終了する。また、
図8に示すフローチャートは、電源オフの他に処理終了の割り込みによっても処理は終了する。また、以下のフローチャートの説明において、上述の電極制御装置100の説明で記載した内容と同じ内容については、省略又は簡略化して説明する。
【0055】
ステップS801において、モード情報取得部111は、第1電極11及び/又は第2電極14から付与する第1電気刺激及び/又は第2電気刺激の波形の種類を示すモード情報を取得する。本実施形態において、美容機器10は、第1モード及び第2モードを有する。第1モードは、スカルプモードであり、使用者の頭皮に対して電気刺激を付与するモードに相当する。また、第2モードは、フェイスモードであり、使用者の顔に対して電気刺激を付与するモードに相当する。なお、本実施形態において、モード情報は、使用者が押下した電源スイッチ12からの情報によって取得される。その後、処理はステップS802に進む。
【0056】
ステップS802において、レベル情報取得部112は、レベルスイッチ13の押下情報に基づいて、第1電気刺激及び/又は第2電気刺激の電圧を示すレベル情報を取得する。その後、処理はステップS803に進む。
【0057】
ステップS803において、周波数設定部113は、モード情報に基づいて、第1電極11及び/又は第2電極14に付与する第1電気刺激及び/又は第2電気刺激の周波数の特性を示す周波数情報を設定する。その後、処理はステップS804に進む。
【0058】
ステップS804において、電圧設定部114は、レベル情報に基づいて、第1電極11及び/第2電極14に付与する第1電気刺激及び/又は第2電気刺激の電圧レベルを設定する。その後、処理はステップS805に進む。
【0059】
ステップS805において、電極制御部115は、周波数情報及び電圧レベルに基づいて、第1電極11及び第2電極14に第1電気刺激及び/第2電気刺激を付与する。具体的には、電極制御部115は、
図5A及び
図5Bに示すような、第1モードの第1電気刺激(EMSパルス)、又は
図6A~
図6C、及び
図7A~
図7Bに示すような、第2モードの第1電気刺激(EMSパルス)及び第2電気刺激(IPパルス)を付与する。その後、処理は、ステップS806に進む。
【0060】
ステップS806において、制御部110は、電極制御が終了したか否かを判定する。本実施形態において、電極制御が終了したか否かの判定は、電源スイッチ12の押下情報に基づいて実施される。また、電極制御の終了は、上述の通り、美容機器10が使用されてから所定の時間経過後に自動で電源がオフになることにより実施されてもよい。ステップS806において、制御部110は、電極制御が終了したと判定した場合(ステップS806:YES)には、処理は終了する。一方で、ステップS806において、制御部110は、電極制御が終了していないと判定した場合(ステップS806:NO)には、処理はステップS805に戻り、ステップS805からの処理が繰り返し実施される。すなわち、制御部110は、電極制御が終了するまで、ステップS805の電極制御処理が繰り返し実施される。
【0061】
上述の通り、美容機器10は、使用者の肌に接触させて第1電気刺激を付与するための第1電極11と、第1電極11に付与する第1電気刺激を制御する電極制御装置100と、を備える。電極制御装置100は、第1電極11から付与する第1電気刺激の波形の種類を示すモード情報を取得するモード情報取得部111を有する。また、電極制御装置100は、第1電気刺激の電圧を示すレベル情報を取得するレベル情報取得部112を有する。また、電極制御装置100は、モード情報に基づいて、第1電極11に付与する第1電気刺激の周波数の特性を示す周波数情報を設定する周波数設定部113を有する。また、電極制御装置100は、レベル情報に基づいて、第1電極11に付与する第1電気刺激の電圧レベルを設定する電圧設定部114を有する。さらに、電極制御装置100は、周波数情報及び電圧レベルに基づいて、第1電気刺激のパルス形状がプラス側及びマイナス側の矩形波を交互に形成した両側矩形波となるように生成し、第1電極11に付与する電極制御部115を有する。
【0062】
このように、本実施形態における美容機器10の電極制御部115は第1電気刺激の電圧を、正負の両側に対する両側矩形波で構成することにより、使用者の皮膚の分極現象を防ぐことが可能となる。
【0063】
また、電極制御部115は、周波数情報に基づいて、両側矩形波のパルス幅を変化させてもよい。このように、本実施形態において、経時的に電気刺激のパルス幅が増加減少を繰り返すことで、増減の度合いに応じて、使用者の肌に緩急のついた使用感を与えることが可能となる。また、電極制御部115は両側矩形波のパルス幅を変更することにより、使用者に対して、心地よい刺激感を与えることが可能となる。
【0064】
また、美容機器10の第1電極11から出力される第1電気刺激の搬送波周波数は、1kHz~10kHzであってもよい。このように、美容機器10は、搬送波周波数を1kHz~10kHzの中周波とすることで、肌の抵抗を下げ、効果的な通電が可能となる。
【0065】
また、美容機器10の両側矩形波の最大パルス幅は、搬送波周波数の波長の半分以下であってもよい。このように、美容機器10は、両側矩形波の最大パルス幅を搬送波周波数の波長の半分以下とすることで、使用者の皮膚の分極現象を防ぐとともに、使用者に対して、心地よい刺激感を与えることが可能となる。
【0066】
また、電極制御部115は、周波数情報に基づいて、第1電気刺激の実効値を正弦波状に繰り返し増加減少させてもよい。このように、美容機器10は、第1電気刺激の実効値を正弦波状に繰り返し増加減少させることで、使用者に対して、1Hzの間隔で、揺らぎを持った刺激を与えることが可能となる。
【0067】
また、美容機器10の第1電気刺激の実効値の増加減少の周期は、1Hz~20Hzであってもよい。このように、美容機器10は、第1電気刺激の実効値の増加減少の周期を1Hz~20Hzとすることで、使用者に対して、使用部位に応じた刺激を与えることができる。
【0068】
また、美容機器10の第1電気刺激の電圧の最大値は、20V以下であってもよい。これにより、美容機器10は、使用者に対して、高電圧を与えることなく、より心地よい刺激感を与えることが可能となる。
【0069】
また、美容機器10は、使用者が把持する場所に位置する第2電極14をさらに備えてもよい。また、モード情報取得部111は、第1電極11及び第2電極14の間で第2電気刺激を付与するためのモード情報をさらに取得してもよい。また、レベル情報取得部112は、第2電気刺激のレベル情報をさらに取得してもよい。また、周波数設定部113は、モード情報及びレベル情報に基づいて、第2電極14に付与する第2電気刺激の周波数情報をさらに設定してもよい。また、電圧設定部114は、モード情報及びレベル情報に基づいて、第2電極14に付与する第2電気刺激の電圧レベルをさらに設定してもよい。また、電極制御部115は、周波数情報及び電圧レベルに基づいて、第1電極11及び/又は第2電極14に第1電気刺激又は第2電気刺激を付与してもよい。さらに、第2電気刺激が付与される場合において、複数の第1電極11は、電圧の極性が同じであり、複数の第1電極11及び第2電極14は、電圧の極性が異なってもよい。このように、美容機器10は、第1電極11及び第2電極14の極性を設定することで、使用者は、設定を切り替えることなく、EMSパルスによる筋肉運動効果と、IPパルスによる美容成分の浸透効果を同時に得ることが可能となる。
【0070】
また、第2電気刺激の周波数は、1kHz~10kHzであってもよい。このように、美容機器10は、第2電気刺激のIPパルスの周波数を、1kHz~10kHzとすることで、より美容成分を角質層の奥深くに浸透させることで、効果的に美容成分の浸透効果を得ることが可能となる。
【0071】
また、第1電気刺激と、第2電気刺激とは、異なる時間帯に交互に出力されてもよい。このように、美容機器10は、使用者の表情筋を電気信号で振動させることで、引き締まった肌を得る作用を得つつ、使用者に対して、美容成分を奥深く角質層に浸透させることで、美容成分による美容効果を高めることが可能となる。
【0072】
また、第1電気刺激は、第2電気刺激よりも、印加時間が短くてもよい。このように、美容機器10は、使用者の表情筋を電気信号で振動させることで、引き締まった肌を得る作用を得つつ、使用者に対して、美容成分を奥深く角質層に浸透させることで、美容成分による美容効果を高めることが可能となる。
【0073】
(他の実施形態)
以上、本実施形態を説明したが、実施形態はこれらに限定されるものではなく、実施形態の要旨の範囲内で種々の変形が可能である。また、さまざまな実施形態の一部又は全部を組み合わせて新たな実施形態とすることも可能である。
【0074】
上述の実施形態においては、第1電極11が複数のブラシ形状である構成を示した。実施形態の構成はこの構成に限定されるものではない。
図9Aは、第1電極11に被せる着脱アタッチメント15の構成を示す図である。着脱アタッチメント15は、第1フラット電極16aと、第2フラット電極16bとを備える。
【0075】
また、
図9Bは、
図1Aに示す美容機器10に、
図9Aの着脱アタッチメント15を取り付けた場合の構成を示す図である。このように、第1フラット電極16a及び第2フラット電極16bを備える着脱アタッチメント15を適用することで、使用者が美容機器10を肌に当てた際に、美容機器10を動かしやすくなり、また、フラット電極を肌面に安定的に接触させることが可能となる。
【0076】
また、美容機器10は、外部とデータを送受信するデータ送受信部を備えてもよい。電極制御部115は、データ送受信部により送受信したデータにより、両側矩形波のパルス幅の経時的な変化タイミングを制御してもよい。また、美容機器10は、人体の状況を検知する人体検知部を備えてもよい。この人体検知部により検知した人体状況データにより、両側矩形波のパルス幅の経時的な変化タイミングを制御することが可能となる。さらに、この経時的な変化する両側矩形波のパルス幅は、広狭を繰り返すことを特徴としてもよい。これにより、美容機器10は、使用者に対して、心地よい刺激感を与えることが可能となる。
【0077】
また、上述した電極制御装置100における処理(電極制御方法)をコンピュータに実行させるコンピュータプログラム(電極制御プログラム)、及びそのプログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体は、本実施形態の範囲に含まれる。ここで、コンピュータで読み取り可能な記録媒体の種類は任意である。また、上述のコンピュータプログラムは、上述の記録媒体に記録されたものに限られず、電気通信回線、無線又は有線通信回線、インターネットを代表とするネットワーク等を経由して伝送されるものであってもよい。
【0078】
(付記)
以上の実施形態の記載により、下記の技術が開示される。
【0079】
(技術1)使用者の肌に接触させて第1電気刺激を付与するための第1電極と、
前記第1電極に付与する前記第1電気刺激を制御する電極制御装置と、を備え、
前記電極制御装置は、
前記第1電極から付与する前記第1電気刺激の波形の種類を示すモード情報を取得するモード情報取得部と、
前記第1電気刺激の電圧を示すレベル情報を取得するレベル情報取得部と、
前記モード情報に基づいて、前記第1電極に付与する前記第1電気刺激の周波数の特性を示す周波数情報を設定する周波数設定部と、
前記レベル情報に基づいて、前記第1電極に付与する前記第1電気刺激の電圧レベルを設定する電圧設定部と、
前記周波数情報及び前記電圧レベルに基づいて、前記第1電気刺激のパルス形状がプラス側及びマイナス側の矩形波を交互に形成した両側矩形波となるように生成し、前記第1電極に付与する電極制御部と、
を有する美容機器。
【0080】
この構成により、本実施形態における美容機器10の電極制御部115は第1電気刺激の電圧を、正負の両側に対する両側矩形波で構成する。そのため、美容機器10は、使用者の皮膚の分極現象を防ぐことが可能となる。
【0081】
(技術2)前記電極制御部は、前記周波数情報に基づいて、前記両側矩形波のパルス幅を変化させる、技術1に記載の美容機器。
【0082】
この構成により、美容機器10の電極制御部115は、経時的に電気刺激のパルス幅が増加減少を繰り返す第1電気刺激を付与する。そのため、美容機器10は、パルス幅の増減の度合いに応じて、使用者の肌に緩急のついた使用感を与えることが可能となる。また、電極制御部115は両側矩形波のパルス幅を変更することにより、使用者に対して、心地よい刺激感を与えることが可能となる。
【0083】
(技術3)前記第1電極から出力される前記第1電気刺激の搬送波周波数は、1kHz~10kHzである、技術1又は2に記載の美容機器。
【0084】
この構成により、美容機器10は、搬送波周波数を1kHz~10kHzの中周波とする。そのため、美容機器10は、肌の抵抗を下げ、効果的な通電が可能となる。
【0085】
(技術4)前記両側矩形波の最大パルス幅は、前記搬送波周波数の波長の半分以下である、技術3に記載の美容機器。
【0086】
この構成により、美容機器10は、両側矩形波の最大パルス幅を搬送波周波数の波長の半分以下とする。そのため、美容機器10は、使用者の皮膚の分極現象を防ぐとともに、使用者に対して、心地よい刺激感を与えることが可能となる。
【0087】
(技術5)電極制御部は、前記周波数情報に基づいて、前記第1電気刺激の実効値を正弦波状に繰り返し増加減少させる、技術1~4のいずれか一つに記載の美容機器。
【0088】
この構成により、美容機器10は、第1電気刺激の実効値を正弦波状に繰り返し増加減少させる。そのため、美容機器10は、使用者に対して、1Hzの間隔で、揺らぎを持った刺激を与えることが可能となる。
【0089】
(技術6)第1電気刺激の前記実効値の増加減少の周期は、1Hz~20Hzである、技術5に記載の美容機器。
【0090】
この構成により、美容機器10は、第1電気刺激の実効値の増加減少の周期を1Hz~20Hzとする。そのため、美容機器10は、使用者に対して、使用部位に応じた刺激を与えることができる。
【0091】
(技術7)前記第1電気刺激の電圧の最大値は、20V以下である、技術1~6のいずれか一つに記載の美容機器。
【0092】
この構成により、美容機器10は、使用者に対して、高電圧を与えることなく、より心地よい刺激感を与えることが可能となる。
【0093】
(技術8)前記使用者が把持する場所に位置する第2電極をさらに備え、
前記モード情報取得部は、前記第1電極及び前記第2電極の間で第2電気刺激を付与するための前記モード情報をさらに取得し、
前記レベル情報取得部は、前記第2電気刺激の前記レベル情報をさらに取得し、
前記周波数設定部は、前記モード情報に基づいて、前記第2電極に付与する前記第2電気刺激の周波数の特性を示す前記周波数情報をさらに設定し、
前記電圧設定部は、前記レベル情報に基づいて、前記第2電極に付与する前記第2電気刺激の前記電圧レベルをさらに設定し、
前記電極制御部は、前記第2電気刺激が付与される場合において、複数の前記第1電極は、電圧の極性が同じであり、複数の前記第1電極及び前記第2電極は、電圧の極性が異なるように、前記第2電気刺激を前記第1電極及び前記第2電極に付与する、
技術1~7のいずれか一つに記載の美容機器。
【0094】
この構成により、美容機器10は、第1電極11及び第2電極14の極性を設定する。そのため、美容機器10の使用者は、設定を切り替えることなく、EMSパルスによる筋肉運動効果と、IPパルスによる美容成分の浸透効果を同時に得ることが可能となる。
【0095】
(技術9)第2電気刺激の周波数は、1kHz~10kHzである、技術8に記載の美容機器。
【0096】
この構成により、美容機器10は、第2電気刺激のIPパルスの周波数を、1kHz~10kHzとする。そのため、美容機器10は、使用者に緩急のついた使用感を与えつつ、より美容成分を角質層の奥深くに浸透させることで、効果的に美容成分の浸透効果を得ることが可能となる。
【0097】
(技術10)前記第1電気刺激と、前記第2電気刺激とは、異なる時間帯に交互に出力される、技術8又は9に記載の美容機器。
【0098】
この構成により、美容機器10は、使用者の表情筋を電気信号で振動させる。そのため、美容機器10は、引き締まった肌を得る作用を得つつ、使用者に対して、美容成分を奥深く角質層に浸透させることで、美容成分による美容効果を高めることが可能となる。
【0099】
(技術11)前記第1電気刺激は、前記第2電気刺激よりも、印加時間が短い、技術8~10のいずれか一つに記載の美容機器。
【0100】
この構成により、美容機器10は、使用者の表情筋を電気信号で振動させる。そのため、美容機器10は、引き締まった肌を得る作用を得つつ、使用者に対して、美容成分を奥深く角質層に浸透させることで、美容成分による美容効果を高めることが可能となる。
【0101】
(技術12)前記第1電極は、複数のピン体によって構成され、
複数の前記ピン体は、1480mm2以下の面積の領域内に配置される、技術8~11のいずれか一つに記載の美容機器。
【0102】
この構成により、美容機器10は、第1電極11が配置される領域A1の面積を、1480mm2以下とすることで、安定した電流を印加し、より適切な刺激感を与えることが可能となる。
【0103】
(技術13)前記第1電極は、複数のピン体によって構成され、
前記第1電極の複数の前記ピン体は、プラス極で構成される複数の前記ピン体と、マイナス極で構成される複数の前記ピン体とを含み、
前記プラス極で構成される前記ピン体が配置される領域と、前記マイナス極で構成される前記ピン体が配置される領域とに挟まれる領域の面積が200mm2以上、400mm2以下である技術8~12のいずれか一つに記載の美容機器。
【0104】
この構成により、美容機器10は、異極間の領域A2の面積を、200mm2以上、400mm2以下とすることで、より適切な使用感を与えることが可能となる。
【0105】
(技術14)コンピュータによって実行される電極制御方法であって、
使用者の肌に接触させて第1電気刺激を付与するための第1電極から付与する前記第1電気刺激の波形の種類を示すモード情報を取得し、
前記第1電気刺激の電圧のレベルを設定するレベルスイッチの押下情報に基づいて、前記第1電気刺激の電圧を示すレベル情報を取得し、
前記モード情報に基づいて、前記第1電極に付与する前記第1電気刺激の周波数の特性を示す周波数情報を設定し、
前記レベル情報に基づいて、前記第1電極に付与する前記第1電気刺激の電圧レベルを設定し、
前記周波数情報及び前記電圧レベルに基づいて、前記第1電気刺激のパルス形状がプラス側及びマイナス側の矩形波を交互に形成した両側矩形波となるように生成し、前記第1電極に付与する、電極制御方法。
【0106】
この構成により、電極制御方法は、第1電気刺激の電圧を、正負の両側に対する両側矩形波で構成する。そのため、電極制御方法は、使用者の皮膚の分極現象を防ぐことが可能となる。
【0107】
(技術15)使用者の肌に接触させて第1電気刺激を付与するための第1電極と、
前記第1電極に付与する第1電気刺激の周波数の特性を示す周波数情報と、前記第1電極に付与する前記第1電気刺激の電圧レベル情報と、
前記周波数情報と前記電圧レベル情報とに基づいて、前記第1電気刺激のパルス形状がプラス側及びマイナス側の矩形波を交互に形成した両側矩形波となるように生成し、前記第1電極に付与する電極制御部と、を有する美容機器。
【0108】
この構成により、本実施形態における美容機器10の電極制御部115は第1電気刺激の電圧を、プラス側及びマイナス側の両側に対する両側矩形波で構成する。そのため、美容機器10は、使用者の皮膚の分極現象を防ぐことが可能となる。
【0109】
(技術16)前記電極制御部は、前記両側矩形波のパルス幅を経時的に変化させることを特徴とする技術15に記載の美容機器。
【0110】
この構成により、美容機器10の電極制御部115は、経時的に電気刺激のパルス幅が増加減少を繰り返す第1電気刺激を付与する。そのため、美容機器10は、パルス幅の増減の度合いに応じて、使用者の肌に緩急のついた使用感を与えることが可能となる。また、電極制御部115は両側矩形波のパルス幅を変更することにより、使用者に対して、心地よい刺激感を与えることが可能となる。
【0111】
(技術17)前記第1電極から出力される電気刺激の搬送波周波数が1kHz~10kHzであることを特徴とする技術15又は16に記載の美容機器。
【0112】
この構成により、美容機器10は、搬送波周波数を1kHz~10kHzの中周波とする。そのため、美容機器10は、肌の抵抗を下げ、効果的な通電が可能となる。
【0113】
(技術18)前記第1電極から出力される電気刺激の実効値が正弦波状に増加減少を繰り返すことを特徴とする技術15~17のいずれか一つに記載の美容機器。
【0114】
この構成により、美容機器10は、第1電気刺激の実効値を正弦波状に繰り返し増加減少させる。そのため、美容機器10は、使用者に対して、1Hzの間隔で、揺らぎを持った刺激を与えることが可能となる。
【0115】
(技術19)前記出力の実効値の増加減少の周期が1~20Hzであることを特徴とする技術16~18のいずれか一つに記載の美容機器。
【0116】
この構成により、美容機器10は、第1電気刺激の実効値の増加減少の周期を1Hz~20Hzとする。そのため、美容機器10は、使用者に対して、使用部位に応じた刺激を与えることができる。
【0117】
(技術20)
前記出力される両側矩形波の最大パルス幅が搬送波周波数の波長の50%以下であることを特徴とする技術15~19のいずれか一つに記載の美容機器。
【0118】
この構成により、美容機器10は、両側矩形波の最大パルス幅を搬送波周波数の波長の半分以下とする。そのため、美容機器10は、使用者の皮膚の分極現象を防ぐとともに、使用者に対して、心地よい刺激感を与えることが可能となる。
【0119】
(技術21)
前記出力される電気刺激の出力の最大値が20V以下であることを特徴とする技術15~20のいずれか一つに記載の美容機器。
【0120】
この構成により、美容機器10は、使用者に対して、高電圧を与えることなく、より心地よい刺激感を与えることが可能となる。
【0121】
(技術22)
前記美容機器は、外部とデータを送受信するデータ送受信部を有することを特徴とする技術15~21のいずれか一つに記載の美容機器。
【0122】
この構成により、美容機器10は、各種設定値を、データ送受信部を介して、外部から設定することが可能となる。また、美容機器10は、データ送受信部を介して、美容機器10の設定値等を外部に送信し、外部の表示装置等で確認することが可能となる。
【0123】
(技術23)
前記電極制御部は、前記データ送受信部により送受信したデータにより、前記両側矩形波のパルス幅の経時的な変化タイミングを制御することを特徴とする技術16~22のいずれか一つに記載の美容機器。
【0124】
この構成により、美容機器10は、両側矩形波のパルス幅の経時的な変化タイミングを、より柔軟に制御することが可能となる。
【0125】
(技術24)
前記美容機器は、人体の状況を検知する人体検知部を有し、前記人体検知部により検知した人体状況データにより、前記両側矩形波のパルス幅の経時的な変化タイミングを制御することを特徴とする技術16~23のいずれか一つに記載の美容機器。
【0126】
この構成により、美容機器10は、美容機器10を利用するユーザに応じて、適切に両側矩形波のパルス幅の経時的な変化タイミングを制御することが可能となる。
【0127】
(技術25)
前記経時的な変化する両側矩形波のパルス幅は、広狭を繰り返すことを特徴とする技術16~24のいずれか一つに記載の美容機器。
【0128】
この構成により、美容機器10は、パルス幅の増減の度合いに応じて、使用者の肌に緩急のついた使用感を与えることが可能となる。また、美容機器10は、両側矩形波のパルス幅を変更することにより、使用者に対して、心地よい刺激感を与えることが可能となる。
【0129】
なお、上述の実施形態は、本開示における技術を例示するためのものであるから、特許請求の範囲又はその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略などを行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0130】
本開示は、人体の肌に対して、より適切な電気刺激を付与することが可能な美容機器に適用可能である。具体的には、美顔機器やマッサージ機器などに、本開示は適用可能である。
【符号の説明】
【0131】
10 美容機器
11 第1電極
12 電源スイッチ
13 レベルスイッチ
14 第2電極
15 着脱アタッチメント
16a 第1フラット電極
16b 第2フラット電極
100 電極制御装置
110 制御部
111 モード情報取得部
112 レベル情報取得部
113 周波数設定部
114 電圧設定部
115 電極制御部
120 記憶部
121 設定情報DB
130 入出力IF