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  • 特開-信号発生装置及び信号発生方法 図1
  • 特開-信号発生装置及び信号発生方法 図2
  • 特開-信号発生装置及び信号発生方法 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024148248
(43)【公開日】2024-10-18
(54)【発明の名称】信号発生装置及び信号発生方法
(51)【国際特許分類】
   H04B 17/29 20150101AFI20241010BHJP
   H04B 17/21 20150101ALI20241010BHJP
【FI】
H04B17/29
H04B17/21
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023061208
(22)【出願日】2023-04-05
(71)【出願人】
【識別番号】000000572
【氏名又は名称】アンリツ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100119677
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 賢治
(74)【代理人】
【識別番号】100160495
【弁理士】
【氏名又は名称】畑 雅明
(74)【代理人】
【識別番号】100173716
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 真理
(74)【代理人】
【識別番号】100163876
【弁理士】
【氏名又は名称】上藤 哲嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100115794
【弁理士】
【氏名又は名称】今下 勝博
(74)【代理人】
【識別番号】100187045
【弁理士】
【氏名又は名称】梅澤 奈菜
(72)【発明者】
【氏名】小野 浩史
(72)【発明者】
【氏名】宮内 直人
(72)【発明者】
【氏名】平川 靖貴
(57)【要約】
【課題】本発明は、RFコンバータが出力するアナログRF信号のパワーがRF増幅器の定格を超過することの防止機能、及びRFコンバータとRF増幅器とがRFケーブルで接続されていることの確認機能を備える信号発生装置及びその信号発生方法を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明に係る信号発生装置は、 制御部11が行う前記制御が、RFコンバータ2に前記アナログRF信号を出力させたときに検波器9が出力する検波電圧に基づいてRFコンバータ2の出力を調整すること、及び可変減衰器7の前記減衰量を変化させたときの前記検波電圧の変化に基づいてRFコンバータ2とRFアンプリファイア3との接続の有無を判断することであることを特徴とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
試験用のアナログ信号を変調してアナログRF信号を出力するRFコンバータ(2)と、
前記アナログRF信号の振幅を減衰量で調整する可変減衰器(7)、及び振幅が調整された前記アナログRF信号を検波する検波器(9)を有するRFアンプリファイア(3)と、
前記RFコンバータ及び前記RFアンプリファイアの制御を行う制御部(11)と、
を備える信号発生装置であって、
前記制御部が行う前記制御が、
前記RFコンバータに前記アナログRF信号を出力させたときに前記検波器が出力する検波電圧に基づいて前記RFコンバータの出力を調整すること、及び
前記可変減衰器の前記減衰量を変化させたときの前記検波電圧の変化に基づいて前記RFコンバータと前記RFアンプリファイアとの接続の有無を判断すること
であることを特徴とする信号発生装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記RFコンバータの出力を調整することが、
前記RFコンバータに前記アナログRF信号を出力させたときに前記検波器が出力する検波電圧と第1閾値とを比較する比較工程を行うこと、及び
前記検波電圧が前記第1閾値を超える場合、前記RFコンバータに前記アナログRF信号のパワーを一定量下げて出力させ、前記比較工程を再度行うこと
であることを特徴とする請求項1に記載の信号発生装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記RFコンバータと前記RFアンプリファイアとの接続の有無を判断することが、
前記検波電圧が前記第1閾値を超えない場合、前記検波電圧を基準値とし、前記可変減衰器の減衰量を減少させたときに前記検波器が出力する検波電圧と前記基準値との差分電圧を計算すること、
前記差分電圧が第2閾値を超える場合、前記RFコンバータと前記RFアンプリファイアとが接続していると判断すること、
前記差分電圧が第2閾値を超えない場合、前記可変減衰器の減衰量をさらに減少させ、前記差分電圧と第2閾値とを比較する再確認工程を繰り返し行うこと、
前記再確認工程において前記差分電圧が第2閾値を超えた場合、前記RFコンバータと前記RFアンプリファイアとが接続していると判断すること、
前記再確認工程を所定回数行っても前記差分電圧が第2閾値を超えない場合、前記RFコンバータと前記RFアンプリファイアとが接続していないと判断すること、
であることを特徴とする請求項2に記載の信号発生装置。
【請求項4】
試験用のアナログ信号を変調してアナログRF信号を出力するRFコンバータ(2)と、
前記アナログRF信号の振幅を調整する可変減衰器(7)、及び振幅が調整された前記アナログRF信号を検波する検波器(9)を有するRFアンプリファイア(3)と、
を備える信号発生装置で行われる信号発生方法であって、
前記RFコンバータに前記アナログRF信号を出力させたときに前記検波器が出力する検波電圧と第1閾値とを比較する比較工程を行うこと、
前記検波電圧が前記第1閾値を超える場合、前記RFコンバータに前記アナログRF信号のパワーを一定量下げて出力させ、前記比較工程を再度行うこと、
前記検波電圧が前記第1閾値を超えない場合、前記検波電圧を基準値とし、前記可変減衰器の減衰量を減少させたときに前記検波器が出力する検波電圧と前記基準値との差分電圧を計算すること、
前記差分電圧が第2閾値を超える場合、前記RFコンバータと前記RFアンプリファイアとが接続していると判断すること、
前記差分電圧が第2閾値を超えない場合、前記可変減衰器の減衰量をさらに減少させ、前記差分電圧と第2閾値とを比較する再確認工程を繰り返し行うこと、
前記再確認工程において前記差分電圧が第2閾値を超えた場合、前記RFコンバータと前記RFアンプリファイアとが接続していると判断すること、
前記再確認工程を所定回数行っても前記差分電圧が第2閾値を超えない場合、前記RFコンバータと前記RFアンプリファイアとが接続していないと判断すること、
を特徴とする信号発生方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、試験信号を発生するための信号発生装置及びその信号発生方法に関する。
【背景技術】
【0002】
移動体通信装置の試験を行う試験信号を発生するための信号発生装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1の信号発生装置は、試験用のアナログ信号を無線周波数へ変換してアナログRF(Radio Frequency)信号とし、そのアナログRF信号に対して増幅とパワー調整を行い、アンテナから出力するRFコンバータを備えている。そして、特許文献1では、RFコンバータにおいて、アナログRF信号の出力パワーが予め定められた上限値を超えることを防ぐ手法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-118447号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
移動体通信装置の試験によっては、特許文献1で開示される信号発生装置の後段、且つアンテナの前段に、RFコンバータの出力を増幅するRF増幅器が配置されることもある。このような構成の場合、次の2つの課題が存在する。
(課題1)信号発生装置が出力するアナログRF信号のパワーは温度等の外乱により変動する。RF増幅器の定格を超えるパワーのアナログRF信号がRF増幅器に入力されることを回避する必要がある。しかし、特許文献1の信号発生装置には、出力されるアナログRF信号のパワーを確認することが困難という課題があった。
(課題2)RFコンバータとRF増幅器とはRFケーブルで接続され、アナログRF信号はRFケーブルを介してRFコンバータからRF増幅器へ入力される。しかし、特許文献1の信号発生装置には、RFコンバータとRF増幅器とがRFケーブルで接続されているのか否かを確認する手段がなく、移動体通信装置の試験が正しく行われていることを判断することが困難という課題があった。
【0005】
そこで、本発明は、上記2つの課題を解決するために、RFコンバータが出力するアナログRF信号のパワーがRF増幅器の定格を超過することの防止機能、及びRFコンバータとRF増幅器とがRFケーブルで接続されていることの確認機能を備える信号発生装置及びその信号発生方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明に係る信号発生装置は、RF増幅器が備える検波器の出力値(検波電圧)を監視し、RF増幅器におけるアナログRF信号の増幅量を変化させたときの検波電圧の挙動を監視することとした。
【0007】
具体的には、本発明の請求項1に係る信号発生装置は、
試験用のアナログ信号を変調してアナログRF信号を出力するRFコンバータ(2)と、
前記アナログRF信号の振幅を減衰量で調整する可変減衰器(7)、及び振幅が調整された前記アナログRF信号を検波する検波器(9)を有するRFアンプリファイア(3)と、
前記RFコンバータ及び前記RFアンプリファイアの制御を行う制御部(11)と、
を備える信号発生装置であって、
前記制御部が行う前記制御が、
前記RFコンバータに前記アナログRF信号を出力させたときに前記検波器が出力する検波電圧に基づいて前記RFコンバータの出力を調整すること、及び
前記可変減衰器の前記減衰量を変化させたときの前記検波電圧の変化に基づいて前記RFコンバータと前記RFアンプリファイアとの接続の有無を判断すること
であることを特徴とする。
【0008】
本信号発生装置は、RF増幅器が備える検波器の検波電圧に基づいてRFコンバータが出力するアナログRF信号のパワーを調整することでアナログRF信号のパワーがRF増幅器の定格を超過することを防止する。また、本信号発生装置は、RF増幅器におけるアナログRF信号の増幅量を変化させたときの検波電圧の挙動からRFコンバータとRF増幅器とがRFケーブルで接続されているか否かを判断する。
【0009】
従って、本発明は、RFコンバータが出力するアナログRF信号のパワーがRF増幅器の定格を超過することの防止機能、及びRFコンバータとRF増幅器とがRFケーブルで接続されていることの確認機能を備える信号発生装置を提供することができる。
【0010】
本発明の請求項2に係る信号発生装置の前記制御部は、
前記RFコンバータの出力を調整することが、
前記RFコンバータに前記アナログRF信号を出力させたときに前記検波器が出力する検波電圧と第1閾値とを比較する比較工程を行うこと、及び
前記検波電圧が前記第1閾値を超える場合、前記RFコンバータに前記アナログRF信号のパワーを一定量下げて出力させ、前記比較工程を再度行うこと
であることを特徴とする。
【0011】
本信号発生装置は、上述のように動作することでアナログRF信号のパワーがRF増幅器の定格を超過することを防止する。
【0012】
本発明の請求項3に係る信号発生装置の前記制御部は、
前記RFコンバータと前記RFアンプリファイアとの接続の有無を判断することが、
前記検波電圧が前記第1閾値を超えない場合、前記検波電圧を基準値とし、前記可変減衰器の減衰量を減少させたときに前記検波器が出力する検波電圧と前記基準値との差分電圧を計算すること、
前記差分電圧が第2閾値を超える場合、前記RFコンバータと前記RFアンプリファイアとが接続していると判断すること、
前記差分電圧が第2閾値を超えない場合、前記可変減衰器の減衰量をさらに減少させ、前記差分電圧と第2閾値とを比較する再確認工程を繰り返し行うこと、
前記再確認工程において前記差分電圧が第2閾値を超えた場合、前記RFコンバータと前記RFアンプリファイアとが接続していると判断すること、
前記再確認工程を所定回数行っても前記差分電圧が第2閾値を超えない場合、前記RFコンバータと前記RFアンプリファイアとが接続していないと判断すること、
であることを特徴とする。
【0013】
本信号発生装置は、上述のように動作することでRFコンバータとRF増幅器とがRFケーブルで接続されているか否かを判断する。
【0014】
本発明の請求項4に係る方法は、請求項1に記載の信号発生装置を用いた信号発生方法であって、
前記RFコンバータに前記アナログRF信号を出力させたときに前記検波器が出力する検波電圧と第1閾値とを比較する比較工程を行うこと、
前記検波電圧が前記第1閾値を超える場合、前記RFコンバータに前記アナログRF信号のパワーを一定量下げて出力させ、前記比較工程を再度行うこと、
前記検波電圧が前記第1閾値を超えない場合、前記検波電圧を基準値とし、前記可変減衰器の減衰量を減少させたときに前記検波器が出力する検波電圧と前記基準値との差分電圧を計算すること、
前記差分電圧が第2閾値を超える場合、前記RFコンバータと前記RFアンプリファイアとが接続していると判断すること、
前記差分電圧が第2閾値を超えない場合、前記可変減衰器の減衰量をさらに減少させ、前記差分電圧と第2閾値とを比較する再確認工程を繰り返し行うこと、
前記再確認工程において前記差分電圧が第2閾値を超えた場合、前記RFコンバータと前記RFアンプリファイアとが接続していると判断すること、
前記再確認工程を所定回数行っても前記差分電圧が第2閾値を超えない場合、前記RFコンバータと前記RFアンプリファイアとが接続していないと判断すること、
を特徴とする。
【0015】
本信号発生方法により、RF増幅器が備える検波器の検波電圧に基づいてRFコンバータが出力するアナログRF信号のパワーを調整することでアナログRF信号のパワーがRF増幅器の定格を超過することを防止できる。また、本信号発生方法により、RF増幅器におけるアナログRF信号の増幅量を変化させたときの検波電圧の挙動からRFコンバータとRF増幅器とがRFケーブルで接続されているか否かを判断できる。
【0016】
従って、本発明は、RFコンバータが出力するアナログRF信号のパワーがRF増幅器の定格を超過することの防止機能、及びRFコンバータとRF増幅器とがRFケーブルで接続されていることの確認機能を備える信号発生方法を提供することができる。
【0017】
なお、上記各発明は、可能な限り組み合わせることができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明は、RFコンバータが出力するアナログRF信号のパワーがRF増幅器の定格を超過することの防止機能、及びRFコンバータとRF増幅器とがRFケーブルで接続されていることの確認機能を備える信号発生装置及び信号発生方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明に係る信号発生装置の構成を説明する図である。
図2】本発明に係る信号発生方法を説明する図である。
図3】本発明に係る信号発生装置の実施例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本開示は、以下に示す実施形態に限定されるものではない。これらの実施の例は例示に過ぎず、本開示は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した形態で実施することができる。なお、本明細書及び図面において符号が同じ構成要素は、相互に同一のものを示すものとする。
【0021】
図1は、本実施形態の信号発生装置の構成を説明する図である。本信号発生装置は、
試験用のアナログ信号を変調してアナログRF信号を出力するRFコンバータ2と、
前記アナログRF信号の振幅を減衰量で調整する可変減衰器7、及び振幅が調整された前記アナログRF信号を検波する検波器9を有するRFアンプリファイア3と、
RFコンバータ2及びRFアンプリファイア3の制御を行う制御部11と、
を備える信号発生装置であって、
制御部11が行う前記制御が、
RFコンバータ2に前記アナログRF信号を出力させたときに検波器9が出力する検波電圧に基づいてRFコンバータ2の出力を調整すること、及び
可変減衰器7の前記減衰量を変化させたときの前記検波電圧の変化に基づいてRFコンバータ2とRFアンプリファイア3との接続の有無を判断すること
であることを特徴とする。
【0022】
信号源1は、デジタル信号を発生させる信号発生装置4、及びデジタル信号をアナログ信号に変換させるDAコンバータ5を有する。
【0023】
RFコンバータ2は、アナログ信号の周波数を無線周波数までアップコンバートしてアナログRF信号に変換する装置であり、アナログRF信号の振幅(パワー)を調整する可変減衰器6を有する。なお、RFコンバータ2は、それ以外に、図示されない、周波数をアップコンバートする機能の回路が含まれている。なお、一例ではあるが、中間周波数帯のアナログ信号の周波数は4.5GHzであり、アナログRF信号の周波数は24.25GHz~29.5GHzである。
【0024】
RFアンプリファイア3は、RFコンバータ2が出力したアナログRF信号を増幅し、移動体通信装置の試験を行う試験信号としてアンテナ13から出力する。RFアンプリファイア3は、アナログRF信号のパワーを減衰させる可変減衰器7と、パワーを減衰させたアナログRF信号を分岐するデバイダ8と、分岐させたアナログRF信号を検波し、アナログRF信号の振幅(パワー)を検波電圧として出力する検波器9を有する。なお、RFアンプリファイア3は、それら以外に、図示されない、可変減衰器7の前段と後段の少なくとも一方に増幅器を有する。
【0025】
また、RFコンバータ2から出力されるアナログRF信号はRFケーブル12を介してRFアンプリファイア3に入力される。
【0026】
図2は、制御部11がRFコンバータ2とRFアンプリファイア3を制御する方法を説明するフローチャートである。
制御部11は、
RFコンバータ2に前記アナログRF信号を出力させたときに検波器9が出力する検波電圧と第1閾値とを比較する比較工程(ステップS01及びS02)を行うこと、
前記検波電圧が前記第1閾値を超える場合(ステップS02にて“Yes”)、RFコンバータ2に前記アナログRF信号のパワーを一定量下げて出力させ(ステップS03)、前記比較工程(ステップS01及びS02)を再度行うこと、
前記検波電圧が前記第1閾値を超えない場合(ステップS02にて“No”)、前記検波電圧を基準値Vrefとし、可変減衰器7の減衰量を減少させた(アナログRF信号のパワーを上げる)ときに検波器9が出力する検波電圧と基準値Vrefとの差分電圧ΔVを計算すること(ステップS04及びステップS05)、
差分電圧Vrefが第2閾値を超える場合(ステップS06にて“Yes”)、RFコンバータ2とRFアンプリファイア3とがRFケーブル12で接続していると判断すること(ステップS07)、
差分電圧Vrefが第2閾値を超えない場合、可変減衰器7の減衰量をさらに減少させ(アナログRF信号のパワーをさらに上げ)、差分電圧Vrefと第2閾値とを比較する再確認工程(ステップS08~S11)を繰り返し行うこと、
前記再確認工程において差分電圧Vrefが第2閾値を超えた場合(ステップS10にて“Yes”)、RFコンバータ2とRFアンプリファイア3とが接続していると判断すること(ステップS07)、
前記再確認工程を所定回数行っても差分電圧Vrefが第2閾値を超えない場合(ステップS11にて“Yes”)、RFコンバータ2とRFアンプリファイア3とが接続していないと判断すること(ステップS12)、
を特徴とする。
【0027】
以下に、図3に示した具体的な値を含めて各ステップを説明していく。
温度や経年によりRFコンバータ2が出力するアナログRF信号のパワーは変動する。このため、まず、RFコンバータ2から出力されるアナログRF信号のパワー確認が行われる。この工程では、図3の第1欄の値を使用する。制御部11は可変減衰器7の減衰量を調整し、RFアンプリファイア3での信号増幅量を-23dBに設定する。
ステップS01:
RFコンバータ2から出力される任意パワーのアナログRF信号が、可変減衰器7で所定の減衰量だけ減衰され、検波器9において検波される。検波器9はアナログRF信号のパワー(振幅)に応じた検波電圧を出力する。この検波電圧を基準値とする。
ステップS02:
RFアンプリファイア3が有する増幅器には入力される信号のパワーに定格があり、入力されるアナログRF信号のパワーが大きすぎると増幅器の定格を超える恐れがある。このため、RFコンバータ2から出力されるアナログRF信号のパワーが増幅器の定格を超えそうか否かの確認が必要である。制御部11は、基準値と第1閾値とを比較する。第1閾値はRFアンプリファイア3の増幅器の定格に基づいて設定される。例えば、第1閾値は3.2Vである。
ステップS03:
基準値が第1閾値より高い場合、制御部11は可変減衰器6の減衰量を大きくし、RFコンバータ2から出力されるアナログRF信号のパワーを小さくする。そして、再度ステップS01及びS02を行う。
【0028】
基準値が第1閾値より低い、あるいは低くなった場合、RFコンバータ2とRFアンプリファイア3との接続判断が行われる。例えば、図3の第2欄に示すように基準値が0.789Vになったとする。
ステップS04:
RFアンプリファイア3の増幅量を図3の第2欄に記載した-13dBに設定するため、制御部11は、可変減衰器7での減衰量を調整する(具体的には減衰量を小さくする)。
ステップS05:
制御部11は、このときに検波器9から出力される検波電圧から基準値を減算した差分電圧を計算する。例えば、図3の第2欄のように、検波電圧が0.801Vであれば、差分電圧は、0.801-0.789=0.012Vとなる。
ステップS06:
制御部11は、差分電圧と第2閾値とを比較する。例えば、第2閾値は0.6Vである。 ステップS06で差分電圧が第2閾値より高い場合、制御部11はRFコンバータ2とRFアンプリファイア3とがRFケーブル12で接続されていると判断する(ステップS07)。
ステップS08:
一方、ステップS06で差分電圧が第2閾値より低い場合(上述した例のように差分電圧が0.012Vである場合)、RFアンプリファイア3の増幅量を図3の第3欄に記載した+12dBに設定するため、制御部11は、可変減衰器7での減衰量を調整する(具体的には減衰量をさらに小さくする)。
ステップS09:
制御部11は、このときに検波器9から出力される検波電圧から基準値を減算した差分電圧を計算する。例えば、図3の第3欄のように、検波電圧が2.272Vであれば、差分電圧は、2.272-0.789=1.483Vとなる。
ステップS10:
制御部11は、再度差分電圧と第2閾値とを比較する。ステップS10で差分電圧が第2閾値より高い場合(上述した例のように差分電圧が1.483Vである場合)、制御部11はRFコンバータ2とRFアンプリファイア3とがRFケーブル12で接続されていると判断する(ステップS07)。
一方、ステップS10で差分電圧が第2閾値より低い場合、制御部11はRFコンバータ2とRFアンプリファイア3とがRFケーブル12で接続されていないと判断する(ステップS11)。なお、いきなりステップS11ではなく、所定回数だけステップS08からS10を繰り返し、それでも差分電圧が第2閾値より低い場合にステップS11としてもよい。
【0029】
最後に制御部11は、ステップS07及びS11で得た結果を接続情報として記憶部10に保存する。
【0030】
ステップS08からS10の繰り返し回数、ステップS08で減衰量を調整する量、及び第1閾値と第2閾値については、あらかじめ決められた組み合わせがあり、制御部11はその組み合わせの中から1つを選択して実行する。この組み合わせはRFアンプリファイア3の特性に応じた値である。
【0031】
[効果]
RFケーブル12は種類や長さによってそのロスが変動する。本発明は、RFコンバータ2とRFアンプリファイア3との間のRFケーブル12による経路ロスが不明な場合でも、RFコンバータ2からの任意パワーのアナログRF信号で、RFアンプリファイア3の定格を超えることなく、且つRFコンバータ2とRFアンプリファイア3の接続を検知できる。
【産業上の利用可能性】
【0032】
本開示は情報通信産業に適用することができる。
【符号の説明】
【0033】
1:信号源
2:RFコンバータ
3:RFアンプリファイア
4:信号発生装置
5:DAC
6:可変減衰器
7:可変減衰器
8:分波器
9:検波器
10:記憶部
11:制御部
12:RFケーブル
図1
図2
図3