(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024014825
(43)【公開日】2024-02-01
(54)【発明の名称】コントローラから受信した入力作動情報の解釈の選択
(51)【国際特許分類】
A63F 13/22 20140101AFI20240125BHJP
A63F 13/211 20140101ALI20240125BHJP
G06F 3/0346 20130101ALI20240125BHJP
【FI】
A63F13/22
A63F13/211
G06F3/0346 425
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023118271
(22)【出願日】2023-07-20
(31)【優先権主張番号】2210671.0
(32)【優先日】2022-07-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(71)【出願人】
【識別番号】310021766
【氏名又は名称】株式会社ソニー・インタラクティブエンタテインメント
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(72)【発明者】
【氏名】アラン マーフィー
(72)【発明者】
【氏名】マーク フレンド
(57)【要約】
【解決手段】エンタテインメント装置200、方法、およびコンピュータ・プログラム。エンタテインメントデバイスは、受信回路260、270および処理回路220、230、240を含む。受信回路は、コントローラから、入力作動情報および関連する動き検出情報を受信し、入力作動情報は、コントローラの少なくとも1つの手動作動入力の検出された作動を示し、関連する動き検出情報は、コントローラの検出された動きを示す。処理回路は、ゲームのゲーム状態を処理し、少なくとも第1の動作モードにおいて、複数の解釈の中から、関連する動き検出情報に依存して入力作動情報の解釈を選択し、入力作動情報の選択された解釈に依存してゲーム状態の処理を更新する。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コントローラから、制御作動情報および関連する動き検出情報を受信する受信回路であって、前記制御作動情報は、前記コントローラの少なくとも1つのコントロールの検出された作動を示し、前記関連する動き検出情報は、前記コントローラの検出された動きを示す、前記受信回路と、
ゲームのゲーム状態を処理する処理回路であって、少なくとも第1動作モードにおいて、
複数の解釈の中から、前記関連する動き検出情報に依存して、前記制御作動情報の解釈を選択し、
前記制御作動情報の選択された前記解釈に依存して、前記ゲーム状態の処理を更新する、前記処理回路と
を含む、エンタテインメント装置。
【請求項2】
前記複数の解釈は、前記少なくとも1つのコントロールの作動が少なくとも1つの異なるコントロールの作動として解釈される少なくとも1つのコントロール再マップ解釈を含む、請求項1に記載のエンタテインメント装置。
【請求項3】
前記選択された解釈が前記少なくとも1つのコントロール再マップ解釈を含み、前記少なくとも1つのコントロールが第1グループのコントロールの内の1つのコントロールを含むとき、前記少なくとも1つの異なるコントロールが第2グループのコントロールの内の1つのコントロールを含む、請求項2に記載のエンタテインメント装置。
【請求項4】
前記第1グループのコントロールおよび前記第2グループのコントロールの一方は、ユーザの左手による作動のために配置され、
前記第1グループのコントロールおよび前記第2グループのコントロールの他方は、ユーザの右手による作動のために配置される、請求項3に記載のエンタテインメント装置。
【請求項5】
前記少なくとも1つのコントロール再マップ解釈は、少なくともトランスポーズ解釈を含み、
前記選択された解釈が前記トランスポーズ解釈を含む場合、前記第2グループのコントロールに対する前記少なくとも1つの異なるコントロールの位置は、前記第1グループのコントロールにおける前記少なくとも1つのコントロールの位置と実質的に一致する、請求項3または4に記載のエンタテインメント装置。
【請求項6】
前記少なくとも1つのコントロール再マップ解釈は、少なくともミラー解釈を含み、
選択された前記解釈が前記ミラー解釈を含む場合、前記第2グループのコントロールに対する前記少なくとも1つの異なるコントロールの位置は、前記第1グループのコントロールにおける前記少なくとも1つのコントロールの位置の鏡像と実質的に一致する、請求項3に記載のエンタテインメント装置。
【請求項7】
前記処理回路は、ユーザが選択した値およびゲーム内イベントの少なくとも一方に応答して、第2動作モードで動作を開始し、
前記処理回路は、前記第2動作モードにおいて、前記関連する動き検出情報とは独立して、前記制御作動情報のデフォルト解釈に依存して、前記ゲーム状態の処理を更新するように構成される、請求項1に記載のエンタテインメント装置。
【請求項8】
前記処理回路は、前記コントローラのロックパターンの動きが検出されたことを示す前記関連する動き検出情報に応答して、ロックされた動作モードで動作を開始し
前記ロックされた動作モードにある間に前記受信回路によって受信されたさらなる制御作動情報に応答して、前記処理回路は、前記さらなる制御作動情報に関連付けられて受信されたさらなる動き検出情報とは独立して、前記さらなる制御作動情報のロックされた解釈に依存して、前記ゲーム状態の処理を更新するように構成され、
前記ロックされた解釈は、前記ロックされた動作モードに入る前に受信された以前の動き検出情報に依存して選択された解釈を含む、請求項1に記載のエンタテインメント装置。
【請求項9】
前記処理回路は、
前記コントローラの前記検出された動きを少なくとも1つの所定の閾値基準と比較し、
前記検出された動きが前記少なくとも1つの所定の閾値基準を満たすと判定されない限り、前記制御作動情報の前記選択された解釈の選択を禁止するように構成される、請求項1に記載のエンタテインメント装置。
【請求項10】
前記処理回路は、
ヒステリシスおよびローパスフィルタリングのうちの1つまたは複数を、前記関連する動き検出情報に適用して、前記コントローラのフィルタリングされ検出された動きを決定し、
前記コントローラの前記フィルタリングされ検出された動きを、少なくとも1つの所定の閾値基準と比較し、
前記フィルタリングされ検出された動きが前記少なくとも1つの所定の閾値基準を満たすと判断されない限り、前記制御作動情報への前記選択された解釈の適用を禁止するように構成される、請求項1に記載のエンタテインメント装置。
【請求項11】
前記検出された動きは、前記コントローラの向きの変化および前記コントローラの位置の変化のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載のエンタテインメント装置。
【請求項12】
前記少なくとも1つのコントロールは、ボタンおよびジョイスティックのうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載のエンタテインメント装置。
【請求項13】
コントローラから、制御作動情報および関連する動き検出情報を受信するステップであって、前記制御作動情報は、前記コントローラの少なくとも1つのコントロールの検出された作動を示し、前記関連する動き検出情報は、前記コントローラの検出された動きを示す、前記受信するステップと、
ゲームのゲーム状態を処理するステップであって、少なくとも第1動作モードにおいて、
複数の解釈の中から、前記関連する動き検出情報に依存して、前記制御作動情報の解釈を選択し、
前記制御作動情報の選択された前記解釈に依存して、前記ゲーム状態の処理を更新する、前記処理するステップと
を含む、方法。
【請求項14】
コンピュータ上で実行されるとき、請求項13に記載の方法を前記コンピュータに実行させる命令を含む、コンピュータプログラム。
【請求項15】
請求項14に記載のコンピュータプログラムを格納するコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、エンタテインメント機器の分野に関し、より詳細には、コントローラから受信した入力作動情報の解釈に関する。
【背景技術】
【0002】
パフォーマンス・キャプチャ(表示されたグラフィック上で対応する効果を引き起こすためのシステム・ユーザの動きの追跡)が最近進歩していても、ハンドヘルドコントローラは、電子ゲーム業界で最も人気のある入力デバイスであり続けている。
【0003】
図1および
図2は、ハンドヘルドコントローラの一例として、DualSense (登録商標)コントローラ80を示す。このようなコントローラは、通常、2つのハンドル部81L,Rと中央の本体81Cを備える。様々なコントロール(手動作動入力とも呼ばれる)が、典型的にはローカルグループに分かれてコントローラ上に分散されている。各コントロールは、例えば、ゲームのゲーム状態を制御するために、ユーザが手動で作動させることができる。例としては、方向制御(方向制御ボタン)を含む左ボタングループ82Lおよび1つまたは複数のショルダボタン90L、同様に、機能制御を含む右ボタングループ82R、および1つまたは複数のショルダボタン90Rが挙げられる。コントローラは(典型的には、装置の中央部分に)1つまたは複数のシステムボタン86を含んでもよく、このシステムボタンは、典型的には、その上で現在実行中のゲームまたは他のアプリケーションではなく、エンタテインメント装置のオペレーティングシステムとの相互作用を引き起こす。このようなボタンは、システムメニューを呼び出したり、表示されたコンテンツの記録または共有を可能にしたりする。さらに、コントローラは、タッチパッド88、光学トラッキング用ライト(図示せず)、スクリーン(図示せず)、ハプティックフィードバック要素(図示せず)などの1つまたは複数の他の要素を含んでもよい。コントローラはまた、左および/または右ジョイスティック84L,Rを含み、これらは、オプションとして、それらを押し下げることによってボタンとしても操作可能であってもよい。コントローラの背面には(
図2のBおよびCに示すように)、トリガボタン92L、Rが設けられている。
【0004】
ハンドヘルドコントローラ80は、コントローラ本体内に、コントローラの動きを検出するための動き検出回路(例えば、加速度計および/またはジャイロスコープ回路)を備えてもよい。
【0005】
通常、DualSense(登録商標)コントローラ80のようなハンドヘルドコントローラは、
図3に示すように、ユーザが両手に持って使用する。特に、
図3は、ユーザの左手100Lが左ハンドル部81Lを握り、ユーザの右手100Rが右ハンドル部81Rを握ることで、ハンドヘルドコントローラ80が保持されている状態を示している。この構成では、ユーザは、左手の指を使って、コントローラの左側102Lにあるコントロールのいずれかを操作することができる(例えば、ユーザは、左手の親指を使って、左ジョイスティック84Lおよび左ボタン群82Lを操作することができ、左手の人差し指を使って、左ショルダボタン90Lおよび左トリガ92Lを操作することができる)。逆に、ユーザは、右手の指を使って、コントローラの右側102Lのコントロールのいずれかを操作することができる(例えば、ユーザは、右手の親指を使って右ジョイスティック84Lと右ボタングループ82Lを操作し、右手の人差し指を使って右ショルダボタン90Lと右トリガ92Lを操作することができる)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、この配置は、コントローラ80を片手で持っているとき、または両手のうちの片方が完全に機能していないとき、コントローラ80上のすべてのコントロールに到達することが困難な場合があるため、ハンドヘルドコントローラ80を両手で同時に操作できないユーザにとって問題となりうる。例えば、ユーザによっては、一方の手が他方の手よりも影響を受ける可動性の問題があったり、片手しかなかったりする場合がある。
【0007】
本発明は、この問題を軽減または緩和しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本技術の第1実施例では、請求項1に定義されるようなエンタテインメント装置が提供される。
【0009】
本技術の別の実施例では、請求項13に定義されるような方法が提供される。
【0010】
本技術の別の実施例では、請求項14に定義されるようなコンピュータプログラムが提供される。
【0011】
本技術の別の実施例において、請求項15に定義されるようなコンピュータ読み取り可能な記憶媒体が提供される。コンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、一過性のものでも非一過性のものでもよい。
【0012】
本発明のさらなるそれぞれの態様および特徴は、添付の特許請求の範囲に定義される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して例示的に説明する。
【
図3】両手を使用してハンドヘルドコントローラを操作する方法の一例を示す図である。
【
図5】ハンドヘルドコントローラを片手で操作する方法の例である。
【
図6】ハンドヘルドコントローラ内の回路の例である。
【
図7】コントローラから受信した入力作動情報を解釈する方法の例を示すフロー図である。
【
図8】コントローラから受信した入力作動情報を解釈する方法の例を示すフロー図である。
【
図9】コントローラから受信した入力作動情報を解釈する方法の例を示すフロー図である。
【
図10】コントローラから受信した入力作動情報を解釈する方法の例を示すフロー図である。
【
図11】コントローラから受信した入力作動情報を解釈する方法の例を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図示を明瞭にするため、図に図示された要素は必ずしも縮尺通りに描かれていない。さらに、適切と考えられる場合には、対応するまたは類似する要素を示すために、参照数字を複数の図の間で繰り返し使用される。
【0015】
「結合」および「連結」という用語は、それらの派生語とともに、本明細書において、本明細書における操作を実行するための装置の構成要素間の構造的関係を説明するために使用されることがある。これらの用語は、互いの同義語として意図されていないことを理解されたい。むしろ、特定の実施形態では、「連結」は、2つ以上の要素が互いに直接物理的または電気的に接触していることを示すために使用され、一方、「結合」は、2つ以上の要素が互いに直接または間接的に(それらの間に他の介在要素を伴って)物理的または電気的に接触していること、および/または2つ以上の要素が互いに(例えば、原因と結果の関係のように)共働または通信していることを示すために使用される。
【0016】
コントローラから受信した入力作動情報の解釈を制御するための方法およびシステムが開示される。以下の説明では、本発明の実施形態を十分に理解するために、多くの具体的な詳細を示す。しかしながら、当業者には、これらの具体的な詳細を本発明の実施に採用する必要がないことは明らかであろう。逆に、当業者に知られている特定の詳細は、適切な場合には、明瞭化の目的で省略される。
【0017】
図4は、エンタテインメント装置200と、少なくとも1つのハンドヘルドコントローラ80と、オプションとしてヘッドマウントディスプレイ294とを備えるエンタテインメントシステムの一例を示す。この例では、エンタテインメント装置200は、Sony(登録商標)PlayStation(登録商標)5(PS5)などのコンピュータまたはコンソールで構成される。
【0018】
エンタテインメント装置200は、中央プロセッサ220から構成される。これは、シングルコアプロセッサまたは例えばPS5(登録商標)のように8つのコアからなるマルチコアプロセッサであってもよい。エンタテインメントシステムは、グラフィカルプロセッシングユニット(GPU)30も備えている。GPUは、CPUとは物理的に別個のものであってもよいし、PS5(登録商標)のようにシステムオンチップ(SoC)としてCPUと統合されたものであってもよい。中央プロセッサ220は、ゲームのゲーム状態を処理し、少なくとも第1動作モードにおいて、複数の解釈の中から、関連する動き検出情報に依存して制御作動情報の解釈を選択し、制御作動情報の選択された解釈に依存してゲーム状態の処理を更新する処理回路の一例である。
【0019】
エンタテインメント装置はまた、RAM240を備え、CPUおよびGPUの各々に対して別個のRAMを有するか、またはPS5(登録商標)のように共有RAMを有することができる。また、RAMは物理的に分離されていても、PS5(登録商標)のようにSoCの一部として統合されていてもよい。さらなるストレージは、外付けハードドライブまたは内蔵ハードドライブ、外付けソリッドステートドライブ、またはPS5(登録商標)のような内蔵ソリッドステートドライブとして、ディスク250によって提供される。
【0020】
エンタテインメント装置は、USBポート、イーサネット(登録商標)ポート、WiFi(登録商標)ポート、ブルートゥース(登録商標)ポートなどの1つまたは複数のデータポート260(受信回路など)を介して、適宜、データ(例えば、1つまたは複数のハンドヘルドコントローラ80によって送信される入力作動情報および動き検出情報を含む)を送信または受信することができる。また、オプションとして、光学ドライブ270を介してデータを受信することもできる。データポート260および光学ドライブ270は、コントローラから、制御作動情報および関連する動き検出情報を受信する受信回路の一例であり、制御作動情報は、コントローラの少なくとも1つの制御の検出された作動を示し、関連する動き検出情報は、コントローラの検出された動きを示す。
【0021】
システムとのインタラクションは、通常、PS5(登録商標)の場合はDualSense (登録商標)コントローラなどの1つまたは複数のハンドヘルドコントローラ80を使用して提供される(
図1および
図2に図示)。
【0022】
エンタテインメント装置からのオーディオ/ビジュアル出力は、通常、1つ以上のA/Vポート290、または有線または無線データポート260の1つ以上を通じて提供される。エンタテインメントシステムによって出力される画像を表示するための装置の一例は、ユーザ296によって装着されるヘッドマウントディスプレイ「HMD」294である。
【0023】
コンポーネントが統合されていない場合、コンポーネントは専用のデータリンクまたはバス292を介して適宜接続することができる。
【0024】
図5は、本技術による、片手でハンドヘルドコントローラを制御する方法の例を示す。特に、
図5は、ハンドヘルドコントローラ80が、右ハンドル部81Rによって、ユーザの右手101Rに保持されている例を示す。上記で説明したように、右手で右ハンドル部81Rを把持しているユーザは、コントローラの右側102Rのコントロール(これらのコントロールは、ユーザの右手による作動のために配置された第2グループのコントロールの一例である)またはコントローラ80の中央領域102Cのコントロールのいずれかに到達できる可能性があるが、ユーザは、コントローラ80の左側102Lのコントロール(これらのコントロールは、ユーザの左手による作動のために配置された第2グループのコントロールの一例である)に到達できない可能性がある。
【0025】
本技術の実施例では、検出されたコントローラの動きは、エンタテインメント装置によって、ユーザのコントロールの作動(例えば操作)を解釈するために使用される。これにより、ユーザは、手の届く範囲にあるコントロール(例えば、
図5の例では、右および中央領域のコントロール)を作動させ、これをユーザの手の届かない範囲にあるコントロールの作動として解釈させることができる。
【0026】
特定の例では、ユーザは、コントローラの右側のコントロールの1つの検出された作動が、左側のコントロールの対応する1つが作動されたかのように解釈するべきであることを示すために、コントローラに特定のパターンの動きを適用することができる。この解釈は、コントロール再マッピング解釈の一例であり、 少なくとも1つのコントロールの作動が、 少なくとも1つの異なるコントロールの作動として解釈される。次に、ユーザは、コントローラの右側のコントロールの1つの検出された作動を通常と解釈する(例えば、右側のコントロールの作動をこれと同じ入力の作動として解釈する)べきであることを示すために、異なるパターンの動きを適用することができる(または、コントローラを静止させることができる)。
【0027】
コントローラ80は、3軸のいずれかに沿ったまたはその周りの運動-「X」軸、「Y」軸、および「Z」軸に沿った並進運動(左右、前後、上下)、およびこれらの同じ軸の周りの回転運動(たとえば、X軸の周りの回転(「ピッチ」)、Y軸の周りの回転(「ロール」)、およびZ軸の周りの回転(「ヨー」))を検出するように構成されてもよい。したがって、ユーザによって適用される動きのパターンは、これらの軸のいずれかに沿ったまたはこれらの軸のいずれかの周りの単独の運動またはその組み合わせを含んでもよい。X軸、Y軸、およびZ軸のいずれかに沿ったまたはその周りの動きは、検出される動きの一例であり、コントローラの向きの変化(たとえば軸のいずれかを中心とした回転)、およびコントローラの位置の変化(たとえば軸のいずれかに沿った移動)の少なくとも1つを含む。
【0028】
特定の例では、ユーザは、コントローラ80をピッチ軸を中心に回転させ、右側のコントロールのいずれかを作動させると、左側の対応するコントロールが作動したように解釈されるべきであることを示すことができる。対応するコントロールは、左側の任意の入力であってもよい。例えば、コントローラがX軸を中心に回転している間に、右ジョイスティック84R、右バンパ90R、または右トリガ92Rが作動した場合、これは、それぞれ左ジョイスティック84L、左バンパ90L、または左トリガ92Lが作動したと解釈されてもよい。同様に、右ボタングループ82Rのいずれかのボタンの作動は、左ボタングループ82Lの対応するボタンの作動と解釈されてもよい。例えば、対応するボタンは、右ボタングループ82R内のボタンの位置に対して左ボタングループ内の同じ位置にあるボタンであってもよい(例えば、右ボタングループ内の最も右のボタンは、左ボタングループ内の最も右のボタンとして解釈されてもよい)。これは、トランスポーズ解釈の一例であり、この場合、第2グループのコントロール内の相対的なコントロールの位置は、第1グループのコントロール内のコントロールの位置と実質的に一致する。別の例では、対応するボタンは、左ボタングループ内の反射位置にあるボタンであってもよい(例えば、右ボタングループ内の右端のボタンは、左ボタングループ内の左端のボタンとして解釈されてもよい)。これは、ミラー解釈の例であり、この場合、コントロールの第2グループのコントロール内の位置は、第1グループのコントロール内のコントロールの位置の鏡像と実質的に一致する。いくつかの実施例では、エンタテインメント装置は、ミラー解釈とトランスポーズ解釈の両方をサポートするように構成されてもよく、各解釈は、動き検出情報に依存して選択可能であることに留意されたい。
【0029】
ユーザが適用する正確な動きのパターンは特に限定されず、ユーザは、どの動きの1つまたは複数のパターンがどの解釈をトリガするかを決定するために、エンタテインメントシステムによって表示されるメニューにおいて何らかの制御値を設定することさえできることが理解されよう。さらに、
図5は、ユーザの右手にハンドヘルドコントローラ80を保持する例を示すが、本発明は、ユーザが左手にコントローラを保持する場合、または、ユーザが両手にコントローラ80を保持するが、他の何らかの理由(例えば、可動性の問題)によりコントロールの一部を作動させることができない場合にも同様に適用できることが理解されよう。
【0030】
図6は、ハンドヘルドコントローラ80内の回路の一部の例を示す。この回路には、コントローラ80上のいずれかのコントロールの作動を検出する制御作動検出器回路602と、コントローラ80の動きを検出する動き検出器604(ジャイロスコープであり得る)が含まれる。制御作動検出器回路602と動作検出器回路604は、それぞれインターフェース606に結合され、インターフェース606は伝送回路608にも結合される。伝送回路608は、動き検出回路604によって生成された動き検出情報、および制御作動検出回路602によって生成された制御作動情報を、エンタテインメント装置に送信するように構成される。伝送回路608は、適宜、USBポート、イーサネット(登録商標)ポート、WiFi(登録商標)ポート、ブルートゥース(登録商標)ポートなどの1つまたは複数のデータポート260および/または光学ドライブを含んでもよい。
【0031】
図7~
図11は、本技術に従って実行され得る方法の例を示す。これらの方法の各々は、例えば、汎用コンピュータであってもよいコンピュータまたは
図4のエンタテインメント装置によって実行されてもよい。これらの方法は、コントローラによって実行されるコンピュータプログラムの制御下でコンピュータによって実行されてもよく、例えば、コンピュータプログラム(これは、一過性または非一過性のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体などのコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶されてもよい)は、コンピュータ上で実行されると、コンピュータに
図7?
図11の方法のいずれかを実行させる命令を含んでいてもよい。
図7から
図11の方法のいずれかを組み合わせて実行してもよいことに留意されたい。
【0032】
図7は、コントローラから受信した制御作動情報の選択された解釈に依存して、第1動作モードにおけるゲーム状態の処理を更新する方法を示す。本方法は、コントローラから(例えば、上述したハンドヘルドコントローラ80から)、制御作動情報および関連する動き検出情報を受信すること702を含む。制御作動情報は、コントローラの1つまたは複数のコントロールの検出された作動を示し、関連する動き検出情報は、コントローラの検出された動きを示す。関連する動き検出情報は、例えば、制御作動情報の受信から所定の時間内に受信されることにより、制御作動情報と関連付けられてもよい。
【0033】
本方法はまた、ゲームのゲーム状態を処理すること704と、動き検出情報に依存して、複数の解釈の中から、制御作動情報の選択された解釈を選択すること706とを含む。一旦解釈が選択されると、ゲーム状態の処理が制御作動情報の選択された解釈に依存して更新される708。
【0034】
したがって、
図7の方法を適用することにより、コントローラから受信した動き検出情報に基づいて制御作動情報の解釈を調整することができ、これにより、ゲームのゲーム状態を制御するために使用するべきコントロールの数を少なくすることができ、ユーザに対するシステムのアクセシビリティが向上する。
【0035】
図8は、
図7の方法の特定の例を示す。特に、
図8は、制御作動情報の解釈を選択するステップ706が、コントローラから受信した動き検出情報が、コントローラの所定のパターンの動きが検出されたことを示すか否かを判定すること802を含む例を示す。例えば、図には示していないが、これは、コントローラの検出された動きを少なくとも1つの所定の閾値基準と比較することをオプションとして含んでもよい。所定のパターンの動きが検出されない場合(N)(例えば、少なくとも1つの所定の閾値基準が満たされない場合)、本方法は、コントローラの手動作動入力のいずれかの作動を通常と解釈する(例えば、それと同じ手動作動入力の作動として解釈する-例えば、ボタン「X」の作動は、ボタンXの作動として解釈する)こと804を含む。例えば、これは、検出された動きが少なくとも1つの所定の閾値基準を満たすと判定されない限り、制御作動情報の選択された解釈の選択を妨げるものであると考えられる。
【0036】
一方、所定のパターンの動きが検出された場合(Y)、本方法は、第1グループのコントロール(例えば、これは、コントローラの左側/右側のすべてのコントロール、またはコントローラ上のボタングループの1つにおけるすべてのコントロールを含んでもよい)における任意のコントロールの作動を、第2グループのコントロール(第1グループのコントロールとは異なるコントロールを含む)におけるコントロールの作動として解釈すること806を含む-例えば、第1グループのボタンにおける任意のボタン「Y」の作動は、第2グループのボタンにおける異なるボタン「Z」が作動されたかのように解釈されてもよい。
【0037】
このアプローチにより、所定のパターンの動きが検出されたときに、所定のグループのコントロール内の任意のコントロールの作動を、異なるグループのコントロールにマッピングすることができる。これにより、ユーザの手の届く範囲にこれらのコントロールがない場合であっても、第2グループのコントロールに関連付けられた機能に基づいてゲーム状態が更新されるようにユーザが制御できるようになり、アクセシビリティが向上する。
【0038】
図9は、動き検出情報に基づく入力作動要素の解釈を選択的にオン/オフに切り替えることができる方法の例を示す。この例では、所定のユーザ選択値(例えば、「デフォルト解釈」値)がユーザによって選択されたこと、および/または所定の条件(例えば、所定のゲーム内イベントなどの「デフォルト解釈」条件)がゲーム内で検出されたことが判定されること902がない限り、この方法は
図7と同様に進行する(第1動作モードで動作すると呼ばれる)(本技術では、これらのトリガの両方がサポートされることは可能であるが必須ではないことに留意されたい)。これが判定される場合(Y)、本方法は、任意の所与のコントロールの作動をそのコントロール自体の作動として解釈し、他の入力の作動として解釈しない「デフォルト」動作モードに切り替えること904を含む。したがって、デフォルト動作モードは、第2動作モードの一例であり、エンタテインメント装置またはコンピュータの処理回路が、関連する動き検出情報とは無関係に、制御作動情報のデフォルトの解釈に依存してゲーム状態の処理を更新するように構成される。
【0039】
次いで、本方法は、所定値が選択解除されたおよび/またはゲーム内条件がもはや存在しないと判定される906まで、デフォルトモードで動作し続けることを含み、そのように判定された時点で、本方法は、第1動作モードに戻ること908を含む。
【0040】
図10は、ローパスフィルタ(LPF)またはヒステリシスが動き検出情報に適用される方法の例である。これは、例えば、手の震えがあるユーザによるコントローラの使用をサポートするために特に有益である。
【0041】
図10の方法では、ローパスフィルタまたはヒステリシスを動き検出情報によって示される検出された動きに適用し1002、フィルタリングされ検出された動きを決定する。次に、フィルタリングされ検出された動きを所定の基準と比較し1004、その基準が満たされたかどうかを判定する1006。所定の基準は、任意の基準とすることができ、たとえば、コントローラの閾値回転量(たとえば、閾値度数)またはコントローラによってカバーされるべき閾値距離とすることができる。さらに、フィルタリングされ検出された運動を複数の所定の基準と比較してもよく、各基準は、入力された作動情報に異なる解釈を適用すべきことを示す。この場合、ステップ1006において、これらの基準の少なくとも1つが満たされたかどうかを判定する。
【0042】
(少なくとも1つの)所定の基準が満たされたと判定された場合(Y)、次に、入力された作動情報の解釈をフィルタリングされ検出された動きに基づいて選択する。一方、(少なくとも1つの)所定の基準が満たされていないと判定された場合(N)、本方法は、コントローラの手動作動入力の任意の作動を通常として(例えば、それと同じ手動作動入力の作動として)解釈すること804を含む。
【0043】
一旦解釈が選択される804、1008と、ゲーム状態の処理が更新される708。
【0044】
あるグループのコントロールの解釈方法を選択するためのトリガポイントとして使用される閾値においてヒステリシスを適用してもよい。たとえば、閾値は、コントローラが水平に対してある角度(θ)で保持された場合としてもよく、より水平に保持されたとき(θより下)、入力は通常と解釈されるが、より垂直に保持されたとき(θより上)、第1グループの入力は、本明細書の他の箇所に記載されているように、第2グループからの入力として解釈される。この場合、たとえば5度のヒステリシスを設定し、コントローラが角度θを横切って遷移したとき、コントローラがヒステリシス角度の5度まで遷移して角度θを横切って戻ったとしても、新しい解釈が維持されるようにしてもよい (逆も同様)。このことの利点は、例えば、ユーザが快適に使用できるように角度θを設定できることであり、遷移に必要な動きが潜在的に比較的小さいが、ヒステリシスがあるため、あまり正確である必要がなく、あるいは、必ずしも長い間その位置を維持する必要がなく、小さな動きで遷移をトリガすることができることである。このアプローチは回転だけでなく位置の変化にも適用できることが理解されよう。
【0045】
図11は、制御作動情報に適用される解釈を特定の(ロックされた)解釈にロックすることができる例示的な方法を示す。この方法では、関連する動き検出情報に基づいて、ロックパターンの動きが検出されたかどうかを決定する1102。例えば、ロックパターンの動きは、所定の期間内に2回実行される所定のパターンの動き(例えば、制御作動情報の特定の解釈をトリガするパターンの動き)であり得る。しかしながら、任意の他のパターンの動きが、ロックパターンの動きとして使用され得ることが理解されよう。
【0046】
ロックパターンの動きが検出された場合(Y)、本方法は、コントローラから受信された任意のさらなる制御作動情報の解釈を、以前に選択された解釈にロックすること1104を含む。以前に選択された解釈は、ロックされた解釈の一例であり、ロックされた動作モードに入る前に受信された以前の動き検出情報に依存して選択された解釈を含む。
【0047】
例えば、ロックパターンの動作が2回実行される所定のパターンの動作である場合、以前に選択された解釈は、所定のパターンの動作に対応するいずれかの解釈であってもよく、これは、後続の受信された制御作動情報と共に受信された任意の動作検出情報とは無関係に、後続の受信された制御作動情報に適用されてもよい。
【0048】
ステップ1102および1104は、エンタテインメント装置またはコンピュータの処理回路が、コントローラのロックパターンの動きが検出されたことを示す関連する動き検出情報に応答して、ロックされた動作モードで動作を開始し、ロックされた動作モードにある間に受信回路によって受信されたさらなる制御作動情報に応答して、さらなる制御作動情報に関連付けられて受信されたさらなる動き検出情報とは無関係に、さらなる制御作動情報のロックされた解釈に依存してゲーム状態の処理を更新する例である。
【0049】
選択された解釈は、その後、ロック解除パターンの動きが検出されたと決定される1106まで、ロックされたままである。このロック解除パターンの動きが検出されると(Y)、この方法は、第1の(例えばロック解除された)動作モードに戻ること908を含む。
【0050】
本技術のエンタテインメント装置および方法は、例えば、エンタテインメント装置に対して、そのコントロールの作動が異なるコントロールが作動されたかのように解釈されるべきであることを示すパターンの動きを適用しながら、手が届くコントロールを作動させることを可能にすることによって、コントローラ上のすべてのコントロールにアクセスできないユーザによるハンドヘルドコントローラの使用を可能にする。
【0051】
特定の例を挙げると、純粋に説明のために、右手でしかコントローラを持つことができないユーザは、コントローラを逆さまにして(例えば、X、Y、およびZ軸のうちの1つを中心にコントローラを約180度回転させて)、例えば、右ジョイスティックの作動が、実際には左ジョイスティックが作動しているかのように解釈されるべきであることを示すことができる。これにより、左ジョイスティックに関連する機能(ユーザが届かない可能性がある)をユーザが使用できるようになる。例えば、ゲームによっては、左のジョイスティックでゲーム内のアバターの動きを制御し、右のジョイスティックでカメラのアングル(例えば、アバターの環境を見渡せるようにする)を制御する。この構成例では、ユーザは、右ジョイスティックを操作して周囲を見渡すときはコントローラを上向きに持ち、右ジョイスティックを操作して移動するときはコントローラを下向きに持つことができる。
【0052】
もちろん、これは、本技術がどのように実施されるかの具体的な一例に過ぎないことが理解されよう。上述したことに加えて、またはその代わりに、コントローラの任意のコントロールの他の任意の解釈を適用することができ、動きのパターンはどのような動きのパターンであってもよい。
【0053】
本明細書の方法および技術は、検出された動きおよび動きのパターンに言及していることが理解されよう。検出された動きとして、例えば、コントローラを動きのパターンとして円形に動かすこと、逆さまにすること、または少なくとも20cmだけ右に水平に動かすことに関連する場合があるが、より一般的には、検出された動きは、何らかのトリガ基準を通じて遷移するコントローラの物理的な位置および/または向きの変化を示す。例えば、閾値角度を超えて1つまたは複数の軸の角度を変更する、閾値変位を超えて1つまたは複数の軸に沿って位置を変更する、または閾値範囲および/または閾値精度で経路(円など)を描くことである。
【0054】
本明細書に記載される方法および技術は、ソフトウェア命令によって、または専用ハードウェアの包含もしくは置換によって、適用可能なように適切に適合された従来のハードウェア(エンタテインメント装置200など)上で実施されてもよいことが理解されるであろう。
【0055】
従って、従来の同等デバイスの既存の部分への必要な適合は、フロッピーディスク、光ディスク、ハードディスク、ソリッドステートディスク、ROM、PROM、RAM、フラッシュメモリ、またはこれらの任意の組み合わせもしくは他の記憶媒体などの非一過性の機械可読媒体上に記憶されたプロセッサ実装可能命令を含むコンピュータプログラム製品の形態で実装されてもよく、またはASIC(特定用途向け集積回路)もしくはFPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)もしくは従来の同等デバイスの適合に使用するのに適した他の構成可能回路としてハードウェアで実現されてもよい。これとは別に、このようなコンピュータプログラムは、イーサネット、無線ネットワーク、インターネット、またはこれらの組み合わせや他のネットワークのようなネットワーク上のデータ信号を介して伝送してもよい。
【0056】
例えば、本明細書で説明する方法および技法は、エンタテインメント装置のオペレーティングシステム(またはそのヘルパーアプリ)によって実施されてもよく、このオペレーティングシステムは、解釈された入力をゲームまたは他のアプリケーションに提示し、このゲームまたは他のアプリケーションが、それ自体の特定の適応なしに透過的に動作できるようにすることができる。オプションとして、特定のゲームまたはアプリケーション自体が、システムレベルでサポートされていない場合に、本明細書で説明する方法および技術を実装することができる。
【0057】
本明細書で説明するアプローチの特定の利点は、コントロールの解釈の変更が、コントローラの検出された動きによって開始されることである。これは、コントローラのボタンをこの機能に割り当てる必要がないことを意味する。通常、ゲームは、コントローラの使用可能なすべてのボタンを使用するため、新しい機能を1つに割り当てるのは簡単ではない(特に、機能が既に固定されているレガシーゲームの場合にそうである)。これは、すでにボタンへの物理的なアクセスが制限されているユーザの場合に悪化する。一方、モーションコントロール入力は使用される頻度が低いか、またはそれほど重要でない機能に使用され、使用される場合であっても、一般的に、現在のゲームまたはアプリケーションによって必要とされないか、または使用されない、本技術の目的のためのトリガーモーションを識別し、選択することが可能であり、本技術によって、このやり方で制御されるゲームおよびアプリケーションと透過的に共存することが可能になる。また、このような動きは、通常、指ではなく、ユーザの手首や腕によって引き起こされることが理解されよう。したがって、関節炎などによる指の可動性に問題があるユーザにとっては、このような動きの方が簡単かもしれない。
【外国語明細書】