(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024148267
(43)【公開日】2024-10-18
(54)【発明の名称】照明装置及び照明器具
(51)【国際特許分類】
H05B 47/155 20200101AFI20241010BHJP
F21V 3/00 20150101ALI20241010BHJP
F21V 23/04 20060101ALI20241010BHJP
F21K 9/66 20160101ALI20241010BHJP
F21S 2/00 20160101ALI20241010BHJP
F21V 19/00 20060101ALI20241010BHJP
H05B 45/10 20200101ALI20241010BHJP
H05B 47/105 20200101ALI20241010BHJP
H05B 45/37 20200101ALI20241010BHJP
【FI】
H05B47/155
F21V3/00 510
F21V3/00 320
F21V23/04 100
F21K9/66
F21S2/00 355
F21V19/00 510
H05B45/10
H05B47/105
H05B45/37
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023061264
(22)【出願日】2023-04-05
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】金澤 有岐也
(72)【発明者】
【氏名】打保 篤志
【テーマコード(参考)】
3K013
3K014
3K273
【Fターム(参考)】
3K013AA02
3K013BA01
3K014AA01
3K014GA00
3K273PA10
3K273QA16
3K273RA04
3K273TA03
3K273TA05
3K273TA08
3K273TA15
3K273TA21
3K273TA22
3K273TA26
3K273TA34
3K273TA39
3K273TA40
3K273TA54
3K273TA62
3K273UA18
3K273UA22
3K273VA10
(57)【要約】
【課題】簡単な構成で照明光の配光角を変更することができる照明装置等を提供する。
【解決手段】照明光を照射する照明装置の一例であるLEDランプ1であって、集光光となる第1光を発する第1発光部10と、その集光光よりも配光角が大きい拡散光となる第2光を発する第2発光部20と、第1発光部10及び第2発光部20に供給する電流量を制御する制御部50と、を備え、制御部50は、第1発光部10に供給する電流量を減らしながら第2発光部20に供給する電流量を増やすことでLEDランプ1の照明光の配光角が大きくなるように制御し、第2発光部20に供給する量を減らしながら第1発光部10に供給する電流量を増やすことでLEDランプ1の照明光の配光角が小さくなるように制御する。
【選択図】
図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
照明光を照射する照明装置であって、
集光光となる第1光を発する第1発光部と、
前記集光光よりも配光角が大きい拡散光となる第2光を発する第2発光部と、
前記第1発光部及び前記第2発光部に供給する電流量を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記第1発光部に供給する電流量を減らしながら前記第2発光部に供給する電流量を増やすことで前記照明光の配光角が大きくなるように制御し、
前記第2発光部に供給する量を減らしながら前記第1発光部に供給する電流量を増やすことで前記照明光の配光角が小さくなるように制御する、
照明装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記第1発光部及び前記第2発光部に供給する電流の比率を段階的に制御する、
請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記照明光の配光角が最も小さくなるように制御する際に、前記第2発光部には電流を供給しない、
請求項1又は2に記載の照明装置。
【請求項4】
前記第2発光部は、前記第1発光部を囲むように設けられている、
請求項1又は2記載の照明装置。
【請求項5】
前記制御部は、外部からの照明制御信号に基づいて、前記第1発光部及び前記第2発光部に供給する電流量を制御する、
請求項1に記載の照明装置。
【請求項6】
前記外部からの照明制御信号は、ロータリスイッチからの信号に基づくものである、
請求項5に記載の照明装置。
【請求項7】
前記外部からの照明制御信号は、位相制御された交流信号である調光信号であり、
前記制御部は、前記交流信号の位相角に応じて、前記第1発光部及び前記第2発光部に供給する電流量を制御する、
請求項5又は6に記載の照明装置。
【請求項8】
前記制御部により前記第1発光部に供給する電流量と前記第2発光部に供給する電流量とが制御されることで、前記照明光の配光角は、30°~100°の範囲で変化する、
請求項1又は2に記載の照明装置。
【請求項9】
前記第1光が透過する第1透光部を有し、
前記第1透光部は、前記第1光を集光する集光作用を有し、
前記第1光は、前記第1透光部を透過することで、前記集光光となる、
請求項1又は2に記載の照明装置。
【請求項10】
前記第2光が透過する第2透光部を有し、
前記第2透光部は、前記第2光を拡散する拡散作用を有し、
前記第2光は、前記第2透光部を透過することで、前記拡散光となる、
請求項1又は2に記載の照明装置。
【請求項11】
さらに、前記第1発光部と前記第2発光部とを覆い、前記第1光が透過する第1透光部と前記第2光が透過する第2透光部とを有する光学部材を備え、
前記第1透光部は、前記第1光を集光する機能を有し、
前記第2透光部は、前記第2光を拡散する機能を有し、
前記第1光は、前記第1透光部を透過することで、前記集光光となり、
前記第2光は、前記第2透光部を透過することで、前記拡散光となる、
請求項1又は2に記載の照明装置。
【請求項12】
前記第1発光部は、基板と、前記基板に実装されたLEDチップと、前記LEDチップを封止する封止部材とを有する、
請求項1又は2に記載の照明装置。
【請求項13】
前記第2発光部は、基板と、前記基板に配置された複数のLEDパッケージとを有する、
請求項1又は2に記載の照明装置。
【請求項14】
さらに、前記第1発光部が配置される第1領域と前記第2発光部が配置される第2領域とを含む配置面を有する基台を備え、
前記第1領域は、円形の領域であり、前記第2領域は、前記第1領域を囲む円環状の領域であり、
前記第1領域の外形を構成する円の半径は、前記第2領域の幅よりも小さい、
請求項1又は2に記載の照明装置。
【請求項15】
前記照明装置は、口金を有するランプである、
請求項1又は2に記載の照明装置。
【請求項16】
請求項15に記載の照明装置と、
前記照明装置が着脱可能に取り付けられた器具本体と、を備える、
照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明装置及び照明器具に関し、特に、発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)を用いたLEDランプの一例である照明装置及びこの照明装置を備えた照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
LED等の固体発光素子は、小型、高効率及び長寿命であることから、様々な製品の光源として利用されている。例えば、LEDを用いたLED照明が実用化されている。
【0003】
LED照明としては、照明器具の器具本体に着脱可能に装着される口金付きのLEDランプ、及び、シーリングライト、ダウンライト又はスポットライト等の照明器具等が知られている。
【0004】
このようなLED照明として、従来、照明光の配光を変更することができる照明装置が提案されている(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の照明装置では、高価な光学系部品又は遮光板等を組み合わせることで照明光の配光を変更しているので、コストが高くなったり、サイズが大型化したり、効率ロスが発生したり、設計自由度が低くなってしまったりする。また、従来の照明装置では、照明光の配光を変更する際に、光学系部品又は遮光板等を調節する操作が必要になっている。このように、従来の照明装置では、簡単な構成で照明光の配光を変更することが難しい。
【0007】
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、簡単な構成で照明光の配光角を変更することができる照明装置及び照明器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明に係る照明装置の一態様は、照明光を照射する照明装置であって、集光光となる第1光を発する第1発光部と、前記集光光よりも配光角が大きい拡散光となる第2光を発する第2発光部と、前記第1発光部及び前記第2発光部に供給する電流量を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記第1発光部に供給する電流量を減らしながら前記第2発光部に供給する電流量を増やすことで前記照明光の配光角が大きくなるように制御し、前記第2発光部に供給する量を減らしながら前記第1発光部に供給する電流量を増やすことで前記照明光の配光角が小さくなるように制御する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、簡単な構成で照明光の配光角を変更することができる照明装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1A】実施の形態に係るLEDランプを斜め上方から見たときの斜視図である。
【
図1B】実施の形態に係るLEDランプを斜め下方から見たときの斜視図である。
【
図2】実施の形態に係るLEDランプの構成を示すブロック図である。
【
図3】実施の形態に係るLEDランプの分解斜視図である。
【
図4】実施の形態に係るLEDランプの上面図である。
【
図5】
図4のV-V線における実施の形態に係るLEDランプの断面図である。
【
図6】
図4のVI-VI線における実施の形態に係るLEDランプの断面図である。
【
図7】実施の形態に係るLEDランプにおける光学部材を内面側から見たときの斜視図である。
【
図8】実施の形態に係るLEDランプにおける光学部材を外面側から見たときの斜視図である。
【
図9】実施の形態に係るLEDランプの発光態様を制御するための壁スイッチを示す図である。
【
図10】実施の形態に係るLEDランプを調光制御する際の調光信号の位相角とLEDランプから照射される照明光の色温度との関係を示す図である。
【
図11】実施の形態に係るLEDランプの照明光の色温度の変化に伴うLEDランプの照明光の配光角の変化を示す図である。
【
図12】第3モードと第4モードとのモード間におけるLEDランプの照明光の配光角を示す図である。
【
図13】実施の形態に係るLEDランプを調光制御する際の調光信号の位相角とLEDランプから照射される照明光の明るさ比率との関係を示す図である。
【
図14】変形例に係るLEDランプの分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本発明の一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される、数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態等は、一例であって本発明を限定する主旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本開示の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0012】
なお、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化する。また、本明細書において、「上」及び「下」という用語は、必ずしも、絶対的な空間認識における上方向(鉛直上方)及び下方向(鉛直下方)を指すものではない。
【0013】
(実施の形態)
まず、実施の形態に係るLEDランプ1の全体構成について、
図1A及び
図1Bを用いて説明する。
図1Aは、実施の形態に係るLEDランプ1を斜め上方から見たときの斜視図であり、
図1Bは、同LEDランプ1を斜め下方から見たときの斜視図である。
【0014】
LEDランプ1は、照明装置の一例であり、照明光を照射する。
図1A及び
図1Bに示すように、LEDランプ1は、薄形のフラットランプである。具体的には、LEDランプ1は、全体形状が扁平状で円柱状の扁平形(円盤状)の照明用光源である。一例として、LEDランプ1の外形サイズは、φ70mmであるが、これに限らない。
【0015】
また、LEDランプ1は、ソケットに取り付けられる交換形のランプであり、ソケットに着脱可能に取り付けられる。LEDランプ1は、ソケットに取り付けられることで、ソケットを介して供給される電力によって点灯する。ソケットは、天井、壁及び床等の造営材に設置された器具本体又はブラケットに取り付けられたり、造営材に直接設置されたりしている。LEDランプ1がソケットに装着されることで、ダウンライト、スポットライト、又はシーリングライト等の照明器具が構成される。このような照明器具は、例えば、LEDランプ1と、LEDランプ1が着脱可能に取り付けられた器具本体とを備える。
【0016】
本実施の形態において、LEDランプ1は、ソケットに取り付けられる口金を有している。具体的には、LEDランプ1は、GX53ソケットに着脱自在に取り付けられるGX53口金を有する。なお、LEDランプ1の口金は、GX53口金に限るものではなく、GH76p口金等の他の口金を有していてもよい。また、LEDランプ1は、口金を有していない照明装置であってもよい。
【0017】
次に、本実施の形態に係るLEDランプ1の具体的な構成について、
図2~
図6を用いて説明する。
図2は、実施の形態に係るLEDランプ1の構成を示すブロック図である。
図3は、同LEDランプ1の分解斜視図である。
図4は、同LEDランプ1の上面図である。
図4において、(a)は、光学部材40を装着した状態の上面図であり、(b)は、光学部材40を外した状態の上面図である。
図5は、
図4のV-V線における断面図であり、
図6は、
図4のVI-VI線における断面図である。なお、
図3、
図5及び
図6では、制御部50については、回路基板51のみが図示されている。また、
図6では、挿通孔61aに挿通されている一対の電力線131及び一対の電力線132は省略されている。
【0018】
図2に示すように、LEDランプ1は、第1発光部10と、第2発光部20と、制御部50とを備える。本実施の形態において、
図3~
図6に示すように、LEDランプ1は、さらに、基台30と、光学部材40と、絶縁カバー60と、第1ホルダ70と、第2ホルダ80と、ヒートシンク90と、筐体100と、ピン110とを備える。
【0019】
本実施の形態では、光学部材40及び筐体100が外郭部材である。したがって、光学部材40と筐体100とによって外郭筐体が構成されており、この外郭筐体の中に第1発光部10及び第2発光部20等の上記の各種部材が収納されている。
【0020】
第1発光部10及び第2発光部20の各々は、光を発する光源部である。具体的には、第1発光部10及び第2発光部20の各々は、所定の色の光を出射する発光モジュールであり、例えば照明光として白色光を出射する。本実施の形態において、第1発光部10及び第2発光部20の各々は、複数の光源として複数のLEDを有するLEDモジュールである。第1発光部10及び第2発光部20から出射した光は、光学部材40を透過してLEDランプ1の照明光としてLEDランプ1の外部に照射される。
【0021】
図2に示すように、第1発光部10は、第1光L1を発する。本実施の形態において、第1発光部10は、第1光L1として白色光を照射する。本実施の形態において、第1発光部10は、COB(Chip On Board)タイプのLEDモジュールであり、
図3~
図6に示すように、基板11と、基板11に配置されたLEDチップを有するLED発光部12とを有する。LED発光部12から出射する光が、第1発光部10が発する第1光L1となる。
【0022】
基板11は、LED発光部12に含まれるLEDチップを実装するための実装基板である。基板11を構成する基材としては、セラミック基板、樹脂基板、又は、メタルベース基板等が用いられる。本実施の形態において、基板11の平面視形状は、略矩形である。具体的には、基板11の平面視形状は、正方形の一部(角等)が切り欠かれた形状になっている。なお、基板11の平面視形状は、正方形又は長方形の矩形に限るものではなく、円形等であってもよい。
【0023】
基板11には、LED発光部12に含まれるLEDチップを発光させるための直流電力を外部から受電するための一対の端子11a(
図4参照)と、一対の端子11aに接続されるとともにLED同士を電気的に接続するための所定のパターンの金属配線とが形成されている。なお、基板11の表面には、金属配線を保護するとともに絶縁耐圧を確保するために、金属配線を覆うように絶縁性樹脂材料からなるレジストが形成されていてもよい。
【0024】
本実施の形態において、一対の端子11aは、基板11の表面に形成された電極である。一対の端子11aは、一対の電力線131を介して制御部50と電気的に接続されている。なお、一対の端子11aは、電極ではなく、コネクタ端子であってもよい。
【0025】
LED発光部12は、基板11に実装されたLEDチップと、LEDチップを封止する封止部材とを有する。本実施の形態において、基板11には複数のLEDチップが実装されている。したがって、封止部材は、複数のLEDチップを封止している。
【0026】
第1発光部10において、LED発光部12のLEDチップは、単色の可視光を発するベアチップである。LEDは、例えば、通電されれば青色光を発する青色LEDチップである。LEDチップは、例えば基板11にマトリクス状に複数個配置されている。なお、LEDチップは、少なくとも1つ配置されていればよい。
【0027】
LED発光部12の封止部材は、シリコーン樹脂等の透光性の絶縁性樹脂材料によって構成されている。本実施の形態における封止部材は、LEDチップからの光を波長変換する波長変換材として蛍光体を含んでいる。封止部材は、例えば、シリコーン樹脂に蛍光体を分散させた蛍光体含有樹脂である。つまり、封止部材は、透光性樹脂に蛍光体が含有された蛍光体含有樹脂であり、LEDチップからの光を所定の波長に波長変換(色変換)する。
【0028】
封止部材に含有させる蛍光体としては、LEDチップが青色光を発光する青色LEDチップである場合、白色光を得るために、例えばYAG系の黄色蛍光体を用いることができる。この場合、黄色蛍光体が、青色LEDチップが発した青色光の一部を吸収して励起されて黄色光を放出する。そして、この黄色光と黄色蛍光体に吸収されなかった青色光とが混ざって白色光(第1光L1)となってLED発光部12から出射する。なお、封止部材には、シリカ等の光拡散材及びフィラー等が分散されていてもよい。
【0029】
図3及び
図4に示すように、本実施の形態において、LED発光部12の封止部材は、全てのLEDチップを一括封止するように平面視形状が円形となるように形成されている。封止部材の外形は、LED発光部12の外形を規定する。この場合、基板11にリング状の凸部(ダム)を形成することで、液状の封止部材を基板11に塗布したときに液状の封止部材が凸部でせき止められるように構成されていてもよい。
【0030】
なお、封止部材は、円形以外の形状(例えば矩形状)となるようにLEDチップを一括封止してもよい。また、封止部材は、全てのLEDチップを一括封止するのではなく、複数のLEDチップを列ごとにライン状に封止してもよいし、各LEDチップを1つずつ個別に封止してもよい。
【0031】
図2に示すように、第2発光部20は、第2光L2を発する。本実施の形態において、第2発光部20は、第2光L2として白色光を照射する。第2発光部20が第2光L2として発する白色光の色温度は、異なっている。この場合、第1発光部10が発する白色光(第1光L1)の色温度を第2発光部20が発する白色光(第2光L2)の色温度よりも高くしてもよいし、第2発光部20が発する白色光の色温度を第1発光部10が発する白色光の色温度よりも高くしてもよい。本実施の形態では、第1発光部10が発する白色光の色温度を第2発光部20が発する白色光の色温度よりも低くしている。一例として、第1発光部10が発する第1光L1の色温度は、電球色の2700Kであり、第2発光部20が発する第2光L2の色温度は、昼白色の6200Kである。
【0032】
第2発光部20は、SMD(Surface Mount Device)タイプのLEDモジュールであり、
図3~
図6に示すように、基板21と、LEDとして基板21に配置された複数のLEDパッケージ22とを有する。複数のLEDパッケージ22から出射する光の合成光が、第2発光部20が発する第2光L2となる。
【0033】
基板21は、LEDパッケージ22を実装するための実装基板である。基板11を構成する基材としては、セラミック基板、樹脂基板、又は、メタルベース基板等が用いられる。本実施の形態において、基板21の平面視形状は、環状である。具体的には、基板21の平面視形状は、円環状である。なお、基板21の平面視形状は、円環状に限るものではなく、矩形環状等であってもよい。また、基板21は、複数に分割されていてもよい。
【0034】
基板21には、LEDパッケージ22を発光させるための直流電力を外部から受電するための一対の端子21a(
図3、
図4参照)と、一対の端子21aに接続されるとともにLEDパッケージ22同士を電気的に接続するための所定のパターンの金属配線とが形成されている。なお、基板21の表面には、金属配線を保護するとともに絶縁耐圧を確保するために、金属配線を覆うように絶縁性樹脂材料からなるレジストが形成されていてもよい。
【0035】
本実施の形態において、一対の端子21aは、コネクタ端子である。一対の端子21aは、一対の電力線132を介して制御部50と電気的に接続されている。例えば、一対の端子21aの各々に一対の電力線132の各々が差し込まれることで、一対の端子21aの各々と一対の電力線132の各々とが電気的及び機械的に接続される。なお、一対の端子21aは、コネクタ端子ではなく、基板11の表面に形成された電極であってもよい。
【0036】
複数のLEDパッケージ22の各々は、白色光を出射する白色LED光源である。具体的には、各LEDパッケージ22は、LEDチップがパッケージ化された表面実装(SMD)型のLED光源であり、容器(パッケージ)と、容器内に実装されたLEDチップと、LEDチップを封止する封止部材とを有する。
【0037】
LEDパッケージ22のLEDチップは、所定の直流電力により発光する半導体発光素子の一例であって、単色の可視光を発するベアチップである。LEDチップは、例えば、通電されると青色光を発する青色LEDチップである。なお、LEDパッケージ22に搭載されるLEDチップは、1つではなく、複数であってもよい。この場合、LEDパッケージ22に搭載される複数のLEDチップは、青色光を発する青色LEDチップ、赤色光を発する赤色LEDチップ及び緑色光を発する緑色LEDチップの中から選ばれる2つのLEDチップとすることができる。また、LEDパッケージ22に搭載される複数のLEDチップを青色LEDチップと赤色LEDチップと緑色LEDチップとの3つとし、LEDパッケージ22をRGB白色光源としてもよい。
【0038】
LEDパッケージ22の封止部材は、シリコーン樹脂等の透光性の絶縁性樹脂材料によって構成されている。本実施の形態における封止部材は、LEDチップからの光の波長を変換する波長変換材として蛍光体を含んでいる。つまり、封止部材は、透光性樹脂に蛍光体が含有された蛍光体含有樹脂であり、LEDチップからの光を所定の波長に波長変換(色変換)する。封止部材は、容器の凹部に充填されている。
【0039】
封止部材に含有させる蛍光体としては、LEDチップが青色光を発光する1つの青色LEDチップである場合、白色光を得るために、例えばYAG系の黄色蛍光体を用いることができる。この場合、黄色蛍光体が、青色LEDチップが発した青色光の一部を吸収して励起されて黄色光を放出する。そして、この黄色光と黄色蛍光体に吸収されなかった青色光とが混ざって白色光となってLEDパッケージ22から出射する。なお、封止部材には、シリカ等の光拡散材及びフィラー等が分散されていてもよい。また、封止部材には、蛍光体が含有されていなくてもよい。例えば、LEDパッケージ22に青色LEDチップと赤色LEDチップと緑色LEDチップとの3つのLEDチップが搭載されている場合、封止部材には蛍光体が含有されていなくてもよい。
【0040】
図4に示すように、複数のLEDパッケージ22は、円環状の基板21に、円環状に配列されている。本実施の形態において、複数のLEDパッケージ22は、2列で円環状に配列されている。一例として、LEDランプ1の外形サイズがφ70mmである場合、2列のうちの外側に位置するLEDパッケージ22は、φ51mmの円に沿って配置されており、2列のうちの内側に位置するLEDパッケージ22は、φ42.5mmの円に沿って配置されている。
【0041】
図4~
図6に示すように、第2発光部20は、第1発光部10の外側に位置している。つまり、第1発光部10は、第2発光部20の内側に位置している。本実施の形態において、第2発光部20は、第1発光部10を囲むように設けられている。具体的には、第2発光部20の円環状の基板21が第1発光部10の略矩形の基板11の外側に位置しており、平面視において、基板21が基板11の全周を囲っている。つまり、第1発光部10の略矩形の基板11が第2発光部20の円環状の基板21に囲まれている。
【0042】
図5及び
図6に示すように、第1発光部10及び第2発光部20は、基台30に配置されて基台30に支持されている。基台30は、第1発光部10及び第2発光部20を支持する支持台である。本実施の形態において、基台30は、各々がLEDモジュールである第1発光部10及び第2発光部20を支持するモジュールプレートである。
【0043】
基台30は、第1発光部10及び第2発光部20が配置される面である第1面31と、第1面31に背向する第2面32とを有する。基台30の第1面31は、光学部材40側の面であり、基台30の第2面32は、制御部50側の面である。第1面31及び第2面32は、フラットな平面であるが、これに限らない。
【0044】
第1面31は、第1発光部10が配置される第1領域31aと、第2発光部20が配置される第2領域31bとを含む配置面である。具体的には、第1領域31aには、第1発光部10の基板11(第1基板)が配置され、第2領域31bには、第2発光部20の基板21(第2基板)が配置される。つまり、第1面31は、基板配置面である。本実施の形態において、第1発光部10の基板11及び第2発光部20の基板21は、第1面31に接触するようにして第1面31に載置される。基台30の第1面31と、第1発光部10の基板11及び第2発光部20の基板21との間に、熱伝導シート等が挿入されていてもよい。
【0045】
第2領域31bは、第1領域31aの外側に位置している。具体的には、第2領域31bは、第1領域31aの全周を囲っている。上面視において、第1領域31aは、円形の領域であり、第2領域31bは、第1領域31aを囲む円環状の領域である。第1領域31aの外形を構成する円と第2領域31bの外形を構成する円とは、同心である。本実施の形態において、第1領域31aの外形を構成する円の半径は、円環状の第2領域31bの幅(径方向の長さ)よりも小さい。つまり、第2領域31bの幅は、第1領域31aの半径よりも大きい。なお、第1領域31aの外形を構成する円の中心は、LEDランプ1の中心である。
【0046】
基台30は、第1発光部10及び第2発光部20で発生する熱を放熱するヒートシンクとしても機能する。したがって、基台30は、アルミニウム等の金属材料又は熱伝導率の高い樹脂材料によって構成されているとよい。本実施の形態において、基台30は、金属製であり、例えばアルミニウムによって構成された金属板である。
【0047】
基台30に配置された第1発光部10及び第2発光部20は、基台30に固定されている。
【0048】
図4~
図6に示すように、第1発光部10は、ネジ121によって基台30に固定されている。ネジ121は、第1発光部10を基台30に固定するための固定部材の一例である。本実施の形態において、第1発光部10は、ネジ121だけではく、第1ホルダ70を用いて基台30に固定されている。具体的には、第1発光部10は、第1ホルダ70によって基板11が基台30に押さえ付けられた状態で基台30に固定されている。この場合、第1ホルダ70の一部と基台30との間に第1発光部10の基板11を挟み込んだ状態で第1ホルダ70のネジ穴71(
図3、
図5参照)にネジ121を挿通して、ネジ121を基台30のネジ穴33aにねじ込むことで第1ホルダ70と基板11と基台30とをネジ121で共締めする。これにより、第1発光部10を基台30に固定することができる。なお、
図3及び
図4に示すように、ネジ121は、3本用いているが、これに限らない。また、
図4に示すように、3本のネジ121は、基台30の第1面31における第1領域31aの周縁部に設けられているとよい。
【0049】
第1ホルダ70は、第1発光部10を保持する光源ホルダである。第1ホルダ70は、ポリブチレンテレフタレート(PBT;Polybutylene terephthalate)等の絶縁樹脂材料によって構成されている。
【0050】
図4及び
図6に示すように、第2発光部20は、ネジ122によって基台30に固定されている。ネジ122は、第2発光部20を基台30に固定するための固定部材の一例である。本実施の形態において、第2発光部20は、ネジ122のみによって基台30に直接固定されている。具体的には、第2発光部20の基板21に形成されたネジ穴21b(
図3、
図6参照)にネジ122を挿通して、ネジ122を基台30のネジ穴33bにねじ込むことで、第2発光部20を基台30に固定することができる。なお、
図3及び
図4に示すように、ネジ122は、3本用いているが、これに限らない。また、3本のネジ122は、基台30の第1面31における第2領域31bの周縁部に設けられているとよい。この場合、基板21のネジ穴21bは、基板21の外周端部に形成されている。
【0051】
第1発光部10及び第2発光部20は、制御部50から供給される電力によって発光する。具体的には、第1発光部10及び第2発光部20には、制御部50から電流が供給される。制御部50による第1発光部10及び第2発光部20の具体的な電流制御については、後述する。
【0052】
第1発光部10と制御部50とは、
図3及び
図4に示される一対の電力線131(第1電力線)によって電気的に接続されている。具体的には、第1発光部10における基板11の一対の端子11aと制御部50とが一対の電力線131によって連結されている。この場合、一対の端子11aの一方には、一対の電力線131の一方の端部が接続され、一対の端子11aの他方には、一対の電力線131の他方の端部が接続される。
【0053】
また、第2発光部20と制御部50とは、
図3及び
図4に示される一対の電力線132(第2電力線)によって電気的に接続されている。具体的には、第2発光部20における基板21の一対の端子21aと制御部50とが一対の電力線132によって連結されている。この場合、一対の端子21aの一方には、一対の電力線132の一方の端部が接続され、一対の端子21aの他方には、一対の電力線132の他方の端部が接続される。
【0054】
一対の電力線131及び一対の電力線132は、第1発光部10及び第2発光部20に電力を供給するための給電線である。本実施の形態では、第1発光部10及び第2発光部20には、制御部50から直流電力が給電される。したがって、一対の電力線131の一方は、高電位側の給電線であり、一対の電力線131の他方は、低電位側の給電線である。同様に、一対の電力線132の一方は、高電位側の給電線であり、一対の電力線132の他方は、低電位側の給電線である。一対の電力線131及び一対の電力線132は、例えば、合金銅等の導電材料からなる芯線と当該芯線を被覆する絶縁性の樹脂被膜とによって構成されたリード線である。
【0055】
図5及び
図6に示すように、第1発光部10及び第2発光部20と制御部50との間には基台30が存在する。したがって、基台30には、一対の電力線131及び一対の電力線132が挿通される貫通孔34が設けられている。貫通孔34は、基台30の第1面31の第1領域31aに設けられている。
【0056】
制御部50から第1発光部10及び第2発光部20に直流電力が供給されることで、第1発光部10及び第2発光部20から光が出射する。第1発光部10及び第2発光部20から出射した光は、光学部材40に入射する。光学部材40は、透光性材料によって構成されており、光学部材40に入射した第1発光部10及び第2発光部20の光は、光学部材40を透過して光学部材40の外部に出射する。
【0057】
図5及び
図6に示すように、光学部材40は、第1発光部10と第2発光部20とを覆う透光カバーである。光学部材40は、筐体100の開口部101の開口端部に取り付けられる。この場合、光学部材40及び筐体100の開口端部に係止爪及び係止穴等の係止構造を設けることで、光学部材40を筐体100に嵌め込むことで光学部材40を筐体100に固定してもよいし、光学部材40及び筐体100の開口端部の各々にねじ溝を形成することで、光学部材40を回転させて光学部材40を筐体100に固定してもよい。
【0058】
図2、
図5及び
図6に示すように、光学部材40は、第1発光部10から出射した第1光L1が透過する第1透光部41と、第2発光部20から出射した第2光L2が透過する第2透光部42とを有する。したがって、
図2に示すように、第1発光部10から出射した第1光L1は、光学部材40の第1透光部41に入射し、第1透光部41を透過して第1光L1’となって外部に出射する。また、第2発光部20から出射した第2光L2は、光学部材40の第2透光部42に入射し、第2透光部42を透過して第2光L2’となって外部に出射する。
【0059】
なお、第1発光部10から出射した第1光L1の全てが第1透光部41を透過しなくてもよい。例えば、第1発光部10から出射した第1光L1の一部は、第2透光部42を透過してもよいし、光学部材40における第1透光部41及び第2透光部42以外の箇所を透過してもよい。同様に、第2発光部20から出射した第2光L2の全てが第2透光部42を透過しなくてもよい。例えば、第2発光部20から出射した第2光L2の一部は、第1透光部41を透過してもよいし、光学部材40における第1透光部41及び第2透光部42以外の箇所を透過してもよい。
【0060】
図5及び
図6に示すように、第1透光部41は、第1発光部10に対向し、第2透光部42は、第2発光部20に対向している。したがって、上面視において、第1透光部41は、第1発光部10が配置される基台30の第1領域31aと重なる位置に設けられ、第2透光部42は、第2発光部20が配置される基台30の第2領域31bと重なる位置に設けられる。本実施の形態では、第1発光部10が第2発光部20の内側に位置しているので、第1透光部41は第2透光部42の内側に位置している。第2透光部42は、第1透光部41を囲むように円環状に形成されている。
【0061】
光学部材40は、第1発光部10及び第2発光部20の各々から出射する光に対して光学作用を与える。例えば、光学部材40は、第1発光部10及び第2発光部20から出射する光の配光を制御する配光制御機能を有していてもよい。
【0062】
本実施の形態では、光学部材40は、第1発光部10の第1光L1に対する光学作用と第2発光部20の第2光L2に対する光学作用とが異なるように構成されている。つまり、光学部材40は、第1透光部41と第2透光部42とで第1透光部41及び第2透光部42から出射する光の光学特性が異なるように構成されている。本実施の形態において、光学部材40は、第1透光部41から出射する光の配光角と第2透光部42から出射する光の配光角とが異なるように構成されている。つまり、第1透光部41を透光した第1発光部10の第1光L1’の配光角と、第2透光部42を透光した第2発光部20の第2光L2’の配光角とが異なっている。
【0063】
具体的には、第1透光部41は、第1発光部10が発する第1光L1を集光する集光作用を有している。つまり、第1透光部41を透光した後の第1発光部10の第1光L1’は、集光光となる。このように、第1発光部10は、集光光となる第1光L1を発する。
【0064】
また、第2透光部42は、第2発光部20が発する第2光L2を拡散(散乱)する拡散作用を有している。つまり、第2透光部42を透光した後の第2発光部20の第2光L2’は、拡散光となる。このように、第2発光部20は、拡散光となる第2光L2を発する。
【0065】
拡散光である第2発光部20の第2光L2’は、集光光である第1発光部10の第1光L1’の配光角よりも大きい。本実施の形態では、第2発光部20の第2光L2’は、第2透光部42を透過した第2発光部20の第2光L2であり、第1発光部10の第1光L1’は、第1透光部41を透過した第1発光部10の第1光L1であるので、第2透光部42に入射して第2透光部42から出射する光(つまり第2透光部42を透過した第2発光部20の第2光L2’)の配光角は、第1透光部41に入射して第1透光部41から出射する光(つまり第1透光部41を透過した第1発光部10の第1光L1’)の配光角よりも大きくなる。
【0066】
本実施の形態において、第1透光部41は、レンズ機能を有する。具体的には、
図7に示すように、第1透光部41は、フレネルレンズであり、第1発光部10の光を屈折させることで集光する。
図7は、光学部材40を内面側から見たときの斜視図である。
図5~
図7に示すように、第1透光部41は、フレネルレンズとして、第1透光部41の内面(光入射面)に形成された中央突出部と、中央突出部を同心環状に囲む複数の環状突出部とを有する。中央突出部及び複数の環状突出部は、フレネルレンズの輪帯を構成している。
【0067】
一例として、LEDランプ1の外形サイズがφ70mmである場合、
図4~
図6に示すように、第1透光部41の最外径(つまりフレネルレンズの最外径)φ1は、φ1=30.22mmである。本実施の形態において、第1透光部41の最外径φ1は、基台30の第1面31の第1領域31aの直径よりも小さい。
【0068】
また、
図4に示すように、3つのネジ121は、各ネジ121の中心がφ2=29.2mmの円に沿って位置するように配置されている。なお、3つのネジ121は、等間隔で配置されていないが、120°の等間隔で配置されていてもよい。
【0069】
図4に示すように、上面視において(LEDランプ1の光出射方向側から見たときに)、ネジ121の少なくとも一部は、光学部材40の第1透光部41と重なっている。この場合、
図5及び
図6に示すように、ネジ121の中心は、第1透光部41の最外部の内側に位置しているとよい。つまり、φ2<φ1になっているとよい。
【0070】
また、第2発光部20の複数のLEDパッケージ22は、第1透光部41の最外部よりも外側に配置されているとよい。つまり、複数のLEDパッケージ22は、第1透光部41を構成するフレネルレンズの最外径よりも大きい直径の円に沿って配置されているとよい。
【0071】
第2透光部42は、入射する光を散乱反射することで光を拡散する機能を有する。具体的には、
図7に示すように、第2透光部42の内面には、複数のディンプル42a(凹部)が形成されている。複数のディンプル42aは、第2透光部42のほぼ全体に敷き詰めるように形成されている。これにより、第2透光部42に光拡散機能を持たせることができるので、第2透光部42を透過する光を拡散させることができる。
【0072】
本実施の形態において、第2透光部42の内面には、さらにシボ加工が施されている。つまり、第2透光部42のディンプル42aの表面にシボ加工が施されている。このように、第2透光部42の内面にシボ加工を施すことで第2透光部42の内面に微小凹凸構造を形成することができるので、第2透光部42の内面を曇りガラスのように白く曇った表面にすることができる。このように、第2透光部42の内面に複数のディンプル42aを形成することに加えてシボ加工を施すことで、第2透光部42の拡散度を向上させることができる。
【0073】
なお、本実施の形態では、第2透光部42の内面に複数のディンプル42aとシボ加工による微小凹凸構造との両方を形成することによって第2透光部42に光拡散機能を持たせたが、これに限らない。例えば、第2透光部42の内面に複数のディンプル42a及び微小凹凸構造の一方のみを形成することで、第2透光部42に光拡散機能を持たせてもよい。
【0074】
また、本実施の形態では、第2透光部42の内面に微小凹凸構造を形成する処理は、シボ加工としたが、これに限るものではない。例えば、第2透光部42の内面にエッチング処理又はサンドブラスト処理等を施すことで、第2透光部42の内面に微小凹凸構造を形成してもよい。
【0075】
また、第2透光部42に光拡散機能を持たせる方法は、第2透光部42の内面にディンプル42a及び微小凹凸構造を形成する方法に限るものではなく、第2透光部42の内面に光拡散膜を形成したり、第2透光部42に光拡散用のドットパターンを印刷したり、第2透光部42の内部に光拡散材を分散させたり、第2透光部42に光拡散用のレンズを形成したりしてもよい。光拡散膜としては、シリカ又は炭酸カルシウム等の光拡散材を含有する乳白の樹脂膜を用いることができる。また、光拡散用のレンズとしては、レンズアレイ又は光を屈折により拡散(発散)させる発散レンズを用いることができる。
【0076】
なお、光学部材40の外面には、さらにシボ加工が施されている。つまり、
図8に示される光学部材40の外面のディンプル40aの表面に、シボ加工が施されている。これにより、光学部材40の外面に微小凹凸構造が形成されている。この場合、光学部材40の外面に形成された微小凹凸構造(シボ)と第2透光部42の内面に形成された微小凹凸構造(シボ)とは異なっている。具体的には、光学部材40の外面に形成された微小凹凸構造は、第2透光部42の内面に形成された微小凹凸構造よりも薄いシボになっている。なお、
図8は、光学部材40を外面側から見たときの斜視図である。
【0077】
また、本実施の形態では、フレネルレンズを構成する第1透光部41の中央突出部の表面には、さらにシボ加工が施されている。つまり、第1透光部41の中央突出部の表面に微小凹凸構造(シボ)が形成されている。この場合、中央突出部の表面に形成する微小凹凸構造は、薄いシボであるとよい。なお、第1透光部41の複数の環状突出部の表面にはシボが形成されていない。つまり、第1透光部41では、中央突出部及び環状突出部のうち中央突出部のみにシボが形成されている。また、第1透光部41の中央突出部の表面にシボが形成されていなくてもよい。
【0078】
このように、本実施の形態では、
図8に示すように、第1透光部41(フレネル部)については、外面にはディンプル40aが形成され、内面には中央突出部に薄いシボが形成されている。また、第2透光部42(拡散部)については、外面及び内面の両方にディンプルとシボが形成されている。
【0079】
また、
図1A及び
図8に示すように、光学部材40の外面には、一対の突起43が設けられている。一対の突起43は、LEDランプ1を回転させて照明器具に取り付ける際にユーザの指が引っ掛かる引っ掛け部として機能する。一対の突起43を設けることで、LEDランプ1を容易に回転させることができるのでLEDランプ1を照明器具に容易に取り付けたり照明器具から取り外したりすることができる。
【0080】
光学部材40は、透光性材料を用いて形成されている。本実施の形態において、光学部材40は、アクリルやポリカーボネート等の透明樹脂材料又はガラス材料等の透明材料を用いて、金型等によって所定の形状に成形される。
【0081】
図5及び
図6に示すように、制御部50は、基台30の第2面32側に配置される。つまり、制御部50は、基台30の第1面31側とは反対側に配置されている。制御部50は、基台30と筐体100とで囲まれる空間に収納されている。
【0082】
制御部50は、第1発光部10及び第2発光部20の発光状態を制御する。具体的には、制御部50は、外部からの照明制御信号に基づいて第1発光部10及び第2発光部20に供給する電流量を制御する。
図2に示すように、制御部50は、第1発光部10及び第2発光部20に電力を供給する点灯回路50a(電源回路)と、点灯回路50aを制御する制御回路50bとを有する。
【0083】
点灯回路50aは、第1発光部10及び第2発光部20を発光させるための電力を生成して第1発光部10及び第2発光部20に供給する。例えば、点灯回路50aには、定電流回路が含まれる。制御回路50bは、LEDランプ1に入力された外部からの照明制御信号に従って点灯回路50aを制御する。具体的には、制御回路50bは、照明制御信号を受信すると、照明制御信号に従って点灯回路50aが第1発光部10及び第2発光部20の各々に所定の電流値で電流を供給するように、点灯回路50aを制御する。
【0084】
この場合、第1発光部10及び第2発光部20は、並列接続されているので、定電流回路で構成された点灯回路50aは、制御回路50bによって制御されることで、照明制御信号に従った電流量比で第1発光部10及び第2発光部20の各々に電流を供給する。つまり、第1発光部10に供給する電流量と第2発光部20に供給する電流量とを合わせた合計の電流量(総電流量)を一定としつつ、照明制御信号に従った電流量比に基づいて、第1発光部10と第2発光部20とに電流を分流する。これにより、第1発光部10及び第2発光部20に流れる電流量比が変化するので、第1発光部10が発する第1光L1と第2発光部20が発する第2光L2の光出力比が変化する。つまり、第1発光部10及び第2発光部20が調光制御されて、第1発光部10が発する第1光L1の明るさと第2発光部20が発する第2光L2の明るさとが変化する。
【0085】
制御部50は、回路基板51と、回路基板51に実装された複数の回路素子(不図示)とを有する。回路基板51は、銅箔等の金属配線がパターン形成されたプリント基板(PCB)である。本実施の形態において、回路基板51は、例えば、円板の一部が切り欠かれた板状の基板である。複数の回路素子は、点灯回路50a及び制御回路50bを構成している。点灯回路50a及び制御回路50bを構成する複数の回路素子は、例えば、電解コンデンサやセラミックコンデンサ等の容量素子、チョークコイルやチョークトランス等のコイル素子(インダクタ)、FET等のトランジスタ素子、抵抗器等の抵抗素子、又は、ダイオード等である。なお、制御部50は、無線通信回路等のその他の制御回路を含んでいてもよい。
【0086】
図5及び
図6に示すように、制御部50は、絶縁カバー60で覆われている。絶縁カバー60は、基台30と制御部50との間に配置されている。絶縁カバー60は、PBT等の絶縁樹脂材料によって構成されている。
【0087】
図3~
図6に示すように、絶縁カバー60には、一対の電力線131及び一対の電力線132が挿通される挿通孔61aが設けられている。
図4及び
図6に示すように、挿通孔61aは、基台30における第1面31の第1領域31aに対応する位置に設けられている。つまり、挿通孔61aは、上面視において、基台30における第1面31の第1領域31aに存在している。これにより、基台30の第1面31の第2領域31bにおいて挿通孔61aが占める割合を小さくすることができるので、第2領域31bに配置される第2発光部20に含まれる複数のLEDパッケージ22のレイアウトの自由度を高くすることができる。
【0088】
本実施の形態において、挿通孔61aは、第1面31における第1領域31aだけではなく、第2領域31bにも存在している。つまり、挿通孔61aは、第1領域31aと第2領域31bとにわたって存在しており、第1領域31aと第2領域31bとの両方に存在している。ただし、挿通孔61aが占める割合は、第2領域31bよりも第1領域31aの方が大きい。つまり、第1領域31aにおける挿通孔61aの面積は、第2領域31bにおける挿通孔61aの面積よりも大きくなっている。なお、挿通孔61aは、第1領域31a及び第2領域31bのうち第1領域31aのみに存在していてもよい。
【0089】
図6に示すように、本実施の形態において、挿通孔61aは、絶縁カバー60に設けられた筒部61の筒孔である。筒部61は、絶縁カバー60の基台30側の面から光学部材40に向かって突出するように形成されている。本実施の形態において、筒部61は、略角筒状であり、筒部61の上面視形状は、略矩形状である。なお、筒部61の形状は、角筒状に限るものではなく、円筒状等であってもよい。
【0090】
このように、電力線131及び132が挿通する挿通孔61aを絶縁カバー60に設けられた筒状の筒部61の筒孔とすることで、挿通孔61aに挿通される電力線131及び132を絶縁カバー60の筒部61で保護することができる。これにより、電力線131及び132が基台30の貫通孔34のエッジ等で破損したり断線したりすることを抑制できる。また、絶縁カバー60の筒部61に電力線131及び132を挿通することで、電力線131及び132が線噛みすることを抑制することができる。例えば、電力線131及び132が基台30と第1発光部10又は第2発光部20との間に挟まったり基台30と絶縁カバー60との間に挟まったりすることを抑制できる。
【0091】
図6に示すように、挿通孔61aにおける光学部材40側(
図6では上側)の開口部分は、第2領域31b側の部分の方が第1領域31a側の部分よりも高くなっている。これにより、挿通孔61aを塞ぐシリコーン樹脂等の樹脂材料が第2領域31b側にはみ出すことを抑制することができるので、その樹脂材料が第2領域31bに配置される第2発光部20のLEDパッケージ22にかかることを抑制できる。
【0092】
図6に示すように、絶縁カバー60の筒部61は、基台30の貫通孔34を貫通している。つまり、絶縁カバー60は、筒部61が基台30の貫通孔34に貫通した状態で基台30の制御部50側に配置されている。これにより、電力線131及び132が線噛みすることを一層抑制することができる。特に、電力線131及び132が基台30と絶縁カバー60との間に挟まることを防止できる。
【0093】
筒部61は、第1発光部10の基板11及び第2発光部20の基板21よりも突出している。つまり、筒部61の光学部材40側の開口端面は、基板11及び基板21の表面よりも光学部材40側に位置している。さらに、本実施の形態では、筒部61は、第1発光部10を保持するための第1ホルダ70の上面よりも突出している。したがって、絶縁カバー60は、筒部61が第1ホルダ70から突出するように配置されている。これにより、電力線131及び132が基台30と第1発光部10又は第2発光部20との間に挟まることを確実に防止できる。
【0094】
なお、
図5及び
図6に示すように、絶縁カバー60には、基台30のネジ穴33aを貫通したネジ121のネジ脚を収納する凹部62aが設けられている。これにより、ネジ121のネジ脚によって制御部50に不具合が生じることを抑制できる。また、
図6に示すように、絶縁カバー60には、基台30のネジ穴33bを貫通したネジ122のネジ脚を収納する凹部62bが設けられている。これにより、ネジ122のネジ脚によって制御部50に不具合が生じることを抑制できる。
【0095】
制御部50は、第2ホルダ80で保持されている。第2ホルダ80は、電源回路を構成する制御部50を保持する回路ホルダである。具体的には、制御部50は、回路基板51の端部が第2ホルダ80に設けられた係止爪81(
図3参照)に係止されることで第2ホルダ80に保持されている。第2ホルダ80は、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等の絶縁樹脂材料によって構成されている。本実施の形態において、第2ホルダ80は、枠状に構成された枠体である。第2ホルダ80は、筐体100の底部103とヒートシンク90との間に位置している。なお、第2ホルダ80には、ピン110が挿通される挿通孔が設けられている。
【0096】
図3及び
図5に示されるヒートシンク90は、第1発光部10及び第2発光部20で発生する熱を放熱する放熱部材であり、第1発光部10及び第2発光部20と熱的に結合されている。したがって、ヒートシンク90は、第1発光部10及び第2発光部20で発生する熱を効率良く放熱させるために、金属材料又は熱伝導率が高い樹脂材料によって構成されているとよい。本実施の形態において、ヒートシンク90は、アルミニウムによって構成されている。また、
図5に示すように、ヒートシンク90は、制御部50を囲っており、制御部50で発生する熱を放熱する機能を有する。ヒートシンク90は、筐体100内に配置されている。具体的には、ヒートシンク90は、筐体100の底部103に載置されている。なお、ヒートシンク90は、断面L字状の枠状に形成されている。
【0097】
図5及び
図6に示すように、筐体100は、制御部50、第2ホルダ80及びヒートシンク90を収納するハウジングである。
図3及び
図5に示すように、筐体100は、開口部101を有する略有底筒状であり、側壁102と、底部103とを有する。
【0098】
図5に示すように、筐体100の開口部101は、基台30によって塞がれている。開口部101は、光学部材40で覆われている。筐体100の側壁102は、円筒状であり、底部103に立設している。
【0099】
図1B及び
図5に示すように、筐体100の底部103は、段差を有するように形成されている。具体的には、底部103の中央部が外方に向けて円筒状に突出するように形成されている。
図5及び
図6に示すように、底部103には、第2ホルダ80が載置されている。また、
図5に示すように、底部103には、ピン110が挿通される挿通孔が設けられている。ピン110は、2つであるので、この挿通孔は、2つ設けられている。
【0100】
筐体100は、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等の樹脂材料又はアルミニウム等の金属材料によって構成されている。本実施の形態において、筐体100は、PBTによって構成された絶縁筐体である。これにより、制御部50の絶縁性が確保しやすくなる。つまり、筐体100は、LEDランプ1の外郭を構成する外郭カバーであるとともに、制御部50を覆う絶縁カバーとしても機能する。
【0101】
ピン110は、導電性のランプピン(口金ピン)であり、第1発光部10及び第2発光部20を発光させるための電力をLEDランプ1の外部から受電する機能を有する。例えば、一対のピン110によって、照明器具のソケットから交流電力(例えばAC100Vの商用電源からの交流電力)を受電する。ピン110は、制御部50と電気的に接続されており、ピン110で受電した電力は、制御部50に供給される。本実施の形態において、ピン110は、一対として2つ設けられている。一対のピン110は、対向する位置に設けられている。
図5に示すように、各ピン110は、筐体100の底部103に設けられた挿通孔と第2ホルダ80に設けられた挿通孔とに挿通されて、筐体100に固定されている。
【0102】
各ピン110は、一方の端部が筐体100の内部に位置しており、制御部50と電気的に接続される。また、各ピン110の他方の端部は、筐体100の外部に露出しており、LEDランプ1が照明器具のソケットに装着されたときにソケットの導電部と電気的に接続される。したがって、ピン110は、LEDランプ1を照明器具に取り付けるための取り付け部としても機能する。一対のピン110が照明器具のソケットに装着されることでLEDランプ1が照明器具に保持される。
【0103】
次に、このように構成されるLEDランプ1の照明光の制御方法について説明する。具体的には、LEDランプ1の照明光の発光態様の切替方法について説明する。
【0104】
LEDランプ1は、外部からの照明制御信号により発光態様が変化する。具体的には、LEDランプ1の制御部50が外部からの照明制御信号を受信すると、制御部50は、その照明制御信号に基づいて、第1発光部10及び第2発光部20に供給する電流量を制御する。
【0105】
外部からの照明制御信号は、例えば、
図9に示される壁スイッチ2のロータリスイッチ2aからの信号に基づくものである。ロータリスイッチ2aは、LEDランプ1の調光制御を行うための調光用スイッチである。ユーザは、ロータリスイッチ2aをつまんで回転させることで、LEDランプ1の発光態様を制御することができる。なお、壁スイッチ2には、LEDランプ1のオンオフを制御するための点消灯用スイッチ2bも設けられている。
【0106】
ユーザがロータリスイッチ2aを回転させると、商用の交流電流が位相制御された交流信号である調光信号が照明制御信号として制御部50に送信される。制御部50は、照明制御信号を受信すると、回転させたロータリスイッチ2aの回転角(0°~180°)に対応して位相制御された交流信号の位相角に応じて、第1発光部10及び第2発光部20に供給する電流量を制御する。具体的には、並列接続された第1発光部10及び第2発光部20が1つの定電流回路によって駆動されるので、制御部50は、照明制御信号に従った電流量比で第1発光部10及び第2発光部20の各々に電流を供給する。これにより、ロータリスイッチ2aの回転角に依存する交流信号の位相角に応じて、第1発光部10が発する第1光L1と第2発光部20が発する第2光L2の光出力比が変化し、第1発光部10が発する第1光L1の明るさと第2発光部20が発する第2光L2の明るさとが変化する。
【0107】
この場合、第1発光部10が発する第1光L1の色温度と第2発光部20が発する第2光L2の色温度とが異なるので、ロータリスイッチ2aの回転により位相制御された交流信号の位相角に応じて、第1透光部41を透過した第1発光部10の第1光L1’と第2透光部42を透過した第2発光部20の第2光L2’との合成光(つまりLEDランプ1の照明光)の色温度が変化することになる。
【0108】
本実施の形態では、交流信号の位相角が大きくなるにつれて第1発光部10に対して第2発光部20の電流比率が大きくなるように第1発光部10及び第2発光部20に電流を供給することで、LEDランプ1から照射する照明光の色温度を大きくしている。つまり、制御部50は、第1発光部10に供給する電流量を減らしながら第2発光部20に供給する電流量を増やすことでLEDランプ1から照射する照明光の色温度が大きくなるように制御している。
【0109】
逆に、交流信号の位相角が小さくなるにつれて第2発光部20に対して第1発光部20の電流比率が大きくなるように第1発光部10及び第2発光部20に電流を供給することで、LEDランプ1から照射する照明光の色温度を小さくしている。つまり、制御部50は、第2発光部20に供給する電流量を減らしながら第1発光部10に供給する電流量を増やすことでLEDランプ1から照射する照明光の色温度が小さくなるように制御している。
【0110】
この場合、制御部50は、第1発光部10及び第2発光部20に供給する電流の比率を段階的に制御している。これにより、
図10に示すように、LEDランプ1から照射する照明光の色温度は、第1発光部10及び第2発光部20の光出力比に応じて複数のモードで段階的に変化することになる。具体的には、
図10に示すように、ロータリスイッチ2aの回転により位相制御された交流信号の位相角が大きくなるにつれて、LEDランプ1から照射する照明光の色温度は、第1モード、第2モード、第3モード及び第4モードの4つのモードで階段状に徐々に大きくなるように変化する。
図10は、LEDランプ1を調光制御する際の調光信号の位相角とLEDランプ1から照射される照明光の色温度との関係を示している。
【0111】
図10に示すように、第1モード、第2モード、第3モード及び第4モードにおけるLEDランプ1の照明光の色温度の大小関係は、第1モードでの色温度<第2モードでの色温度<第3モードでの色温度<第4モードでの色温度、となっている。また、第1モード、第2モード、第3モード及び第4モードの各々において、LEDランプ1の照明光の色温度は、一定である。つまり、第1モード、第2モード、第3モード及び第4モードの各モードでは、ロータリスイッチ2aの回転により交流信号の位相角が変化しても、LEDランプ1の照明光の色温度は変化しない。
【0112】
具体的には、第1モード(位相角が約70°~約80°)におけるLEDランプ1の照明光の色温度は、2700Kで一定である。第1モードでは、色温度が2700Kの第1光L1を発する第1発光部10及び色温度が6200Kの第2光L2を発する第2発光部20のうち、第1発光部10のみに電流が供給されている。つまり、第1モードにおいて、制御部50は、第2発光部20には電流を供給していない。このため、第1モードでは、光の色温度が2700Kの第1発光部10のみが点灯し、第2発光部20は消灯している。
【0113】
また、第2モード(位相角が約80°~約100°)におけるLEDランプ1の照明光の色温度は、3500Kで一定である。第2モードでは、第1発光部10及び第2発光部20の両方に電流が供給されているが、第1発光部10に供給される電流量が第2発光部20に供給される電流よりも大きくなっている。このため、第1発光部10が発する第1光L1の光出力は、第2発光部20が発する第2光L2の光出力よりも大きくなっている。この結果、LEDランプ1の照明光の色温度は、3500Kになっている。
【0114】
また、第3モード(位相角が約110°~約120°)におけるLEDランプ1の照明光の色温度は、5000Kで一定である。第3モードでは、第2モードと同様に、第1発光部10及び第2発光部20の両方に電流が供給されているが、第2発光部20に供給される電流量が第1発光部10に供給される電流よりも大きくなっている。このため、第2発光部20が発する第2光L2の光出力は、第1発光部10が発する第1光L1の光出力よりも大きくなっている。この結果、LEDランプ1の照明光の色温度は、5000Kになっている。
【0115】
また、第4モード(位相角が約130°~約180°)におけるLEDランプ1の照明光の色温度は、6200Kで一定である。第4モードでは、第1発光部10及び第2発光部20のうち、第2発光部20のみに電流が供給されている。つまり、第4モードにおいて、制御部50は、第1発光部10には電流を供給していない。このため、第4モードでは、光の色温度が6200Kの第2発光部20のみが点灯し、第1発光部10は消灯している。
【0116】
なお、第1モード、第2モード、第3モード及び第4モードの各モードにおいては、調光信号の位相角が変化してもLEDランプ1の照明光の色温度は変化しないが、各モード間では、調光信号の位相角が変化すると、その位相角の変化に伴ってLEDランプ1の照明光の色温度も変化している。
【0117】
このように、本実施の形態におけるLEDランプ1によれば、ユーザがロータリスイッチ2aを操作することで、LEDランプ1から照射される照明光の色温度を変更することができる。つまり、LEDランプ1の調色制御を行うことができる。具体的には、LEDランプ1から照射される照明光の色温度を4つのモードで段階的に切り替えることができる。
【0118】
このとき、本実施の形態では、第1透光部41を透過した第1発光部10の第1光L1’の配光角と第2透光部42を透過した第2発光部20の第2光L2’の配光角とが異なっている。このため、ユーザがロータリスイッチ2aを操作してLEDランプ1の照明光を調色すると、第1透光部41を透過した第1発光部10の第1光L1’と第2透光部42を透過した第2発光部20の第2光L2’との合成光(つまりLEDランプ1の照明光)の配光角も変化することになる。
【0119】
このように、本実施の形態におけるLEDランプ1では、ユーザがロータリスイッチ2aを回転することで交流信号の位相角が変化すると、その位相角の変化に応じて、LEDランプ1の照明光の色温度が変化するだけではなく、その色温度の変化に連動してLEDランプ1の照明光の配光角も変化することになる。つまり、LEDランプ1の照明光の色温度と配光角とがシンクロして変化することになる。
【0120】
本実施の形態では、交流信号の位相角が大きくなるにつれて第1発光部10に対して第2発光部20の電流比率が大きくなるように第1発光部10及び第2発光部20に電流を供給することで、LEDランプ1から照射する照明光の配光角を大きくしている。つまり、制御部50は、第1発光部10に供給する電流量を減らしながら第2発光部20に供給する電流量を増やすことでLEDランプ1から照射する照明光の配光角が大きくなるように制御している。
【0121】
また、交流信号の位相角が小さくなるにつれて第2発光部20に対して第1発光部10の電流比率が大きくなるように第1発光部10及び第2発光部20に電流を供給することで、LEDランプ1から照射する照明光の配光角を小さくしている。つまり、制御部50は、第2発光部20に供給する電流量を減らしながら第1発光部10に供給する電流量を増やすことでLEDランプ1から照射する照明光の配光角が小さくなるように制御している。
【0122】
具体的には、LEDランプ1の照明光の色温度は、第1モード、第2モード、第3モード及び第4モードの4つのモードで階段状に段階的に変化するので、LEDランプ1の照明光の配光角も、
図11に示すように、第1モード、第2モード、第3モード及び第4モードの4つのモードで階段状に段階的に変化することになる。
図11は、LEDランプ1の照明光の色温度の変化に伴うLEDランプ1の照明光の配光角の変化を示している。
図11の(a)~(d)において、左図は、LEDランプ1から照射される照明光を示しており、右図は、LEDランプ1から照射される照明光の配光曲線(光度分布)と配光角(1/2ビーム角)を示している。
【0123】
図11に示すように、第1モード、第2モード、第3モード及び第4モードに従ってLEDランプ1の照明光の色温度が大きくなるにつれて、LEDランプ1の照明光の配光角は、段階的に大きくなるように変化する。第1モード、第2モード、第3モード及び第4モードにおけるLEDランプ1の照明光の配光角の大小関係は、第1モードでの配光角<第2モードでの配光角<第3モードでの配光角<第4モードでの配光角、となっている。また、第1モード、第2モード、第3モード及び第4モードの各々において、LEDランプ1の照明光の配光角は、一定である。つまり、第1モード、第2モード、第3モード及び第4モードの各モードでは、ロータリスイッチ2aの回転により交流信号の位相角が変化しても、LEDランプ1の照明光の配光角は変化しない。
【0124】
第1モード(位相角が約70°~約80°)では、上記のように、第1発光部10及び第2発光部20のうち第1発光部10のみに電流が供給されているので、第1発光部10のみが点灯し、第2発光部20は消灯している。この場合、第1発光部10から出射した光は、フレネルレンズである第1透光部41を透過することで屈折して集束することになる。これにより、第1発光部10から出射して第1透光部41を透過した第1光L1’は、集光光となってLEDランプ1の照明光として外部に照射される。本実施の形態において、第1モードにおけるLEDランプ1の照明光はスポット光であり、第1モードにおけるLEDランプ1の照明光の配光角は、45°未満の狭配光角である。具体的には、第1モードにおけるLEDランプ1の照明光の配光角は、32°で一定である。この第1モードは、集光モードであり、第1モードにおいて、LEDランプ1の照明光の配光角は、最も小さくなっている。
【0125】
第1モード(集光モード)において、LEDランプ1の照明光の色温度は、上記のように、電球色の2700Kである。したがって、第1モードでは、色温度が2700Kの低色温度の照明光により、照明空間(部屋等)に存在する人にくつろぎ感を与えることができる。つまり、第1モードは、リラックスモードである。
【0126】
また、第2モード(位相角が約80°~約100°)におけるLEDランプ1の照明光の配光角は、37°で一定である。上記のように、第2モードでは、第1発光部10及び第2発光部20の両方が点灯している。このため、LEDランプ1の照明光は、第1発光部10から出射して第1透光部41を透過して集光光となった第1光L1’と第2発光部20から出射して第2透光部42を透過して拡散光となった第2光L2’との合成光となる。この場合、第2モードでは、第1発光部10が発する第1光L1の光出力が、第2発光部20が発する第2光L2の光出力よりも大きくなっているので、第1透光部41を透過した第1発光部10の第1光L1’(集光光)の方が、第2透光部42を透過した第2発光部20の第2光L2’(拡散光)よりも支配的になる。この結果、LEDランプ1の照明光の配光角は、37°になっている。
【0127】
また、第3モード(位相角が約110°~約120°)におけるLEDランプ1の照明光の配光角は、44°で一定である。上記のように、第3モードでは、第2モードと同様に、第1発光部10及び第2発光部20の両方が点灯している。このため、第3モードでも、第2モードと同様に、LEDランプ1の照明光は、第1発光部10から出射して第1透光部41を透過して集光光となった第1光L1’と第2発光部20から出射して第2透光部42を透過して拡散光となった第2光L2’との合成光となる。ただし、第3モードでは、第2発光部20が発する第2光L2の光出力が、第1発光部10が発する第1光L1の光出力よりも大きくなっている。このため、第3モードでは、第2モードとは異なり、第2透光部42を透過した第2発光部20の第2光L2’(拡散光)の方が、第1透光部41を透過した第1発光部10の第1光L1’(集光光)よりも支配的になる。この結果、LEDランプ1の照明光の配光角は、44°になっている。
【0128】
また、第4モード(位相角が約130°~約180°)では、上記のように、第1発光部10及び第2発光部20のうち第2発光部20のみに電流が供給されているので、第2発光部20のみが点灯し、第1発光部10は消灯している。この場合、第2発光部20から出射した光は、拡散機能を有する第2透光部42を透過することで拡散する。これにより、第2発光部20から出射して第2透光部42を透過した第2光L2’は、拡散光となってLEDランプ1の照明光として外部に照射される。本実施の形態において、第4モードにおけるLEDランプ1の照明光は、拡散されて広がった光であり、第4モードにおけるLEDランプ1の照明光の配光角は、90°を超える広配光角である。具体的には、第4モードにおけるLEDランプ1の照明光の配光角は、96°で一定である。この第4モードは、拡散モードであり、第4モードにおいて、LEDランプ1の照明光の配光角は、最も大きくなっている。
【0129】
第4モード(拡散モード)において、LEDランプ1の照明光の色温度は、上記のように、昼白色の6200Kである。したがって、第4モードでは、色温度が6200Kの照明光により、照明空間(部屋等)の明かりの雰囲気を自然な感じにすることができる。例えば、ユーザに集中力を与えることができる。つまり、第4モードは、PC等の端末操作等の作業を集中して行うことができきる集中モードである。
【0130】
なお、第1モード、第2モード、第3モード及び第4モードの各モードでは、調光信号の位相角が変化してもLEDランプ1の照明光の配光角は変化しないが、各モード間では、調光信号の位相角が変化すると、その位相角に変化に伴ってLEDランプ1の照明光の配光角も変化する。例えば、第3モードと第4モードの間におけるLEDランプ1の照明光の配光角は、第3モードにおけるLEDランプ1の照明光の配光角(44°)と第4モードにおけるLEDランプ1の照明光の配光角(96°)との間の角度になる。具体的には、
図12に示すように、第3モードと第4モードとのモード間におけるLEDランプ1の照明光の配光角は、64°になる。
【0131】
このように、本実施の形態に係るLEDランプ1では、ロータリスイッチ2aが操作されて調光信号の位相角が変化することで、LEDランプ1から照射される照明光の色温度が変化するだけではなく、LEDランプ1から照射される照明光の配光角も変化する。
【0132】
具体的には、調光信号の位相角が変化することで、第1発光部10に供給する電流量と第2発光部20に供給する電流量とが制御される。これにより、LEDランプ1から照射される照明光の配光角は、4つのモードで段階的に切り替わる。この場合、調光信号の位相角が0°~180°で変化することで、LEDランプ1から照射される照明光の配光角は、30°~100°の範囲で変化する。本実施の形態では、LEDランプ1から照射される照明光の配光角は、32°~96°の範囲で変化する。
【0133】
以上のように、本実施の形態に係るLEDランプ1によれば、制御部50によって第1発光部10及び第2発光部20に供給する電流量を制御することで、複数のモードでLEDランプ1の照明光を照射することができる。具体的には、第1発光部10及び第2発光部20に供給する電流量を制御することで、複数のモードでLEDランプ1の照明光の色温度及び配光角を同時に切り替えることができる。これにより、1つのLEDランプ1によって、異なる照明環境を実現することができる。つまり、照明空間の明かりの雰囲気を変えることができる。
【0134】
また、本実施の形態におけるLEDランプ1では、調光信号である交流信号の位相角が変化すると、その位相角の変化に応じて、LEDランプ1の照明光の色温度及び配光角が変化するだけではなく、LEDランプ1の照明光の明るさも変化する。つまり、LEDランプ1の照明光の色温度及び配光角と明るさとがシンクロして変化することになる。具体的には、交流信号の位相角が大きくなるにつれて、LEDランプ1の照明光の明るくなっていく。つまり、LEDランプ1の照明光の光束が大きくなっていく。
【0135】
本実施の形態では、LEDランプ1の照明光の色温度及び配光角は、第1モード、第2モード、第3モード及び第4モードの4つのモードで段階的に変化するので、LEDランプ1の照明光の明るさも、
図13に示すように、第1モード、第2モード、第3モード及び第4モードの4つのモードで段階的に変化することになる。
図13は、LEDランプ1を調光制御する際の調光信号の位相角とLEDランプ1から照射される照明光の明るさ比率との関係を示している。
【0136】
図13に示すように、第1モード、第2モード、第3モード及び第4モードに従って位相角が大きくなるにつれて、LEDランプ1の照明光の明るさは徐々に大きくなるように変化する。
【0137】
以上説明したように、本実施の形態に係るLEDランプ1は、集光光となる第1光L1を発する第1発光部10と、その集光光よりも配光角が大きい拡散光となる第2光L2を発する第2発光部20と、第1発光部10及び第2発光部20に供給する電流量を制御する制御部50とを備えている。そして、制御部50は、(i)第1発光部10に供給する電流量を減らしながら第2発光部20に供給する電流量を増やすことでLEDランプ1の照明光の配光角が大きくなるように制御し、(ii)第2発光部20に供給する量を減らしながら第1発光部10に供給する電流量を増やすことでLEDランプ1の照明光の配光角が小さくなるように制御する。
【0138】
この構成により、高価な光学系部品及び遮光板等を用いることなく、また、このような光学系部品及び遮光板等を調節する操作をする必要なく、簡単な構成でLEDランプ1の照明光の配光角を変更することができる。
【0139】
また、本実施の形態におけるLEDランプ1では、制御部50により第1発光部10に供給する電流量と第2発光部20に供給する電流量とが制御されることで、LEDランプ1の照明光の配光角が30°~100°の範囲で変化している。
【0140】
この構成により、広い配光角の範囲でLEDランプ1の照明光の配光角を変更させることができる。
【0141】
また、本実施の形態におけるLEDランプ1において、制御部50は、外部からの照明制御信号に基づいて、第1発光部10及び第2発光部20に供給する電流量を制御している。本実施の形態において、外部からの照明制御信号は、ロータリスイッチ2aからの信号に基づくものである。つまり、外部からの照明制御信号は、位相制御された交流信号である調光信号であり、制御部50は、その交流信号の位相角に応じて、第1発光部10及び第2発光部20に供給する電流量を制御している。
【0142】
この構成により、既存の壁スイッチ2のロータリスイッチ2aを操作することで、簡単にLEDランプ1の照明光の配光角を変更することができる。
【0143】
(変形例)
以上、本発明に係る照明装置等について、実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。
【0144】
例えば、
図14に示されるLEDランプ1Aのように、基台30A及びヒートシンク90Aの厚さを、上記実施の形態における基台30及びヒートシンク90の厚さよりも厚くしてもよい。これにより、上記実施の形態と比べて放熱性能を向上させることができるので、第1発光部10及び第2発光部20で発生する熱を効率良く放熱することができる。なお、
図14では、さらにサーマルシート140が配置される。これにより、絶縁性を確保しつつ、放熱性を向上させることができる。また、
図14では、回路基板51の絶縁性を確保するために、絶縁部材150を用いている。
【0145】
また、上記実施の形態におけるLEDランプ1では、LEDランプ1の照明光の色温度及び配光角の変化に連動して、LEDランプ1の照明光の明るさも変化したが、これに限らない。具体的には、LEDランプ1の照明光の色温度及び配光角が変化しても(つまり調光信号である交流信号の位相角が変化しても)、LEDランプ1の照明光の明るさが変化しなくてもよい。つまり、LEDランプ1の照明光の色温度及び配光角が変化しても、LEDランプ1の照明光の明るさは一定であってもよい。
【0146】
また、上記実施の形態におけるLEDランプ1において、第1発光部10が発する第1光L1の色温度を第2発光部20が発する第2光L2の色温度よりも低くしたが、これに限らない。例えば、第1発光部10が発する第1光L1の色温度は、第2発光部20が発する第2光L2の色温度よりも高くてもよい。具体的には、上記実施の形態では、第1発光部10が発する第1光L1の色温度を電球色の2700Kとし、第2発光部20が発する第2光L2の色温度を昼白色の6200Kとしたが、第1発光部10が発する第1光L1の色温度を昼白色の6200Kとし、第2発光部20が発する第2光L2の色温度を電球色の2700Kとしてもよい。これにより、配光角が狭くなる第1モード(集光モード)を、高色温度の白色光によりPC等の端末操作を集中して行うことができる集中モードとし、配光角が広くなる第4モード(拡散モード)を、低色温度の照明光によりユーザにくつろぎ感を与えることができるリラックスモードにすることができる。
【0147】
また、上記実施の形態におけるLEDランプ1において、第1発光部10が発する第1光L1の色温度と、第2発光部20が発する第2光L2の色温度とは、異なっていたが、これに限らない。つまり、第1発光部10が発する第1光L1の色温度と、第2発光部20が発する第2光L2の色温度とは、同じであってもよい。この場合、ロータリスイッチ2aが操作されて調光信号の位相角が変化しても、LEDランプ1の色温度及び配光角のうち配光角のみが変化する。つまり、第1モード、第2モード、第3モード又は第4モードに切り替えられたとしても、LEDランプ1の色温度は変化せずに一定のままで、LEDランプ1の配光角が変化する。このとき、第1発光部10が発する第1光L1の色温度と第2発光部20が発する第2光L2の色温度とは、2700Kであってもよいし、3500Kであってもよいし、5000Kであってもよいし、6200Kであってもよい。つまり、変化しないLEDランプ1の一定の色温度は、2700K、3500K、5000K及びは6200Kのいずれであってもよい。なお、LEDランプ1の色温度が変化しない場合、LEDランプ1の配光角のみが位相角に連動して変化するのではなく、LEDランプ1の配光角とLEDランプ1の明るさとの両方が位相角に連動して変化してもよい。
【0148】
また、上記実施の形態におけるLEDランプ1では、ロータリスイッチ2aの操作による外部から照明制御信号に基づいて第1発光部10及び第2発光部20に供給する電流量を制御したが、これに限らない。例えば、外部からの照明制御信号は、ロータリスイッチ2aからの信号に基づくものではなく、赤外線リモコン又はスマートフォン等の操作端末からの無線信号に基づくものであってもよい。また、ロータリスイッチ2aは、壁スイッチ2aに設けられた構成に限るものではない。
【0149】
また、上記実施の形態では、第1発光部10をCOBタイプのLEDモジュールとし、第2発光部20をSMDタイプのLEDモジュールとしたが、これに限らない。例えば、第1発光部10をSMDタイプのLEDモジュールとし、第2発光部20をCOBタイプのLEDモジュールとしてもよい。この場合、挿通孔61aが第1面31の第1領域31aに存在していることで、第2発光部20のLED発光部に含まれる複数のLEDチップ(光源)のレイアウトの自由度を高くすることができる。また、第1発光部10及び第2発光部20の両方をSMDタイプのLEDモジュールとしてもよいし、第1発光部10及び第2発光部20の両方をCOBタイプのLEDモジュールとしてもよい。なお、第1発光部10の外側に配置される第2発光部20をCOBタイプのLEDモジュールとする場合、基板21の上に複数のLEDチップを円環状に配置し、その複数のLEDチップを一括封止する蛍光体含有樹脂を円環状に形成すればよい。また、第2発光部20の内側に位置する第1発光部10をSMDタイプのLEDモジュールとする場合、複数のLEDパッケージは中央に密集させて配置するとよい。
【0150】
また、上記実施の形態において、第1透光部41と第2透光部42とは光学部材40として一体に形成されていたが、これに限らない。例えば、第1透光部41と第2透光部42とは別体に構成されていてもよい。この場合、第1透光部41を第1光学部材とし、第2透光部42を第2光学部材として、これらを連結することで光学部材40が構成されていてもよい。
【0151】
また、上記実施の形態において、第1透光部41を、透過する光が集光する光学作用を有するように構成し、第2透光部42を、透過する光が拡散する光学作用を有するように構成したが、これに限らない。例えば、第1透光部41を、透過する光が拡散する光学作用を有するように構成し、第2透光部42を、透過する光が集光する光学作用を有するように構成してもよい。また、第1透光部41及び第2透光部42の一方又は両方が光学作用を有していなくてもよい。つまり、透光部材40は、第1透光部41及び第2透光部42の一方のみを有していてもよい。この場合、第1発光部10及び第2発光部20から出射する光に光学作用を付与するレンズ部材を別途設けてもよいし、設けなくてもよい。
【0152】
また、上記実施の形態において、LEDは、青色LEDチップと黄色蛍光体を含有する蛍光体含有樹脂とによって白色光を放出するように構成されていたが、これに限らない。例えば、赤色蛍光体及び緑色蛍光体を含有する蛍光体含有樹脂を用いて、これと青色LEDチップと組み合わせることによりに白色光を放出するように構成してもよい。また、演色性を高める目的で、黄色蛍光体に加えて、さらに赤色蛍光体や緑色蛍光体を混ぜても構わない。また、青色以外の色の光を発するLEDチップを用いてもよく、例えば、青色LEDチップが放出する青色光よりも波長が短い紫外光を放出する紫外LEDチップを用いて、主に紫外光により励起されて青色光、赤色光及び緑色光を放出する青色蛍光体、緑色蛍光体及び赤色蛍光体によって白色光を放出するように構成してもよい。
【0153】
また、上記実施の形態において、第1発光部10及び第2発光部20の一方又は両方は、調色制御可能に構成されていてもよい。例えば、第1発光部10及び第2発光部20の一方又は両方が、赤色光を発する赤色LED、緑色光を発する緑色LED及び青色光を発する青色LEDを備えることで、各発光部でRGB制御を行うことができる。この場合、制御部50は、調色制御回路を有している。なお、出射する光の色温度が異なる上記実施の形態における第1発光部10と第2発光部20とによって調色制御を行ってもよい。
【0154】
その他、上記実施の形態に対して当業者が思い付く各種変形を施して得られる形態や、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本開示に含まれる。また、本願出願時の特許請求の範囲に記載された複数の請求項の中から技術的に矛盾しない範囲で2つ以上の請求項を任意に組み合わせたものも本発明に含まれる。例えば、本願出願時の特許請求の範囲に記載された引用形式請求項を、技術的に矛盾しない範囲で上位請求項の全てを引用するようにマルチクレーム又はマルチマルチクレームとしたときに、そのマルチクレーム又はマルチマルチクレームに含まれる全ての請求項の組み合わせも本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0155】
1、1A LEDランプ(照明装置)
2a ロータリスイッチ
10 第1発光部
11、21 基板
12 LED発光部
20 第2発光部
22 LEDパッケージ
30、30A 基台
31a 第1領域
31b 第2領域
40 光学部材
41 第1透光部
42 第2透光部
50 制御部
L1、L1’ 第1光
L2、L2’ 第2光