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特開2024-14827蓋体、蓋体付き容器、蓋体と容器の組み合わせ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024014827
(43)【公開日】2024-02-01
(54)【発明の名称】蓋体、蓋体付き容器、蓋体と容器の組み合わせ
(51)【国際特許分類】
   B65D 77/20 20060101AFI20240125BHJP
【FI】
B65D77/20 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023118320
(22)【出願日】2023-07-20
(31)【優先権主張番号】P 2022115956
(32)【優先日】2022-07-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】320007734
【氏名又は名称】株式会社KY7
(72)【発明者】
【氏名】林 裕義
【テーマコード(参考)】
3E067
【Fターム(参考)】
3E067AA03
3E067AB26
3E067BA07A
3E067BA18A
3E067BB14A
3E067BB25A
3E067CA24
3E067EA35
3E067EB27
3E067EE59
3E067FA01
3E067FC01
3E067GD01
3E067GD07
(57)【要約】      (修正有)
【課題】蓋体と容器の組合せで多様なサイズの組合せが可能であり、容器の縁部を掴んで持ち運び易くする事を可能とする。
【解決手段】蓋体が上端開口部と外周縁部を有する容器に接合可能に形成され縁部に沿って接合される領域である接合領域対応部と内周縁から内側の部分である蓋領域対応部と接合領域対応部を含み且つ内周縁から外側の部分である外側領域対応部とを有し、外側領域対応部の平面視上蓋領域対応部の中心位置と外側領域対応部の外周縁とを結ぶ線分で外側領域対応部と接合領域対応部とを分断し且つ外側領域対応部を分断する部分を第1分断部とし、接合領域対応部を分断する部分を第2分断部とし第1分断部の長さを最小とする線分を基準線分とした場合外側領域対応部は下記条件を満たすように構成される。
条件:基準線分の位置且つ第2分断部の位置に定められた共通する1か所を通り外側領域対応部の領域に収まる径の異なる複数の相似形が定められる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上端に形成された開口部と前記開口部の外周を形成する縁部とを有する容器に接合可能に形成されており、
前記容器の前記縁部に沿って前記容器に接合される領域に対応する接合領域対応部と、前記接合領域対応部の内周縁から内側の部分で構成される蓋領域対応部と、
前記接合領域対応部を含み且つ前記接合領域対応部の前記内周縁から外側の部分で構成される外側領域対応部、とを有し、
前記外側領域対応部の平面視上、
前記蓋領域対応部の中心として定められた中心位置と前記外側領域対応部の外周縁とを結ぶ線分で前記外側領域対応部と前記接合領域対応部とを分断し、且つ、前記外側領域対応部を分断する部分を第1分断部とし、前記接合領域対応部を分断する部分を第2分断部とし、
前記第1分断部の長さを最小とする前記線分を基準線分とした場合に、
前記外側領域対応部は、下記の条件を満たすように構成されている、
蓋体。

条件: 前記基準線分の位置且つ前記第2分断部の位置に定められた共通する1か所を通り且つ前記外側領域対応部の領域に収まるような径の異なる複数の相似形が定められる。
【請求項2】
前記基準線分は、前記第1分断部の長さと前記第2分断部の長さの差の値を最小とする、
請求項1に記載の蓋体。
【請求項3】
前記外側領域対応部の所定の領域を通過する前記線分が前記基準線分に対応する、
請求項1に記載の蓋体。
【請求項4】
前記接合領域対応部の面方向に沿うとともに前記基準線分の延びる方向に対して垂直な方向に延び且つ前記蓋領域対応部の前記中心を通って前記外側領域対応部を区分する直線を区分直線とし、
前記区分直線で区分される前記外側領域対応部のうち、前記基準線分に対応する前記外側領域対応部の位置を含む部分を第1部分とし、前記第1部分から外れた部分を第2部分とした場合に、
前記第1部分の面積よりも前記第2部分の面積のほうが大きい、
請求項1に記載の蓋体。
【請求項5】
前記第1部分では、前記外側領域対応部の前記外周縁に沿って前記基準線分から離れた位置での前記第1分断部ほど、前記第1分断部の長さが長くなるように形成されている、
請求項4に記載の蓋体。
【請求項6】
前記外側領域対応部には延出部が形成されている、
請求項1に記載の蓋体。
【請求項7】
前記蓋領域対応部に、溝部を形成している、
請求項1に記載の蓋体。
【請求項8】
前記蓋領域対応部に差し込み口が形成されている、
請求項1に記載の蓋体。
【請求項9】
前記蓋領域対応部に、前記差し込み口として前記蓋領域対応部における分断位置を案内する脆弱化部が設けられており、
前記脆弱化部は、複数の貫通部と、少なくとも2つの前記貫通部の間に形成された少なくとも一つの連続部とを有する、
請求項8に記載の蓋体。
【請求項10】
前記蓋領域対応部は、前記容器の前記開口部よりも小さな開口面積を有する小開口部を有するベース部と、前記小開口部を開閉する小蓋部と、前記ベース部と前記小蓋部とを繋げるヒンジ部とを備え、
前記小蓋部は、前記ヒンジ部を軸として前記ベース部に対して回動可能に構成されている、
請求項1に記載の蓋体。
【請求項11】
前記小蓋部の上面側に摘み部が設けられている、
請求項10に記載の蓋体。
【請求項12】
前記摘み部は、タブ部材を有しており、
前記タブ部材は、前記小蓋部の上面側に接合されている、
請求項11に記載の蓋体。
【請求項13】
紙系素材で形成されている、
請求項1に記載の蓋体。
【請求項14】
前記複数の相似形は、径の異なる複数の円である、
請求項1に記載の蓋体。
【請求項15】
通気性シートを有し、
前記通気性シートの少なくとも一部は、前記蓋領域対応部の少なくとも一部に設けられている、
請求項1に記載の蓋体。
【請求項16】
窓部を有し、
前記窓部は、前記蓋領域対応部の少なくとも一部に形成されている、
請求項1に記載の蓋体。
【請求項17】
前記接合領域対応部のうち、前記接合領域対応部の幅が最も狭い位置を狭部基準位置とし、前記狭部基準位置の幅に対して幅が2倍以上の大きさとなる部分を広部とし、前記広部を除く部分を非広部とした場合に、広部と非広部とがそれぞれ複数形成されている、
請求項1に記載の蓋体。
【請求項18】
請求項1に記載の蓋体と、
上端に形成された前記開口部を有する前記容器と、有し、
前記蓋体を前記容器に接合した、
蓋体付き容器。
【請求項19】
請求項1に記載の蓋体と、
上端に形成された前記開口部を有する前記容器と、有する、
蓋体と容器の組み合わせ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蓋体、蓋体付き容器、蓋体と容器の組み合わせに関する。
【背景技術】
【0002】
上端に開口部を形成した容器に飲食料品等(以下においては「内容物」とも言う。)を収容して蓋体を取り付けることで容器内を閉じた状態で提供することが広く行われている。
【0003】
容器に取り付けられる蓋体としては、環境負荷軽減の観点から、紙系素材を用いたものを用いることが求められている。容器に蓋体を取り付ける方法として、特許文献1には、ヒートシール方法や熱プレス方法等の方法を用いて蓋体を容器の上端の開口部の外周を形成する縁部に接合する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011-219116号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
容器の内容物の温度等の条件に応じて、蓋体付き容器を持ち上げる際に容器の縁部を掴んで持ち運ぶことがある。例えば、容器の内容物が熱いコーヒー等の液体である場合、容器が熱くなるため、蓋体付き容器を持ち上げる際に容器の縁部を手で掴んで容器が持ち運ばれることがある。
【0006】
蓋体と容器の組み合わせについて、蓋体のサイズの種類が容器のサイズの種類よりも少なくする場合や、蓋体を取り付ける容器の開口部のサイズを多様にする場合には、蓋体と容器の組み合わせによっては、蓋体のサイズと容器の開口部の縁部のサイズとの差が大きくなり、蓋体の外周縁と容器の開口部の縁部との距離差が大きくなり、容器の縁部を掴んで蓋体付き容器を持ち運ぶ際に縁部がつかみにくくなることがある。特に、蓋体が紙系素材で形成されている場合、蓋体の外縁に全体的に予定されない折れ目や潰れが形成される可能性があり、容器の持ち運ぶ際に容器の縁部がより掴みにくくなる可能性がある。他方、蓋体のサイズと容器の開口部の縁部のサイズとの差が一致している場合には、容器の縁部を掴んで蓋体付き容器を持ち運ぶ際に縁部はつかみやすいが、上述したように器の内容物が熱い液体等である場合、熱が容器の縁部に伝達されて縁部の温度上昇を招き、このことが蓋体付き容器を持ち運ぶ際の妨げとなる虞がある。
【0007】
本発明の目的の一つは、次のような蓋体を提供することにある。すなわち、蓋体のサイズの種類が容器のサイズの種類よりも少なくする場合や、蓋体を取り付ける容器の開口部のサイズを多様にする場合において、蓋体と容器の縁部のサイズに違いが生じて蓋体の外周縁から容器の開口部までの距離が変動しても、容器の縁部を掴んで蓋体付き容器を持ち運びやすくすることを可能とするような蓋体を提供する。また、縁部の温度上昇によって容器を持ち運ぶことが困難になる虞を低減することが可能となるような蓋体を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、次の(1)から(19)にかかる発明を要旨としている。
【0009】
(1)上端に形成された開口部と前記開口部の外周を形成する縁部とを有する容器に接合可能に形成されており、
前記容器の前記縁部に沿って前記容器に接合される領域に対応する接合領域対応部と、前記接合領域対応部の内周縁から内側の部分で構成される蓋領域対応部と、
前記接合領域対応部を含み且つ前記接合領域対応部の内周縁から外側の部分で構成される外側領域対応部、とを有し、
前記外側領域対応部の平面視上、
前記蓋領域対応部の中心として定められた中心位置と前記外側領域対応部の外周縁とを結ぶ線分で前記外側領域対応部と前記接合領域対応部とを分断し、且つ、前記外側領域対応部を分断する部分を第1分断部とし、前記接合領域対応部を分断する部分を第2分断部とし、
前記第1分断部の長さを最小とする前記線分を基準線分とした場合に、
前記外側領域対応部は、下記の条件を満たすように構成されている、
蓋体。
条件: 前記基準線分の位置且つ前記第2分断部の位置に定められた共通する1か所を通り且つ前記外側領域対応部の領域に収まるような比率の異なる複数の相似形が定められる。
(2)前記基準線分は、前記第1分断部の長さと前記第2分断部の長さの差の値を最小とする、
上記(1)に記載の蓋体。
(3)前記外側領域対応部の所定の領域を通過する線分が前記基準線分に対応する、
上記(1)に記載の蓋体。
(4)前記接合領域対応部の面方向に沿うとともに前記基準線分の延びる方向に対して垂直な方向に延び且つ前記蓋領域対応部の前記中心を通って前記外側領域対応部を区分する直線を区分直線とし、
前記区分直線で区分される前記外側領域対応部のうち、前記基準線分に対応する前記外側領域対応部の位置を含む部分を第1部分とし、前記第1部分から外れた部分を第2部分とした場合に、
第1部分の面積よりも第2部分の面積のほうが大きい、
上記(1)に記載の蓋体。
(5)前記第1部分では、前記外側領域対応部の外周縁に沿って前記基準線分から離れた位置での前記第1分断部ほど、前記第1分断部の長さが長くなるように形成されている、
上記(4)に記載の蓋体。
(6)前記外側領域対応部には延出部が形成されている、
上記(1)に記載の蓋体。
(7)前記蓋領域対応部に、溝部を形成している、
上記(1)に記載の蓋体。
(8)前記蓋領域対応部に差し込み口が形成されている、
上記(1)に記載の蓋体。
(9)前記蓋領域対応部に、前記差し込み口として前記蓋領域対応部における分断位置を案内する脆弱化部が設けられており、
前記脆弱化部は、複数の貫通部と、少なくとも2つの貫通部の間に形成された少なくとも一つの連続部とを有する、
上記(8)に記載の蓋体。
(10)前記蓋領域対応部は、前記容器の前記開口部よりも小さな開口面積を有する小開口部を有するベース部と、前記小開口部を開閉する小蓋部と、前記ベース部と前記小蓋部とを繋げるヒンジ部とを備え、
前記小蓋部は、前記ヒンジ部を軸として前記ベース部に対して回動可能に構成されている、
上記(1)に記載の蓋体。
(11)前記小蓋部の上面側に摘み部が設けられている、
上記(10)に記載の蓋体。
(12)前記摘み部は、前記タブ部材を有しており、
前記タブ部材は、前記小蓋部の上面側に接合されている、
上記(11)に記載の蓋体。
(13)紙系素材で形成されている、
上記(1)に記載の蓋体。
(14)記複数の相似形は、径の異なる複数の円である、
上記(1)に記載の蓋体。
(15)通気性シートを有し、
前記通気性シートの少なくとも一部は、前記蓋領域対応部の少なくとも一部に設けられている、
上記(1)に記載の蓋体。
(16)窓部を有し、
前記窓部は、前記蓋領域対応部の少なくとも一部に形成されている、
上記(1)に記載の蓋体。
(17)前記接合領域対応部のうち、前記接合領域対応部の幅が最も狭い位置を狭部基準位置とし、前記狭部基準位置の幅に対して幅が2倍以上の大きさとなる部分を広部とし、前記広部を除く部分を非広部とした場合に、広部と非広部とがそれぞれ複数形成されている、
上記(1)に記載の蓋体。
(18)上記(1)に記載の蓋体と、
上端に形成された開口部を有する容器と、有し、
前記蓋体を前記容器に接合した、
蓋体付き容器。
(19)上記(1)に記載の蓋体と、
上端に形成された開口部を有する容器と、有する、
蓋体と容器の組み合わせ。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、次のような蓋体、蓋体付き容器、蓋体と容器の組み合わせが提供される。本発明の蓋体、蓋体付き容器、蓋体と容器の組み合わせによれば、蓋体のサイズの種類が容器のサイズの種類よりも少なくする場合や、蓋体を取り付ける容器の開口部のサイズを多様にする場合において、蓋体と容器の縁部のサイズに違いが生じて蓋体の外周縁から容器の開口部までの距離が変動しても、容器の縁部を掴んで蓋体付き容器を持ち運びやすくすることが可能となる。また、本発明によれば、容器の縁部の温度上昇によって容器を持ち運ぶことが困難になる虞を低減することが可能となるような蓋体を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1Aは、第1の実施形態にかかる蓋体の一実施例を表す平面図である。図1Bは、図1AのA-A線縦断面の状態を模式的に示す断面図である。
図2図2A図2Bは、第1の実施形態にかかる蓋体の一実施例を表す平面図である。
図3図3は、第1の実施形態の変形例1及び変型例2にかかる蓋体の一実施例を説明するための平面図である。
図4図4Aは、第2の実施形態にかかる蓋体の一実施例を表す平面図である。図4Bは、図4AのB-B線縦断面の状態を模式的に示す断面図である。
図5図5Aは、第2の実施形態にかかる蓋体の一実施例を表す平面図である。図5Bは、図5AのC-C線縦断面の状態を模式的に示す断面図である。
図6図6Aは、第1の実施形態の変形例3にかかる蓋体の一実施例を表す平面図である。図6Bは、図6AのD-D線縦断面の状態を模式的に示す断面図である。
図7図7Aは、第3の実施形態にかかる蓋体の一実施例を表す平面図である。図7Bは、図7AのE-E線縦断面の状態を模式的に示す断面図である。
図8図8Aは、第3の実施形態にかかる蓋体の一実施例を表す平面図である。図8Bは、図8AのF-F線縦断面の状態を模式的に示す断面図である。
図9図9Aは、第3の実施形態にかかる蓋体の一実施例を表す平面図である。図9Bは、図9AのG-G線縦断面の状態を模式的に示す断面図である。
図10図10Aは、第3の実施形態にかかる蓋体の一実施例を表す平面図である。図10Bは、図10AのH-H線縦断面の状態を模式的に示す断面図である。
図11図11Aは、第4の実施形態にかかる蓋体の一実施例を表す平面図である。図11Bは、図11AのI-I線縦断面の状態を模式的に示す断面図である。
図12図12Aは、第4の実施形態にかかる蓋体の一実施例を表す平面図である。図12Bは、図12AのJ-J線縦断面の状態を模式的に示す断面図である。
図13図13Aは、第5の実施形態にかかる蓋体の一実施例を表す平面図である。図13Bは、図13AのK-K線縦断面の状態を模式的に示す断面図である。
図14図14Aは、蓋体付き容器の一実施例を示す斜視図である。図14Bは、図14AのL-L線縦断面の状態を模式的に示す断面図である。
図15図15Aは、第6の実施形態にかかる蓋体の一実施例を表す平面図である。図15Bは、図15AのM-M線縦断面の状態を模式的に示す断面図である。
図16図16Aは、第7の実施形態にかかる蓋体の一実施例を表す平面図である。図16Bは、図16AのN-N線縦断面の状態を模式的に示す断面図である。
図17図17Aは、第7の実施形態にかかる蓋体の一実施例を表す平面図である。図17Bは、図17AのO-O線縦断面の状態を模式的に示す断面図である。
図18図18Aは、第8の実施形態にかかる蓋体の一実施例を表す平面図である。図18Bは、図18AのP-P線縦断面の状態を模式的に示す断面図である。
図19図19Aは、第9の実施形態にかかる蓋体の一実施例を表す平面図である。図19Bは、図19AのQ-Q線縦断面の状態を模式的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明に係る蓋体について、図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明に係る蓋体は、コーヒーカップのような各種の飲料物を入れる容器(カップ)に対して用いられる蓋体を例として挙げて説明するが、飲料物を入れる容器の蓋体に限定されるものではなく、飲料物以外の食料品を収容する容器の蓋体としても適用することが可能である。また、本発明に係る蓋体は、飲食物以外の各種物品、例えばボルトやナット等といった部品や、上記した以外の物品を収容することのできる容器にも適用することができる。さらに、本発明に係る蓋体は、平面視したときの形状が円形状であるものの例を用いて以下においては説明するが、蓋体の形状は平面視したときに円形状であるものに限定されることはなく、楕円形状、矩形状、三角形状などの多角形状、面取り矩形状、面取り多角形状等、円形状以外の各種の形状にも適用することができる。
【0013】
以下、本発明に関係した第1の実施形態から第9の実施形態及び適用例について、順次、図面を参照しながら説明する。本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0014】
以下の説明は本発明の好適な具体例であり、本発明の内容は、これらの実施の形態等に限定されるものではない。また、以下の説明において、説明の便宜を考慮して、前後、左右、上下等の方向及び水平面の方向を示すが、本発明の内容はこれらの方向に限定されるものではない。
【0015】
[1 第1の実施形態]
[1-1. 構造]
第1の実施形態にかかる蓋体1は、開口部102を有する容器101に対して開口部102を被覆した状態を形成し且つ容器101を接合することが可能となるように形成される。蓋体1は、図14A図14B等を用いて後述するように、上端に形成された開口部102と開口部102の外周を形成する上端縁部となる縁部103とを有する容器に接合可能に形成されている。図14A図14Bは、図1A図1Bに示す蓋体1を容器101に接合した蓋体付き容器150の例を示す斜視図、断面図である。蓋体1は、縁部103に沿って接合されて用いることができるものである。蓋体1において、蓋体1の平面視上、縁部103に接合される領域を接合領域Rと呼ぶ。図1Aは、蓋体1の一実施例を示す平面図である。図1Bは、蓋体の一実施例を示す断面図(図1AのA-A線縦断面図)である。なお、容器101としては、開口部102の縁部103に可撓性を有するものがより好ましく用いられる。ただし、これらのことは容器101が、金属製の容器など可撓性の少ないあるいはほとんど認められないような容器であることを禁止するものではない。
【0016】
接合領域Rは、図1の例では、容器101の開口部102に応じた形状で開口部102に沿っておおむね環状に形成される領域に対応している。
【0017】
蓋体1は、紙系素材を含む又は紙系素材から形成されることが好適である。図1の例では、蓋体1は、シート状の部材で構成されており、シート状の部材が、紙系素材を含む又は紙系素材から形成される。
【0018】
(紙系素材)
紙系素材としては、パルプだけからなるもののほか、非パルプ系の天然繊維や合成繊維、再生繊維等の繊維を含むものであっても良いが、パルプを50質量%以上含むことが好ましく、70質量%以上含むものがより好ましく、更に80質量%以上含むものが好ましいが、特にパルプ100質量%からなるものが好ましい。紙系素材は、合成樹脂や天然樹脂のフィルムや不織布、木箔等の木質系素材等、さらにはアルミ箔等の素材との複合材料も用いることができるが、複合材料とする場合、複合材料全体としてパルプを50質量%以上含有することが好ましく、特に80質量%以上のパルプを含むものが好ましい。パルプ含有分の高いほど、紙系素材が生分解されやすくなるため好ましい。
【0019】
蓋体1は、図1A図1Bに示すように、接合領域対応部5A、蓋領域対応部5Bと外側領域対応部5Cと、を有している。
【0020】
(接合領域対応部)
接合領域対応部5Aは、蓋体1のうち容器101の縁部103に沿って容器101に接合される領域に対応する部分である。すなわち、接合領域対応部5Aは、接合領域R(容器101の縁部103に向かい合う領域且つ容器101に接合される領域)に対応した蓋体1の部分である。接合領域対応部5Aは、蓋体付き容器150においては、蓋体1のうち蓋体1と容器101との接合部151を形成する部分である。具体的には、蓋体1の平面視上(図1Aの例ではZ軸方向(上下方向)を視線方向とした場合)、接合領域Rを形成する部分が接合領域対応部5Aとして定められる。接合領域対応部5Aは、通常、図1Aに示すように環状に形成されている。特に、図1Aに示すように、容器101の縁部103がおおむね円環状に形成されている場合には、接合領域Rが円環状となり、接合領域対応部5Aについても蓋体1の平面視上、おおむね円環状となる。接合領域対応部5Aの外縁は、接合領域Rの外縁の位置に応じて定められる。接合領域対応部5Aの外周縁51は、蓋体1の外周縁に位置していてもよいし、図1Aの例に示すように蓋体1の外周縁よりも内側に位置してもよい。蓋体1と容器101との接合領域Rが連続的に形成されていない場合には、隣り合う接合領域Rで挟まれた部分且つ縁部103に向かい合う部分についても後述する接合領域対応部5Aに含まれるものとする。
【0021】
(蓋領域対応部)
蓋領域対応部5Bは、開口部102を被覆する部分で構成される部分である。蓋領域対応部5Bは、図1Aの例では、蓋体1のうち接合領域対応部5Aの内周縁52から内側の部分となっている。蓋領域対応部5Bは、蓋体付き容器150において開口部102を覆う部分となっている。なお、開口部102を覆う部分とは、開口部102の少なくとも一部を覆う部分であり、第3の実施形態でも説明するように小開口部66を有する場合等が含まれる。
【0022】
(外側領域対応部)
なお、図1Aの例に示すように、蓋体1の蓋領域対応部5Bの外側の部分は、外側領域対応部5Cである。外側領域対応部5Cは、接合領域対応部5Aを含み且つその接合領域対応部5Aの内周縁52から外側の部分で構成される。
【0023】
外側領域対応部5Cは、第1分断部6、第2分断部7、第1分断部6に基づき定められる基準線分MP、及び相似形SHに基づいて規定される下記の条件を満たすように構成されている。
【0024】
条件: 基準線分MPの位置且つ第2分断部7の位置に定められた共通する1か所を通り且つ外側領域対応部5Cの領域に収まるような比率の異なる複数の相似形SHが定められる。
【0025】
ただし、上記した第1分断部6、第2分断部7、基準線分MP、及び相似形SHは、次のように定められる。
【0026】
(第1分断部及び第2分断部)
第1分断部6及び第2分断部7については、図2Aに示すように、外側領域対応部5Cの平面視上、蓋領域対応部5Bの中心として定められた中心位置Cと外側領域対応部5Cの外周縁53とを結ぶ線分Mで外側領域対応部5Cと接合領域対応部5Aとを分断した場合を想定したとき、外側領域対応部5Cを分断する部分が第1分断部6として定められる。また、図2Aに示すように、接合領域対応部5Aを分断する部分(線分の部分)が第2分断部7として定められる。
【0027】
(基準線分)
基準線分MPは、第1分断部6の長さを最小とする線分Mとして定められる。基準線分MPは、第1分断部6の長さと前記第2分断部7の長さの差の値を最小とすることが好ましい。図2Aにおいては、基準線分MPに対応する外側領域対応部5Cの外周縁53の位置が、位置Nで示されている。
【0028】
(相似形)
上記した「条件」に示される相似形SHとしては、円等を例示することができる。図2Aの例では、条件に示される「複数の相似形」は、径の異なる複数の円SC1、SC2・・・である。すなわち、図2Aに示す例では、第1分断部6を最小とする位置として、外側領域対応部5Cの外周縁53上の位置Nが定められ、基準線分MPとして、蓋領域対応部5Bの中心位置Cと位置Nを結ぶ線分が定められる。そして、基準線分MPの位置且つ第2分断部7の位置に定められた位置として指定位置N1を定めた場合に、指定位置N1を通り外側領域対応部5Cの領域に収まるような円として、複数の互いに径(直径)の異なる円SC1、SC2が存在できるように、外側領域対応部5Cが形成されている。このとき、径の異なる円SC1、SC2が共通して通過する位置として指定位置N1が存在している。
【0029】
(第1分断部の長さ)
外側領域対応部5Cの外周縁53に沿って基準線分MPから離れた位置(図2では、矢印F1、矢印F2方向に、位置Nから離れた位置)での第1分断部6ほど、第1分断部6の長さが長くなるように形成されている、ことが好ましい。後述するように外側領域対応部5Cを第1部分8と第2部分9に区分した場合に、少なくとも第1部分8において、外側領域対応部5Cの外周縁53に沿って基準線分MPから離れた位置での第1分断部6ほど、第1分断部6の長さが長くなるように形成されている、ことが好ましい。このように形成されていると、複数の相似形SHを存在できるように外側領域対応部5Cを形成することがより容易となる。
【0030】
第1の実施形態にかかる蓋体1においては、図2Bに示すように外側領域対応部5Cを区分して定められる第1部分8の面積と第2部分9の面積とが特定の大小関係を有するように構成されていることが好ましい。図2Bは、第1部分8と第2部分9を説明するための平面図である。
【0031】
(第1部分と第2部分)
第1部分8と第2部分9は、外側領域対応部5Cを区分直線NPで区分した状態を想定した場合に定められる外側領域対応部5Cの部分である。第1部分8は、区分直線NPで区分される外側領域対応部5Cのうち、基準線分MPに対応する外側領域対応部5Cの位置を含む部分として定められる。また、第2部分9は、第1部分8から外れた部分(外側領域対応部5Cのうち第1部分8とは異なる部分)として定められる。
【0032】
(区分直線)
区分直線NPは、接合領域対応部5Aの面方向(図2Bの例では、XY平面方向)に沿うとともに基準線分MPの延びる方向に対して垂直な方向に延び且つ蓋領域対応部5Bの中心(中心位置C)を通って外側領域対応部5Cを区分する直線を示すものとする。
【0033】
図2Bに示す蓋体1においては、第1部分8の面積よりも第2部分9の面積のほうが大きい。このように構成されていることで相似比率の大きく異なる相似形SHでも収まるように外側領域対応部5Cを定めることが容易となる。
【0034】
[1-2. 製造方法]
蓋体1の製造方法としては例えば、蓋体1の材質に応じた材料で形成されたシート材料(原反シート)を蓋体1の形状に応じて打ち抜きブランク材を製造し、ブランク材に必要に応じた加工を施すことで蓋体1を製造することができる。なお、ブランク材に加工を施さず、ブランク材をそのまま蓋体1としてもよい。
【0035】
なお、ブランク材に加工を施すことは、ブランク材に凹凸加工などの賦形処理を行うことを例示することができる。なお、ブランク材に加工を施すことには、蓋体にブランク材にタブ部材等の部材を取り付けられることを含むものとする。
【0036】
原反シートは、紙系素材を含む繊維シートで構成されていることが好適である。
【0037】
(紙系素材を含む繊維シート)
紙系素材を含む繊維シートとしては、繊維原料のスラリーを網上に抄き取り、乾燥ないし押圧乾燥、抄紙してシート状にして得られる、いわゆる紙や、パルプ系繊維等からなる原料シートを粉砕機で粉砕して得られる粉砕パルプ等の開繊繊維原料を空気流によって積繊し、積繊体の繊維相互をバインダーで固定して得られるいわゆるエアレイドシート等、植物繊維、その他の繊維を膠着させて製造される所謂紙類を挙げることができる。また、紙系素材を含む繊維シートには、上記したような紙類を複数枚積層した積層構造を有するものが含まれる。また、繊維シートには、紙系素材の他、化学繊維や、耐水性等の機能を付与された繊維、金属繊維、ガラス繊維等のパルプ以外の繊維を有するシート材料が含まれる。
【0038】
[1-3. 作用及び効果]
本発明によれば、蓋体1のサイズの種類が容器101のサイズの種類よりも少なくする場合や、蓋体1を取り付ける容器101の開口部102のサイズを多様にする場合において、蓋体1と容器101の縁部103のサイズに違いが生じて蓋体1の外周縁から容器101の開口部102の縁部103までの距離が変動しても、容器101の縁部103を掴んで蓋体付き容器150を持ち運びやすくすることが可能となる。
【0039】
特に、蓋体が紙系素材で形成されている場合、蓋体の外縁に全体的に予定されない折れ目が形成される可能性があり、容器の持ち運ぶ際に容器の縁部がより掴みにくくなる可能性がある。この点、本発明によれば、位置Nで第1分断部6の長さを最小とすることができる。そして位置Nで第1分断部6と第2分断部7の差をおおむね無くする場合には、位置Nを、蓋体付き容器150の縁部103を持った際に折り目や潰れの生じにくい部分(折り目や潰れの発生が規制された部分)とすることができる。このため、蓋体付き容器を持ち運ぶ際に、位置Nやその近傍に指を掛けることで、位置Nやその近傍では蓋体に折り目や潰れを生じる可能性を減少させることが容易となり、容器の持ち運びが容易となる。
【0040】
[1-4. 変形例]
(変形例1)
第1の実施形態にかかる蓋体1においては、図3に示すように、外側領域対応部5Cを分断する線分が基準線分MPである場合に定められる第1分断部6と第2分断部7の長さが等しくてもよい(基準線分MPの位置での外側領域対応部5Cの幅と接合領域対応部5Aの幅が同じ)。この実施形態を第1の実施形態の変形例1と称呼する。図3は、第1の実施形態の変形例1にかかる蓋体1の一実施例を説明するための平面図である。第1の実施形態の変形例1にかかる蓋体1においては、基準線分MP上の位置Nが、第2分断部7の外周縁(接合領域対応部5Aの外周縁51)上の位置であり、且つ第1分断部6の外周縁(外側領域対応部5Cの外周縁53)上の位置となっている。図3は後述する第1の実施形態の変形例2にかかる蓋体1の一実施例を説明するための平面図を兼ねている。
【0041】
(変形例2)
第1の実施形態にかかる蓋体1においては、図3に示すように、外側領域対応部5Cの所定の領域Pを通過する線分が基準線分MPに対応してもよい。この実施形態を第1の実施形態の変形例2と称呼する。図3の例では、領域P内で定められた位置と中心位置Cとを結ぶ線分をいずれも基準線分MPに該当させるように、外側領域対応部5Cと接合領域対応部5Aを定めることができる。
【0042】
(変形例3)
第1の実施形態にかかる蓋体1においては、図6に示すように、外側領域対応部5Cには延出部11が形成されてもよい。この実施形態を第1の実施形態の変形例3と称呼する。図6の例では、延出部11における所定の位置と位置Nとの間に中心位置Cが存在するように、延出部11が形成されている。
【0043】
延出部11は、外側領域対応部5Cから連続一体的に形成されている部分であってもよいし、外側領域対応部5Cとは異なる部材を接合させた部分であってもよい。
【0044】
[2 第2の実施形態]
[2-1. 構成]
第2の実施形態にかかる蓋体1は、図4A図4Bに示すように、蓋領域対応部5Bに差し込み口12が形成されている。図4A図4Bは、第2の実施形態にかかる蓋体の一実施例を示す平面図、断面図(図4AのB-B線縦断面図)である。第2の実施形態にかかる蓋体1は、差し込み口12の構成を除く他の構成については、第1の実施形態と同じである。第2の実施形態の説明については、第1の実施形態と重複する構成の部分についての説明を省略する。
【0045】
(差し込み口)
蓋領域対応部5Bには、外部からストローなどを差し込む差し込み口12が形成されている。図4Aに示す例では、差し込み口12が、貫通部13で形成されている。
【0046】
(貫通部)
貫通部13は、蓋体1の一方面から他方面まで上下方向(厚み方向)に切り込まれた構造(貫通させた構造)を有しており、いわゆる切り込み部である。貫通部13の形状は、特に限定されず、図4Aの例では十字形状に形成されているが、これらは、一例であり、図4Aの例は貫通部13の形状を限定するものではない。
【0047】
[2-2. 変形例]
第2の実施形態にかかる蓋体1においては、図5A図5Bに示すように、差し込み口12は貫通部13で形成されることに限定されず、差し込み口12が脆弱化部14で形成されてもよい。すなわち、蓋体1においては、蓋領域対応部5Bに、蓋領域対応部5Bにおける分断位置を案内する脆弱化部14が設けられてよい。脆弱化部14は、複数の貫通部13と、少なくとも2つの貫通部13の間に形成された少なくとも一つの連続部15とを有する構造(貫通部13と連続部15との組み合わせ構造)で形成されてよい。図5の例では、脆弱化部14は、連続部15の周囲に放射状に複数の貫通部13を形成している。図5A図5Bは、第2の実施形態の変形例にかかる蓋体の一実施例を示す平面図、断面図(図5AのC-C線縦断面図)である。
【0048】
脆弱化部14は、貫通部13と連続部15の組み合わせで構成されている場合に限定されず、ハーフカット部であってもよい(図示しない)。ハーフカット部は、蓋領域対応部5Bを上下方向に途中の位置まで切り込んだ構造を有しており、蓋領域対応部5Bを上下方向に中央まで切り込んだ構造に限定されない。
【0049】
第2の実施形態の蓋体1及び第2の実施形態の変形例にかかる蓋体1においては、差し込み口12が十字形状とは異なっていてもよい。例えば、差し込み口12がC字形状に形成されてもよい。この場合、脆弱化部14は、C字形状に沿って貫通部13と連続部15を配置した構造を有してもよい(図示しない)。
【0050】
[3 第3の実施形態]
[3-1. 構成]
第3の実施形態にかかる蓋体においては、図7A図7Bに示すように、蓋領域対応部5Bは、容器101の開口部102よりも小さな開口面積を有する小開口部66を有するベース部62と、小開口部66を開閉する小蓋部63と、ベース部62と小蓋部63とを繋げるヒンジ部64とを備え、小蓋部63は、ヒンジ部64を軸としてベース部62に対して回動可能に構成されている。ベース部62は、蓋体1から小蓋部63を除く部分で構成されている。ベース部62は、図7Aの例では、蓋領域対応部5Bから小蓋部63を除く部分と、外側領域対応部5Cとを合わせた部分で構成される。小蓋部63はベース部62とは異なる部材をヒンジ部64で連結させたものでもよいが、図7Aの例に示すように小蓋部63とベース部62が連続一体的に形成されてもよい。ただし、連続一体的という場合には、小蓋部63とベース部62とがわずかでも連続する部分が存在する場合を含み、ヒンジ部64で部分的に切断されている場合を含む。図7A図7Bは、第3の実施形態にかかる蓋体の一実施例を示す平面図、断面図(図7AのE-E線縦断面図)である。第3の実施形態にかかる蓋体1は、ベース部62と小蓋部63とヒンジ部64の構成を除く他の構成については、第1の実施形態と同じである。第3の実施形態の説明については、第1の実施形態と重複する構成の部分についての説明を省略する。
【0051】
小蓋部63の外周縁163と小開口部66の開口縁166との境界位置(境界DL)には、貫通部13が形成されてもよい。貫通部13は、上記第2の実施形態で説明したものと同様の構造を有する部分でよい。小蓋部63の外周縁163と小開口部66の開口縁166との境界位置(境界DL)には、貫通部13に変えて脆弱化部14が形成されてもよい。脆弱化部14は、上記第2の実施形態の変形例で説明したものと同様の構造を有する部分でよい。
【0052】
(小蓋部と基準線分の位置関係)
小蓋部63は、その前端縁部164が基準線分MPと交差するように形成されていることが好ましい。この場合、小開口部66の開口縁166のうち前端縁部164に向かい合う部分も基準線分MPと交差するように形成されている。また、前端縁部164の先端164Aが基準線分MP上に形成されていることが好ましい。この場合、小開口部66の開口縁166のうち前端縁部164の先端164Aに向かい合う部分も基準線分MP上に形成される。
【0053】
[3-2. 作用及び効果]
第3の実施形態にかかる蓋体1においては、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0054】
蓋体付き容器を製造する際、通常は、上下方向を視線方向として、容器の中心に蓋体の中心をおおむね位置合わせして、ヒートプレス法などで蓋体と容器とを接合する(シールする)。蓋体のサイズが、容器の開口部の縁部のサイズにおおむね一致していると、蓋体の外周縁が容器の縁部から大きく外側に出ることがなく、使用者が蓋体付き容器の縁部をしっかり掴んで蓋体付き容器を持ち運ぶことができる。しかしながら、蓋体のサイズが容器の縁部のサイズに一致せず、蓋体のサイズが大きすぎる場合に、容器の中心に蓋体の中心をおおむね位置合わせして、蓋体を容器に接合してしまうと、蓋体の外周縁が容器の縁部から大きく外側に出てしまい、飲み口となる小開口部の少なくとも一部が開口部の縁部の外側に位置してしまうことが生じ得る。この場合には、小開口部から内容物を摂取しにくくなる。また、小開口部の位置を蓋領域形成部の中心位置に寄った位置とすることで、小開口部を、開口部の縁部よりも内側に位置させることが可能であるが、その場合、小開口部が、外側領域対応部よりも大きく蓋領域形成部の内側に位置してしまい、小開口部を飲み口として内容物を摂取することが困難になる。
【0055】
この点、第3の実施形態にかかる蓋体1においては、小開口部66の開口縁166のうち前端縁部164に向かい合う部分が基準線分MPと交差するように形成されている場合、蓋体1のサイズと容器101の縁部103のサイズとが大きく異なっても、小開口部66の位置の近傍では、小開口部66を容器の縁部の内側に位置させ且つ小開口部66に近い位置での蓋体1の外周縁と容器101の縁部103との距離をおおむね均一化させることができる。このため、蓋体1のサイズと容器101の縁部103のサイズが大きく異なっても小開口部66を飲み口として機能させ且つ容器101の内容物を摂取する際における摂取のしやすさをおおむね揃えることができる。
【0056】
[3-3. 変形例]
(変形例1)
第3の実施形態の蓋体1においては、図8A図8Bに示すように、小蓋部63の上面側(露出面16側)に摘み部71が設けられていてもよい。このような実施形態を第3の実施形態の変形例1と称呼する。図8A図8Bは、第3の実施形態にかかる蓋体1の一実施例を示す平面図、断面図(図8AのF-F線縦断面図)である。図8A図8Bの例では、小蓋部63で小開口部66を閉鎖した状態において、小蓋部63の露出面(蓋体1の露出面16)側である上面側に摘み部71が設けられている。摘み部71の構造は、特に限定されないが、ヒンジ部64を軸として小蓋部63を回動させることができるものであることが好ましく、図8A図8Bの例では、摘み部71としてタブ部材73が設けられている。
【0057】
(タブ部材)
小蓋部63で小開口部66を閉鎖した状態において、タブ部材73は、タブ部材73の一端部77Aを小蓋部63に接合されており、タブ部材73の他端部77Bを自由端としていることが好ましい。他端部77Bを自由端としている場合には、他端部77Bを容剥離性の粘着剤で剥離可能に小蓋部63に固定されている場合を含む。タブ部材73のうち小蓋部63に接合された部分をタブ接合部78と呼ぶ。タブ部材73のうちタブ接合部78を除き、タブ部材73の自由端側の部分(他端部77B側の部分)は、人の手でタブ部材73を摘むことができる程度の大きさと形状に形成されていれば、特にその形状や構造を限定されるものではない。タブ部材73の材質は、第1の実施形態において説明した蓋体1の材質と同様でよく、紙系素材で構成されてよい。
【0058】
蓋体1において、小蓋部63におけるタブ部材73の取り付け位置や取り付け方向は特に限定されるものはないが、図8Aの例では、タブ部材73は、小蓋部63の先端寄りの位置(すなわち前端縁部164の近傍)において小蓋部63に接合している。
【0059】
タブ部材73を小蓋部63に接合するための方法(すなわちタブ接合部78の形成方法)は、超音波接合やヒートシール、接着剤による接合などといった各種の方法を例示することができる。タブ接合部78の形成方法としては、上記したもののうち接合のしやすさや接合の強度等といった観点から、超音波接合が好ましい。小蓋部63におけるタブ接合部78の形成位置は、タブ部材73を持ち上げることで小蓋部63を立ち上げる(小蓋部63を回動させる)ことを容易とする観点からは、小蓋部63の中央部からずれた位置であることが好ましい。
【0060】
(変形例2)
第2の実施形態にかかる蓋体1においては、図9A図9Bの例に示すように、ヒンジ部64を軸としてベース部62に対して小蓋部63を回動して小開口部66を開放した状態で小蓋部63を保持する保持構造を形成する部分である保持構造形成部72を有していてもよい。このような構成を有する蓋体1を、第2の実施形態の変型例1と称呼する。図9A図9Bは、第2の実施形態の変型例2にかかる蓋体1の一実施例を模式的に示す平面図、断面図(G-G線縦断面図)である。
【0061】
(保持構造形成部)
保持構造形成部72の構成は特に限定されるものではない。例えば、図9Aに示す蓋体1の例では、爪部75と受け部76が保持構造形成部72を形成している。
【0062】
(爪部)
爪部75は、後述する受け部76に対して掛け止めや差し込み等によって係止することが可能な構造を有する部分であればよい。図9Aの例では、爪部75は、摘み部71の例としてのタブ部材73に設けられている。また、この例では、爪部75は、タブ部材73の所定位置におおむね山型形状等の輪郭形状に形成された切り込み部分で形成される。なお、図9の爪部75は一例であり、爪部75の構成は、これに限定されない。爪部75の概念には、図9の例とは異なる形状且つ受け部76に係り止め又は差し込みができるような形状を有するものが含まれてもよい。
【0063】
(受け部)
受け部76は、爪部75を係り止め又は差し込みができるような形状に形成されている。図9Aの例では、受け部76は、ベース部62の所定位置に形成された貫通部13となっている。貫通部13は、第2の実施形態で説明したものと同様に構造を有する構成でよい。受け部76は、小蓋部63をヒンジ部64またはその近傍をおおむね軸として回動させるようにタブ部材73を変位させた際に爪部75に向い合うことができる位置に形成される。
【0064】
(保持構造の形成)
図9Aの例では、蓋体1において小蓋部63を立ち上げる場合等では摘み部71が引き上げられる。このとき、タブ部材73を引き上げるとともにタブ部材73の自由端側(他端部77B側)の所定部分を折り曲げること又はねじることで爪部75が下方向又は上方向に突出した形状となる。そして、小蓋部63の爪部75が受け部76に向い合う位置又はその位置の近傍位置に到達するまで小蓋部63を回動させるようにタブ部材73を変位させる。そしてタブ部材73の爪部75を受け部76に掛け止め又は差し込みする。これにより小開口部66を露出させた状態で小蓋部63を保持する保持構造が形成される。
【0065】
上記の説明では、保持構造形成部72が、受け部76として貫通部13が形成されている場合について説明したが、受け部76に対応する構造は貫通部13に限定されない。
【0066】
(変形例3)
第3の実施形態にかかる蓋体においては、外側領域対応部5Cには延出部11が形成されてもよい。この実施形態を第3の実施形態の変形例3と称呼する。図10A図10Bの例では、延出部11における所定の位置と位置Nとの間に中心位置Cが存在するように、延出部11が形成されている。延出部11は、第1実施形態で説明したように構成されてよい。図10A図10Bは、第3の実施形態の変型例3にかかる蓋体の一実施例を模式的に示す平面図、断面図(H-H線縦断面図)である。
【0067】
[4 第4の実施形態]
[4-1. 構成]
第3の実施形態にかかる蓋体1においては、図11A図11Bに示すように、蓋領域対応部5Bに、蓋領域対応部5Bの外周縁(接合領域対応部5Aの内周縁52)から内側に邪魔部20が形成され、且つ、邪魔部20の内縁20Aから内側の少なくとも一部に、高低差部21と貫通部13とが形成されてもよい。図11A図11Bは、第4の実施形態にかかる蓋体1の一実施例を模式的に示す平面図、断面図(I-I線縦断面図)である。
【0068】
(邪魔部)
邪魔部20は、蓋体付き容器150内に内容物として液体が注入されている場合において、強く容器101が振られた場合に、内容物となる液体が蓋の貫通部13から外部に飛び出ることを邪魔する部分となっている。邪魔部20は、蓋領域対応部5Bの外周縁の少なくとも一部から内側方向(平面視上の蓋領域対応部5Bの中心位置C方向)に延び出た部分として形成されている。図11Aの例では、邪魔部20は、蓋体1の平面視上、蓋領域対応部5Bの外周縁の全周から内側方向(中心位置Cに向かう方向)に延び出た部分として形成されている。
【0069】
(邪魔部の形状)
邪魔部20の形状に関し、邪魔部20は、その幅WLが基準線分MPの位置で最大となるように形成されていることが好ましい。幅WLは次のように定義される。すなわち、邪魔部20の外周縁上に選ばれた位置LUと蓋領域形成部の中心位置Cとを結ぶ線分を想定し、線分のうち線分と邪魔部20に交差する部分の長さを邪魔部の幅WLと定義される。
【0070】
基準線分MPと邪魔部20の外周縁との交差位置を基準として、邪魔部20の外周縁に沿ってその基準の位置から離れるほど、邪魔部20の幅WLが小さくなるように邪魔部20が形成されていることが好ましい。
【0071】
(高低差部)
高低差部21は、蓋領域対応部5Bにおいて邪魔部20の内側端から内側に形成され、且つ、上下方向に位置の異なる部分を形成する。図11Aの例では、高低差部21は、溝部22を有する構造部である。図11Aの蓋体1では、邪魔部20に繋がる溝部22の側壁(外側壁22A)に対応する。溝部22は、一例であり、高低差部21は、段差部でもよい。
【0072】
(溝部)
溝部22は、内側壁22Bと外側壁22Aとを有し、内側壁22Bと外側壁22Aとを繋ぐ底部22Cを有する。図11Aの例では、溝部22を形成する側壁のうち内側(蓋領域対応部の中心寄り)に位置している側壁(内側壁22B)は、その上端部が平面部23の外周縁に繋がっている。高低差部21は、溝部22の底部22Cと邪魔部20との高さ方向の位置の差を形成する構造を有する。図11Aの例では、高低差部21は、溝部22の底部22Cと、内側壁22Bの上端との高さ方向の位置の差も形成している。これに伴い、平面部23と邪魔部20との高さ方向の位置の差も形成されている。溝部22は、外側壁22Aと内側壁22Bの高さ(下端から上端までの高さ方向の位置の差の大きさ)が相違し、外側壁22Aの高さよりも内側壁22Bの高さの方が大きいが、これは一例である。
【0073】
また、溝部22は、邪魔部20の内縁の全周にわたって形成されており、環状に形成されている。溝部22の断面形状は、特に限定されず、断面V字状でも、断面U字状等でもよい。
【0074】
(平面部)
蓋体1においては、図11Aの例では、蓋領域対応部5Bにおいて、高低差部21の内側に平面部23が形成されている。ただしこれは一例である。また、図11Aの例では、平面部23と邪魔部20は、互いに高さ方向の位置が異なっており、平面部23の位置の方が邪魔部20の位置よりも高い位置に配置されている。この場合、蓋体1の面のうち露出面16とは逆側の面(容器101との対向面)には、平面部23と内側壁22Bとで深さのある凹状構造を形成することが容易となり、容器101と蓋体1との間の空間を大きくすることができ、より効果的に容器101内から内容物が外側に零れでる虞を抑制することができる。
【0075】
図11Aの例では、平面部23の外周の全体が溝部22(内側壁22B)に繋がっており、蓋体1の平面視上、高低差部21が平面部23を取り巻くように形成されている。
【0076】
蓋体1においては、蓋領域対応部5Bにおける高低差部21の内側に、平面部23に変えて傾斜面部が形成されていてもよい(図示しない)。また、蓋領域対応部5Bにおける高低差部21の内側に平面部23に変えて湾曲面部が形成されていてもよい(図示しない)。
【0077】
(貫通部)
蓋領域対応部5Bには、高低差部21の内部及び/又は内側に貫通部13が形成されている。図11Aの例では、貫通部13は高低差部21の内側に形成された平面部23に形成されている。ただしこれは一例であり、貫通部13の位置はこれに限定されるものではない。
【0078】
貫通部13は、第2の実施形態で説明したように、蓋体1の一方面から他方面まで上下方向(厚み方向)に切り込まれた構造(貫通させた構造)を有しており、いわゆる切り込み部である。貫通部13の形状は、特に限定されず、図11Aの例では十字形状に形成されているが、これらは、一例であり、貫通部13の形状を限定するものではない。図11Aの例に示す貫通部13は、差し込み口12となる構造部分となっている。
【0079】
[4-2. 製造方法]
蓋体1の製造方法としては例えば、蓋体1の材質に応じた材料で形成されたシート材料(原反シート)を蓋体1の形状に応じて打ち抜き形成されたブランク材に賦形処理を行うことを経て、蓋体1を製造することができる。原反シートは、紙系素材を含む繊維シートで構成されていることが好適である。この場合、上述した蓋体1の製造方法を適用した際に、蓋体1を構成する紙系素材が部分的に引き延ばされる。特に、蓋体1においては、邪魔部20と高低差部21の境界から高低差部21に向かった部分に、紙系素材を構成する繊維の密度が邪魔部20よりも低い低密度部が形成される。また、このような低密度部が形成されていることで、低密度部の緩衝性により、蓋体1全体に緩衝性を付与することができ、容器101を上下方向に振るなどの力が加えられ、内容部が上方向に跳ね上がって邪魔部20に接触しても、邪魔部20への内容物の衝突力を和らげる(緩衝する)ことができるものと考えられる。
【0080】
[4-3. 作用及び効果]
第4の実施形態にかかる蓋体1においては、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、第4の実施形態にかかる蓋体1においては、邪魔部20と高低差部21が形成されているため、容器101に液体が内容物として収容されている場合に、蓋体1の平面部23に貫通部13が形成されていても、邪魔部20と高低差部21で貫通部13からの液体の漏出を抑制することができる。
【0081】
[4-4. 変形例]
(変形例1)
第4の実施形態にかかる蓋体1においては、第3の実施形態と同様に、図12A図12Bに示すように、蓋領域対応部5Bは、容器101の開口部102よりも小さな開口面積を有する小開口部66を有するベース部62と、小開口部66を開閉する小蓋部63と、ベース部62と小蓋部63とを繋げるヒンジ部64とを備え、小蓋部63は、ヒンジ部64を軸としてベース部62に対して回動可能に構成されていてもよい。この実施形態を第4の実施形態の変形例1と称呼する。図12A図12Bは、第4の実施形態にかかる蓋体1の一実施例を模式的に示す平面図、断面図(J-J線縦断面図)である。
【0082】
小蓋部63、小開口部66及びヒンジ部64は、溝部22を避けた位置に形成されていることが好ましく、邪魔部20に形成されていることが好ましい。邪魔部20に形成されていることで、小開口部66を飲み口として使用することが容易となる。
【0083】
小蓋部63の外周縁163と小開口部66の開口縁166との境界DLの位置には、貫通部13が形成されていてもよいが、邪魔部20による液体の漏出抑制をより効果的にする観点からは、境界DLの位置には、ハーフカット部が形成されていることが好ましい。
【0084】
(小蓋部と基準線分の位置関係)
小蓋部63は、上記第3の実施形態と同様に、前端縁部164が基準線分MPと交差するように形成されていることが好ましい。この場合、小開口部66の開口縁166のうち前端縁部164に向かい合う部分も基準線分MPと交差するように形成されている。また、前端縁部164の先端164Aが基準線分MP上に形成されていることが好ましい。この場合、小開口部66の開口縁166のうち前端縁部164の先端164Aに向かい合う部分も基準線分MP上に形成される。
【0085】
小開口部66の開口縁166のうち前端縁部164に向かい合う部分が基準線分MPと交差するように形成されている場合、上記第3の実施形態と同様に、蓋体1のサイズと容器101の縁部103のサイズが大きく異なっても、小開口部66の位置の近傍では、小開口部66を容器の縁部の内側に位置させ且つ小開口部66に近い位置での蓋体1の外周縁と容器101の縁部103との距離をおおむね均一化させることができる。このため、蓋体1のサイズと容器101の縁部103のサイズが大きく異なっても小開口部66を飲み口として機能させ且つ容器101の内容物を摂取する際における摂取のしやすさをおおむね揃えることができる。
【0086】
(変形例2)
第4の実施形態にかかる蓋体1の例では、高低差部21における溝部22の少なくとも一部が凹凸形状(内外方向の凹凸形状)を有していてもよい。この実施形態を第4の実施形態の変形例2と称呼する。例えば、溝部22のうち内側壁22Bが波型などの凹凸形状を賦形された構造を有していてもよい。高低差部21における溝部22の少なくとも一部が凹凸形状(内外方向の凹凸形状)を有していることで、蓋体1の製造時にブランク材の賦形処理を行う際に紙系素材が引き延ばされたことにともなう紙系素材の寸法変化によってブランク材にしわが生じるおそれを抑制することができる。
【0087】
[5 第5の実施形態]
[5-1. 構成]
第5の実施形態にかかる蓋体1は、図13A図13Bに示すように、外側領域対応部5Cにラベル部30と表示部31の組み合わせ構造が形成されている。この組み合わせ構造は、内容物識別部32となる。図13A図13Bは、第5の実施形態にかかる蓋体の一実施例を示す平面図、断面図(図13AのK-K線縦断面図)である。第2の実施形態にかかる蓋体1は、ラベル部30と表示部31の組み合わせ構造を除く他の構成については、第3の実施形態と同じである。第5の実施形態の説明については、第3の実施形態と重複する構成の部分についての説明を省略する。
【0088】
(ラベル部)
蓋体1は、外側領域対応部5Cの外周縁53に複数のラベル部30を備えている。ラベル部30は、延出部11で形成されてよい。ラベル部30は、基端30Aを軸として個々に折り曲げ可能に形成されている。ラベル部30の基端30Aは、おおむねラベル部30の外周縁30Bに沿って突出を開始する2つの位置(突出開始位置NB1、NB2)を結ぶ直線で定められる部分であるものとする。ラベル部30の大きさや形状は、使用者が手等でラベル部30を折り曲げ可能な程度に突出した形状を有していれば特に限定されない。ラベル部30が3以上形成されている場合、ラベル部30は、その離間間隔が均等となるように形成されてもよい。
【0089】
(表示部)
ラベル部30のうちの少なくとも一部のラベル部30については、ラベル部30から蓋領域対応部5Bの内側に向かってずれた位置に、表示部31が設けられていることが好ましい。なお、ラベル部30から蓋領域対応部5Bの内側に向かってずれた位置に表示部31が設けられるという場合には、ラベル部30の部分と、ラベル部30から蓋領域対応部5Bの内側に向かってずれた部分の両部分にまたがって表示部31が形成されている場合も含まれる。
【0090】
表示部31は、文字、図形、賦形形状、色、記号などいずれでもよくまたこれらの組み合わせでもよい。また、表示部は、互いに繋がっていてもよい。図13Aの例では、表示部31が文字で構成されている。それぞれの表示部31は、例えば、COLA、TEA、JUICE、OTHER等という文字を形成した部分となっていてよい。なお、表示部31は、印刷部であってもよいし、エンボス等で凹凸形状を賦形した部分であってもよい。図13Aの例は、表示部31は印刷部となっている。この例では、印刷部は、文字を印刷した部分となっている。
【0091】
(ラベル部と表示部の組み合わせ)
ラベル部30と表示部31の組み合わせは、内容物識別部32を構成している。
【0092】
(ラベル部と基準線分の関係)
ラベル部30は、外側領域対応部5Cの外周縁53のうち基準線分MPの位置に対応する位置Nから、離れた位置に形成されていることが好ましい。例えば、ラベル部30の形成位置が、外側領域対応部5Cの外周縁53の位置(選択位置SN)として、選択位置SNと位置Nとを結ぶ直線NK上に中心位置Cが存在するように選択位置SNを選択した状態を想定した場合に、選択位置SNから外側領域対応部5Cの外周縁53に沿って方位角αが30度(degree)以下となるような範囲内の位置であることが好ましい。方位角αは、選択位置SNと中心位置Cとを結ぶ線分の方向を基準方向として、その基準方向に対する方向のずれ角度を示すものとする。図13の線分Mα1,Mα2は、方位角αが30度となる線分を示すものとする。
【0093】
[5-2. 作用及び効果]
第5の実施形態にかかる蓋体においては、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、第5の実施形態にかかる蓋体においては、ラベル部30と表示部31の組み合わせが形成され、ラベル部30と表示部31がずれた位置に形成されているため、ラベルを折り曲げて内容物の識別を行う場合に、表示部31が隠れることを抑制することができ、効果的に内容物識別部32としてラベル部30と表示部31の組み合わせを機能させることができる。
【0094】
[6 第6の実施形態]
第6の実施形態にかかる蓋体1は、図15A図15Bに示すように窓部41が形成されている。図15A図15Bは、それぞれ第6実施形態にかかる蓋体の一実施例を説明するための平面図、断面図である。なお、図15B図15AのM-M線縦断面の状態を模式的に示す断面図である。第6の実施形態にかかる蓋体1は、窓部41の構造を除く他の構成については、第1の実施形態から第5の実施形態と同じである。第6の実施形態の説明については、第1の実施形態から第5の実施形態と重複する構成の部分についての説明を省略する。
【0095】
(窓部)
窓部41は、蓋体1の本体1Aに対して厚み方向(図15BにおいてZ軸方向)に対して可視光を通することができるように構成された部分であり、蓋体1の一部分に形成した開口孔42と、光透過性を有する被覆シート43とを有し、被覆シート43で開口孔42を被覆した構造を有する。被覆シート43は、開口孔42の周囲で接着されており、被覆シート43と開口孔42の周囲との直接的な融着でもよいし、接着剤を介した接着でもよい。被覆シート43としては、着色又は非着色の透明又は半透明の樹脂フィルム、セロファン紙、グラシン紙等を貼着したり、透明な紙系素材であるセルロースナノファイバー(セルロースミクロフィブリル)から形成された透明な紙を用いること等により形成することができる。透明や半透明な素材を貼着した窓部41を設けることにより、蓋体1が容器101に接合された状態(閉蓋された状態)のまま、容器101の内容物を確認することができる。容器101の内容物の確認をより確実とする観点からは、窓部41の開口孔42が蓋領域対応部5Bの内側に形成されていることが好ましい。また、蓋体1と容器101との接着性に対する影響の観点から、被覆シート43と開口孔42の周囲との接着領域も、蓋領域対応部5Bの内側に形成されていることが好ましい。
【0096】
なお、窓部41の形状は図示したものに限らず、任意の大きさ、形状に形成することができる。
【0097】
[7 第7の実施形態]
第7の実施形態にかかる蓋体1は、図16A図16Bに示すように貫通部45と通気性シート46が設けられている。図16A図16Bは、それぞれ第6実施形態にかかる蓋体1の一実施例を説明するための平面図、断面図である。なお、図16B図16AのN-N線縦断面の状態を模式的に示す断面図である。第7の実施形態にかかる蓋体1は、貫通部45と通気性シート46を設けた構造を除く他の構成については、第1の実施形態から第6の実施形態と同じである。第7の実施形態の説明については、第1の実施形態から第6の実施形態と重複する構成の部分についての説明を省略する。
【0098】
(貫通部)
貫通部45は、第2の実施形態で説明した貫通部13と同様に形成されてよい。貫通部45は、蓋体1の一方面から他方面まで上下方向(厚み方向)に切り込まれた構造(貫通させた構造)を有しており、いわゆる切り込み部である。貫通部45の形状は、特に限定されず、図16Aの例では十字形状に形成されているが、これらは、一例であり、図16Aの例は貫通部45の形状を限定するものではない。図16Aに示す例では、貫通部45で差し込み口12が形成されている。また、この例では、貫通部45は蓋領域対応部5Bに形成されており、蓋領域対応部5Bに、外部からストローなどを差し込む差し込み口48が形成されていることになる。差し込み口48は、第2の実施形態で説明した差し込み口12と同様であるので詳細な説明を省略する。
【0099】
蓋体1は、本体1Aに通気性シート46を設けた構造を有する。ここにいう本体1Aは、蓋領域対応部5B、外側領域対応部5Cを形成しており、第1の実施形態の説明において蓋体1を形成するシート状の部材に対応する。なお、本体1Aの定義は上記第1の実施形態から第6の実施形態においても同様である。
【0100】
(通気性シート)
蓋体1においては、通気性シート46が少なくとも1つ(1枚)設けられている。また通気性シート46の少なくとも一部が、蓋領域対応部5Bの面のうち容器との対向面の少なくとも一部の領域に向かいあうように、少なくとも1つの通気性シート46が配置されている。図16Aの例では、通気性シート46は、蓋体1の蓋領域対応部5Bに設けられている。通気性シート46は、少なくとも本体1Aの蓋領域対応部5Bの面のうち容器101との対向面73側に配置されている。
【0101】
(通気性)
通気性シート46は、通気性シート46の一方面(蓋体1の対向面73)側を向いた面から他方面(蓋体1の露出面72)側に向けられた面(本体1Aに向かいあう面)に向かって、炭酸等の気体や蒸気(水蒸気等)を通過させることができる程度の通気性を有することが好適である。炭酸等の気体や蒸気(水蒸気等)は、「気体等」との用語で総称されることがある。
【0102】
(通気性シートの設置領域)
本体1Aに対する通気性シート46の設置領域について、通気性シート46の少なくとも一方面の少なくとも一部が、蓋領域対応部5Bの面のうち容器101との対向面(蓋体1の対向面73と同様の方向を向いた面)の少なくとも一部の領域に向かいあっている。
【0103】
図16Aの例では、通気性シート46が本体1Aの蓋領域対応部5Bのおおむね全面を被覆するように設けられている。なお、通気性シート46は、本体1Aの蓋領域対応部5Bの外側の領域も覆うように設けられていてもよい。例えば、通気性シート46は、蓋領域対応部5Bのみならず、さらに接合領域対応部5Aの少なくとも一部を覆うように設けられてもよい。ただし、通気性シート46と容器との接合力の影響を抑制でき容器と蓋体との密着性を高める観点からは、通気性シート46は、接合領域対応部5Aの少なくとも一部を避けて配置されていることが好ましく、蓋領域対応部5Bから内側に設けられていることがより好ましい。通気性シート46が接合領域対応部5Aの少なくとも一部を避けて配置されている場合においては、通気性シート46は接合領域対応部5Aの外周縁よりも内側に配置されていることが、接合領域対応部5Aの全周にわたって通気性シート46と容器との接合力の影響を抑制しつつ容器と蓋体との接合が実現できる観点からは好ましい。
【0104】
(通気性シートの設置領域の他例)
なお、通気性シート46が、本体1Aの蓋領域対応部5Bの外側の領域も覆うように設けられている場合には、図17A図17Bに示すように、通気性シート46が、第2部分9側の領域の一部を覆うように配置されていることが好ましい。この場合、第2部分9のうち通気性シート46で覆われた部分が他の部分よりもコシの強い領域となり、使用者が第2部分9のうち通気性シート46で覆われた部分の周囲を掴むことでコシの強い領域の周囲に沿った折り目が付きやすくなり、使用者が蓋体付き容器150を第2部分9で掴んでも意図しない位置で折り目がついて使用者が蓋体付き容器150を落下させてしまう虞を抑制することができる。また、蓋体1の第2部分9の特定の部分に折り目が付き易くなることで、使用者が蓋体付き容器150をその折り目となる部分で把持することで、容器101の縁部103に使用者の手が触れた状態が形成されにくくなり、容器101の縁部103の温度が上昇しても、縁部103の熱が蓋体付き容器150を持ち運ぶ際の妨げとなる虞が抑制される。なお、この効果を高める観点では、通気性シート46のうち第2部分9に向かい合う部分については、全面的に本体1Aに対して接着や融着等によって接合されていることが、第2部分9のコシを高めることができて好ましい。なお、図17A図17Bは、それぞれ第7実施形態にかかる蓋体1の一実施例を説明するための平面図、断面図である。なお、図17B図17AのO-O線縦断面の状態を模式的に示す断面図である。図17A図17Bでは、説明の便宜上、切れ目部47の記載を省略している。
【0105】
(通気性シートと蓋領域対応部との接合部)
通気性シート46と蓋領域対応部5Bとの接合により形成される接合部は、図16Aの例では、通気性シート46の外周に沿って形成されている。接合部の内側では、通気性シート46と蓋領域対応部5Bとが非接合の状態となっている。ただし、これは一例であり、接合部は、通気性シート46の内部領域に形成されてもよい。なお、通気性シート46と蓋領域対応部5Bとの接合により形成される接合部の形成領域は、通気性シート46の一部であることが好適である。この場合、通気性シート46と本体1Aとの間に隙間を生じさせることができるため、通気性シート46に衝突した液体の勢いを緩衝することが容易となり、また通気性シート46に入り込んだ液体が通気性シート46と本体1Aとの間に隙間でトラップしやすくなり、貫通部45からの液体の吹き出しを効果的に抑制することができる。
【0106】
また、図16Aの例では、通気性シート46と蓋領域対応部5Bとの接合により形成される接合部は、通気性シート46の外周に沿って環状に形成されているが、部分的に形成されてもよく、通気性シート46の外周に沿った複数の位置のそれぞれに形成されてもよい。接合部は、接着剤などによって通気性シート46と蓋領域対応部5Bとを接合した部分でもよいし、通気性シート46と蓋領域対応部5Bとを超音波を用いて接合した部分(超音波接合部)でもよい。超音波を用いて接合する方法としては、超音波溶着法等を例示することができる。なお、接合部は、通気性シート46が液体と接触するなどの衝撃によって脱離することが防止できるようにできるだけ通気性シート46と本体1Aとを強く接合する部分であることが好ましい。
【0107】
(通気性シートの材質)
通気性シート46は、複数の繊維を有するシート材である。このような通気性シート46は、繊維シートを有することが好ましい。
【0108】
(繊維シート)
繊維シートとしては、織布シートや不織布シートを例示することができる。貫通部45からの液体の漏れ出しを抑制する効果を高める観点からは、不織布シートであることが好ましい。図16A図16Bの例では、通気性シート46となる繊維シートとして不織布シートが用いられている。
【0109】
(不織布シート)
不織布シートとは、JIS L0222に不織布として定義されている、「繊維が一方向又はランダムに配向されており、交絡、及び/又は融着、及び/又は接着によって繊維間が結合されたもの。ただし、紙、織物、編物、タフト及び縮絨フェルトを除く。」ものを示す。不織布シートは、例えば、スパンボンド不織布、ケミカルボンド不織布、エアレイド不織布、ニードルパンチ不織布、スパンレース不織布、サーマルボンド不織布、レジンボンド不織布、ナノファイバー不織布等が挙げられ、またメルトブローン不織布も挙げられる。不織布シートとしては、パルプ繊維を繊維の主成分とするものが好適であるが、これに限定されず、合成繊維等の非パルプ系繊維を主体とする繊維からなるものが用いられてよいが。不織布シートについてパルプ繊維を繊維の主成分とするものとは、パルプ繊維を50質量%以上含むものを示しておい、好ましくは、70質量%以上のものであり、80質量%以上含むものが更に好ましい。非パルプ系繊維としては、羊毛、蚕糸、綿等の天然繊維、ナイロン、ビニロン、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリアクリル、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリウレタン等の合成繊維、レーヨン等の再生繊維、アセテート等の半合成繊維等が挙げられるが、合成繊維が好適に用いられる。
【0110】
不織布シートは、同一もしくは異なる種類の不織布シートを重ねて用いることができ、異なる素材からなるもの積層させたものであってもよい。
【0111】
(繊維)
繊維シートを構成する繊維は、パルプ繊維が好ましいが、このことは、繊維をパルプ繊維に限定することを示すものではない。繊維は、非パルプ繊維でもよい。非パルプ繊維としては、パルプ繊維以外の天然繊維素材、合成繊維、金属繊維、繊維状に形成された木材、ガラス繊維等を挙げることができる。
【0112】
(切れ目部)
蓋体1においては、貫通部45に対応した位置の少なくとも一部に重なるように切れ目部47が形成されている。切れ目部47は、通気性シート46をその厚み方向に貫通するように切り込まれた部分である。通気性シート46が切れ目部47を有することで、貫通部45が差し込み口48を形成している場合においても、差し込み口48から容器101内の空間部105に向かってストロー等の部材をより確実に差し入れることができる。
【0113】
切れ目部47は、十字状に形成されている。ただし、これは一例であり、切れ目部47の形状は特に限定されず、曲線状でもよい。なお、切れ目部47を形成する切り込みの延びる方向は、貫通部45を形成する切り込みの延びる方向に一致していないことが好ましい。なお、切れ目部47は、省略されてもよい。この場合、切れ目部47に対応する部分やその近傍の部分の肉厚みを、他の部分の肉厚みよりも薄くして、切れ目部47に対応する部分やその近傍の部分を、脆弱な構造(破れを生じやすい構造)とされていることが好ましい。
【0114】
[8 第8の実施形態]
第8の実施形態にかかる蓋体1は、図18A図18Bに示すように、第7の実施形態にかかる蓋体において、通気性シートに変えて気液分離材49を配置されている。図18A図18Bは、それぞれ第8実施形態にかかる蓋体1の一実施例を説明するための平面図、断面図である。なお、図18B図18AのP-P線縦断面の状態を模式的に示す断面図である。第8の実施形態にかかる蓋体1は、気液分離材49を配置されている構造を除く他の構成については、第7の実施形態と同じである。第8の実施形態の説明については、気液分離材の他の部分についての説明を省略する。
【0115】
気液分離材49は、気相と液相とを有する混合流体から気相の気体と少なくとも一部の液相の液体とを分離可能なシート材である。気液分離材を構成するシート材としては、紙系通気シート50が好適に用いられる。
【0116】
紙系通気シート50は、繊維を含み且つ通気性を有するシート(繊維シート)である。紙系通気シートの繊維としては、長繊維が含まれる。紙系通気シートは、長繊維を主成分とすることが、強度の観点からは好ましい。長繊維としては、紙繊維が好適に採用される。主成分とするとは、紙系通気シートを構成する繊維のうち50質量%以上が長繊維であることを示す。
【0117】
紙系通気シート50を形成する繊維は、いわゆる紙繊維(パルプ繊維)を好適に用いられる。したがって、気液分離材49は、気液分離紙と称呼可能な部材であることが好適である。パルプ繊維は、木材パルプの繊維、非木材パルプの繊維等を例示することができる。木材パルプ及び非木材パルプはいずれについても、バージンパルプであることが繊維長さを比較的長い状態で保てる観点からは好ましい。また、パルプ繊維について、木材パルプの中でも、湿潤強度に優れる原紙が得られることから未晒クラフトパルプ(UKP)、晒クラフトパルプ(BKP)、またはそれらの組み合わせであることが好ましい。未晒パルプは、漂白されていない木材パルプを示す。晒パルプは漂白工程を経た木材パルプを示す。晒パルプの漂白方法としては、アルカリ、塩素、次亜塩素酸ナトリウム等を使用する漂白方法や、二酸化塩素等を使用する漂白方法(ECF(Elementary Chlorine Free)漂白法)や、酸素、過酸化水素、オゾン等を使用する漂白方法(TCF(Total Chlorine Free)漂白法)等を例示することができる。非木材パルプについては、リンターパルプ、ケナフパルプ、バガスパルプ、パンブーパルプ、麻パルプなどが例示される。
【0118】
また、長繊維は、洋紙を形成するために通常使用されるパルプ繊維の中でも比較的繊維の長さの短い広葉樹パルプ(L材)の繊維長さ(おおむね1mm程度が通常とされる)以上の繊維を示すものとする。長繊維としては、このようなパルプ繊維のうち湿潤強度に優れる紙系通気シートを得る観点から、針葉樹パルプ(N材)から得られる木材パルプの繊維が好ましい。ただし、紙系通気シート50に含まれる繊維は、平均的に上述した繊維長さなるような材質のものが用いられればよく、広葉樹パルプ(L材)の繊維長さ以下のものが含まれる場合を完全に排除するものではない。すなわち、紙系通気シートには、長繊維よりも繊維長さの短い短繊維が混在してもよい。具体的には、例えば、紙系通気シート50は、針葉樹パルプの繊維を含むことが好ましく、広葉樹パルプの繊維を含むことが排除されていなくてよい。
【0119】
紙系通気シート50は、不織布シートが好適に用いられる。不織布シートの定義は、第7の実施形態で述べたことと同様であるが、紙系通気シートを構成する不織布シートは、上述したような繊維(パルプ繊維等)を用いて水等を利用して繊維を漉くことで得られるシートを好適に用いることができる。紙系通気シートは、このようなシートを用いることで、製造コストを削減することができるととも、隣り合う繊維の間に隙間を確保することが容易となる。
【0120】
(撥液剤)
気液分離材49は、少なくとも紙系通気シート50の一方の面に、紙系通気シート50に対して撥液性を付与可能な撥液剤を配置した構造を有する。紙系通気シート50に対して撥液剤を配置した構造とは、紙系通気シート50を形成する繊維に撥液剤が接している構造を示す。
【0121】
(撥液剤の種類)
撥液剤は、蓋体付き容器150の状態で容器101内に収容される内容物の液体の種類に応じて定められていることが好ましい。内容物の液体が水を含む場合、撥液剤は、撥水剤が好適に用いられる。撥水剤としては、特に限定されないが、フッ素系撥水剤、シリコン系撥水剤、ワックス類等を用いることができる。
【0122】
(撥液剤としての撥水剤の付着方法)
撥水剤の付着方法は、紙系通気シート50に撥水化処理を施す方法を示すことができる。撥水化処理の方法は、特に限定されず、例えば、処理液に紙系通気シートを浸漬し、浸漬された紙系通気シートを引き上げた後、乾燥させる方法を挙げることができる。また、撥水化処理の方法は、紙系通気シートの表面に処理液を塗布する方法を挙げることができる。なお、塗布する方法としては、具体的に印刷法等を例示することができる。印刷法としては、ロールコート、スプレーコート等のコート法、グラビア印刷、スクリーン印刷等を例示することができる。
【0123】
[9 第9の実施形態]
第9の実施形態にかかる蓋体1は、図19A図19Bに示すように接合領域対応部5Aが幅広部80と非幅広部81とをそれぞれ複数有する。図19A図19Bは、それぞれ第6実施形態にかかる蓋体1の一実施例を説明するための平面図、断面図である。なお、図19B図19AのQ-Q線縦断面の状態を模式的に示す断面図である。第9の実施形態にかかる蓋体1は、接合領域対応部5Aが幅広部80と非幅広部81とをそれぞれ複数有する構造を除く他の構成については、第1の実施形態から第8の実施形態と同じである。第9の実施形態の説明については、第1の実施形態から第8の実施形態と重複する構成の部分についての説明を省略する。
【0124】
(幅広部と非幅広部)
接合領域対応部5Aのうち、狭部基準位置NBPの幅に対して幅が2倍以上の大きさとなる部分が幅広部80と定義される。また、接合領域対応部5Aのうち、幅広部80を除く部分が非幅広部81と定義される。図18Aの例では、接合領域対応部5Aのうち基準線分MPに交差する所定の部分で、幅広部80(第1幅広部80A)が形成されている。
また、接合領域対応部5Aに沿って狭部基準位置NBPを含む所定の部分に非幅広部(第1非幅広部)が形成されている。また、接合領域対応部5Aに沿って第1幅広部80Aの端部から第2非幅広部81Bと第3非幅広部18Cが形成されており、第2非幅広部81Bと第1非幅広部81Aとの間に第2幅広部80Bが形成されている。また、第3非幅広部81Cと第1非幅広部81Aとの間に第3幅広部80Cが形成されている。
【0125】
外側領域対応部5Cを幅広部80と非幅広部81との境界線に沿って区分した状態を想定した場合に、外側領域対応部5Cのうち幅広部80を含む部分のコシの強さが、外側領域対応部5Cのうち非幅広部81を含む部分のコシの強さよりも、強い部分となりやすくなっている。図18Aにおいては、幅広部80と非幅広部81とを区分する直線を破線DVLで示す。図18Aの例では、側領域対応部5Cを幅広部80と非幅広部81との境界線に沿って区分した状態を想定した場合に、第1幅広部80A、第2幅広部80B及び第3幅広部80Cを含む部分として区分された部分のコシの強さが、第1非幅広部81A、第2非幅広部81B及び第3非幅広部81Cを含む部分として区分された部分のコシの強さよりも、強くなりやすくなる。
【0126】
なお、幅広部80と非幅広部81は、それぞれ複数形成されていれば、個数は特に限定されるものではないが、コシの強い部分とコシの弱い部分の領域を区分しやすくする観点からは、幅広部80と非幅広部81は、それぞれ2個から12個程度であることが好ましく、2個から6個程度であることがより好ましい。また、接合領域対応部5Aに沿ったそれぞれの幅広部80の長さ、及び接合領域対応部5Aに沿ったそれぞれの非幅広部81の長さは、おおむね同程度であることが好ましい。
【0127】
(狭部基準位置)
狭部基準位置NBPについては、接合領域対応部5Aの内周端に沿った位置のうち接合領域対応部5Aの幅が最も狭い位置が狭部基準位置NBPと定義される。接合領域対応部5Aの幅は、中心位置Cと蓋体1の外周縁(外側領域対応部5Cの外周縁53)とを結ぶ直線のうち接合領域対応部5Aを通る線分の長さを示すものとする。図18Aの例では、基準線分MPの延びる方向に沿って基準線分MPを第2部分9に向けて延長した線ELLが接合領域対応部5Aに対して交わる位置に狭部基準位置NBPが定められている。この場合、狭部基準位置NBPとその近傍がもっともコシの弱い部分となりやすくなる。また、第2部分9は、第1部分8よりも外側領域対応部5Cの幅が大きく、使用者が蓋体付き容器150を把持した場合に、第2部分9のうち狭部基準位置NBPの近傍で折り目を付けた状態が形成されやすくなる。また、図18Aの例では、外側領域対応部5Cの幅のもっとも大きい位置に狭部基準位置NBPが定められており、この点においても、使用者が蓋体付き容器150を把持した場合に、第2部分9のうち狭部基準位置NBPの近傍で折り目を付けた状態が形成されやすくなる。
【0128】
第9の実施形態にかかる蓋体1では、幅広部80が非幅広部81よりもコシの強い領域となり、使用者が第2部分9のうち非幅広部81やその近傍を掴むことで非幅広部81に折り目が付きやすくなるため、折り目のつきやすい位置を制御することができるようになる。また、使用者が蓋体付き容器150を第2部分9で掴んでも特定の位置で折り目が付きやすくなるため、蓋体付き容器150を第2部分9で掴んだ際に意図しない位置で蓋体1に折り目がついて蓋体1に加えた力のバランスが崩れて使用者が蓋体付き容器150を落下させてしまう虞を抑制することができる。また、蓋体1の第2部分9の特定の部分に折り目が付き易くなることで、使用者が蓋体付き容器150をその折り目となる部分で把持することで、容器101の縁部103に使用者の手が触れた状態が形成されにくくなり、容器101の縁部103の温度が上昇しても、縁部103の熱が蓋体付き容器150を持ち運ぶ際の妨げとなる虞が抑制される。
【0129】
[6 適用例]
第1の実施形態にかかる蓋体1は、図14A図14Bに示すように蓋体付き容器150に用いることができる。図14Aは、第1の実施形態にかかる蓋体1を、上端に形成された開口部102を有する容器101の開口部102の外周を形成する縁部103に接合させた実施例を示す斜視図である。図14Bは、図14Aの線縦断面(L-L線縦断面)の状態を模式的に示す断面図である。図14A図14Bを用いて蓋体付き容器150について説明を続ける。
【0130】
(蓋体付き容器)
蓋体付き容器150は、容器101と蓋体1とが接合する接合部151を有しており、接合部151を形成する蓋体1の領域が接合領域Rとなる。蓋体1と容器101との接合方法は特に限定されず、圧着法や、熱融着法(ヒートシール)等の接合方法と適宜用いることができる。以下では第1の実施形態にかかる蓋体1を蓋体付き容器150に使用した場合を例として説明する。
【0131】
容器101は、上方向にむかって径が太くなるような(下方向に向かって先細りするような)筒状の側壁104と底部107を有し内部に空間部105を形成する容器本体110と、容器本体110の上端(側壁104の上端)で開口した開口部102を有する。図示しないが、容器101の開口部102は円形状に形成されている。ただし、ここに示す容器101は一例であり、容器101の構成を限定するものではない。たとえば、容器101は開口部102を矩形状に形成されてもよい。容器101は、蓋体1で開口部102を被覆できるものであればよい。また、容器101の内部(空間部105)に収納されるものは、特に限定されず、例えば液体状のもの、固形状のもの、またはそれらの組み合わせなどを例示することができる。
【0132】
図14A図14Bに示す容器では、開口部102の縁部103は、フランジ部を有している。フランジ部は、容器本体110を形成する部材を外向きに巻きまわされたカール部108であってもよいし、外側方向に平面上に延びる部分(つば部)として形成されてもよい。
【0133】
また、第1実施形態にかかる蓋体1は、開口部102を有する容器101との組み合わせとされてもよい。
【0134】
上記した[6 適用例]で示したことは、第1実施形態にかかる蓋体1を用いる場合に限定されない。第2の実施形態から第9の実施形態についても、第1の実施形態にかかる蓋体1と同様に容器101に接合した蓋体付き容器150に用いることができる(図示せず)。また、第2実施形態から第9の実施形態にかかる蓋体1についても、開口部102を有する容器101との組み合わせとされてもよい。
【0135】
これまで説明したように、本発明に係る蓋体1は、このような多くの態様の蓋体1に対して適用することができる。また、上記した以外の態様の蓋体1に対しても適用することが可能である。以上、本発明に係る蓋体について詳細に説明したが、上記したのは本発明係る蓋体を例示したに過ぎず、これらに限定されるものではない。したがって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更してよい。また、上記した蓋体の構成は、それぞれの例の蓋体の構成を独立して用いてもよいし、それぞれの例の蓋体の構成を適宜組み合わせて適用してもよい。
【0136】
以上の本明細書の説明に基づき、本発明は、次の(1)から(19)に示す構成を採用されてよい。
【0137】
(1)上端に形成された開口部と前記開口部の外周を形成する縁部とを有する容器に接合可能に形成されており、
前記容器の前記縁部に沿って前記容器に接合される領域に対応する接合領域対応部と、前記接合領域対応部の内周縁から内側の部分で構成される蓋領域対応部と、
前記接合領域対応部を含み且つ前記接合領域対応部の前記内周縁から外側の部分で構成される外側領域対応部、とを有し、
前記外側領域対応部の平面視上、
前記蓋領域対応部の中心として定められた中心位置と前記外側領域対応部の外周縁とを結ぶ線分で前記外側領域対応部と前記接合領域対応部とを分断し、且つ、前記外側領域対応部を分断する部分を第1分断部とし、前記接合領域対応部を分断する部分を第2分断部とし、
前記第1分断部の長さを最小とする前記線分を基準線分とした場合に、
前記外側領域対応部は、下記の条件を満たすように構成されている、
蓋体。
条件: 前記基準線分の位置且つ前記第2分断部の位置に定められた共通する1か所を通り且つ前記外側領域対応部の領域に収まるような比率の異なる複数の相似形が定められる。
(2)前記基準線分は、前記第1分断部の長さと前記第2分断部の長さの差の値を最小とする、
上記(1)に記載の蓋体。
(3)前記外側領域対応部の所定の領域を通過する前記線分が前記基準線分に対応する、
上記(1)または(2)に記載の蓋体。
(4)前記接合領域対応部の面方向に沿うとともに前記基準線分の延びる方向に対して垂直な方向に延び且つ前記蓋領域対応部の前記中心を通って前記外側領域対応部を区分する直線を区分直線とし、
前記区分直線で区分される前記外側領域対応部のうち、前記基準線分に対応する前記外側領域対応部の位置を含む部分を第1部分とし、前記第1部分から外れた部分を第2部分とした場合に、
前記第1部分の面積よりも前記第2部分の面積のほうが大きい、
上記(1)から(3)のいずれか1つに記載の蓋体。
(5)前記第1部分では、前記外側領域対応部の前記外周縁に沿って前記基準線分から離れた位置での前記第1分断部ほど、前記第1分断部の長さが長くなるように形成されている、
上記(4)に記載の蓋体。
(6)前記外側領域対応部には延出部が形成されている、
上記(1)から(5)のいずれか1つに記載の蓋体。
(7)前記蓋領域対応部に、溝部を形成している、
上記(1)から(6)のいずれか1つに記載の蓋体。
(8)前記蓋領域対応部に差し込み口が形成されている、
上記(1)から(7)のいずれか1つに記載の蓋体。
(9)前記蓋領域対応部に、前記差し込み口として前記蓋領域対応部における分断位置を案内する脆弱化部が設けられており、
前記脆弱化部は、複数の貫通部と、少なくとも2つの前記貫通部の間に形成された少なくとも一つの連続部とを有する、
上記(8)に記載の蓋体。
(10)前記蓋領域対応部は、前記容器の前記開口部よりも小さな開口面積を有する小開口部を有するベース部と、前記小開口部を開閉する小蓋部と、前記ベース部と前記小蓋部とを繋げるヒンジ部とを備え、
前記小蓋部は、前記ヒンジ部を軸として前記ベース部に対して回動可能に構成されている、
上記(1)から(9)のいずれか1つに記載の蓋体。
(11)前記小蓋部の上面側に摘み部が設けられている、
上記(10)に記載の蓋体。
(12)前記摘み部は、タブ部材を有しており、
前記タブ部材は、前記小蓋部の上面側に接合されている、
上記(11)に記載の蓋体。
(13)紙系素材で形成されている、
上記(1)から(12)のいずれか1つに記載の蓋体。
(14)記複数の相似形は、径の異なる複数の円である、
上記(1)から(13)のいずれか1つに記載の蓋体。
(15)
通気性シートを有し、
前記通気性シートの少なくとも一部は、前記蓋領域対応部の少なくとも一部に設けられている、
上記(1)から(14)のいずれか1つに記載の蓋体。
(16)
窓部を有し、
前記窓部は、前記蓋領域対応部の少なくとも一部に形成されている、
上記(1)から(15)のいずれか1つに記載の蓋体。
(17)
前記接合領域対応部のうち、前記接合領域対応部の幅が最も狭い位置を狭部基準位置とし、前記狭部基準位置の幅に対して幅が2倍以上の大きさとなる部分を広部とし、前記広部を除く部分を非広部とした場合に、広部と非広部とがそれぞれ複数形成されている、
上記(1)から(16)のいずれか1つに記載の蓋体。
(18)上記(1)から(17)のいずれか1つに記載の蓋体と、
上端に形成された開口部を有する容器と、有し、
前記蓋体を前記容器に接合した、
蓋体付き容器。
(19)上記(1)から(18)のいずれか1つに記載の蓋体と、
上端に形成された開口部を有する容器と、有する、
蓋体と容器の組み合わせ。
【符号の説明】
【0138】
1 :蓋体
5A :接合領域対応部
5B :蓋領域対応部
5C :外側領域対応部
6 :第1分断部
7 :第2分断部
8 :第1部分
9 :第2部分
11 :延出部
12 :差し込み口
13 :貫通部
14 :脆弱化部
15 :連続部
16 :露出面
20 :邪魔部
20A :内縁
21 :高低差部
22 :溝部
22A :外側壁
22B :内側壁
22C :底部
23 :平面部
30 :ラベル部
30A :基端
30B :外周縁
31 :表示部
32 :内容物識別部
51 :外周縁
52 :内周縁
53 :外周縁
62 :ベース部
63 :小蓋部
64 :ヒンジ部
66 :小開口部
71 :摘み部
72 :保持構造形成部
73 :タブ部材
75 :爪部
76 :受け部
77A :一端部
77B :他端部
78 :タブ接合部
101 :容器
102 :開口部
103 :縁部
104 :側壁
105 :空間部
107 :底部
108 :カール部
110 :容器本体
150 :蓋体付き容器
151 :接合部
163 :外周縁
164 :前端縁部
164A :先端
166 :開口縁
C :中心位置
DL :境界
F1 :矢印
F2 :矢印
M :線分
MP :基準線分
Mα1 :線分
N1 :指定位置
NB1 :突出開始位置
NB2 :突出開始位置
NP :区分直線
P :領域
R :接合領域
SC1 :円
SC2 :円
SH :相似形
SN :選択位置
V :断面
α :方位角

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19