(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024148288
(43)【公開日】2024-10-18
(54)【発明の名称】コインボックス及びロッカー装置
(51)【国際特許分類】
G07F 9/06 20060101AFI20241010BHJP
G07F 17/12 20060101ALI20241010BHJP
E05B 65/00 20060101ALI20241010BHJP
G07F 11/62 20060101ALI20241010BHJP
【FI】
G07F9/06
G07F17/12
E05B65/00 E
G07F11/62 101
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023061299
(22)【出願日】2023-04-05
(71)【出願人】
【識別番号】506226658
【氏名又は名称】株式会社アルファロッカーシステム
(74)【代理人】
【識別番号】100134832
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧野 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100165308
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100115048
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 康弘
(72)【発明者】
【氏名】大庭 晃
【テーマコード(参考)】
3E044
3E046
【Fターム(参考)】
3E044AA06
3E044BA01
3E046AA02
3E046CC03
3E046HA01
(57)【要約】
【課題】ロッカーボックスの列毎にコインの収容が可能なコインボックスを提供する。
【解決手段】コインボックス10は、上部が開口し、コインが収容されるコイン収容部17と、コイン収容部17を2つの区画に分割する仕切り板15と、を備えている。そして、仕切り板15は、仕切り部15bの凸部15b1の高さがコイン収容部17を構成する周板11a~11dの高さよりも高くなっている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部が開口し、コインが収容される収容部と、
前記収容部を複数の区画に分割する仕切り板と、を備え、
前記仕切り板は、長手方向の所定の範囲の高さが前記所定の範囲以外の高さよりも高くなっている、
ことを特徴とするコインボックス。
【請求項2】
前記仕切り板は、前記収容部の底部に接着される板状の接着部と、前記接着部から立設する仕切り部と、から構成されていることを特徴とする請求項1に記載のコインボックス。
【請求項3】
前記収容部は矩形の箱状に形成され、
前記収容部の一の側面の前方にシリンダー錠が設けられ、
前記仕切り板は、前記一の側面と対向する側面との間を結ぶように設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載のコインボックス。
【請求項4】
縦方向に配列された複数段の収納庫の列が複数設けられた筐体の下方でコインを回収するコインボックスが収容される収容部と、
前記収納庫の投入口から投入された前記コインを列ごとに前記コインボックスに導く複数の経路と、を有し、
前記複数の経路には、前記コインボックス上方の空間を含み、
前記空間には、前記列の数に応じて前記空間を分割する上下方向に延在したガイド部材が設けられている、
ことを特徴とするロッカー装置。
【請求項5】
前記収容部に収容された前記コインボックスには、前記列の数に応じてコイン収容部を複数の区画に仕切る仕切り板が設けられており、
前記仕切り板は、前記経路に対応する部分の高さが他の部分の高さよりも高くなっている凸部を有し、
前記ガイド部材は、前記凸部に連なるように設けられている、
ことを特徴とする請求項4に記載のロッカー装置。
【請求項6】
前記ガイド部材は、下端に傾斜部が形成されていることを特徴とする請求項4または5に記載のロッカー装置。
【請求項7】
前記複数の経路のうち少なくとも1つは、前記空間に所定の間隔を空けて配置された2つの前記ガイド部材に挟まれた空間であることを特徴とする請求項4または5に記載のロッカー装置。
【請求項8】
前記複数の経路のうち少なくとも1つは、前記コインを斜め下方向に導くシューター部で構成されていることを特徴とする請求項4または5に記載のロッカー装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回収されたコインを収容するコインボックス及びそのコインボックスを有するロッカー装置に関する。
【背景技術】
【0002】
コインロッカー等のロッカー装置には利用時の料金を回収するコインボックスが設けられている。コインボックスに回収された料金は定期的に管理者が回収を行い、売り上げ集計を行っている。
【0003】
例えば特許文献1には、コインロッカーの最下部に、各段の収納庫のコイン投入口から投入されたコインを、有料硬貨通路から下方のコインシュートを介して下方側にある集金ボックス内に落下回収することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載のコインロッカーでは、収容庫は1列のみであり、集金ボックス(コインボックス)も1つ設けるものである。しかし、収納庫が複数列設けられた場合、1つのコインボックスでは列毎の集計ができないという問題がある。
【0006】
近年では、ロッカー装置を自動販売機のように利用することが提案されている。例えば扉を透明にしてロッカーボックス(収納庫)内が外から見えるようにし、販売者が商品をロッカーボックスに収納して施錠し、購入者が販売価格分のコインを投入して扉を解錠し商品を取り出すことで販売する。
【0007】
上記のような利用の場合、ロッカー装置を複数販売者で共同利用することが考えられる。列毎に販売者が異なる場合、集金ボックスが1つだと販売者毎の売り上げが集計できない。コインボックスを列毎に設けることも考えられるが、部品追加によるコストが増加し、また料金回収時に手間が掛かる。さらに、通常の荷物を預け入れるコインロッカーの場合であっても、列毎に売り上げが集計できれば、利用状況が把握しやすいというメリットもある。
【0008】
そこで、本発明は、上記のような問題点に鑑み、ロッカーボックスの列毎にコインの収容が可能なコインボックス及びそのコインボックスを有するロッカー装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するためになされた発明は、上部が開口し、コインが収容される収容部と、前記収容部を複数の区画に分割する仕切り板と、を備え、前記仕切り板は、長手方向の所定の範囲の高さが前記所定の範囲以外の高さよりも高くなっている、ことを特徴とするコインボックスである。
【発明の効果】
【0010】
以上説明したように本発明によれば、コインボックスに仕切り板を設けたので、収容庫の列毎にコインの収容が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の第1実施形態にかかるコインボックスを有するロッカー装置の正面図である。
【
図2】
図1に示されたコインボックスの外観斜視図である。
【
図3】
図2に示された仕切り板の取付方法の説明図である。
【
図4】
図1に示された筐体に形成されるコインボックス受けの要部斜視図である。
【
図5】
図4に示されたコインガイドセンターの斜視図である。
【
図6】コインボックス受けにコインシューターが設けられた状態を示す図である。
【
図7】コインボックス受けにコインボックスが挿入された状態の正面から見た断面図である。
【
図8】コインボックスとコインボックス受けとの関係を示した説明図である。
【
図9】筐体のコインが通過する通路と、コインシューターと、コインボックス受けと、コインボックスと、の関係を示す図である。
【
図10】本発明の第2実施形態にかかるコインボックスを有するロッカー装置の正面図である。
【
図11】
図10に示されたコインボックスの外観斜視図である。
【
図12】
図11に示された仕切り板の取付方法の説明図である。
【
図14】
図13に示された仕切り板の取付方法の説明図である。
【
図15】
図10に示された筐体に形成されるコインボックス受けの要部斜視図である。
【
図16】コインボックス受けにコインシューターが設けられた状態を示す図である。
【
図17】コインボックス受けにコインボックスが挿入された状態の正面図である。
【
図18】筐体のコインが通過する通路と、コインシューターと、コインボックス受けと、コインボックスと、の関係を示す図である。
【
図20】
図19に示されたコインガイドセンターが取り付けられたコインボックス受けの要部斜視図である。
【
図21】コインボックス受けにコインシューターが設けられた状態を示す図である。
【
図22】コインボックス受けにコインボックスが挿入された状態の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(第1実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態にかかるロッカー装置の正面図である。
【0013】
図1に示したロッカー装置1は、縦方向に配列された複数段のロッカーボックス(収納庫)2の列が2列設けられた筐体6を有している。そして、筐体6の下方には、コインを回収するコインボックス10が設けられている。
【0014】
ロッカーボックス2は、前面に扉3が設けられている。ロッカー装置1を物品の販売に利用する場合は扉3を透明にしてもよい。扉3には開閉のための把手4が設けられている。また、ロッカーボックス2の筐体6側の框部分には、扉3を施錠するための錠(不図示)やロッカーボックス2の利用料金等を投入する投入口5等が設けられている。投入口5に投入されたコインは、筐体6内に設けられた例えば溝状の通路等を介してコインボックス10に収容(回収)される。
【0015】
図2にコインボックス10の外観斜視図を示す。コインボックス10は、上部が開口した箱状に形成されている。コインボックス10は、箱の底部を構成する底板12と、底板12の周縁部から立設した周板11a、11b、11c、11dと、周板11cと平行に設けられた前板13と、前板13の略中心に設けられたシリンダー錠14と、仕切り板15と、を備えている。
【0016】
コインボックス10は、側面としての周板11a、11b、11c、11dに囲まれる矩形の箱状の部分がコイン収容部17となる。このコイン収容部17は仕切り板15により、コイン収容部17aと、コイン収容部17bと、の2つの区画に分割される。
【0017】
前板13は、コインボックス10が筐体6に収容された際に前面を構成する。前板13は、一の側面としての周板11cの前方に設けられている。シリンダー錠14は、鍵(不図示)により施解錠される周知の錠である。シリンダー錠14は、施錠状態で筐体6にコインボックス10を固定し、解錠状態ではコインボックス10を筐体6から引き出し可能とする。前板13と周板11cとの間の空間にはシリンダー錠14のシリンダー部分が配置されている。
【0018】
仕切り板15は、底板12に接着される板状の接着部15aと、接着部15aの端部から直角に立設する仕切り部15bと、から構成されている。仕切り板15は、略L字状に形成されている。
【0019】
仕切り部15bは、周板11aの長手方向中央と周板11cの長手方向中央とを結ぶように設けられ、コイン収容部17を2等分するように設けられている。即ち、仕切り部15bは、一の側面(周板11c)と対向する側面(周板11a)との間を結ぶように設けられている。
【0020】
また、仕切り部15bの周板11c寄りの一部分である凸部15b1の高さhは、仕切り部15bの凸部15b1以外の高さ及び周板11a~11dの高さよりも高くなるように突出している。ここでいう高さとは、例えば周板11a~11dの底板12と接する端部からコインボックス10の開口側となる端部までの長さをいう。この凸部15b1の高さhは、前板13の高さと略同じ高さとなっている。つまり、前板13の高さも周板11a~11dより高くなっている。凸部15b1の高さhが、前板13の高さと略同じ高さとなっているので、後述するようにコインボックス10Aが筐体6から引き出し自在とすることができる。
【0021】
筐体6は、後述するように投入口5から導かれてきたコインをコイン収容部17に落下させるための空間sがコインボックス10の上方に設けられており(
図4等を参照)、この凸部15b1の部分は、当該空間sに対応して形成されている。つまり、落下したコインが底板12(接着部15a)や収容されているコインに当たって跳ね返った際に、上記空間sを介して隣の区画に侵入しないために凸部15b1によりガードする。
【0022】
仕切り部15bの凸部15b1以外の部分は、直上が筐体6に形成されたコインボックス受け20の天面部分であり(
図4の符号21、23を参照)、コインが落下することがなく、仮に跳ね返っても天面部分でガードできるので、周板11a~11dと同じ高さでよい。コインボックス受け20の構造については後述する。
【0023】
このように凸部15b1の長さdは、上記したコインが落下する空間sの大きさによって定められる。即ち、長さdは、仕切り部15bの長手方向の所定の範囲を示すものである。また、コインが落下する空間sが周板11a寄りに設けられている場合は、凸部15b1は周板11a寄りに設けられる。
【0024】
次に仕切り板15の取付方法について
図3を参照して説明する。まず、仕切り板15が取り付けられていないコインボックス10を用意する(
図3左)。次に、仕切り板15をコインボックス10に取り付ける(
図3中央)。接着部15aの裏面には両面テープが予め設けられており、接着部15aを両面テープで底板12に接着することで固定される(
図3右)。なお、接着部15aにより固定は、両面テープの他、磁石や面ファスナー等により行ってもよい。
【0025】
また、接着部15aの周板11d側の端部から仕切り部15bまでの長さw1は、仕切り部15bを周板11aの中央と周板11cの中央とを結ぶような位置に位置づけるような長さとなっている。つまり、長さw1はコイン収容部17の周板11bから周板11dまでの間の長さの略半分の長さとなっている。
【0026】
次に、筐体6に形成されるコインボックス受け20の構造について
図4を参照して説明する。
図4は、コインボックス受け20の要部斜視図である。コインボックス受け20は、前側天面部21と、前側直立部22と、後側天面部23と、後側直立部24と、側面部25、26と、底部27と、コインガイドセンター30と、を備えている。
【0027】
前側天面部21は、コインボックス10の前側、つまり、前板13寄りの上部を覆う天板である。前側直立部22は、前側天面部21の後端部、つまり、コインボックス10の前板13から離れる側の端部から立設している。後側天面部23は、コインボックス10の後側、つまり、上述した仕切り部15bの凸部15b1以外の部分の上部を覆う天板である。後側直立部24は、後側天面部23の前端部、つまり、コインボックス10の前板13に近い側の端部から立設している。
【0028】
前側直立部22と後側直立部24とは、
図4に示したように互いに間隔を空けて配置されている。この間隔が上記したコインが落下する空間sを構成する。
【0029】
そして、空間sにはコインガイドセンター30が取り付けられている。コインガイドセンター30は、
図5に示したように、平板状のガイド部31と、ガイド部31の淵から折り曲げられた側壁部32、33と、を備えている。
【0030】
コインガイドセンター30は、側壁部32が後側直立部24に固定され、側壁部33が前側直立部22に固定されている。そのため、ガイド部31は、前側直立部22及び後側直立部24と垂直になるように固定されている。したがって、空間sのうち、コインガイドセンター30が位置する部分は2つの空間に分割される。コインガイドセンター30がコインボックス受け20に固定された際の上下方向の長さは、前側直立部22や後側直立部24の高さと同じ長さである必要はない。コインガイドセンター30は、コインをガイドするものであり、後述するようにコインが通過する可能性がるある部分のみに存在するような長さであればよい。
【0031】
また、前側天面部21と、側面部25、26と、底部27と、で囲まれた開口部28は、コインボックス10を収容するための開口となる。コインボックス10は、周板11a側から開口部28に挿入することで、
図1に示したように筐体6に収容される。収容されたコインボックス10は、シリンダー錠14により施錠されて筐体6に固定される。即ち、コインボックス受け20は、コインボックス10が収容される収容部として機能する。
【0032】
図6にコインボックス受け20にコインシューター40が設けられた状態を示す。コインシューター40は、空間sのコインガイドセンター30を挟んで両端にそれぞれ1つずつ設けられており、
図6においては、左側をコインシューター40a、右側をコインシューター40bとする。コインシューター40a、40bは、設置位置が異なるのみであり構成は同一である。
【0033】
コインシューター40と、空間sと、はロッカーボックス2(収納庫)の投入口5から投入されたコインを列ごとにコインボックス10に導く複数の経路を構成する。空間sは、上記したようにコインガイドセンター30が位置する部分は2つに分割されるため経路の一部となる。即ち、コインガイドセンター30は、列の数に応じて空間を分割する上下方向に延在したガイド部材として機能する。
【0034】
コインシューター40は、溝状に形成されコインが通過する経路となる通路部41を有している。通路部41は、底部42を有している。底部42は、一端部42aから他端部42bに亘って斜面を形成している。つまり、一端部42aから他端部42bに向かって下るような斜面となっている。例えば、コインシューター40aの場合、他端部42bはコインボックス受け20の側面部25の上端に接続されているため、一端部42aは側面部25よりも高い位置に位置づけられている。したがって、一端部42aに到達したコインは、底部42を滑り降りて空間sに放出される。
【0035】
図7は、
図4、
図6に示したコインボックス受け20にコインボックス10が挿入された状態の正面から見た断面図を示している。
図7においては、コインボックス受け20に加えてコインシューター40も示されている。
【0036】
図7に示したように、仕切り板15の仕切り部15bと、コインガイドセンター30のガイド部31とは、一直線状に上下に連なるように位置づけられる。したがって、コインシューター40を介して落下したコインは、ガイド部31や仕切り部15bにより、コインボックス10の隣接するコイン収容部17に落下することが阻まれる。例えばコインシューター40aから落下したコインは、正しくコイン収容部17aに収容され、コイン収容部17bに収容されることが防止される。
【0037】
図8は、コインボックス10とコインボックス受け20との関係を示した説明図である。
図8は、コインボックス10とコインボックス受け20を側面(周板11b、側面部25)の方向から見た断面図である。
【0038】
図8に示したように、コインボックス10はコインコックス受け20の開口部28に水平方向から挿入される(
図8左)。つまり、コインボックス10は、筐体6から引き出し、又は押し込むことで着脱できる。
【0039】
また、
図8に示したように、コインボックス10が筐体に挿入された状態では、仕切り板15の仕切り部15bの凸部15b1と、コインガイドセンター30のガイド部31とは、上下に連なるように位置づけられている(
図8右)。したがって、上記したようにコインが隣接するコイン収容部17に落下することが阻まれる。
【0040】
図9に、筐体6のコインが通過する通路50と、コインシューター40と、コインボックス受け20(コインガイドセンター30)と、コインボックス10(仕切り板15)と、の関係を示す。
図9の左側は側面(コインシューター40a、側面部25)の方向から見た断面図、
図9の右側は正面から見た断面図である。
【0041】
通路50は、溝状に形成され、各ロッカーボックス2の投入口5に接続されており、投入口5から投入されたコインをコインシューター40に案内する。
図9では、コインシューター40aに接続される通路50を符号50a、コインシューター40bに接続される通路50を符号50bで示す。
【0042】
通路50aを通ったコインは、コインシューター40aによりコイン収容部17aに収容される。通路50bを通ったコインは、コインシューター40bによりコイン収容部17bに収容される。
【0043】
本実施形態によれば、コインボックス10は、上部が開口し、コインが収容されるコイン収容部17と、コイン収容部17を2つの区画に分割する仕切り板15と、を備えている。そして、仕切り板15は、仕切り部15bの凸部15b1の高さが仕切り部15bの他の部分の高さよりも高くなっている。
【0044】
コインボックス10が上記のように構成されていることにより、コインボックス10に仕切り板15を設けたので、ロッカーボックス2の列毎にコインの収容が可能になる。また、凸部15b1により、跳ね返ったコイン等が隣接する区画に侵入してしまうことを防止できる。
【0045】
また、仕切り板15は、コイン収容部17の底板12に接着される板状の接着部15aと、接着部15aから立設する仕切り部15bと、から構成されているので、接着部15aにより面で強固に底板12に固定することができる。また、接着部15aが板状であるので、仕切り板15をL字状に形成することができ、仕切り部15bがコイン収容部17に溜まったコインにより傾いたり動いたりすることなく固定できる。
【0046】
また、コインボックス10は、矩形の箱状に形成され、周板11cの前方に設けられる前板13にシリンダー錠14が設けられ、仕切り板15の仕切り部15bは、周板11cと周板11aとの間を結ぶように設けられている。つまり、仕切り板15は、コインボックス10の引き出し方向と平行に設けられている。このようにすることにより、ロッカーボックス2の列ごとのコインの回収が可能な構成とすることができる。
【0047】
また、ロッカー装置1は、縦方向に配列された複数段のロッカーボックス2が2列設けられた筐体6の下方でコインを回収するコインボックス10と、ロッカーボックス2の投入口5から投入されたコインを列ごとにコインボックス10に導く通路50a、50b、コインシューター40a、40b、及び空間sと、を有している。そして、コインボックス10には、コイン収容部17を2つの区画に仕切る仕切り板15が設けられており、仕切り板15は、空間sに対応する位置の高さがコイン収容部17を構成する周板11a~11dよりも高くなっている凸部15b1を有している。そして、空間sには、凸部15b1に連なるように、上下方向に延在したコインガイドセンター30が設けられている。
【0048】
ロッカー装置1が上記のように構成されていることにより、仕切り板15とコインガイドセンター30を設けたので、コインボックス10の底板12や他のコイン等で跳ね返ったコインが隣接する区画に侵入してしまうことを防止できる。また、コインシューター40から勢い良く飛び出したコインが隣接する区画に侵入してしまうことも防止できる。したがって、コインガイドセンター30はコインを正しい区画に導くことができる。
【0049】
また、コインが通る経路に、当該コインを斜め下方向に導くコインシューター40が設けられているので、垂直に落下するコインをコインボックス10に導くように方向転換させることができる。
【0050】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態にかかるロッカー装置について、
図10~
図22を参照して説明する。なお、前述した第1の実施形態と同一部分には、同一符号を付して説明を省略する。
【0051】
第1の実施形態ではロッカーボックスは収容庫の列が2列であったが、本実施形態は3列となっている。
図10は、本実施形態にかかるロッカー装置の正面図である。ロッカー装置1Aは、正面図上は2列から3列になったこと、1列当たりのロッカーボックス2の数が異なること、本実施形態にかかるコインボックス10Aの位置が中央列の投入口5が設けられている框の下方に配置されている点が
図1と異なる。
【0052】
図11にコインボックス10Aの外観斜視図を示す。コインボックス10Aは、
図2に示したコインボックス10と基本的な構成は同じである。コインボックス10Aは、仕切り板の形状がコインボックス10と異なる。
【0053】
コインボックス10Aは、周板11a、11b、11c、11dに囲まれる部分がコイン収容部17となることはコインボックス10と同じである。本実施形態のコイン収容部17は仕切り板15Aにより、コイン収容部17Aaと、コイン収容部17Abと、コイン収容部17Acの3つの区画に分割される。
【0054】
仕切り板15Aは、底板12に接着される板状の接着部15Aaと、接着部15Aaの一方の端部から直角に立設する仕切り部15Abと、接着部15Aaの他方の端部から直角に立設する仕切り部15Acと、から構成されている。仕切り板15Aは、略コ字状に形成されている。
【0055】
仕切り板15Aの仕切り部15Abと仕切り部15Acは、コイン収容部17を3等分するような位置に設けられている。つまり、仕切り部15Abと仕切り部15Acとの間隔である接着部15Aaの短手方向の長さは、周板11bから11dまでの長さの略1/3となっている。
【0056】
また、仕切り部15Abの周板11c寄りの凸部15Ab1の高さhは、仕切り部15Abの凸部15Ab1以外の高さ及び周板11a~11dの高さよりも高くなっている。仕切り部15Acの周板11c寄りの凸部15Ac1の高さhも同様に、仕切り部15Acの凸部15Ac1以外の高さ及び周板11a~11dの高さよりも高くなっている。この凸部15Ab1及び凸部15Ac1の高さhは、前板13の高さと略同じ高さとなっている。凸部15Ab1及び凸部15Ac1の高さhが、前板13の高さと略同じ高さとなっているので、コインボックス10Aが筐体6から引き出し自在とすることができる。
【0057】
凸部15Ab1及び凸部15Ac1も、凸部15b1と同様に、投入口5から導かれてきたコインをコイン収容部17に落下させるための空間sに対応して形成されている。つまり、落下したコインが底板12(接着部15Aa)や収容されているコインに当たって跳ね返った際に、空間sを介して隣の区画に侵入しないためにガードしている。
【0058】
仕切り部15Abの凸部15Ab1以外の部分と、仕切り部15Acの凸部15Ac1以外の部分と、は直上が筐体6に形成されたコインボックス受け20の天面部分であることも第1の実施形態と同様である。また、凸部15Ab1及び凸部15Ac1の長さdは、上記したコインが落下する空間sの大きさによって定められるのも第1の実施形態と同様である。
【0059】
次に仕切り板15Aの取付方法について
図12を参照して説明する。まず、仕切り板15Aが取り付けられていないコインボックス10Aを用意する(
図12左)。このとき治具18を底板12に設置する。
【0060】
治具18は、底板12に接する板状の水平部18aと、水平部18aの端部から直角に立設する押さえ部18bと、から構成されている。治具18は、略L字状に形成されている。水平部18aの周板11d側の端部から押さえ部18bまでの長さw2は、仕切り部15Abと仕切り部15Acとでコイン収容部17を3等分できるような位置に仕切り板15Aを位置づけるような長さとなっている。
【0061】
次に、仕切り板15Aをコインボックス10Aに取り付ける(
図12中央)。このとき、仕切り部15Acと押さえ部18bとが接するようにして仕切り板15Aの位置決めをする。接着部15Aaの裏面には第1の実施形態と同様に両面テープが予め設けられており、仕切り板15Aは両面テープで底板12に接着することで固定される(
図12右)。仕切り板15Aを両面テープで固定した後に治具18は取り外す。
【0062】
図13に、本実施形態にかかる仕切り板の変形例を示す。
図13に示した仕切り板15Bは、2つの略L字状の部材からなる。一方の部材は底板12に接着される板状の接着部15Baと、接着部15Baの端部から直角に立設する仕切り部15Bbと、から構成されている。他方の部材は底板12に接着される板状の接着部15Bcと、接着部15Bcの端部から直角に立設する仕切り部15Bdと、から構成されている。
【0063】
つまり、
図13に示した構成は、第1の実施形態に示したようなL字状の仕切り板を2つ設置することでコイン収容部17を3等分するものである。勿論接着部15Ba、15bcの短手方向の長さは、コイン収容部17を3等分するような長さである。
【0064】
図13に示した仕切り板15Bの取付方法について
図14を参照して説明する。まず、仕切り板15Bが取り付けられていないコインボックス10Aを用意する(
図14上段左)。次に、仕切り板15Bの一方の部材をコインボックス10Aに取り付ける(
図14上段中央)。このとき接着部15Baを周板11dに寄せるようにして接着する(
図14上段右)。
【0065】
次に、仕切り板15Bの他方の部材をコインボックス10Aに取り付ける(
図14下段左)。このとき接着部15Bcを周板11bに寄せるようにして接着する(
図14下段右)。
【0066】
次に、筐体6に形成されるコインボックス受け20Aの構造について
図15を参照して説明する。
図15は、コインボックス受け20の要部斜視図である。コインボックス受け20Aは、基本的な構成は第1の実施形態と同様であるが、コインガイドセンター30a、30bの2つ設けられている点が異なる。
【0067】
コインガイドセンター30a、30bは共に空間sに所定の間隔を空けて互いのガイド部31が向かい合うように取り付けられている。本実施形態では、コインボックス10Aのコイン収容部17は3等分するため、仕切り部も2つ設けられている。そのため、コインガイドセンター30も仕切り部に対応して2つ設ける。コインガイドセンター30a、30bの形状は第1の実施形態で示したコインガイドセンター30と同一である。
【0068】
図16にコインボックス受け20Aにコインシューター40が設けられた状態を示す。コインシューター40は、第1の実施形態と同一である。コインシューター40aで導かれたコインはコインボックス10のコイン収容部17Aaに収容される。コインシューター40bで導かれたコインはコインボックス10のコイン収容部17Acに収容される(
図17も参照)。
【0069】
図17に、
図15、
図16に示したコインボックス受け20Aにコインボックス10Aが挿入された状態の正面図を示している。
図17においては、コインボックス受け20Aに加えてコインシューター40も示されている。
【0070】
図17に示したように、仕切り板15Aの仕切り部15Abと、コインガイドセンター30bのガイド部31とは、一直線状に上下に連なるように位置づけられる。仕切り板15Aの仕切り部15Acと、コインガイドセンター30aのガイド部31とは、一直線状に上下に連なるように位置づけられる。したがって、コインシューター40を介して落下したコインは、ガイド部31や仕切り部15Ab、15Acにより、コインボックス10Aの隣接するコイン収容部17に落下することが阻まれる。例えばコインシューター40aから落下したコインは、正しくコイン収容部17Aaに収容され、コイン収容部17Abに収容されることが防止される。
【0071】
また、
図17に示したように、コインガイドセンター30aとコインガイドセンター30bとの間は、コインシューター40a、40bとは異なる経路により導かれるコインが通過する。つまり、コインガイドセンター30aとコインガイドセンター30bとの間は、所定の間隔を空けて配置された2つのガイド部材に挟まれた空間である。具体的には、コインガイドセンター30aとコインガイドセンター30bとで挟まれた空間の直上から導かれたコインが通過する。つまり、コインガイドセンター30aとコインガイドセンター30bは、3方向から空間sを通過するコインを対応するコイン収容部17へガイドすべく設けられている。
【0072】
図18に、筐体6のコインが通過する通路50と、コインシューター40と、コインボックス受け20A(コインガイドセンター30)と、コインボックス10A(仕切り板15A)と、の関係を示す。
図18の左側は側面(コインシューター40a、側面部25)の方向から見た断面図、
図18の右側は正面から見た断面図である。
【0073】
本実施形態では、通路50として、コインシューター40aに接続される通路50Aa、コインシューター40bに接続される通路50Acに加えて、通路50Abが設けられている。つまり、3列のロッカーボックス2に対応して3つの通路が形成されている。
【0074】
通路50Abを通過したコインはコインガイドセンター30aとコインガイドセンター30bとで挟まれた空間を通過してコインボックス10のコイン収容部17Abへ収容される。このとき、コインガイドセンター30aとコインガイドセンター30bにより、通過するコインが隣接するコイン収容部17Aa、17Acへ向かわないようにガイドしている。また、凸部15Ab1及び凸部15Ac1により、コインボックス10Aに到達したコインが底板12やコイン収容部17Abに収容されているコインに跳ね返って隣接するコイン収容部17Aa、17Acへ向かわないようにガードする。
【0075】
図19に、本実施形態で利用可能なコインガイドセンターの変形例を示す。
図19に示したコインガイドセンター30Aは、平板状のガイド部31と、ガイド部31の左端から折り曲げられた側壁部32と、ガイド部31の右端から折り曲げられた側壁部33と、ガイド部31の下端から折り曲げられたガイド片34と、を備えている。
【0076】
ガイド部31と、側壁部32、33は第1の実施形態と同様である。ガイド片34は、ガイド部31の平面から斜め方向に折り曲げられている。また、側壁部32、33はガイド片34の両端まで延在していない。
【0077】
次に、
図19に示したコインガイドセンター30Aを取り付けたコインボックス受け20Bを
図20を参照して説明する。
図20に示したように、コインボックス受け20Bにはコインガイドセンター30Aa、30Abの2つが設けられている。
図20に示したように、コインガイドセンター30Aa、30Abのガイド片34は、その先端が互いに離れるように設けられる。
【0078】
図21にコインボックス受け20Bにコインシューター40が設けられた状態を示す。コインガイドセンター30Abのガイド片34は、コインシューター40aに向けて傾くように設けられている。そのため、コインシューター40aを通過したコインのうち、コインガイドセンター30Abに当たったコインは、ガイド片34により、コインガイドセンター30Abや仕切り板15Abから離れるように導かれてコイン収容部17Aaに収容される(
図22も参照)。
【0079】
また、コインガイドセンター30Aaのガイド片34は、コインシューター40bに向けて傾くように設けられている。そのため、コインシューター40bを通過したコインのうち、コインガイドセンター30Aaに当たったコインは、ガイド片34により、コインガイドセンター30Aaや仕切り板15Acから離れるように導かれてコイン収容部17Acに収容される(
図22も参照)。
【0080】
図22に、
図20、
図21に示したコインボックス受け20Bにコインボックス10Aが挿入された状態の正面図を示している。
図22においては、コインボックス受け20Bに加えてコインシューター40も示されている。
【0081】
図22に示したように、仕切り板15Aの仕切り部15Abと、コインガイドセンター30Abのガイド片34とが、連なるように位置づけられる。仕切り板15Aの仕切り部15Acと、コインガイドセンター30Aaのガイド片34とが、連なるように位置づけられる。
図22に示したように、本変形例のコインガイドセンター30Aa、30Abは、ガイド片34がハ字状になるように設けられている。
【0082】
また、本変形例では、ガイド部31の下端ではなく、ガイド片34の先端が仕切り板15Aの仕切り部15Abや仕切り部15Acと連なるように配置されている。このため、コインガイドセンター30Aa、30Abと仕切り板15Aとの間の隙間を最小限にして、コインのガイドを確実に行うようにしている。
【0083】
本実施形態によれば、コインボックス10Aは、コイン収容部17を3つの区画に分割する仕切り板15Aを備えているので、3列のロッカーボックス2の場合も対応することができる。また、仕切り板15Aを変更するだけでよいので、コインボックス10A自体は2列用と共用することができる。
【0084】
また、ロッカー装置1Aは、空間sにおいて、凸部15Ab1に連なるように、上下方向に延在したコインガイドセンター30bが設けられ、凸部15Ac1に連なるように、上下方向に延在したコインガイドセンター30aが設けられている。このようにすることにより、コインガイドセンター30a、30bがコインを正しい区画に導くことができる。
【0085】
また、コインガイドセンター30aとコインガイドセンター30bが間隔を空けて配置されることで、3方向から通過するコインをガイドすることができる。
【0086】
また、コインガイドセンター30a、30bには、ガイド片34が形成されているので、コインガイドセンター30a、30bや仕切り板15Ab、仕切り板15Acから離れるようにガイドすることができる。そのため、隣接する区画へ侵入することをより効果的に抑えることができる。
【0087】
上述した実施形態では、ロッカーボックス2が2列と3列の場合を示したが、4列以上であっても、本実施形態の構成を応用して適用することができる。
【0088】
また、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。即ち、当業者は、従来公知の知見に従い、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。かかる変形によってもなお本発明のコインボックス及びロッカー装置の構成を具備する限り、勿論、本発明の範疇に含まれるものである。
【符号の説明】
【0089】
1、1A ロッカー装置
2 ロッカーボックス(収納庫)
5 投入口
6 筐体
10、10A コインボックス
11a~11d 周板
12 底板
13 前板(前面)
14 シリンダー錠
15、15A、15B 仕切り板
15a、15Aa 接着部
15b、15Ab、15Ac 仕切り部
15b1、15Ab1、15Ac1 凸部(一部)
17 コイン収容部(収容部)
20 コインボックス受け
30、30A コインガイドセンター(ガイド部材)
31 ガイド部
34 ガイド片(傾斜部)
40 コインシューター(経路、シューター部)
50、50A 通路(経路)
s 空間(経路)