(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024148300
(43)【公開日】2024-10-18
(54)【発明の名称】基板処理装置および基板処理方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/304 20060101AFI20241010BHJP
H01L 21/306 20060101ALI20241010BHJP
H01L 21/027 20060101ALI20241010BHJP
【FI】
H01L21/304 643D
H01L21/304 643A
H01L21/304 647Z
H01L21/306 R
H01L21/30 572B
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023061320
(22)【出願日】2023-04-05
(71)【出願人】
【識別番号】000207551
【氏名又は名称】株式会社SCREENホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】110002310
【氏名又は名称】弁理士法人あい特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【弁理士】
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】吉原 直彦
【テーマコード(参考)】
5F043
5F146
5F157
【Fターム(参考)】
5F043AA02
5F043BB30
5F043CC16
5F043DD19
5F043EE07
5F043EE08
5F043EE10
5F146MA02
5F146MA07
5F157AA64
5F157AB02
5F157AB14
5F157AB33
5F157AB45
5F157AB49
5F157AB51
5F157AB64
5F157AB90
5F157AC01
5F157AC13
5F157BA02
5F157BA04
5F157BA07
5F157BA31
5F157BB23
5F157BB44
5F157BB66
5F157BC12
5F157BE23
5F157BE43
5F157BH18
5F157CF10
5F157CF14
5F157CF34
5F157CF60
5F157CF62
5F157CF92
5F157CF99
5F157DA21
5F157DB02
5F157DB03
(57)【要約】
【課題】基板の損傷を抑制しながら、基板のレジスト層を効率良く剥離することが可能な基板処理装置および基板処理方法を提供する。
【解決手段】基板処理装置100は、基板保持部20と、剥離液供給部30と、超音波発生部70とを備える。基板保持部20は、基板Wを保持する。剥離液供給部30は、基板保持部20によって保持される基板Wに、レジスト層203を剥離する剥離液Laを供給する。超音波発生部70は、超音波を発生する。超音波発生部70は、超音波を発生する超音波振動子71と、超音波振動子71が発生させた超音波を伝播する伝播部72とを有する。伝播部72は、樹脂製の接触部73を有する。接触部73は、基板W上の剥離液Laに接触して超音波を伝播する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を保持する基板保持部と、
前記基板保持部によって保持される前記基板に、レジスト層を剥離する剥離液を供給する剥離液供給部と、
超音波を発生する超音波発生部と
を備え、
前記超音波発生部は、
超音波を発生する超音波振動子と、
前記超音波振動子が発生させた前記超音波を伝播する伝播部と
を有し、
前記伝播部は、前記基板上の前記剥離液に接触して前記超音波を伝播する樹脂製の接触部を有する、基板処理装置。
【請求項2】
前記接触部は、可撓性を有する、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記接触部と前記基板とを前記基板の上面に沿った方向に相対的に移動させる移動部を備え、
前記接触部は、前記移動部によって前記接触部と前記基板とが相対的に移動する際に、前記剥離液からの反力によって上方に撓むように、構成されている、請求項2に記載の基板処理装置。
【請求項4】
前記接触部の最下部は、湾曲形状を有する、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項5】
前記接触部は、シート形状、ブラシ形状またはスポンジ形状を有する、請求項2または請求項4に記載の基板処理装置。
【請求項6】
前記接触部と前記基板とを前記基板の上面に沿った方向に相対的に移動させる移動部を備え、
前記接触部は、シート形状またはブラシ形状を有し、
前記伝播部は、前記接触部の最下部に対して、前記接触部が前記基板に対して相対的に移動する移動方向の下流側に配置される傾斜部を有し、
前記傾斜部は、前記移動方向の下流側に向かって上方に傾斜する、請求項5に記載の基板処理装置。
【請求項7】
前記接触部は、袋状または円筒状に形成されている、請求項2または請求項4に記載の基板処理装置。
【請求項8】
前記接触部の内部には、液が充填されている、請求項7に記載の基板処理装置。
【請求項9】
前記接触部と前記基板とを前記基板の上面に沿った方向に相対的に移動させる移動部を備え、
前記移動部は、前記剥離液供給部から前記基板に供給される前記剥離液の着液位置に対して前記接触部が近づく方向に、前記接触部と前記基板とを相対的に移動させる、請求項1または請求項2に記載の基板処理装置。
【請求項10】
前記剥離液は、硫酸と過酸化水素水とが混合された硫酸過酸化水素水混合液を含み、
前記剥離液供給部は、前記基板に前記硫酸を供給する硫酸供給部と、前記基板に前記過酸化水素水を供給する過水供給部とを有し、
前記硫酸供給部および前記過水供給部は、前記硫酸および前記過酸化水素水を前記基板上で混合して前記硫酸過酸化水素水混合液を生成する、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の基板処理装置。
【請求項11】
前記過水供給部は、前記伝播部に配置される、請求項10に記載の基板処理装置。
【請求項12】
前記剥離液供給部が前記基板に前記剥離液を供給し、前記超音波発生部が前記基板上の前記剥離液に前記超音波を伝播した後、前記剥離液に対する前記超音波の伝播を停止した状態で、前記剥離液供給部が前記基板に前記剥離液を供給する、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の基板処理装置。
【請求項13】
基板に、レジスト層を剥離する剥離液を供給する第1剥離液供給工程と、
超音波を発生する超音波発生部により前記基板上の前記剥離液に超音波を伝播する超音波伝播工程と
を含み、
前記超音波発生部は、
超音波を発生する超音波振動子と、
前記超音波振動子が発生させた前記超音波を伝播する伝播部と
を有し、
前記超音波伝播工程において、前記伝播部のうち樹脂製の接触部を前記基板上の前記剥離液に接触させて前記超音波を伝播する、基板処理方法。
【請求項14】
前記接触部は、可撓性を有する、請求項13に記載の基板処理方法。
【請求項15】
前記超音波伝播工程において、前記接触部と前記基板とを前記基板の上面に沿った方向に相対的に移動させることによって、前記接触部が前記剥離液からの反力により上方に撓んだ状態で、前記剥離液に前記超音波を伝播する、請求項14に記載の基板処理方法。
【請求項16】
前記接触部の最下部は、湾曲形状を有する、請求項13に記載の基板処理方法。
【請求項17】
前記超音波伝播工程において、前記基板に供給される前記剥離液の着液位置に対して前記接触部が近づく方向に、前記接触部と前記基板とを相対的に移動させる、請求項13から請求項16のいずれか1項に記載の基板処理方法。
【請求項18】
前記剥離液は、硫酸と過酸化水素水とが混合された硫酸過酸化水素水混合液を含み、
前記第1剥離液供給工程において、前記基板に前記硫酸および前記過酸化水素水を供給し、前記基板上で前記硫酸および前記過酸化水素水を混合して前記硫酸過酸化水素水混合液を生成する、請求項13から請求項16のいずれか1項に記載の基板処理方法。
【請求項19】
前記第1剥離液供給工程において、前記伝播部を介して前記過酸化水素水を前記基板に供給する、請求項18に記載の基板処理方法。
【請求項20】
前記超音波伝播工程の後、前記剥離液に対する前記超音波の伝播を停止した状態で、前記基板に前記剥離液を供給する第2剥離液供給工程をさらに含む、請求項13から請求項16のいずれか1項に記載の基板処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板処理装置および基板処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、基板を処理する基板処理装置が知られている。基板処理装置は、半導体基板の製造に好適に用いられる。基板処理装置は、薬液等の処理液を用いて基板を処理する(例えば、特許文献1参照)。特許文献1には、基板に脱イオン水等の洗浄用溶液を供給し、基板上の洗浄用溶液にメガソニックエネルギーを与える洗浄装置が記載されている。特許文献1に記載の洗浄装置は、水晶、サファイア、炭化珪素または窒化ホウ素からなるプローブを備える。プローブは、基板上の洗浄用溶液に接触する一方、基板の上面から離隔して配置される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の洗浄装置では、プローブを、基板上の洗浄用溶液に接触させる。しかしながら、基板上の洗浄用溶液の厚みは薄く、プローブと基板の上面との間の距離が小さいため、プローブが基板に接触するおそれがある。この場合、プローブが基板に接触することによって、基板が損傷する。
【0005】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、基板の損傷を抑制しながら、基板のレジスト層を効率良く剥離することが可能な基板処理装置および基板処理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一局面によれば、基板処理装置は、基板保持部と、剥離液供給部と、超音波発生部とを備える。前記基板保持部は、基板を保持する。前記剥離液供給部は、前記基板保持部によって保持される前記基板に、レジスト層を剥離する剥離液を供給する。前記超音波発生部は、超音波を発生する。前記超音波発生部は、超音波を発生する超音波振動子と、前記超音波振動子が発生させた前記超音波を伝播する伝播部とを有する。前記伝播部は、樹脂製の接触部を有する。前記接触部は、前記基板上の前記剥離液に接触して前記超音波を伝播する。
【0007】
ある実施形態では、前記接触部は、可撓性を有する。
【0008】
ある実施形態では、基板処理装置は、移動部を備える。前記移動部は、前記接触部と前記基板とを前記基板の上面に沿った方向に相対的に移動させる。前記接触部は、前記移動部によって前記接触部と前記基板とが相対的に移動する際に、前記剥離液からの反力によって上方に撓むように、構成されている。
【0009】
ある実施形態では、前記接触部の最下部は、湾曲形状を有する。
【0010】
ある実施形態では、前記接触部は、シート形状、ブラシ形状またはスポンジ形状を有する。
【0011】
ある実施形態では、前記基板処理装置は、移動部を備える。前記移動部は、前記接触部と前記基板とを前記基板の上面に沿った方向に相対的に移動させる。前記接触部は、シート形状またはブラシ形状を有する。前記伝播部は、傾斜部を有する。前記傾斜部は、前記接触部の最下部に対して、前記接触部が前記基板に対して相対的に移動する移動方向の下流側に配置される。前記傾斜部は、前記移動方向の下流側に向かって上方に傾斜する。
【0012】
ある実施形態では、前記接触部は、袋状または円筒状に形成されている。
【0013】
ある実施形態では、前記接触部の内部には、液が充填されている。
【0014】
ある実施形態では、前記基板処理装置は、移動部を備える。前記移動部は、前記接触部と前記基板とを前記基板の上面に沿った方向に相対的に移動させる。前記移動部は、前記剥離液供給部から前記基板に供給される前記剥離液の着液位置に対して前記接触部が近づく方向に、前記接触部と前記基板とを相対的に移動させる。
【0015】
ある実施形態では、前記剥離液は、硫酸と過酸化水素水とが混合された硫酸過酸化水素水混合液を含む。前記剥離液供給部は、前記基板に前記硫酸を供給する硫酸供給部と、前記基板に前記過酸化水素水を供給する過水供給部とを有する。前記硫酸供給部および前記過水供給部は、前記硫酸および前記過酸化水素水を前記基板上で混合して前記硫酸過酸化水素水混合液を生成する。
【0016】
ある実施形態では、前記過水供給部は、前記伝播部に配置される。
【0017】
ある実施形態では、前記剥離液供給部が前記基板に前記剥離液を供給し、前記超音波発生部が前記基板上の前記剥離液に前記超音波を伝播した後、前記剥離液に対する前記超音波の伝播を停止した状態で、前記剥離液供給部が前記基板に前記剥離液を供給する。
【0018】
本発明の別の局面によれば、基板処理方法は、基板に、レジスト層を剥離する剥離液を供給する第1剥離液供給工程と、超音波を発生する超音波発生部により前記基板上の前記剥離液に超音波を伝播する超音波伝播工程とを含む。前記超音波発生部は、超音波を発生する超音波振動子と、前記超音波振動子が発生させた前記超音波を伝播する伝播部とを有する。前記超音波伝播工程において、前記伝播部のうち樹脂製の接触部を前記基板上の前記剥離液に接触させて前記超音波を伝播する。
【0019】
ある実施形態では、前記接触部は、可撓性を有する。
【0020】
ある実施形態では、前記超音波伝播工程において、前記接触部と前記基板とを前記基板の上面に沿った方向に相対的に移動させることによって、前記接触部が前記剥離液からの反力により上方に撓んだ状態で、前記剥離液に前記超音波を伝播する。
【0021】
ある実施形態では、前記接触部の最下部は、湾曲形状を有する。
【0022】
ある実施形態では、前記超音波伝播工程において、前記基板に供給される前記剥離液の着液位置に対して前記接触部が近づく方向に、前記接触部と前記基板とを相対的に移動させる。
【0023】
ある実施形態では、前記剥離液は、硫酸と過酸化水素水とが混合された硫酸過酸化水素水混合液を含む。前記第1剥離液供給工程において、前記基板に前記硫酸および前記過酸化水素水を供給し、前記基板上で前記硫酸および前記過酸化水素水を混合して前記硫酸過酸化水素水混合液を生成する。
【0024】
ある実施形態では、前記第1剥離液供給工程において、前記伝播部を介して前記過酸化水素水を前記基板に供給する。
【0025】
ある実施形態では、前記基板処理方法は、前記超音波伝播工程の後、前記剥離液に対する前記超音波の伝播を停止した状態で、前記基板に前記剥離液を供給する第2剥離液供給工程をさらに含む。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、基板の損傷を抑制しながら、基板のレジスト層を効率良く剥離することが可能な基板処理装置および基板処理方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】第1実施形態の基板処理装置の模式的な平面図である。
【
図2】第1実施形態の基板処理装置における基板処理ユニットの模式図である。
【
図3】第1実施形態の基板処理装置のブロック図である。
【
図4】基板の構造を模式的に示す拡大断面図である。
【
図5】第1実施形態の超音波発生部周辺の構造を示す模式図である。
【
図6】接触部と基板とを相対的に移動させている状態を模式的に示す拡大図である。
【
図7】第1実施形態の基板処理方法のフロー図である。
【
図8】接触部と基板とが周方向に相対的に移動している状態を模式的に示す平面図である。
【
図9】第1変形例による基板処理装置の超音波発生部周辺の構造を示す模式図である。
【
図10】第2変形例による基板処理装置の超音波発生部周辺の構造を示す模式図である。
【
図11】第2実施形態による基板処理装置の超音波発生部周辺の構造を示す模式図である。
【
図12】第3変形例による基板処理装置の超音波発生部周辺の構造を示す模式図である。
【
図13】第4変形例による基板処理装置の超音波発生部周辺の構造を示す模式図である。
【
図14】第3実施形態による基板処理装置の超音波発生部および基板を模式的に示す平面図である。
【
図15】第3実施形態による基板処理装置の基板保持部周辺の構造を示す模式図である。
【
図16】第3実施形態による基板処理装置の基板保持部周辺の構造を示す模式図である。
【
図17】第3実施形態の基板処理方法のフロー図である。
【
図18】第5変形例による基板処理装置の超音波発生部周辺の構造を示す模式図である。
【
図19】第4実施形態の基板処理方法のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、図面を参照して、本発明による基板処理装置の実施形態を説明する。なお、図中、同一または相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。本願明細書では、発明の理解を容易にするため、互いに直交するX軸、Y軸およびZ軸を記載することがある。本実施形態では、X軸およびY軸は水平方向に平行であり、Z軸は鉛直方向に平行である。
【0029】
(第1実施形態)
図1~
図8を参照して、本発明の第1実施形態による基板処理装置100について説明する。
図1は、第1実施形態の基板処理装置100の模式的な平面図である。
【0030】
基板処理装置100は、基板Wを処理する。基板処理装置100は、基板Wに対して、エッチング、表面処理、特性付与、処理膜形成、膜の少なくとも一部の除去、および、洗浄のうちの少なくとも1つを行うように基板Wを処理する。
【0031】
基板Wは、半導体基板として用いられる。基板Wは、半導体ウエハを含む。例えば、基板Wは略円板状である。ここでは、基板処理装置100は、基板Wを一枚ずつ処理する。
【0032】
図1に示すように、基板処理装置100は、複数の基板処理ユニット10と、処理液キャビネット110と、処理液ボックス120と、複数のロードポートLPと、インデクサーロボットIRと、センターロボットCRと、制御装置101とを備える。制御装置101は、ロードポートLP、インデクサーロボットIRおよびセンターロボットCRを制御する。制御装置101は、制御部102および記憶部104を含む。
【0033】
ロードポートLPの各々は、複数枚の基板Wを積層して収容する。インデクサーロボットIRは、ロードポートLPとセンターロボットCRとの間で基板Wを搬送する。センターロボットCRは、インデクサーロボットIRと基板処理ユニット10との間で基板Wを搬送する。基板処理ユニット10の各々は、基板Wに処理液を吐出して、基板Wを処理する。処理液は、例えば、薬液、リンス液、除去液および/または撥水剤を含む。処理液キャビネット110は、処理液を収容する。なお、処理液キャビネット110は、ガスを収容してもよい。
【0034】
具体的には、複数の基板処理ユニット10は、平面視においてセンターロボットCRを取り囲むように配置された複数のタワーTW(
図1では4つのタワーTW)を形成している。各タワーTWは、上下に積層された複数の基板処理ユニット10(
図1では3つの基板処理ユニット10)を含む。処理液ボックス120は、それぞれ、複数のタワーTWに対応している。処理液キャビネット110内の液体は、いずれかの処理液ボックス120を介して、処理液ボックス120に対応するタワーTWに含まれる全ての基板処理ユニット10に供給される。また、処理液キャビネット110内のガスは、いずれかの処理液ボックス120を介して、処理液ボックス120に対応するタワーTWに含まれる全ての基板処理ユニット10に供給される。
【0035】
典型的には、処理液キャビネット110は、処理液を調製するための調製槽(タンク)を有する。処理液キャビネット110は、1種類の処理液のための調製槽を有してもよく、複数種類の処理液のための調製槽を有してもよい。また、処理液キャビネット110は、処理液を流通するためのポンプ、ノズルおよび/またはフィルタを有する。
【0036】
制御装置101は、基板処理装置100の各種動作を制御する。制御装置101により、基板処理ユニット10は基板Wを処理する。
【0037】
制御装置101は、制御部102および記憶部104を含む。制御部102は、プロセッサを有する。制御部102は、例えば、中央処理演算機(Central Processing Unit:CPU)を有する。または、制御部102は、汎用演算機を有してもよい。
【0038】
記憶部104は、データおよびコンピュータプログラムを記憶する。データは、レシピデータを含む。レシピデータは、複数のレシピを示す情報を含む。複数のレシピの各々は、基板Wの処理内容および処理手順を規定する。
【0039】
記憶部104は、主記憶装置と、補助記憶装置とを含む。主記憶装置は、例えば、半導体メモリである。補助記憶装置は、例えば、半導体メモリおよび/またはハードディスクドライブである。記憶部104はリムーバブルメディアを含んでいてもよい。制御部102は、記憶部104の記憶しているコンピュータプログラムを実行して、基板処理動作を実行する。
【0040】
次に、
図2を参照して、第1実施形態の基板処理装置100における基板処理ユニット10を説明する。
図2は、第1実施形態の基板処理装置100における基板処理ユニット10の模式図である。
【0041】
図2に示すように、基板処理ユニット10は、チャンバー11と、送風ユニット12と、基板保持部20と、剥離液供給部30と、リンス液供給部60とを備える。
【0042】
チャンバー11は、内部空間を有する略箱形状である。チャンバー11は、基板Wを収容する。ここでは、基板処理装置100は、基板Wを1枚ずつ処理する枚葉型であり、チャンバー11には基板Wが1枚ずつ収容される。基板Wは、チャンバー11内に収容され、チャンバー11内で処理される。チャンバー11には、基板保持部20、剥離液供給部30およびリンス液供給部60のそれぞれの少なくとも一部が収容される。
【0043】
送風ユニット12は、チャンバー11の上部または上方に配置される。例えば、送風ユニット12は、チャンバー11の天面に配置される。送風ユニット12は、チャンバー11内に空気を送る。送風ユニット12は、例えば、ファン・フィルタ・ユニット(FFU)を含む。送風ユニット12および排気装置(図示しない)により、チャンバー11内にダウンフロー(下降流)が形成される。
【0044】
基板保持部20は、基板Wを保持する。基板保持部20は、基板Wの上面(表面)Waを上方に向け、基板Wの下面(裏面)Wbを鉛直下方に向くように基板Wを水平に保持する。また、基板保持部20は、基板Wを保持した状態で基板Wを回転させる。例えば、基板Wの上面Waには、リセスの形成された積層構造が設けられている。基板保持部20は、基板Wを保持したまま基板Wを回転させる。
【0045】
例えば、基板保持部20は、基板Wの端部を挟持する挟持式であってもよい。あるいは、基板保持部20は、基板Wを下面Wbから保持する任意の機構を有してもよい。例えば、基板保持部20は、バキューム式であってもよい。この場合、基板保持部20は、非デバイス形成面である基板Wの下面Wbの中央部を上面に吸着させることにより基板Wを水平に保持する。あるいは、基板保持部20は、複数のチャックピンを基板Wの周端面に接触させる挟持式とバキューム式とを組み合わせてもよい。
【0046】
例えば、基板保持部20は、スピンベース21と、チャック部材22と、シャフト23と、スピンモーター24と、ハウジング25とを含む。チャック部材22は、スピンベース21に設けられる。チャック部材22は、基板Wをチャックする。典型的には、スピンベース21には、複数のチャック部材22が設けられる。
【0047】
シャフト23は、回転軸AXに沿って鉛直方向に延びている。シャフト23の上端には、スピンベース21が結合されている。基板Wは、スピンベース21の上方に載置される。
【0048】
スピンベース21は、円板状である。チャック部材22は、基板Wを水平に支持する。シャフト23は、スピンベース21の中央部から下方に延びる。スピンモーター24は、シャフト23に回転力を与える。スピンモーター24は、シャフト23を回転方向に回転させることにより、回転軸AXを中心に基板Wおよびスピンベース21を回転させる。ハウジング25は、シャフト23およびスピンモーター24を収容する。
【0049】
剥離液供給部30は、基板Wに、レジスト層を剥離する剥離液を供給する。典型的には、剥離液供給部30は、基板Wの上面Waに剥離液を供給する。剥離液供給部30の少なくとも一部は、チャンバー11内に収容される。
【0050】
剥離液は、特に限定されるものではないが、例えば、SPM(硫酸過酸化水素水混合液)を含む。SPMは、硫酸と過酸化水素水とが混合された硫酸過酸化水素水混合液である。基板Wに供給されるSPMの温度は、特に限定されるものではないが、例えば、80℃以上120℃未満である。なお、基板Wに供給されるSPMの温度は、120℃以上であってもよいし、150℃以上であってもよい。また、基板Wに供給されるSPMの温度は、180℃以上であってもよいし、200℃以上であってもよい。
【0051】
剥離液供給部30は、硫酸と過酸化水素水との混合液(SPM)が貯留されたタンクに接続され、タンク内のSPMを基板Wに供給してもよい。また、剥離液供給部30は、硫酸と過酸化水素水とを流路の途中で合流させ、SPMをノズルから基板Wに供給してもよい。第1実施形態では、剥離液供給部30は、硫酸と過酸化水素水とを別々に基板Wに供給し、基板W上で硫酸と過酸化水素水とを混合させる。具体的には、剥離液供給部30は、基板Wに硫酸を供給する硫酸供給部40と、基板Wに過酸化水素水を供給する過水供給部50とを有する。
【0052】
硫酸供給部40は、基板Wに硫酸を供給する。典型的には、硫酸供給部40は、基板Wの上面Waに硫酸を供給する。硫酸供給部40の少なくとも一部は、チャンバー11内に収容される。
【0053】
硫酸供給部40は、配管42と、バルブ44と、ノズル46とを含む。ノズル46は、基板Wの上面Waに硫酸を吐出する。ノズル46は、配管42に接続される。配管42には、供給源から硫酸が供給される。
【0054】
バルブ44は、配管42内の流路を開閉する。バルブ44は、配管42の開度を調節して、配管42に供給される硫酸の流量を調整する。具体的には、バルブ44は、弁座が内部に設けられたバルブボディ(図示しない)と、弁座を開閉する弁体と、開位置と閉位置との間で弁体を移動させるアクチュエータ(図示しない)とを含む。
【0055】
ノズル46は、基板Wに対して移動可能に構成されてもよい。硫酸供給部40は、ノズル移動部48をさらに有してもよい。ノズル移動部48は、ノズル46を昇降してもよく、ノズル46を回動軸線の周りに水平回動させてもよい。ノズル移動部48は、ノズル46を昇降させる。例えば、ノズル移動部48は、ボールねじ機構と、ボールねじ機構に駆動力を与える電動モーターとを含む。また、ノズル移動部48は、ノズル46を水平回動させる。例えば、ノズル移動部48は、電動モーターを含む。
【0056】
第1実施形態では、硫酸がノズル46から基板Wに供給される間、ノズル移動部48は、ノズル46を水平方向に往復させる。具体的には、ノズル移動部48は、基板Wに対する硫酸の着液位置が基板Wの中央部と縁部との間で往復するように、ノズル46を移動させる。これにより、基板Wに対する硫酸の着液位置が移動する。なお、硫酸がノズル46から基板Wに供給される間、ノズル46は固定されていてもよい。
【0057】
過水供給部50は、基板Wに過酸化水素水を供給する。典型的には、過水供給部50は、基板Wの上面Waに過酸化水素水を供給する。過水供給部50の少なくとも一部は、チャンバー11内に収容される。
【0058】
過水供給部50は、配管52と、バルブ54と、ノズル56とを有する。ノズル56は、基板Wの上面Waに過酸化水素水を吐出する。ノズル56は、配管52に接続される。配管52には、供給源から過酸化水素水が供給される。バルブ54は、配管52内の流路を開閉する。バルブ54は、配管52の開度を調節して、配管52に供給される過酸化水素水の流量を調整する。具体的には、バルブ54は、弁座が内部に設けられたバルブボディ(図示しない)と、弁座を開閉する弁体と、開位置と閉位置との間で弁体を移動させるアクチュエータ(図示しない)とを含む。
【0059】
ノズル56は、基板Wに対して移動可能に構成されてもよい。例えば、ノズル56は、ノズル46と一体で移動するように構成されてもよい。第1実施形態では、ノズル56は、ノズル46と一体で移動するように構成される。つまり、ノズル移動部48は、ノズル46およびノズル56の両方を移動させる。この場合、ノズル46とノズル56とは、互いに固定されていてもよい。また、この場合、剥離液供給部30は、ノズル46とノズル56とを保持する保持部材を有してもよい。
【0060】
また、例えば、ノズル56は、ノズル46とは別々に移動するように構成されてもよい。この場合、過水供給部50は、ノズル移動部(図示せず)をさらに有してもよい。ノズル移動部(図示せず)は、ノズル56を昇降してもよく、ノズル56を回動軸線の周りに水平回動させてもよい。ノズル移動部(図示せず)は、例えば、ノズル移動部48と同様に構成される。
【0061】
リンス液供給部60は、基板Wにリンス液を供給する。典型的には、リンス液供給部60は、基板Wの上面Waにリンス液を供給する。リンス液供給部60の少なくとも一部は、チャンバー11内に収容される。
【0062】
例えば、リンス液として、脱イオン水(Deionized Water:DIW)、炭酸水、電解イオン水、オゾン水、アンモニア水、希釈濃度(例えば、10ppm~100ppm程度)の塩酸水、または、還元水(水素水)が挙げられる。第1実施形態では、リンス液は、脱イオン水(DIW)である。
【0063】
リンス液供給部60は、配管62と、バルブ64と、ノズル66とを含む。ノズル66は、基板Wの上面Waにリンス液を吐出する。ノズル66は、配管62に接続される。配管62には、供給源からリンス液が供給される。
【0064】
バルブ64は、配管62内の流路を開閉する。バルブ64は、配管62の開度を調節して、配管62に供給されるリンス液の流量を調整する。具体的には、バルブ64は、弁座が内部に設けられたバルブボディ(図示しない)と、弁座を開閉する弁体と、開位置と閉位置との間で弁体を移動させるアクチュエータ(図示しない)とを含む。
【0065】
ノズル66は、基板Wに対して移動可能に構成されてもよい。リンス液供給部60は、ノズル移動部68をさらに有してもよい。ノズル移動部68は、ノズル66を昇降してもよく、ノズル66を回動軸線の周りに水平回動させてもよい。ノズル移動部68は、例えば、ノズル移動部48と同様に構成される。
【0066】
第1実施形態では、基板処理ユニット10は、超音波を発生する超音波発生部70を備える。超音波発生部70は、超音波を発生する超音波振動子71と、超音波振動子71が発生させた超音波を伝播する伝播部72とを有する。超音波振動子71は、特に限定されるものではないが、例えば、ピエゾ素子(圧電素子)を含む。伝播部72は、超音波振動子71が発生させた超音波を対象物に伝播する。第1実施形態では、対象物は、基板W上の剥離液を含む。
【0067】
伝播部72は、基板W上の剥離液に接触して超音波を伝播する接触部73(
図5参照)を有する。接触部73は、樹脂製である。伝播部72は、全体が樹脂によって形成されていてもよいし、樹脂と樹脂以外の材料とによって形成されていてもよい。接触部73を構成する樹脂としては、例えば、耐薬品性および耐熱性を有する樹脂が挙げられる。具体的には、接触部73を構成する樹脂としては、例えば、PFA等のフッ素を含有する樹脂が挙げられる。樹脂以外の材料としては、耐薬品性および耐熱性を有し、且つ、超音波を伝播する効率の高い材料が挙げられる。具体的には、樹脂以外の材料としては、例えば、石英が挙げられる。
【0068】
接触部73は、基板Wに対して移動可能に構成されてもよい。例えば、接触部73は、ノズル46およびノズル56と一体で移動するように構成されてもよいし、ノズル46およびノズル56とは別々に移動するように構成されてもよい。第1実施形態では、接触部73は、ノズル46およびノズル56と一体で移動するように構成される。つまり、ノズル移動部48は、ノズル46、ノズル56および接触部73の全てを移動させる。この場合、ノズル46、ノズル56および接触部73は、互いに固定されていてもよい。また、この場合、剥離液供給部30は、ノズル46、ノズル56および接触部73等を保持する保持部材を有してもよい。
【0069】
基板処理ユニット10は、カップ90をさらに備える。カップ90は、基板Wから飛散した処理液を回収する。カップ90は昇降する。例えば、カップ90は、硫酸供給部40、過水供給部50および/またはリンス液供給部60が基板Wに硫酸、過酸化水素水および/またはリンス液を供給する期間にわたって基板Wの側方にまで鉛直上方に上昇する。この場合、カップ90は、基板Wの回転によって基板Wから飛散する硫酸、過酸化水素水および/またはリンス液を回収する。また、カップ90は、硫酸供給部40、過水供給部50および/またはリンス液供給部60が基板Wに硫酸、過酸化水素水および/またはリンス液を供給する期間が終了すると、基板Wの側方から鉛直下方に下降する。
【0070】
上述したように、制御装置101は、制御部102および記憶部104を含む。制御部102は、送風ユニット12、基板保持部20、剥離液供給部30(硫酸供給部40、過水供給部50)、リンス液供給部60、超音波発生部70および/またはカップ90を制御する。一例では、制御部102は、送風ユニット12、スピンモーター24、バルブ44、54、64、ノズル移動部48、68、超音波発生部70および/またはカップ90を制御する。
【0071】
第1実施形態の基板処理装置100は、半導体の設けられた半導体素子の作製に好適に用いられる。典型的には、半導体素子において、基材の上に導電層および絶縁層が積層される。基板処理装置100は、半導体素子の製造時に、導電層および/または絶縁層の洗浄および/または加工(例えば、エッチング、特性変化等)に好適に用いられる。
【0072】
次に、
図1~
図3を参照して、第1実施形態の基板処理装置100を説明する。
図3は、第1実施形態の基板処理装置100のブロック図である。
【0073】
図3に示すように、制御装置101は、基板処理装置100の各種動作を制御する。制御装置101は、インデクサーロボットIR、センターロボットCR、送風ユニット12、基板保持部20、剥離液供給部30(硫酸供給部40、過水供給部50)、リンス液供給部60、超音波発生部70およびカップ90を制御する。具体的には、制御装置101は、インデクサーロボットIR、センターロボットCR、送風ユニット12、基板保持部20、剥離液供給部30(硫酸供給部40、過水供給部50)、リンス液供給部60、超音波発生部70およびカップ90に制御信号を送信することによって、インデクサーロボットIR、センターロボットCR、送風ユニット12、基板保持部20、剥離液供給部30(硫酸供給部40、過水供給部50)、リンス液供給部60、超音波発生部70およびカップ90を制御する。
【0074】
また、記憶部104は、コンピュータプログラムおよびデータを記憶する。データは、レシピデータを含む。レシピデータは、複数のレシピを示す情報を含む。複数のレシピの各々は、基板Wの処理内容、処理手順および基板処理条件を規定する。制御部102は、記憶部104の記憶しているコンピュータプログラムを実行して、基板処理動作を実行する。
【0075】
制御部102は、インデクサーロボットIRを制御して、インデクサーロボットIRによって基板Wを受け渡しする。
【0076】
制御部102は、センターロボットCRを制御して、センターロボットCRによって基板Wを受け渡しする。例えば、センターロボットCRは、未処理の基板Wを受け取って、複数のチャンバー11のうちのいずれかに基板Wを搬入する。また、センターロボットCRは、処理された基板Wをチャンバー11から受け取って、基板Wを搬出する。
【0077】
制御部102は、送風ユニット12を制御して、チャンバー11内に空気を送る。例えば、制御部102は、送風ユニット12および排気装置(図示せず)を制御して、チャンバー11内にダウンフローを形成する。
【0078】
制御部102は、基板保持部20を制御して、基板Wの脱着、基板Wの回転の開始、回転速度の変更および基板Wの回転の停止を制御する。例えば、制御部102は、基板保持部20を制御して、基板保持部20の回転速度を変更することができる。具体的には、制御部102は、基板保持部20のスピンモーター24の回転速度を変更することによって、基板Wの回転速度を変更できる。
【0079】
制御部102は、硫酸供給部40のバルブ44を制御して、バルブ44の状態を開状態と閉状態とに切り替えることができる。具体的には、制御部102は、硫酸供給部40のバルブ44を制御して、バルブ44を開状態にすることによって、ノズル46に向かって配管42内を流れる硫酸を通過させることができる。また、制御部102は、硫酸供給部40のバルブ44を制御して、バルブ44を閉状態にすることによって、ノズル46に向かって配管42内を流れる硫酸の供給を停止させることができる。
【0080】
制御部102は、バルブ54を制御して、バルブ54の状態を開状態と閉状態とに切り替えることができる。具体的には、制御部102は、バルブ54を制御して、バルブ54を開状態にすることによって、ノズル56に向かって配管52内を流れる過酸化水素水を通過させることができる。また、制御部102は、バルブ54を制御して、バルブ54を閉状態にすることによって、ノズル56に向かって配管52内を流れる過酸化水素水の供給を停止させることができる。
【0081】
制御部102は、リンス液供給部60のバルブ64を制御して、バルブ64の状態を開状態と閉状態とに切り替えることができる。具体的には、制御部102は、リンス液供給部60のバルブ64を制御して、バルブ64を開状態にすることによって、ノズル66に向かって配管62内を流れるリンス液を通過させることができる。また、制御部102は、リンス液供給部60のバルブ64を制御して、バルブ64を閉状態にすることによって、ノズル66に向かって配管62内を流れるリンス液の供給を停止させることができる。
【0082】
制御部102は、超音波発生部70の超音波振動子71を制御して、超音波を発生させたり、超音波の発生を停止させたりすることができる。具体的には、制御部102は、超音波振動子71を制御して、超音波を発生させることによって、伝播部72を介して対象物に超音波を伝播することができる。また、制御部102は、超音波振動子71を制御して、超音波の発生を停止させることによって、対象物に対する超音波の伝播を停止させることができる。
【0083】
制御部102は、カップ90を制御して基板Wに対してカップ90を移動させてもよい。具体的には、制御部102は、硫酸供給部40、過水供給部50および/またはリンス液供給部60が基板Wに硫酸、過酸化水素水および/またはリンス液を供給する期間にわたって基板Wの側方にまで鉛直上方にカップ90を上昇させる。また、制御部102は、硫酸供給部40、過水供給部50および/またはリンス液供給部60が基板Wに硫酸、過酸化水素水および/またはリンス液を供給する期間が終了すると、基板Wの側方から鉛直下方にカップ90を下降させる。
【0084】
次に、
図4を参照して、基板Wの構造について説明する。
図4は、基板Wの構造を模式的に示す拡大断面図である。
【0085】
図4に示すように、基板Wは、基材201と、基材201上に配置されるレジスト層203とを有する。なお、基板Wは、基材201とレジスト層203との間に配置される接着層(図示せず)等をさらに有してもよい。この場合、接着層(図示せず)は、基材201とレジスト層203とを接着する、例えばヘキサメチルジシラザン(HMDS:Hexamethyldisilazane)等の樹脂であってもよい。
【0086】
基材201は、例えば、シリコンウエハなどの半導体ウエハである。第1実施形態では、基材201は、シリコンウエハである。
【0087】
レジスト層203は、樹脂からなる。レジスト層203は、特に限定されるものではないが、例えば、フォトレジスト材料からなる。レジスト層203は、少なくとも基材201とは反対側(上側)に配置される硬化層203aを有する。具体的には、半導体素子の製造工程は、例えば、基板Wの上面Waにリン、ヒ素、ホウ素などの不純物(イオン)を注入するイオン注入工程を含む。イオン注入工程では、イオン注入が不要な部分にマスクとしてのレジスト層203を形成した後、基板Wに対してイオン注入が行われる。このとき、レジスト層203の上面側の部分には、イオン注入によって硬化した硬化層203aが形成される。
【0088】
第1実施形態では、レジスト層203は、例えば、硬化層203aと、非硬化層203bとを含む。硬化層203aは、非硬化層203bよりも硬い。硬化層203aは、イオン注入によって硬化された層である。非硬化層203bは、レジスト層203のうち基材201側(下側)に配置される。
【0089】
次に、
図5および
図6を参照して、超音波発生部70周辺の構造について説明する。
図5は、第1実施形態の超音波発生部70周辺の構造を示す模式図である。
図6は、接触部73と基板Wとを相対的に移動させている状態を模式的に示す拡大図である。なお、第1実施形態では、ノズル46、ノズル56および伝播部72が互いに固定される例について説明する。
【0090】
図5に示すように、超音波発生部70は、ノズル46およびノズル56に固定される。具体的には、剥離液供給部30は、ノズル46とノズル56とを保持する保持部材31を有する。ノズル移動部48(
図2参照)は、保持部材31を移動させることによって、ノズル46およびノズル56を移動させる。
【0091】
超音波発生部70は、例えば、保持部材31に固定される。超音波発生部70の保持部材31に対する固定方法は特に限定されるものではないが、例えば、超音波発生部70の超音波振動子71は、ねじ等の固定部材(図示せず)を用いて保持部材31に固定される。
【0092】
伝播部72は、超音波振動子71の下方に配置される。第1実施形態では、伝播部72は、接触部73と、接続部74とを有する。接続部74は、超音波振動子71と接触部73とを接続する。接続部74は、例えば、石英によって形成される。なお、伝播部72は、接続部74を有しなくてもよい。
【0093】
第1実施形態では、接触部73は、可撓性を有する。具体的には、接触部73は、シート形状、ブラシ形状またはスポンジ形状を有する。第1実施形態では、接触部73は、シート形状を有する。接触部73は、例えば、数10μm以上、数mm以下の厚みを有する。接触部73は、例えば、0.1mm以上、1mm以下の厚みを有することが好ましい。接触部73の厚みを0.1mm以上にすることによって、超音波が接触部73を伝播しにくくなることを抑制できる。また、接触部73の厚みを1mm以下にすることによって、接触部73が撓みにくくなることを抑制できる。
【0094】
接触部73は、例えば、レジスト層203に比べて低い硬度を有する。具体的には、接触部73は、レジスト層203の硬化層203aに比べて低い硬度を有する。
【0095】
接触部73の幅は、特に限定されるものではないが、例えば、数mm以上、10mm以下である。接触部73の幅とは、
図5において紙面に対して垂直な方向である。なお、接触部73の幅は、例えば、1mm以下であってもよいし、10mmより大きくてもよい。また、接触部73の幅は、基板Wの直径と略同じ大きさ、または、基板Wの直径より大きくてもよい。
【0096】
また、接触部73の最下部73aは、湾曲形状を有する。接触部73の最下部73aは、接触部73を基板Wの上方から下降させた際に、基板Wに最初に接触する部分である。
【0097】
また、接触部73は、接触部73と基板Wとが基板Wの上面Waに沿った方向(水平方向)に相対的に移動する際に、剥離液からの反力によって上方に撓むように、構成されている。具体的には、
図6に示すように、例えば、超音波発生部70の位置を固定した状態で、スピンモーター24およびシャフト23が回転して基板保持部20上の基板Wを回転させた場合、接触部73は、剥離液Laからの反力によって上方に撓む。これにより、接触部73と基板Wとが相対的に移動する際に、接触部73が基板Wの上面Waに接触することを抑制できる。つまり、接触部73と基板Wとが相対的に移動していない状態で接触部73が基板Wの上面Waに接触するように、接触部73が配置された場合であっても、接触部73と基板Wとを相対的に移動させることによって、接触部73が撓むので、接触部73が基板Wに接触することを抑制できる。ただし、接触部73と基板Wとが相対的に移動していない状態で接触部73が基板Wの上面Waに接触しないように、接触部73が配置されることが望ましい。なお、第1実施形態では、スピンモーター24およびシャフト23は、本発明の「移動部」の一例である。
【0098】
また、
図5に示すように、伝播部72は、傾斜部76を有する。傾斜部76は、接触部73が基板Wに対して相対的に移動する移動方向(
図5および
図6において左方向)の下流側に向かって上方に傾斜する。傾斜部76は、接触部73の最下部73aに対して、接触部73が基板Wに対して相対的に移動する方向の下流側に配置される。傾斜部76は、接触部73の一部によって構成されてもよいし、接続部74の一部によって構成されてもよい。第1実施形態では、傾斜部76は、接触部73の一部と、接続部74の一部とによって構成される。
【0099】
なお、第1実施形態では、移動部(スピンモーター24およびシャフト23)は、剥離液供給部30から基板Wに供給された剥離液Laの着液位置に対して接触部73が近づく方向(
図5および
図6において左方向)に、接触部73と基板Wとを相対的に移動させる。第1実施形態では、剥離液Laの着液位置は、ノズル46およびノズル56の真下の位置を含む。
【0100】
以上、
図1~
図6を参照して説明したように、第1実施形態では、超音波発生部70の伝播部72は、基板W上の剥離液Laに接触して超音波を伝播する接触部73を有する。従って、接触部73を剥離液Laに接触させる際に接触部73が基板Wに接触した場合であっても、接触部73は樹脂製であるため、基板Wが損傷することを抑制できる。また、基板Wのレジスト層203上の剥離液Laに超音波を付与するため、剥離液Laによる化学的作用と、超音波による物理的作用との両方によって、レジスト層203を剥離できる。よって、レジスト層203を効率良く剥離することができる。これらの結果、基板Wの損傷を抑制しながら、基板Wのレジスト層203を効率良く剥離することができる。
【0101】
また、上記のように、接触部73は、可撓性を有する。従って、接触部73が基板Wに接触した場合であっても、接触部73が撓むので、基板Wが損傷することをより抑制できる。
【0102】
また、上記のように、接触部73は、接触部73と基板Wとが基板Wの上面Waに沿った方向に相対的に移動する際に、剥離液Laからの反力によって上方に撓むように、構成されている。従って、接触部73と基板Wとを相対的に移動させることによって、接触部73が基板Wに接触することを抑制できる。よって、基板Wが損傷することをさらに抑制できる。
【0103】
また、上記のように、接触部73の最下部73aは、湾曲形状を有する。従って、接触部73が基板Wに接触した場合であっても、基板Wが損傷することをさらに抑制できる。
【0104】
また、上記のように、接触部73は、シート形状、ブラシ形状またはスポンジ形状を有する。従って、可撓性を有するように、容易に接触部73を形成できる。
【0105】
また、上記のように、接触部73は、シート形状を有し、伝播部72は、接触部73の最下部73aに対して、接触部73が基板Wに対して相対的に移動する移動方向の下流側に配置される傾斜部76を有し、傾斜部76は、上記移動方向の下流側に向かって上方に傾斜する。従って、接触部73と基板Wとを基板Wの上面Waに沿った方向に相対的に移動させた際に、接触部73を、剥離液Laからの反力によって上方に撓みやすくできる。よって、基板Wが損傷することをさらに抑制できる。なお、接触部73がブラシ形状を有する場合も、同様の効果が得られる。
【0106】
また、上記のように、移動部(スピンモーター24およびシャフト23)は、剥離液供給部30から基板Wに供給された剥離液Laの着液位置に対して接触部73が近づくように、接触部73と基板Wとを相対的に移動させる。従って、基板Wに供給された直後の剥離液Laに超音波を付与することができるので、レジスト層203をより効率良く剥離できる。
【0107】
また、上記のように、硫酸供給部40および過水供給部50は、硫酸および過酸化水素水を基板W上で混合してSPM(硫酸過酸化水素水混合液)を生成する。従って、基板W上でカロ酸が生成されるので、レジスト層203に対する剥離力をさらに向上させることができる。
【0108】
次に、
図7および
図8を参照して、第1実施形態の基板処理方法を説明する。
図7は、第1実施形態の基板処理方法のフロー図である。
図8は、接触部73と基板Wとが周方向に相対的に移動している状態を模式的に示す平面図である。第1実施形態の基板処理装置100による基板処理方法は、ステップS101~ステップS109を含む。ステップS101~ステップS109は、制御部102によって実行される。なお、ステップS103は、本発明の「第1剥離液供給工程」の一例である。また、ステップS104は、本発明の「超音波伝播工程」の一例である。
【0109】
図7に示すように、ステップS101において、基板Wをチャンバー11に搬入する。制御部102の制御により、センターロボットCRは、基板Wをチャンバー11に搬入し、基板保持部20は、搬入された基板Wを保持する。
【0110】
次に、ステップS102において、基板Wの回転を開始する。制御部102の制御により、基板保持部20は、基板Wを保持した状態で基板Wの回転を開始する。なお、第1実施形態では、基板Wの回転速度は、特に限定されるものではないが、例えば、基板Wの回転速度は、ステップS103においてアルカリ液が基板Wの上面Waの全体に広がることが可能な速度である。第1実施形態では、基板Wの回転速度は、低速度(例えば、10rpm)である。なお、基板Wの回転速度は、高速度(例えば、500rpm以上、2000rpm以下)であってもよい。
【0111】
次に、ステップS103において、剥離液Laを基板Wに供給して、基板Wを剥離処理する。制御部102の制御により、基板保持部20によって回転する基板Wに対して、剥離液供給部30は、ノズル46から硫酸を供給し、ノズル56から過酸化水素水を供給する。これにより、基板W上で硫酸と過酸化水素水とが混合され、SPMが生成される。なお、基板Wに供給される過酸化水素水の温度は、特に限定されるものではないが、例えば、室温(約25℃)である。また、基板Wに供給される硫酸の温度は、特に限定されるものではないが、例えば、80℃以上、120℃以下である。
【0112】
次に、ステップS104において、超音波を発生させて、基板W上の剥離液Laに超音波を伝播する。制御部102の制御により、超音波発生部70の超音波振動子71で超音波を発生させて、基板Wの剥離液Laに超音波を伝播する。
【0113】
具体的には、ステップS103でノズル46およびノズル56から基板Wに剥離液Laを供給する際に、ノズル46およびノズル56は、基板Wの上方に配置される。第1実施形態では、超音波発生部70の伝播部72は、保持部材31に固定されているため、伝播部72も基板Wの上方に配置される。そして、ノズル46およびノズル56が基板Wに剥離液Laを供給することにより、伝播部72の接触部73は、基板W上の剥離液Laに接触する。ただし、ノズル46およびノズル56が基板Wに剥離液Laを供給した際に、接触部73が基板W上の剥離液Laから離隔する高さに配置されている場合は、ステップS104で接触部73が基板W上の剥離液Laに接触するように、ノズル移動部48によって接触部73を下降させる。なお、ステップS103およびステップS104において、接触部73は、基板Wの上面Waに接触しない高さに配置される。つまり、ステップS103およびステップS104において、接触部73が基板Wの上面Waに接触しないように、接触部73の高さが設定されている。
【0114】
そして、超音波振動子71が超音波を発生させることにより、超音波は、伝播部72を介して基板W上の剥離液Laに伝播する。なお、超音波振動子71が超音波の発生を開始するタイミングは、伝播部72が剥離液Laに接触した後でもよいし、接触する前でもよい。
【0115】
また、
図8に示すように、接触部73は、基板Wに対して相対的に移動しながら、基板W上の剥離液Laに超音波を伝播する。第1実施形態では、基板Wは回転している一方、接触部73は、基板Wの回転方向に移動しない。よって、接触部73は、基板Wの回転方向において、基板Wに対して相対的に移動する。なお、
図8の破線矢印で示すように、接触部73は、ノズル移動部48によって、剥離液Laに対する接触位置が基板Wの中央部と縁部との間で往復するように、移動される。
【0116】
そして、制御部102は、超音波の発生を開始してから所定時間が経過すると、超音波の発生を停止する。
【0117】
次に、ステップS105において、過酸化水素水を基板Wに供給する。制御部102の制御により、基板保持部20によって回転する基板Wに対して、過水供給部50は、ノズル56から過酸化水素水を供給する。具体的には、硫酸供給部40は、ノズル46から基板Wへの硫酸の供給を停止する。これにより、基板Wの上面Waの剥離液Laが過酸化水素水に置換される。なお、ステップS105における基板Wの回転速度は、低速度(例えば、10rpm)であってもよいし、高速度(例えば、500rpm以上、2000rpm以下)であってもよい。第1実施形態では、基板Wの回転速度は、高速度である。
【0118】
そして、制御部102は、過酸化水素水の供給を開始してから所定時間が経過すると、過酸化水素水の供給を停止する。言い換えると、制御部102は、硫酸の供給を停止してから所定時間が経過すると、過酸化水素水の供給を停止する。
【0119】
次に、ステップS106において、基板Wにリンス液を供給して基板Wをリンス処理する。制御部102の制御により、リンス液供給部60は、ノズル66から基板Wにリンス液を供給する。例えば、リンス液供給部60は、リンス液としてDIWを供給する。そして、制御部102は、リンス液の供給を開始してから所定時間が経過すると、リンス液の供給を停止する。
【0120】
なお、第1実施形態では、ステップS105およびステップS106で、超音波の発生を停止している例について説明したが、例えば、ステップS105またはステップS106が終了するまで、超音波を発生させてもよい。
【0121】
次に、ステップS107において、基板Wを乾燥する。制御部102の制御により、基板保持部20は、基板Wの回転速度を増加させて基板W上のリンス液を遠心力によって吹き飛ばす。
【0122】
次に、ステップS108において、基板Wの回転を停止する。制御部102の制御により、基板保持部20は、基板Wの回転を停止する。
【0123】
次に、ステップS109において、基板処理ユニット10から基板Wを取り出す。制御部102の制御により、基板保持部20は基板Wの保持を解除し、センターロボットCRは、チャンバー11から基板Wを取り出す。その後、基板Wは、インデクサーロボットIRを介して基板処理装置100の外部に搬送される。
【0124】
以上のようにして、基板Wに対する処理が終了する。
【0125】
(第1変形例)
次に、
図9を参照して、本発明の第1変形例による基板処理装置100について説明する。
図9は、第1変形例による基板処理装置100の超音波発生部70周辺の構造を示す模式図である。第1変形例では、第1実施形態とは異なり、接触部73がノズル46およびノズル56とは別々に移動する例について説明する。
【0126】
図9に示すように、超音波発生部70の接触部73は、ノズル46およびノズル56とは別々に移動するように構成されている。具体的には、接触部73は、ノズル46およびノズル56に対して固定されていない。基板処理装置100は、超音波発生部70を移動させる移動部78をさらに有する。移動部78は、超音波発生部70の接触部73を昇降してもよく、接触部73を回動軸線の周りに水平回動させてもよい。また、移動部78は、接触部73を水平に往復直線移動させてもよい。
【0127】
第1変形例では、上記のように、接触部73をノズル46およびノズル56とは別々に移動させる。従って、制御部102の制御により、例えば、硫酸および過酸化水素水が混合されてから所定時間経過後に、着液位置(硫酸と過酸化水素水とが混合される位置)に接触部73を配置できる。これにより、硫酸と過酸化水素水とを混合して生成されるカロ酸が最も活性化するタイミングで、着液位置に接触部73を配置して超音波を付与できる。よって、レジスト層203をより効果的に剥離できる。
【0128】
第1変形例のその他の構成、基板処理方法および効果は、第1実施形態と同様である。
【0129】
(第2変形例)
次に、
図10を参照して、本発明の第2変形例による基板処理装置100について説明する。
図10は、第2変形例による基板処理装置100の超音波発生部70周辺の構造を示す模式図である。第2変形例では、第1実施形態とは異なり、過水供給部50が伝播部72に配置される例について説明する。
【0130】
図10に示すように、過水供給部50は、伝播部72に配置される。ノズル56は、超音波振動子71および/または伝播部72に固定される。第2変形例では、過水供給部50のノズル56は、伝播部72に配置される。過水供給部50は、伝播部72を介して基板Wに過酸化水素水を供給する。具体的には、ノズル56は、例えば、伝播部72に向けて過酸化水素水を吐出する。
【0131】
第2変形例では、ノズル56から吐出された過酸化水素水は、伝播部72を伝って基板Wに供給される。そして、接触部73の近傍において、硫酸と過酸化水素水とが混合される。なお、過水供給部50から吐出される過酸化水素水の温度は、硫酸供給部40から吐出される硫酸の温度よりも低い。第2変形例では、過水供給部50から吐出される過酸化水素水の温度は、例えば、室温(約25℃)である。
【0132】
第2変形例では、上記のように、過水供給部50は、伝播部72に配置される。そして、過水供給部50は、伝播部72を介して基板Wに過酸化水素水を供給する。ここで、過水供給部50から基板Wに供給される過酸化水素水の温度は、例えば、室温(約25℃)であり、硫酸供給部40が供給する硫酸の温度、および、SPMの温度よりも低い。従って、高温の薬液(硫酸および/またはSPM)が伝播部72に接触することを、過水供給部50または過酸化水素水によって抑制できる。よって、伝播部72が劣化することを抑制できる。
【0133】
なお、第2変形例では、伝播部72がノズル46およびノズル56と一体で移動するように構成される例について示した。しかしながら、例えば、第1変形例と同様、伝播部72は、ノズル46および/またはノズル56とは別々に移動するように構成されてもよい。
【0134】
また、第2変形例では、基板Wに対して過酸化水素水を直接供給する過水供給部50を設けない例について示した。しかしながら、第1実施形態および第1変形例と同様、基板Wに対して過酸化水素水を直接供給する過水供給部50を設けてもよい。つまり、伝播部72を介して基板Wに過酸化水素水を供給する過水供給部50と、基板Wに対して過酸化水素水を直接供給する過水供給部50との両方を設けてもよい。
【0135】
第2変形例のその他の構成、基板処理方法および効果は、第1実施形態と同様である。
【0136】
(第2実施形態)
次に、
図11を参照して、本発明の第2実施形態による基板処理装置100について説明する。
図11は、第2実施形態による基板処理装置100の超音波発生部70周辺の構造を示す模式図である。第2実施形態では、第1実施形態とは異なり、接触部73が袋状または円筒状に形成されている例について説明する。
【0137】
図11に示すように、接触部73は、袋状または円筒状に形成されている。接触部73は、第1実施形態と同様、可撓性を有する。また、接触部73は、第1実施形態と同様、例えば、PFA等のフッ素を含有する樹脂によって形成されている。接触部73の厚みは、特に限定されるものではないが、例えば、数μm以上、1mm以下である。接触部73の厚みは、数100μm以下であることが好ましい。
【0138】
接触部73が袋状である場合、接触部73の直径は、例えば、数100μm以上、10mm以下である。接触部73が袋状である場合、接触部73の直径は、1mm以上、5mm以下であってもよい。
【0139】
接触部73が円筒状である場合、接触部73の直径は、例えば、数100μm以上、10mm以下である。接触部73が円筒状である場合、接触部73の直径は、1mm以上、5mm以下であってもよい。また、接触部73が円筒状である場合、接触部73の幅は、第1実施形態と同様、特に限定されるものではないが、例えば、数mm以上、10mm以下である。なお、接触部73の幅は、1mm以下であってもよいし、10mmより大きくてもよい。また、接触部73の幅は、基板Wの直径と略同じ大きさ、または、基板Wの直径より大きくてもよい。
【0140】
接触部73は、例えば、中空であってもよい。つまり、接触部73の内部は、空気等のガスが入っていてもよい。または、接触部73の内部には、液Lbが充填されていてもよい。第2実施形態では、接触部73の内部には、液Lbが充填されている。接触部73の内部に充填される液Lbの種類は、特に限定されるものではないが、例えば、純水、過酸化水素水または硫酸であってもよい。なお、接触部73が円筒状であり、かつ、接触部73の内部に液Lbを充填する場合、接触部73の両端は、塞がっていてもよい。
【0141】
第2実施形態では、上記のように、接触部73は、袋状または円筒状に形成されている。従って、可撓性を有するように、容易に接触部73を形成できる。また、接触部73を袋状または円筒状に形成することによって、最下部73aが湾曲形状を有するように、容易に接触部73を形成できる。
【0142】
また、上記のように、接触部73の内部には、液Lbが充填されている。従って、超音波振動子71から接触部73に伝播した超音波を、接触部73内の液Lbを介して、基板W上の剥離液Laに伝播させることができる。よって、接触部73が中空である場合に比べて、超音波を効率良く剥離液Laに伝播できる。
【0143】
第2実施形態のその他の構成、基板処理方法および効果は、第1実施形態と同様である。
【0144】
(第3変形例)
次に、
図12を参照して、本発明の第3変形例による基板処理装置100について説明する。
図12は、第3変形例による基板処理装置100の超音波発生部70周辺の構造を示す模式図である。第3変形例では、第2実施形態とは異なり、接触部73がノズル46およびノズル56とは別々に移動する例について説明する。
【0145】
図12に示すように、
図9に示した第1変形例と同様、超音波発生部70の接触部73は、ノズル46およびノズル56とは別々に移動するように構成されている。具体的には、接触部73は、ノズル46およびノズル56に対して固定されていない。基板処理装置100は、超音波発生部70を移動させる移動部78をさらに有する。
【0146】
第3変形例のその他の構成、基板処理方法および効果は、第2実施形態および第1変形例と同様である。
【0147】
(第4変形例)
次に、
図13を参照して、本発明の第4変形例による基板処理装置100について説明する。
図13は、第4変形例による基板処理装置100の超音波発生部70周辺の構造を示す模式図である。第4変形例では、第2実施形態とは異なり、過水供給部50が伝播部72に配置される例について説明する。
【0148】
図13に示すように、過水供給部50は、伝播部72に配置される。過水供給部50は、伝播部72を介して基板Wに過酸化水素水を供給する。具体的には、第4変形例では、袋状または円筒状の接触部73の内部には、過酸化水素水が供給される。第4変形例では、接触部73の少なくとも一部には、接触部73の内部と外部とを連通する連通孔73bが形成されている。従って、接触部73の内部に供給された過酸化水素水は、連通孔73bを介して基板Wに供給される。つまり、第4変形例では、接触部73は、過水供給部50のノズルとして機能する。このように、第4変形例では、接触部73は、過水供給部50の一部を構成する。
【0149】
第4変形例では、過酸化水素水は、接触部73から基板Wに供給される。そして、接触部73の近傍において、硫酸と過酸化水素水とが混合される。
【0150】
なお、第4変形例では、接触部73がノズル46およびノズル56と一体で移動するように構成される例について示した。しかしながら、例えば、第3変形例と同様、接触部73は、ノズル46および/またはノズル56とは別々に移動するように構成されてもよい。
【0151】
また、第4変形例では、基板Wに対して過酸化水素水を直接供給する過水供給部50を設けない例について示した。しかしながら、第2実施形態および第3変形例と同様、基板Wに対して過酸化水素水を直接供給する過水供給部50を設けてもよい。
【0152】
第4変形例のその他の構成、基板処理方法および効果は、第2実施形態と同様である。
【0153】
(第3実施形態)
次に、
図14~
図16を参照して、本発明の第3実施形態による基板処理装置100について説明する。
図14は、第3実施形態による基板処理装置100の超音波発生部70および基板Wを模式的に示す平面図である。
図15および
図16は、第3実施形態による基板処理装置100の基板保持部20周辺の構造を示す模式図である。第3実施形態では、第1実施形態および第2実施形態とは異なり、接触部73の幅が基板Wの直径と略同じ大きさ、または、基板Wの直径よりも大きい場合について説明する。
【0154】
図14に示すように、接触部73の幅は、基板Wの直径と略同じ大きさ、または、基板Wの直径よりも大きい。第3実施形態では、接触部73の幅は、基板Wの直径よりも少しだけ大きい。
【0155】
第3実施形態では、後述するように、接触部73を基板Wの一方端(
図14において基板Wの右端)から他方端(
図14において基板Wの左端)まで移動させながら、基板W上の剥離液Laに超音波を伝播する。この場合、第1実施形態および第2実施形態のように、基板保持部20により基板Wの端部を挟持した状態で接触部73を移動させると、接触部73がチャック部材22(
図2参照)に接触する。このため、接触部73とチャック部材22との接触を回避するために、基板Wを下面Wbから保持することが好ましい。そこで、第3実施形態では、基板処理装置100は、基板Wを下面Wbから保持する基板保持部80(
図15参照)をさらに備える。
【0156】
図15および
図16に示すように、基板保持部80は、保持部材81と、昇降軸82と、昇降部83とを有する。保持部材81は、略円板形状を有する。保持部材81は、例えば、基板Wの直径よりも小さい直径を有する。保持部材81は、例えば、基板Wの下面Wbを吸着することによって、基板Wを水平に保持する。
【0157】
保持部材81は、基板Wを加熱する機能を有してもよいし、基板Wを加熱する機能を有しなくてもよい。第3実施形態では、保持部材81は、基板Wを加熱する機能を有する。具体的には、保持部材81には、ヒータ(図示せず)が埋め込まれている。ヒータは、例えば、抵抗体を含む。基板保持部80は、給電部84を有する。給電部84は、保持部材81に埋め込まれたヒータに通電して、保持部材81を加熱する。給電部84は、制御部102によって制御される。
【0158】
昇降軸82は、略棒状の部材であり、略鉛直方向に延びる。昇降軸82は、保持部材81に連結される。昇降部83は、昇降軸82を昇降させることにより、基板Wを昇降させる。具体的には、昇降部83は、制御部102によって制御される。昇降部83は、例えば、ボールねじ機構と、ボールねじ機構に駆動力を付与する電動モーターとを有してもよい。
【0159】
制御部102は、基板保持部20および基板保持部80を制御することによって、基板保持部20と基板保持部80との間で基板Wを受け渡しすることが可能である。
【0160】
第3実施形態では、ノズル46およびノズル56は、接触部73の長手方向の中央部に1つずつ配置されていてもよい。また、ノズル46およびノズル56は、接触部73の長手方向に沿って複数個ずつ(例えば、3個ずつ、5個ずつ、または、7個ずつ)配置されていてもよい。また、ノズル46およびノズル56の各々は、接触部73の長手方向に沿って延びる液吐出口を有する、スリット状のノズルであってもよい。
【0161】
第3実施形態のその他の構造は、第1実施形態、第1変形例、第2変形例、第2実施形態、第3変形例および第4変形例と同様である。
【0162】
次に、
図17を参照して、第3実施形態の基板処理方法を説明する。
図17は、第3実施形態の基板処理方法のフロー図である。第3実施形態の基板処理装置100による基板処理方法は、ステップS101~ステップS103、ステップS111、ステップS104、ステップS112、ステップS105~ステップS109を含む。ステップS101~ステップS103、ステップS111、ステップS104、ステップS112、ステップS105~ステップS109は、制御部102によって実行される。
【0163】
図17に示すように、ステップS101~ステップS103は、第1実施形態と同様である。
【0164】
次に、ステップS111において、基板保持部80により、基板Wの下面Wbを保持する。具体的には、制御部102の制御により、基板保持部20と基板保持部80との間で基板Wを受け渡す。このとき、基板保持部20の回転を停止した状態で、基板保持部20と基板保持部80との間で基板Wを受け渡す。なお、基板保持部80を基板保持部20と同じ回転速度で回転させた状態で、基板保持部20と基板保持部80との間で基板Wを受け渡してもよい。
【0165】
また、第3実施形態では、制御部102の制御により、保持部材81が加熱されているため、基板保持部80に保持された基板Wも加熱される。なお、基板Wの温度は、特に限定されるものではないが、基板Wは、例えば、80℃以上、120℃以下に加熱される。
【0166】
次に、ステップS104において、超音波を発生させて、基板W上の剥離液Laに超音波を伝播する。制御部102の制御により、超音波発生部70の超音波振動子71で超音波を発生させて、基板Wの剥離液Laに超音波を伝播する。
【0167】
第3実施形態では、接触部73を基板Wの一方端(
図14において基板Wの右端)から他方端(
図14において基板Wの左端)まで移動させながら、基板W上の剥離液Laに超音波を伝播する。このとき、基板Wの回転を停止した状態で、剥離液Laに超音波を伝播する。なお、基板Wを例えば低速度(例えば、10rpm)で回転させた状態で、剥離液Laに超音波を伝播してもよい。
【0168】
第3実施形態では、例えば
図11に示したように、接触部73をノズル46およびノズル56と一体で移動させてもよい。この場合、ノズル移動部48は、本発明の「移動部」の一例である。また、例えば
図12に示したように、接触部73をノズル46およびノズル56とは別々に移動させてもよい。この場合、移動部78は、本発明の「移動部」の一例である。
【0169】
また、ステップS104で、接触部73を基板Wの一方端と他方端との間で往復移動させながら、剥離液Laに超音波を伝播してもよい。
【0170】
また、第3実施形態では、基板Wに剥離液Laを供給しながら、剥離液Laに超音波を伝播してもよいし、基板Wへの剥離液Laの供給を停止した状態で、剥離液Laに超音波を伝播してもよい。
【0171】
そして、制御部102は、超音波の発生を停止する。
【0172】
次に、ステップS112において、基板保持部20により、基板Wの端部を保持する。具体的には、制御部102の制御により、基板保持部20と基板保持部80との間で基板Wを受け渡す。このとき、保持部材81は、下降され、基板Wの下面Wbから離隔する。
【0173】
第3実施形態では、保持部材81は、基板Wの下面Wbに近接した高さに配置される。これにより、保持部材81によって、基板Wが加熱される。なお、ステップS112で、基板Wは、保持部材81によって加熱されなくてもよい。
【0174】
次に、第1実施形態および第2実施形態と同様にして、ステップS105~ステップS109が実行される。
【0175】
以上のようにして、基板Wに対する処理が終了する。
【0176】
第3実施形態のその他の基板処理方法および効果は、第1実施形態、第1変形例、第2変形例、第2実施形態、第3変形例および第4変形例と同様である。
【0177】
(第5変形例)
次に、
図18を参照して、本発明の第5変形例による基板処理装置100について説明する。
図18は、第5変形例による基板処理装置100の超音波発生部70周辺の構造を示す模式図である。第5変形例では、第2実施形態等とは異なり、接触部73の両側に剥離液Laが供給される例について説明する。
【0178】
図18に示すように、接触部73と基板Wとが相対的に移動する方向(
図18の左右方向)において、接触部73の両側に剥離液Laが供給される。具体的には、硫酸供給部40のノズル46は、上記移動する方向において、接触部73の両側に配置される。また、過水供給部50のノズル56は、上記移動する方向において、接触部73の両側に配置される。
【0179】
第3実施形態では、
図14に示したように、接触部73の幅は、基板Wの直径と略同じ大きさ、または、基板Wの直径よりも大きい。
【0180】
第3実施形態では、接触部73は、往復移動されながら、基板W上の剥離液Laに超音波を伝播する。具体的には、接触部73は、基板Wの一方端から他方端まで移動されながら、基板W上の剥離液Laに超音波を伝播する。また、接触部73は、基板Wの他方端から一方端まで移動されながら、基板W上の剥離液Laに超音波を伝播する。接触部73は、基板W上を一往復以上、移動される。
【0181】
例えば、接触部73が基板W上を一方側から他方側に向かって移動する際に、接触部73の移動方向下流側に配置されるノズル46およびノズル56だけが硫酸および過酸化水素水を基板Wに供給してもよい。つまり、例えば、接触部73が基板W上を一方側から他方側に向かって移動する際に、接触部73の移動方向上流側に配置されるノズル46およびノズル56は、硫酸および過酸化水素水を基板Wに供給しなくてもよい。なお、接触部73が基板W上を他方側から一方側に向かって移動する場合も同様である。
【0182】
第5変形例では、上記のように、接触部73の両側に剥離液Laが供給される。従って、基板W上を往復するように接触部73を移動させる場合、往路であっても復路であっても、接触部73の移動方向下流側に、剥離液Laを供給できる。よって、剥離液Laの活性が高い状態で、剥離液Laに超音波を付与できる。
【0183】
第5変形例のその他の構成、基板処理方法および効果は、第2実施形態、第3変形例、第4変形例、および、第3実施形態と同様である。
【0184】
(第4実施形態)
次に、
図19を参照して、本発明の第4実施形態による基板処理装置100について説明する。
図19は、第4実施形態の基板処理方法のフロー図である。第4実施形態では、第1実施形態~第3実施形態等とは異なり、超音波伝播工程(ステップS104)の後に、基板Wに剥離液Laを供給する工程を含む例について説明する。なお、第4実施形態では、
図7に示した第1実施形態の基板処理方法の一部を変更して説明するが、例えば
図17に示した第3実施形態の基板処理方法の一部を変更してもよい。
【0185】
第4実施形態の基板処理装置100による基板処理方法は、ステップS101~ステップS104、ステップS121、ステップS105~ステップS109を含む。ステップS101~ステップS104、ステップS121、ステップS105~ステップS109は、制御部102によって実行される。なお、ステップS121は、本発明の「第2剥離液供給工程」の一例である。
【0186】
図19に示すように、ステップS101~ステップS104は、第1実施形態と同様である。
【0187】
次に、ステップS121において、剥離液Laに対する超音波の伝播を停止した状態で、基板Wに剥離液Laを供給する。具体的には、硫酸供給部40による基板Wへの硫酸の供給、および、過水供給部50による基板Wへの過酸化水素水の供給を維持する。なお、ステップS103またはステップS104で硫酸供給部40による基板Wへの硫酸の供給、および、過水供給部50による基板Wへの過酸化水素水の供給を停止した場合は、ステップS121において、硫酸供給部40による基板Wへの硫酸の供給、および、過水供給部50による基板Wへの過酸化水素水の供給を再開する。
【0188】
ステップS121で基板Wに剥離液Laを供給することによって、例えば基板W上にレジスト層203の残渣等が残っていた場合であっても、レジスト層203の残渣等を除去できる。
【0189】
なお、ステップS121で、ステップS103に比べて高温の剥離液Laを基板Wに供給してもよい。または、基板Wを加熱しながら、基板Wに剥離液Laを供給してもよい。
【0190】
次に、第1実施形態等と同様にして、ステップS105~ステップS109が実行される。
【0191】
以上のようにして、基板Wに対する処理が終了する。
【0192】
第4実施形態のその他の構造、基板処理方法および効果は、第1実施形態、第1変形例、第2変形例、第2実施形態、第3変形例、第4変形例、第3実施形態および第5変形例と同様である。
【0193】
以上、図面を参照して本発明の実施形態を説明した。ただし、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である。また、上記の実施形態に開示される複数の構成要素を適宜組み合わせることによって、種々の発明の形成が可能である。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。図面は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の厚み、長さ、個数、間隔等は、図面作成の都合上から実際とは異なる場合もある。また、上記の実施形態で示す各構成要素の材質、形状、寸法等は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0194】
例えば、第1実施形態および第2実施形態等において、ノズル46から真下に硫酸を吐出し、ノズル56から真下に過酸化水素水を吐出する例について示したが、本発明はこれに限らない。例えば、ノズル46から斜め下方に硫酸を吐出したり、ノズル56から斜め下方に過酸化水素水を吐出したりしてもよい。
【0195】
また、例えば、第1実施形態において、接触部73を、基板Wの中央部と縁部との間で往復するように移動させる例について示したが、本発明はこれに限らない。例えば、接触部73の幅が基板Wの半径と略同じ大きさ、または、基板Wの半径よりも大きい場合、接触部73を移動させることなく、基板Wを回転させてもよい。この場合にも、接触部73は、基板Wの上面Waの全域上を通過可能である。
【0196】
また、例えば、第3実施形態において、基板処理装置100が基板保持部20および基板保持部80を備える例について示したが、本発明はこれに限らない。例えば、基板処理装置100は、基板保持部20および基板保持部80のうち、基板保持部80のみを備えてもよい。
【0197】
また、第1実施形態~第4実施形態等において、硫酸をノズル46から、例えば噴出してもよい。具体的には、例えば、高温の霧状の硫酸をノズル46から噴出してもよいし、硫酸と不活性ガスとの混合物をノズル46から噴出してもよい。また、シャワー状の硫酸を基板Wに供給してもよい。
【0198】
同様に、第1実施形態~第4実施形態等において、過酸化水素水をノズル56から、例えば噴出してもよい。具体的には、例えば、高温の霧状の過酸化水素水をノズル56から噴出してもよいし、過酸化水素水と不活性ガスとの混合物をノズル56から噴出してもよい。また、シャワー状の過酸化水素水を基板Wに供給してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0199】
本発明は、基板処理装置および基板処理方法に好適に用いられる。
【符号の説明】
【0200】
20、80 :基板保持部
23 :シャフト(移動部)
24 :スピンモーター(移動部)
30 :剥離液供給部
40 :硫酸供給部
48 :ノズル移動部(移動部)
50 :過水供給部
70 :超音波発生部
71 :超音波振動子
72 :伝播部
73 :接触部
73a :最下部
76 :傾斜部
78 :移動部
100 :基板処理装置
203 :レジスト層
La :剥離液
Lb :液
S103 :ステップ(第1剥離液供給工程)
S104 :ステップ(超音波伝播工程)
S121 :ステップ(第2剥離液供給工程)
W :基板
Wa :上面