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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024148319
(43)【公開日】2024-10-18
(54)【発明の名称】賦形装置及び賦形方法
(51)【国際特許分類】
   B29C 43/34 20060101AFI20241010BHJP
   B29C 70/54 20060101ALI20241010BHJP
【FI】
B29C43/34
B29C70/54
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023061365
(22)【出願日】2023-04-05
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)令和4年度、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)、「グリーンイノベーション基金事業/次世代航空機の開発(航空機主要構造部品の複雑形状・飛躍的軽量化開発)」に係る「航空機主要複合材構造部品の軽量化・生産高レート化・複雑形状化」に関する助成研究、産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願
(71)【出願人】
【識別番号】000006208
【氏名又は名称】三菱重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112737
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 考晴
(74)【代理人】
【識別番号】100136168
【弁理士】
【氏名又は名称】川上 美紀
(74)【代理人】
【識別番号】100172524
【弁理士】
【氏名又は名称】長田 大輔
(72)【発明者】
【氏名】松岡 潤
(72)【発明者】
【氏名】奥村 幸弘
(72)【発明者】
【氏名】可児 祐樹
(72)【発明者】
【氏名】野間 一希
【テーマコード(参考)】
4F204
4F205
【Fターム(参考)】
4F204AC03
4F204AD16
4F204AG21
4F204AJ08
4F204AR13
4F204FA01
4F204FA15
4F204FB01
4F204FF05
4F204FG09
4F204FN11
4F204FN15
4F204FQ15
4F204FQ38
4F205AC03
4F205AD16
4F205AG21
4F205AJ08
4F205AR13
4F205HA08
4F205HA25
4F205HA37
4F205HA45
4F205HB01
4F205HF05
4F205HK03
4F205HK04
4F205HK24
4F205HK31
4F205HM13
(57)【要約】
【課題】被加工物を好適に所望の形状に賦形することを目的とする。
【解決手段】賦形装置10は、複合材料である板状の積層体1をY軸方向に直交する断面で切断した際の断面が所定の形状となるように賦形する。賦形装置10は、積層体1の一部である被固定部を挟むことで固定する固定部20,30と、積層体1の一部であって被変形部を変形する変形部41,42と、を備えている。固定部20,30は、被変形部が押し付けられる湾曲部を有し、変形部41,42は、被変形部を押圧する押圧面が湾曲面を有し、湾曲部に向かって湾曲部の突出方向から被変形部を押圧する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複合材料である板状の被加工物を長手方向に直交する断面で切断した際の断面が所定の形状となるように賦形する賦形装置であって、
前記被加工物の一部である被固定部を挟むことで固定する固定部と、
前記被加工物の一部であって前記被固定部以外の部分である被変形部を変形する変形部と、を備え、
前記固定部は、前記被変形部が押し付けられる湾曲部を有し、
前記変形部は、前記被変形部を押圧する押圧面が湾曲面を有し、前記湾曲部に向かって前記湾曲部の突出方向から前記被変形部を押圧する賦形装置。
【請求項2】
前記被加工物を押圧する方向と交差する方向に引っ張る引張部を備える請求項1に記載の賦形装置。
【請求項3】
前記被変形部と前記変形部との間に設けられ、弾性を有する弾性材を備え、
前記弾性材は、一端部が前記固定部に固定され、前記被変形部を挟んで他端部が前記変形部に固定されている請求項1に記載の賦形装置。
【請求項4】
前記変形部は、前記被変形部を押圧する第1押圧部と、前記被加工物を押圧する方向と交差する方向に前記第1押圧部と隣接して設けられ前記被加工物を押圧する第2押圧部と、を有し、
前記第1押圧部は前記第2押圧部が前記被加工物を押圧する前に前記被変形部を押圧する請求項1に記載の賦形装置。
【請求項5】
固定部に固定された状態の複合材料である板状の被加工物を変形部で押圧することで、前記被加工物を長手方向に直交する断面で切断した際の断面が所定の形状となるように賦形する賦形方法であって、
前記被加工物の一部である被固定部を前記固定部で挟むことで固定する固定工程と、
前記被加工物の一部であって前記被固定部以外の部分である被変形部を変形する変形工程と、を備え、
前記変形工程は、前記固定部の湾曲部に向かって前記湾曲部の突出方向から前記変形部の湾曲面で前記被変形部を押圧することで前記被変形部を変形する賦形方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、賦形装置及び賦形方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
航空機に用いられる部品として、所定の断面形状(例えば、Z型等)が付されているとともに、長手方向に沿って湾曲または屈曲する長尺部品(例えば、ストリンガ)がある。このような部品は、複合材料である繊維強化シートを積層した平板状の積層体を賦形することで製造される場合がある。積層体を賦形する方法として、積層体を押圧する押圧装置によって賦形する方法が知られている(例えば、特許文献1)。
特許文献1では、セントラルモジュール及びサイドモジュールで積層体を押圧することで積層体を所定の形状に賦形する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第9533481号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の方法では、セントラルモジュールが積層体の折り目部分と当接している。このため、サイドモジュールで折り目部分を抑えられず、折り目部分のモジュールへのなつきが不十分となる。このため、折り目部分において、積層体に対する圧力が不十分となり、複合材料を所望の形状に賦形できない可能性があった。
【0005】
また、型上に載置された積層体をバッグで覆い、バッグ内を真空引きする真空バッグ方式で積層体を所望の形状に賦形することも考えられる。しかしながら、真空バッグ方式では、型に形成された凹み部分に積層体を押圧する場合に、凹み部分において積層体に対する圧力不足が発生する可能性があった。このため、複合材料を所望の形状に賦形できない可能性があった。
【0006】
また、上下方向に設けられる型の間に積層体を配置し、両方の型によって積層体をプレス成型する方法も考えられる。しかしながら、プレス成型では、プレス過程で、積層体の全体が略同時に型と接触せずに、積層体において他の部分よりも先に型と接触する部分が生じる可能性がある。このように積層体において、型と接触するタイミングにバラつきが生じることで、積層体に皺が発生する可能性があった。皺が発生すると、賦形後の部品の強度や剛性が低減する可能性がある。
【0007】
本開示は、このような事情に鑑みてなされたものであって、被加工物を好適に所望の形状に賦形することができる賦形装置及び賦形方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本開示の賦形装置及び賦形方法は以下の手段を採用する。
本開示の一態様に係る賦形装置は、複合材料である板状の被加工物を長手方向に直交する断面で切断した際の断面が所定の形状となるように賦形する賦形装置であって、前記被加工物の一部である被固定部を挟むことで固定する固定部と、前記被加工物の一部であって前記被固定部以外の部分である被変形部を変形する変形部と、を備え、前記固定部は、前記被変形部が押し付けられる湾曲部を有し、前記変形部は、前記被変形部を押圧する押圧面が湾曲面を有し、前記湾曲部に向かって前記湾曲部の突出方向から前記被変形部を押圧する。
【0009】
本開示の一態様に係る賦形方法は、固定部に固定された状態の複合材料である板状の被加工物を変形部で押圧することで、前記被加工物を長手方向に直交する断面で切断した際の断面が所定の形状となるように賦形する賦形方法であって、前記被加工物の一部である被固定部を固定部で挟むことで固定する固定工程と、前記被加工物の一部であって前記被固定部以外の部分である被変形部を変形する変形工程と、を備え、前記変形工程は、前記固定部の湾曲部に向かって前記湾曲部の突出方向から前記変形部の湾曲面で前記被変形部を押圧することで前記被変形部を変形する。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、被加工物を好適に所望の形状に賦形することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本開示の第1実施形態に係る賦形装置の斜視図である。
図2】本開示の第1実施形態に係る賦形装置の斜視図である。
図3】本開示の第1実施形態に係る賦形装置の斜視図である。
図4】本開示の第1実施形態に係る賦形装置の斜視図である。
図5】本開示の第1実施形態に係る賦形装置の斜視図である。
図6】本開示の第1実施形態に係る賦形装置の側面図である。
図7】本開示の第1実施形態に係る賦形装置の側面図である。
図8】本開示の第2実施形態に係る賦形装置の側面図である。
図9】本開示の第3実施形態に係る賦形装置の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本開示に係る賦形装置及び賦形方法の一実施形態について、図面を参照して説明する。
【0013】
〔第1実施形態〕
以下、本開示の第1実施形態について、図1から図7を用いて説明する。以下の説明において、積層体1及び複合材構造体2の短手方向をX軸方向と称する。また、積層体1及び複合材構造体2の長手方向をY軸方向と称する。X軸方向及びY軸方向と直交する方向をZ軸方向と称する。また、以下の説明では、Z軸方向が上下方向とされているので、Z軸方向を上下方向と称する場合もある。なお、図示の関係上図1から図3では、積層体1がX軸方向に長くなるように図示されているが、実際には積層体1はY軸方向が長手方向となる。
【0014】
本実施形態に係る賦形装置は、図1に示すように、例えばプリプレグ等の樹脂を含浸した繊維シートを積層して形成される板状の積層体(被加工物)1から、複合材構造体2(図7等参照)を製造する際に用いられる。具体的には、積層体1を所定の形状に賦形する際に用いられる。複合材構造体2としては、例えば、航空機の胴体や主翼等に利用されるスパーやストリンガ等が挙げられる。なお、積層体1を形成する材料は、上記材料に限定されない。例えば、繊維のみで樹脂を含まない繊維シート(ドライシート)によって積層体を形成してもよい。
【0015】
[複合材構造体]
本実施形態に係る複合材構造体2は、Y軸方向に延在する長尺状の部材である。複合材構造体2は、図6及び図7に示すように、Y軸方向(図6及び図7の紙面奥行方向)の断面(Y軸方向と直交する面で切断した際の断面)の形状がZ型とされている。複合材構造体2は、Y軸方向の断面が変化する形状とされている。複合材構造体2は、Y軸方向に沿って直線状に延在している。複合材構造体2のY軸方向の長さは、例えば、15m以上であって20m以下程度とされる。なお、複合材構造体2の長さは一例であり、この数値に限定されない。例えば、Y軸方向の長さが15mよりも短いものであってもよく、20mよりも長いものであってもよい。
【0016】
複合材構造体2のY軸方向の断面形状について説明する。
図7に示すように、複合材構造体2は、X軸方向に延びるウェブ部3と、ウェブ部3のX軸方向の一端から下方に曲折する第1コーナー部4と、第1コーナー部4の下端から下方に延びる第1フランジ部5と、ウェブ部3のX軸方向の他端から上方に曲折する第2コーナー部6と、第2コーナー部6の上端から上方に延びる第2フランジ部7と、を一体的に有する。
ウェブ部3の表面(上面及び下面)の面積は、第1フランジ部5及び第2フランジ部7の表面の面積よりも大きい。
【0017】
[賦形装置]
次に、賦形装置10について、説明する。賦形装置10は、複合材料である積層体1をY軸方向の断面がZ型形状となるように賦形する。
【0018】
図1に示すように、賦形装置10は、積層体1が載置される下側中央ダイ(固定部)20と、下側中央ダイ20に載置されている積層体1の一部である被固定部1a(図6参照)を固定する上側中央ダイ(固定部)30と、積層体1の一部であって被固定部1a以外の部分である被変形部1b(図6参照)を変形する第1サイドダイ(変形部)41及び第2サイドダイ(変形部)42と、を備えている。また、賦形装置10は、図3に示すように、積層体1をX軸方向(交差方向)に引っ張る引張部50を備えている。
【0019】
積層体1は、図6に示すように、X軸方向の中央部が被固定部1aとされている。また、積層体1は、X軸方向の両端部が被変形部1bとされている。
【0020】
下側中央ダイ20は、図1及び図6に示されるように、上面に積層体1が載置される。詳細には、図6に示すように、積層体1の一部である被固定部1aが載置される。
下側中央ダイ20は、積層体1の被固定部1aが載置される下側固定部21と、被変形部1bが上方から押し付けられる下側湾曲部(湾曲部)22と、を一体的に有する。下側固定部21と下側湾曲部22とは、X軸方向に並んで配置されている。
【0021】
下側固定部21の上面は、被固定部1aが載置される。下側固定部21の上面は、平面とされている。下側湾曲部22の上面は、第1サイドダイ41に押圧された被変形部1bが押し付けられる。下側湾曲部22の上面は、上方に突出する湾曲面とされている。下側固定部21の上面と下側湾曲部22の上面とは、連続的に滑らかに接続されている。下側湾曲部22の側面は平面とされている。
【0022】
上側中央ダイ30は、下側中央ダイ20の上方に設けられている。上側中央ダイ30は、図2の矢印で示すように、下方に移動することで積層体1を下側中央ダイ20との間に挟み込む。詳細には、図6に示すように、積層体1の被固定部1aを挟み込む。下側中央ダイ20と上側中央ダイ30とは、積層体1を挟み込むことで固定する。
上側中央ダイ30は、積層体1の被固定部1aと面接触する上側固定部31と、被変形部1bが下方から押し付けられる上側湾曲部(湾曲部)32と、を一体的に有する。上側固定部31と上側湾曲部32とは、X軸方向に並んで配置されている。
【0023】
上側固定部31の下面は、被固定部1aと面接触する。上側固定部31の下面は、平面とされている。上側湾曲部32の下面は、第2サイドダイ42に押圧された被変形部1bが押し付けられる。上側湾曲部32の下面は、下方に突出する湾曲面とされている。上側固定部31の下面と上側湾曲部32の下面とは、連続的に滑らかに接続されている。上側湾曲部32の側面は平面とされている。
【0024】
下側固定部21の上面と上側固定部31の下面とは、対向している。下側固定部21と上側固定部31とは、積層体1を挟み込むことで固定する。
下側湾曲部22は、上側固定部31よりもX軸方向の一端側(図6の紙面左側)に設けられている。詳細には、下側湾曲部22の全体は、上側固定部31よりもX軸方向の一端側(図6の紙面左側)に設けられている。
また、上側湾曲部32は、下側固定部21よりもX軸方向の他端側(図6の紙面右側)に設けられている。詳細には、上側湾曲部32の全体は、下側固定部21よりもX軸方向の他端側(図6の紙面右側)に設けられている。
【0025】
第1サイドダイ41は、下側中央ダイ20の下側湾曲部22の上方に設けられている。第1サイドダイ41は、上側中央ダイ30とX軸方向に隣接して設けられている。上側中央ダイ30は、図4及び図7の矢印で示すように、下方に移動することで積層体1を下側中央ダイ20との間に挟み込む。詳細には、図6及び図7に示すように、下側中央ダイ20の下側湾曲部22との間に積層体1の被変形部1bを挟み込む。第1サイドダイ41と下側湾曲部22とは、被変形部1bを挟み込むことで積層体1を変形させる。被変形部1bを変形させることで、第1コーナー部4及び第1フランジ部5を賦形する。
【0026】
第1サイドダイ41の下面は、押圧面を有している。押圧面は、下側湾曲部22の上面との間に被変形部1bを挟み込むことで、複合材構造体2の第1コーナー部4を賦形する湾曲面41aを有している。湾曲面41aは、下側湾曲部22の上面と対向している。湾曲面41aは、下側湾曲部22の上面に応じた形状を為している。
また、押圧面は、下側湾曲部22の側面との間に被変形部1bを挟み込むことで、複合材構造体2の第1フランジ部5を賦形するフランジ形成面41bを有している。フランジ形成面41bは、平面とされている。
【0027】
第2サイドダイ42は、上側中央ダイ30の上側湾曲部32の下方に設けられている。第2サイドダイ42は、上側中央ダイ30とX軸方向に隣接して設けられている。上側中央ダイ30は、図4及び図7の矢印で示すように、上方に移動することで積層体1を上側中央ダイ30との間に挟み込む。詳細には、図6及び図7に示すように、上側中央ダイ30の上側湾曲部32との間に積層体1の被変形部1bを挟み込む。第2サイドダイ42と上側湾曲部32とは、被変形部1bを挟み込むことで積層体1を変形させる。被変形部1bを変形させることで、第2コーナー部6及び第2フランジ部7を賦形する。
【0028】
第2サイドダイ42の上面は、押圧面を有している。押圧面は、上側湾曲部32の下面との間に被変形部1bを挟み込むことで、複合材構造体2の第2コーナー部6を賦形する湾曲面42aを有している。湾曲面42aは、上側湾曲部32の上面と対向している。湾曲面42aは、上側湾曲部32の上面に応じた形状を為している。
また、押圧面は、上側湾曲部32の側面との間に被変形部1bを挟み込むことで、複合材構造体2の第2フランジ部7を賦形するフランジ形成面42bを有している。フランジ形成面42bは、平面とされている。
【0029】
引張部50は、図3から図5に示すように、積層体1のX軸方向の両側に設けられている。引張部50は、積層体1のX軸方向の端面に取り付けられる取付部51と、取付部51に一端が固定されるワイヤ52と、ワイヤ52の他端が固定される錘53と、地面に立設するとともに錘53を懸垂する柱部54と、を備えている。なお、図4及び図5では、図示の関係上、積層体1を省略して図示している。
引張部50は、積層体1をX軸方向に引っ張ることで、積層体1に張力を作用させている。
【0030】
[賦形方法]
次に、本実施形態に係る賦形装置10を用いた積層体1の賦形方法について説明する。
まず、図1に示すように、下側中央ダイ20の下側固定部21上に積層体1を載置する。次に、図2及び図6に示すように、上側中央ダイ30を下方に移動させる。そして、上側中央ダイ30と下側中央ダイ20との間に積層体1の被固定部1aを挟み込み積層体1を固定する。次に、図3に示すように、積層体1に引張部50を取り付ける。引張部50を取り付けることで、積層体1は、X軸方向に引っ張られた状態となる。
【0031】
次に、図4及び図7に示すように、第1サイドダイ41を下方に移動させる。そして、第1サイドダイ41の押圧面(詳細には湾曲面41a)で積層体1の被変形部1bを押圧して、被変形部1bを下側湾曲部22の上面に押し付ける。これにより、第1コーナー部4を賦形する。また、第1サイドダイ41の押圧面(詳細にはフランジ形成面41b)で被変形部1bを下側湾曲部22の側面に押し付ける。これにより、第1フランジ部5を賦形する。なお、被変形部1bの被固定部1a側の端部は、変形されずにウェブ部3の一部とされる。
【0032】
次に、図5及び図7に示すように、第2サイドダイ42を上方に移動させる。そして、第2サイドダイ42の押圧面(詳細には湾曲面42a)で積層体1の被変形部1bを押圧して、被変形部1bを上側湾曲部32の下面に押し付ける。これにより、第2コーナー部6を賦形する。また、第2サイドダイ42の押圧面(詳細にはフランジ形成面42b)で被変形部1bを上側湾曲部32の側面に押し付ける。これにより、第2フランジ部7を賦形する。なお、被変形部1bの被固定部1a側の端部は、変形されずにウェブ部3の一部とされる。
なお、上記説明では、第1サイドダイ41を移動させた後に第2サイドダイ42を移動させたが、第2サイドダイ42を移動させた後に第1サイドダイ41を移動させてもよい。また、第1サイドダイ41と第2サイドダイ42とを同時に移動させてもよい。
【0033】
このようにして、第1コーナー部4、第1フランジ部5、第2コーナー部6及び第2フランジ部7が形成される。なお、賦形装置10によって変形されなかった部分は、ウェブ部3となる。
【0034】
次に、賦形装置10から賦形後の積層体1(すなわち、所望の形状に賦形された複合材構造体2)を取り出す。このようにして、積層体1が所望の形状に賦形される。
【0035】
本実施形態によれば以下の作用効果を奏する。
本実施形態では、下側中央ダイ20及び上側中央ダイ30が積層体1の被固定部1aのみを固定している。すなわち、下側中央ダイ20及び上側中央ダイ30は被変形部1bを固定していない。また、下側中央ダイ20及び上側中央ダイ30とは独立して移動する第1サイドダイ41及び第2サイドダイ42が被変形部1bを押圧することで積層体1を変形している。これにより、第1サイドダイ41及び第2サイドダイ42が好適に被変形部1bに当接する。したがって、被変形部1bに対して圧力を好適にかけることができる。よって、積層体1を好適に所望の形状に賦形することができる。
【0036】
また、本実施形態では、第1サイドダイ41及び第2サイドダイ42が、下側湾曲部22及び上側湾曲部32に向かって下側湾曲部22及び上側湾曲部32の突出方向(すなわち、凸側)から被変形部1bを押圧する。これにより、下側湾曲部22及び上側湾曲部32の突出方向とは反対側(すなわち、凹側)から被変形部1bを押圧する場合と比較して、被変形部1bに対して圧力をかけることができる。よって、積層体1を好適に所望の形状に賦形することができる。
【0037】
また、本実施形態では、積層体1を押圧する方向(Z軸方向。以下、「押圧方向」とも称する。)と交差する方向(X軸方向。以下、「交差方向」とも称する)に引っ張る引張部50を備えている。これにより、積層体1に対して交差方向に張力を作用させた状態で、第1サイドダイ41及び第2サイドダイ42によって積層体1を押圧方向に押圧することができる。したがって、積層体1をしごくように変形させることができる。よって、積層体1に発生する皺が積層体1の交差方向の端部へ延ばされるので、積層体1に皺が残存し難い。よって、積層体1に発生する皺を低減することができる。よって、賦形後の部品(複合材構造体2)の強度や剛性を向上させることができる。
【0038】
また、本実施形態では、複合材構造体2の最も広い面であるウェブ部3を下側中央ダイ20及び上側中央ダイ30固定している。これにより、被変形部1bを変形させて第1コーナー部4、第1フランジ部5、第2コーナー部6及び第2フランジ部7を賦形する際に皺が生じ難くすることができる。よって、賦形後の部品(複合材構造体2)の強度や剛性を向上させることができる。
【0039】
〔第2実施形態〕
次に、本開示の第2実施形態について、図8を用いて説明する。本実施形態では、第1サイドダイ及び第2サイドダイが独立して移動するコーナー部形成ダイ及びフランジ部形成ダイを有する点で第1実施形態と異なっている。その他の点は第1実施形態と同様であるので、同様の点については同一の符号を付し詳細な説明は省略する。
【0040】
図8に示すように、第1サイドダイ41Aは、第1コーナー部4を形成するコーナー部形成ダイ(第1押圧部)43及び第1フランジ部5を形成するフランジ部形成ダイ(第2押圧部)44を有している。コーナー部形成ダイ43とフランジ部形成ダイ44とは、X軸方向に隣接して設けられている。フランジ部形成ダイ44は、コーナー部形成ダイ43よりもX軸方向の端部側に設けられている。
【0041】
コーナー部形成ダイ43の下面は、下側湾曲部22の上面に応じた形状を為している。すなわち、コーナー部形成ダイ43の下面は、湾曲している。コーナー部形成ダイ43の下面は、下側湾曲部22の上面との間に被変形部1bを挟み込むことで、複合材構造体2の第1コーナー部4を賦形する。コーナー部形成ダイ43の下面は、下側湾曲部22の上面と対向している。
また、フランジ部形成ダイ44は、下側湾曲部22の側面との間に被変形部1bを挟み込むことで、複合材構造体2の第1フランジ部5を賦形する。
【0042】
第2サイドダイ42Aは、第2コーナー部6を形成するコーナー部形成ダイ(第1押圧部)45及び第2フランジ部7を形成するフランジ部形成ダイ(第2押圧部)46を有している。コーナー部形成ダイ45とフランジ部形成ダイ46とは、X軸方向に隣接して設けられている。フランジ部形成ダイ46は、コーナー部形成ダイ45よりもX軸方向の端部側に設けられている。
【0043】
コーナー部形成ダイ45の上面は、上側湾曲部32の下面に応じた形状を為している。すなわち、コーナー部形成ダイ45の上面は、湾曲している。コーナー部形成ダイ45の上面は、上側湾曲部32の下面との間に被変形部1bを挟み込むことで、複合材構造体2の第2コーナー部6を賦形する。コーナー部形成ダイ45の上面は、上側湾曲部32の下面と対向している。
また、フランジ部形成ダイ46は、上側湾曲部32の側面との間に被変形部1bを挟み込むことで、複合材構造体2の第2フランジ部7を賦形する。
【0044】
次に、本実施形態に係る賦形装置10を用いた積層体1の賦形方法について説明する。
積層体1を固定する工程までは、上記第1実施形態同様であるので説明を省略する。
本実施形態では、第1サイドダイ41Aを下方に移動させる際に、まず、コーナー部形成ダイ43を下方に移動させる。このようにして、第1コーナー部4を賦形する。次に、フランジ部形成ダイ44を下方に移動させて、第1フランジ部5を賦形する。
また、同様に、第2サイドダイ42Aを上方に移動させる際に、まず、コーナー部形成ダイ45を上方に移動させる。このようにして、第2コーナー部6を賦形する。次に、フランジ部形成ダイ46を上方に移動させて、第2フランジ部7を賦形する。
このように、本実施形態では、ウェブ部、コーナー部、フランジ部の順番に加圧している。
【0045】
本実施形態によれば、以下の作用効果を奏する。
本実施形態では、第1サイドダイ41Aは、被変形部1bを押圧するコーナー部形成ダイ43と、フランジ部形成ダイ44とを有している。また、コーナー部形成ダイ43はフランジ部形成ダイ44が積層体1を押圧する前に被変形部1bを押圧する。これにより、積層体1を押圧する際に、コーナー部形成ダイ43が被変形部1bを押圧し変形させてから、フランジ部形成ダイ44が他の部分を押圧する。すなわち、積層体1をX軸方向の中央側から端部側に向かって順番に変形させる。したがって、積層体1をしごくように変形させることができる。よって、積層体1に発生する皺が積層体1のX軸方向の端部へ延ばされるので、積層体1に皺が残存し難い。よって、積層体1に発生する皺を低減することができる。よって、賦形後の部品の強度や剛性を向上させることができる。
【0046】
〔第3実施形態〕
次に、本開示の第3実施形態について、図9を用いて説明する。本実施形態では、積層体1と賦形装置10との間に弾性体が設けられている点で第1実施形態と異なっている。その他の点は第1実施形態と同様であるので、同様の点については同一の符号を付し詳細な説明は省略する。
【0047】
本実施形態に係る賦形装置10は、積層体1と賦形装置10との間に設けられ、弾性を有する弾性材60を備えている。弾性材60は、伸縮性を有している。弾性材60は、シート状とされている。弾性材60は、例えば、ゴム材で形成されている。
【0048】
弾性材60は、2つ設けられている。
2つの弾性材60は、上側中央ダイ30及び第1サイドダイ41と、積層体1の上面との間に設けられている上側弾性材61と、下側中央ダイ20及び第2サイドダイ42と、積層体1の下面との間に設けられている下側弾性材62と、を有している。
【0049】
上側弾性材61は、X軸方向の他端部(紙面右側)が上側中央ダイ30に固定されている。また、X軸方向の一端部(紙面左側)が第1サイドダイ41に固定されている。
下側弾性材62は、X軸方向の一端部が下側中央ダイ20に固定されている。また、X軸方向の他端部が第2サイドダイ42に固定されている。
【0050】
次に、本実施形態に係る賦形装置10を用いた積層体1の賦形方法について説明する。
積層体1を固定する工程までは、上記第1実施形態同様であるので説明を省略する。
本実施形態では、第1サイドダイ41を下方に移動させる際に、第1サイドダイ41が積層体1に当接する前に、上側弾性材61が積層体1を下側湾曲部22に押し付ける。また、同様に、第2サイドダイ42を上方に移動させる際に、第2サイドダイ42が積層体1に当接する前に、下側弾性材62が積層体1を上側湾曲部32に押し付ける。
このように、本実施形態では、ウェブ部、コーナー部、フランジ部の順番に加圧することができる。
【0051】
本実施形態によれば、以下の作用効果を奏する。
本実施形態は、第1サイドダイ41又は第2サイドダイ42が積層体1を押圧する際に、上側弾性材61又は下側弾性材62が積層体1を押圧する。これにより、積層体1を押圧する際に、積層体1をX軸方向の中央側から端部側に向かって順番に変形させることができる。したがって、積層体1をしごくように変形させることができる。よって、積層体1に発生する皺が積層体1のX軸方向の端部へ延ばされるので、積層体1に皺が残存し難い。よって、積層体1に発生する皺を低減することができる。よって、賦形後の部品の強度や剛性を向上させることができる。
【0052】
なお、本開示は、上記各実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、適宜変形が可能である。
【0053】
例えば、上記各実施形態では、賦形装置10で航空機部品を賦形する例について説明したが、本開示はこれに限定されない。賦形装置10によって、自動車や風力発電装置の部品を賦形してもよい。
【0054】
また、上記各実施形態では、複合材構造体2の長手方向の断面形状がZ型形状である例について説明したが、本開示はこれに限定されない。例えば、複合材構造体2は、断面形状がC型形状であってもよく、ハット型形状であってもよい。
また、上記各実施形態では、複合材構造体2が長手方向に沿って直線状に延びる例について説明したが、複合材構造体2は長手方向に沿って全体が湾曲していてもよい。
【0055】
また、上記各実施形態では、賦形装置10が引張部50を備える例について説明したが、本開示はこれに限定されない。例えば、引張部50を省略してもよい。また、上記実施形態では、引張部50は、積層体1に対して錘53で引張力を付与する例について説明したが本開示はこれに限定されない。例えば、引張部は、アクチュエータ等で積層体1を引っ張ることで、積層体1に対して引張力を付与してもよい。
【0056】
以上説明した実施形態に記載の賦形装置及び賦形方法は、例えば以下のように把握される。
本開示の第1態様に係る賦形装置は、複合材料である板状の被加工物(1)を長手方向(Y軸方向)に直交する断面で切断した際の断面が所定の形状となるように賦形する賦形装置(10)であって、前記被加工物の一部である被固定部(1a)を挟むことで固定する固定部(20,30)と、前記被加工物の一部であって前記被固定部以外の部分である被変形部(1b)を変形する変形部(41,42)と、を備え、前記固定部は、前記被変形部が押し付けられる湾曲部(22,32)を有し、前記変形部は、前記被変形部を押圧する押圧面が湾曲面(41a)を有し、前記湾曲部に向かって前記湾曲部の突出方向から前記被変形部を押圧する。
【0057】
上記構成では、固定部が被加工物の被固定部を固定している。すなわち、固定部は被変形部を固定していない。また、固定部とは別の変形部が被変形部を押圧することで被加工物を変形している。これにより、変形部が好適に被変形部に当接する。したがって、被変形部に対して圧力を好適にかけることができる。よって、被加工物を好適に所望の形状に賦形することができる。
【0058】
また、上記構成では、変形部が、湾曲部に向かって湾曲部の突出方向(すなわち、凸側)から被変形部を押圧する。これにより、湾曲部の突出方向とは反対側(すなわち、凹側)から被変形部を押圧する場合と比較して、被変形部に対して圧力をかけることができる。よって、被加工物を所望の形状に賦形することができる。
【0059】
また、本開示の第2態様に係る賦形装置は、上記第1態様において、前記被加工物を押圧する方向と交差する方向に引っ張る引張部(50)を備える。
【0060】
上記構成では、被加工物を押圧する方向(以下、「押圧方向」と称する。)と交差する方向(以下、「交差方向」と称する)に引っ張る引張部を備えている。これにより、被加工物に対して交差方向に張力を作用させた状態で、変形部によって被加工物を押圧方向に押圧することができる。したがって、被加工物をしごくように変形させることができる。よって、被加工物に発生する皺が被加工物の交差方向の端部へ延ばされるので、被加工物に皺が残存し難い。よって、被加工物に発生する皺を低減することができる。よって、賦形後の部品の強度や剛性を向上させることができる。
【0061】
また、本開示の第3態様に係る賦形装置は、上記第1態様または第2態様において、前記被変形部と前記変形部との間に設けられ、弾性を有する弾性材(60)を備え、前記弾性材は、一端部が前記固定部に固定され、前記被変形部を挟んで他端部が前記変形部に固定されている。
【0062】
上記構成は、被変形部と変形部との間に設けられ弾性を有する弾性材を備えている。また、弾性材が、一端部が固定部に固定され、他端部が変形部に固定されている。これにより、変形部が被変形部を押圧する際に、弾性材が被変形部と当接することで被変形部の形状に応じて変形する。したがって、例えば、変形部の一部(例えば、弾性材の他端部が固定されている部分)が、被変形部よりも先に積層体の他の部分に接触する場合であっても、弾性材が被変形部を押圧する。これにより、被加工物をしごくように変形させることができる。よって、被加工物に発生する皺を低減することができる。よって、賦形後の部品の強度や剛性を向上させることができる。
【0063】
また、本開示の第4態様に係る賦形装置は、上記第1態様から第3態様のいずれかにおいて、前記変形部は、前記被変形部を押圧する第1押圧部(43,45)と、前記被加工物を押圧する方向と交差する方向に前記第1押圧部と隣接して設けられ前記被加工物を押圧する第2押圧部(44,46)と、を有し、前記第1押圧部は前記第2押圧部が前記被加工物を押圧する前に前記被変形部を押圧する。
【0064】
上記構成では、変形部は、被変形部を押圧する第1押圧部と、交差方向に第1押圧部と隣接して設けられ被加工物を押圧する第2押圧部とを有している。また、第1押圧部は第2押圧部が被加工物を押圧する前に被変形部を押圧する。これにより、積層体を押圧する際に、第1押圧部が被変形部を押圧し変形させてから、第2押圧部が他の部分を押圧する。したがって、被加工物をしごくように変形させることができる。よって、被加工物に発生する皺が被加工物の交差方向の端部へ延ばされるので、被加工物に皺が残存し難い。よって、被加工物に発生する皺を低減することができる。よって、賦形後の部品の強度や剛性を向上させることができる。
【0065】
本開示の第1態様に係る賦形方法は、固定部(20,30)に固定された状態の複合材料である板状の被加工物(1)を変形部(41,42)で押圧することで、前記被加工物を長手方向に直交する断面で切断した際の断面が所定の形状となるように賦形する賦形方法であって、前記被加工物の一部である被固定部(1a)を前記固定部で挟むことで固定する固定工程と、前記被加工物の一部であって前記被固定部以外の部分である被変形部(1b)を変形する変形工程と、を備え、前記変形工程は、前記固定部の湾曲部(22,32)に向かって前記湾曲部の突出方向から前記変形部の湾曲面(41a)で前記被変形部を押圧することで前記被変形部を変形する。
【符号の説明】
【0066】
1 :積層体(被加工物)
1a :被固定部
1b :被変形部
2 :複合材構造体
3 :ウェブ部
4 :第1コーナー部
5 :第1フランジ部
6 :第2コーナー部
7 :第2フランジ部
10 :賦形装置
20 :下側中央ダイ(固定部)
21 :下側固定部
22 :下側湾曲部
30 :上側中央ダイ(固定部)
31 :上側固定部
32 :上側湾曲部
41 :第1サイドダイ(変形部)
41A :第1サイドダイ(変形部)
41a :湾曲面
41b :フランジ形成面
42 :第2サイドダイ
42A :第2サイドダイ
42a :湾曲面
42b :フランジ形成面
43 :コーナー部形成ダイ
44 :フランジ部形成ダイ
45 :コーナー部形成ダイ
46 :フランジ部形成ダイ
50 :引張部
51 :取付部
52 :ワイヤ
53 :錘
54 :柱部
60 :弾性材
61 :上側弾性材
62 :下側弾性材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9