(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024148323
(43)【公開日】2024-10-18
(54)【発明の名称】ガスタービンの排気車室の補修方法
(51)【国際特許分類】
F02C 7/00 20060101AFI20241010BHJP
F01D 25/30 20060101ALI20241010BHJP
F01D 25/00 20060101ALI20241010BHJP
【FI】
F02C7/00 D
F01D25/30 A
F01D25/00 X
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023061369
(22)【出願日】2023-04-05
(71)【出願人】
【識別番号】000006208
【氏名又は名称】三菱重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000785
【氏名又は名称】SSIP弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】中村 賢太
(72)【発明者】
【氏名】永井 宜彦
(57)【要約】
【課題】ストラットカバーの補修が比較的容易となるガスタービンの排気車室の補修方法を提供する。
【解決手段】ストラットカバーは、内部にストラットが挿通される中空翼形部と、中空翼形部の軸方向における一方側の端部に接続され、湾曲部を含み、排気車室内で燃焼ガスの流路を形成する流路形成部材と接続されるフレア部と、を有する。中空翼形部及び前記流路形成部材から既設の前記フレア部である第1フレア部を取り外す。流路内における燃焼ガスの流れ方向の上流側と下流側とに分割された上流側フレア部材と下流側フレア部材とを流路内に挿入する。上流側フレア部材と下流側フレア部材とを接続することで新規のフレア部である第2フレア部を形成する。第2フレア部を中空翼形部における一方側の端部及び流路形成部材に接続する。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスタービンの排気車室の補修方法であって、
前記排気車室は、前記排気車室の車室壁と前記車室壁の径方向内側に配置されるベアリングケースとを連結するストラットの外表面を覆うストラットカバーを備え、
前記ストラットカバーは、
内部に前記ストラットが挿通される中空翼形部と、
前記中空翼形部の軸方向における一方側の端部に接続され、前記中空翼形部から前記軸方向に離れるにつれて前記中空翼形部の中心軸からの距離が増加する外表面を有する湾曲部を含み、前記排気車室内で燃焼ガスの流路を形成する流路形成部材と接続されるフレア部と、
を有し、
前記中空翼形部及び前記流路形成部材から既設の前記フレア部である第1フレア部を取り外し、
前記流路内における前記燃焼ガスの流れ方向の上流側と下流側とに分割された上流側フレア部材と下流側フレア部材とを前記流路内に挿入し、
前記上流側フレア部材と前記下流側フレア部材とを接続することで新規の前記フレア部である第2フレア部を形成し、
前記第2フレア部を前記中空翼形部における前記一方側の端部及び前記流路形成部材に接続する、
ガスタービンの排気車室の補修方法。
【請求項2】
前記第2フレア部を前記中空翼形部における前記一方側の端部及び前記流路形成部材に接続することに先立って、前記流路内において前記上流側フレア部材及び前記下流側フレア部材の前記軸方向の長さを調節する、
請求項1に記載のガスタービンの排気車室の補修方法。
【請求項3】
前記上流側フレア部材及び前記下流側フレア部材の前記軸方向の長さを調節する前の前記上流側フレア部材及び前記下流側フレア部材の前記軸方向の長さは、前記第1フレア部の前記軸方向の長さと異なる、
請求項2に記載のガスタービンの排気車室の補修方法。
【請求項4】
前記第2フレア部を前記中空翼形部における前記一方側の端部及び前記流路形成部材に接続する際に、前記上流側フレア部材及び前記下流側フレア部材における前記軸方向の他方側の端部と、前記中空翼形部の前記一方側の端部とによって突合せ継手、又は重ね継手を形成して前記第2フレア部と前記中空翼形部における前記一方側の端部とを溶接で接続する、
請求項3に記載のガスタービンの排気車室の補修方法。
【請求項5】
前記第1フレア部における前記軸方向の他方側の端部と、前記中空翼形部の前記一方側の端部とは、重ね継手を形成しており、
前記第2フレア部を前記中空翼形部における前記一方側の端部及び前記流路形成部材に接続する際に、前記上流側フレア部材及び前記下流側フレア部材における前記軸方向の他方側の端部と、前記中空翼形部の前記一方側の端部とによって突合せ継手を形成して前記第2フレア部と前記中空翼形部における前記一方側の端部とを溶接で接続する、
請求項4に記載のガスタービンの排気車室の補修方法。
【請求項6】
前記上流側フレア部材及び前記下流側フレア部材の前記軸方向の長さを調節する前の前記上流側フレア部材及び前記下流側フレア部材の前記軸方向の長さは、前記第1フレア部の前記軸方向の長さより短い、
請求項5に記載のガスタービンの排気車室の補修方法。
【請求項7】
前記第1フレア部における前記軸方向の他方側の端部と、前記中空翼形部の前記一方側の端部とは、重ね継手を形成しており、
前記第2フレア部を前記中空翼形部における前記一方側の端部及び前記流路形成部材に接続する際に、前記上流側フレア部材及び前記下流側フレア部材における前記軸方向の他方側の端部と、前記中空翼形部の前記一方側の端部とによって重ね継手を形成して前記第2フレア部と前記中空翼形部における前記一方側の端部とを溶接で接続する、
請求項4に記載のガスタービンの排気車室の補修方法。
【請求項8】
前記上流側フレア部材及び前記下流側フレア部材の前記軸方向の長さを調節する前の前記上流側フレア部材及び前記下流側フレア部材の前記軸方向の長さは、前記第1フレア部の前記軸方向の長さより長い、
請求項7に記載のガスタービンの排気車室の補修方法。
【請求項9】
前記第1フレア部における前記軸方向の他方側の端部と、前記中空翼形部の前記一方側の端部とは、突合せ継手を形成しており、
前記第2フレア部を前記中空翼形部における前記一方側の端部及び前記流路形成部材に接続する際に、前記上流側フレア部材及び前記下流側フレア部材における前記軸方向の他方側の端部と、前記中空翼形部の前記一方側の端部とによって突合せ継手を形成して前記第2フレア部と前記中空翼形部における前記一方側の端部とを溶接で接続する、
請求項4に記載のガスタービンの排気車室の補修方法。
【請求項10】
前記上流側フレア部材及び前記下流側フレア部材の前記軸方向の長さを調節する前の前記上流側フレア部材及び前記下流側フレア部材の前記軸方向の長さは、前記第1フレア部の前記軸方向の長さより長い、
請求項9に記載のガスタービンの排気車室の補修方法。
【請求項11】
前記第1フレア部における前記軸方向の他方側の端部と、前記中空翼形部の前記一方側の端部とは、突合せ継手を形成しており、
前記第2フレア部を前記中空翼形部における前記一方側の端部及び前記流路形成部材に接続する際に、前記上流側フレア部材及び前記下流側フレア部材における前記軸方向の他方側の端部と、前記中空翼形部の前記一方側の端部とによって重ね継手を形成して前記第2フレア部と前記中空翼形部における前記一方側の端部とを溶接で接続する、
請求項4に記載のガスタービンの排気車室の補修方法。
【請求項12】
前記上流側フレア部材及び前記下流側フレア部材の前記軸方向の長さを調節する前の前記上流側フレア部材及び前記下流側フレア部材の前記軸方向の長さは、前記第1フレア部の前記軸方向の長さより長い、
請求項11に記載のガスタービンの排気車室の補修方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ガスタービンの排気車室の補修方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ガスタービンは、圧縮空気および燃料を用いて高温高圧の燃焼ガスを発生させる燃焼器と、上記燃焼ガスにより回転駆動して回転動力を生み出すタービンと、タービンを回転駆動させた燃焼ガスが送られる排気車室と、を備えている(例えば、特許文献1参照)。タービンを回転駆動させた燃焼ガスは、排気車室のディフューザ流路において静圧に変換される。上記ディフューザ流路は、筒状の外側ディフューザと、外側ディフューザの内側に設けられた筒状の内側ディフューザと、により画定されている。
【0003】
特許文献1では、ストラットは、排気車室の外形を形成する車室壁と、ロータを支持する軸受部を内部に収容するベアリングケースと、に連結されている。上記車室壁は、外側ディフューザの外側に設けられ、上記ベアリングケースは、内側ディフューザの内側に設けられる。このため、ストラットは、ディフューザ流路を横断するように配置される。
【0004】
特許文献1では、ストラットカバーは、ストラットを覆うとともに、ストラットとの間に冷却空気の流路を形成する。上記ストラットカバーは、その外端が外側ディフューザに連結され、その内端が内側ディフューザに連結されている。ストラットカバーの外端や内端は、その外形を大きく膨出させたフレア形状を有するフレア部を構成している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
外側ディフューザや内側ディフューザは、ディフューザ流路を燃焼ガスが流動することで振動し、外側ディフューザと内側ディフューザとを連結するストラットカバーには振動により応力(振動応力)が発生する。また、ストラットカバーに燃焼ガスが衝突することにより応力(衝撃応力)が発生する。
近年、ガスタービンの高出力化に伴い、ディフューザ流路を流れる燃焼ガスの温度が高温となることがある。外側ディフューザや内側ディフューザ、ストラットカバーも、燃焼ガスから熱が伝達されて高温となることがある。このような高温環境下においては、特にフレア部に発生する応力による高サイクル疲労によって、フレア部が破損や損傷するリスクが高まる。そのため、フレア部を交換する補修を行うことがある。
しかし、既設のストラットカバーからフレア部を取り外して新たなフレア部を取り付ける作業をガスタービンが設置された現地にて行うことは比較的難しい。
【0007】
本開示の少なくとも一実施形態は、上述の事情に鑑みて、ストラットカバーの補修が比較的容易となるガスタービンの排気車室の補修方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の少なくとも一実施形態に係るガスタービンの排気車室の補修方法は、
ガスタービンの排気車室の補修方法であって、
前記排気車室は、前記排気車室の車室壁と前記車室壁の径方向内側に配置されるベアリングケースとを連結するストラットの外表面を覆うストラットカバーを備え、
前記ストラットカバーは、
内部に前記ストラットが挿通される中空翼形部と、
前記中空翼形部の軸方向における一方側の端部に接続され、前記中空翼形部から前記軸方向に離れるにつれて前記中空翼形部の中心軸からの距離が増加する外表面を有する湾曲部を含み、前記排気車室内で燃焼ガスの流路を形成する流路形成部材と接続されるフレア部と、
を有し、
前記中空翼形部及び前記流路形成部材から既設の前記フレア部である第1フレア部を取り外し、
前記流路内における前記燃焼ガスの流れ方向の上流側と下流側とに分割された上流側フレア部材と下流側フレア部材とを前記流路内に挿入し、
前記上流側フレア部材と前記下流側フレア部材とを接続することで新規の前記フレア部である第2フレア部を形成し、
前記第2フレア部を前記中空翼形部における前記一方側の端部及び前記流路形成部材に接続する。
【発明の効果】
【0009】
本開示の少なくとも一実施形態によれば、ストラットカバーの補修が比較的容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】一実施形態にかかるガスタービンの概略構成図である。
【
図2】一実施形態にかかる排気車室の軸線を含む概略断面図である。
【
図3】一実施形態にかかる排気車室を軸方向から視た状態を示す概略図である。
【
図4】一実施形態にかかるストラットカバーの概略分解斜視図である。
【
図5B】
図2中のA部の拡大図に相当する他の実施形態に係る図である。
【
図6】幾つかの実施形態に係るガスタービンの排気車室の補修方法における処理の手順を示すフローチャートである。
【
図7A】上流側フレア部材と下流側フレア部材とをディフューザ流路内に挿入する工程を実施した状態を説明するための模式的な図である。
【
図7B】上流側フレア部材及び下流側フレア部材の中空翼形部の軸方向の長さを調節する工程を実施した状態を説明するための模式的な図である。
【
図7C】第2フレア部を形成する工程を実施した状態を説明するための模式的な図である。
【
図7D】第2フレア部を中空翼形部及び流路形成部材に接続する工程を実施した状態を説明するための模式的な図である。
【
図7E】第2フレア部を本溶接する工程を実施した状態を説明するための模式的な図である。
【
図8A】第2フレア部と中空翼形部とで構成する溶接継手の種類が突合せ継手である場合について示す図である。
【
図8B】第2フレア部と中空翼形部とで構成する溶接継手の種類が重ね継手である場合について示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照して本開示の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本開示の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一の構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
【0012】
(ガスタービン)
図1は、一実施形態にかかるガスタービンの概略構成図である。
幾つかの実施形態にかかるガスタービン1は、
図1に示されるように、圧縮空気を生成するための圧縮機11と、上記圧縮空気および燃料を用いて燃焼ガスを発生させるための燃焼器12と、上記燃焼ガスにより回転駆動されるように構成されたタービン13と、タービン13を回転駆動させた燃焼ガスが送られる排気車室3と、を備える。なお、発電用のガスタービン1の場合、タービン13には不図示の発電機が連結される。
【0013】
圧縮機11は、圧縮機車室14側に固定された複数の静翼15と、静翼15に対して交互に配列されるようにロータ16に植設された複数の動翼17と、を含む。
圧縮機11には、空気取入口18から取り込まれた空気が送られるようになっており、圧縮機11に送られた空気は、複数の静翼15及び複数の動翼17を通過して圧縮されることで高温高圧の圧縮空気となる。
【0014】
燃焼器12は、燃料と、圧縮機11で生成された圧縮空気とが供給されるようになっており、該燃焼器12において燃料が燃焼され、タービン13の作動流体である燃焼ガスが生成される。
図1に示される実施形態では、ガスタービン1は、ケーシング20内にロータ16を中心として周方向に沿って複数配置された燃焼器12を有する。
【0015】
タービン13は、タービン車室21によって形成される燃焼ガス通路22を有し、該燃焼ガス通路22に設けられる複数の静翼23及び動翼24を含む。タービン13の静翼23及び動翼24は、燃焼ガスの流れ方向における燃焼器12の下流側に設けられている。
静翼23はタービン車室21側に固定されており、ロータ16の周方向に沿って配列される複数の静翼23が静翼列を構成している。また、動翼24はロータ16に植設されており、ロータ16の周方向に沿って配列される複数の動翼24が動翼列を構成している。静翼列と動翼列とは、ロータ16の軸方向において交互に配列されている。
タービン13では、燃焼ガス通路22に流れ込んだ燃焼器12からの燃焼ガスが複数の静翼23及び複数の動翼24を通過することでロータ16が回転駆動され、これにより、ロータ16に連結された発電機が駆動されて電力が生成されるようになっている。タービン13を駆動した後の燃焼ガスは、排気車室3を介して外部へ排出される。
【0016】
(排気車室)
図2は、一実施形態にかかる排気車室の軸線を含む概略断面図である。
図3は、一実施形態にかかる排気車室を軸方向から視た状態を示す概略図である。
幾つかの実施形態にかかる排気車室3は、
図1に示されるように、燃焼ガスの流れ方向におけるタービン13の静翼23及び動翼24の下流側に設けられている。以下、燃焼ガスの流れ方向における上流側(
図2中左側)を単に上流側と、燃焼ガスの流れ方向における下流側(
図2中右側)を単に下流側と言うことがある。
【0017】
排気車室3は、
図2に示されるように、ロータ16の軸方向(ロータ16の中心軸CAが延在する方向、
図2中左右方向)に沿って延在する筒状の車室壁31と、該車室壁31の径方向内側に配置されるベアリングケース32と、車室壁31とベアリングケース32とを連結する少なくとも一つのストラット4と、該ストラット4の外表面41を覆う少なくとも一つのストラットカバー5と、を備える。
また、排気車室3は、上記車室壁31の径方向内側に配置される筒状の外側ディフューザ33と、該外側ディフューザ33の径方向内側に配置されて外側ディフューザ33との間にディフューザ流路34を形成する筒状の内側ディフューザ35と、内側ディフューザ35とベアリングケース32との間に設けられる隔壁36と、をさらに備える。外側ディフューザ33、内側ディフューザ35および隔壁36の夫々は、ロータ16の軸方向に沿って延在している。また、上記ストラットカバー5は、外側ディフューザ33と内側ディフューザ35とを連結している。なお、ディフューザ流路34を形成する外側ディフューザ33及び内側ディフューザ35を総称する場合や、外側ディフューザ33と内側ディフューザ35とを特に区別しない場合には、外側ディフューザ33及び内側ディフューザ35のことを流路形成部材39とも称する。
【0018】
図示される実施形態では、車室壁31及びベアリングケース32の夫々は、上記中心軸CAを中心とする円筒状に形成されている。車室壁31は、排気車室3の外形を形成する外壁面311を有している。ベアリングケース32は、軸受部37を収容するとともに、軸受部37を回転不能に支持している。軸受部37は、上述したロータ16を回転可能に支持している。
【0019】
ディフューザ流路34は、タービン13の最終段動翼24Aを通過した燃焼ガスが送られるようになっており、下流側に向かうにつれて断面積が徐々に拡大する環状に形成されている。ディフューザ流路34に送られた燃焼ガスは、その流れが減速されて燃焼ガスが有する運動エネルギーが圧力へと変換(静圧回復)される。
図示される実施形態では、外側ディフューザ33及び内側ディフューザ35の夫々は、上記中心軸CAを中心とする円筒状に形成されている。外側ディフューザ33は、下流側に向かうにつれて徐々に中心軸CAからの距離が大きくなる内壁面331を有している。内側ディフューザ35は、中心軸CAからの距離が均一な外壁面351を有している。ディフューザ流路34は、外側ディフューザ33の内壁面331と内側ディフューザ35の外壁面351とにより形成され、下流側に向かうにつれて徐々に径方向外側に拡がる形状を有している。
【0020】
少なくとも一つのストラット4は、
図2、3に示されるように、長さ方向の一端42が車室壁31に固定され、長さ方向の他端43がベアリングケース32に固定されている。ベアリングケース32は、ストラット4を介して車室壁31に支持されている。
図示される実施形態では、
図3に示されるように、ストラット4は、ベアリングケース32の接線方向に沿って延在している。つまり、ストラット4は、他端43から径方向外側に向かうにつれて周方向の一方側に向かって延在している。ストラットカバー5は、ストラット4の延在方向(ベアリングケース32の接線方向)に沿って延在している。なお、他の幾つかの実施形態では、ストラット4及びストラットカバー5の夫々は、径方向に沿って延在していてもよい。
図示される実施形態では、少なくとも一つのストラット4は、周方向に沿って互いに離れて配置された複数(図中六つ)のストラット4を含む。また、少なくとも一つのストラットカバー5は、周方向に沿って互いに離れて配置された複数(図中六つ)のストラットカバー5を含む。
【0021】
ストラット4は、外側ディフューザ33及び内側ディフューザ35の夫々を貫通し、ディフューザ流路34を横断するように配置される。外側ディフューザ33には、径方向における内外を連結する連通孔332が形成され、該連通孔332にストラット4が挿通している。内側ディフューザ35には、径方向における内外を連通する連通孔352が形成され、該連通孔352にストラット4が挿通している。
【0022】
図示される実施形態では、排気車室3の内部に冷却空気を流すことにより、排気車室3の内部に設けられた構成部品(例えば、外側ディフューザ33、内側ディフューザ35、ストラット4及びストラットカバー5など)を冷却している。
【0023】
図2に示される実施形態では、車室壁31には、外部から冷却空気を取り込むための取込口312が形成されている。取込口312は、車室壁31の径方向内外を貫通している。外側ディフューザ33は、車室壁31に対して径方向内側に離隔して設けられ、外側ディフューザ33と車室壁31との間に第1冷却通路38Aが形成されている。ストラットカバー5は、その内表面51がストラット4の外表面41に対して離隔して設けられ、ストラットカバー5とストラット4との間に第2冷却通路38Bが形成されている。内側ディフューザ35は、隔壁36に対して径方向外側に離隔して設けられ、内側ディフューザ35と隔壁36との間に第3冷却通路38Cが形成されている。
【0024】
第1冷却通路38Aは、取込口312と連通しており、取込口312から導入された冷却空気が流通可能に構成されている。第2冷却通路38Bは、上述した連通孔332を介して第1冷却通路38Aと連通しており、上記冷却空気が流通可能に構成されている。第3冷却通路38Cは、上述した連通孔352を介して第2冷却通路38Bと連通しており、上記冷却通路が流通可能に構成されている。
【0025】
取込口312から排気車室3の内部に導入された冷却空気は、第1冷却通路38A、第2冷却通路38B、第3冷却通路38Cをこの順に流れて、これらの冷却通路38A、38B、38Cに面する構成部品(例えば、外側ディフューザ33、内側ディフューザ35、ストラット4及びストラットカバー5など)を冷却し、上記構成部品の高温化を抑制している。
【0026】
図示される実施形態では、内側ディフューザ35には、冷却空気をディフューザ流路34に排出するための排出口353が形成されている。排出口353は、内側ディフューザ35の径方向内外を貫通し、ディフューザ流路34の上流側のディフューザ入口部34Aと、第3冷却通路38Cとを連通している。ディフューザ入口部34Aは、タービン13の最終段動翼24Aに隣接しているので、ディフューザ入口部34Aにおける燃焼ガスの圧力は、静圧に比べて負圧になっている。排気車室3の外部の外気と上記負圧との圧力差により外気が上述した冷却空気として取込口312から導入され、冷却通路38A、38B、38Cを通過後に、排出口353から排出される。
【0027】
(ストラットカバー)
図4は、一実施形態にかかるストラットカバーの概略分解斜視図である。
図5Aは、
図2中のA部の拡大図である。
図5Bは、
図2中のA部の拡大図に相当する他の実施形態に係る図である。なお、
図5A及び
図5Bでは、後述する第1フレア部701について図示している。
幾つかの実施形態にかかるストラットカバー5は、例えば
図2に示されるように、中空部61を有する中空翼形部6と、中空翼形部6の軸方向(中空翼形部6の中心軸CBが延在する方向)における一端62に接続され、中空翼形部6から上記軸方向に離れるにつれて中空翼形部6の中心軸CBからの距離が増加する外表面711を有する湾曲部71を含むフレア部7と、を備える。
【0028】
中空翼形部6は、中空翼形部6の軸方向に沿って延在する筒状に形成されている。中空翼形部6の中空部61は、中空翼形部6の内表面65により画定される。
【0029】
図示される実施形態では、フレア部7は、例えば
図2に示されるように、上記湾曲部71と、中空翼形部6の一端62に接続される接続端70と、湾曲部71を挟んで接続端70とは反対側に位置するフランジ部73と、湾曲部71と接続端70との間において中心軸CBに沿って延在する筒状部72と、を含む。フランジ部73は、外側ディフューザ33および内側ディフューザ35のうちの何れか一方に連結される。また、フレア部7は、中空部76を有する筒状に形成されている。
【0030】
図示される実施形態では、例えば
図2及び
図5Aに示されるように、中空翼形部6の一端62とフレア部7の接続端70とが突き合わされて溶接により接合されることで、中空翼形部6とフレア部7とが固定されている。また、外側ディフューザ33および内側ディフューザ35の何れか一方に、フレア部7のフランジ部73が重ね合わされて溶接により接合されることで、外側ディフューザ33又は内側ディフューザ35にフレア部7が固定されている。
なお、他の実施形態に係るフレア部7では、例えば
図5Bに示されるように、中空翼形部6の一端62とフレア部7の接続端70とが重ね合わされて溶接により接合されることで、中空翼形部6とフレア部7とが固定されていてもよい。
【0031】
図示される実施形態では、例えば
図2に示されるように、上述したフレア部7は、接続端70が中空翼形部6の上端63に接続され、フランジ部73が外側ディフューザ33に連結される外側フレア部7Aと、接続端70が中空翼形部6の下端64に接続され、フランジ部73が内側ディフューザ35に連結される内側フレア部7Bと、を含んでいる。つまり、上述したストラットカバー5は、中空翼形部6と、外側フレア部7Aと、内側フレア部7Bと、を含み、これらの構成部材が互いに接続されることで、その形状が形成されている。
【0032】
図示される実施形態では、例えば
図2に示されるように、外側フレア部7Aのフランジ部73は、外側ディフューザ33の内壁面331に沿って直線状に延在し、内表面732が上記内壁面331に当接している。また、内側フレア部7Bのフランジ部73は、内側ディフューザ35の外壁面351に沿って直線状に延在し、内表面732が上記外壁面351に当接している。
【0033】
中空翼形部6の中空部61およびフレア部7の中空部76の夫々には、上述したストラット4が挿通され、挿通されたストラット4との間に上述した第2冷却通路38Bが形成されるようになっている。
【0034】
幾つかの実施形態にかかるストラットカバー5は、中空部61を有する上述した中空翼形部6と、中空翼形部6の軸方向における一端62に接続され、中空翼形部6から上記軸方向に離れるにつれて中空翼形部6の中心軸CBからの距離が増加する外表面711を有する湾曲部71を含む上述したフレア部7と、を備える。
【0035】
(ストラットカバーの補修について)
外側ディフューザ33や内側ディフューザ35は、ディフューザ流路34を燃焼ガスが流動することで振動し、外側ディフューザ33と内側ディフューザ35とを連結するストラットカバー5には振動により応力(振動応力)が発生する。また、ストラットカバー5に燃焼ガスが衝突することにより応力(衝撃応力)が発生する。
近年、ガスタービンの高出力化に伴い、ディフューザ流路34を流れる燃焼ガスの温度が高温となることがある。外側ディフューザ33や内側ディフューザ35、ストラットカバー5も、燃焼ガスから熱が伝達されて高温となることがある。このような高温環境下においては、特にフレア部7に発生する応力による高サイクル疲労によって、フレア部7が破損や損傷するリスクが高まる。そのため、フレア部7を交換する補修を行うことがある。
しかし、既設のストラットカバー5からフレア部7を取り外して新たなフレア部7を取り付ける作業をガスタービン1が設置された現地にて行うことは比較的難しい。
【0036】
そこで、幾つかの実施形態に係るガスタービン1の排気車室3の補修方法では、次のようにしてストラットカバー5のフレア部7を補修するようにしている。
図6は、幾つかの実施形態に係るガスタービン1の排気車室3の補修方法における処理の手順を示すフローチャートである。幾つかの実施形態に係るガスタービン1の排気車室3の補修方法は、第1フレア部701を取り外す工程S101と、上流側フレア部材702Uと下流側フレア部材702Dとをディフューザ流路34内に挿入する工程S103と、上流側フレア部材702U及び下流側フレア部材702Dの中空翼形部6の軸方向の長さを調節する工程S105と、第2フレア部702を形成する工程S107と、第2フレア部702を中空翼形部6及び流路形成部材39に接続する工程S109と、第2フレア部702を本溶接する工程S111とを備える。
【0037】
(工程S101)
第1フレア部701を取り外す工程S101(以下、単に工程101と称することもある)は、中空翼形部6及び流路形成部材39から既設のフレア部7である第1フレア部701を取り外す工程である。工程S101では、中空翼形部6と第1フレア部701とを接続する溶接部、及び流路形成部材39と第1フレア部701とを接続する溶接部を例えばグラインダ等によって削ることで中空翼形部6及び流路形成部材39から第1フレア部701を取り外す。
【0038】
なお、外側フレア部7Aの補修を行う場合、工程S101では、中空翼形部6と外側フレア部7Aとを接続する溶接部、及び外側ディフューザ33と外側フレア部7Aとを接続する溶接部を例えばグラインダ等によって削ることで中空翼形部6及び外側ディフューザ33から外側フレア部7Aを取り外す。
また、内側フレア部7Bの補修を行う場合、工程S101では、中空翼形部6と内側フレア部7Bとを接続する溶接部、及び内側ディフューザ35と内側フレア部7Bとを接続する溶接部を例えばグラインダ等によって削ることで中空翼形部6及び内側ディフューザ35から内側フレア部7Bを取り外す。
【0039】
(工程S103)
上流側フレア部材702Uと下流側フレア部材702Dとをディフューザ流路34内に挿入する工程S103(以下、単に工程103と称することもある)は、ディフューザ流路34内における燃焼ガスの流れ方向の上流側と下流側とに分割された上流側フレア部材702Uと下流側フレア部材702Dとをディフューザ流路34内に挿入する工程である。
図7Aは、工程S101を実施した後、工程103を実施した状態を説明するための模式的な図である。なお、
図7Aでは、外側フレア部7Aの補修に関して図示しているが、内側フレア部7Bの補修に関しても同様である。
図7Aに示すように、工程S103では、新規のフレア部7である第2フレア部702を形成するための部材である上流側フレア部材702Uと下流側フレア部材702Dとをディフューザ流路34内に持ち込む。
なお、上流側フレア部材702U、及び下流側フレア部材702Dは、フレア部7を燃焼ガスの流れ方向の上流側と下流側とに分割したような部材であり、この上流側の部材が上流側フレア部材702Uであり、下流側の部材が下流側フレア部材702Dである。後述するように上流側フレア部材702Uと下流側フレア部材702Dとを接続することで新規のフレア部7である第2フレア部702が形成される。
【0040】
(工程S105)
上流側フレア部材702U及び下流側フレア部材702Dの中空翼形部6の軸方向の長さを調節する工程S105(以下、単に工程105と称することもある)は、第2フレア部702を中空翼形部6における一方側の端部(一端62)及び流路形成部材39に接続することに先立って、ディフューザ流路34内において上流側フレア部材702U及び下流側フレア部材702Dの上記軸方向の長さを調節する工程である。
図7Bは、工程S105を実施した状態を説明するための模式的な図である。なお、
図7Bでは、外側フレア部7Aの補修に関して図示しているが、内側フレア部7Bの補修に関しても同様である。
【0041】
例えば燃焼ガスからの熱の影響で流路形成部材39に応力が蓄積していて、第1フレア部701を取り外した際に流路形成部材39が変形して、中空翼形部6における一方側の端部(一端62)と流路形成部材39との上記軸方向の距離が第1フレア部701を取り外す前よりも大きくなってしまうおそれがある。そのため、上流側フレア部材702U及び下流側フレア部材702Dは、
図7Bにおける破線で示したように上記軸方向の長さを予め長めにして作製される。
工程S103では、上流側フレア部材702U及び下流側フレア部材702Dの上記軸方向の長さを中空翼形部6における一方側の端部(一端62)及び流路形成部材39に接続するのに適した長さに調節する。例えば工程S103では、上流側フレア部材702U及び下流側フレア部材702Dの筒状部72をグラインダ等によって削ることで上記軸方向の長さを現場合わせで調節する。
【0042】
(工程S107)
第2フレア部702を形成する工程S107(以下、単に工程107と称することもある)は、上流側フレア部材702Uと下流側フレア部材702Dとを接続することで新規のフレア部7である第2フレア部702を形成する工程である。
図7Cは、工程107を実施した状態を説明するための模式的な図である。なお、
図7Cでは、外側フレア部7Aの補修に関して図示しているが、内側フレア部7Bの補修に関しても同様である。
図7Cに示すように、工程S107では、上流側フレア部材702Uの下流側の端部705と下流側フレア部材702Dの上流側の端部706とを部分的に溶接で接続して、上流側フレア部材702Uと下流側フレア部材702Dとを仮に接続する。なお、
図7Cにおける黒丸部分は、上流側フレア部材702Uと下流側フレア部材702Dとを接続する溶接部である。
【0043】
(工程S109)
第2フレア部702を中空翼形部6及び流路形成部材39に接続する工程S109(以下、単に工程109と称することもある)は、第2フレア部702を中空翼形部6における一方側の端部(一端62)及び流路形成部材39に接続する工程である。
図7Dは、工程109を実施した状態を説明するための模式的な図である。なお、
図7Dでは、外側フレア部7Aの補修に関して図示しているが、内側フレア部7Bの補修に関しても同様である。
図7Dに示すように、工程S109では、第2フレア部702と、中空翼形部6における一方側の端部(一端62)及び流路形成部材39とを部分的に溶接で接続して、第2フレア部702と、中空翼形部6における一方側の端部(一端62)及び流路形成部材39とを仮に接続する。なお、
図7Dにおいて
図7Cから追加されている黒丸部分は、第2フレア部702と、中空翼形部6における一方側の端部(一端62)及び流路形成部材39とを接続する溶接部である。
【0044】
なお、外側フレア部7Aの補修を行う場合、工程S109では、第2フレア部702と、中空翼形部6の上端63及び外側ディフューザ33とを部分的に溶接で接続して、第2フレア部702と、中空翼形部6の上端63及び外側ディフューザ33とを仮に接続する。
また、内側フレア部7Bの補修を行う場合、工程S109では、第2フレア部702と、中空翼形部6の下端64及び内側ディフューザ35とを部分的に溶接で接続して、第2フレア部702と、中空翼形部6の下端64及び内側ディフューザ35とを仮に接続する。
【0045】
(工程S111)
第2フレア部702を本溶接する工程S111(以下、単に工程111と称することもある)は、工程S107において仮に接続している上流側フレア部材702Uの下流側の端部705と下流側フレア部材702Dの上流側の端部706とを本溶接で接続するとともに工程S109において仮に接続している第2フレア部702と、中空翼形部6における一方側の端部(一端62)及び流路形成部材39とを本溶接で接続する工程である。
図7Eは、工程111を実施した状態を説明するための模式的な図である。なお、
図7Eでは、外側フレア部7Aの補修に関して図示しているが、内側フレア部7Bの補修に関しても同様である。
図7Eに示すように、工程S111では、上流側フレア部材702Uの下流側の端部705と下流側フレア部材702Dの上流側の端部706とを本溶接で接続する。また、工程S111では、第2フレア部702と、中空翼形部6における一方側の端部(一端62)及び流路形成部材39とを本溶接で接続する。なお、
図7Eにおいてハッチングを施した部分は、工程S111における本溶接を行った部分である。
【0046】
幾つかの実施形態に係るガスタービン1の排気車室3の補修方法によれば、分割された上流側フレア部材702Uと下流側フレア部材702Dとを用いることで、ストラット4の着脱等を行わなくても新規のフレア部7である第2フレア部702を中空翼形部6における一方側の端部(一端62)及び流路形成部材39に接続できる。これにより、既設のストラットカバー5からフレア部7を取り外して新たなフレア部7を取り付ける作業をガスタービン1が設置された現地にて行うことが比較底容易となる。これにより、ストラットカバー5の補修が比較的容易となる。
また、幾つかの実施形態に係るガスタービン1の排気車室3の補修方法によれば、上流側フレア部材702Uと下流側フレア部材702Dとを接続することで第2フレア部702を形成し、その後、第2フレア部702を中空翼形部6における一方側の端部(一端62)及び流路形成部材39に接続するようにしている。これにより、例えば上流側フレア部材702Uと下流側フレア部材702Dとを接続する前に上流側フレア部材702Uや下流側フレア部材702Dを中空翼形部6に接続することで、上流側フレア部材702Uや下流側フレア部材702Dが燃焼ガスの流れ方向にずれた状態で中空翼形部6に接続されてしまって、上流側フレア部材702Uと下流側フレア部材702Dとを接続できなくなるような不都合な事態を回避できる。
【0047】
幾つかの実施形態に係るガスタービン1の排気車室3の補修方法では、上流側フレア部材702U及び下流側フレア部材702Dの中空翼形部6の軸方向の長さを調節する工程S105を実施するとよい。
これにより、例えば燃焼ガスからの熱の影響で流路形成部材39に応力が蓄積していて、第1フレア部701を取り外した際に流路形成部材39が変形してしまった場合であっても、第2フレア部702を中空翼形部6における一方側の端部(一端62)及び流路形成部材39に接続するのに適した寸法に上流側フレア部材702U及び下流側フレア部材702Dの上記軸方向の長さを調節できる。
【0048】
幾つかの実施形態に係るガスタービン1の排気車室3の補修方法では、上流側フレア部材702U及び下流側フレア部材702Dの中空翼形部6の軸方向の長さを調節する前の上流側フレア部材702U及び下流側フレア部材702Dの上記軸方向の長さは、第1フレア部701の上記軸方向の長さと異なっていてもよい。
これにより、例えば後述すように第2フレア部702と中空翼形部6とで構成する溶接継手の種類が第1フレア部701と中空翼形部6とで構成する溶接継手の種類と異なる場合であっても対応可能である。
【0049】
図8Aは、第2フレア部702と中空翼形部6とで構成する溶接継手の種類が突合せ継手である場合について示す図である。
図8Bは、第2フレア部702と中空翼形部6とで構成する溶接継手の種類が重ね継手である場合について示す図である。
幾つかの実施形態に係るガスタービン1の排気車室3の補修方法では、第2フレア部702を中空翼形部6における一方側の端部(一端62)及び流路形成部材39に接続する際に、上流側フレア部材702U及び下流側フレア部材702Dにおける中空翼形部6の軸方向の他方側の端部(先端72a)と、中空翼形部6の一方側の端部(一端62)とによって突合せ継手、又は重ね継手を形成して第2フレア部702と中空翼形部6における一方側の端部(一端62)とを溶接で接続してもよい。
これにより、上流側フレア部材702U及び下流側フレア部材702Dと中空翼形部6とによって突合せ継手、又は重ね継手を形成して溶接で接続できる。
【0050】
幾つかの実施形態に係るガスタービン1の排気車室3の補修方法では、例えば、第1フレア部701と中空翼形部6とで構成する溶接継手の種類が
図5Aに示すように突合せ継手である場合に、
図8Aに示すように第2フレア部702と中空翼形部6とで突合せ継手を形成して溶接してもよいし、
図8Bに示すように第2フレア部702と中空翼形部6とで重ね継手を形成して溶接してもよい。
また、幾つかの実施形態に係るガスタービン1の排気車室3の補修方法では、第1フレア部701と中空翼形部6とで構成する溶接継手の種類が
図5Bに示すように重ね継手である場合に、
図8Aに示すように第2フレア部702と中空翼形部6とで突合せ継手を形成して溶接してもよいし、
図8Bに示すように第2フレア部702と中空翼形部6とで重ね継手を形成して溶接してもよい。
【0051】
このように、幾つかの実施形態に係るガスタービン1の排気車室3の補修方法によれば、フレア部7と中空翼形部6とによって形成される溶接継手の形式を補修前の突合せ継手と同じ溶接継手の形式で補修できる。
【0052】
なお、フレア部7と中空翼形部6とによって形成される溶接継手の形式を補修前の突合せ継手と同じ溶接継手の形式で補修する場合、上流側フレア部材702U及び下流側フレア部材702Dの中空翼形部6の軸方向の長さを調節する前の上流側フレア部材702U及び下流側フレア部材702Dの上記軸方向の長さL2は、第1フレア部701の上記軸方向の長さL1より長いとよい。
なお、軸方向の長さを調節する前の上流側フレア部材702U及び下流側フレア部材702Dの上記軸方向の長さL2、及び、第1フレア部701の上記軸方向の長さL1は、例えば
図5A、
図5B、
図8A、及び
図8Bに示すように、フランジ部73と湾曲部71との接続位置73aから筒状部72の先端72aまでの上記軸方向の距離とする。
図8A及び
図8Bでは、中空翼形部6の軸方向の長さを調節する前のフレア部7の形状を二点鎖線で示している。
なお、軸方向の長さを調節する前の上流側フレア部材702U及び下流側フレア部材702Dの上記軸方向の長さL2、及び、第1フレア部701の上記軸方向の長さL1は、例えば筒状部72と湾曲部71との接続位置72bから筒状部72の先端72aまでの上記軸方向の距離であってもよい。
【0053】
これにより、例えば燃焼ガスからの熱の影響で流路形成部材39に応力が蓄積していて、第1フレア部701を取り外した際に流路形成部材39が変形してしまい、流路形成部材39と中空翼形部6との中空翼形部6の軸方向の距離が第1フレア部701を取り外す前よりも大きくなってしまった場合であっても、補修前の突合せ継手と同じ溶接継手の形式によって第2フレア部702を流路形成部材39及び中空翼形部6に接続できる。
【0054】
幾つかの実施形態に係るガスタービン1の排気車室3の補修方法によれば、フレア部7と中空翼形部6とによって形成される溶接継手の形式を補修前の突合せ継手から重ね継手に変更して補修できる。
【0055】
なお、フレア部7と中空翼形部6とによって形成される溶接継手の形式を補修前の突合せ継手から重ね継手に変更して補修する場合、上流側フレア部材702U及び下流側フレア部材702Dの中空翼形部6の軸方向の長さを調節する前の上流側フレア部材702U及び下流側フレア部材702Dの上記軸方向の長さL2は、第1フレア部701の上記軸方向の長さL1より長いとよい。
これにより、フレア部7と中空翼形部6とによって形成される溶接継手の形式が突合せ継手である場合よりも上流側フレア部材702U及び下流側フレア部材702Dの上記軸方向の長さが大きくなる重ね継手を形成して、第2フレア部702と中空翼形部6における一方側の端部(一端62)とを溶接で接続できる。
【0056】
幾つかの実施形態に係るガスタービン1の排気車室3の補修方法によれば、フレア部7と中空翼形部6とによって形成される溶接継手の形式を補修前の重ね継手と同じ溶接継手の形式で補修できる。
【0057】
なお、フレア部7と中空翼形部6とによって形成される溶接継手の形式を補修前の重ね継手と同じ溶接継手の形式で補修する場合、上流側フレア部材702U及び下流側フレア部材702Dの中空翼形部6の軸方向の長さを調節する前の上流側フレア部材702U及び下流側フレア部材702Dの上記軸方向の長さL2は、第1フレア部701の上記軸方向の長さL1より長いとよい。
これにより、例えば燃焼ガスからの熱の影響で流路形成部材39に応力が蓄積していて、第1フレア部701を取り外した際に流路形成部材39が変形してしまい、流路形成部材39と中空翼形部6との中空翼形部6の軸方向の距離が第1フレア部701を取り外す前よりも大きくなってしまった場合であっても、補修前の重ね継手と同じ溶接継手の形式によって第2フレア部702を流路形成部材39及び中空翼形部6に接続できる。
【0058】
幾つかの実施形態に係るガスタービン1の排気車室3の補修方法によれば、フレア部7と中空翼形部6とによって形成される溶接継手の形式を補修前の重ね継手から突合せ継手に変更して補修できる。
【0059】
なお、フレア部7と中空翼形部6とによって形成される溶接継手の形式を補修前の重ね継手から突合せ継手に変更して補修する場合、上流側フレア部材702U及び下流側フレア部材702Dの中空翼形部6の軸方向の長さを調節する前の上流側フレア部材702U及び下流側フレア部材702Dの上記軸方向の長さL2は、第1フレア部701の上記軸方向の長さL1より短いとよい。
これにより、第2フレア部702を中空翼形部6における一方側の端部(一端62)及び流路形成部材39に接続することに先立って、ディフューザ流路34内において上流側フレア部材702U及び下流側フレア部材702Dの上記軸方向の長さを調節する際の長さの調節量を少なくすることができ、作業時間を短縮できる。
【0060】
本開示は上述した実施形態に限定されることはなく、上述した実施形態に変形を加えた形態や、これらの形態を適宜組み合わせた形態も含む。
【0061】
上記各実施形態に記載の内容は、例えば以下のように把握される。
(1)本開示の少なくとも一実施形態に係るガスタービン1の排気車室3の補修方法は、ガスタービン1の排気車室3の補修方法である。排気車室3は、排気車室3の車室壁31と車室壁31の径方向内側に配置されるベアリングケース32とを連結するストラット4の外表面を覆うストラットカバー5を備える。ストラットカバー5は、内部にストラット4が挿通される中空翼形部6と、中空翼形部6の軸方向における一方側の端部(一端62)に接続され、中空翼形部6から上記軸方向に離れるにつれて中空翼形部6の中心軸CBからの距離が増加する外表面711を有する湾曲部71を含み、排気車室3内で燃焼ガスの流路(ディフューザ流路34)を形成する流路形成部材39と接続されるフレア部7と、を有する。中空翼形部6及び流路形成部材39から既設のフレア部7である第1フレア部701を取り外す。流路(ディフューザ流路34)内における燃焼ガスの流れ方向の上流側と下流側とに分割された上流側フレア部材702Uと下流側フレア部材702Dとを流路(ディフューザ流路34)内に挿入する。上流側フレア部材702Uと下流側フレア部材702Dとを接続することで新規のフレア部7である第2フレア部702を形成する。第2フレア部702を中空翼形部6における一方側の端部(一端62)及び流路形成部材39に接続する。
【0062】
上記(1)方法によれば、分割された上流側フレア部材702Uと下流側フレア部材702Dとを用いることで、ストラット4の着脱等を行わなくても新規のフレア部7である第2フレア部702を中空翼形部6における一方側の端部(一端62)及び流路形成部材39に接続できる。これにより、既設のストラットカバー5からフレア部7を取り外して新たなフレア部7を取り付ける作業をガスタービン1が設置された現地にて行うことが比較底容易となる。これにより、ストラットカバー5の補修が比較的容易となる。
また、上記(1)方法によれば、上流側フレア部材702Uと下流側フレア部材702Dとを接続することで第2フレア部702を形成し、その後、第2フレア部702を中空翼形部6における一方側の端部(一端62)及び流路形成部材39に接続するようにしている。これにより、例えば上流側フレア部材702Uと下流側フレア部材702Dとを接続する前に上流側フレア部材702Uや下流側フレア部材702Dを中空翼形部6に接続することで、上流側フレア部材702Uや下流側フレア部材702Dが燃焼ガスの流れ方向にずれた状態で中空翼形部6に接続されてしまって、上流側フレア部材702Uと下流側フレア部材702Dとを接続できなくなるような不都合な事態を回避できる。
【0063】
(2)幾つかの実施形態では、上記(1)の方法において、第2フレア部702を中空翼形部6における一方側の端部(一端62)及び流路形成部材39に接続することに先立って、流路(ディフューザ流路34)内において上流側フレア部材702U及び下流側フレア部材702Dの上記軸方向の長さを調節するとよい。
【0064】
上記(2)の方法によれば、例えば燃焼ガスからの熱の影響で流路形成部材39に応力が蓄積していて、第1フレア部701を取り外した際に流路形成部材39が変形してしまった場合であっても、第2フレア部702を中空翼形部6における一方側の端部(一端62)及び流路形成部材39に接続するのに適した寸法に上流側フレア部材702U及び下流側フレア部材702Dの上記軸方向の長さを調節できる。
【0065】
(3)幾つかの実施形態では、上記(2)の方法において、上流側フレア部材702U及び下流側フレア部材702Dの上記軸方向の長さを調節する前の上流側フレア部材702U及び下流側フレア部材702Dの上記軸方向の長さL2は、第1フレア部701の上記軸方向の長さL1と異なっていてもよい。
【0066】
上記(3)の方法によれば、第2フレア部702と中空翼形部6とで構成する溶接継手の種類が第1フレア部701と中空翼形部6とで構成する溶接継手の種類と異なる場合であっても対応可能である。
【0067】
(4)幾つかの実施形態では、上記(3)の方法において、第2フレア部702を中空翼形部6における一方側の端部(一端62)及び流路形成部材39に接続する際に、上流側フレア部材702U及び下流側フレア部材702Dにおける上記軸方向の他方側の端部(先端72a)と、中空翼形部6の一方側の端部(一端62)とによって突合せ継手、又は重ね継手を形成して第2フレア部702と中空翼形部6における一方側の端部(一端62)とを溶接で接続してもよい。
【0068】
上記(4)の方法によれば、上流側フレア部材702U及び下流側フレア部材702Dと中空翼形部6とによって突合せ継手、又は重ね継手を形成して溶接で接続できる。
【0069】
(5)幾つかの実施形態では、上記(4)の方法において、第1フレア部701における上記軸方向の他方側の端部(先端72a)と、中空翼形部6の一方側の端部(一端62)とは、重ね継手を形成していてもよい。第2フレア部702を中空翼形部6における一方側の端部(一端62)及び流路形成部材39に接続する際に、上流側フレア部材702U及び下流側フレア部材702Dにおける上記軸方向の他方側の端部(先端72a)と、中空翼形部6の一方側の端部(一端62)とによって突合せ継手を形成して第2フレア部702と中空翼形部6における一方側の端部(一端62)とを溶接で接続してもよい。
【0070】
上記(5)の方法によれば、フレア部7と中空翼形部6とによって形成される溶接継手の形式を補修前の重ね継手から突合せ継手に変更して補修できる。
【0071】
(6)幾つかの実施形態では、上記(5)の方法において、上流側フレア部材702U及び下流側フレア部材702Dの上記軸方向の長さを調節する前の上流側フレア部材702U及び下流側フレア部材702Dの上記軸方向の長さL2は、第1フレア部701の上記軸方向の長さL1より短いとよい。
【0072】
上記(6)の方法によれば、第2フレア部702を中空翼形部6における一方側の端部(一端62)及び流路形成部材39に接続することに先立って、流路(ディフューザ流路34)内において上流側フレア部材702U及び下流側フレア部材702Dの上記軸方向の長さを調節する際の長さの調節量を少なくすることができ、作業時間を短縮できる。
【0073】
(7)幾つかの実施形態では、上記(4)の方法において、第1フレア部701における上記軸方向の他方側の端部(先端72a)と、中空翼形部6の一方側の端部(一端62)とは、重ね継手を形成していてもよい。第2フレア部702を中空翼形部6における一方側の端部(一端62)及び流路形成部材39に接続する際に、上流側フレア部材702U及び下流側フレア部材702Dにおける上記軸方向の他方側の端部(先端72a)と、中空翼形部6の一方側の端部(一端62)とによって重ね継手を形成して第2フレア部702と中空翼形部6における一方側の端部(一端62)とを溶接で接続してもよい。
【0074】
上記(7)の方法によれば、フレア部7と中空翼形部6とによって形成される溶接継手の形式を補修前の重ね継手と同じ溶接継手の形式で補修できる。
【0075】
(8)幾つかの実施形態では、上記(7)の方法において、上流側フレア部材702U及び下流側フレア部材702Dの上記軸方向の長さを調節する前の上流側フレア部材702U及び下流側フレア部材702Dの上記軸方向の長さL2は、第1フレア部701の上記軸方向の長さL1より長いとよい。
【0076】
上記(8)の方法によれば、例えば燃焼ガスからの熱の影響で流路形成部材39に応力が蓄積していて、第1フレア部701を取り外した際に流路形成部材39が変形してしまい、流路形成部材39と中空翼形部6との中空翼形部6の軸方向の距離が第1フレア部701を取り外す前よりも大きくなってしまった場合であっても、補修前の重ね継手と同じ溶接継手の形式によって第2フレア部702を流路形成部材39及び中空翼形部6に接続できる。
【0077】
(9)幾つかの実施形態では、上記(4)の方法において、第1フレア部701における上記軸方向の他方側の端部(先端72a)と、中空翼形部6の一方側の端部(一端62)とは、突合せ継手を形成していてもよい。第2フレア部702を中空翼形部6における一方側の端部(一端62)及び流路形成部材39に接続する際に、上流側フレア部材702U及び下流側フレア部材702Dにおける上記軸方向の他方側の端部(先端72a)と、中空翼形部6の一方側の端部(一端62)とによって突合せ継手を形成して第2フレア部702と中空翼形部6における一方側の端部(一端62)とを溶接で接続してもよい。
【0078】
上記(9)の方法によれば、フレア部7と中空翼形部6とによって形成される溶接継手の形式を補修前の突合せ継手と同じ溶接継手の形式で補修できる。
【0079】
(10)幾つかの実施形態では、上記(9)の方法において、上流側フレア部材702U及び下流側フレア部材702Dの上記軸方向の長さを調節する前の上流側フレア部材702U及び下流側フレア部材702Dの上記軸方向の長さL2は、第1フレア部701の上記軸方向の長さL1より長いとよい。
【0080】
上記(10)の方法によれば、例えば燃焼ガスからの熱の影響で流路形成部材39に応力が蓄積していて、第1フレア部701を取り外した際に流路形成部材39が変形してしまい、流路形成部材39と中空翼形部6との中空翼形部6の軸方向の距離が第1フレア部701を取り外す前よりも大きくなってしまった場合であっても、補修前の突合せ継手と同じ溶接継手の形式によって第2フレア部702を流路形成部材39及び中空翼形部6に接続できる。
【0081】
(11)幾つかの実施形態では、上記(4)の方法において、第1フレア部701における上記軸方向の他方側の端部(先端72a)と、中空翼形部6の一方側の端部(一端62)とは、突合せ継手を形成していてもよい。第2フレア部702を中空翼形部6における一方側の端部(一端62)及び流路形成部材39に接続する際に、上流側フレア部材702U及び下流側フレア部材702Dにおける上記軸方向の他方側の端部(先端72a)と、中空翼形部6の一方側の端部(一端62)とによって重ね継手を形成して第2フレア部702と中空翼形部6における一方側の端部(一端62)とを溶接で接続してもよい。
【0082】
上記(11)の方法によれば、フレア部7と中空翼形部6とによって形成される溶接継手の形式を補修前の突合せ継手から重ね継手に変更して補修できる。
【0083】
(12)幾つかの実施形態では、上記(11)の方法において、上流側フレア部材702U及び下流側フレア部材702Dの上記軸方向の長さを調節する前の上流側フレア部材702U及び下流側フレア部材702Dの上記軸方向の長さL2は、第1フレア部701の上記軸方向の長さL1より長いとよい。
【0084】
上記(12)の方法によれば、フレア部7と中空翼形部6とによって形成される溶接継手の形式が突合せ継手である場合よりも上流側フレア部材702U及び下流側フレア部材702Dの上記軸方向の長さが大きくなる重ね継手を形成して、第2フレア部702と中空翼形部6における一方側の端部(一端62)とを溶接で接続できる。
【符号の説明】
【0085】
1 ガスタービン
3 排気車室
4 ストラット
5 ストラットカバー
6 中空翼形部
7 フレア部
31 車室壁
32 ベアリングケース
33 外側ディフューザ
34 ディフューザ流路
35 内側ディフューザ
39 流路形成部材
62 一端
71 湾曲部
72 筒状部
73 フランジ部
701 第1フレア部
702 第2フレア部
702U 上流側フレア部材
702D 下流側フレア部材