(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024148324
(43)【公開日】2024-10-18
(54)【発明の名称】無線通信装置及び無線通信方法
(51)【国際特許分類】
H04W 76/19 20180101AFI20241010BHJP
H04W 84/12 20090101ALI20241010BHJP
H04W 4/38 20180101ALI20241010BHJP
【FI】
H04W76/19
H04W84/12
H04W4/38
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023061370
(22)【出願日】2023-04-05
(71)【出願人】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】100141519
【弁理士】
【氏名又は名称】梶田 邦之
(72)【発明者】
【氏名】後藤 史英
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA21
5K067BB21
5K067DD17
5K067EE02
5K067EE10
5K067FF05
(57)【要約】
【課題】SBPセッションが切断した後に、SBP手順を再開する技術を提供する。
【解決手段】SBPイニシエータは、制御部110及び通信部120を含む。制御部110及び通信部120は、SBPレスポンダとの間で、SBPセッションを確立するための第1の無線フレームを交換することによってSBPセッションを確立するように構成されている。SBPセッションが切断した場合、制御部110及び通信部120は、SBPレスポンダとの間で、SBPセッションを確立するための第2の無線フレームを交換することによってSBPセッションを再確立するように構成されている。
【選択図】
図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
SBP(Sensing by Proxy)イニシエータ(10a)であって、前記SBPイニシエータは、制御部(110)及び通信部(120)を含み、
前記制御部及び前記通信部は、SBPレスポンダ(20)との間で、SBPセッションを確立するための第1の無線フレームを交換することによってSBPセッションを確立するように構成され、
前記SBPセッションが切断した場合、前記制御部及び前記通信部は、前記SBPレスポンダとの間で、SBPセッションを確立するための第2の無線フレームを交換することによって前記SBPセッションを再確立するように構成されている、
SBPイニシエータ。
【請求項2】
前記第2の無線フレームは、前記SBPレスポンダとの間で、前記第1の無線フレームを交換したことを示す情報を含む、請求項1に記載のSBPイニシエータ。
【請求項3】
前記情報は、前記第1の無線フレームを交換することによって前記SBPセッションを確立したときに割り当てられたAIDを含む、請求項2に記載のSBPイニシエータ。
【請求項4】
前記情報は、前記第1の無線フレームに設定された送信先ノードのデバイスID及び送信元ノードのデバイスIDを含む、請求項2に記載のSBPイニシエータ。
【請求項5】
前記デバイスIDは、MACアドレスを含む、請求項4に記載のSBPイニシエータ。
【請求項6】
前記SBPレスポンダは、センシングイニシエータとしてセンシングレスポンダ(10b)とセンシング手順を実行し、
前記情報は、前記センシング手順を実行したときに割り当てられた測定セットアップIDを含む、請求項2に記載のSBPイニシエータ。
【請求項7】
前記SBPレスポンダは、センシングイニシエータとしてセンシングレスポンダ(10b)とセンシング手順を実行し、
前記情報は、前記センシング手順を実行したときに割り当てられた測定インスタンスIDを含む、請求項2に記載のSBPイニシエータ。
【請求項8】
前記制御部は、前記SBPレスポンダから受信した前記第2の無線フレームに含まれる前記情報に基づいて、前記SBPレスポンダとの間で、前記SBPセッションを確立したことを確認するように更に構成されている、請求項2乃至5の何れか一項に記載のSBPイニシエータ。
【請求項9】
前記制御部及び前記通信部は、
前記SBPレスポンダに、アソシエーションを要求する無線フレームを送信し、
前記SBPレスポンダから、前記要求に応答する無線フレームを受信する、
ことによって、前記第2の無線フレームを交換するように更に構成されている、請求項1に記載のSBPイニシエータ。
【請求項10】
前記制御部及び前記通信部は、
前記SBPレスポンダから、SBPセッションを再確立することを要求する無線フレームを受信し、
前記SBPレスポンダに、アソシエーションを要求する無線フレームを送信し、
前記SBPレスポンダから、前記要求に応答する無線フレームを受信する、
ことによって、前記第2の無線フレームを交換するように更に構成されている、請求項1に記載のSBPイニシエータ。
【請求項11】
前記制御部及び前記通信部は、
前記SBPレスポンダに、SBPセッションを再確立することを要求する無線フレームを送信し、
前記SBPレスポンダから、前記要求に応答する無線フレームを受信する、
ことによって、前記第2の無線フレームを交換するように更に構成されている、請求項1に記載のSBPイニシエータ。
【請求項12】
前記制御部及び前記通信部は、
前記SBPレスポンダから、SBPセッションを再確立することを要求する無線フレームを受信し、
前記SBPレスポンダに、前記要求に応答する無線フレームを送信する、
ことによって、前記第2の無線フレームを交換するように更に構成されている、請求項1に記載のSBPイニシエータ。
【請求項13】
前記制御部は、
タイマを計測し、
前記SBPセッションが切断した後、前記タイマを再設定する、
ように更に構成されている、請求項1に記載のSBPイニシエータ。
【請求項14】
前記制御部は、タイマの満了時間を延長することによって前記タイマを再設定するように更に構成されている、請求項13に記載のSBPイニシエータ。
【請求項15】
前記制御部は、タイマの計測を再度開始することによって前記タイマを再設定するように更に構成されている、請求項13に記載のSBPイニシエータ。
【請求項16】
前記制御部は、前記第1の無線フレームを交換したことを示す情報に基づいて、前記第2の無線フレームを交換するか否かを決定するように更に構成されている、請求項1に記載のSBPイニシエータ。
【請求項17】
前記制御部は、前記SBPイニシエータがSBP手順を再開することをサポートすることを示す情報に基づいて、前記第2の無線フレームを交換するか否かを決定するように更に構成されている、請求項1に記載のSBPイニシエータ。
【請求項18】
SBP(Sensing by Proxy)レスポンダ(20)であって、前記SBPレスポンダは、制御部(210)及び通信部(220)を含み、
前記制御部及び前記通信部は、SBPイニシエータ(10a)との間で、SBPセッションを確立するための第1の無線フレームを交換することによってSBPセッションを確立するように構成され、
前記SBPセッションが切断した場合、前記制御部及び前記通信部は、前記SBPイニシエータとの間で、SBPセッションを確立するための第2の無線フレームを交換することによって前記SBPセッションを再確立するように構成されている、
SBPレスポンダ。
【請求項19】
SBP(Sensing by Proxy)イニシエータ(10a)によって実行される方法であって、
SBPレスポンダ(20)との間で、SBPセッションを確立するための第1の無線フレームを交換することによってSBPセッションを確立することと、
前記SBPセッションが切断した場合、前記SBPレスポンダとの間で、SBPセッションを確立するための第2の無線フレームを交換することによって前記SBPセッションを再確立することと、
を含む、方法。
【請求項20】
SBP(Sensing by Proxy)レスポンダ(20)によって実行される方法であって、
SBPイニシエータ(10a)との間で、SBPセッションを確立するための第1の無線フレームを交換することによってSBPセッションを確立することと、
前記SBPセッションが切断した場合、前記SBPイニシエータとの間で、SBPセッションを確立するための第2の無線フレームを交換することによって前記SBPセッションを再確立することと、
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信装置及び無線通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
無線LAN(WLAN:Wireless Local area network)規格についてのIEEE802.11ワーキングループ内で、IEEE802.11bfについての新たなタスクグループが確立された。IEEE802.11bfは、WLANセンシングに関する標準規格を策定している。
【0003】
WLANセンシングは、WLANによる通信を行う装置のアンテナ間での信号の伝搬特性に基づいて、人間の存在及び位置などを推定する技術である。WLANセンシングは主に、アクセスポイント(AP)及びステーション(STA)を含む無線通信システムによって実装される。
【0004】
WLANセンシングについて、いくつかの方式が規定されている。その方式の1つとして、センシングバイプロキシ(SBP:Sensing by Proxy)手順が規定されている。WLANセンシングでは、センシングを開始するセンシングイニシエータ(Sensing Initiator)、及びセンシングイニシエータからの要求に応答するセンシングレスポンダ(Sensing Responder)等、WLANセンシングを実行するための役割が規定されている。SBP手順では、或るSTAがSBPイニシエータ(SBP Initiator)としての役割を果たし、APがSBPレスポンダ(SBP Responder)としての役割を果たす。
【0005】
SBP手順では、SBPイニシエータとしてのSTAと、SBPレスポンダとしてのAPとの間でSBPセッションが確立される。SBPセッションが確立されると、APは、センシングイニシエータとして、センシングレスポンダとしてのその他のSTAとの間でセンシング手順を実行し、最終的に、SBPイニシエータとしてのSTAにSBP報告を送信する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】Rui Du, Member, IEEE, Hailiang Xie, Graduate Student Member, IEEE, Mengshi Hu, Narengerile, Yan Xin, Stephen McCann, Senior Member, IEEE, Michael Montemurro, Tony Xiao Han, Senior Member, IEEE, and Jie Xu, Senior Member, IEEE, ‘An Overview on IEEE 802.11bf: WLAN Sensing’, [online], 令和4年7月11日,[令和5年3月20日検索]、インターネット<URL:https://arxiv.org/pdf/2207.04859>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
SBPセッションが確立された後、SBPイニシエータがSBP報告を受信するまでに、例えば、SBPイニシエータとSBPレスポンダとの間の通信に障害が発生した場合、SBPセッションが切断することになる。このような状態で、SBPイニシエータは、SBP報告を受信することができない。現在のIEEE802.11bfでは、SBPセッションが切断した後にSBP手順を再開するための規定が存在しない。
【0008】
本発明は、WLANセンシングを実行するためのSBP手順において、SBPセッションが切断した後に、SBP手順を再開する技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明は、SBP(Sensing by Proxy)イニシエータ(10a)を提供し、前記SBPイニシエータは、制御部(110)及び通信部(120)を含み、前記制御部及び前記通信部は、SBPレスポンダ(20)との間で、SBPセッションを確立するための第1の無線フレームを交換することによってSBPセッションを確立するように構成され、前記SBPセッションが切断した場合、前記制御部及び前記通信部は、前記SBPレスポンダとの間で、SBPセッションを確立するための第2の無線フレームを交換することによって前記SBPセッションを再確立するように構成されている。
【0010】
また、本発明は、SBP(Sensing by Proxy)レスポンダ(20)を提供し、前記SBPレスポンダは、制御部(210)及び通信部(220)を含み、前記制御部及び前記通信部は、SBPイニシエータ(10a)との間で、SBPセッションを確立するための第1の無線フレームを交換することによってSBPセッションを確立するように構成され、前記SBPセッションが切断した場合、前記制御部及び前記通信部は、前記SBPイニシエータとの間で、SBPセッションを確立するための第2の無線フレームを交換することによって前記SBPセッションを再確立するように構成されている。
【0011】
以上の構成によれば、SBPセッションが切断した後に、SBPイニシエータとSBPレスポンダとの間でSBP手順を再開することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】無線通信システムの構成の例を示すブロック図である。
【
図2】無線通信システムの別の構成の例を示すブロック図である。
【
図3】無線通信システムの更なる別の構成の例を示すブロック図である。
【
図4】STAのハードウェア構成の例を示すブロック図である。
【
図5】STAの機能構成の例を示すブロック図である。
【
図6】APのハードウェア構成の例を示すブロック図である。
【
図7】APの機能構成の例を示すブロック図である。
【
図8】従来技術に従ったSBP手順を示す図である。
【
図9】従来技術に従ったセンシング手順を示す図である。
【
図10】第1実施形態に係るSBPセッションを再確立する処理の例を示す図である。
【
図11】第1実施形態に係るSBPセッションを再確立する処理の別の例を示す図である。
【
図12】第2実施形態に係るSBPセッションを再確立する処理の例を示す図である。
【
図13】第2実施形態に係るSBPセッションを再確立する処理の別の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付の図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、同様に説明されることが可能な要素については、同一の符号を付することにより重複した説明が省略され得る。
【0014】
以下に説明される各実施形態は、本発明を実現可能な構成の一例に過ぎない。以下の各実施形態は、本発明が適用される装置の構成や各種の条件に応じて適宜に修正または変更することが可能である。以下の各実施形態に含まれる要素の組合せの全てが本発明を実現するのに必須であるとは限られず、要素の一部を適宜に省略することが可能である。したがって、本発明の範囲は、以下の各実施形態に記載される構成によって限定されるものではない。相互に矛盾のない限りにおいて、以下の実施形態内に記載された複数の構成を組み合わせた構成も採用可能である。
【0015】
以下で説明する実施形態では、SBPイニシエータ及びSBPレスポンダは、SBPセッションを確立する。SBPセッションは、SBPイニシエータとSBPレスポンダとの間で、SBPセッションを確立するための第1の無線フレームを交換することによって確立される。その後、上記SBPセッションが切断した場合、SBPイニシエータ及びSBPレスポンダは、SBPセッションを再度確立する。SBPセッションは、SBPイニシエータとSBPレスポンダとの間で、SBPセッションを確立するための第2の無線フレームを交換することによって確立される。このようにして、SBPセッションが切断した場合に、SBPイニシエータ及びSBPレスポンダは、SBP手順を再開する。
【0016】
1.無線通信システム
図1に示すように、本実施形態に係る無線通信システムSは、2以上のステーション(STA)10a、10b、及び10nと、少なくとも1つのアクセスポイント(AP)20と、を含む。無線通信システムSは、IEEE802.11bfに従って、SBP手順を採用したWLANセンシング手順を実行するように構成される。以下、STA10a、10b、及び10nの間で区別しないときは、STA10と総称される。STA10及びAP20は共に、無線通信装置または「ノード」と称されてもよい。
【0017】
STA10は、IEEE802.11規格に従って、AP20と無線通信する無線通信装置である。STA10のうちの任意のSTA10は、WLANセンシング手順を実行するためのSBP手順を開始することをAP20に要求する。以下、SPB手順を開始することを要求する無線通信装置またはノードは、「SBPイニシエータ」、「SBPイニシエータノード」、または「SBPイニシエータとして機能する無線通信装置」と称される。本実施形態では、STA10aがSBPイニシエータの役割を果たすものとする。
【0018】
STA10のうちの任意のSTA10は、WLANセンシング手順を実行することの要求に応答して、AP20との間で、WLANセンシング手順を実行する。以下、WLANセンシングを実行することの要求に応答してWLANセンシングを実行する無線通信装置またはノードは、「センシングレスポンダ」、「センシングレスポンダノード」、または「センシングレスポンダとして機能する無線通信装置」と称される。本実施形態ではSTA10b及びSTA10nがセンシングレスポンダの役割を果たすものとする。
【0019】
AP20は、自身の電波到達範囲内にあるSTA10と無線通信する無線通信装置である。AP20は、STA10をネットワークに接続するための基地局機能を有する。一般的に、STA10がAP20の役割をも果たす場合もあり、AP20がSTA10の役割を果たす場合もあるが、本実施形態では、基地局機能を有さない無線通信装置またはノードがSTAと称され、基地局機能を有する無線通信装置またはノードがAPと称されるものとする。
【0020】
なお、IEEE802.11規格では、AP20及びSTA10を含むネットワーク構成は、インフラストラクチャモードと称される。インフラストラクチャモードでは、AP及びAP20と通信するSTA10から構成されるネットワーク構成は、基本サービスセット(BSS:Basic Service Set)と称される。AP20は、他のBSSに属する他のAP20と通信することもある。
【0021】
AP20は、SBPイニシエータからの要求に応答して、SBPイニシエータとの間でSBPセッションを確立する。SBPセッションは、SBPイニシエータとの間で無線フレームを交換することによって確立される。以下、SBPイニシエータからの要求に応答して、SBPイニシエータとの間でSBPセッションを確立する無線通信装置またはノードは、「SBPレスポンダ」、「SBPレスポンダノード」、または「SBPレスポンダとして機能する無線通信装置」と称される。本実施形態では、AP20がSBPレスポンダの役割を果たすものとする。
【0022】
また、AP20は、SBPイニシエータからの要求に応答して、センシングレスポンダにWLANセンシング手順を実行することを要求する。以下、センシングレスポンダにWLANセンシング手順を実行することを要求する無線通信装置またはノードは、「センシングイニシエータ」、「センシングイニシエータノード」、または「センシングイニシエータとして機能する無線通信装置」と称される。本実施形態では、AP20がSBPレスポンダと共にセンシングイニシエータの役割をも果たすものとする。
【0023】
上述したように、本実施形態に係る無線通信システムSは、インフラストラクチャモードのネットワーク構成を採用するが、このような構成に限定されない。例えば、無線通信システムSは、
図2に示すように、AP20を含まず、STA10のみから構成されるネットワーク構成を採用してもよい。IEEE802.11規格では、STA10のみを含むネットワーク構成は、アドホックモードと称される。インフラストラクチャモードでは、STA10のみから構成されるネットワーク構成は、独立BSS(IBSS:Independent Basic Service Set)と称される。
【0024】
無線通信システムSがアドホックモードのネットワーク構成を採用する場合、例えば、
図2に示すSTA10aが、SBPイニシエータとしての役割を果たしてもよい。また、STA10bが、SBPレスポンダ及びセンシングイニシエータとしての役割を果たしてもよい。更に、STA10c及び10nが、センシングレスポンダとしての役割を果たしてもよい。
【0025】
上記に加え、例えば、無線通信システムSは、
図3に示すように、STA10を含まず、AP20のみから構成されるネットワーク構成を採用してもよい。IEEE802.11規格では、AP20のみを含むネットワーク構成は、無線ディストリビュションシステム(WDS:Wireless Distribution System)と称される。
【0026】
無線通信システムSがWDSのネットワーク構成を採用する場合、例えば、
図3に示すAP20aが、SBPイニシエータとしての役割を果たしてもよい。また、AP20bが、SBPレスポンダ及びセンシングイニシエータとしての役割を果たしてもよい。更に、AP20b及び20nが、センシングレスポンダとしての役割を果たしてもよい。なお、AP20bは、STA10及びAP20の両方の機能を有してもよい。
【0027】
上記説明では、SBPイニシエータは、センシングレスポンダとは別個のノードであるが、必ずしもそのような構成でなくてもよい。SBPイニシエータは、センシングレスポンダと同一のノードであってもよい。この場合、
図1に示すSTA10aがSBPイニシエータ及びセンシングレスポンダの両方の機能を果たす場合、SBPレスポンダとしてのAP20にSBPセッションを開始することを要求し、センシングイニシエータとしてのAP20からの要求に応答して、AP20とセンシング手順を実行する。
【0028】
次に、
図4及び
図5を参照して、STA10の構成について説明する。
図4に示すように、STA10は、ハードウェア要素として、プロセッサ101、メモリ102、入出力インタフェース103、送受信機104、及びアンテナ105を含む。STA10に設けられる以上の要素は内部バスによって相互に接続される。なお、STA10は、
図4に示された要素以外のハードウェア要素を有してもよい。
【0029】
プロセッサ101は、STA10の種々の機能を実装する演算素子である。プロセッサ101は、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、及びメモリコントローラ等の要素を含むSoC(System-on-a-Chip)であってよい。
【0030】
メモリ102は、RAM(Random Access Memory)及びeMMC(embedded Multi Media Card)等の記憶媒体を含む。メモリ102は、STA10における種々の処理を実行するために使用されるプログラム及びデータを一時的または永続的に記憶する要素である。上記プログラムは、STA10の動作のための1つ以上の命令を含む。プロセッサ101は、メモリ102に記憶されたプログラムをメモリ102及び/または不図示のシステムメモリに展開して実行することによって、STA10の機能を実装する。
【0031】
入出力インタフェース103は、STA10への操作を受け付けてプロセッサ101に供給すると共に、種々の情報をユーザに提示するインタフェースである。入出力インタフェース103は、例えば、タッチパネルを含んでもよい。
【0032】
送受信機104は、不図示の送信機及び受信機を含み、無線通信を実装するための種々の信号処理を実行する回路であり、ベースバンドプロセッサ及びRF回路を含む。送受信機104は、アンテナ105を介してAP20との間で無線信号を交換する。
【0033】
図5に示すように、STA10は、機能ブロックとして、制御部110及び通信部120を有する。通信部120は、送信部121及び受信部122を含む。
【0034】
制御部110は、プロセッサ101及びメモリ102を含む。言い換えると、制御部110は、プロセッサ101及びメモリ102によって実装される。制御部110は、STA10における各種の制御処理を実行する。例えば、制御部110は、通信部120を介したAP20との無線通信を制御する。制御部110が動作することによって、本実施形態のSTA10の種々の処理が実行される。
【0035】
通信部120は、送受信機104及びアンテナ105を含む。言い換えると、通信部120は、送受信機104及びアンテナ105によって実装される。通信部120は、AP20との間で無線信号を交換することによって、AP20と無線通信する。
【0036】
次に、
図6及び
図7を参照して、AP20の構成について説明する。
図6に示すように、AP20は、ハードウェア要素として、プロセッサ201、メモリ202、ネットワーク送受信機203、無線送受信機204、及びアンテナ205とを有する。AP20に設けられる以上の要素は内部バスによって相互に接続される。なお、AP20は、
図6に示された要素以外のハードウェア要素を有してもよい。
【0037】
プロセッサ201は、AP20の種々の機能を実装する演算素子である。プロセッサ201は、CPUであってもよく、更にGPU等の他のプロセッサを含んでもよい。
【0038】
メモリ202は、ROM(Read Only Memory)、RAM、HDD(Hard Disk Drive)、及びSSD(Solid State Drive)等の記憶媒体を含む。メモリ202は、AP20における種々の処理を実行するために使用されるプログラム及びデータを一時的または永続的に記憶する要素である。上記プログラムは、AP20の動作のための1つ以上の命令を含む。プロセッサ201は、メモリ202に記憶されたプログラムをメモリ202及び/または不図示のシステムメモリに展開して実行することによって、AP20の機能を実装する。
【0039】
ネットワーク送受信機203は、他のAP20との間で信号を交換する。他のAP20は、例えば、自身の電波到達範囲外にあるAP20、つまり、他のBSSに属するAP20である。
【0040】
無線送受信機204は、不図示の送信機及び受信機を含み、無線通信を実装するための種々の信号処理を実行する回路であり、ベースバンドプロセッサ及びRF回路を含む。無線送受信機204は、アンテナ205を介してSTA10との間で無線信号を交換する。
【0041】
図7に示すように、AP20は、機能ブロックとして、制御部210、通信部220、及びネットワーク通信部230とを有する。通信部220は、送信部221及び受信部222を含む。
【0042】
制御部210は、プロセッサ201及びメモリ202を含む。言い換えると、制御部210は、プロセッサ201及びメモリ202によって実装される。制御部210は、AP20における各種の制御処理を実行する。例えば、制御部210は、通信部220を介したSTA10との無線通信を制御する。また、例えば、制御部210は、ネットワーク通信部230を介した他ノード(例えば、他のAP20等のノード)との通信を制御する。制御部210が動作することによって、本実施形態のAP20の種々の処理が実行される。
【0043】
通信部220は、無線送受信機204及びアンテナ205を含む。言い換えると、通信部220は、無線送受信機204及びアンテナ205によって実装される。通信部220は、STA10との間で無線信号を交換することによって、STA10と無線通信する。
【0044】
ネットワーク通信部230は、ネットワーク送受信機203を含む。言い換えると、ネットワーク通信部230は、ネットワーク送受信機203によって実装される。ネットワーク送受信機203は、ネットワーク(ひいては、上述した他のノード)との間で信号を交換する。
【0045】
2.SBP手順
次に、
図8を参照して、従来技術に従ったSBP手順を説明する。IEEE802.11bfは、WLANセンシング手順の別の方式として、トリガベース(TB:Trigger based)センシング測定インスタンス(TB Sensing measurement instance)を規定している。TBセンシング測定インスタンスでは、センシングイニシエータからの要求が、センシング手順を開始することのトリガになる。つまり、センシングイニシエータからの要求に応答して、センシングイニシエータとセンシングレスポンダとの間でセンシング手順が実行される。
【0046】
SBP手順では、SBPレスポンダは、センシングイニシエータとしての役割をも果たし、SBPイニシエータがセンシングイニシエータを代理して、SBPレスポンダにセンシング手順を開始することを要求する。SBPイニシエータからの要求に応答して、SBPイニシエータとSBPレスポンダとの間でSBPセッションが確立される。SBPセッションが確立されると、センシングイニシエータからの要求に応答して、センシングイニシエータとセンシングレスポンダとの間で、TBセンシング測定インスタンスによるセンシング手順が実行される。
【0047】
図8の説明では、
図1で説明したSTA10aがSBPイニシエータとしての役割を果たすものとする。また、
図1で説明したAP20がSBPレスポンダ及びセンシングイニシエータとしての役割を果たすものとする。更に、
図1で説明したSTA10bがセンシングレスポンダとしての役割を果たすものとする。なお、1つのセンシングイニシエータに対して複数のセンシングレスポンダが存在してもよく、この場合、センシングイニシエータは、各々のセンシングレスポンダとセンシング手順を実行する。
【0048】
SBP手順は、STA10a、STA10b、及びAP20の間で無線フレームを交換することによって実行される。無線フレームは、無線信号と称されてもよい。無線フレームは、メディアアクセス制御(MAC:Media Access Control)レイヤ上で交換されるMACフレームを含む。MACフレームは、IEEE802.11規格において規定されている。
【0049】
IEEE802.11規格は、3つのタイプの無線フレーム:管理フレーム、制御フレーム、及びデータフレームを規定している。管理フレームは、SBP手順で使用される認証及びアソシエーション等を実行するために使用される。制御フレームは、確認応答(ACK)フレーム等を送信するために使用される。データフレームは、ユーザデータを送信するために使用される。
【0050】
SBP手順では、管理フレームが使用される。管理フレームは、フレーム制御フィールド、宛先アドレス、送信元アドレス、及びBSSID等のフィールドを含む。フレーム制御フィールドは、タイプフィールド及びサブタイプフィールドを含む。タイプフィールドは、上述した管理フレーム、制御フレーム、及びデータフレームのいずれかを示す値が設定される。サブタイプフィールドは、後述する認証フレーム及びアソシエーション要求フレーム等、無線フレームのサブタイプを示す値が設定される。
【0051】
宛先アドレスには、無線フレームの送信先となるノードを識別する識別子、つまり、デバイスIDが設定される。デバイスIDは、MACアドレスを含む。送信元アドレスには、無線フレームの送信元となるノードを識別する識別子、つまり、デバイスIDが設定される。デバイスIDは、MACアドレスを含む。BSSIDには、BSSを識別するIDが設定され、通常は、対象のBSSに属するAP20のMACアドレスが設定される。
【0052】
ステップS801では、SBPイニシエータにおける制御部110がSBP要求(SBP Request)フレームを生成し、通信部120の送信部121が、SBPレスポンダにSBP要求フレームを送信する。SBP要求フレームは、上述したタイプフィールドに管理フレームを示す値を設定し、サブタイプフィールドにSBP要求フレームを示す値を設定することによって生成される。SBP要求フレームは、SBP要求信号と称されてもよい。
【0053】
次に、SBPレスポンダにおける制御部210がSBP応答(SBP Response)フレームを生成し、通信部220の送信部221が、SBPイニシエータにSBP応答フレームを送信する(ステップS802)。SBP応答フレームは、上述したタイプフィールドに管理フレームを示す値を設定し、サブタイプフィールドにSBP応答フレームを示す値を設定することによって生成される。SBP応答フレームは、SBP応答信号と称されてもよい。
【0054】
次に、SBPイニシエータにおける制御部110が認証(Authentication)フレームを生成し、送信部121が、SBPレスポンダに認証フレームを送信する(ステップS803)。認証フレームは、上述したタイプフィールドに管理フレームを示す値を設定し、サブタイプフィールドに認証フレームを示す値を設定することによって生成される。認証フレームは、認証信号と称されてもよい。SBPレスポンダも同様に、上述したように認証フレームをSBPイニシエータに送信する(ステップS804)。ステップS803及びステップS804の処理によって双方の認証が実行される。
【0055】
次に、SBPイニシエータにおける制御部110がアソシエーション要求(Association Request)フレームを生成し、送信部121が、SBPレスポンダにアソシエーション要求フレームを送信する(ステップS805)。アソシエーション要求フレームは、上述したタイプフィールドに管理フレームを示す値を設定し、サブタイプフィールドにアソシエーション要求フレームを示す値を設定することによって生成される。アソシエーション要求フレームは、アソシエーション要求信号と称されてもよい。
【0056】
次に、SBPレスポンダにおける制御部210がアソシエーション応答(Association Response)フレームを生成し、送信部221が、SBPイニシエータにアソシエーション応答フレームを送信する(ステップS806)。アソシエーション応答フレームは、上述したタイプフィールドに管理フレームを示す値を設定し、サブタイプフィールドにアソシエーション応答フレームを示す値を設定することによって生成される。アソシエーション応答フレームは、アソシエーション応答信号と称されてもよい。ステップS805及びステップS806の処理によってアソシエーションが確立される。アソシエーションが確立されると、アソシエーションを識別するAID(Association ID)が割り当てられる。アソシエーション応答フレームには、AIDが設定される。
【0057】
ステップS801乃至ステップS806の処理によって、SBPイニシエータとSBPレスポンダとの間でSBPセッションが確立される。このような状態で、センシングイニシエータとセンシングレスポンダとの間でセンシング手順が実行される(ステップS807)。
【0058】
上述したアソシエーション要求フレーム等、ステップS801乃至ステップS806の処理においてSBPイニシエータとSBPレスポンダとの間で交換される無線フレームは、SBPセッションを確立するための無線フレームである。よって、ステップS801乃至ステップS806の処理においてSBPイニシエータとSBPレスポンダとの間で交換される無線フレームは、「SBPセッションを確立するための第1の無線フレーム」と称される。
【0059】
次に、
図9を参照して、センシング手順の詳細を説明する。SBP手順を採用したセンシング手順では、TBセンシング測定インスタンスによるセンシング手順が実行される。ステップS901では、センシングイニシエータにおける制御部210がセンシングポーリングトリガフレーム(Sensing Polling Trigger)フレームを生成し、送信部221が、センシングレスポンダにセンシングポーリングトリガフレームを送信する。センシングポーリングトリガフレームは、上述したタイプフィールドに管理フレームを示す値を設定し、サブタイプフィールドにセンシングポーリングトリガフレームを示す値を設定することによって生成される。センシングポーリングトリガフレームは、センシングポーリングトリガ信号と称されてもよい。
【0060】
センシングポーリングトリガフレームは、TBセンシング測定インスタンスへの参加の可否をSTA10、つまり、センシングレスポンダに問い合わせるための無線フレームである。ステップS901の処理は、ポーリングフェーズ(Polling phase)と称される。参加可能なセンシングレスポンダは、センシングポーリングトリガフレームに対して応答することによってTBセンシング測定インスタンスに参加する。
【0061】
次に、センシングイニシエータにおける制御部210がNDPA(NDP:Null Data Packet Announcement)フレームを生成し、送信部221が、センシングレスポンダにNDPAフレームを送信する(ステップS902)。NDPAフレームは、上述したタイプフィールドに管理フレームを示す値を設定し、サブタイプフィールドにNDPAフレームを示す値を設定することによって生成される。NDPAフレームは、NDPA信号と称されてもよい。NPDAフレームは、測定用フレームまたは測定用信号と称されてもよい。
【0062】
NDPAフレームは、センシングレスポンダに測定を実行させるための無線フレームである。ステップS902の処理は、NDAPサウンディングフェーズ(NDAP sounding phase)と称される。センシングレスポンダは、NDPAフレームを受信すると、チャネル状態情報(CSI:Channel State Information)を測定する。NDAPサウンディングフェーズでは、AP20、つまり、センシングイニシエータがセンシング送信側(Sensing Transmitter)となり、STA10b、つまり、センシングレスポンダがセンシング受信側(Sensing Receiver)となる。
【0063】
次に、センシングイニシエータにおける制御部210がセンシングサウンディングトリガ(Sensing Sounding Trigger)フレームを生成し、送信部221が、センシングレスポンダにセンシングサウンディングトリガフレームを送信する(ステップS903)。センシングサウンディングトリガフレームは、上述したタイプフィールドに管理フレームを示す値を設定し、サブタイプフィールドにセンシングサウンディングトリガフレームを示す値を設定することによって生成される。センシングサウンディングトリガフレームは、センシングサウンディングトリガ信号と称されてもよい。
【0064】
次に、センシングレスポンダにおける制御部110がNDPAフレームを生成し、送信部121が、センシングイニシエータにNDPAフレームを送信する(ステップS904)。NDPAフレームは、上述したタイプフィールドに管理フレームを示す値を設定し、サブタイプフィールドにNDPAフレームを示す値を設定することによって生成される。
【0065】
センシングサウンディングトリガフレームは、センシングイニシエータがセンシングレスポンダに、NDAPフレームの送信を要求するための無線フレームである。ステップS903及びステップS904の処理は、センシングイニシエータが測定を実行する処理であり、トリガフレーム(TF:Trigger Frame)サウンディングフェーズ(TF sounding phase)と称される。センシングレスポンダは、センシングサウンディングトリガフレームを受信すると、センシングイニシエータにNDAPフレームを送信する。センシングイニシエータは、NDPAフレームを受信すると、CSIを測定する。TFサウンディングフェーズでは、STA10b、つまり、センシングレスポンダがセンシング送信側(Sensing Transmitter)となり、AP20、つまり、センシングイニシエータがセンシング受信側(Sensing Receiver)となる。
【0066】
次に、センシングレスポンダにおける制御部110が報告(Report)フレームを生成し、送信部121が、センシングイニシエータに報告フレームを送信する(ステップS905)。報告フレームは、上述したタイプフィールドに管理フレームを示す値を設定し、サブタイプフィールドに報告フレームを示す値を設定することによって生成される。また、報告フレームは、CSIの測定結果を示す測定報告情報を含む。
【0067】
ステップS905の処理は、センシングレスポンダがCSI測定の結果を報告する処理であり、報告フェーズ(Reporting phase)と称される。センシングレスポンダは、CSIを測定すると、センシングイニシエータに報告フレームを送信する。報告フェーズでは、AP20、つまり、センシングイニシエータがセンシング送信側(Sensing Transmitter)となり、STA10b、つまり、センシングレスポンダがセンシング受信側(Sensing Receiver)となる。
【0068】
TBセンシング測定インスタンスによるセンシング手順では、
図9に示した処理は例示にすぎず、NPDAサウンディングフェーズ及びTFサウンディングフェーズのいずれかは実行されなくてもよい。例えば、TFサウンディングフェーズが実行されない場合、STA10b、つまり、センシングレスポンダのみがCSIを測定する。例えば、TBセンシング測定インスタンスによるセンシング手順では、表1に示す各フェーズが表1に示す順序で実行されてもよい。
【表1】
【0069】
上述したセンシング手順では、異なる動作属性による測定セットアップを識別するための測定セットアップID(Measurement Setup ID)及び測定インスタンスを識別するための測定インスタンスID(Measurement Instance ID)が割り当てられる。
【0070】
図8の説明に戻り、センシング手順が実行されると、SBPレスポンダにおける制御部210がSBP報告(SBP Report)フレームを生成し、送信部221が、SBPイニシエータにSBP報告フレームを送信する(ステップS808)。SBP報告フレームは、上述したタイプフィールドに管理フレームを示す値を設定し、サブタイプフィールドにSBP報告フレームを示す値を設定することによって生成される。また、SBP報告フレームは、CSIの測定結果を示す測定報告情報を含む。測定報告情報は、センシングレスポンダからの測定結果を含み、TFサウンディングフェーズが実行された場合、センシングイニシエータからの測定結果を含む。SBP報告フレームは、SBP報告信号と称されてもよい。
【0071】
ステップS801の処理が開始すると、SBPイニシエータ及びSBPレスポンダの双方がタイマの計測を開始する。タイマが満了するまでにステップS808の処理が終了しない場合、つまり、SBPイニシエータがSBP報告フレームを受信することができない場合、SBP手順がエラーになる。
【0072】
3.第1実施形態
次に、第1実施形態を説明する。上述したように、SBPセッションが確立された後、SBPイニシエータがSBP報告フレームを受信するまでに、SBPセッションが切断した場合、SBPイニシエータは、SBP報告フレームを受信することができない。現在のIEEE802.11bfでは、SBPセッションが切断した後にSBP手順を再開するための規定が存在しない。
【0073】
本実施形態では、SBPセッションが確立された後、SBPセッションが切断した場合、SBPイニシエータ及びSBPレスポンダが、SBPセッションを確立するための第2の無線フレームを交換することによって、SBPセッションを再確立または復旧する。以下、セッションを再確立することと、セッションを復旧することとは、交換可能に使用されてもよい。
【0074】
図8を参照してSBP手順を説明したが、本実施形態では、SBPイニシエータ及びSBPレスポンダは共に、
図8における各処理を実行する都度、その処理を実行したことを示す情報を履歴情報として記憶するものとする。例えば、SBPイニシエータがSBPレスポンダからアソシエーション応答フレームを受信すると、制御部110は、メモリ102または不図示の記憶装置に、アソシエーションが確立されたことを示すインジケーション及び/またはAIDを履歴情報として記憶する。同様に、SBPレスポンダがSBPイニシエータからSBP要求フレームを受信すると、制御部210は、メモリ202または不図示の記憶装置に、SBP要求フレームを受信したことを示すインジケーションを履歴情報として記憶する。
【0075】
上述したように、センシング手順を実行するときに、上述した測定セットアップID及び測定インスタンスIDが割り当てられる。本実施形態では、SBPイニシエータ及びSBPレスポンダは共に、測定セットアップID及び測定インスタンスIDを履歴情報として記憶するものとする。測定セットアップID及び測定インスタンスIDは、センシングイニシエータに対して割り当てられるが、本実施形態では、AP20がセンシングイニシエータと共に、SBPレスポンダとしての役割を果たす。よって、SBPレスポンダは、測定セットアップID及び測定インスタンスIDが割り当てられると、それらのIDをSBPイニシエータに通知してもよい。
【0076】
また、本実施形態では、センシングイニシエータ及びセンシングレスポンダは共に、
図9における各処理を実行する都度、その処理を実行したことを示す情報を履歴情報として記憶するものとする。例えば、センシングイニシエータがセンシングレスポンダから報告フレームを受信すると、制御部210は、メモリ202または不図示の記憶装置に、報告フレームを受信したことを示すインジケーション及び/または報告フレームに含まれる測定報告情報を履歴情報として記憶する。同様に、センシングレスポンダがセンシングイニシエータからセンシングサウンディングトリガフレームを受信すると、制御部110は、メモリ102または不図示の記憶装置に、センシングサウンディングトリガフレームを受信したことを示すインジケーションを履歴情報として記憶する。
【0077】
3.1.SBPイニシエータトリガベース手順
図10を参照して、SBPセッションが確立された後、SBPセッションが切断した場合、SBPイニシエータトリガベース(SBP Initiator Trigger based)のSBPセッションを再確立する処理を説明する。
図10の説明では、SBPセッションが確立した後、SBPセッションが切断したものとする。このような状態で、SBPイニシエータからのトリガにより、SBPイニシエータ及びSBPレスポンダは、SBPセッションを再確立する。
【0078】
SBPセッションの切断は、例えば、SBPイニシエータまたはSBPレスポンダのいずれかが物理レイヤ上でビーコン信号を検知することができずにセッションが切断するケースを含む。上述したタイマは、MACレイヤ上で機能するので、このようなケースでは、タイマが満了せずにSBPイニシエータがセッションの切断を認識することがある。また、SBPセッションの切断は、例えば、SBPイニシエータまたはSBPレスポンダのいずれかが無線フレームを受信することができずにタイマが満了してセッションが切断するケースを含む。更に、SBPセッションの切断は、例えば、SBPイニシエータまたはSBPレスポンダのいずれかがターミネーション(Termination)フレーム、認証解除(Deauthentication)フレーム、及びアソシエーション解除(Disassociation)フレームを送信することによってセッションが切断するケースを含む。ターミネーションフレーム、認証解除フレーム、及びアソシエーション解除フレームのいずれを受信したノードは、SBPセッションを切断または解放する。
【0079】
上述したいずれのケースでも、SBPイニシエータが、SBPセッションが切断したことを検知し、それに応答して、
図10に示す処理を開始する。
図10の説明では、
図1で説明したSTA10aがSBPイニシエータとしての役割を果たすものとする。また、
図1で説明したAP20がSBPレスポンダ及びセンシングイニシエータとしての役割を果たすものとする。更に、
図1で説明したSTA10bがセンシングレスポンダとしての役割を果たすものとする。
【0080】
ステップS1001では、SBPイニシエータにおける制御部110は、自身が本実施形態におけるSBP手順の再開処理をサポートするか否かを確認する。SBP手順の再開処理をサポートするか否かを示す情報は、SBPイニシエータの不図示の記憶装置に記憶されているものとする。ステップS1001の処理において、SBPイニシエータがSBP手順の再開処理をサポートしないと判定した場合、
図8に示した処理、つまり、従来技術におけるSBP手順を実行することによってSBP手順を再開する。
【0081】
ステップS1001では、SBP手順の再開処理をサポートするか否かを示す情報に基づいて、本実施形態に係るSBP手順を再開する処理を実行するか否かが決定される。つまり、SBP手順の再開処理をサポートするか否かを示す情報に基づいて、SBPイニシエータ及びSBPレスポンダが、SBPセッションを確立するための第2の無線フレームを交換するか否かが決定される。
【0082】
次に、制御部110は、履歴情報に基づいて、SBP手順の履歴の有無、つまり、SBPレスポンダとの間で第1の無線フレームを交換したか否かを確認する(ステップS1002)。上述したように、SBPイニシエータは、SBP手順の各処理を実行する都度、履歴情報を記憶している。ステップS1002の処理において、例えば、履歴情報が、アソシエーションが確立されたことを示すインジケーションを含む場合、SBPイニシエータが既にSBP手順を実行し、アソシエーションが確立されたことを意味する。ステップS1002の処理において、SBP手順が実行されていないと判定した場合、
図8に示した処理、つまり、従来技術におけるSBP手順を実行することによってSBP手順を再開する。
【0083】
ステップS1002では、履歴情報に基づいて、本実施形態に係るSBP手順を再開する処理を実行するか否かが決定される。つまり、履歴情報に基づいて、SBPイニシエータ及びSBPレスポンダが、SBPセッションを確立するための第2の無線フレームを交換するか否かが決定される。
【0084】
次に、制御部110は、タイマを再設定する(ステップS1003)。この処理では、例えば、タイマが満了する前にSBPイニシエータがSBPセッションの切断を認識している場合、タイマは、満了時間を延長することによって再設定されてもよい。このケースでは、例えば、タイマの満了時間が30秒である場合、45秒に再設定される。代わりに、タイマは、計測値を初期値に設定することによって再設定されてもよい。つまり、タイマの計測を再度開始してもよい。
【0085】
ステップS1003の処理では、SBPイニシエータだけではなく、SBPレスポンダにおいてもタイマが再設定される。例えば、制御部110がタイマを再設定したことに応答して、送信部121は、SBPレスポンダに、タイマを再設定することを指示する無線フレーム、つまり、タイマ再設定フレームを送信してもよい。タイマの再設定においてタイマの満了時間を延長した場合、SBPレスポンダに延長した満了時間を示すために、タイマ再設定フレームに満了時間の値を設定してもよい。後続のアソシエーション要求フレームが、上述したタイマ再設定フレームの役割を果たしてもよい。
【0086】
また、ステップS1003の処理では、例えば、SBPセッションが切断する事象が所定期間内にn回発生した場合、通信環境が良好でないとして、タイマに設定する値を長くしてもよい。例えば、タイマの満了時間が30秒であり、タイマの計測を再度開始する場合、満了時間を45秒に再設定して、タイマの計測を開始してもよい。
【0087】
なお、
図10に示すタイマを再設定する処理を実行するタイミングは例示にすぎない。タイマは、SBPセッションが切断した後、SBPセッションを再確立する前の任意のタイミングで再設定されてもよい。
【0088】
次に、制御部110がアソシエーション要求フレームを生成し、送信部121が、SBPレスポンダにアソシエーション要求フレームを送信する(ステップS1004)。このときに送信されるアソシエーション要求フレームは、履歴(Historical)情報要素(IE:Information Element)を含む。履歴IEは、SBP手順を再開するために、SBP手順を実行した履歴、つまり、SBPレスポンダとの間で第1の無線フレームを交換した履歴を示す情報である。なお、履歴IEは、再開(Resume)IE、再確立(Reestablish)IE、またはリカバリ(Recovery)IEとも称されてもよい。
【0089】
履歴IEは、履歴情報として記憶されたAIDを含んでもよい。AIDを履歴IEとして使用することによって、SBPレスポンダに、対象のSBPイニシエータとの間でSBPセッションを確立したことを示すことができる。また、AIDの代わりにまたは加えて、履歴IEは、SBPセッションを確立したときの無線フレームに設定された宛先アドレス及び送信元アドレスを含んでもよい。つまり、履歴IEは、SBPセッションを確立したときのSBPイニシエータのデバイスID及びSBPレスポンダのデバイスIDを含んでもよい。デバイスIDは、MACアドレスを含む。これらのデバイスIDも、SBP手順を実行したときに履歴情報として記憶される。更に、AIDの代わりにまたは加えて、履歴IEは、履歴情報として記憶された測定セットアップID及び/または測定インスタンスIDを含んでもよい。測定セットアップID及び/または測定インスタンスIDを履歴IEとして使用することによって、SBPレスポンダに、対象のSBPイニシエータとの間でSBPセッションを確立したことを示すことができる。
【0090】
ステップS1004において送信されるアソシエーション要求フレームは、再アソシエーションを要求するための無線フレームであるので、
図8において説明したアソシエーション要求フレームとは異なるサブタイプの無線フレームであってもよい。この場合、上述したサブタイプフィールドに、例えば、再アソシエーション要求フレームを示す値が設定されてもよい。
【0091】
次に、SBPレスポンダにおける受信部222がアソシエーション要求フレームを受信すると、制御部210は、アソシエーション要求フレームに含まれる履歴IEに基づいて、SBP手順の履歴、つまり、対象のSBPイニシエータとSBPセッションを確立したか否かを確認する(ステップS1005)。上述したように、履歴IEは、既に確立したSBPセッションのAIDを含むので、AIDに基づいて、対象のSBPイニシエータとSBPセッションを確立したか否かを確認することができる。また、履歴IEは、SBP手順を実行したときの宛先アドレス及び送信先アドレスを含むので、それらのアドレスに基づいて、対象のSBPイニシエータとSBPセッションを確立したか否かを確認することができる。更に、履歴IEは、センシング手順を実行したときに割り当てられた測定セットアップID及び/または測定インスタンスIDを含むので、それらのIDに基づいて、対象のSBPイニシエータとSBPセッションを確立したか否かを確認することができる。
【0092】
次に、SBPレスポンダにおける制御部210がアソシエーション応答フレームを生成し、送信部221が、SBPイニシエータにアソシエーション応答フレームを送信する(ステップS1006)。このときに送信されるアソシエーション応答フレームは、履歴IEを含む。履歴IEは、SBP手順を再開するために、SBP手順を実行した履歴、つまり、SBPイニシエータとの間で第1の無線フレームを交換した履歴を示す情報である。なお、履歴IEは、再開IE、再確立IE、またはリカバリIEとも称されてもよい。
【0093】
履歴IEは、履歴情報として記憶されたAIDを含んでもよい。AIDを履歴IEとして使用することによって、SBPイニシエータに、対象のSBPレスポンダとの間でSBPセッションを確立したことを示すことができる。また、AIDの代わりにまたは加えて、履歴IEは、SBPセッションを確立したときの無線フレームに設定された宛先アドレス及び送信元アドレスを含んでもよい。つまり、履歴IEは、SBPセッションを確立したときのSBPイニシエータのデバイスID及びSBPレスポンダのデバイスIDを含んでもよい。デバイスIDは、MACアドレスを含む。これらのデバイスIDも、SBP手順を実行したときに履歴情報として記憶される。更に、AIDの代わりにまたは加えて、履歴IEは、履歴情報として記憶された測定セットアップID及び/または測定インスタンスIDを含んでもよい。測定セットアップID及び/または測定インスタンスIDを履歴IEとして使用することによって、SBPレスポンダに、対象のSBPイニシエータとの間でSBPセッションを確立したことを示すことができる。
【0094】
ステップS1006において送信されるアソシエーション応答フレームは、再アソシエーション要求に応答するための無線フレームであるので、
図8において説明したアソシエーション応答フレームとは異なるサブタイプの無線フレームであってもよい。この場合、上述したサブタイプフィールドに、例えば、再アソシエーション応答フレームを示す値が設定されてもよい。
【0095】
次に、SBPイニシエータにおける受信部122がアソシエーション応答フレームを受信すると、制御部110は、アソシエーション応答フレームに含まれる履歴IEに基づいて、SBP手順の履歴、つまり、対象のSBPレスポンダとSBPセッションを確立したか否かを確認する(ステップS1007)。上述したように、履歴IEは、既に確立したSBPセッションのAIDを含むので、AIDに基づいて、対象のSBPレスポンダとSBPセッションを確立したか否かを確認することができる。また、履歴IEは、SBP手順を実行したときの宛先アドレス及び送信先アドレスを含むので、それらのアドレスに基づいて、対象のSBPレスポンダとSBPセッションを確立したか否かを確認することができる。更に、履歴IEは、センシング手順を実行したときに割り当てられた測定セットアップID及び/または測定インスタンスIDを含むので、それらのIDに基づいて、対象のSBPレスポンダとSBPセッションを確立したか否かを確認することができる。
【0096】
ステップS1001乃至ステップS1007の処理によって、SBPセッションが再確立される。上述したアソシエーション要求フレーム及びアソシエーション応答フレーム、つまり、ステップS1004及びステップS1006の処理においてSBPイニシエータとSBPレスポンダとの間で交換される無線フレームは、SBPセッションを確立するための無線フレームである。よって、ステップS1004及びステップS1006の処理においてSBPイニシエータとSBPレスポンダとの間で交換される無線フレームは、「SBPセッションを確立するための第2の無線フレーム」と称される。
【0097】
その後は、センシングイニシエータとセンシングレスポンダとの間で、
図9を参照して説明したセンシング手順が実行される(ステップS1008)。このセンシング手順では、上述したポーリングフェーズなどが実行されるが、履歴情報に基づいて、既に実行されたフェーズを省略し、まだ実行していないフェーズからセンシング手順を再開してもよい。
【0098】
図9に示した順序でセンシング手順が実行されることを前提に、例えば、NDPAサウンディングフェーズが既に実行されていた場合、センシングイニシエータは、TFサウンディングフェーズからセンシング手順を再開してもよい。また、センシングイニシエータは、センシングレスポンダに、TFサウンディングフェーズからセンシング手順を再開することを指示してもよい。例えば、センシングイニシエータが有する履歴情報が、センシングイニシエータがセンシングレスポンダにNDPAフレームを送信したことを示すインジケーションを含む場合、NDPAサウンディングフェーズが既に実行されていることを意味する。
【0099】
また、センシング手順が既に実行され、センシングイニシエータが、センシングレスポンダから報告フレームを受信している場合、ステップS1008においてセンシング手順は省略されてもよい。この場合、センシングイニシエータにおける制御部210は、センシングレスポンダから受信した報告フレームに含まれる測定報告情報を履歴情報として記憶する。
【0100】
つまり、センシングイニシエータにおける制御部210は、履歴情報に基づいて、まだ実行していない処理からセンシング手順を再開することを指示する無線フレームを生成し、送信部221がセンシングレスポンダにその無線フレームを送信する。
【0101】
次に、SBPレスポンダにおける制御部210がSBP報告フレームを生成し、送信部221が、SBPイニシエータにSBP報告フレームを送信する(ステップS1009)。この処理によって、再開後のSBP手順が終了する。
【0102】
図10に示す処理によって、切断したSBPセッションを再確立することができる。また、AIDなどの履歴IEを使用することによって、SBPイニシエータ及びSBPレスポンダの双方が、SBPセッションを確立したときの相手となるノードを確認することができ、その結果、認証処理を省略することができる。
【0103】
3.2.SBPレスポンダトリガベース手順
図11を参照して、SBPセッションが確立された後、SBPセッションが切断した場合、SBPレスポンダトリガベース(SBP Responder Trigger based)のSBPセッションを再確立する処理を説明する。
図11の説明では、SBPセッションが確立した後、SBPセッションが切断したものとする。このような状態で、SBPレスポンダからのトリガにより、SBPイニシエータ及びSBPレスポンダは、SBPセッションを再確立する。
【0104】
SBPレスポンダトリガベース手順では、SBPレスポンダが、SBPセッションが切断したことを検知し、それに応答して、
図11に示す処理を開始する。
図11の説明でも、
図1で説明したSTA10aがSBPイニシエータとしての役割を果たすものとする。また、
図1で説明したAP20がSBPレスポンダ及びセンシングイニシエータとしての役割を果たすものとする。更に、
図1で説明したSTA10bがセンシングレスポンダとしての役割を果たすものとする。
【0105】
ステップS1101及びステップS1102の処理は、
図10に示したステップS1001及びステップS1002の処理と同様であるが、実行する主体が、AP20、つまり、SBPレスポンダになる。
【0106】
次に、SBPレスポンダにおける制御部210が、セッションを再確立することを要求する無線フレーム、つまり、セッション再確立要求(Session Reestablish Request)フレームを生成し、送信部221が、SBPイニシエータにセッション再確立要求フレームを送信する(ステップS1103)。セッション再確立要求フレームは、上述したタイプフィールドに管理フレームを示す値を設定し、サブタイプフィールドにセッション再確立要求フレームを示す値を設定定することによって生成される。セッション再確立要求フレームは、セッション再確立要求信号と称されてもよい。ステップS1103の処理は、SBPレスポンダがSBPイニシエータに、SBPセッションを再確立することを要求する処理である。
【0107】
次に、制御部210は、タイマを再設定する(ステップS1104)。この処理は、
図10に示したステップS1003の処理と同様である。また、SBPイニシエータにおける制御部110も、タイマを再設定する。例えば、制御部110は、セッション再確立要求フレームを受信したことに応答して、タイマを再設定してもよい。この場合、セッション再確立要求フレームは、上述したタイマ再設定フレームの役割を果たす。
【0108】
その後、ステップS1105乃至ステップS1110の処理が実行されるが、これらの処理は、
図10に示したステップS1004乃至ステップS1009の処理と同様であるので、その詳細な説明は省略する。
【0109】
ステップS1101乃至ステップS1108の処理によって、SBPセッションが再確立される。上述したセッション再確立要求フレーム等、ステップS1103、ステップS1105、及びステップS1107の処理においてSBPイニシエータとSBPレスポンダとの間で交換される無線フレームは、SBPセッションを確立するための無線フレームである。よって、これらの無線フレームも、「SBPセッションを確立するための第2の無線フレーム」と称される。
【0110】
以上のように第1実施形態に係る処理を説明した。本実施形態によれば、SBPイニシエータとSBPレスポンダとの間で確立したSBPセッションが切断した場合、そのSBPセッションを再確立することによってSBP手順を再開することができる。
【0111】
図10及び
図11に示した処理の順序は例示にすぎず、その一部の順序が変更されてもよい。また、
図10及び
図11に示した処理の全てが必須であるわけではなく、その一部の処理が省略されてもよい。更に、
図10及び
図11に示さない処理が実行されてもよく、例えば、アソシエーション要求フレームを送信する前に、認証が実行されてもよい。つまり、ステップS1004の処理が実行される前に、SBPイニシエータとSBPレスポンダとの間で認証フレームが交換されてもよい。
【0112】
4.第2実施形態
次に、第2実施形態を説明する。第1実施形態では、SBPセッションを再開するために、アソシエーション処理が実行されるが、第2実施形態では、アソシエーション処理が省略される。
【0113】
4.1.SBPイニシエータトリガベース手順
図12を参照して、SBPセッションが確立された後、SBPセッションが切断した場合、SBPイニシエータトリガベース(SBP Initiator Trigger based)のSBPセッションを再確立する処理を説明する。
図12の説明でも、
図1で説明したSTA10aがSBPイニシエータとしての役割を果たすものとする。また、
図1で説明したAP20がSBPレスポンダ及びセンシングイニシエータとしての役割を果たすものとする。更に、
図1で説明したSTA10bがセンシングレスポンダとしての役割を果たすものとする。
【0114】
図12に示す処理のうち、ステップS1201乃至ステップS1203、及びステップS1208乃至ステップS1209は、
図10におけるステップS1001乃至ステップS1003、及びステップS1008乃至ステップS1009と同様であるので、その詳細な説明は省略する。
【0115】
ステップS1204では、SBPイニシエータにおける制御部110が、セッションを再確立することを要求する無線フレーム、つまり、セッション再確立要求フレームを生成し、送信部121が、SBPレスポンダにセッション再確立要求フレームを送信する。セッション再確立要求フレームは、上述したタイプフィールドに管理フレームを示す値を設定し、サブタイプフィールドにセッション再確立要求フレームを示す値を設定することによって生成される。セッション再確立要求フレームは、セッション再確立要求信号と称されてもよい。セッション再確立要求フレームは、履歴IEを含む。履歴IEは、SBP手順を再開するために、SBP手順を実行した履歴、つまり、SBPレスポンダとの間で第1の無線フレームを交換した履歴を示す情報である。
【0116】
履歴IEは、履歴情報として記憶されたAIDを含んでもよい。AIDを履歴IEとして使用することによって、SBPレスポンダに、対象のSBPイニシエータとの間でSBPセッションを確立したことを示すことができる。また、AIDの代わりにまたは加えて、履歴IEは、SBPセッションを確立したときの無線フレームに設定された宛先アドレス及び送信元アドレスを含んでもよい。つまり、履歴IEは、SBPセッションを確立したときのSBPイニシエータのデバイスID及びSBPレスポンダのデバイスIDを含んでもよい。デバイスIDは、MACアドレスを含む。これらのデバイスIDも、SBP手順を実行したときに履歴情報として記憶される。更に、AIDの代わりにまたは加えて、履歴IEは、履歴情報として記憶された測定セットアップID及び/または測定インスタンスIDを含んでもよい。測定セットアップID及び/または測定インスタンスIDを履歴IEとして使用することによって、SBPレスポンダに、対象のSBPイニシエータとの間でSBPセッションを確立したことを示すことができる。
【0117】
次に、SBPレスポンダにおける受信部222がセッション再確立要求フレームを受信すると、制御部210は、セッション再確立要求フレームに含まれる履歴IEに基づいて、SBP手順の履歴、つまり、対象のSBPイニシエータとSBPセッションを確立したか否かを確認する(ステップS1205)。上述したように、履歴IEは、既に確立したSBPセッションのAIDを含むので、AIDに基づいて、対象のSBPイニシエータとSBPセッションを確立したか否かを確認することができる。また、履歴IEは、SBP手順を実行したときの宛先アドレス及び送信先アドレスを含むので、それらのアドレスに基づいて、対象のSBPイニシエータとSBPセッションを確立したか否かを確認することができる。更に、履歴IEは、センシング手順を実行したときに割り当てられた測定セットアップID及び/または測定インスタンスIDを含むので、それらのIDに基づいて、対象のSBPイニシエータとSBPセッションを確立したか否かを確認することができる。
【0118】
次に、SBPレスポンダにおける制御部210が、セッション再確立要求に応答する無線フレーム、つまり、セッション再確立応答(Session Reestablish Response)フレームを生成し、送信部221が、SBPイニシエータにセッション再確立応答フレームを送信する(ステップS1206)。このときに送信されるセッション再確立応答フレームは、履歴IEを含む。履歴IEは、SBP手順を再開するために、SBP手順を実行した履歴、つまり、SBPイニシエータとの間で第1の無線フレームを交換した履歴を示す情報である。
【0119】
履歴IEは、履歴情報として記憶されたAIDを含んでもよい。AIDを履歴IEとして使用することによって、SBPイニシエータに、対象のSBPレスポンダとの間でSBPセッションを確立したことを示すことができる。また、AIDの代わりにまたは加えて、履歴IEは、SBPセッションを確立したときの無線フレームに設定された宛先アドレス及び送信元アドレスを含んでもよい。つまり、履歴IEは、SBPセッションを確立したときのSBPイニシエータのデバイスID及びSBPレスポンダのデバイスIDを含んでもよい。デバイスIDは、MACアドレスを含む。これらのデバイスIDも、SBP手順を実行したときに履歴情報として記憶される。更に、AIDの代わりにまたは加えて、履歴IEは、履歴情報として記憶された測定セットアップID及び/または測定インスタンスIDを含んでもよい。測定セットアップID及び/または測定インスタンスIDを履歴IEとして使用することによって、SBPイニシエータに、対象のSBPレスポンダとの間でSBPセッションを確立したことを示すことができる。
【0120】
次に、SBPイニシエータにおける受信部122がセッション再確立応答フレームを受信すると、制御部110は、セッション再確立応答フレームに含まれる履歴IEに基づいて、SBP手順の履歴、つまり、対象のSBPレスポンダとSBPセッションを確立したか否かを確認する(ステップS1207)。上述したように、履歴IEは、既に確立したSBPセッションのAIDを含むので、AIDに基づいて、対象のSBPレスポンダとSBPセッションを確立したか否かを確認することができる。また、履歴IEは、SBP手順を実行したときの宛先アドレス及び送信先アドレスを含むので、それらのアドレスに基づいて、対象のSBPレスポンダとSBPセッションを確立したか否かを確認することができる。
【0121】
ステップS1201乃至ステップS1207の処理によって、切断したSBPセッションを再確立することができる。また、AIDなどの履歴IEを使用することによって、SBPイニシエータ及びSBPレスポンダの双方が、SBPセッションを確立したときの相手となるノードを確認することができ、その結果、アソシエーション処理を省略することができる。
【0122】
上述したセッション再確立要求フレーム及びセッション再確立応答フレーム、つまり、ステップS1204及びステップS1206の処理においてSBPイニシエータとSBPレスポンダとの間で交換される無線フレームは、SBPセッションを確立するための無線フレームである。よって、ステップS1204及びステップS1206の処理においてSBPイニシエータとSBPレスポンダとの間で交換される無線フレームも、「SBPセッションを確立するための第2の無線フレーム」と称される。
【0123】
4.2.SBPレスポンダトリガベース手順
図13を参照して、SBPセッションが確立された後、SBPセッションが切断した場合、SBPレスポンダトリガベース(SBP Responder Trigger based)のSBPセッションを再確立する処理を説明する。
図13の説明では、SBPセッションが確立した後、SBPセッションが切断したものとする。このような状態で、SBPレスポンダからのトリガにより、SBPイニシエータ及びSBPレスポンダは、SBPセッションを再確立する。
【0124】
SBPレスポンダトリガベース手順では、SBPレスポンダが、SBPセッションが切断したことを検知し、それに応答して、
図13に示す処理を開始する。
図13の説明でも、
図1で説明したSTA10aがSBPイニシエータとしての役割を果たすものとする。また、
図1で説明したAP20がSBPレスポンダ及びセンシングイニシエータとしての役割を果たすものとする。更に、
図1で説明したSTA10bがセンシングレスポンダとしての役割を果たすものとする。
【0125】
図13に示す処理のうち、ステップS1301乃至ステップS1303、及びステップS1308乃至ステップS1309は、
図11におけるステップS1101、ステップS1102、ステップS1104、及びステップS1108乃至ステップS1109と同様であるので、その詳細な説明は省略する。
【0126】
ステップS1304では、SBPレスポンダにおける制御部210が、セッション再確立要求フレームを生成し、送信部221が、SBPイニシエータにセッション再確立要求フレームを送信する。セッション再確立要求フレームは、
図12において説明したセッション再確立要求フレームと同様であり、同様の情報を示す履歴IEを含む。
【0127】
次に、SBPイニシエータにおける受信部122がセッション再確立要求フレームを受信すると、制御部110は、セッション再確立要求フレームに含まれる履歴IEに基づいて、SBP手順の履歴、つまり、対象のSBPレスポンダとSBPセッションを確立したか否かを確認する(ステップS1305)。
【0128】
次に、SBPイニシエータにおける制御部110が、セッション再確立応答フレームを生成し、送信部121が、SBPレスポンダにセッション再確立応答フレームを送信する(ステップS1306)。セッション再確立応答フレームは、
図12において説明したセッション再確立応答フレームと同様であり、同様の情報を示す履歴IEを含む。
【0129】
次に、SBPレスポンダにおける受信部222がセッション再確立応答フレームを受信すると、制御部210は、セッション再確立応答フレームに含まれる履歴IEに基づいて、SBP手順の履歴、つまり、対象のSBPイニシエータとSBPセッションを確立したか否かを確認する(ステップS1307)。
【0130】
ステップS1301乃至ステップS1307の処理によって、切断したSBPセッションを再確立することができる。また、AIDなどの履歴IEを使用することによって、SBPイニシエータ及びSBPレスポンダの双方が、SBPセッションを確立したときの相手となるノードを確認することができ、その結果、アソシエーション処理を省略することができる。
【0131】
上述したセッション再確立要求フレーム及びセッション再確立応答フレーム、つまり、ステップS1304及びステップS1306の処理においてSBPイニシエータとSBPレスポンダとの間で交換される無線フレームは、SBPセッションを確立するための無線フレームである。よって、ステップS1304及びステップS1306の処理においてSBPイニシエータとSBPレスポンダとの間で交換される無線フレームも、「SBPセッションを確立するための第2の無線フレーム」と称される。
【0132】
以上のように第2実施形態に係る処理を説明した。本実施形態によれば、SBPイニシエータとSBPレスポンダとの間で確立したSBPセッションが切断した場合、アソシエーション処理を実行することなく、そのSBPセッションを再確立することによってSBP手順を再開することができる。
【0133】
図12及び
図13に示した処理の順序は例示にすぎず、その一部の順序が変更されてもよい。また、
図12及び
図13に示した処理の全てが必須であるわけではなく、その一部の処理が省略されてもよい。更に、
図12及び
図13に示さない処理が実行されてもよく、例えば、セッション再確立応答フレームを送信した後に、認証が実行されてもよい。つまり、ステップS1307の処理が実行された後に、SBPイニシエータとSBPレスポンダとの間で認証フレームが交換されてもよい。
【0134】
5.その他の実施形態
SBPセッションが切断した後にSBP手順を再開するために、SBPイニシエータ及びSBPレスポンダは、
図8に示した処理、つまり、従来技術におけるSBP手順を実行することによってSBP手順を再開してもよい。この場合、SBPセッションが切断した後に、
図8におけるステップS801乃至ステップS806の処理においてSBPイニシエータとSBPレスポンダとの間で交換される無線フレームが、SBPイニシエータとSBPレスポンダとの間で再度交換されることになる。
【0135】
上述したように、最初にSBPセッションを確立するために、ステップS801乃至ステップS806の処理においてSBPイニシエータとSBPレスポンダとの間で交換される無線フレームは、「SBPセッションを確立するための第1の無線フレーム」と称される。これに対し、SBPセッションが切断した後にSBPセッションを再確立するために、ステップS801乃至ステップS806の処理においてSBPイニシエータとSBPレスポンダとの間で交換される無線フレームは、「SBPセッションを確立するための第2の無線フレーム」と称される。
【0136】
上記実施形態において使用される単語、連語等の表現は例示に過ぎず、実質的に同一のまたは類似する表現に置換され得る。特に、上記実施形態に係る技術は技術仕様に関するから、上記実施形態における表現は、技術仕様(例えば、本願明細書で引用した技術仕様)における実質的に同一のまたは類似する表現に置換されてもよい。
【0137】
上記実施形態において送受信される情報は、技術仕様に既に記載されている同一のもしくは異なるメッセージまたは同一のもしくは異なる要素に包含されて交換されてもよく、新たに規定されるメッセージまたは要素に包含されて交換されてもよい。上記実施形態において交換される情報は、上記実施形態とは異なるレイヤ及び/または異なるチャネルを使用して交換されてもよい。
【0138】
上記実施形態に記載された装置が提供する手段および/または機能は、実体的なメモリ装置に記録されたソフトウェアおよびそれを実行するコンピュータ、ソフトウェアのみ、ハードウェアのみ、あるいはそれらの組合せによって提供することができる。例えば、いずれかの上記装置がハードウェアである電子回路によって提供される場合、それは多数の論理回路を含むデジタル回路、またはアナログ回路によって提供することができる。
【0139】
上記実施形態に記載された装置は、非遷移的実体的記録媒体(non-transitory tangible storage medium)に格納されたプログラムを実行する。このプログラムが実行されることで、プログラムに対応する方法が実行される。
【0140】
6.付記
上記実施形態及び変形例の一部または全部は、以下の付記のようにも記載され得るが、以下の付記の内容には限定されない。以下では、複数の付記に従属する付記に対して、複数の付記に従属する付記が従属するという関係性が表現される。以下に表現される付記の従属関係の全てが上記実施形態に含まれる。
【0141】
(付記1)
SBP(Sensing by Proxy)イニシエータ(10a)であって、前記SBPイニシエータは、制御部(110)及び通信部(120)を含み、
前記制御部及び前記通信部は、SBPレスポンダ(20)との間で、SBPセッションを確立するための第1の無線フレームを交換することによってSBPセッションを確立するように構成され、
前記SBPセッションが切断した場合、前記制御部及び前記通信部は、前記SBPレスポンダとの間で、SBPセッションを確立するための第2の無線フレームを交換することによって前記SBPセッションを再確立するように構成されている、
SBPイニシエータ。
【0142】
(付記2)
前記第2の無線フレームは、前記SBPレスポンダとの間で、前記第1の無線フレームを交換したことを示す情報を含む、付記1に記載のSBPイニシエータ。
【0143】
(付記3)
前記情報は、前記第1の無線フレームを交換することによって前記SBPセッションを確立したときに割り当てられたAIDを含む、付記2に記載のSBPイニシエータ。
【0144】
(付記4)
前記情報は、前記第1の無線フレームに設定された送信先ノードのデバイスID及び送信元ノードのデバイスIDを含む、付記2または3に記載のSBPイニシエータ。
【0145】
(付記5)
前記デバイスIDは、MACアドレスを含む、付記4に記載のSBPイニシエータ。
【0146】
(付記6)
前記SBPレスポンダは、センシングイニシエータとしてセンシングレスポンダ(10b)とセンシング手順を実行し、
前記情報は、前記センシング手順を実行したときに割り当てられた測定セットアップIDを含む、付記2乃至5のいずれか一項に記載のSBPイニシエータ。
【0147】
(付記7)
前記SBPレスポンダは、センシングイニシエータとしてセンシングレスポンダ(10b)とセンシング手順を実行し、
前記情報は、前記センシング手順を実行したときに割り当てられた測定インスタンスIDを含む、付記2乃至6のいずれか一項に記載のSBPイニシエータ。
【0148】
(付記8)
前記制御部は、前記SBPレスポンダから受信した前記第2の無線フレームに含まれる前記情報に基づいて、前記SBPレスポンダとの間で、前記SBPセッションを確立したことを確認するように更に構成されている、付記2乃至7の何れか一項に記載のSBPイニシエータ。
【0149】
(付記9)
前記制御部及び前記通信部は、
前記SBPレスポンダに、アソシエーションを要求する無線フレームを送信し、
前記SBPレスポンダから、前記要求に応答する無線フレームを受信する、
ことによって、前記第2の無線フレームを交換するように更に構成されている、付記1乃至8の何れか一項に記載のSBPイニシエータ。
【0150】
(付記10)
前記制御部及び前記通信部は、
前記SBPレスポンダから、SBPセッションを再確立することを要求する無線フレームを受信し、
前記SBPレスポンダに、アソシエーションを要求する無線フレームを送信し、
前記SBPレスポンダから、前記要求に応答する無線フレームを受信する、
ことによって、前記第2の無線フレームを交換するように更に構成されている、付記1乃至8の何れか一項に記載のSBPイニシエータ。
【0151】
(付記11)
前記制御部及び前記通信部は、
前記SBPレスポンダに、SBPセッションを再確立することを要求する無線フレームを送信し、
前記SBPレスポンダから、前記要求に応答する無線フレームを受信する、
ことによって、前記第2の無線フレームを交換するように更に構成されている、付記1乃至8の何れか一項に記載のSBPイニシエータ。
【0152】
(付記12)
前記制御部及び前記通信部は、
前記SBPレスポンダから、SBPセッションを再確立することを要求する無線フレームを受信し、
前記SBPレスポンダに、前記要求に応答する無線フレームを送信する、
ことによって、前記第2の無線フレームを交換するように更に構成されている、付記1乃至8の何れか一項に記載のSBPイニシエータ。
【0153】
(付記13)
前記制御部は、
タイマを計測し、
前記SBPセッションが切断した後、前記タイマを再設定する、
ように更に構成されている、付記1乃至12の何れか一項に記載のSBPイニシエータ。
【0154】
(付記14)
前記制御部は、タイマの満了時間を延長することによって前記タイマを再設定するように更に構成されている、付記13に記載のSBPイニシエータ。
【0155】
(付記15)
前記制御部は、タイマの計測を再度開始することによって前記タイマを再設定するように更に構成されている、付記13に記載のSBPイニシエータ。
【0156】
(付記16)
前記制御部は、前記第1の無線フレームを交換したことを示す情報に基づいて、前記第2の無線フレームを交換するか否かを決定するように更に構成されている、付記1乃至15の何れか一項に記載のSBPイニシエータ。
【0157】
(付記17)
前記制御部は、前記SBPイニシエータがSBP手順を再開することをサポートすることを示す情報に基づいて、前記第2の無線フレームを交換するか否かを決定するように更に構成されている、付記1乃至16の何れか一項に記載のSBPイニシエータ。
【0158】
(付記18)
SBP(Sensing by Proxy)レスポンダ(20)であって、前記SBPレスポンダは、制御部(210)及び通信部(220)を含み、
前記制御部及び前記通信部は、SBPイニシエータ(10a)との間で、SBPセッションを確立するための第1の無線フレームを交換することによってSBPセッションを確立するように構成され、
前記SBPセッションが切断した場合、前記制御部及び前記通信部は、前記SBPイニシエータとの間で、SBPセッションを確立するための第2の無線フレームを交換することによって前記SBPセッションを再確立するように構成されている、
SBPレスポンダ。
【0159】
(付記19)
前記第2の無線フレームは、前記SBPイニシエータとの間で、前記第1の無線フレームを交換したことを示す情報を含む、付記18に記載のSBPレスポンダ。
【0160】
(付記20)
前記情報は、前記第1の無線フレームを交換することによって前記SBPセッションを確立したときに割り当てられたAIDを含む、付記19に記載のSBPレスポンダ。
【0161】
(付記21)
前記情報は、前記第1の無線フレームに設定された送信先ノードのデバイスID及び送信ノードのデバイスIDを含む、付記19または29に記載のSBPレスポンダ。
【0162】
(付記22)
前記デバイスIDは、MACアドレスを含む、付記21に記載のSBPレスポンダ。
【0163】
(付記23)
前記制御部及び前記通信部は、センシングイニシエータとしてセンシングレスポンダ(10b)とセンシング手順を実行するように更に構成され、
前記情報は、前記センシング手順を実行したときに割り当てられた測定セットアップIDを含む、付記19乃至22のいずれか一項に記載のSBPレスポンダ。
【0164】
(付記24)
前記制御部及び前記通信部は、センシングイニシエータとしてセンシングレスポンダ(10b)とセンシング手順を実行するように更に構成され、
前記情報は、前記センシング手順を実行したときに割り当てられた測定インスタンスIDを含む、付記19乃至23のいずれか一項に記載のSBPレスポンダ。
【0165】
(付記25)
前記制御部は、前記SBPイニシエータから受信した前記第2の無線フレームに含まれる前記情報に基づいて、前記SBPイニシエータとの間で、前記SBPセッションを確立したことを確認するように更に構成されている、付記19乃至24の何れか一項に記載のSBPレスポンダ。
【0166】
(付記26)
前記制御部及び前記通信部は、
前記SBPイニシエータから、アソシエーションを要求する無線フレームを受信し、
前記SBPイニシエータに、前記要求に応答する無線フレームを送信する、
ことによって、前記第2の無線フレームを交換するように更に構成されている、付記18乃至25の何れか一項に記載のSBPレスポンダ。
【0167】
(付記27)
前記制御部及び前記通信部は、
前記SBPイニシエータに、SBPセッションを再確立することを要求する無線フレームを送信し、
前記SBPイニシエータから、アソシエーションを要求する無線フレームを受信し、
前記SBPイニシエータに、前記要求に応答する無線フレームを送信する、
ことによって、前記第2の無線フレームを交換するように更に構成されている、付記18乃至25の何れか一項に記載のSBPレスポンダ。
【0168】
(付記28)
前記制御部及び前記通信部は、
前記SBPイニシエータから、SBPセッションを再確立することを要求する無線フレームを受信し、
前記SBPイニシエータに、前記要求に応答する無線フレームを送信する、
ことによって、前記第2の無線フレームを交換するように更に構成されている、付記18乃至25の何れか一項に記載のSBPレスポンダ。
【0169】
(付記29)
前記制御部及び前記通信部は、
前記SBPイニシエータに、SBPセッションを再確立することを要求する無線フレームを送信し、
前記SBPイニシエータから、前記要求に応答する無線フレームを受信する、
ことによって、前記第2の無線フレームを交換するように更に構成されている、付記18乃至25の何れか一項に記載のSBPレスポンダ。
【0170】
(付記30)
前記制御部は、
タイマを計測し、
前記SBPセッションが切断した後、前記タイマを再設定する、
ように更に構成されている、付記18乃至29の何れか一項に記載のSBPレスポンダ。
【0171】
(付記31)
前記制御部は、タイマの満了時間を延長することによって前記タイマを再設定するように更に構成されている、付記30に記載のSBPレスポンダ。
【0172】
(付記32)
前記制御部は、タイマの計測を再度開始することによって前記タイマを再設定するように更に構成されている、付記20に記載のSBPレスポンダ。
【0173】
(付記33)
前記制御部は、前記第1の無線フレームを交換したことを示す情報に基づいて、前記第2の無線フレームを交換するか否かを決定するように更に構成されている、付記18乃至32の何れか一項に記載のSBPレスポンダ。
【0174】
(付記34)
前記制御部は、前記SBPイニシエータがSBP手順を再開することをサポートすることを示す情報に基づいて、前記第2の無線フレームを交換するか否かを決定するように更に構成されている、付記18乃至33の何れか一項に記載のSBPレスポンダ。
【0175】
(付記35)
前記SBPセッションが切断した後、前記制御部及び通信部は、前記センシング手順を実行したことを示す情報に基づいて、前記センシングレスポンダに、まだ実行していない処理から前記センシング手順を再開することを指示する無線フレームを送信するように更に構成されている、付記23または24に記載のSBPレスポンダ。
【0176】
(付記36)
SBP(Sensing by Proxy)イニシエータ(10a)によって実行される方法であって、
SBPレスポンダ(20)との間で、SBPセッションを確立するための第1の無線フレームを交換することによってSBPセッションを確立することと、
前記SBPセッションが切断した場合、前記SBPレスポンダとの間で、SBPセッションを確立するための第2の無線フレームを交換することによって前記SBPセッションを再確立することと、
を含む、方法。
【0177】
(付記37)
SBP(Sensing by Proxy)レスポンダ(20)によって実行される方法であって、
SBPイニシエータ(10a)との間で、SBPセッションを確立するための第1の無線フレームを交換することによってSBPセッションを確立することと、
前記SBPセッションが切断した場合、前記SBPイニシエータとの間で、SBPセッションを確立するための第2の無線フレームを交換することによって前記SBPセッションを再確立することと、
を含む、方法。
【0178】
(付記38)
実行されるとき、SBP(Sensing by Proxy)イニシエータ(10a)におけるプロセッサ(101)に、
SBPレスポンダ(20)との間で、SBPセッションを確立するための第1の無線フレームを交換することによってSBPセッションを確立することと、
前記SBPセッションが切断した場合、前記SBPレスポンダとの間で、SBPセッションを確立するための第2の無線フレームを交換することによって前記SBPセッションを再確立することと、
を実行させる、プログラム。
【0179】
(付記39)
実行されるとき、SBP(Sensing by Proxy)レスポンダ(20)におけるプロセッサ(201)に、
SBPイニシエータ(10a)との間で、SBPセッションを確立するための第1の無線フレームを交換することによってSBPセッションを確立することと、
前記SBPセッションが切断した場合、前記SBPイニシエータとの間で、SBPセッションを確立するための第2の無線フレームを交換することによって前記SBPセッションを再確立することと、
を実行させる、プログラム。
【0180】
(付記40)
実行されるとき、SBP(Sensing by Proxy)イニシエータ(10a)におけるプロセッサ(101)に、
SBPレスポンダ(20)との間で、SBPセッションを確立するための第1の無線フレームを交換することによってSBPセッションを確立することと、
前記SBPセッションが切断した場合、前記SBPレスポンダとの間で、SBPセッションを確立するための第2の無線フレームを交換することによって前記SBPセッションを再確立することと、
を実行させる、プログラムを記憶したコンピュータ読取可能な非遷移的実体的記録媒体。
【0181】
(付記41)
実行されるとき、SBP(Sensing by Proxy)レスポンダ(20)におけるプロセッサ(201)に、
SBPイニシエータ(10a)との間で、SBPセッションを確立するための第1の無線フレームを交換することによってSBPセッションを確立することと、
前記SBPセッションが切断した場合、前記SBPイニシエータとの間で、SBPセッションを確立するための第2の無線フレームを交換することによって前記SBPセッションを再確立することと、
を実行させる、プログラムを記憶したコンピュータ読取可能な非遷移的実体的記録媒体。
【符号の説明】
【0182】
10 STA、101 プロセッサ、102 メモリ、104 送受信機、110 制御部、120 通信部、20 AP、201 プロセッサ、202 メモリ、204 無線送受信機、210 制御部、220 通信部