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特開2024-148328ロボット制御装置及び搬送ロボットシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024148328
(43)【公開日】2024-10-18
(54)【発明の名称】ロボット制御装置及び搬送ロボットシステム
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/677 20060101AFI20241010BHJP
   B25J 13/08 20060101ALI20241010BHJP
   B25J 9/22 20060101ALI20241010BHJP
   G05B 19/19 20060101ALI20241010BHJP
   G05B 19/18 20060101ALI20241010BHJP
【FI】
H01L21/68 A
B25J13/08 A
B25J9/22 A
G05B19/19 H
G05B19/18 W
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023061375
(22)【出願日】2023-04-05
(71)【出願人】
【識別番号】000000262
【氏名又は名称】株式会社ダイヘン
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100108213
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 豊隆
(72)【発明者】
【氏名】村田(檀上) 梓紗
(72)【発明者】
【氏名】北野 豊和
【テーマコード(参考)】
3C269
3C707
5F131
【Fターム(参考)】
3C269AB21
3C269AB33
3C269BB03
3C269CC09
3C269JJ09
3C269JJ20
3C269MN09
3C269MN14
3C269MN16
3C269MN27
3C269MN48
3C269PP02
3C269QD02
3C269QD05
3C269SA04
3C269SA37
3C707AS24
3C707BS12
3C707KS16
3C707KS20
3C707KT02
3C707KT03
3C707KT05
3C707LV07
3C707NS13
5F131AA02
5F131AA03
5F131BA00
5F131CA42
5F131CA43
5F131CA44
5F131DA02
5F131DA22
5F131DA42
5F131DB02
5F131DB52
5F131DD03
5F131DD16
5F131DD26
5F131DD28
5F131DD33
5F131DD43
5F131DD47
5F131HA41
(57)【要約】
【課題】カメラによって撮影された画像情報を用いて、搬送ロボットの位置ズレを適切に検出可能なロボット制御装置及び搬送ロボットシステムを提供する。
【解決手段】ロボット制御装置100は、搬送ロボット200の動作を予め教示した作業プログラム、及び所定位置において搬送ロボット200に取り付けられているカメラ240によって撮影された基準画像を記憶する記憶手段110と、作業プログラムに従って搬送ロボット200の動作を制御するロボット制御手段120と、所定の撮影条件を満たす場合、所定位置においてカメラ240によって撮影させるように指示する撮影指示手段130と、撮影された撮影画像を保存する撮影画像保存手段140と、基準画像と撮影画像とに基づいて、搬送ロボット200の位置ズレを判定するロボット判定手段150と、判定した結果を出力する出力手段160と、を備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
平板状の対象物を搬送する搬送ロボットを制御するロボット制御装置であって、
前記搬送ロボットの動作を予め教示した作業プログラム、及び所定位置において前記搬送ロボットに取り付けられているカメラによって撮影された基準画像を記憶する記憶手段と、
前記作業プログラムに従って前記搬送ロボットの動作を制御するロボット制御手段と、
所定の撮影条件を満たす場合、前記所定位置において前記カメラによって撮影させるように指示する撮影指示手段と、
前記撮影された撮影画像を保存する撮影画像保存手段と、
前記基準画像と前記撮影画像とに基づいて、前記搬送ロボットの位置ズレを判定するロボット判定手段と、
前記判定した結果を出力する出力手段と、を備える、
ロボット制御装置。
【請求項2】
前記撮影指示手段は、前記所定の撮影条件として、所定時間毎に、及び/又は所定作業回数毎に、前記撮影させるように指示し、
前記撮影画像保存手段は、前記撮影された各撮影画像を保存し、
前記ロボット判定手段は、前記基準画像及び前記各撮影画像に基づいて前記搬送ロボットの位置ズレを予測する予測手段を含む、
請求項1に記載のロボット制御装置。
【請求項3】
前記搬送ロボット及び/又は搬送ロボット周辺における温度を検知する温度検知手段を、さらに備え、
前記撮影指示手段は、前記所定の撮影条件として、前記検知した温度に応じて前記撮影させるように指示し、
前記撮影画像保存手段は、前記撮影された各撮影画像を保存し、
前記ロボット判定手段は、前記基準画像及び前記各撮影画像に基づいて前記搬送ロボットの位置ズレを予測する予測手段を含む、
請求項1に記載のロボット制御装置。
【請求項4】
前記予測手段は、前記基準画像及び前記各撮影画像に基づく前記搬送ロボットの位置から近似曲線を用いて、前記搬送ロボットの位置ズレを予測する、
請求項2又は3に記載のロボット制御装置。
【請求項5】
前記予測手段は、AIを用いて、前記搬送ロボットの位置ズレを予測する、
請求項2又は3に記載のロボット制御装置。
【請求項6】
平板状の対象物を搬送する搬送ロボットと、当該搬送ロボットを制御するロボット制御装置とを有する搬送ロボットシステムであって、
前記搬送ロボットには、カメラが取り付けられており、
前記ロボット制御装置は、
前記搬送ロボットの動作を予め教示した作業プログラム、及び所定位置において前記カメラによって撮影された基準画像を記憶する記憶手段と、
前記作業プログラムに従って前記搬送ロボットの動作を制御するロボット制御手段と、
所定の撮影条件を満たす場合、前記所定位置において前記カメラによって撮影させるように指示する撮影指示手段と、
前記撮影された撮影画像を保存する撮影画像保存手段と、
前記基準画像と前記撮影画像とに基づいて、前記搬送ロボットの位置ズレを判定するロボット判定手段と、
前記判定した結果を出力する出力手段と、を備える、
搬送ロボットシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロボット制御装置及び搬送ロボットシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、産業界において、多くのロボットが普及している。当該ロボットは、例えば、電子部品及び機械部品の組み立て、溶接及び搬送等に用いられ、工場の生産ラインの効率化及び自動化が図られている。
【0003】
半導体製造装置に用いられるウエハを搬送する搬送ロボットでは、ウエハを適切な位置へ搬送するためのティーチングを行うが、その精度は、操作者の知識及び熟練度などに依存し、また、操作者の作業スペースが十分に確保できない程の省スペース化が求められている場合もあるため、ティーチングの自動化が図られている。
【0004】
ティーチングの自動化においては、搬送ロボット及び搬送する対象物の位置を適切に把握することにより当該対象物を高精度に搬送することを実現する。例えば、特許文献1では、基板を高い位置精度で搬送できる搬送ロボットに関する技術が開示されている。具体的には、当該搬送ロボットは、静電容量センサを用いて、基板とエンドエフェクタとの位置関係に基づいて基板の位置ずれを補正できることから、温度変化及び消耗による形状の変化に対応できることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2022-132087号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の搬送ロボットでは、基板とエンドエフェクタとの相対位置を確認するものであって、温度変化及び消耗による搬送ロボット自身の変化を検出するものではない。当該搬送ロボットでは、エンドエフェクタに備えられた静電容量センサを用いて、逐一、静電容量を測定しなければならず、タクトタイムが長くなってしまうという問題がある。また、静電容量を高精度に測定するために、複数の静電容量センサをエンドエフェクタに適切に取り付けなければならない。
【0007】
そこで、本発明は、カメラによって撮影された画像情報を用いて、搬送ロボットの位置ズレを適切に検出可能なロボット制御装置及び搬送ロボットシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様に係るロボット制御装置は、平板状の対象物を搬送する搬送ロボットを制御するロボット制御装置であって、搬送ロボットの動作を予め教示した作業プログラム、及び所定位置において搬送ロボットに取り付けられているカメラによって撮影された基準画像を記憶する記憶手段と、作業プログラムに従って搬送ロボットの動作を制御するロボット制御手段と、所定の撮影条件を満たす場合、所定位置においてカメラによって撮影させるように指示する撮影指示手段と、撮影された撮影画像を保存する撮影画像保存手段と、基準画像と撮影画像とに基づいて、搬送ロボットの位置ズレを判定するロボット判定手段と、判定した結果を出力する出力手段と、を備える。
【0009】
この態様によれば、記憶手段は、作業プログラム及び所定位置における基準画像を記憶し、ロボット制御手段は、作業プログラムに従って搬送ロボットの動作を制御する。撮影指示手段は、所定の撮影条件を満たす場合、所定位置においてカメラによって撮影させるように指示し、撮影画像保存手段は、撮影された撮影画像を保存する。そして、ロボット判定手段は、基準画像と撮影画像とに基づいて搬送ロボットの位置ズレを判定し、出力手段は、判定した結果を出力する。これにより、搬送ロボットの位置ズレを適切に検出することができる。その結果、搬送ロボットに位置ズレが発生した状態で搬送ロボットの動作を継続することで発生するエラーを軽減することができる。
【0010】
上記態様において、撮影指示手段は、所定の撮影条件として、所定時間毎に、及び/又は所定作業回数毎に、撮影させるように指示し、撮影画像保存手段は、撮影された各撮影画像を保存し、ロボット判定手段は、基準画像及び各撮影画像に基づいて搬送ロボットの位置ズレを予測する予測手段を含んでもよい。
【0011】
この態様によれば、撮影指示手段は、所定時間毎に、及び/又は所定作業回数毎に、撮影させるように指示して、撮影画像保存手段は、撮影された各撮影画像を保存する。そして、予測手段は、基準画像及び各撮影画像に基づいて搬送ロボットの位置ズレを予測するため、将来的に搬送ロボットの位置ズレが発生することを適切に検出することができる。その結果、搬送ロボットの位置ズレが発生する前に、当該位置ズレに対処できるため、例えば、当該対処を、予めスケジューリングされた搬送ロボットの稼働時間以外で実施すれば、搬送ロボットのダウンタイムを短縮することに繋がる。また、複数台が稼働している半導体製造工場においては、一台の不具合により、全体が停止してしまう場合もあるが、このように事前に対処できれば、全体に対する影響を防ぐことができる。
【0012】
上記態様において、搬送ロボット及び/又は搬送ロボット周辺における温度を検知する温度検知手段を、さらに備え、撮影指示手段は、所定の撮影条件として、検知した温度に応じて撮影させるように指示し、撮影画像保存手段は、撮影された各撮影画像を保存し、ロボット判定手段は、基準画像及び各撮影画像に基づいて搬送ロボットの位置ズレを予測する予測手段を含んでもよい。
【0013】
この態様によれば、温度検知手段は、搬送ロボット及び/又は搬送ロボット周辺における温度を検知し、撮影指示手段は、検知した温度に応じて撮影させるように指示して、撮影画像保存手段は、撮影された各撮影画像を保存する。そして、予測手段は、基準画像及び各撮影画像に基づいて搬送ロボットの位置ズレを予測するため、搬送ロボット及び/又は搬送ロボット周辺における温度を監視しながら、将来的に搬送ロボットの位置ズレが発生することを適切に検出することができる。
【0014】
上記態様において、予測手段は、基準画像及び各撮影画像に基づく搬送ロボットの位置から近似曲線を用いて、搬送ロボットの位置ズレを予測してもよい。
【0015】
この態様によれば、予測手段は、近似曲線を用いて搬送ロボットの位置ズレを予測するため、より適切に搬送ロボットの位置ズレを予測することができる。
【0016】
上記態様において、予測手段は、AIを用いて、搬送ロボットの位置ズレを予測してもよい。
【0017】
この態様によれば、予測手段は、AIを用いて搬送ロボットの位置ズレを予測するため、より適切に搬送ロボットの位置ズレを予測することができる。
【0018】
本発明の一態様に係る搬送ロボットシステムは、平板状の対象物を搬送する搬送ロボットと、当該搬送ロボットを制御するロボット制御装置とを有する搬送ロボットシステムであって、搬送ロボットには、カメラが取り付けられており、ロボット制御装置は、搬送ロボットの動作を予め教示した作業プログラム、及び所定位置においてカメラによって撮影された基準画像を記憶する記憶手段と、作業プログラムに従って搬送ロボットの動作を制御するロボット制御手段と、所定の撮影条件を満たす場合、所定位置においてカメラによって撮影させるように指示する撮影指示手段と、撮影された撮影画像を保存する撮影画像保存手段と、基準画像と撮影画像とに基づいて、搬送ロボットの位置ズレを判定するロボット判定手段と、判定した結果を出力する出力手段と、を備える。
【0019】
この態様によれば、搬送ロボットには、カメラが取り付けられており、ロボット制御装置では、記憶手段は、作業プログラム及び所定位置における基準画像を記憶し、ロボット制御手段は、作業プログラムに従って搬送ロボットの動作を制御する。撮影指示手段は、所定の撮影条件を満たす場合、所定位置においてカメラによって撮影させるように指示し、撮影画像保存手段は、撮影された撮影画像を保存する。そして、ロボット判定手段は、基準画像と撮影画像とに基づいて搬送ロボットの位置ズレを判定し、出力手段は、判定した結果を出力する。これにより、搬送ロボットの位置ズレを適切に検出することができる。その結果、搬送ロボットに位置ズレが発生した状態で搬送ロボットの動作を継続することで発生するエラーを軽減することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、カメラによって撮影された画像情報を用いて、搬送ロボットの位置ズレを適切に検出可能なロボット制御装置及び搬送ロボットシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の一実施形態に係る搬送ロボットシステム10のシステム構成を示す概要図である。
図2】本発明の一実施形態に係る搬送ロボット200がウエハWを搬送する様子を示す図である。
図3】本発明の一実施形態に係るロボット制御装置100の各機能を示す機能ブロック図である。
図4】所定位置においてカメラ240によって撮影した基準画像P1の一例を示す図である。
図5】所定位置においてカメラ240によって撮影した撮影画像P2の一例を示す図である。
図6図4に示された基準画像P1と図5に示された撮影画像P2とに基づいて、固定された基準12aの位置が変化している様子を示す一例である。
図7】本発明の一実施形態に係る搬送ロボットシステム10が実行するロボット位置ズレ検出方法M100の処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。なお、以下で説明する実施形態は、あくまで、本発明を実施するための具体的な一例を挙げるものであって、本発明を限定的に解釈させるものではない。また、説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する場合がある。
【0023】
<一実施形態>
[搬送ロボットシステムの構成]
図1は、本発明の一実施形態に係る搬送ロボットシステム10のシステム構成を示す概要図である。図1に示されるように、搬送ロボットシステム10は、ロボット制御装置100と、搬送ロボット200と、デバイス制御装置300と、ティーチペンダント400とを備える。
【0024】
搬送ロボット200は、例えば、6軸垂直多関節型であって、マニピュレータ本体210と、エンドエフェクタとしてのハンド220と、当該ハンド220が取り付けられているハンドベース(基部)230とを有し、さらに、ハンドベース230にカメラ240が配置されている。カメラ240は、例えば、ステレオカメラとして2つのカメラで構成されている。
【0025】
ロボット制御装置100は、搬送ロボット200の動作を制御する機器である。例えば、ロボット制御装置100は、ティーチペンダント400に接続されており、当該ティーチペンダント400に入力された動作指示情報を取得することができる。ロボット制御装置100は、当該動作指示情報に基づいて、搬送ロボット200を起動及び停止させたり、対象物を取り出すためにマニピュレータ本体210の各軸を動作させたりして、アームやハンド220を動作させる。
【0026】
また、ロボット制御装置100は、デバイス制御装置300を制御することにより、例えば、搬送ロボット200に配置されているカメラ240によって当該搬送ロボット200の近傍を撮影して、当該撮影した画像情報を取得する。
【0027】
デバイス制御装置300は、上述したように、ロボット制御装置100からの動作指示に基づいてカメラ240の動作を制御することによって、取得した画像情報をロボット制御装置100に送付する。
【0028】
なお、ここでは、デバイス制御装置300は、ケーブルを介してロボット制御装置100に接続され、ロボット制御装置100とは別機器としているが、ロボット制御装置100にその機能を含んでもよく、この場合、一体に構成されたロボット制御装置100とデバイス制御装置300とでロボット制御装置とすればよい。
【0029】
ティーチペンダント400は、搬送ロボット200の動作指示情報について、対象物を搬送する搬送作業に関して、操作者からの入力を受け付ける。通常、操作者は、例えば、搬送ロボット200の起動及び停止、さらには、搬送ロボット200に対する設定、及びマニピュレータ本体210(アーム)やハンド220の動作、教示点の登録などについて、ティーチペンダント400を用いて適切な指示情報を入力する。
【0030】
また、搬送ロボット200に対するティーチングについて、教示点の登録は、搬送ロボット200を動作させながら当該動作経路における教示点を、ティーチペンダント400を用いて操作者が逐次登録するのではなく、自動教示において教示点を自動的に登録してもよい。当該自動教示は、例えば、操作者の侵入スペース(作業空間)が十分に確保できないような環境や場面において有効である。
【0031】
なお、図1では、ティーチペンダント400は、ケーブルを介してロボット制御装置100に接続されているが、ワイヤレスで接続されていてもよい。すなわち、ティーチペンダント400とロボット制御装置100とは、無線通信を行う通信部を備えていてもよい。ロボット制御装置100とティーチペンダント400とがワイヤレスに接続されることで、作業者はケーブルの存在に煩わされたり、ケーブルの長さによる移動範囲の制限を受けたりすることなく、自由に移動をしながら動作指示教示情報の入力を行うことができる。
【0032】
このように、ロボット制御装置100は、対象物を搬送する搬送作業に関して、ティーチペンダント400を用いて、及び/又は自動教示を用いて、場合によってはカメラ240によって撮影された画像を用いて搬送ロボット200や対象物の位置を確認しつつ、搬送ロボット200を動作させる作業プログラムを予め登録する。そして、ロボット制御装置100は、予め教示された作業プログラムに従って搬送ロボット200を動作させることにより、対象物を搬送する。
【0033】
[ウエハ搬送の様子]
図2は、本発明の一実施形態に係る搬送ロボット200がウエハWを搬送する様子を示す図である。図2に示されるように、作業空間11に設置された搬送ロボット200は、FOUP12及び13に格納されているウエハWを取り出して、当該ウエハWをハンド220に保持した状態で半導体製造装置の設置位置14又は15に搬送する。
【0034】
ここでは、搬送ロボット200は、FOUP12に格納されているウエハWを設置位置15に搬送するものとし、より詳細には、設置位置15に配置されている3つのピン15A~15Cの重心位置を目標位置として、ウエハWを当該目標位置に設置するものとする。
【0035】
より具体的には、搬送ロボット200は、ロボット制御装置100からの動作制御に基づいて(予め教示された作業プログラムに従って)、マニピュレータ本体210の各軸を動作させることによりアームやハンド220を動作させて、FOUP12に格納されているウエハWを保持した後、設置位置15に搬送して、3つのピン15A~15Cの重心位置である目標位置に設置する。
【0036】
[ロボット制御装置の構成]
図3は、本発明の一実施形態に係るロボット制御装置100の各機能を示す機能ブロック図である。図3に示されるように、ロボット制御装置100は、記憶手段110と、ロボット制御手段120と、撮影指示手段130と、撮影画像保存手段140と、ロボット判定手段150と、出力手段160とを備える。ロボット制御装置100は、搬送ロボット200の動作を予め教示した作業プログラムに従って搬送ロボット200を制御するとともに、デバイス制御装置300を介して搬送ロボット200に取り付けられているカメラ240の動作を制御し、当該カメラ240によって撮影された画像情報を取得する。
【0037】
なお、ロボット制御装置100は、図1に示されたように、搬送ロボット200、デバイス制御装置300、及びティーチペンダント400に接続されており、種々の制御を行うために多くの機能を備えて、処理を行っている。ここでは、ロボット制御装置100について、主に、搬送ロボット200の位置ズレを検出する機能に関するものを示しているが、その他の構成及び機能を備えている。
【0038】
記憶手段110は、搬送ロボット200の動作を予め教示した作業プログラム、及び所定位置において搬送ロボット200に取り付けられているカメラ240によって撮影された基準画像を記憶する。ここで、所定位置とは、例えば、カメラ240によって撮影される基準画像に、固定された基準が含まれるようにカメラ240によって撮影するための搬送ロボット200の位置であり、搬送ロボット200の位置及び姿勢を含む。固定された基準とは、例えば、設置された半導体製造装置の一部、周辺設備の一部、又はこれらとの相対位置が変化しない部材や印などであるとよい。
【0039】
例えば、搬送ロボット200の位置座標を補正するキャリブレーションを行う際に、搬送ロボット200は、所定位置(位置及び姿勢)に移動し、当該所定位置において、カメラ240によって撮影した画像を基準画像として記憶手段110に記憶するとよい。
【0040】
ロボット制御手段120は、記憶手段110に記憶されている作業プログラムに従って搬送ロボット200の動作を制御する。具体的には、ロボット制御手段120、予め教示した作業プログラムに従って搬送ロボット200を動作させて、FOUP12,13に格納されているウエハWを取り出して、当該ウエハWをハンド220に保持した状態で半導体製造装置の設置位置14,15に搬送する。
【0041】
撮影指示手段130は、所定の撮影条件を満たす場合、所定位置においてカメラ240によって撮影させるように指示する。ここで、所定位置とは、カメラ240によって基準画像を撮影した搬送ロボット200の位置(位置及び姿勢)である。
【0042】
所定の撮影条件とは、例えば、1時間毎、1日毎又は1週間毎などの所定時間毎、及びウエハWを100回又は1000回搬送する毎などの所定作業回数毎であってもよい。なお、所定の撮影条件は、これらに限定されるものではなく、例えば、半導体製造装置の作業開始時毎や作業終了毎、FOUPに格納されているウエハW全ての搬送完了毎、同種のウエハWの搬送作業工程の完了毎、キャリブレーションのような特定処理(工程)を行う毎であってもよい。さらには、作業者の手動による任意のタイミングであってもよい。
【0043】
撮影画像保存手段140は、撮影指示手段130の指示に基づいて、所定位置においてカメラ240によって撮影された撮影画像を保存する。具体的には、所定時間毎、所定作業回数毎、又は上述したようなその他の所定の撮影条件を満たすタイミングで、ロボット制御手段120は、搬送ロボット200を所定位置(位置及び姿勢)に移動させて、カメラ240によって撮影した画像を撮影画像として保存する。
【0044】
ロボット判定手段150は、記憶手段110に記憶されている基準画像と、撮影画像保存手段140によって保存された撮影画像とに基づいて、搬送ロボット200の位置ズレを判定する。上述したように、所定位置(位置及び姿勢)は、カメラ240によって基準画像を撮影した搬送ロボット200の位置(位置及び姿勢)であって、さらに、カメラ240によって撮影画像を撮影した搬送ロボット200の位置(位置及び姿勢)である。このため、基準画像及び撮影画像において、当該基準画像及び撮影画像に含まれる固定された基準の位置は変化しないはずである。
【0045】
換言すれば、基準画像及び撮影画像において、固定された基準の位置が何らかの原因(例えば、温度変化による搬送ロボット200自身の熱膨張や熱収縮、及び搬送ロボット機器の消耗など)で変化している場合、ロボット判定手段150は、搬送ロボット200の位置ズレと判定する。
【0046】
具体的には、基準画像及び撮影画像において、当該基準画像及び撮影画像に含まれる固定された基準が閾値以上ズレている場合には、ロボット判定手段150は、搬送ロボット200の位置ズレと判定すればよい。
【0047】
ここで、閾値は、FOUP12,13に格納されているウエハWを取り出して、当該ウエハWをハンド220に保持した状態で半導体製造装置の設置位置14,15に搬送することが高精度にできない程度(要求される精度を満たさない程度)に、搬送ロボット200の位置ズレが発生していると判定できる値に設定すればよい。当該閾値は、ウエハWの大きさや形状、及び要求される搬送位置の精度などに応じて、適切な値を予め設定すればよい。
【0048】
さらには、閾値は、鉛直方向及び水平方向(カメラ240がステレオカメラの場合には、横方向と奥行き方向)に応じて異なる値を設定してもよい。例えば、FOUP12,13に格納されているウエハWをハンド220の先端(爪)によって上下方向から挟み込んで取り出したり、搬送先である目標位置に載置したりする場合などでは、鉛直方向の位置ズレは、水平方向の位置ズレよりも許容される場合がある。この場合、搬送ロボット200の位置ズレと判定するための閾値について、鉛直方向の値は、水平方向の値よりも大きく設定すればよい。なお、閾値として、鉛直方向及び水平方向に応じて異なる値を設定する場合、鉛直方向の値を水平方向の値よりも大きく設定することに限定されるものではなく、例えば、搬送する対象物の形状、格納場所、搬送ロボット200のエンドエフェクタの種類及び搬送する目標位置などに応じて許容される位置ズレの範囲に応じて適宜設定すればよい。
【0049】
さらに、ロボット判定手段150は、予測手段151を含んでいてもよい。予測手段151は、記憶手段110に記憶されている基準画像、及び撮影画像保存手段140によって保存された撮影画像に基づいて、搬送ロボット200の位置ズレを予測する。例えば、予測手段151は、基準画像及び撮影画像において、当該基準画像及び撮影画像に含まれる固定された基準が、将来的に閾値以上ズレて、ロボット判定手段150として搬送ロボット200の位置ズレと判定することを予測する。
【0050】
具体的には、予測手段151は、撮影画像保存手段140によって撮影画像を保存する毎に、各撮影画像に含まれる固定された基準と基準画像に含まれる固定された基準とのズレが大きくなっていれば、例えば、何時間後、何日後、何週間後又は作業の何回後に、閾値以上ズレることを予測すればよい。
【0051】
予測手段151は、基準画像に含まれる固定された基準の位置、及び撮影画像保存手段140によって保存された撮影画像に含まれる固定された基準の位置に基づいて、例えば、近似曲線を用いて、基準の位置のズレが閾値以上となることを予測すればよい。
【0052】
なお、予測手段151は、近似曲線を用いて予測することに限定されるものではなく、例えば、その他の関数や変換・予測テーブルを用いてもよいし、基準画像及び撮影画像からAIを用いて予測してもよい。
【0053】
出力手段160は、ロボット判定手段150によって判定された結果を出力する。例えば、出力手段160は、ロボット判定手段150によって搬送ロボット200の位置ズレと判定された旨を、ティーチペンダント400の表示画面に表示したり、その他、ロボット制御装置100と通信可能なパソコンやタブレットの表示画面に表示したりしてもよいし、さらには、警告音で通知したりしてもよい。
【0054】
また、出力手段160は、予測手段151によって予測された結果を出力してもよい。例えば、出力手段160は、予測手段151によって何時間後、何日後、何週間後又は作業の何回後に、搬送ロボット200の位置ズレが生じる可能性がある旨を、上記と同様の態様で出力してもよい。
【0055】
[基準画像及び撮影画像に含まれる固定された基準の位置]
図4は、所定位置においてカメラ240によって撮影した基準画像P1の一例を示す図である。例えば、キャリブレーションを行う際に、搬送ロボット200は、FOUP12,13の正面位置で所定の姿勢を取ることを所定位置(位置及び姿勢)として、カメラ240によって撮影し、図4に示されるような画像P1を取得する。そして、当該画像P1は、基準画像P1として記憶手段110に記憶される。基準画像P1に含まれる半導体製造装置や設備の形状及び位置は、通常、変化することがなく、ここでは、そのうちFOUP12が配置される半導体製造装置側のフレーム(開口部の枠)の一部(左上端位置)を、固定された基準12aとして設定している。
【0056】
図5は、所定位置においてカメラ240によって撮影した撮影画像P2の一例を示す図である。例えば、前回の撮影から所定時間後又は所定作業回数後などの所定の撮影条件を満たした場合、搬送ロボット200は、FOUP12,13の正面位置で所定の姿勢を取って、すなわち所定位置(位置及び姿勢)において、カメラ240によって撮影し、図5に示されるような画像P2を取得する。そして、当該画像P2は、撮影画像P2として撮影画像保存手段140に保存される。
【0057】
図6は、図4に示された基準画像P1と図5に示された撮影画像P2とに基づいて、固定された基準12aの位置が変化している様子を示す一例である。図6に示されるように、図4に示された基準画像P1と図5に示された撮影画像P2とを比較すると、FOUP12,13が配置される半導体製造装置側のフレーム(開口部の枠)の位置がズレているように見える。上述したように、通常、半導体製造装置や設備の形状及び位置は、変化することはないため、撮影する側の搬送ロボット200(カメラ240)の位置に変化があったものと考えられ、例えば、搬送ロボット200自身の熱膨張や熱収縮、及び搬送ロボット機器の消耗などに起因するものを含む。
【0058】
このように、図4に示された基準画像P1と図5に示された撮影画像P2とに基づいて、例えば、固定された基準12aが閾値以上ズレている場合には、ロボット判定手段150は、搬送ロボット200の位置ズレと判定すればよい。
【0059】
また、予測手段151は、撮影画像保存手段140に保存される撮影画像において、固定された基準12aの経時的な変化に基づいて、上述したような近似曲線を用いて、又はAIを用いて、固定された基準12aが、将来的に閾値以上ズレることにより、搬送ロボット200の位置ズレが発生することを予測すればよい。
【0060】
[ロボット位置ズレ検出方法]
次に、搬送ロボット200位置ズレを検出方法について、具体的に詳しく説明する。
【0061】
図7は、本発明の一実施形態に係る搬送ロボットシステム10が実行するロボット位置ズレ検出方法M100の処理の流れを示すフローチャートである。図7に示されるように、ロボット位置ズレ検出方法M100は、ステップS110~S170を含み、各ステップは、搬送ロボットシステム10におけるロボット制御装置100に含まれるプロセッサによって実行される。
【0062】
ステップS110では、記憶手段110に予め登録された作業プログラムに従って搬送ロボット200の動作制御を開始する。
【0063】
ステップS120では、ロボット制御手段120は、作業プログラムに従って搬送ロボット200を動作させる。具体例としては、FOUP12及び13に格納されているウエハWを取り出して、当該ウエハWをハンド220に保持した状態で半導体製造装置の設置位置14又は15に搬送する。
【0064】
ステップS130では、撮影条件を満たすかを判定する。具体例としては、前回の撮影から所定時間経過後又は所定作業回数実行後などの所定の撮影条件を満たしたか否かを判定し、撮影条件を満たさない場合は(ステップS130の「No」)、ステップS120の処理に戻り、次のウエハWの搬送作業を行う。
【0065】
一方で、撮影条件を満たす場合は(ステップS130の「Yes」)、ステップS140の処理に進み、撮影指示手段130は、所定位置においてカメラ240によって撮影させるように指示する。具体例としては、撮影指示手段130は、キャリブレーションを行う際にカメラ240によって基準画像を撮影した所定位置(位置及び姿勢)と同一の位置(及び姿勢)において、カメラ240によって撮影するように指示する。
【0066】
ステップS150では、撮影画像保存手段140は、ステップS140における指示に従って撮影された撮影画像を保存する。具体例としては、搬送ロボット200を所定位置(位置及び姿勢)に移動させて、カメラ240によって撮影した画像を撮影画像として保存する。
【0067】
ステップS160では、ロボット判定手段150は、記憶手段110に記憶されている基準画像と、ステップS150によって保存された撮影画像とに基づいて、搬送ロボット200の位置ズレを判定する。また、ロボット判定手段150における予測手段151は、基準画像や経時的に保存されている撮影画像に基づいて、将来的な搬送ロボット200の位置ズレを予測してもよい。
【0068】
ステップS160において、搬送ロボット200の位置ズレである、又は将来的に搬送ロボット200の位置ズレが発生すると判定(予測)された場合(ステップS160の「Yes」)は、ステップS170の処理に進み、出力手段160は、判定結果を出力する。具体例としては、搬送ロボット200の位置ズレが発生している旨(将来的に発生する旨)を表示画面に表示したり、警告音で通知したりするとよい。さらには、搬送ロボット200におけるウエハWの搬送作業を中断し、キャリブレーションやティーチングを再度行うようにしてもよい。
【0069】
一方で、ステップS160において、搬送ロボット200の位置ズレが発生していない、及び将来的に搬送ロボット200の位置ズレが発生しないと判定(予測)された場合(ステップS160の「No」)は、ステップS120の処理に戻り、次のウエハWの搬送作業を行う。
【0070】
以上のように、本発明の一実施形態に係る搬送ロボットシステム10、ロボット制御装置100及びロボット位置ズレ検出方法M100によれば、記憶手段110には、作業プログラム及び所定位置における基準画像が記憶されており、ロボット制御手段120は、ウエハWを搬送するように、作業プログラムに従って搬送ロボット200の動作を制御する。撮影指示手段130は、所定の撮影条件を満たす場合、所定位置においてカメラ240によって撮影させるように指示し、撮影画像保存手段140は、当該撮影された撮影画像を保存する。そして、ロボット判定手段150は、基準画像と撮影画像とに基づいて搬送ロボット200の位置ズレを判定し、及び/又は予測手段151は、基準画像や経時的に保存された撮影画像に基づいて搬送ロボット200の位置ズレを予想する。出力手段160は、判定(予想)した結果を出力する。
【0071】
これにより、搬送ロボット200に位置ズレが発生していること、及び将来的に位置ズレが発生することを適切に検出することができる。その結果、搬送ロボット200に位置ズレが発生した状態でウエハWの搬送作業を継続することで発生するエラーを軽減することができる。すなわち、搬送ロボット200に位置ズレが発生していることを検出して搬送ロボット200の搬送作業を中断したり、キャリブレーションやティーチングを再度行ったりすることにより、高精度な搬送を継続することができる。
【0072】
また、将来的に位置ズレが発生することを適切に検出すれば、搬送ロボットの位置ズレが発生する前に、キャリブレーションやティーチングを再度行うなどして対処できるため、例えば、当該対処を、予めスケジューリングされた搬送ロボット200の稼働時間以外で実施すれば、搬送ロボット200のダウンタイムを短縮することに繋がる。また、複数台が稼働している半導体製造工場においては、一台の不具合により、全体が停止してしまう場合もあるが、このように事前に対処できれば、全体に対する影響を防ぐことができる。さらに、将来的な位置ズレを予測して、それに対応する適切な対処を自動的に行えば、不具合が生じて半導体製造装置内に作業者が入って対処する機会を軽減することができ、その際にパーティクルが入るなどのリスクを軽減することができる。
【0073】
なお、本実施形態では、所定の撮影条件として、所定時間毎や所定作業回数毎などを例に挙げたが、搬送ロボット200の周辺環境の変化に応じて所定の撮影条件を設定してもよく、ロボット制御装置100は、温度検知手段を、さらに備えてもよい。
【0074】
具体的には、温度検知手段は、搬送ロボット200及び/又は搬送ロボット200周辺における温度を検知する。撮影指示手段130は、温度検知手段によって検知した温度、又は変化した温度に応じて、所定の撮影条件を満たしたものとして、所定位置においてカメラ240によって撮影させるように指示すればよい。
【0075】
例えば、搬送ロボット200及び/又は搬送ロボット200周辺における温度の上昇又は下降は、搬送ロボット200自身の熱膨張や熱収縮に影響する可能性がある。このため、当該温度の上昇又は下降のタイミングで所定位置において撮影された撮影画像と基準画像とに基づいて搬送ロボット200の位置ズレを判定することが効果的である。すなわち、搬送ロボット200の位置ズレを検出して、搬送ロボット200の搬送作業を中断したり、キャリブレーションやティーチングを再度行ったりすることができる。
【0076】
また、当該温度の上昇又は下降に応じて、例えば、固定された基準12a及び/又は搬送ロボット200についてどの程度の位置ズレが発生しているかを把握すれば、それらのデータに基づいて、予測手段151は、将来的に、固定された基準12aが閾値以上ズレて、搬送ロボット200の位置ズレが発生するかを適切に予測することができる。その際には、上述したように、近似曲線やAIなどを用いてもよい。
【0077】
なお、本実施形態では、カメラ240は、ステレオカメラとして2つのカメラで構成され、搬送ロボット200のハンドベース230に取り付けられていたが、これに限定されるものではなく、基準画像及び撮影画像に含まれる固定された基準の位置を明確に認識することができれば、1つのカメラ又は3つ以上のカメラで構成されても構わないし、ハンドベース230ではなく、例えば、マニピュレータ本体210のアームやハンド220に取り付けられても構わない。
【0078】
また、本実施形態では、対象物であるウエハWをFOUP12及び13から半導体制御装置の設置位置14及び15に搬送させる場面を一例に挙げて説明したが、これに限定されるものではなく、対象物であるウエハWを半導体制御装置の設置位置14及び15からFOUP12及び13に戻す場面でも本発明を適用しても構わない。さらに、例えば、ウエハWの方向や傾きを調整するためにアライナを介する場面でも、本発明を適用しても構わない。
【0079】
なお、本実施形態では、搬送ロボット200によって搬送される対象物をウエハとして説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、搬送される対象物をフラットパネルとする搬送ロボットでも本発明を適用しても構わないし、その他、平板状の対象物を搬送する搬送ロボットに適用することも可能である。
【0080】
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。実施形態が備える各要素並びにその配置、材料、条件、形状及びサイズ等は、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、異なる実施形態で示した構成同士を部分的に置換し又は組み合わせることが可能である。
【符号の説明】
【0081】
10…搬送ロボットシステム、11…作業空間、12,13…FOUP、12a…基準、14,15…設置位置、15…設置位置、15A~15C…ピン、100…ロボット制御装置、110…記憶手段、120…ロボット制御手段、130…撮影指示手段、140…撮影画像保存手段、150…ロボット判定手段、151…予測手段、160…出力手段、200…搬送ロボット、210…マニピュレータ本体、220…ハンド、230…ハンドベース(基部)、240…カメラ、300…デバイス制御装置、400…ティーチペンダント、W…ウエハ、P1…基準画像、P2…撮影画像、M100…ロボット位置ズレ検出方法、S110~S170…ロボット位置ズレ検出方法M100の各ステップ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7