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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024148331
(43)【公開日】2024-10-18
(54)【発明の名称】嵌合構造
(51)【国際特許分類】
   F16L 37/098 20060101AFI20241010BHJP
   F16B 21/08 20060101ALI20241010BHJP
   B60K 15/035 20060101ALI20241010BHJP
【FI】
F16L37/098
F16B21/08
B60K15/035 Z
B60K15/035 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023061378
(22)【出願日】2023-04-05
(71)【出願人】
【識別番号】000241463
【氏名又は名称】豊田合成株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】桑山 健太
(72)【発明者】
【氏名】宮村 雅之
【テーマコード(参考)】
3D038
3J037
3J106
【Fターム(参考)】
3D038CA25
3D038CC03
3J037AA02
3J037DA02
3J037DA13
3J037DB02
3J037DC02
3J106AB01
3J106BA01
3J106BB01
3J106BC04
3J106BD01
3J106EA03
3J106EB02
3J106ED04
3J106EE02
(57)【要約】
【課題】円筒部材の組み付け作業において、位置決めを必要とせずに、適切に篏合できる嵌合構造を提供する。
【解決手段】嵌合構造は、第1円筒部材(100)と第2円筒部材(200)とを備える。第1円筒部材(100)は、複数の係合爪(110)を備える。複数の係合爪(110)のそれぞれは、腕部(111)と凹部であるガイド部(C112)を画定している頭部(112)とを備える。ガイド部(C112)は、第2円筒部材(200)の端の一部(212)を、周方向(Am30)についてガイドするように構成される。第2円筒部材(200)は、複数の係合爪(110)と同数の複数の凹部(C211)と、第1円筒部材(100)と嵌合される際に周方向(Am30)についてガイド部(C112)にガイドされる被ガイド部(212)と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1円筒部材と第2円筒部材が互いの中心軸が一致するように組み合わせられる円筒部材の嵌合構造であって、
前記第1円筒部材は、
前記第2円筒部材の端の一部を受け入れた状態で前記第2円筒部材と嵌合し、
複数の係合爪であって、前記第1円筒部材の周方向に沿って配され、それぞれ前記第2円筒部材の端の前記一部と係合する前記複数の係合爪を備え、
前記複数の係合爪のそれぞれは、
一端を支持され、前記第2円筒部材が前記第1円筒部材に挿入される挿入方向に沿って伸び、前記第1円筒部材の半径方向に沿って弾性変形できる腕部と、
前記腕部の先端に接続され、前記腕部よりも前記第1円筒部材の第1中心軸に向かって突出している頭部であって、前記第1中心軸と向かい合う側に設けられる凹部であるガイド部を画定している前記頭部と、を備え、
前記ガイド部は、前記第2円筒部材の端の前記一部を、前記周方向についてガイドするように構成されており、
前記第2円筒部材は、
前記複数の係合爪と同数の複数の凹部であって、前記第2円筒部材が前記第1円筒部材と嵌合された際に前記複数の係合爪をそれぞれ受け入れる、前記複数の凹部と、
前記複数の凹部に対して前記挿入方向の位置に設けられ、前記第2円筒部材の前記半径方向について外に向かって突出し、前記第2円筒部材が前記第1円筒部材と嵌合される際に前記周方向について前記ガイド部にガイドされる被ガイド部と、を備える、嵌合構造。
【請求項2】
請求項1記載の嵌合構造であって、
前記第1円筒部材は、さらに、
前記第1円筒部材の前記第1中心軸の方向についての両端の一方に位置し、前記第2円筒部材が挿入される第1嵌合開口部と、
前記第1円筒部材の前記第1中心軸の方向についての両端の他方に位置する第1他開口部と、
複数の突起部と、を備え、
前記ガイド部は、さらに、
前記挿入方向とは逆の方向の前記頭部の端から前記挿入方向に沿って伸びており、前記ガイド部の前記周方向の両端を規定する一対の第1ガイド端辺を備え、前記周方向の前記一対の第1ガイド端辺の間隔が前記挿入方向に沿って小さくなり、
前記複数の突起部は、
前記第1円筒部材の内壁から突出し、前記周方向において、前記複数の係合爪のそれぞれの係合爪の両側において、前記第1嵌合開口部と前記第1他開口部のうち前記第1嵌合開口部に近い端が、前記一対の第1ガイド端辺の延長線に対して前記第1嵌合開口部に配され、かつ、
前記端が傾斜面であって、前記周方向について前記係合爪から遠い突起部の前記第1嵌合開口部側の端であるほど、前記延長線から前記第1嵌合開口部に近づくように配された前記端により構成されている前記傾斜面を備え、
前記被ガイド部は、
前記被ガイド部の前記周方向の両端を規定する一対の第2ガイド端辺を備え、前記一対の第2ガイド端辺の前記周方向の間隔が前記挿入方向に沿って小さくなるように構成されている、嵌合構造。
【請求項3】
請求項1記載の嵌合構造であって、
前記第1円筒部材は、さらに、
前記第1円筒部材の前記第1中心軸の方向についての両端の一方に位置し、前記第2円筒部材が挿入される第1嵌合開口部と、
前記第1円筒部材の前記第1中心軸の方向についての両端の他方に位置する第1他開口部と、
複数の突起部と、を備え、
前記ガイド部は、さらに、
前記挿入方向とは逆の方向の前記頭部の端から前記挿入方向に沿って伸びており、前記ガイド部の前記周方向の両端を規定する一対の第1ガイド端辺を備え、前記周方向の前記一対の第1ガイド端辺の間隔が前記挿入方向に沿って小さくなり、
前記複数の突起部は、
前記第1円筒部材の内壁から突出し、前記周方向において、前記複数の係合爪のそれぞれの係合爪の両側において、前記第1嵌合開口部と前記第1他開口部のうち前記第1嵌合開口部に近い端が、前記一対の第1ガイド端辺の延長線に対して前記第1嵌合開口部に配され、かつ、
前記周方向について前記係合爪から遠い突起部であるほど、前記第1嵌合開口部に近い前記端が前記延長線から前記第1嵌合開口部に近づくように配され、
前記被ガイド部は、さらに、
前記被ガイド部の前記周方向の両端を規定する一対の第2ガイド端辺を備え、前記一対の第2ガイド端辺の前記周方向の間隔が前記挿入方向に沿って小さくなるように構成されている、嵌合構造。
【請求項4】
請求項2または請求項3に記載の嵌合構造であって、
前記複数の突起部のそれぞれの形状は、さらに、前記第1嵌合開口部から前記第1他開口部に向かって伸びる形状である、嵌合構造。
【請求項5】
請求項4に記載の嵌合構造であって、さらに、
前記複数の突起部のうちの隣り合う突起部の間隔は、前記一対の第2ガイド端辺のそれぞれの前記周方向の間隔よりも大きい、嵌合構造。
【請求項6】
第1円筒部材と第2円筒部材が互いの中心軸が一致するように組み合わせられる円筒部材の嵌合構造であって、
前記第1円筒部材は、
前記第1円筒部材の端の一部を前記第2円筒部材に受け入れられた状態で前記第2円筒部材と嵌合し、
複数の係合爪であって、前記第1円筒部材の周方向に沿って配され、それぞれ前記第2円筒部材の端の前記一部と係合する前記複数の係合爪を備え、
前記複数の係合爪のそれぞれは、
一端を支持され、前記第1円筒部材が前記第2円筒部材に挿入される挿入方向に沿って伸び、前記第1円筒部材の半径方向に沿って弾性変形できる腕部と、
前記腕部の先端に接続され、前記腕部よりも前記第1円筒部材の第1中心軸に向かう方向とは逆方向に向かって突出している頭部であって、前記第1中心軸と向かい合う側とは反対側に設けられる凹部であるガイド部を画定している前記頭部と、を備え、
前記ガイド部は、前記第2円筒部材の端の前記一部を、前記周方向についてガイドするように構成されており、
前記第2円筒部材は、
前記複数の係合爪と同数の複数の凹部であって、前記第2円筒部材が前記第1円筒部材と嵌合された際に前記複数の係合爪をそれぞれ受け入れる、前記複数の凹部と、
前記複数の凹部に対して前記挿入方向の位置に設けられ、前記第2円筒部材の前記半径方向について内側に向かって突出し、前記第2円筒部材が前記第1円筒部材と嵌合される際に前記周方向について前記ガイド部にガイドされる被ガイド部と、を備える、嵌合構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、嵌合構造に関する。
【背景技術】
【0002】
燃料配管やバルブなどの嵌合構造の部材において、例えば、特許文献1に記載されているように、嵌合爪と嵌合溝を備えた構造が利用される場合がある。具体的には、この構造は、嵌合爪を備えた円筒部材と、嵌合溝を備えた円筒部材と、によって構成される。これら円筒部材は、組み付け作業により、嵌合爪が嵌合溝に配置されることで、嵌合される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013-103562号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記の嵌合構造を利用する場合、組み付け作業には、嵌合爪を備えた円筒部材と、と嵌合溝を備えた円筒部材と、の作業者による正確な位置決めが必要である。組み付け作業の際に、嵌合爪と嵌合溝が適切な位置に位置合わせされていない場合、以下のような問題が生じ得る。すなわち、組み付け作業の作業者は、円筒部材を嵌合できないか、または、嵌合爪が嵌合溝以外の位置に固定されることで、円筒部材が、半嵌合の状態となる。
【0005】
したがって、二つの円筒部材の組み付け作業において、作業者による円筒部材同士の正確な位置決めを必要とせずに、適切に篏合できる嵌合構造が求められていた。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、以下の形態として実現することが可能である。
【0007】
(1)本開示の第1の形態によれば、嵌合構造が提供される。この篏合構造は、第1円筒部材と第2円筒部材が互いの中心軸が一致するように組み合わせられる円筒部材の嵌合構造である。前記第1円筒部材は、前記第2円筒部材の端の一部を受け入れた状態で前記第2円筒部材と嵌合し、複数の係合爪であって、前記第1円筒部材の周方向に沿って配され、それぞれ前記第2円筒部材の端の前記一部と係合する前記複数の係合爪を備える。前記複数の係合爪のそれぞれは、一端を支持され、前記第2円筒部材が前記第1円筒部材に挿入される挿入方向に沿って伸び、前記第1円筒部材の半径方向に沿って弾性変形できる腕部と、前記腕部の先端に接続され、前記腕部よりも前記第1円筒部材の第1中心軸に向かって突出している頭部であって、前記第1中心軸と向かい合う側に設けられる凹部であるガイド部を画定している前記頭部と、を備える。前記ガイド部は、前記第2円筒部材の端の前記一部を、前記周方向についてガイドするように構成されている。前記第2円筒部材は、前記複数の係合爪と同数の複数の凹部であって、前記第2円筒部材が前記第1円筒部材と嵌合された際に前記複数の係合爪をそれぞれ受け入れる、前記複数の凹部と、前記複数の凹部に対して前記挿入方向の位置に設けられ、前記第2円筒部材の前記半径方向について外に向かって突出し、前記第2円筒部材が前記第1円筒部材と嵌合される際に前記周方向について前記ガイド部にガイドされる被ガイド部と、を備える。
このような態様とすることで、第2円筒部材が第1円筒部材と嵌合される際には、第2円筒部材の被ガイド部が、周方向についてガイド部によってガイドされる。このため、第2円筒部材と第1円筒部材との組み付け作業において、作業者による第2円筒部材と第1円筒部材との正確な位置決めが必要ない。
(2)上記形態の嵌合構造において、前記第1円筒部材は、さらに、前記第1円筒部材の前記第1中心軸の方向についての両端の一方に位置し、前記第2円筒部材が挿入される第1嵌合開口部と、前記第1円筒部材の前記第1中心軸の方向についての両端の他方に位置する第1他開口部と、複数の突起部と、を備える。前記ガイド部は、さらに、前記挿入方向とは逆の方向の前記頭部の端から前記挿入方向に沿って伸びており、前記ガイド部の前記周方向の両端を規定する一対の第1ガイド端辺を備え、前記周方向の前記一対の第1ガイド端辺の間隔が前記挿入方向に沿って小さくなる。前記複数の突起部は、前記第1円筒部材の内壁から突出し、前記周方向において、前記複数の係合爪のそれぞれの係合爪の両側において、前記第1嵌合開口部と前記第1他開口部のうち前記第1嵌合開口部に近い端が、前記一対の第1ガイド端辺の延長線に対して前記第1嵌合開口部に配され、かつ、前記端が傾斜面であって、前記周方向について前記係合爪から遠い突起部の前記第1嵌合開口部側の端であるほど、前記延長線から前記第1嵌合開口部に近づくように配された前記端により構成されている前記傾斜面を備える。前記被ガイド部は、前記被ガイド部の前記周方向の両端を規定する一対の第2ガイド端辺を備え、前記一対の第2ガイド端辺の前記周方向の間隔が前記挿入方向に沿って小さくなるように構成されている、態様とすることができる。
このような態様とすることで、被ガイド部は、周方向における複数の係合爪の間においても、複数の突起部により、周方向にガイドされる。さらに、一対の第2ガイド端辺は、ガイドの基準となる一対の第1ガイド端辺の延長線とは異なる傾きを有する。よって、被ガイド部は、複数箇所を接触した状態でガイドされないため、複数箇所接触する場合に比べて、ガイドを妨げられない。このうえ、複数の突起部のそれぞれの突起部の端は、傾斜面を形成しているため、突起部の複数の端によりガイドされる場合に比べて、ガイドを妨げる可能性を低減できる。すなわち、被ガイド部が、容易にガイドされる。
(3)上記形態の嵌合構造において、前記第1円筒部材は、さらに、前記第1円筒部材の前記第1中心軸の方向についての両端の一方に位置し、前記第2円筒部材が挿入される第1嵌合開口部と、前記第1円筒部材の前記第1中心軸の方向についての両端の他方に位置する第1他開口部と複数の突起部と、を備える。前記ガイド部は、さらに、前記挿入方向とは逆の方向の前記頭部の端から前記挿入方向に沿って伸びており、前記ガイド部の前記周方向の両端を規定する一対の第1ガイド端辺を備え、前記周方向の前記一対の第1ガイド端辺の間隔が前記挿入方向に沿って小さくなる。前記複数の突起部は、前記第1円筒部材の内壁から突出し、前記周方向において、前記複数の係合爪のそれぞれの係合爪の両側において、前記第1嵌合開口部と前記第1他開口部のうち前記第1嵌合開口部に近い端が、前記一対の第1ガイド端辺の延長線に対して前記第1嵌合開口部に配され、かつ、前記周方向について前記係合爪から遠い突起部であるほど、前記第1嵌合開口部に近い前記端が前記延長線から前記第1嵌合開口部に近づくように配される。前記被ガイド部、さらに、前記被ガイド部の前記周方向の両端を規定する一対の第2ガイド端辺を備え、前記一対の第2ガイド端辺の前記周方向の間隔が前記挿入方向に沿って小さくなるように構成されている、態様とすることができる。
このような態様とすることで、被ガイド部は、周方向における複数の係合爪の間においても、複数の突起部により、周方向にガイドされる。さらに、一対の第2ガイド端辺は、ガイドの基準となる一対の第1ガイド端辺の延長線とは異なる傾きを有する。よって、被ガイド部は、複数箇所を接触した状態でガイドされないため、複数箇所接触する場合に比べて、ガイドを妨げられない。すなわち、被ガイド部が、容易にガイドされる。
(4)上記形態の嵌合構造において、前記複数の突起部のそれぞれの形状は、さらに、前記第1嵌合開口部から前記第1他開口部に向かって伸びる形状である、態様とすることができる。
このような態様とすることで、複数の突起部は、被ガイド部による挿入方向からの力に対する耐久性を確保しやすく、かつ、周方向の限られた範囲に形成されることが容易になる。
(5)上記形態の篏合構造において、前記複数の突起部のうちの隣り合う突起部の間隔は、前記一対の第2ガイド端辺のそれぞれの前記周方向の間隔よりも大きい、態様とすることができる。
このような態様とすることで、被ガイド部は、第2円筒部材が第1円筒部材に対して回転した場合、突起部に当たる。すなわち、突起部は、篏合状態において、第2円筒部材が第1円筒部材に対して回転することを防止する。
(6)本開示の第2の形態によれば、嵌合構造が提供される。この篏合構造は、第1円筒部材と第2円筒部材が互いの中心軸が一致するように組み合わせられる円筒部材の嵌合構造である。前記第1円筒部材は、前記第1円筒部材の端の一部を前記第2円筒部材に受け入れられた状態で前記第2円筒部材と嵌合し、複数の係合爪であって、前記第1円筒部材の周方向に沿って配され、それぞれ前記第2円筒部材の端の前記一部と係合する前記複数の係合爪を備える。前記複数の係合爪のそれぞれは、一端を支持され、前記第1円筒部材が前記第2円筒部材に挿入される挿入方向に沿って伸び、前記第1円筒部材の半径方向に沿って弾性変形できる腕部と、前記腕部の先端に接続され、前記腕部よりも前記第1円筒部材の第1中心軸に向かう方向とは逆方向に向かって突出している頭部であって、前記第1中心軸と向かい合う側とは反対側に設けられる凹部であるガイド部を画定している前記頭部と、を備える。前記ガイド部は、前記第2円筒部材の端の前記一部を、前記周方向についてガイドするように構成されている。前記第2円筒部材は、前記複数の係合爪と同数の複数の凹部であって、前記第2円筒部材が前記第1円筒部材と嵌合された際に前記複数の係合爪をそれぞれ受け入れる、前記複数の凹部と、前記複数の凹部に対して前記挿入方向の位置に設けられ、前記第2円筒部材の前記半径方向について内側に向かって突出し、前記第2円筒部材が前記第1円筒部材と嵌合される際に前記周方向について前記ガイド部にガイドされる被ガイド部と、を備える。
このような態様とすることで、第1円筒部材が第2円筒部材に挿入されることにより、第2円筒部材と第1円筒部材と嵌合する際に、第2円筒部材の被ガイド部が、周方向についてガイド部によってガイドされる。このため、第2円筒部材と第1円筒部材との組み付け作業において、作業者による第2円筒部材と第1円筒部材との正確な位置決めが必要ない。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本開示の第1実施形態としての円筒部材10の嵌合構造を示す説明図である。
図2】第1円筒部材100の斜視図である。
図3】係合爪110の斜視図である。
図4】第2円筒部材200の斜視図である。
図5図1における中心軸CLから円筒部材10を展開した説明図である。
図6図5におけるVI-VI断面の断面図である。
図7】ガイドの過程の被係合部210と係合爪110の位置関係を示す説明図である。
図8】突起部120までの挿入状態を示す説明図である。
図9】一対の第1ガイド端辺C112aまでの挿入状態を示す説明図である。
図10図9における被係合部210と係合爪110の位置関係を示す説明図である。
図11】ガイド部C112までの挿入状態を示す説明図である。
図12図11における被係合部210と係合爪110の位置関係を示す説明図である。
図13図12におけるXIII-XIII断面の断面図である。
図14】腕部111の弾性変形を示す被係合部210と係合爪110の断面図である。
図15】嵌合状態の被係合部210と係合爪110の断面図である。
図16】第2実施形態の複数の突起部120aを示す説明図である。
図17】第3実施形態の複数の突起部120bを示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
A.第1実施形態:
A1.円筒部材の構造:
図1は、本開示の第1実施形態としての円筒部材10の嵌合構造を示す説明図である。以下の説明では、理解を容易にするため、円筒部材10の中心軸CLを基準に方向を設定する。中心軸CLに沿った方向として、矢印Am10方向と矢印Am20方向を設定する。矢印Am10方向は、後に説明する挿入方向Am10とも呼ぶ。矢印Am20方向は、矢印Am10方向の逆の方向である。中心軸CL周りの方向として、周方向Am30を設定する。さらに、周方向Am30において、一方の方向として、矢印Am31方向を設定する。矢印Am31方向は、矢印Am10方向から見た場合の右回りの方向である。
【0010】
円筒部材10は、2つ円筒形状の部材が接続された部材である。円筒部材10は、第1円筒部材100と、第2円筒部材200と、により構成される。円筒部材10は、第1円筒部材100と第2円筒部材200が互いの中心軸CLが一致するように組み合わせられる。円筒部材10は、例えば、流路を備える配管の接続部である。すなわち、円筒部材10は、第1円筒部材100と第2円筒部材200のそれぞれの流路を接続する。
【0011】
図2は、第1円筒部材100の斜視図である。第1円筒部材100は、第2円筒部材200の端の一部を受け入れた状態で第2円筒部材200と嵌合する。この端の一部は、被ガイド部212である。被ガイド部212については、後に詳細に説明する。すなわち、第1円筒部材100は、第2円筒部材200が挿入されることで、第2円筒部材200と嵌合される。第1円筒部材100の形状は、第1中心軸CL1を有する円筒形状である。第1中心軸CL1は、第1円筒部材100と第2円筒部材200を組み合わせた状態の円筒部材10の中心軸CLと一致する。第1円筒部材100は、複数の係合爪110と、複数の突起部120と、第1嵌合開口部101cと、第1他開口部102cと、を備える。例えば、第1円筒部材100は、流路C103を有する配管である。図1のように、第1円筒部材100は、複数の係合爪110により第2円筒部材200と嵌合されることで、第2円筒部材200の流路C203と接続される。
【0012】
第1嵌合開口部101cは、図2に示すように、第1円筒部材100の第1中心軸CL1の方向についての両端の一方に位置し、第2円筒部材200が挿入される開口部である。第1他開口部102cは、第1円筒部材100の第1中心軸CL1の方向についての両端の他方に位置する開口部である。第1中心軸CL1の方向は、第1中心軸CL1に平行な方向である。すなわち、挿入方向Am10は、第1嵌合開口部101cから第1他開口部102cに向かう方向である。第1嵌合開口部101cは、第2円筒部材200の第2嵌合開口部201cの外径D2よりも大きい内径d1を有する円形である。さらに、第1円筒部材100は、第1嵌合開口部101cから第2円筒部材200が挿入される範囲内において、第2円筒部材200の外径D2より大きく内径d1を有する。
【0013】
図3は、係合爪110の斜視図である。複数の係合爪110は、それぞれ第2円筒部材200の端の一部と係合する。この端の一部は、後に説明する凹部C211である。複数の係合爪110は、第1円筒部材100の周方向Am30に沿って配される。例えば、複数の係合爪110は、図2に示すように、周方向Am30に4箇所の位置に等間隔に配される。複数の係合爪110のそれぞれは、図3に示すように、第1円筒部材100の半径方向Am40に沿って弾性変形できる腕部111と、腕部111の先端に接続される頭部112と、を備える。より具体的には、係合爪110は、腕部111の一端111cを内壁104cに支持され、挿入方向Am10に沿って伸びる。すなわち、係合爪110は、腕部111の一端111c以外の周囲を空隙に囲まれている。
【0014】
腕部111は、嵌合のために弾性変形できる。腕部111は、一端111cを支持され、第2円筒部材200が第1円筒部材100に挿入される挿入方向Am10に沿って伸びる。よって、腕部111は、支持部を支点に、第1中心軸CL1に対して垂直な方向である半径方向Am40にたわむことができる。
【0015】
頭部112は、第2円筒部材200の凹部C211と嵌合する。凹部C211については、後に詳細に説明する。頭部112は、腕部111の先端に接続されている。頭部112は、腕部111よりも第1円筒部材100の第1中心軸CL1に向かって突出している。頭部112は、第1中心軸CL1と向かい合う側に設けられる凹部であるガイド部C112を画定している。より具体的には、頭部112は、第1円筒部材100と第2円筒部材200が組み合わせられた状態において、第2円筒部材200の凹部C211の空間に位置する。このため、頭部112は、第2円筒部材200における凹部C211空間よりも、小さい体積を有する。頭部112の突出量t10については、後に詳細に説明する。よって、頭部112は、第2円筒部材200の凹部C211に収容されることで、第1円筒部材100と第2円筒部材200を嵌合する。
【0016】
ガイド部C112は、第2円筒部材200の端の一部212を、周方向Am30についてガイドするように構成されている。より具体的には、ガイド部C112は、第2円筒部材200の被ガイド部212をガイドすることで、頭部112を凹部C211の周方向Am30における位置までガイドする。ガイド部C112は、第1中心軸CL1と向かい合う側に設けられる凹部である。さらに、ガイド部C112は、挿入方向Am10とは逆の方向Am20の頭部112の端112aから挿入方向Am10に沿って伸びている。ガイド部C112は、ガイド部C112の周方向Am30の両端を規定する一対の第1ガイド端辺C112aを備える。より具体的には、ガイド部C112は、三角錐状の凹部である。ガイド部C112の底の位置は、周方向Am30において、頭部112の中央に位置する。ガイド部C112の底を、第1頂点C112bと呼ぶ。ガイド部C112は、三角錐状の凹部を画定する3面のうち、2面を頭部112に面する。すなわち、ガイド面C112rは、一対の第1ガイド端辺C112aを間に、腕部111と接続されている。この頭部112に面する2面を、ガイド面C112rと呼ぶ。
【0017】
一対の第1ガイド端辺C112aは、嵌合のために第2円筒部材200の被ガイド部212をガイドする。さらに、一対の第1ガイド端辺C112aは、被ガイド部212のガイドの方向を定める。一対の第1ガイド端辺C112aは、周方向Am30の一対の第1ガイド端辺C112aの間隔S1が挿入方向Am10に沿って小さくなる。一対の第1ガイド端辺C112aにおいて、その2辺の交点は、周方向Am30において、頭部112の中央に位置する。この交点を、第1頂点C112bと呼ぶ。すなわち、一対の第1ガイド端辺C112aは、第1頂点C112bから第1嵌合開口部101cに向かって、広がる端辺である。一対の第1ガイド端辺C112aは、第1円筒部材100の内壁104cに沿って直線に伸びる。一対の第1ガイド端辺C112aを頭部112の範囲外まで延長した延長線を、第1ガイド線C112agと呼ぶ。第1ガイド線C112agは、第1円筒部材100の内壁104cに沿って、一対の第1ガイド端辺C112aを延長した線である。第1ガイド線C112agについては、後に詳細に説明する。一対の第1ガイド端辺C112aの内角および2つのガイド線の内角を、第1内角R1と呼ぶ。第1内角R1については、詳細に説明する。
【0018】
ガイド面C112rは、周方向Am30の幅が第1円筒部材100の内部に向かって小さくなる。よって、ガイド面C112rは、第1円筒円部材の第1中心軸CL1に最も近い位置に頂点を有する。この頂点を、第3頂点C112cと呼ぶ。ガイド面C112rの2面は、第3頂点C112cから第1頂点C112bまでの直線を境に、線対称に構成されている。さらに、ガイド面C112rは、この直線を境に折れ曲がることで、溝を画定している。この溝を、ガイド溝C112dと呼ぶ。したがって、ガイド溝C112dは、周方向Am30において、第1円筒部材100の第1中心軸CL1に沿って、形成される。ガイド溝C112dは、被ガイド部212を第1中心軸CL1方向に沿ってガイドする。ガイド溝C112dによるガイドの機能については、後に説明する。
【0019】
複数の突起部120は、第2円筒部材200の被ガイド部212のガイドを行う。図2に示すように、複数の突起部120は、第1円筒部材100の内壁104cから突出する。複数の突起部120は、周方向Am30において、複数の係合爪110のそれぞれの係合爪110の両側に配される。さらに、複数の突起部120のうちの隣り合う突起部120の間隔S2は、一対の第2ガイド端辺212aのそれぞれの周方向Am30の間隔S3よりも大きい。複数の突起部120の間隔S2については、後に説明する。複数の突起部120のそれぞれの形状は、第1嵌合開口部101cから第1他開口部102cに向かって伸びる形状である。より具体的には、複数の突起部120のそれぞれの形状は、第1中心軸CL1の方向に沿って伸びており、周方向Am30および半径方向Am40の寸法より第1中心軸CL1の方向の寸法が大きい。すなわち、突起部120は、第1中心軸CL1の方向に長手方向を持つリブの形状を有する。このような態様とすることで、複数の突起部120は、被ガイド部212による挿入方向Am10からの力に対する耐久性を確保しやすく、かつ、周方向Am30の限られた範囲に形成されることが容易になる。さらに、突起部120の第1中心軸CL1の方向の長さは、腕部111の一端111cから頭部112の端112aまでの長さより長い。よって、後に説明する被ガイド部212が、係合爪110の位置に配置された場合、両側の突起部120によって周方向Am30の移動を防止する。この機能については、後に詳細に説明する。
【0020】
さらに、突起部120の第1嵌合開口部101c側にあるガイド端部120cは、曲面である。この端部を、ガイド端部120cと呼ぶ。よって、ガイド端部120cは、挿入方向Am10のからの力を斜面で受けやすい。この斜面は、挿入方向Am10に対して周方向Am30に傾きを有する斜面である。よって、ガイド端部120cに接触する物体は、ガイド端部120cの斜面に沿って移動する。ガイド端部120cに接触する物体は、第2円筒部材200の被ガイド部212である。被ガイド部212については、後に詳細に説明する。ガイド端部120cと被ガイド部212は、周方向Am30において、相対的に移動可能な状態である。よって、ガイド端部120cの斜面における被ガイド部212の移動は、ガイド端部120cに対する相対的な移動である。
【0021】
図4は、第2円筒部材200の斜視図である。第2円筒部材200は、第1円筒部材100に挿入されることで、第1円筒部材100と嵌合される。第2円筒部材200の形状は、第2中心軸CL2を有する円筒形状である。第2中心軸CL2は、第1円筒部材100と第2円筒部材200を組み合わせた状態の円筒部材10の中心軸CLと一致する。第2円筒部材200は、被ガイド部212と、複数の凹部C211と、第2嵌合開口部201cと、第2他開口部202cと、段差213と、を備える。被ガイド部212と凹部C211と段差213との構成を、被係合部210とも呼ぶ。例えば、第2円筒部材200は、流路C203を有する配管である。図1のように、第2円筒部材200は、複数の凹部C211により第1円筒部材100と嵌合されることで、第1円筒部材100の流路C103と接続される。
【0022】
第2嵌合開口部201cは、図4のように、第2円筒部材200の第2中心軸CL2の方向についての両端の一方に位置し、第1円筒部材100に挿入される開口部である。第2他開口部202cは、第2円筒部材200の第2中心軸CL2の方向についての両端の他方に位置する開口部である。第2中心軸CL2の方向は、第2中心軸CL2に平行な方向である。すなわち、挿入方向Am10は、第2他開口部202cから第2嵌合開口部201cに向かう方向である。第2嵌合開口部201cは、第1円筒部材100の第1嵌合開口部101cの内径d1よりも小さい外径D2を有する円形である。さらに、第2円筒部材200は、第2嵌合開口部201cから第2円筒部材200が挿入される範囲内においても、第1円筒部材100の内径d1より小さい外径D2を有する。
【0023】
複数の凹部C211は、複数の係合爪110と同数である複数の凹部C211であって、第2円筒部材200が第1円筒部材100と嵌合された際に複数の係合爪110をそれぞれ受け入れる。より具体的には、凹部C211は、係合爪110の頭部112と嵌合するため、頭部112を収容可能な空間を有する。凹部C211は、例えば、底のある穴である。凹部C211は、被ガイド部212の一対の第2ガイド端辺212aの交点212bから第2他開口部202cまでに、配される。すなわち、凹部C211は、被ガイド部212の第2頂点212bから第2中心軸CL2の方向に沿って、第2他開口部202c側に配される。
【0024】
被ガイド部212は、複数の凹部C211に対して挿入方向Am10の位置に設けられ、第2円筒部材200の半径方向Am40について外に向かって突出する。さらに、第2円筒部材200が第1円筒部材100と嵌合される際に周方向Am30についてガイド部C112にガイドされる。このうえ、被ガイド部212は、嵌合状態において、第1円筒部材100に対する第2円筒部材200の回転を防止する。被ガイド部212は、第2円筒部材200の周方向Am30の両端を規定する一対の第2ガイド端辺212aを備える。より具体的には、被ガイド部212は、第2円筒部材200の外壁204cから突出することで、外壁204cに形成された段差である。
【0025】
一対の第2ガイド端辺212aは、被ガイド部212と外壁204cとの間の端辺である。一対の第2ガイド端辺212aは、周方向Am30の間隔S3が挿入方向Am10に沿って小さくなるように構成されている。間隔S2については、後に説明する。一対の第2ガイド端辺212aにおいて、その2辺の交点は、周方向Am30において、被ガイド部212の中央に位置する。この交点を、第2頂点212bと呼ぶ。よって、一対の第2ガイド端辺212aは、第2頂点212bから第2他開口部202cに向かって、広がる端辺である。一対の第2ガイド端辺212aは、第2円筒部材200の外壁204cに沿って直線に伸びる。この端辺の内角を、第3内角R3と呼ぶ。第2ガイド端辺212aの長さLと、第3内角R3と、については、後に詳細に説明する。第2頂点212bと第2嵌合開口部201cの端部201caとの間には、第2円筒部材200の外壁204cの範囲が存在する。このような態様とすることで、第2円筒部材200は、第1円筒部材100に挿入されてからガイドの過程に入るため、ガイドの過程において、第1円筒部材100から抜けることを防止する。
【0026】
段差213は、第1円筒部材100と第2円筒部材200が組み合わされた状態において、第1円筒部材100に対する第2円筒部材200の回転を防止する。段差213は、周方向Am30において、被ガイド部212の両側に配される。さらに、段差213は、第2中心軸CL2の方向において、被ガイド部212よりも第2他開口部202c側に配される。段差213は、第2嵌合開口部201cから第2他開口部202cに向かって伸びる段差である。より具体的には、段差213は、第1円筒部材100と第2円筒部材200が組み合わされた状態において、突起部120の長手方向と平行に並ぶ段差である。さらに、この組み合わされた状態における段差213は、周方向Am30において、被ガイド部212の両側の複数の突起部120の間に位置する。段差213の機能については、後に詳細に説明する。
【0027】
A2.位置決めのための各部の構造:
図5は、図1における中心軸CLから円筒部材10を展開した説明図である。図5の説明図は、中心軸CLから見た被係合部210と係合爪110の位置関係を示す。図5において、技術の理解を容易にするため、頭部112の突出する向きと凹部C211の開口部の向きと、は同一方向として図示されている。図5の説明図は、突起部120の突出する向きも、頭部112の突出する向きと同一方向である。しかし、実際の嵌合では、頭部112の突出する向きと凹部C211の開口部の向きは、向かい合う方向である。また、図5の円筒部材10は、図1の円筒部材10の状態である。すなわち、第2円筒部材200は、第1円筒部材100の内部に、被係合部210の第2頂点212bまで挿入された状態である。
【0028】
図6は、図5におけるVI-VI断面の断面図である。図6において、実際の嵌合状態と同じように、頭部112の突出する向きと突起部120の突出する向きは、向かい合う方向としている。以下の説明においても、被係合部210と係合爪110の断面図は同様に図示されている。前述のように、被係合部210は、第2円筒部材200の外壁204cから突出した部位である。また、突起部120は、第1円筒部材100の内壁104cから突出した部位である。図6に示すように、突起部120は、第1円筒部材100の内壁104cから第2円筒部材200の外壁204cまでの間隔t30において、挿入方向Am10から見て、重なる位置に配置されている。より具体的には、被ガイド部212の突出量t20と、突起部120の突出量t10は、第1円筒部材100の内壁104cから第2円筒部材200の外壁204cまでの間隔t30より小さい。したがって、被ガイド部212は、第2円筒部材200が第1円筒部材100に挿入がされることで、突起部120に接触する。
【0029】
図7は、ガイドの過程における被係合部210と係合爪110の位置関係を示す説明図である。図7を例として、ガイドを行う各部の構造を説明する。図7の説明図は、一組の被係合部210と係合爪110を示している。また、図7における被係合部210と係合爪110の位置関係は、図5の位置関係が異なる場合であるが、を頭部112と凹部C211の図示の方法は同様である。以下の説明においても、被係合部210と係合爪110の位置関係を示す説明図は同様に図示されている。図7において、被係合部210は、周方向Am30において、突起部120の位置に配置された状態を示す。
【0030】
円筒部材10による嵌合は、第1円筒部材100の頭部112が第2円筒部材200の凹部C211に受け入れられることにより、行われる。また、円筒部材10による嵌合は、第1円筒部材100と第2円筒部材200が中心軸CLを一致させた状態で組み合わされることで行われる。よって、嵌合は、頭部112と凹部C211が中心軸CLの方向に沿った移動により嵌合させる必要がある。すなわち、嵌合は、頭部112と凹部C211の周方向Am30の位置を一致させる必要がある。したがって、図7において、頭部112と凹部C211の周方向Am30の位置は、一致していないため、位置決めが必要な状態である。
【0031】
複数の突起部120は、前述のように、複数の係合爪110のそれぞれの係合爪110の両側に配される。さらに、複数の突起部120は、第1嵌合開口部101cと第1他開口部102cのうち第1嵌合開口部101cに近い端が、一対の第1ガイド端辺C112aの延長線C112agに対して第1嵌合開口部101cに配される。さらに、複数の突起部120は、周方向Am30について係合爪110から遠い突起部120であるほど、第1嵌合開口部101cに近い端が延長線C112agから第1嵌合開口部101cに近づくように配される。
【0032】
より具体的には、複数の突起部120の配置は、第1ガイド線C112agによる第1内角R1と、一対の第2ガイド端辺212aの第3内角R3と、に基づいて設定される。例えば、複数の突起部120のそれぞれの突起部120は、図7のように、第1突起部120xと第2突起部120yの2つより構成される。第1突起部120xと第2突起部120yは、周方向Am30における係合爪110の片側に配される。図7のように、係合爪110に近い方を第1突起部120x、他方を第2突起部120y、と呼ぶ。突起部120の第1嵌合開口部101c側の端を、ガイド端部120cと呼ぶ。よって、第1突起部120xと第2突起部120yにおけるガイド端部120cを、順に第1ガイド端部120cxと第2ガイド端部120cy、と呼ぶ。さらに、ガイド部C112の第1頂点C112bと、ガイド端部120cを繋ぐ線を、第2ガイド線C120cgと呼ぶ。このうえ、周方向Am30において、係合爪110の両側に伸びる第2ガイド線C120cgの内角を、第2内角R2と呼ぶ。このとき、第2内角R2は、第1ガイド線C112agによる第1内角R1よりも小さい角度に設定している。さらに、前述のように、一対の第2ガイド端辺212aは、周方向Am30の間隔S3が挿入方向Am10に沿って小さくなっている。第3内角R3は、第1内角R1以下、かつ、第2内角R2よりも大きい角度に設定している。例えば、第1内角R1と第2内角R2と第3内角R3は、順に120度と110度と120度である。
【0033】
突起部120は、さらに、突起部120における間隔L1と、ガイド部C112との間隔L2と、を第2ガイド端辺212aの長さL3よりも短くなるように、配置される。よって、被ガイド部212は、挿入の過程において、突起部120またはガイド部C112に接触する。より具体的には、被ガイド部212は、ガイド部C112と、ガイド端部120cのいずれかの1か所に接触した状態において、ガイドされる。よって、被ガイド部212は、挿入方向Am10に向かって移動した場合、突起部120による第2ガイド線C120cgに沿って周方向Am30に移動する。よって、被ガイド部212は、ガイド部C112の第1頂点C112bまでガイドされる。さらに、被ガイド部212は、第3内角R3が第2内角R2よりも小さいため、第2頂点212bが突起部120に接触するよりも先に、一対の第2ガイド端辺212aを端とする面を突起部120に接触させる。すなわち、被係合部210は、斜面である被ガイド部212から、突起部120やガイド部C112と接触させる。したがって、被係合部210は、先端から接触する場合に比べて、周方向Am30への力を受けやすい。このような態様とすることで、被ガイド部212は、周方向Am30における複数の係合爪110の間においても、複数の突起部120により、周方向Am30にガイドされる。さらに、一対の第2ガイド端辺212aは、ガイドの基準となる一対の第1ガイド端辺C112aの延長線C112agとは異なる傾きを有する。よって、被ガイド部212は、複数箇所を接触した状態でガイドされないため、複数箇所接触する場合に比べて、ガイドを妨げられない。すなわち、被ガイド部が、容易にガイドされる。
【0034】
A3.円筒部材による嵌合の位置決め動作:
第1円筒部材100と第2円筒部材200の嵌合は、次のように行われる。第1円筒部材100と第2円筒部材200の嵌合は、第1円筒部材100に対して第2円筒部材200を固定した状態で行われる。例えば、嵌合は、第2円筒部材200を、周方向Am30に回転可能な台に固定した状態で行われる。嵌合作業を行う作業者は、台に固定された第2円筒部材200に対して、第1円筒部材100を挿入させる。すなわち、作業者は、第1中心軸CL1と第2中心軸CL2とが一致するように、第1円筒部材100に対して、第2円筒部材200に向かう挿入方向Am10に外力を加えることで、挿入作業を行う。したがって、第2円筒部材200は、挿入から嵌合までに、周方向Am30の回転方向の力を受けた場合も、回転できる。
【0035】
また、以下の説明において、第1円筒部材100と第2円筒部材200の嵌合は、図5図7における嵌合構造と同様の例である。すなわち、被係合部210と係合爪110の組は、4組設けられている。係合爪110の両側には、第1突起部120xと第2突起部120yが設けられている。
【0036】
最初の動作において、図1のように、第2円筒部材200の第2嵌合開口部201cが、第1円筒部材100の第1嵌合開口部101cに、中心軸CLの方向に沿って挿入される。第2円筒部材200の被係合部210は、第2嵌合開口部201cから離れた位置に形成されている。したがって、第2円筒部材200は、図1のように、挿入の過程において、第2嵌合開口部201cから被係合部210までの外壁204cの範囲までを、第1円筒部材100に挿入された状態となる。
【0037】
図1において、被ガイド部212の第2頂点212bは、周方向Am30において、第2突起部120yの第2ガイド端部120cyに位置する。よって、挿入の過程が進むことにより、前述のとおり、被ガイド部212は、第2ガイド端部120cyに接触する。ガイド端部120cは、第2頂点212bに対して曲面である。よって、被ガイド部212は、ガイド端部120cの斜面に沿って移動する。すなわち、第2円筒部材200は、第1円筒部材100に対して回転しながら、挿入される。以下の説明において、第2円筒部材200は、第1円筒部材100に対して周方向Am30における一定の方向としての周方向Am31に向かって回転する場合を例として説明する。
【0038】
図8は、被ガイド部212が第2突起部120yまで挿入された状態を示す説明図である。次の動作において、さらに、第2円筒部材200が第1円筒部材100に挿入されることで、被ガイド部212の第2頂点212bは、接触した第2ガイド端部120cyを通過する。よって、被ガイド部212の第2頂点212bは、図7のように、第2ガイド線C120cg上に配置される。したがって、被ガイド部212は、第2ガイド線C120cgに沿って移動する。すなわち、第2円筒部材200は、さらに、第1円筒部材100に対して周方向Am31に向かって回転しながら、挿入される。
【0039】
図9は、被ガイド部212が第2突起部120yとガイド部C112の間まで挿入された状態を示す説明図である。さらに、図10は、図9における被係合部210と係合爪110の位置関係を示す説明図である。次の動作において、このうえ、第2円筒部材200が第1円筒部材100に挿入されることで、被ガイド部212の第2頂点212bは、周方向Am30において、ガイド部C112に到達する。被ガイド部212は、ガイド部C112と複数の突起部120のいずれかの1か所に接触した状態において、ガイドされる。よって、被ガイド部212は、第2ガイド線C120cg沿って移動することで、第2ガイド端部120cyを通過する。
【0040】
図11は、被ガイド部212がガイド部C112まで挿入された状態を示す説明図である。さらに、図12は、図9における被係合部210と係合爪110の位置関係を示す説明図である。ただし、図12において、被係合部210と係合爪110の組は、図5と同様に周方向Am30の全ての組を示す。次の動作において、さらに、第2円筒部材200が第1円筒部材100に挿入されることで、被ガイド部212の第2頂点212bは、一対の第1ガイド端辺C112aを沿って、ガイド部C112の第1頂点C112bに到達する。よって、周方向Am30において、第2頂点212bと第1頂点C112bとの位置が一致する。すなわち、周方向Am30において、第1円筒部材100の頭部112と、第2円筒部材200の凹部C211と、が一致する。
【0041】
図12において、被ガイド部212は、周方向Am30における両側に突起部120が位置する状態となる。さらに、図12に示すように、複数の突起部120のうちの隣り合う突起部120の間隔S2は、一対の第2ガイド端辺212aのそれぞれの周方向Am30の間隔S3よりも大きい。よって、一対の第2ガイド端辺212aが、突起部120の間に位置する。したがって、被ガイド部212は、位置決めされた状態から、周方向Am30に力を受けた場合も、突起部120に当たる。すなわち、第2円筒部材200が、第1円筒部材100に対して回転することを防止する。突起部120は、突起部120の第1中心軸CL1の方向の長さは、腕部111の一端111cから頭部112の端112aまでの長さより長い。よって、突起部120は、さらに被係合部210が挿入方向Am10に進むことで、篏合状態となった場合も、回転を防止する。
【0042】
図13は、図12におけるXIII-XIII断面の断面図である。周方向Am30において、第2頂点212bと第1頂点C112bとの位置が一致することで、被ガイド部212と頭部112が、挿入方向Am10から見た場合に、重なる位置に配置される。
【0043】
図14は、腕部111の弾性変形を示す被係合部210と係合爪110の断面図である。次の動作において、さらに、第2円筒部材200が第1円筒部材100に挿入されることで、係合爪110のガイド溝C112dは、周方向Am30の位置を維持させながら、被ガイド部212を挿入方向Am10にガイドする。被ガイド部212は、嵌合動作として、腕部111を第1円筒部材100の半径方向Am40に向かって押し出す。よって、腕部111の変形により挿入方向Am10の空間が広がることで、第2円筒部材200は、さらに、挿入方向Am10に挿入される。
【0044】
図15は、嵌合状態の被係合部210と係合爪110の断面図である。次の動作において、さらに、第2円筒部材200が第1円筒部材100に挿入されることで、凹部C211が、頭部112に到達することで、嵌合される。したがって、第1円筒部材100と第2円筒部材200が組み合わされた状態となることで、円筒部材10の嵌合が完了する。
【0045】
このような構成とすれば、第2円筒部材200が第1円筒部材100と嵌合される際には、第2円筒部材200の被ガイド部212が、周方向Am30についてガイド部C112によってガイドされる。このため、第2円筒部材200と第1円筒部材100との組み付け作業において、作業者による第2円筒部材200と第1円筒部材100との正確な位置決めが必要ない。
【0046】
さらに、このような態様とすることで、被ガイド部212は、周方向Am30における複数の係合爪110の間においても、複数の突起部120により、周方向Am30にガイドされる。このうえ、第2ガイド端辺212aは、ガイドの基準となる一対の第1ガイド端辺C112aの延長線C112agとは異なる傾きを有する。よって、被ガイド部212は、複数箇所を接触した状態でガイドされないため、複数箇所接触する場合に比べて、ガイドを妨げられない。すなわち、被ガイド部212が、容易にガイドされる。
【0047】
このうえ、このような態様とすることで、複数の突起部120は、被ガイド部212による挿入方向Am10からの力に対する耐久性を確保しやすく、かつ、周方向Am30の限られた範囲に形成されることが容易になる。
【0048】
さらに、このような態様とすることで、被ガイド部212は、第2円筒部材200が第1円筒部材100に対して回転した場合、突起部120に当たる。すなわち、突起部120は、篏合状態において、第2円筒部材200が第1円筒部材100に対して回転することを防止する。
【0049】
B.第2実施形態:
図16は、第2実施形態の複数の突起部120aを示す説明図である。第2実施形態の円筒部材10においては、複数の突起部120aの構成が、第1実施形態の複数の突起部120とは異なる。第2実施形態の円筒部材10の他の点は、第1実施形態の円筒部材10と同じである。以下で、第1実施形態との相違点について説明する。なお、図16では、図12の被係合部210と係合爪110の位置関係を示す説明図から、第1実施形態の複数の突起部120を第2実施形態の複数の突起部120aに置き換えた構成が図示されている。図16では、技術の理解を容易にするため、図12から一部の符号が省略されている。
【0050】
第2実施形態の複数の突起部120aにおいて、第1嵌合開口部101cと第1他開口部102cのうち第1嵌合開口部101cに近い端は、周方向Am30について係合爪110から遠い突起部120aの第1嵌合開口部101c側の端であるほど、第1ガイド端辺C112aの延長線C112agから第1嵌合開口部101cに近づくように配されている。すなわち、複数の突起部120aは、図16のように、突起部120aの第1嵌合開口部101c側の端より構成されている傾斜面120acを備える。
【0051】
複数の突起部120aは、すなわち、周方向Am30において、複数の係合爪のそれぞれの係合爪の両側に一つの突起部120aが配された状態である。より具体的には、複数の突起部120aのそれぞれの突起部120aは、第1実施形態における第1突起部120xと第2突起部120yとが一体となっている状態である。このため、突起部120aの第1嵌合開口部101c側の端は、第1実施形態における第1ガイド端部120cxと第2ガイド端部120cyに相当する。よって、突起部120aは、第1実施形態における第2ガイド線C120cgに沿った傾斜面120acを備える。したがって、第2実施形態の複数の突起部120aにおいて、第1実施形態の複数の突起部120と同様に、被ガイド部212は、周方向Am30における複数の係合爪110の間においても、複数の突起部120aにより、周方向Am30にガイドされる。
【0052】
このような態様とすることで、複数の突起部120aの突起部120aの端は、傾斜面120acを形成しているため、突起部120aの複数の端によりガイドされる場合に比べて、ガイドを妨げる可能性を低減できる。
【0053】
C.第3実施形態:
図17は、第3実施形態の複数の突起部120bを示す説明図である。第2実施形態の複数の突起部120aのそれぞれの形状は、図17の第3実施形態のように、傾斜面120acを形成する部位の端部から、第1嵌合開口部101cから第1他開口部102cに向かう挿入方向Am10に伸びる形状でもよい。傾斜面120acを形成する部位の端部から、第1嵌合開口部101cから第1他開口部102cに向かって伸びる部位を、直線部120bsとよぶ。すなわち、第3実施形態の突起部120bは、第2実施形態の突起部120aの輪郭を形成するように、傾斜面120acの部位と直線部120bsにより形成されている。
【0054】
このような態様とすることで、突起部120bは、第2実施形態の突起部120aに比べて、突起部120aの形成に必要な材料を低減できる。
【0055】
D.第4実施形態:
第4実施形態の円筒部材の篏合構造において、第1円筒部材は、第1円筒部材の端の一部を第2円筒部材に受け入れられた状態で第2円筒部材と嵌合する。
【0056】
第4実施形態の円筒部材は、上記実施形態と同様に、第1円筒部材と第2円筒部材が互いの中心軸が一致するように組み合わせられる篏合構造を有する。しかし、第4実施形態の円筒部材において、第1円筒部材は、第1円筒部材の端の一部を第2円筒部材に受け入れられた状態で第2円筒部材と嵌合する。すなわち、第4実施形態の円筒部材では、第2円筒部材の第2嵌合開口部は、第1円筒部材の第1嵌合開口部の外径よりも大きい内径を有する円形である。よって、第4実施形態の円筒部材では、係合爪を備える第1円筒部材が、係合爪を受け入れる凹部を備える第2円筒部材に挿入される。
【0057】
第4実施形態の第1円筒部材は、それぞれ第2円筒部材の端の一部と係合する複数の係合爪を備える。第4実施形態の複数の係合爪は、第1実施形態と同様に、第1円筒部材の周方向に沿って配されている。
【0058】
第4実施形態において、複数の係合爪のそれぞれの係合爪は、一端を支持され、第1円筒部材が第2円筒部材に挿入される挿入方向に沿って伸び、第1円筒部材の半径方向に沿って弾性変形できる腕部を備える。さらに、係合爪は、腕部の先端に接続され、腕部よりも第1円筒部材の第1中心軸に向かう方向とは逆方向に向かって突出している頭部を備える。頭部は、第1中心軸と向かい合う側とは反対側に設けられる凹部であるガイド部を画定している。ガイド部は、第2円筒部材の端の一部を、周方向についてガイドするように構成されている。
【0059】
第4実施形態の第2円筒部材は、複数の係合爪と同数の複数の凹部と、被ガイド部と、を備える。複数の凹部は、第2円筒部材が第1円筒部材と嵌合された際に複数の係合爪をそれぞれ受け入れる。被ガイド部は、複数の凹部に対して挿入方向の位置に設けられ、第2円筒部材の半径方向について内側に向かって突出している。さらに、被ガイド部は、第2円筒部材が第1円筒部材と嵌合される際に周方向についてガイド部にガイドされる。
【0060】
すなわち、第4実施形態の第1円筒部材と第2円筒部材は、それぞれの半径方向において、各部における突出する方向や凹部の方向が第1実施形態とは逆方向に形成されている。
【0061】
したがって、第4実施形態では、第2円筒部材の被ガイド部は、第1円筒部材の外側において、複数の突起部と、係合爪の頭部のガイド部と、により、ガイドされるよう構成されている。なお、第1実施形態では、第2円筒部材200の被ガイド部212は、第1円筒部材100の内側において、複数の突起部120と頭部112のガイド部C112とにより、ガイドされる。
【0062】
このような態様とすることで、第4実施形態の円筒部材は、係合爪を備える第1円筒部材が、係合爪を受け入れる凹部を備える第2円筒部材に挿入されることで篏合される際に、第2円筒部材の被ガイド部がガイドされる。
【0063】
E.他の実施形態:
E1.他の実施形態1:
(1)上記実施形態において、円筒部材10は、配管としている。しかし、円筒部材10は、必ずしも配管に限られない。円筒部材10は、円筒形状の嵌合構造を必要とする部材であればよい。例えば、円筒部材10は、全体形状の一部に円筒形状を有するバルブであってもよい。
【0064】
(2)上記実施形態において、凹部C211は、底のある穴とした。しかし、凹部C211は、頭部112と嵌合するため、頭部112を収容可能な空間であればよい。例えば、凹部C211は、貫通孔であってもよい。
【0065】
(3)上記実施形態において、円筒部材10は、4つの係合爪110と、係合爪110と同数の4つの凹部C211と、を備えている。すなわち、円筒部材10は、係合爪110と凹部C211の組を、4組備えている。しかし、係合爪110と凹部C211の組は、複数組であればよい。例えば、係合爪110と凹部C211の組は、6組であってもよい。
【0066】
E2.他の実施形態2:
(1)上記実施形態において、突起部120は、周方向Am30において、係合爪110の片側に第1突起部120xと第2突起部120yの2つとしている。しかし、突起部120は、周方向Am30において、係合爪110の片側に、3つや4つ等で構成されていてもよい。
【0067】
(2)上記実施形態において、一対の第1ガイド端辺C112aの周方向Am30の間隔S1が、一対の第1ガイド端辺C112aにより規定されている。しかし、3つの端辺により、この間隔S1が規定されてもよい。例えば、3つの端辺は、2つの端辺としての一対の第1ガイド端辺C112aと、その間をつなぐように3つ目の端辺と、により構成されてもよい。よって、3つ目の端辺の長さによっても、一対の第1ガイド端辺C112aの周方向Am30の間隔S1が規定されてもよい。
【0068】
(3)上記実施形態において、第1内角R1と第2内角R2と第3内角R3は、順に120度と110度と120度としている。しかし、それぞれの角度の関係は、この条件に限られない。第3内角R3は、第1内角R1以下、かつ、第2内角R2よりも大きい角度に設定されていればよい。
【0069】
(4)上記実施形態において、突起部120は、ガイド部C112の一対の第1ガイド端辺C112aの延長線C112agに基づいて設けられている。しかし、例えば、突起部120は、内壁104cに沿って、頭部112の先端の位置から第1嵌合開口部101cに向かって120度の内角で広がる線に基づいて、配置されていてもよい。
【0070】
(5)上記実施形態において、一対の第2ガイド端辺212aの周方向Am30の間隔S3が、一対の第2ガイド端辺212aにより規定されている。しかし、3つの端辺により、この間隔S3が規定されてもよい。例えば、3つの端辺は、2つの端辺としての一対の第2ガイド端辺212aと、その間をつなぐように3つ目の端辺と、により構成されてもよい。3つ目の端辺は、被ガイド部212の先端を曲面とすることで、画定される曲線部分である。3つ目の端辺の曲率の程度によっても、一対の第2ガイド端辺212aの周方向Am30の間隔S3が規定されてもよい。
【0071】
(6)上記実施形態において、一対の第2ガイド端辺212aは、第2円筒部材200の外壁204cに沿って直線に伸びるとしている。しかし、一対の第2ガイド端辺212aは、第2円筒部材200の外壁204cよりも大きい曲率を有する曲線部分を備えていてもよい。一対の第1ガイド端辺C112aは、第1円筒部材100の内壁104cに沿って直線に伸びるとしている。しかし、一対の第1ガイド端辺C112aは、第1円筒部材100の内壁104cよりも大きい曲率を有する曲線部分を備えていてもよい。
【0072】
E3.他の実施形態3:
(1)上記実施形態において、突起部120の形状は、第1嵌合開口部101cから第1他開口部102cに向かって伸びる形状としている。しかし、突起部120の形状は、第1嵌合開口部101cから第1他開口部102cに向かって伸びる直線でなくてもよい。例えば、突起部120の形状は、第1中心軸CL1の方向における第1他開口部102c側の端部が、周方向Am30に向かって曲がっていてもよい。
【0073】
E4.他の実施形態4:
(1)上記実施形態において、複数の突起部120のうちの隣り合う突起部120の間隔S2は、一対の第2ガイド端辺212aのそれぞれの周方向Am30の間隔S3よりも大きいとしている。しかし、間隔S2は、間隔S3と同じでもよい。例えば、被ガイド部212は、一対の第2ガイド端辺212aの第2他開口部202cに近い端部において、被ガイド部212の突出量t20を突起部120に接触しない程度にすることで、間隔S2と間隔S3を同じにできる。
【0074】
本開示は、上記の実施形態に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、開示の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態の技術的特徴は、上記の課題の一部または全部を解決するために、あるいは、上記の効果の一部または全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
【符号の説明】
【0075】
10…円筒部材、100…第1円筒部材、101c…第1嵌合開口部、102c…第1他開口部、104c…内壁、110…係合爪、111…腕部、111c…一端、112…頭部、112a…端、120,120a,120b…突起部、120c…ガイド端部、120cx…第1ガイド端部、120cy…第2ガイド端部、120x…第1突起部、120y…第2突起部、200…第2円筒部材、201c…第2嵌合開口部、201ca…端部、202c…第2他開口部、204c…外壁、210…被係合部、212…被ガイド部、212a…第2ガイド端辺、212b…第2頂点、213…段差、Am10…挿入方向、Am20…方向、Am30…周方向、Am31…周方向、Am40…半径方向、C103…流路、C112…ガイド部、C112a…第1ガイド端辺、C112ag…第1ガイド線、C112b…第1頂点、C112c…第3頂点、C112d…ガイド溝、C112r…ガイド面、C120cg…第2ガイド線、C203…流路、C211…凹部、CL…中心軸、CL1…第1中心軸、CL2…第2中心軸、D2…外径、L1…間隔、L2…間隔、R1…第1内角、R2…第2内角、R3…第3内角、S1…間隔、S2…間隔、S3…間隔、d1…内径、t10…突出量、t20…突出量、t30…間隔、120ac…傾斜面、120bc…直線部
図1
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