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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024148339
(43)【公開日】2024-10-18
(54)【発明の名称】液体柔軟剤組成物
(51)【国際特許分類】
   D06M 15/647 20060101AFI20241010BHJP
   D06M 13/144 20060101ALI20241010BHJP
   D06M 13/463 20060101ALI20241010BHJP
   D06M 13/17 20060101ALI20241010BHJP
   D06M 15/643 20060101ALI20241010BHJP
【FI】
D06M15/647
D06M13/144
D06M13/463
D06M13/17
D06M15/643
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023061399
(22)【出願日】2023-04-05
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和5年1月12日及び令和5年1月13日 グランキューブ大阪で開催された会合名「春のプレゼンテーション」における試供品の配布による公開 [刊行物等] 令和5年1月17日及び令和5年1月18日 東京国際フォーラムで開催された会合名「春のプレゼンテーション」における試供品の配布による公開 [刊行物等] 令和5年1月20日 札幌プリンスホテルで開催された会合名「春のプレゼンテーション」における試供品の配布による公開 [刊行物等] 令和5年1月24日 ヒルトン名古屋で開催された会合名「春のプレゼンテーション」における試供品の配布による公開 [刊行物等] 令和5年1月26日 ホテルメトロポリタン仙台で開催された会合名「春のプレゼンテーション」における試供品の配布による公開 [刊行物等] 令和5年2月1日 ホテルオークラ福岡で開催された会合名「春のプレゼンテーション」における試供品の配布による公開 [刊行物等] 令和5年2月21日 国立劇場おきなわで開催された会合名「新製品説明会」における試供品の配布による公開
(71)【出願人】
【識別番号】000006769
【氏名又は名称】ライオン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100123777
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 さつき
(74)【代理人】
【識別番号】100111796
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 博信
(74)【代理人】
【識別番号】100123766
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 七重
(74)【代理人】
【識別番号】100136249
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 貴光
(72)【発明者】
【氏名】橋本 亮
【テーマコード(参考)】
4L033
【Fターム(参考)】
4L033AB04
4L033AC02
4L033BA11
4L033BA14
4L033BA86
4L033CA59
4L033CA60
(57)【要約】
【課題】透明な外観を有しつつ、起泡が抑制された液体柔軟剤を提供すること。
【解決手段】液体柔軟剤組成物であって、(A)ポリエーテル変性シリコーン、(B1)ノニオン界面活性剤(但し、(A)成分を除く)、(B2)4級アンモニウム塩型カチオン界面活性剤(但し、(A)成分を除く)、(C)炭素数1~13で一価の脂肪族アルコール、(D)シリコーン消泡剤(但し、(A)成分を除く)、及び(E)香料組成物を含有し、(D)成分の含量が液体柔軟剤組成物の総質量に対して0.0001~0.02質量%であり、(E)成分の含量が液体柔軟剤組成物の総質量に対して0.6超~5質量%であり、(B1)成分と(B2)成分との質量比(B1/B2)が2~200であり、液体柔軟剤組成物が、透明又は半透明であることを特徴とする、液体柔軟剤組成物。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体柔軟剤組成物であって、以下の(A)~(E)成分:
(A)ポリエーテル変性シリコーン、
(B1)ノニオン界面活性剤(但し、(A)成分を除く)、
(B2)4級アンモニウム塩型カチオン界面活性剤(但し、(A)成分を除く)、
(C)炭素数1~13で一価の脂肪族アルコール、
(D)シリコーン消泡剤(但し、(A)成分を除く)、及び
(E)香料組成物、
を含有し、
(D)成分の含量が、液体柔軟剤組成物の総質量に対して0.0001~0.02質量%であり、
(E)成分の含量が、液体柔軟剤組成物の総質量に対して0.6超~5質量%であり、
(B1)成分と(B2)成分との質量比(B1/B2)が2~200であり、
液体柔軟剤組成物が、透明又は半透明である
ことを特徴とする、液体柔軟剤組成物。
【請求項2】
(C)成分と(D)成分との質量比(C/D)が100~4000である、請求項1に記載の液体柔軟剤組成物。
【請求項3】
(C)成分が、メタノール、3-メチル-2-ブテン-1-オール、及び3-メチル-3-ブテン-1-オールからなる群より選ばれる、請求項1に記載の液体柔軟剤組成物。
【請求項4】
(D)成分が、エマルジョン型のシリコーン消泡剤である、請求項1に記載の液体柔軟剤組成物。
【請求項5】
(C)成分と(D)成分の合計量に対する(B)成分の質量比(B/(C+D))が0.1~5である、請求項1に記載の液体柔軟剤組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体柔軟剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、審美的観点から、透明又は半透明の外観を有する液体柔軟剤が開発されている。具体例として、水溶性カチオンポリマーとポリエーテル変性シリコーンとを含有する透明な液体柔軟剤組成物が知られている(特許文献1~3)。
その他、4級アンモニウム化合物を抗菌剤として配合した仕上げ剤組成物が知られている(特許文献4)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2004/025017号
【特許文献2】特開2007-321270号公報
【特許文献3】特開2004-131895号公報
【特許文献4】特開2007-254902号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
液体柔軟剤の外観を透明にするためには、シリコーンや香料等の油溶性成分をノニオン界面活性剤やカチオン界面活性剤を用いて可溶化する必要がある。
しかしながら、ノニオン界面活性剤とカチオン界面活性剤とを併用してなる液体柔軟剤は、その製造時、輸送時や、消費者の使用時等に強い力で振とうされると、泡立ってしまい(起泡)、使用性の低下等の不具合が生じることを本発明者は見いだした。
更に本発明者は、シリコーン消泡剤は、透明な外観を損なう(濁る)ため、配合量が制限されることを見いだした。
そこで、透明な外観を有しつつ、起泡が抑制された液体柔軟剤を提供することを課題として設定した。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は鋭意検討した結果、ノニオン界面活性剤とカチオン界面活性剤との配合比を特定の範囲に設定し、シリコーン消泡剤の配合量を特定の範囲に設定し、更に特定種類のアルコールを配合すると、前記課題を解決できることを見いだした。本発明は、この知見に基づいてなされたものである。
【0006】
すなわち、本発明は、以下の〔1〕~〔5〕に関するものである。
〔1〕液体柔軟剤組成物であって、以下の(A)~(E)成分:
(A)ポリエーテル変性シリコーン、
(B1)ノニオン界面活性剤(但し、(A)成分を除く)、
(B2)4級アンモニウム塩型カチオン界面活性剤(但し、(A)成分を除く)、
(C)炭素数1~13で一価の脂肪族アルコール、
(D)シリコーン消泡剤(但し、(A)成分を除く)、及び
(E)香料組成物、
を含有し、
(D)成分の含量が、液体柔軟剤組成物の総質量に対して0.0001~0.02質量%であり、
(E)成分の含量が、液体柔軟剤組成物の総質量に対して0.6超~5質量%であり、
(B1)成分と(B2)成分との質量比(B1/B2)が2~200であり、
液体柔軟剤組成物が、透明又は半透明である
ことを特徴とする、液体柔軟剤組成物。
〔2〕(C)成分と(D)成分との質量比(C/D)が100~4000である、前記〔1〕に記載の液体柔軟剤組成物。
〔3〕(C)成分が、メタノール、3-メチル-2-ブテン-1-オール、及び3-メチル-3-ブテン-1-オールからなる群より選ばれる、前記〔1〕に記載の液体柔軟剤組成物。
〔4〕(D)成分が、エマルジョン型のシリコーン消泡剤である、前記〔1〕に記載の液体柔軟剤組成物。
〔5〕(C)成分と(D)成分の合計量に対する(B)成分の質量比(B/(C+D))が0.1~5である、前記〔1〕に記載の液体柔軟剤組成物。
【発明の効果】
【0007】
後述の実施例で示されるように、本発明の液体柔軟剤組成物は、透明な外観を有しつつ、起泡が抑制されている。したがって、本発明は、従来製品にはない付加価値を有する液体柔軟剤を提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
〔(A)成分:ポリエーテル変性シリコーン〕
(A)成分は、繊維製品に柔軟性を与えるために配合する。
(A)成分の例としては、アルキルシロキサンとポリオキシアルキレンとの共重合体等が挙げられる。アルキルシロキサンを構成するアルキル基の炭素数は1~3が好ましい。ポリオキシアルキレンを構成するアルキレン基の炭素数は2~5が好ましい。
好ましいポリエーテル変性シリコーンとしては、ジメチルシロキサンとポリオキシアルキレン(ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレンや、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとのランダム又はブロック共重合体等)との共重合体が挙げられる。具体例としては、下記一般式(I)で表される化合物が挙げられる。
【0009】
【化1】
(式中、M、N、a及びbは、それぞれ平均重合度であり、Rは水素又はアルキル基である)
一般式(I)中、Mは、10~10000、好ましくは50~1000、より好ましくは100~300である。
Nは、1~1000、好ましくは5~300、より好ましくは5~100である。更に、M>Nであることが好ましい。
aは、2~100、好ましくは5~50、より好ましくは5~20である。
bは、0~50、好ましくは0~10である。
Rは、好ましくは水素又は炭素数1~4のアルキル基、より好ましくは水素である。
一般式(I)のポリエーテル変性シリコーンは、一般に、Si-H基を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンと、例えば、ポリオキシアルキレンアリルエーテル等の炭素-炭素二重結合を末端に有するポリオキシアルキレンアルキルエーテルとを付加反応させることで製造できる。
【0010】
好ましいポリエーテル変性シリコーンとして、下記一般式(II)で表される線状ポリシロキサン-ポリオキシアルキレンブロック共重合体も挙げられる。
【化2】
(式中、A、B、h、及びiは、それぞれ平均重合度であり、Rはアルキレン基であり、R’は水素又はアルキル基である)
一般式(II)中、Aは5~10000であり、
Bは、2~10000であり、
hは、2~100であり、
iは、0~50である。
Rは、好ましくは炭素数1~5のアルキレン基である
R’は、好ましくは水素又は炭素数1~4のアルキル基である。
一般式(II)の共重合体の重量平均分子量は、好ましくは15,000~100,000,000である。
一般式(II)の共重合体は、反応性末端基を有するポリオキシアルキレン化合物と、該化合物の反応性末端基と反応する末端基を有するジヒドロカルビルシロキサンとを反応させることで製造できる。
【0011】
ポリエーテル変性シリコーンの具体例としては、
ダウ・東レ(株)製のCF1188N、BY22-029、SH3772M、SH3775M、SH3748、SH3749、SF8410、SH8700、BY22-008、SF8421、SILWET L-7001、SILWET L-7002、SILWET L-7602、SILWET L-7604、SILWET FZ-2104、SILWET FZ-2120、SILWET FZ-2161、SILWET FZ-2162、SILWET FZ-2164、SILWET FZ-2171、SILWET FZ2222、ABN SILWET FZ-F1-009-01、ABN SILWET FZ-F1-009-02、ABN SILWET FZ-F1-009-03、ABN SILWET FZ-F1-009-05、ABN SILWET FZ-F1-009-09、ABN SILWET FZ-F1-009-11、ABN SILWET FZ-F1-009-13、ABN SILWET FZ-F1-009-54、ABN SILWET FZ-2222や、
信越化学工業(株)製のX-20-8010N、KF352A、KF6008、KF615A、KF6016、KF6017や、
GE東芝シリコーン(株)製のTSF4450、TSF4452等が挙げられる。
【0012】
(A)成分は公知物質であり、市場で容易に入手可能であるか又は調製可能である。
(A)成分は単一種類を使用してもよく、複数種類を併用してもよい。
【0013】
(A)成分の含量は、配合目的を達成できる限り特に制限されないが、液体柔軟剤組成物の総質量に対して、好ましくは0.1~10質量%、より好ましくは0.4~8.0質量%、さらに好ましくは1.0~5.0質量%、特に好ましくは1.0~3.0質量%である。前記の含量範囲であると、より優れた配合効果が得られる。
【0014】
〔(B1)成分:ノニオン界面活性剤〕
(B1)成分は、液体柔軟剤組成物に透明な外観を付与するために配合する。
なお、ポリエーテル変性シリコーン((A)成分)は、(B1)成分から除かれる。
(B1)成分の例としては、炭素数8~20のアルキル基又はアルケニル基を1つ以上有するポリオキシアルキレンアルキルエーテルが挙げられる。オキシアルキレン基の平均付加モル数は、1~100、好ましくは2~75である。
好ましい(B1)成分は、下記一般式(IV)で表される化合物である。
1-T-[(R2O)p-H]q (IV)
式(IV)中、
1は、炭素数10~18、好ましくは12~18の直鎖又は分岐したアルキル基又はアルケニル基である。
2は、炭素数2又は3のアルキレン基であり、好ましくはエチレン基である。
pは、平均付加モル数であり、2~75、好ましくは5~30、特に好ましくは5~20である。
Tは、-O-、-N-、-NH-、-N(C24OH)-、-CON-、-CONH-又はCON(C24OH)-である。
Tが-O-、-NH-、-N(C24OH)-、-CONH-、又は-CON(C24OH)-の場合、qは1である。
Tが-N-又は-CON-の場合、qは2である。
【0015】
一般式(IV)の化合物の具体例として、下記一般式(V)又は(VI)で表される化合物が挙げられる。

1-O-(C24O)r-H (V)
式(V)中、R1は、式(IV)で定義したとおりである。
rは平均付加モル数であり、2~75、好ましくは5~30である。

1-O-(C24O)s(C36O)t-H (VI)
式(VI)中、R1は、式(IV)で定義したとおりである。
sは平均付加モル数であり、2~40、好ましくは5~30である。
tは平均付加モル数であり、1~20、好ましくは1~10である。
(C24O)と(C36O)の付加は、ランダム又はブロックのいずれでもよい。
【0016】
(B1)成分は公知物質であり、市場で容易に入手可能であるか又は調製可能である。
(B1)成分は単一種類を使用してもよく、複数種類を併用してもよい。
(B1)成分の具体例としては、例えば、ノニルアルコールにEOを平均9モル及びPOを平均1モル付加した物、一級イソノニルアルコールの平均EO40モル付加物、一級イソデシルアルコールの平均EO20モル付加物、一級イソトリデシルアルコールの平均EO7モル付加物、トリデシルアルコールの平均EO50モル付加物や、ラウリン酸の平均EO20モル付加物等が挙げられる。市販品としては、日本エマルジョン製エマレックスシリーズ、三洋化成製エマルミンシリーズ、ライオンスペシャリティケミカルズ製TDAシリーズ、日本触媒製ソフタノールシリーズや、BASF社製LUTENSOLシリーズ等が挙げられる。
【0017】
(B1)成分の含量は、配合目的を達成できる限り特に制限されないが、液体柔軟剤組成物の総質量に対して、好ましくは0.1~10質量%、より好ましくは0.5~7.0質量%、さらに好ましくは1.0~6.0質量%、特に好ましくは2.0~4.0質量%である。前記の含量範囲であると、液体柔軟剤組成物の粘度上昇によるハンドリング性の低下を抑制しつつ、より優れた配合効果が得られる。
【0018】
〔(B2)成分:4級アンモニウム塩型カチオン界面活性剤〕
(B2)成分は、液体柔軟剤組成物に透明な外観を付与するために配合する。
なお、ポリエーテル変性シリコーン((A)成分)は、(B2)成分から除かれる。
(B2)成分の例としては、下記一般式(3)又は(4)で表される4級アンモニウム塩型カチオン性界面活性剤が挙げられる。
【0019】
【化3】
【0020】
式(3)中、
3、R4、R5及びR6のうちの3つは、独立して、炭素数1~3のアルキル基又はヒドロキシアルキル基、好ましくは炭素数1のアルキル基であり、
残りは、炭素数6~22、好ましくは炭素数8~18、より好ましくは炭素数10~16の直鎖又は分岐鎖状のアルキル基又はアルケニル基である。
-は、ハロゲンイオン(例えばCl-)又はアルキル硫酸イオン(例えばメチル硫酸イオン)である。
【0021】
【化4】
【0022】
式(4)中、
7及びR8は、独立して、炭素数1~3のアルキル基又はヒドロキシアルキル基である。
9は、炭素数8~22、好ましくは炭素数8~18の、直鎖又は分岐鎖状のアルキル基又はアルケニル基である。
10は、炭素数1~3のアルキレン基である。
-は、ハロゲンイオン(例えばCl-)又はアルキル硫酸イオン(例えばメチル硫酸イオン)である。
【0023】
(B2)成分の好ましい例としては、
塩化セチルトリメチルアンモニウム(例えば、クラリアント社製、GenaminCTAC)、
塩化ドデシルトリメチルアンモニウム(ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製、リポカード12-37W)、
塩化テトラデシルトリメチルアンモニウム、
塩化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム(例えば、ライオン・アクゾ株式会社製、「アーカード16-50」)、
塩化オクタデシルトリメチルアンモニウム(例えば、ライオン・アクゾ株式会社製、「アーカードT-800」)や、
塩化ヤシアルキルジ(ヒドロキシエチル)メチルアンモニウム(例えば、ライオン・アクゾ株式会社製、「エソカードC/12」)が挙げられる。
なかでも、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ドデシルトリメチルアンモニウム、塩化テトラデシルトリメチルアンモニウム、塩化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム及び塩化オクタデシルトリメチルアンモニウムが好ましい。
【0024】
(B2)成分は公知物質であり、市場で容易に入手可能であるか又は調製可能である。
(B2)成分は単一種類を使用してもよく、複数種類を併用してもよい。
【0025】
(B2)成分の含量は、配合目的を達成できる限り特に制限されないが、液体柔軟剤組成物の総質量に対して、好ましくは0.1~10質量%、より好ましくは0.1~5.0質量%、さらに好ましくは0.5~2.0質量%、特に好ましくは0.7~1.5質量%である。前記の含量範囲であると、より優れた配合効果が得られる。
【0026】
〔(C)成分:炭素数が1~13で一価の脂肪族アルコール〕
(C)成分は、液体柔軟剤組成物の起泡を抑制するために配合する。また、(C)成分は、液体柔軟剤組成物の透明な外観を向上にも寄与しうる。
(C)成分の炭素数は1~13である。
(C)成分の炭素鎖は直鎖及び分岐のいずれでもよい。
(C)成分の炭素鎖は不飽和結合を有していてもよい。
(C)成分は、炭素数1のアルコキシ基を有していてもよい。アルコキシ基の炭素数は、一価アルコールの炭素数としてカウントされる。
(C)成分の例としては、
メタノール(C1飽和直鎖)、
エタノール(C2飽和直鎖)、
ブタノール(C4飽和直鎖)、
イソブタノール(C4飽和分岐鎖)、
イソプロピルアルコール(C3飽和分岐鎖)、
ノルマルプロピルアルコール(C3飽和直鎖)、
ターシャリーブタノール(C4飽和分岐鎖)、
セカンダリーブチルアルコール(C4飽和分岐鎖)、
3-メトキシ-3-メチルブタノール(C6飽和分岐鎖)、
2-エチルヘキサノール(C8飽和分岐鎖)、
ヘキサノール(C6飽和直鎖)、
オクタノール(C8飽和直鎖)、
デカノール(C10飽和直鎖)、
イソトリデカノール(C13飽和分岐鎖)、
3-メチル-2-ブテン-1-オール(C5不飽和分岐鎖)や、
3-メチル-3-ブテン-1-オール(C5不飽和分岐鎖)等があげられる。
好ましい(C)成分は、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ノルマルプロピルアルコール、3-メトキシ-3-メチルブタノール、ヘキサノール、オクタノール、デカノール、イソトリデカノール、3-メチル-2-ブテン-1-オール及び3-メチル-3-ブテン-1-オールである。
より好ましい(C)成分、メタノール、イソプロピルアルコール、ノルマルプロピルアルコール、ヘキサノール、オクタノール、デカノール、イソトリデカノール、3-メチル-2-ブテン-1-オール及び3-メチル-3-ブテン-1-オールである。
特に好ましい(C)成分は、メタノール、3-メチル-2-ブテン-1-オール及び3-メチル-3-ブテン-1-オールである。
【0027】
(C)成分は公知物質であり、市場で容易に入手可能であるか又は調製可能である。
(C)成分は単一種類を使用してもよく、複数種類を併用してもよい。
【0028】
(C)成分の含量は、配合目的を達成できる限り特に制限されないが、液体柔軟剤組成物の総質量に対して、好ましくは0.001~10質量%、より好ましくは0.1~10質量%、さらに好ましくは0.1~5質量%である。前記の含量範囲であると、より優れた配合効果に加えて、後述の(E)成分の香り立ちの低下や分離の抑制をも達成できる。
【0029】
〔(D)成分:シリコーン消泡剤〕
(D)成分は、液体柔軟剤組成物の起泡を抑制するために配合する。起泡を抑制することで、液体柔軟剤組成物の製造性や計量性(使用性)が向上する。
シリコーン消泡剤とは、シリコーンを有効成分とする消泡剤である。
但し、ポリエーテル変性シリコーン((A)成分)は、(D)成分から除かれる。
本発明では、液体柔軟剤へ配合可能なシリコーン消泡剤を特に制限なく使用できる。
(D)成分の例としては、オイル型、オイルコンパウンド型、溶液型、エマルション型や、自己乳化型のシリコーン消泡剤が挙げられる。なかでも、液体柔軟剤組成物の計量性向上の観点から、エマルション型及び自己乳化型が好ましく、エマルション型がより好ましい。
【0030】
オイル型のシリコーン消泡剤とは、未変性のシリコーンオイルのみから構成され、シリカを含まないものをいう。市販品としては、KF-96(信越化学工業株式会社)、KF-6701(信越化学工業株式会社)、KS-7708(信越化学工業株式会社)、X50-1100(信越化学工業株式会社)、X50-1244(信越化学工業株式会社)や、SH200(ダウ・東レ株式会社)が挙げられる。
【0031】
オイルコンパウンド型のシリコーン消泡剤とは、シリコーンオイルに水不溶性粒子(微粉末シリカ等)を配合してなるものをいう。市販品としては、8590 Additive(ダウ・東レ株式会社)、AF-8014 アンチフォーム(ダウ・東レ株式会社)、AC-8066 アンチフォーム(ダウ・東レ株式会社)、ACP-3073 アンチフォーム(ダウ・東レ株式会社)や、KS-66(信越化学工業株式会社)、KS-69(信越化学工業株式会社)等が挙げられる。
【0032】
溶液型のシリコーン消泡剤とは、シリコーンオイルを溶剤(イソパラフィン等)に溶かしてなるものをいう。市販品としては、KS-602A(信越化学工業株式会社)や、FA-600(信越化学工業株式会社)等が挙げられる。
【0033】
エマルジョン型のシリコーン消泡剤とは、シリコーンオイルコンパウンドをノニオン系の活性剤で乳化してなるものをいう。市販品としては、FSアンチフォーム93(ダウ・東レ株式会社)、KM-73(信越化学工業株式会社)、KM-70(信越化学工業株式会社)、KM-71(信越化学工業株式会社)、KM-75(信越化学工業株式会社)、KM-85(信越化学工業株式会社)、KM-72(信越化学工業株式会社)、KM-89(信越化学工業株式会社)、KM-90(信越化学工業株式会社)KM-90(信越化学工業株式会社)、KM―98(信越化学工業株式会社)、KM-7750D(信越化学工業株式会社)や、KM-7752(信越化学工業株式会社)等が挙げられる。
【0034】
自己乳化型のシリコーン消泡剤とは、親水性の変性シリコーンオイルとオイルコンパウンドから構成されるものをいう。市販品としては、KS-530(信越化学工業株式会社)、KS-531(信越化学工業株式会社)、KS-537(信越化学工業株式会社)、KS-538(信越化学工業株式会社)、KS-540(信越化学工業株式会社)や、X-50-1176(信越化学工業株式会社)等が挙げられる。
【0035】
(D)成分は単一種類を使用してもよく、複数種類を併用してもよい。
【0036】
(D)成分の含量は、液体柔軟剤組成物の総質量に対して、0.0001~0.02質量%(1~200質量ppm)、好ましくは0.0005~0.01質量%(5~100質量ppm)、さらに好ましくは0.0005~0.005質量%(5~50質量ppm)、特に好ましくは0.001~0.005質量%(10~50質量ppm)である。前記の含量範囲であると、液体柔軟剤組成物の透明な外観を保持しつつ、配合目的を達成できる。
【0037】
〔(E)成分:香料組成物〕
(E)成分は、液体柔軟剤組成物自体の香り付け、及び/又は、同組成物による処理後の繊維製品の香り付けのために配合する。
(E)成分の香料としては、液体柔軟剤分野で公知の物質を特に制限なく使用できる。
香料は単一種類を使用してもよく、複数種類を併用してもよい。
香料の例としては、アルデヒド類、フェノール類、アルコール類、エーテル類、エステル類、ハイドロカーボン類、ケトン類、ラクトン類、ムスク類、テルペン骨格を有する香料、ニトリル類、天然香料や、動物性香料等が挙げられる。各香料の具体例は以下の通りである。
アルデヒド類の例としては、ブルゲオナール、デュピカール、ウンデシレンアルデヒド、ラウリルアルデヒド、アルデヒドC-12MNA、ミラックアルデヒド、α-アミルシンナミックアルデヒド、シクラメンアルデヒド、シトラール、シトロネラール、エチルバニリン、ヘリオトロピン、アニスアルデヒド、α-ヘキシルシンナミックアルデヒド、オクタナール、リグストラール、リリアール、リラール、トリプラール、バニリンや、ヘリオナール等が挙げられる。
フェノール類の例としては、オイゲノールや、イソオイゲノール等が挙げられる。
アルコール類の例としては、シトロネロール、ジハイドロミルセノール、ジハイドロリナロール、ゲラニオール、リナロール、ネロール、サンダロール、サンタレックス、ターピネオール、テトラハイドロリナロール、メントール、ボルネオール、1-デカナール、バクダノールや、フェニルエチルアルコール等が挙げられる。
エーテル類の例としては、ネロリンヤラヤラ、セドランバー、グリサルバ、メチルオイゲノールや、メチルイソオイゲノール等が挙げられる。
エステル類の例としては、シクラセット、メチルアンスラニレート、シス-3-ヘキセニルアセテート、シス-3-ヘキセニルプロピオネート、シス-3-ヘキセニルサリシレート、p-クレジルアセテート、p-t-ブチルシクロヘキシルアセテート、アミルアセテート、メチルジヒドロジャスモネート、アミルサリシレート、ベンジルサリシレート、ベンジルベンゾエート、ベンジルアセテート、セドリルアセテート、シトロネリルアセテート、デカハイドロ-β-ナフチルアセテート、ジメチルベンジルカルビニルアセテート、エリカプロピオネート、エチルアセトアセテート、エリカアセテート、ゲラニルアセテート、ゲラニルフォーメート、ヘディオン、リナリルアセテート、β-フェニルエチルアセテート、ヘキシルサリシレート、スチラリルアセテート、ターピニルアセテート、ベチベリルアセテート、o-t-ブチルシクロヘキシルアセテート、マンザネートや、アリルヘプタノエート等が挙げられる。
ハイドロカーボン類の例としては、リモネン(特に、d-リモネン)、α-ピネン、β-ピネン、ミルセン、カンフェンや、テルピノーレン等が挙げられる。
ケトン類の例としてはα-ヨノン、β-ヨノン、メチル-β-ナフチルケトン、α-ダマスコン、β-ダマスコン、δ-ダマスコン、ダマセノン、シス-ジャスモン、メチルヨノン、アリルヨノン、カシュメラン、ジハイドロジャスモン、イソイースーパー、ベルトフィックス、イソロンジフォラノン、コアボン、カルボン、ローズフェノン、ラズベリーケトン、ダイナスコンやマルトール等が挙げられる。
ラクトン類の例としては、γ-デカラクトン、γ-ウンデカラクトン、γ-ノナラクトン、γ-ドデカラクトン、クマリンや、アンブロキサン等が挙げられる。
ムスク類の例としては、シクロペンタデカノライド、エチレンブラシレート、ガラクソライド、ムスクケトン、トナリッド、トナライドや、ニトロムスク類等が挙げられる。
テルペン骨格を有する香料の例としては、ゲラニオール(ゼラニオール)、ネロール、リナロール、シトラール、シトロネロール、メントール、ミント、シトロネラール、ミルセン、α-ピネン、β-ピネン、リモネン、テレピネロール、カルボン、ヨノン(例えばβ-ヨノン)、カンフェンや、ボルネオール等が挙げられる。
ニトリル類の例としては、ペオニールやゲラニルニトリル等が挙げられる。
天然香料の例としては、オレンジ油、レモン油、ライム油、プチグレン油、ユズ油、ネロリ油、ベルガモット油、ラベンダー油、ラバンジン油、アビエス油、アニス油、ベイ油、ボアドローズ油、イランイラン油、シトロネラ油、ゼラニウム油、ペパーミント油、ハッカ油、スペアミント油、ユーカリ油、レモングラス油、パチュリ油、ジャスミン油、ローズ油、シダー油、ベチバー油、ガルバナム油、オークモス油、パイン油、樟脳油、白檀油、芳樟油、テレピン油、クローブ油、クローブリーフ油、カシア油、ナツメッグ油、カナンガ油や、タイム油等の精油が挙げられる。
動物性香料の例としては、じゃ香、霊猫香、海狸香や、竜涎香等が挙げられる。
【0038】
(E)成分は、好ましくはアルデヒド類、ケトン類又はハイドロカーボン類の香料、更に好ましくは下記の香料を含有する。

〔アルデヒド類〕
ブルゲオナール、デュピカール、ウンデシレンアルデヒド、ラウリルアルデヒド、アルデヒドC-12MNA、ミラックアルデヒド、α-アミルシンナミックアルデヒド、シクラメンアルデヒド、シトラール、シトロネラール、ヘリオトロピン、アニスアルデヒド、α-ヘキシルシンナミックアルデヒド、オクタナール、リグストラール、リリアール、リラール、トリプラール、バニリン、エチルバニリン、及びヘリオナールからなる群より選ばれる1種以上

〔ケトン類〕
α-ヨノン、β-ヨノン、メチル-β-ナフチルケトン、α-ダマスコン、β-ダマスコン、δ-ダマスコン、シス-ジャスモン、メチルヨノン(メチルイオノン)、アリルヨノン(アリルイオノン)、カシュメラン、ジハイドロジャスモン、イソイースーパー、ベルトフィックス、イソロンジフォラノン、コアボン、ローズフェノン、ラズベリーケトン、ダイナスコン、及びマルトールからなる群より選ばれる1種以上

〔ハイドロカーボン類〕
リモネン、α-ピネン、β-ピネン、ミルセン、及びテルピノーレンからなる群より選ばれる1種以上
【0039】
(E)成分が、香料成分としてアルデヒド類と、ケトン類と、ハイドロカーボン類とを含む場合、香り立ちの観点で、これらの香料成分の合計の含量は、香料組成物の総質量に対して、好ましくは10質量%以上、より好ましくは20質量%以上である。
【0040】
(E)成分は、液体柔軟剤に一般的に使用されている香料用溶剤を含んでいてもよい。香料用溶剤としては、アセチン(トリアセチン)、MMBアセテート(3-メトキシ-3-メチルブチルアセテート)、スクロースジアセテートヘキサイソブチレート、エチレングリコールジブチレート、ヘキシレングリコール、ジブチルセバケート、デルチールエキストラ(イソプロピルミリステート)、メチルカルビトール(ジエチレングリコールモノメチルエーテル)、カルビトール(ジエチレングリコールモノエチルエーテル)、TEG(トリエチレングリコール)、安息香酸ベンジル(BB)、プロピレングリコール、フタル酸ジエチル、トリプロピレングリコール、アボリン(ジメチルフタレート)、デルチルプライム(イソプロピルパルミテート)、ジプロピレングリコール(DPG)、ファルネセン、ジオクチルアジペート、トリブチリン(グリセリルトリブタノエート)、ヒドロライト-5(1,2-ペンタンジオール)、プロピレングリコールジアセテート、セチルアセテート(ヘキサデシルアセテート)、エチルアビエテート、アバリン(メチルアビエテート)、シトロフレックスA-2(アセチルトリエチルシトレート)、シトロフレックスA-4(トリブチルアセチルシトレート)、シトロフレックスNo.2(トリエチルシトレート)、シトロフレックスNo.4(トリブチルシトレート)、ドゥラフィックス(メチルジヒドロアビエテート)、MITD(イソトリデシルミリステート)、ポリリモネン(リモネンポリマー)や、1,3-ブチレングリコール等が挙げられる。
香料用溶剤の含量は、香料組成物の総質量に対して、例えば0.1~30質量%、好ましくは1~20質量%である。
【0041】
(E)成分の含量は、液体柔軟剤組成物の総質量に対して、0.6超(0.6を含まない)~5質量%、好ましくは0.8~3.0質量%、さらに好ましくは0.8~2.0質量%である。前記の含量範囲であると、液体柔軟剤組成物の透明な外観を保持しつつ(E)成分の配合目的を達成できる。
【0042】
〔(B1)成分と(B2)成分との質量比〕
(B1)成分と(B2)成分との質量比(B1/B2)は2~200、好ましくは3~100、さらに好ましくは3.5~50、特に好ましくは3.5~20である。前記の質量比範囲であると、透明な外観を有しつつ、起泡が抑制された液体柔軟剤組成物が得られる。
【0043】
〔(C)成分と(D)成分との質量比〕
(C)成分と(D)成分との質量比(C/D)は、好ましくは100~4000、より好ましくは300~4000、さらに好ましくは500~2000、特に好ましくは500~1000である。前記の質量比範囲であると、透明な外観と起泡抑制性とがより優れた液体柔軟剤組成物が得られる。
【0044】
〔(B)成分と(C)成分と(D)成分との質量比〕
(B)成分と「(C)成分と(D)成分の合計量」との質量比(B/(C+D))は、好ましくは0.1~5、より好ましくは0.2~4、さらに好ましくは0.5~2、特に好ましくは0.6~1である。前記の質量比範囲であると、透明な外観と起泡抑制性とがより優れた液体柔軟剤組成物が得られる。
【0045】
〔液体柔軟剤組成物の透明性〕
液体柔軟剤組成物は、透明又は半透明である。透明とは、測定セル(光路長10mmのガラスセル)に液体柔軟剤組成物を入れ、対照側セルにイオン交換水を入れた場合に、660nmの波長の光透過率が95%以上であることを意味し、半透明とは、前記透過率が30%以上95%未満であることを意味する。
【0046】
〔任意成分〕
必須の(A)~(E)成分の配合効果を損なわない範囲で、下記の任意成分を配合してもよい。
【0047】
〔(F)成分:(C)成分以外の水混和性溶剤〕
(F)成分は、液体柔軟剤組成物の流動性を向上させるために配合する。なお、前述の(C)成分は(F)成分から除かれる。
(F)成分の例としては、炭素数2~4の多価アルコールや、下記一般式(I)で表されるグリコールエーテル系溶剤等が挙げられる。
1-(OR2wOH (I)
(式中、
1は、水素、炭素数1~6のアルキル基又はフェニル基であり、
2は、炭素数2~4のアルキレン基であり、
wは、平均付加モル数を表し、1~30000である)
【0048】
炭素数2~4の多価アルコールの例としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、グリセリン等が挙げられる。
式(I)で表されるグリコールエーテル系溶剤の例としては、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(R1が炭素数4のアルキル基であり、R2が炭素数2のアルキレン基であり、wが2である)等が挙げられる。
式(I)のR1が水素である化合物としては、ポリエチレングリコールが挙げられる。ポリエチレングリコールとしては、式(I)のwが5以上のものが好ましい。ポリエチレングリコールの質量平均分子量は、好ましくは200~1320000、より好ましくは200~5000、さらに好ましくは200~2000、特に好ましくは200~1000である。ポリエチレングリコールの質量平均分子量は、溶媒としてメタノールを用いてGPCにより測定した値を、ポリエチレングリコールにおける較正曲線に基づいて算出した値を示す。なかでも、質量平均分子量が1000(wが22~24)のポリエチレングリコールが特に好ましい。
(F)成分としては、流動性に優れる点、臭気の穏やかな点、原料の入手のしやすさの点から、エチレングリコール、プロピレングリコール及びジエチレングリコールモノブチルエーテルが好ましく、ジエチレングリコールモノブチルエーテル及びエチレングリコールがより好ましい。
【0049】
(F)成分は単一種類を使用してもよく、複数種類を併用してもよい。
【0050】
(F)成分の含量は、配合目的を達成できる限り特に制限されないが、液体柔軟剤組成物の総質量に対して、好ましくは1.0~10質量%、より好ましくは2.0~5.0質量%である。
【0051】
〔(G)成分:水溶性カチオンポリマー〕
(G)成分は、繊維製品にサラっとした感触を与えるために配合する。
【0052】
(G)成分は水溶性である。「水溶性」とは、被験物質1gを25℃の水100gに加えて得られた溶液が無色透明であることをいう。
(G)成分は、水に溶解したときにカチオン性を有する。
(G)成分は、後述するカチオン化度が、好ましくは0.1%以上(例えば0.1~35%)であり、より好ましくは2.5%以上(例えば2.5~15%)である。
【0053】
(G)成分が、(i)カチオン性モノマーの重合体、(ii)カチオン性モノマーとノニオン性モノマーの共重合体、又は(iii)ノニオン性重合体の一部をカチオン性基で変性又は置換したもの(カチオン化セルロースなど)である場合、カチオン化度は、下記式(1)により算出される値として定義される。
カチオン化度(%)=X×Y×100 式(1)
[X:ポリマーのカチオン性基中のカチオン化された原子(窒素等)の原子量
Y:ポリマー1g中に含まれるカチオン性基のモル数]
【0054】
(G)成分が(i)カチオン性モノマーとアニオン性モノマーの共重合体、又は(ii)カチオン性モノマーとアニオン性モノマーとノニオン性モノマーの共重合体である場合、カチオン化度は、下記式(2)により算出される値として定義される。
カチオン化度(%)=X×(Y-Z)×100 式(2)
[X:ポリマーのカチオン性基中のカチオン化された原子(窒素等)の原子量
Y:ポリマー1g中に含まれるカチオン性基のモル数
Z:ポリマー1g中に含まれるアニオン性基のモル数
(Zのアニオン性基としては、ポリマー鎖中のモノマー単位に含まれるカルボキシル基や、スルホン酸基など(例えば、アクリル酸中のカルボン酸基)が挙げられる。但し、カチオン性基の対イオンは含まない。)]
【0055】
例示として、カチオン性モノマーとアニオン性モノマーとの共重合体である、下記式(III)で表されるMERQUAT280(塩化ジメチルジアリルアンモニウムとアクリル酸との質量比=80:20。式(III)では、m:n=65:35)(日本ルーブリゾール社製)のカチオン化度の計算手順を示す。
【0056】
【化5】
【0057】
X:14(窒素原子の原子量)
Y:4.95×10-3(カチオン性基の1g中の重量:0.8gとカチオン性基の分子量より算出)
Z:2.78×10-3(アニオン性基の1g中の重量:0.2gとアニオン性基の分子量より算出)
式(2)より、カチオン化度(%)=
14×(4.95×10-3-2.78×10-3)×100=3.0である。
【0058】
前記の算出法によれば、ノニオン性モノマーの重合体やアニオン性モノマーの重合体のカチオン化度は0となる。
【0059】
(G)成分の重量平均分子量は、ポリエチレングリコールを標準物質としてゲルパーメーションクロマトグラフィ法で測定したとき、好ましくは1,000~5,000,000であり、より好ましくは3,000~2,000,000であり、さらに好ましくは5,000~500,000である。
【0060】
(G)成分としては、前述した水溶性及びカチオン性を有するポリマーを特に制限なく使用し得るが、好ましくは、アミノ基、アミン基及び第4級アンモニウム基から選ばれる1種以上のカチオン性基を有する水溶性ポリマーである。
(G)成分の例としては、
Noverite310(日本ルーブリゾール社製)、MERQUAT100(日本ルーブリゾール社製)、アデカカチオエースPD-50((株)アデカ)、ダイドールEC(大同化成工業(株)製)等の塩化ジメチルジアリルアンモニウムの重合体(ポリ塩化ジメチルジアリルアンモニウム)、
MERQUAT550 JL5(日本ルーブリゾール社製)等の塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド共重合体、
MERQUAT295(日本ルーブリゾール社製)やMERQUAT280(日本ルーブリゾール社製)等の塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリル酸共重合体、
レオガードKGP(ライオン(株)製)等のカチオン化セルロース、
LUVIQUAT-FC905(BASF社製)等の塩化イミダゾリニウム・ビニルピロリドン共重体、
LUGALVAN-G15000(BASF社製)等のポリエチレンイミン、
ポバールCM318((株)クラレ製)等のカチオン化ポリビニルアルコール、
キトサン等のアミノ基を有する天然系の高分子誘導体や、
ジエチルアミノメタクリレート・エチレンオキシド等が付加された親水基を有するビニルモノマーとの共重合体等が挙げられる。
(G)成分としては、ポリ塩化ジメチルジアリルアンモニウム及びポリ塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリル酸共重合体からなる群より選ばれる1種以上が好ましい。
特に好ましい(G)成分は、下記一般式(IV)で表されるジメチルジアリルアンモニウム塩を重合して得られる水溶性カチオン性ポリマーである。このポリマーの構造は、通常、下記の一般式(V)又は(VI)で表わされる。
なお、1つのポリマー鎖に、一般式(V)の構造単位と一般式(VI)の構造単位とが共に含まれていてもよい。
【0061】
【化6】
(式中、X-は、塩化物イオン、臭化物イオンなどの任意のマイナスイオンを示す。)
【0062】
【化7】
【0063】
【化8】
(各式中、c及びdは平均重合度を表し、各々、好ましくは6~30000、より好ましくは20~6000、さらに好ましくは30~3000である。)
【0064】
一般式(IV)のジメチルジアリルアンモニウム塩を重合して得られる水溶性カチオン性ポリマーの例としては、Noverite310(日本ルーブリゾール社製)、MERQUAT100(日本ルーブリゾール社製)、アデカカチオエースPD-50((株)アデカ社製)や、ダイドールEC(大同化成工業(株)製)等が挙げられる。
【0065】
(G)成分は公知物質であり、市場で容易に入手可能であるか又は調製可能である。
【0066】
(G)成分は単一種類を使用してもよく、複数種類を併用してもよい。
【0067】
(G)成分の含量は、配合目的を達成できる限り特に制限されないが、液体柔軟剤組成物の総質量に対して、好ましくは0.1~15質量%、より好ましくは0.5~10質量%、さらに好ましくは1.0~5.0質量%、特に好ましくは2.0~4.0質量%である。
【0068】
〔(H)成分:酸化防止剤〕
(H)成分としては、液体柔軟剤分野で公知の酸化防止剤を特に制限なく使用できる。
(H)成分の例としては、2,6-ジ-t-ジブチル-4-ヒドロキシトルエン(BHT)、t-ブチル-p-ヒドロキシアニソール(BHA)、p-メトキシフェノール、β-ナフトール、フェニル-α-ナフチルアミン、テトラメチルジアミノジフェニルメタン、γ-オリザノール、ビタミンE(α-トコフェロール、β-トコフェロール、γ-トコフェロール、δ-トコフェロール)、2,2’-エチリデンビス(4,6-ジ-t-ブチルフェノール)、トリス(テトラメチルヒドロキシピペリジノール)・1/3クエン酸塩、ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)セバケート、クェルセチンや、4,4’-ビス(α,α-ジメチルベンジル)ジフェニルアミン等が挙げられる。好ましくは2,6-ジ-t-ジブチル-4-ヒドロキシトルエンである。
【0069】
(H)成分は単一種類を使用してもよく、複数種類を併用してもよい。
【0070】
(H)成分の含量は、配合目的を達成できる限り特に制限されないが、液体柔軟剤組成物の総質量に対して、好ましくは0.001~1質量%、より好ましくは0.01~0.1質量%である。
【0071】
〔水〕
液体柔軟剤組成物は、好ましくは水を含む水性組成物である。
水としては、水道水、精製水、純水、蒸留水や、イオン交換水を使用できる。なかでもイオン交換水が好適である。
水の含量は特に限定されないが、液体柔軟剤組成物の総質量に対して、好ましくは50~95質量%、更に好ましくは70~90質量%である。
【0072】
〔その他の任意成分〕
本発明の液体柔軟剤組成物には、本発明の効果を妨げない範囲で、通常の家庭用仕上げ剤(柔軟剤)に使用されている添加剤等を配合することができる。そのような添加剤として、具体的には、ヘキサン酸とグリセリン又はペンタエリスリトールとの部分エステル化物や、食塩、塩化アンモニウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化カリウム等の水溶性塩、流動パラフィン、高級アルコール等の油剤、尿素、抗菌剤、殺菌剤、防腐剤、染料、顔料、炭化水素、非イオン性セルロース誘導体、紫外線吸収剤、蛍光増白剤、コロイダルシリカ等が挙げられる。
【0073】
〔液体柔軟剤組成物の製造方法〕
液体柔軟剤組成物は、公知の方法、例えば、シリコーン化合物を主剤とする液体柔軟剤組成物と同様の工程にしたがい製造できる。
例えば、(A)成分、(B1)成分、(B2)成分及び(C)成分を含む油相と、水相とを混合し、続いて(E)成分を添加して混合し、更に(D)成分を添加し混合することで、液体柔軟剤組成物を製造できる。
【0074】
〔液体柔軟剤組成物の使用方法〕
液体柔軟剤組成物を用いた繊維製品の処理方法は特に制限されず、従来の液体柔軟剤と同様に使用できる。例えば、洗濯のすすぎの段階ですすぎ水に液体柔軟剤組成物を溶解させて処理を行う、又はたらいのような容器中で液体柔軟剤組成物を水に溶解させ、更に繊維製品を入れて浸漬処理する方法がある。いずれも場合も適度な濃度に希釈して使用するが、浴比(繊維製品に対する処理液の重量比)は3~100倍、特に5~50倍であることが好ましい。
液体柔軟剤組成物で処理可能な繊維製品の種類は特に限定されず、例えば、衣類、カーテン、ソファー、カーペット、タオル、ハンカチ、シーツや、マクラカバー等が挙げられる。その素材も、綿や絹、ウール等の天然繊維でもよいし、ポリエステル等の化学繊維でもよい。
【実施例0075】
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
実施例及び比較例における各成分の配合量は全て質量%(指定のある場合を除き、純分換算)を示す。
【0076】
〔(A)成分:ポリエーテル変性シリコーン〕
以下のA-1及びA-2を使用した。

A-1:ポリエーテル変性シリコーン(ダウ・東レ(株)製。商品名「CF1188N」)
A-2:ポリエーテル変性シリコーン(ダウ・東レ(株)製。商品名「SH3775M」)
【0077】
〔(B1)成分:ノニオン界面活性剤〕
以下のB1-1及びB1-2を使用した。

B1-1:ポリオキシエチレンイソトリデシルエーテルEO7モル(ライオンケミカル(株)製。商品名「TAG-90」)。B1-1は、一般式(V)(R1は、炭素数13のアルキル基であり、rは7である)で表される化合物である。

B1-2:ポリオキシエチレンイソトリデシルエーテルEO60モル(BASF社製ルテンゾールTO3にエチレンオキサイド(EO)を付加させたもの)。B1-2は、一般式(V)(R1は、炭素数13のアルキル基であり、rは60である)で表される化合物である。
【0078】
〔(B2)成分:4級アンモニウム塩型カチオン界面活性剤〕
以下のB2-1及びB2-2を使用した。

B2-1:塩化セチルトリメチルアンモニウム(クラリアント社製。商品名「GenaminCTAC」)。B2-1は、一般式(3)(式中、R3、R4及びR5はいずれもメチル基であり、R6は炭素数16の直鎖アルキル基であり、Z-は塩素イオンである)で表される化合物である。

B2-2:塩化ドデシルトリメチルアンモニウム(ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製。商品名「リポカード12-37W」)C2-2は、一般式(3)(式中、R3、R4及びR5はいずれもメチル基であり、R6は炭素数12の直鎖アルキル基であり、Z-は塩素イオンである)で表される化合物である。
【0079】
〔(C)成分:炭素数が1~13で一価の脂肪族アルコール〕
以下のC-1~C-5を使用した。

C―1:エタノール(第一アルコール(株)製。商品名「発酵アルコール95度」)

C―2:メタノール(純正化学(株)製。商品名「メタノール」)

C-3:3-メトキシ-3-メチルブタノール((株)クラレ社製。商品名「ソルフィット」)

C-4:3-メチル-2-ブテン-1-オール(東京化成工業(株)製。商品名「3-メチル-2-ブテン-1-オール」)

C-5:3-メチル-3-ブテン-1-オール(東京化成工業(株)製。商品名「3-メチル-3-ブテン-1-オール」)
【0080】
〔(D)成分:シリコーン消泡剤〕
以下のD-1~D-2を使用した。

D-1:エマルション型シリコーン消泡剤(信越化学工業(株)製。商品名「KM-90」)

D-2:エマルション型シリコーン消泡剤(信越化学工業(株)製。商品名「KM-98」)
【0081】
〔(E)成分:香料組成物〕
以下に示す組成の香料組成物E-1を使用した。

E-1
【0082】
〔(F)成分:追加の水混和性溶剤〕
以下のF-1を使用した。

F-1:ジエチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルカルビトール)(日本乳化剤(株)社製。商品名「ブチルジグリコール(84)」 )
【0083】
〔(G)成分:水溶性カチオンポリマー〕
以下のG-1を使用した。

G-1:塩化ジメチルジアリルアンモニウムの重合物(日本ルーブリゾール社製。商品名「Noverite310」)。A-1は、一般式(IV)で表されるジメチルジアリルアンモニウム塩(X-は、塩化物イオン)を重合して得られる水溶性カチオン性ポリマーである(計算式(1)によるカチオン化度:8.7%。重量平均分子量:1.5×105)。また、1gのA-1を25℃の水100gに加えて得られた溶液は無色透明であった。
【0084】
〔(H)成分:酸化防止剤〕
以下のH-1を使用した。

H-1:BHT(ブチル化ヒドロキシトルエン)(住友化学(株)製。商品名「SUMILIZER BHT」)
【0085】
〔液体柔軟剤組成物の調製〕
まず、(A)成分、(B1)成分、(B2)成分、(C)成分の半量、(F)成分及び(H)成分を1000mlビーカーにとり、攪拌羽根を用いて充分に攪拌し、油相混合物を得た。
他方、(G)成分をイオン交換水に溶解させて水相混合物を得た。
次に、油相混合物を攪拌しながら、水相混合物及び(C)成分の半量を添加し、続いて(E)成分を添加し、均一になるまで充分に攪拌し、更に(D)成分を添加し、混合して、1000gの液体柔軟剤組成物を調製した。
各液体柔軟剤組成物の組成を後記の表1に示す。
表1中の含量の値は、液体柔軟剤組成物の総質量に対する含量(質量%)である。
表1中の「B1/B2」は、(B1)成分の(B2)成分に対する質量比を示す。
表1中の「C/D」は、(C)成分の(D)成分に対する質量比を示す。
表1中の「B/(C+D)」は、(B)成分の「(C)成分と(D)成分の合計量」に対する質量比を示す。
【0086】
〔液体柔軟剤組成物の泡立ち(起泡性)の評価〕
液体柔軟剤組成物20mLをエプトン管に入れた。このエプトン管を手で振とう(1ストローク/秒で20回)した。振とう終了直後に、発生した泡の量(泡と液体柔軟剤組成物との境界から泡の上端面までの体積(mL))をエプトン管の目盛りで読み取り、下記の評価基準に従い評価した。この評価基準では、発生した泡の量が多いほど、泡立ちやすい(起泡性が大きい)ことを意味する。結果を表1の「起泡性」欄に示す。3点以上を合格であると判定した。

<評価基準>
4:振とう直後の泡量が10mL未満
3:振とう直後の泡量が10mL以上、15ml未満
2:振とう直後の泡量が15mL以上、20mL未満
1:振とう直後の泡量が20mL以上
【0087】
〔液体柔軟剤組成物の外観(透明性)の評価〕
液体柔軟剤組成物をガラス容器に入れて密栓し、25℃に調温した後、その外観を、下記の評価基準に従い目視評価した。パネラー(10名)平均点(小数点以下は四捨五入)を表1の「外観」欄に示す。3点以上を合格であると判定した。

<評価基準>
4:透明で濁りがない(透明)
3:わずかに濁りがある(半透明)
2:濁りがある
1:白濁・分離している
【産業上の利用可能性】
【0088】
本発明は、液体柔軟剤の分野で利用可能である。
【0089】
【表1】