(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024148414
(43)【公開日】2024-10-18
(54)【発明の名称】発電床システム
(51)【国際特許分類】
H02N 2/18 20060101AFI20241010BHJP
A43B 3/42 20220101ALI20241010BHJP
【FI】
H02N2/18
A43B3/42
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023061520
(22)【出願日】2023-04-05
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】308036402
【氏名又は名称】株式会社JVCケンウッド
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【弁理士】
【氏名又は名称】原 裕子
(74)【代理人】
【識別番号】100170575
【弁理士】
【氏名又は名称】森 太士
(72)【発明者】
【氏名】在原 康貴
(72)【発明者】
【氏名】榎本 徳明
(72)【発明者】
【氏名】清水 薫
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 真樹
(72)【発明者】
【氏名】小野 時成
【テーマコード(参考)】
4F050
5H681
【Fターム(参考)】
4F050GA30
4F050JA30
4F050MA90
5H681BB08
(57)【要約】
【課題】発電床による発電量を、発電床上を歩行した利用者ごとに把握することが可能な発電床システムを提供する。
【解決手段】発電床システム1Aは、複数の第1圧電素子12を有する発電床10Aと、発電量割合算出部323と、第1利用者別発電量算出部と324Aとを有する。発電量割合算出部323は、利用者Xa、Xbが履物Ya、Ybを着用して発電床10A上を歩行している所定期間に関する、履物Ya、Ybの底部に設置された第2圧電素子21a、21bの発電量である履物発電量の総量に対する、履物Ya、Ybのごとの履物発電量の割合を示す発電量割合情報を算出する。第1利用者別発電量算出部と324Aは、所定期間の第1圧電素子12による発電量の総量である床発電量に、発電量割合情報で示される履物Ya、Ybごとの履物発電量の割合を掛け合わせることで、利用者ごとの発電量を算出する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の第1圧電素子を有する発電床と、
前記複数の第1圧電素子による発電量の総量である床発電量の情報を所定時間間隔で取得する床発電量取得部と、
前記発電床上を歩行する複数の利用者それぞれが着用している履物の底部に設置された第2圧電素子の発電量である履物発電量の情報を、所定時間間隔で取得する履物発電量取得部と、
所定期間に関する、前記履物発電量取得部が取得した複数の前記履物発電量の総量に対する、前記履物ごとの履物発電量の割合を示す発電量割合情報を算出する発電量割合算出部と、
前記所定期間に対応する前記床発電量に、前記発電量割合情報で示される前記履物ごとの履物発電量の割合を掛け合わせることで、いずれかの前記履物を着用する利用者ごとの床発電量を算出する利用者別発電量算出部と、を備えた発電床システム。
【請求項2】
複数の圧電素子を有する発電床と、
前記発電床上にいる複数の利用者それぞれの位置情報を取得する利用者位置取得部と、
前記複数の利用者が前記発電床上を同時に歩行したときに、各利用者の位置に対応する前記発電床内の位置に配置されている前記圧電素子による発電量を、それぞれ対応する利用者による発電量として算出する利用者別発電量算出部と、を備えた発電床システム。
【請求項3】
発電した複数の前記圧電素子のうち、所定距離以内で隣接する圧電素子群で形成される領域を、それぞれの形状に基づいて、利用者の歩行により形成された利用者領域と、利用者以外の物体により形成された非利用者領域とに分類する領域分類部をさらに備え、
前記利用者別発電量算出部は、前記複数の利用者が前記発電床上を同時に歩行したときに、各利用者の位置に対応する1人の利用者の利用者領域、およびこの利用者領域から所定範囲内にある非利用者領域またはこの利用者領域に伴って移動する非利用者領域に対応する発電量を、それぞれ対応する利用者の発電量として算出する、請求項2に記載の発電床システム。
【請求項4】
複数の圧電素子を有する発電床と、
前記発電床を歩行する利用者の識別情報を取得する利用者情報取得部と、
前記利用者情報取得部が利用者の識別情報を取得してから所定期間内に前記発電床で発生した発電量を、取得した識別情報に対応する利用者による発電量として算出する利用者別発電量算出部と、を備えた発電床システム。
【請求項5】
前記発電床は、大型発電床内の発電床部分で構成されて複数個設置され、
前記利用者情報取得部は、前記発電床部分ごとに設置され、
前記利用者別発電量算出部は、前記発電床部分と前記利用者情報取得部との対応情報を予め保持し、所定の前記利用者情報取得部が利用者の識別情報を取得してから所定期間内に、対応する発電床部分で発生した発電量を、該当する利用者による発電量として算出する、請求項4に記載の発電床システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発電床システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、床下に複数の圧電素子を設置した発電床が開発されている。発電床は、利用者が上面を歩行した際に圧電素子が受けた圧力を、電気エネルギーに変換する。
【0003】
このような発電床上を歩行して発電に貢献した利用者に対し、その貢献度合いに応じた報酬を与えるシステムが考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したようなシステムにおいて、利用者に対する発電への貢献度合いを算出するにあたり、同時に複数の利用者が発電床上を歩行した場合には、利用者ごとの発電床による発電量を認識する必要がある。しかし、システム内では発電床上を同時に歩行している複数の利用者を識別することができず、利用者ごとの発電量を算出することができないという問題があった。
【0006】
本発明は、発電床による発電量を、発電床上を歩行した利用者ごとに把握することが可能な発電床システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するための本発明の一形態の発電床システムは、複数の第1圧電素子を有する発電床と、前記複数の第1圧電素子による発電量の総量である床発電量の情報を所定時間間隔で取得する床発電量取得部と、前記発電床上を歩行する複数の利用者それぞれが着用している履物の底部に設置された第2圧電素子の発電量である履物発電量の情報を、所定時間間隔で取得する履物発電量取得部と、所定期間に関する、前記履物発電量取得部が取得した複数の前記履物発電量の総量に対する、前記履物ごとの履物発電量の割合を示す発電量割合情報を算出する発電量割合算出部と、前記所定期間に対応する前記床発電量に、前記発電量割合情報で示される前記履物ごとの履物発電量の割合を掛け合わせることで、いずれかの前記履物を着用する利用者ごとの床発電量を算出する利用者別発電量算出部と、を備える。
【0008】
また、本発明の他の形態の発電床システムは、複数の圧電素子を有する発電床と、前記発電床上にいる複数の利用者それぞれの位置情報を取得する利用者位置取得部と、前記複数の利用者が前記発電床上を同時に歩行したときに、各利用者の位置に対応する前記発電床内の位置に配置されている前記圧電素子による発電量を、それぞれ対応する利用者による発電量として算出する利用者別発電量算出部と、を備える。
【0009】
また、本発明の他の形態の発電床システムは、複数の圧電素子を有する発電床と、前記発電床を歩行する利用者の識別情報を取得する利用者情報取得部と、前記利用者情報取得部が利用者の識別情報を取得してから所定期間内に、前記発電床で発生した発電量を、取得した識別情報に対応する利用者による発電量として算出する利用者別発電量算出部と、を備える。
【発明の効果】
【0010】
本発明の発電床システムによれば、発電床による発電量を、発電床上を歩行した利用者ごとに把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の第1実施形態による床発電システムの構成を示す全体図である。
【
図2】本発明の第1実施形態による床発電システムの発電床と、情報処理媒体が設置された履物を着用して発電床上を歩行する利用者とを斜め上方向から俯瞰した図である。
【
図3】本発明の第1実施形態による床発電システムの動作を示すシーケンス図である。
【
図4】本発明の第2実施形態による床発電システムの構成を示す全体図である。
【
図5】本発明の第2実施形態による床発電システムの動作を示すシーケンス図である。
【
図6】本発明の第3実施形態による床発電システムの構成を示す全体図である。
【
図7】本発明の第3実施形態による床発電システムの動作を示すシーケンス図である。
【
図8】本発明の第4実施形態による床発電システムの構成を示す全体図である。
【
図9】本発明の第4実施形態による床発電システムの動作を示すシーケンス図である。
【
図10】本発明の第4実施形態による床発電システムの発電床の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明の第1~第4実施形態による発電床システムについて、図面を用いて説明する。
【0013】
《第1実施形態》
〈第1実施形態による発電床システムの構成〉
図1は、第1実施形態による発電床システム1Aの構成を示す全体図である。発電床システム1Aは、発電床10Aと、情報処理媒体20a、20bと、管理サーバ30Aとを備える。情報処理媒体20a、20bは、発電床システム1Aを利用するための履物の底部に設置されている。
【0014】
図2は、発電床10Aと、情報処理媒体20aが設置された履物Yaを着用して発電床10A上を歩行する利用者Xaと、情報処理媒体20bが設置された履物Ybを着用して発電床10A上を歩行する利用者Xbとを、斜め上方向から俯瞰した図である。
図1および
図2においては、発電床システム1Aが2つの情報処理媒体を備える場合を示しているが、3つ以上の情報処理媒体を備え、これらが3足以上の履物に設置されていてもよい。
【0015】
発電床10Aは、床本体11と、床本体11の下部にマトリックス状に並べられたn個の第1圧電素子12-1~12-nと、第1圧電素子12-1~12-nに通信接続された発電床制御部13Aとを有する。以下、第1圧電素子12-1~12-nのうちのいずれであるかを特定しない場合には、第1圧電素子12と記載する。
【0016】
第1圧電素子12-1~12-nはそれぞれ、与えられた圧力に応じた電圧を発生する。発電床制御部13Aは、管理サーバ30Aに通信可能に接続され、第1圧電素子12-1~12-nにより発生した発電量の総量である床発電量の情報を所定時間間隔、例えば数ミリ秒、数十ミリ秒、または数秒間隔で取得し、管理サーバ30Aに送信する。
【0017】
情報処理媒体20aは、第2圧電素子21aと、無線通信器22aとを有する。第2圧電素子21aは、与えられた圧力に応じた電圧を発生する。無線通信器22aは、第2圧電素子21aにより発生した発電量である履物発電量の情報を所定時間間隔、例えば数ミリ秒、数十ミリ秒、または数秒間隔で管理サーバ30Aに無線送信する。
【0018】
情報処理媒体20bは、情報処理媒体20aと同様の構成を有するため、詳細な説明は省略する。
【0019】
管理サーバ30Aは、記憶部31Aと、CPU32Aとを有する。記憶部31Aは、履物発電量記憶部311と、床発電量記憶部312とを有する。
【0020】
履物発電量記憶部311は、後述するようにCPU32Aが取得する履物発電量を記憶する。床発電量記憶部312は、後述するようにCPU32Aが取得する床発電量を記憶する。
【0021】
CPU32Aは、履物発電量取得部321と、第1床発電量取得部322Aと、発電量割合算出部323と、第1利用者別発電量算出部324Aとを有する。
【0022】
履物発電量取得部321は、履物Yaを着用した利用者および履物Ybを着用した利用者が発電床10A上を歩行しているときに、履物YaおよびYbから送信される履物発電量の情報を取得し、履物発電量記憶部311に記憶させる。第1床発電量取得部322Aは、発電床10Aから送信された床発電量の情報を取得し、床発電量記憶部312に記憶させる。
【0023】
発電量割合算出部323は、所定期間に関する、履物発電量記憶部311に記憶された履物発電量の総量に対する、履物Ya、Ybごとの履物発電量の割合を示す発電量割合情報を算出する。
【0024】
第1利用者別発電量算出部324Aは、発電量割合算出部323が発電量割合情報の算出対象とした期間の床発電量に、発電量割合情報で示される履物Ya、Ybごとの履物発電量の割合をそれぞれ掛け合わせることで、履物Ya、Ybを着用する利用者Xa、Xbごとの床発電量を算出する。
【0025】
〈第1実施形態による発電床システムの動作〉
本実施形態による発電床システム1Aの動作として、利用者Xaが履物Yaを着用し、利用者Xbが履物Ybを着用し、利用者Xaと利用者Xbとが同時に発電床10A上を歩行する場合について説明する。
【0026】
図3は、発電床システム1Aの稼動中に、履物Yaの情報処理媒体20a、履物Ybの情報処理媒体20b、発電床10A、および管理サーバ30Aが実行する処理を示すシーケンス図である。
【0027】
利用者Xaが歩行すると、履物Yaの底面に圧力がかかり、履物Yaの底面に設置された第2圧電素子21aが、与えられた圧力に応じた電圧を発生する。利用者Xaが発電床10A上を歩行している間、履物Ya内の無線通信器22aが、第2圧電素子21aにより発生した履物発電量を所定時間間隔で管理サーバ30Aに無線送信する(S1)。
【0028】
管理サーバ30Aでは、履物発電量取得部321が履物Yaから送信された履物発電量の情報を順次取得して、履物発電量記憶部311に記憶させる(S2)。
【0029】
同様に、利用者Xbが歩行すると履物Ybの底面に圧力がかかり、履物Ybの底面に設置された第2圧電素子21bが、与えられた圧力に応じた電圧を発生する。利用者Xbが発電床10A上を歩行している間、履物Yb内の無線通信器22bが、第2圧電素子21bにより発生した履物発電量を所定時間間隔で管理サーバ30Aに無線送信する(S3)。
【0030】
管理サーバ30Aでは、履物Ybから送信された履物発電量の情報を履物発電量取得部321が順次取得し、履物発電量記憶部311に記憶させる(S4)。
【0031】
また、利用者Xaと利用者Xbとが発電床10A上を歩行すると、発電床10Aの該当する位置の第1圧電素子12が、与えられた圧力に応じた電圧を発生する。発電床制御部13Aは、第1圧電素子12により発生した発電量である床発電量の情報を所定時間間隔で管理サーバ30Aに送信する(S5)。
【0032】
管理サーバ30Aでは、第1床発電量取得部322Aが発電床10Aから送信された床発電量の情報を順次取得して、床発電量記憶部312に記憶させる(S6)。
【0033】
図3のシーケンス図においては、ステップS1、S3、およびS5の処理が、ステップS1→S3→S5の順に開始される場合について示しているが、これらの処理は同時に開始されることが好ましい。また、ステップS1、S3、およびS5の開始タイミングがずれる場合であっても、これらの処理が
図3の場合とは異なる順序で開始されてもよい。
【0034】
発電量割合算出部323は、所定期間に関する、履物発電量記憶部311に記憶された履物Ya、Ybの履物発電量の総量に対する、履物Ya、Ybごとの履物発電量の割合を示す発電量割合情報を算出する(S7)。
【0035】
第1利用者別発電量算出部324Aは、発電量割合算出部323が発電量割合情報の算出対象とした期間の床発電量を床発電量記憶部312から取得する。第1利用者別発電量算出部324Aは、取得した床発電量に、発電量割合情報で示される履物Ya、Ybごとの履物発電量の割合をそれぞれ掛け合わせることで、対象期間における履物Ya、Ybを着用する利用者Xa、Xbごとの床発電量を算出する(S8)。
【0036】
管理サーバ30Aは、第1利用者別発電量算出部324Aが算出した利用者Xa、Xbごとの床発電量に基づいて、利用者Xa、Xbごとの報酬額を算出してもよい。
【0037】
以上の第1実施形態によれば、発電床による発電量を、発電床上を移動した利用者が着用する履物にかかる圧力に基づいて、利用者ごとに精度良く把握することができる。
【0038】
《第2実施形態》
〈第2実施形態による発電床システムの構成〉
図4は、第2実施形態による発電床システム1Bの構成を示す全体図である。発電床システム1Bは、発電床10Bと、利用者端末40c、40dと、発電床10Bの近傍に設置された複数のビーコン受信器50a、50bと、管理サーバ30Bとを備える。
【0039】
発電床10Bは、床本体11と、床本体11の下部にマトリックス状に並べられたn個の第1圧電素子12-1~12-nと、第1圧電素子12-1~12-nに通信接続された発電床制御部13Bとを有する。
【0040】
発電床制御部13Bは、管理サーバ30Bに通信可能に接続され、第1圧電素子12-1~12-nにより発生した発電量を取得し、それぞれ該当する第1圧電素子12の位置情報とともに管理サーバ30Bに送信する。
【0041】
利用者端末40c、40dは例えばスマートデバイスであり、搭載したアプリケーションの機能により、自端末の識別情報および発信時刻情報を含むビーコン(Bluetooth Low Energy;BLE)信号を所定時間間隔で数十メートル範囲内の領域に発信する。
【0042】
ビーコン受信器50aは、利用者端末40c、40dから送信されたビーコン信号を受信し、受信したビーコン信号ごとに、対応する発信時刻情報で示される発信時刻と、自ビーコン受信器50aがビーコン信号を受信した受信時刻との差分に基づいて、ビーコン受信器50aから利用者端末40c、40dまでの距離を算出する。ビーコン受信器50bは、ビーコン受信器50aと同様の構成を有し、ビーコン受信器50bから利用者端末40c、40dまでの距離を算出する。
【0043】
利用者端末40c、40dおよびビーコン受信器50a、50bは、例えば全地球航法衛星システム(Global Navigation Satellite System: GNSS)用の複数の衛星からのGNSS信号を受信することで、現在時刻を取得する。GNSSは、一例としてGPS(Global Positioning System)である。
【0044】
管理サーバ30Bは、記憶部31Bと、CPU32Bとを有する。記憶部31Bは、利用者別発電量記憶部313Bを有する。利用者別発電量記憶部313Bは、後述するようにCPU32Bが算出する利用者別発電量を記憶する。
【0045】
CPA32Bは、端末距離取得部326と、利用者位置取得部327と、第2床発電量取得部322Bと、第2利用者別発電量算出部324Bとを有する。
【0046】
端末距離取得部326は、ビーコン受信器50a、50bで算出された、各ビーコン受信器50a、50bから各利用者端末40c、40dまでの距離の情報を取得する。利用者位置取得部327は、各ビーコン受信器50a、50bの位置情報を予め保持し、端末距離取得部326が取得した情報と保持した各ビーコン受信器50a、50bの位置情報とに基づいて、利用者端末40c、40dの位置情報を算出し、算出した利用者端末40c、40dの位置情報をそれぞれ利用者端末40c、40dを携帯する利用者の位置情報として取得する。
【0047】
第2床発電量取得部322Bは、発電床10Bから送信された、第1圧電素子12の位置ごとの発電量の情報を取得する。
【0048】
第2利用者別発電量算出部324Bは、発電床10B内で、各利用者の位置に対応する領域に配置されている第1圧電素子12による発電量を、それぞれ対応する利用者による発電量として算出する。第2利用者別発電量算出部324Bは、算出した利用者ごとの発電量を、利用者別発電量記憶部313Bに記憶させる。
【0049】
〈第2実施形態による発電床システムの動作〉
本実施形態では、発電床10B上を、利用者端末40cを携帯する利用者Xcと、利用者端末40dを携帯する利用者Xdとが同時に歩行する場合に、発電床システム1Bが実行する動作について説明する。
【0050】
図4では、発電床10B上に、実線の靴底の形状で示す、時刻T1~T9における利用者Xcの位置と、点線の靴底の形状で示す、時刻T1~T6における利用者Xdの位置と、時刻T1における利用者端末40cの位置と、時刻T1における利用者端末40dの位置とを示している。
【0051】
図5は、発電床システム1Bの稼動中に、ビーコン受信器50a、ビーコン受信器50b、発電床10B、および管理サーバ30Bが実行する処理を示すシーケンス図である。
【0052】
利用者Xcが発電床10B上を歩行している間、利用者Xcの操作により、利用者端末40cが、自利用者端末40cの識別情報および発信時刻情報を含むビーコン信号を所定時間間隔で発信する。同様に、利用者Xdが発電床10B上を歩行している間、利用者Xdの操作により、利用者端末40dが、自利用者端末40dの識別情報および発信時刻情報を含むビーコン信号を所定時間間隔で発信する。
【0053】
ビーコン受信器50aは、時刻T1に利用者端末40cから送信されたビーコン信号を受信すると、受信したビーコン信号に含まれる発信時刻情報で示される発信時刻と、自ビーコン受信器50aがビーコン信号を受信した受信時刻との差分に基づいて、ビーコン受信器50aから対応する利用者端末40cまでの距離を算出する。ビーコン受信器50aは、算出した利用者端末40cまでの距離の情報を、管理サーバ30Bに送信する(S11)。
【0054】
また、ビーコン受信器50aは、時刻T1に利用者端末40dから送信されたビーコン信号を受信すると、同様の処理により、ビーコン受信器50aから対応する利用者端末40dまでの距離を算出する。ビーコン受信器50aは、算出した利用者端末40dまでの距離の情報を、管理サーバ30Bに送信する(S12)。
【0055】
また、ビーコン受信器50bも、時刻T1に利用者端末40cから送信されたビーコン信号を受信すると、同様の処理により、ビーコン受信器50bから対応する利用者端末40cまでの距離を算出する。ビーコン受信器50bは、算出した利用者端末40cまでの距離の情報を、管理サーバ30Bに送信する(S13)。
【0056】
また、ビーコン受信器50bも、時刻T1に利用者端末40dから送信されたビーコン信号を受信すると、同様の処理により、ビーコン受信器50bから対応する利用者端末40dまでの距離を算出する。ビーコン受信器50bは、算出した利用者端末40dまでの距離の情報を、管理サーバ30Bに送信する(S14)。
【0057】
管理サーバ30Bでは、ビーコン受信器50aから送信された利用者端末40cまでの距離の情報および利用者端末40dまでの距離の情報と、ビーコン受信器50bから送信された利用者端末40cまでの距離の情報および利用者端末40dまでの距離の情報とを、端末距離取得部326が取得する(S15)。
【0058】
また、時刻T1に発電床10Bの第1圧電素子12により発生した床発電量を発電床制御部13Bが取得し、発電した第1圧電素子12の位置情報とともに管理サーバ30Bに送信する(S16)。
【0059】
管理サーバ30Bでは、発電床10Bから送信された、第1圧電素子12の位置ごとの床発電量の情報を、第2床発電量取得部322Bが取得する(S17)。
【0060】
図5のシーケンス図においては、ステップS11、S12、S13、S14、およびS16の処理が、ステップS11→S12→S13→S14→S16の順に開始される場合について示しているが、これらの処理は同時に開始されることが好ましい。また、ステップS11、S12、S13、S14、およびS16の開始タイミングがずれる場合であっても、これらの処理が
図5の場合とは異なる順序で開始されてもよい。
【0061】
利用者位置取得部327は、端末距離取得部326が取得した情報、および予め保持した各ビーコン受信器50a、50bの位置情報に基づいて、各利用者端末40c、40dの位置情報を算出する。利用者位置取得部327は、算出した各利用者端末40c、40dの位置情報を、それぞれ時刻T1における各利用者Xc、Xdの位置情報として取得する(S18)。
【0062】
第2利用者別発電量算出部324Bは、発電床10B内で、利用者位置取得部327が取得した各利用者Xc、Xdの位置に対応する領域に配置されている第1圧電素子12による発電量を、それぞれ時刻T1における利用者Xc、Xdによる発電量として算出する。
【0063】
第2利用者別発電量算出部324Bは例えば、各利用者Xc、Xdの位置から所定範囲内の領域にある第1圧電素子12による発電量を、利用者Xc、Xdによる発電量として算出する。第2利用者別発電量算出部324Bは、算出した利用者Xc、Xdごとの発電量を、利用者別発電量記憶部313Bに記憶させる(S19)。
【0064】
以降、管理サーバ30Bは、所定時間ごとの時刻T2、T3、T4・・・にステップS11~S19の処理を実行し、各時刻における利用者Xc、Xdの発電量を順次算出し、記憶させる。
【0065】
管理サーバ30Bは、利用者別発電量記憶部313Bに記憶された所定期間の各利用者Xc、Xdの発電量に基づいて、利用者Xa、Xbごとの報酬額を算出してもよい。
【0066】
以上の第2実施形態によれば、発電床による発電量を、ビーコン信号を利用して特定した利用者の位置情報に基づいて、利用者ごとに精度良く算出することができる。
【0067】
《第3実施形態》
〈第3実施形態による発電床システムの構成〉
図6は、第3実施形態による発電床システム1Cの構成を示す全体図である。発電床システム1Cは、発電床10Cと、利用者端末40e、40fと、発電床10Cの近傍に設置された複数のビーコン受信器50a、50bと、管理サーバ30Cとを備える。発電床システム1Cは、管理サーバ30CのCPU32Cが領域分類部328を有する他は、第2実施形態で説明した発電床システム1Bと同様の構成を有するため、同一機能を有する部分の詳細な構成は省略する。
【0068】
本実施形態において管理サーバ30Cの領域分類部328は、第3床発電量取得部322Cが取得した情報に基づいて、発電した複数の第1圧電素子12のうち、所定距離以内で隣接する第1圧電素子12群で形成される領域を認識する。領域分類部328は、認識した各領域の形状を識別し、認識した複数領域を、形状が靴底に類似する領域と、靴底に類似しない領域とに分類する。領域分類部328は、靴底に類似する領域を、利用者の歩行により形成された利用者領域として認識し、靴底に類似しない領域を、利用者以外の物体により形成された非利用者領域として認識する。
【0069】
第3利用者別発電量算出部324Cは、発電床10C内で、所定の利用者の位置から所定範囲内にある1人分の利用者の利用者領域、およびこの利用者領域から所定範囲内にある非利用者領域に対応する発電量を、該当する利用者による発電量として算出する。
【0070】
〈第3実施形態による発電床システムの動作〉
本実施形態では、発電床10C上を、利用者端末40eを携帯する利用者Xeが2つの車輪が付いた携行品Yeを牽引して歩行すると同時に、利用者端末40fを携帯する利用者Xfが歩行する場合に、発電床システム1Cが実行する動作について説明する。
【0071】
図6では、発電床10C上に、実線の靴底の形状で示す、時刻T1~T9における利用者Xcの位置と、曲線で示す、時刻T1~T9における携行品Yeの車輪の移動軌跡と、点線の靴底の形状で示す、時刻T1~T6における利用者Xdの位置と、時刻T1における利用者端末40cの位置と、時刻T1における利用者端末40dの位置とを示している。
【0072】
図7は、発電床システム1Cの稼動中に、ビーコン受信器50a、ビーコン受信器50b、発電床10C、および管理サーバ30Cが実行する処理を示すシーケンス図である。
【0073】
図7において、ステップS21~S27で実行される処理は、第2実施形態で説明したS11~S17の処理と同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0074】
図7のシーケンス図においては、ステップS21、S22、S23、S24、およびS26の処理が、ステップS21→S22→S23→S24→S26の順に開始される場合について示しているが、これらの処理は同時に開始されることが好ましい。また、ステップS21、S22、S23、S24、およびS26の開始タイミングがずれる場合であっても、これらの処理が
図7の場合とは異なる順序で開始されてもよい。
【0075】
ステップS27において管理サーバ30Cの第3床発電量取得部322Cが、発電床10Cから第1圧電素子12の位置ごとの床発電量の情報を取得すると、領域分類部328は、発電した複数の第1圧電素子12のうち、所定距離以内で隣接する第1圧電素子12群で形成される領域を認識する。
【0076】
領域分類部328は、認識した領域を、パターンマッチング等の技術を用いて、形状が靴底に類似する領域、つまり利用者の歩行により形成された利用者領域と、形状が靴底に類似しない領域、つまり利用者以外の物体により形成された非利用者領域とに分類する(S28)。時刻T1においては、領域分類部328は、3つの領域を認識し、そのうち2つを利用者領域に分類し、1つを非利用者領域に分類する。
【0077】
利用者位置取得部327は、端末距離取得部326が取得した情報、および予め保持した各ビーコン受信器50a、50bの位置情報に基づいて、利用者端末40e、40fの位置情報を算出する。利用者位置取得部327は、算出した利用者端末40e、40fの位置情報を、それぞれ時刻T1における利用者Xc、Xdの位置情報として取得する(S29)。
【0078】
第3利用者別発電量算出部324Cは、発電床10C内で、利用者位置取得部327が取得した利用者Xeの位置から最寄りの1足分の利用者領域を、利用者Xeの歩行による発電領域として認識する。また、判定した利用者Xeの利用者領域から所定範囲内のある非利用者領域を、利用者Xeの携行品Yeによる発電領域として認識する。
【0079】
または、第3利用者別発電量算出部324Cは、判定した利用者Xeの利用者領域に伴って移動する非利用者領域を、利用者Xeの携行品Yeによる発電領域として認識してもよい。
【0080】
この場合、第3利用者別発電量算出部324Cは、所定の期間、例えば時刻T1からT2までの期間における、利用者Xeの利用者領域の位置の変化量と非利用者領域の位置の変化量とを比較し、各変化量の差が所定値以下であれば、当該非利用者領域を、利用者Xeの携行品Yeによる発電領域として認識する。このとき、利用者Xeの利用者領域の位置の変化量と非利用者領域の位置の変化量との差が所定値以下であるとともに、移動方向の差が所定値以下であるときに、当該非利用者領域を、利用者Xeの携行品Yeによる発電領域として認識してもよい。
【0081】
第3利用者別発電量算出部324Cは、非利用者領域の発電領域が利用者Xeの携行品Yeによるものであるか否かの判定処理として、上述した、非利用者領域が利用者領域から所定範囲内にあるか否かにより判定する処理と、非利用者領域が利用者領域に伴って移動しているか否かにより判定する処理とを併用しても良いし、いずれか一方を採用してもよい。
【0082】
第3利用者別発電量算出部324Cは、利用者Xeの歩行による発電領域の発電量および利用者Xeの携行品Yeによる発電領域の発電量の総計を、時刻T1における利用者Xeの発電量として算出する。
【0083】
また第3利用者別発電量算出部324Cは、発電床10C内で、利用者位置取得部327が取得した利用者Xfの位置から最寄りの1足分の利用者領域を、利用者Xfの歩行による発電領域として認識する。また、判定した利用者Xfの利用者領域から所定範囲内のある非利用者領域はないと判定する。
【0084】
第3利用者別発電量算出部324Cは、利用者Xfの歩行による発電領域の発電量を、時刻T1における利用者Xfによる発電量として算出する。第3利用者別発電量算出部324Cは、算出した利用者Xe、Xfごとの発電量を、利用者別発電量記憶部313Cに記憶させる(S30)。
【0085】
以降、管理サーバ30Cは、所定時間ごとの時刻T2、T3、T4・・・にステップS21~S30の処理を実行し、各時刻における利用者Xe、Xfの発電量を順次算出し、記憶させる。
【0086】
以上の第3実施形態によれば、発電床による発電量を、ビーコン信号を利用して特定した利用者の位置情報に基づいて利用者ごとに算出する際に、利用者の携行品による発電量も含めて、精度良く算出することができる。
【0087】
《第4実施形態》
〈第4実施形態による発電床システムの構成〉
図8は、第4実施形態による発電床システム1Dの構成を示す全体図である。発電床システム1Dは、入場ゲート機60a、60bと、入場ゲート機60a、60bにそれぞれ対応して設置された発電床10Da、10Dbと、管理サーバ30Dとを備える。
【0088】
入場ゲート機60aは、例えば駅改札口に設置された改札機など、入場を制限する所定エリアARの入口に設置される装置であり、利用者情報取得部としての読み取り部61aと、フラップ62aと、ゲート情報処理部63aとを有する。読み取り部61aは、利用者が保持するICカードから、利用者の識別情報を読み取る。フラップ62aは、開閉自在に構成され、開状態のときには利用者が入口からエリアAR内に入場可能となり、閉状態のときには利用者はエリアAR内に入場できない。
【0089】
ゲート情報処理部63aは、読み取り部61aが読み取った利用者の識別情報を取得し、取得した識別情報に基づいて利用者の入場可否を判定する。ゲート情報処理部63aは、通常時はフラップ62a、62bを閉状態にし、利用者の入場が可能と判定すると開状態にする。また、ゲート情報処理部63aは、フラップ62a、62bを開状態にした後に、利用者がエリアAR内に入場したことを検知すると、フラップ62a、62bを閉状態にする。
【0090】
またゲート情報処理部63aは、取得した利用者の識別情報と、フラップ62a、62bを閉状態から開状態に移行したときに生成するフラップ開通知と、フラップ62a、62bを開状態から閉状態に移行したときに生成するフラップ閉通知とを、管理サーバ30Dに送信する。
【0091】
入場ゲート機60bは、入場ゲート機60aと同様の構成を有するため、詳細な説明は省略する。
【0092】
発電床10Daは、入場ゲート機60aに対応してフラップ62a手前の床に設置され、床本体11と、床本体11の下部にマトリックス状に並べられたn個の第1圧電素子12-1~12-nと、第1圧電素子12-1~12-nに通信接続された発電床制御部13Daとを有する。
【0093】
発電床制御部13Daは、管理サーバ30Dに通信可能に接続され、第1圧電素子12-1~12-nにより発生した発電量を取得し、管理サーバ30Dに送信する。
【0094】
発電床10Dbは、入場ゲート機60bに対応してフラップ62b手前の床に設置される。発電床10Dbは、発電床10Daと同様の構成を有するため、詳細な説明は省略する。
【0095】
管理サーバ30Dは、記憶部31Dと、CPU32Dとを有する。記憶部31Dは、利用者別発電量記憶部313Dを有する。利用者別発電量記憶部313Dは、後述するようにCPU32Dが算出する利用者別発電量を記憶する。
【0096】
CPA32Dは、ゲート情報取得部329と、第4床発電量取得部322Dと、第4利用者別発電量算出部324Dとを有する。
【0097】
ゲート情報取得部329は、ゲート情報処理部63a、63bから送信された利用者の識別情報、フラップ開通知、およびフラップ閉通知を取得する。
【0098】
第4床発電量取得部322Dは、発電床10Da、10Dbから送信された発電量の情報を取得する。
【0099】
第4利用者別発電量算出部324Dは、ゲート情報処理部63a、63bが利用者の識別情報を取得したタイミングに対応する期間に発電床10Da、10Dbで発生した発電量の積算値を、対応する利用者による発電量として算出する。利用者の識別情報を取得したタイミングに対応する期間は、具体的には、ゲート情報取得部329がフラップ開通知を取得してからフラップ閉通知を取得するまでの期間である。
【0100】
〈第4実施形態による発電床システムの動作〉
本実施形態による発電床システム1Dの動作として、まず、利用者Xeが発電床10Da上を歩行する場合について説明する。
【0101】
図9は、発電床システム1Dの稼動中に、入場ゲート機60a、発電床10Da、および管理サーバ30Dが実行する処理を示すシーケンス図である。
【0102】
利用者Xeが入場ゲート機60aに近づき、自身の識別情報が格納されたICカードを読み取り部61aにかざすと、読み取り部61aが近距離無線通信等によりICカードから利用者Xeの識別情報を取得する(S31)。読み取り部61aが利用者Xeの識別情報を取得すると、ゲート情報処理部63aが、取得した識別情報に基づいて利用者Xeの入場可否を判定する(S32)。
【0103】
ゲート情報処理部63aが利用者Xeの入場可能と判定すると(S32の「YES」)、フラップ62aが開状態になるように制御するとともに、利用者Xeの識別情報およびフラップ開通知を管理サーバ30Dに送信する(S33)。管理サーバ30Dでは、入場ゲート機60aから送信された情報を、ゲート情報取得部329が取得する。
【0104】
フラップ62aが開状態になったことで利用者XeがエリアARに向かって発電床10Da上を歩行すると、発電床10Daの第1圧電素子12により発生した床発電量を発電床制御部13Daが所定時間間隔で取得し、管理サーバ30Dに送信する(S34)。
【0105】
管理サーバ30Dでは、発電床10Daから送信された床発電量の情報を、第4床発電量取得部322Dが順次取得する。第4利用者別発電量算出部324Dは、第4床発電量取得部322Dが取得した発電床10Daの床発電量を、発電床10Daに対応する入場ゲート機60aで識別情報を取得した利用者Xeの歩行による発電量として認識し、順次積算する(S35)。
【0106】
その後、ゲート情報処理部63aは、発電床10Daの発電がなくなったこと、または入場ゲート機60aに設置されたセンサ(図示せず)の検知情報により利用者XeがエリアARに入場したと判定すると(S36の「YES」)、フラップ62aが閉状態になるように制御するとともに、フラップ閉通知を管理サーバ30Dに送信する(S37)。
【0107】
管理サーバ30Dでは、発電床10Daから送信されたフラップ閉通知をゲート情報取得部329が取得する。第4利用者別発電量算出部324Dは、ゲート情報取得部329がフラップ開通知を取得してからフラップ閉通知を取得するまでの期間に発電床10Daで発生した発電量の積算値を、利用者Xeによる発電量として算出する。
【0108】
第4利用者別発電量算出部324Dは、算出した利用者Xeの発電量を、利用者別発電量記憶部313Dに記憶させる(S38)。
【0109】
利用者Xfが発電床10Db上を歩行して入場ゲート機60bからエリアARに入場する場合も、入場ゲート機60b、発電床10Db、管理サーバ30Dにおいて同様の処理が実行され、利用者Xfによる発電量が算出され、記憶される。
【0110】
以上の第4実施形態によれば、複数の入場ゲート機にそれぞれ対応する発電床で発生した発電量を、各入場ゲート機で識別情報を取得した利用者の歩行による発電量として認識することで、利用者ごとの発電量を精度良く把握することができる。
【0111】
上述した第4実施形態の変形例として、
図10に示すように、入場ゲート機60aのフラップ62a手前に設置される発電床と、入場ゲート機60bのフラップ62b手前に設置される発電床とを、大型発電床10DL内の一部の発電床部分101、102で構成してもよい。
【0112】
この場合、大型発電床10DLの発電床制御部13DLは、第1圧電素子12-1~12-nにより発生した発電量を取得し、該当する第1圧電素子12の位置情報とともに管理サーバ30Dに送信する。
【0113】
管理サーバ30Dの第4利用者別発電量算出部324Dは、入場ゲート機60aと大型発電床10DL上の発電床部分101との対応情報、および入場ゲート機60bと発電床部分102との対応情報を予め保持する。そして第4利用者別発電量算出部324Dは、所定の入場ゲート機で利用者の識別情報を取得してから所定期間内に、対応する発電床部分で発生した発電量を、該当する利用者による発電量として算出する。
【0114】
具体的には、第4利用者別発電量算出部324Dは、入場ゲート機60aで利用者Xeの識別情報を取得してから所定期間内に発電床部分101で発生した発電量を、利用者Xeによる発電量として算出する。また第4利用者別発電量算出部324Dは、入場ゲート機60bで利用者Xfの識別情報を取得してから所定期間内に発電床部分102で発生した発電量を、利用者Xfによる発電量として算出する。
【0115】
このように発電床システム1Dを構成することで、1つの大型の発電床上を複数の利用者が歩行する場合にも、対応する入場ゲート機に応じて利用者ごとの発電量を算出することができる。
【符号の説明】
【0116】
1A、1B、1C、1D 発電床システム
10A、10B、10C、10Da、10Db 発電床
10DL 大型発電床
11 床本体
12、12-1~12-n 第1圧電素子
13A、13B、13C、13Da、13Db、13DL 発電床制御部
20a、20b 情報処理媒体
21a、21b 第2圧電素子
22a、22b 無線通信器
30A、30B、30C、30D 管理サーバ
31A、31B、31C、31D 記憶部
32A、32B、32C、32D CPU
40c、40d、40e、40f 利用者端末
50a、50b ビーコン受信器
60a、60b 入場ゲート機
61a 読み取り部
62a、62b フラップ
63a、63b ゲート情報処理部
101、102 発電床部分
311 履物発電量記憶部
312 床発電量記憶部
313B、313C、313D 利用者別発電量記憶部
321 履物発電量取得部
322A 第1床発電量取得部
322B 第2床発電量取得部
322C 第3床発電量取得部
322D 第4床発電量取得部
323 発電量割合算出部
324A 第1利用者別発電量算出部
324B 第2利用者別発電量算出部
324C 第3利用者別発電量算出部
324D 第4利用者別発電量算出部
326 端末距離取得部
327 利用者位置取得部
328 領域分類部
329 ゲート情報取得部