(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024148418
(43)【公開日】2024-10-18
(54)【発明の名称】3Dプリンタ用ノズル装置及び3Dプリンタ
(51)【国際特許分類】
B28B 1/30 20060101AFI20241010BHJP
B33Y 30/00 20150101ALI20241010BHJP
【FI】
B28B1/30
B33Y30/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023061525
(22)【出願日】2023-04-05
(71)【出願人】
【識別番号】000201478
【氏名又は名称】前田建設工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000785
【氏名又は名称】SSIP弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】西條 圭祐
(72)【発明者】
【氏名】梶田 秀幸
(72)【発明者】
【氏名】宮澤 友基
【テーマコード(参考)】
4G052
【Fターム(参考)】
4G052DA01
4G052DB12
4G052DC06
(57)【要約】
【課題】セメント系材料を用いる3Dプリンタにおいて、ノズル装置からの排出を一時停止する際に発生する垂れ及びこの垂れに起因して排出再開時に起こるタイムラグをなくし、これによって、製作物の品質低下を抑制する。
【解決手段】ポンプにより圧送されたプリント原料としてのセメント系材料を排出するための3Dプリンタ用ノズル装置であって、セメント系材料が流れるフレキシブルホースと、フレキシブルホースよりも高い剛性を有するとともに前記フレキシブルホースが内部に挿入される管状体であって、管状体の周壁にフレキシブルホースが露出可能な開口を有する管状体と、管状体の外側から開口を通してフレキシブルホースの外周面を押圧し又は押圧を解除可能な押圧装置と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポンプにより圧送されたプリント原料としてのセメント系材料を排出するための3Dプリンタ用ノズル装置であって、
前記セメント系材料が流れるフレキシブルホースと、
前記フレキシブルホースよりも高い剛性を有するとともに前記フレキシブルホースが内部に挿入される管状体であって、前記管状体の周壁に前記フレキシブルホースが露出可能な開口を有する管状体と、
前記管状体の外側から前記開口を通して前記フレキシブルホースの外周面を押圧し又は押圧を解除可能な押圧装置と、を備える
3Dプリンタ用ノズル装置。
【請求項2】
前記押圧装置は、
前記フレキシブルホースの前記外周面を押圧可能なように設けられた押圧部材と、
前記押圧部材が前記外周面を押圧するように弾性力を付勢するバネ部材と、を含む
請求項1に記載の3Dプリンタ用ノズル装置。
【請求項3】
前記押圧装置は、
前記フレキシブルホースの前記外周面を押圧可能なように設けられた押圧部材と、
前記押圧部材が前記外周面を押圧し又は押圧を解除するように前記押圧部材を動作させる駆動部と、
前記ポンプが作動している時に前記押圧部材が前記フレキシブルホースの前記外周面を押圧し、かつ前記ポンプが停止している時に前記押圧部材が前記フレキシブルホースの前記外周面を押圧するのを解除するように、前記駆動部を制御する制御装置と、を含む
請求項1に記載の3Dプリンタ用ノズル装置。
【請求項4】
前記管状体の下端部に設けられ、前記管状体の中心軸線に対して直交する方向に沿って延在する均し板を備える、
請求項2又は3に記載の3Dプリンタ用ノズル装置。
【請求項5】
前記押圧部材は前記均し板の上面に設けられている
請求項4に記載の3Dプリンタ用ノズル装置。
【請求項6】
前記管状体の周壁に形成された前記開口は、前記管状体の中心軸線を挟んで互いに対向する位置に配置された2つの開口を含み、
前記押圧部材は、
先端部が前記2つの開口の各々に挿入可能に配置された一対のクランパと、
前記均し板の上面に固定された支持部であって、前記一対のクランパが前記フレキシブルホースの前記外周面に対して進退可能なように、前記一対のクランパの基端部が回動可能に取り付けられた支持部と、
を含む
請求項5に記載の3Dプリンタ用ノズル装置。
【請求項7】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の3Dプリンタ用ノズル装置と、
前記フレキシブルホースの上流側に連結された管路と、
前記管路に設けられ、前記管路を流れる前記セメント系材料を前記フレキシブルホースに圧送するためのポンプと、
を備える
3Dプリンタ。
【請求項8】
前記3Dプリンタ用ノズル装置及び前記フレキシブルホースに連結される前記管路の連結部が3次元方向に移動可能に支持する支持装置をさらに備え、
前記3Dプリンタ用ノズル装置は、前記支持装置に対して取り外し可能に取り付けられている
請求項7に記載の3Dプリンタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、3Dプリンタ用ノズル装置及び該3Dプリンタ用ノズル装置を備えた3Dプリンタに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、3Dプリンティング技術を応用し、プリント原料としてコンクリートやモルタル等のセメント系材料を用いて、建築物や構造物等の製作物を構築する技術が提案されている。この技術は、ステージの上方に配置されたノズル部から水分を含む粘性のセメント系材料を排出すると共に、ノズル部を3次元方向に動かし、ステージ上にコンピュータでモデリングされた2次元形状の層を形成し、これら複数の層を積み上げて3次元形状の積層物を形成する。
【0003】
ステージ上にセメント系材料を積層する場合、排出口が下向きに向いているノズル部においては、セメント系材料の排出を一時停止する際に、セメント系材料は重量があるため、ノズル先端からセメント系材料が自重によって垂れてしまい、積層物の終端部が所期の形状に形成できない事態が発生する場合がある。なお、排出を一時停止せずに一筆書きで積層する場合には、積層物の形状の自由度が制限されてしまう。また、一時停止時にノズル部からセメント系材料の垂れが生じた場合、次に積層を再開する時にセメント系材料がノズル部から排出されるまでにタイムラグが生じてしまう。そのため、セメント系材料の排出を再開した箇所のセメント系材料が欠損し、製作物の品質低下につながるおそれがある。
【0004】
特許文献1には、3Dプリンティング技術を応用し、セメント系材料を用いて建造物や構造物等の製作物を構築する装置が記載されている。この装置は、ノズル装置から粘性のセメント系材料をステージ上に排出するに際し、不連続な排出又は脈動により排出量が変動するのをなくし、これによって、ステージ上の積層物を形成する各層の幅や厚さの乱れをなくすことを課題としている。そして、セメント系材料の定量排出を可能とするために、プリント原料を一時貯留可能なシリンダ部の内部に定常速度で回転可能なスクリュを内蔵したノズル装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1には、粘性のセメント系材料の定量排出が可能になる手段は記載されているが、粘性のセメント系材料の排出を一時停止する時に垂れが発生し、かつ垂れの発生により積層を再開する時にセメント系材料がノズル部から吐出されるまでにタイムラグが生じるという問題点を解決する手段は記載されていない。
【0007】
本開示は、上述する事情に鑑みてなされたもので、セメント系材料を用いる3Dプリンタにおいて、ノズル装置からの排出を一時停止する際に発生する垂れ及びこの垂れに起因して排出再開時に起こるタイムラグをなくし、これによって、製作物の品質低下を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本開示に係る3Dプリンタ用ノズル装置の一態様は、ポンプにより圧送されたプリント原料としてのセメント系材料を排出するための3Dプリンタ用ノズル装置であって、前記セメント系材料が流れるフレキシブルホースと、前記フレキシブルホースよりも高い剛性を有するとともに前記フレキシブルホースが内部に挿入される管状体であって、前記管状体の周壁に前記フレキシブルホースが露出可能な開口を有する管状体と、前記管状体の外側から前記開口を通して前記フレキシブルホースの外周面を押圧し又は押圧を解除可能な押圧装置と、を備える。
【0009】
また、本開示に係る3Dプリンタの一態様は、上述の3Dプリンタ用ノズル装置と、前記フレキシブルホースの上流側に連結された管路と、前記管路に設けられ、前記管路を流れる前記セメント系材料を前記フレキシブルホースに圧送するためのポンプと、を備える。
【発明の効果】
【0010】
本開示に係る3Dプリンタ用ノズル装置及び3Dプリンタの一態様によれば、ノズル装置の下部排出口からのセメント系材料の排出を一時停止する時、一時停止後のセメント系材料の垂れを抑制できると共に、排出再開時にセメント系材料が実際に排出されるまでのタイムラグを抑制できる。これによって、一時停止後に積層物の終端部が所期の形状に形成できない事態が発生したり、排出再開時に積層箇所に欠損が発生するのを抑制できる。これによって、製作物の品質低下を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】一実施形態に係る3Dプリンタの概略図である。
【
図2A】一実施形態に係る3Dプリンタ用ノズル装置の斜視図であって、セメント系材料の排出時を示す斜視図である。
【
図2B】一実施形態に係る3Dプリンタ用ノズル装置の斜視図であって、セメント系材料の排出停止時を示す斜視図である。
【
図3】別な実施形態に係る3Dプリンタの概略図である。
【
図4】別な実施形態に係る3Dプリンタ用ノズル装置(押圧部材の押圧解除時)の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付図面を参照して、本発明の幾つかの実施形態について説明する。ただし、これらの実施形態に記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状及びその相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一つの構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
【0013】
(3Dプリンタの構成)
図1及び
図3は、幾つかの実施形態に係る3Dプリンタを示す概略図である。
図1及び
図3において、3Dプリンタ10(10A、10B)は、水分を含んで粘性となったセメント系材料Cをステージ12の上方に配置されたノズル装置30まで移送するための移送装置を備える。この移送装置は、後述するフレキシブルホース32の上流側端部に接続される管路14と、管路14に設けられたポンプ16と、を備え、ポンプ16は管路14内を流れるセメント系材料Cをフレキシブルホース32の下流側排出口まで圧送する。なお、ポンプ16は、
図1の形態に限られず、ノズル装置30の直上に設置される場合もある。
【0014】
図1及び
図3に夫々図示されている実施形態では、ポンプ16の上流側にホッパ18が設けられ、ホッパ18にセメント系材料Cが貯留されている。ホッパ18の下部排出口に管路14が接続され、ホッパ18の内部に貯留されたセメント系材料Cは、水分を含んで粘性となった状態で管路14に流下し、ポンプ16によってフレキシブルホース32の下流側排出口まで圧送される。
【0015】
なお、一実施形態では、ホッパ18の内部で粉末状のセメント系材料Cに水分が加えられて粘性を付加されてもよく、あるいは、ホッパ18の下部に粉末状のセメント系材料Cに水を加えて撹拌し、粘性のセメント系材料Cを製造する製造装置が設けられていてもよい。
別な実施形態では、ホッパ18の代わりに、水分が加えられて粘性を有するセメント系材料Cが貯留される貯留タンクが設けられていてもよい。
【0016】
セメント系材料Cは、例えば、セメントペーストや、粉末状のセメントに砂や水を混ぜた粘性のモルタル、又は粘性のモルタルにさらに砂利などを混ぜた粘性のコンクリートが用いられる。3Dプリンタ10では、このようなセメント系材料Cを用い、セメント系材料Cをノズル装置30の下部排出口31から排出し、2次元形状の層Lを複数積み上げて3次元形状の造形物Pを造形し、建築物や構造物等の製作物を構築する。
【0017】
図1及び
図3に図示されている実施形態において、矢印X及びYは、水平面内において互いに直交する方向を示す。即ち、矢印Xは紙面の左右方向を示し、矢印Yは紙面と直交する方向を示す。矢印Zは鉛直方向を示している。セメント系材料Cがノズル装置30に形成された下部排出口31から排出されて、ステージ12の上面に2次元形状の層Lが形成される。この層Lが順次複数積層されて所望の3次元形状を有する造形物Pが形成される。ノズル装置30は、ステージ12の上面に所望形状の造形物Pを造形するために、支持装置20によって、ステージ12の上面に対してX、Y及びZ方向に相対的に移動可能に支持されている。
【0018】
また、ノズル装置30及びフレキシブルホース32の上流側に連結される管路14の連結部14aが、支持装置20によって3次元方向に移動可能に支持されている。これによって、ステージ12の上面で三次元的に任意の形状の造形物Pを形成できる。
【0019】
別な実施形態では、ノズル装置30は、支持装置20によって、ステージ12に対して相対的にX及びY方向に移動可能に構成され、ステージ12を支持する支持台22がノズル装置30に対して相対的にZ方向へ上下動可能に構成されていてもよい。また、支持装置20に代えて、X、Y及びZ方向に相対的に移動可能なロボットアームの先端にノズル装置30を設置する構成であってもよい。
【0020】
(ノズル装置の構成)
図1及び
図3に図示されているように、ノズル装置30(30a、30b)は、ポンプ16により圧送されたプリント原料としてのセメント系材料Cをステージ12の上面に排出して造形物Pを造形するための装置である。ノズル装置30は、内部をセメント系材料Cが流れるフレキシブルホース32と、フレキシブルホース32よりも高い剛性を有し、フレキシブルホース32が内部に挿入される管状体34と、を備えている。即ち、ノズル装置30は、管状体34を構成する周壁の内側にフレキシブルホース32が配置された二重管構造を有している。管状体34は下部排出口を有し、管状体34の下部排出口とフレキシブルホース32の下流側端に形成された開口とでノズル装置30の下部排出口31が形成されている。
【0021】
そして、管状体34の周壁に開口35(35a、35b)が形成され、フレキシブルホース32の外周面は開口35を通して外側へ露出されている。ノズル装置30はさらに押圧装置36を備え、押圧装置36は、管状体34の周壁の外側から開口35を通してフレキシブルホース32の外周面を押圧する動作と、フレキシブルホース32の外周面に対する押圧を解除する動作とが可能になるように構成されている。
【0022】
フレキシブルホース32は、例えば、ゴム製のように可撓性を有しかつ弾力性がある材料で構成され、又は、ビニール製のように可撓性を有しかつ柔軟な材料で構成されている。管状体34はフレキシブルホース32より高い剛性を有する材料で構成され、例えば、樹脂類又は金属類のように剛性を有する材料で構成されている。
【0023】
上記構成のノズル装置30を備えているため、押圧装置36がフレキシブルホース32の外周面を押圧し、フレキシブルホース32の径を小さくすることで、下部排出口31からのセメント系材料Cの排出が停止される。また、押圧装置36がフレキシブルホース32の外周面に対して押圧する動作を解除することで、フレキシブルホース32の下流側端部が開放されることで、下部排出口31からセメント系材料Cが排出される。
なお、押圧装置36によってフレキシブルホース32の外周面を押圧するとき、必ずしもフレキシブルホース32を完全に閉じる必要はない。押圧装置36でフレキシブルホース32の径を小さくするだけでも、粘性のあるセメント系材料Cが下部排出口31から排出されにくくなるため、セメント系材料Cの排出を停止できる。
【0024】
このように、ノズル装置30の下部排出口31からのセメント系材料Cの排出を一時停止する時、押圧装置36によってフレキシブルホース32の外周面を押圧し、フレキシブルホース32の径を小さくすることで、一時停止後のセメント系材料Cの垂れを抑制できる。そして、一時停止後のセメント系材料Cの垂れを抑制できるため、その後の排出再開時に、セメント系材料Cの排出が実際に開始されるまでのタイムラグも抑制できる。そのため、一時停止後に積層物の終端部が所期の形状に形成できない事態が発生したり、その後の排出再開時にステージ12上の積層箇所に欠損が発生するのを抑制できる。これによって、3Dプリンタによる製作物の品質低下を抑制できる。
【0025】
さらに、押圧装置36はフレキシブルホース32の外側からフレキシブルホース32の外周面に接触するため、押圧装置36がフレキシブルホース32の内部を流れるセメント系材料Cと直接接触するおそれはない。そのため、押圧装置36にセメント系材料Cが付着することによって生じる押圧装置36の詰まりや故障のおそれがなくなる。
【0026】
押圧装置36がフレキシブルホース32を押圧する押圧力は、セメント系材料Cの物性、例えば、セメント系材料Cの粘性や重量等に応じて適宜調整することができる。これによって、どのような種類のセメント系材料Cを用いても、下部排出口31の開閉をきちんと行うことができる。
【0027】
一実施形態では、支持装置20に対してノズル装置30が着脱可能に取り付けられる。これによって、ノズル装置30を支持装置20から取外し、代わりに、セメント系材料Cの排出を停止する機能を有さない一筆書き用のノズル装置を取り付けることができる。
【0028】
図1及び
図3に図示されている実施形態では、支持装置20は鉛直方向に沿って延在する支持板24を有し、支持板24には基部26が固定され、基部26の下面に中継ぎ管28が固定されている。ノズル装置30は、中継ぎ管28の下端に着脱可能に取り付けられている。
この実施形態では、ノズル装置30を中継ぎ管28から取外し、代わりにセメント系材料Cの排出を一時停止する機能を有さない一筆書き用のノズル装置を中継ぎ管28に取り付けることができる。
【0029】
(第1実施形態に係るノズル装置の構成)
図2A及び
図2Bは、一実施形態に係るノズル装置30aを示す斜視図である。
図1に図示されている3Dプリンタ10Aに取り付けられているノズル装置30は、本実施形態に係るノズル装置30aである。
図2Aは、セメント系材料Cの排出時(即ち、押圧装置36による押圧解除時)を示す斜視図であり、
図2Bは、セメント系材料Cの排出停止時(即ち、押圧装置36による押圧時)を示す斜視図である。
【0030】
本実施形態に係るノズル装置30aは、上述の構成を有する管状体34と、押圧装置36aとを備えている。押圧装置36aは、押圧部材38及びバネ部材40を備えている。押圧部材38は、管状体34の周壁に形成された開口35に面して外部に露出しているフレキシブルホース32の外周面32aを押圧可能なように設けられている。バネ部材40は、押圧部材38がフレキシブルホース32の外周面32aを押圧するように、押圧部材38に対して弾性力を付勢するように構成されている。
【0031】
フレキシブルホース32の外周面32aを外側から押圧するように押圧部材38に付勢されるバネ部材40の弾性力は、ポンプ16が稼働してセメント系材料Cがフレキシブルホース32を圧送される時、バネ部材40の弾性力に抗してフレキシブルホース32の下流端開口からセメント系材料Cが排出するのを許容する弾性力を有するように設定されている。他方、バネ部材40の弾性力は、ポンプ16の作動が停止してフレキシブルホース32を流れるセメント系材料Cがフレキシブルホース32の内面を押圧する押圧力が低下した時、バネ部材40の弾性力が勝ってフレキシブルホース32の径が小さくなり、セメント系材料Cが下部排出口31から排出しなくなることを可能にする弾性力に設定されている。
【0032】
これによって、ポンプ16の稼働時に下部排出口31からセメント系材料Cが排出され、ポンプ16の稼働が停止している時に、下部排出口31からセメント系材料Cが排出されなくなる。本実施形態によれば、押圧装置36はバネ部材40を備えるため、押圧部材38を駆動するための駆動装置が不要になる。従って、押圧装置36を簡素化かつ低コスト化できる。
【0033】
本実施形態において、セメント系材料Cの物性(例えば粘性及び重量等)に応じて、バネ部材40の弾性力を適宜調整することにより、どのような種類のセメント系材料Cに対しても、下部排出口31の開閉が可能になる。
【0034】
図2A及び
図2Bに示されている実施形態では、バネ部材40として、コイルバネが用いられている。他方、別な実施形態では、別な構成を有するバネ部材を用いてもよい。
【0035】
(第2実施形態に係るノズル装置の構成)
図3は、別な実施形態に係るノズル装置30bを備える3Dプリンタ10Bの概略図であり、
図4は、ノズル装置30bを示す平面図である。
【0036】
本実施形態に係るノズル装置30bは、上述の構成を有する管状体34及び押圧装置36bを備えている。
図4に示されているように、押圧装置36bは、上述の構成を有する押圧部材38を備え、押圧部材38は、駆動部42によって、押圧部材38がフレキシブルホース32の外周面32aを押圧し、又は、フレキシブルホース32の外周面32aに対する押圧を解除するように動作される。さらに、そのような押圧部材38の動作は、制御装置44が駆動部42を制御することで可能になる。即ち、制御装置44によって、駆動部42は、ポンプ16が稼働している時に押圧部材38がフレキシブルホース32の外周面32aを押圧するのを解除し、かつ、ポンプ16が停止している時に押圧部材38がフレキシブルホース32の外周面32aを押圧してセメント系材料Cの排出が停止されるように制御される。
【0037】
このように、ポンプ16が稼働し、セメント系材料Cがフレキシブルホース32の下流側へ向かって圧送される時に、押圧部材38がフレキシブルホース32の外周面32aを押圧するのを解除するため、セメント系材料Cは円滑にノズル装置30bの下部排出口31から排出される。また、ポンプ16の稼働が停止する時は、押圧部材38がフレキシブルホース32の外周面32aを押圧してフレキシブルホース32の径を狭め、セメント系材料Cの排出を止めるため、その後のセメント系材料Cの垂れを抑制できる。このように、制御装置44によって、ポンプ16の稼働時又は稼働停止時に合わせて正確に押圧部材38を動作させることができる。
【0038】
図4に図示された実施形態では、駆動部42は、一端が押圧部材38に接続された伸縮ロッド46を有している。この実施形態では、駆動部42によって伸縮ロッド46が軸方向に沿って伸縮することで、押圧部材38をフレキシブルホース32に対して進退する方向へ動作させることができる。
駆動部42は、例えば、モータ(不図示)を含み、該モータの回転軸が伸縮ロッド46の一端部と係合し、該モータの回転軸が回転することで伸縮ロッド46が軸方向に沿って移動するように構成されていてもよい。別な実施形態では、駆動部42は油圧シリンダ(不図示)を含み、該油圧シリンダを構成するピストンが伸縮ロッド46の一端と接続され、該油圧シリンダの作動で伸縮ロッド46が軸方向に沿って移動されるように構成してもよい。また更に別の実施形態では、モータ(不図示)を支持部50に直結し、支持部50を直接稼働させることで、押圧部材38の進退方向を制御してもよい。
【0039】
一実施形態では、
図1~
図4に図示されているように、管状体34の下端部には、管状体34の中心軸線Oに対して直交する方向に沿って延在する均し板48が設けられている。
この実施形態によれば、均し板48を備えるため、下部排出口31から排出されるセメント系材料Cによってステージ12の上面に形成される2次元形状の層Lの上面を必要に応じて平らに均すことができる。これによって、複数の層Lが積層されて形成される造形物Pによって構築される製作物の品質を高めることができる。
【0040】
図1~
図4に図示されている実施形態では、均し板48は円形の外形を有する板状体で構成されている。該板状体の下面は、ステージ12上に形成された層Lの上面を平らに均すことができるように、平坦な面を有している。また、該板状体の中心部には、下部排出口31を形成するために貫通孔48aが形成されている。貫通孔48aの中心は中心軸線Oに合致している。
【0041】
図2A、
図2B及び
図4に図示された実施形態では、均し板48に形成された貫通孔48aの形状及び大きさは、フレキシブルホース32の下流側端部の外周面の形状及び大きさと同一に形成されている。さらに、フレキシブルホース32の下流側端部は貫通孔48aに挿入され、必要に応じて、貫通孔48aを形成する均し板48の内周面に接続される。
これによって、フレキシブルホース32の下流側端部の内周面は、下部排出口31において段差がない状態で配置される。そのため、該下流側端部でセメント系材料Cが詰まることなく下部排出口31からスムーズに排出される。
【0042】
図2A、
図2B及び
図4に図示されている実施形態では、管状体34の内部に挿入されたフレキシブルホース32の下流側端部の横断面及び貫通孔48aは円形を有し、フレキシブルホース32の下流側端部の外周面32aは、貫通孔48aの内周面と接するようにほぼ同径に形成されている。一実施形態では、該下流側端部の外周面32aは、貫通孔48aを形成する管状体34の下端部の内周面又は均し板48の内周面に接着される。
【0043】
また、
図2A、
図2B及び
図4に図示された実施形態では、フレキシブルホース32の下流側端部と均し板48の下面とは同じ高さを有しているか、あるいは、フレキシブルホース32の下流側端部が貫通孔48aから下方へ突出しないように配置されている。これによって、フレキシブルホース32の下流側端部が層Lの上面を均す作業のじゃまになるのを防止できる。
【0044】
一実施形態では、
図2A、
図2B及び
図4に図示されているように、押圧部材38は均し板48の上面48bに設けられている。
この実施形態によれば、押圧部材38を均し板48の上面48bに設けることで、管状体34の外側で押圧部材38を固定できる部材を確保できる。従って、押圧部材38を固定する新たな部材を設ける必要がなくなるため、ノズル装置30の構成を簡素化できる。また、押圧部材38を均し板48の上面48bに設けることで、管状体34に形成される開口35に対して押圧部材38を開口35に対向した位置であってかつ開口35に挿入可能な最適な位置に配置できる。
【0045】
一実施形態では、
図2A、
図2B及び
図4に図示されているように、管状体34の周壁に形成された開口35は、管状体34の中心軸線Oを挟んで互いに対向する位置に配置された2つの開口35a及び35bからなる。そして、押圧部材38は、その先端部が開口35a及び35bの各々を通して管状体34の内部へ挿入可能に配置された一対のクランパ38a及び38bを有している。さらに、押圧部材38は、均し板48の上面48bに固定された支持部50を有している。支持部50は、回転機能を有する。一対のクランパ38a及び38bは、各々の基端部が支持部50に取り付けられ、フレキシブルホース32の下流側端部の外周面32aに対してクランパ38a及び38bが進退可能なように構成される。
【0046】
この実施形態によれば、押圧部材38を実質的に一対のクランパ38a及び38b及びその支持部50のみで構成できるため、押圧部材38の構成を簡素化かつ低コスト化できる。そのため、押圧部材38を均し板48の上面48bに安定して固定できる大きさ及び重量になるようにコンパクト化できる。
【0047】
図2A、
図2B及び
図4に図示された実施形態では、開口35a及び35bは、均し板48の上面48bに接する位置において最大の幅を有し、上面48bから上方に向かうに従って横幅が徐々に小さくなる半楕円形を有している。これによって、均し板48の上面48bに配置されたクランパ38a及び38bの各々の先端部が開口35a及び34bの横幅が大きい領域に挿入しやすくなっている。
【0048】
図2A、
図2B及び
図4に図示された実施形態では、一対のクランパ38a及び38bの各々は、四角形の横断面を有し、軸方向の中間部が均し板48の径方向外側に曲折したバー部材(棒状体)で構成されている。これによって、クランパ38a及び38bの各々の先端部が開口35a及び35bから管状体34の内部へ深く挿入されやすくなっている。
【0049】
図2A、
図2B及び
図4に図示された実施形態では、支持部50は円筒形を有して均し板48の上面48bに固定されている。クランパ38a及び38bの各々の基端部は、支持部50に対して均し板48の上面48bに沿って回動可能に支持されている。これによって、クランパ38a及び38bの各々の先端部が開口35a及び35bを通してフレキシブルホース32の下流側端部の外周面32aに対して進退可能になっている。
【0050】
図2A、
図2B及び
図4に図示された実施形態では、バネ部材40はコイルバネで構成され、該コイルバネの一端は一対のクランパ38a及び38bの一方に接続され、該コイルバネの他端は一対のクランパ38a及び38bの他方に接続されている。これによって、一対のクランパ38a及び38bは、フレキシブルホース32の下流側端部の外周面32aを押圧する方向へ弾性力が付加される。
【0051】
なお、バネ部材40の別な実施形態では、バネ部材40が支持部50を取り巻くように配置されるか、あるいは支持部50の内部に配置されるようにしてもよい。
【0052】
上記各実施形態に記載の内容は、例えば以下のように把握される。
【0053】
1)一態様に係る3Dプリンタ用ノズル装置は、ポンプ(16)により圧送されたプリント原料としてのセメント系材料(C)を排出するための3Dプリンタ用ノズル装置(30)であって、前記セメント系材料(C)が流れるフレキシブルホース(32)と、前記フレキシブルホース(32)よりも高い剛性を有するとともに前記フレキシブルホース(32)が内部に挿入される管状体(34)であって、前記管状体(34)の周壁に前記フレキシブルホース(32)が露出可能な開口(35)を有する管状体(34)と、前記管状体(34)の外側から前記開口(35)を通して前記フレキシブルホース(32)の外周面(32a)を押圧し又は押圧を解除可能な押圧装置(36)と、を備える。
【0054】
このような構成によれば、ノズル装置(30)の下端排出口(31)からのセメント系材料(C)の排出を一時停止する時、押圧装置(36)がフレキシブルホース(32)を外側から押圧してフレキシブルホース(32)の径を小さくする。これによって、セメント系材料(C)の排出を停止することができると共に、一時停止後のセメント系材料(C)の垂れを抑制できる。そのため、その後の排出再開時に、セメント系材料(C)の排出が実際に開始されるまでのタイムラグも抑制できる。これによって、積層物の終端部が所期の形状に形成できない事態が発生したり、その後の排出再開時に積層箇所に欠損が発生するのを抑制できるため、3Dプリンタ(10)によって製作される製作物の品質低下を抑制できる。
【0055】
さらに、押圧装置(36)はフレキシブルホース(32)の外側からフレキシブルホース(32)の外周面(32a)に接触するため、押圧装置(36)がフレキシブルホース(32)の内部を流れるセメント系材料(C)と直接接触することはない。そのため、押圧装置(36)にセメント系材料(C)が付着することによって生じる押圧装置(36)の詰まりや故障のおそれがなくなる。
【0056】
2)別な態様に係る3Dプリンタ用ノズル装置は、1)に記載の3Dプリンタ用ノズル装置において、前記押圧装置(36)は、前記フレキシブルホース(32)の前記外周面(32a)を押圧可能なように設けられた押圧部材(38)と、前記押圧部材(38)が前記外周面(32a)を押圧するように弾性力を付勢するバネ部材(40)と、を含む。
【0057】
このような構成によれば、上記押圧部材(38)に付勢される上記バネ部材(40)の弾性力を、ポンプ(16)が作動してセメント系材料(C)がフレキシブルホース(32)を圧送される時、バネ部材(40)の弾性力に抗してフレキシブルホース(32)からセメント系材料(C)が排出するのを許容するように設定し、かつポンプ(16)が停止している時、フレキシブルホース(32)が押圧部材(38)に押されてセメント系材料(C)が排出しないように設定することで、ポンプ(16)の稼働時にフレキシブルホース(32)からセメント系材料(C)が排出され、ポンプ(16)の停止時にセメント系材料(C)の排出を停止することができる。これによって、押圧部材(38)を駆動するための駆動装置が不要になるため、押圧装置(36a)を簡素化かつ低コスト化できる。
【0058】
3)さらに別な態様に係る3Dプリンタ用ノズル装置は、1)に記載の3Dプリンタ用ノズル装置において、前記押圧装置(36)は、前記フレキシブルホース(32)の前記外周面(32a)を押圧可能なように設けられた押圧部材(38)と、前記押圧部材(38)が前記外周面を押圧し又は押圧を解除するように前記押圧部材(38)を動作させる駆動部(42)と、前記ポンプ(16)が稼働している時に前記押圧部材(38)が前記フレキシブルホース(32)の前記外周面(32a)を押圧するのを解除し、かつ前記ポンプ(16)が停止している時に前記押圧部材(38)が前記フレキシブルホース(32)の前記外周面(32a)を押圧するように、前記駆動部(42)を制御する制御装置(44)と、を含む。
【0059】
このような構成によれば、上記制御装置(44)が上記駆動部(42)を制御することによって、ポンプ(16)が稼働している時にフレキシブルホース(32)からセメント系材料(C)が排出可能なように押圧部材(38)の押圧を解除し、かつポンプ(16)が停止している時にフレキシブルホース(32)の径を狭めてセメント系材料(C)の排出を停止させるように、押圧部材(38)によってフレキシブルホース(32)を押圧させることができる。このように、ポンプ(16)の稼働時又は稼働停止時に合わせて正確に押圧部材(38)を動作させることができる。
【0060】
4)さらに別な態様に係る3Dプリンタ用ノズル装置は、2)又は3)に記載の3Dプリンタ用ノズル装置において、前記管状体(34)の下端部に設けられ、前記管状体(34)の中心軸線(O)に対して直交する方向に沿って延在する均し板(48)を備える。
【0061】
このような構成によれば、上記構成の均し板(48)を備えるため、均し板(48)によって3Dプリンタ(10)のステージ(12)上に形成される2次元形状の各層(L)の上面を必要に応じて平らに均すことができる。これによって、該層(L)が複数積層されて製作される製作物の品質を高めることができる。
【0062】
5)さらに別な態様に係る3Dプリンタ用ノズル装置は、4)に記載の3Dプリンタ用ノズル装置において、前記押圧部材(38)は前記均し板(48)の上面(48b)に設けられている。
【0063】
このような構成によれば、押圧装置(36)を構成する押圧部材(38)を均し板(48)の上面(48b)に設けることで、管状体(34)の外側で押圧部材(38)を固定できる部材を確保できる。従って、押圧部材(38)を固定する新たな部材を設ける必要がなくなるため、ノズル装置(30)の構成を簡素化できる。また、押圧部材(38)を均し板(48)の上面(48b)に設けることで、管状体(34)に形成される開口(35)に対して押圧部材(38)の先端部を該開口(35)に対向する位置で挿入可能な最適な位置に配置できる。
【0064】
6)さらに別な態様に係る3Dプリンタ用ノズル装置は、5)に記載の3Dプリンタ用ノズル装置において、前記管状体(34)の周壁に形成された前記開口(35)は、前記管状体(34)の中心軸線(O)を挟んで互いに対向する位置に配置された2つの開口(35a、35b)を含み、前記押圧部材(38)は、先端部が前記2つの開口(35a、35b)の各々に挿入可能に配置された一対のクランパ(38a、38b)と、前記均し板(48)の上面(48b)に固定された支持部(50)であって、前記一対のクランパ(38a、38b)が前記フレキシブルホース(32)の外周面(32a)に対して進退可能なように、前記一対のクランパ(38a、38b)の基端部が回動可能に取り付けられた支持部(50)と、を含む。
【0065】
このような構成によれば、押圧部材(38)を実質的に一対のクランパ(38a、38b)及びその支持部(50)のみで構成できるため、押圧部材(38)の構成を簡素化かつ低コスト化できる。そのため、押圧部材(38)を均し板(48)の上面(48b)に安定して固定できる大きさ及び重量になるようにコンパクト化できる。
【0066】
7)一態様に係る3Dプリンタは、1)乃至6)のいずれかに記載の3Dプリンタ用ノズル装置(30)と、前記フレキシブルホース(32)の上流側に連結された管路(14)と、前記管路(14)に設けられ、前記管路(14)を流れる前記セメント系材料(C)を前記フレキシブルホース(32)に圧送するためのポンプ(16)と、を備える。
【0067】
このような構成によれば、3Dプリンタ(10)は、上述の3Dプリンタ用ノズル装置(30)を備えるため、ノズル装置(30)において、フレキシブルホース(32)からのセメント系材料(C)の排出を一時停止する時、押圧装置(36)によってフレキシブルホース(32)を押圧することで、一時停止後のセメント系材料(C)の垂れを抑制できると共に、その後の排出再開時にセメント系材料(C)が実際に排出されるまでのタイムラグを抑制できる。これによって、排出停止後に積層物の終端部が所期の形状に形成できない事態が発生したり、排出再開時に積層箇所に欠損が発生するのを抑制できるため、製作物の品質低下を抑制できる。
【0068】
8)別な態様に係る3Dプリンタは、前記3Dプリンタ用ノズル装置(30)及び前記フレキシブルホース(32)の上流側に連結される前記管路(14)の連結部(14a)が3次元方向に移動可能に支持する支持装置(20)をさらに備え、
前記3Dプリンタ用ノズル装置(30)は、前記支持装置(20)に対して取り外し可能に取り付けられている。
【0069】
このような構成によれば、3Dプリンタ用ノズル装置(30)及び管路(14)の連結部(14a)が支持装置(20)によって3次元方向に移動可能に支持されているため、3次元的に任意の形状の造形物(P)を形成できる。また、3Dプリンタ用ノズル装置(30)は、前記支持装置(20)に対して着脱可能に取り付けられているため、3Dプリンタ用ノズル装置(30)を支持装置(20)から取外し、代わりに、セメント系材料(C)の排出を停止する機能を有さない一筆書き用のノズル装置を取り付けることができる。
【符号の説明】
【0070】
10(10A、10B) 3Dプリンタ
12 ステージ
14 管路
14a 連結部
16 ポンプ
18 ホッパ
20 支持装置
22 支持台
24 支持板
26 基部
28 中継ぎ管
30(30a、30b) ノズル装置
31 下部排出口
32 フレキシブルホース
32a 外周面
34 管状体
35(35a、35b) 開口
36(36a、36b) 押圧装置
38 押圧部材
38a、38b クランパ
40 バネ部材
42 駆動部
44 制御装置
46 伸縮ロッド
48 均し板
48a 貫通孔
48b 上面
50 支持部
C セメント系材料
L 層
P 造形物