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特開2024-14845エンタテインメントシステム、方法及びコンピュータプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024014845
(43)【公開日】2024-02-01
(54)【発明の名称】エンタテインメントシステム、方法及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/843 20140101AFI20240125BHJP
   A63F 13/847 20140101ALI20240125BHJP
   A63F 13/90 20140101ALI20240125BHJP
   A63F 13/235 20140101ALI20240125BHJP
   A63F 13/22 20140101ALI20240125BHJP
   G06F 3/0338 20130101ALI20240125BHJP
【FI】
A63F13/843
A63F13/847
A63F13/90
A63F13/235
A63F13/22
G06F3/0338 412
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023118887
(22)【出願日】2023-07-21
(31)【優先権主張番号】2210745.2
(32)【優先日】2022-07-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(71)【出願人】
【識別番号】310021766
【氏名又は名称】株式会社ソニー・インタラクティブエンタテインメント
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(72)【発明者】
【氏名】マウリツィオ チェラート
(72)【発明者】
【氏名】ダニエレ ベルナベイ
(72)【発明者】
【氏名】マーク フレンド
(72)【発明者】
【氏名】ホガース アンダル
(72)【発明者】
【氏名】リチャード ダウニー
(72)【発明者】
【氏名】ダニエリ シェンブリ
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル ピー ヒメネス
【テーマコード(参考)】
5B087
【Fターム(参考)】
5B087AA09
5B087AB02
5B087BC02
(57)【要約】
【解決手段】エンタテインメントシステムは第1および第2入力デバイスから入力信号を受信し、各入力信号は、入力デバイスのうちの1つにおけるコントロールに対応し、各入力信号が、入力信号を受信した入力デバイスに割り当てられた各コントロールサブセットに含まれるか否かを判定し、各入力信号が各コントロールサブセットに含まれるか否かに基づいて、各入力信号が利用される入力信号であるか否かを判定し、いずれかの入力デバイスからの利用される入力信号を、同じ1つの入力デバイスからの入力信号として扱い、所定の制御スキームに従って、利用される入力信号に基づいて実行されるプロセスを決定するように構成された回路を備え、各コントロールサブセットが、他のコントロールサブセットにはない少なくとも1つのコントロールをそれぞれ含み、各コントロールサブセットが合わせて入力デバイスのコントロールの完全な補完を構成する。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも第1入力デバイスおよび第2入力デバイスから入力信号を受信することであって、各入力信号が、前記入力デバイスのうちの1つのコントロールに対応する、前記受信することと、
各入力信号が、前記入力信号が受信された前記入力デバイスに割り当てられたそれぞれのコントロールサブセットに含まれるか否かを判定することと、
各入力信号が前記それぞれのコントロールサブセットに含まれるか否かに基づいて、各入力信号が利用されるべき入力信号であるかどうかを判定することと、
前記入力デバイスのいずれかからの利用されるべき入力信号を、同じ単一の入力デバイスからの入力信号として扱うことと、
所定の制御スキームに従って、前記利用されるべき入力信号に基づいて実行されるべきプロセスを決定することと
を実行するように構成された回路を含み、
前記それぞれのコントロールサブセットは、他のコントロールサブセットにはない少なくとも1つのコントロールを含み、前記それぞれのコントロールサブセットは、入力デバイスのためのコントロールの完全な補完を構成する、エンタテインメントシステム。
【請求項2】
前記それぞれのコントロールサブセットが、入力デバイスの第1の半分に位置するコントロールからなる少なくとも1つのサブセットと、別の入力デバイスの第2の対向する半分に位置するコントロールからなる少なくとも1つの他のサブセットとを含む、請求項1に記載のエンタテインメントシステム。
【請求項3】
前記それぞれのコントロールサブセットが、ハンドヘルド入力デバイス上のボタンであるコントロールからなる少なくとも1つのサブセットと、ハンドヘルド入力デバイス上のジョイスティックであるコントロールからなる少なくとも1つの他のサブセットとを含む、請求項1に記載のエンタテインメントシステム。
【請求項4】
それぞれのコントロールサブセットが、モーションセンサであるコントロールからなる少なくとも1つのサブセットと、モーションセンサでないコントロールからなる少なくとも1つの他のサブセットとを含む、請求項1に記載のエンタテインメントシステム。
【請求項5】
前記回路はさらに、所定のコントロールに対応する入力信号が入力デバイスから受信された場合、ユーザに表示を提供するための処理を実行するように構成され、前記表示が、それぞれのコントロールサブセットのうちの少なくとも1つを示す、請求項1に記載のエンタテインメントシステム。
【請求項6】
前記回路はさらに、ユーザにユーザインタフェースを提供する処理を実行するように構成され、前記ユーザインタフェースは、ユーザが入力デバイスに割り当てられるべきコントロールサブセットを選択することを可能にする、請求項1に記載のエンタテインメントシステム。
【請求項7】
前記ユーザインタフェースは、前記選択されたコントロールサブセットに含まれるコントロールまたは含まれないコントロールをユーザに選択させる、請求項6に記載のエンタテインメントシステム。
【請求項8】
前記回路はさらに、
所定時間内に入力デバイスから受信された、利用されるべき入力信号ではない入力信号の数を決定し、
前記決定された入力信号の数が所定の閾値を超えた場合、ユーザに警告を提供するための処理を実行するように構成される、請求項1に記載のエンタテインメントシステム。
【請求項9】
前記入力デバイスの少なくとも1つは、仮想入力デバイスである、請求項1に記載のエンタテインメントシステム。
【請求項10】
前記回路はさらに、
(i)機械学習モデルに従って、仮想入力デバイスに関連する入力信号、および
(ii)前記仮想入力デバイスに代わって、ゲーム内AIに従ったターゲットオブジェクトに対する制御
からなるリストから選択される1つを生成するように構成される、請求項9に記載のエンタテインメントシステム。
【請求項11】
前記入力デバイスの少なくとも1つは、ハンドヘルドコントローラである、請求項1に記載のエンタテインメントシステム。
【請求項12】
前記入力デバイスの少なくとも1つは、携帯電話である、請求項1に記載のエンタテインメントシステム。
【請求項13】
第1入力デバイスと第2入力デバイスとをさらに含む、請求項1に記載のエンタテインメントシステム。
【請求項14】
2つ以上の入力デバイスからの入力信号を利用する方法であって、
少なくとも第1入力デバイスおよび第2入力デバイスから入力信号を受信するステップであって、各入力信号は、前記入力デバイスのうちの1つのコントロールに対応する、前記受信するステップと、
各入力信号が、前記入力信号が受信された前記入力デバイスに割り当てられたそれぞれのコントロールサブセットに含まれるかどうかを判定するステップと、
各入力信号が前記それぞれのコントロールサブセットに含まれるか否かに基づいて、各入力信号が利用されるべき入力信号であるか否かを判定するステップと、
前記入力デバイスのいずれかからの利用されるべき入力信号を、同じ単一の入力デバイスからの入力信号として扱うステップと、
所定の制御スキームに従って、前記利用されるべき入力信号に基づいて実行されるべきプロセスを決定するステップとを含み、
前記それぞれのコントロールサブセットは、他のコントロールサブセットにはない少なくとも1つのコントロールを含み、前記それぞれのコントロールサブセットは、入力デバイスのためのコントロールの完全な補完を構成する、方法。
【請求項15】
請求項14に記載の方法をコンピュータシステムに実行させるように適合されたコンピュータ実行可能命令を含むコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エンタテインメントシステム、方法およびコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
電子ゲームの分野では、典型的なゲームプレイが困難なユーザのアクセシビリティを向上させることが望まれている。例えば、ユーザによっては、感覚処理の問題、認知処理の問題、運動制御の問題などを何らかの形で抱えている場合、画面上の情報に適応し、コントローラ上の入力に適切に反応することが困難な場合がある。認知処理に問題がある人は、ゲーム内のキャラクタを操作するために覚えなければならないユーザ入力(およびその組み合わせ)の数が多いため、補助なしでビデオゲームをプレイすることが特に困難となる場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、この問題を緩和または軽減しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
第1の態様では、請求項1に記載のエンタテインメントシステムが提供される。
【0005】
別の態様では、請求項14において、2つ以上の入力装置からの入力信号を利用する方法が提供される。
【0006】
本発明のさらなるそれぞれの態様および特徴は、添付の特許請求の範囲において定義される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して例示的に説明する。
図1】エンタテインメントシステム10を示す。
図2】コントローラ200を概略的に示す。
図3】2つの入力デバイス、デバイス200およびデバイス300を概略的に示す。
図4】さらなる実施形態におけるデバイス200およびデバイス300を概略的に示す。
図5】ユーザに提示されるユーザインタフェース500を示す図である。
図6】ユーザに提供されるユーザインターフェース600を示す図である。
図7】方法700のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
エンタテインメントシステム、方法、およびコンピュータプログラムが開示される。以下の説明では、本発明の実施形態の完全な理解を提供するために、多数の具体的な詳細を示す。しかしながら、これらの具体的な詳細は、本発明を実施するために採用する必要がないことは、当業者には明らかであろう。逆に、当業者に知られている特定の詳細は、適切な場合には、明瞭化の目的で省略されている。
【0009】
図1を参照すると、エンタテインメントシステム10が描かれている。エンタテインメントシステム10の一例は、Sony(登録商標)PlayStation(登録商標)5(PS5)などのコンピュータまたはコンソールである。エンタテインメントシステム10は、中央プロセッサ20から構成される。これは、例えばシングルコアまたはPS5のように8つのコアからなるマルチコアプロセッサであってもよい。エンタテインメントシステム10は、グラフィカルプロセッシングユニット(GPU)30も備えている。GPUは、CPUと物理的に分離していてもよく、PS5のようにシステムオンチップ(SoC)としてCPUと統合されていてもよい。
【0010】
また、エンタテインメントシステム10はRAM40を備えており、CPUとGPUのそれぞれに別々のRAMを備えていてもよく、PS5のように共有RAMを備えてもよい。各RAMは、物理的に分離されていても、PS5のようにSoCの一部として統合されてもよい。さらなるストレージは、外付けまたは内蔵ハードドライブ、外付けソリッドステートドライブ、またはPS5のような内蔵ソリッドステートドライブのいずれかのディスク50によって提供される。
【0011】
エンタテインメントシステム10は、USBポート、イーサネット(登録商標)ポート、WiFi(登録商標)ポート、ブルートゥース(登録商標)ポートなど、適宜、1つまたは複数のデータポート60を介してデータを送受信することができる。また、任意で光学ドライブ70を介してデータを受信することもできる。エンタテインメントシステム10からのオーディオ/ビジュアル出力は、通常、1つまたは複数のA/Vポート80を介して、または有線または無線データポート60の1つまたは複数を介して提供される。コンポーネントが統合されていない場合、それらは、専用データリンクによって、またはバス90を介して、適宜接続され得る。実施形態において、エンタテインメントシステム10は、画像データをディスプレイに出力するように構成される。エンタテインメントシステム10によって出力された画像を表示するための装置の一例は、ユーザ102によって装着されるヘッドマウントディスプレイ「HMD」101である。
【0012】
エンタテインメントシステム10とのインタラクションは、2つ以上の入力デバイスを介して提供される。各入力デバイスは、例えばユーザによるインタラクション(ユーザインタラクション)に応答して入力信号を生成し、入力信号をエンタテインメントシステム10に送信するように構成される。エンタテインメントシステム10は、入力信号を受信し、所定の制御スキームに従ってそれらを解釈して、エンタテインメントシステム10のオペレーティングシステムまたはその上で実行されるアプリケーションのいずれかとのインタラクションを引き起こすように構成された回路を備える。これについては、以下でさらに詳細に説明する。エンタテインメントシステム10がPS5である場合、入力デバイスの1つ以上は、図1のデバイス200とデバイス300の両方のようなDualSense(登録商標)コントローラであってもよい。しかしながら、本開示はこの点で限定されるものではなく、各入力デバイスは、実施形態において任意の適切なタイプの入力デバイスであってもよい。例えば、いくつかの実施形態では、入力デバイスの1つ以上は、携帯電話、タブレットデバイス、コンピュータ、DualSense(登録商標)コントローラ以外のハンドヘルドコントローラなどであってもよい。さらなる実施形態では、入力デバイスの1つまたは複数は、ユーザの対話に応答するのではなく、処理結果に従ってエンタテインメントシステム10に入力信号を提供する仮想コントローラであってもよい。これについては後に詳述する。
【0013】
図2では、デバイス200が概略的に示されている。装置200のようなハンドヘルドコントローラは、典型的には、201L,Rのような2つのハンドル部と、201Cのような中央本体とを有する。このようなコントローラには、様々なコントロールが、典型的にはローカルグループに分散して配置されている。例としては、方向制御を構成し得る左ボタングループ、および同様に機能制御を構成する右ボタングループが挙げられる。デバイス200は、左ボタングループ202Lおよび右ボタングループ202Rから構成される。ハンドヘルドコントローラは、さらに、1つまたは複数のショルダボタン(203L,Rなど)、および、オプションで、押し下げることによってボタンとしても操作可能な左および/または右ジョイスティック(204L,Rなど)を含んでもよい。
【0014】
デバイス200は、システムボタン206をさらに備える。ハンドヘルドコントローラは、典型的にはデバイスの中央部分にある、206のような1つまたは複数のシステムボタンを含んでいてもよく、これは、その上で現在実行されているゲームまたは他のアプリケーションではなく、エンタテインメントシステム10のオペレーティングシステムとのインタラクションを引き起こす。このようなボタンは、システムメニューを呼び出したり、表示されたコンテンツの記録または共有を可能にしたりすることができる。さらに、ハンドヘルドコントローラは、図2に見られるタッチパッド205、光学トラッキング用ライト(図示せず)、スクリーン(図示せず)、触覚フィードバック要素(図示せず)等の1つまたは複数の他の要素を含んでもよい。
【0015】
実施形態において、デバイス200のような入力デバイスは、ユーザがコントロールの1つとインタラクションするときに1つまたは複数の入力信号を生成し、次いで、有線または無線接続を介してエンタテインメントシステム10に入力信号を送信するように構成される回路をさらに備える。特定の入力信号のプロパティは、ユーザがその入力信号を生成するためにインタラクションしたコントロールを示す。すなわち、各入力信号のプロパティは、その入力信号が対応する特定のコントロールを示す。例えば、ユーザが装置200の左ショルダボタン203Lを押した場合、結果として生成される入力信号は左ショルダボタン203Lに対応する。実施形態では、入力信号はさらに、対応するコントロールとのユーザインタラクションの1つ以上の特性を示す。したがって、入力信号は、特定のコントロールに加えて、特定のユーザインタラクションに対応する。例えば、左ジョイスティック204Lとインタラクションするユーザによって生成された入力信号は、ユーザインタラクションが、左ジョイスティック204Lをある力である方向に引くことから構成されたことを示してもよい。しかしながら、本開示はこの点で限定されるものではなく、さらなる実施形態では、入力装置によって測定可能なユーザインタラクションの任意の好適な特性が、入力信号によって示されてもよい。
【0016】
エンタテインメントシステム10は、2つ以上の入力デバイスの各々からそのような入力信号を受信し、システム10のオペレーティングシステム、またはビデオゲームなどのシステム10上で実行されるアプリケーションとのインタラクションを引き起こすように信号を解釈するように構成された回路を備える。システム10は、所定の制御スキームに従って、入力信号のプロパティに基づいて実行すべきプロセスを決定することにより、受信した入力信号を解釈する。所定の制御スキームは、内部記憶装置、リモートサーバ、または他の適切なソースからシステム10によって受信されてもよく、システム10上で実行されているアプリケーションによって提供されてもよい。例えば、システム10上で実行されるビデオゲームは、仮想キャラクタによってビデオゲーム内で実行されるアクション(ゲーム内アクション)に異なるコントロール(および/または各コントロールに対する異なるユーザインタラクション)を関連付ける制御スキームを提供してもよい。特定のユーザインタラクションに対応する入力信号が受信されると、仮想キャラクタが関連付けられたゲーム内アクションを実行するように処理が実行される。
【0017】
ビデオゲームの制御スキームは、多くの場合、ユーザインタラクションの組み合わせを単一のゲーム内アクションに関連付け、その組み合わせのすべてのユーザインタラクションが実質的に同時に発生した場合にのみゲーム内アクションが実行されるようにする。例えば、左ショルダボタン203Lが押されたことに対応する入力信号と、右ショルダボタン203Rが押されたことに対応する入力信号とが、互いに所定の時間内に受信されたときに、ゲームキャラクタに固有のゲーム内アクションを実行させてもよい。
【0018】
既存のエンタテインメントシステムでは、複数の入力装置から入力信号を受信した場合、第1装置から受信した入力信号と第2装置から受信した入力信号とが別々に解釈される。例えば、ビデオゲームを「マルチプレイヤーモード」で実行する場合、第1コントローラからの入力信号は、ゲームの制御スキームに従って第1キャラクタのゲーム内動作を制御するように解釈され、第2コントローラからの入力信号は、同じ制御スキームに従って第2キャラクタのゲーム内動作を制御するように解釈される。
【0019】
しかし、本発明では、2つ以上の入力デバイスから受信された入力信号は、エンタテインメントシステム10によって、あたかも同一の入力デバイスから受信されたかのように解釈される。具体的には、各デバイスからの特定の入力信号は、所定の制御スキームに従って解釈される場合、利用されるべき入力信号であると判断され、同一の入力デバイスから受信されたかのように扱われる。ある実施形態では、各デバイスからの残りの入力信号は別々に解釈されるが、他の実施形態では無視される。
【0020】
入力デバイスからの入力信号を利用するかどうかの決定は、入力信号がその入力デバイスに割り当てられたコントロールサブセットに含まれるかどうかに基づいて行われる。ここで、コントロールサブセットとは、1つまたは複数のコントロールのサブセットであり、入力信号は、そのサブセット内に含まれるコントロールに対応する場合(つまり、その信号が、そのコントロールとのユーザインタラクションの結果として生成された場合)、特定のコントロールサブセットに含まれる。特定のコントロールサブセット内のコントロールは、共有スキームによって決定されるが、これについては後で詳しく説明する。本開示では、エンタテインメントシステム10に入力信号を送信する2つ以上の入力デバイスはそれぞれ、システム10によって少なくとも1つのそれぞれのコントロールサブセットを割り当てられる。
【0021】
図3は、実施形態における2つの入力デバイス、デバイス200およびデバイス300を示す。これらの実施形態では、各デバイスは、単一のコントロールサブセット、サブセット2Aおよび3Aをそれぞれ割り当てられる。そのデバイスに割り当てられたそれぞれのコントロールサブセット内に含まれるデバイスのコントロールは、斜線で示されている。したがって、コントロール202L、203L、204L、205および206は、デバイス200に割り当てられたサブセット2A内にあり、コントロール302R、303R、304R、305および306は、デバイス300に割り当てられたサブセット3A内にあることが明らかである。
【0022】
特定の入力デバイスに割り当てられたコントロールサブセットは、割り当てられた入力デバイスの1つまたは複数のコントロールから構成され、実施形態では、他のコントロールサブセットにはない少なくとも1つのコントロールから構成される。例えば図3では、デバイス200に割り当てられたサブセット2Aは、デバイス300に割り当てられたサブセット3A内にないコントロール203L、202L、204Lから構成される。いくつかの実施形態では、異なるデバイスの対応するコントロールが、それぞれのデバイスに割り当てられたコントロールサブセットにそれぞれ含まれるという重複が存在する。これは図3に見ることができ、デバイス200のタッチパッド205はサブセット2Aに含まれ、デバイス300の対応するタッチパッド305はサブセット3Aに含まれる。
【0023】
エンターテイメントシステム10が、2つ以上の入力デバイスのうちの1つから入力信号を受信すると、その入力信号が、その入力デバイスに割り当てられたコントロールサブセットに含まれるかどうかが判定される。この決定に基づいて、次に、入力信号が利用されるべき入力信号であるかどうかが決定される。いくつかの実施形態では、入力信号がそれぞれのコントロールサブセットに含まれる場合、入力信号は利用されるべき入力信号であると判定される。例えば、図3に描かれた実施形態では、サブセット2Aに含まれるデバイス200からのすべての入力信号、およびサブセット3Aに含まれるデバイス300からのすべての入力信号が、利用されるべき入力信号である。しかしながら、本開示はこの点で限定されるものではなく、他の実施形態において、利用される入力信号は、それぞれのコントロールサブセットに含まれない入力信号として定義されてもよい。
【0024】
その場合、エンタテインメントシステム10は、利用されるすべての入力信号を、あたかも同じ入力デバイスから受信されたかのように扱い、それらが受信された入力デバイスに関係なく、所定の制御スキームに従ってそれらすべてを解釈する。
【0025】
そのため、システム上で実行されるゲームやその他のアプリケーションは、複数のコントローラからの入力の利用されたサブセットから集約された入力を、あたかも1つのコントローラから受信するかのように、透過的に動作する。これにより、複数のコントローラを協調して使用して、通常1つの従来のコントローラから入力を受けることができるあらゆるゲームやアプリケーションを制御できるようになる。
【0026】
これは、複数のユーザからの入力を意図的に使用してゲームを協力的に制御するゲームとは区別されるべきである。したがって、例えば、ゲーム「Octodad」のシングルプレイヤモードでは、ユーザは、1つのコントローラの異なる入力を使用して主人公のキャラクタの各手足を制御することができ、マルチプレイヤモードでは、複数のユーザがそれぞれのコントローラの入力を使用して、キャラクタの手足のそれぞれのサブセットを制御することができる。対照的に、本技術は、複数のユーザのコントローラからの相補的な入力を組み合わせて、単一のコントローラからの入力として機能させるため、ここではシングルプレイヤモードで使用される。
【0027】
いくつかの実施形態では、利用される入力信号は、複数の所定の制御スキームに従って解釈される。例えば、図3では、サブセット2Aおよび3Aが、それぞれシステムコントロール206および306を含むことが理解される。これらのコントロールに対応する入力信号は、ビデオゲームの所定の制御スキームではなく、エンタテインメントシステム10のオペレーティングシステムとのインタラクションのための所定の制御スキームに従って解釈される。しかしながら、他の実施形態では、各入力デバイスは、システムコントロールのための追加のコントロールサブセットを割り当てられてもよい。例えば、デバイス200には、コントロール206のみからなる追加のコントロールサブセットが割り当てられ、デバイス300には、コントロール306のみからなる追加のコントロールサブセットが割り当てられる。この例では、システム制御用の各追加コントロールサブセットは、他の追加コントロールサブセットと完全に重複する。
【0028】
利用されるべきすべての入力信号を、あたかも同じ入力デバイスから受信されたかのように扱うことで、別々のコントローラを持つ複数のユーザが、同じビデオゲームキャラクタにゲーム内アクションを実行させることができる。例えば図3に描かれた実施形態では、デバイス200を使用する第1の人は、サブセット2Aのコントロールとインタラクションして、ゲームキャラクタにそれらのコントロールに関連付けられたゲーム内アクションを実行させることができ、デバイス300を使用する第2の人は、サブセット3Aのコントロールと相互作用して、同じゲームキャラクタにそれらのコントロールに関連付けられたゲーム内アクションを実行させることができる。第1の人がサブセット2Aにないコントロールとインタラクションした場合、または第2の人がサブセット3Aにないコントロールとインタラクションした場合、入力は解釈されず、ゲームキャラクタは関連付けられたゲーム内アクションを実行しない。さらに、この例では、両方のユーザがそれぞれのシステムボタンを操作して、ゲームを一時停止したり、メニューを表示したりするなどの機能にアクセスすることができる。
【0029】
このように2人以上が(例えば1人のキャラクタの)コントロールを共有する場合、各人が操作する必要があるのは限られた数の制御だけであり、他のコントロールに関連付けられたゲーム内動作を覚えたり注意を払ったりする必要はない。そのため、各人が個別に考慮したり覚えたりする情報が少なくなり、認知能力に問題のある人などにとってはゲームプレイが容易になる。複数の同時ユーザインタラクションを必要とするゲーム内アクション(例えば、一度に押される2つのボタン)も、各人のインタラクションが互いに所定の時間内に発生する限り、各人が1つのコントロールとインタラクションするだけでよいのであれば、実現が容易である。同様に、それぞれのコントロールサブセット間に重複が存在する場合、1人の人が同じボタンを2回非常に速く押すことをシミュレートするために、2人の人が対応するコントロールをほぼ同時に押すことができる。したがって、共有コントロールは、同じボタンを素早く2回押すことが困難な人にとって、ゲームプレイをより利用しやすくする。
【0030】
ビデオゲームは多くの場合、異なるタイプのコントローラをサポートする。例えば、ビデオゲームの制御スキームは、ハンドヘルドコントローラ上のコントロールと携帯電話上のコントロールの両方を特定のゲーム内アクションのセットに関連付けることがあり、ユーザは、ある時点でハンドヘルドコントローラまたは携帯電話のいずれかを使用してプレイすることができる。複数の入力デバイスからの入力信号を同じデバイスからの入力信号として扱うには、それぞれのコントロールサブセットが合わさって、1つの入力デバイスのコントロールの完全な補完(完全な補完とは、1つのコントローラで使用可能なコントロールのフルセット、またはターゲットアプリケーションが期待するコントロールのフルセットのいずれかであり、1つのコントローラで使用可能なすべてのコントロールのサブセットであってもよい)を構成する必要がある。ただし、これは1種類の入力デバイスからのコントロールに限定されない。コントロールの完全な補完は、使用される1つまたは複数の所定の制御スキームによって決定される、システム10上で実行されるオペレーティングシステムまたはアプリケーションとのインタラクションの各タイプに関連する少なくとも1つのコントロールを単に含まなければならない。例えば、ビデオゲームの制御スキームで定義されるすべての可能なゲーム内アクションが少なくとも1つのコントロールと関連付けられるが、コントロールの一部がハンドヘルドコントローラ上のコントロールであり、一部が携帯電話上のコントロールであるように、コントロールの完全な補完を構成することができる。同様に、コントロールサブセット間に重複が存在する場合、異なる入力デバイスにおける「対応する」コントロールは、同じゲーム内アクションに割り当てられているが、異なるタイプの入力デバイスにおける異なるタイプのコントロールであるコントロールであってもよい。
【0031】
これにより、ユーザがそれぞれ異なるタイプのデバイスを使用したい場合でも、同じキャラクタに対するコントロールを共有するために使用することができる。そのため、アクセシビリティは、異なるタイプのデバイスを使いやすいと感じるユーザにとって、さらに向上する。
【0032】
特定のコントロールサブセット内のコントロールは、特定の共有スキームによって決定される。図3に戻ると、描かれている実施形態で使用される共有スキームは、サブセット2Aがデバイス200の左側および中央に位置するコントロールを含み、サブセット3Aがデバイス300の右側および中央に位置するコントロールを含むことを指示している。この共有スキームは、2人が同じビデオゲームキャラクタの制御を共有する場合、特に2人が物理的に並んで配置されている状況(すなわち、デバイス200を使用する人がデバイス300を使用する人の左側に配置されている場合)において、直感的で覚えやすい。また、この共有スキームは、各デバイスの使用可能なコントロールがすべて片手で到達可能であるため、ユーザの1人以上が片手での可動性に問題を抱えている場合に特に有用である。
【0033】
しかしながら、本開示はこの点で限定されるものではなく、さらなる実施形態において他の共有スキームを使用することもできる。図4は、実施形態における別の共有スキームを示しており、デバイス200に割り当てられたコントロールサブセット2Bは、コントロール202L、202R、203L、203R、205および206を含む一方、デバイス300に割り当てられたコントロールサブセット3Bは、コントロール304L、304Rおよび306を含む。図3の共有スキームにおけるサブセット2Aおよび3Aと同様に、サブセット2Bおよび3Bは、システムボタン206および306が各デバイスで使用可能であるように重複する。システムボタンを除けば、デバイス300のコントロールサブセットはジョイスティックのみからなり、デバイス200のコントロールサブセットはボタンのみからなる。
【0034】
各デバイスに異なるタイプのコントロールを含むサブセットが割り当てられる共有スキームもまた、ユーザにとって直感的で覚えやすい。また、このような共有スキームは、ユーザの1人または複数が、特定のタイプのコントロールを使用するのが困難であり、したがって、そのタイプのコントロールを使用しないことを好む場合に、特に有利である。例えば、ボタンの組み合わせを記憶することが特に困難であると感じる人は、ボタン(306を除く)を含まない3Bのようなコントロールサブセットを有するデバイスを使用することができる。同様に、ユーザが(例えば関節炎のために)ショルダボタン203L,Rのような特定のコントロールに到達するのが困難な場合、やはりショルダボタンを含まない3Bのようなコントロールサブセットを持つデバイスを使用することができる。いくつかの共有スキームでは、特定のサブセットは、他のサブセットには存在しない特定のタイプのコントロールを非排他的に含んでもよい。例えば、あるデバイスにはボタンのみからなるコントロールサブセットが割り当てられ、別のデバイスにはボタンとジョイスティックの両方からなるサブセットが割り当てられてもよい。さらなる実施形態(図示せず)では、第1入力デバイスに割り当てられたコントロールサブセットは、モーションセンサであるコントロールを含み、第2入力デバイスに割り当てられたサブセットは、モーションセンサであるコントロールを含まない。これは、第1入力デバイスを使用する人がモーションコントロールを使用しにくいと感じる場合に特に有利である。
【0035】
実施形態において、使用される共有スキームは、1つ以上の所定の共有スキームからエンタテインメントシステム10によって選択される所定の共有スキームである。1つまたは複数の所定の共有スキームは、内部または外部記憶装置、外部装置、ネットワークなどから任意の適切な手段を介してエンタテインメントシステム10によって取得されてもよい。
【0036】
いくつかの実施形態では、エンタテインメントシステム10は、システム上で実行されるアプリケーションに基づいて所定の共有スキームを選択するように構成される。例えば、共有スキームは、特定のビデオゲームに関連付けられる場合がある。例えば、ある人がキャラクタを動かす一方、別の人がキャラクタを戦わせると、ゲームプレイがより直感的になる場合がある。したがって、特定のビデオゲームに関連する共有スキームは、それぞれのコントロールサブセットが、その特定のゲームのユーザにとってゲームキャラクタのコントロールの共有を容易にする方法で、コントロールしたがって割り当てられたゲーム内アクションを分割するスキームであってもよい。
【0037】
しかしながら、本開示はこの点で限定されるものではなく、他の実施形態では、エンタテインメントシステム10は、任意の他の適切な方法に従って所定の共有スキームを選択する。例えば、システム10は、最も直近に使用された共有スキーム、または過去に最も頻繁に使用された共有スキームを選択してもよい。
【0038】
さらなる実施形態では、エンタテインメントシステム10は、例えば、画像を表示するためのデバイス(図1のHMD101など)上にそのようなユーザインタフェースを表示させることによって、ユーザインタフェースを介してユーザに所定の共有スキームの選択を提示するように構成される。そして、ユーザは、ユーザインタフェースとインタラクションし、提示された選択肢から使用する共有スキームを選択することができる。
【0039】
図5は、実施形態においてユーザに提示されるユーザインタフェース500を示す図である。ここでは、ユーザは、それぞれ「オプション1」、「オプション2」および「オプション3」とラベル付けされた3つの所定の共有スキーム501の選択を提示される。オプション1は、他のオプションとは異なる色で着色され、矢印で示されており、この共有方式が現在選択されていることを示している。ユーザインタフェース500はまた、現在選択されている所定の共有スキームの視覚的表現、すなわち各入力デバイスの描写を含み、各入力デバイスについて、割り当てられたそれぞれのコントロールサブセット内にあるコントロールが影で示されている。これにより、ユーザは、各共有スキームの構成をよりよく理解し、適切な特定のスキームを選択することができる。しかしながら、本開示はこの点で限定されるものではなく、他の実施形態では、ユーザインタフェースは、所定の共有スキームの選択を任意の適切な方法でユーザに提示することができる。例えば、ユーザインタフェースは、任意の数の所定の共有スキームから選択されることをユーザに提示してもよく、いくつかの実施形態では、ユーザインタフェースは、コントロールの視覚的表現を含まなくてもよい。ユーザが選択枝から共有スキームを選択できるようにすることにより、ユーザにとって望ましい共有スキームが使用されることが保証される。
【0040】
さらなる実施形態において、エンタテインメントシステム10は、異なるコントロールサブセットの内容を選択することによって共有スキームをカスタマイズすることを可能にするユーザインタフェースをユーザに提示するように構成される。図6は、そのようなユーザインタフェースを示している。ここで、ユーザインタフェース600は、それぞれ「オプション1」および「オプション2」とラベル付けされた2つの所定の共有スキーム601、および第3の「カスタム」オプション602の選択を提示する。ユーザインタフェース600はまた、「カスタム」共有スキームの視覚的表現を含み、各入力デバイスを描写し、どの(網掛けされた)コントロールが割り当てられたそれぞれのコントロールサブセット内にあるかを示す。第3のオプション602が選択されると、各ユーザに、自分のコントローラに割り当てられたそれぞれのコントロールサブセットに含まれるコントロールを選択するように指示する命令603が表示される。これらの実施形態では、指示603は、ユーザに、それぞれのコントローラのコントロールを押して、そのコントロールを割り当てられたコントロールサブセットに含めるべき(つまり、そのコントローラを持つ人が使用可能であるべき)であることを示し、もう一度押して、含めるべきでないことを示すように指示する。ただし、本開示はこの点で限定されるものではなく、様々な実施形態において、ユーザインタフェースは、任意の適切な方法で共有スキームをカスタマイズするオプションを提示することができる。例えば、いくつかの実施形態では、1人のユーザのみが、各コントロールサブセットに含まれるコントロールを選択することができる。いくつかの実施形態では、ユーザが入力デバイス用にコントロールサブセットをカスタマイズした後、エンタテインメントシステム10は、すべてのそれぞれのコントロールサブセットが一緒になってコントロールの完全な補完を構成するように、別の入力デバイスに割り当てられたコントロールサブセットを自動的にカスタマイズするように構成される。一人または複数のユーザが自身の共有スキームをカスタマイズできるようにすることによって、ユーザにとって望ましい共有スキームが使用されることがさらに保証される。
【0041】
いくつかの実施形態では、上述のようなユーザインタフェースは、エンタテインメントシステム10によって提供される特定のメニューにナビゲートすることによって、ユーザによってアクセスされてもよい。これは、アプリケーションがエンタテインメントシステム10上で実行されている間にアクセス可能であってもよく、アプリケーションが実行されていない間のみアクセス可能であってもよい。いくつかの実施形態では、エンタテインメントシステム10は、ユーザインタフェースを提示するために特定のコントロールを割り当てる所定の制御システムを使用する。したがって、ユーザインタフェースは、アプリケーションの実行中であっても、ユーザがコントロールと対話することに応答してユーザに提示される。これは、例えば、プレイ中のビデオゲームを一時停止し、ユーザインタフェースを画面に重ねて表示することによって実現することができる。ビデオゲームの実行中にユーザがユーザインタフェースにアクセスできるようにすることで、ユーザは、現在選択されている共有方式が直感的でない場合などに、いつでも別の共有方式を選択し直すことができる。
【0042】
実施形態において、エンタテインメントシステム10は、現在の共有スキームに従って、1つまたは複数の入力デバイスのそれぞれのコントロールサブセットの視覚的表現を含むディスプレイをユーザに提示するように構成される。視覚的表現は、どのコントロールがそれぞれのコントロールサブセット内にあるかを示すのに適した任意の形態をとることができる。例えば、ディスプレイは、図5および図6の視覚表現のように、各入力デバイスについて、割り当てられたそれぞれのコントロールサブセット内にあるコントロールが陰影を付けられた、各入力デバイスの描写を含んでもよい。このディスプレイは、ユーザインタフェースに関して上述した任意の方法でユーザによってアクセスされてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、アプリケーションの実行中であっても、ユーザが特定のコントロールと対話することに応答して、ディスプレイがユーザに提示される。
【0043】
いくつかの実施形態では、ディスプレイに視覚的に表現される特定のそれぞれのコントロールサブセットは、ユーザがディスプレイにアクセスするために相互作用した特定の入力デバイスに基づいて選択される。例えば、デバイス200を使用する人がシステムボタン206を押してエンタテインメントシステム10にディスプレイを提示させた場合、ディスプレイは、デバイス200に割り当てられたそれぞれのコントロールサブセット2Aの視覚的表現であってもよい。これにより、ユーザは、使用しているデバイスに割り当てられているそれぞれのコントロールサブセットにどのコントロールが含まれているかを思い出すことができ、使い勝手がさらに向上する。
【0044】
いくつかの実施形態では、エンタテインメントシステム10は、その時点でエンタテインメントシステム10上で実行されているアプリケーションに基づいて特定の表示を提示する。例えば、特定のビデオゲームがプレイされている場合、システム10は、それぞれのコントロールサブセット内の各コントロールに関連するゲーム内のアクションを示すラベルなど、ゲームの所定のコントロールスキームに関連する情報を含む表示を提示することができる。したがって、これらの実施形態では、ユーザは、自分が使用している入力デバイスでどのコントロールが使用可能であるかを知り、また関連するゲーム内アクションも見ることができる。これにより、ユーザは、ビデオゲームのゲームプレイに関連するさらに直感的な方法で、使用しているデバイスに割り当てられているそれぞれのコントロールサブセットにどのコントロールが含まれているかを確認することができる。
【0045】
さらなる実施形態では、エンタテインメントシステム10は、所定の時間内に特定の入力デバイスから受信された、利用すべき入力信号ではない入力信号の数を決定し、決定された入力信号の数が所定の閾値を超えた場合に、アラートの形でユーザに表示を提供するように構成される。これにより、システム10は、ユーザが解釈されていないコントロールを使用しようとしている状況において、ユーザが使用しているデバイスに割り当てられているそれぞれのコントロールサブセットにどのコントロールが含まれているかについてのリマインダをユーザに自動的に提示することができる。
【0046】
いくつかの実施形態では、入力デバイスの少なくとも1つは仮想入力デバイスである。仮想入力デバイスは、物理的な(非仮想的な)入力デバイスから受信した入力信号と同じようにエンタテインメントシステム10によって解釈される入力信号を生成する任意の一連の処理ステップであってもよい。したがって、仮想入力デバイスは、物理入力デバイスの特定のコントロールにそれぞれ対応する入力信号を、あたかもそのコントロールとのユーザのインタラクションによって生成されたかのように生成する。ただし、入力信号が生成されるタイミングや、各入力信号の特性は、ユーザのインタラクションに応じてではなく、処理結果に応じて決定される。実施形態において、単一の仮想入力デバイスは、単一のタイプの物理入力デバイスにおけるコントロールに対応する入力信号のみを生成してもよい。
【0047】
エンタテインメントシステム10は、所定の制御スキームに従って、仮想入力デバイスから受信した入力信号を、あたかも物理入力デバイスから入力信号を受信したかのように解釈する。すなわち、システム10は、1つまたは複数のコントロールサブセットを仮想入力デバイスに割り当て、仮想入力デバイスから受信された各入力信号が、割り当てられたコントロールサブセット内のコントロールに対応するかどうかに基づいて、利用されるべき入力信号であるかどうかを決定し、これを物理的なコントローラからの利用される入力と組み合わせて、上述のように、単一の全体的なコントローラとして提示する。
【0048】
いくつかの実施形態では、仮想入力デバイスを含む一連の処理ステップは、外部ソース(リモートサーバなど)によって実行され、エンタテインメントシステム10は、有線または無線接続を介して外部ソースから入力信号を受信する。さらなる実施形態では、エンタテインメントシステム10自体が、一連の処理ステップを実行し、したがって仮想入力デバイスに関連する入力信号を生成するように構成された回路を備える。仮想入力デバイスは、各入力信号のタイミングおよび特性が予め決定されるように、所定の方法で入力信号を生成してもよい。しかしながら、本開示はこの点で限定されるものではなく、他の実施形態では、仮想入力装置は、エンタテインメントシステム10によって実行されているアプリケーションの状態に応じて入力信号を生成してもよい。例えば、入力信号は、ユーザがビデオゲームをプレイしているときにユーザのインタラクションに応じて物理入力デバイスによって生成される入力信号と同様の方法で、仮想入力デバイスによって生成されてもよい。実施形態では、これは、ユーザのインタラクションに応じて物理的な入力デバイスによって生成された入力信号のサンプルデータを使用して訓練された機械学習モデルに従って入力信号を生成することによって達成される。入力信号は、ビデオゲームの状態に関連するデータと、ビデオゲームの同じ状態においてどのユーザが促した入力信号が通常生成されるかを示す機械学習データと、オプションとして、コントローラまたは他の各コントローラからの現在の入力データとに基づいて生成される。したがって、入力信号は、ビデオゲーム環境およびオプションとしてユーザまたは他のユーザの入力に対して反応的である方法で生成することができる。これらの実施形態では、機械学習モデルは、内部ストレージ、リモートサーバなどの任意の適切なソースから取得してもよい。これにより、単一のユーザは、他のユーザが存在することを必要とすることなく、コントロールのサブセットのみを使用することから利益を得ることができる。
【0049】
いくつかの実施形態では、エンタテインメントシステム10は、システム10上で実行されているアプリケーションに基づいて、使用する特定の機械学習モデルを選択するように構成される。ここで、エンタテインメントシステム10は、実行中のアプリケーションを特定し、次に、そのアプリケーションに関連付けられた特定の機械学習モデルを取得する。例えば、特定のビデオゲームが起動されている場合、システム10は、その特定のビデオゲームに関連するデータで学習された機械学習モデルを取得することができる。これにより、システム10は、他のユーザによる実際のゲームプレイをより正確に反映する入力信号を提供するモデルを選択することができる。
【0050】
代替的または追加的に、ゲームは、1つまたは複数のゲーム内ノンプレイヤキャラクタ(NPC)を制御する既存のAIシステム(機械学習に基づくか、コード化されたルールに基づくか、またはその組み合わせに基づくかを問わない)を利用することができる。このようなキャラクタは通常、仮想世界内を移動し、ゲーム内AIシステムによって実装された行動やルールに従って自律的に行動を実行する。従って、オプションとして、適切な既存のNPCのルールを使用するか、または本技術の目的のために特別にユーザのキャラクタにいくつかのルールを提供して、プレイヤのキャラクタの態様をあたかもNPCであるかのように制御することができる。ここでも、どのコントロールをプレイヤのコントローラに委ね、どのコントロールをAIシステムに委ねるかは、本明細書の他の箇所で説明するように、任意にユーザに合わせて選択することができる。この場合、ゲーム内AIからの入力は、コントローラ入力として解釈されてもよく、(AIはゲームと一体であるため)それらの入力に対する効果的な応答として解釈されてもよく、副操縦士の入力をさらに仮想化して、ユーザの入力と相補的な入力セットの部分が、ユーザおよびAIソースからの集約時に存在すると単に仮定されるようにしてもよい。
【0051】
したがって、オプションとして、入力デバイスの少なくとも1つが仮想入力デバイスである場合、システムは、機械学習モデルに従って仮想入力デバイスに関連付けられた入力信号を生成するか、または(もはやモデル化されていない)仮想入力デバイスに代わってゲーム内AIに従ってターゲットオブジェクト(ユーザのキャラクタなど)の制御を行うように構成することができる。
【0052】
2つ以上の実際のコントローラからの入力の利用されたサブセットを組み合わせて、1つのコントローラからの入力としてアプリケーションに提示することは、誰かが共同でプレイするのを助けたり、コントローラを完全に使用することが困難なユーザを支援したりするのに有利であり、その結果、彼らがさらに適応することなく従来のゲームをプレイできるようになることが理解されよう。一方、本明細書で説明するような種類の仮想コントローラを提供することで、ユーザと一緒にプレイできる他のユーザがいない場合に、この共同プレイ支援機能が提供される。
【0053】
図7は、以下のステップからなる方法700のフローチャートである。ステップ701において、少なくとも第1入力デバイスおよび第2入力デバイスから入力信号を受信する。各入力信号は、入力デバイスの1つにおけるコントロールに対応する。ステップ702において、各入力信号が入力信号を受信した入力デバイスに割り当てられた各コントロールサブセットに含まれるか否かを判定する。それぞれのコントロールサブセットは、他のコントロールサブセットにはない少なくとも1つのコントロールをそれぞれ含み、それぞれのコントロールサブセットは合わさって入力デバイスのコントロールの完全な補完を構成する。ステップ703では、各入力信号が各コントロールサブセットに含まれるかどうかに基づいて、利用するべき入力信号であるか否かを判定する。ステップ704では、任意の入力装置からの利用するべき入力信号を同じ単一の入力装置からの入力信号として扱う。ステップ705では、所定の制御スキームに従って、利用するべき入力信号に基づいて実行されるべきプロセスを決定する。
【0054】
当業者には、本明細書で説明され請求されるような装置の様々な実施形態の動作に対応する上記方法の変形が、本発明の範囲内で考慮されることは明らかであろう。
【0055】
上記方法は、従来のハードウェア(ソフトウェア命令によって、または専用ハードウェアの包含もしくは置換によって、適切に適合されたエンターテイメントシステム10など)上で実施されてもよいことが理解されよう。
【0056】
従って、従来の同等デバイスの既存の部分への必要な適合は、フロッピーディスク、光ディスク、ハードディスク、ソリッドステートディスク、PROM、RAM、フラッシュメモリ、またはこれらの任意の組み合わせまたは他の記憶媒体などの非一過性の機械可読媒体上に記憶されたプロセッサ実装可能命令を含むコンピュータプログラム製品の形態で実装されてもよく、またはASIC(特定用途向け集積回路)またはFPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)または従来の同等デバイスの適合に使用するのに適した他の構成可能回路としてハードウェアで実現されてもよい。これとは別に、このようなコンピュータプログラムは、イーサネット、無線ネットワーク、インターネット、またはこれらの組み合わせや他のネットワークのようなネットワーク上のデータ信号を介して伝送されてもよい。
【0057】
本明細書の要約的な実施形態では、エンタテインメントシステムは、少なくとも第1入力装置および第2入力装置から入力信号を受信するように構成された回路を備え、各入力信号は、入力装置のうちの1つにおけるコントロールに対応し、各入力信号が、入力信号が受信された入力装置に割り当てられたそれぞれのコントロールサブセットに含まれるか否かを判定し、各入力信号が、それぞれのコントロールサブセットに含まれるか否かに基づいて、利用されるべき入力信号であるか否かを判定し、入力デバイスのいずれかから利用される入力信号を、同じ単一の入力デバイスからの入力信号として扱い、所定の制御スキームに従って、利用される入力信号に基づいて実行されるべきプロセスを決定し、それぞれのコントロールサブセットが、他のコントロールサブセットにはない少なくとも1つのコントロールをそれぞれ含み、それぞれのコントロールサブセットが合わさって、本明細書の他の箇所に記載されているように、入力デバイスのためのコントロールの完全な補完を構成する。
【0058】
当業者には、本明細書で説明され請求されるような様々な実施形態の動作に対応する上記システムの変形が、以下を含むがこれに限定されない本発明の範囲内で考慮されることが明らかであろう。
【0059】
それぞれのコントロールサブセットは、本明細書の他の箇所に記載されているように、入力デバイスの第1の半分に位置するコントロールからなる少なくとも1つのサブセットと、別の入力デバイスの第2の対向する半分に位置するコントロールからなる少なくとも1つの他のサブセットとを含む。
【0060】
それぞれのコントロールサブセットは、本明細書の他の箇所に記載されているように、ハンドヘルド入力デバイス上のボタンであるコントロールからなる少なくとも1つのサブセットと、ハンドヘルド入力デバイス上のジョイスティックであるコントロールからなる少なくとも1つの他のサブセットとを含む。
【0061】
それぞれのコントロールサブセットは、本明細書の他の箇所で説明するように、モーションセンサーであるコントロールからなる少なくとも1つのサブセットと、モーションセンサーではないコントロールからなる少なくとも1つの他のサブセットとを含む。
【0062】
前記回路は、所定の制御に対応する入力信号が入力デバイスから受信されたときに、ユーザに表示を提供するための処理を実行するようにさらに構成され、前記表示は、本明細書の他の箇所に記載されるように、それぞれのコントロールサブセットのうちの少なくとも1つを示す。
【0063】
前記回路は、ユーザインタフェースをユーザに提供するための処理を実行するようにさらに構成され、前記ユーザインタフェースは、本明細書の他の箇所に記載されるように、ユーザが入力デバイスに割り当てられるコントロールサブセットを選択することを可能にする。
【0064】
ユーザインタフェースは、本明細書の他の箇所で説明されるように、ユーザが、選択されたコントロールサブセットに含まれるコントロールまたは含まれないコントロールを選択することを可能にする。
【0065】
前記回路はさらに、所定の時間内に入力デバイスから受信された、利用されるべき入力信号ではない入力信号の数を決定し、決定された入力信号の数が所定の閾値を超えた場合に、本明細書の他の箇所で説明するように、ユーザに警告を提供する処理を実行するように構成される。
【0066】
入力デバイスの少なくとも1つは、本明細書の他の箇所で説明するように、仮想入力デバイスである。
【0067】
前記回路は、本明細書の他の箇所で説明するように、機械学習モデルに従って仮想入力デバイスに関連する入力信号を生成するようにさらに構成される。
【0068】
入力デバイスの少なくとも1つは、本明細書の他の箇所で説明するように、ハンドヘルドコントローラである。
【0069】
入力デバイスのうちの少なくとも1つは、本明細書の他の箇所で説明されるように、携帯電話である。
【0070】
エンタテインメントシステムは、本明細書の他の箇所に記載されるように、第1入力デバイスおよび第2入力デバイスをさらに備える。
【0071】
同様に、本明細書の要約的な実施形態において、2つ以上の入力デバイスからの入力信号を利用する方法は、少なくとも第1入力デバイスおよび第2入力デバイスから入力信号を受信することであって、各入力信号が入力デバイスの1つにおけるコントロールに対応する、受信することと、各入力信号が、入力信号を受信した入力デバイスに割り当てられたそれぞれのコントロールサブセットに含まれるかどうかを判定することと、各入力信号がそれぞれのコントロールサブセットに含まれるかどうかに基づいて、各入力信号が利用されるべき入力信号であるかどうかを判定することと、入力デバイスのいずれかから利用される入力信号を、同じ単一の入力デバイスからの入力信号として扱うことと、所定の制御スキームに従って、利用される入力信号に基づいて実行されるプロセスを決定することとを含み、それぞれのコントロールサブセットが、他のコントロールサブセットにはない少なくとも1つのコントロールをそれぞれ含み、それぞれのコントロールサブセットが合わさって、本明細書の他の箇所に記載されているように、入力デバイスのためのコントロールの完全な補完を構成する。
【0072】
当業者には、本明細書で説明され、特許請求されるような装置の様々な実施形態の動作に対応する上記方法の変形が、本発明の範囲内で考慮されることは明らかであろう。
前述の議論は、本発明の単なる例示的な実施形態を開示し、説明するものである。当業者には理解されるように、本発明は、その精神または本質的な特徴から逸脱することなく、他の具体的な形態で具現化されてもよい。従って、本発明の開示は、他の特許請求の範囲と同様に、本発明の範囲を限定するものではなく、例示的なものであることを意図している。本明細書における教示の容易に識別可能な変形を含む本開示は、発明的主題が公共に捧げられることがないように、前述の請求項の用語の範囲を部分的に定義する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【外国語明細書】