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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024148460
(43)【公開日】2024-10-18
(54)【発明の名称】クロスローラ軸受
(51)【国際特許分類】
   F16C 33/60 20060101AFI20241010BHJP
   F16C 19/36 20060101ALI20241010BHJP
【FI】
F16C33/60
F16C19/36
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023061624
(22)【出願日】2023-04-05
(71)【出願人】
【識別番号】000004204
【氏名又は名称】日本精工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】弁理士法人栄光事務所
(72)【発明者】
【氏名】寺田 和晃
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 澄知
【テーマコード(参考)】
3J701
【Fターム(参考)】
3J701AA13
3J701AA26
3J701AA42
3J701AA54
3J701AA62
3J701BA53
3J701BA54
3J701BA55
3J701BA64
3J701BA69
3J701FA46
3J701GA24
3J701XB03
3J701XB24
(57)【要約】
【課題】省スペース化を図りつつ、一対の分割輪を正確に位置合わせすることができるクロスローラ軸受を提供する。
【解決手段】クロスローラ軸受10の内輪20は、軸方向中央で分割された一対の分割輪21A、21Bと、一対の分割輪21A、21Bの相対位置を位置決めするための2本の位置決めピン35と、を備える。一方の分割輪21Aは、平面視で180°対角位置に形成された一対の第1の円筒穴部22A、22Bを備え、他方の分割輪21Bは、第1の円筒穴部22A、22Bに対応して180°対角位置に形成された一対の第2の円筒穴部25A、25Bを備える。2本の位置決めピン35は、一対の第1の円筒穴部22A、22Bに隙間ばめで嵌合し、一対の第2の円筒穴部25A、25Bに締りばめで嵌合する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内周面にV字状の軌道溝を有する外輪と、外周面にV字状の軌道溝を有する内輪と、前記外輪の軌道溝と前記内輪の軌道溝との間に回転軸の向きが交互にクロスするように交差して転動自在に配設される複数の円筒ころ、とを備えるクロスローラ軸受であって、
前記内輪又は外輪は、軸方向中央で分割された一対の分割輪と、前記一対の分割輪の相対位置を位置決めするための2本の位置決め部材と、を備え、
前記2本の位置決め部材は、一方の前記分割輪に形成された一対の第1の円筒穴部と、他方の前記分割輪に形成された一対の第2の円筒穴部とに嵌合する、
クロスローラ軸受。
【請求項2】
前記一対の第1の円筒穴部は、平面視で、前記一方の分割輪の中心軸を中心とする仮想円上の180°対角位置に形成され、
前記一対の第2の円筒穴部は、前記第1の円筒穴部に対応して180°対角位置に形成される、
請求項1に記載のクロスローラ軸受。
【請求項3】
前記位置決め部材は位置決めピンであり、
前記2本の位置決めピンは、前記一方の分割輪の一対の第1の円筒穴部と隙間ばめで嵌合し、前記他方の分割輪の一対の第2の円筒穴部と締りばめで嵌合する、
請求項1または2に記載のクロスローラ軸受。
【請求項4】
前記一対の分割輪は、円周方向に等間隔に配置された複数の締結ボルトによって互いに締結されており、
前記2本の位置決めピンは、円周方向に隣り合う前記締結ボルトの円周方向中間位置に配置されている、請求項3に記載のクロスローラ軸受。
【請求項5】
前記位置決め部材は、同芯に形成された円筒部及び雄ねじ部を備えるリーマボルトであり、
前記他方の分割輪には、前記一対の第2の円筒穴部及び雌ねじ部が形成され、
前記2本のリーマボルトの前記円筒部は、前記一方の分割輪の一対の第1の円筒穴部、及び前記他方の分割輪の一対の第2の円筒穴部と嵌合し、前記2本のリーマボルトの前記雄ねじ部は、前記他方の分割輪の雌ねじ部と螺合する、
請求項1または2に記載のクロスローラ軸受。
【請求項6】
前記一対の分割輪は、円周方向に等間隔に配置された複数の締結ボルトと前記2本のリーマボルトとによって互いに締結されている、請求項5に記載のクロスローラ軸受。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クロスローラ軸受に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、クロスローラ軸受は、一般産業用汎用モータや発電機用ジェネレータ(風力発電機等)、鉄道車両用主電動機、医療機器(CTスキャナ装置等)の各種の装置に使用されており、用途に合わせて種々の形式のものが商品化されており、小形化、軽量化、高精度、製造コストの削減が要望されている。クロスローラ軸受は、軌道輪としての内輪及び外輪を備え、内輪と外輪との間に複数の転動体としての円筒ころが介装されている。
【0003】
特許文献1には、内周面に略V字状の軌道溝を有する外輪と、外周面に略V字状の軌道溝を有する内輪と、外輪と内輪との軌道溝間に、回転軸の向きが交互にクロスするように転動自在に配置された複数のローラと、を備え、外輪は、軸方向中央で上部体と下部体とに分割された分割輪から構成されており、該上部体と下部体とがU字状の締結部材により締結されたクロスローラ軸受が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007-303516号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載のクロスローラ軸受では、細い針金をU字状に形成した締結部材を、近接配置された2つの穴に挿入して上部体と下部体を位置決めしているので、クロスローラ軸受が要求する位置合わせの精度を満足できない可能性がある。上部体と下部体との位置合わせ精度が低いと、クロスローラ軸受の滑らかな回転や寿命に影響する虞がある。
【0006】
本発明は、前述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、一対の分割輪を正確に位置合わせすることができるクロスローラ軸受を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
したがって、本発明の上記目的は、クロスローラ軸受に係る下記[1]の構成により達成される。
[1] 内周面にV字状の軌道溝を有する外輪と、外周面にV字状の軌道溝を有する内輪と、前記外輪の軌道溝と前記内輪の軌道溝との間に回転軸の向きが交互にクロスするように交差して転動自在に配設される複数の円筒ころ、とを備えるクロスローラ軸受であって、
前記内輪又は外輪は、軸方向中央で分割された一対の分割輪と、前記一対の分割輪の相対位置を位置決めするための2本の位置決め部材と、を備え、
前記2本の位置決め部材は、一方の前記分割輪に形成された一対の第1の円筒穴部と、他方の前記分割輪に形成された一対の第2の円筒穴部とに嵌合する、
クロスローラ軸受。
【発明の効果】
【0008】
本発明のクロスローラ軸受によれば、省スペース化を図りつつ、一対の分割輪を正確に位置合わせすることができるクロスローラ軸受が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本発明の第1実施形態に係るクロスローラ軸受の縦断面図である。
図2図2(a)は、図1に示す分割輪のA矢視図であり、図2(b)は、図1に示す分割輪のB矢視図である。
図3図3(a)は、両分割輪に形成された第1及び第2の円筒穴部の断面図であり、図3(b)は、位置決めピンの側面図である。
図4図4は、本発明の第2実施形態に係るクロスローラ軸受の縦断面図である。
図5図5(a)は、図4に示す分割輪のC矢視図であり、図5(b)は、図4に示す分割輪のD矢視図である。
図6図6(a)は、一方の分割輪に形成された円筒穴部と、他方の分割輪に形成された他の円筒穴部及び雌ねじ部の断面図であり、図6(b)は、リーマボルトの側面図である。
図7図7(a)は、本発明の変形例に係る、図2(a)に対応する図であり、図7(b)は、変形例に係る図2(b)に対応する図である。
図8図8(a)は、本発明の他の変形例に係る、図2(a)に対応する図であり、図8(b)は、他の変形例に係る図2(b)に対応する図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明に係るクロスローラ軸受の各実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1に示すように、本実施形態のクロスローラ軸受10は、内周面に略V字形の外輪軌道溝11aを有する外輪11と、外周面に略V字形の内輪軌道溝20aを有する内輪20と、外輪軌道溝11a及び内輪軌道溝20aの間で転動可能に設けられた複数の円筒ころ40とを有して構成されている。複数の円筒ころ40は、直径が長さよりわずかに大きな略円筒状であり、軌道上偶数番目の回転軸と、軌道上奇数番目の回転軸が、互いに90°で交差して軌道に装填されている。
【0011】
内輪20は、軸方向中央で分割された2つの分割輪21A、21Bで構成されており、後述する2本の位置決めピン35(図3(b)参照)により、一対の分割輪21A、21Bの相対位置が位置決めされており、不図示の複数の締結ボルトによって、互いに締結されている。
【0012】
図2(a)も参照して、一方の分割輪21Aには、円周方向に30°間隔で12個の貫通孔23及びザクリ穴24が等間隔で形成されている。また、一方の分割輪21Aには、平面視で、一方の分割輪21Aの中心軸(クロスローラ軸受の中心軸X)を中心とする仮想円上の180°対角位置で、円周方向に隣り合う貫通孔23及びザクリ穴24の円周方向中間位置且つ同心円上に、非貫通の一対の第1の円筒穴部22A、22Bが形成されている。
【0013】
図2(b)も参照して、他方の分割輪21Bには、一方の分割輪21Aの貫通孔23に対応して、円周方向に30°間隔で12個の雌ねじ部26が形成されている。また、他方の分割輪21Bには、第1の円筒穴部22A、22Bにそれぞれ対応する180°対角位置に、非貫通の一対の第2の円筒穴部25A、25Bが形成されている。
【0014】
図3(a)に示すように、第2の円筒穴部25A、25Bの円筒部分の軸方向長さL2は、第1の円筒穴部22A、22Bの円筒部分の軸方向長さL1より長く形成されている。これは、位置決めピン35を第2の円筒穴部25A、25Bに嵌合(締りばめ)させたとき、位置決めピン35が、一方の分割輪21Aの側面28に当接する他方の分割輪21Bの側面27に対して安定して直立させるためである。
【0015】
また、第1の円筒穴部22A、22Bの穴径d1は、位置決めピン35の直径Dに対して、位置決めピン35と隙間ばめで嵌合する大きさである。また、第2の円筒穴部25A、25Bの穴径d2は、位置決めピン35の直径Dに対して、位置決めピン35と締りばめで嵌合する大きさになっている。
また、位置決めピン35の長さLは、各円筒穴部22A,22B,25A,25Bの軸方向長さL1,L2より長く、且つ、第1の円筒穴部22A,22Bの軸方向長さL1と第2の円筒穴部25A,25Bの軸方向長さL2の合計L1+L2より短く設定される。
なお、本実施形態では、位置決めピン35は、直径Dが8mm、長さLが12mmのものが使用されている。
【0016】
そして、クロスローラ軸受10の組付け方法は、先ず、他方の分割輪21Bの第2の円筒穴部25A、25Bに、位置決めピン35をそれぞれ締りばめで嵌合させた後、該他方の分割輪21Bを外輪11の内径側に配置する。次いで、外輪11と他方の分割輪21Bを寝かせた状態、即ち、クロスローラ軸受10の中心軸Xを鉛直方向に向けた状態で、外輪11の外輪軌道溝11aと他方の分割輪21Bの内輪軌道溝20aとの間に、隣接する円筒ころ40の回転軸が互いに90°で交差するように配置しながら複数の円筒ころ40を装填する。
【0017】
次いで、一方の分割輪21Aの第1の円筒穴部22A、22Bに、それぞれ位置決めピン35を隙間ばめで嵌合させながら一方の分割輪21Aと他方の他方の分割輪21Bの側面27、28同士を突き合せた後、不図示の複数の締結ボルトを一方の分割輪21Aの貫通孔23に挿通し、他方の分割輪21Bの雌ねじ部26に螺合した固定して組み付ける。
【0018】
以上説明したように、本実施形態のクロスローラ軸受10によれば、第2の円筒穴部25A、25Bに締りばめで嵌合固定された一対の位置決めピン35に、第1の円筒穴部22A、22Bを隙間ばめで嵌合させることで一方の分割輪21Aと他方の分割輪21Bとを、複数の締結ボルトで固定するよりも前に位置決めが行われている。これにより、一方の分割輪21Aと他方の分割輪21Bとを高い位置合わせ精度で、容易に組み付けることができる。また、一対の分割輪21A,21Bの高い位置合わせ精度によって、回転トルクが小さい滑らかな回転が得られ、クロスローラ軸受を長寿命化できる。また、位置合わせ機能(円筒穴部と位置決めピン)と締結機能(締結ボルトと雌ねじ部)とを分離して構成したので、互いの機能を阻害することがない。
【0019】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態のクロスローラ軸受10について図4図6を参照して説明する。
本実施形態のクロスローラ軸受10の内輪20は、第1実施形態の内輪20と同様に、軸方向中央で分割された2つの分割輪21A、21Bを備える。
【0020】
一方の分割輪21Aには、図5(a)及び図6(a)に示すように、平面視で、一方の分割輪21Aの中心軸Xを中心とする仮想円上の180°対角位置に、一対の第1の円筒穴部29A、29B及びザグリ穴24が形成される。また、一対の第1の円筒穴部29A、29Bの周囲には、円周方向に30°間隔で10個の貫通孔23及びザクリ穴24が等間隔で同心円上に形成されている。
【0021】
他方の分割輪21Bには、図5(b)及び図6(a)に示すように、一対の第1の円筒穴部29A、29Bにそれぞれ対応する180°対角位置に、第2の円筒穴部30A、30B及び雌ねじ部26が形成されている。また、一方の分割輪21Aの貫通孔23に対応して、第2の円筒穴部30A、30Bの周囲には円周方向に30°間隔で10個の雌ねじ部26が同心円上に形成されている。
【0022】
一方の分割輪21A及び他方の分割輪21Bは、図6(b)に示すリーマボルト36が一対の第1の円筒穴部29A、29B及び第2の円筒穴部30A、30Bに挿通して組み付けられる。即ち、リーマボルト36の円筒部37が一方の分割輪21Aの一対の第1の円筒穴部29A、29B、及び他方の分割輪21Bの一対の第2の円筒穴部30A、30Bに嵌合して一方の分割輪21Aと他方の分割輪21Bとを位置合わせする。
【0023】
そして、リーマボルト36の雄ねじ部39を他方の分割輪21Bの雌ねじ部26に螺合して組み付ける。さらに、不図示の複数の締結ボルトを一方の分割輪21Aの貫通孔23に挿通し、他方の分割輪21Bの雌ねじ部26に螺合して一方の分割輪21Aと他方の分割輪21Bとを固定する。
したがって、一対の分割輪21A,21Bは、円周方向に等間隔に配置された複数の締結ボルトと2本のリーマボルト36とによって互いに締結されている。
【0024】
このように、リーマボルト36の円筒部37が、一方の分割輪21Aの一対の第1の円筒穴部29A、29B及び他方の分割輪21Bの第2の円筒穴部30A、30Bに嵌合して、一方の分割輪21Aと他方の分割輪21Bが位置合わせされるので、一対の第1の円筒穴部29A、29B及び第2の円筒穴部30A、30Bとリーマボルト36の円筒部37との嵌合は、すきま嵌めの寸法公差に設定することが望ましい。これにより、組み付けの容易性と、適正な位置合わせ精度を両立させることができる。
その他の構成及び作用は、第1実施形態のクロスローラ軸受10と同様であるので、同一部分には、同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0025】
尚、本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。例えば、上記の実施形態では、クロスローラ軸受の内輪を分割輪によって構成したが、これに限定されず、外輪を分割輪によって構成することもできる。
【0026】
例えば、上記実施形態では、本発明の位置決め部材である位置決めピン35及びリーマボルト36は、さらなる省スペース化や一対の分割輪の均等な位置合わせの観点から、一対の第1の円筒穴部22A、22B、29A、29B及び一対の第2の円筒穴部25A、25B、30A、30Bによって、分割輪21A、21Bの中心軸Xを中心とする仮想円上の180°対角位置に配置されている。しかしながら、本発明の2本の位置決め部材の配置は、上記仮想円上の180°対角位置に限定されない。例えば、図7(a)及び(b)に示すように、2本の位置決めピン35は、複数の締結ボルト26が配置される同一円周上(上記仮想円上)の180°対角位置から外れて配置されてもよい。
【0027】
また、図8(a)及び(b)に示すように、2本の位置決めピン35は、上記仮想円上の180°対角位置とする一方、複数の締結ボルト26が配置される同一円周上から径方向にオフセットして配置されてもよい。
さらに、図7(a)及び(b)、図8(a)及び(b)の2本の位置決めピン35の配置は、第2実施形態の2本のリーマボルト36にも適用可能である。
【0028】
以上の通り、本明細書には次の事項が開示されている。
(1) 内周面にV字状の軌道溝を有する外輪と、外周面にV字状の軌道溝を有する内輪と、前記外輪の軌道溝と前記内輪の軌道溝との間に回転軸の向きが交互にクロスするように交差して転動自在に配設される複数の円筒ころ、とを備えるクロスローラ軸受であって、
前記内輪又は外輪は、軸方向中央で分割された一対の分割輪と、前記一対の分割輪の相対位置を位置決めするための2本の位置決め部材と、を備え、
前記2本の位置決め部材は、一方の前記分割輪に形成された一対の第1の円筒穴部と、他方の前記分割輪に形成された一対の第2の円筒穴部とに嵌合する、
クロスローラ軸受。
この構成によれば、省スペース化を図りつつ、一対の分割輪の正確な位置合わせが可能なクロスローラ軸受が得られる。
【0029】
(2) 前記一対の第1の円筒穴部は、平面視で、前記一方の分割輪の中心軸を中心とする仮想円上の180°対角位置に形成され、
前記一対の第2の円筒穴部は、前記第1の円筒穴部に対応して180°対角位置に形成される、
(1)に記載のクロスローラ軸受。
この構成によれば、2本の位置決め部材の配置箇所を特定することで、省スペース化を図りつつ、一対の分割輪の正確な位置合わせが可能なクロスローラ軸受が得られる。
【0030】
(3) 前記位置決め部材は位置決めピンであり、
前記2本の位置決めピンは、前記一方の分割輪の一対の第1の円筒穴部と隙間ばめで嵌合し、前記他方の分割輪の一対の第2の円筒穴部と締りばめで嵌合する、
(1)または(2)に記載のクロスローラ軸受。
この構成によれば、位置決め部材として位置決めピンを用いて、省スペース化を図りつつ、一対の分割輪の正確な位置合わせが可能なクロスローラ軸受が得られる。
【0031】
(4) 前記一対の分割輪は、円周方向に等間隔に配置された複数の締結ボルトによって互いに締結されており、
前記2本の位置決めピンは、円周方向に隣り合う前記締結ボルトの円周方向中間位置に配置されている、(3)に記載のクロスローラ軸受。
この構成によれば、一対の分割輪を円周方向に均等に締結できる。
【0032】
(5) 前記位置決め部材は、同芯に形成された円筒部及び雄ねじ部を備えるリーマボルトであり、
前記他方の分割輪には、前記一対の第2の円筒穴部及び雌ねじ部が形成され、
前記2本のリーマボルトの前記円筒部は、前記一方の分割輪の一対の第1の円筒穴部、及び前記他方の分割輪の一対の第2の円筒穴部と嵌合し、前記2本のリーマボルトの前記雄ねじ部は、前記他方の分割輪の雌ねじ部と螺合する、
(1)または(2)に記載のクロスローラ軸受。
この構成によれば、位置決め部材としてリーマボルトを用いて、省スペース化を図りつつ、一対の分割輪の正確な位置合わせが可能なクロスローラ軸受が得られる。
【0033】
(6) 前記一対の分割輪は、円周方向に等間隔に配置された複数の締結ボルトと前記2本のリーマボルトとによって互いに締結されている、(5)に記載のクロスローラ軸受。
この構成によれば、一対の分割輪を円周方向に均等に締結できる。
【符号の説明】
【0034】
10 クロスローラ軸受
11 外輪
11a 外輪軌道溝(外輪の軌道溝)
20 内輪
20a 内輪軌道溝(内輪の軌道溝)
21A、21B 分割輪
22A、22B 第1の円筒穴部
25A、25B 第2の円筒穴部
26 雌ねじ部
29A、29B 第1の円筒穴部
30A、30B 第2の円筒穴部
35 位置決めピン(位置決め部材)
36 リーマボルト(位置決め部材)
37 リーマボルトの円筒部
39 リーマボルトの雄ねじ部
40 円筒ころ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8