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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024148465
(43)【公開日】2024-10-18
(54)【発明の名称】液体柔軟剤組成物
(51)【国際特許分類】
   D06M 13/152 20060101AFI20241010BHJP
   D06M 13/328 20060101ALI20241010BHJP
   D06M 13/463 20060101ALI20241010BHJP
   D06M 15/647 20060101ALI20241010BHJP
   D06M 15/267 20060101ALI20241010BHJP
   D06M 13/00 20060101ALI20241010BHJP
【FI】
D06M13/152
D06M13/328
D06M13/463
D06M15/647
D06M15/267
D06M13/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023061635
(22)【出願日】2023-04-05
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和5年1月12日及び令和5年1月13日 グランキューブ大阪で開催された会合名「春のプレゼンテーション」における試供品の配布による公開 [刊行物等] 令和5年1月17日及び令和5年1月18日 東京国際フォーラムで開催された会合名「春のプレゼンテーション」における試供品の配布による公開 [刊行物等] 令和5年1月20日 札幌プリンスホテルで開催された会合名「春のプレゼンテーション」における試供品の配布による公開 [刊行物等] 令和5年1月24日 ヒルトン名古屋で開催された会合名「春のプレゼンテーション」における試供品の配布による公開 [刊行物等] 令和5年1月26日 ホテルメトロポリタン仙台で開催された会合名「春のプレゼンテーション」における試供品の配布による公開 [刊行物等] 令和5年2月1日 ホテルオークラ福岡で開催された会合名「春のプレゼンテーション」における試供品の配布による公開 [刊行物等] 令和5年2月21日 国立劇場おきなわで開催された会合名「新製品説明会」における試供品の配布による公開
(71)【出願人】
【識別番号】000006769
【氏名又は名称】ライオン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100123777
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 さつき
(74)【代理人】
【識別番号】100111796
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 博信
(74)【代理人】
【識別番号】100123766
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 七重
(74)【代理人】
【識別番号】100162422
【弁理士】
【氏名又は名称】志村 将
(72)【発明者】
【氏名】海老澤 美佳
(72)【発明者】
【氏名】上田 彩人
(72)【発明者】
【氏名】橋本 亮
【テーマコード(参考)】
4L033
【Fターム(参考)】
4L033AB04
4L033AC02
4L033BA00
4L033BA13
4L033BA46
4L033BA86
4L033CA19
4L033CA60
(57)【要約】      (修正有)
【課題】柔軟剤の風合いを担保しつつ、香料の劣化及び香料由来の変色が起こりにくい柔軟剤組成物を提供する。
【解決手段】下記の(A)~(E)成分:
(A)フェノール系酸化防止剤
(B)アルデヒド系香料
(C)特定のアミン又はアンモニウム化合物
(D)カチオン性水溶性高分子化合物
(E)ポリエーテル変性シリコーン
を含有し、(E)成分の含量が0.5~5質量%であり、25℃でのpHが2.0以上6.0未満である、液体柔軟剤組成物。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記の(A)~(E)成分:
(A)フェノール系酸化防止剤
(B)アルデヒド系香料
(C)下記(C-1)~(C-3)成分から選択されるアミン又はアンモニウム化合物
(C-1)下記式(C1)で表されるアミン化合物又はその塩
(R1は、連結基を有していてもよい炭素数6~24の炭化水素基を表し、R2及びR3は、それぞれ独立して、炭素数1~3のアルキル基又は炭素数1~3のヒドロキシアルキル基を表す。)
(C-2)下記式(C2)で表されるアンモニウム化合物又はその塩
(Raは、炭素数6~24の炭化水素基を表し、Rb及びRcは、それぞれ独立して、炭素数1~3のアルキル基又は炭素数1~3のヒドロキシアルキル基を表し、X-は陰イオンを表す。)
(C-3)下記式(C3)で表される半極性界面活性剤
(R4は、炭素数8~18の、直鎖もしくは分岐鎖の置換もしくは非置換アルキル基又は炭素数8~18の、直鎖もしくは分岐鎖の置換もしくは非置換アルケニル基を表し、R5及びR6は、それぞれ独立に、炭素数1~3のアルキル基又は炭素数1~3のヒドロキシアルキル基を表す。)
(D)カチオン性水溶性高分子化合物
(E)ポリエーテル変性シリコーン
を含有し、(E)成分の含量が0.5~5質量%であり、25℃でのpHが2.0以上6.0未満である、液体柔軟剤組成物。
【請求項2】
(C-2)成分を含み、式(C2)中、Raが炭素数10~18の直鎖アルキル基である、請求項1に記載の液体柔軟剤組成物。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の液体柔軟剤組成物を収容している容器を含む物品であって、前記容器が透明又は半透明な部分を有するプラスチック製ボトル容器であり、前記透明又は半透明な部分が紫外線吸収剤を含む、物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体柔軟剤組成物に関する。詳細には、香料の劣化や香料由来の変色が起こりにくい液体柔軟剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、審美的観点から組成物の外観を透明または半透明にした柔軟剤組成物の開発が行われており、例えば、シリコーンとカチオン性ポリマーを併用した液体柔軟剤組成物が知られている(特許文献1及び2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007-31900号公報
【特許文献2】特開2007-321270号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の技術に対し、シリコーン配合量を低減し、カチオン性ポリマーとモノアルキルカチオンのような特定の界面活性剤を併用することで、従来にはないさらっとした風合いを付与することが可能となることが見出されたが、該技術を活用した組成物にアルデヒド香料を含有している場合、日光曝露条件下で組成物が変色し、香気も劣化してしまうことが見出された。
従って、本発明の課題は、柔軟剤の風合いを担保しつつ、香料の劣化及び/又は香料由来の変色が起こりにくい柔軟剤組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この課題に対し、鋭意検討した結果、組成物中に酸化防止剤を含有し、pHを2以上6未満とすることで、組成物の変色及び香りの劣化を抑制できることを見出した。
本発明は、例えば、下記〔1〕~〔3〕に関するものである。
〔1〕下記の(A)~(E)成分:
(A)フェノール系酸化防止剤
(B)アルデヒド系香料
(C)下記(C-1)~(C-3)成分から選択されるアミン又はアンモニウム化合物
(C-1)下記式(C1)で表されるアミン化合物又はその塩
【化1】
(R1は、連結基を有していてもよい炭素数6~24の炭化水素基を表し、R2及びR3は、それぞれ独立して、炭素数1~3のアルキル基又は炭素数1~3のヒドロキシアルキル基を表す。)
(C-2)下記式(C2)で表されるアンモニウム化合物又はその塩
【化2】
(Raは、炭素数6~24の炭化水素基を表し、Rb及びRcは、それぞれ独立して、炭素数1~3のアルキル基又は炭素数1~3のヒドロキシアルキル基を表し、X-は陰イオンを表す。)
(C-3)下記式(C3)で表される半極性界面活性剤
【化3】
(R4は、炭素数8~18の、直鎖もしくは分岐鎖の置換もしくは非置換アルキル基又は炭素数8~18の、直鎖もしくは分岐鎖の置換もしくは非置換アルケニル基を表し、R5及びR6は、それぞれ独立に、炭素数1~3のアルキル基又は炭素数1~3のヒドロキシアルキル基を表す。)
(D)カチオン性水溶性高分子化合物
(E)ポリエーテル変性シリコーン
を含有し、(E)成分の含量が0.5~5質量%であり、25℃でのpHが2.0以上6.0未満である、液体柔軟剤組成物。
〔2〕(C-2)成分を含み、式(C2)中、Raが炭素数10~18の直鎖アルキル基である、前記〔1〕に記載の液体柔軟剤組成物。
〔3〕前記〔1〕又は〔2〕に記載の液体柔軟剤組成物を収容している容器を含む物品であって、前記容器が透明又は半透明な部分を有するプラスチック製ボトル容器であり、前記透明又は半透明な部分が紫外線吸収剤を含む、物品。
【発明の効果】
【0006】
本発明の一態様によれば、柔軟剤の風合いを担保しつつ、香料の劣化が起こりにくい柔軟剤組成物を提供することができる。
本発明の一態様によれば、柔軟剤の風合いを担保しつつ、香料由来の変色が起こりにくい柔軟剤組成物を提供することができる。
本発明の一態様によれば、柔軟剤の風合いを担保しつつ、香料の劣化及び香料由来の変色が起こりにくい柔軟剤組成物を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0007】
[(A)成分]
本発明の液体柔軟剤組成物において、(A)成分はフェノール系酸化防止剤であり、香料成分の酸化による変色を抑制するために配合される。
本発明の液体柔軟剤組成物に含まれる(A)成分であるフェノール系酸化防止剤としては、一般に酸化防止効果が知られている化合物であれば、特に限定されるものではない。(A)成分は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。(A)成分の具体的な化合物としては、例えば、3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシトルエン(BHT)、t-ブチル-p-ヒドロキシアニソール(BHA)、2,2’-エチリデンビス(4,6-ジ-t-ブチルフェノール)、p-メトキシフェノール、γ-オリザノール、β-ナフトール等が挙げられ、これらの中では、3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシトルエン、t-ブチル-p-ヒドロキシアニソール、2,2’-エチリデンビス(4,6-ジ-t-ブチルフェノール)及びp-メトキシフェノールから選ばれる少なくとも1種が好ましい。より好ましくは3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシトルエン、t-ブチル-p-ヒドロキシアニソール、p-メトキシフェノールであり、さらに好ましくは3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシトルエンである。
(A)成分の配合量は、配合目的を達成できる量である限り特に限定されないが、液体柔軟剤組成物の総質量に対し、好ましくは0.001~0.2質量%であり、より好ましくは0.005~0.15質量%であり、さらに好ましくは0.005~0.1質量%であり、最も好ましくは0.005~0.05質量%である。(A)成分の配合量を0.001~0.2質量%の範囲内とすることで、より良好な酸化防止効果を発揮し、香料成分の酸化による変色をより良好に抑制し得る。
【0008】
[(B)成分]
本発明の液体柔軟剤組成物において、(B)成分はアルデヒド系香料であり、衣類等の繊維や液体柔軟剤組成物自体に香りを付与するため、また洗濯中の空間への香りの拡散性を高めるために配合される。
(B)成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ウンデシレンアルデヒド、ラウリルアルデヒド、アルデヒドC-12MNA、ミラックアルデヒド、α-アミルシンナミックアルデヒド、シクラメンアルデヒド、シトラール、シトロネラール、エチルバニリン、ヘリオトロピン、アニスアルデヒド、α-ヘキシルシンナミックアルデヒド、オクタナール、リグストラール、リリアール、リラール、トリプラール、バニリンや、ヘリオナールなどが挙げられる。これらのアルデヒド系香料は、市場において容易に入手することができるか、または公知の方法により調製可能である。
好ましくは、(B)成分は、シトラール、シトロネラール、エチルバニリン、アニスアルデヒド、α-ヘキシルシンナミックアルデヒド、リリアール、リラール、トリプラール、及び/又はバニリンである。これらのアルデヒド系香料成分を用いると、液体柔軟剤組成物の変色抑制効果をより認識し得る。
(B)成分は、いずれか1種が単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。また、(B)成分は、他の香料成分とともに用いられてもよく、他の香料成分と組み合わせて香料組成物中に配合されたものであってもよい。
【0009】
(B)成分の配合量は、配合目的を達成できる量である限り特に限定されないが、液体柔軟剤組成物の総質量に対し、好ましくは0.02~0.3質量%であり、より好ましくは0.05~0.2質量%であり、さらに好ましくは0.05~0.15質量%であり、最も好ましくは0.06~0.13質量%である。(B)成分の配合量が0.02質量%以上であると、アルデヒド系香料による液体柔軟剤組成物への香りの付与を十分に達成し得る。(B)成分の配合量が0.3質量%以下であると、液体柔軟剤組成物の香料由来の変色をより良好に抑制し得る。
本発明の液体柔軟剤組成物における、(B)成分に対する(A)成分の質量比(A)/(B)は、特に限定されないが、好ましくは0.03~1.5であり、より好ましくは0.05~1.0であり、さらに好ましくは0.1~0.5である。(A)/(B)が0.03以上であると、香気の劣化をより抑制し得る。(A)/(B)が1.5以下であると、液体柔軟剤組成物の変色をより抑制し得る。
【0010】
[(C)成分]
本発明の液体柔軟剤組成物において、(C)成分は、下記(C-1)~(C-3)成分から選択されるアミン又はアンモニウム化合物であり、保存安定性や、風合いを向上させるために配合される。
【0011】
<(C-1)成分>
(C-1)成分は、下記式(C1)で表されるアミン化合物又はその塩である。
【化4】
(R1は、連結基を有していてもよい炭素数6~24の炭化水素基を表し、R2及びR3は、それぞれ独立して、炭素数1~3のアルキル基又は炭素数1~3のヒドロキシアルキル基を表す。)
【0012】
式(C1)におけるR1の炭化水素基が連結基を有さない場合、その炭素数は8~18が好ましく、10~16がさらに好ましい。
式(C1)におけるR1の炭化水素基が連結基を有する場合、その炭素数は8~24が好ましく、10~18がさらに好ましい。式(C1)におけるR1の炭化水素基が連結基を有する場合、連結基に含まれる炭素数は、炭化水素基の炭素数には含めない。
ここで、炭化水素基が「連結基を有する」とは、炭化水素基中の炭素原子間に連結基が介在していることを意味する。前記炭化水素基が有していてもよい連結基としては、アミド基(-CO-NH-)、エステル基(-CO-O-)、エーテル基(-O-)等が挙げられる。
式(C1)におけるR1の炭化水素基は、脂肪族炭化水素基であることが好ましい。該炭化水素基は、直鎖状であっても分岐状であってもよく、直鎖状であることが好ましい。また、該炭化水素基は、飽和であっても不飽和であってもよく、飽和炭化水素基であることが好ましい。
式(C1)におけるR2は、好ましくは、メチル基又はヒドロキシエチル基である。
式(C1)におけるR3は、好ましくは、メチル基又はヒドロキシエチル基である。
【0013】
アミン化合物の塩としては、無機酸塩であっても有機酸塩であってもよい。例えば、アミン化合物の塩として塩酸塩や酢酸塩が挙げられ、塩酸塩が好ましい。
(C-1)成分の具体例としては、例えば、デシルトリメチルアミン、ドデシルトリメチルアミン、テトラデシルトリメチルアミン、ヘキサデシルトリメチルアミン、オクタデシルトリメチルアミン、ヤシアルキル(アルケニル)トリメチルアミン、デシルトリメチルアミン塩酸塩、ドデシルトリメチルアミン塩酸塩、テトラデシルトリメチルアミン塩酸塩、ヘキサデシルトリメチルアミン塩酸塩、オクタデシルトリメチルアミン塩酸塩、ヤシアルキル(アルケニル)トリメチルアミン塩酸塩、ヤシアルキル(アルケニル)トリメチルアミン酢酸塩等が挙げられる。
1の炭化水素基が連結基を有する場合、(C-1)成分として、カプリル酸ジメチルアミノプロピルアミド、カプリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ラウリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ミリスチン酸ジメチルアミノプロピルアミド、パルミチン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、オレイン酸ジメチルアミノプロピルアミド等が挙げられる。
(C-1)成分は、市場において容易に入手可能であるか、又は、公知の方法によって合成可能である。(C-1)成分は、1種類の式(C1)で表される化合物を単独で用いてもよく、2種類以上の化合物からなる混合物として用いてもよい。
【0014】
<(C-2)成分>
(C-2)成分は、下記式(C2)で表されるアンモニウム化合物又はその塩である。
【化5】
(Raは、炭素数6~24の炭化水素基を表し、Rb及びRcは、それぞれ独立して、炭素数1~3のアルキル基又は炭素数1~3のヒドロキシアルキル基を表し、X-は陰イオンを表す。)
【0015】
式(C2)におけるRaの炭化水素基は、炭素数8~18であることが好ましく、炭素数10~16であることがさらに好ましい。
式(C2)におけるRaの炭化水素基は、脂肪族炭化水素基であることが好ましい。該炭化水素基は、直鎖状であっても分岐状であってもよく、直鎖状であることが好ましい。また、該炭化水素基は、飽和であっても不飽和であってもよく、飽和炭化水素基であることが好ましい。
式(C2)におけるRbは、好ましくは、メチル基、エチル基又はヒドロキシエチル基であり、より好ましくは、メチル基である。
式(C2)におけるRcは、好ましくは、メチル基、エチル基又はヒドロキシエチル基であり、より好ましくは、メチル基である。
式(C2)において、Raの炭化水素基の炭素数は12、かつRb及びRcがメチル基であることがより好ましい。
式(C2)におけるXとしては、例えば、メチル硫酸、エチル硫酸、臭素や塩素等が挙げられ、好ましくは、塩素である。
【0016】
(C-2)成分は、市場において容易に入手可能であるか、又は、公知の方法によって合成可能である。(C-2)成分は、1種類の式(C2)で表される化合物を単独で用いてもよく、2種類以上の化合物からなる混合物として用いてもよい。
(C-2)成分の具体例としては、例えば、オクチルトリメチルアンモニウムクロライド、塩化デシルトリメチルアンモニウム、塩化ドデシルトリメチルアンモニウム、塩化テトラデシルトリメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウムや、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム等が挙げられ、塩化デシルトリメチルアンモニウム、塩化ドデシルトリメチルアンモニウム、塩化テトラデシルトリメチルアンモニウム及び塩化セチルトリメチルアンモニウムが好ましく、塩化セチルトリメチルアンモニウムが更に好ましい。
【0017】
<(C-3)成分>
(C-3)成分は、下記式(C3)で表される半極性界面活性剤である。
【化6】
(R4は、炭素数8~18の、直鎖もしくは分岐鎖の置換もしくは非置換アルキル基又は炭素数8~18の、直鎖もしくは分岐鎖の置換もしくは非置換アルケニル基を表し、R5及びR6は、それぞれ独立に、炭素数1~3のアルキル基又は炭素数1~3のヒドロキシアルキル基を表す。)
【0018】
式(C3)におけるR4で表されるアルキル基及びアルケニル基は、ヒドロキシル基、ヒドロキシアルキル基等の置換基を任意に含んでもよい。
式(C3)におけるR4で表されるアルキル基及びアルケニル基の炭素数は、8~18であり、好ましくは10~16、より好ましくは12~14、さらに好ましくは12である。
式(C3)におけるR5としては、メチル基又はエチル基が好ましい。
式(C3)におけるR6としては、メチル基又はエチル基が好ましい。
(C-3)成分としては、例えば、アルキル又はアルケニルジメチルアミンオキシドや、アルキル又はアルケニルアミドプロピルジメチルアミンオキシドが好ましく、アルキル又はアルケニルジメチルアミンオキシドがより好ましく、アルキルジメチルアミンオキシドがさらに好ましい。
なかでも、式(C3)において、R4が炭素数12のアルキル基であり、R5及びR6が共にメチル基であるアルキルジメチルアミンオキシドが特に好ましい。
(C-3)成分は、市場において容易に入手可能であるか、又は、公知の方法によって合成可能である。(C-3)成分は、1種類の式(C3)で表される化合物を単独で用いてもよく、2種類以上の化合物からなる混合物として用いてもよい。
【0019】
(C)成分の配合量は、配合目的を達成できる量である限り特に限定されないが、液体柔軟剤組成物の総質量に対し、好ましくは0.05~2質量%であり、より好ましくは0.2~2質量%であり、さらに好ましくは0.5~2質量%であり、最も好ましくは0.5~1.5質量%である。(C)成分の配合量を0.05~2質量%の範囲内とすることで、風合い(さらっと感)をより良好なものとすることができる。また、(C)成分の配合量が2質量%以下であると、液体柔軟剤組成物の変色をより良好に抑制し得る。
【0020】
[(D)成分]
本発明の液体柔軟剤組成物において、(D)成分は、カチオン性水溶性高分子化合物であり、(E)成分のポリエーテル変性シリコーンを繊維へ吸着させる効果を有する。
カチオン性水溶性高分子化合物としては、水に溶解した時にカチオン性を有するものを使用し得るが、特には、アミノ基、アミン基、及び第4級アンモニウム基から選ばれる1種以上のカチオン性基を有する水溶性高分子化合物が好ましい。カチオン性水溶性高分子化合物は、低分子量のカチオン性界面活性剤に比べて、香料成分を繊維表面に吸着させる効果が高いため好ましい。
(D)成分のカチオン性水溶性高分子化合物は、カチオン化度が0.1%以上のものが好ましく、例えば0.1~35であるのがよく、特に1.5%以上が好ましく、例えば2.0~15であるのがよい。カチオン化度がこのような条件を満たすことにより、共存するポリエーテル変性シリコーンを繊維へ吸着させる効果を優秀なものとすることができ、かつ、多量の配合が必要となって経済的でないケースを防止することができる。
【0021】
ここで、カチオン化度とは、高分子化合物がカチオン性モノマーの重合体、カチオン性モノマーとノニオン性モノマーの共重合体、及びノニオン性重合体の一部をカチオン性基で変性又は置換したもの(カチオン化セルロースなど)の場合には下記数式(1)により、また、高分子化合物がカチオン性モノマーとアニオン性モノマーの共重合体、及びカチオン性モノマーとアニオン性モノマーとノニオン性モノマーの共重合体の場合には、下記数式(2)により算出される値と定義する。
カチオン化度(%)=X×Y×100 ・・・数式(1)
[X:高分子化合物のカチオン性基中のカチオン化された原子(窒素等)の原子量
Y:高分子化合物1g中に含まれるカチオン性基のモル数]
カチオン化度(%)=X×(Y-Z)×100 ・・・数式(2)
[X:高分子化合物のカチオン性基中のカチオン化された原子(窒素等)の原子量
Y:高分子化合物1g中に含まれるカチオン性基のモル数
Z:高分子化合物1g中に含まれるアニオン性基のモル数
(Zのアニオン性基とは、高分子鎖中のモノマー単位に含まれるカルボキシル基、スルホン酸基などが挙げられる。具体的には、アクリル酸中のカルボン酸などである。ただし、カチオン性基の対イオンは含まない。)]
【0022】
カチオン化度の算出例として、下記式(III)で表されるマーコート(MERQUAT)280(日本ルーブリゾール社製)の場合を示す。
X:14(窒素原子の原子量)
Y:4.95×10-3(カチオン性基の1g中の重量:0.8gとカチオン性基の分子量より算出)
Z:2.78×10-3(アニオン性基の1g中の重量:0.2gとアニオン性基の分子量より算出)
式(2)より、
カチオン化度(%)=
14×(4.95×10-3-2.78×10-3)×100=3.0
である。
【0023】
【化7】
【0024】
m:n=65:35
塩化ジメチルジアリルアンモニウムとアクリル酸との質量比=80:20
よって、上記記載のカチオン化度の算出法によれば、ノニオン性モノマーの重合体やアニオン性モノマーの重合体のカチオン化度は0となる。
【0025】
(D)成分の水溶性高分子は、ポリエチレングリコールを標準物質としてゲルパーメーションクロマトグラフィ法で測定される重量平均分子量が、1,000~5,000,000であることが好ましく、より好ましくは3,000~1,000,000であり、さらに好ましくは5,000~500,000である。これにより臭気を良好に防止することができ、かつ、粘度の上昇を抑えて使用性を優秀なものとすることが可能となる。
(D)成分の例としては、Noverite310(日本ルーブリゾール社製)、マーコート(MERQUAT)100(日本ルーブリゾール社製)、アデカカチオエースPD-50((株)ADEKA製)、ダイドールEC-004、ダイドールHEC、ダイドールEC(大同化成工業(株)製)等の塩化ジメチルジアリルアンモニウムの重合体、マーコート(MERQUAT)550、JL5(日本ルーブリゾール社製)等の塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド共重合体、マーコート(MERQUAT)280(日本ルーブリゾール社製)、MERQUAT295(日本ルーブリゾール社製)等の塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリル酸共重合体、レオガードKGP(ライオン(株)製)等のカチオン化セルロース、ルビカット(LUVIQUAT)-FC905(BASF社製)等の塩化イミダゾリニウム・ビニルピロリドン共重体、ルガルバン(LUGALVAN)-G15000(BASF社製)等のポリエチレンイミン、ポバールCM318((株)クラレ製)等のカチオン化ポリビニルアルコール、キトサン等のアミノ基を有する天然系の高分子誘導体、ジエチルアミノメタクリレート・エチレンオキシド等が付加された親水基を有するビニルモノマーとの共重合体等が挙げられるが、水に溶解時にカチオン性を有する高分子化合物であればよく、本例に限定されるものではない。
この中で、シリコーンの付与する柔軟性などの風合いを妨げない観点から、(B)成分単独で吸着した時に繊維に付与する剛性の小さいものが好ましい。塩化ジメチルジアリルアンモニウムの重合体、塩化イミダゾリニウム・ビニルピロリドン共重体、カチオン化セルロースが好ましい。
特に好ましい高分子としては、下記一般式(IV)に示すジメチルジアリルアンモニウム塩を重合して得られるカチオン性高分子である。この高分子の構造は、通常、下記一般式(V)又は下記一般式(VI)で表わされる。また、一般式(V)の構造単位と一般式(VI)の構造単位が共に含まれていてもよい。
【0026】
【化8】
(式中X-は、塩化物イオン、臭化物イオンなどの任意の陰イオンを示す。)
【0027】
【化9】
【0028】
【化10】
【0029】
式中、c、dは、各々平均重合度であり、各々6~30000の範囲であることが好ましく、より好ましくは20~6000、さらに好ましくは30~3000の範囲である。
このような高分子の例としては、Noverite310(日本ルーブリゾール社製)、マーコート(MERQUAT)100(日本ルーブリゾール社製)、アデカカチオエースPD-50((株)ADEKA製)、ダイドールEC-004、ダイドールHEC、ダイドールEC(大同化成工業(株)製)等が挙げられる。
(D)成分としては、上記のカチオン性水溶性高分子化合物を1種単独で用いてもよいし、混合物として用いることもできる。
(D)成分の配合量は、配合目的を達成できる量である限り特に限定されないが、繊維製品に剛性を付与しない範囲のものとするのが好ましく、例えば、液体柔軟剤組成物の総質量に対し、好ましくは0.1~15質量%であり、より好ましくは0.5~10質量%であり、さらに好ましくは1.0~5.0質量%であり、最も好ましくは2.0~4.0質量%である。(D)成分の配合量を0.1~15質量%の範囲内とすることで、シリコーン化合物((E)成分)の繊維製品表面への吸着を促し、風合い(さらっと感)をより良好なものとすることができる。
本発明の液体柔軟剤組成物における、(D)成分に対する(C)成分の質量比(C)/(D)は、特に限定されないが、好ましくは0.1~1.5であり、より好ましくは0.1~0.8であり、さらに好ましくは0.2~0.5である。(C)/(D)が0.1~1.5の範囲内であると、風合いを良好なものとし、また、液体柔軟剤組成物の変色をより抑制し得る。
【0030】
[(E)成分]
本発明の液体柔軟剤組成物において、(E)成分は、ポリエーテル変性シリコーンであり、柔軟性付与のため、及び液体柔軟剤組成物を透明ないし半透明とするために配合される。
なお、本明細書において、透明とは、測定セルの光路長10mmのガラスセルを使用し、対照側セルにイオン交換水を入れた場合に、660nmの波長の光透過率が95%以上であることを意味し、半透明とは、前記透過率が30%以上95%未満であることを意味する。該シリコーンは、ポリエーテル基を有しないジメチルシリコーンに比べ、キシミ感が少なく良好な柔軟性を有するとともに、透明な液体柔軟剤組成物を得るのに好適である。
好ましいポリエーテル変性シリコーンとしては、アルキル(炭素数1~3)シロキサンとポリオキシアルキレン(アルキレン基の炭素数2~5が好ましい)の共重合体が挙げられる。このうち、ジメチルシロキサンとポリオキシアルキレン(ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとのランダム又はブロック共重合体など)の共重合体が好ましい。このようなものとして、下記一般式(I)又は(II)で表される化合物が挙げられる。
【0031】
【化11】
(式中、M、N、a及びbは平均重合度であり、Rは水素又はアルキル基を表す。)
ここで、Mは10~10000、好ましくは50~1000、より好ましくは100~300、Nは1~1000、好ましくは5~300、より好ましくは5~100、かつM>Nであることが好ましく、aは2~100、好ましくは5~50、より好ましくは5~20、bは0~50、好ましくは0~10である。Rとしては水素又は炭素数1~4のアルキル基が好ましく、水素であるのがより好ましい。
上記一般式(I)で表されるポリエーテル変性シリコーンは、一般に、Si-H基を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンと、例えばポリオキシアルキレンアリルエーテル等の、炭素-炭素二重結合を末端に有するポリオキシアルキレンアルキルエーテルとを付加反応させることにより製造することができる。
【0032】
【化12】
(式中、A、B、h、及びiは平均重合度であり、Rはアルキル基を表し、R’は水素又はアルキル基を表す。)
ここで、Aは5~10000、Bは2~10000であることが好ましく、hは2~100、iは0~50が好ましい。Rとしては炭素数1~5のアルキル基が好ましい。R’としては水素又は炭素数1~4のアルキル基が好ましい。また、式(II)で表わされるブロック共重合体の重量平均分子量は、柔軟性、滑らかさの観点から15,000~100,000,000であることが好ましい。
上記線状ポリシロキサン-ポリオキシアルキレンブロック共重合体は、反応性末端基を有するポリオキシアルキレン化合物と、該化合物の反応性末端基と反応する末端基を有するジヒドロカルビルシロキサンとを反応させることにより製造することができる。
【0033】
本発明で用いることのできるポリエーテル変性シリコーンオイルの具体的な例としては、東レ・ダウ コーニング(株)製のCF1188N、BY22-029、SH3772M、SH3775M、SH3748、SH3749、SF8410、SH8700、BY22-008、SF8421、SILWET L-7001、SILWET L-7002、SILWET L-7602、SILWET L-7604、SILWET FZ-2104、SILWET FZ-2120、SILWET FZ-2161、SILWET FZ-2162、SILWET FZ-2164、SILWET FZ-2171、SILWET FZ2222、ABN SILWET FZ-F1-009-01、ABN SILWET FZ-F1-009-02、ABN SILWET FZ-F1-009-03、ABN SILWET FZ-F1-009-05、ABN SILWET FZ-F1-009-09、ABN SILWET FZ-F1-009-11、ABN SILWET FZ-F1-009-13、ABN SILWET FZ-F1-009-54、ABN SILWET FZ-2222、信越化学工業(株)製のKF352A、KF6008、KF615A、KF6016、KF6017、GE東芝シリコーン(株)製のTSF4450、TSF4452等が挙げられ、これらを1種単独で又は2種以上の混合物として用いることができる。
(E)成分の配合量は、液体柔軟剤組成物の総質量に対し、0.5~5質量%であり、好ましくは0.5~4.0質量%であり、より好ましくは1.0~4.0質量%である。(E)成分の配合量を0.5~5質量%の範囲内とすることで、風合い(さらっと感)をより良好なものとすることができる。
【0034】
[(F)成分]
本発明の液体柔軟剤組成物において、(F)成分としてノニオン界面活性剤を配合してもよい。
(F)成分のノニオン性界面活性剤としては、例えば炭素数8~20のアルキル基又はアルケニル基を1つ以上有するポリオキシアルキレンアルキルエーテルが好ましく、特にオキシアルキレン基が平均2~50モル付加されたものが好ましい。さらに下記一般式(IV)で表されるノニオン性界面活性剤が好ましい。
1-T-[(R2O)p-H]q (F1)
(式中、R1は、炭素数10~18、好ましくは12~18のアルキル基又はアルケニル基であり、R2は炭素数2又は3のアルキレン基であり、好ましくはエチレン基である。pは平均付加モル数であり、2~50、好ましくは5~30、特に好ましくは5~20の数を示す。Tは-O-、-N-、-NH-、-N(C24OH)-、-CON-、-CONH-又はCON(C24OH)-であり、Tが-O-、-NH-、-N(C2H4OH)-、-CONH-、又は-CON(C24OH)-の場合は、qは1であり、Tが-N-又は-CON-の場合は、qは2である。)
【0035】
上記一般式(F1)の化合物の具体例として、下記一般式(F2)、(F3)で表される化合物を挙げることができる。
1-O-(C24O)r-H (F2)
(式中、R1は前記と同じ意味であり、rは平均付加モル数であり、2~50、好ましくは5~30の数である。)
1-O-(C24O)s(C36O)t-H (F3)
(式中、R1は前記と同じ意味であり、s及びtは平均付加モル数であり、sは2~40、好ましくは5~30の数であり、tは1~20、好ましくは1~10の数である。(C24O)と(C36O)はランダム又はブロック付加体であってもよい。)
【0036】
(F)成分の具体例としては、例えば、ノニルアルコールにEOを平均9モル及びPOを平均1モル付加した物、一級イソノニルアルコールの平均EO40モル付加物、一級イソデシルアルコールの平均EO20モル付加物、一級イソトリデシルアルコールの平均EO7モル付加物、トリデシルアルコールの平均EO50モル付加物や、ラウリン酸の平均EO20モル付加物等が挙げられる。市販品としては、日本エマルジョン製エマレックスシリーズ、三洋化成製エマルミンシリーズ、ライオンスペシャリティケミカルズ製TDAシリーズ、日本触媒製ソフタノールシリーズや、BASF社製LUTENSOLシリーズ等が挙げられる。
(F)成分の配合量は、特に限定されないが、液体柔軟剤組成物の総質量に対し、好ましくは0.1~10質量%であり、より好ましくは0.5~7.0質量%であり、さらに好ましくは1.0~6.0質量%であり、最も好ましくは2.0~4.0質量%である。(F)成分の配合量を0.1質量%以上とすると、低温条件下において組成物の白濁や分離の発生を抑制し得る。(F)成分の配合量を10質量%以下とすると、組成物の粘度の著しい上昇を防ぎ、計量時などのハンドリング性の低下を抑制し得る。
【0037】
[(G)成分]
本発明の液体柔軟剤組成物において、(G)成分として溶剤を配合してもよい。
本発明の液体柔軟剤組成物は、水混和性溶剤を含有することで、液体安定性をより良好にでき、液体柔軟剤組成物の流動性を良好にすることができる。
水混和性有機溶剤としては、例えば、炭素数2~4の一価アルコール、炭素数2~4の多価アルコール、下記一般式(G1)で表されるグリコールエーテル系溶剤等が挙げられる。
1-(OR2wOH ・・・(G1)
式(G1)中、R1は水素、炭素数1~6のアルキル基又はフェニル基であり、R2は炭素数2~4のアルキレン基であり、wは平均付加モル数を表し、1~30000の数である。
【0038】
炭素数2~4の一価アルコールとしては、例えば、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、1-ブタノール等が挙げられる。
炭素数2~4の多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、グリセリン等が挙げられる。
式(G1)で表されるグリコールエーテル系溶剤としては、例えば、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等が挙げられる。
式(G1)において、R1が水素である化合物としては、ポリエチレングリコールが挙げられる。ポリエチレングリコールとしては、式(G1)におけるwが5以上のものが好ましい。また、ポリエチレングリコールの質量平均分子量は、200~1320000が好ましく、200~5000がより好ましく、200~2000がさらに好ましく、200~1000が特に好ましい。これらの中でも、質量平均分子量が1000(wが22~24)のポリエチレングリコールが特に好ましい。なお、ポリエチレングリコールの質量平均分子量は、溶媒としてメタノールを用いてGPCにより測定した値を、ポリエチレングリコールにおける較正曲線に基づいて算出した値を示す。
【0039】
水混和性溶剤としては、これらの中でも、流動性に優れる点、臭気の穏やかな点、原料の入手のしやすさの点から、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコールモノブチルエーテルが好ましく、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールがより好ましい。
水混和性溶剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
液体柔軟剤組成物が、水混和性溶剤を含有する場合、水混和性溶剤の含有量は、液体柔軟剤組成物の総質量に対して、1.0~10質量%が好ましく、2.0~5.0質量%がより好ましい。水混和性溶剤の含有量が上記数値範囲内であると、液体安定性をより良好にしやすい。
【0040】
[(H)成分]
本発明の液体柔軟剤組成物において、繊維製品に香気を付与するために、(H)成分としてアルデヒド系香料以外の香料成分を含む香料組成物を配合してもよい。
本発明の液体柔軟剤組成物に配合され得る香料組成物の種類に特に制限はなく、液体柔軟剤組成物に一般的に使用される香料成分を1種類以上含む香料組成物から、目的に応じて適宜選択することができる。
香料成分の具体例としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、フェノール類、アルコール類、エーテル類、エステル類、ハイドロカーボン類、ケトン類、ラクトン類、ムスク類、テルペン骨格を有する香料、ニトリル類、天然香料、動物性香料などが挙げられる。
各香料の具体例は以下の通りである。
フェノール類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、オイゲノールや、イソオイゲノールなどが挙げられる。
アルコール類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シトロネロール、ジハイドロミルセノール、ジハイドロリナロール、ゲラニオール、リナロール、ネロール、サンダロール、サンタレックス、ターピネオール、テトラハイドロリナロール、メントール、ボルネオール、1-デカナール、バクダノールや、フェニルエチルアルコールなどが挙げられる。
エーテル類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、セドランバー、グリサルバ、メチルオイゲノールや、メチルイソオイゲノールなどが挙げられる。
エステル類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シス-3-ヘキセニルアセテート、シス-3-ヘキセニルプロピオネート、シス-3-ヘキセニルサリシレート、p-クレジルアセテート、p-t-ブチルシクロヘキシルアセテート、アミルアセテート、メチルジヒドロジャスモネート、アミルサリシレート、ベンジルサリシレート、ベンジルベンゾエート、ベンジルアセテート、セドリルアセテート、シトロネリルアセテート、デカハイドロ-β-ナフチルアセテート、ジメチルベンジルカルビニルアセテート、エリカプロピオネート、エチルアセトアセテート、エリカアセテート、ゲラニルアセテート、ゲラニルフォーメート、ヘディオン、リナリルアセテート、β-フェニルエチルアセテート、ヘキシルサリシレート、スチラリルアセテート、ターピニルアセテート、ベチベリルアセテート、o-t-ブチルシクロヘキシルアセテート、マンザネートや、アリルヘプタノエートなどが挙げられる。
ハイドロカーボン類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、リモネン(特に、d-リモネン)、α-ピネン、β-ピネン、ミルセン、カンフェンや、テルピノーレン等が挙げられる。
ケトン類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、α-ヨノン、β-ヨノン、メチル-β-ナフチルケトン、α-ダマスコン、β-ダマスコン、δ-ダマスコン、ダマセノン、シス-ジャスモン、メチルヨノン、アリルヨノン、カシュメラン、ジハイドロジャスモン、イソイースーパー、ベルトフィックス、イソロンジフォラノン、コアボン、カルボン、ローズフェノン、ラズベリーケトン、ダイナスコンやマルトールなどが挙げられる。
ラクトン類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、γ-デカラクトン、γ-ウンデカラクトン、γ-ノナラクトン、γ-ドデカラクトン、クマリンや、アンブロキサンなどが挙げられる。
ムスク類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シクロペンタデカノライド、エチレンブラシレート、ガラクソライド、ムスクケトン、トナリッド、トナライドや、ニトロムスク類などが挙げられる。
テルペン骨格を有する香料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ゲラニオール(ゼラニオール)、ネロール、リナロール、シトラール、シトロネロール、メントール、ミント、シトロネラール、ミルセン、α-ピネン、β-ピネン、リモネン、テレピネロール、カルボン、ヨノン(例えばβ-ヨノン)、カンフェンや、ボルネオールなどが挙げられる。
ニトリル類の例としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ペオニールやゲラニルニトリル等が挙げられる。
天然香料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、オレンジ油、レモン油、ライム油、プチグレン油、ユズ油、ネロリ油、ベルガモット油、ラベンダー油、ラバンジン油、アビエス油、アニス油、ベイ油、ボアドローズ油、イランイラン油、シトロネラ油、ゼラニウム油、ペパーミント油、ハッカ油、スペアミント油、ユーカリ油、レモングラス油、パチュリ油、ジャスミン油、ローズ油、シダー油、ベチバー油、ガルバナム油、オークモス油、パイン油、樟脳油、白檀油、芳樟油、テレピン油、クローブ油、クローブリーフ油、カシア油、ナツメッグ油、カナンガ油や、タイム油などの精油が挙げられる。
動物性香料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、じゃ香、霊猫香、海狸香や、竜涎香などが挙げられる。
【0041】
(H)成分としては、ケトン類及びハイドロカーボン類の香料成分を含有する香料組成物が好ましい。この好ましい香料組成物の具体例としては、下記の香料成分を含むものが挙げられる。
ケトン類
α-ヨノン、β-ヨノン、メチル-β-ナフチルケトン、α-ダマスコン、β-ダマスコン、δ-ダマスコン、シス-ジャスモン、メチルヨノン(メチルイオノン)、アリルヨノン(アリルイオノン)、カシュメラン、ジハイドロジャスモン、イソイースーパー、ベルトフィックス、イソロンジフォラノン、コアボン、ローズフェノン、ラズベリーケトン、ダイナスコン、マルトール、
ハイドロカーボン類
リモネン、α-ピネン、β-ピネン、ミルセン、テルピノーレン
【0042】
(H)成分が、香料成分として、ケトン類と、ハイドロカーボン類とを含む場合、香り立ちの観点で、これらの香料成分の合計の含量は、香料組成物の総質量に対して、好ましくは10質量%以上、より好ましくは20質量%以上である。
(H)成分は、液体柔軟剤に一般的に使用されている香料用溶剤を含んでいてもよい。香料用溶剤としては、アセチン(トリアセチン)、MMBアセテート(3-メトキシ-3-メチルブチルアセテート)、スクロースジアセテートヘキサイソブチレート、エチレングリコールジブチレート、ヘキシレングリコール、ジブチルセバケート、デルチールエキストラ(イソプロピルミリステート)、メチルカルビトール(ジエチレングリコールモノメチルエーテル)、カルビトール(ジエチレングリコールモノエチルエーテル)、TEG(トリエチレングリコール)、安息香酸ベンジル(BB)、プロピレングリコール、フタル酸ジエチル、トリプロピレングリコール、アボリン(ジメチルフタレート)、デルチルプライム(イソプロピルパルミテート)、ジプロピレングリコール(DPG)、ファルネセン、ジオクチルアジペート、トリブチリン(グリセリルトリブタノエート)、ヒドロライト-5(1,2-ペンタンジオール)、プロピレングリコールジアセテート、セチルアセテート(ヘキサデシルアセテート)、エチルアビエテート、アバリン(メチルアビエテート)、シトロフレックスA-2(アセチルトリエチルシトレート)、シトロフレックスA-4(トリブチルアセチルシトレート)、シトロフレックスNo.2(トリエチルシトレート)、シトロフレックスNo.4(トリブチルシトレート)、ドゥラフィックス(メチルジヒドロアビエテート)、MITD(イソトリデシルミリステート)、ポリリモネン(リモネンポリマー)や、1,3-ブチレングリコール等が挙げられる。
香料用溶剤の含量は、香料組成物の総質量に対して、例えば0.1~30質量%、好ましくは1~20質量%である。
(H)成分の配合量は、特に限定されないが、液体柔軟剤組成物の総質量に対し、好ましくは0.5~5質量%であり、より好ましくは0.8~3.0質量%であり、さらに好ましくは0.8~2.0質量%である。(H)成分の配合量を0.5~5質量%の範囲内とすることでより良好な残香性と保存安定性を両立することができる。
【0043】
[(I)成分]
本発明の液体柔軟剤組成物において、(I)成分として消泡剤を配合してもよい。
本発明の液体柔軟剤組成物は、泡立ちを抑制し柔軟剤の計量性を向上させるために、(I)成分の消泡剤を含有することが好ましい。
消泡剤としては、例えばシリコーン系消泡剤、アルコール系消泡剤、エステル系消泡剤、鉱油系消泡剤、植物油系消泡剤、及び合成油系消泡剤などが挙げられるが、柔軟剤計量時の泡立ちを抑えて計量性を向上させる観点から、シリコーン系またはアルコール系の消泡剤が好ましい。本発明に使用されるシリコーン系消泡剤としては、オイル型消泡剤、コンパウンド型消泡剤、自己乳化型消泡剤、エマルション型消泡剤、粉末型消泡剤及び固形型消泡剤などが挙げられる。この中でも、計量性向上効果の点で、自己乳化型消泡剤及びエマルション型消泡剤がより好ましく、エマルション型消泡剤が特に好ましい。
消泡剤の具体例としては、日本合成アルコール(株)製のエタノール、ダウ・東レ(株)製のFSアンチフォームシリーズのDKQ1-071、DKQ1-1208、DKQ1-1086、544、001、80、81、026A、545、013B、DK Q1-072、AFE、BE、DB-31、DB-110N、H-10、025、EPL、F-18、F-20、F-51、CE、90、91、92、1122、DK Q1-1089、DK Q1-1056、DK Q1-1014、DK Q1-1074、信越化学工業(株)製のKS496A、KS502、KS506、KS508、KS530、KS531、KS536、KS537、KS538、KM73、KM73A、KM73B、KM73E、KM72、KM72A、KM72F、KM70、KM71、KM75、KM80、KM83、KM83A、KM85、KM87A、KM89、KM90、KM93、KM68-1F、KM68-2F、ダウ・東レ(株)製のQ2-3183A、BY28-503、SD5591、SH7PA、SH5503、SH5510、SM5513、SH5561、SH5507、BY22-517、SM5511、SM5512、SM5515、SM5517、SM5571、SM5572F、SM5573、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製のYSA6406、TSA780、TSA7341、TSA7343、TSA739、TSA732、TSA732A、TSA772、TSA730、TSA770、TSA775、TSA776、YMA6509、TSA737、TSA737B、TSA737S、TSA737F、TSA737Kなどが挙げられる。
(I)成分は単一種類を使用してもよく、複数種類を併用してもよい。
(I)成分の含量は、配合目的を達成できる限り特に制限されないが、シリコーン系消泡剤の場合、液体柔軟剤組成物の総質量に対して、好ましくは0.001~0.1質量%、より好ましくは0.005~0.02質量%である。アルコール系消泡剤の場合、液体柔軟剤組成物の総質量に対して、好ましくは0.5~2.25質量%、より好ましくは0.75~1.5質量%である。
【0044】
[(J)成分]
抗菌剤としては、液体柔軟剤分野で公知の成分を特に制限なく使用できる。具体例としては、ダイクロサン、トリクロサン、ビス-(2-ピリジルチオ-1-オキシド)亜鉛、8-オキシキノリン、ビグアニド系化合物(例えば、ポリヘキサメチレンビグアニド)、塩酸クロロヘキシジンや、ポリリジン等が挙げられる。なかでも、ダイクロサン、ビグアニド系化合物や塩酸クロロヘキシジンが好ましい。
抗菌剤の含量は、配合目的を達成できる限り特に限定されないが、液体柔軟剤組成物の総質量に対して、好ましくは0.001~5質量%である。
【0045】
[水]
液体柔軟剤組成物は、好ましくは水を含む水性組成物である。
水としては、水道水、精製水、純水、蒸留水や、イオン交換水を使用できる。なかでもイオン交換水が好適である。
水の含量は特に限定されないが、液体柔軟剤組成物の総質量に対して、好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上である。水の含量が50質量%以上であると、液体柔軟剤組成物のハンドリング性がより良好となる。
【0046】
本発明の液体柔軟剤組成物には、本発明の効果を妨げない範囲で、通常の家庭用仕上げ剤に使用されている添加剤等を配合することができる。そのような添加剤として、具体的には、ヘキサン酸とグリセリン又はペンタエリスリトールとの部分エステル化物や、食塩、塩化アンモニウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化カリウム等の水溶性塩、流動パラフィン、高級アルコール等の油剤、尿素、殺菌剤、防腐剤、染料、顔料、炭化水素、非イオン性セルロース誘導体、紫外線吸収剤、蛍光増白剤、コロイダルシリカ等が挙げられる。
【0047】
[液体柔軟剤組成物のpH]
本発明の液体柔軟剤組成物のpHは、変色抑制の観点から、配合直後で25℃におけるpHが2.0以上6.0未満の範囲内にある。液体柔軟剤組成物の25℃におけるpHは、好ましくは2.5以上5.5以下であり、より好ましくは3.0以上5.0以下であり、さらに好ましくは3.5以上4.5以下である。
pH調整には、塩酸、硫酸、リン酸、アルキル硫酸、安息香酸、パラトルエンスルホン酸、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、乳酸、グリコール酸、ヒドロキシエタンジホスホン酸、フィチン酸、エチレンジアミン四酢酸、ジメチルアミン等の短鎖アミン化合物、水酸化ナトリウム等のアルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩や、アルカリ金属珪酸塩などのpH調整剤を用いることができる。
【0048】
[液体柔軟剤組成物の粘度]
本発明の液体柔軟剤組成物の粘度は、増粘が抑制されているので、その使用性を良好なものとする粘度を有している。具体的な粘度(25℃)は、好ましくは300mPa・s未満であり、より好ましくは150mP・s未満である。
本発明における液体柔軟剤組成物の粘度とは、B型粘度計(例えば、TOKIMEC社製)を用いて配合直後の液体柔軟剤組成物を25℃に調温して測定される値をいう。
【0049】
[容器]
本発明の液体柔軟剤組成物は容器に充填し、使用することができる。容器の形状は特に制限されないが、袋状(詰め替え用)やボトル状(本体容器)等が挙げられる。
袋状容器は、例えば、特開2001-098300号公報の段落[0019]~[0022]に記載されるものや、特開平8-26297号公報の図3に記載の構造を有するスタンディングパウチであってもよい。
ボトル状容器は、例えば、特開2004-131896号の段落[0088]~[0089]に記載のものであってもよい。
一態様において、本発明の液体柔軟剤組成物を収容し得る容器は、透明又は半透明な部分を有するプラスチック製ボトル容器であり、前記透明又は半透明な部分が紫外線吸収剤を含む。紫外線吸収剤は、公知の化合物を使用し得る。
例えば、紫外線吸収剤としては、有機系紫外線吸収剤又は無機系紫外線遮断剤が挙げられる。有機系紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系化合物、ベンゾフェノン系化合物、ナフタレンテトラカルボン酸系化合物、トリアジン系化合物、シアノアクリレート系化合物、及びベンゾオキサジン系化合物等が挙げられる。無機系紫外線遮断剤としては、シリカ、ケイ藻土、アルミナ、酸化チタン、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化アンチモン、バリウムフェライト、ストロンチウムフェライト、酸化ベリリウム、軽石、軽石バルーン、アルミナファイバーなどの酸化物、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウムなどの水酸化物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ドロマイトなどの炭酸塩、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸アンモニウム、亜硫酸カルシウムなどの硫酸塩、亜硫酸塩、タルク、クレーマイカ、アスベスト、グラスファイバー、グラスバルーン、グラスビーズ、カルシウムシリケア、モンモリロナイト、ベントナイトなどのケイ酸塩等が挙げられる。
【0050】
[液体柔軟剤組成物の調製方法]
本発明の液体柔軟剤組成物の調製方法は特に限定されない。液体柔軟剤組成物は、公知の方法、例えばシリコーンを用いる従来の液体柔軟剤組成物の製造方法と同様の方法により製造できる。
例えば、(A)成分及び(E)成分、並びに必要に応じて他の成分を含む油相と、(C)成分及び(D)成分、並びに必要に応じて他の成分を含む水相とを混合し、得られた混合物に更に(B)成分や必要に応じて他の成分を添加し混合することにより、液体柔軟剤組成物を製造することができる。
【0051】
[液体柔軟剤組成物の使用方法]
本発明の液体柔軟剤組成物の使用方法に特に制限はなく、一般の柔軟剤組成物と同様の方法で使用することができる。例えば、洗濯のすすぎの段階ですすぎ水へ本発明の液体柔軟剤組成物を溶解させて被洗物を柔軟処理する方法や、本発明の液体柔軟剤組成物をたらいのような容器中の水に溶解させ、更に被洗物を入れて浸漬処理する方法がある。
処理される対象となる繊維製品は、特に限定されないが、例えば、衣類、カーテン、ソファー、カーペット、タオル、ハンカチ、シーツや、マクラカバー等が挙げられる。その素材も、綿や絹、ウール等の天然繊維でもよいし、ポリエステル等の化学繊維でもよい。
【実施例0052】
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明の範囲はこれに限定されるものではない。尚、実施例において成分配合量はすべて質量%(指定のある場合を除き、純分換算)を示す。
【0053】
〔(A)成分:フェノール系酸化防止剤〕
下記のA-1~A-3を使用した。
・A-1:商品名「SUMLIZER BHT」、ブチル化ヒドロキシトルエン、住友化学(株)製
・A-2:商品名「3-tert-Butyl-4-hydroxyanisole」、ブチルヒドロキシアニソール、東京化成工業製
・A-3:商品名「MQ-F」、p-メトキシフェノール、川口化学工業(株)社製
【0054】
〔(B)成分:アルデヒド系香料〕
下記表1に記載の香料組成物B-1を使用した。
・B-1
【表1】
【0055】
〔(C)成分:アミン又はアンモニウム化合物〕
下記のC1-1~C3-1を使用した。
(C-1)成分
・C1-1:N,N-ジメチルドデシルアミン、東京化成工業製
(C-2)成分
・C2-1:商品名「リポカード12-37W」、塩化ドデシルトリメチルアンモニウム、ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製
・C2-2:商品名「リポカード16-29」、塩化セチルトリメチルアンモニウム、ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製
・C2-3:商品名「リポカードT-800」、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製
(C-3)成分
・C3-1:商品名「カデナックスDM12D-W(C)」、N,N-ジメチルドデシルアミンオキシド、ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製
【0056】
〔(D)成分:カチオン性水溶性高分子化合物〕
下記のD-1及びD-2を使用した。
・D-1:商品名「Noverite310」、ポリ塩化ジメチルジアリルアンモニウム、日本ルーブリゾール社製
・D-2:商品名「MERQUAT295」、ポリ塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリル酸共重合体、日本ルーブリゾール社製
【0057】
〔(E)成分:ポリエーテル変性シリコーン〕
下記のE-1及びE-2を使用した。
・E-1:商品名「CF1188N」、ポリエーテル変性シリコーン、ダウ・東レ(株)製
・E-2:商品名「SH3775M」、ポリエーテル変性シリコーン、ダウ・東レ(株)製
【0058】
任意成分に関し、下記のものを使用した。
〔(F)成分:ノニオン界面活性剤〕
・F-1:商品名「TAG-90」、ポリオキシエチレンイソトリデシルエーテルEO7モル、ライオンケミカル(株)製
・F-2:商品名「ソフタノールM90」、C12-14第2級アルコールEO9モル、日本触媒(株)製
【0059】
〔(G)成分:溶剤〕
・G-1:商品名「ブチルジグリコール(84)」、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、日本乳化剤(株)製
【0060】
〔(H)成分:アルデヒド香料以外の香料組成物〕
・下記表2に記載の香料組成物H-1
【表2】
【0061】
〔(I)成分:消泡剤〕
・I-1:商品名「KM-90」、シリコーンエマルション型消泡剤、信越化学工業(株)製
・I-2:商品名「特定アルコール95度合成」、エタノール、日本合成アルコール(株)製
【0062】
〔(J)成分:抗菌剤〕
・J-1:商品名「TINOSAN HP100」、4,4’-ジクロロ-2-ヒドロキシジフェニルエーテルの水溶液、BASF社製
・J-2:プロキセルIB、ポリヘキサメチレンビグアニド、ロンザジャパン(株)社製
【0063】
[液体柔軟剤組成物の調製方法]
各成分の配合量を、下記表3~5に記載の通り調整して、次の手順により液体柔軟剤組成物を調製した。下記表3~5における各成分の数値は、液体柔軟剤組成物の総質量に対する配合量(質量%)である。
まず、(A)成分、(E)成分、(F)成分および(G)成分を1000mlビーカーにとり、攪拌羽根を用いて充分に攪拌し、油相混合物を得た。一方、(C)成分、(D)成分をイオン交換水に溶解させて水相混合物を得た。次に、油相混合物を攪拌しながら、水相混合物を添加し、さらに(B)成分、(H)成分及び(I)成分を添加し、均一になるまで充分に攪拌したのちに、塩酸(試薬1mol/L,関東化学)または水酸化ナトリウム(試薬1mol/L、関東化学)を適量添加してpHを調製し、全体質量が1000gとなるようイオン交換水を添加して液体柔軟剤組成物を調製した。pHは、測定対象を25℃とし、pHメーター(製品名:SevenCompact S210、Mettler-Toledo社製)により測定される値である。粘度は、B型粘度計(TOKIMEC社製)を用いて測定し、全て30回転で15mPa・sであった。
【0064】
[液体柔軟剤組成物の評価方法]
得られた各液体柔軟剤組成物の「組成物の外観変色」及び「香気」を以下の手順で評価した。
【0065】
<保存安定性評価>
〇組成物の外観変色評価
上記の「液体柔軟剤組成物の調製方法」により調製した各液体柔軟剤組成物をボトル容器に入れて密栓し、屋外の日当たりの良い場所に1か月放置し、その外観変化を観察し、下記基準に基づき目視評価を実施した。なお、10人の平均点(小数点以下は四捨五入)を表3~5における「組成物の外観変色」の項に記載し、3点以上を合格であると判定した。容器は、チヌビン326(ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤)を含有したプラスチック製透明ボトル((株)吉野工業所製)を使用した。
(評価基準)
4:保存前のサンプルと比較して変化(黄褐変)がない。
3:保存前のサンプルと比較してわずかに変化(黄褐変)した。(許容範囲)
2:保存前のサンプルと比較して変化(黄褐変)した。
1:保存前のサンプルと比較して著しく変化(黄褐変)した。
【0066】
〇組成物の香気評価
上記の「液体柔軟剤組成物の調製方法」により調製した各液体柔軟剤組成物をボトル容器に入れて密栓し、屋外の日当たりの良い場所に1か月放置し、25℃に調温した後、開栓した時のボトルの瓶口の香りの質を、下記の5段階基準に準拠して官能評価を実施した。なお、10人の平均点(小数点以下は四捨五入)を表3~5における「香気」の項に記載し、3点以上を合格であると判定した。容器は、チヌビン326(ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤)を含有したプラスチック製透明ボトル((株)吉野工業所製)を使用した。
(評価基準)
5:保存前のサンプルと比較して香気の劣化がない。
4:保存前のサンプルと比較してわずかに香気の劣化がみられる。
3:保存前のサンプルと比較して、やや香気の劣化がみられる。
2:保存前のサンプルと比較して、香気の劣化がみられる。
1:保存前のサンプルと比較して、非常に香気の劣化がみられる。
【0067】
<風合い(さらっと感)評価>
1.評価布の調製
市販の綿肌シャツ(綿100%、BVD社製)を、主要洗浄基材としてアニオン界面活性剤を含む市販洗剤「トップ プラチナクリア」(ライオン(株)社製)により二槽式洗濯機(東芝製VH-30S)を用いて2回前処理を行なった(洗剤標準使用量:浴比30倍。45℃の水道水。10分間の洗浄後、10分間の注水すすぎ2回)。前処理後、20℃、45%RHの恒温恒湿条件下で20時間乾燥したものを評価布とした。
【0068】
2.洗濯時すすぎ工程における柔軟剤による処理
評価布を、上記の「液体柔軟剤組成物の調製方法」により調製した各液体柔軟剤組成物を用いて処理した。処理は、ドラム式洗濯機(HITACHI BD-V1、標準コース)を用いて、市販洗剤「トップ スーパーNANOX」(ライオン(株)社製、標準使用量)及び液体柔軟剤組成物(布1.5kgに対し10mL)を添加して行った。この際、洗浄~すすぎ時の浴比(評価布質量に対する水の質量の比率)は20倍であった。処理後、20℃、45%RHの恒温恒湿条件下で20時間乾燥した後、以下の方法で評価布の風合いを評価した。
【0069】
3.柔軟剤処理布の評価
上記調製した液体柔軟剤組成物に代えて市販の柔軟仕上げ剤「ソフラン アロマリッチ」を用いて上記2.のとおり処理した評価布を対照とした。官能一対比較を専門パネラー10人により行い、以下に示す評価基準で評価し、10人の平均点(小数点以下は四捨五入)を表3~5における「風合い(さらっと感)」の項に記載した。なお3点以上を合格であると判定した。
(評価基準)
4:対照と比較して、非常にさらっとしている
3:対照と比較して、さらっとしている
2:対照と比較して、わずかにさらっとしている
1:対照と比較して、油っぽくさらっとしていない
【0070】
【表3】
【0071】
【表4】
【0072】
【表5】