(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024014847
(43)【公開日】2024-02-01
(54)【発明の名称】セーフティコックピット、飛行装置、自動車、走行装置、及び走行方法
(51)【国際特許分類】
B64D 11/00 20060101AFI20240125BHJP
B64C 37/00 20060101ALI20240125BHJP
B64D 25/00 20060101ALI20240125BHJP
【FI】
B64D11/00
B64C37/00
B64D25/00
【審査請求】有
【請求項の数】24
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023119085
(22)【出願日】2023-07-21
(31)【優先権主張番号】202210881003.5
(32)【優先日】2022-07-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】523277688
【氏名又は名称】佛山市神風航空科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】Foshan Shenfeng Aviation Technology Co., Ltd
【住所又は居所原語表記】Shops 16 and 17, Block A3, Jinfuya Garden, No.23, Sanfu Road, Hecheng street, Gaoming District, Foshan City, Guangdong Province, China
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】王志成
(57)【要約】 (修正有)
【課題】セーフティコックピット、飛行装置、自動車、走行装置、及び走行方法を提供する。
【解決手段】利用者が座席に座り、第1キャビティ内には居住必需品を収納可能であり、第1キャビティ内の空気が外界の空気と交換できるように第1貫通孔が開けられ、利用者へ酸素ガスを供給し、利用者がコックピット本体内で長期間居住することを可能とする。安全上の脅威に遭遇した場合、第1動力ユニットによって第1ホイールを駆動して安全上の脅威を避け、避けられない安全上の脅威に遭遇した場合、卵型シェルを通じて応力を分散させ、コックピット本体に外界からの衝撃が加わったときに、コックピット本体の受けたダメージや変形を低減させ、より高い強度を持たせ、利用者を保護することができる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
セーフティコックピットであって、
卵型シェル、第1ドア、座席及び第1動力ユニットを含み、前記卵型シェル内に第1キャビティが設けられ、前記卵型シェルに外界と前記第1キャビティを連通させる第1貫通孔及び出入り口が開けられ、前記第1ドアが前記卵型シェルに可動に接続されて前記出入り口を閉鎖し、前記座席及び第1動力ユニットのいずれも前記第1キャビティ内に設けられるコックピット本体と、
移動デバイスに接続するための少なくとも3つの係着部材を含み、少なくとも3つの前記係着部材のいずれも前記卵型シェルの底部に接続される係着ユニットと、
前記係着部材に接続されており、前記第1動力ユニットが伝動可能に接続された第1ホイールと、を含む、ことを特徴とするセーフティコックピット。
【請求項2】
前記コックピット本体は、前記卵型シェル又は前記第1ドアに取り付けられて、前記卵型シェルと第1ドアをロックするためのスマートドアロックをさらに含む、ことを特徴とする請求項1に記載のセーフティコックピット。
【請求項3】
前記卵型シェル内には収容室がさらに設けられ、前記収容室は前記座席の下方に設けられる、ことを特徴とする請求項1に記載のセーフティコックピット。
【請求項4】
前記座席及び/又は前記収容室内に設けられたフロートをさらに含む、ことを特徴とする請求項3に記載のセーフティコックピット。
【請求項5】
前記セーフティコックピットはエアバッグ装置をさらに含み、前記エアバッグ装置は、前記収容室内に設けられたセーフティエアバッグと、前記卵型シェルの底部が衝撃を受けると前記セーフティエアバッグにエアを充填するエア充填ユニットと、を含む、ことを特徴とする請求項4に記載のセーフティコックピット。
【請求項6】
前記第1貫通孔内に設けられたろ過装置をさらに含む、ことを特徴とする請求項1に記載のセーフティコックピット。
【請求項7】
前記第1動力ユニットはペダル部材及び/又は駆動モータを含み、前記第1ホイールは前記ペダル部材及び/又は前記駆動モータにより駆動される、ことを特徴とする請求項1に記載のセーフティコックピット。
【請求項8】
前記コックピット本体は、前記第1キャビティ内に設けられた制御パネルと、前記卵型シェルの外周に分布している複数のセンサ及び複数のカメラと、を含み、前記センサ、前記カメラ、及び前記駆動モータのいずれも前記制御パネルに電気的に接続される、ことを特徴とする請求項7に記載のセーフティコックピット。
【請求項9】
飛行装置であって、
前記係着部材に対応する第1係着溝が設けられたベースと、
前記ベースに取り付けられた第2動力ユニットと、
前記第2動力ユニットによって駆動される第1揚力装置を少なくとも2組含み、少なくとも2組の前記第1揚力装置が水平に配置され、前記ベースに取り付けられた第1飛行ユニットと、
第2飛行ユニットと、
請求項1~8のいずれか1項に記載のセーフティコックピットと、を含み、
前記セーフティコックピットは、前記係着部材によって前記第1係着溝に係着され、前記第2飛行ユニットは、前記セーフティコックピットのトップに設けられ、前記セーフティコックピットが無重力状態である場合、前記第2飛行ユニットは起動する、ことを特徴とする飛行装置。
【請求項10】
前記ベースと前記セーフティコックピットとの間に収納され、傘体と前記傘体に接続された紐とを含み、前記紐が前記ベースに固定して接続され、前記傘体が前記セーフティコックピットの底部に取り外し可能に接続される第1落下傘をさらに含む、ことを特徴とする請求項9に記載の飛行装置。
【請求項11】
前記第2飛行ユニットは、前記セーフティコックピットのトップに取り付けられた自己回転翼を含む、ことを特徴とする請求項9に記載の飛行装置。
【請求項12】
前記第2飛行ユニットは、無重力センサ、電子ロック、及び第2落下傘を含み、前記第2落下傘は前記セーフティコックピットのトップに取り付けられ、前記電子ロックにより固定され、前記無重力センサは前記電子ロックに電気的に接続され、前記飛行装置が無重力状態であることを前記無重力センサが検出すると、前記電子ロックはロックを解除して前記第2落下傘を解放する、ことを特徴とする請求項9に記載の飛行装置。
【請求項13】
前記セーフティコックピットは、第1コントローラ、操舵機、及び方向舵をさらに含み、前記第1コントローラは前記第1キャビティ内に設けられ、前記方向舵及び前記操舵機はいずれも前記係着部材に設けられ、前記第1コントローラは前記操舵機に電気的に接続され、前記操舵機は前記方向舵に伝動可能に接続される、ことを特徴とする請求項9に記載の飛行装置。
【請求項14】
前記コックピット本体は第3動力ユニットと推進機をさらに含み、前記推進機は前記卵型シェルの外側面に取り付けられ、前記セーフティコックピットを水平方向に推進して移動可能であり、前記第3動力ユニットは前記推進機に伝動可能に接続され、前記第1コントローラは前記第3動力ユニットに電気的に接続される、ことを特徴とする請求項13に記載の飛行装置。
【請求項15】
前記ベースの底部に設けられ、前記ベースの底部に沿って下へ延伸する複数の緩衝ばねをさらに含む、ことを特徴とする請求項9に記載の飛行装置。
【請求項16】
前記ベースは前記出入り口に対応して出入り通路が開けられ、前記出入り通路の前記出入り口から離れた端部に第2ドアが取り付けられる、ことを特徴とする請求項9に記載の飛行装置。
【請求項17】
前記セーフティコックピットは、一端が前記第1貫通孔に連通し、他端が前記第1キャビティ内へ延伸するホースをさらに含む、ことを特徴とする請求項9に記載の飛行装置。
【請求項18】
第4動力ユニットと動力回転翼を含む第3飛行ユニットをさらに含み、前記第4動力ユニットは、動力回転翼に伝動可能に接続され、動力回転翼を回動駆動して揚力を発生させ、第1コントローラに電気的に接続され、前記第3飛行ユニットは前記セーフティコックピットのトップに取り付けられる、ことを特徴とする請求項13に記載の飛行装置。
【請求項19】
自動車であって、
車体と、複数の第2ホイールと、請求項1~8のいずれか1項に記載のセーフティコックピットと、を含み、複数の前記第2ホイールは前記車体の底部に取り付けられ、前記車体には少なくとも1つのキャビンが設けられ、前記キャビン内に第2係着溝が設けられ、1つの前記セーフティコックピットは1つの前記キャビン内に取り付けられ、1つの前記セーフティコックピットの前記係着部材はそれぞれ1つの前記キャビンの前記第2係着溝に係着される、ことを特徴とする自動車。
【請求項20】
前記キャビン内に回転台が設けられ、前記回転台は前記車体に対して回動可能であり、前記第2係着溝は前記回転台に開けられ、前記セーフティコックピットは前記回転台に取り付けられる、ことを特徴とする請求項19に記載の自動車。
【請求項21】
前記キャビンは第3ドアをさらに含み、前記キャビンが2つ以上である場合、1つの前記キャビンの前記第3ドアは前記キャビンの別の前記キャビンから離れた側に設けられる、ことを特徴とする請求項19に記載の自動車。
【請求項22】
第1板部材をさらに含み、前記車体に第1摺動溝が開けられ、前記第1板部材は前記第1摺動溝に挿着され、前記第1摺動溝に摺動可能に接続される、ことを特徴とする請求項19に記載の自動車。
【請求項23】
走行装置であって、
第1機体と、第2機体と、請求項1~8のいずれか1項に記載のセーフティコックピットと、を含み、前記第1機体の底部に第3ホイールが設けられ、前記第2機体に第4飛行ユニットが設けられ、前記第2機体は前記第1機体に取り外し可能に取り付けられ、前記セーフティコックピットは前記第2機体に取り付けられ、前記セーフティコックピットには第2コントローラが設けられており、前記第2コントローラは前記第2機体に電気的に接続され、前記第1機体には前記第3ホイールに電気的に接続された自律運転ユニットが設けられており、前記第2コントローラは前記自律運転ユニット及び前記第3ホイールに電気的に接続される、ことを特徴とする走行装置。
【請求項24】
請求項23に記載の走行装置に基づく走行方法であって、
前記第2コントローラ又は前記自律運転ユニットによって前記第3ホイールを制御して前記第1機体を駆動し、前記第2機体及び前記セーフティコックピットを走行させて走行を達成する通常方法と、
前記第2コントローラを通じて前記自律運転ユニットに目的地が入力されると、前記第2機体と前記第1機体が分離し、前記第4飛行ユニットが作動して前記第2機体及び前記セーフティコックピットを飛行させて前記目的地に到達させ、前記第1機体が前記自律運転ユニットによって前記第3ホイールを駆動することで前記目的地に到達する緊急方法との2つの方法がある、ことを特徴とする走行方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セーフティデバイスの技術分野に関し、特にセーフティコックピット、飛行装置、自動車、走行装置、及び走行方法に関する。
【背景技術】
【0002】
生命の安全は誰にとっても最も重要なことであり、よくある自動車の交通事故であれ、偶然発生した飛行機の安全事故や自然災害などであれ、ひとたび生命の安全が脅かされると、その影響は取り返しのつかないものになるので、生命の安全が脅かされる可能性を減らすためにさまざまな安全装置が必要となる。
【0003】
社会の発展に伴い、各業界のニーズに対応するために様々なセーフティデバイスが登場してきたが、既存のセーフティデバイスの多くは移動機能を持たず、脅威に遭遇した際に位置を調整して被害を減らすことができず、飛行機、自動車、船舶、列車など日常的に使用される移動デバイスとの組み合わせも考慮されていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
以上に基づいて、本発明は、単独に走行することも組み合わせて使用することも可能なセーフティコックピット、飛行装置、自動車、走行装置、及び走行方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の技術的解決手段は以下のとおりである。セーフティコックピット、飛行装置、自動車、走行装置、及び走行方法では、前記セーフティコックピットは、コックピット本体と、係着ユニットと、第1ホイールと、を含む。
【0006】
前記コックピット本体は、卵型シェル、第1ドア、座席及び第1動力ユニットを含み、前記卵型シェル内に第1キャビティが設けられ、前記卵型シェルに外界と前記第1キャビティを連通させる第1貫通孔及び出入り口が開けられ、前記第1ドアが前記卵型シェルに可動に接続されて前記出入り口を閉鎖し、前記座席及び第1動力ユニットのいずれも前記第1キャビティ内に設けられる。
【0007】
前記係着ユニットは、移動デバイスに接続するための少なくとも3つの係着部材を含み、少なくとも3つの前記係着部材のいずれも前記卵型シェルの底部に接続される。
【0008】
前記第1ホイールは、前記係着部材に接続されており、前記第1動力ユニットが伝動可能に接続される。
【0009】
好ましくは、前記コックピット本体は、前記卵型シェル又は前記第1ドアに取り付けられて、前記卵型シェルと第1ドアをロックするためのスマートドアロックをさらに含む。
【0010】
好ましくは、前記卵型シェル内には収容室がさらに設けられ、前記収容室は前記座席の下方に設けられる。
【0011】
好ましくは、前記座席及び/又は前記収容室内に設けられたフロートをさらに含む。
【0012】
好ましくは、前記セーフティコックピットはエアバッグ装置をさらに含み、前記エアバッグ装置は、前記収容室内に設けられたセーフティエアバッグと、前記卵型シェルの底部が衝撃を受けると前記セーフティエアバッグにエアを充填するエア充填ユニットと、を含む。
【0013】
好ましくは、前記第1貫通孔内に設けられたろ過装置をさらに含む。
【0014】
好ましくは、前記第1動力ユニットはペダル部材及び/又は駆動モータを含み、前記第1ホイールは前記ペダル部材及び/又は前記駆動モータにより駆動される。
【0015】
好ましくは、前記コックピット本体は、前記第1キャビティ内に設けられた制御パネルと、前記卵型シェルの外周に分布している複数のセンサ及び複数のカメラと、を含み、前記センサ、前記カメラ、及び前記駆動モータのいずれも前記制御パネルに電気的に接続される。
【0016】
本発明の別の目的は、ベースと、第2動力ユニットと、第1飛行ユニットと、第2飛行ユニットと、上記のセーフティコックピットと、を含む飛行装置を提供することである。前記ベースには前記係着部材に対応する第1係着溝が設けられる。前記第2動力ユニットは前記ベースに取り付けられる。前記第1飛行ユニットは、前記第2動力ユニットによって駆動される第1揚力装置を少なくとも2組含み、少なくとも2組の前記第1揚力装置が前記ベースに水平に取り付けられる。前記セーフティコックピットは、前記係着部材によって前記第1係着溝に係着され、前記第2飛行ユニットは、前記セーフティコックピットのトップに設けられ、前記セーフティコックピットが無重力状態である場合、前記第2飛行ユニットは起動する。前記揚力装置はプロペラ又はダクトファンを用いる。
【0017】
好ましくは、前記ベースと前記セーフティコックピットとの間に収納され、傘体と前記傘体に接続された紐とを含み、前記紐が前記ベースに固定して接続され、前記傘体が前記セーフティコックピットの底部に取り外し可能に接続される第1落下傘をさらに含む。
【0018】
好ましくは、前記第2飛行ユニットは、前記セーフティコックピットのトップに取り付けられた自己回転翼を含む。
【0019】
好ましくは、前記第2飛行ユニットは、無重力センサ、電子ロック、及び第2落下傘を含み、前記第2落下傘は前記セーフティコックピットのトップに取り付けられ、前記電子ロックにより固定され、前記無重力センサは前記電子ロックに電気的に接続され、前記飛行装置が無重力状態であることを前記無重力センサが検出すると、前記電子ロックはロックを解除して前記第2落下傘を解放する。
【0020】
好ましくは、前記セーフティコックピットは、第1コントローラ、操舵機、及び方向舵をさらに含み、前記第1コントローラは前記第1キャビティ内に設けられ、前記方向舵及び前記操舵機はいずれも前記係着部材に設けられ、前記第1コントローラは前記操舵機に電気的に接続され、前記操舵機は前記方向舵に伝動可能に接続される。
【0021】
好ましくは、前記コックピット本体は第3動力ユニットと推進機をさらに含み、前記推進機は前記卵型シェルの外側面に取り付けられ、前記セーフティコックピットを水平方向に推進して移動可能であり、前記第3動力ユニットは前記推進機に伝動可能に接続され、前記第1コントローラは前記第3動力ユニットに電気的に接続される。
【0022】
好ましくは、前記ベースの底部に設けられ、前記ベースの底部に沿って下へ延伸する複数の緩衝ばねをさらに含む。
【0023】
好ましくは、前記ベースは前記出入り口に対応して出入り通路が開けられ、前記出入り通路の前記出入り口から離れた端部に第2ドアが取り付けられる。
【0024】
好ましくは、前記セーフティコックピットは、一端が前記第1貫通孔に連通し、他端が前記第1キャビティ内へ延伸するホースをさらに含む。
【0025】
好ましくは、前記セーフティコックピットは、第4動力ユニットと動力回転翼を含む第3飛行ユニットをさらに含み、前記第4動力ユニットは、動力回転翼に伝動可能に接続され、動力回転翼を回動駆動して揚力を発生させ、第1コントローラに電気的に接続され、前記第3飛行ユニットは前記セーフティコックピットのトップに取り付けられる。
【0026】
本発明の別の目的は、
車体と、複数の第2ホイールと、上記のセーフティコックピットと、を含み、複数の前記第2ホイールは前記車体の底部に取り付けられ、前記車体には少なくとも1つのキャビンが設けられ、前記キャビン内に第2係着溝が設けられ、1つの前記セーフティコックピットは1つの前記キャビン内に取り付けられ、1つの前記セーフティコックピットの前記係着部材はそれぞれ1つの前記キャビンの前記第2係着溝に係着される
自動車を提供することである。
【0027】
好ましくは、前記キャビン内に回転台が設けられ、前記回転台は前記車体に対して回動可能であり、前記第2係着溝は前記回転台に開けられ、前記セーフティコックピットは前記回転台に取り付けられる。
【0028】
好ましくは、前記キャビンは第3ドアをさらに含み、前記キャビンが2つ以上である場合、1つの前記キャビンの前記第3ドアは前記キャビンの別の前記キャビンから離れた側に設けられる。
【0029】
好ましくは、第1板部材をさらに含み、前記車体に第1摺動溝が開けられ、前記第1板部材は前記第1摺動溝に挿着され、前記第1摺動溝に摺動可能に接続される。
【0030】
本発明の別の目的は、
第1機体と、第2機体と、上記のセーフティコックピットと、を含み、前記第1機体の底部に第3ホイールが設けられ、前記第2機体に第4飛行ユニットが設けられ、前記第2機体は前記第1機体に取り外し可能に取り付けられ、前記セーフティコックピットは前記第2機体に取り付けられ、前記セーフティコックピットには第2コントローラが設けられており、前記第2コントローラは前記第2機体に電気的に接続され、前記第1機体には前記第3ホイールに電気的に接続された自律運転ユニットが設けられており、前記第2コントローラは前記自律運転ユニット及び前記第3ホイールに電気的に接続される
走行装置を提供することである。
【0031】
本発明の別の目的は、
前記第2コントローラ又は前記自律運転ユニットによって前記第3ホイールを制御して前記第1機体を駆動し、前記第2機体及び前記セーフティコックピットを走行させて走行を達成する通常方法と、
前記第2コントローラを通じて前記自律運転ユニットに目的地が入力されると、前記第2機体と前記第1機体が分離し、前記第4飛行ユニットが作動して前記第2機体及び前記セーフティコックピットを飛行させて前記目的地に到達させ、前記第1機体が前記自律運転ユニットによって前記第3ホイールを駆動することで前記目的地に到達する緊急方法との2つの方法がある
上記走行装置に基づく走行方法を提供することである。
【発明の効果】
【0032】
本発明の実施例を実施すると、従来技術と比べて、下記有益な效果がある。
本発明のセーフティコックピット、飛行装置、自動車、走行装置、及び走行方法では、利用者が座席に座り、第1キャビティ内には居住必需品を収納可能であり、第1キャビティ内の空気が外界の空気と交換できるように第1貫通孔が開けられ、利用者へ酸素ガスを供給し、利用者がコックピット本体内で長期間居住することを可能とする。安全上の脅威に遭遇した場合、第1動力ユニットによって第1ホイールを駆動して安全上の脅威を避け、避けられない安全上の脅威に遭遇した場合、卵型シェルを通じて応力を分散させ、コックピット本体に外界からの衝撃が加わったときに、コックピット本体の受けたダメージや変形を低減させ、より高い強度を持たせ、利用者を保護することができる。下部が防水構造となっているため、水に浮かべた場合でもコクピット本体に水が浸入することがなく、洪水や土砂崩れ災害時にも利用者をしっかり守る。さらに、このセーフティコックピットは、係着ユニットによって飛行装置、自動車などの移動デバイスに固定されて、利用者が外へ出るための日常交通工具として機能し、突然の危険が発生した場合に利用者を保護することができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図1】本発明の実施例1の前記セーフティコックピットの構造概略図である。
【
図2】本発明の実施例1の前記セーフティコックピットの断面図である。
【
図3】本発明の実施例2の前記飛行装置の運行状態の構造概略図である。
【
図4】本発明の実施例2の前記飛行装置の解体図である。
【
図5】本発明の実施例2の前記飛行装置のセーフティコックピットとベースが分離したときの正面図である。
【
図6】本発明の実施例3の前記自動車の構造概略図である。
【
図7】本発明の実施例3の前記自動車からカバーを取り外したときの上面図である。
【
図8】本発明の実施例4の前記走行装置の構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、本発明の実施例における技術案について、図面を参照して明確かつ完全に説明するが、説明される実施例は本発明の一部の実施例にすぎず、全ての実施例ではないことは明らかである。本発明の実施例に基づいて、当業者が創造的な努力を必要とせずに取得した他のすべての実施例は本発明の特許範囲に属する。
【0035】
なお、本発明の説明においては、「中央」、「縦方向」、「横方向」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」などの用語で示される方位や位置関係は、図面に示される方位や位置関係に基づくものであり、これは、言及される装置または要素が特定の方位を有したり、特定の方位で構築、動作したりしなければならないことを示したり暗示したりするのではなく、本発明を説明しやすく、説明を簡略化するために過ぎず、したがって、本発明を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0036】
さらに、本発明では、様々な情報を説明するために「第1」、「第2」などの用語を使用するが、これらの情報はこれらの用語に限定されるべきではなく、これらの用語は、単に同じ種類の情報を区別するために使用されるものである。例えば、本発明の範囲を逸脱しない限り、「第1」情報を「第2」情報と称することもでき、同様に「第2」情報を「第1」情報と称することもできる。
実施例1
【0037】
図1及び
図2に示すように、本実施例は、コックピット本体A1と、係着ユニットA2と、第1ホイールA3と、を含むセーフティコックピットAを提供する。コックピット本体A1は、卵型シェルA11、第1ドアA12、座席A13、及び第1動力ユニットを含み、卵型シェルA11内に第1キャビティA111が設けられ、卵型シェルA11に外界と第1キャビティA111を連通させる第1貫通孔A112及び出入り口が開けられ、第1ドアA12が卵型シェルA11に可動に接続されて出入り口を閉鎖し、座席A13及び第1動力ユニットのいずれも第1キャビティA111内に設けられる。係着ユニットA2は、移動デバイスに接続するための少なくとも3つの係着部材A21を含み、少なくとも3つの係着部材A21のいずれも卵型シェルA11の底部に接続される。係着部材A21に第1ホイールA3が接続されており、第1動力ユニットは第1ホイールA3に伝動可能に接続される。
【0038】
利用者が座席A13に座り、第1キャビティA111内には居住必需品を収納可能であり、第1キャビティ内の空気が外界の空気と交換できるように第1貫通孔A112が開けられ、利用者へ酸素ガスを供給し、利用者がコックピット本体A1で長期間居住することを可能とする。安全上の脅威に遭遇した場合、第1動力ユニットによって第1ホイールA3を駆動して安全上の脅威を避け、避けられない安全上の脅威に遭遇した場合、卵型シェルA11を通じて応力を分散させ、コックピット本体A1に外界からの衝撃が加わったときに、コックピット本体A1の受けたダメージや変形を低減させ、より高い強度を持たせ、利用者を保護することができる。さらに、このセーフティコックピットAは、係着ユニットA2によって飛行装置B、自動車C、電車、動力車、高速列車や船などの移動デバイスに固定されて、利用者が外へ出るための日常交通工具として機能し、突然の危険が発生した場合に利用者を保護することができる。具体的には、本実施例では、卵型シェルA11は、骨格A113と透明板A114からなり、骨格A113は炭素繊維やボロン鋼で構成されてもよく、アルミ合金やチタン合金などの高強度材料で構成されてもよく、透明板A114は防弾ガラスなどの高強度材料で構成されてもよく、利用者のプライバシーを保持するために防弾ガラスには一方向にのみ視認可能なフィルムが貼り付けられており、これにより、この卵型シェルA11は、高強度を有しながら、利用者がコックピット本体A1内で外部の環境を観察することを容易にする。実際のニーズに合わせて、座位を親子シートやカップルシートなどの多人席に置き換えてもよいし、第1ドアA12の外側に第1ハンドルA4を設け、卵型シェルA11の外側に第2ハンドルA5を設けることで、利用者が第1ハンドルA4及び第2ハンドルA5に作用してこのセーフティコックピットAを軽手に推進したり持ち上げたりすることを可能にしてもよいし、実際の使用に応じてこのセーフティコックピットAについて適宜変更してもよい。
【0039】
いくつかの実施例では、セーフティコックピットAはタンブラー構造としてもよく、第1キャビティA111はタンブラー構造の底部に設けられ、セーフティコックピットAの底部は密封構造とされ、卵型シェルA11内には1層の透明防火板が設けられ、しかも、セーフティコックピットA内に冷凍装置も設けられている。通常、利用者は、このセーフティコックピットAを傍においていて、地震、洪水、土砂崩れ、火災などの災害時には、セーフティコックピットAに乗り込んで自身を保護することができる。タンブラー構造によりセーフティコックピットAの転倒の可能性を減少させ、また、使用中の底部からの漏れを防ぐことができ、透明防火板や冷凍装置により火災時に利用者を保護することができる。
【0040】
好適には、
図1に示すように、本実施例では、コックピット本体A1はスマートドアロックA14をさらに含み、スマートドアロックA14は、卵型シェルA11又は第1ドアA12に取り付けられて、卵型シェルA11と第1ドアA12をロックする。スマートドアロックA14は、コンビネーションロック、指紋ロック、虹彩ロック、声紋ロックであってもよいし、携帯電話で制御可能なスマートロックであってもよい。具体的には、本実施例では、スマートドアロックA14は携帯電話で制御されるスマートロックであり、携帯電話プログラムを共有することで共有して利用することができる。いくつかの実施例では、該セーフティコックピットAは自律運転機能も有し、携帯電話プログラムを通じて制御されて利用者と相互測位追跡などのインタアクションが可能である。該セーフティコックピットAは、音警報器及び/又は光警報器及び/又は電磁波発信器を備えてもよく、前記音警報器、光警報器、電磁波発信器は前記スマートドアロックA14に電気的に接続され、盗難などの危険を警報するだけでなく、災害時には救難信号を送ることもできる。
【0041】
好適には、
図2に示すように、本実施例では、卵型シェルA11内に収容室A115がさらに設けられ、収容室A115は座席A13の下方に設けられる。収容室A115に食料や飲料水等の生活用品を収納することができ、災害時に利用者の生命安全を確保することができる。
【0042】
好適には、
図2に示すように、本実施例では、該セーフティコックピットAは、座席A13及び/又は収容室A115内に設けられたフロートA6をさらに含む。具体的には、本実施例では、フロートA6は収容室A115内に設けられ、該セーフティコックピットAが水中に落ちた際に、フロートA6はセーフティコックピットAを浮かせて、セーフティコックピットAが水中に沈むことを防止し、利用者が逃げるか救助を求める時間を提供する。
【0043】
好適には、
図2に示すように、本実施例では、セーフティコックピットAはエアバッグ装置A7をさらに含み、エアバッグ装置A7は、収容室A115内に設けられたセーフティエアバッグと、卵型シェルA11の底部が衝撃を受けるとセーフティエアバッグにエアを充填するエア充填ユニットと、を含む。災害が発生し、該セーフティコックピットAが高所から転落した場合、エア充填ユニットがセーフティエアバッグへエアを充填してセーフティコックピットAを緩衝し、利用者の負傷の可能性を低減する。
【0044】
好適には、
図1及び
図2に示すように、本実施例では、該セーフティコックピットAは第1貫通孔A112内に設けられたろ過装置A8をさらに含む。ろ過装置A8は気体中の汚染物をろ過して除去してから第1キャビティA111内に導入し、利用者が大気中の汚染物による被害を受けないようにする。
【0045】
好適には、
図2に示すように、本実施例では、第1動力ユニットは、ペダル部材A15及び/又は駆動モータを含み、第1ホイールA3はペダル部材A15及び/又は駆動モータによって駆動される。具体的には、本実施例では、第1動力ユニットはペダル部材A15であり、ペダル部材A15がホイールに伝動可能に接続されることにより、移動デバイスが故障したり、事故が発生したり、セーフティコックピットAの移動が必要となったりする場合、利用者はペダル部材A15を介して第1ホイールA3を回動駆動し、該セーフティコックピットAを比較的安全な位置に移動することが容易であり、災害時の閉じ込め回避はもちろん、日常の近距離移動手段としても機能し得る。
【0046】
好適には、
図2に示すように、本実施例では、コックピット本体A1は、第1キャビティA111内に設けられた制御パネルA16と、卵型シェルA11の外周に分布している複数のセンサ及び複数のカメラと、を含み、第1動力ユニットが駆動モータを含む場合、センサ、カメラ及び駆動モータのいずれも制御パネルA16に電気的に接続される。このように、利用者は制御パネルA16を通じて第1動力ユニットを操縦して第1ホイールA3を駆動し、該セーフティコックピットAを安全な位置に移動し、被災地への閉じ込めを防ぐことができる。
【0047】
本実施例によるセーフティコックピットAでは、通常の使用において、利用者は座席に座って外部を観察する際には、制御パネルA16を通じて第1ホイールA3をステアリングし、第1動力ユニットによって第1ホイールA3を駆動し、該セーフティコックピットAを短距離で移動させる。長距離移動が必要である場合、該セーフティコックピットAは係着ユニットA2によって飛行装置Bや自動車Cなどの移動デバイスに固定され、突然の危険が発生した場合に利用者を保護する。安全上の脅威に遭遇した場合、第1動力ユニットによって第1ホイールA3を駆動して安全上の脅威を避け、避けられない安全上の脅威に遭遇した場合、卵型シェルA11を通じて応力を分散させ、コックピット本体A1に外界からの衝撃が加わったときに、コックピット本体A1の受けたダメージや変形を低減させ、より高い強度を持たせ、利用者を保護することができる。
実施例2
【0048】
図3、
図4及び
図5に示すように、本発明の別の一実施例では、ベースB1と、第2動力ユニットと、第1飛行ユニットB2と、第2飛行ユニットB3と、上記のセーフティコックピットAと、を含む、飛行装置Bを提供する。
【0049】
ベースB1には、係着部材A21に対応する第1係着溝B11が設けられる。第2動力ユニットはベースB1に取り付けられる。第1飛行ユニットB2は、第2動力ユニットによって駆動される第1動力装置B21を少なくとも2組含み、少なくとも2組の的第1動力装置B21は同一の水平面に設けられ、ベースB1に回動可能に取り付けられる。ここで、セーフティコックピットAは係着部材A21によって第1係着溝B11に係着され、第2飛行ユニットB3はセーフティコックピットAのトップに設けられ、セーフティコックピットAが無重力状態である場合、第2飛行ユニットB3は起動する。利用者はセーフティコックピットAをベースB1に係着し、第2動力ユニットによって第1飛行ユニットB2を駆動するとセーフティコックピットAを駆動して飛行させることができ、飛行完了後、セーフティコックピットAをベースB1から分離すると、セーフティコックピットAの日常使用を回復することができる。飛行中に飛行装置が故障して、また無重力状態である場合、第2飛行ユニットB3は起動してセーフティコックピットAをベースB1から分離し、これにより、第2飛行ユニットB3の負荷する重量が減少し、第2飛行ユニットB3によりセーフティコックピットAの落下速度が遅くなり、利用者の安全が確保される。
【0050】
好適には、
図4及び
図5に示すように、本実施例では、該飛行装置Bは、ベースB1とセーフティコックピットAとの間に収納され、傘体B41と傘体B41に接続された紐B42とを含み、紐B42がベースB1に固定して接続され、傘体B41がセーフティコックピットAの底部に取り外し可能に接続される第1落下傘B4をさらに含む。セーフティコックピットA及びベースB1が降下するときに、第2飛行ユニットB3の作用により、セーフティコックピットAがベースB1と比べて落下時の加速度が小さいので、セーフティコックピットAの係着部材A21がベースB1の第1係着溝B11から分離することができ、また、落下中にセーフティコックピットAとベースB1の相対距離が持続的に増加し、セーフティコックピットAによりベースB1に収納された第1落下傘B4が引かれて、第1落下傘B4が展開してセーフティコックピットAから分離し、セーフティコックピットAや操作者から分離した後のベースB1の重量が小さくなるので、第1落下傘B4を利用して安全的に降下することができ、ベースB1が地面に落ちたときにダメージを悪化させる可能性を低減させる。
【0051】
好適には、
図3、
図4、及び
図5に示すように、本実施例では、第2飛行ユニットB3は、セーフティコックピットAのトップに取り付けられた自己回転翼B31を含む。第1飛行ユニットB2やベースB1に故障が発生して、セーフティコックピットAやベースB1が無重力で加速して降下するときに、気流により自己回転翼B31が回動駆動され、緩衝の役割を果たし、セーフティコックピットAの降下時の加速度を遅くし、セーフティコックピットAをベースB1から分離し、これにより、セーフティコックピットAの落下速度を遅くするとともに、セーフティコックピットAの降下に対する緩衝を形成することで利用者の生存確率を高め、また、ベースB1の着陸によるセーフティコックピットAへの影響も回避できる。自己回転翼B31は、第2落下傘B32と比べて、感度が高く、しかも、回動速度が降下時に発生する気流の大きさに影響されるため、誤作動が生じることはない。
【0052】
好適には、
図5に示すように、別の実施例では、第2飛行ユニットB3は、無重力センサ、電子ロック、及び第2落下傘B32(無重力センサ及び電子ロックは図未せず)を含んでもよく、第2落下傘B32は、セーフティコックピットAのトップに取り付けられて、電子ロックで固定され、無重力センサは電子ロックに電気的に接続され、飛行装置Bが無重力状態であることを無重力センサが検出すると、電子ロックはロックを解除して、第2落下傘B32を解放し、緩衝の役割を果たし、セーフティコックピットAの降下時の加速度を遅くし、これにより、セーフティコックピットAはベースB1から分離して安全に着陸する。第2落下傘B32は、日常使用において占有スペースが少ないという利点がある。
【0053】
好適には、
図1及び
図2に示すように、本実施例では、セーフティコックピットAは、第1コントローラA9、操舵機A22、及び方向舵A23をさらに含み、第1コントローラA9は第1キャビティA111内に設けられ、方向舵A23及び操舵機A22はいずれも係着部材A21に設けられ、第1コントローラA9は操舵機A22に電気的に接続され、操舵機A22は方向舵A23に伝動可能に接続される。セーフティコックピットAがベースB1から分離した後、方向舵A23が第1コントローラA9及び操舵機A22によって制御されてステアリングされ、これにより、セーフティコックピットAの降下位置が調整され、セーフティコックピットAが利用者にとって好ましくない位置に着陸することが回避される。
【0054】
好適には、
図1及び
図2に示すように、本実施例では、コックピット本体A1は、第3動力ユニットA17と推進機A18をさらに含み、推進機A18は卵型シェルA11の外側面に取り付けられ、セーフティコックピットAを水平方向に推進して移動可能であり、第3動力ユニットA17は推進機A18に伝動可能に接続され、第1コントローラA9は第3動力ユニットA17に電気的に接続される。第3動力ユニットA17によって推進機A18を駆動して短時間内で作動させることにより、推進機A18を駆動して短時間内で作動させてセーフティコックピットAの降下位置を最後に調整することが可能とされている。
【0055】
好適には、
図4及び
図6に示すように、本実施例では、該飛行装置Bは、ベースB1の底部に設けられ、ベースB1の底部に沿って下へ延伸する複数の緩衝ばねB5をさらに含む。ベースB1とセーフティコックピットAが分離した後、緩衝ばねB5によってベースB1の降下を緩衝し、ベースB1の降下時の損壊の可能性を低減させることができる。
【0056】
好適には、
図4及び
図5に示すように、本実施例では、ベースB1は、出入り口に対応して出入り通路が開けられ、出入り通路の出入り口から離れた一端には第2ドアB12が取り付けられる。利用者は、セーフティコックピットAがベースB1に取り付けられた後、第1ドアA12及び第2ドアB12を開くと、出入り通路及び出入り口から第1キャビティA111内に入ることができる。
【0057】
好適には、
図2に示すように、本実施例では、セーフティコックピットAは、一端が第1貫通孔A112に連通し、他端が第1キャビティA111内へ延伸するホースA19をさらに含む。利用者はホースA19を介して呼吸し、飛行中又はセーフティコックピットAの降下中の息切れを避けることができる。
【0058】
好適には、
図1に示すように、本実施例では、セーフティコックピットAは、第4動力ユニットB61と動力回転翼B62を含む第3飛行ユニットB6をさらに含み、第4動力ユニットB61は動力回転翼B62に伝動可能に接続され、第4動力ユニットB61は動力回転翼B62を回動駆動して揚力を発生させ、第1コントローラA9に電気的に接続され、第3飛行ユニットB6はセーフティコックピットAのトップに取り付けられ、自己回転翼B31の上方又は下方に配置される。動力回転翼B62の回動により生じる揚力は、セーフティコックピットA全体の重量に少なくとも抗することができ、第3飛行ユニットB6の作用には、地面でセーフティコックピットAとベースB1が分離した場合、セーフティコックピットAを上昇させてベースB1に取り付けることや、空中でセーフティコックピットAとベースB1を素早く分離する必要がある場合、第3飛行ユニットB6を起動させて揚力を発生させ、セーフティコックピットAを上へ移動してベースB1から素早く分離させ、安全性を確保することが含まれる。
【0059】
本実施例による飛行装置Bでは、利用者は係着ユニットA2によってセーフティコックピットAをベースB1に係着し、第2動力ユニットによって第1飛行ユニットB2を駆動すると、セーフティコックピットAを駆動して飛行させることができ、飛行完了後、セーフティコックピットAをベースB1から分離すると、セーフティコックピットAの日常使用を回復することができる。第1飛行ユニットB2やベースB1に故障が生じた場合、セーフティコックピットA及びベースB1の降下中に、自己回転翼B31が作動したり第2落下傘B32が起動したりしてセーフティコックピットAへ上向きの揚力を供給し、セーフティコックピットAの加速度をベースB1の加速度よりも遅くし、セーフティコックピットAとベースB1との間に速度の差を生じさせ、セーフティコックピットAとベースB1を分離し、両方の相対距離を持続的に増大し、セーフティコックピットAにより第1落下傘B4を引いて展開させると、セーフティコックピットAがベースB1から分離し、ベースB1は第1落下傘B4及び緩衝ばねB5の作用により地面に降下する。利用者は第1コントローラA9によって操舵機A22及び方向舵A23を制御してセーフティコックピットAの降下方向を調整し、第3動力ユニットA17によって推進機A18を駆動して短時間内で作動させ、セーフティコックピットAの降下位置を最後に調整し、セーフティコックピットAを安全な位置に降下させる。
実施例3
【0060】
図6及び
図7に示すように、本発明の別の実施例では、車体C1と、複数の第2ホイールC2と、上記のセーフティコックピットAと、を含む自動車Cが提供され、複数の第2ホイールC2は車体C1の底部に取り付けられ、車体C1には少なくとも1つのキャビンC11が設けられ、キャビンC11内に第2係着溝C111が設けられ、1つのセーフティコックピットAは1つのキャビンC11内に取り付けられ、1つのセーフティコックピットAの係着部材A21はそれぞれ1つのキャビンC11の第2係着溝C111に係着される。利用者はセーフティコックピットAをキャビンC11内に係着し、第2ホイールC2によって駆動するとセーフティコックピットAを駆動して走行させることができ、走行終了後、セーフティコックピットAをベースB1から分離すると、セーフティコックピットAの日常使用を回復することができる。いくつかの実施例では、該自動車Cは、タクシーや配車などの共有交通工具であってもよい。該自動車Cによる長距離走行が終了した後、第1ホイールA3によってセーフティコックピットAを駆動して短距離走行を達成させる。自動車Cに乗っている乗客が全員自分のセーフティコックピットAにいるため、乗車環境の清潔さを確保し、病気、特に呼吸器疾患の蔓延のリスクを軽減させるだけでなく、共有車両に乗車する際の乗客の当惑や不安も回避し、また、交通事故の際にはセーフティコックピットAを通じて乗員を保護することができる。
【0061】
好適には、
図7に示すように、本実施例では、キャビンC11内に回転台C112が設けられ、回転台C112は車体C1に対して回動可能であり、第2係着溝C111は回転台C112に開けられ、セーフティコックピットAは回転台C112に取り付けられる。キャビンC11は第3ドアC113をさらに含み、キャビンC11が2つ以上である場合、1つのキャビンC11の第3ドアC113は該キャビンC11の別のキャビンC11から離れた側に設けられる。回転台C112を回動させることにより、セーフティコックピットAを回動駆動することができ、セーフティコックピットAの利用者が使用のニーズに合わせて自動車Cの乗車方向を調整することができ、また、別のキャビンC11から離れた側に対応する第3ドアC113の側からセーフティコックピットAがキャビンC11に入ることを可能にし、乘客の面する方向と第1ドアA12からセーフティコックピットAに入る要件を同時に満たせないという課題を解決する。
【0062】
好適には、
図6に示すように、本実施例では、該自動車Cは第1板部材C3をさらに含み、車体C1に第1摺動溝C12が開けられ、第1板部材C3は第1摺動溝C12に挿着され、第1摺動溝C12に摺動可能に接続される。セーフティコックピットAをキャビンC11に装着する必要がある場合、第1板部材C3に沿ってセーフティコックピットAを推進したり、第1ホイールA3を介して第1板部材C3に沿って移動させたりすると、セーフティコックピットAをキャビンC11に装着することができ、利用者の省力化を図る。
【0063】
本実施例による自動車Cによれば、利用者は1つのキャビンC11を選択し、このキャビンC11の第3ドアC113を開き、第1板部材C3に沿ってセーフティコックピットAを推進したり、第1ホイールA3を介して第1板部材C3に沿って移動させたりして、セーフティコックピットAを回転台C112に設け、第4係着溝、第5係着溝、及び第6係着溝を介してセーフティコックピットAを固定し、次に、回転台C112を回動させることで、該セーフティコックピットAの利用者が所望の位置に面するようにする。該自動車Cによる長距離走行が完了した後、セーフティコックピットAをキャビンC11から取り出し、第1ホイールA3を介してセーフティコックピットAを駆動して短距離で走行させる。
実施例4
【0064】
図8に示すように、本発明の別の実施例では、第1機体と、第2機体と、上記のセーフティコックピットAと、を含み、第1機体の底部に第3ホイールが設けられ、第2機体に第4飛行ユニットが設けられ、第2機体は第1機体に取り外し可能に取り付けられ、セーフティコックピットAは第2機体に取り付けられ、セーフティコックピットAには第2コントローラが設けられており、第2コントローラは第2機体に電気的に接続され、第1機体には、第3ホイールに電気的に接続された自律運転ユニットが設けられており、第2コントローラは自律運転ユニット及び第3ホイールに電気的に接続される、走行装置Dが提供される。具体的には、本実施例では、第1機体は実施例2の飛行装置Bに相当し、第2コントローラは実施例2の第1コントローラA9に相当し、第4飛行ユニットは実施例2の第1飛行ユニットB2に相当し、第2機体は実施例3の自動車Cに相当し、第3ホイールは実施例3の第2ホイールC2に相当する。第1飛行ユニットB2はベースB1にヒンジ連結され、自己回転翼B31はセーフティコックピットAにヒンジ連結される。陸上移動の状態では、第1飛行ユニットB2及び自己回転翼B31はそれぞれベースB1及びセーフティコックピットAに収納され、陸上移動のための空間を節約する。飛行状態では、第1飛行ユニットB2及び自己回転翼B31が展開して、該走行装置Dに飛行機能を持たせる。
【0065】
本実施例では、以下の2つの方法を含む、上記走行装置に基づく走行方法がさらに提供される。
【0066】
通常方法:第2コントローラ又は自律運転ユニットによって第3ホイールC2を制御して第1機体を駆動し、第2機体及びセーフティコックピットAを走行させて走行を達成する。緊急方法:交通渋滞などの緊急事態が発生した場合、第2コントローラによって自律運転ユニットに目的地が入力されると、第2機体と第1機体が分離し、第4飛行ユニットが作動して第2機体及びセーフティコックピットAを飛行させて目的地に到達させ、第1機体が自律運転ユニットによって第3ホイールを駆動することで目的地に到達する。本方法は、特に、医療救助、消防救助、交通任務などの緊急事態に特に適しており、交通渋滞による医療従事者、消防士、警察、その他の特殊要員の遅延の可能性を効果的に回避できる。
【0067】
本実施例のセーフティコックピットA、飛行装置B、自動車C、走行装置D、及び走行方法には、以下の有益な効果がある。
1.利用者が座席A13に座り、第1キャビティA111内には居住必需品を収納可能であり、第1キャビティ内の空気が外界の空気と交換できるように第1貫通孔A112が開けられ、利用者へ酸素ガスを供給し、利用者がコックピット本体A1で長期間居住することを可能とする。安全上の脅威に遭遇した場合、第1動力ユニットによって第1ホイールA3を駆動して安全上の脅威を避け、避けられない安全上の脅威に遭遇した場合、卵型シェルA11を通じて応力を分散させ、コックピット本体A1に外界からの衝撃が加わったときに、コックピット本体A1の受けたダメージや変形を低減させ、より高い強度を持たせ、利用者を保護することができる。さらに、このセーフティコックピットAは、係着ユニットA2によって飛行装置B、自動車Cなどの移動デバイスに固定されて、利用者が外へ出るための日常交通工具として機能し、突然の危険が発生した場合に利用者を保護することができる。
2.利用者はセーフティコックピットAをベースB1に係着し、第2動力ユニットによって第1飛行ユニットB2を駆動するとセーフティコックピットAを駆動して飛行させることができ、飛行完了後、セーフティコックピットAをベースB1から分離すると、セーフティコックピットAの日常使用を回復することができる。
3.セーフティコックピットA及びベースB1の降下中に、自己回転翼B31が作動したり第2落下傘B32が起動したりしてセーフティコックピットAへ上向きの揚力を供給し、セーフティコックピットAの加速度をベースB1の加速度よりも遅くし、セーフティコックピットAとベースB1との間に速度の差を生じさせ、セーフティコックピットAとベースB1を分離し、両方の落下中の相対距離を持続的に増大し、セーフティコックピットAにより第1落下傘B4を引いて展開させると、セーフティコックピットAがベースB1から分離し、ベースB1は第1落下傘B4及び緩衝ばねB5の作用により地面に降下する。利用者は第1コントローラA9によって操舵機A22及び方向舵A23を制御してセーフティコックピットAの降下方向を調整し、第3動力ユニットA17によって推進機A18を駆動して短時間内で作動させ、セーフティコックピットAの降下位置を最後に調整し、セーフティコックピットAを安全な位置に降下させる。第1落下傘B4が設けられることにより、地面による二次ダメージを効果的に低減できる。
4.利用者は1つのキャビンC11を選択し、このキャビンC11の第3ドアC113を開き、第1板部材C3に沿ってセーフティコックピットAを推進したり、第1ホイールA3を介して第1板部材C3に沿って移動させたりして、セーフティコックピットAを回転台C112に設け、第4係着溝、第5係着溝、及び第6係着溝を介してセーフティコックピットAを固定し、次に、回転台C112を回動させることで、該セーフティコックピットAの利用者が所望の位置に面するようにする。該自動車Cによる長距離走行が完了した後、セーフティコックピットAをキャビンC11から取り出し、第1ホイールA3を介してセーフティコックピットAを駆動して短距離で走行させる。
5.自動車Cに乗っている乗客が全員自分のセーフティコックピットAにいるため、乗車環境の清潔さを確保し、病気、特に呼吸器疾患の蔓延のリスクを軽減させるだけでなく、共有車両に乗車する際の乗客の当惑や不安も回避し、また、交通事故の際にはセーフティコックピットAを通じて乗員を保護することができる。
6.交通渋滞などの緊急事態が発生した場合、第2コントローラによって自律運転ユニットに目的地が入力されると、第2機体と第1機体が分離し、第4飛行ユニットが作動して第2機体及びセーフティコックピットAを飛行させて目的地に到達させ、第1機体が自律運転ユニットによって第3ホイールを駆動することで目的地に到達する。本方法は、特に、医療救助、消防救助、交通任務などの緊急事態に特に適しており、交通渋滞による医療従事者、消防士、警察、その他の特殊要員の遅延の可能性を効果的に回避できる。
なお、以上は本発明の好ましい実施形態であるが、当業者にとっては、本発明の原理を逸脱することなく、いくつかの改良及び変形を施すことも可能であり、これらの改良及び変形も本発明の保護範囲とみなされる。
【符号の説明】
【0068】
A、セーフティコックピット
A1、コックピット本体、A11、卵型シェル、A111、第1キャビティ、A112、第1貫通孔、A113、骨格、A114、透明板、A115、収容室、A12、第1ドア、A13、座席、A14、スマートドアロック、A15、ペダル部材、A16、制御パネル、A17、第3動力ユニット、A18、推進機、A19、ホース、
A2、係着ユニット、A21、係着部材、A22、操舵機、A23、方向舵
A3、第1ホイール
A4、第1ハンドル
A5、第2ハンドル
A6、フロート
A7、エアバッグ装置
A8、ろ過装置
A9、第1コントローラ
B、飛行装置
B1、ベース、B11、第1係着溝、B12、第2ドア
B2、第1飛行ユニット、B21、第1動力装置
B3、第2飛行ユニット、B31、自己回転翼、B32、第2落下傘
B4、第1落下傘、B41、傘体、B42、紐
B5、緩衝ばね
B6、第3飛行ユニット、B61、第4動力ユニット、B62、動力回転翼
C、自動車
C1、車体、C11、キャビン、C111、第2係着溝、C112、回転台、C113、第3ドア、C12、第1摺動溝
C2、第2ホイール
C3、第1板部材
D、走行装置