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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024148470
(43)【公開日】2024-10-18
(54)【発明の名称】張力発生装置および半導体製造装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/683 20060101AFI20241010BHJP
   H02N 13/00 20060101ALI20241010BHJP
【FI】
H01L21/68 R
H02N13/00 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023061643
(22)【出願日】2023-04-05
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003199
【氏名又は名称】弁理士法人高田・高橋国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】安井 智史
【テーマコード(参考)】
5F131
【Fターム(参考)】
5F131AA21
5F131AA22
5F131BA03
5F131CA07
5F131CA09
5F131DA33
5F131DA42
5F131EA03
5F131EB11
5F131EB15
5F131EB17
5F131EB18
5F131JA33
(57)【要約】
【課題】ウエハ表面の傷または凹みを抑制できる張力発生装置および半導体製造装置を得ることを目的とする。
【解決手段】本開示に係る張力発生装置は、各々が第1電極と第2電極とを有する複数の電極対と、前記複数の電極対の各々が、ウエハの主面と垂直な方向で前記第1電極と前記第2電極によって前記ウエハの端部を挟み込むように配置され、前記ウエハの主面と垂直な方向から見て前記第1電極と前記第2電極が前記ウエハよりも外側に突出した状態で、前記複数の電極対の各々の前記第1電極と前記第2電極との間に電圧を印加するように構成された電圧印加部と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
各々が第1電極と第2電極とを有する複数の電極対と、
前記複数の電極対の各々が、ウエハの主面と垂直な方向で前記第1電極と前記第2電極によって前記ウエハの端部を挟み込むように配置され、前記ウエハの主面と垂直な方向から見て前記第1電極と前記第2電極が前記ウエハよりも外側に突出した状態で、前記複数の電極対の各々の前記第1電極と前記第2電極との間に電圧を印加するように構成された電圧印加部と、
を備えることを特徴とする張力発生装置。
【請求項2】
前記第1電極と前記第2電極との間に前記電圧が印加されることで、前記ウエハに張力が及ぼされることを特徴とする請求項1に記載の張力発生装置。
【請求項3】
前記第1電極と前記第2電極は、前記ウエハの前記主面と垂直な方向に前記電圧を印加するように構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の張力発生装置。
【請求項4】
前記第1電極と前記第2電極の少なくとも一方は、前記ウエハと離れていることを特徴とする請求項1または2に記載の張力発生装置。
【請求項5】
前記電圧を印加している状態で、前記第1電極と前記第2電極の間隔は、40μm以上~200μm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の張力発生装置。
【請求項6】
前記第1電極と前記第2電極の少なくとも一方の前記ウエハと対向する面には、絶縁層が設けられ、
前記絶縁層は130GPaより低いヤング率を有することを特徴とする請求項1または2に記載の張力発生装置。
【請求項7】
前記電圧印加部は、前記複数の電極対に異なる大きさの電圧を印加可能に構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の張力発生装置。
【請求項8】
前記電圧印加部は、前記複数の電極対に異なるタイミングで電圧を印加可能に構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の張力発生装置。
【請求項9】
前記ウエハは、ワイドバンドギャップ半導体で形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の張力発生装置。
【請求項10】
前記ワイドバンドギャップ半導体は、炭化珪素、窒化ガリウム系材料またはダイヤモンドであることを特徴とする請求項9に記載の張力発生装置。
【請求項11】
請求項1または2に記載の張力発生装置と、
チャックステージと、
前記張力発生装置により張力が及ぼされた状態の前記ウエハを前記チャックステージに配置するように構成された移動機構と、
を備えることを特徴とする半導体製造装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、張力発生装置および半導体製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、半導体露光装置が開示されている。この装置では、変形したウエハを静電チャックに吸着させる際、前もってウエハの半径方向に力を加え、機械的に平面に近い状態まで強制的に変形させる。その状態のままウエハを静電チャックに載置し、静電吸着することにより、所定の平面度まで平面矯正することができる。強制変形手段の一例としては、ウエハ搬送ハンド上に設け、ウエハの外周端の複数点を機械的にクランプし、ウエハの半径方向に力を加える、などの構成が考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003-224054号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、機械的クランプによってウエハを保持して力を加えている。このため、ウエハの法線方向に機械的な力が働き、ウエハ表面に傷または凹みが発生してウエハの割れを引き起こすおそれがある。
【0005】
本開示は、上述の課題を解決するためになされたもので、ウエハ表面の傷または凹みを抑制できる張力発生装置および半導体製造装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る張力発生装置は、各々が第1電極と第2電極とを有する複数の電極対と、前記複数の電極対の各々が、ウエハの主面と垂直な方向で前記第1電極と前記第2電極によって前記ウエハの端部を挟み込むように配置され、前記ウエハの主面と垂直な方向から見て前記第1電極と前記第2電極が前記ウエハよりも外側に突出した状態で、前記複数の電極対の各々の前記第1電極と前記第2電極との間に電圧を印加するように構成された電圧印加部と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本開示に係る張力発生装置および半導体製造装置では、電圧の印加によりウエハの半径方向にのみ張力を発生させることができる。従って、ウエハ表面の傷または凹みを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態1に係る張力発生装置の平面図である。
図2】実施の形態1に係る張力発生機構の断面図である。
図3】実施の形態1に係る張力発生のメカニズムを説明する図である。
図4】実施の形態1に係る張力発生のメカニズムを説明する図である。
図5】実施の形態1に係る半導体製造装置の構成を説明する図である。
図6】実施の形態1に係る半導体製造装置がスパッタ装置である場合の構成を説明する図である。
図7】実施の形態1に係る移動機構の例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
各実施の形態に係る張力発生装置および半導体製造装置について図面を参照して説明する。同じまたは対応する構成要素には同じ符号を付し、説明の繰り返しを省略する場合がある。
【0010】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る張力発生装置100の平面図である。図1では、張力発生装置100にウエハ1が載置された状態を示している。張力発生装置100は、例えば後述する半導体製造装置の一部である。張力発生装置100は、例えば静電チャックに半導体ウエハ等の基板を固定、保持する際に用いられる。特に、張力発生装置100は、基板の反りを良好に矯正するために用いられる。
【0011】
張力発生装置100は複数の張力発生機構2を有する。図1の例では、ウエハ1を引っ張るための張力発生機構2として、ウエハ1のうち180度対向する位置に2つの張力発生機構2a、2bを配置している。ウエハ1を半径方向に均一に引っ張るために、張力発生機構2はウエハ1の3か所以上に配置されても良い。本実施の形態では、ウエハ1をステージ上に搬送する際の受け渡しの便宜のために、2個の張力発生機構2a、2bを設けることとする。
【0012】
図2は、実施の形態1に係る張力発生機構2の断面図である。図2には、ウエハ1の外周部が示されている。複数の張力発生機構2はそれぞれ電極対10を有する。電極対10の各々は、第1電極11と第2電極12とを有する。第1電極11と第2電極12の表面には、絶縁層14が設けられる。図2の例では、第1電極11は絶縁層14を介してウエハ1と接し、第2電極12はウエハ1と離れている。張力発生機構2がウエハ1を支持する部分は、ウエハ1のうち一般に通常チップとして使用されない、最外周から数ミリの部分であると良い。
【0013】
絶縁層14は、例えばシリコンより柔らかい材料である。このような材料で第1電極11および第2電極12をコーティングすることにより、ウエハ1へのキズおよび凹みの発生を抑制できる。絶縁層14は、具体的には130GPaより低いヤング率を有すると良い。絶縁層14は、例えばPI(Polyimide)系、フッ素系、シリコーン系またはアクリル系の材料から形成される。絶縁層14は、第1電極11と第2電極12の少なくとも一方のウエハ1と対向する面に設けられても良い。例えば、絶縁層14は図2においてウエハ1と接している第2電極12のみに設けられても良い。また、絶縁層14は設けられなくても良い。
【0014】
第1電極11と第2電極12は、それぞれベース部材21、22に保持されている。ベース部材21はウエハ1の端部を支持している。ベース部材22は、ウエハ1の端部の上方に配置されている。ベース部材22は庇状の形状を有する。
【0015】
電圧印加部は、複数の電極対10の各々の第1電極11と第2電極12との間に電圧を印加するように構成されている。電圧印加部は、例えば第1電極11と第2電極12の間に電圧を印加するための電源50である。電圧印加部は、電源50と第1電極11および第2電極12とを接続する配線等の回路であっても良い。電源50は、直流電源、交流電源、パルス電源等である。
【0016】
図2に示されるように、電極対10の各々は、ウエハの主面と垂直な方向で第1電極11と第2電極12によってウエハ1の端部を挟み込むように配置される。また、ウエハ1の主面と垂直な方向から見て、第1電極11と第2電極12は、ウエハ1よりも外側に突出している。このように電極対10を配置した状態で、電圧印加部は、複数の電極対10の各々の第1電極11と第2電極12との間に電圧を印加するように構成されている。
【0017】
また、第1電極11と第2電極12は、ウエハ1の主面と垂直な方向に電圧を印加するように構成されていることが好ましい。つまり、ウエハ1の法線方向に電界が発生するように、電圧が印加されると良い。
【0018】
図3、4は、実施の形態1に係る張力発生のメカニズムを説明する図である。図3に示されるように、電極対10に電圧を印加すると、第1電極11と第2電極12の間に静電エネルギーが蓄積される。また、ウエハ1内部の正電荷と負電荷がそれぞれ負極と正極に引き寄せられ、分極が発生する。このとき、図3で矢印81に示される上下方向の静電力は相殺し合う。一方、矢印82に示される静電力により、ウエハ半径方向においてウエハ1に張力Fが及ぼされる。
【0019】
図4を用いて、張力Fについてさらに説明する。図2、4において、Lは第1電極11および第2電極12の長さ、xはウエハ1の挟み込み長さ、dは電極対10間の距離である。部分的にウエハ1が電極対10間に入り込んだとき、つまりL>xのとき、ウエハ1の分極により電極対10間の静電エネルギーが下がる。ウエハ1が電極対10間に深く入り込んでいるほど、電極対10間に蓄積される静電エネルギーが低下する。このため、ウエハ1には静電エネルギーを下げる方向に力が発生する。この力は、ウエハ1を電極対10間に引き込むように働く。つまり、ウエハ1に張力Fが及ぼされる。これにより、ウエハ1は外周方向に引っ張られ、ウエハ1の反りを矯正できる。
【0020】
なお、電源50と接続方向と張力Fの発生方向に関連性はない。つまり、第1電極11と第2電極12の何れを正極としても良い。
【0021】
ウエハ1に発生する張力Fは以下の式(1)で表すことができる。ここで、εはSi比誘電率=12、εは真空の誘電率=8.8×10-12、aは電極幅、Vは第1電極11と第2電極12との間に印加される電圧である。
【0022】
【数1】
【0023】
また、L=xとなると、それ以上深く電極対10にウエハ1が入り込んでも静電エネルギーが下がらなくなる。このため、ウエハ1を電極対10間に引き込む力Fは発生しなくなる。従って、L>x、つまりウエハ1の主面と垂直な方向から見て第1電極11と第2電極12がウエハ1よりも外側に突出していることが必要となる。
【0024】
ウエハ1の曲げを矯正するには、最小座屈荷重と同じ大きさで半径方向に張力を発生させればよい。最小座屈荷重は、以下の式(2)で表される。
【0025】
【数2】
【0026】
ここで、Siヤング率E=200GPa、d=ウエハ厚=100μm、a=30mm、ウエハ1の直径l=300mm、V=2kVとすると、式(1)、(2)から、張力Fと、最小座屈荷重Fは共に~6×10-2[N]となる。このため、例えばd=100μmとすれば反りを抑制できることが分かる。式(1)に示されるように、距離dが広がると、同じ張力Fを発生させるために必要な印加電圧Vが大きくなる。また、数kV程度の電源は、一般に静電吸着ステージで使用される汎用的な電源である。電圧V、距離d等のパラメータを考慮すると、電圧Vを印加している状態での第1電極11と第2電極12の間隔dが、例えば40μm以上~200μm以下であれば反りを抑制できる。
【0027】
図5は、実施の形態1に係る半導体製造装置200の構成を説明する図である。半導体製造装置200は、張力発生装置100とチャックステージ5を備える。チャックステージ5は例えば静電チャックである。本実施の形態の張力発生装置100によれば、変形したウエハ1’の半径方向に張力Fを加え、ウエハ1のように変形を矯正できる。図4に示されるように、ウエハ1は例えばチャックステージ5の上方で変形を矯正された後、チャックステージ5に搭載される。これにより、チャックステージ5によってウエハ1を均一に吸着することができる。
【0028】
図6は、実施の形態1に係る半導体製造装置200がスパッタ装置である場合の構成を説明する図である。半導体製造装置200において、筐体3には、スパッタターゲット4、チャックステージ5および張力発生機構2が収納されている。筐体3内は、真空ポンプ36により真空引きされる。ウエハ1は、図示しない搬送ハンドによりベース部材21に載置される。その後、ベース部材22がウエハ1へ接近する。
【0029】
この状態で、電源50により電極対10間に直流電圧を印加する。これにより、ウエハ1に張力を発生させ、ウエハ1の反りを矯正する。ウエハ1は張力が及ぼされた状態のまま、移動機構30によりチャックステージ5に載置され、チャックステージ5で保持される。この状態で、電源50の電圧をオフすることにより、ウエハ1の反りを抑制した状態でウエハ1をチャックステージ5に載置できる。従って、ウエハ1を均一に静電チャックステージへ載置できる。
【0030】
図6の例では、移動機構30は、ベース部材21を上下に移動させる部分31と、ベース部材22を上下に移動させる部分32を有する。本実施の形態では、ウエハ1はチャックステージ5の上方で反りを矯正される。このため、移動機構30は、ベース部材21、22を上下に移動させることができれば良い。
【0031】
図7は、実施の形態1に係る移動機構30の例を説明する図である。移動機構30の部分31、32は、例えば伸縮性のあるベローズ34と、ステッピングモーター等のアクチュエータ35の組み合わせにより実現できる。
【0032】
張力発生機構2はチャックステージ5の上方に設けられなくても良く、チャックステージ5に対するウエハ1の反りを矯正する位置は限定されない。移動機構30は、上下に移動するものに限定されず、張力発生装置100により張力が及ぼされた状態のウエハ1をチャックステージ5に配置できるように構成されていれば良い。また、図6の例では、各々の張力発生機構2に移動機構30が設けられる。これに限らず、複数の張力発生機構2に共通の移動機構30が設けられても良い。
【0033】
以上説明したように、本実施の形態によれば、機械的な力でウエハを変形させるのではなく、電圧の印加によりウエハ1の半径方向にのみ張力を発生させることができる。従って、ウエハ表面の傷または凹みを抑制しながら、ウエハ1の反りを矯正できる。
【0034】
本実施の形態では、第1電極11にウエハ1が搭載され、第2電極12がウエハ1と離れている構成を例に説明した。第1電極11と第2電極12の少なくとも一方がウエハ1と離れていることで、ウエハ1にキズまたは凹みが発生することをさらに抑制できる。これに限らず、第1電極11と第2電極12の両方がウエハ1と離れている状態で、電極対10に電圧が印加されても良い。この場合、ウエハ1を保持する部材が別に設けられても良い。また、ウエハ1に傷または凹みが生じない範囲で、第1電極11と第2電極12の両方がウエハ1と接した状態で、電極対10に電圧が印加されても良い。
【0035】
電圧印加部は、複数の電極対10に異なる大きさの電圧を印加可能に構成されていても良い。また電圧印加部は、複数の電極対10に異なるタイミングで電圧を印加可能に構成されていても良い。これにより、ウエハに及ぼされる張力のバランスおよびウエハ位置の調整が可能になる。また、上述の例では、各々の張力発生機構2に電源50が設けられているが、複数の張力発生機構2に共通の電源50が設けられても良い。
【0036】
本実施の形態では、ウエハ1がシリコンウエハである例について説明した。これに限らず、ウエハ1はワイドバンドギャップ半導体で形成されていても良い。ワイドバンドギャップ半導体は、炭化珪素、窒化ガリウム系材料またはダイヤモンドである。
【0037】
なお、本実施の形態で説明した技術的特徴は適宜に組み合わせて用いても良い。
【0038】
以下、本開示の諸態様を付記としてまとめて記載する。
(付記1)
各々が第1電極と第2電極とを有する複数の電極対と、
前記複数の電極対の各々が、ウエハの主面と垂直な方向で前記第1電極と前記第2電極によって前記ウエハの端部を挟み込むように配置され、前記ウエハの主面と垂直な方向から見て前記第1電極と前記第2電極が前記ウエハよりも外側に突出した状態で、前記複数の電極対の各々の前記第1電極と前記第2電極との間に電圧を印加するように構成された電圧印加部と、
を備えることを特徴とする張力発生装置。
(付記2)
前記第1電極と前記第2電極との間に前記電圧が印加されることで、前記ウエハに張力が及ぼされることを特徴とする付記1に記載の張力発生装置。
(付記3)
前記第1電極と前記第2電極は、前記ウエハの前記主面と垂直な方向に前記電圧を印加するように構成されていることを特徴とする付記1または2に記載の張力発生装置。
(付記4)
前記第1電極と前記第2電極の少なくとも一方は、前記ウエハと離れていることを特徴とする付記1から3の何れか1項に記載の張力発生装置。
(付記5)
前記電圧を印加している状態で、前記第1電極と前記第2電極の間隔は、40μm以上~200μm以下であることを特徴とする付記1から4の何れか1項に記載の張力発生装置。
(付記6)
前記第1電極と前記第2電極の少なくとも一方の前記ウエハと対向する面には、絶縁層が設けられ、
前記絶縁層は130GPaより低いヤング率を有することを特徴とする付記1から5の何れか1項に記載の張力発生装置。
(付記7)
前記電圧印加部は、前記複数の電極対に異なる大きさの電圧を印加可能に構成されていることを特徴とする付記1から6の何れか1項に記載の張力発生装置。
(付記8)
前記電圧印加部は、前記複数の電極対に異なるタイミングで電圧を印加可能に構成されていることを特徴とする付記1から7の何れか1項に記載の張力発生装置。
(付記9)
前記ウエハは、ワイドバンドギャップ半導体で形成されていることを特徴とする付記1から8の何れか1項に記載の張力発生装置。
(付記10)
前記ワイドバンドギャップ半導体は、炭化珪素、窒化ガリウム系材料またはダイヤモンドであることを特徴とする付記9に記載の半導体装置。
(付記11)
付記1から10の何れか1項に記載の張力発生装置と、
チャックステージと、
前記張力発生装置により張力が及ぼされた状態の前記ウエハを前記チャックステージに配置するように構成された移動機構と、
を備えることを特徴とする半導体製造装置。
【符号の説明】
【0039】
1、1’ ウエハ、2、2a、2b 張力発生機構、3 筐体、4 スパッタターゲット、5 チャックステージ、10 電極対、11 第1電極、12 第2電極、14 絶縁層、21、22 ベース部材、30 移動機構、31、32 部分、34 ベローズ、35 アクチュエータ、36 真空ポンプ、50 電源、100 張力発生装置、200 半導体製造装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7