(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024001488
(43)【公開日】2024-01-10
(54)【発明の名称】ユーザインタフェース装置、制御装置、およびコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/0354 20130101AFI20231227BHJP
G06F 3/04817 20220101ALI20231227BHJP
G06F 3/0487 20130101ALI20231227BHJP
B60R 16/02 20060101ALI20231227BHJP
【FI】
G06F3/0354 453
G06F3/04817
G06F3/0487
B60R16/02 630L
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022100169
(22)【出願日】2022-06-22
(71)【出願人】
【識別番号】000003551
【氏名又は名称】株式会社東海理化電機製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】弁理士法人信栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】妻鹿 晋
(72)【発明者】
【氏名】鍋 嘉晃
(72)【発明者】
【氏名】菅原 功明
(72)【発明者】
【氏名】森 創来
(72)【発明者】
【氏名】武縄 悟
【テーマコード(参考)】
5B087
5E555
【Fターム(参考)】
5B087AA09
5B087DE03
5E555AA01
5E555BA01
5E555BA23
5E555BB01
5E555BB23
5E555BC01
5E555CA07
5E555CA15
5E555CB09
5E555CB34
5E555CC03
5E555DA01
5E555DB18
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】ユーザインタフェース装置の操作性を高める。
【解決手段】各々が特定の機能に関連付けられた複数の第一アイコン画像121a~121gが表示装置12に表示される。ノブ11に対する手指Fの接近または接触位置に応じて、複数の第一アイコン画像121a~121gのうち一つの第一アイコン画像が被選択状態とされる。当該一つの第一アイコン画像が被選択状態とされている間にノブ11が上方向へ変位されると、表示装置12における当該一つの第一アイコン画像から上方向へシフトした位置に、各々が前記特定の機能のサブ機能に関連付けられた複数の第二アイコン画像122a~122dが表示される。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
可動体と、
表示装置と、
各々が特定の機能に関連付けられた複数の第一アイコン画像を前記表示装置に表示させる制御装置と、
を備えており、
前記制御装置は、
前記可動体に対する被検出物の接近または接触位置に応じて、前記複数の第一アイコン画像のうち一つの第一アイコン画像を被選択状態とし、
前記一つの第一アイコン画像が前記被選択状態とされている間に前記可動体が第一方向へ変位されると、前記表示装置における前記一つの第一アイコン画像から当該第一方向へシフトした位置に、各々が前記特定の機能のサブ機能に関連付けられた複数の第二アイコン画像を表示させる、
ユーザインタフェース装置。
【請求項2】
前記制御装置は、
前記可動体に対する被検出物の接近または接触位置に応じて、前記複数の第二アイコン画像のうち一つの第二アイコン画像を被選択状態とし、
前記一つの第二アイコン画像が前記被選択状態とされている間に前記可動体が前記第一方向へ変位されると、前記複数の第二アイコン画像に代えて、各々が前記サブ機能のサブ機能に関連付けられた複数の第三アイコン画像を表示させる、
請求項1に記載のユーザインタフェース装置。
【請求項3】
前記制御装置は、
前記可動体に対する被検出物の接近または接触位置に応じて前記複数の第二アイコン画像のうち一つの第二アイコン画像を被選択状態とし、
前記一つの第二アイコン画像が前記被選択状態とされている間に前記可動体が前記第一方向と反対の第二方向へ変位されると、前記表示装置における前記一つの第二アイコン画像から当該第二方向へシフトした位置に位置する前記複数の第一アイコン画像のいずれかが被選択状態とされる、
請求項1または2に記載のユーザインタフェース装置。
【請求項4】
可動体と、
表示装置と、
各々が特定の機能に関連付けられた複数の第一アイコン画像と、各々が当該特定の機能のサブ機能に関連付けられた複数の第二アイコン画像とを、前記表示装置に表示させる制御装置と、
を備えており、
前記制御装置は、
前記表示装置における前記複数の第一アイコン画像から第一方向にシフトした位置に前記複数の第二アイコン画像を表示させ、
前記可動体に対する被検出物の接近または接触位置に応じて、前記複数の第二アイコン画像のうち一つの第二アイコン画像を被選択状態とし、
前記一つの第二アイコン画像が前記被選択状態とされている間に前記可動体が第一方向と反対の第二方向へ変位されると、前記表示装置における前記一つの第二アイコン画像から当該第二方向へシフトした位置にある前記複数の第一アイコン画像のいずれかを被選択状態とする、
ユーザインタフェース装置。
【請求項5】
可動体に対する被検出物の接近または接触位置を示す検出信号を受け付けるインタフェースと、
各々が特定の機能に関連付けられた複数の第一アイコン画像を表示装置に表示させるプロセッサと、
を備えており、
前記プロセッサは、
前記検出信号に基づいて前記複数の第一アイコン画像のうち一つの第一アイコン画像を被選択状態とし、
前記一つの第一アイコン画像が前記被選択状態とされている間に前記可動体が第一方向へ変位されると、前記表示装置における前記一つの第一アイコン画像から当該第一方向へシフトした位置に、各々が前記特定の機能のサブ機能に関連付けられた複数の第二アイコン画像を表示させる、
制御装置。
【請求項6】
制御装置に搭載されたプロセッサにより実行可能なコンピュータプログラムであって、
実行されることにより、前記制御装置は、
可動体に対する被検出物の接近または接触位置を示す検出信号を受け付け、
各々が特定の機能に関連付けられた複数の第一アイコン画像を表示装置に表示させ、
前記検出信号に基づいて前記複数の第一アイコン画像のうち一つの第一アイコン画像を被選択状態とし、
前記一つの第一アイコン画像が前記被選択状態とされている間に前記可動体が第一方向へ変位されると、前記表示装置における前記一つの第一アイコン画像から当該第一方向へシフトした位置に、各々が前記特定の機能のサブ機能に関連付けられた複数の第二アイコン画像を表示させる、
コンピュータプログラム。
【請求項7】
可動体に対する被検出物の接近または接触位置を示す検出信号を受け付けるインタフェースと、
各々が特定の機能に関連付けられた複数の第一アイコン画像と、各々が当該特定の機能のサブ機能に関連付けられた複数の第二アイコン画像とを、表示装置に表示させるプロセッサと、
を備えており、
前記プロセッサは、
前記表示装置における前記複数の第一アイコン画像から第一方向へシフトした位置に前記複数の第二アイコン画像を表示させ、
前記検出信号に基づいて前記複数の第二アイコン画像のうち一つの第二アイコン画像を被選択状態とし、
前記一つの第二アイコン画像が前記被選択状態とされている間に前記可動体が前記第一方向と反対の第二方向へ変位されると、前記表示装置における前記一つの第二アイコン画像から当該第二方向へシフトした位置にある前記複数の第一アイコン画像のいずれかを被選択状態とする、
制御装置。
【請求項8】
制御装置に搭載されたプロセッサにより実行可能なコンピュータプログラムであって、
実行されることにより、前記制御装置は、
可動体に対する被検出物の接近または接触位置を示す検出信号を受け付け、
各々が特定の機能に関連付けられた複数の第一アイコン画像と、各々が当該特定の機能のサブ機能に関連付けられた複数の第二アイコン画像とを、表示装置に表示させ、
前記表示装置における前記複数の第一アイコン画像から第一方向へシフトした位置に前記複数の第二アイコン画像を表示させ、
前記検出信号に基づいて前記複数の第二アイコン画像のうち一つの第二アイコン画像を被選択状態とし、
前記一つの第二アイコン画像が前記被選択状態とされている間に前記可動体が前記第一方向と反対の第二方向へ変位されると、前記表示装置における前記一つの第二アイコン画像から当該第二方向へシフトした位置にある前記複数の第一アイコン画像のいずれかを被選択状態とする、
コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ユーザインタフェース装置に関連する。本開示は、当該ユーザインタフェース装置に搭載されうる制御装置、および当該制御装置に搭載されたプロセッサにより実行可能なコンピュータプログラムにも関連する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、移動体の一例としての車両に搭載される被制御装置の動作を制御するためのユーザインタフェース装置を開示している。当該装置は、ディスプレイとタッチパッドを含んでいる。ディスプレイの画面上には、被制御装置の機能を示すアイコンやボタンなどの画像が表示される。ユーザは、タッチパッドの検出部に指を触れて操作を入力することにより、当該画像の選択と当該画像に関連付けられた機能の実行を行なう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のようなユーザインタフェース装置の操作性を高めることが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示により提供される第一の態様例は、ユーザインタフェース装置であって、
可動体と、
表示装置と、
各々が特定の機能に関連付けられた複数の第一アイコン画像を前記表示装置に表示させる制御装置と、
を備えており、
前記制御装置は、
前記可動体に対する被検出物の接近または接触位置に応じて、前記複数の第一アイコン画像のうち一つの第一アイコン画像を被選択状態とし、
前記一つの第一アイコン画像が前記被選択状態とされている間に前記可動体が第一方向へ変位されると、前記表示装置における前記一つの第一アイコン画像から当該第一方向へシフトした位置に、各々が前記特定の機能のサブ機能に関連付けられた複数の第二アイコン画像を表示させる。
【0006】
本開示により提供される第二の態様例は、制御装置であって、
可動体に対する被検出物の接近または接触位置を示す検出信号を受け付けるインタフェースと、
各々が特定の機能に関連付けられた複数の第一アイコン画像を表示装置に表示させるプロセッサと、
を備えており、
前記プロセッサは、
前記検出信号に基づいて前記複数の第一アイコン画像のうち一つの第一アイコン画像を被選択状態とし、
前記一つの第一アイコン画像が前記被選択状態とされている間に前記可動体が第一方向へ変位されると、前記表示装置における前記一つの第一アイコン画像から当該第一方向へシフトした位置に、各々が前記特定の機能のサブ機能に関連付けられた複数の第二アイコン画像を表示させる。
【0007】
本開示により提供される第三の態様例は、制御装置に搭載されたプロセッサにより実行可能なコンピュータプログラムであって、
実行されることにより、前記制御装置は、
可動体に対する被検出物の接近または接触位置を示す検出信号を受け付け、
各々が特定の機能に関連付けられた複数の第一アイコン画像を表示装置に表示させ、
前記検出信号に基づいて前記複数の第一アイコン画像のうち一つの第一アイコン画像を被選択状態とし、
前記一つの第一アイコン画像が前記被選択状態とされている間に前記可動体が第一方向へ変位されると、前記表示装置における前記一つの第一アイコン画像から当該第一方向へシフトした位置に、各々が前記特定の機能のサブ機能に関連付けられた複数の第二アイコン画像を表示させる。
【0008】
第一から第三の態様例の各々に係る構成によれば、可動体に対する被検出物の位置変更と第一方向への可動体の変位とを組み合わせることにより、特定の機能についての選択肢として提示される複数のアイコン画像から一つを選択する動作と、選択された特定の機能のサブ機能についての選択肢を表示させる動作とを、効率よく繰り返すことができる。加えて、サブ機能についての選択肢が表示される位置が、その上位機能についての選択肢が表示される位置に対して可動体の変位方向と同じ方向にシフトしているので、乗員に直感的な操作体験を提供できる。したがって、ユーザインタフェース装置の操作性を高めることができる。
【0009】
本開示により提供される第四の態様例は、ユーザインタフェース装置であって、
可動体と、
表示装置と、
各々が特定の機能に関連付けられた複数の第一アイコン画像と、各々が当該特定の機能のサブ機能に関連付けられた複数の第二アイコン画像とを、前記表示装置に表示させる制御装置と、
を備えており、
前記制御装置は、
前記表示装置における前記複数の第一アイコン画像から第一方向にシフトした位置に前記複数の第二アイコン画像を表示させ、
前記可動体に対する被検出物の接近または接触位置に応じて、前記複数の第二アイコン画像のうち一つの第二アイコン画像を被選択状態とし、
前記一つの第二アイコン画像が前記被選択状態とされている間に前記可動体が第一方向と反対の第二方向へ変位されると、前記表示装置における前記一つの第二アイコン画像から当該第二方向へシフトした位置にある前記複数の第一アイコン画像のいずれかを被選択状態とする。
【0010】
本開示により提供される第五の態様例は、制御装置であって、
可動体に対する被検出物の接近または接触位置を示す検出信号を受け付けるインタフェースと、
各々が特定の機能に関連付けられた複数の第一アイコン画像と、各々が当該特定の機能のサブ機能に関連付けられた複数の第二アイコン画像とを、表示装置に表示させるプロセッサと、
を備えており、
前記プロセッサは、
前記表示装置における前記複数の第一アイコン画像から第一方向へシフトした位置に前記複数の第二アイコン画像を表示させ、
前記検出信号に基づいて前記複数の第二アイコン画像のうち一つの第二アイコン画像を被選択状態とし、
前記一つの第二アイコン画像が前記被選択状態とされている間に前記可動体が前記第一方向と反対の第二方向へ変位されると、前記表示装置における前記一つの第二アイコン画像から当該第二方向へシフトした位置にある前記複数の第一アイコン画像のいずれかを被選択状態とする。
【0011】
本開示により提供される第六の態様例は、制御装置に搭載されたプロセッサにより実行可能なコンピュータプログラムであって、
実行されることにより、前記制御装置は、
可動体に対する被検出物の接近または接触位置を示す検出信号を受け付け、
各々が特定の機能に関連付けられた複数の第一アイコン画像と、各々が当該特定の機能のサブ機能に関連付けられた複数の第二アイコン画像とを、表示装置に表示させ、
前記表示装置における前記複数の第一アイコン画像から第一方向へシフトした位置に前記複数の第二アイコン画像を表示させ、
前記検出信号に基づいて前記複数の第二アイコン画像のうち一つの第二アイコン画像を被選択状態とし、
前記一つの第二アイコン画像が前記被選択状態とされている間に前記可動体が前記第一方向と反対の第二方向へ変位されると、前記表示装置における前記一つの第二アイコン画像から当該第二方向へシフトした位置にある前記複数の第一アイコン画像のいずれかを被選択状態とする。
【0012】
第四から第六の態様例の各々に係る構成によれば、可動体を第二方向へ変位させれば上位の機能に関連付けられた複数のアイコン画像のいずれかを選択可能な状態へ遷移可能であり、可動体に対する被検出物の位置を変更しながら最終的なアイコン画像の選択に至った経路を遡る必要がない。すなわち、より下位の機能に関連付けられた複数のアイコン画像のいずれかを選択するまでの経路と、より上位の機能に関連付けられた複数のアイコン画像のいずれかを選択可能な状態へ遷移する際の経路とが異なる場合があり、後者は最短の経路が選ばれることになる。必要最小限の動作で上位機能の選択が可能な状態への復帰がなされるので、ユーザインタフェース装置の操作性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】一実施形態に係るユーザインタフェース装置の機能構成を例示している。
【
図2】
図1のユーザインタフェース装置が搭載される車両を例示している。
【
図3】
図1のスイッチ装置におけるノブの外観を例示している。
【
図4】
図3における矢印IV方向から見たノブの輪郭形状を例示している。
【
図5】
図1の表示装置に表示される画面の一例を示している。
【
図6】
図1の表示装置に表示される画面の別例を示している。
【
図7】
図1の表示装置に表示される画面の別例を示している。
【
図8】
図1の表示装置に表示される画面の別例を示している。
【
図9】
図1の表示装置に表示される画面の別例を示している。
【
図10】
図1の表示装置に表示される画面の別例を示している。
【
図11】
図1の表示装置に表示される画面の別例を示している。
【
図12】
図1の表示装置に表示される画面の別例を示している。
【
図13】
図1の表示装置に表示される画面の別例を示している。
【
図14】
図1の表示装置に表示される画面の別例を示している。
【
図15】
図1の表示装置に表示される画面の別例を示している。
【
図16】
図1の表示装置に表示される画面の別例を示している。
【
図17】
図1の表示装置に表示される画面の別例を示している。
【
図18】
図1の表示装置に表示される画面の別例を示している。
【発明を実施するための形態】
【0014】
添付の図面を参照しつつ、実施形態例について以下詳細に説明する。以下の説明に用いられる各図面においては、各要素を認識可能な大きさとするために縮尺が適宜変更されている。
【0015】
図1は、一実施形態に係るユーザインタフェース装置10の機能構成を例示している。本例に係るユーザインタフェース装置10は、
図2に例示される車両20に搭載されるように構成されている。ユーザインタフェース装置10は、車両20に搭載された被制御装置の動作を制御するための装置である。被制御装置の例としては、空調機器、映像音響機器、照明装置、ステアリングコラムの位置調節装置、シートの位置調節装置、ドアミラーの位置調節装置などが挙げられる。
【0016】
図1と
図2に例示されるように、ユーザインタフェース装置10は、ノブ11と表示装置12を備えている。本例においては、ノブ11と表示装置12は、車両20のセンタクラスタ21に配置されている。ノブ11は、表示装置12の下方に配置されている。
【0017】
ノブ11は、乗員の手指Fにより操作可能に構成されている。
図3は、ノブ11の外観を例示している。
図4は、
図3における矢印IVの方向から見たノブ11の輪郭形状を例示している。
【0018】
図4に例示されるように、ノブ11は、軸Aを中心として
図1における反時計回り方向および時計回り方向へ回動可能に構成されている。乗員が手指Fでいずれかの方向に力を付与することにより、ノブ11は、当該方向に回動する。手指Fからの力が解除されると、ノブ11は、ばねなどの復帰機構(不図示)により初期位置に復帰する。
【0019】
以降の説明においては、
図4における時計回り方向を上方向と称し、
図4における反時計回り方向を下方向と称する。ノブ11は、可動体の一例である。回動は、変位の一例である。
【0020】
図5は、表示装置12に表示される画面120を例示している。本例においては、画面120は、複数の第一アイコン画像121a~121gを含んでいる。複数の第一アイコン画像121a~121gは、画面120の下端部において左右方向に配列されている。複数の第一アイコン画像121a~121gの各々は、車両20に搭載された被制御装置に係る特定の機能に関連付けられている。
【0021】
図4に例示されるように、ノブ11は、検出部111を備えている。検出部111は、ノブ11の表面における乗員の手指Fが触れることのできる位置に配置されている。検出部111は、導電性を有する材料により形成されている。
【0022】
図1に例示されるように、ユーザインタフェース装置10は、第一センサ131を備えている。乗員の手指Fが検出部111に接触すると、検出部111における静電容量の変化が生じる。第一センサ131は、当該変化を検出し、当該変化に対応する第一検出信号DT1を出力するように構成されている。第一センサ131は、周知の構成を備えた静電センサにより実現されうる。乗員の手指は、被検出物の一例である。第一検出信号DT1は、アナログ信号であってもよいし、デジタル信号であってもよい。
【0023】
ユーザインタフェース装置10は、第二センサ132を備えている。第二センサ132は、ノブ11の上方向への変位を検出するように構成されている。上方向は、第一方向の一例である。変位の検出は、周知の構成を用いて、機械的、電気的、光学的、あるいは磁気的になされうる。第二センサ132は、ノブ11の上方向への変位を検出すると、第二検出信号DT2を出力するように構成されている。第二検出信号DT2は、アナログ信号であってもよいし、デジタル信号であってもよい。
【0024】
ユーザインタフェース装置10は、第三センサ133を備えている。第三センサ133は、ノブ11の下方向への変位を検出するように構成されている。下方向は、第二方向の一例である。変位の検出は、周知の構成を用いて、機械的、電気的、光学的、あるいは磁気的になされうる。第三センサ133は、ノブ11の下方向への変位を検出すると、第三検出信号DT3を出力するように構成されている。第三検出信号DT3は、アナログ信号であってもよいし、デジタル信号であってもよい。
【0025】
ユーザインタフェース装置10は、制御装置14を備えている。制御装置14は、受付インタフェース141、プロセッサ142、および出力インタフェース143を備えている。
【0026】
受付インタフェース141は、第一検出信号DT1、第二検出信号DT2、および第三検出信号DT3を受け付け可能に構成されている。第一検出信号DT1、第二検出信号DT2、および第三検出信号DT3の少なくとも一つがアナログ信号である場合、受付インタフェース141は、A/Dコンバータを含む適宜の変換回路を備える。
【0027】
プロセッサ142は、表示装置12に表示される画面120の状態を制御する表示制御信号DCを、出力インタフェース143から出力するように構成されている。表示制御信号DCは、アナログ信号であってもよいし、デジタル信号であってもよい。表示制御信号DCがアナログ信号である場合、出力インタフェース143は、D/Aコンバータを含む適宜の変換回路を備える。表示装置12は、表示制御信号DCに応じて画面120の状態を変更するように構成されている。
【0028】
プロセッサ142は、第一検出信号DT1が示すノブ11の検出部111における乗員の手指Fの接近または接触が検出された位置に応じて、表示装置12に表示された複数の第一アイコン画像121a~121gのうち一つを被選択状態にする表示制御信号DCを、出力インタフェース143から出力するように構成されている。
【0029】
具体的には、
図6に例示されるように、プロセッサ142は、ノブ11の検出部111における乗員の手指Fの接近または接触が検出された位置の上方向に位置する第一アイコン画像を被選択状態にする表示制御信号DCを、出力インタフェース143から出力する。本例においては、第一アイコン画像121gが被選択状態とされている。
【0030】
被選択状態への変更は、アイコン画像の色変化、アイコン画像の形状変化、アイコン画像のサイズ変化、補助テキストの表示などにより実現されうる。
【0031】
したがって、
図7に例示されるように検出部111における手指Fの位置が変更されると、被選択状態とされる第一アイコン画像もまた変更される。本例においては、移動後の手指Fの上方向に位置する第一アイコン画像121dが被選択状態とされている。第一アイコン画像121gの被選択状態は解除される。
【0032】
プロセッサ142は、特定の第一アイコン画像を被選択状態にする表示制御信号DCが出力された後に受付インタフェース141が第二検出信号DT2を受け付けると、当該第一アイコン画像から上方向へシフトした位置に複数の第二アイコン画像を表示させる表示制御信号DCを、出力インタフェース143から出力するように構成されている。複数の第二アイコン画像の各々は、被選択状態とされた第一アイコン画像が関連付けられている機能のサブ機能に関連付けられている。
【0033】
例えば、
図8に例示されるように、第一アイコン画像121dが被選択状態とされている間にノブ11が上方向へ変位されると、第一アイコン画像121dから上方向へシフトした位置に複数の第二アイコン画像122a~122dが表示される。複数の第二アイコン画像122a~122dの各々は、第一アイコン画像121dが関連付けられている特定の機能のサブ機能に関連付けられている。複数の第二アイコン画像122a~122dは、左右方向に配列されている。
【0034】
例えば第一アイコン画像121dが「シート調節」機能に関連付けられている場合、複数の第二アイコン画像122a~122dは、それぞれ「位置調節」、「リクライニング角度調節」、「ヘッドレスト位置調節」、および「アームレスト位置調節」に関連付けられうる。
【0035】
加えて、複数の第二アイコン画像122a~122dのうち、手指Fの上方向に位置している第二アイコン画像122bが被選択状態とされる。
【0036】
第一アイコン画像の場合と同様に、
図9に例示されるように検出部111における手指Fの位置が変更されると、被選択状態とされる第二アイコン画像もまた変更される。本例においては、移動後の手指Fの上方向に位置する第二アイコン画像122cが被選択状態とされている。第二アイコン画像122bの被選択状態は解除される。
【0037】
プロセッサ142は、特定の第二アイコン画像を被選択状態にする表示制御信号DCが出力された後に受付インタフェース141が第二検出信号DT2を受け付けると、当該第二アイコン画像から上方向へシフトした位置に複数の第三アイコン画像を表示させる表示制御信号DCを、出力インタフェース143から出力するように構成されている。複数の第三アイコン画像の各々は、被選択状態とされた第二アイコン画像が関連付けられている機能のサブ機能に関連付けられている。
【0038】
例えば、
図10に例示されるように、第二アイコン画像122cが被選択状態とされている間にノブ11が上方向へ変位されると、第二アイコン画像122cから上方向へシフトした位置に複数の第三アイコン画像123a~123cが表示される。複数の第三アイコン画像123a~123cの各々は、第二アイコン画像122cが関連付けられている特定の機能のサブ機能に関連付けられている。複数の第三アイコン画像123a~123cは、左右方向に配列されている。
【0039】
前述のように、第二アイコン画像122cは「ヘッドレスト位置調節」機能に関連付けられている。この場合、複数の第三アイコン画像123a~123cは、それぞれ「上昇」、「初期位置にリセット」、および「下降」に関連付けられうる。
【0040】
第一アイコン画像および第二アイコン画像の場合と同様に、
図11に例示されるように検出部111における手指Fの位置が変更されると、被選択状態とされる第三アイコン画像もまた変更される。本例においては、移動後の手指Fの上方向に位置する第三アイコン画像123cが被選択状態とされている。第三アイコン画像123bの被選択状態は解除される。
【0041】
プロセッサ142は、第一検出信号DT1に基づいて手指Fがノブ11から離れたと判断すると、被選択状態とされているアイコン画像に関連付けられた機能の選択を確定させる処理を実行するように構成されている。
図12に示される例においては、第三アイコン画像123cが選択された状態が確定している。第一アイコン画像121dと第二アイコン画像122cの被選択状態は解除されてもよいし、維持されてもよい。
【0042】
図1に例示されるように、プロセッサ142は、被制御装置に選択された機能を実行させる制御信号CTを、出力インタフェース143から出力するように構成されている。上記の例においては、第三アイコン画像123cに関連付けられたアームレストの下降をシートに設けられた駆動機構に実行させる制御信号CTが、出力インタフェース143から出力される。
【0043】
上記のような構成によれば、ノブ11に対する手指Fの位置変更と上方向へのノブ11の変位とを組み合わせることにより、特定の機能についての選択肢として提示される複数のアイコン画像から一つを選択する動作と、選択された特定の機能のサブ機能についての選択肢を表示させる動作とを、効率よく繰り返すことができる。加えて、サブ機能についての選択肢が表示される位置が、その上位機能についての選択肢が表示される位置に対してノブ11の変位方向と同じ方向にシフトしているので、乗員に直感的な操作体験を提供できる。したがって、ユーザインタフェース装置10の操作性を高めることができる。
【0044】
さらに、複数のアイコン画像が配列される方向がノブ11の変位方向と異なっているので、アイコン画像を選択する動作と、サブ機能についての選択肢を表示させる動作とが明瞭に区別されうる。当該事実によっても、ユーザインタフェース装置10の操作性を高めることができる。
【0045】
なお、特定の第二アイコン画像を被選択状態にする表示制御信号DCが出力された後に受付インタフェース141が第二検出信号DT2を受け付けると、当該第二アイコン画像に代えて複数の第三アイコン画像を表示させる表示制御信号DCを、出力インタフェース143から出力するように構成されてもよい。
【0046】
例えば、
図13と
図14に例示されるように、第二アイコン画像122cが被選択状態とされている間にノブ11が上方向へ変位されると、複数の第二アイコン画像122a~122dに代えて同じ位置に複数の第三アイコン画像123a~123cが表示される。
【0047】
換言すると、あるサブ機能に係るアイコン画像について上位機能に関連付けられたアイコン画像と下位機能に関連付けられたアイコン画像が存在し、かつ当該下位機能に関連付けられたアイコン画像が表示される場合、中間的な当該サブ機能に係るアイコン画像の表示が省略される。
【0048】
このような構成によれば、アイコン画像に関連付けられる機能が三つ以上の階層構造を有する場合において、画面120に占めるアイコン画像表示用の領域の面積が必要以上に増大することを抑制できる。これにより、画面120の視認性の低下が抑制されるので、ユーザインタフェース装置10の操作性を高めることができる
【0049】
プロセッサ142は、特定の第三アイコン画像を被選択状態にする表示制御信号DCが出力された後に受付インタフェース141が第三検出信号DT3を受け付けると、複数の第二アイコン画像のうち当該第三アイコン画像から下方向へシフトした位置にある第二アイコン画像を被選択状態にする表示制御信号DCを、出力インタフェース143から出力するように構成されている。
【0050】
例えば、
図15に例示されるように、第三アイコン画像123cが被選択状態とされている間にノブ11が下方向へ変位されると、第三アイコン画像123cから下方向へシフトした位置にある第二アイコン画像122dが被選択状態とされる。複数の第三アイコン画像123a~123cは、消去される。
【0051】
プロセッサ142は、特定の第二アイコン画像を被選択状態にする表示制御信号DCが出力された後に受付インタフェース141が第三検出信号DT3を受け付けると、複数の第一アイコン画像のうち当該第二アイコン画像から下方向へシフトした位置にある第一アイコン画像を被選択状態にする表示制御信号DCを、出力インタフェース143から出力するように構成されている。
【0052】
例えば、
図16に例示されるように、第二アイコン画像122dが被選択状態とされている間にノブ11が下方向へ変位されると、第二アイコン画像122dから下方向へシフトした位置にある第一アイコン画像121fが被選択状態とされる。複数の第二アイコン画像122a~122dは、消去される。
【0053】
このような構成によれば、ノブ11を下方向へ変位させれば上位の機能に関連付けられた複数のアイコン画像のいずれかを選択可能な状態へ遷移可能であり、ノブ11に対する手指Fの位置を変更しながら最終的なアイコン画像の選択に至った経路を遡る必要がない。すなわち、より下位の機能に関連付けられた複数のアイコン画像のいずれかを選択するまでの経路と、より上位の機能に関連付けられた複数のアイコン画像のいずれかを選択可能な状態へ遷移する際の経路とが異なる場合があり、後者は最短の経路が選ばれることになる。必要最小限の動作で上位機能の選択が可能な状態への復帰がなされるので、ユーザインタフェース装置10の操作性を高めることができる。
【0054】
これまでに説明した各種の機能を有する制御装置14は、当該機能を実現するためのコンピュータプログラムがプリインストールされた記憶素子を備えたマイクロコントローラ、ASIC、FPGAなどの専用集積回路によって実現されうる。この場合、当該記憶素子は、コンピュータプログラムが記憶された非一時的なコンピュータ可読媒体の一例である。
【0055】
あるいは、制御装置14は、汎用メモリと協働して動作する汎用マイクロプロセッサにより実現されうる。汎用マイクロプロセッサとしては、CPU、MPU、GPUが例示されうる。汎用メモリとしては、ROMやRAMが例示されうる。この場合、ROMには、当該機能を実現するためのコンピュータプログラムが記憶されうる。汎用マイクロプロセッサは、ROM上に記憶されたプログラムの少なくとも一部を指定してRAM上に展開し、RAMと協働して上述した処理を実行する。この場合、当該汎用メモリは、コンピュータプログラムが記憶された非一時的なコンピュータ可読媒体の一例である。
【0056】
制御装置14は、汎用マイクロプロセッサと専用集積回路の組合せによって実現されてもよい。
【0057】
上記の実施形態は、本開示の理解を容易にするための例示にすぎない。上記の実施形態に係る構成は、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で適宜に変更されうる。
【0058】
上記の実施形態においては、複数の第一アイコン画像121a~121gの一つが被選択状態とされた状態でノブ11が上方向に変位されると、当該一つの第一アイコン画像から上方向にシフトした位置に複数の第二アイコン画像が表示される。しかしながら、
図17と
図18に例示される構成もまた採用されうる。
【0059】
具体的には、複数の第一アイコン画像121a~121gの一つが被選択状態とされた状態でノブ11が下方向に変位されると、当該一つの第一アイコン画像から下方向にシフトした位置に複数の第二アイコン画像が表示される。すなわち、本例における下方向は第一方向の一例である。
【0060】
この場合、あるサブ機能に関連付けられたアイコン画像が被選択状態とされた状態でノブ11が上方向に変位されると、当該アイコン画像から上方向にシフトした位置にある上位機能に関連付けられたアイコン画像が被選択状態とされる。すなわち、本例における上方向は第二方向の一例である。
【0061】
ユーザインタフェース装置10は、車両20以外の移動体にも搭載されうる。そのような移動体の例としては、鉄道、航空機、船舶などが挙げられる。当該移動体は、運転者を必要としなくてもよい。
【0062】
ユーザインタフェース装置10は、移動体に搭載されることを要しない。ユーザインタフェース装置10は、住宅や施設に設置される適宜の被制御装置の動作を制御するために使用されうる。
【0063】
ノブ11は、必ずしもユーザの手指Fにより操作されることを要しない。第一センサ131により検出される静電容量の変化を検出部111に生じさせることができるのであれば、ノブ11は、他の身体部分や適宜の道具により操作されるように構成されてもよい。
【0064】
上記の実施形態においては、ノブ11は、軸Aを中心として回動可能なレバーとして構成されている。しかしながら、被制御装置における異なる動作に対応付けられた二つの方向へ変位可能であれば、ノブ11は、直線的に摺動されるスライダや、軸を中心として回転可能なダイヤルとして構成されてもよい。
【0065】
上記の実施形態においては、第二方向は、第一方向と逆方向である。しかしながら、第一方向と第二方向は、必ずしも逆方向であることを要しない。被制御装置における異なる動作に対応付けられるのであれば、第一方向と第二方向は、相違していればよい。
【符号の説明】
【0066】
10:ユーザインタフェース装置、11:ノブ、12:表示装置、121a~121g:第一アイコン画像、122a~122d:第二アイコン画像、123a~123c:第三アイコン画像、14:制御装置、141:受付インタフェース、142:プロセッサ、F:手指