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特開2024-14887安全確認システム及び安全確認方法並びに機械式駐車場設備
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024014887
(43)【公開日】2024-02-01
(54)【発明の名称】安全確認システム及び安全確認方法並びに機械式駐車場設備
(51)【国際特許分類】
   E04H 6/18 20060101AFI20240125BHJP
   G08G 1/14 20060101ALI20240125BHJP
【FI】
E04H6/18 601G
E04H6/18 606B
E04H6/18 606D
G08G1/14 A
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023187925
(22)【出願日】2023-11-01
(62)【分割の表示】P 2022189941の分割
【原出願日】2014-06-17
(71)【出願人】
【識別番号】309036221
【氏名又は名称】三菱重工機械システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112737
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 考晴
(74)【代理人】
【識別番号】100136168
【弁理士】
【氏名又は名称】川上 美紀
(74)【代理人】
【識別番号】100172524
【弁理士】
【氏名又は名称】長田 大輔
(72)【発明者】
【氏名】野田 整一
(72)【発明者】
【氏名】原 和也
(72)【発明者】
【氏名】大島 猛志
(72)【発明者】
【氏名】宮本 敏也
(57)【要約】
【課題】乗入室の内部に人やペット等が居残ることを防止して安全性を高める。
【解決手段】安全確認システムSCSは、乗入室7と、乗入室7に設けられたセンサ30とを備える機械式駐車場設備に適用される。安全確認システムSCSは、ユーザーによる操作が可能なタッチパネル式の操作画面45と、乗入室7の内部を撮影する乗入室カメラ35A~35Dと、制御装置40とを備える。制御装置40は、ユーザーによる乗入室内部の安全確認時に、センサ30が乗入室内のエラー状況を検知していないことを条件に、操作画面45に乗入室カメラ35A~35Dによって撮影されたリアルタイムな画像情報とともに安全確認入力手段を表示し、安全確認入力手段が一定期間以上操作されない場合に、操作画面45にユーザー認証画面を表示する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗入室と、前記乗入室に設けられたセンサとを備えた機械式駐車場設備の安全確認システムであって、
ユーザーによる操作が可能なタッチパネル式の操作画面と、
前記乗入室の内部を撮影する乗入室カメラと、
制御装置と
を具備し、
前記制御装置は、ユーザーによる前記乗入室内部の安全確認時に、前記センサが前記乗入室内のエラー状況を検知していないことを条件に、前記操作画面に前記乗入室カメラによって撮影されたリアルタイムな画像情報と共に安全確認入力手段を表示し、
前記安全確認入力手段が一定期間以上操作されない場合に、前記操作画面にユーザー認証画面を表示する機械式駐車場設備の安全確認システム。
【請求項2】
前記乗入室カメラは、前記乗入室内の異なる箇所に複数台設置され、
前記制御装置は、複数の前記乗入室カメラによる複数の前記画像情報を前記操作画面に表示して前記ユーザーに逐一確認させ、該ユーザーに前記安全確認入力手段を押させる請求項1に記載の機械式駐車場設備の安全確認システム。
【請求項3】
前記制御装置は、各前記乗入室カメラによる前記画像情報と前記安全確認入力手段とが併せて表示された画面を前記操作画面に順番に切り替えて表示させ、前記操作画面に表示された前記安全確認入力手段をユーザーに逐一押させる請求項2に記載の機械式駐車場設備の安全確認システム。
【請求項4】
前記センサは前記乗入室の内部の複数個所に設置され、複数の前記センサのいずれかが前記乗入室内のエラー状況を検知した場合に、前記制御装置は、前記乗入室内に複数台設置された前記乗入室カメラのうち、前記センサの検知しているエラー状況を撮影可能な乗入室カメラを選択し、その画像情報を前記操作画面に表示する請求項2又は3に記載の機械式駐車場設備の安全確認システム。
【請求項5】
前記制御装置は、前記安全確認入力手段と前記画像情報の表示中であって該安全確認入力手段が押された後に、前記センサが前記乗入室内のエラー状況を検知した場合には、以後の操作を無効にする請求項1から4のいずれかに記載の機械式駐車場設備の安全確認システム。
【請求項6】
前記操作画面を操作する前記ユーザーの顔を撮影する操作者カメラをさらに備え、前記ユーザーの映像を操作日時と共に記録する請求項1から5のいずれかに記載の機械式駐車場設備の安全確認システム。
【請求項7】
前記乗入室内部の入出庫口付近を複数の検知ラインが横切るように複数の前記センサを配置し、前記制御装置は、奥側から手前側の順に前記検知ラインが横切られた場合に、前記ユーザーが前記乗入室から退出したと判断する請求項1から6のいずれかに記載の機械式駐車場設備の安全確認システム。
【請求項8】
前記制御装置は、ユーザー認証画面を前記操作画面に表示させ、前記ユーザー認証画面において入力されたユーザー情報に基づくユーザー認証が成功した場合に、前記操作画面に前記乗入室カメラによって撮影されたリアルタイムな画像情報と前記安全確認入力手段とを併せて表示させることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の機械式駐車場設備の安全確認システム。
【請求項9】
前記制御装置は、ユーザーが前記乗入室の入出庫口に設けられた入出庫扉を閉じる操作を行う前に、前記操作画面に、前記画像情報とともに前記安全確認入力手段として無人確認ボタンを表示させ、前記ユーザーに前記画像情報を見せながら前記無人確認ボタンを押させる請求項1から8のいずれかに記載の機械式駐車場設備の安全確認システム。
【請求項10】
前記制御装置は、ユーザーが前記乗入室の入出庫口に設けられた入出庫扉を閉じる操作を行う時に、前記操作画面に、前記画像情報とともに前記安全確認入力手段として閉扉ボタンを表示させ、前記ユーザーに前記画像情報を見せながら前記閉扉ボタンを所定時間かけて長押しさせることにより、前記入出庫扉を閉じるように制御する請求項1から9のいずれかに記載の機械式駐車場設備の安全確認システム。
【請求項11】
前記制御装置は、前記乗入室の入出庫口に設けられた入出庫扉の閉扉動作中に、前記操作画面に、前記画像情報とともに前記安全確認入力手段として扉反転ボタンを表示させ、ユーザーによって前記扉反転ボタンが押された場合に、閉扉動作中の前記入出庫扉を開扉させる請求項1から10のいずれかに記載の機械式駐車場設備の安全確認システム。
【請求項12】
前記操作画面は、その全体が表示部になり得るとともに、その全体が入力手段になり得る請求項1から11のいずれかに記載の機械式駐車場設備の安全確認システム。
【請求項13】
請求項1から12のいずれかに記載の安全確認システムを備える機械式駐車場設備。
【請求項14】
乗入室と、前記乗入室に設けられたセンサとを備える機械式駐車場設備の安全確認方法であって、
ユーザーによる前記乗入室内部の安全確認時に、前記センサが前記乗入室内のエラー状況を検知していないことを条件に、前記乗入室の内部を撮影する乗入室カメラによって撮影されたリアルタイムな画像情報とともに安全確認入力手段をタッチパネル式の操作画面に表示し、
前記安全確認入力手段が一定期間以上操作されない場合に、前記操作画面にユーザー認証画面を表示する機械式駐車場設備の安全確認方法。
【請求項15】
前記安全確認入力手段と前記画像情報の表示中であって該安全確認入力手段が押された後に、前記乗入室の内部に設置されて前記乗入室内のエラー状況を検知するセンサが前記乗入室内のエラー状況を検知した場合には、以後の操作を無効にする請求項14に記載の機械式駐車場設備の安全確認方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機械式駐車場設備に係り、特に車両の入庫時および出庫時に、該車両のユーザー(ドライバー)自身が操作盤を操作しながら乗入室の安全を確認するように構成された安全確認システム及び安全確認方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
オフィスビルやマンション等に併設されている機械式駐車場設備(立体駐車場等)では、契約したユーザーだけが使用するため、予め各ユーザーに暗証番号を付与したり、リモコン送信機を貸与したりしておき、各ユーザーが車両を入出庫させる際には、入出庫扉の外部に設置された操作盤や、マンションのロビー等に設けられた出庫予約盤等に暗証番号を入力するか、あるいはリモコン送信機から発信される認証情報(リモコン信号)を受信させることによってユーザー認証を行い、車体を搬送するパレット、リフト等の呼び出しと、入出庫扉の開閉操作を行わせている。
【0003】
このような機械式駐車場設備において、駐車車両の入出庫が行われる乗入室の入出庫扉(入出庫口)を閉じる時には、ユーザーが乗入室の内部に人やペット等が居残っていないことを十分に確認しなければならない。しかし、操作盤は入出庫口から少し離れた位置に設けられているため、操作盤の前に居るユーザーが乗入室の内部を直視して安全を確認するのは面倒であり、しばしば十分な確認が行われないまま入出庫扉が閉じられてしまうことがあった。
【0004】
そこで、特許文献1に開示されている機械式駐車場設備のように、乗入室内にカメラを設置し、このカメラで撮影した映像を画像処理して人の顔を判断し、乗入室内に入室した人の顔の特徴を記憶して各人ごとに識別し、全員が乗入室から退出したことを条件に、入出庫扉の閉扉といった機械起動を許可し、これによって安全確認を自動化し、ユーザーの目視による確認を省略可能にしている。
【0005】
また、特許文献2に開示されている機械式駐車場設備は、乗入室内にカメラを設置し、その映像を、遠隔的に設けられた監視センターに送ることにより、監視センターにおいて乗入室内の状況を遠隔監視するとともに、ユーザーに安全のための指示を遠隔制御情報として送り、安全の確認を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2012-158968号公報
【特許文献2】特開2000-182195号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1,2のいずれの機械式駐車場設備も、カメラの画像はユーザー自身が確認するものではなく、制御装置、もしくは遠隔地に配置された管理者が確認するものであるために、カメラ等のシステム上の故障や、管理者のミス等が発生した場合には、確実な安全性を約束することができなかった。
【0008】
また、操作盤の近傍にモニターを設置し、カメラで撮影された乗入室内の画像をモニターに表示することによってユーザー自身に乗入室の内部を確認させるようにした機械式駐車場設備もあるが、ユーザーは操作盤の操作に専念していてモニターを見ないことが多いため、カメラ画像を有効に利用して安全性を高めるには至らない。
【0009】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、乗入室の内部に人やペット等が居残ることを防止して安全性を高めることができる安全確認システム及び安全確認方法並びに機械式駐車場設備を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明は、以下の手段を提供する。
本発明の第一態様は、乗入室と、前記乗入室に設けられたセンサとを備えた機械式駐車場設備の安全確認システムであって、ユーザーによる操作が可能なタッチパネル式の操作画面と、前記乗入室の内部を撮影する乗入室カメラと、制御装置とを具備し、前記制御装置は、前記ユーザーによる前記乗入室内部の安全確認時に、前記センサが前記乗入室内のエラー状況を検知していないことを条件に、前記操作画面に前記乗入室カメラによって撮影されたリアルタイムな画像情報と共に安全確認入力手段を表示し、前記安全確認入力手段が一定期間以上操作されない場合に、前記操作画面にユーザー認証画面を表示する機械式駐車場設備の安全確認システムである。
本発明の第二態様は、上記安全確認システムを備える機械式駐車場設備である。
本発明の第三態様は、乗入室と、前記乗入室に設けられたセンサとを備える機械式駐車場設備の安全確認方法であって、ユーザーによる前記乗入室内部の安全確認時に、前記センサが前記乗入室内のエラー状況を検知していないことを条件に、前記乗入室カメラによって撮影されたリアルタイムな画像情報とともに安全確認入力手段をタッチパネル式の操作画面に表示し、前記安全確認入力手段が一定期間以上操作されない場合に、前記操作画面にユーザー認証画面を表示する機械式駐車場設備の安全確認方法である。
本発明の参考例としての一態様に係る機械式駐車場設備の安全確認システムは、駐車車両の入出庫が行われる乗入室と、前記乗入室の入出庫口を開閉する入出庫扉と、前記駐車車両を搬送する搬送機と、前記駐車車両のユーザーが、認証操作および、前記入出庫扉の開閉、起動といった機械操作を行うタッチパネル式の操作画面と、を備えた機械式駐車場設備における、前記乗入室内部の安全確認を行うシステムであって、前記操作画面と、前記乗入室の内部における前記駐車車両および人等の存在や前記駐車車両の停車位置等を検知するセンサと、前記乗入室の内部状況を撮影する乗入室カメラと、制御装置と、を具備し、前記制御装置は、前記操作画面に、前記乗入室カメラによって撮影されたリアルタイムな画像情報と、前記ユーザーが前記乗入室内の安全を確認したことを報知する安全確認ボタンと、を併せて表示させることを特徴とする。
【0011】
上記構成の機械式駐車場設備の安全確認システムによれば、ユーザーが操作するタッチパネル式の操作画面に、乗入室内の画像情報が表示されるため、この画像情報をユーザーが確実に見て乗入室内の安全を確認することができる。したがって、乗入室内に人やペット等が居残ることを防止して機械式駐車場設備の安全性を高めることができる。
【0012】
また、上記構成に加えて、前記制御装置には、前記操作画面に、前記画像情報および前記安全確認ボタンと共に、前記センサのリアルタイムな検知情報を併せて表示させるのが好ましい。
【0013】
これにより、ユーザーは、安全確認ボタンを操作する際に、乗入室の画像情報と共に、センサの検知情報を確認することができる。したがって、乗入室の画像情報のみでは判別し難いエラー状況でも認識することができ、その対処も容易になり、より安全性を高めることができる。
【0014】
さらに、上記構成に加えて、前記ユーザーによる前記乗入室内部の安全確認時に、前記制御装置には、前記センサが前記乗入室内のエラー状況を検知していないことを条件に、前記操作画面に前記画像情報と共に前記安全確認ボタンを表示させ、該安全確認ボタンが押されない限り、次の操作段階に移行しないように制御させるのが好ましい。
【0015】
これにより、ユーザーは、操作画面に表示された乗入室内の画像情報を確認して安全確認ボタンを押すまで次の操作段階に進めなくなるため、ユーザーに乗入室内の安全確認を確実に実行させ、より安全性を高めることができる。
【0016】
また、上記構成に加えて、前記乗入室カメラを、前記乗入室内の異なる個所に複数台設置し、前記制御装置には、複数の前記乗入室カメラによる複数の前記画像情報を前記操作画面に表示して前記ユーザーに逐一確認させ、該ユーザーに前記安全確認ボタンを押させるのが好ましい。
【0017】
このように、乗入室カメラを乗入室内に複数台設置し、これら各乗入室カメラが撮影した画像情報を操作画面に表示させてユーザーに逐一確認させてから安全確認ボタンを押させることにより、乗入室内の死角を無くし、安全性をより向上させることができる。
【0018】
さらに、上記構成に加えて、前記センサを前記乗入室の内部の複数個所に設置し、これら複数のセンサのいずれかが前記乗入室内のエラー状況を検知した場合に、前記制御装置に、前記乗入室内に複数台設置された前記乗入室カメラのうち、前記センサの検知しているエラー状況を撮影可能な乗入室カメラを選択させ、その画像情報を前記操作画面に表示させるようにしてもよい。
【0019】
このように、乗入室内の複数個所に設置されたセンサのいずれかが乗入室内のエラー状況を検知した場合に、当該センサの検知しているエラー状況を撮影可能な乗入室カメラが選択され、その画像情報が操作画面に表示されるので、操作画面を操作するユーザーに、乗入室の内部におけるエラー状況を確実に認識させて安全性を高めることができる。
【0020】
また、上記構成に加えて、前記制御装置には、前記安全確認ボタンと前記画像情報の表示中、および該安全確認ボタンが押された後に、前記センサが前記乗入室内のエラー状況を検知した場合には、以後の操作を無効にさせるようにしてもよい。
【0021】
こうすれば、ユーザーによる安全確認よりも、センサによるエラー状況の検知が優先され、以後の操作が無効になるため、エラー状況の確認および修復が行われないまま機械式駐車場設備が起動してしまうようなことを防止し、より安全性を高めることができる。
【0022】
さらに、上記構成に加えて、前記操作画面を操作する前記ユーザーの顔を撮影する操作者カメラをさらに備え、前記ユーザーの映像を操作日時と共に記録するようにしてもよい。
【0023】
このように、操作画面を操作するユーザーの顔と操作日時を記録しておくことで、万一事故や故障等が起きた時の検証を容易にすることができる。また、ユーザーは自身が撮影されていることを認識するため、馴れ合い的な操作(代理操作等)を自粛させる効果がある。
【0024】
また、上記構成に加えて、前記乗入室の内部の、前記入出庫口付近を複数の検知ラインが横切るように前記センサを複数配置し、前記制御装置には、奥側から手前側の順に前記検知ラインが横切られることによって前記ユーザーが前記乗入室から退出したと判断させるようにしてもよい。
【0025】
こうすることにより、ユーザーが乗入室から退出したことをセンサで確実に検知することができ、安全性を高めることができる。
【0026】
さらに、上記構成に加えて、前記制御装置には、前記ユーザーが前記入出庫扉を閉じる操作を行う時に、前記操作画面に前記画像情報と共に前記安全確認ボタンとして閉扉ボタンを表示させ、前記ユーザーに前記画像情報を見せながら前記閉扉ボタンを所定時間かけて長押しさせることにより、前記入出庫扉を閉じるように制御させてもよい。
【0027】
このように、閉扉ボタンを所定時間(例えば1秒間)かけて長押ししないと入出庫扉が閉まらないため、ユーザーが操作画面を確認せずにうっかり閉扉ボタンに触れて押してしまうことを防止し、安全確認を確実に行わせて危険を回避することができる。
【0028】
さらに、上記構成に加えて、前記制御装置には、前記入出庫扉の閉扉動作中に、前記操作画面に、前記画像情報と共に前記安全確認ボタンとして扉反転ボタンを表示させ、該扉反転ボタンを前記ユーザーが押すと閉扉動作中の前記入出庫扉が開扉されるように制御させてもよい。
【0029】
このように、入出庫扉の閉扉動作中であっても、操作画面に乗入室内の画像と共に扉反転ボタンが表示され、この扉反転ボタンを押せば、閉扉動作中の入出庫扉を反転(再開扉)させることができる。このため、ユーザーが閉扉ボタンを押して入出庫扉が閉じ始めてからであっても、操作画面に乗入室内のエラー状況が表示された場合には、ユーザーが扉反転ボタンを押せば入出庫扉が開き、危険を回避することができる。
【0030】
また、本発明の参考例としての一態様に係る機械式駐車場設備は、前記のいずれかの安全確認システムを備えたことを特徴とする。
【0031】
この機械式駐車場設備によれば、乗入室内に設置された乗入室カメラの画像をユーザーに確実に確認させながら、ユーザーに操作画面を操作させることができるので、乗入室の内部に人やペット等が居残っていたり、駐車車両のドアが開いていたりするといったエラー状況をユーザー自身が操作画面上で確認することができ、危険を回避して安全性を高めることができる。
【0032】
また、本発明の参考例としての一態様に係る機械式駐車場設備の安全確認方法は、駐車車両の入出庫が行われる乗入室と、前記乗入室の入出庫口を開閉する入出庫扉と、前記駐車車両を搬送する搬送機と、前記駐車車両のユーザーが、認証操作および、前記入出庫扉の開閉、前記搬送機の起動といった機械操作を行うタッチパネル式の操作画面と、を備えた機械式駐車場設備における、前記乗入室内部の安全確認を行うための方法であって、前記ユーザーによる前記乗入室内部の安全確認時に、前記操作画面に、前記乗入室内の内部状況を撮影する乗入室カメラによるリアルタイムな画像情報と、前記乗入室内の安全を確認したことを報知する安全確認ボタンと、を表示するとともに、前記ユーザーに、前記画像情報を見て前記乗入室内の安全確認を行った上で前記安全確認ボタンを押すことを促し、前記安全確認ボタンを前記ユーザーが押したことを条件に、次の操作段階に移行することを特徴とする。
【0033】
上記の安全確認方法によれば、ユーザーが操作するタッチパネル式の操作画面に、乗入室内の画像情報が表示されるため、この画像情報をユーザーが確実に見て乗入室内の安全を確認することができる。したがって、乗入室内に人やペット等が居残ることを防止して機械式駐車場設備の安全性を高めることができる。
【0034】
上記の安全確認方法において、前記安全確認ボタンと前記画像情報の表示中、および該安全確認ボタンが押された後に、前記乗入室の内部に設置されて前記乗入室内のエラー状況を検知するセンサが前記乗入室内のエラー状況を検知した場合には、以後の操作を無効にするようにしてもよい。
【0035】
こうすれば、ユーザーによる安全確認よりも、センサによるエラー状況の検知が優先され、以後の操作が無効になるため、エラー状況の確認および修復が行われないまま機械式駐車場設備が起動してしまうことを防止し、より安全性を高めることができる。
【発明の効果】
【0036】
本発明によれば、乗入室の内部に人やペット等が居残ることを防止して安全性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1】本発明に係る安全確認システムを適用可能な機械式駐車場設備の一例を示す縦断面図である。
図2】乗入室を示す斜視透視図である。
図3】(a)は乗入室における各センサの配置図であり、(b)は各センサの機能を示す一覧表である。
図4】操作盤の斜視図である。
図5】機械式駐車場設備の制御系統の概略構成を示すブロック図である。
図6】操作画面の第1の認証画面を示す図である。
図7】乗入室内の無人をユーザーに確認させる画面を示す図である。
図8】乗入室内の無人をユーザーに確認させる画面を示す図である。
図9】乗入室内の無人をユーザーに確認させる画面を示す図である。
図10】乗入室内の無人をユーザーに確認させる画面を示す図である。
図11】ユーザーに入庫の意思を問う画面を示す図である。
図12】空きパレット搬送中における画面を示す図である。
図13】ユーザーに入庫を案内する画面を示す図である。
図14】ユーザーに停車位置を案内する画面を示す図である。
図15】ユーザーに停車位置を案内する画面を示す図である。
図16】乗入室内にエラー状況が発生した時の画面を示す図である。
図17】乗入室内にエラー状況が発生した時の画面を示す図である。
図18】乗入室内にエラー状況が発生した時の画面を示す図である。
図19】操作画面の第2の認証画面を示す図である。
図20】乗入室内の無人をユーザーに確認させる画面を示す図である。
図21】乗入室内の無人をユーザーに確認させる画面を示す図である。
図22】乗入室内の無人をユーザーに確認させる画面を示す図である。
図23】乗入室内の無人をユーザーに確認させる画面を示す図である。
図24】入出庫扉を閉める時にユーザーに安全確認をさせる画面を示す図である。
図25】入出庫扉を閉める時にユーザーに安全確認をさせる画面を示す図である。
図26】入出庫扉を閉める時にユーザーに安全確認をさせる画面を示す図である。
図27】入出庫扉を閉める時にユーザーに安全確認をさせる画面を示す図である。
図28】入出庫扉が閉じられている時の画面を示す図である。
図29】入出庫扉が閉じられている時の画面を示す図である。
図30】入出庫扉が閉じられている時の画面を示す図である。
図31】入出庫扉が閉じられている時の画面を示す図である。
図32】入出庫扉が閉じられた後の画面を示す図である。
図33】安全確認操作の時における制御の流れ(制御方法)を示すフローチャートである。
図34】場内有人信号がONになる状態を示す図である。
図35】場内有人信号がOFFになる状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下に、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0039】
図1は、本発明に係る安全確認システムを適用可能な機械式駐車場設備の一例を示すエレベータ式の機械式駐車場設備の縦断面図である。なお、本発明に係る安全確認システムは、複数の駐車スペースに搬送機で駐車車両を入出庫させる機械式駐車場設備であれば幅広く適用できるものであって、以下の説明にあるエレベータ式の立体駐車場のみに限定されるものではない。
【0040】
機械式駐車場設備1は、複数の車両2を収容可能なエレベータ式のタワー型立体駐車場施設であり、入出庫口3と入出庫扉4とが設けられた駐車塔5を備えている。駐車塔5の地上階は、車両2を入出庫させる乗入室7となっており、その床面には車両2の方向を転換させるターンテーブル8が設置されている。ターンテーブル8は、乗入室7の床面に形成された凹状のピット9内に旋回板10と旋回駆動部11が設けられた構成である。
【0041】
駐車塔5の中心部には垂直な昇降通路13が形成されており、この中にリフト14(エレベータ状の搬送機)が上下に昇降可能に設けられている。リフト14は、例えば駐車塔5の上部に設けられた図示しないウインチから下方に延びる複数本のワイヤロープ15に四隅を吊持され、上記ウインチが起動することにより昇降通路13内を上下に昇降することができる。
【0042】
一方、昇降通路13の両側には車両格納棚17(駐車スペース)が設けられている。この車両格納棚17は、昇降通路13を挟むようにして上下に多階層状に設けられており、それぞれの車両格納棚17には車両を積載するためのパレット18が1枚ずつ収容されている。なお、車両格納棚17の支柱等は図示が省略されている。
【0043】
リフト14と車両格納棚17の床面には、リフト14と車両格納棚17との床面の高さが一致した時に、空荷のパレット18、または車両2が積載されたパレット18を、リフト14から車両格納棚17に、または車両格納棚17からリフト14に、スムーズに受け渡すことができる図示しない受渡機構が設けられている。
【0044】
図2は、乗入室7を示す斜視透視図である。外側から見て、入出庫扉4の左側に非常用出入口20があり、入出庫扉4の上部に青と赤のランプを備えた入庫管制灯21が設けられている。また、例えば入出庫扉4に向かって右側に操作盤22が設けられている。この操作盤22は、この機械式駐車場設備1に入庫する各車両2のユーザー(ドライバー)により操作される。符号23は、機械式駐車場設備1の制御状態を示す三色灯である。
【0045】
乗入室7の内部には、中央部にパレット18が配置されるスペースがあり、入出庫扉4の正面の壁には車両の位置をドライバーが確認するための鏡24と、「前進」、「停車」、「後退」の案内を行う電光式の停車位置指示灯25が設けられている。
【0046】
また、乗入室7の内部各所には、乗入室7の内部における車両2および人等の存在や、車両2の大きさ、停車位置等を検知するための複数のセンサ30が設けられている(図2中には全てのセンサを符号30で簡略的に表示してある)。停車位置指示灯25は、各センサ30により検知される車両位置のデータに基づいて、車両のドライバーに車両位置の案内を行う。
【0047】
図3(a)は、乗入室7における各センサ30(301~320)の配置図であり、図3(b)は、各センサ301~320の機能を示す一覧表である。これらのセンサは、それぞれ2個一組となって対向しており、その間に赤外線ビーム30aが配光され、この赤外線ビームが車両2や人等によって遮光されるとセンサがONになり、その検知信号が後述する入出庫監視制御部57を経て制御装置40に伝達されるようになっている。
【0048】
さらに、乗入室7の内部状況を撮影する、例えば4基の乗入室カメラ35A~35Dが設置されている。これらの乗入室カメラ35A~35Dは、それぞれ乗入室7の異なる壁面(4面)に取り付けられており、乗入室カメラ35Aは乗入室7内に停車した車両2の正面を撮影し、乗入室カメラ35Bは車両2の後面、乗入室カメラ35Cは車両2の左側面、乗入室カメラ35Dは車両2の右側面をそれぞれ撮影する。
【0049】
また、乗入室7の内部、あるいは乗入室7の外部に、この機械式駐車場設備1の全体の制御を行う制御装置40が設置されている。制御装置40は、リフト14による一連の入出庫操作を実行する装置であり、後述するように、操作盤22と情報をやり取りしながら入出庫操作を実行する。
【0050】
図4は、操作盤22の斜視図である。操作盤22は、風雨からの保護と悪戯防止のために金属製の筐体43に収容されており、この筐体43には施錠可能な蓋44が設けられている。ユーザーが操作盤22を操作する際には、施錠を解錠して蓋44を開き、操作盤22にアクセスする。なお、例えばユーザーが携帯している専用リモコンに設けられたトランスポンダによってユーザーの接近とともに自動的に蓋の施錠を解錠するようにしてもよい。
【0051】
操作盤22は、ユーザーが認証操作および入出庫扉4の開閉、リフト14の起動といった機械操作を行うためのタッチパネル式の操作画面45と、ICカードやリモコン等の携帯認証媒体から発信されるトランスポンダ信号等を読み込むためのリーダー46と、ユーザーに操作方法を音声で案内するためのスピーカー47と、非常停止ボタン48等が配置されたシンプルな構成である。
【0052】
操作画面45には、操作ガイド等の表示部45aと、テンキー等の入力部45bとが表示される。これらの表示は、必ずしも操作画面45の特定の区画に表示されるものではなく、操作画面45全体が表示部45aになったり、入力部45bになったりすることもある。
【0053】
さらに、操作盤22の筐体の内部には操作者カメラ49が設置されている。この操作者カメラ49は、操作画面45を操作するユーザーの顔を撮影するカメラであり、撮影されたユーザーの映像は、操作日時と共に記録されるようになっている。操作盤22の付近には、この操作者カメラ49による操作者の撮影が行われていることを表示しておけば、ユーザーによる安全確認等の作業が馴れ合い的なものになることや、部外者による悪戯(悪用)等を有効に防止できること等が期待できる。
【0054】
図5は、この機械式駐車場設備1の制御系統の概略構成を示すブロック図である。制御装置40には操作盤22が接続されている。操作盤22のタッチパネル式の操作画面45は、前述の通り表示部45aと入力部45bとを備えており、ユーザーが操作画面45から入力する各種の情報が制御装置40に伝達され、制御装置40から送られる各種の情報が操作画面45に表示される。
【0055】
制御装置40には、機械制御・認証制御・画面表示/スクロール処理・入力情報処理・安全確認処理等を行う情報処理部51が内蔵されるとともに、総合データベース52が接続されている。総合データベース52は、在車状況、パレット形状種別、車両格納棚形状種別、充電車両の有無、充電状態、パレット毎EV充電データ等のデータが蓄積される。
【0056】
また、制御装置40には、EV充電制御部54、入出庫扉制御部55、搬送機制御部56、入出庫監視制御部57、カメラ制御部58、画像データベース59、車重計測・制御部61、旋回駆動部制御部62等の各制御部が接続されている。
【0057】
EV充電制御部54は、制御装置40から充電指令を受けて充電装置65を作動させ、充電電流計66から得られる電流値により充電制御し、EV充電状態蓄積情報を制御装置40にフィードバックする。
【0058】
入出庫扉制御部55は、制御装置40から動作指令を受けて入出庫扉4を開閉操作し、入出庫扉センサ67から入出庫扉4の位置信号を受けて、その情報を制御装置40にフィードバックする。
【0059】
搬送機制御部56は、制御装置40から動作指令を受けてリフト14(搬送機)の昇降およびパレット18の積み下ろし動作を実行させ、搬送機位置センサ68からリフト14の位置信号を受けて、その情報を制御装置40にフィードバックする。
【0060】
入出庫監視制御部57は、制御装置40から動作指令を受けて、乗入室7の内部に設置された多数のセンサ30(301~320)から、乗入室7における車両および人の有無や位置等の情報を受信し、その情報を制御装置40にフィードバックする。
【0061】
カメラ制御部58は、制御装置40から動作指令を受けて、乗入室7の内部に設置された複数の乗入室カメラ35A~35Dおよび操作者カメラ49に画像を撮影させ、その画像情報を制御装置40にフィードバックする。この画像情報は画像データベース59に所定の期間蓄積される。なお、画像データベース59を総合データベース52の内部に設けたり、クラウド上に設けたりする等してもよい。
【0062】
車重計測・制御部61は、制御装置40から動作指令を受けて、車両計測器69により、リフト14に搭載された車両の車重を計測し、車重センサ70を介してその情報を制御装置40にフィードバックする。この車重情報は、リフト14の制御等に用いられる。
【0063】
旋回駆動部制御部62は、制御装置40から動作指令を受けて、旋回駆動部11(ターンテーブル8)を動作させ、ターンテーブル位置センサ71によりターンテーブル8の旋回位置信号を受けて、その情報を制御装置40にフィードバックする。
【0064】
制御装置40は、各制御部54,55,56,57,58,61,62からのフィードバックを受けて機械式駐車場設備1を運行させるとともに、本発明に係る安全確認システムSCSの制御を行う。
【0065】
安全確認システムSCSは、ユーザーに乗入室7の内部の安全確認を行わせるシステムであり、操作盤22の操作画面45と、乗入室7内に設置されたセンサ30(301~320)と、同じく乗入室7内に設置された4基の乗入室カメラ35A~35Dと、制御装置40とを具備して構成されている。
【0066】
この安全確認システムSCSにおいて、制御装置40は、ユーザーが乗入室7の内部の安全確認を行うタイミングにおいて、例えば図7図10図16図18図20図32等に示すように、乗入室カメラ35A~35Dによって撮影された乗入室7内部のリアルタイムな画像情報CIと、センサ30(301~320)のリアルタイムな検知情報DI(図16図18参照)と、乗入室7内の安全を確認したことを報知する安全確認ボタン(例:無人確認ボタンSB1)とを、操作盤22の操作画面45に併せて表示し、ユーザーに乗入室7内の画像情報CIやセンサの検知情報DIを確認させて安全確認ボタンを押させる。
【0067】
[入庫操作]
このように構成された機械式駐車場設備1において、車両2を入庫させる操作の流れを説明する。
【0068】
まず、車両2のユーザー(ドライバー)は、車両2を入出庫口3の前に停車させ、パーキングブレーキを掛けて降車し、同乗者やペット等を降車させてから操作盤22に向かう。そして、専用の鍵で施錠を解錠するか、専用リモコンのトランスポンダによって自動解錠させて筐体43の蓋44を開ける。この時点で操作盤22の操作画面45に、図6に示す第1の認証画面が表示され、乗入室7内の場内灯が点灯する。
【0069】
操作画面45は、前述のように表示部45aと入力部45bとを有しており、図6に示す第1の認証画面においては、表示部45aには表示がなされず、入力部45bにはテンキー81と、暗証番号を入力する案内とが表示される。この案内や、後述する他の案内(指示等)は、全て図4に示すスピーカー47からも音声で伝えられる。この案内に従ってユーザーがテンキー81で自身の暗証番号を入力すると第1の認証が成立し、操作画面45は図7に示す画面に切り替わる。この画面の表示部45aには、認証を終えたユーザーの契約番号や、呼出、入庫、確認、扉閉といった各動作の進行状況が表示される。
【0070】
図7図10に示すように、操作画面45(入力部45b)には、機械式駐車場設備1を起動させる前に、乗入室7の内部が確実に無人状態であることをユーザーに確認させるための確認画面が表示される(1回目の安全確認操作)。即ち、制御装置40が、乗入室7内に設置された4基の乗入室カメラ35A~35Dによる乗入室7内のリアルタイムな画像情報CIと共に、無人確認ボタンSB1(安全確認ボタン)を操作画面45(入力部45b)に表示させる。乗入室カメラ35A~35Dによる画像には、それぞれ「正面」(図7)、「後面」(図8)、「左側面」(図9)、「右側面」(図10)と表示される。
【0071】
ユーザーは、所定時間内に、これらの画像情報CIを逐一確認し、異常がなければ無人確認ボタンSB1を押してゆく。操作画面45における表示の切り替えは、無人確認ボタンSB1が押される都度、画面が図7図8図9図10の表示に切り替わるようにしてもよいし、図7から図10まで一通りユーザーに見せてから無人確認ボタンSB1を一度押させるようにしてもよい。なお、乗入室7が空室状態で見通しが良いことから、4基の乗入室カメラ35A~35Dのうちの1台のみで乗入室7内の全体を撮影し、画像の切り替えを行わずにユーザーに確認させるようにしてもよい。要するに、ユーザーが操作する操作画面45に、乗入室7内のリアルタイムな画像情報CIと無人確認ボタンSB1とを表示し、これをユーザー自身に確認させて無人確認ボタンSB1を押させることがポイントである。この確認作業時には操作者カメラ49によってユーザーの顔や手元等が記録される。
【0072】
このように、操作画面45に乗入室7内の画像情報CIと無人確認ボタンSB1の表示が行われるのは、乗入室7内の多数のセンサ30(301~320)が、いずれも乗入室7内におけるエラー状況を検知していないことが前提条件となる。ここで言うエラー状況とは、例えば乗入室7内に人や障害物等がある時等であり、そのまま機械を起動させると危険な状況を意味する。
【0073】
乗入室7の内部が確実に無人であり、安全であることがユーザーによる無人確認ボタンSB1の押圧によって確定すると、1回目の安全確認操作が完了し、操作画面45の表示が図11の表示に切り替わる。また、所定の時間(例えば1分間)の間に各画面の無人確認ボタンSB1が押されない場合には、図6に示す第1の認証画面(図6参照)に戻るようになっている。つまり、この安全確認システムSCSは、ユーザーによって所定時間内に無人確認ボタンSB1が押されない限り、次の操作段階には移行しないように制御されている。
【0074】
図11に示す次の画面では、ユーザーに入庫の意思が問われ、ユーザーは、「はい」のボタンYB、または「いいえ」のボタンNBを選択して押す。「いいえ」のボタンNBが押された場合には画面表示が第1の認証画面(図6参照)に回帰する。
【0075】
「はい」のボタンYBが押されると、空きパレット18の搬送(呼出)が開始される。即ち、図1に示すように、車両2が格納されていない車両格納棚17から空きパレット18がリフト14に取り出されて昇降通路13沿いに下方に降ろされ、ターンテーブル8(旋回板10)の上に載置される。その後、このパレット18はターンテーブル8によって90度方向転換されて入出庫口3に向けられる。
【0076】
この間の操作画面45の表示は図12に示すものとなる。表示部45aには、空きパレット18が乗入室7に到着するまでの時間がカウントダウン形式で示される。なお、この時には、例えば入力部45bに乗入室7内のリアルタイムな画像を表示しておいてもよい。これにより、ユーザーが待ち時間を苦痛に感じることを幾分和らげることができる。
【0077】
乗入室7に空きパレット18が到着すると、図13に示すように、操作画面45に「入庫してください」という案内が表示され、入出庫扉4が自動的に開かれる。これに従い、ユーザーは車両2を運転して入出庫口3から乗入室7内にゆっくり進入し、ターンテーブル8の上に載置された空きパレット18の上に車両2を乗り上げて前進させる。そして、乗入室7内の正面に設けられた停車位置指示灯25の表示が「前進」から「停車」に切り替わったら停車させてパーキングブレーキを掛け、窓やドアを確実に閉じて施錠し、ドアミラーを畳み、アンテナ等を収容してから降車し、乗入室7から退出する。
【0078】
このように車両2が入出庫口3から乗入室7内に進入すると、例えば図3に示す入出庫口非常停止センサ305や、車両確認センサ(在荷センサ)303等が発する赤外線ビーム30aが遮光されることによって車両2の進入が検知され、操作画面45の表示が図14図15に示すように停車位置を案内するものに切り替わる。この図14図15に示される案内表示は、停車位置指示灯25の表示と同様である。これらの画面や停車位置指示灯25の表示は、図3に示す車両前部センサ301,車両後部センサ302等が発する赤外線ビーム30aが車両2の前後端部によって遮光されたり、通光されたりすることにより、パレット18に対する車両2の前後位置が検出されて行われる。
【0079】
パレット18上における車両2にエラー状況が発生している場合(発生した場合)には、乗入室7内部の複数個所に設置されているセンサ30(301~320)のいずれかが乗入室7内のエラー状況を検知する。この時、制御装置40は、乗入室7内に4基設置された乗入室カメラ35A~35Dのうち、センサ30(301~320)の検知しているエラー状況を最も良好に撮影可能な乗入室カメラを35A~35Dの中から選択し、その画像情報CIを操作画面45に表示する。これは、1回目の安全確認操作の最中においても同様である。
【0080】
同時に、制御装置40は、図16図18に示すように、操作画面45に、画像情報CIと共に、センサ30(301~320)のリアルタイムな検知情報DIを併せて表示する。
【0081】
例えば、乗入室7内に入庫して停車した車両2の前部が、図3に示す車両前部センサ301の赤外線ビーム30aを遮光してエラーになっている場合には、図16に示すように、車両2の正面を撮影可能な乗入室カメラ35Aにより撮影された画像情報CIが選択されて操作画面45に表示されるとともに、車両2の画像の前頭部を横切るようにバー状のアニメーションDI(検知情報)が表示される。このアニメーションDIは点滅する等して目立つように表示される。このアニメーションDIが表示されることにより、操作画面45を見ているユーザーは、車両2の停車位置が前過ぎたことを素早く認識して修正することができる。
【0082】
また、例えば車両2の右側のドアが開いていて、このドアが、図3に示すドア開検出(上)(右)センサ317Bの赤外線ビーム30aを遮光してエラーになっている場合には、図17に示すように、車両2の右側面を撮影可能な乗入室カメラ35Dにより撮影された画像情報CIが選択されて操作画面45に表示されるとともに、車両2の画像の右側面部に沿うようにバー状のアニメーションDIが表示される。これにより、ユーザーは、車両2の右側のドアが開いていることを素早く認識してすぐに閉じに行くことができる。
【0083】
さらに、例えば車両2がミッドルーフ車、もしくはハイルーフ車であって、その全高が高く、車体の前頭部が、図3に示すミッドルーフ車角切(前)センサ309や、ハイルーフ車角切(前)センサ311の赤外線ビーム30aを遮光してエラーになっている場合には、図18に示すように、車両2の左側面を撮影可能な乗入室カメラ35C、または右側面を撮影可能な乗入室カメラ35Dにより撮影された画像情報CIが選択されて操作画面45に表示されるとともに、車体前頭部に該当する箇所に、実際の角切センサと相似した形状の斜めバー状のアニメーションDIが表示される。これにより、ユーザーは、当該車両2を駐車させるのが不可能なことがわかり、車両2を乗入室7から搬出する。
【0084】
このように、制御装置40は、無人確認ボタンSB1と画像情報CIの表示中、および無人確認ボタンSB1が押された後に、センサ30(301~320)が乗入室7内のエラー状況を検知した場合には、以後の操作を無効にする。そして、操作画面45における表示や、スピーカー47からの音声により、ユーザーに乗入室7内の確認が必要である旨を報知する。
【0085】
パレット18上における車両2にエラー状況が発生していなければ、操作画面45に、図19に示す第2の認証画面が表示され、入力部45bにテンキー81と、暗証番号を入力する案内とが表示されるので、ユーザーは再度、自身の認証番号をテンキー81にて入力する。このように第2の認証が行われる目的は、例えばユーザーが乗入室7内に居る間に次のユーザーが来場し、乗入室7内に前のユーザーが居ることを認識しないで入出庫扉4を閉じてしまうことを確実に防止して安全性を高めるためである。
【0086】
案内に従ってユーザーがテンキー81で自身の暗証番号を入力すると、第2の認証が成立し、操作画面45は図20に示す画面に切り替わる。図20図23に示すように、操作画面45(入力部45b)には、入出庫扉4を閉じる前に、乗入室7の内部が確実に無人状態であることを再度ユーザーに確認させるための確認画面が表示される(2回目の安全確認操作)。
【0087】
即ち、1回目の安全確認操作(図7図10参照)と同様に、制御装置40が、乗入室7内に設置された4基の乗入室カメラ35A~35Dによる乗入室7内のリアルタイムな画像情報CIと共に、無人確認ボタンSB2(安全確認ボタン)を操作画面45(入力部45b)に表示させる。乗入室カメラ35A~35Dによる画像には、それぞれ「正面」(図20)、「後面」(図21)、「左側面」(図22)、「右側面」(図23)と表示される。
【0088】
ユーザーは、この画像情報CIを逐一確認し、異常がなければ無人確認ボタンSB2を押す。操作画面45における表示順序は、無人確認ボタンSB2が押される都度、画面が図20図21図22図23の表示に切り替わるようにしてもよいし、図20から図23まで一通りユーザーに見せてから無人確認ボタンSB2を一度押させるようにしてもよい。ポイントは、ユーザーが操作する操作画面45に、乗入室7内のリアルタイムな画像情報CIと無人確認ボタンSB2とを表示し、これをユーザー自身に確認させて無人確認ボタンSB2を押させることにある。なお、この確認作業時にも操作者カメラ49によってユーザーの顔や手元等が記録される。
【0089】
このように、操作画面45に乗入室7内の画像情報CIと無人確認ボタンSB2の表示が行われるのは、1回目の安全確認操作の時と同じく、乗入室7内の多数のセンサ30(301~320)が、いずれも乗入室7内におけるエラー状況を検知していないことが前提条件となる。
【0090】
乗入室7の内部に車両2以外の物や人等が確実に無く、安全であることがユーザーによる無人確認ボタンSB2の押圧によって確定すると、2回目の安全確認操作が完了し、操作画面45の表示が図24の表示に切り替わる。また、所定の時間(例えば1分間)の間に各画面の無人確認ボタンSB2が押されない場合や、センサ30(301~320)が異常を検知した場合には、図16図18に示すエラー状況検知時の画像に回帰するようになっている。
【0091】
図24図27の画像では、入出庫扉4を閉じる前の3回目の安全確認操作が行われる。1回目、2回目の安全確認操作と同様に、乗入室7内に設置された4基の乗入室カメラ35A~35Dによる乗入室7内のリアルタイムな画像情報CIと共に、閉扉ボタンSB3(安全確認ボタン)が操作画面45(入力部45b)に表示される。乗入室カメラ35A~35Dによる画像には、それぞれ「正面」(図24)、「後面」(図25)、「左側面」(図26)、「右側面」(図27)と表示される。
【0092】
ユーザーは、この画像情報CIを逐一確認し、異常がなければ閉扉ボタンSB3を押す。操作画面45における表示順序は、閉扉ボタンSB3が押される都度、画面が図24図25図26図27の表示に切り替わるようにしてもよいし、図24から図27まで一通りユーザーに見せてから閉扉ボタンSB3を一度押させるようにしてもよい。この確認作業時には操作者カメラ49によってユーザーの顔や手元等が記録される。
【0093】
閉扉ボタンSB3を押して入出庫扉4を閉じる際には、閉扉ボタンSB3を所定時間かけて長押しさせるのが好ましい(例えば1秒間)。これにより、ユーザーが操作画面45を確認せずにうっかり閉扉ボタンSB3に触れて押してしまうことを防止することができる。
【0094】
乗入室7の内部に車両2以外の物や人等が確実に無く、安全であることがユーザーによる閉扉ボタンSB3の押圧によって確定すると、3回目の安全確認操作が完了し、入出庫扉4が閉じ始める。これに伴い、操作画面45の表示が図28図31の表示に切り替わる。
【0095】
入出庫扉4が閉じている間は、図28図31に示すように、4回目の安全確認操作が行われる。ここでは、1~3回目の安全確認操作と同様に、乗入室7内に設置された4基の乗入室カメラ35A~35Dによる乗入室7内のリアルタイムな画像情報CIと共に、扉反転ボタンSB4(安全確認ボタン)が表示される。乗入室カメラ35A~35Dによる画像には、それぞれ「正面」(図28)、「後面」(図29)、「左側面」(図30)、「右側面」(図31)と表示される。
【0096】
ユーザーは、これらの画像情報CIを逐一確認するが、特に異常がなければ扉反転ボタンSB4を押す必要はない。何か異常を発見した場合には、扉反転ボタンSB4を押すことにより、入出庫扉4が反転(再開扉)する。この場合、制御は図20に示す2回目の安全確認操作の段階まで戻される。入庫の完了後は、図32に示すように、乗入室7内の画像が暫く表示される(例えば10秒間)。そして、異常がなければ入庫は完了する。この最中に次のユーザーが入庫を開始したい場合には、操作画面45の右上に表示されている予約ボタンRBを押す。これにより、操作画面45の表示は図6に示す第1の認証画面に変わる。
【0097】
上記の入庫操作の流れの中のいずれかの時点で、センサ30(301~320)のいずれかにより乗入室7内のエラー状況が検知された場合には、入出庫扉4が開扉され、操作画面45は図16図18の画像に戻される。この場合、ユーザーは操作画面45を見てエラー状況の内容を判断し、乗入室7に入ってエラー状況を解消させ、再び図19に示す2回目の安全確認操作から操作をやり直す。
【0098】
[出庫操作]
車両2を入庫させる時の流れについては、特に詳しくは説明しないが、ユーザーはまず第1の認証を行い、次に、出庫する車両2が搭載されたパレット18を乗入室7に呼出し、入出庫扉4が開いたら乗入室7内に入って車両2に乗車し、車両2を乗入室7の外に搬出する。
【0099】
車両2の搬出後、車両2から降車して操作盤22に向かい、まず第2の認証を行い、次に、入庫操作時における2回目の安全確認操作と同様に操作画面45上に表示される画像情報CIを見ながら安全確認を行って乗入室7内の無人を確認する。
【0100】
次に、入庫操作時における3回目の安全確認操作と同様な安全確認を行って入出庫扉4を閉じ、入出庫扉4が閉じている間は入庫操作時における4回目の安全確認操作と同様な安全確認を行いながら入出庫扉4が閉じるのを見届けて出庫操作を完了させる。この一連の確認作業中は、操作者カメラ49によってユーザーの顔や手元等が記録される。
【0101】
図33は、上述した1回目~4回目の安全確認操作の時における制御の流れ(制御方法)を示すフローチャートである。
この安全確認制御の開始後、ステップS1で、図6図19に示す認証画面が表示される。なお、3回目と4回目の安全確認操作では、このステップは省略される。
【0102】
次に、ステップS2で、ユーザー認証が成功したか否かが判定される。ユーザー認証が失敗した場合(S2→NO)は再びステップS1に戻り、ユーザー認証が成功した場合(S2→YES)はステップS3に移行し、乗入室7内の画像情報CIと、安全確認ボタンSB1~SB4が表示される。
【0103】
次に、ステップS4で、所定時間(例えば1分間)が経過したか否かが判定される。ユーザーはこの所定時間の間に安全確認ボタンSB1~SB4を押す必要がある。所定時間が経過した場合(S4→YES)はステップS1に戻り、所定時間が経過していない場合(S4→NO)はステップS5に移行する。
【0104】
ステップS5では、安全確認ボタンSB1~SB4が押されたか否かが判定される。押されていれば(S5→YES)ステップS6に移行し、押されていなければ(S5→NO)ステップS4に戻る。
【0105】
ステップS6では、センサ30(301~320)によって乗入室7内にエラー状況が検知されているか否かが判定される。エラー状況が検知されていなければ(S6→NO)ステップS7に移行し、次の操作段階が実行されて安全確認制御が終了する。また、乗入室7内にエラー状況が検知されていれば(S6→YES)ステップS8に移行する。
【0106】
ステップS8では、乗入室7内に4基設置された乗入室カメラ35A~35Dのうちから、エラー状況を撮影可能なカメラが選択される。次に、ステップS9で、選択したカメラによる画像情報CIと、センサの検知情報DIとが操作画面45に表示される(図16図18参照)。そして、ステップS10で乗入室7内を確認するように指示がなされた後、ステップS3に戻る。ユーザーは、乗入室7内に入ってエラー状況を確認・解消させた後、操作画面45に表示される画像情報CIを確認して安全確認ボタンSB1~SB4を押す操作をやり直す。
【0107】
ところで、入庫時および出庫時に、ユーザーが乗入室7に出入りする際には、センサによってユーザーの入退場が確認されるようになっている。
図3に示すように、乗入室7の内部の、入出庫口3付近を2本の赤外線ビーム30a(検知ライン)が横切るように、車両後部センサ302と入出庫口非常停止センサ305が配置されている。車両後部センサ302の赤外線ビーム30aが奥側、入出庫口非常停止センサ305の赤外線ビーム30aが手前側(外側)となっている。
【0108】
そして、制御装置40においては、図34に示すように、先に手前側にある入出庫口非常停止センサ305が遮光されてONになり、次に奥側にある車両後部センサ302が遮光されてONになった時点で場内有人信号がONになり、ユーザーが場内に入ったと判断される。
また、図35に示すように、先に奥側にある車両後部センサ302が遮光されてONになり、次に手前側にある入出庫口非常停止センサ305が遮光されてONになった時点で場内有人信号がOFFになり、ユーザーが場内から退出したと判断される。
【0109】
以上のように、本実施形態に係る安全確認システムSCS、および安全確認方法は、ユーザーが操作するタッチパネル式の操作画面45の画面上に、乗入室カメラ35A~35Dによって撮影されたリアルタイムな画像情報CIと、ユーザーが乗入室7内の安全を確認したことを報知する安全確認ボタンSB1~SB4とを併せて表示させることを特徴としている。
【0110】
このように、操作画面45に乗入室内の画像情報CIが表示されるため、この画像情報CIをユーザーが確実に見て乗入室7内の安全を確認することができる。したがって、乗入室7内に人やペット等が居残ることを防止し、機械式駐車場設備1の安全性を高めることができる。
【0111】
なお、操作画面45とは別に設置されたモニター等に乗入室7内の画像情報を表示すると、太陽光の反射等によって画像を明瞭に見ることができないことがある。また、ユーザーが操作画面45から目線を外してモニター等を確認しなければならないため、操作性が低下してしまう。これに対し、本実施形態のように操作画面45に乗入室7内の画像情報CIを表示すれば、一般に操作画面45は太陽光の影響を受けない角度を付与されていることから、ユーザーが画像情報CIを良好に視認することができる。
【0112】
また、この安全確認システムSCSおよび安全確認方法では、操作画面45に、画像情報CIおよび安全確認ボタンSB1~SB4と共に、センサ30(301~320)のリアルタイムな検知情報(アニメーションDI)を併せて表示させようになっている。これにより、ユーザーは、操作画面45上で安全確認ボタンSB1~SB4を操作する際に、乗入室7の画像情報CIと共に、センサの検知情報DIを確認することができるようになる。したがって、画像情報CIのみでは判別し難いエラー状況でも認識することができ、エラー状況への対処が容易になり、より安全性を高めることができる。
【0113】
さらに、この安全確認システムSCSおよび安全確認方法では、ユーザーによる乗入室7内部の安全確認時(1回目~4回目の安全確認操作)に、センサ30(301~320)が乗入室7内のエラー状況を検知していないことを条件に、操作画面45に画像情報CIと共に安全確認ボタンSB1~SB4を表示させ、この安全確認ボタンSB1~SB4が押されない限り、次の操作段階に移行しないように制御している。
【0114】
これにより、ユーザーは、操作画面45に表示された乗入室7内の画像情報CIを確認して安全確認ボタンSB1~SB4を押すまで、次の操作段階に進むことができない。このため、ユーザーに乗入室7内の安全確認を確実に実行させ、より安全性を高めることができる。
【0115】
また、この安全確認システムSCSでは、4基の乗入室カメラ35A~35Dが乗入室7内の異なる4個所に設置され、制御装置40は、これら4基の乗入室カメラ35A~35Dによる4つの画像情報CIを操作画面45に表示してユーザーに逐一確認させ、ユーザーに安全確認ボタンSB1~SB4を押させている。このため、乗入室7内における死角を無くして安全性をより向上させることができる。
【0116】
さらに、この安全確認システムSCSでは、複数のセンサ30(301~320)を乗入室7内の複数個所に設置し、これらのセンサのいずれかが乗入室7内の何らかのエラー状況を検知した場合には、制御装置40が、乗入室7内に4基設置された乗入室カメラ35A~35Dの中から、上記のエラー状況を撮影可能な乗入室カメラを選択し、その画像情報CIを操作画面45に表示させるようになっている。このため、操作画面45を操作するユーザーに、乗入室7の内部におけるエラー状況を確実に認識させて安全性を高めることができる。
【0117】
また、この安全確認システムSCSおよび安全確認方法では、操作画面45に安全確認ボタンSB1~SB4や画像情報CIが表示されている最中、あるいは安全確認ボタンSB1~SB4が押された後に、センサ30(301~320)のいずれかが乗入室7内のエラー状況を検知した場合には、以後の操作を無効にさせるようにしている。
【0118】
こうすれば、ユーザーによる安全確認よりも、センサ30(301~320)によるエラー状況の検知が優先されて以後の操作が無効になるため、エラー状況の確認および修復が行われないまま機械式駐車場設備1が起動してしまうようなことを防止し、より安全性を高めることができる。
【0119】
また、この安全確認システムSCSは、操作画面45に近傍に設置した操作者カメラ49によって操作画面45を操作するユーザーの顔を撮影し、その映像を操作日時と共に記録するようになっている。
【0120】
このように、操作画面45を操作するユーザーの顔と操作日時を記録しておくことで、万一事故や故障等が起きた時の検証を容易にすることができる。また、ユーザーは自身が撮影されていることを認識するため、馴れ合い的な操作(代理操作等)を自粛させる効果がある。
【0121】
なお、操作者カメラ49によってユーザーの顔を終始撮影することは必須ではない。例えば、ユーザーが操作画面45の安全確認ボタンSB1~SB4を押すタイミングでユーザーを撮影するようにしてもよい。
【0122】
また、この安全確認システムSCSでは、乗入室7の内部の、入出庫口3付近を複数の赤外線ビーム30aが横切るようにセンサ302,305を配置し、これらのセンサ302,305の赤外線ビーム30aが遮光される順番によって、ユーザーが乗入室7に入退室したことを判断している。これにより、ユーザーの入退室状況を確実に検知して安全性を高めることができる。
【0123】
さらに、この安全確認システムSCSでは、ユーザーが入出庫扉4を閉じる操作を行う時に、操作画面45に画像情報CIと共に閉扉ボタンSB3を表示し、ユーザーに画像情報CIを見せながら閉扉ボタンSB3を所定時間(例えば1秒間)かけて長押しさせて入出庫扉4を閉じるようにしている。
【0124】
このように、閉扉ボタンSB3を長押ししないと入出庫扉4が閉まらないため、ユーザーが操作画面45を確認せずにうっかり閉扉ボタンSB3に触れて押してしまうことを防止し、安全確認を確実に行わせて危険を回避することができる。
【0125】
また、この安全確認システムSCSでは、入出庫扉4の閉扉動作中に、操作画面45に画像情報CIと共に扉反転ボタンSB4が表示され、この扉反転ボタンSB4をユーザーが押すと閉扉動作中の入出庫扉4が開扉するようになっている。
これにより、ユーザーが閉扉ボタンSB3を押して入出庫扉4が閉じ始めてからであっても、操作画面45に乗入室7内のエラー状況が表示された場合には扉反転ボタンSB4を押すことにより入出庫扉4を再開扉させて危険を回避することができる。
【0126】
また、上記のように構成された安全確認システムSCSを備えた機械式駐車場設備1によれば、乗入室7内に設置された4基の乗入室カメラ35A~35Dの画像をユーザーに確実に確認させながら、ユーザーに操作画面45を操作させることができる。
したがって、乗入室7の内部に人やペット等が居残っていたり、駐車車両2のドアが開いていたりするといったエラー状況をユーザー自身が操作画面45上で確認することができ、危険を回避して安全性を高めることができる。
【0127】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、適宜変更を加えることができ、このように変更や改良を加えた実施形態も本発明の権利範囲に含まれるものとする。
【0128】
例えば、上記の説明では、エレベータ式の機械式駐車場設備を例にして説明したが、本発明に係る安全確認システムはエレベータ式に限らず、垂直循環式、平面往復式、水平循環式等、あらゆる方式の機械式駐車場設備に幅広く適用することができる。
【符号の説明】
【0129】
1 機械式駐車場設備
3 入出庫口
4 入出庫扉
7 乗入室
14 リフト(搬送機)
30 センサ
30a 赤外線ビーム(センサの検知ライン)
35A~35D 乗入室カメラ
40 制御装置
45 操作画面
49 操作者カメラ
CI 乗入室内の画像情報
DI センサの検知情報
SB1 無人確認ボタン(安全確認ボタン)
SB2 無人確認ボタン(安全確認ボタン)
SB3 閉扉ボタン(安全確認ボタン)
SB4 扉反転ボタン(安全確認ボタン)
SCS 安全確認システム
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