(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024014901
(43)【公開日】2024-02-01
(54)【発明の名称】マッサージシステム
(51)【国際特許分類】
A61H 7/00 20060101AFI20240125BHJP
G06Q 50/00 20240101ALI20240125BHJP
A61H 15/00 20060101ALI20240125BHJP
【FI】
A61H7/00 323S
G06Q50/00
A61H15/00 350F
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023189884
(22)【出願日】2023-11-07
(62)【分割の表示】P 2019207283の分割
【原出願日】2019-11-15
(71)【出願人】
【識別番号】000136491
【氏名又は名称】株式会社フジ医療器
(74)【代理人】
【識別番号】110002310
【氏名又は名称】弁理士法人あい特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】水口 隆司
(72)【発明者】
【氏名】大出 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】児玉 将吾
(72)【発明者】
【氏名】財部 政文
(72)【発明者】
【氏名】増田 雅亮
(57)【要約】
【課題】凝り部位および凝り具合をユーザが入力しやすくなるマッサージシステムを提供する。
【解決手段】凝り入力部は、予め設定された複数の部位それぞれの範囲を表す部位別領域が識別可能に描かれた人体マップを、タッチパネル式表示部における人体マップ表示領域内に表示する第1手段と、人体マップ表示領域にユーザの身体の一部が接触してから身体の一部が人体マップ表示領域から離間するまで、身体の一部が人体マップ表示領域に接触した領域に応じた身体接触領域と、人体マップの左右中心線に関して当該身体接触領域と線対称な領域との両方に第1色を塗布する第2手段とを含む。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
凝り部位および凝り具合をユーザに入力させるための凝り入力部と、
前記凝り入力部によって入力された凝り部位および凝り具合に適したマッサージコースを決定するコース決定部と、
前記コース決定部によって決定されたマッサージコースをマッサージ機に実行させるためのマッサージ機制御部とを含み、
前記凝り入力部は、
予め設定された複数の部位それぞれの範囲を表す部位別領域が識別可能に描かれた人体マップを、タッチパネル式表示部における人体マップ表示領域内に表示する第1手段と、
前記人体マップ表示領域に前記ユーザの身体の一部が接触してから前記身体の一部が前記人体マップ表示領域から離間するまで、前記身体の一部が前記人体マップ表示領域に接触した領域に応じた身体接触領域と、前記人体マップの左右中心線に関して当該身体接触領域と線対称な領域との両方に第1色を塗布する第2手段とを含む、マッサージシステム。
【請求項2】
前記身体接触領域が前記人体マップの領域内および領域外の両方に存在している場合には、前記第1色は、前記人体マップの領域内および領域外の両方に塗布される、請求項1に記載のマッサージシステム。
【請求項3】
前記第1色が塗られている前記部位別領域である注目部位別領域内おいて、当該注目部位別領域に対する前記第1色の塗布面積の割合が所定値以上に達している場合において、前記人体マップ表示領域から前記身体が離間したときには、前記第1色を消去するとともに当該注目部位別領域全体に凝り部位を表す第2色を塗布する第3手段を含み、
前記第1色が前記人体マップの領域内および領域外の両方に塗布される場合においても、前記第2色は、前記人体マップの領域内のみに塗布される、請求項2に記載のマッサージシステム。
【請求項4】
前記第1色が塗られている前記部位別領域である注目部位別領域内おいて、当該注目部位別領域に対する前記第1色の塗布面積の割合が所定値以上に達している場合において、前記人体マップ表示領域から前記身体が離間したときには、前記第1色を消去するとともに当該注目部位別領域全体に凝り部位を表す第2色を塗布する第3手段を含み、
前記第2色として、凝り具合に応じて濃度が異なる複数種類の第2色が用意されており、
前記第3手段は、前記注目部位別領域全体に前記第2色を塗布するタイミングにおいて、当該注目部位別領域全体に既に前記第2色が塗布されているときには、現在塗布されている前記第2色の濃度が、凝り具合が最大であることを表す濃度でなければ、現在塗布されている前記第2色の濃度よりも凝り具合が一段階だけ高いことを表す濃度の第2色を前記注目部位別領域全体に塗布するように構成されており、
凝り部位および凝り具合の入力が完了したことをユーザに入力させるための完了入力手段と、
凝り部位および凝り具合の入力が完了したことが前記完了入力手段によって入力されたときには、前記第3手段による前記第2色の塗布結果に基づいて、濃度表示画面を表示させる表示手段とをさらに含み、
前記濃度表示画面には、前記部位別領域の名称ごとに、その部位別領域に対して前記第3手段によって塗布された前記第2色の濃度がデジタル表示される、請求項1に記載のマッサージシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、マッサージシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、座部と、背もたれ部と、肘掛部と、脚載部と、これらの土台となる基台部とを備えたマッサージ機が開示されている。特許文献1の背もたれ部には、左右一対の揉み玉を備えたマッサージユニットが、昇降可能に取り付けられている。マッサージユニットは、揉み玉を偏心回動させる揉み機構と、揉み玉を前後に揺動させる叩き機構とを含む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【0004】
この発明は、凝り部位および凝り具合をユーザが入力しやすくなるマッサージシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明の一実施形態は、凝り部位および凝り具合をユーザに入力させるための凝り入力部と、前記凝り入力部によって入力された凝り部位および凝り具合に適したマッサージコースを決定するコース決定部と、前記コース決定部によって決定されたマッサージコースをマッサージ機に実行させるためのマッサージ機制御部とを含み、前記凝り入力部は、予め設定された複数の部位それぞれの範囲を表す部位別領域が識別可能に描かれた人体マップを、タッチパネル式表示部における人体マップ表示領域内に表示する第1手段と、前記人体マップ表示領域に前記ユーザの身体の一部が接触してから前記身体の一部が前記人体マップ表示領域から離間するまで、前記身体の一部が前記人体マップ表示領域に接触した領域に応じた身体接触領域と、前記人体マップの左右中心線に関して当該身体接触領域と線対称な領域との両方に第1色を塗布する第2手段とを含む、マッサージシステムを提供する。
【0006】
この構成によれば、凝り部位および凝り具合をユーザが入力しやすくなる。
【0007】
この発明の一実施形態では、前記身体接触領域が前記人体マップの領域内および領域外の両方に存在している場合には、前記第1色は、前記人体マップの領域内および領域外の両方に塗布される。
【0008】
この発明の一実施形態では、前記第1色が塗られている前記部位別領域である注目部位別領域内おいて、当該注目部位別領域に対する前記第1色の塗布面積の割合が所定値以上に達している場合において、前記人体マップ表示領域から前記身体が離間したときには、前記第1色を消去するとともに当該注目部位別領域全体に凝り部位を表す第2色を塗布する第3手段を含み、前記第1色が前記人体マップの領域内および領域外の両方に塗布される場合においても、前記第2色は、前記人体マップの領域内のみに塗布される。
【0009】
この発明の一実施形態では、前記第1色が塗られている前記部位別領域である注目部位別領域内おいて、当該注目部位別領域に対する前記第1色の塗布面積の割合が所定値以上に達している場合において、前記人体マップ表示領域から前記身体が離間したときには、前記第1色を消去するとともに当該注目部位別領域全体に凝り部位を表す第2色を塗布する第3手段を含み、前記第2色として、凝り具合に応じて濃度が異なる複数種類の第2色が用意されており、前記第3手段は、前記注目部位別領域全体に前記第2色を塗布するタイミングにおいて、当該注目部位別領域全体に既に前記第2色が塗布されているときには、現在塗布されている前記第2色の濃度が、凝り具合が最大であることを表す濃度でなければ、現在塗布されている前記第2色の濃度よりも凝り具合が一段階だけ高いことを表す濃度の第2色を前記注目部位別領域全体に塗布するように構成されており、凝り部位および凝り具合の入力が完了したことをユーザに入力させるための完了入力手段と、凝り部位および凝り具合の入力が完了したことが前記完了入力手段によって入力されたときには、前記第3手段による前記第2色の塗布結果に基づいて、濃度表示画面を表示させる表示手段とをさらに含み、前記濃度表示画面には、前記部位別領域の名称ごとに、その部位別領域に対して前記第3手段によって塗布された前記第2色の濃度がデジタル表示される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、マッサージシステムの全体構成を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、マッサージ機および携帯端末の外観を示す一部切り欠き斜視図である。
【
図3】
図3は、マッサージユニットの構成を図解的に示す斜視図である。
【
図4A】
図4Aは、マッサージ機の電気的構成を示すブロック図である。
【
図4B】
図4Bは、エアポンプから各エアバッグまでのエア回路を示すエア回路図である。
【
図5】
図5は、携帯端末の電気的構成を示すブロック図である。
【
図6】
図6Aはリモコンホーム画面の一例を示す模式図であり、
図6Bはペアリング待機中画面の一例を示す模式図であり、
図6Cはペアリング完了画面の一例を示す模式図である。
【
図7】
図7Aは携帯端末のログイン画面の一例を示す模式図であり、
図7Bは接続機器リスト画面の一例を示す模式図であり、
図7Cは接続中画面の一例を示す模式図であり、
図7Dは接続完了画面の一例を示す模式図である。
【
図8】
図8Aはアプリホーム画面の一例を示す模式図であり、
図8Bは人体マップ画面の一例を示す模式図である。
【
図9A】
図9Aは、人体マップ画面上において主として左手前腕に対してユーザが指を接触移動させた場合の指の移動軌跡を示す模式図である。
【
図9B】
図9Bは、
図9Aに示すように指が接触移動された場合に、それに伴って第1色が塗布されることを示す模式図である。
【
図9C】
図9Cは、
図9Bに示されるように第1色が塗布されている状態において、指が人体マップ画面から離間したときに、第1色が消去されるとともに第2色が左右の前腕全体に塗布されることを示す模式図である。
【
図11】
図11は、第1コース選択テーブルの内容の一例を示す模式図である。
【
図12】
図12は、第2コース選択テーブルの内容の一例を示す模式図である。
【
図13】
図13は、色濃度/強度変換テーブルの内容の一例を示す模式図である。
【
図14A】
図14Aは、アプリホーム画面で人体マップモードが選択された場合に、携帯端末の制御部によって実行される処理の手順の一部を示すフローチャートである。
【
図14B】
図14Bは、アプリホーム画面で人体マップモードが選択された場合に、携帯端末の制御部によって実行される処理の手順の一部を示すフローチャートである。
【
図14C】
図14Cは、アプリホーム画面で人体マップモードが選択された場合に、携帯端末の制御部によって実行される処理の手順の一部を示すフローチャートである。
【
図16】
図16は、変形例1を適用した場合に、携帯端末の制御部によって実行される処理の手順の一部を示すフローチャートの一部である。
【
図17】
図17は、変形例2を適用した場合に、携帯端末の制御部によって実行される処理の手順の一部を示すフローチャートである。
【
図18】
図18は、変形例3を適用した場合に、携帯端末の制御部によって実行される処理の手順の一部を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、この発明の実施形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
【0012】
[1]マッサージシステムの全体構成
図1は、マッサージシステム1の全体構成を示すブロック図である。
【0013】
マッサージシステム1は、椅子型マッサージ機(以下、単に「マッサージ機2」という。)と、携帯端末3と、サーバ4とを備えている。この実施形態では、携帯端末3は、スマートホンである。携帯端末3は、マッサージ機2によってマッサージを受けようとするユーザ(被施療者)が使用している携帯端末である。マッサージ機2と携帯端末3とは、例えばBluetooth(登録商標)によって無線通信可能である。携帯端末3とサーバ4とは、通信網5を介して通信可能である。
【0014】
マッサージ機2によってマッサージが実行された場合には、そのマッサージ履歴が携帯端末3に送られる。マッサージ履歴には、マッサージが行われた日時、マッサージコース、各部位のマッサージ強度等が含まれる。携帯端末3は、マッサージ機2から受信したマッサージ履歴をメモリに保存する。携帯端末3は、リアルタイムまたは所定のタイミングで、メモリに保存したマッサージ履歴をサーバ4に送信する。サーバ4は、携帯端末3から受信したマッサージ履歴を携帯端末3の使用者別に保存する。
【0015】
[2]マッサージ機の外観
図2は、マッサージ機2および携帯端末3の外観を示す一部切り欠き斜視図である。
【0016】
マッサージ機2は、座部11と、背もたれ部12と、肘掛部13と、脚載部(オットマン)14と、これらの土台となる基台とを含む。
【0017】
以下の説明において、前後方向、左右方向および上下方向とは、ユーザがマッサージ機2に通常の姿勢で着座したときに、そのユーザから見た場合の前後方向、左右方向および上下方向をそれぞれいうものとする。
【0018】
基台は座部11の下方に存在するが、
図2においては、座部11、背もたれ部12、肘掛部13および脚載部14によって隠れているため、現れていない。
【0019】
座部11は、基台上に配置されている。背もたれ部12は、座部11の後部に配置されている。肘掛部13は、座部11の左右両側に配置されている。脚載部14は、座部11の前側に配置されている。背もたれ部12は、背もたれ回動用アクチュエータ21(
図4A参照)により、座部11に対して、傾動可能に支持されている。また、脚載部14は、脚載回動用アクチュエータ22(
図4A参照)により、座部上部近傍に設けられた左右方向に延びる支軸を中心として回動できるようになっている。これにより、脚載部14は、
図2に示す垂直姿勢と、垂直姿勢からほぼ90度回転した水平姿勢との間で回動可能となっている。
【0020】
背もたれ部12には、マッサージユニット23が内蔵されている。マッサージユニット23は、左右一対の施療子(揉み玉)51を使用した各種マッサージ(メカ式マッサージ)を行うためのものである。背もたれ部12には、上下方向に延びる左右一対の断面U形状のガイドレール28,29(
図3参照)が設けられており、マッサージユニット23はガイドレール28,29に沿って上下方向に移動できるようになっている。マッサージユニット23の詳細な構成については、後述する。
【0021】
肘掛部13には、ユーザの前腕を収容するための前腕収容凹部17を有する腕ユニット16が設けられている。脚載部14には、ユーザの左右の脚部および足をそれぞれ収容する脚部収容凹部18および足収容凹部19を有している。
【0022】
マッサージ機2の背もたれ部12、座部11、肘掛部13および脚載部14には、エアバッグが設けられている。各エアバッグは、空気の給排気によって膨張収縮することにより、ユーザにエア式マッサージを行う。
【0023】
背もたれ部12には、右の二の腕をマッサージするための右二の腕用エアバッグ31aと、左の二の腕をマッサージするための左二の腕用エアバッグ31bとが設けられている。これらのエアバッグ31a,32bによって、二の腕をマッサージするための二の腕用エアバッグ31が構成されている。
【0024】
座部11には、太腿(ふともも)の側部をマッサージするため左右一対の太腿横用エアバッグ32a,32bと、太腿の裏上部をマッサージするため左右一対の太腿裏上用エアバッグ32c,32dと、太腿の裏下部をマッサージするための太腿裏下用エアバッグ32eとが設けられている。これらのエアバッグ32a~32eによって、太腿をマッサージするための太腿用エアバッグ32が構成されている。
【0025】
左右一対の前腕収容凹部17の両側面には、前腕をマッサージするための前腕本体用エアバッグ33a,33bと、手をマッサージするための手用エアバッグ33c,33dとが設けられている。これらのエアバッグ33a~33dによって、前腕および手をマッサージするための前腕用エアバッグ33が構成されている。
【0026】
左右一対の脚部収容凹部18の両側面には、脹脛(ふくらはぎ)の側面をマッサージするための脹脛横用エアバッグ34a,34bが設けられている。左右一対の脚部収容凹部18の底面には、脹脛の裏側をマッサージするための脹脛裏用エアバッグ34c,34dが設けられている。これらのエアバッグ34a~34dによって、脹脛をマッサージするための脹脛用エアバッグ34が構成されている。
【0027】
左右一対の足収容凹部19の両側面には、足の表側部を下方に押圧するための足表側エアバッグ35a,35bが設けられている。左右一対の足収容凹部19の底面には、足裏を上方に押圧するための足裏側エアバッグ35c,35dが設けられている。これらのエアバッグ35a~35dによって、足裏をマッサージするための足裏用エアバッグ35が構成されている。
【0028】
腕ユニット16には、リモコンスタンド24が取り付けられている。リモコンスタンド24には、ユーザがマッサージ機2を操作するためのリモートコントローラ(以下、「リモコン25」という。)が着脱自在に取り付けられている。リモコン25の操作面には、
図4Aに示すように、操作表示部26と複数の操作キーとが設けられている。操作表示部26は、例えば、タッチパネル式の液晶表示器からなる。リモコン25は、携帯端末3とは無線通信するための通信部を備えている。
【0029】
[3]マッサージユニットの構成
図3は、マッサージユニット23の構成を図解的に示す斜視図である。
【0030】
マッサージユニット23は、ガイドレール28,29に対して昇降自在に取り付けられている。マッサージユニット23は、矩形枠状のメインフレーム41を含む。メインフレーム41は、左右一対の側壁と、これらの側壁の上端どうしおよび下端どうしをそれぞれ結合する天壁および底壁とからなる。メインフレーム41には、左右方向に延びたガイド軸42および昇降用駆動軸43が回転自在に取り付けられている。
【0031】
ガイド軸42は、メインフレーム41の上部に配置され、昇降用駆動軸43はメインフレーム41の下部に配置されている。ガイド軸42および昇降用駆動軸43の両端部は、メインフレーム41の両側壁から外方に突出している。ガイド軸42の両端部には、ガイドレール28,29によって案内されるガイドローラ44が取り付けられている。昇降用駆動軸43の両端部には、ガイドレール28,29に設けられたラック(図示略)と噛み合うピニオンギヤ45が取り付けられている。
【0032】
メインフレーム41には、昇降用駆動軸43を回転させるための昇降用モータ46が取り付けられている。昇降用モータ46は、昇降用駆動軸43にギヤ機構47を介して連結されている。昇降用モータ46が回転されることによって、マッサージユニット23はガイドレール28,29に沿って昇降される。
【0033】
マッサージユニット23には、昇降用駆動軸43の回転量を検出することによって、マッサージユニット23の昇降位置(上下方向位置)を検出するための昇降位置センサ48が設けられている。昇降位置センサ48は、昇降用駆動軸43の回転量を検出するためのロータリーエンコーダからなる。
【0034】
昇降用駆動軸43の長さ中間部には、揺動フレーム49が前後方向に揺動自在に取り付けられている。揺動フレーム49には、左右一対の施療子51およびその駆動機構を備えた施療子駆動ユニット50が取り付けられている。メインフレーム41には、揺動フレーム(施療子駆動ユニット)を前後方向に進退させるための施療子駆動ユニット進退機構が設けられている。
【0035】
施療子駆動ユニット進退機構について説明する。メインフレーム41には、ガイド軸42の下側に配置されかつ左右方向に延びた進退軸52が回転自在に取り付けられている。メインフレーム41の一方の側部には、進退軸52を回転させるための進退用モータ53が取り付けられている。進退用モータ53は、ギヤ機構54を介して進退軸52に連結されている。進退軸52の長さ中間部には、左右一対のピニオンギヤ55が取り付けられている。揺動フレーム49の上部には、左右一対のピニオンギヤ55と噛み合う円弧状ラック56がそれぞれ設けられている。進退用モータ53によって進退軸52が回転されると、ピニオンギヤ55が回転し、円弧状ラック56が移動する。これにより、揺動フレーム49が昇降用駆動軸43を中心として揺動する。これにより、施療子駆動ユニット50(施療子51)が前後方向に進退する。
【0036】
マッサージユニット23には、進退軸52の回転量を検出することによって、施療子駆動ユニット50の前後位置を検出するための前後位置センサ57が設けられている。前後位置センサ57は、進退軸52の回転量を検出するためのエンコーダからなる。
【0037】
施療子駆動ユニット50は、施療子51を偏心回動させることによって揉み動作を行う揉み機構と、施療子51を前後方向に揺動させることによって叩き動作を行う叩き機構とを備えている。揉み機構は、アクチュエータ(駆動源)としての揉み用モータ58を含んでいる。叩き機構は、アクチュエータ(駆動源)としての叩き用モータ59を含んでいる。このような揉み機構および叩き機構は、周知である。
【0038】
[4]マッサージ機2および携帯端末3の電気的構成
図4Aは、マッサージ機2の電気的構成を示すブロック図である。
図4Bは、エアポンプから各エアバッグまでのエア回路を示すエア回路図である。
【0039】
図4を参照して、マッサージ機2の内部には、マッサージ機2を制御するための制御部60が内蔵されている。制御部60は、本発明の「マッサージ機制御部」の一例である。制御部60は、マイクロコンピュータを含み、CPU、メモリ(RAM、ROM、不揮発性メモリ)等を備えている。メモリには、CPUのプログラムの他、各種データが記憶される。
【0040】
制御部60には、リモコン25、背もたれ回動用アクチュエータ21の駆動回路71および脚載回動用アクチュエータ22の駆動回路72が接続されている。制御部60には、さらに、マッサージユニット23内の昇降用モータ46の駆動回路73、進退用モータ53の駆動回路74、揉み用モータ58の駆動回路75および叩き用モータ59の駆動回路76が接続されている。制御部60には、さらに、マッサージユニット23内の昇降位置センサ48および前後位置センサ57が接続されている。
【0041】
制御部60には、さらに、エアポンプ81の駆動回路77および複数の電磁弁82a~82sの駆動回路78が接続されている。各電磁弁82a~82sには、エアポンプ81からエアが供給される。以下において、電磁弁82a~82sを総称する場合には、電磁弁82という場合がある。
【0042】
図4Bを参照して、電磁弁82aには右二の腕用エアバッグ31aが接続され、電磁弁85bには左二の腕用エアバッグ31bが接続されている。電磁弁82cには右太腿横用エアバッグ32aが接続され、電磁弁82dには左太腿横用エアバッグ32bが接続されている。電磁弁82eには右太腿裏上用エアバッグ32cが接続され、電磁弁82fには左太腿裏上用エアバッグ32dが接続されている。電磁弁82gには太腿裏下用エアバッグ32eが接続されている。
【0043】
電磁弁82hには右腕の前腕本体用エアバッグ33aが接続され、電磁弁82iには左腕の前腕本体用エアバッグ33bが接続されている。電磁弁82jには右手用エアバッグ33cが接続され、電磁弁82kには左手用エアバッグ33dが接続されている。
【0044】
電磁弁82lには右脹脛横用エアバッグ34aが接続され、電磁弁82mには左脹脛横用エアバッグ34bが接続されている。電磁弁82nには右脹脛裏用エアバッグ34cが接続され、電磁弁82oには左脹脛裏用エアバッグ34dが接続されている。電磁弁82pには右足表側エアバッグ35aが接続され、電磁弁82qには左足表側エアバッグ35bが接続されている。電磁弁82rには右足裏側エアバッグ35cが接続され、電磁弁82sには左足裏側エアバッグ35dが接続されている。
【0045】
この実施形態では、左右両側にペア配置されたエアバッグに対してそれぞれ個別に電磁弁が設けられているが、ペア配置された2つのエアバッグに対して共通した1つの電磁弁が設けられていてもよい。
【0046】
あるエアバッグの電磁弁82が励磁されると、エアポンプ81からその電磁弁82を介して当該エアバッグに空気が供給される。これにより、当該エアバッグが膨張する。そして、当該エアバッグの電磁弁82が消磁されると、当該エアバッグ内の空気が電磁弁を介して外部に排気される。これにより、当該エアバッグが収縮する。
【0047】
制御部60は、リモコン25の操作、携帯端末3の操作等に基づいて、各アクチュエータ21,22の駆動回路71,72を制御する。また、制御部60は、リモコン25の操作、携帯端末3の操作等に基づいて、各モータ46,53,58,59の駆動回路73~76、エアポンプ81の駆動回路77および電磁弁82の駆動回路78を制御する。これにより、マッサージ機2は、各種のマッサージを行えるようになっている。
【0048】
マッサージモードには、手動モード、自動モード、人体マップモード、ヘルスケアモード、履歴モード等がある。
【0049】
手動モードは、ユーザによって選択されたマッサージ種類に応じたマッサージを実行するモードである。
【0050】
自動モードは、複数種類のマッサージコースの中からユーザに所望のマッサージコースを選択させ、選択されたマッサージコースを実行するモードである。
【0051】
人体マップモードは、凝り部位および凝り具合をユーザに入力させ、入力された凝り部位および凝り具合に適したマッサージコースを決定し、決定したマッサージコースを実行するモードである。
【0052】
ヘルスケアモードは、ユーザの歩数、睡眠時間および脈拍数(心拍数)等の生体情報に適したマッサージコースを決定し、決定したマッサージコースを実行するモードである。
【0053】
履歴モードは、ユーザに対して過去に実行されたマッサージコースの中からユーザに所望のマッサージコースを選択させ、選択されたマッサージコースを実行するモードである。
【0054】
図5は、携帯端末3の電気的構成を示すブロック図である。
【0055】
携帯端末3は、制御部90を備えている。制御部90は、マイクロコンピュータを含み、CPU、メモリ(RAM、ROM、不揮発性メモリ)91等を備えている。メモリ91には、CPUのプログラムの他、各種データが記憶される。制御部90には、第1通信部101、第2通信部102、操作表示部103等が接続されている。第1通信部101は、制御部90がリモコン25(マッサージ機2の制御部90)と無線通信するための通信インタフェースである。第2通信部102は、制御部90が、通信網5を介して、サーバ4や他の携帯端末と通信を行うための通信インタフェースである。操作表示部103は、例えば、タッチパネル式の液晶表示器からなる。
【0056】
[5]人体マップモード
以下、人体マップモードについて詳しく説明する。
【0057】
携帯端末3のメモリ91(不揮発性メモリ)には、人体マップモード、ヘルスケアモードまたは履歴モードを実現したり、履歴データをサーバ4に送信したりするためのアプリケーション(以下、「マッサージ・アプリ」という。)が格納されている。制御部90は、マッサージ・アプリを実行することによって、複数の機能処理部として機能するようになっている。
【0058】
本発明の特徴である人体マップモードを実現するために、制御部90は、機能処理部として、凝り部位および凝り具合をユーザに入力させる凝り入力部92と、入力された凝り部位および凝り具合に適したマッサージコースを決定するコース決定部93と、決定したマッサージコースをマッサージ機2に第1通信部101を介して送信するコース送信部94とを含む。マッサージ機2の制御部60は、携帯端末3から受信したマッサージコースをマッサージ機2に実行させる機能を備えている。
【0059】
[5.1]マッサージ機の起動
ユーザは、リモコン25の電源スイッチをオンにすることにより、マッサージ機2を起動させる。これにより、
図6Aに示すようなホーム画面(以下、「リモコンホーム画面」という。)が、リモコン25の操作表示部26に表示される。リモコンホーム画面には、各種のマッサージコースを選択するためのコース選択ボタン111、手動でマッサージ種類を選択するための手動ボタン112、各種の設定を行うための設定ボタン113、Bluetooth(登録商標)ボタン114等が表示される。Bluetooth(登録商標)ボタン114には、Bluetooth(登録商標)マークが表示されている。マッサージ機2が携帯端末3に接続されていない状態では、Bluetooth(登録商標)マークは白色で表示される。
【0060】
ユーザがBluetooth(登録商標)ボタン114をタップすると、マッサージ機2は携帯端末3との接続待機状態(ペアリング待機モード)となる。この際、操作表示部26には、
図6Bに示すようなペアリング待機中画面が表示される。ペアリング待機中画面には、「ぺアリングモード」の文字、円弧矢印ペアマーク、中止ボタン、Bluetooth(登録商標)ボタン等が表示される。ペアリング待機中においては、円弧矢印ペアマークは回転する。
【0061】
そして、マッサージ機2と携帯端末3とが接続状態になると、操作表示部26には、
図6Cに示すようなペアリング完了画面が表示される。ペアリング完了画面では、ペアリング待機中画面内の円弧矢印ペアマークが、レ点マークに変化する。レ点マークは、レの文字に似たマークである。
【0062】
接続完了画面が表示された後、所定時間(例えば2秒)が経過すると、操作表示部26には、リモコンホーム画面(
図6A参照)が表示される。ただし、この場合には、Bluetooth(登録商標)ボタン114上のBluetooth(登録商標)マークは青色で表示される。
【0063】
[5.2]マッサージ・アプリの起動
ユーザは、携帯端末3の操作表示部103上に表示されたマッサージ・アプリのアイコンをタップすることにより、マッサージ・アプリを起動する。これにより、
図7Aに示すようなログイン画面が操作表示部103上に表示される。ログイン画面には、ログインID入力部121、パスワード入力部122、ログインボタン123等が表示される。
【0064】
ユーザ登録が既にされている場合において、ユーザがログインボタン123をタップすると、操作表示部103には、
図7Bに示すような接続機器リスト画面が表示される。接続機器リスト画面には、ペアリング待機モードとなっているマッサージ機の型式を表す型式選択ボタン124,125が表示される。ユーザは、ユーザが使用しようとするマッサージ機の型式に対応した型式選択ボタンをタップする。
【0065】
所定の型式選択ボタンがタップされると、携帯端末3の制御部90は、当該型式選択ボタンに対応した型式(以下、「選択された型式」という。)のマッサージ機2に携帯端末3を接続するための処理を行う。選択された型式がXY-0001であるとすると、操作表示部103には、
図7Cに示すように、「XY-0001に接続中」というメッセージを含む接続中画面が表示される。使用するマッサージ機2がペアリング待機状態であれば、この後、携帯端末3がマッサージ機2に接続される。
【0066】
携帯端末3がマッサージ機2に接続されると、操作表示部103に、
図7Dに示すような接続完了画面が表示される。選択された型式がXY-0001であるとすると、接続完了画面には、「XY-0001に接続完了」というメッセージが表示される。そして、操作表示部103に、マッサージ・アプリのホーム画面(以下、「アプリホーム画面」という。)が表示される。
【0067】
図8Aは、アプリホーム画面の一例を示す模式図である。
【0068】
アプリホーム画面には、マッサージ機2との接続状態を示す接続状態欄131、人体マップモードボタン132、ヘルスケアモードボタン133、複数の履歴ボタン134等が表示される。
【0069】
接続状態欄131には、携帯端末3がマッサージ機2と接続されている場合には「接続中」の文字列が表示され、携帯端末3がマッサージ機2と接続されていない場合には「未接続」の文字列が表示される。
【0070】
人体マップモードボタン132は、マッサージモードを人体マップモードに設定するためのボタンである。人体マップモードボタン132には、「人体マップ」という文字列等が表示される。人体マップモードボタン132がタップされると、凝り部位および凝り具合をユーザに入力させるための人体マップ画面が操作表示部103に表示される。人体マップ画面の詳細については、後述する。
【0071】
ヘルスケアモードボタン133は、マッサージモードをヘルスケアモードに設定するためのボタンである。ヘルスケアモードボタン133には、例えば、ユーザの歩数、睡眠時間および脈拍数等の生体情報と、その生体情報に適したマッサージコースを促すメッセージが表示される。この例では、ユーザの当日の歩数と、その歩数に適したマッサージコースを促すメッセージが表示されている。ヘルスケアモードボタン133がタップされた場合には、ユーザの歩数、睡眠時間、脈拍数等に適したマッサージコースを提示するコース決定画面が操作表示部103に表示される。そして、コース決定画面上でユーザが所定の操作を行うと、提示されたマッサージコースがマッサージ機2によって実行されるようになっている。
【0072】
履歴ボタン134は、マッサージモードを履歴モードに設定するためのボタンである。履歴ボタン134には、ユーザに対して過去に実行されたマッサージコースの名称およびマッサージ日時が表示される。履歴ボタン134がタップされると、当該履歴ボタン134に対応するマッサージコースを提示するコース決定画面が操作表示部103に表示される。そして、コース決定画面上でユーザが所定の操作を行うと、提示されたマッサージコースがマッサージ機2によって実行されるようになっている。
【0073】
[5.3]人体マップ
アプリホーム画面で、人体マップモードボタン132がタップされると、携帯端末3は、例えば、
図8Bに示すような人体マップ画面を操作表示部103に表示する。人体マップ画面は、タイトル領域E1と、人体マップ表示領域E2と、メッセージ領域E3と、ボタン領域E4とを含んでいる。タイトル領域E1は操作表示部103の上端部の横長矩形領域であり、ボタン領域E4は操作表示部103の下端部の横長矩形領域である。メッセージ領域E3は、ボタン領域E4の上側の横長矩形領域である。人体マップ表示領域E2は、タイトル領域E1とメッセージ領域E3との間の縦長矩形領域である。
【0074】
タイトル領域E1には、「人体マップ」という文字列が表示されている。人体マップ表示領域E2には、人体マップ141が表示されている。メッセージ領域E3には、「マッサージしたい箇所を塗って下さい」というメッセージが表示されている。ボタン領域E4には、OKボタン142とリセットボタン143とが表示されている。なお、人体マップ表示領域E2は、人体マップ141を含んでいればよく、その大きさおよび形状は任意に設定することができる。
【0075】
人体マップ141は、人体の背面図のイラストからなる。人体の背面図のイラストには、予め設定された複数の部位それぞれの範囲を表す部位別領域が識別可能に描かれている。この実施形態では、複数の部位は、「首・肩」、「背中」、「腰」、「尻」、「二の腕」、「前腕」、「太腿」「脹脛」および「足裏」からなる。
図8Bにおいて破線は、人体の背面図の左右中心線の一部を示している。このような破線は、人体マップ141内に表示されていてもよいし、表示されていなくてもよい。
【0076】
ユーザは、人体マップ画面(より正確には人体マップ表示領域E2)上において、疲労度(凝り具合)が高い部位(凝り部位)に身体の一部を接触させて移動させる。この実施形態では、身体の一部は指であるものとする。人体マップ表示領域E2に指を接触させると、人体マップ表示領域E2上の指接触領域(身体接触領域)と、人体マップ141の左右中心線に関して指接触領域と線対称な領域とに色が塗られる。このようして指接触領域およびその線対称領域に塗られる色を第1色ということにする。ただし、「指接触領域」は、指が接触している正確な領域であってもよいが、指が接触している領域およびその近傍を含む領域であってもよい。これにより、人体マップ表示領域E2上での指の移動軌跡(前記線対称領域を含む)が第1色で塗られる。第1色は、例えば灰色である。なお、第1色は、灰色以外のであってもよい。
【0077】
そして、人体マップ表示領域E2(人体マップ画面)から指が離間するまでに、第1色が塗られた部位別領域である注目部位別領域内の第1色の塗布面積が、当該注目部位別領域の所定パーセント以上に達している場合において、人体マップ表示領域E2から指が離間したときには、第1色が消去されるとともに当該注目部位別領域全体に凝り位置および凝り具合を表す色が塗布される。所定パーセントは、例えば、60%に設定される。このようにして部位別領域全体に塗られる色(凝り位置および凝り具合を表す色)を第2色ということにする。この実施形態では、第2色として、凝り具合に応じて濃度が異なる複数種類の第2色が用意されている。この実施形態では、第2色の濃度が濃いほど、凝り具合が高いことを表す。なお、第2色の濃度が薄いほど、凝り具合が高いことを表すようにしてもよい。
【0078】
第2色は、例えば、この実施形態では、青色系の色である。なお、第2色は、青色系の色以外の色であってもよい。なお、指の接触移動によって人体マップ上に塗布された第1色は、第1色の塗布面積にかかわらず、指が操作表示部103から離間されたときには、消去される。
【0079】
図9A、
図9Bおよび
図9Cを参照して、例えば前腕に対して第2色が塗布される過程について説明する。
【0080】
ユーザは、人体マップ表示領域E2に指を接触させ、主として例えば左手前腕上に指を移動させる。
図9Aの曲線Sは、この場合の指の移動軌跡を表している。
図9Aに示すように指を接触移動させると、
図9Bに示すように、指の移動軌跡に沿って任意幅の第1色が塗布されるとともに、人体マップ141の左右中心線に関して前記指の移動軌跡と線対称な線に沿って任意幅の第1色が塗布される。
図9Bにおいて、第1色が塗布された面積は、前腕の面積の60%以上であるものとする。この後、人体マップ表示領域E2から指が離間されると、
図9Cに示すように、第1色が消去されるとともに、第2色が左右の前腕全体に塗布される。
【0081】
第2色が塗られた部位別領域から指が離間された後に、再び、当該部位別領域に指が接触移動されたとする。そして、当該部位別領域内に新たに塗られた第1色の塗布面積が当該部位別領域の60%以上になった後に、人体マップ表示領域E2から指が離間されると、当該部位別領域全体の第2色の色濃度が一段階だけ濃くされる。つまり、この実施形態では、ユーザによる人体マップ141への指の接触移動領域およびその面積に基づいて、凝り部位および凝り具合を決定している。
【0082】
凝り具合を表す色濃度は、濃度の低いものから順に、0、1、2、3の4段階で表される。ただし、0段階は第2色が塗布されていない状態である。この実施形態では、色濃度0~3の色は次のように設定されている。0段階は、白である。1段階は、水色(濃度の低い第2色)である。2段階は、青色(濃度が中程度の第2色)である。3段階は、紺色(濃度が高い第2色)である。
【0083】
なお、リセットボタン143は、全ての部位別領域の色濃度を0にリセットするためのボタンである。
【0084】
このようにして、各凝り部位に対して凝り具合に応じた濃度の第2色を塗り終えると、ユーザは、OKボタン142をタップする。OKボタン142がタップされると、携帯端末3は、操作表示部103に、
図10Aに示すような、濃度表示画面を表示する。
【0085】
濃度表示画面には、部位名毎に色濃度がデジタル表示される。具体的には、横に並んだ黒丸の数で色濃度が4段階表示される。黒丸の数が0であれば色濃度0を、黒丸の数が1であれば色濃度1を、黒丸の数が2であれば色濃度2を、黒丸の数が3であれば色濃度3をそれぞれ示す。また、濃度表示画面には、解析ボタン144と、戻るボタン145とが表示される。なお、人体マップ画面(
図8B参照)内のいずれの部位別領域にも第2色が塗布されていない状態で、人体マップ画面上のOKボタン142がタップされた場合には、そのタップ操作を無効にするようにしてもよい。
【0086】
濃度表示画面において、解析ボタン144がタップされると、携帯端末3は、人体マップ画面によって入力された凝り部位および凝り具合に適したマッサージコースを決定する。そして、携帯端末3は、
図10Bに示すような解析結果画面を表示する。解析結果画面には、携帯端末3によって決定されたマッサージコースの名称、マッサージ時間およびその内容が表示されるとともに、マッサージ開始ボタン146が表示される。
【0087】
ユーザがマッサージ開始ボタン146をタップすると、携帯端末3は、解析結果画面に表示されたマッサージコースをマッサージ機2に送信する。マッサージ機2は、携帯端末3からのマッサージコースを受信すると、受信したマッサージコースを実行する。
【0088】
[5.4]携帯端末3の動作
携帯端末3のメモリ91(
図5参照)には、人体マップ画面によって入力される凝り部位および凝り具合に適したマッサージコースを決定するために用いられるコース選択テーブル151,152(
図5参照)と、色濃度/強度変換テーブル153(
図5参照)とが記憶されている。
【0089】
コース選択テーブルには、9個の部位のうち凝り部位として1か所のみが選択されている場合に用いられる第1コース選択テーブル151と、9個の部位のうち凝り部位として2か所が選択されている場合(3か所以上が選択されている場合を除く)に用いられる第2コース選択テーブル152とがある。
【0090】
この実施形態では、9個の部位のうち凝り部位として3か所以上が選択されている場合には、常に「全身・極疲労回復コース」がマッサージコースとして選択されるため、凝り部位として3か所以上が選択されている場合のテーブルは用意されていない。
【0091】
図11は、第1コース選択テーブル151の内容の一例を示す模式図である。
【0092】
第1コース選択テーブル151には、凝り部位毎に当該凝り部位に適したマッサージコースが記憶されている。
図11の例では、首・肩に対して、首を集中的にマッサージする首集中マッサージコースが記憶されている。つまり、凝り部位として首・肩のみが選択された場合には、首を集中的にマッサージする首集中マッサージコースがマッサージコースとして決定される。
【0093】
首集中マッサージコースでは、施療子51を使用したメカ式マッサージが行われる。具体的には、昇降位置センサ48の出力に基づきマッサージユニット23が首領域を往復移動するように制御されることにより、首が集中的にマッサージされる。マッサージ動作としては、例えば、揉み動作と叩き動作とが所定時間毎に交互に行われる。また、進退軸52を回転させることで施療子駆動ユニット50が前後方向に進退することによって強度が調整される。
【0094】
背中に対して、肩甲骨を集中的にマッサージする肩甲骨集中マッサージコースが記憶されている。つまり、凝り部位として背中のみが選択された場合には、肩甲骨を集中的にマッサージする肩甲骨集中マッサージコースがマッサージコースとして決定される。
【0095】
肩甲骨集中マッサージコースでは、施療子51を使用したメカ式マッサージが行われる。具体的には、昇降位置センサ48の出力に基づきマッサージユニット23が肩甲骨領域を往復移動するように制御されることにより、肩甲骨が集中的にマッサージされる。マッサージ動作としては、例えば、揉み動作と叩き動作とが所定時間毎に交互に行われる。また、進退軸52を回転させることで施療子駆動ユニット50が前後方向に進退することによって強度が調整される。
【0096】
腰に対して、腰を集中的にマッサージする腰集中マッサージコースが記憶されている。つまり、凝り部位として腰のみが選択された場合には、腰を集中的にマッサージする腰集中マッサージコースがマッサージコースとして決定される。
【0097】
腰集中マッサージコースでは、施療子51を使用したメカ式マッサージが行われる。具体的には、昇降位置センサ48の出力に基づきマッサージユニット23が腰領域を往復移動するように制御されることにより、腰が集中的にマッサージされる。マッサージ動作としては、例えば、揉み動作と叩き動作とが所定時間毎に交互に行われる。また、進退軸52を回転させることで施療子駆動ユニット50が前後方向に進退することによって強度が調整される。
【0098】
尻に対して、坐骨を集中的にマッサージする坐骨集中マッサージコースが記憶されている。つまり、凝り部位として尻のみが選択された場合には、坐骨を集中的にマッサージする坐骨集中マッサージコースがマッサージコースとして決定される。
【0099】
坐骨集中マッサージコースでは、施療子51を使用したメカ式マッサージと太腿用エアバッグ32を使用したエア式マッサージが行われる。具体的には、昇降位置センサ48に基づきマッサージユニット23が坐骨領域を往復移動するように制御されることにより、坐骨が集中的にマッサージされる。マッサージ動作としては、例えば、揉み動作と叩き動作とが所定時間毎に交互に行われる。また、進退軸52を回転させることで施療子駆動ユニット50が前後方向に進退することによって強度が調整される。また、太腿用エアバッグ32への空気の給排気による膨張および収縮が一定の周期で繰り返される。
【0100】
二の腕に対して、二の腕エアマッサージコースが記憶されている。つまり、凝り部位として二の腕のみが選択された場合には、二の腕を集中的にマッサージする二の腕マッサージコースがマッサージコースとして決定される。二の腕エアマッサージコースは、通常のエアマッサージコースにおいて二の腕以外の部位の設定をオフにしたマッサージコースである。具体的には、二の腕用エアバッグ31への空気の給排気による膨張および収縮が一定の周期で繰り返される。
【0101】
前腕に対して、前腕エアマッサージコースが記憶されている。つまり、凝り部位として前腕のみが選択された場合には、前腕を集中的にマッサージする前腕マッサージコースがマッサージコースとして決定される。前腕エアマッサージコースは、通常のエアマッサージコースにおいて前腕以外の部位の設定をオフにしたマッサージコースである。具体的には、前腕用エアバッグ33への空気の給排気による膨張および収縮が一定の周期で繰り返される。
【0102】
太腿に対して、太腿エアマッサージコースが記憶されている。つまり、凝り部位として太腿のみが選択された場合には、太腿を集中的にマッサージする太腿マッサージコースがマッサージコースとして決定される。太腿エアマッサージコースは、通常のエアマッサージコースにおいて太腿以外の部位の設定をオフにしたマッサージコースである。具体的には、太腿用エアバッグ32への空気の給排気による膨張および収縮が一定の周期で繰り返される。
【0103】
脹脛に対して、脹脛エアマッサージコースが記憶されている。つまり、凝り部位として脹脛のみが選択された場合には、脹脛を集中的にマッサージする脹脛マッサージコースがマッサージコースとして決定される。脹脛エアマッサージコースは、通常のエアマッサージコースにおいて脹脛以外の部位の設定をオフにしたマッサージコースである。具体的には、脹脛用エアバッグ34への空気の給排気による膨張および収縮が一定の周期で繰り返される。
【0104】
足裏に対して、足裏エアマッサージコースが記憶されている。つまり、凝り部位として足裏のみが選択された場合には、足裏を集中的にマッサージする足裏マッサージコースがマッサージコースとして決定される。足裏エアマッサージコースは、通常のエアマッサージコースにおいて足裏以外の部位の設定をオフにしたマッサージコースである。具体的には、足裏用エアバッグ35への空気の給排気による膨張および収縮が一定の周期で繰り返される。
【0105】
図12は、第2コース選択テーブル152の内容の一例を示す模式図である。
【0106】
第2コース選択テーブル152には、選択された2つの部位の組み合せとその組み合わせに対するマッサージコースとが記憶される。
【0107】
首・肩と背中との組み合わせに対しては、「首・肩やすらぎコース」が記憶されている。首・肩やすらぎコースでは、施療子51を使用したメカ式マッサージとエアバッグを使用したエア式マッサージが行われる。具体的には、昇降位置センサ48の出力に基づきマッサージユニット23が主として首・肩領域を往復移動するように制御されることにより、首・肩を中心としたマッサージが行われる。マッサージ動作としては、例えば、揉み動作と叩き動作とが所定時間毎に交互に行われる。
【0108】
首・肩やすらぎコース(後述する全身やすらぎやコースおよび腰やすらぎコースも同様)では、揉み動作および叩き動作の揉み玉の動作速度が後述する疲労回復コース(腰・疲労回復コースおよび全身・疲労回復コース)に比べて、より遅く、ゆっくり揉みほぐすマッサージが特徴である。また、首・肩やすらぎコースでは、二の腕用エアバッグ31、太腿用エアバッグ32、前腕用エアバッグ33、脹脛用エアバッグ34および足裏用エアバッグ35への空気の給排気による膨張および収縮が一定の周期で繰り返される。
【0109】
首・肩と腰との組み合わせに対しては、「腰・疲労回復コース」が記憶されている。腰・疲労回復コースでは、施療子51を使用したメカ式マッサージとエアバッグを使用したエア式マッサージが行われる。具体的には、昇降位置センサ48の出力に基づきマッサージユニット23が主として腰領域を往復移動するように制御されることにより、腰を中心としたマッサージが行われる。マッサージ動作としては、例えば、揉み動作と叩き動作とが所定時間毎に交互に行われる。また、二の腕用エアバッグ31、太腿用エアバッグ32、前腕用エアバッグ33、脹脛用エアバッグ34および足裏用エアバッグ35への空気の給排気による膨張および収縮が一定の周期で繰り返される。
【0110】
首・肩と尻との組み合わせに対しては、「全身・疲労回復コース」が記憶されている。全身・疲労回復コースでは、施療子51を使用したメカ式マッサージとエアバッグを使用したエア式マッサージが行われる。具体的には、昇降位置センサ48の出力に基づきマッサージユニット23が首・肩領域から坐骨領域まで往復移動するように制御されることにより、マッサージユニット23の移動可能領域全域においてマッサージが行われる。マッサージ動作としては、例えば、揉み動作と叩き動作とが所定時間毎に交互に行われる。また、二の腕用エアバッグ31、太腿用エアバッグ32、前腕用エアバッグ33、脹脛用エアバッグ34および足裏用エアバッグ35への空気の給排気による膨張および収縮が一定の周期で繰り返される。
【0111】
首・肩と二の腕との組み合わせに対しては、「全身・やすらぎコース」が記憶されている。全身・やすらぎコースでは、施療子51を使用したメカ式マッサージとエアバッグを使用したエア式マッサージが行われる。具体的には、昇降位置センサ48に基づきマッサージユニット23が首・肩領域から坐骨領域まで往復移動するように制御されることにより、マッサージユニットの移動可能領域全域においてマッサージが行われる。マッサージ動作としては、例えば、揉み動作と叩き動作とが所定時間毎に交互に行われる。また、二の腕用エアバッグ31、太腿用エアバッグ32、前腕用エアバッグ33、脹脛用エアバッグ34および足裏用エアバッグ35への空気の給排気による膨張および収縮が一定の周期で繰り返される。
【0112】
首・肩と太腿との組み合わせに対しては、「全身・やすらぎコース」が記憶されている。首・肩と脹脛との組み合わせに対しては、「全身・やすらぎコース」が記憶されている。首・肩と足裏との組み合わせに対しては、「全身・疲労回復コース」が記憶されている。
【0113】
背中と腰との組み合わせに対しては、「腰・やすらぎコース」が記憶されている。腰・やすらぎコースでは、施療子51を使用したメカ式マッサージとエアバッグを使用したエア式マッサージが行われる。具体的には、昇降位置センサ48の出力に基づきマッサージユニット23が主として腰領域を往復移動するように制御されることにより、腰を中心としたマッサージが行われる。マッサージ動作としては、例えば、揉み動作と叩き動作とが所定時間毎に交互に行われる。また、二の腕用エアバッグ31、太腿用エアバッグ32、前腕用エアバッグ33、脹脛用エアバッグ34および足裏用エアバッグ35への空気の給排気による膨張および収縮が一定の周期で繰り返される。
【0114】
背中と尻との組み合わせに対しては、「全身・疲労回復コース」が記憶されている。背中と二の腕との組み合わせに対しては、「全身・やすらぎコース」が記憶されている。背中と前腕との組み合わせに対しては、「全身・やすらぎコース」が記憶されている。
【0115】
背中と太腿との組み合わせに対しては、「全身・やすらぎコース」が記憶されている。背中と脹脛との組み合わせに対しては、「全身・やすらぎコース」が記憶されている。背中と足裏との組み合わせに対しては、「全身・疲労回復コース」が記憶されている。
【0116】
腰と尻との組み合わせに対しては、「腰・疲労回復コース」が記憶されている。腰と二の腕との組み合わせに対しては、「全身・やすらぎコース」が記憶されている。腰と前腕との組み合わせに対しては、「全身・やすらぎコース」が記憶されている。
【0117】
腰と太腿との組み合わせに対しては、「全身・やすらぎコース」が記憶されている。腰と脹脛との組み合わせに対しては、「全身・やすらぎコース」が記憶されている。腰と足裏との組み合わせに対しては、「全身・疲労回復コース」が記憶されている。
【0118】
尻と二の腕との組み合わせに対しては、「全身エアーコース」が記憶されている。全身エアーコースでは、エアバッグを使用したエア式マッサージが行われる。具体的には、二の腕用エアバッグ31、太腿用エアバッグ32、前腕用エアバッグ33、脹脛用エアバッグ34および足裏用エアバッグ35への空気の給排気による膨張および収縮が一定の周期で繰り返される。このコースでは、メカ式マッサージは行われない。
【0119】
尻と前腕との組み合わせに対しては、「全身エアーコース」が記憶されている。尻と太腿との組み合わせに対しては、「全身エアーコース」が記憶されている。尻と脹脛との組み合わせに対しては、「全身エアーコース」が記憶されている。尻と足裏との組み合わせに対しては、「全身・やすらぎコース」が記憶されている。
【0120】
二の腕と前腕との組み合わせに対しては、「全身エアーコース」が記憶されている。二の腕と太腿との組み合わせに対しては、「全身エアーコース」が記憶されている。二の腕と脹脛との組み合わせに対しては、「全身エアーコース」が記憶されている。二の腕と足裏との組み合わせに対しては、「全身・やすらぎコース」が記憶されている。
【0121】
前腕と太腿との組み合わせに対しては、「全身エアーコース」が記憶されている。前腕と脹脛との組み合わせに対しては、「全身エアーコース」が記憶されている。前腕と足裏との組み合わせに対しては、「全身・やすらぎコース」が記憶されている。
【0122】
太腿と脹脛との組み合わせに対しては、「全身エアーコース」が記憶されている。太腿と足裏との組み合わせに対しては、「全身・やすらぎコース」が記憶されている。脹脛と足裏との組み合わせに対しては、「全身・やすらぎコース」が記憶されている。
【0123】
図13は、色濃度-強度変換テーブルの内容の一例を示す模式図である。
【0124】
この実施形態では、マッサージ強度は、弱いものから順に、1、2、3、4および5の5段階に調整可能であるものとする。
【0125】
図13の例では、色濃度0に対しては、それに対応するマッサージ強度として2が記憶されている。色濃度1に対しては、それに対応するマッサージ強度として3が記憶されている。色濃度2に対しては、それに対応するマッサージ強度として4が記憶されている。色濃度3に対しては、それに対応するマッサージ強度として5が記憶されている。
【0126】
第1コース選択テーブル151に基づいてマッサージコースが選択される場合には、当該マッサージコースに対するマッサージ強度は、凝り部位として選択された部位の色濃度に対応した強度に設定される。
【0127】
第2コース選択テーブル152に基づいてマッサージコースが選択される場合または3以上の部位が凝り部位として入力された場合には、当該マッサージコースに対するマッサージ強度は、凝り部位として選択された部位に対しては、その部位の色濃度に対応した強度に設定され、凝り部位として選択された部位以外の部位については強度3に設定される。
【0128】
図14A、
図14Bおよび
図14Cは、マッサージ・アプリのホーム画面で人体マップモードが選択された場合に、携帯端末3の制御部90によって実行される処理の手順を示すフローチャートである。
【0129】
以下の説明において、jは、部位を表す変数である。jの値と、対応する部位との関係は次の通りである。
【0130】
j=1:首・肩
j=2:背中
j=3:腰
j=4:尻
j=5:二の腕
j=6:前腕
j=7:太腿
j=8:脹脛
j=9:足裏
また、njは、部位jの色濃度(色)を表す変数である。
【0131】
nj=0は白を、nj=1は水色を、nj=2は青色を、nj=3は紺色をそれぞれ表す。
【0132】
アプリホーム画面上で人体マップモードが選択されると(ステップS1)、制御部90は、n1~n9を0に設定する(ステップS2)。
【0133】
次に、制御部90は、人体マップ画面(
図8B参照)を操作表示部103(
図5参照)に表示する(ステップS3)。
【0134】
次に、制御部90は、人体マップ表示領域E2に指が接触したか否か(ステップS4)、OKボタン142(
図8B)がタップされたか否か(ステップS5)、リセットボタン143(
図8B)がタップされたか否か(ステップS6)を監視する。
【0135】
人体マップ表示領域E2に指が接触したと判別された場合には(ステップS4:YES)、制御部90は、人体マップ表示領域E2上の指接触領域と、人体マップ141の左右中心線に関して指接触領域と線対称な領域とに第1色を塗布する(ステップS7)。これにより、人体マップ表示領域E2上での指の移動軌跡(前記線対称領域を含む)が第1色で塗られる。
【0136】
そして、制御部90は、第1色が主として塗られている部位別領域(以下、「注目部位別領域」という。)において、注目部位別領域内の第1色の塗布面積が注目部位別領域の60%以上に達したか否かを判別する(ステップS8)。
【0137】
第1色の塗布面積が注目部位別領域の60%以上に達していない場合には(ステップS8:NO)、制御部90は、人体マップ表示領域E2から指が離間したか否かを判別する(ステップS9)。人体マップ表示領域E2から指が離間していなければ(ステップS9:NO)、制御部90は、ステップS7に戻る。
【0138】
ステップS9において、人体マップ表示領域E2から指が離間したと判別された場合には(ステップS9:YES)、制御部90は、第1色を消去した後(ステップS10)、ステップS4に移行する。
【0139】
ステップS8において、注目部位別領域内の第1色の塗布面積が注目部位別領域の60%以上に達したと判別された場合には(ステップS8:YES)、制御部90は、注目部位別領域に対応する色濃度njを、1だけ増加させる(ステップS11)。ただし、1を増加した後の色濃度njが4以上になる場合には、色濃度njは3に設定される。言い換えれば、注目部位別領域に対応する色濃度njが既に3に設定されている場合には、色濃度njは増加されない。
【0140】
この後、制御部90は、人体マップ表示領域E2から指が離間したか否かを判別する(ステップS12)。人体マップ表示領域E2から指が離間していなければ(ステップS12:NO)、制御部90は、人体マップ表示領域E2上の指接触領域と、人体マップ141の左右中心線に関して指接触領域と線対称な領域とに第1色を塗布する(ステップS13)。そして、制御部90は、ステップS12に戻る。
【0141】
ステップS12において、人体マップ表示領域E21から指が離間したと判別されたときには(ステップS12:YES)、制御部90は、第1色を消去するとともに注目部位別領域をその色濃度njに応じた第2色に着色する(ステップS14)。そして、制御部90は、ステップS4に移行する。
【0142】
前記ステップS4において、人体マップ表示領域E2に指が接触していないと判別された場合には(ステップS4:NO)、制御部90は、ステップS5に移行する。
【0143】
ステップS5では、制御部90は、OKボタン142(
図8B参照)がタップされたか否かを判別する。OKボタン142がタップされていない場合には(ステップS5:NO)、制御部90は、ステップS6に移行する。ステップS6では、制御部90は、リセットボタン143(
図8B参照)がタップされたか否かを判別する。
【0144】
リセットボタン143がタップされていない場合には(ステップS6:NO)、制御部90は、ステップS4に移行する。ステップS6で、リセットボタン143がタップされたと判別された場合には(ステップS6:YES)、制御部90は、n1~n9を0に設定するとともに人体マップ全体を白色に戻す(ステップS15)。そして、制御部90は、ステップS4に戻る。
【0145】
以上のような処理によって人体マップ141に凝り位置および凝り具合を示す色が塗られた人体マップ画面例を、
図15A、
図15Bおよび
図15Cに示す。
図15Aの例では、首・肩のみに紺色が塗られている。
図15Bの例では、首・肩に紺色が塗られ、二の腕に青色が塗られている。
図15Cの例では、首・肩および脹脛に紺色が塗られ、二の腕に青色が塗られ、背中に水色が塗られている。
【0146】
ステップS5において、OKボタン142がタップされたと判別された場合には(ステップS5:YES)、制御部90は、濃度表示画面(
図10A参照)を表示する(ステップS16)。具体的には、制御部90は、各部位の色濃度n
j(j=1,2,…,8,9)をデジタル表示する。
【0147】
次に、制御部90は、濃度表示画面上の解析ボタン144がタップされたか否か(ステップS17)または濃度表示画面上の戻るボタン145がタップされたか否か(ステップS18)を監視する。戻るボタン145がタップされた場合には(ステップS18:YES)、制御部90は、当該濃度表示画面が表示される直前の人体マップ画面を表示する(ステップS19)。そして、制御部90は、ステップS4に移行する。
【0148】
解析ボタン144がタップされた場合には(ステップS17:YES)、制御部90は、各部位の色濃度njに基づいて、人体マップ画面で入力された凝り部位および凝り具合に適したマッサージコースおよび各部位のマッサージ強度を決定する(ステップS20)。
【0149】
具体的には、1つの部位のみに第2色が塗布されている場合には、制御部90は、当該部位と第1コース選択テーブル151とに基づいて、マッサージコースを決定する。また、制御部90は、第2色が塗布されている1つの部位の色濃度njと色濃度/強度変換テーブル153とに基づいて、当該部位のマッサージ強度を決定する。制御部90は、第2色が塗布されていない部位(nj=0の部位)のマッサージ強度として2を設定する。
【0150】
2つの部位に第2色が塗布されている場合(3つ以上の部位に第2色が塗布されている場合を除く)には、制御部90は、当該2つの部位と第2コース選択テーブル152とに基づいて、マッサージコースを決定する。また、制御部90は、第2色が塗布されている2つの部位の色濃度njと色濃度/強度変換テーブル153とに基づいて、当該2つの部位のマッサージ強度を決定する。制御部90は、第2色が塗布されていない部位(nj=0の部位)のマッサージ強度として2を設定する。
【0151】
3つ以上の部位に第2色が塗布されている場合には、制御部90は、全身・極疲労回復コースを、マッサージコースとして決定する。また、制御部90は、第2色が塗布されている各部位の色濃度njと色濃度/強度変換テーブル153とに基づいて、これらの各部位のマッサージ強度を決定する。制御部90は、第2色が塗布されていない部位(nj=0の部位)のマッサージ強度として2を設定する。
【0152】
そして、制御部903は、ステップS18で決定したマッサージコースの名称等を含む解析結果画面(
図10B参照)を表示する(ステップS21)。
【0153】
この後、解析結果画面上のマッサージ開始ボタン146がタップされると(ステップS22:YES)、制御部903は、ステップS20で決定したマッサージコースおよび各部位のマッサージ強度をマッサージ機2に送信する(ステップS23)。マッサージ機2は、携帯端末3からのマッサージコースおよび各部位のマッサージ強度を受信すると、受信したマッサージコースおよび各部位のマッサージ強度に基いて、マッサージを実行する。
【0154】
前述の実施形態によれば、凝り部位および凝り具合をユーザが入力しやすくなる。また、前述の実施形態によれば、ユーザの凝り部位および凝り具合に適したマッサージを行うことが可能となる。
【0155】
[6]変形例
以上、この発明の実施形態について説明したが、この発明はさらに他の形態で実施することもできる。
【0156】
前述の実施形態では、第2色として、凝り具合に応じて濃度が異なる複数種類の第2色が用意されている。しかし、第2色として、凝り具合に応じて色(例えば、色相等)が異なる複数種類の第2色が用意されていてもよい。この場合には、前述の
図14A~
図14Cのフローチャートにおいて、n
jを、部位jの色の種類を表す変数に置き換えればよい。例えば、凝り具合を4段階に分け、第1段階の色を白、第2段階の色を緑、第3段階の色を青、第4段階の色を赤に設定してもよい。この場合には、n
j=0は白を、n
j=1は緑色を、n
j=2は青色を、n
j=3は赤色をそれぞれ表すことなる。
【0157】
また、前述の実施形態では、ユーザによる人体マップ141への指の接触移動領域およびその面積に基づいて、凝り部位および凝り具合を決定している。しかし、他の方法によって、凝り部位および凝り具合を決定してもよい。以下、凝り部位および凝り具合の決定方法の変形例1~3について説明する。
【0158】
[6.1]変形例1
変形例1では、制御部90は、人体マップ141への指の接触位置および指の接触継続時間に基づいて、凝り部位および凝り具合を決定する。具体的には、ユーザは、人体マップ141上において、疲労度(凝り具合)が高い部位(凝り部位)に指を接触させる。ユーザは、凝り具合が高いほど、指の接触継続時間を長くする。制御部90は、指が接触している部位全体に色を塗る。この際、制御部90は、指の接触継続時間に応じて色の濃さを決定する。ここでは、色濃度は、濃度の低いものから順に、0、1、2、3の4段階で表されるものとする。例えば、0段階は、白である。1段階は、水色である。2段階は、青色である。3段階は、紺色である。
【0159】
指の接触継続時間T(秒)と、濃度の段階の関係は次の通りである。
【0160】
if T=0秒 then 濃度=0
if 0秒<T≦2秒 then 濃度=1
if 2秒<T≦4秒 then 濃度=2
if T>4秒 then 濃度=3
変形例1を適用する場合には、前述の
図14A、
図14Bおよび
図14Cによって示される処理手順のうち、
図14Bに示される手順が
図16に示される手順に置き換えられる。前述の
図14Aおよび
図14Cに示される手順は、ほぼそのまま適用される。ただし、前述の
図14AのステップS4では、「人体マップ表示領域E2に指が接触したか否かが」判別されているが、変形例1を適用する場合には、
図14AのステップS4では、「人体マップ141に指が接触したか否かが」判別される。
【0161】
すなわち、人体マップ141に指が接触したと判別された場合には(
図14AのステップS4:YES)、制御部90は、接触継続時間Tを計時するためのタイマを起動させる(ステップS31)。
【0162】
そして、制御部90は、接触継続時間Tが0秒<T≦2秒の範囲内であるか否かを判別する(ステップS32)。接触継続時間Tが0秒<T≦2秒の範囲内である場合には(ステップS32:YES)、制御部90は、指が接触している部位別領域(以下、「注目部位別領域」という。)に対応する色濃度njを1に設定し、注目部位別領域全体に水色を塗布する(ステップS33)。そして、制御部90は、ステップS37に移行する。
【0163】
ステップS32において、接触継続時間Tが0秒<T≦2秒の範囲外であると判別された場合には(ステップS32:NO)、制御部90は、接触継続時間Tが2秒<T≦4秒の範囲内であるか否かを判別する(ステップS34)。
【0164】
接触継続時間Tが2秒<T≦4秒の範囲内である場合には(ステップS34:YES)、制御部90は、注目部位別領域に対応する色濃度njを2に設定し、注目部位別領域全体に青色を塗布する(ステップS35)。そして、制御部90は、ステップS37に移行する。
【0165】
ステップS34において、接触継続時間Tが2秒<T≦4秒の範囲外であると判別された場合、つまり、接触継続時間Tが4秒よりも長いと判別された場合には(ステップS34:NO)、制御部90は、注目部位別領域に対応する色濃度njを3に設定し、注目部位別領域全体に紺色を塗布する(ステップS36)。そして、制御部90は、ステップS37に移行する。
【0166】
ステップS37では、制御部90は、人体マップ141から指が離間したか否かを判別する。人体マップ141から指が離間していない場合には(ステップS37:NO)、制御部90は、ステップS32に戻る。
【0167】
ステップS37において、人体マップ141から指が離間したと判別された場合には(ステップS37:YES)には、制御部90は、接触継続時間Tを計時するためのタイマをリセットして停止させる(ステップS38)。そして、制御部90は、
図14AのステップS4に戻る。
【0168】
[6.2]変形例2
変形例2では、制御部90は、人体マップ141への指の押圧位置(接触位置)および押圧力(タップ強度)に基づいて、凝り部位および凝り具合を決定する。この場合には、操作表示部103の表示画面への指の押圧力を検出する圧力センサが携帯端末3に設けられ、この圧力センサによって人体マップ141への指の押圧力が検出される。
【0169】
ユーザは、人体マップ141上において、疲労度(凝り具合)が高い部位(凝り部位)に指を接触させて押圧する。ユーザは、凝り具合が高いほど、指の押圧力を強くする。制御部90は、指が接触している部位全体に色を塗る。この際、制御部90は、指の押圧力に応じて色の濃さを決定する。ここでは、色濃度は、濃度の低いものから順に、0、1、2、3の4段階で表されるものとする。例えば、0段階は、白である。1段階は、水色である。2段階は、青色である。3段階は、紺色である。
【0170】
指の押圧力Fと、濃度の段階の関係は次の通りである。ただし、F1<F2。
【0171】
if F=0 then 濃度=0
if 0<F≦F1 (F:指が触れている程度の圧力) then 濃度=1
if F1<F≦F2 (F:軽く押している程度の圧力) then 濃度=2
if F>F2 (F:強く押している程度の圧力) then 濃度=3
変形例2を適用する場合には、前述の
図14A、
図14Bおよび
図14Cによって示される処理手順のうち、
図14Bに示される手順が
図17に示される手順に置き換えられる。前述の
図14Aおよび
図14Cに示される手順は、ほぼそのまま適用される。ただし、前述の
図14AのステップS4では、「人体マップ表示領域E2に指が接触したか否かが」判別されているが、変形例2を適用する場合には、
図14AのステップS4では、「人体マップ141に指が接触したか否かが」判別される。
【0172】
すなわち、人体マップ141に指が接触したと判別された場合には(
図14AのステップS4:YES)、制御部90は、人体マップ141への指の押圧力Fを検出する(ステップS41)。そして、制御部90は、押圧力Fが0<F≦F1の範囲内であるか否かを判別する(ステップS42)。
【0173】
押圧力Fが0<F≦F1の範囲内である場合には(ステップS42:YES)、制御部90は、指が接触している部位別領域(以下、「注目部位別領域」という。)に対応する色濃度njが1未満であるか否かを判別する(ステップS43)。注目部位別領域対応する色濃度njが1未満である場合には(ステップS43:YES)、制御部90は、当該色濃度njを1に設定し、注目部位別領域全体に水色を塗布する(ステップS44)。そして、制御部90は、ステップS50に移行する。
【0174】
ステップS43において、注目部位別領域対応する色濃度njが1以上であると判別された場合には(ステップS43:NO)、制御部90は、ステップS50に移行する。
【0175】
ステップS42において、押圧力Fが0<F≦F1の範囲外であると判別された場合には(ステップS42:NO)、制御部90は、押圧力FがF1<F≦F2の範囲内であるか否かを判別する(ステップS45)。
【0176】
押圧力FがF1<F≦F2の範囲内である場合には(ステップS45:YES)、制御部90は、注目部位別領域に対応する色濃度njが2未満であるか否かを判別する(ステップS46)。注目部位別領域対応する色濃度njが2未満である場合には(ステップS46:YES)、制御部90は、注目部位別領域に対応する色濃度njを2に設定し、注目部位別領域全体に青色を塗布する(ステップS47)。そして、制御部90は、ステップS50に移行する。
【0177】
ステップS46において、注目部位別領域対応する色濃度njが2以上であると判別された場合には(ステップS46:NO)、制御部90は、ステップS50に移行する。
【0178】
ステップS45において、押圧力Fが0<F≦F2の範囲外であると判別された場合、つまり、押圧力FがF2よりも大きいと判別された場合には(ステップS45:NO)、制御部90は、注目部位別領域に対応する色濃度njが3未満であるか否かを判別する(ステップS48)。注目部位別領域対応する色濃度njが3未満である場合には(ステップS48:YES)、制御部90は、注目部位別領域に対応する色濃度njを3に設定し、注目部位別領域全体に紺色を塗布する(ステップS49)。そして、制御部90は、ステップS50に移行する。
【0179】
ステップS48において、注目部位別領域対応する色濃度njが3以上であると判別された場合には(ステップS49:NO)、制御部90は、ステップS50に移行する。
【0180】
ステップS50では、制御部90は、人体マップ141から指が離間したか否かを判別する。人体マップ141から指が離間していない場合には(ステップS50:NO)には、制御部90は、ステップS41に戻る。ステップS50において、人体マップ141から指が離間したと判別された場合には(ステップS50:YES)には、制御部90は、
図14AのステップS4に戻る。
【0181】
[6.3]変形例3
変形例3では、制御部90は、人体マップ141への指の接触位置(以下、「タップ位置」という。)および接触回数(以下、「タップ回数」という。)に基づいて、凝り部位および凝り具合を決定する。具体的には、ユーザは、人体マップ141上において、疲労度(凝り具合)が高い部位(凝り部位)をタップする。ユーザは、凝り具合が高いほど、タップ回数を多くする。制御部90は、指が接触している部位全体に色を塗る。この際、制御部90は、タップ回数に応じて色の濃さを決定する。ここでは、色濃度は、濃度の低いものから順に、0、1、2、3の4段階で表されるものとする。例えば、0段階は、白である。1段階は、水色である。2段階は、青色である。3段階は、紺色である。
【0182】
タップ回数Kと、濃度の段階の関係は次の通りである。
【0183】
if K=0 then 濃度=0
if K=1 then 濃度=1
if K=2 then 濃度=2
if K≧3 then 濃度=3
変形例3を適用する場合には、前述の
図14A、
図14Bおよび
図14Cによって示される処理手順のうち、
図14Aおよび
図14Bに示される手順が
図18に示される手順に置き換えられる。
図18において、前述の
図14Aの各部のステップと同じステップには、
図14Aと同じ符号を付して示す。
【0184】
また、前述の
図14Cに示される手順は、ほぼそのまま適用される。ただし、
図14CのステップS19で濃度表示画面が表示される直前の人体マップ画面が表示された場合には、制御部90は
図18のステップS51に移行する。
【0185】
すなわち、
図18を参照して、アプリホーム画面上で人体マップモードが選択されると(ステップS1)、制御部90は、n
1~n
9を0に設定する(ステップS2)。
【0186】
次に、制御部90は、人体マップ画面(
図8B参照)を操作表示部103に表示する(ステップS3)。
【0187】
次に、制御部90は、人体マップ141がタップされたか否か(ステップS51)、OKボタン142がタップされたか否か(ステップS5)、リセットボタン143がタップされたか否か(ステップS6)を監視する。
【0188】
人体マップ141がタップされた場合には(ステップS61:YES)、制御部90は、タップされた部位別領域(以下、注目部位別領域という。)に対応する色濃度njが3未満であるか否かを判別する(ステップS62)。
【0189】
注目部位別領域に対応する色濃度njが3未満であれば(ステップS62:YES)、注目部位別領域に対応する色濃度njを1だけ増加させる(ステップS63)。そして、制御部90は、注目部位別領域を色濃度njに応じた色に着色する(ステップS64)。この後、制御部90は、ステップS61に戻る。
【0190】
ステップS62において、注目部位別領域に対応する色濃度njが3以上であると判別された場合には(ステップS62:NO)、制御部90は、ステップS61に戻る。
【0191】
ステップS5でOKボタン142がタップされたと判別されたときの制御部90の動作およびステップS6でリセットボタン143がタップされたと判別されたときの制御部90の動作は、
図14A~
図14Cで示される制御部90の動作と同じである。
【0192】
[6.4]その他
前述の実施形態では、人体マップ画面(
図8B参照)には、OKボタン142とリセットボタン143が設けられているが、
図8Bに一点鎖線147で示すように、キャンセルボタンを設けてもよい。キャンセルボタン147は、直前に行った操作をキャンセルするボタンである。例えば指の接触移動によって、ある部位に所定濃度の第2色が塗布された直後に、キャンセルボタン147がタップされた場合には、当該部位への当該所定濃度の第2色の塗布がキャンセルされ、当該部位の色が当該所定濃度の第2色が塗布される前の色に戻される。
【0193】
このようなキャンセルボタン147が設けられる場合には、リセットボタン143を省略してもよい。
【0194】
また、
図8Bに一点鎖線148で示すように、人体マップ画面(
図8B参照)に、濃度表示画面(
図10A)上の解析ボタン144と同様な解析ボタンを設けてもよい。この解析ボタン148がタップされると、携帯端末3は、人体マップ画面によって入力された凝り部位および凝り具合に適したマッサージコースを決定して、
図10Bに示すような解析結果画面を表示する。
【0195】
前述の実施形態では、携帯端末3は、凝り部位および凝り具合をユーザに入力させる凝り入力部92と、入力された凝り部位および凝り具合に適したマッサージコースを決定するコース決定部93とを備えているが、コース決定部93が行う機能をサーバ4が備えていてもよい。この場合には、第1コース選択テーブル151、第2コース選択テーブル152および色濃度/強度変換テーブル153は、サーバ4側に記憶される。
【0196】
この場合、凝り入力部92に入力された凝り部位および凝り具合の情報は、携帯端末3からサーバ4に送られる。サーバ4は、受信した凝り部位および凝り具合の情報および前記テーブル151,152,153に基づいて、受信した凝り部位および凝り具合に適したマッサージコースおよび各部位のマッサージ強度を決定して、携帯端末3に送信する。携帯端末3は、受信したマッサージコースおよび各部位のマッサージ強度を、マッサージ機2に送信する。
【0197】
また、前述の実施形態では、左右一対の足収容凹部19(
図2参照)の底面には、足裏を上方に押圧するための足裏側エアバッグ35c,35dが設けられているが、足裏側エアバッグ35c,35dに代えて、足裏をマッサージするために回転駆動される足裏ローラを設けるようにしてもよい。
【0198】
また、前述の実施形態では、携帯端末3はスマートホンであったが、携帯端末3はタブレット型コンピュータ等のコンピュータであってもよい。
【0199】
また、前述の実施形態では、マッサージ機2は椅子型マッサージ機であるが、マッサージ機2は椅子型以外のマッサージ機であってもよい。
【0200】
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
【0201】
この明細書および図面の記載からは、以下のような特徴が抽出され得る。
【0202】
[A1] 凝り部位および凝り具合をユーザに入力させるための凝り入力部と、
前記凝り入力部によって入力された凝り部位および凝り具合に適したマッサージコースを決定するコース決定部と、
前記コース決定部によって決定されたマッサージコースをマッサージ機に実行させるためのマッサージ機制御部とを含む、マッサージシステム。
【0203】
この構成によれば、凝り部位および凝り具合をユーザが入力しやすくなる。また、この構成によれば、ユーザの凝り部位および凝り具合に適したマッサージを行うことが可能となる。
【0204】
[A2] 前記マッサージ機制御部と通信可能な携帯端末を含み、
前記携帯端末は、前記凝り入力部と前記コース決定部を含む、[A1]に記載のマッサージシステム。
【0205】
[A3] 前記凝り入力部は、予め設定された複数の部位それぞれの範囲を表す部位別領域が識別可能に描かれた人体マップを、タッチパネル式表示部における人体マップ表示領域内に表示し、前記ユーザによる前記人体マップへの接触移動領域およびその面積に基づいて、凝り部位および凝り具合を決定するように構成されている、[A1]または[A2]に記載のマッサージシステム。
【0206】
[A4] 前記凝り入力部は、
前記人体マップ表示領域に前記ユーザの身体が接触してから前記身体が前記人体マップ表示領域から離間するまで、前記人体マップ表示領域上の身体接触領域と前記人体マップの左右中心線に関して身体接触領域と線対称な領域とに第1色を塗布する第1手段と、
前記人体マップ表示領域から前記身体が離間するまでに、前記第1色が塗られている前記部位別領域である注目部位別領域内の前記第1色の塗布面積の、当該注目部位別領域に対する割合が所定値以上に達している場合において、前記人体マップ表示領域から前記身体が離間したときには、前記第1色を消去するとともに当該注目部位別領域全体に凝り位置および凝り具合を表す第2色を塗布する第2手段とを含む、[A3]に記載のマッサージシステム。
【0207】
[A5] 前記第2色として、凝り具合に応じて濃度が異なる複数種類の第2色が用意されており、
前記第2手段は、前記注目部位別領域全体に前記第2色を塗布するタイミングにおいて、当該注目部位別領域全体に既に前記第2色が塗布されているときには、現在塗布されている前記第2色の濃度が、凝り具合が最大であることを表す濃度でなければ、現在塗布されている前記第2色の濃度よりも凝り具合が一段階だけ高いことを表す濃度の第2色を前記注目部位別領域全体に塗布するように構成されている、[A4]に記載のマッサージシステム。
【0208】
[A6]
前記第2色として、凝り具合に応じて色が異なる複数種類の第2色が用意されており、
前記第2手段は、前記注目部位別領域全体に前記第2色を塗布するタイミングにおいて、当該注目部位別領域全体に既に前記第2色が塗布されているときには、現在塗布されている前記第2色の色が、凝り具合が最大であることを表す色でなければ、現在塗布されている前記第2色の色よりも凝り具合が一段階だけ高いことを表す色の第2色を前記注目部位別領域全体に塗布するように構成されている、[A4]に記載のマッサージシステム。
【0209】
[A7]
前記凝り入力部は、予め設定された複数の部位それぞれの範囲を表す部位別領域が識別可能に描かれた人体マップをタッチパネル式表示部に表示し、前記ユーザによる前記人体マップへの接触位置および接触継続時間に基づいて、凝り部位および凝り具合を決定するように構成されている、[A1]または[A2]に記載のマッサージシステム。
【0210】
[A8] 前記凝り入力部は、予め設定された複数の部位それぞれの範囲を表す部位別領域が識別可能に描かれた人体マップをタッチパネル式表示部に表示し、前記ユーザによる前記人体マップへの押圧位置および押圧力に基づいて、凝り部位および凝り具合を決定するように構成されている、[A1]または[A2]に記載のマッサージシステム。
【0211】
[A9] 前記凝り入力部は、予め設定された複数の部位それぞれの範囲を表す部位別領域が識別可能に描かれた人体マップをタッチパネル式表示部に表示し、前記ユーザによる前記人体マップへのタップ位置およびタップ回数に基づいて、凝り部位および凝り具合を決定するように構成されている、[A1]または[A2]に記載のマッサージシステム。
【符号の説明】
【0212】
1 マッサージシステム
2 椅子型マッサージ機
3 携帯端末
4 サーバ
5 通信網
23 マッサージユニット
25 リモコン
31 二の腕用エアバッグ
32 太腿用エアバッグ
33 前腕用エアバッグ
34 脹脛用エアバッグ
35 足裏用エアバッグ
51 揉み玉
60 制御部
90 制御部
91 メモリ
92 凝り入力部
93 コース決定部
94 コース送信部
101 第1通信部
102 第2通信部
103 操作表示部