(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024001491
(43)【公開日】2024-01-10
(54)【発明の名称】鋼板製役物
(51)【国際特許分類】
E04B 1/64 20060101AFI20231227BHJP
【FI】
E04B1/64 C
E04B1/64 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022100173
(22)【出願日】2022-06-22
(71)【出願人】
【識別番号】390004145
【氏名又は名称】城東テクノ株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】522250231
【氏名又は名称】株式会社有馬製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001841
【氏名又は名称】弁理士法人ATEN
(72)【発明者】
【氏名】吉冨 賢治
(72)【発明者】
【氏名】有馬 健二
【テーマコード(参考)】
2E001
【Fターム(参考)】
2E001DA03
2E001FA19
2E001GA13
2E001HB01
2E001HF01
2E001KA01
2E001MA01
(57)【要約】
【課題】見付面が目立つのを抑制しつつ容易に製造することを可能にする。
【解決手段】コーナー部材1は、鋼板の表面の横方向に延びる折り曲げ線で縦方向に折り返された折返し部12L,12Rと、折り曲げ線の途中部位を残すように上下から切り込まれた一対の切り欠き部間の狭小部で横方向に折り曲げられたコーナー部60とを有している。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1枚の鋼板を折曲して組み上げることができる、建物のコーナー部分に設置される鋼板製役物であって、
鋼板の表面の横方向に延びる折り曲げ線で縦方向に折り返された折返し部と、
前記折り曲げ線の途中部位を残すように上下から切り込まれた一対の切り欠き部間の狭小部で前記横方向に折り曲げられたコーナー部と、を有していることを特徴とする鋼板製役物。
【請求項2】
前記狭小部が前記横方向に離間して複数設けられ、
各狭小部において折り曲げられた複数の前記コーナー部を有していることを特徴とする請求項1に記載の鋼板製役物。
【請求項3】
軒天換気材、水切り材及びオーバーハングのいずれかの、入隅又は出隅であることを特徴とする請求項1又は2に記載の鋼板製役物。
【請求項4】
1枚の鋼板を折曲して組み上げることができる、建物のコーナー部分に設置される鋼板製役物であって、
上下から切り込まれた一対の切り欠き部間の狭小部で横方向に折り曲げられたコーナー部を有し、
前記狭小部の幅寸法が0.5mm以上5mm以下の範囲であることを特徴とする鋼板製役物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物のコーナー部分に用いられる鋼板製役物、特に軒天換気材、水切り材及びオーバーハング等の入隅や出隅に適した鋼板製役物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、建物の外周のコーナー部分を納めるために、軒天換気材、水切り材及びオーバーハング等の出隅や入隅の役物が用いられている。このような役物には、1枚の鋼板を折り曲げて成形される(板金製)ものがある。例えば、特許文献1に記載された出隅用の水切り材では、立ち上がり面と基台部の上面、側面及び底面が縦方向に折り曲げて成形されるとともに、見付部分である基台部に側面(縦方向に長さのある垂直な見付面)を設けて横方向に折り曲げられて成形される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の水切り材においては、基台部に側面が設けられて折り曲げられているため、製造上形状を成形しやすいが、基台部の側面の縦方向の長さが大きいため、当該見付部分としての基台部が目立ち、見栄えが低下する問題がある。
【0005】
見栄えの低下を抑制するため、基台部の側面(見付面)を設けずに鋼板を横方向に折り曲げることが考えられるが、実際に側面を設けずに折り曲げることは困難であり、現実的には行われていない。このような場合は2つの鋼板を組み付けることで役物が形成されている。しかしながら、2つの鋼板を組み付けて役物を形成する場合、鋼板枚数が増加するため、打ち抜き加工、折り曲げ加工及び2つの鋼板を組み付けるための加工などが必要となり、コストの増加や製造工程が煩雑となる問題がある。
【0006】
そこで、本発明の目的は、見付面が目立つのを抑制しつつ容易に製造することが可能な鋼板製役物(板金製役物)を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の鋼板製役物は、1枚の鋼板(金属板)を折曲して組み上げることができる、建物のコーナー部分に設置される鋼板製役物であって、前記鋼板の表面の横方向に延びる折り曲げ線で縦方向に折り返された折返し部と、前記折り曲げ線の途中部位を残すように上下から切り込まれた一対の切り欠き部間の狭小部で前記横方向に折り曲げられたコーナー部と、を有している。
また、本発明の鋼板製役物は、1枚の鋼板を折曲して組み上げることができる、建物のコーナー部分に設置される鋼板製役物であって、上下から切り込まれた一対の切り欠き部間の狭小部で左右方向に折り曲げられたコーナー部を有し、前記狭小部の幅寸法が0.5mm以上5mm以下の範囲であることを特徴とする。
【0008】
これによると、コーナー部分に設置する1枚の鋼板からなる鋼板製役物において、狭小部で横方向に折り曲げられたコーナー部と折り曲げ線で縦方向に折り返された折返し部とを有することで、見付面の幅を最小限又は実質的にゼロとすることが可能となる。このため、コーナー部分に設置する鋼板製役物においても、見付面が目立つのを抑制することが可能となる。また、狭小部で横方向に折り曲げ組み立てることが可能であるため、容易に製造することが可能となる。
【0009】
本発明において、前記狭小部が前記横方向に離間して複数設けられ、各狭小部において折り曲げられた複数の前記コーナー部を有していることが好ましい。これにより、1つのコーナー部における曲げ角度を小さくできる。このため、コーナー部を容易に形成することが可能となる。また、コーナー部間に面取り部を設けることも可能となる。また、複数のコーナー部により、湾曲形状とすることが可能となる。
【0010】
また、本発明において、軒天換気材、水切り材及びオーバーハングのいずれかの、入隅又は出隅であることが好ましい。これにより、鋼板製役物を軒天換気材、水切り材及びオーバーハングのいずれかの、入隅又は出隅として用いることができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明の鋼板製役物によると、コーナー部分に設置する1枚の鋼板からなる鋼板製役物において、狭小部で横方向に折り曲げられたコーナー部と折り曲げ線で縦方向に折り返された折返し部とを有することで、見付面の幅を最小限又は実質的にゼロとすることが可能となる。このため、コーナー部分に設置する鋼板製役物においても、見付面が目立つのを抑制することが可能となる。また、狭小部で横方向に折り曲げ組み立てることが可能であるため、容易に製造することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の一実施形態に係るコーナー部材が採用された建物構造の概略平面図である。
【
図4】(a)は
図2に示す矢印IVa方向から見たときの側面図であり、(b)は
図2に示すIVb方向から見たときの側面図である。
【
図5】
図2に示すコーナー部材を展開した展開図である。
【
図6】本発明の第1変形例に係るコーナー部材の斜視図である。
【
図8】(a)は
図6に示す矢印VIIIa方向から見たときの側面図であり、(b)は
図2に示すVIIIb方向から見たときの側面図である。
【
図9】
図6に示すコーナー部材を展開した展開図である。
【
図10】本発明の第2変形例に係るコーナー部材の斜視図である。
【
図12】(a)は
図10に示すコーナー部材の平面図であり、(b)は
図10に示すコーナー部材の底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の一実施形態に係る鋼板製役物としてのコーナー部材が採用された建物構造について、
図1を参照しつつ説明する。
【0014】
本実施形態における建物構造100は、建物の構造体である躯体101、軒天材102、その軒天材102の外周に設けられた4本の軒天換気材103、建物のコーナー部分に設置される4つのコーナー部材1などを有している。軒天換気材103は、小屋裏を換気するための部材である。コーナー部材1は、隣接する2つの軒天換気材103の端部同士を繋ぐようにして覆う。
【0015】
続いて、コーナー部材1について、
図2~
図5を参照しつつ以下に説明する。コーナー部材1(鋼板製役物)は、1枚の鋼板90(
図5参照)を折り曲げて組み立てられることで製造される。鋼板90は、ステンレス鋼板、ガルタイト(登録商標)鋼板、ガルバリウム鋼板(登録商標)などの鋼板からの打ち抜きにより形成される。そして、コーナー部材1は、
図2に示すように、一の軒天換気材103aの端部が一方側から差し込まれ、一の軒天換気材103aに隣接する他の軒天換気材103bの端部が他方側から差し込まれることで、これら隣接する2つの軒天換気材103a,103bの端部同士を繋ぐようにして覆う。こうして、コーナー部材1は、建物のコーナー部分に設置される。
【0016】
コーナー部材1は、
図2に示すように、コーナー部60と、左側基部10Lと、右側基部10Rとを有する。コーナー部60は、
図5に示す鋼板90の狭小部70で横方向(左右方向)に折り曲げられて構成されている。狭小部70は、
図5に示す鋼板90の横方向中央部分において、折り曲げ線80の途中部位を残すように上下から切り込まれた一対の切り欠き部91,92間に形成されている。また、本実施形態における狭小部70の幅(
図5中上下の幅)寸法は、約1.4mmとなっているが、0.5mm以上5mm以下の範囲でもよい。また、本実施形態における鋼板90の板厚は、0.35mmであるが、0.27mm以上1.6mm以下の範囲でもよい。左側基部10L及び右側基部10Rは、コーナー部60を挟んで左右に配置されている。
【0017】
なお、本発明において鋼板は、他の金属板をも包含する意味で使用しており、本実施形態における狭小部70の幅寸法は、金属板の種類、厚さなどによって異なり、当分野において使用されている標準的な厚みの鋼板90を用いたときの狭小部70の幅寸法の範囲として好ましいのが上記範囲である。換言すれば、狭小部70の幅寸法は、おおよそ折り曲げ線80の折幅程度とするのが好ましく、折幅よりも若干小さくすることもできる。
【0018】
図2に示す左側基部10Lは、
図5に示す鋼板90の狭小部70よりも左側部分50Lが、
図2及び
図4に示すように、主に上方に向かって開口した形状に成型された部分である。
図2に示す右側基部10Rは、
図5に示す鋼板90の狭小部70よりも右側部分50Rが、主に上方に向かって開口した形状に成型された部分である。そして、成型された各基部10L,10Rが、
図5に示す左側部分50Lの領域56Lが右側部分50Rの周縁の一辺50Raを超えて右側部分50Rに重なるように、狭小部70で折り曲げられることで、コーナー部材1が組み立てられる。領域56L及び一辺50Raの一端は、狭小部70を介して互いに繋がっている。なお、コーナー部材1の組立方法の詳細は後述する。
【0019】
基部10Lは、
図2~
図4に示すように、底部11Lと、折返し部12Lと、3つの折り曲げ部13L~15Lと、3つの重ねしろ片16L,17Lと、折り曲げ片18Lとを有する。底部11Lは、水平に延在している。底部11Lは、
図5に示す鋼板90の領域51Lに該当する。領域51Lは、2つの折り曲げ線80,81間の領域である。
【0020】
折返し部12Lは、
図2及び
図4に示すように、底部11Lの一端部から底部11L上に配置されるように折り曲げられてなる。折返し部12Lは、
図5に示す鋼板90の領域52Lに該当し、折り曲げ線80に沿って底部11L上に折り返されるように谷折りされることで構成される。より詳細には、折返し部12Lは、
図2及び
図4(a)に示すように、領域52Lの長手方向の途中部位から基部10R側の端部に亘って、折り曲げ線80に沿って底部11Lと重ね合わされるように縦方向に折り返されて構成される。このような折返し部12Lにより、基部10Lの見付面10L1(すなわち、底部11Lと折返し部12Lとの接続部分の外側面)が線状に形成される。
【0021】
折り曲げ部13Lは、
図2及び
図3に示すように、底部11Lの他端部から上方に略垂直に折り曲げられてなる。折り曲げ部13Lは、
図5に示す鋼板90の領域53Lに該当し、折り曲げ線81に沿って谷折りされることで構成される。領域53Lは、2つの折り曲げ線81,82間の領域である。
【0022】
折り曲げ部14Lは、
図2~
図4に示すように、折り曲げ部13Lの上端部から右方に略水平に折り曲げられてなる。折り曲げ部14Lは、
図5に示す鋼板90の領域54Lに該当し、折り曲げ線82に沿って山折りされることで構成される。領域54Lは、2つの折り曲げ線82,83間の領域である。
【0023】
折り曲げ部15Lは、
図2~
図4に示すように、折り曲げ部14Lの右側端部から下方に略垂直に折り曲げられてなる。折り曲げ部15Lは、
図5に示す鋼板90の領域55Lに該当し、折り曲げ線83に沿って山折りされることで構成される。
【0024】
重ねしろ片16Lは、
図2及び
図3に示すように、底部11Lの基部10R側の端全体から突設され、基部10Rの底部11R上に重ねられている。重ねしろ片16Lと底部11Lは、同一平面上に連続して形成されており、
図5に示すように、狭小部70と領域53Lの右側部分50R側の端部とを結ぶ仮想境界線(
図5中一点鎖線で示す)K1で分けられている。また、重ねしろ片16Lは、
図5に示す鋼板90の領域51Lの周縁の一辺に該当する仮想境界線K1から突設された領域56Lに該当する。
【0025】
重ねしろ片17Lは、
図3に示すように、折り曲げ部14Lの基部10R側の端全体から突設され、基部10Rの折り曲げ部14R上に重ねられている。重ねしろ片17Lと折り曲げ部14Lは、同一平面上に連続して形成されており、
図5に示すように、領域53Lの右側部分50R側の端部と領域55L(後述する)の右側部分50R側の端部とを結ぶ仮想境界線(
図5中一点鎖線で示す)K2で分けられている。また、重ねしろ片17Lは、
図5に示す鋼板90の領域54Lの周縁の一辺に該当する仮想境界線K2から突設された領域57Lに該当する。
【0026】
折り曲げ片18Lは、
図4(b)に示すように、折り曲げ部15Lの基部10R側の端から横方向に折り曲げられ、基部10Rの折り曲げ部15R上に重ねられている。これにより、折り曲げ片18Lは、折り曲げ部15Lと折り曲げ部15Rとが離れないように、折り曲げ部15Rを係止する。折り曲げ片18Lは、
図5に示す鋼板90の領域58Lに該当し、折り曲げ線84に沿って谷折りされることで構成される。
【0027】
基部10Rも、
図2~
図4に示すように、基部10Lと同様な、底部11Rと、折返し部12Rと、3つの折り曲げ部13R~15Rと、折り曲げ片18Rとを有する。底部11Rは、水平に延在している。底部11Rは、
図5に示す鋼板90の領域51Rに該当する。領域51Rは、2つの折り曲げ線80,85間の領域である。
【0028】
折返し部12Rは、
図2及び
図4に示すように、底部11Rの一端部から底部11R上に配置されるように折り曲げられてなる。折返し部12Rは、
図5に示す鋼板90の領域52Rに該当し、折り曲げ線80に沿って底部11R上に折り返されるように谷折りされることで構成される。なお、折り曲げ線80は、
図5に示すように、左側部分50L及び右側部分50Rに亘って直線状に延在している。より詳細には、折返し部12Rは、
図2及び
図4(b)に示すように、領域52Rの長手方向の途中部位から基部10L側の端部に亘って、折り曲げ線80に沿って底部11Rと重ね合わされるように縦方向に折り返されて構成される。このような折返し部12Rにより、基部10Rの見付面10R1(すなわち、底部11Rと折返し部12Rとの接続部分の外側面)が線状に形成される。
【0029】
折り曲げ部13Rは、
図2~
図4に示すように、底部11Rの他端部から上方に略垂直に折り曲げられてなる。折り曲げ部13Rは、
図5に示す鋼板90の領域53Rに該当し、折り曲げ線85に沿って谷折りされることで構成される。領域53Rは、2つの折り曲げ線85,86間の領域である。
【0030】
折り曲げ片18Rは、
図2及び
図4(a)に示すように、折り曲げ部13Rの基部10L側の端から横方向に折り曲げられ、基部10Lの折り曲げ部13L上に重ねられている。これにより、折り曲げ片18Rは、折り曲げ部13Lと折り曲げ部13Rとが離れないように、折り曲げ部13Lを係止する。折り曲げ片18Rは、
図5に示す鋼板90の領域58Rに該当し、折り曲げ線88に沿って山折りされることで構成される。
【0031】
折り曲げ部14Rは、
図2~
図4に示すように、折り曲げ部13Rの上端部から底部11Rから離れる方向に略水平に折り曲げられてなる。折り曲げ部14Rは、
図5に示す鋼板90の領域54Rに該当し、折り曲げ線86に沿って山折りされることで構成される。領域54Rは、2つの折り曲げ線86,87間の領域である。
【0032】
折り曲げ部15Rは、
図2~
図4に示すように、折り曲げ部14Rの折り曲げ部13Rとは反対側の端部から下方に略垂直に折り曲げられてなる。折り曲げ部15Rは、
図5に示す鋼板90の領域55Rに該当し、折り曲げ線87に沿って山折りされることで構成される。
【0033】
続いて、コーナー部材1の組立方法について、以下に説明する。まず、1枚の鋼板から
図5に示す形状の鋼板90を、打ち抜き加工により形成する。このとき、
図5に示す鋼板90の横方向中央部分において、折り曲げ線80の途中部位を残すように上下に一対の切り欠き部91,92を形成し、狭小部70を構成する。次に、鋼板90を、折り曲げ線80,81,84,85に沿って谷折りし、折り曲げ線82,83,86,87に沿って山折りすることで、
図2に示す左側基部10Lと右側基部10Rに成型する。
【0034】
次に、成型された各基部10L,10Rは、
図2に示すように、狭小部70で横方向に折り曲げてコーナー部60を形成する。このとき、重ねしろ片16Lを底部11R上に重ね、重ねしろ片17Lを折り曲げ部14R上に重ねる。また、このとき、折り曲げ片18Lを折り曲げ部15R上に重ね、折り曲げ片18Lが折り曲げ部15Rを係止する。
【0035】
この後、
図5に示す鋼板90の領域58Rを折り曲げ線88に沿って折り曲げて、折り曲げ片18Rを形成する。このとき、
図2に示すように、折り曲げ片18Rを折り曲げ部13L上に重ねて、折り曲げ片18Rで折り曲げ部13Lを係止する。こうして、
図2に示すコーナー部材1が組み立てられる。
【0036】
以上に述べたように、本実施形態における建物構造100のコーナー部材1によると、コーナー部分に設置する1枚の鋼板90からなるコーナー部材1において、狭小部70で横方向に折り曲げられたコーナー部60と、折り曲げ線80で縦方向に折り返された折返し部12L,12Rとを有することで、見付面10L1,10R1の幅を最小限とすることが可能となる。つまり、狭小部70の幅を板厚の約4倍程度に抑え、鋼板90が折り返された折返し部12L,12Rが狭小部70を挟んで配置されている。このため、見付面10L1,10R1の幅を最小限又は実質的にゼロ(線状)とすることが可能となる。したがって、コーナー部分に設置するコーナー部材1においても、見付面10L1,10R1が目立つのを抑制することが可能となる。また、コーナー部材1は狭小部70で横方向に折り曲げ組み立てることが可能であるため、容易に製造することが可能となる。
【0037】
また、コーナー部材1は、隣接する2つの軒天換気材103の端部同士を繋ぐ。これにより、コーナー部材1を軒天換気材の出隅として用いることができる。
【0038】
第1変形例として、コーナー部材201が軒天換気材103の端部同士を繋ぐ入隅用であってもよい。本変形例におけるコーナー部材201は、
図6~
図8に示すように、上述のコーナー部材1と同様な、コーナー部260を有している。コーナー部260は、
図9に示す鋼板290の狭小部270で横方向に折り曲げられて構成されている。鋼板290は、上述の鋼板90と材質や厚みが同じである。狭小部270は、
図9に示す鋼板290の横方向中央部分において、折り曲げ線80の途中部位を残すように上下から切り込まれた一対の切り欠き部291,292間に形成されている。また、コーナー部材201は、狭小部270を挟んで左右に配置された左側基部210Lと、右側基部210Rとを有する。なお、本実施形態における鋼板290の板厚も、0.35mmであるが、0.27mm以上1.6mm以下の範囲でもよい。また、上述のコーナー部材1と同様な構成においては、同符号で示し説明を省略する。
【0039】
図6に示す基部210Lは、上述の折り曲げ部15L、及び、折り曲げ片18Lが基部10Lに形成されていないものとほぼ同様な構成である。また、基部210Lは、
図9に示す鋼板290の狭小部270よりも左側部分250Lが、
図6及び
図8に示すように、主に上方に向かって開口した形状に成型された部分である。また、基部210Lは、上述の折り曲げ部14Lに相当する折り曲げ部214Lを有している。当該折り曲げ部214Lの幅は上述の折り曲げ部14Lよりもやや狭くなっている。基部210Lは、これら以外は上述の基部10Lと同様な構成となっている。なお、折り曲げ部214Lは、
図9に示す鋼板290の領域254Lに該当し、折り曲げ線82に沿って山折りされることで構成される。
【0040】
図6に示す基部210Rは、上述の折り曲げ部15Rが基部10Rに形成されていないものとほぼ同様な構成である。また、基部210Rは、
図9に示す鋼板290の狭小部270よりも右側部分250Rが、
図6及び
図8に示すように、主に上方に向かって開口した形状に成型された部分である。また、基部210Rは、上述の折り曲げ部14Rに相当する折り曲げ部214Rを有している。当該折り曲げ部214Rの幅は上述の折り曲げ部14Rよりもやや狭くなっている。基部210Rは、これら以外は上述の基部10Rと同様な構成となっている。なお、折り曲げ部214Rは、
図9に示す鋼板290の領域254Rに該当し、折り曲げ線86に沿って山折りされることで構成される。
【0041】
続いて、コーナー部材201の組立方法について、以下に説明する。まず、1枚の鋼板から
図9に示す形状の鋼板290を、打ち抜き加工により形成する。このとき、
図9に示す鋼板290の横方向中央部分において、折り曲げ線80の途中部位を残すように上下に一対の切り欠き部291,292を形成し、狭小部270を構成する。次に、鋼板290を、折り曲げ線80,81,85に沿って谷折りし、折り曲げ線82,86に沿って山折りすることで、
図6に示す左側の基部210Lと右側の基部210Rに成型する。
【0042】
次に、成型された各基部210L,210Rは、
図6に示すように、狭小部270で横方向に折り曲げてコーナー部260を形成する。このとき、重ねしろ片16Lを底部11R上に重ね、重ねしろ片17Lを折り曲げ部14R上に重ねる。
【0043】
この後、
図9に示す鋼板290の領域58Rを折り曲げ線88に沿って折り曲げて、折り曲げ片18Rを形成する。このとき、
図6に示すように、折り曲げ片18Rを折り曲げ部13L上に重ねて、折り曲げ片18Rで折り曲げ部13Lを係止する。こうして、
図6に示すコーナー部材201が組み立てられる。
【0044】
以上に述べたように、本変形例における入隅用のコーナー部材201においても、上述のコーナー部材1と同様に、狭小部270で横方向に折り曲げられたコーナー部260と、折り曲げ線80で縦方向に折り返された折返し部12L,12Rとを有することで、見付面10L1,10R1の幅を最小限又は実施的にゼロとすることが可能となる。したがって、コーナー部分に設置するコーナー部材201においても、見付面10L1,10R1が目立つのを抑制することが可能となる。また、コーナー部材201も狭小部270で横方向に折り曲げ組み立てることが可能であるため、容易に製造することが可能となる。なお、上述の実施形態と同様な構成においては同じ効果を得ることができる。
【0045】
第2変形例として、
図10に示すコーナー部材301が水切り材303a,303b(図中二点鎖線で示す)の端部同士を繋ぐ出隅用であってもよい。本変形例におけるコーナー部材301は、建物のコーナー部分に設置され、基礎と土台との間を覆うものである。コーナー部材301は、1枚の鋼板390(
図13参照)を折り曲げて組み立てられることで製造される。鋼板390は、上述の鋼板90と材質や厚みが同じである。
【0046】
コーナー部材301は、
図10に示すように、2つのコーナー部361,362と、左側基部310Lと、右側基部310Rとを有する。コーナー部361は、
図13に示す鋼板390の狭小部371で横方向に折り曲げられて構成されている。狭小部371は、
図13に示す鋼板390の横方向の中央よりやや左側において、2本の折り曲げ線381,382の途中部位を残すように上下から切り込まれた一対の切り欠き部391L,392L間に形成されている。
【0047】
コーナー部362は、
図13に示す鋼板390の狭小部372で横方向に折り曲げられて構成されている。狭小部372は、
図13に示す鋼板390の横方向の中央よりやや右側において、2本の折り曲げ線381,382の途中部位を残すように上下から切り込まれた一対の切り欠き部391R,392R間に形成されている。2つの狭小部371,372は、横方向に互いに離隔して配置されている。つまり、コーナー部361,362も、横方向に互いに離隔して配置されている。
【0048】
本実施形態における各狭小部371,372の幅(
図13中上下の幅)寸法は、同じであり、約1.8mmとなっているが、0.5mm以上5mm以下の範囲でもよい。左側基部310L及び右側基部310Rは、これらコーナー部361,362を挟んで左右に配置されている。
【0049】
図10に示す左側基部310Lは、
図13に示す鋼板390の狭小部371よりも左側部分350Lが、
図10~
図12に示すように、折り曲げられて成型された部分である。
図10に示す右側基部310Rは、
図13に示す鋼板390の狭小部372よりも右側部分350Rが、折り曲げられて成型された部分である。そして、成型された各基部310L,310Rが、2つの狭小部371,372で折り曲げられることで、コーナー部材301が組み立てられる。なお、コーナー部材301の組立方法の詳細は後述する。
【0050】
また、2つのコーナー部361,362間には、繋ぎ部363が設けられている。繋ぎ部363は、
図13に示すように、鋼板390の領域340に該当する。領域340は、2つの狭小部371,372と2本の折り曲げ線381,382とで囲まれた領域である。繋ぎ部363には、案内繋ぎ板364と、折り返し繋ぎ板365とが設けられている。
【0051】
案内繋ぎ板364は、
図10に示すように、後述の2つの案内板部312L,312R間に配置され、両者間を繋ぐ板である。案内繋ぎ板364は、
図10及び
図12(a)に示すように、繋ぎ部363の上端部から案内板部312Lの重ねしろ片312aL上に配置されるように折り曲げられてなる。案内繋ぎ板364は、
図13に示す鋼板390の領域341に該当し、折り曲げ線381に沿って山折りされることで構成される。また、案内繋ぎ板364は、重ねしろ片364aを有する。重ねしろ片364aは、案内板部312Rに重ねられる部分である。重ねしろ片364aは、
図13に示すように、領域341に示す仮想境界線(
図13中一点鎖線で示す)K3よりも右側の部分領域341aに該当する。
【0052】
折り返し繋ぎ板365は、
図12(b)に示すように、後述の2つの折返し板部313L,313R間に配置され、両者間を繋ぐ板である。折り返し繋ぎ板365は、繋ぎ部363の下端部から2つの折返し板部313L,313R上に配置されるように折り返されてなる。折り返し繋ぎ板365は、
図13に示す鋼板390の領域342に該当し、折り曲げ線382に沿って山折りで折り返されることで構成される。また、折り返し繋ぎ板365は、2つの重ねしろ片365a,365bを有する。重ねしろ片365aは、折返し板部313Lに重ねられる部分である。重ねしろ片365aは、
図13に示すように、領域342に示す仮想境界線(
図13中一点鎖線で示す)K4よりも左側の部分領域342aに該当する。重ねしろ片365bは、折返し板部313Rに重ねられる部分である。重ねしろ片365bは、
図13に示すように、領域342に示す仮想境界線(
図13中一点鎖線で示す)K5よりも右側の部分領域342bに該当する。
【0053】
図10に示す基部310Lは、取付板部311Lと、案内板部312Lと、折返し板部313L(折返し部)と、繋ぎ板部314Lと、底板部315Lとを有している。
【0054】
取付板部311Lは、
図10及び
図11に示すように、上下方向に沿って垂直平面状に形成されている。取付板部311Lは、その上端を土台の側面に描かれた罫書きに沿わせた状態で土台に釘などで取り付けられる。取付板部311Lには、その上端部が外側に折り返された折返し部311aLが形成されている。また、取付板部311Lには、折り曲げ片311bLが形成されている。折り曲げ片311bLは、取付板部311Lの基部310R側の端から横方向に折り曲げられ、後述の取付板部311R上に重ねられている。これにより、折り曲げ片311bLは、2つの取付板部311L,311Rが互いに離れないように、取付板部311Rを係止する。
【0055】
取付板部311Lは、
図13に示す鋼板390の領域351Lに該当する。折返し部311aLは、領域351aLに該当し、折り曲げ線383に沿って谷折りで折り返されることで構成される。折り曲げ片311bLは、領域351bLに該当し、折り曲げ線384に沿って山折りされることで構成される。
【0056】
案内板部312Lは、
図10及び
図11に示すように、取付板部311Lの下端から外側斜め下方へ傾斜して延出されている。これにより、外壁材(不図示)から案内板部312L上に落下してきた雨水を外側へと案内することができる。案内板部312Lは、
図13に示す鋼板390の領域352Lに該当し、折り曲げ線385に沿って谷折りされることで構成される。また、案内板部312Lは、重ねしろ片312aLを有する。重ねしろ片312aLは、案内繋ぎ板364に重ねられる部分である。重ねしろ片312aLは、
図13に示すように、領域352Lに示す仮想境界線(
図13中一点鎖線で示す)K6よりも右側の部分領域352aLに該当する。
【0057】
折返し板部313Lは、
図11に示すように、案内板部312Lの外側端部から当該案内板部312Lの下面と重なるように折り返されてなる。折返し板部313Lは、
図13に示す鋼板390の領域353L及び領域353aLに該当し、2つの折り曲げ線381,382に沿って段階的に折り曲げて、案内板部312Lの下面に重なるように山折りされることで構成される。領域353aLは、狭小部371の左側に配置され、狭小部371と同様に、幅の狭い領域である。このような折返し板部313Lにより、基部310Lの見付面310L1(すなわち、案内板部312Lと折返し板部313Lとの接続部分であって鋼板390の領域353aLの部分の外側面)が略線状に形成される。
【0058】
繋ぎ板部314Lは、
図11に示すように、折返し板部313Lの内側端部から外側斜め下方へ傾斜して延出されている。繋ぎ板部314Lは、
図13に示す鋼板390の領域354Lに該当し、折り曲げ線386に沿って谷折りされることで構成される。
【0059】
底板部315Lは、
図11に示すように、繋ぎ板部314Lの外側端部から内側に略水平に折り返されてなる。底板部315Lには、その内側端部が上側に折り返された折返し部315aLが形成されている。底板部315Lは、
図13に示す鋼板390の領域355Lに該当し、折り曲げ線387に沿って山折りされることで構成される。折返し部315aLは、領域355aLに該当し、折り曲げ線388に沿って山折りで折り返されることで構成される。
【0060】
図10に示す基部310Rも、
図10~
図12に示すように、基部310Lとほぼ同様な、取付板部311Rと、案内板部312Rと、折返し板部313R(折返し部)と、繋ぎ板部314Rと、底板部315Rとを有している。
【0061】
取付板部311Rは、
図10及び
図11に示すように、上下方向に沿って垂直平面状に形成されており、取付板部311Lと同様にして取り付けられる。取付板部311Rには、その上端部が外側に折り返された折返し部311aRが形成されている。取付板部311Lは、
図13に示す鋼板390の領域351Rに該当する。折返し部311aRは、領域351aRに該当し、折り曲げ線393に沿って谷折りで折り返されることで構成される。
【0062】
案内板部312Rは、
図10~
図12に示すように、取付板部311Rの下端から外側斜め下方へ傾斜して延出されており、案内板部312Lと同様に、雨水を外側へと案内することができる。案内板部312Rは、
図13に示す鋼板390の領域352Rに該当し、折り曲げ線395に沿って谷折りされることで構成される。
【0063】
折返し板部313Rは、
図11及び
図12(b)に示すように、案内板部312Rの外側端部から当該案内板部312Rの下面と重なるように折り返されてなる。折返し板部313Rは、
図13に示す鋼板390の領域353R及び領域353aRに該当し、2つの折り曲げ線381,382に沿って段階的に折り曲げて、案内板部312Rの下面に重なるように山折りされることで構成される。領域353aRは、狭小部372の右側に配置され、狭小部372と同様に、幅の狭い領域である。このような折返し板部313Rにより、基部310Rの見付面310R1(すなわち、案内板部312Rと折返し板部313Rとの接続部分であって鋼板390の領域353aRの部分の外側面)が略線状に形成される。
【0064】
繋ぎ板部314Rは、
図10及び
図11に示すように、折返し板部313Rの内側端部から外側斜め下方へ傾斜して延出されている。繋ぎ板部314Rは、
図13に示す鋼板390の領域354Rに該当し、折り曲げ線396に沿って谷折りされることで構成される。
【0065】
底板部315Rは、
図11及び
図12(b)に示すように、繋ぎ板部314Rの外側端部から内側に略水平に折り返されてなる。底板部315Rには、その内側端部が上側に折り返された折返し部315aRが形成されている。底板部315Rは、
図13に示す鋼板390の領域355Rに該当し、折り曲げ線397に沿って山折りされることで構成される。折返し部315aRは、領域355aRに該当し、折り曲げ線398に沿って山折りで折り返されることで構成される。また、底板部315Rは、
図12(b)に示すように、重ねしろ片315bRを有する。重ねしろ片315bRは、底板部315L上に重ねられる部分である。重ねしろ片315bRは、
図13に示すように、領域355Rに示す仮想境界線(
図13中一点鎖線で示す)K7よりも左側の部分領域355bRに該当する。
【0066】
続いて、コーナー部材301の組立方法について、以下に説明する。まず、1枚の鋼板から
図13に示す形状の鋼板390を、打ち抜き加工により形成する。このとき、
図13に示す鋼板390の横方向中央よりやや左側において、2本の折り曲げ線381,382の途中部位を残すように上下に一対の切り欠き部391L,392Lを形成し、狭小部371を構成する。また、このとき、
図13に示す鋼板390の横方向中央よりやや右側において、2本の折り曲げ線381,382の途中部位を残すように上下に一対の切り欠き部391R,392Rを形成し、狭小部371と離隔された狭小部372を構成する。
【0067】
次に、鋼板390を、各折り曲げ線381~388,393,395~398に沿って谷又は山折りすることで、
図10に示す左側基部310Lと右側基部310Rに成型する。
【0068】
次に、成型された各基部310L,310Rは、
図12に示すように、各狭小部371,372で横方向に折り曲げて各コーナー部361,362を形成する。このとき、重ねしろ片312aLを案内繋ぎ板364に下方から重ね、重ねしろ片364aを案内板部312Rに下方から重ねる。また、このとき、2つの重ねしろ片365a,365bを折返し板部313L,313R上に重ね、重ねしろ片315bRを底板部315L上に重ねる。また、このとき、重ねしろ片315bRの折返し部315aR側の端部を、折返し部315aLと底板部315Lとの間に差し込む。これにより、底板部315L上の重ねしろ片315bRが折返し部315aLを係止する。また、このとき、
図10に示すように、折り曲げ片311bLの上端部を折返し部311aRと取付板部311Rとの間に差し込み、折り曲げ片311bLを取付板部311R上に重ねる。これにより、折返し部311aRによって係止された折り曲げ片311bLが取付板部311Rを係止する。こうして、
図10に示すコーナー部材301が組み立てられる。
【0069】
以上に述べたように、本変形例における水切り材303a,303bの端部同士を繋ぐ出隅用のコーナー部材301においても、上述のコーナー部材1と同様に、狭小部371,372で横方向に折り曲げられたコーナー部361,362と、折り曲げ線381,382で縦方向に折り返された折返し板部313L,313Rとを有することで、見付面310L1,310R1の幅を最小限又は実施的にゼロ(線状)とすることが可能となる。したがって、コーナー部分に設置するコーナー部材301においても、見付面310L1,310R1が目立つのを抑制することが可能となる。また、コーナー部材301は狭小部371,372で横方向に折り曲げ組み立てることが可能であるため、容易に製造することが可能となる。なお、上述の実施形態と同様な構成においては同じ効果を得ることができる。
【0070】
また、2つのコーナー部361,362を有していることで、1つのコーナー部361,362における曲げ角度を小さくできる。このため、コーナー部361,362を容易に形成することが可能となる。また、コーナー部361,362間に面取り部としての繋ぎ部363を設けることも可能となる。なお、繋ぎ部363も見付面310L1,310R1と同様に線状に形成されており、同様の効果を得ることができる。また、2つのコーナー部361,362により、湾曲形状とすることが可能となる。
【0071】
また、コーナー部材301は、隣接する2つの水切り材303a,303bの端部同士を繋ぐ。これにより、コーナー部材301を水切り材の出隅として用いることができる。
【0072】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な変更が可能なものである。例えば、上述の実施形態及び第1変形例におけるコーナー部材1,201には、1つのコーナー部60,260が設けられていたが、2以上のコーナー部が設けられていてもよい。また、第2変形例におけるコーナー部材301には、2つのコーナー部361,362が設けられていたが、1つ又は3以上のコーナー部が設けられていてもよい。
【0073】
また、上述の実施形態及び第1、第2変形例におけるコーナー部材1,201,301は、軒天換気材の出入隅及び水切り材の出隅として採用されているが、コーナー部材(鋼板製役物)は、鋼板の表面の横方向に延びる折り曲げ線で縦方向に折り返された折返し部と、当該折り曲げ線の途中部位を残すように上下から切り込まれた一対の切り欠き部間の狭小部で横方向に折り曲げられたコーナー部と、を有しておれば、水切り材の入隅用、オーバーハング水切り材間の出入隅用にも採用することが可能である。
【符号の説明】
【0074】
1,201,301 コーナー部材(鋼板製役物)
12L,12R 折返し部
60,260,361,362 コーナー部
70,270,371,372 狭小部
80,381,382 折り曲げ線
90,290,390 鋼板
91,92,291,292,391L,391R,392L,392R 切り欠き部
103 軒天換気材
313L,313R 折返し板部(折返し部)