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特開2024-14911同種キメラ抗原受容体T細胞投与のための方法および組成物
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024014911
(43)【公開日】2024-02-01
(54)【発明の名称】同種キメラ抗原受容体T細胞投与のための方法および組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 35/17 20150101AFI20240125BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20240125BHJP
   A61P 35/02 20060101ALI20240125BHJP
   A61P 37/04 20060101ALI20240125BHJP
   C12N 15/12 20060101ALI20240125BHJP
   C12N 15/13 20060101ALI20240125BHJP
   C12N 15/62 20060101ALI20240125BHJP
   C07K 14/725 20060101ALI20240125BHJP
   C07K 16/28 20060101ALI20240125BHJP
   C07K 19/00 20060101ALI20240125BHJP
   C12N 5/10 20060101ALI20240125BHJP
   C12N 15/867 20060101ALI20240125BHJP
【FI】
A61K35/17
A61P35/00
A61P35/02
A61P37/04
C12N15/12 ZNA
C12N15/13
C12N15/62 Z
C07K14/725
C07K16/28
C07K19/00
C12N5/10
C12N15/867 Z
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023190651
(22)【出願日】2023-11-08
(62)【分割の表示】P 2020544330の分割
【原出願日】2018-10-30
(31)【優先権主張番号】62/579,426
(32)【優先日】2017-10-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/716,898
(32)【優先日】2018-08-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/750,215
(32)【優先日】2018-10-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】519089657
【氏名又は名称】アロジーン セラピューティクス,インコーポレイテッド
(71)【出願人】
【識別番号】500287019
【氏名又は名称】レ ラボラトワール セルヴィエ
【氏名又は名称原語表記】Les Laboratoires Servier
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100123777
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 さつき
(74)【代理人】
【識別番号】100111796
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 博信
(72)【発明者】
【氏名】コント シリル アルキス
(72)【発明者】
【氏名】ジナイ アミナ
(57)【要約】
【課題】本発明は、癌などの疾患に感受性を有するヒト患者または当該疾患に診断されたヒト患者の治療のための、キメラ抗原受容体(CAR)-T細胞を投与する方法を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明により、抗ヒトCD19 4-1BB/CD3ゼータ CARを含む同種キメラ抗原受容体(CAR)-T細胞(CAR-T 細胞)の少なくとも一用量を前記対象に投与することを含み、前記少なくとも一用量が、約20x106細胞/用量~約360x106細胞/用量である、難治性および/または再発性非ホジキンリンパ腫を有する対象を治療する方法が提供される。
【選択図】図4A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
難治性および/または再発性非ホジキンリンパ腫を有する対象を治療する方法であって、前記方法が、抗ヒトCD19 4-1BB/CD3ゼータ CARを含む同種キメラ抗原受容体(CAR)-T細胞(CAR-T 細胞)の少なくとも一用量を前記対象に投与することを含み、ここにおいて、前記少なくとも一用量が、約20x106細胞/用量~約360x106細胞/用量である、方法。
【請求項2】
前記非ホジキンリンパ腫が、大細胞型B細胞リンパ腫である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記非ホジキンリンパ腫が、濾胞性リンパ腫である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記少なくとも一用量が、約20x106 細胞/用量、約40x106 細胞/用量、約80x106 細胞/用量、約120x106 細胞/用量、240x106 細胞/用量、および約360x106 細胞/用量からなる群から選択される、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記対象が50kg以下の体重である場合、前記少なくとも一用量が、約20x106 細胞/用量、約80x106 細胞/用量、および約240x106細胞/用量からなる群から選択される、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記対象が50kg超の体重である場合、前記少なくとも一用量が、約20x106 細胞/用量、約40x106 細胞/用量、約120x106 細胞/用量、および約360x106細胞/用量からなる群から選択される、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記CAR-T細胞がCD52欠損である、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記CAR-T細胞が、CD52欠損細胞およびCD-52陽性細胞の混合物を含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記CAR-T細胞が、配列番号1のCARを含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記CAR-T細胞が、UCART19(CD19)CAR/RQR8+_TCRαβ-_T細胞を含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記CAR-T細胞がセーフティ・スイッチを発現しない、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
CAR 発現が、前記CAR-T細胞の投与後少なくとも14日間まで前記対象において検出可能である、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
CAR 発現が、前記CAR-T細胞の投与後少なくとも28日間まで前記対象において検出可能である、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記対象が、CAR-T投与後少なくとも1ヶ月間、CRまたはCri状態を示す、請求項1~13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記対象が、CAR-T投与後少なくとも2か月間、CRまたはCri状態を示す、請求項1~14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記対象が、CAR-T投与後少なくとも6ヵ月間、CRまたはCri状態を示す、請求項1~15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記対象が、CAR-T投与後少なくとも12ヶ月間、CRまたはCri状態を示す、請求項1~16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記対象が、前記少なくとも一用量の投与前に、第一のリンパ枯渇レジメンを受ける、請求項1~17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記第一のリンパ枯渇レジメンが、フルダラビンおよびシクロホスファミドを投与することを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記第一のリンパ枯渇レジメンが、フルダラビン、シクロホスファミド、および抗CD52抗体を投与することを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
前記第一のリンパ枯渇レジメンが、メンサ(ナトリウム-2-メルカプトエタンソルホナート)を投与することをさらに含む、請求項19または20に記載の方法。
【請求項22】
前記第一のリンパ枯渇レジメンが、少なくとも一つのコルチコステロイドを投与することをさらに含む、請求項19~21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
前記コルチコステロイドが、抗CD52抗体の投与直前に投与される、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記コルチコステロイドがメチルプレドニゾロンである、請求項22または23に記載の方法。
【請求項25】
前記メチルプレドニゾロンが2 mg/kgの用量で投与される、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記患者が、前記リンパ枯渇レジメンの前に注入関連の反応のための事前薬物投与を受ける、請求項1~25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
前記事前薬物投与が少なくとも一つの抗ヒスタミン薬を含む、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記事前薬物投与がアセトアミノフェンを含む、請求項26または27に記載の方法。
【請求項29】
フルダラビンが約30mg/m2/日の投与量で投与され、シクロホスファミドが約300 mg/m2/日の投与量で投与され、またはCD52抗体が約10~約13 mg/日の投与量で投与される、請求項19~28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
フルダラビンが約30mg/m2/日の投与量で投与され、シクロホスファミドが約300 mg/m2/日の投与量で投与され、およびCD52抗体が約10~約13 mg/日の投与量で投与される、請求項20~28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
前記第一のリンパ枯渇レジメンが、少なくとも一用量の投与前約1~15日の間に開始される、請求項18~30のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
前記第一のリンパ枯渇レジメンが、1、2、3、4、または5日の過程にわたり投与される、請求項18~31のいずれか一項に記載の方法。
【請求項33】
前記対象が前記CAR-T細胞の後続用量を受ける、請求項1~32のいずれか一項に記載の方法。
【請求項34】
前記対象が、前記後続用量の前記投与時に準最適応答を示す、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記準最適応答が、
(a) 検出可能な最小残存疾患(白血病患者)および細胞遺伝学的応答の不在を伴う、完全奏効(CR)、血球数の不完全な回復を伴う完全奏効(CRi)、
(b) 骨髄完全奏効、
(c) 部分的奏効、または
(d) 安定奏効を含む、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記後続用量が、前記第一の用量の細胞数とほぼ同じ数の細胞を含む、請求項33~35のいずれか一項に記載の方法。
【請求項37】
前記後続用量が、前記第一の用量と比較して、増加した数の細胞を含む、請求項33~35のいずれか一項に記載の方法。
【請求項38】
前記後続用量が、前記第一の用量と比較して、減少した数の細胞を含む、請求項33~35のいずれか一項に記載の方法。
【請求項39】
前記後続用量が、前記第一の用量の少なくとも14、少なくとも28、少なくとも42、または少なくとも56日後に投与される、請求項33~38のいずれか一項に記載の方法。
【請求項40】
癌に罹患している患者を治療するための医薬キットであって、前記キットが、
(a) 抗CD19 CAR-T細胞、および
(b) CD52抗体を含む、医薬キット。
【請求項41】
前記CAR-T細胞がUCART19細胞である、請求項40に記載の医薬キット。
【請求項42】
前記CAR-T細胞が、配列番号1のCARを発現する、請求項40または41に記載の医薬キット。
【請求項43】
前記CD52抗体が、配列番号8および/または配列番号10の配列を含む、請求項40~42のいずれか一項に記載の医薬キット。
【請求項44】
前記キットが、前記CAR-T細胞を含む第一の容器と、前記CD52抗体を含む第二の容器とを含む、請求項40~43のいずれか一項に記載の医薬キット。
【請求項45】
前記第一と前記第二の容器のうち少なくとも一つが可撓性の細胞注入バッグである、請求項44に記載の医薬キット。
【請求項46】
前記キットが、前記CAR-T細胞および前記CD52抗体を前記対象に投与するための指示を含む、ラベルまたはパッケージインサートをさらに含む、請求項40~45のいずれか一項に記載の医薬キット。
【請求項47】
治療方法であって、
(a) 疾患を有する対象にキメラ抗原受容体(CAR)-T細胞(CAR-T 細胞)の第一の用量を投与すること、および
(b) (a)における前記投与の開始後少なくとも約28日、または約28日超、および(a)における前記投与の開始後約200日未満の時点で、CAR-T細胞の後続用量を前記対象に投与すること、を含む、治療方法。
【請求項48】
前記CAR-T細胞が同種である、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
前記第一の用量が約1×104 ~約5×108 の合計細胞を含む、請求項47または48に記載の方法。
【請求項50】
前記第一の用量が、約6×105 合計細胞、約6×106 合計細胞、約6×107 合計細胞、約8×107 合計細胞、約1.8×108 合計細胞、約2.4×108 合計細胞、または約5×108 合計細胞を含む、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
前記第一の用量が、前記対象の体重のキログラム当たり1×104 ~2x107 細胞を含む、請求項47または48に記載の方法。
【請求項52】
前記第一の用量が、前記対象の体重のキログラム当たり約1×104、約1x105、約1x106、約3x106、または約9x106細胞を含む、請求項51に記載の方法。
【請求項53】
CAR-T細胞の前記後続用量が、(a)における前記投与開始から約28日、約60日、または約99日後に投与される、請求項47~52のいずれか一項に記載の方法。
【請求項54】
CAR-T細胞の前記後続用量が、(a)における前記投与開始から約99日後に投与される、請求項53に記載の方法。
【請求項55】
ステップ(a)の後、およびステップ(b)の前に、前記対象が暫定リンパ枯渇レジメンを投与される、請求項47~54のいずれか一項に記載の方法。
【請求項56】
前記暫定リンパ枯渇レジメンが、ステップ(b)の前に約0~14日の間、前記対象へフルダラビン、シクロホスファミド、およびCD52抗体を投与することを含む、請求項47~55のいずれか一項に記載の方法。
【請求項57】
フルダラビンが約90~150 mg/m2の投与量で投与され、シクロホスファミドが約1000~4000 mg/m2の投与量で投与され、およびCD52抗体が約0.3~1 mg/kgの投与量で投与される、請求項56に記載の方法。
【請求項58】
前記対象が、第一のリンパ枯渇レジメンを投与される、請求項47~57のいずれか一項に記載の方法。
【請求項59】
前記第一のリンパ枯渇レジメンが、前記対象へフルダラビン、シクロホスファミド、およびCD52抗体を投与することを含む、請求項47に記載の方法。
【請求項60】
フルダラビンが約90~150 mg/m2の投与量で投与され、シクロホスファミドが約1000~4000 mg/m2の投与量で投与され、およびCD52抗体が約0.3~1 mg/kgの投与量で投与される、請求項59に記載の方法。
【請求項61】
前記第一のリンパ枯渇レジメンが、ステップ(a)の約15~5日前の間に開始される、請求項58~60のいずれか一項に記載の方法。
【請求項62】
前記第一のリンパ枯渇レジメンが、ステップ(a)の約2~10日前の間に完了される、請求項58~60のいずれか一項に記載の方法。
【請求項63】
応答がステップ(a)とステップ(b)との間で評価される、請求項47~62のいずれか一項に記載の方法。
【請求項64】
前記応答が、暫定リンパ枯渇の前に評価される、請求項63に記載の方法。
【請求項65】
前記後続用量が約1×105~約5×108合計細胞を含む、請求項47~64のいずれか一項に記載の方法。
【請求項66】
前記後続用量が約6×106 合計細胞を含む、請求項47~65のいずれか一項に記載の方法。
【請求項67】
(a)における前記投与後の前記疾患の一つ以上の症状の減少によって示されるように、(a)における前記投与が、前記対象の前記疾患の改善をもたらす、請求項47~66のいずれか一項に記載の方法。
【請求項68】
(b)における前記投与時に、前記対象が再発している、請求項67に記載の方法。
【請求項69】
細胞の前記後続用量が、前記対象の前記疾患の改善に十分な量の細胞を含む、請求項47~68のいずれかに記載の方法。
【請求項70】
(b)における前記投与が、前記対象の前記疾患のさらなる改善をもたらす、請求項47から69のいずれかに記載の方法。
【請求項71】
前記後続用量の前記投与が、前記後続用量の前記投与の開始直前と比較して、前記対象における前記疾患の改善をもたらす、請求項47~70のいずれかに記載の方法。
【請求項72】
前記方法が、別の投与レジメンを含む方法と比較して、より大きな程度まで、および/またはより長い期間、前記疾患の改善をもたらし、ここにおいて、前記対象が、(a)における前記細胞と、(b)における前記細胞とを単回投与で投与される、請求項47~71のいずれかに記載の方法。
【請求項73】
前記疾患が、前記第一の用量の前記投与後に持続し、および/または前記第一の用量の前記投与が、前記対象の前記疾患を撲滅するためには十分ではない、請求項47~72のいずれかに記載の方法。
【請求項74】
前記対象が、(b)における前記投与時にCAR-T細胞の持続性の不在を示す、請求項47~73のいずれかに記載の方法。
【請求項75】
前記対象が、(b)における前記投与時に、前記疾患の一つ以上の症状を示す、請求項47~74のいずれかに記載の方法。
【請求項76】
前記対象が、(b)における前記投与時に、準最適応答を示す、請求項47~75のいずれかに記載の方法。
【請求項77】
前記準最適応答が、
(a) 検出可能な最小残存疾患(白血病患者)および細胞遺伝学的応答の不在を伴う、完全奏効(CR)、血球数の不完全な回復を伴う完全奏効(CRi)、
(b) 骨髄完全奏効、
(c) 部分的奏効、または
(d) 安定奏効を含む、請求項76に記載の方法。
【請求項78】
(b)における前記投与に続いて、2日目、3日目、4日目、5日目、6日目、7日目、8日目、9日目、10日目、11日目、12日目、13日目、または14日目に前記対象におけるサイトカイン放出症候群(CRS)関連結果が検出不可能か、または別の投与レジメンを含む方法と比較して約20%~約99%低減されており、ここにおいて、前記対象が、前記第一の用量の投与を受けていずに、(b)における前記細胞を投与される、請求項47~77のいずれかに記載の方法。
【請求項79】
前記後続用量が、前記第一の用量の細胞数とほぼ同じ数の細胞を含む、請求項47~78のいずれかに記載の方法。
【請求項80】
前記後続用量が、前記第一の用量と比較して、増加した数の細胞を含む、請求項47~78のいずれかに記載の方法。
【請求項81】
前記後続用量が、前記第一の用量の細胞数より少なくとも約5%多い細胞を含む、請求項80に記載の方法。
【請求項82】
前記後続用量が、前記第一の用量と比較して、減少した数の細胞を含む、請求項47~78のいずれかに記載の方法。
【請求項83】
前記後続用量が、前記第一の用量の細胞数より少なくとも約5%少ない細胞を含む、請求項82に記載の方法。
【請求項84】
前記疾患が腫瘍または癌である、請求項47~83のいずれか一項に記載の方法。
【請求項85】
前記癌が白血病またはリンパ腫である、請求項84に記載の方法。
【請求項86】
前記腫瘍または癌が、急性リンパ芽球性白血病(ALL)である、慢性リンパ性白血病(CLL)、HNSCC、非ホジキンリンパ腫、急性骨髄性白血病、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫 (DLBCL)、多発性骨髄腫、難治性濾胞性リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、緩慢性B細胞リンパ腫、B細胞悪性疾患、結腸癌、肺癌、肝臓癌、乳癌、前立腺癌、卵巣癌、皮膚癌、メラノーマ、骨癌、および脳癌、卵巣癌、上皮癌、腎細胞癌、膵臓腺癌、ホジキンリンパ腫、子宮頸癌、大腸癌、グリア芽腫、神経芽細胞腫、ユーイング肉腫、髄芽腫、骨肉腫、滑膜肉腫、または中皮腫である、請求項84に記載の方法。
【請求項87】
前記ALLが再発性または難治性ALLである、請求項86に記載の方法。
【請求項88】
同種CAR-T細胞の第一の用量を前もって投与された対象に、同種キメラ抗原受容体(CAR)-T細胞の後続用量を投与することを含む治療方法であって、ここにおいて、細胞の前記後続用量を、前記第一の用量の開始後少なくとも約5週間または約5週間超、および前記第一の用量の開始後約24週間未満の時点で、投与する、治療方法。
【請求項89】
同種キメラ抗原受容体(CAR)-T細胞の後続用量を対象に投与することを含む治療方法であって、ここにおいて、前記投与前に、前記対象が、前記対象において臨床的利益を示すのに十分な量で前記CAR-T細胞の以前の用量を受けており、および投与時に、前記対象が前記CAR-T細胞に対して特異的な検出可能な適応宿主免疫応答を示さず、および/または前記以前の用量と後続用量との間の時間は、約5週間を超え約24週間未満である、治療方法。
【請求項90】
前記後続用量において投与される細胞数が、前記第一の用量において投与される細胞数と同じである、請求項88または請求項89に記載の方法。
【請求項91】
前記後続用量において投与される細胞数が、前記第一の用量において投与される細胞数より多い、請求項88または請求項89に記載の方法。
【請求項92】
前記CAR-T細胞で前もって治療された対象の疾患の治療のための薬剤の製造のための同種キメラ抗原受容体(CAR)-T細胞を含む組成物の使用であって、ここにおいて、前記組成物が、前記以前の治療後約5~約24週間の間に使用されるためのものであり、および/または前記組成物が、前記CAR-T細胞で前もって治療されていた前記対象の疾患の改善に十分な量の後続用量の投与のために処方される、使用。
【請求項93】
前記CAR-T細胞で前もって治療された対象の疾患の治療に使用するための同種キメラ抗原受容体(CAR)-T細胞を含む組成物であって、ここにおいて、前記細胞が、前記以前の治療後約5~24週間の間に使用されるためのものであり、および前記細胞が、前記CAR-T細胞で前もって治療されていた前記対象の疾患の改善に十分な量の後続用量の投与のために処方される、組成物。
【請求項94】
前記以前の治療におけるCAR-T細胞の前記用量が、前記後続用量の使用前の前記対象の前記疾患の一つ以上の症状を改善した、請求項92に記載の使用、または請求項93に従った使用のための組成物。
【請求項95】
疾患を治療するための方法での使用のための薬剤の製造における同種キメラ抗原受容体(CAR)-T細胞の使用であって、前記方法が、
(a) 前記CAR-T細胞の第一の用量を前記疾患を有する対象に投与することであって、前記第一の用量が約1×106 ~約5×108 合計細胞を含む、投与することと、
(b) (a)における前記投与の開始後少なくとも約5週間、または約5週間超、および(a)における前記投与の開始後約24週間未満の時点で、前記CAR-T細胞の後続用量を前記対象に投与することと、を含む、同種キメラ抗原受容体(CAR)-T細胞の使用。
【請求項96】
前記疾患が白血病またはリンパ腫である、請求項92、94、または95に記載の使用、あるいは請求項93に従った使用のための組成物。
【請求項97】
前記CAR-T細胞が腫瘍抗原特異的CAR-T細胞である、請求項47~83のいずれかに記載の方法、請求項92または94~95のいずれか一項に記載の使用、あるいは請求項93に従った使用のための組成物。
【請求項98】
前記CAR-T細胞が UCART19細胞である、請求項47~83のいずれかに記載の方法、請求項92または94~95のいずれか一項に記載の使用、あるいは請求項93に従った使用のための組成物。
【請求項99】
製造物品であって、
複数の封止可能な容器であって、それぞれが、対象に投与するための、同種キメラ抗原受容体(CAR-T)細胞の単位用量を個別に含み、前記単位用量が、約1 x 106~約5 x 108細胞を含む、封止可能な容器、
包装材料、および
第一の投与と後続の投与とを実施することによって、前記対象に複数の前記単位用量を投与するための指示を含む、ラベル、またはパッケージインサートであって、前記第一の投与が、前記対象に前記単位用量のうちの一つを送達することを含み、前記後続の投与が、前記対象に前記単位用量のうちの一つ、または複数を投与することを含む、ラベル、またはパッケージインサート、を含む、製造物品。
【請求項100】
前記指示が、前記第一の投与に続いて、前記後続の投与が、約30~150日の間の時間で、随意に約30日目、約60日目、約90日目、または約99日目に実施されることを指定する、請求項99に記載の製造物品。
【請求項101】
前記容器が、可撓性の細胞注入バッグであるか、またはこれを含む、請求項99または100に記載の製造物品。
【請求項102】
難治性および/または再発性CD19+B細胞性急性リンパ芽球性白血病を有する成人対象を治療する方法であって、抗ヒトCD19 4-1BB/CD3ゼータ CARを含む同種キメラ抗原受容体(CAR)T 細胞(CAR-T細胞)の少なくとも一用量を前記対象に投与することを含み、ここにおいて、前記少なくとも一用量が、約6x105細胞/用量、6x106細胞/用量、約6~8x107細胞/用量、および約1.8~2.4x108細胞/用量からなる群から選択される、方法。
【請求項103】
難治性および/または再発性CD19+B細胞性急性リンパ芽球性白血病を有する小児対象を治療する方法であって、抗ヒトCD19 4-1BB/CD3ゼータ CARを含む同種キメラ抗原受容体 (CAR)-T細胞(CAR-T細胞)の少なくとも一用量を前記対象に投与することを含み、ここにおいて、前記少なくとも一用量が、約2~8x107細胞/用量である、方法。
【請求項104】
前記CAR-T細胞がCD52欠損である、請求項102または103に記載の方法。
【請求項105】
前記CAR-T細胞が、CD52欠損細胞およびCD-52陽性細胞の混合物を含む、請求項102または103に記載の方法。
【請求項106】
前記CAR-T細胞が、配列番号1のCARを発現する、請求項102~105のいずれか一項に記載の方法。
【請求項107】
前記CAR-T細胞がUCART19(CD19CAR/RQR8+_TCRαβ-_T細胞)を含む、請求項102~106のいずれか一項に記載の方法。
【請求項108】
CAR 発現が、前記CAR-T細胞の投与後少なくとも42日間まで前記対象において検出可能である、請求項102~107のいずれか一項に記載の方法。
【請求項109】
CAR 発現が、前記CAR-T細胞の投与後少なくとも56日間まで前記対象において検出可能である、請求項102~108のいずれか一項に記載の方法。
【請求項110】
前記対象が、UCART19投与後少なくとも1.3ヶ月間、CRまたはCri状態を示す、請求項102~109のいずれか一項に記載の方法。
【請求項111】
前記対象が、UCART19投与後少なくとも1.8ヶ月間、CRまたはCri状態を示す、請求項102~110のいずれか一項に記載の方法。
【請求項112】
前記対象が、UCART19投与後少なくとも3.6ヶ月間、CRまたはCri状態を示す、請求項102~111のいずれか一項に記載の方法。
【請求項113】
前記対象が、UCART19投与後少なくとも12.4ヵ月間、CRまたはCri状態を示す、請求項102~112のいずれか一項に記載の方法。
【請求項114】
前記対象が、前記少なくとも一用量の投与前に、第一のリンパ枯渇レジメンを受ける、請求項102~113のいずれか一項に記載の方法。
【請求項115】
前記第一のリンパ枯渇レジメンが、フルダラビンおよびシクロホスファミドを投与することを含む、請求項114に記載の方法。
【請求項116】
前記第一のリンパ枯渇レジメンが、フルダラビン、シクロホスファミド、および抗CD52抗体を投与することを含む、請求項114に記載の方法。
【請求項117】
フルダラビンが約30~150mg/m2の投与量で投与され、シクロホスファミドが約300~4000 mg/m2の投与量で投与され、およびCD52抗体が、約0.3~1mg/kgの投与量で投与される、請求項115または116に記載の方法。
【請求項118】
前記第一のリンパ枯渇レジメンが、前記少なくとも一用量の投与前約1~15日の間に開始される、請求項114~117のいずれか一項に記載の方法。
【請求項119】
前記対象が、前記CAR-T細胞の後続用量を受ける、請求項114~118のいずれか一項に記載の方法。
【請求項120】
前記対象が、前記後続用量の前記投与時に準最適応答を示す、請求項119に記載の方法。
【請求項121】
前記準最適応答が、
(a) 検出可能な最小残存疾患(白血病患者)および細胞遺伝学的応答の不在を伴う、完全奏効(CR)、血球数の不完全な回復を伴う完全奏効(CRi)、
(b) 骨髄完全奏効、
(c) 部分的奏効、または
(d) 安定奏効を含む、請求項120に記載の方法。
【請求項122】
前記後続用量が、前記第一の用量の細胞数とほぼ同じ数の細胞を含む、請求項119に記載の方法。
【請求項123】
前記後続用量が、前記第一の用量と比較して、増加した数の細胞を含む、請求項119に記載の方法。
【請求項124】
前記後続用量が、前記第一の用量と比較して、減少した数の細胞を含む、請求項119に記載の方法。
【請求項125】
関心対象標的に向けられた同種キメラ抗原受容体(CAR)-T細胞(CAR-T細胞)の集団を生成する方法であって、
(a) 健康なドナーからの末梢血単核細胞(PBMC)を単離することと、
(b) PBMC内の前記T細胞を活性化することと、
(c) 前記活性化されたT細胞をレンチウイルスベクターで形質導入することであって、ここにおいて、前記レンチウイルスベクターが関心対象のCARを発現する自己不活性化組み換え型ベクターである、形質導入することと、
(d) 前記T細胞のサブセットにおけるTCRαβおよびCD-52遺伝子発現を中断することと、
(e) T細胞の前記集団を増殖させることと、
(f) TCRαβ陰性細胞に対してT細胞の前記集団を濃縮することと、を含み、
それによって、同種キメラ抗原受容体(CAR)-T細胞(CAR-T細胞)の集団を生成する、方法。
【請求項126】
ステップ(c)が、ステップ(b)の後で約3~4日実施される、請求項125に記載の方法。
【請求項127】
ステップ(d)が、ステップ(c)の後で約2日実施される、請求項125または126に記載の方法。
【請求項128】
ステップ(f)が、ステップ(d)の後で約10~12日実施される、請求項125~127のいずれか一項に記載の方法。
【請求項129】
前記CAR-T細胞がCD52欠損である、請求項125~128のいずれか一項に記載の方法。
【請求項130】
前記CAR-T細胞が、CD52欠損細胞およびCD-52陽性細胞の混合物を含む、請求項125~129のいずれか一項に記載の方法。
【請求項131】
前記CAR-T細胞が、配列番号1のCARを発現する、請求項125~130のいずれか一項に記載の方法。
【請求項132】
前記CAR-T細胞がUCART19(CD19CAR/RQR8+_TCRαβ-_T細胞)を含む、請求項125~131のいずれか一項に記載の方法。
【請求項133】
ステップ(c)の前記レンチウイルスベクターがさらにセーフティ・スイッチを発現する、請求項125~132のいずれか一項に記載の方法。
【請求項134】
前記セーフティ・スイッチがRQR8である、請求項133に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2018年10月24日に出願された米国仮特許出願第62/750,215号明細書、2018年8月9日に出願された米国仮特許出願第62/716,898号明細書、および2017年10月31日に出願された米国仮特許出願第62/579,426号明細書、に対する優先権を主張するものであり、各々の全体が、全ての目的に対して参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、増殖性障害および免疫障害を含む障害の治療のための治療レジメンに関する。対象の治療レジメンは、同種キメラ抗原受容体T細胞を含む免疫細胞の1回または複数回の用量の投与を含む。対象の治療レジメンは、癌を含む障害の予防および/または治療に使用できる。
【0003】
電子的に提出されたテキストファイルの説明
電子的に提出されたテキストファイルの内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる:配列表のコンピュータ可読形式のコピー(ファイル名:ALGN-012-03WO Sequence Listing.txt、記録日:2018年10月30日、ファイルサイズ39,283バイト)。
【背景技術】
【0004】
キメラ抗原受容体(CAR)-T細胞などの組み換え型受容体を発現する操作された細胞を使用して、養子細胞療法に対して様々な方法が利用可能である。しかしながら、疾患を治療するために効果的であり、ヒト患者における寛解を達成するために必要な同種CAR-T細胞の用量は知られていない。本明細書において、患者に同種CAR-T細胞を投与、および再投与するための方法、組成物、および製造物品が提供される。本開示の方法は、例えば、投与細胞への対象の曝露を増加させることによって(例えば、投与細胞の増殖および/または持続性を改善することにより)、毒性のリスクを減少させる、および/または有効性を増加させる。
【発明の概要】
【0005】
本開示は、癌などの障害の治療のための治療レジメンに関する。より具体的には、本開示は、同種CAR-T細胞の投与による、癌などの障害の治療のための治療レジメンに関する。方法の特徴は、投与される用量および細胞数のタイミングを含み、例えば、投与細胞への対象の曝露の増加による、有効性の改善および/または毒性の低減などの様々な利点を提供する。
【0006】
例えば、対象の疾患および/または障害を治療するために、CAR-T細胞を対象に投与するための方法が提供される。方法は、一般に、このような細胞の単回または複数回の用量を投与すること、および/またはこのような細胞の以前の(例えば、第一の)用量で前もって治療されたことがある対象に対して、後続用量を投与することを含む。また、こうした方法で使用するための細胞、組成物、および製造物品も提供されている。
【0007】
いくつかの実施形態では、方法は、抗ヒトCD19 4-1BB/CD3ゼータ CAR(例えば、UCART19 (CD19CAR/RQR8+_TCRαβ-_T細胞)を含む同種キメラ抗原受容体(CAR)T 細胞(CAR-T細胞)の少なくとも一用量を対象に投与することを含む、難治性および/または再発性CD19+B細胞性急性リンパ芽球性白血病を有する成人対象を治療することを含み、ここにおいて、少なくとも一用量は、約6x105細胞/用量、約6x106細胞/用量、約6~8x107細胞/用量、および約1.8~2.4x108細胞/用量からなる群から選択される。
【0008】
いくつかの実施形態では、方法は、抗ヒトCD19 4-1BB/CD3ゼータ CAR(例えば、UCART19 (CD19CAR/RQR8+_TCRαβ-_T細胞)、またはUCART19 (CD19CAR/R2+_TCRαβ-_T細胞)、またはUCART19 (CD19CAR/TCRαβ-_T細胞) を含む同種キメラ抗原受容体(CAR)T細胞(CAR-T細胞)の少なくとも一用量を対象に投与することを含む、難治性および/または再発性CD19+B細胞性急性リンパ芽球性白血病を有する小児対象を治療することを含み、ここにおいて、少なくとも一用量は、約2~8x107細胞/用量である。
【0009】
いくつかの実施形態では、方法は、難治性および/または再発性非ホジキンリンパ腫(例えば、大細胞型B細胞リンパ腫または濾胞性リンパ腫)を有する対象を治療することを含み、この方法は、抗ヒトCD19 4-1BB/CD3ゼータ CAR (CD19CAR/RQR8+_TCRαβ-_T細胞)を含む同種キメラ抗原受容体(CAR)T細胞(CAR-T細胞)の少なくとも一用量を対象に投与することを含み、ここにおいて、少なくとも一用量は、約20x106細胞/用量~約360x106細胞/用量、例えば、約20x106細胞/用量、約40x106細胞/用量、約80x106細胞/用量、約120x106細胞/用量、240x106細胞/用量、または約360x106細胞/用量である。
【0010】
いくつかの実施形態では、方法は、(a)疾患を有する対象に、の第一の用量の同種CAR-T細胞を投与すること、および(b)対象に対し、同種CAR-T細胞の後続用量を投与することが含まれる。その他の実施形態では、方法は、(b)でのように後続用量を対象に、(a)でのように第一の用量を前もって投与されたことがある対象に、投与することによって実施される。いくつかの実施形態では、CAR-T細胞は腫瘍抗原特異的CAR-T細胞である。いくつかの実施形態では、CAR-T細胞はCD19特異的CAR-T細胞(例えば、UCART19 (CD19CAR/RQR8+_TCRαβ-_T細胞))である。いくつかの実施形態では、疾患は腫瘍である。いくつかの実施形態では、それは、癌、悪性腫瘍、新生物、またはその他の増殖性疾患もしくは障害、例えば白血病、リンパ腫、例えば慢性リンパ性白血病(CLL)、急性リンパ芽球性白血病(ALL (例えば、再発性/難治性ALL))、非ホジキンリンパ腫、急性骨髄性白血病、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫 (DLBCL)、多発性骨髄腫、濾胞性リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、緩慢性B細胞リンパ腫、B細胞悪性疾患、結腸癌、肺癌(例えば、小細胞および非小細胞肺癌)、肝臓癌、乳癌、前立腺癌、卵巣癌、皮膚癌、メラノーマ、骨癌、および脳癌、卵巣癌、上皮癌、腎細胞癌、膵臓腺癌、ホジキンリンパ腫、子宮頸癌、大腸癌、グリア芽腫、神経芽細胞腫、ユーイング肉腫、髄芽腫、骨肉腫、滑膜肉腫、頭頚部扁平上皮癌(HNSCC)、および/または中皮腫である。いくつかの実施形態では、疾患は白血病またはリンパ腫である。いくつかの実施形態では、疾患は急性リンパ芽球性白血病である。いくつかの実施形態では、疾患は、再発性または難治性急性リンパ芽球性白血病である。いくつかの実施形態では、疾患は非ホジキンリンパ腫(NHL)である。いくつかの実施形態では、疾患は、再発性または難治性大細胞型B細胞リンパ腫である。いくつかの実施形態では、疾患は、再発性または難治性濾胞性リンパ腫である。
【0011】
いくつかの実施形態では、疾患は急性リンパ芽球性白血病(ALL)である。いくつかの実施形態では、疾患は小児急性リンパ芽球性白血病(ALL)である。いくつかの実施形態では、疾患は、B細胞性急性リンパ芽球性白血病(B-ALL)などの進行性リンパ性悪性腫瘍である。いくつかの実施形態では、疾患は難治性B-ALL、例えば成人難治性B-ALLである。いくつかの実施形態では、疾患は再発性B-ALL、例えば成人再発性B-ALLである。いくつかの実施形態では、疾患は、例えば、本明細書に記載される癌のうちの一つ以上に関連する骨髄外疾患である。いくつかの実施形態では、対象は、後続用量の投与時に、検出可能な分子疾患および/または最小残存疾患を示す。いくつかの実施形態では、対象は、後続用量の投与時に、疾患の一つ以上の症状を示す。いくつかの実施形態では、疾患は癌であり、対象は後続用量の投与開始時に再発を示す。いくつかの実施形態では、疾患は白血病またはリンパ腫であり、対象は後続用量の投与時に骨髄中に5%より多い芽細胞を示す。
【0012】
いくつかの実施形態では、疾患は癌であり、対象は形態的疾患を示す。いくつかの実施形態では、疾患は白血病またはリンパ腫であり、対象は後続用量の投与時に骨髄外疾患(すなわち、骨髄外に芽細胞が存在する)を示す。いくつかの実施形態では、疾患は白血病またはリンパ腫であり、対象は後続用量の投与時に骨髄中に5%より多い芽細胞を示す。他の実施形態では、疾患は癌であり、対象は後続用量の投与開始時に形態的疾患を示さない。いくつかの実施形態では、疾患は白血病またはリンパ腫であり、対象は後続用量の投与時に骨髄中に5%より多い芽細胞を示さない。
【0013】
いくつかの実施形態では、方法は、(a)疾患を有する対象に対し、第一の用量の同種CAR-T細胞を投与することを含む。いくつかの実施形態では、第一の用量は、約1×104 細胞、約5×104 細胞、約1×105 細胞、約5×105 細胞、約1×106 細胞、約5×106 細胞、約6×106 細胞、約1×107 細胞、約6×107 細胞、約1×108、約1.8×108 細胞、または約4.8×108 細胞を含有する。いくつかの実施形態では、第一の用量は、約20x106 細胞~約360x106 細胞、例えば、約20x106 細胞、約40x106 細胞、約80x106 細胞、約120x106 細胞、240x106 細胞、または約360x106 細胞を含有する。いくつかの実施形態では、方法は、(b) (a)における投与の開始後少なくとも約5週間、または約5週間超、および(a)における投与の開始後約24週間未満の時点で、CAR-T細胞の後続用量を対象に投与することをさらに含む。
【0014】
いくつかの実施形態では、再発性/難治性のALLを有する対象には、各々6×106 細胞を含有する同種CAR-T細胞の第一および後続用量を投与し、および(b)におけるCAR-T細胞の後続用量は、(a)における投与開始から約99日後に投与する。
【0015】
いくつかの実施形態では、本方法は、第一および複数の後続用量が、例えば、第一および後続用量に対して指定された投与量とタイミングスケジュールとに従って、投与されるように、追加的な後続用量、または後続用量を投与することをさらに含む。いくつかの実施形態では、一つ以上の後続用量のうち第一の用量は、後続用量の投与開始から少なくとも5週間後、または5週間超後の時点で投与される。いくつかの実施形態では、第一、第二、および後続用量の投与は、約5週間以内に少なくとも用量のうちの三つを投与すること含む。いくつかの実施形態では、第一の用量の投与開始後約16週で投与され、追加的な後続容量または後続用量は、第一の用量の投与開始後17週目で投与される。いくつかの実施形態では、追加的な後続用量は、第一の用量の投与開始後の17週目および/または第34週で投与される。
【0016】
いくつかの態様では、後続用量を投与する時間は、対象が免疫応答を示さない、例えば、前述の第一の(または以前の)用量後のCAR-Tに特異的な検出可能な適応宿主免疫応答を示していない、さらなる一つの時間である。
【0017】
いくつかの実施形態では、第一の用量(初回用量)の投与、例えば第一のまたは以前の用量の投与開始と、後続用量の投与開始(例えば、後続用量の投与開始)との間の時間は、約4週間超、例えば、約5、6、7、8、または9週間超、例えば、約20週間超、例えば、約9週間~約35週間の間、約14週間~約28週間の間、15週間~27週間の間、または16週間~約18週間の間、および/または15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、または27週間、あるいは約15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、または27週間である。いくつかの実施形態では、後続用量の投与(例えば、その開始など)は、第一または以前の用量の投与(例えば、その開始など)後、約5週間超で約24週間未満である。いくつかの実施形態では、後続用量の投与は、第一の用量の開始から17週間後に開始される。いくつかの実施形態では、第一の用量と後続用量(例えば、その開始など)との投与の間隔、または以前の用量と次の後続用量との投与の間隔は、約5週間超、および約24週間未満、例えば10週間~24週間の間、例えば約17週間などである。いくつかの実施形態では、第一の用量の投与と後続用量の投与(例えば、その開始など)との間の時間は、約17週間である。いくつかの実施形態では、後続用量の投与(例えば、その開始など)は、第一または以前の用量の投与(例えば、その開始など)後、約7日超で約365日未満である。いくつかの実施形態では、後続用量の投与(例えば、その開始など)は、第一または以前の用量の投与(例えば、その開始など)後、約30日超で約110日未満である。
【0018】
いくつかの実施形態では、対象は後続用量の投与時にCAR-T細胞の持続性の不在を示す。いくつかの実施形態では、対象は、後続用量の投与時に準最適応答を示す。いくつかの実施形態では、準最適応答は、下記の任意の一つ以上を含みうる:(i)検出可能な最小残存疾患(白血病患者)および細胞遺伝学的応答の不在を伴う、完全奏効(CR)、血球数の不完全な回復を伴う完全奏効(CRi)、(ii)骨髄完全奏効、(iii)部分的奏効、または(iv)安定奏効。
【0019】
いくつかの実施形態では、第一の用量の投与により、第一の用量の投与後の対象内の疾患の一つ以上の症状の改善につながる。いくつかの実施形態では、後続用量の投与の時点で、対象は再発した、および/または第一の用量後に経験した初期改善(例えば、寛解)後に疾患の一つ以上の症状が増加した。
【0020】
いくつかの実施形態では、細胞の後続用量は、対象の疾患の改善に十分な量のCAR-T細胞を含有する。いくつかの実施形態では、後続用量の投与は、対象の疾患のさらなる改善につながる。いくつかの実施形態では、後続用量の投与は、後続用量の投与の開始直前と比較して、対象における疾患の改善を引き起こす。いくつかの実施形態では、後続用量の投与は、MRD陰性を引き起こす。いくつかの実施形態では、方法は、別の投与レジメンの方法と比較して、より大きな程度まで、および/またはより長い期間、疾患を改善し、ここにおいて、対象は第一の用量の細胞を、および後続用量の細胞を、単回投与で投与される。改善は、対象の、対象の臓器の、対象の組織の、または対象の体液の疾患の細胞、例えば、腫瘍細胞、の総数の減少を含みうる。改善は、フローサイトメトリー、あるいは定量的PCR、腫瘍の質量もしくは体積、ならびに/または、転移の数および/もしくは程度の減少、による分子検出の減少を含みうる。いくつかの実施形態では、改善は、例えば、生存期間または無事故期間の増加、無進行、あるいは無再発などの、対象の生存の改善を含む。
【0021】
いくつかの実施形態では、疾患は第一の用量の投与後に持続し、および/または第一の用量の投与は、対象の疾患を撲滅するためには十分ではない。いくつかの実施形態では、前述の後続用量の投与は、後続用量の投与の開始直前と比較して、対象における疾患の改善を引き起こす。
【0022】
いくつかの実施形態では、第一の用量の投与は、対象における重度のサイトカイン放出症候群(CRS)を誘発しない。サイトカイン放出症候群(CRS)の重症度は、Lee DW、et al.、Blood 2014;124(2):188-195に記載された修正されたグレード決定に従って評価されてもよく、これは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。いくつかの実施形態では、第一の用量の投与は、対象におけるCRSを誘発しない。いくつかの実施形態では、臨床データに基づき、第一の用量の投与は、大部分の対象において重度のCRSを誘発しない。いくつかの実施形態では、第一の用量の投与は、(1)持続性の熱(少なくとも3日間、少なくとも摂氏約38度の発熱)および(2)少なくとも20 mg/dL、または約20 mg/dLのC反応性タンパク質(CRP)の血清レベル、の組み合わせを含むCRSを誘発しない、ならびに/あるいは、二つ以上の昇圧剤の使用を必要とする低血圧、または機械的換気を必要とする呼吸不全を含むCRSを誘発しない。
【0023】
いくつかの実施形態では、第一の用量の投与は、対象におけるグレード3以上の神経毒性を誘発しない。いくつかの実施形態では、臨床データに基づき、第一の用量の投与は、大部分の対象においてグレード3以上の神経毒性を誘発しない。いくつかの実施形態では、神経毒性の臨床的リスクおよび/またはグレード3以上の神経毒性に関連する症状には、混乱、せん妄、表出性失語症、鈍麻、ミオクローヌス、無気力状態、精神状態の変化、痙攣、発作様の活性、発作(場合により脳波図[EEG]により確認される)、高レベルのベータアミロイド(Aβ)、高レベルのグルタミン酸、および高レベルの酸素ラジカル含まれる。
【0024】
いくつかの実施形態では、対象は、第一の用量の投与前に、腫瘍を標的とする治療剤で治療されている。いくつかの態様では、対象は、第一の用量および/または後続用量の投与時点で、前述の治療剤に対して難治性または非反応性である。いくつかの実施形態では、第一の用量の投与後、および前述の後続用量の投与前、または第一の用量の投与前に、本方法は、CRSを示す因子の血清レベル、疾患の症状、および/または、体液もしくは細胞介在性免疫応答などの、対象における宿主抗組換え型受容体(例えば、抗CAR)免疫応答の指標を評価することをさらに含む。いくつかのこのような実施形態では、検出された疾患の症状は、対象の、対象の臓器の、対象の組織の、または対象の体液の、疾患の細胞の総数、フローサイトメトリー、あるいは定量的PCR、固形腫瘍の質量もしくは体積、または、転移の数もしくは程度、による分子検出であるか、またはそれらを含む。
【0025】
いくつかの実施形態では、方法は、後続用量の投与前に疾患の症状が評価されること、および評価の結果に基づいて、対象に投与されるべき細胞の後続用量を決定することを含む。いくつかの実施形態では、評価が、対象が形態的疾患を有すると判断した場合、対象に、第一の用量の同種CAR-T細胞数よりも少ない、よりも多い、またはほぼ同数の同種CAR-T細胞を含有する後続用量を投与する。いくつかの実施形態では、評価が、対照が最小残存疾患を有すると判断した場合、対象に、第一の用量と比較して増加した数の同種CAR-T細胞を含有する後続用量を投与する。いくつかの実施形態では、後続用量は、第一の用量の数とほぼ同数の同種CAR-T細胞を含む。いくつかの実施形態では、後続用量で投与されたキログラム当たりの同種CAR-T細胞の数は、第一の用量で投与されたキログラム当たりの同種CAR-T細胞数よりも少ないか、または同数であるか、またはほぼ同数である。他の実施形態では、後続用量で投与された同種CAR-T細胞の数は、第一の用量で投与された同種CAR-T細胞の数よりも多い。いくつかの実施形態では、後続用量は、第一の用量と比較して、例えば第一の用量の数よりも少なくとも2倍、5倍、または10倍多い、増加した細胞の数を含む。いくつかの実施形態では、後続用量で投与されたキログラム当たりのCAR-T細胞の数は、第一の用量で投与されたキログラム当たりの受容体発現(例えば、CAR発現)細胞の数より少なくとも、2倍または約2倍、あるいは3倍または約3倍多い。
【0026】
いくつかの実施形態では、第一の用量の投与に続いて、および/または後続用量の投与に続いて、第一の用量の同種CAR-T細胞の集団が対象内で増殖する。いくつかの実施形態では、投与直前と比較して、第一の用量および/または後続用量の投与後の血清C反応性タンパク質(CRP)レベルの増加によって増殖が証明される。いくつかの実施形態では、増殖は、例えば、限定されないが、フローサイトメトリーによって評価されるように、PKによって証明される。いくつかの実施形態では、投与直前と比較して、第一の用量および/または後続用量の投与後、qPCRによって測定されるように、血清中のCARコード核酸のレベルが増加することによって増殖が証明される。いくつかの実施形態では、増加は、少なくとも1、2、または3倍である。
【0027】
いくつかの実施形態では、第一の用量の細胞および第二の用量または後続用量の細胞が同じドナーに由来する。いくつかの実施形態では、第一の用量の細胞および第二の用量または後続用量の細胞が異なるドナーに由来する。
【0028】
いくつかの実施形態では、第一および/または後続用量は分割用量ではない。例えば、いくつかの実施形態では、第一の用量の細胞は、第一の用量の細胞を含む単一の医薬組成物で投与され、および/または後続用量の細胞は、後続用量の細胞を含む単一の医薬組成物で投与される。他の実施形態では、第一および/または後続用量は分割用量であり、例えば、ここで、第一の用量の細胞が、3日以内の期間にわたって、第一の用量の細胞を集合的に含む複数の組成物で投与される、および/または、後続用量は分割用量であり、ここで、後続用量の細胞が、3日以内の期間にわたって、後続用量の細胞を集合的に含む複数の組成物で投与される。
【0029】
いくつかの実施形態では、方法は、前もって第一の用量の同種CAR-T細胞を投与された対象に、後続用量の同種CAR-T細胞を投与することを含む。いくつかの実施形態では、後続用量の細胞が、第一の用量の開始後少なくとも約5週間、または約5週間超、および第一の用量の開始後約24週間未満の時点で、投与される。いくつかの実施形態では、後続用量で投与される同種CAR-T細胞の数は、第一の用量と同じである。いくつかの実施形態では、CAR-T細胞はCD19特異的CAR-T細胞(例えば、UCART19)である。
【0030】
いくつかの実施形態では、第一の用量で投与される細胞の数は、約0.5×106 細胞~5×108 細胞の間、約0.75×106 細胞~8×107 細胞の間、または約5×106 細胞~7×106 細胞の間であり、それぞれを含む。いくつかの実施形態では、CD19特異的CAR-T細胞の第一の用量で投与される細胞の数は、約0.5×106 細胞~1×109細胞の間、約1×105細胞~3×108細胞の間、または約6×105細胞~2.4×108細胞の間であり、それぞれを含む。いくつかの実施形態では、UCART19細胞の第一の用量で投与される細胞の数は、約6×105 細胞、約6×106 細胞、約6×107細胞、約8×107 細胞、約1.8×108 細胞、または約2.4×108 細胞である。いくつかの実施形態では、UCART19細胞の第一の用量で投与される細胞の数は、約6×106 細胞である。
【0031】
いくつかの実施形態では、CD19特異的CAR-T細胞の後続用量で投与される細胞の数は、約0.5×106細胞~1×109細胞の間、約1×105細胞~3×108細胞の間、または約6×105細胞~2.4×108細胞の間であり、それぞれを含む。いくつかの実施形態では、UCART19細胞の後続用量で投与される細胞の数は、約6×105細胞、約 6×106細胞、約6×107細胞、約8×107細胞、約1.8×108細胞、または約2.4×108細胞である。いくつかの実施形態では、UCART19細胞の後続用量で投与される細胞の数は、約6×106細胞である。いくつかの実施形態では、UCART19細胞の第一の用量および後続用量で投与される細胞の数は、約6×106細胞である。
【0032】
いくつかの実施形態では、方法は、第一の用量の前および/または後続用量の投与前に、リンパ枯渇レジメンを投与することをさらに含む。いくつかの実施形態では、リンパ枯渇レジメンは、シクロホスファミド、フルダラビン、および/またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、リンパ枯渇レジメンは、シクロホスファミド、フルダラビン、CD52抗体(例えば、配列番号8および/または配列番号10の配列を含む抗体)、および/またはそれらの組合せのうちの一つ以上を含む。いくつかの実施形態では、リンパ枯渇レジメンの投与は、第一の用量の投与前のシクロホスファミドおよびフルダラビンの投与、ならびに第一の用量の投与後のCD-52抗体(例えば、配列番号8および/または配列番号10の配列を含む抗体)の投与を含む。いくつかの実施形態では、リンパ枯渇レジメンの投与は、第一の用量の投与前の、および随意に後続用量の投与前ではない、リンパ枯渇レジメンの投与を含む。いくつかの実施形態では、リンパ枯渇レジメンは、第一の用量の投与の2~10日前の間に投与される。いくつかの実施形態では、リンパ枯渇レジメンは、第二の用量の投与の2~10日前の間に投与される。いくつかの実施形態では、リンパ枯渇レジメンは、第一の用量の投与の2~10日前の間に、および第二の用量の投与の2~14日前の間に投与される。いくつかの実施形態では、リンパ枯渇レジメンは、1、2、3、4、または5日間の過程にわたって投与される。
【0033】
いくつかの実施形態では、リンパ枯渇レジメンは、約90~120mg/m2 のフルダラビン、および約1500 mg/m2 のシクロホスファミドを投与することを含む。いくつかの実施形態では、リンパ枯渇レジメンは、約150mg/m2 のフルダラビン、および約120 mg/m2 のシクロホスファミドを投与することを含む。
【0034】
いくつかの実施形態では、リンパ枯渇レジメンは、約30~150mg/m2の投与量でフルダラビンを、約300~4000mg/m2の投与量でシクロホスファミドを、または約0.3~1 mg/kgの投与量でCD52抗体(例えば、配列番号8および/または配列番号10の配列を含むCD52抗体)を投与することを含む。いくつかの実施形態では、フルダラビンは、約30~150mg/m2の投与量で投与され、シクロホスファミドは、約300~4000mg/m2の投与量で投与され、CD52抗体(例えば、配列番号8および/または配列番号10の配列を含むCD52抗体)は、約10~13 mgの投与量で投与される。いくつかの実施形態では、フルダラビンは、約30mg/m2/日の投与量で投与され、シクロホスファミドは、約300mg/m2/日の投与量で投与され、またはCD52抗体(例えば、配列番号8および/または配列番号10の配列を含むCD52抗体)は、約10~約13 mg/日の投与量で投与される。いくつかの実施形態では、フルダラビンは、約30mg/m2/日の投与量で投与され、シクロホスファミドは、約300mg/m2/日の投与量で投与され、CD52抗体(例えば、配列番号8および/または配列番号10の配列を含むCD52抗体)は、約10~約13 mg/日の投与量で投与される。
【0035】
いくつかの実施形態では、リンパ枯渇レジメンは、フルダラビンおよびシクロホスファミドを投与することを含む。いくつかの実施形態では、リンパ枯渇レジメンは、フルダラビン、シクロホスファミド、および抗CD52薬剤(例えば、配列番号8および/または配列番号10の配列を有するCD52抗体)の投与を含む。いくつかの実施形態では、リンパ枯渇レジメンは、メンサ(ナトリウム-2-メルカプトエタンソルホナート)を投与することをさらに含む。いくつかの実施形態では、リンパ枯渇レジメンは、少なくとも一つのコルチコステロイドを投与することをさらに含む。いくつかの実施形態では、コルチコステロイドは、抗CD52抗体(例えば、配列番号8および/または配列番号10の配列を含む抗体)の投与直前に投与される。いくつかの実施形態では、コルチコステロイドは、1~5mg/kg(例えば、2mg/kg)の用量で投与されたメチルプレドニゾロンである。いくつかの実施形態では、コルチコステロイドは、CAR-T細胞の投与の少なくとも2日前に投与される。いくつかの実施形態では、コルチコステロイドは、CAR-T細胞の投与の少なくとも2日前に投与されない。
【0036】
いくつかの実施形態では、患者は、リンパ枯渇レジメンの前に注入関連の反応のための事前薬物投与を受ける。事前薬物投与は、例えば、抗ヒスタミン薬、またはアセトアミノフェンを含みうる。
【0037】
いくつかの実施形態では、フルダラビン/シクロホスファミド(FC)またはフルダラビン/シクロホスファミド/抗CD52抗体(FCA)のリンパ枯渇レジメンの構成要素が同時に投与され、他の実施形態では、構成要素は連続的に投与される。いくつかの実施形態では、対象は、CAR-T細胞療法の第一の用量の前にFCレジメンを受け、CAR-T細胞療法の再投与前にFCAレジメンを受ける。いくつかの実施形態では、対象は、CAR-T細胞療法の第一の用量の前にFCAレジメンを受け、CAR-T細胞療法の再投与前に第二のFCAレジメンを受ける。いくつかの実施形態では、対象は、CAR-T細胞療法の第一の用量の前にFCレジメンを受け、CAR-T細胞療法の第一の用量の後に、CD52抗体(例えば、配列番号8および/または配列番号10の配列を含む抗体)を受ける。いくつかの実施形態では、対象は、CAR-T細胞療法の第一の用量の前にFCレジメンを受け、CAR-T細胞療法の第一の用量の後にCD52抗体(例えば、配列番号8および/または配列番号10の配列を含む抗体)を受ける、また対象はさらに、CAR-T細胞療法の第二/後続用量の前にFCレジメンを受け、CAR-T細胞療法の第二/後続用量の後にCD52抗体(例えば、配列番号8および/または配列番号10の配列を含む抗体)を受ける。
【0038】
いくつかの実施形態では、本方法は、第一の用量の投与前および/または第二/後続用量の投与前に、疾患を減量させる薬品を投与することをさらに含む。いくつかの実施形態では、方法は、第一の用量の前および/または第二/後続用量の投与前に、化学療法剤を投与することを含む。いくつかの実施形態では、対象は、第一の用量の前に化学療法剤で前もって治療されている。いくつかの実施形態では、化学療法剤は、第一の用量および/または後続用量の前に対象の疾患の負荷を低減するコンディショニング化学療法であるか、またはコンディショニング化学療法を含む。いくつかの実施形態では、化学療法剤の投与は、第一の用量の投与前の、および随意に第二/後続用量の投与前ではない、化学療法剤の投与を含む。いくつかの実施形態では、化学療法剤は、第一の用量の投与の2~10日前の間に投与される。いくつかの実施形態では、化学療法剤は、第二/後続用量の投与の2~10日前の間に投与される。いくつかの実施形態では、化学療法剤は、第一の用量の投与の2~10日前の間に、および第二/後続用量の投与の2~14日前の間に投与される。
【0039】
また、腫瘍または癌などの対象の疾患を治療するための、同種CAR-T細胞および組成物の使用および使用のための細胞および組成物も提供されている。また、同種CAR-T細胞で前もって治療された対象における疾患の治療のための薬物の製造のための、同種CAR-T細胞および組成物の使用および使用のための細胞および組成物が提供される。いくつかの実施形態では、使用または医療用途のための組成物または細胞は、以前の治療の4~24週間後に使用するためのものである。いくつかの実施形態では、CAR-T細胞で前もって治療されている対象における疾患の負荷の低減に十分な量での後続用量の投与のために、使用のための組成物または細胞が処方される。いくつかの実施形態では、CAR-T細胞はCD19特異的CAR-T細胞(例えば、UCART19)である。
【0040】
このような医療用途のいくつかの実施形態では、組成物または細胞は、第一の用量の同種CAR-T細胞を、疾患を有する対象へ投与することを含む使用のためのものである。いくつかの実施形態では、第一の用量は、約1×106の合計細胞、または約6×106の合計細胞、または約1×107の合計細胞を含有する。いくつかの実施形態では、組成物または細胞は、第一の用量の投与の開始後少なくとも約4週間、または約4週間超、および第一の用量の投与の開始後約24週間未満の時点で、同種CAR-T細胞の後続用量を対象に投与することを含む使用のためのものである。
【0041】
いくつかの実施形態では、同種CAR-T細胞で前もって治療された対象における疾患を治療する方法で使用するための、同種CAR-T細胞を提供する。いくつかの実施形態では、細胞は、以前の治療後約4~24週間の間に使用するためのものである。いくつかの実施形態では、同種CAR-T細胞で前もって治療されている対象における疾患の負荷の低減に十分な量での後続用量の投与のために、使用のための細胞が処方される。いくつかの実施形態では、CAR-T細胞はCD19特異的CAR-T細胞(例えば、UCART19)である。
【0042】
使用または医療用途のための任意のこのような組成物または細胞のいくつかの実施形態では、対象は形態的疾患を呈しない、および/または対象は、骨髄中に5%よりも多い芽細胞を呈していない。
【0043】
いくつかの実施形態では、組成物または細胞は、第一の用量の同種CAR-T細胞を、疾患を有する対象へ投与することを含む方法における使用のためのものである。いくつかの実施形態では、第一の用量約6×105 細胞、約6×106 細胞、約6×107細胞、約8×107 細胞、約1.8×108 細胞、または約2.4×108 細胞。いくつかの実施形態では、細胞は、前述の第一の用量の投与の開始後少なくとも約5週間、または約5週間超、および前述の第一の用量の投与の開始後約24週間未満の時点で、同種CAR-T細胞の後続用量を対象に投与することを含む方法における使用のためのものである。
【0044】
対象の疾患の治療のための薬剤の製造のための同種CAR-T細胞の使用が本明細書に提供され、第一および後続用量での対象への投与のために製剤化および/または包装された細胞を含む。いくつかの実施形態では、治療は、第一および後続用量で細胞を対象に投与することを含み、この場合において、第一の用量は約6×105 細胞、約6×106 細胞、約6×107 細胞、約8×107 細胞、約1.8×108 細胞、または約2.4×108 細胞を含む。いくつかの実施形態では、CAR-T細胞はCD19特異的CAR-T細胞(例えば、UCART19)である。
【0045】
いくつかの実施形態では、使用するための細胞は、第一および後続用量で対象に投与するために製剤化および/または放送され、ならびに/あるいは治療は、第一および後続用量で対象に細胞を投与することを含む。いくつかの実施形態では、第一の用量は、約6×105 細胞、約6×106 細胞、約6×107細胞、約8×107 細胞、約1.8×108 細胞、または約2.4×108 細胞を含有する。
【0046】
いくつかの実施形態では、使用は、第一および後続の投与が、細胞を一つ以上の単位用量で投与することを含むことを含み、各単位用量は約6×105細胞、約6×106細胞、約6×107細胞、約8×107細胞、約1.8×108細胞、または約2.4×108細胞を含む。
【0047】
いくつかの実施形態では、細胞または使用には、第一の投与が単回単位用量の投与を含む場合を含む。いくつかの実施形態では、細胞または使用には、後続の投与が二つ以上の単位用量の投与を含む場合を含む。いくつかの実施形態では、細胞または使用には、後続の投与が単回単位用量の投与を含む場合を含む。
【0048】
いくつかの実施形態では、疾患を治療するための細胞の使用が提供され、ここにおいて、疾患は腫瘍または癌である。いくつかの実施形態では、疾患は、例えば、限定されないが、急性および慢性白血病、リンパ腫、多発性骨髄腫、骨髄性悪性腫瘍(例えば、白血病、骨髄異形成症候群、骨髄異形成/骨髄増殖性新生物)、または混合系統悪性腫瘍などのリンパ性悪性腫瘍である。いくつかの実施形態では、急性リンパ芽球性白血病(ALL)の治療に使用するための組成物または細胞を提供する。いくつかの実施形態では、ALLは再発性/難治性ALLである。いくつかの実施形態では、非ホジキンリンパ腫、例えば、再発性または難治性非ホジキンリンパ腫、の治療に使用するための組成物または細胞が提供される。いくつかの実施形態では、組成物または細胞は、再発性または難治性の大細胞型B細胞または濾胞性リンパ腫の治療に使用するためのものである。
【0049】
いくつかの実施形態では、細胞、組成物、または使用は、後続用量が、以前の用量での同種CD19特異的CAR-T細胞とほぼ同数の同種CAR-T細胞の投与のために処方される場合を含む。いくつかの実施形態では、後続用量の細胞を含有する組成物は、第一の用量または以前の用量と比較して、増加した数の同種CAR-T細胞の投与のために処方される。いくつかの実施形態では、細胞、組成物、または使用は、後続用量が、以前の用量での同種CD19特異的CAR-T細胞のように、同種CAR-T細胞の数未満の投与のために処方される場合を含む。
【0050】
また、癌などの疾患を患う患者を治療するための医薬キットも提供され、このキットはCAR-T細胞およびCD52抗体を含む。いくつかの実施形態では、CAR-T細胞は、UCART19 などのCD19特異的CAR-T細胞である。いくつかの実施形態では、CAR-T細胞は、配列番号1のCARを発現する。 いくつかの実施形態では、CD52抗体は、配列番号8および/または配列番号10の配列を含む。 いくつかの実施形態では、キットはCAR-T細胞を含む第一の容器と、CD52抗体を含む第二の容器とを含む。いくつかの実施形態では、第一と第二の容器のうちの少なくとも一つは、可撓性の細胞注入バッグである。いくつかの実施形態では、キットは、CAR-T細胞およびCD52抗体を対象に投与するための指示を含むラベルまたはパッケージインサートをさらに含む。
【0051】
また、方法を実施するための製造物品も提供されている。いくつかの実施形態では、製造物品が複数の容器、例えば、封止可能な容器を含み、それぞれが、対象に投与するための、同種CAR-T細胞の単位用量、包装材料、および/またはラベルまたはパッケージインサートを個別に含む。いくつかの実施形態では、CAR-T細胞はCD19特異的CAR-T細胞(例えば、UCART19)である。
【0052】
いくつかの実施形態では、単位用量は、第一の用量のサイズなど、方法の最低用量で与えられる細胞の量を含む。いくつかの実施形態では、単位用量は、約6×105細胞、約6×106細胞、約6×107細胞、約8×107 細胞、約1.8×108 細胞、または約2.4×108細胞を含む。
【0053】
いくつかの実施形態では、ラベルまたはパッケージインサートは、例えば、第一用量の投与において、例えば1単位用量、そして次に一つまたは複数の単位用量を含む後続用量の投与というような、このような特定数の単位用量を投与することにより、対象に複数の単位用量を投与するための指示を含む。いくつかの実施形態では、指示は第一の投与の実施を指定し、前述の第一の投与は、前述の単位用量のうちの一つを対象に送達して、後続投与を実施することを含み、前述の後続投与は、対象に一つまたは複数の前述の単位用量を投与することを含む。いくつかの実施形態では、後続の投与が、前述の第一の投与後約5~約24週間の間で実施されることを指定する。いくつかの実施形態では、容器は可撓性の細胞注入バッグであるか、またはそれを含む。いくつかの実施形態では、方法は同種投与のためのものである。いくつかの実施形態では、ラベルおよび/または包装材料がさらに、対象に特有の識別子を含み、細胞が対象由来のものであり、および/または特に対象に投与されるべきであることを示す。いくつかの実施形態では、CAR-T細胞はCD19特異的CAR-T細胞(例えば、UCART19)である。
【0054】
また、(a)末梢血単核細胞 (PBMC)を健康なドナーから単離すること;(b)PBMC中のT細胞を活性化すること; (c) 活性化されたT細胞をレンチウイルスベクターで形質導入することであって、ここにおいてレンチウイルスベクターは関心対象のCARを発現する自己不活性化組み換え型ベクターである、形質導入すること;(d)T細胞のサブセットでTCRαβおよびCD-52遺伝子発現を中断させること;(e)T細胞の集団を増殖させること;および(f)TCRαβ陰性細胞に対して、T細胞の集団を濃縮すること;これらにより、「既製の」同種キメラ抗原受容体 (CAR)-T細胞(CAR-T細胞)の集団を生成すること、を含む関心対象標的に向けられた同種キメラ抗原受容体(CAR)-T細胞 (CAR-T細胞)の集団を生成する方法も提供する。いくつかの実施形態では、CAR-T細胞は、同種CD19CAR/RQR8+_TCRαβ-_T細胞を含む。
【0055】
また、 難治性および/または再発性非ホジキンリンパ腫を持つ対象を治療する方法で使用するための、抗ヒトCD19 4-1BB/CD3ゼータ CARを含む同種キメラ抗原受容体(CAR)-T細胞(CAR-T 細胞)も提供され、方法は、CAR-T細胞の少なくとも一用量を対象に投与することを含み、ここにおいて、少なくとも一用量は、約20x106細胞/用量~約360x106 細胞/用量である。
【0056】
また、下記を含む治療方法における使用のためのキメラ抗原受容体(CAR)-T細胞(CAR-T細胞)も提供される: (a)CAR-T細胞の第一の用量を対象に投与すること、および(b)(a)における前述の投与開始後少なくとも約28日、または約28日超、および前述の投与開始後約200日未満の時点で、CAR-T細胞の後続用量を対象に投与すること。
【0057】
また、同種CAR-T細胞の第一の用量を前もって投与された対象に、同種CAR-T細胞の後続用量を投与することを含む治療方法における使用のための、同種キメラ抗原受容体(CAR)-T細胞も提供され、ここにおいて、細胞の後続用量を、第一の用量の開始後少なくとも約5週間または約5週間超、および第一の用量の開始後約24週間未満の時点で、投与する。随意に、投与の時点では、対象は、CAR-T細胞に特異的な検出可能な適応宿主免疫応答を示さない。
【0058】
また、同種キメラ抗原受容体(CAR)-T細胞の後続用量を対象に投与することを含む治療方法で使用するための、同種キメラ抗原受容体(CAR)-T細胞も提供され、ここにおいて、前述の投与前に、対象は、対象において臨床的利益を示すのに十分な量でCAR-T細胞の以前の用量を受けており、そして投与時に、対象はCAR-T細胞に対して特異的な検出可能な適応宿主免疫応答を示さず、および/または前述の以前の用量と後続用量との間の時間は、約5週間を超え約24週間未満である。
【0059】
また、難治性および/または再発性CD19+B細胞性急性リンパ芽球性白血病を有する成人対象を治療する方法に使用するための抗ヒトCD19 4-1BB/CD3ゼータ CARを含む同種キメラ抗原受容体(CAR)-T 細胞(CAR-T細胞)も提供され、ここにおいて、前記方法は、CAR-T細胞の少なくとも一用量を対象に投与することを含み、ここにおいて、少なくとも一用量は、約6x105細胞/用量、約6x106細胞/用量、約6~8x107細胞/用量、および約1.8~2.4x108細胞/用量からなる群から選択される。
【0060】
また、抗ヒトCD19 4-1BB/CD3ゼータ CARを含むCAR-T細胞の少なくとも一用量を対象に投与することを含み、ここにおいて少なくとも一用量は、約2~8x107細胞/用量である、難治性および/または再発性CD19+B細胞性急性リンパ芽球性白血病を持つ小児対象を治療する方法で使用するための、抗ヒトCD19 4-1BB/CD3ゼータ CARを含む同種キメラ抗原受容体(CAR)-T細胞(CAR-T 細胞)も提供される。
【0061】
また、CAR-T細胞で前もって治療された対象の疾患の治療に使用するための同種キメラ抗原受容体(CAR)-T細胞も提供されており、ここにおいて、細胞は、以前の治療後約5~24週間の間に使用されるためのものであり、および細胞は、CAR-T細胞で前もって治療された対象の疾患の改善に十分な量の後続用量の投与のために処方される。
【0062】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される治療方法は、CD52+細胞(例えば、配列番号8および配列番号10を含む抗体)の枯渇のための抗体で治療されていた対象、または前述の治療方法の一部として前述の抗体で治療される対象に適用される。これらの治療方法は、CD52が欠損しているCAR-T細胞(例えば、UCART19)の使用を含みうる。
【0063】
また、関心対象標的に向けられた同種キメラ抗原受容体(CAR)-T細胞(CAR-T細胞)の集団を生成する方法も提供され、この方法は、
(a)健康なドナーからの単離された末梢血単核細胞(PBMC)を提供することと、
(b)PBMC内のT細胞を活性化することと、
(c)活性化されたT細胞をレンチウイルスベクターで形質導入することであって、ここにおいて、レンチウイルスベクターが関心対象のCARを発現する自己不活性化組み換え型ベクターである、形質導入することと、
(d)T細胞のサブセットにおけるTCRαβおよびCD-52遺伝子発現を中断することと、
(e)T細胞の集団を増殖させることと、
(f)TCRαβ陰性細胞に対してT細胞の集団を濃縮することと、を含み、
それによって、同種キメラ抗原受容体(CAR)-T細胞(CAR-T細胞)の集団を生成する。
【図面の簡単な説明】
【0064】
図1図1 は、同種CAR-T細胞治療のための複数投与レジメンに対する可能性のあるステップを示す例示的概略図を示す。
図2A図2Aは、第二のUCART19注入を受けた2人の患者からの運動データを示す(再投与研究)。
図2B図2Bは、第二のUCART19注入を受けた2人の患者からの運動データを示す(再投与研究)。
図3A図3A は、同種CAR-T細胞治療のための投与レジメンのステップを示す例示的概略図を示す。
図3B図3B は、同種CAR-T細胞治療のための投与レジメンのステップを示す例示的概略図を示す。
図4A図4Aは、同種CAR-T細胞製造の例示的な流れ図を示す。
図4B図4Bは、同種CAR-T細胞製造の例示的な流れ図を示す
図5図5 は、例示的な操作された同種抗CD19CAR T細胞生成物(CD19CAR/RQR8+_TCRαβ-_T細胞)を示す。
図6A図6Aは、CD19+再発性/難治性B細胞性急性リンパ芽球性白血病を有する成人患者における、同種抗CD19CAR-T細胞生成物(UCART19)の使用のための研究デザインを示す。
図6B図6Bは、CD19+再発性/難治性B細胞性急性リンパ芽球性白血病を有する成人患者における、同種抗CD19CAR-T細胞生成物(UCART19)の使用のための研究デザインを示す。
図7A図7A は、CD19+再発性/難治性B細胞性急性リンパ芽球性白血病を有する成人患者における、同種抗CD19CAR-T細胞生成物(UCART19)の使用の開始後の研究状態を示す。
図7B図7B は、CD19+再発性/難治性B細胞性急性リンパ芽球性白血病を有する成人患者における、応答、寛解持続期間、およびUCART19の再投与を示す。
図8A図8Aは、CD19+再発性/難治性B細胞性急性リンパ芽球性白血病を有する成人患者のフローサイトメトリーPKプロファイルおよびUCART19動態を示す。
図8B図8B は、CD19+再発性/難治性B細胞性急性リンパ芽球性白血病を有する成人患者のフローサイトメトリーPKプロファイルおよびUCART19動態を示す。
図9図9 は、CD19+再発性/難治性B細胞性急性リンパ芽球性白血病を有するハイリスクな小児患者における、同種抗CD19CAR-T細胞生成物(UCART19)の使用のための研究デザインを示す。
図10図10は、CD19+再発性/難治性B細胞性急性リンパ芽球性白血病を有するハイリスクな小児患者における、同種抗CD19CAR-T細胞生成物(UCART19)の使用の開始後の研究状態を示す。
図11図11は、CD19+再発性/難治性B細胞性急性リンパ芽球性白血病を有するハイリスクな小児患者におけるUCART19の応答、および寛解持続期間(抗白血病活性)を示す。
図12図12は、CD19+再発性/難治性B細胞性急性リンパ芽球性白血病を有するハイリスクな小児患者におけるUCART19の使用後の細胞動態を示す。
図13A図13Aは、CD19+再発性/難治性B細胞性急性リンパ芽球性白血病を有するハイリスクな小児患者におけるUCART19の使用後の血液中のキメリズムデータを示す。
図13B図13Bは、CD19+再発性/難治性B細胞性急性リンパ芽球性白血病を有するハイリスクな小児患者におけるUCART19の使用後の血液中のキメリズムデータを示す。
図13C図13Cは、CD19+再発性/難治性B細胞性急性リンパ芽球性白血病を有するハイリスクな小児患者におけるUCART19の使用後の血液中のキメリズムデータを示す。
図14図14は、実施例3に記載されるように、患者#18の再投与に対する応答を示す。
【発明を実施するための形態】
【0065】
一般的な技術
本開示に記載される方法および組成物の実施は、別段の指示がない限り、当該技術分野の技術範囲内にある分子生物学(組換え技術を含む)、微生物学、細胞生物学、生化学および免疫学の従来的技術を一般的に用いるものである。こうした技術は、Molecular Cloning:A Laboratory Manual、second edition (Sambrook et al.、1989) Cold Spring Harbor Press; Oligonucleotide Synthesis (M.J. Gait、ed.、1984); Methods in Molecular Biology、Humana Press; Cell Biology: A Laboratory Notebook (J.E. Cellis、ed.、1998) Academic Press; Animal Cell Culture (R.I. Freshney、ed.、1987); Introduction to Cell and Tissue Culture (J.P. Mather and P.E. Roberts、1998) Plenum Press; Cell and Tissue Culture: Laboratory Procedures (A. Doyle、J.B. Griffiths、and D.G. Newell、eds.、1993~1998) J. Wiley and Sons; Methods in Enzymology (Academic Press、Inc.); Handbook of Experimental Immunology(D.M. Weir and C.C. Blackwell、 eds.); Gene Transfer Vectors for Mammalian Cells (J.M. Miller and M.P. Calos、 eds.、 1987); Current Protocols in Molecular Biology (F.M. Ausubel et al.、 eds.、 1987); PCR: The Polymerase Chain Reaction、 (Mullis et al.、 eds.、 1994); Current Protocols in Immunology (J.E. Coligan et al.、 eds.、 1991); Short Protocols in Molecular Biology (Wiley and Sons、 1999); Immunobiology (C.A. Janeway and P. Travers、 1997); Antibodies (P. Finch、 1997); Antibodies: a practical approach (D. Catty.、 ed.、 IRL Press、 1988~1989); Monoclonal antibodies: a practical approach (P. Shepherd and C. Dean、 eds.、 Oxford University Press、 2000); Using antibodies: a laboratory manual (E. Harlow and D. Lane (Cold Spring Harbor Laboratory Press、 1999); The Antibodies (M. Zanetti and J.D. Capra、 eds.、 Harwood Academic Publishers、 1995)などの文献で完全に説明されている。
【0066】
定義
本明細書で使用される場合、「同種」とは、患者の治療に使用される細胞または細胞集団は、前述の患者が起源ではなく、ドナーが起源で、ただしヒト白血球抗原(HLA)適合ドナーが起源ではないことを意味する。
【0067】
本明細書で使用される場合、「自家移植性」とは、患者の治療に使用される細胞、細胞株、または細胞集団が、前述の患者が起源であるか、またはヒト白血球抗原(HLA)適合ドナーが起源であることを意味する。
【0068】
本明細書で使用される場合、「免疫細胞」とは、先天的および/または適応性免疫応答の開始および/または実施に機能的に関与する造血系起源の細胞を指す。
【0069】
本明細書で使用される場合、「キメラ抗原受容体」または代替的に「CAR」とは、免疫エフェクター細胞において、標的と係合すると、標的および細胞内信号生成に対する特異性を細胞に提供する分子を指す。
【0070】
本明細書で使用される場合、「投与レジメン」という用語は、例えば、CAR-T細胞を用いた治療など、患者に投与される治療の総過程を指す。
【0071】
本明細書で使用される場合、「治療」とは、有益または望ましい臨床結果を得るためのアプローチである。本開示の目的のために、有益または望ましい臨床結果には、以下のうちの一つ以上が含まれるが、これらに限定されない:腫瘍細胞または癌細胞の増殖の減少(または破壊)、腫瘍細胞の転移の阻害、腫瘍のサイズの縮小または減少、疾患(例えば、癌)の寛解、疾患(例えば、癌)から生じる症状の減少、疾患(例えば、癌)を患う者の生活の質の向上、疾患(例えば、癌)を治療するために必要な他の薬物の用量の減少、疾患(例えば、癌)の進行の遅滞、疾患(例えば、癌)の治癒、および/または疾患(例えば、癌)を持つ患者の生存の延長。「発生率の減少」とは、この疾患に一般的に使用される他の薬剤および/または療法の必要性および/または量(例えば曝露する)の減少を含み得る重症度の減少のいずれかを意味する。
【0072】
「改善する」または「改善する」とは、治療を投与しないことと比較して、一つ以上の症状の軽減または改善を意味する。「改善する」には、症状の持続期間の短縮または減少も含まれる。
【0073】
本明細書で使用される場合、薬剤、化合物、または医薬組成物の「有効投与量」または「有効量」は、任意の一つ以上の有益または所望の結果を効果するのに十分な量である。予防的使用のために、有益または望ましい結果には、疾患の発生中に提示される疾患、その合併症、およびの中間的な病理学的表現型の、生化学的、組織学的、および/または行動的症状を含む、リスクの除去または低減、重症度の低減、または疾患の発病を遅らせることが含まれる。有効な投与量は、1回以上の投与で投与することができる。本開示の目的のために、薬剤、CAR-T細胞、または医薬組成物の有効な投与量は、直接的または間接的に予防的または治療的治療を達成するのに十分な量である。臨床状況で理解されるように、薬剤、化合物、または医薬組成物の有効な投与量は、別の薬剤、化合物、または医薬組成物と併せて達成されてもよく、または達成されなくてもよい。したがって、「有効な投与量」は、一つ以上の治療薬を投与する状況で考慮される場合があり、一つ以上の他の薬剤と併せて、望ましい結果が達成される可能性がある場合、または達成される場合、単一剤は有効量で与えられると考えられうる。
【0074】
「個体」または「対象」は、哺乳類、例えばヒトである。哺乳類にはまた、家畜、スポーツ動物、ペット、霊長類、ウマ、イヌ、ネコ、マウスおよびラットが含まれるが、これらに限定されない。
【0075】
本明細書で使用される場合、「難治性」とは、治療に応答しない疾患(例えば、癌)を指す。実施形態において、治療前または治療開始時に難治性癌は、治療に対し耐性であり得る。他の実施形態では、治療中に難治性癌が耐性になる可能性がある。難治性癌はまた、本明細書では耐性癌と称される。
【0076】
本明細書で使用される場合、「再発性」とは、改善の期間の後、例えば療法、例えば癌療法の前治療の後、疾患(例えば癌)、または例えば癌などの疾患の徴候および症状の戻りを指す。
【0077】
本明細書で使用される場合、「最小残存疾患」または「MRD」は、様々な臨床状況で検出された低レベル疾患を指す。いくつかの実施形態では、MRDは、寛解後の分子的に定義された再発を指す。
【0078】
本明細書で使用される場合、「ベクター」とは、宿主細胞における一つ以上の関心対象遺伝子または配列を送達、および発現する能力を有する構築物を意味する。ベクターの例としては、ウイルスベクター、ネイキッドDNAまたはRNA発現ベクター、プラスミド、コスミドまたはファージベクター、カチオン性縮合剤に関連するDNAまたはRNA発現ベクター、リポソームに封入されたDNAまたはRNA発現ベクター、およびプロデューサー細胞などの特定の真核細胞が挙げられるが、これらに限定されない。
【0079】
本明細書で使用される場合、「発現制御配列」は、核酸の転写を指示する核酸配列を意味する。発現制御配列は、構成的プロモーターまたは誘導性プロモーター、またはエンハンサーなどのプロモーターであり得る。発現制御配列は、転写される核酸配列に操作可能に連結される。
【0080】
「抗体」は、少なくとも一つの抗原認識部位を介して、イムノグロブリン分子の可変領域に位置する炭水化物、ポリヌクレオチド、脂質、ポリペプチドなどの標的への特異的結合ができる免疫グロブリン分子である。本明細書で使用される場合、「抗体」という用語は、インタクトなポリクローナル抗体またはモノクローナル抗体だけでなく、任意の抗原結合断片(すなわち、「抗原結合部分」)またはその単鎖、抗体を含む融合タンパク質、および例えば、限定されないが、scFv、単一ドメイン抗体(例えば、サメ抗体、およびラクダ類抗体)、マキシボディー、ミニボディー、細胞内抗体、二重特異性抗体、三重特異性抗体、四重特異性抗体、v-NAR、およびbis-scFvなどを含む抗原認識部位を含むイムノグロブリン分子の任意の他の修飾された構成を包含する(例えば、Hollinger and Hudson、2005、Nature Biotechnology 23(9): 1126~1136を参照)。抗体は、IgG、IgA、またはIgM(またはそのサブクラス)などの任意のクラスの抗体を含み、抗体は任意の特定のクラスである必要はない。その重鎖の定常領域の抗体アミノ酸配列に応じて、イムノグロブリンを異なるクラスに割り当てることができる。イムノグロブリンには五つの主なクラスがある。IgA、IgD、IgE、IgG、およびIgM、ならびにこれらのいくつかは、さらにサブクラス(アイソタイプ)、例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1、およびIgA2に分割されてもよい。イムノグロブリンの異なるクラスに対応する重鎖定常領域は、それぞれアルファ、デルタ、イプシロン、ガンマ、およびミューと呼ばれる。イムノグロブリンの異なるクラスのサブユニット構造および三次元構成は、周知である。
【0081】
本明細書で使用される場合、抗体の「抗原結合部分」という用語は、特異的に所与の抗原(例えば、腫瘍抗原)に結合する能力を保持するインタクトな抗体の一つ以上の断片を指す。抗体の抗原結合機能は、インタクトな抗体の断片によって実施され得る。抗体の「抗原結合部分」という用語内に包含される結合断片の例には、Fab、Fab'、F(ab')2 、VHおよびCH1ドメインからなるFd断片、抗体の単一アームのVLおよびVHドメインから成るFv断片、単一ドメイン抗体(dAb)断片(Ward et al.、1989、Nature 341:544~546)、および単離された相補性決定領域(CDR)を含む。
【0082】
「scFv」という用語は、軽鎖の可変領域を含む少なくとも一つの抗体断片と、重鎖の可変領域を含む少なくとも一つの抗体断片とを含み、ここにおいて、軽鎖可変領域および重鎖可変領域は、例えば合成リンカーを介して、例えば短い可動性リンカーを介して、近接して連結され、かつ単鎖ポリペプチドとして発現することができ、ここにおいて、scFvは、それが由来するインタクトな抗体の特異性を保持する。指定がない限り、本明細書で使用される場合、scFvは、例えばポリペプチドのN末端およびC末端に対して、VL-リンカー-VHを含みうるか、またはVH-リンカー-VLを含みうるかのどちらかの順序でVLおよびVH可変領域を有してもよい。
【0083】
「モノクローナル抗体」(Mab)という用語は、例えば、任意の真核生物、原核細胞、又はファージクローンを含む単一コピー又はクローン由来であり、それが産生される方法ではない抗体を指す。いくつかの実施形態では、本開示のモノクローナル抗体は、均質または実質的に均質な集団に存在する。
【0084】
「ヒト化した」抗体とは、非ヒトイムノグロブリン由来の最小配列を含有する、キメライムノグロブリン、イムノグロブリン鎖、またはその断片(例えば、Fv、Fab、Fab'、F(ab')2、または抗体の他の抗原結合部分配列など)である非ヒト(例えば、マウス)抗体の形態を指す。一般的に、ヒト化抗体は、受容体の相補的決定領域(CDR)からの残基が、所望の特異性、親和性、及び容量を有するマウス、ラット、又はウサギなどの非ヒト種(ドナー抗体)のCDRからの残基によって置換されるヒトイムノグロブリン(受容体抗体)である。
【0085】
本明細書で使用される場合、「ヒト抗体」とは、ヒトによって生成され得る抗体のアミノ酸配列に対応するアミノ酸配列を有する抗体、及び/又は当業者に公知のヒト抗体、もしくは本明細書に開示されたヒト抗体を作製するための技術のいずれかを使用して作製された抗体を意味する。ヒト抗体のこの定義は、少なくとも一つのヒト重鎖ポリペプチドまたは少なくとも一つのヒト軽鎖ポリペプチドを含む抗体を含む。こうした一例は、マウス軽鎖およびヒト重鎖ポリペプチドを含む抗体である。ヒト抗体は、当該技術分野で知られている様々な技術を使用して生成することができる。一実施形態では、ヒト抗体は、ファージライブラリーから選択され、ここにおいてファージライブラリーはヒト抗体を発現する(Vaughan et al.、1996、Nature Biotechnology、14:309~314; Sheets et al.、1998、Proc. Natl. Acad. Sci. (USA) 95:6157~6162; Hoogenboom and Winter、1991、J. Mol. Biol.、227:381; Marks et al.、1991、J. Mol. Biol.、222:581)。ヒト抗体は、ヒトイムノグロブリン座位が内因性座位の代わりにトランスジェニック導入された動物の免疫化によっても作製されうる、例えば、内因性イムノグロブリン遺伝子が部分的または完全に不活性化されたマウス。このアプローチは、米国特許第5,545,807号、第5,545,806号、第5,569,825号、第5,625,126号、第5,633,425号、及び第5,661,016号に記載されている。あるいは、ヒト抗体は、標的抗原に対して指向される抗体を生成するヒトBリンパ球を不死化することによって調製されてもよい(こうしたBリンパ球は対象から回収されてもよく、またはインビトロで免疫化されていてもよい)。例えば、Cole et al. Monoclonal Antibodies and Cancer Therapy、Alan R. Liss、p. 77、1985; Boerner et al.、1991、J. Immunol.、147 (1):86~95および、U.S. Patent No. 5,750,373を参照。
【0086】
抗体の「可変領域」とは、抗体軽鎖の可変領域、または抗体重鎖の可変領域を単独で、あるいは組み合わせで指す。当技術分野で公知のように、重鎖および軽鎖の可変領域はそれぞれ、抗体の抗原結合部位の形成に貢献する、超可変領域としても知られる三つの相補性決定領域(CDR)によって接続された四つのフレームワーク領域(FR)からなる。対象可変領域のバリアントが望ましい場合、特にCDR領域外のアミノ酸残基における置換で(すなわちフレームワーク領域で)、適切なアミノ酸置換、しばしば、保存的アミノ酸置換は、対象可変領域を、対象可変領域と同じ標準類のCDR1配列およびCDR2配列を含む他の抗体の可変領域と比較することによって、特定することができる(Chothia and Lesk、J Mol Biol 196(4): 901~917、1987)。FRを対象CDRに隣接するように選択する場合、例えば、抗体のヒト化または最適化する場合、同じ標準類におけるCDR1配列およびCDR2配列を含む抗体からのFRが好ましい。
【0087】
可変ドメインの「CDR」は、Kabat、Chothiaの定義、Kabat及びChothiaの両方の蓄積、AbM定義、接触定義、及び/もしくはコンフォメーション定義、又は当分野において公知のCDR決定の任意の方法に従って同定される可変領域内のアミノ酸残基である。
【0088】
本明細書で使用される場合、「医薬的に許容可能な担体」または「医薬受容可能な賦形剤」という用語は、活性成分と組み合わせられたとき、生物活性を保持するための成分を有するとともに、対象の免疫系と非反応性である任意の材料を含む。例としては、限定されないが、リン酸緩衝食塩水溶液、水、油/水乳濁液などの乳濁液、及び種々のタイプの湿潤剤などの標準的な医薬担体が挙げられる。エアロゾルまたは非経口投与のための好ましい希釈剤は、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)または生理食塩水(0.9%)である。こうした担体を含む組成物は、公知の従来的方法により処方されている(例えば、Remington's Pharmaceutical Sciences、18th edition、A. Gennaro、ed.、Mack Publishing Co.、Easton、PA、1990; and Remington、The Science and Practice of Pharmacy 21st Ed. Mack Publishing、2005を参照)。
【0089】
本明細書の「約」の値またはパラメータは、当該値またはパラメータを本質的に指向する実施形態を含む(および記述する)。例えば、「約 X」に言及する説明は、「X」の説明を含み、数値範囲は範囲を定義する数を含む。
【0090】
用語「含む」を用いて本明細書に記載されているいかなる実施形態においても、「からなる」及び/または「から本質的になる」という用語で記載された他の類似の実施形態もまた提供されることが理解される。
【0091】
本開示の態様または実施形態がマーカッシュグループまたは他の代替のグループ化の用語で説明されている場合、本開示は、全体として列挙されたグループ全体だけでなく、グループ個々の各構成要素、および主要グループの可能な全てのサブグループ、グループの構成要素の一つ以上が欠けた主要グループも包含する。本開示はまた、特許請求の範囲に記載された任意のグループの構成要素のうちの一つ以上の明示的除外も想定する。
【0092】
範囲:本開示全体を通して、本開示の様々な態様を範囲形式で提示することができる。範囲形式の記述は、単に便宜および簡潔性を目的としており、本開示の範囲に関する柔軟性のない限界として解釈されるべきではないことが理解されるべきである。したがって、範囲の説明は、可能な限りすべての部分範囲だけでなく、その範囲内の個別の数値も特に開示したと考えられるべきである。例えば、1~6などの範囲の記述は、1~3、1~4、1~5、2~4、2~6、3~6など、特に開示した部分範囲、ならびに、例えば、1、2、2.7、3、4、5、5.3、および6などのその範囲内の個別の数値を持つと考えられるべきである。別の例として、95~99%の同一性などの範囲は、95%、96%、97%、98%または99%の同一性を有する何かを含み、96~99%、96~98%、96~97%、97~99%、97~98%および98~99%の同一性などの部分範囲を含む。これは、範囲の幅に関係なく適用される。
【0093】
本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、他に定義されない限り、本開示が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。矛盾がある場合、定義を含む本明細書が制御する。本明細書および特許請求の範囲を通して、「含む(comprise)」または「含む(comprises)」などの変形は、述べられた整数または整数の群の包含を意味するが、他の任意の整数または群の除外は意味しないことが理解される。文脈によって別途要求されない限り、単数の用語は複数の用語を含むものとし、複数の用語は単数形を含むものとする。
【0094】
本明細書に記載の方法および材料と類似または同等の方法および材料を、本明細書に記載の方法および組成物の実施または試験に使用することもできるが、例示的な方法および材料が本明細書に記載される。材料、方法、および例は例示的のみであり、限定することを意図していない。
【0095】
CAR-T細胞での治療
様々な癌および腫瘍を含む疾患の治療に対する細胞療法で使用するための方法、組成物、および製造物品が本明細書に提供される。方法は、疾患に関連する抗原に特異的に結合し、このような抗原への結合に基づいたかかる分子に対する免疫応答などの応答を生じさせる同種キメラ抗原受容体(CAR)-T細胞を投与することを含む。
【0096】
方法は、例えば、血液学的新生物(WHO分類、2008)および固形腫瘍の治療に使用されうる。血液学的新生物としては、例えば、リンパ性悪性腫瘍(急性および慢性白血病、リンパ腫、多発性骨髄腫)、骨髄性悪性腫瘍(白血腫、骨髄異形成症候群、骨髄異形成または骨髄増殖性新生物)、および混合系統悪性腫瘍が挙げられる。固形腫瘍には、例えば、治療で使用されるCAR-T細胞によって標的化された抗原を発現する固形腫瘍が含まれる。
【0097】
方法は、年齢の全てのサブセットを含む、成人および小児集団の治療に適しており、第一方針またはその後の方針を含む、あらゆる治療方針として使用することができる。
【0098】
いくつかの実施形態では、疾患は腫瘍である。いくつかの実施形態では、それは、癌、悪性腫瘍、新生物、またはその他の増殖性疾患もしくは障害、例えば白血病、リンパ腫、例えば慢性リンパ性白血病(CLL)、ALL (例えば、再発性/難治性ALL)、非ホジキンリンパ腫、急性骨髄性白血病、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫 (DLBCL)、多発性骨髄腫、難治性濾胞性リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、緩慢性B細胞リンパ腫、B細胞悪性疾患、結腸癌、肺癌(例えば、小細胞および非小細胞肺癌)、肝臓癌、乳癌、前立腺癌、卵巣癌、皮膚癌、メラノーマ、骨癌、および脳癌、卵巣癌、上皮癌、腎細胞癌、膵臓腺癌、ホジキンリンパ腫、子宮頸癌、大腸癌、グリア芽腫、神経芽細胞腫、ユーイング肉腫、髄芽腫、骨肉腫、滑膜肉腫、頭頚部扁平上皮癌(HNSCC)、および/または中皮腫である。いくつかの実施形態では、疾患は白血病またはリンパ腫である。いくつかの実施形態では、疾患は急性リンパ芽球性白血病である。いくつかの実施形態では、疾患は、再発性または難治性急性リンパ芽球性白血病である。いくつかの実施形態では、疾患は非ホジキンリンパ腫(NHL)である。
【0099】
いくつかの実施形態では、疾患は急性リンパ芽球性白血病(ALL)である。いくつかの実施形態では、疾患は小児急性リンパ芽球性白血病(ALL)である。
【0100】
いくつかの実施形態では、疾患は、B細胞性急性リンパ芽球性白血病(B-ALL)などの進行性リンパ性悪性腫瘍である。いくつかの実施形態では、疾患は難治性B-ALL、例えば成人難治性B-ALLである。いくつかの実施形態では、疾患は再発性B-ALL、例えば成人再発性B-ALLである。
【0101】
いくつかの実施形態では、疾患は、大細胞型B細胞及び/又は濾胞性リンパ腫などの非ホジキンリンパ腫である。大細胞型B細胞リンパ腫は、リンパ腫分類の2018年WHO改訂に従った組織学的、または細胞学的方法を使用して診断されるような大細胞型B細胞リンパ腫であり得る:びまん性大細胞型B細胞リンパ腫 (DLBCL)‐別途規定されない(NOS)(胚中心B細胞 [GCB]、および非GCB)、DLBCLのあらゆるグレードの濾胞性リンパ腫との共存、血管内大細胞型B細胞リンパ腫、慢性炎症に関連するDLBCL、未分化リンパ腫キナーゼ陽性(ALK+)DLBCL、エプスタイン・バーウイルス陽性 (EBV+)DLBCL-NOS、T細胞/組織球豊富型大細胞型B細胞リンパ腫、IRF4/MUM1再配列を有するDLBCL、MYCおよびBCL2および/またはBCL6の転移を有するハイグレードB細胞リンパ腫(ダブル/トリプルヒット)、原発性皮膚DLBCL-下肢型、濾胞性リンパ腫のDLBCLへの形質転換、縦隔原発 B 細胞リンパ腫(PMBCL)、または濾胞性リンパ腫。治療に対して考えられるパラメータは、例えば、CAR-Tを投与された、疾患評価の動態パラメータ(疾患標的化に適合された)、および対象の健康状態を含む。
【0102】
治療方法は、リンパ枯渇(任意で、事前薬物投与を用いて)、治療および任意の再治療を含むいくつかの段階を含みうる。
【0103】
リンパ枯渇
いくつかの実施形態では、CAR-T細胞の第一および/または後続用量の前に、リンパ枯渇(LD)レジメンが対象に施される。いくつかの実施形態では、CAR-T細胞の第一および/または後続用量と同時に、リンパ枯渇レジメンが対象に施される。いくつかの実施形態では、CAR-T細胞の第一および/または後続用量の前、間、および/または後に、リンパ枯渇レジメンが施される。
【0104】
適切なLDレジメンは、本明細書に記載される、および/または当該技術分野で既知である。いくつかの実施形態では、CAR-T注入の前に、CAR-T注入と同時に、またはCAR-T注入の後でLDを開始する。LD 投与の用量およびタイミングは、CAR-Tの第一または後続用量に関して適合されうる。 いくつかの実施形態では、LDの持続期間は約3~5日である。いくつかの実施形態では、LDの終わりとCAR-T投与の開始の間の時間窓は、約2日~約2週間の間である。いくつかの実施形態では、LDは、CAR-T細胞の用量の投与の約15~7日前に開始される。いくつかの実施形態では、LDは、CAR-T細胞の用量の投与の約19~5日前に開始される。いくつかの実施形態では、LDは、CAR-T細胞の用量の投与の約3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20日前に、開始される。いくつかの実施形態では、LDレジメンの持続期間は、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、または14日である。いくつかの実施形態では、CAR-T細胞の用量は、LD終了の約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、または14日後に、投与される。
【0105】
いくつかの実施形態では、LDレジメンは、一つ以上の化学療法薬剤の投与を含む。
【0106】
いくつかの実施形態では、LDレジメンは、分化(CD)52抗原のヒトクラスターを認識する抗体、ほとんどのリンパ細胞上で発現された細胞表面糖タンパク質、などの抗CD52抗体の投与を含む。本明細書で使用される場合、CD52モノクローナル抗体は、21~28kD細胞表面糖タンパク質CD52に対して指向されるものである。CD52は豊富な分子であり(細胞当たり約5×105 抗体結合部位)、全てのヒト末梢血リンパ球および単球/マクロファージの少なくとも95%に存在する。本明細書に記載される方法および組成物における使用のための例示的なCD52抗体としては、例えば、アレムツズマブが挙げられる。いくつかの実施形態では、CD52抗体は、以下の表1に示すとおり、HCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3配列を含む。
【0107】
いくつかの実施形態では、CD52抗体は、以下の表2に示す配列を含むVH及び/またはVLを含む。

【0108】
いくつかの実施形態では、CD52抗体は、配列番号8を有する、または、配列番号8と、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%の配列同一性を有する配列を有するVHを含む。 いくつかの実施形態では、CD52抗体は、配列番号10を有する、または、配列番号10と、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%の配列同一性を有する配列を有するVLを含む。 いくつかの実施形態では、CD52抗体は、配列番号8の配列を有するVH、および配列番号10の配列を有するVLを含む。 いくつかの実施形態では、CD52抗体は、配列番号9のDNA配列によってコードされるVH、および配列番号11のDNA配列によってコードされるVLを含む。
【0109】
いくつかの実施形態では、抗CD52抗体は、組換えヒト化IgG1カッパモノクローナル抗体(mAb)である。いくつかの実施形態では、抗CD52抗体はアレムツズマブである。アレムツズマブは、21~28kD細胞表面糖タンパク質、CD52に対して指向される組換えDNA由来ヒト化モノクローナル抗体である。例えば、Saif et al.、Pediatr Transplant 2015 Mar;19(2):211~8を参照。いくつかの実施形態では、抗CD52抗体は、アレムツズマブのCDRから単離された、またはそれら由来の、一つ以上のCDR配列を含む。いくつかの実施形態では、抗CD52抗体は、配列番号8の配列を含む、または、配列番号8と、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%の配列同一性を有する配列を含む。 いくつかの実施形態では、抗CD52抗体は、配列番号10の配列を含む、または、配列番号10と、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%の配列同一性を有する配列を含む。 いくつかの実施形態では、抗CD52抗体は、配列番号2の配列を含むHCDR1、配列番号3の配列を含むHCDR2、配列番号4の配列を含むHCDR3、配列番号5の配列を含むLCDR1、配列番号6の配列を含むLCDR1、及び/または配列番号7の配列を含むLCDR3、を含む。 いくつかの実施形態では、抗CD52抗体は、配列番号2の配列を含むHCDR1と、配列番号3の配列を含むHCDR2と、配列番号4の配列を含むHCDR3と、配列番号5の配列を含むLCDR1と、配列番号6の配列を含むLCDR1と、配列番号7の配列を含むLCDR3と、を含み、ここにおいて、抗CD52抗体は、配列番号8、および/または配列番号10の配列、あるいは配列番号8、および/または配列番号10と、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%の配列同一性を有する配列を含む。
【0110】
いくつかの実施形態では、LDは、療法の組み合わせが含まれる。いくつかの実施形態では、組み合わせは、抗CD52薬剤(例えば、配列番号8及び/又は配列番号10の配列を含む抗体などの抗CD52抗体)(総投与量が約0.3~約1mg/kg、又はフラット用量が約30mg~約40mg、約25~約60mg、又は約100mg~約120mg)を用いて、または抗CD52薬剤を用いないで、フルダラビン(約90~150mg/m2の範囲合計用量)、およびシクロホスファミド(範囲合計用量約1000~4000 mg/m2)を含む。いくつかの実施形態では、組み合わせは、抗CD52薬剤(例えば、CD52抗体)(総投与量が約0.3~約1mg/kg、又はフラット用量が約30mg~約40mg、約25~約60mg、又は約100mg~約120mg)を用いて、または抗CD52薬剤を用いないで、フルダラビン(約30mg/m2)、およびシクロホスファミド(範囲合計用量約500~600 mg/m2)を含む。いくつかの実施形態では、組み合わせは、抗CD52薬剤(例えば、CD52抗体)(総投与量が約0.3~約1mg/kg、又はフラット用量が約30mg~約40mg、約25mg~約60mg、又は約100mg~約120mg)を用いて、または抗CD52薬剤を用いないで、フルダラビン(約30mg/m2)、およびシクロホスファミド(約300mg/m2)を含む。いくつかの実施形態では、組み合わせは、フルダラビン(約90mg/m2)、シクロホスファミド(約1500 mg/m2) 、および、抗CD52薬剤を用いること、または抗CD52薬剤を用いないこと(例えば、抗CD52抗体、約1 mg/kg)、を含む。いくつかの実施形態では、組み合わせは、抗CD52薬剤(例えば、CD52抗体、総投与量が約0.3~約1mg/kg、又はフラット用量が約30mg~約40mg、約25~約60mg、又は約100mg~約120mg)を用いて、または抗CD52薬剤を用いないで、フルダラビン(約150g/m2)、およびシクロホスファミド(約130mg/kg)を含む。いくつかの実施形態では、組み合わせは、抗CD52薬剤(例えば、抗CD52抗体)、総投与量が約0.3~約1mg/kg、又はフラット用量が約30mg~約40mg、約25~約60mg、又は約100mg~約120mg)を用いて、または抗CD52薬剤を用いないで、フルダラビン(約150g/m2)、およびシクロホスファミド(約120mg/kgまたは約130mg/kg)を含む。いくつかの実施形態では、組み合わせは、抗CD52薬剤(例えば、抗CD52抗体、約13 mg/日)を用いて、または抗CD52薬剤を用いないで、フルダラビン(約30mg/m2/日)、およびシクロホスファミド(約300mg/m2/日) を含む。いくつかの実施形態では、組み合わせは、抗CD52薬剤(例えば、抗CD52抗体、約10 mg/日)を用いて、または抗CD52薬剤を用いないで、フルダラビン(約30mg/m2/日)、およびシクロホスファミド(約300mg/m2/日) を含む。いくつかの実施形態では、これら上記の用量は、1日の過程で投与される。いくつかの実施形態では、これら上記の用量は複数日にわたり投与される。
【0111】
いくつかの実施形態では、フルダラビンおよびシクロホスファミドは、第一日目に投与され、抗CD52抗体(例えば、配列番号8および/または配列番号10の配列を含む抗体)は第二日目に投与される。いくつかの実施形態では、フルダラビンおよびシクロホスファミドは、第一日目のCAR-T細胞の投与前に投与され、抗CD52抗体(例えば、配列番号8および/または配列番号10の配列を含む抗体)は第二日目に投与され、ここにおいて、第二日目はCAR-T細胞が投与された日と同じ日であるか、または第二日目はCAR-T細胞が投与された後である。いくつかの実施形態では、フルダラビンおよびシクロホスファミドを第一日目に投与し、CAR-T細胞は第二日目に投与し、抗CD52抗体(例えば、配列番号8および/または配列番号10の配列を含む抗体)を、第二日目から少なくとも約1、約2、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9、約10、約11、または約12週間後に投与する。いくつかの実施形態では、フルダラビンおよびシクロホスファミドをCAR-T細胞の投与の前に投与し、抗CD52抗体(例えば、配列番号8および/または配列番号10の配列を含む抗体)を、CAR-T細胞の投与から少なくとも約1、約2、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9、約10、約11、または約12週間後に投与する。
【0112】
いくつかの実施形態では、リンパ枯渇レジメンは、フルダラビンおよびシクロホスファミド(FC)の投与を含む。いくつかの実施形態では、リンパ枯渇レジメンは、フルダラビン、および抗CD52抗体(例えば、配列番号8および/または配列番号10の配列を含む抗体)(FA)の投与を含む。いくつかの実施形態では、リンパ枯渇レジメンは、シクロホスファミド、および抗CD52抗体(例えば、配列番号8および/または配列番号10の配列を含む抗体)(CA)の投与を含む。いくつかの実施形態では、リンパ枯渇レジメンは、フルダラビン、シクロホスファミド、および抗CD52抗体(例えば、配列番号8および/または配列番号10の配列を含む抗体)(FCA)の投与を含む。
【0113】
CAR-T細胞の第一または第二/後続用量の前の特定のリンパ枯渇レジメン薬剤および用量の選択は、患者の血液学的分析および血液学的回復に基づいて決定されうる。再投与の場合、第二のリンパ枯渇レジメンは、第一のリンパ枯渇レジメンと比較してある程度強力であることができる(例えば、リンパ球、好中球、および第一の用量の後のウイルス再活性化に基づく)。例えば、再投与時に、リンパ球および好中球のレベルが高い場合、強力または積極的なリンパ枯渇レジメンを使用しうる。あるいは、再投与時に、リンパ球レベルが低い場合、弱いまたはより積極性の低いリンパ枯渇レジメンを使用してもよい。いくつかの実施形態では、再投与時の芽細胞数が高い場合、強力または積極的なリンパ枯渇レジメンが使用される。いくつかの実施形態では、再投与時の芽細胞数が低い場合、より弱いまたはより積極性の低いリンパ枯渇レジメンが使用される。
【0114】
いくつかの実施形態では、LDレジメンの強度の増加は、再投与時に(抗CD52薬剤を用いて、または用いないで)適用されうる。いくつかの実施形態では、LDレジメンの強度の低減は、例えば、再投与時に(抗CD52薬剤を用いて、または用いないで)グレード3~4のリンパ球減少症の場合に適用されうる。
【0115】
いくつかの実施形態では、フルダラビン/シクロホスファミド(FC)またはフルダラビン/シクロホスファミド/抗CD52抗体(FCA)のリンパ枯渇レジメンの構成要素が同時に投与され、他の実施形態では、構成要素は連続的に投与される。いくつかの実施形態では、対象は、CAR-T細胞療法の第一の用量の前にFCレジメンを受け、CAR-T細胞療法の再投与前にFCAレジメンを受ける。いくつかの実施形態では、対象は、CAR-T細胞療法の第一の用量の前にFCAレジメンを受け、CAR-T細胞療法の再投与前に第二のFCAレジメンを受ける。
【0116】
例示的なLDレジメンは、表3A、3B、3C、3Dおよび3Eに提供されている。表3A~3Eでは、スケジュールで示されるタイミングは、1日単位でのCAR-T細胞(D0)の用量の投与のタイミングに関する。負数は、CAR-T細胞の投与(D0の日)の前の日数を示す。
【0117】
【0118】
【0119】
【0120】
【0121】
いくつかの実施形態では、LDレジメンは、メンサ(2-メルカプトエタンスルホン酸ナトリウム)を用いた治療をさらに含みうる。
【0122】
事前薬物投与
いくつかの実施形態では、方法は、リンパ枯渇レジメンの前に注入関連の反応のための事前薬物投与を含みうる。いくつかの実施形態では、方法は、抗CD52抗体を用いた治療前に投与される事前薬物投与を含みうる。いくつかの実施形態では、事前薬物投与は、高用量コルチコステロイドでの治療を含みうる。例えば、事前薬物投与は、2 mg/kgメチルプレドニゾロンを用いた治療を含みうる。いくつかの実施形態では、事前薬物投与は、抗CD52抗体を用いた注入直前に投与される。いくつかの実施形態では、任意のCAR-T細胞(例えば、UCART19)の注入の少なくとも1日前または少なくとも2日前に中断される。
【0123】
いくつかの実施形態では、事前薬物投与は、抗ヒスタミン薬、シメジジン(cimedidine)、ラニチジン、およびアセトアミノフェンのうちの一つ以上を用いた治療を含みうる。抗ヒスタミン薬は、抗CD52抗体(例えば、配列番号8および/または配列番号10の配列を含む抗体)の投与の、例えば、約1日、約1時間、または約0.5時間前の投与をしてもよい。アセトアミノフェンは、抗CD52抗体(例えば、配列番号8および/または配列番号10の配列を含む抗体)の投与の、例えば、約1日、約1時間、または約0.5時間前の投与をしてもよい。
【0124】
治療
いくつかの実施形態では、CAR-T細胞は静脈内注入によって投与される。いくつかの実施形態では、静脈内注入は、約1分、約3分、約5分、約10分、約30分、約1時間、約3時間、約6時間、約12時間、または約24時間にわたる。
【0125】
いくつかの実施形態では、難治性および/または再発性CD19+B細胞性急性リンパ芽球性白血病を有する成人対象を治療する方法は、抗ヒトCD19 4-1BB/CD3ゼータ CARを含む同種キメラ抗原受容体(CAR)T 細胞(CAR-T細胞)の少なくとも一用量を対象に投与することを含むことを含み、ここにおいて、少なくとも一用量は、約6x105細胞/用量、約6x106細胞/用量、約6~8x107細胞/用量、および約1.8~2.4x108細胞/用量からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、CAR-T細胞は、配列番号1のCARを発現する。 いくつかの実施形態では、CAR-T細胞はUCART19(CD19)CAR/RQR8+_TCRαβ-_T細胞である。いくつかの実施形態では、CAR-T細胞はCD-52欠損である。いくつかの実施形態では、CAR-T細胞は、CD52欠損とCD52陽性細胞との混合物である。いくつかの実施形態では、CAR-T細胞はRQR8などのセーフティ・スイッチを発現する。
【0126】
いくつかの実施形態では、難治性および/または再発性CD19+B細胞性急性リンパ芽球性白血病を持つ小児対象を治療する方法は、抗ヒトCD19 4-1BB/CD3ゼータ CARを含む同種キメラ抗原受容体 (CAR)-T細胞(CAR-T細胞)の少なくとも一用量を対象に投与することを含み、ここにおいて少なくとも一用量は、約2~8x107細胞/用量である。いくつかの実施形態では、CAR-T細胞は、配列番号1のCARを発現する。 いくつかの実施形態では、CAR-T細胞はUCART19(CD19)CAR/RQR8+_TCRαβ-_T細胞である。いくつかの実施形態では、CAR-T細胞はCD-52欠損である。いくつかの実施形態では、CAR-T細胞は、CD52欠損とCD52陽性細胞との混合物である。いくつかの実施形態では、CAR-T細胞はRQR8などのセーフティ・スイッチを発現する。
【0127】
いくつかの実施形態では、非ホジキンリンパ腫(例えば、難治性および/または再発性大細胞型B細胞リンパ腫または濾胞性リンパ腫)を持つ対象を治療する方法は、(例えば、抗ヒトCD19 4-1BB/CD3ゼータ CAR)を含む同種キメラ抗原受容体(CAR)-T細胞(CAR-T 細胞)の少なくとも一用量を対象に投与することを含み、ここにおいて、少なくとも一用量は、約20x106細胞/用量~約360x106細胞/用量である。いくつかの実施形態では、少なくとも一用量は、約20x106 細胞/用量、約40x106 細胞/用量、約80x106 細胞/用量、約120x106 細胞/用量、240x106 細胞/用量、および約360x106 細胞/用量からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、CAR-T細胞は、配列番号1のCARを発現する。 いくつかの実施形態では、CAR-T細胞はUCART19(CD19)CAR/RQR8+_TCRαβ-_T細胞である。いくつかの実施形態では、CAR-T細胞はCD-52欠損である。いくつかの実施形態では、CAR-T細胞は、CD52欠損とCD52陽性細胞との混合物である。いくつかの実施形態では、CAR-T細胞は、本明細書に記載のRQR8セーフティ・スイッチなどの、セーフティ・スイッチを発現する。
【0128】
いくつかの実施形態では、CAR発現は、CAR投与の少なくとも14日または少なくとも28日後までに対象において検出可能である。いくつかの実施形態では、CAR-T(例えば、UCART19)投与後、少なくとも1ヶ月間、少なくとも1.3ヶ月間、少なくとも1.4ヶ月間、少なくとも1.6ヶ月間、少なくとも1.8ヶ月間、少なくとも2ヶ月間、少なくとも2.3ヶ月間、少なくとも1.4ヶ月間、少なくとも1.6ヶ月間、少なくとも1.8ヶ月間、少なくとも3ヶ月間、少なくとも3.3ヶ月間、少なくとも3.4ヶ月間、少なくとも3.6ヶ月間、少なくとも3.8ヶ月間、少なくとも6ヶ月間、少なくとも12ヶ月間、または少なくとも36ヶ月間、対象は、CR(完全奏効)またはCri(血球数の不完全な回復を伴う完全奏効)を示す。
【0129】
CAR-T細胞での再治療方法
CAR-T細胞での再治療(再投与)のための方法も本明細書に提供される。特に、方法は、第一の用量を受けた対象に、一つ以上の細胞の後続用量を投与すること、ならびに/または第一および一つ以上の後続用量を投与することを含む。用量は一般的に、特定の量でおよび特定のタイミングパラメータに従って投与される。いくつかの実施形態では、方法は一般的に、細胞の第一の用量を投与することを含み、それによって、疾患の負荷を軽減し、次に第一の用量に対する特定の時間窓の間投与される後続用量、またはそのような第一の用量を受けた対象への後続用量の投与が続く。いくつかの実施形態では、追加の後続用量が、次に、例えば後続用量に対して同じかまたは類似の時間窓内で、投与される。いくつかの実施形態では、投与された細胞数および複数回の用量のタイミングが、対象に対する毒性の可能性または程度を減少させるなどの、一つ以上の成果を改善し、対象の曝露、および/または投与細胞の持続性を改善し、ならびに/あるいは治療効果を改善するように、設計されている。また、細胞を含有し、かかる投与レジメンに続く投与のために設計された製造物品も提供されている。
【0130】
いくつかの実施形態では、一つ以上の細胞の後続用量で治療される対象は、再発中である。つまり、このことは、初回投与後の第一の時点で患者がCR(完全奏効)またはCri(血球数の不完全な回復を伴う完全奏効)にあったが、その後の時点である、第二の時点で再発したことを意味する。再発は、例えば、骨髄中の芽細胞の5%以上により特徴付けられる形態学的再発であってもよく、骨髄中の芽細胞の存在に関連する骨髄外疾患の存在、または骨髄中の3~10個以上の芽細胞と定義された最小残存疾患(MRD)の存在であってもよい。
【0131】
いくつかの実施形態では、一つ以上の細胞の後続用量で治療される対象は、初回用量の投与後に準最適応答を示した。例えば、対象は、初回用量の投与後約7日、約14日、約28日、約60日、約90日、約120日、または約365日で最小残存疾患(MRD)の存在を示してもよい。
【0132】
いくつかの実施形態では、一つ以上の細胞の後続用量で治療される対象は、初回用量の投与後にCARの非持続性を示す。例えば、対象は、初期用量(D0、CAR増殖)後に検出可能なCARを提示してもよいが、D0後に検出可能なCARは有しない。検出可能なCARの欠如は、いくつかの実施形態では、対象がCAR-T細胞の活性のいくつかの兆候を示したとしても起こる(サイトカイン放出症候群など)。
【0133】
いくつかの実施形態では、一つ以上の細胞の後続用量で治療される対象は、CAR-T細胞の実質的な増殖を示さない。いくつかの実施形態では、初回用量の投与後約7日、約14日、約28日、約60日、約90日、約120日、または約365日で対象は検出可能なCAR増殖を有さず、応答を有さない。いくつかの実施形態では、初回用量の投与後約7日、約14日、約28日、約60日、約90日、約120日、または約365日で対象は検出可能なCAR増殖を有さず、いくつかの治療応答の兆候を有する(例えば、MRD陽性対象)。いくつかの実施形態では、初回用量の投与後約7日、約14日、約28日、約60日、約90日、約120日、または約365日で対象は検出可能なcar増殖を有さず、完全奏効を有する(例えば、MRD陰性対象)。
【0134】
いくつかの実施形態では、提供される方法は、第一の用量とほぼ同じ数、したがって同様の用量で投与される細胞の後続用量を含む。本明細書に示されるように、細胞の後続用量の投与は、単回投与と比較して有利でありうる。いくつかの実施形態では、約6×105 細胞、約6×106 細胞、約6×107 細胞、約8×107 細胞、約1.8×108 細胞、または約2.4×108 細胞などの、細胞の後続用量の投与は、特に治療前に形態学的疾患を示す対象において、対象の全生存が増加していることに関連している。いくつかの実施形態では、方法は、疾患関連抗原の存在下で増殖することができ、および疾患と関連するが、より高い用量と関連付けられうる有毒性の結果が同じ程度でない症状を低減することができる細胞の第一の用量を投与することを含む。
【0135】
いくつかの実施形態では、第一の用量はまた、一般的に、疾患負荷の低減に十分有効である程大きい。いくつかの場合では、第一の用量は、細胞用量がin vivoでの増殖および疾患を減量させるのに十分である場合、疾患負荷を減少させるのに十分なほど大きい。いくつかの実施形態では、第一の用量の細胞はそれにより、重度の望ましくない結果をもたらすことなく、例えば腫瘍サイズなど、疾患負荷を減量、または低減する。いくつかの場合では、第一の用量は、例えば、形態学的設定から最小残存疾患(MRD)および/または臨床的寛解もしくは完全寛解までの疾患を減少させることによって、腫瘍負荷を減少させるために有効な細胞の量である。いくつかの態様では、第一の用量は低用量である。いくつかの態様では、例えば、比較的低い疾患負荷の状況では、第一の用量はより高くてもよい。
【0136】
いくつかの実施形態では、用量における細胞またはCAR-T細胞の適切な数または量あるいは相対的数または量を決定するために、リスクに応じた投与レジメンを使用しうる。例えば、いくつかの態様では、CAR-T細胞の注入の前に、例えば、上述の観察、および、より高い用量の組換え受容体発現細胞(例えば、CAR発現T細胞など、CAR発現)が、相対的により低い疾患負荷を有する対象では観察する必要性がないか、それほど大きくは観察されない形態学的疾患負荷を有する対象における、重度の神経毒性などの、毒性の結果と関連しうる本明細書の各所に記載された観察に基づいて、対象の疾患負荷が判定され、疾患負荷に基づいて、毒性を最小限にかつ効果を最大限にしうるCAR-T細胞の第一の用量(例えば、低用量または高用量)が選択される。例えば、いくつかの場合では治療後のより大きなCAR T細胞増殖と関連付けられることができる、治療前の高い骨髄腫瘍負荷を有する対象は、ICUケアを必要とする可能性のある重度の神経毒性を発症するより高いリスクを有することが観察された。
【0137】
いくつかの実施形態では、対象は、第一の用量の同種CAR-T細胞の後の応答を評価される。かかる評価は、同種CAR-T細胞の第一または以前の用量の投与後、約1、約2、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9、約10、約11、または約12週間で行われうる。いくつかの実施形態では、同種CAR-T細胞の第一の用量の投与後、約1、約2、または約3ヶ月の間で、対象は応答について評価される。
【0138】
いくつかの実施形態では、CAR-Tにより標的とされる抗原の発現が、CAR-T細胞の後続用量を投与する前に、確認されてもよい。例えば、抗原の発現は、血液中、他のマトリクス、または固形腫瘍におけるフローサイトメトリーによって評価されてもよい。いくつかの実施形態では、対象は、前のCAR-T投与に対して対象によって開発された抗HLA抗体がないことについて評価されてもよい。いくつかの実施形態では、対象は、前のCAR-T投与の後に対象によって開発された抗scFv抗体がないことについて評価されてもよい。いくつかの実施形態では、対象は、CAR-Tのいずれかの過程(第一または後続の過程)の後になんら重大な安全性問題がないことについて評価されうる。いくつかの実施形態では、対象は、CAR-T投与に関連する後続のリンパ枯渇の適合性について評価されうる。いくつかの実施形態では、CAR-T細胞の投与後のドナー特異的抗HLA、抗CAR scFv、および/または抗TALEN抗体がないことは、対象のCAR-T細胞の後続用量の投与に対する適合性を示す。
【0139】
いくつかの実施形態では、CAR-T細胞投与後の応答の最初の評価の日を超えるCAR-T細胞の持続性がないことは、CAR-T細胞の後続用量の投与に対する対象の適合性を示す。いくつかの実施形態では、CAR-T細胞投与後の応答の最初の評価の日を超えて、CAR-T細胞の持続性がないことについて、対象が評価されうる。評価は、評価された応答に関わらず、例えば投与後約1、約2、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9、約10、約11、または約12週間の疾患に従って実施されてもよい。動態評価のパラメータには、例えば、応答評価のAUC0-タイムポイント、Cmax(導入遺伝子CAR-Tのピーク増殖、最後に観察された定量的導入遺伝子の時間、および任意の他の組織または液体におけるCAR-T細胞増殖のレベルが含まれる。第一のCAR-T後の準最適応答、CAR-T持続性に関わらず、投与は下記の一つ以上を含みうる:(a)検出可能な最小残存疾患(例えば、白血病患者における)を伴う、完全奏効(CR)、または血球数の不完全な回復を伴う完全奏効(CRi)、(b)細胞遺伝学的応答の不在、(c)骨髄完全奏効、(d)部分的奏効、および/または(e)安定奏効。
【0140】
いくつかの実施形態では、対象は、CAR-T細胞の用量の投与後の第一の応答の評価の日を超える有害事象について評価されうる。評価は、例えば投与後約1、約2、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9、約10、約11、または約12週間で実施されてもよい。いくつかの実施形態では、評価は、例えば、CAR-T投与後の最初の4週間(28日目まで)以内で実施されてもよい。例示的な有害事象を表4に要約する。
【0141】
【0142】
いくつかの実施形態では、疾患再発は、第一のCAR-T投与後に最適なCRを達成した後の再発を指してもよい。いくつかの実施形態では、疾患再発は、いつ再発したかに関わらず、CAR-Tを用いて一つ以上のCRが得られた後の再発を指してもよい。
【0143】
後続のCAR-T用量は、同じまたは別のドナー(CAR-T製造に使用される健康な細胞のドナー)から発っせられてもよい。CAR-T細胞の同じまたは異なる(より高いまたはより低い)用量は、後続用量に適用されうる。
【0144】
CAR-T細胞は、単回投与として、または分割用量として投与されうる。例えば、用量は、例えば7日間などの期間内で、2回以上の用量に分割できる。いくつかの実施形態では、分割用量は、期間内の第一および第二の投与を含む。いくつかの実施形態では、第一および第二の投与の各々で同数の細胞が投与される。いくつかの実施形態では、第二の投与中に投与される細胞より、第一の投与中に投与される細胞を少なくする。いくつかの実施形態では、第二の投与中に投与される細胞より、第一の投与中に投与される細胞数を多くする。いくつかの実施形態では、分割用量は、期間内の第一、第二、および第三の投与を含む。いくつかの実施形態では、第一、第二、および第三の投与の各々で同数の細胞が投与される。いくつかの実施形態では、第二および第三の投与中に投与される細胞より、第一の投与中はより少ない細胞が投与される。いくつかの実施形態では、第二および第三の投与中に投与される細胞より、第一の投与中により多数の細胞が投与される。いくつかの実施形態では、第一および第三の投与中に投与される細胞より、第二の投与中はより少ない細胞が投与される。いくつかの実施形態では、第一および第三の投与中に投与される細胞より、第二の投与中により多数の細胞が投与される。いくつかの実施形態では、第一および第二の投与中に投与される細胞より、第三の投与中はより少ない細胞が投与される。いくつかの実施形態では、第一および第二の投与中に投与される細胞より、第三の投与中により多数の細胞が投与される。
【0145】
いくつかの実施形態では、分割用量は第一日および第二日にわたり投与される。いくつかの実施形態では、第一日目に用量の半分が投与され、第二日目に用量の半分が投与される。いくつかの実施形態では、第一日目に用量の3分の1が投与され、第二日目に用量の3分の2が投与される。いくつかの実施形態では、第一日目に用量の3分の2が投与され、第二日目に用量の3分の1が投与される。いくつかの実施形態では、分割用量の各部分用量は、互いの1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10日以内に投与される。特定の実施形態では、分割用量の各部分用量は、互いの7日以内に投与される。いくつかの実施形態では、各部分用量が連日投与される。
【0146】
いくつかの実施形態では、分割用量は第一日、第二日、および第三日にわたり投与される。いくつかの実施形態では、第一日目に用量の3分の1が投与され、第二日目に用量の3分の1が投与され、第三日目に用量の3分の1が投与される。いくつかの実施形態では、分割用量の各部分用量は、互いの1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10日以内に投与される。特定の実施形態では、分割用量の各部分用量は、互いの7日以内に投与される。いくつかの実施形態では、各部分用量が連日投与される。
【0147】
いくつかの実施形態では、分割用量は、少なくとも3日間、例えば、少なくとも4日、少なくとも5日、少なくとも6日、または少なくとも7日間にわたって投与される。
【0148】
投与レジメン
いくつかの実施形態では、フラット用量を用いて同種CAR-T細胞を投与する。他の実施形態では、用量バンディングを用いて同種CAR-T細胞を投与する。例えば、用量バンディングを使用して、広範囲のCAR-T細胞曝露のリスクを回避しうる。いくつかの実施形態では、重量バンド(weight band)が使用されてもよい。例えば、限定はしないが、66kg未満の対象は、X用量を投与されてもよく、66kg超の対象は、約1.33X用量で投与されてもよい。いくつかの実施形態では、50kg超の対象は、一用量を投与されてもよく、50kg以下の対象は、異なる用量を投与されてもよい。
【0149】
CD19+再発性/難治性B細胞性急性リンパ芽球性白血病を有する成人患者で使用するための、UCART19の第一の用量の例示的用量レベルが表5aに提供されている。
【0150】
CD19+再発性/難治性B細胞性急性リンパ芽球性白血病を有するハイリスクな小児患者で使用するための、UCART19の第一の用量の例示的用量レベルが表5bに提供されている。
【0151】
CD19+再発性/難治性B細胞性急性リンパ芽球性白血病を有するハイリスクな小児患者で使用するための、UCART19の第一の用量の例示的剤形が表5cに提供されている。
【0152】
再発性/難治性大細胞型B細胞および/または濾胞性リンパ腫などの非ホジキンリンパ腫を有する成人患者で使用されるUCART19の第一の用量の例示的投与量は、表5dに提供されている。
【0153】
いくつかの実施形態では、同種CAR-T細胞投与レジメンは、約1x105~5x108 細胞、または約1×104細胞/kg~約3x106 細胞/kgの間の範囲で、CAR T細胞の第一の用量を投与することを含む。いくつかの実施形態では、同種CAR-T細胞投与レジメンは、約6x106 細胞(フラット用量)のCAR T細胞の第一の用量の投与を含む。いくつかの実施形態では、同種CAR-T細胞投与レジメンは、約1x104、約2x104、約3x104、約4x104、約5x104、約6x104、約7x104、約8x104、約9x104、約10x104、約1x105、約2x105、約3x105、約4x105、約5x105、約6x105、約7x105、約8x105、約9x105、約1x106、約2x106、約3x106、約4x106、約5x106、約6x106、約7x106、約8x106、約9x106、約1x107、約2x107、約3x107、約4x107、約5x107、約6x107、約7x107、約8x107、約9x107、約1x108、約2x108、約3x108、約4x108、約5x108、約6x108、約7x108、約8x108、または約9x108CAR-T細胞の第一の用量を投与することを含む。いくつかの実施形態では、投与レジメンは、約1x104 細胞、約6x106 細胞、約7x106 細胞(重量バンドされた)、または約1.8x108 細胞(重量バンドされた)の第一の用量の投与を含む。いくつかの実施形態では、投与レジメンは、約20x106細胞/用量、約40x106 細胞/用量、約80x106細胞/用量、約120x106細胞/用量、約240x106細胞/用量、または約360x106細胞/用量(重量バンドされた)の第一の用量の投与を含む。いくつかの実施形態では、対象が50kg以下の体重である場合、用量は、約20x106 細胞/用量、約80x106 細胞/用量、および約240x106細胞/用量からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、対象が50kg超の体重である場合、用量は、約20x106 細胞/用量、約40x106細胞/用量、約120x106細胞/用量、および約360x106細胞/用量からなる群から選択される。
【0154】
いくつかの実施形態では、投与レジメンは、約1x104、約2x104、約3x104、約4x104、約5x104、約6x104、約7x104、約8x104、約9x104、約10x104、約1x105、約2x105、約3x105、約4x105、約5x105、約6x105、約7x105、約8x105、約9x105、約1x106、約2x106、約3x106、約4x106、約5x106、約6x106、約7x106、約8x106、約9x106、約1x107、約2x107、約3x107、約4x107、約5x107、約6x107、約7x107、約8x107、約9x107、約1x108、約2x108、約3x108、約4x108、約5x108、約6x108、約7x108、約8x108、または約9x108CAR-T細胞の後続用量を投与することを含む。いくつかの実施形態では、投与レジメンは、約1x104 細胞、約6x106細胞、約7x106 細胞、または約1.8x108細胞の後続用量の投与を含む。いくつかの実施形態では、同種CAR-T細胞投与レジメンは、約6x106細胞(フラット用量)のCAR-T細胞の後続用量の投与を含む。いくつかの実施形態では、投与レジメンは、約20x106細胞/用量、約40x106細胞/用量、約80x106細胞/用量、約120x106細胞/用量、約240x106細胞/用量、または約360x106細胞/用量(重量バンドされた)の後続用量の投与を含む。いくつかの実施形態では、対象が50kg以下の体重である場合、用量は、約20x106 細胞/用量、約80x106 細胞/用量、および約240x106細胞/用量からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、対象が50kg超の体重である場合、用量は、約20x106 細胞/用量、約40x106細胞/用量、約120x106細胞/用量、および約360x106細胞/用量からなる群から選択される。
【0155】
いくつかの実施形態では、同種CAR-T細胞投与レジメンは、約6x106細胞のCAR T細胞の第一の用量、および約6x106細胞のCAR T細胞の後続用量の投与を含む。いくつかの実施形態では、CAR-T細胞の後続用量は、CAR-T細胞の以前の用量とほぼ同数の細胞を有する。いくつかの実施形態では、CAR-T細胞の後続用量は、CAR-T細胞の以前の用量のようにより多い細胞を有する。いくつかの実施形態では、CAR-T細胞の後続用量は、CAR-T細胞の以前の用量のようにより少ない細胞を有する。
【0156】
いくつかの実施形態では、同種CAR-T細胞の後続用量は、同種CAR-T細胞の初回または以前の用量に関して、特定の時間窓の間に投与しうる。いくつかの実施形態では、後続用量の同種CAR-T細胞は、初回または以前の用量の同種CAR-T細胞の投与の、約4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、または24週間後に投与される。いくつかの実施形態では、後続用量の同種CAR-T細胞は、初回または以前の用量の同種CAR-T細胞の投与の、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、または24ヶ月後に投与される。いくつかの実施形態では、同種CAR-T細胞の後続用量は、初回または以前の用量の同種CAR-T細胞の投与の、約15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、または110日後に投与される。
【0157】
いくつかの実施形態では、第一の用量(初回用量)の投与、例えば第一のまたは以前の用量の投与開始と、後続用量の投与開始(再投与、例えば、後続用量の投与開始)との間の時間は、約4週間超、例えば、約5、6、7、8、または9週間超、例えば、約20週間超、例えば、約9週間~約35週間の間、約14週間~約28週間の間、15週間~27週間の間、または16週間~約18週間の間、および/または15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、または27週間、もしくは約15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、または27週間である。いくつかの実施形態では、後続用量の投与(例えば、その開始など)は、第一または以前の用量の投与(例えば、その開始など)後、約5週間超で約24週間未満である。いくつかの実施形態では、後続用量の投与は、第一の用量の開始から17週間後に開始される。いくつかの実施形態では、第一の用量と後続用量(例えば、その開始など)との投与の間隔、または以前の用量と次の後続用量との投与の間隔は、約5週間超、および約24週間未満、例えば10週間~24週間の間、例えば約17週間などである。いくつかの実施形態では、第一の用量の投与と後続用量の投与(例えば、その開始など)との間の時間は、約17週間である。
【0158】
いくつかの実施形態では、対象は、第一のCAR-T注入の28日から9ヵ月後に再投与を受ける。第一のCAR-T投与についてと同じリンパ枯渇レジメンを適用しうるか、またはレジメンを患者の状態および宿主免疫系の回復度に適合させうる。
【0159】
いくつかの実施形態では、対象が後続用量の同種CAR-T細胞の投与後に疾患が再発した場合、さらに後続用量の同種CAR-T細胞が投与されうる。いくつかの実施形態では、対象が後続用量の同種CAR-T細胞を投与された後に疾患が再発し、CAR-Tの持続性の欠如が観察された場合、さらに後続用量の同種CAR-T細胞が投与されうる。いくつかの実施形態では、2回以上の後続用量の同種CAR-T細胞が、第一の用量の後に投与されてもよい。後続投与のための様々なレジメンを使用して、同種CAR-T応答の耐久性を延長できる。例えば、CAR-Tの後続用量は、例えば、隔月で(CAR-Tの第一の用量の後)、または3ヶ月ごとに投与することができる。任意数の後続の注入を投与してもよい。再投与のタイミングは、患者の健康状態に適合されうる。例示的投与レジメンを図1に示す。
【0160】
いくつかの実施形態では、投与レジメンは、約6x106 の第一の用量のCAR-T細胞を投与し、次に第一の用量の投与後約99日で、約6x106 の後続用量のCAR-T細胞が投与されることを含む。他の実施形態では、投与レジメンは、約6x106の第一の用量のCAR-T細胞を投与し、次に約6x106の維持用量のCAR-T細胞の投与が、分子学的寛解が達成されるまで4週間ごとに行われる。他の実施形態では、投与レジメンは、約6x106の第一の用量のCAR-T細胞を投与し、次に約6x106の維持用量のCAR-T細胞の投与が、分子学的寛解が達成されるまで8週間ごとに行われる。
【0161】
他の実施形態では、投与レジメンは、約6x106の隔月用量のCAR-T細胞の投与を含む。他の実施形態では、投与レジメンは、約6x106の用量のCAR-T細胞の投与を含む。
【0162】
しかしながら、実施者が達成することを望む薬物動態的崩壊パターンに依存して、他の投与レジメンが有用であり得る。この療法の進行は、従来的な技術およびアッセイによって容易に監視される。好ましい実施形態では、第一の用量および第一の後続用量および追加の後続用量は、相互に少なくとも4週間、時間的に分離される。投与レジメンは時間経過に伴い変化する可能性がある。
【0163】
一般的に、同種CAR-T細胞の投与については、初期候補投与量は約1.1~約2.3x105 細胞/kg CAR-T細胞でありうる。本開示の目的のために、CAR-T細胞の典型的なフラット投与量は、上述の要因に応じて、任意の約1x104 ~1x105 ~1x106 ~1x107、1x107、1x108 細胞以上の範囲である場合がある。たとえば、約0.3x104 細胞、約0.5x104 細胞、約1x104 細胞、約1.5x104 細胞、約2×104 細胞、約2.5x104 細胞、約3x104 細胞、約3.5x104 細胞、約4×104 細胞、約4.5x104 細胞、約5x104 細胞、約5.5x104 細胞、約6x104 細胞、約6.5x104 細胞、約7x104 細胞、約7.5x104 細胞、約8x104 細胞、約8.5x104 細胞、約9×104 細胞、約9.5x104 細胞、約1x105 細胞、約1.5x105 細胞、2x105 細胞、約2.5x105 細胞、約3x105 細胞、約3.5x105 細胞、約4×105 細胞、約4.5x105 細胞、約5x105 細胞、約5.5x105 細胞、約6x105 細胞、約6.5x105 細胞、約7x105 細胞、約7.5x105 細胞、約8x105 細胞、約8.5x105 細胞、約9×105 細胞、約9.5x105 細胞、約1×106 細胞、約1.5x106 細胞、2x106 細胞、約2.5x106 細胞、約3x106 細胞、約3.5x106 細胞、約4×106 細胞、約4.5x106 細胞、約5x106 細胞、約5.5x106 細胞、約6x106 細胞、約6.5x106 細胞、約7x106 細胞、約7.5x106 細胞、約8x106 細胞、約8.5x106 細胞、約9×106 細胞、約9.5x106 細胞、約1×107 細胞、約1.5x107 細胞、2x107 細胞、約2.5x107 細胞、約3x107 細胞、約3.5x107 細胞、約4×107 細胞、約4.5x107 細胞、約5x107 細胞、約5.5x107 細胞、約6x107 細胞、約6.5x107 細胞、約7x107 細胞、約7.5x107 細胞、約8x107 細胞、約8.5x107 細胞、約9×107 細胞、約9.5x107 細胞、約1×108 細胞、約1.5x108 細胞、2x108 細胞、約2.5x108 細胞、約3x108 細胞、約3.5x108 細胞、約4×108 細胞、約4.5x108 細胞、約5x108 細胞、約5.5x108 細胞、約6x108 細胞、約6.5x108 細胞、約7x108 細胞、約7.5x108 細胞、約8x108 細胞、約8.5x108 細胞、約9×108 細胞、約9.5x108 細胞、または約1x109 細胞以上の投与量を使用してもよい。数週間以上にわたる後続の投与に対して、疾患に応じて、治療は、症状の望ましい抑制が起こるまで、または十分な治療レベルが達成されるまで、例えば、分子学的寛解が達成されるまで持続される。
【0164】
例示的な投与レジメンは、約0.3x104 細胞、約0.5x104 細胞、約1×104 細胞、約1.5x104 細胞、約2×104 細胞、約2.5x104 細胞、約3x104 細胞、約3.5x104 細胞、約4×104 細胞、約4.5x104 細胞、約5x104 細胞、約5.5x104 細胞、約6x104 細胞、約6.5x104 細胞、約7x104 細胞、約7.5x104 細胞、約8x104 細胞、約8.5x104 細胞、約9×104 細胞、約9.5x104 細胞、約1×105 細胞、約1.5x105 細胞、2x105 細胞、約2.5x105 細胞、約3x105 細胞、約3.5x105 細胞、約4×105 細胞、約4.5x105 細胞、約5x105 細胞、約5.5x105 細胞、約6x105 細胞、約6.5x105 細胞、約7x105 細胞、約7.5x105 細胞、約8x105 細胞、約8.5x105 細胞、約9×105 細胞、約9.5x105 細胞、約1×106 細胞、約1.5x106 細胞、2x106 細胞、約2.5x106 細胞、約3x106 細胞、約3.5x106 細胞、約4×106 細胞、約4.5x106 細胞、約5x106 細胞、約5.5x106 細胞、約6x106 細胞、約6.5x106 細胞、約7x106 細胞、約7.5x106 細胞、約8x106 細胞、約8.5x106 細胞、約9×106 細胞、約9.5x106 細胞、約1×107 細胞、約1.5x107 細胞、2x107 細胞、約2.5x107 細胞、約3x107 細胞、約3.5x107 細胞、約4×107 細胞、約4.5x107 細胞、約5x107 細胞、約5.5x107 細胞、約6x107 細胞、約6.5x107 細胞、約7x107 細胞、約7.5x107 細胞、約8x107 細胞、約8.5x107 細胞、約9×107 細胞、約9.5x107 細胞、約1×108 細胞、約1.5x108 細胞、約2×108 細胞、約2.5x108 細胞、約3x108 細胞、約3.5x108 細胞、約4×108 細胞、約4.5x108 細胞、約5x108 細胞、約5.5x108 細胞、約6x108 細胞、約6.5x108 細胞、約7x108 細胞、約7.5x108 細胞、約8x108 細胞、約8.5x108 細胞、約9×108 細胞、約9.5x108 細胞、または約1×109 の同種CAR-T細胞の第一用量の投与を含む。いくつかの実施形態では、後続用量が毎月投与される。いくつかの実施形態では、後続用量が隔月で投与される。いくつかの実施形態では、後続用量が約3ヶ月ごとに投与される。いくつかの実施形態では、後続用量が約4ヶ月ごとに投与される。いくつかの実施形態では、後続用量が約5ヶ月ごとに投与される。いくつかの実施形態では、後続用量が約6ヶ月ごとに投与される。いくつかの実施形態では、後続用量が約7ヶ月ごとに投与される。いくつかの実施形態では、後続用量が約8ヶ月ごとに投与される。好ましい実施形態では、第一の用量および第一の後続用量および追加の後続用量は、相互に少なくとも約4週間、時間的に分離される。いくつかの実施形態では、後続用量が隔月で投与される。
【0165】
いくつかの実施形態では、投与レジメンは、対象に約6x106の第一用量のCAR-T細胞を、D0で投与すること、および約6x106の後続用量のCAR-T細胞を、D30~約 D110の間で投与することを含む。いくつかの実施形態では、投与レジメンは、対象に約1x106の第一用量のCAR-T細胞を、D0で投与すること、および約6x106の後続用量のCAR-T細胞を、D30~約 D110の間で投与することを含む。いくつかの実施形態では、投与レジメンは、対象に約2x106の第一用量のCAR-T細胞を、D0で投与すること、および約6x106の後続用量のCAR-T細胞を、D30~約 D110の間で投与することを含む。いくつかの実施形態では、投与レジメンは、対象に約3x106の第一用量のCAR-T細胞を、D0で投与すること、および約6x106の後続用量のCAR-T細胞を、D30~約 D110の間で投与することを含む。いくつかの実施形態では、投与レジメンは、対象に約4x106の第一用量のCAR-T細胞を、D0で投与すること、および約6x106の後続用量のCAR-T細胞を、D30~約 D110の間で投与することを含む。いくつかの実施形態では、投与レジメンは、対象に約5x106の第一用量のCAR-T細胞を、D0で投与すること、および約6x106の後続用量のCAR-T細胞を、D30~約 D110の間で投与することを含む。いくつかの実施形態では、投与レジメンは、対象に約7x106の第一用量のCAR-T細胞を、D0で投与すること、および約6x106の後続用量のCAR-T細胞を、D30~約 D110の間で投与することを含む。いくつかの実施形態では、投与レジメンは、対象に約8x106の第一用量のCAR-T細胞を、D0で投与すること、および約6x106の後続用量のCAR-T細胞を、D30~約 D110の間で投与することを含む。いくつかの実施形態では、投与レジメンは、対象に約1x106の第一用量のCAR-T細胞を、D0で投与すること、および約9x106の後続用量のCAR-T細胞を、D30~約 D110の間で投与することを含む。いくつかの実施形態では、投与レジメンは、対象に約1x107の第一用量のCAR-T細胞を、D0で投与すること、および約6x106の後続用量のCAR-T細胞を、D30~約 D110の間で投与することを含む。
【0166】
いくつかの実施形態では、投与レジメンは、対象に、D-7~D-2にリンパ枯渇レジメンを、その後にD0で約6x106の第一の用量のCAR-T細胞を、次いでD60~D100で任意のリンパ枯渇レジメンを、続いてD63~D104で6x106の後続用量のCAR-T細胞を投与することを含む。いくつかの実施形態では、投与レジメンは、対象に、D-7~D-2にリンパ枯渇レジメンを、その後にD0で約6x106の第一の用量のCAR-T細胞を、次いでD60~D90で随意のリンパ枯渇レジメンを、続いてD63~D104で6x106の後続用量のCAR-T細胞を投与することを含む。いくつかの実施形態では、投与レジメンは、対象に、D-7でリンパ枯渇レジメン (LD) を、その後にD0で約6x106の第一の用量のCAR-T細胞を、次いでD70で(以前のLDと比較して)低下させた強度のLDを、続いてD99で6x106の後続用量のCAR-T細胞を投与することを含む。いくつかの実施形態では、投与レジメンは、対象に、D-15でリンパ枯渇レジメンを、その後にD0で約6x106の第一の用量のCAR-T細胞を、次いでD60でリンパ枯渇レジメンを、続いてD75で6x106の後続用量のCAR-T細胞を投与することを含む。いくつかの実施形態では、投与レジメンは、対象に、D-7~D-2にリンパ枯渇レジメンを、その後にD0で約6x106の第一の用量のCAR-T細胞を、次いでD60~D90で随意のリンパ枯渇レジメンを、続いてD63~D104で6x106の後続用量のCAR-T細胞を投与することを含む。いくつかの実施形態では、投与レジメンは、対象に、D-7~D-2にリンパ枯渇レジメンを、その後にD0で約6x106の第一の用量のCAR-T細胞を、次いでD60~D90で随意のリンパ枯渇レジメンを、続いてD63~D104で6x106の後続用量のCAR-T細胞を投与することを含む。
【0167】
いくつかの実施形態では、投与レジメンは、対象に、D-5~D-3でリンパ枯渇レジメンを、その後に約20x106 細胞、約40x106 細胞、約80x106 細胞、約120x106 細胞、約240×106 細胞、または約360×106 細胞の第一の用量を、次いで、随意の後続用量のCAR-T細胞を投与することを含む。いくつかの実施形態では、リンパ枯渇レジメンは、約30mg/m2の投与量で投与されるフルダラビン、約300mg/m2の投与量で投与されるシクロホスファミド、および随意に約10~約13 mgの投与量で投与されるCD52抗体(例えば、配列番号8および/または配列番号10の配列を含む抗体)を含む。
【0168】
しかしながら、実施者が達成することを望む薬物動態的崩壊パターンに依存して、他の投与レジメンが有用であり得る。この療法の進行は、従来的な技術およびアッセイによって容易に監視される。いくつかの好ましい実施形態では、第一の用量および第一の後続用量および追加の後続用量は、相互に少なくとも4週間、時間的に分離される。投与レジメンは時間経過に伴い変化する可能性がある。
【0169】
同種CAR-T細胞および追加的な薬剤
本開示に従って使用される例示的なCAR-T細胞を記載する。
【0170】
方法は、疾患に関連する抗原に特異的に結合し、このような抗原への結合に基づいたかかる分子に対する免疫応答などの応答を生じさせるCAR-T細胞を投与することを含む。特異的なタイプの同種CAR-T細胞(例えば、UCART19細胞)に関連する方法であることが特に言及されていない限り、任意の同種CAR-T細胞を本明細書に記載の方法と併用してもよい。いくつかの実施形態では、本開示の方法および組成物は、腫瘍特異的抗原に特異的な同種CAR-T細胞を使用して実施される。
【0171】
いくつかの実施形態では、本開示の方法および組成物は、CD19に特異的な同種CAR-T細胞を使用して実施される。いくつかの実施形態では、CAR-T細胞は、CD19結合ドメインを含むCARを発現する。いくつかの実施形態では、CD19結合ドメインは、単鎖可変断片(scFv)を含む。いくつかの実施形態では、scFvは、抗CD19抗体(例えば、4G7抗体)由来であり、抗CD19抗体である。いくつかの実施形態では、scFvは、抗CD19抗体(例えば、4G7抗体)から単離した、または抗CD19抗体(例えば、4G7抗体)由来であるVHおよびVLを含む。いくつかの実施形態では、scFvは、抗CD19抗体(例えば、4G7抗体)から単離した、または抗CD19抗体(例えば、4G7抗体)由来であるHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LDCR2、およびLCDR3を含む。
【0172】
いくつかの実施形態では、CAR-T細胞は、CD19結合ドメイン、4-1BBドメイン、および/またはCD3ゼータドメインを含むCARを発現する。
【0173】
いくつかの実施形態では、CAR-T細胞はさらに「セーフティ・スイッチ」を発現する。セーフティ・スイッチは、形質導入された細胞の選択を可能にするエピトープ、およびポリペプチドを発現する細胞を検出および/または削除することを可能にするエピトープを含みうる。いくつかの実施形態では、セーフティ・スイッチは、ミミトープ(mimitope)を含む。例示的なセーフティ・スイッチは、例えば、国際特許公開第2013/153391号に開示され、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。いくつかの実施形態では、セーフティ・スイッチは、リツキシマブに結合する。いくつかの実施形態では、セーフティ・スイッチは、CARを用いてトランスで発現される(例えば、同じ細胞上の別個のポリペプチドとして)。いくつかの実施形態では、セーフティ・スイッチはRQR8である。いくつかの実施形態では、セーフティ・スイッチを含有するRQR8はトランスで発現される。RQR8の全長および構成要素配列を以下の表6に示す。
【0174】
【0175】
いくつかの実施形態では、セーフティ・スイッチはR2である。
【0176】
いくつかの実施形態では、CAR-T細胞はセーフティ・スイッチを含まない。
【0177】
いくつかの実施形態では、CARをコードする配列を含む同一ベクター上にセーフティ・スイッチをコードする配列を提供する。いくつかの実施形態では、CARをコードする配列を含む異なるベクターとは異なるベクター上にセーフティ・スイッチをコードする配列を提供する。
【0178】
いくつかの実施形態では、セーフティ・スイッチをコードする配列が、CARを含む同一ポリペプチド上に提供される(すなわち、シスに提供される)。いくつかの実施形態では、CARとは異なるポリペプチド上にセーフティ・スイッチが提供される(すなわち、トランスに提供される)。
【0179】
したがって、いくつかの実施形態では、セーフティ・スイッチは、CARを用いてトランスで発現される(例えば、同じ細胞上の別個のポリペプチドとして)。いくつかの実施形態では、セーフティ・スイッチはRQR8である。いくつかの実施形態では、セーフティ・スイッチを含有するRQR8はトランスで発現される。
【0180】
いくつかの実施形態では、セーフティ・スイッチがCARを用いてシスで発現され、国際特許公開第2013/153391号に記載されるように、抗体に特異的なミモトープを含む。
【0181】
いくつかの実施形態では、CAR-T細胞は、不活性化CD52遺伝子をさらに含む。いくつかの実施形態では、CAR-T細胞はCD-52欠損である。いくつかの実施形態では、患者に投与するためのCAR-T細胞は、CD52欠損とCD52陽性細胞との混合物を含む。
【0182】
いくつかの実施形態では、患者への投与のためのCAR-T細胞の組成物は、異なる遺伝子型を有する細胞の混合物を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、CAR-T細胞を含み、ここにおいて、細胞の約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、約99%、または約100%が不活性化CD52遺伝子を有する。いくつかの実施形態では、組成物は、CAR-T細胞を含み、ここにおいて、細胞の約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、約99%、または約100%が不活性化TRAC遺伝子を有する。いくつかの実施形態では、組成物は、CAR-T細胞を含み、ここにおいて、細胞の約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、または約100%が、不活性化CD52遺伝子を有し、かつさらにここにおいて、細胞の約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、約99%、または約100%が、不活性化TRAC遺伝子を有する。
【0183】
いくつかの実施形態では、CAR-T細胞はUCART19 CAR-T細胞である。UCART19は、若年成人、成人および小児の急性リンパ芽球性白血病(B-ALL)を含む、CD19発現B細胞白血病の治療に対して開発された同種の操作されたヒトT細胞薬用製品である。UCART19に関連する公開情報には、以下が含まれる: Qasim et al.、“Molecular remission of infant B-ALL after infusion of universal TALEN gene-edited CAR T cells” Sci Transl Med 2017 Jan 25;9(374)、Gouble et al.、“In Vivo Proof of Concept of Activity and Safety of UCART19、an Allogeneic “Off-the-Shelf” Adoptive T-Cell Immunotherapy Against CD19+ B-Cell Leukemias” Blood 2014、124(21) page 4689.、および2016年5月2日、US 20160145337号として発行された米国特許出願第14/891296号であり、それぞれが参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。UCART19は、CD34抗原およびCD20抗原の両方からのエピトープを組み合わせるセーフティ・スイッチRQR8と共に、ヒトCD19に対して指向されるCARを発現する。UCART19は、表7に示す、および/または、参照によりその全体が本明細書に援用される、米国特許出願公開第2016/0145337に記載されるペプチドのうち一つ以上から作製される抗ヒトCD19 4-1BB/CD3ゼータ CARを含む。
【0184】

【0185】
UCART19はさらに、 TRACおよび CD52 遺伝子の同時破損を受け、そして残留TCRαβ+細胞の枯渇が続く。UCART19は、マウス抗ヒトCD19 4G7ハイブリドーマ、CD8ヒンジおよび膜貫通ドメイン、4-1BB共刺激ドメイン、およびCD3ゼータ シグナル伝達ドメイン由来の単鎖可変断片(scFv)を含む。UCART19の原薬(DS)は、(i)T細胞をCD19+ 腫瘍細胞に向け直しそれらを排除する抗CD19 CARを発現する組込み型自己不活性化(SIN)組換えレンチウイルス送達ベクターを含む、(ii)リツキシマブに感受性を与えるRQR8セーフティ・スイッチを発現する、(iii)製造プロセスの間、mRNAベースのTALEN(登録商標)遺伝子編集を用いたTRAC遺伝子の枯渇を介したTCRαβ-陰性であり、残りのTCRαβ+細胞の枯渇がそれに続く、(iv)抗CD52抗体(例えば、配列番号8及び/又は配列番号10の配列を含む抗体)で前もって治療された、または治療中である患者にUCART19を投与できるように、mRNAベースのTALEN(登録商標)遺伝子編集を用いたCD52 遺伝子の破損を介した、CD52ノックアウトおよびCD52陽性細胞の混合である、同種の遺伝子改変されたCD19CAR/RQR8+_TCRαβ-_T-細胞と定義される。
【0186】
UCART19製造の例示的な流れを図4Aおよび図4Bに示す。
【0187】
本明細書で使用される場合、UCART19(CD19CAR/RQR8+_TCRαβ-_T細胞)は、CD19 CAR、及びRQR8セーフティ・スイッチを発現するUCART19細胞を指す。細胞はまた、不活性化TRAC遺伝子を含む。随意に、細胞は不活性化CD52遺伝子を含む。
【0188】
本明細書で使用される場合、UCART19(CD19CAR/R2+_TCRαβ-_T細胞)は、CD19 CAR、及びR2セーフティ・スイッチを発現するUCART19細胞を指す。細胞はまた、不活性化TRAC遺伝子を含む。随意に、細胞は不活性化CD52遺伝子を含む。
【0189】
本明細書で使用される場合、UCART19(CD19CAR/TCRαβ-_T細胞)は、CD19CARを発現するUCART19細胞を指す。細胞はまた、不活性化TRAC遺伝子を含む。随意に、細胞は不活性化CD52遺伝子を含む。
【0190】
いくつかの実施形態では、CAR-T細胞は、配列番号1に示されるアミノ酸配列を発現する同種CAR-T細胞である。
【0191】
本明細書に記載されるすべての方法に関して、CAR-T細胞組成物に関する言及は、一つ以上の追加的薬剤を含む組成物も含む。これらの組成物は、当技術分野で周知の緩衝液を含む薬学的に許容可能な賦形剤などの適切な賦形剤をさらに含みうる。本明細書に開示される組成物および方法は、単独でまたはその他の従来的な治療方法と組み合わせて使用することができる。
【0192】
CAR-T細胞は、任意の適切な経路を介して対象に投与することができる。本明細書に記載の実施例は、限定することを意図するものではなく、利用可能な技術を例示することを意図することが当業者には明らかである。したがって、いくつかの実施形態では、CAR-T細胞は、静脈内投与、例えばボーラスとして、または一定時間にわたる連続注入により、筋肉内、腹腔内、脊髄内、経皮、皮下、関節内、舌下、関節滑液嚢内、ガス注入を介して、くも膜下腔内、経口、吸入、または局所経路による、などの公知の方法によって、対象に投与される。投与は、全身的、例えば、静脈内投与、または局所的でありうる。ジェット噴霧器および超音波噴霧器を含む液体製剤用の市販の噴霧器は、投与に有用である。液体製剤を直接噴霧することができ、凍結乾燥粉末は再構成後に噴霧することができる。
【0193】
投与に使用されるCAR-T細胞の様々な製剤が使用されうる。いくつかの実施形態では、CAR-T細胞および薬学的に許容可能な賦形剤は、様々な製剤であってもよい。薬学的に許容可能な賦形剤は当技術分野で公知であり、薬理学的に有効な物質の投与を促進する比較的不活性な物質である。例えば、賦形剤は、形態または粘稠度を与えるか、または希釈剤として作用することができる。適切な賦形剤としては、安定剤、湿潤剤、乳化剤、様々なオスモル濃度の塩、封入剤、緩衝剤、及び皮膚貫通促進剤が挙げられるが、これらに限定されない。
【0194】
これらの薬剤は、生理食塩水、リンゲル液、デキストロース溶液、およびこれに類するものなどの薬学的に許容可能なビヒクルと組み合わせることができる。特定の投与レジメン、すなわち、用量、タイミング、および反復は、特定の個人および個人の病歴に依存する。
【0195】
許容可能な担体、賦形剤、または安定剤は、使用される投与量および濃度でレシピエントに無毒であり、緩衝剤、例えば、リン酸、クエン酸、および他の有機酸;塩化ナトリウムなどの塩;アスコルビン酸およびメチオニンを含む抗酸化剤;防腐剤(例えば、オクタデシルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、塩化ヘキサメトニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、フェノール、ブチル、またはベンジルアルコール;アルキルパラベン、例えばメチル、またはプロピルパラベン;カテコール;レゾルシノール;シクロヘキサノール;3-ペンタノール;およびm-クレゾール);低分子量(約10残基未満)ポリペプチド;タンパク質、例えば、血清アルブミン、ゼラチン、またはイムノグロブリン;親水性ポリマー、例えばポリビニルピロリドン;アミノ酸、例えば、グリシン、グルタミン、アスパラギン、ヒスチジン、アルギニン、またはリジン;単糖類、二糖類、およびグルコース、マンノース、またはデキストリンを含む他の炭水化物;キレート剤、例えばEDTA;糖、例えば、スクロース、マンニトール、トレハロース、またはソルビトール;塩形成対イオン、例えばナトリウム;金属錯体(例えば、Zn-タンパク質複合体);および/または非イオン性界面活性剤、例えば、TWEEN(商標)、PLURONICS(商標)、またはポリエチレングリコール(PEG)を含み得る。
【0196】
医薬キットおよび製造物品
また、癌などの疾患に罹患している患者を治療するための医薬キットも提供されている。いくつかの実施形態では、医薬キットはCAR-T細胞およびCD52抗体を含む。いくつかの実施形態では、医薬キットはUCART19細胞および抗体を含む。いくつかの実施形態では、医薬キットは、CAR-T細胞(例えば、UCART19細胞)を含む第一の容器と、CD52抗体(例えば、配列番号8及び/または配列番号10の配列を含む抗体)を含む第二の容器とを含む。いくつかの実施形態では、CAR-T細胞 (例えば、UCART19細胞)はCD52欠損である。いくつかの実施形態では、キットは、CAR-T細胞を含む複数の容器を含み、ここにおいて、各容器内のCAR-T細胞の量は同一か、または異なっている。いくつかの実施形態では、第一および/または第二の容器は可撓性の細胞注入バッグである。いくつかの実施形態では、第一および/または第二の容器は、バイアルまたはチューブ(例えば、ガラスまたはプラスチック製のバイアルまたはチューブ)である。医薬キットは、CAR-T細胞およびCD52抗体を対象に投与するための指示を含むラベルまたはパッケージインサートをさらに含みうる。
【0197】
また、対象へ投与するための同種キメラ抗原受容体(CAR)-T細胞の単位用量であって、前述の単位用量は約1×106 ~約5×108 細胞を含む単位用量;包装材料;および第一の投与および後続の投与を実施することによって前述の単位用量の複数を対象に投与することのための指示を含むラベルまたはパッケージインサートを、各々個々に含む、複数の封止可能な容器を含む製造物品も提供されており、前述の第一の投与は前述の単位用量のうちの一つを対象に送達することを含み、前述の後続の投与は前述の単位用量の一つまたは複数を対象に投与することを含む。いくつかの実施形態では、製造物品は、前述の第一の投与に続いて、前述の後続投与が、約30~150日の間の時点で、随意に約30日目、約60日目、約90日目、または約99日目に実施されることを指定する。いくつかの実施形態では、容器は可撓性の細胞注入バッグであるか、またはそれを含む。いくつかの実施形態では、容器は、バイアルまたはチューブ(例えば、ガラスまたはプラスチック製のバイアルまたはチューブ)であるか、またはそれを含む。
【0198】
番号付けされた本開示の実施形態
本明細書に記載される開示および発明は、以下の番号付けされた例示的実施形態を参照することにより定義されうる。
【0199】
1. 難治性および/または再発性非ホジキンリンパ腫を持つ対象を治療する方法であって、前記方法は、抗ヒトCD19 4-1BB/CD3ゼータ CARを含む同種キメラ抗原受容体(CAR)-T細胞(CAR-T 細胞)の少なくとも一用量を対象に投与することを含み、ここにおいて、少なくとも一用量は、約20x106細胞/用量~約360x106細胞/用量である。
【0200】
2. 非ホジキンリンパ腫が大細胞型B細胞リンパ腫である、実施形態1に記載の方法。
【0201】
3. 非ホジキンリンパ腫が濾胞性リンパ腫である、実施形態1に記載の方法。
【0202】
4. 少なくとも一用量が、約20x106 細胞/用量、約40x106 細胞/用量、約80x106 細胞/用量、約120x106 細胞/用量、240x106 細胞/用量、および約360x106 細胞/用量からなる群から選択される、実施形態1~3のいずれか一つに記載の方法。
【0203】
5. 対象が50kg以下の体重である場合、少なくとも一用量が、約20x106 細胞/用量、約80x106 細胞/用量、および約240x106細胞/用量からなる群から選択される、実施形態1~4のいずれか一つに記載の方法。
【0204】
6. 対象が50kg超の体重である場合、少なくとも一用量が、約20x106 細胞/用量、約40x106 細胞/用量、約120x106 細胞/用量、および約360x106細胞/用量からなる群から選択される、実施形態1~4のいずれか一つに記載の方法。
【0205】
7. CAR-T細胞がCD52欠損である、実施形態1~6のいずれか一つに記載の方法。
【0206】
8. CAR-T細胞が、CD52欠損細胞およびCD-52陽性細胞の混合物を含む、実施形態1~6のいずれか一つに記載の方法。
【0207】
9. CAR-T細胞が、配列番号1のCARを含む、実施形態1~8のいずれか一つに記載の方法。
【0208】
10. CAR-T細胞が、UCART19(CD19)CAR/RQR8+_TCRαβ-_T細胞を含む、実施形態1~9のいずれか一つに記載の方法。
【0209】
11. CAR-T細胞がセーフティ・スイッチを発現しない、実施形態1~9のいずれか一つに記載の方法。
【0210】
12. CAR 発現が、CAR-T細胞の投与後少なくとも14日間まで対象において検出可能である、実施形態1~11のいずれか一つに記載の方法。
【0211】
13. CAR 発現が、CAR-T細胞の投与後少なくとも28日間まで対象において検出可能である、実施形態1~12のいずれか一つに記載の方法。
【0212】
14. 対象が、CAR-T投与後少なくとも1ヶ月間、CRまたはCri状態を示す、実施形態1~13のいずれか一つに記載の方法。
【0213】
15. 対象が、CAR-T投与後少なくとも2ヶ月間、CRまたはCri状態を示す、実施形態1~14のいずれか一つに記載の方法。
【0214】
16. 対象が、CAR-T投与後少なくとも6ヶ月間、CRまたはCri状態を示す、実施形態1~15のいずれか一つに記載の方法。
【0215】
17. 対象が、CAR-T投与後少なくとも12ヶ月間、CRまたはCri状態を示す、実施形態1~16のいずれか一つに記載の方法。
【0216】
18. 対象が、少なくとも一用量の投与前に第一のリンパ枯渇レジメンを受ける、実施形態1~17のいずれか一つに記載の方法。
【0217】
19. 第一のリンパ枯渇レジメンが、フルダラビンおよびシクロホスファミドの投与を含む、実施形態18に記載の方法。
【0218】
20. 第一のリンパ枯渇レジメンが、フルダラビン、シクロホスファミド、および抗CD52抗体の投与を含む、実施形態18に記載の方法。
【0219】
21. 第一のリンパ枯渇レジメンが、メンサ(ナトリウム-2-メルカプトエタンソルホナート)を投与することをさらに含む、実施形態19または20に記載の方法。
【0220】
22. 第一のリンパ枯渇レジメンが、少なくとも一つのコルチコステロイドを投与することをさらに含む、実施形態19~21のいずれか一つに記載の方法。
【0221】
23. コルチコステロイドが、抗CD52抗体の投与直前に投与される、実施形態22に記載の方法。
【0222】
24. コルチコステロイドがメチルプレドニゾロンである、実施形態22または23に記載の方法。
【0223】
25. メチルプレドニゾロンが2 mg/kgの用量で投与される、実施形態24に記載の方法。
【0224】
26. 患者が、リンパ枯渇レジメンの前に注入関連の反応のための事前薬物投与を受ける、実施形態1~25のいずれか一つに記載の方法。
【0225】
27. 事前薬物投与が少なくとも一つの抗ヒスタミン薬を含む、実施形態26に記載の方法。
【0226】
28. 事前薬物投与がアセトアミノフェンを含む、実施形態26または27に記載の方法。
【0227】
29. フルダラビンが約30mg/m2/日の投与量で投与され、シクロホスファミドが約300 mg/m2/日の投与量で投与され、またはCD52抗体が約10~約13 mg/日の投与量で投与される、実施形態19~28のいずれか一つに記載の方法。
【0228】
30. フルダラビンが約30mg/m2/日の投与量で投与され、シクロホスファミドが約300 mg/m2/日の投与量で投与され、およびCD52抗体が約10~約13 mg/日の投与量で投与される、実施形態20~28のいずれか一つに記載の方法。
【0229】
31. 第一のリンパ枯渇レジメンが、少なくとも一用量の投与前約1~15日の間に開始される、実施形態18~30のいずれか一つに記載の方法。
【0230】
32. 第一のリンパ枯渇レジメンが、1、2、3、4、または5日の過程で投与される、実施形態18~31のいずれか一つに記載の方法。
【0231】
33. 対象が、CAR-T細胞の後続用量を受ける、実施形態1~32のいずれか一つに記載の方法。
【0232】
34. 対象が、後続用量の投与時に準最適応答を示す、実施形態33に記載の方法。
【0233】
35. 準最適応答が、
(a)検出可能な最小残存疾患(白血病患者)および細胞遺伝学的応答の不在を伴う、完全奏効(CR)、血球数の不完全な回復を伴う完全奏効(CRi)、
(b)骨髄完全奏効、
(c)部分的奏効、または
(d)安定奏効を含む、実施形態34に記載の方法。
【0234】
36. 後続用量が、第一の用量の細胞数とほぼ同じ数の細胞を含む、実施形態33~35のいずれか一つに記載の方法。
【0235】
37. 後続用量が、第一の用量と比較して、増加した数の細胞を含む、実施形態33~35のいずれか一つに記載の方法。
【0236】
38. 後続用量が、第一の用量と比較して、減少した数の細胞を含む、実施形態33~35のいずれか一つに記載の方法。
【0237】
39. 後続用量が、第一の用量の少なくとも14、少なくとも28、少なくとも42、または少なくとも56日後に投与される、実施形態33~38のいずれか一つに記載の方法。
【0238】
40. 癌に罹患している患者を治療するための医薬キットであって、キットが、
(a)抗CD19 CAR-T細胞;および
(b)CD52抗体を含む、医薬キット。
【0239】
41. CAR-T細胞がUCART19細胞である、実施形態40に記載の医薬キット。
【0240】
42. CAR-T細胞が、配列番号1のCAR を発現する、実施形態40または41に記載の医薬キット。
【0241】
43. CD52抗体が、配列番号8および/または配列番号10の配列を含む、実施形態40~42のいずれか一つに記載の医薬キット。
【0242】
44. キットが、CAR-T細胞を含む第一の容器と、CD52抗体を含む第二の容器とを含む、実施形態40~43に記載のいずれか一つに記載の医薬キット。
【0243】
45. 第一と第二の容器のうちの少なくとも一つが、可撓性の細胞注入バッグである、実施形態44に記載の医薬キット。
【0244】
46. キットが、CAR-T細胞およびCD52抗体を対象に投与するための指示を含むラベルまたはパッケージインサートをさらに含む、実施形態40~45のいずれか一つに記載の医薬キット。
【0245】
47. 治療方法であって、
(a)疾患を有する対象にキメラ抗原受容体(CAR)-T細胞(CAR-T 細胞)の第一の用量を投与すること、および
(b) (a)における前述の投与の開始後、少なくとも約28日、または約28日超、および(a)における前述の投与の開始後約200日未満の時点で、CAR-T細胞の後続用量を対象に投与すること、を含む、治療方法。
【0246】
48. CAR-T細胞が同種である、実施形態47に記載の方法。
【0247】
49. 第一の用量が約1×104 ~約5×108 の合計細胞を含む、実施形態47または48に記載の方法。
【0248】
50. 第一の用量が、約6×105 合計細胞、約6×106 合計細胞、約6×107 合計細胞、約8×107 合計細胞、約1.8×108 合計細胞、約2.4×108 合計細胞、または約5×108 合計細胞を含む、実施形態49に記載の方法。
【0249】
51. 第一の用量が、対象の体重のキログラム当たり1×104 ~2x107 細胞を含む、実施形態47または48に記載の方法。
【0250】
52. 第一の用量が、対象の体重のキログラム当たり約1×104、約1x105、約1x106、約3x106、または約9x106細胞を含む、実施形態51に記載の方法。
【0251】
53. CAR-T細胞の後続用量が、(a)における前述の投与開始から約28日、約60日、または約99日後に投与される、実施形態47~52のいずれか一つに記載の方法。
【0252】
54. CAR-T細胞の後続用量が、(a)における前述の投与開始から約99日後に投与される、実施形態53に記載の方法。
【0253】
55. ステップ(a)の後、およびステップ(b)の前に、対象が暫定リンパ枯渇レジメンを施される、実施形態47~54のいずれか一つに記載の方法。
【0254】
56. 暫定リンパ枯渇レジメンが、ステップ(b)の前に約0~14日の間、対象へのフルダラビン、シクロホスファミド、およびCD52抗体の投与を含む、実施形態47~55のいずれか一つに記載の方法。
【0255】
57. フルダラビンが約90~150 mg/m2の投与量で投与され、シクロホスファミドが約1000~4000 mg/m2の投与量で投与され、およびCD52抗体が約0.3~1 mg/kgの投与量で投与される、実施形態56に記載の方法。
【0256】
58. 対象が、第一のリンパ枯渇レジメンを施される、実施形態47~57のいずれか一つに記載の方法。
【0257】
59. 第一のリンパ枯渇レジメンが、対象へのフルダラビン、シクロホスファミド、およびCD52抗体の投与を含む、実施形態47に記載の方法。
【0258】
60. フルダラビンが約90~150 mg/m2の投与量で投与され、シクロホスファミドが約1000~4000 mg/m2の投与量で投与され、およびCD52抗体が約0.3~1 mg/kgの投与量で投与される、実施形態59に記載の方法。
【0259】
61. 第一のリンパ枯渇レジメンが、ステップ(a)の約15~5日前の間に開始される、実施形態58~60のいずれか一つに記載の方法。
【0260】
62. 第一のリンパ枯渇レジメンが、ステップ(a)の約2~10日前の間に完了される、実施形態58~60のいずれか一つに記載の方法。
【0261】
63. 応答がステップ(a)とステップ(b)との間で評価される、実施形態47~62のいずれか一つに記載の方法。
【0262】
64. 応答が、暫定リンパ枯渇の前に評価される、実施形態63に記載の方法。
【0263】
65. 後続用量が約1×105~約5×108合計細胞を含む、実施形態47~64のいずれか一つに記載の方法。
【0264】
66. 後続用量が約6×106 合計細胞を含む、実施形態47~65のいずれか一つに記載の方法。
【0265】
67. (a)における投与後の疾患の一つ以上の症状の減少によって示されるように、(a)における前述の投与が、対象の疾患の改善をもたらす、実施形態47~66のいずれか一つに記載の方法。
【0266】
68. (b)における投与時に、対象が再発している、実施形態67に記載の方法。
【0267】
69. 細胞の後続用量が、対象の疾患の改善に十分な量の細胞を含む、実施形態47~68のいずれかに記載の方法。
【0268】
70. (b)における投与が、対象の疾患のさらなる改善をもたらす、実施形態47から69のいずれかに記載の方法。
【0269】
71. 後続用量の投与が、後続用量の投与の開始直前と比較して、対象における疾患の改善をもたらす、実施形態47~70のいずれかに記載の方法。
【0270】
72. 方法が、別の投与レジメンを含む方法と比較して、より大きな程度まで、および/またはより長い期間、疾患の改善をもたらし、ここにおいて、対象は、(a)における細胞と、(b)における細胞とを単回投与で投与される、実施形態47~71のいずれかに記載の方法。
【0271】
73. 疾患が第一の用量の投与後に持続し、および/または第一の用量の投与が、対象の疾患を撲滅するためには十分ではない、実施形態47~72のいずれかに記載の方法。
【0272】
74. 対象が、(b)における投与時にCAR-T細胞の持続性の不在を示す、実施形態47~73のいずれかに記載の方法。
【0273】
75. 対象が、(b)における投与時に、疾患の一つ以上の症状を示す、実施形態47~74のいずれかに記載の方法。
【0274】
76. 対象が、(b)における投与時に、準最適応答を示す、実施形態47~75のいずれかに記載の方法。
【0275】
77. 準最適応答が、
(a)検出可能な最小残存疾患(白血病患者)および細胞遺伝学的応答の不在を伴う、完全奏効(CR)、血球数の不完全な回復を伴う完全奏効(CRi)、
(b)骨髄完全奏効、
(c)部分的奏効、または
(d)安定奏効を含む、実施形態76に記載の方法。
【0276】
78. (b)における投与に続いて、2日目、3日目、4日目、5日目、6日目、7日目、8日目、9日目、10日目、11日目、12日目、13日目、または14日目に対象におけるサイトカイン放出症候群(CRS)関連結果が検出不可能か、または別の投与レジメンを含む方法に比べて約20%~約99%低減されており、ここにおいて、対象が、第一の用量の投与を受けていずに、(b)において細胞を投与される、実施形態47~77のいずれかに記載の方法。
【0277】
79. 後続用量が、第一の用量の細胞数とほぼ同じ数の細胞を含む、実施形態47~78のいずれかに記載の方法。
【0278】
80. 後続用量が、第一の用量と比較して、増加した数の細胞を含む、実施形態47~78のいずれかに記載の方法。
【0279】
81. 後続用量が、第一の用量の細胞数より少なくとも約5%多い細胞を含む、実施形態80に記載の方法。
【0280】
82. 後続用量が、第一の用量と比較して、減少した数の細胞を含む、実施形態47~78のいずれかに記載の方法。
【0281】
83. 後続用量が、第一の用量の細胞数より少なくとも約5%少ない細胞を含む、実施形態82に記載の方法。
【0282】
84. 疾患が腫瘍または癌である、実施形態47~83のいずれか一つに記載の方法。
【0283】
85. 癌が白血病またはリンパ腫である、実施形態84に記載の方法。
【0284】
86. 腫瘍または癌が、急性リンパ芽球性白血病(ALL)である、慢性リンパ性白血病(CLL)、HNSCC、非ホジキンリンパ腫、急性骨髄性白血病、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫 (DLBCL)、多発性骨髄腫、難治性濾胞性リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、緩慢性B細胞リンパ腫、B細胞悪性疾患、結腸癌、肺癌、肝臓癌、乳癌、前立腺癌、卵巣癌、皮膚癌、メラノーマ、骨癌、および脳癌、卵巣癌、上皮癌、腎細胞癌、膵臓腺癌、ホジキンリンパ腫、子宮頸癌、大腸癌、グリア芽腫、神経芽細胞腫、ユーイング肉腫、髄芽腫、骨肉腫、滑膜肉腫、または中皮腫である、実施形態84に記載の方法。
【0285】
87. ALLが再発性または難治性ALLである、実施形態86に記載の方法。
【0286】
88. 同種CAR-T細胞の第一の用量を前もって投与された対象に、同種キメラ抗原受容体(CAR)-T細胞の後続用量を投与することを含む治療方法であって、ここにおいて、細胞の後続用量を、第一の用量の開始後少なくとも約5週間、または約5週間超、および第一の用量の開始後約24週間未満の時点で、投与する、治療方法。
【0287】
89. 同種キメラ抗原受容体(CAR)-T細胞の後続用量を対象に投与することを含む治療方法であって、ここにおいて、前述の投与前に、対象は、対象において臨床的利益を示すのに十分な量で(CAR)-T細胞の以前の用量を受けており、および投与時に、対象はCAR-T細胞に対して特異的な検出可能な適応宿主免疫応答を示さず、および/または前述の以前の用量と後続用量との間の時間は、約5週間を超え約24週間未満である、治療方法。
【0288】
90. 後続用量において投与される細胞数が、第一の用量において投与される細胞数と同じである、実施形態88に記載の方法。
【0289】
91. 後続用量において投与される細胞数が、第一の用量において投与される細胞数より多い、実施形態88に記載の方法。
【0290】
92. CAR-T細胞で前もって治療された対象の疾患の治療のための薬剤の製造のための同種キメラ抗原受容体(CAR)-T細胞を含む組成物の使用であって、ここにおいて、組成物は、以前の治療後約5~24週間の間に使用されるためのものであり、および/または組成物は、CAR-T細胞で前もって治療されていた対象の疾患の改善に十分な量の後続用量の投与のために処方される、使用。
【0291】
93. CAR-T細胞で前もって治療された対象の疾患の治療に使用するための同種キメラ抗原受容体(CAR)-T細胞を含む組成物であって、ここにおいて、細胞は、以前の治療後約5~24週間の間に使用されるためのものであり、および細胞は、CAR-T細胞で前もって治療されていた対象の疾患の改善に十分な量の後続用量の投与のために処方される、組成物。
【0292】
94. 以前の治療におけるCAR-T細胞の用量が、後続用量の使用前の対象の疾患の一つ以上の症状を改善した、実施形態92に記載の使用、または実施形態93に従った使用のための組成物。
【0293】
95. 疾患を治療するための方法での使用のための薬剤の製造における同種キメラ抗原受容体(CAR)-T細胞の使用であって、前述の方法が、CAR-T細胞の第一の用量を、疾患を有する対象へ投与することであって、前述の第一の用量が、約1×106 ~約5×108 合計細胞を含む、投与すること、および、(a)における前述の投与の開始後、少なくとも約4週間または約4週間超、および(a)における前述の投与の開始後約24週間未満の時点で、CAR-T細胞の後続用量を対象に投与すること、を含む、使用。
【0294】
96. 疾患が白血病またはリンパ腫である、実施形態92、94、または95に記載の使用、または実施形態93に従った使用のための組成物。
【0295】
97. CAR-T細胞が腫瘍抗原特異的CAR-T細胞である、実施形態47~83のいずれかに記載の方法、実施形態92または94~95のいずれか一つに記載の使用、または実施形態93に従った使用のための組成物。
【0296】
98. CAR-T細胞が UCART19細胞である、実施形態47~83のいずれかに記載の方法、実施形態92または94~95のいずれか一つに記載の使用、または実施形態93に従った使用のための組成物。
【0297】
99. 製造物品であって、
対象へ投与するための同種キメラ抗原受容体(CAR)-T細胞の単位用量であって、前述の単位用量が約1×106 ~約5×108 細胞を含む、単位用量と;包装材料と;第一の投与および後続投与を実施することによって前述の単位用量の複数を対象に投与することのための指示を含むラベルまたはパッケージインサートとを、各々個々に含む、複数の封止可能な容器を含み、前述の第一の投与は、前述の単位用量のうちの一つを対象に送達することを含み、前述の後続の投与は、前述の単位用量の一つまたは複数を対象に投与することを含む、製造物品。
【0298】
100. 指示が、前述の第一の投与に続いて、前述の後続の投与が、約30~150日の間の時点で、随意に約30日目、約60日目、約90日目、または約99日目に実施されることを指定する、実施形態99に記載の製造物品。
【0299】
101. 容器が、可撓性の細胞注入バッグであるか、またはこれを含む、実施形態99または100に記載の製造物品。
【0300】
102. 難治性および/または再発性CD19+B細胞性急性リンパ芽球性白血病を有する成人対象を治療する方法であって、抗ヒトCD19 4-1BB/CD3ゼータ CARを含む同種キメラ抗原受容体(CAR)T 細胞(CAR-T細胞)の少なくとも一用量を対象に投与することを含み、ここにおいて、少なくとも一用量は、約6x105細胞/用量、6x106細胞/用量、約6~8x107細胞/用量、および約1.8~2.4x108細胞/用量からなる群から選択される、方法。
【0301】
103. 難治性および/または再発性CD19+B細胞性急性リンパ芽球性白血病を持つ小児対象を治療する方法であって、抗ヒトCD19 4-1BB/CD3ゼータ CARを含む同種キメラ抗原受容体 (CAR)-T細胞(CAR-T細胞)の少なくとも一用量を対象に投与することを含み、ここにおいて少なくとも一用量は、約2~8x107細胞/用量である、方法。
【0302】
104. CAR-T細胞がCD52欠損である、実施形態102または103に記載の方法。
【0303】
105. CAR-T細胞が、CD52欠損細胞およびCD-52陽性細胞の混合物を含む、実施形態102または103に記載の方法。
【0304】
106. CAR-T細胞が、配列番号1のCARを発現する、実施形態102~105のいずれか一つに記載の方法。
【0305】
107. CAR-T細胞がUCART19(CD19CAR/RQR8+_TCRαβ-_T細胞)を含む、実施形態102~106のいずれか一つに記載の方法。
【0306】
108. CAR 発現が、CAR-T細胞の投与後少なくとも42日間まで対象において検出可能である、実施形態102~107のいずれか一つに記載の方法。
【0307】
109. CAR 発現が、CAR-T細胞の投与後少なくとも56日間まで対象において検出可能である、実施形態102~108のいずれか一つに記載の方法。
【0308】
110. 対象が、UCART19投与後少なくとも1.3ヶ月間、CRまたはCri状態を示す、実施形態102~109のいずれか一つに記載の方法。
【0309】
111. 対象が、UCART19投与後少なくとも1.8ヶ月間、CRまたはCri状態を示す、実施形態102~110のいずれか一つに記載の方法。
【0310】
112. 対象が、UCART19投与後少なくとも3.6ヶ月間、CRまたはCri状態を示す、実施形態102~111のいずれか一つに記載の方法。
【0311】
113. 対象が、UCART19投与後少なくとも12.4ヵ月間、CRまたはCri状態を示す、実施形態102~112のいずれか一つに記載の方法。
【0312】
114. 対象が、少なくとも一用量の投与前に、第一のリンパ枯渇レジメンを受ける、実施形態102~113のいずれか一つに記載の方法。
【0313】
115. 第一のリンパ枯渇レジメンが、フルダラビンおよびシクロホスファミドの投与を含む、実施形態114に記載の方法。
【0314】
116. 第一のリンパ枯渇レジメンが、フルダラビン、シクロホスファミド、および抗CD52抗体の投与を含む、実施形態114に記載の方法。
【0315】
117. フルダラビンが約30~150mg/m2の投与量で投与され、シクロホスファミドが約300~4000 mg/m2の投与量で投与され、およびCD52抗体は、約0.3~1mg/kgの投与量で投与される、実施形態115または116に記載の方法。
【0316】
118. 第一のリンパ枯渇レジメンが、少なくとも一用量の投与前約1~15日の間に開始される、実施形態114~117のいずれか一つに記載の方法。
【0317】
119. 対象が、CAR-T細胞の後続用量を受ける、実施形態114~118のいずれか一つに記載の方法。
【0318】
120. 対象が、後続用量の投与時に準最適応答を示す、実施形態119に記載の方法。
【0319】
121. 準最適応答が、
(a)検出可能な最小残存疾患(白血病患者)および細胞遺伝学的応答の不在を伴う、完全奏効(CR)、血球数の不完全な回復を伴う完全奏効(CRi)、
(b)骨髄完全奏効、
(c)部分的奏効、または
(d)安定奏効を含む、実施形態120に記載の方法。
【0320】
122. 後続用量が、第一の用量の細胞数とほぼ同じ数の細胞を含む、実施形態119に記載の方法。
【0321】
123. 後続用量が、第一の用量と比較して、増加した数の細胞を含む、実施形態119に記載の方法。
【0322】
124. 後続用量が、第一の用量と比較して、減少した数の細胞を含む、実施形態119に記載の方法。
【0323】
125. 関心対象標的に向けられた同種キメラ抗原受容体(CAR)-T細胞(CAR-T細胞)の集団を生成する方法であって、
・ 健康なドナーからの末梢血単核細胞(PBMC)を単離することと、
・ PBMC内のT細胞を活性化することと、
・ 活性化されたT細胞をレンチウイルスベクターで形質導入することであって、ここにおいて、レンチウイルスベクターが関心対象のCARを発現する自己不活性化組み換え型ベクターである、形質導入することと、
・ T細胞のサブセットにおけるTCRαβおよびCD-52遺伝子発現を中断することと、
・ T細胞の集団を増殖させることと、
・ TCRαβ陰性細胞に対してT細胞の集団を濃縮することと、を含み、
・ それによって、同種キメラ抗原受容体(CAR)-T細胞(CAR-T細胞)の集団を生成する、方法。
【0324】
126. ステップ(c)が、ステップ(b)の後で約3~4日実施される、実施形態125に記載の方法。
【0325】
127. ステップ(d)が、ステップ(c)の後で約2日実施される、実施形態125または126に記載の方法。
【0326】
128. ステップ(f)が、ステップ(d)の後で約10~12日実施される、実施形態125~127のいずれか一つに記載の方法。
【0327】
129. CAR-T細胞がCD52欠損である、実施形態125~128のいずれか一つに記載の方法。
【0328】
130. CAR-T細胞が、CD52欠損細胞およびCD-52陽性細胞の混合物を含む、実施形態125~129のいずれか一つに記載の方法。
【0329】
131. CAR-T細胞が、配列番号1のCARを発現する、実施形態125~130のいずれか一つに記載の方法。
【0330】
132. CAR-T細胞がUCART19(CD19CAR/RQR8+_TCRαβ-_T細胞)を含む、実施形態125~131のいずれか一つに記載の方法。
【0331】
133. ステップ(c)のレンチウイルスベクターがさらにセーフティ・スイッチを発現する、実施形態125~132のいずれか一つに記載の方法。
【0332】
134. セーフティ・スイッチがRQR8である、実施形態133に記載の方法。
【実施例0333】
以下の実施例は、本開示の方法および材料を例示することを意味する。当業者にとって明らかであるような当該技術分野で通常的に遭遇する記載された疾患およびパラメータの適切な修正および適合は、本開示の精神および範囲内である。
【実施例0334】
実施例1:同種CAR-T投与レジメン
本実施例は、同種CAR-T細胞を用いた複数回投与治療を示す。
【0335】
CAR-T細胞の投与の前に、疾患を有する対象にリンパ枯渇レジメンを施す。このようなレジメンは、例えば、抗CD52薬剤(例えば、配列番号8及び配列番号10の配列を含む抗体などのCD52抗体)(約0.3~1mg/kgの範囲の総投与量)を用いた、フルダラビン(約30~150mg/m2の範囲の総投与量)、およびシクロホスファミド(約300~4000 mg/m2の範囲の総投与量)による治療を含み得る。
【0336】
対象は、約1×104~約5×108 細胞のCAR-T細胞の第一の用量をD0に投与される。
【0337】
約D24とD62の間で、CAR-T細胞の第一の用量に対する応答が評価される。治療された対象の末梢血中に存在するCAR-T細胞の数は、CAR特異的マーカー、CD4、及び/又はCD8の表面発現のための細胞サンプルのフローサイトメトリーを実施することによって測定される。陽性のMRDおよび/または持続性の喪失は、CAR-T細胞の後続投与を示唆する。
【0338】
CAR-T細胞を用いた後続の投与の前に、MRDを有する対象はリンパ枯渇レジメンを施される。このようなレジメンは、例えば、抗CD52(約0.3~1mg/kgの範囲の総投与量)を用いた、または抗CD52を用いない、フルダラビン(約30~150mg/m2の範囲の総投与量)、およびシクロホスファミド(約300~4000 mg/m2の範囲の総投与量)による治療を含み得る。リンパ枯渇後2~14日の間、対象は約1×104~約1×108 細胞の用量のCAR-T細胞を投与される。CAR-T細胞の用量に対する応答が評価され、治療対象の末梢血中に存在するCAR-T細胞の数が測定される。陽性のMRDおよび/または持続性の喪失は、CAR-T細胞の後続投与を示唆する。MRD陰性が達成されるまで、複数用量の同種CAR-Tを投与しうる。
【実施例0339】
実施例2:CD19+再発性/難治性B細胞性急性リンパ芽球性白血病を有する成人患者における、同種抗CD19CAR-T細胞生成物(UCART19)の使用
【0340】
この研究は、B-ALLの治療に対処するために実施された。B-ALL は、成人患者の約60% で治癒可能である。再発では、予後は非常に悪い(全生存10%未満)。標準療法には、併用化学療法±同種SCTが関与する。
【0341】
対象には、CD19+悪性腫瘍を標的化した同種、汎用、養子T細胞療法を施した。
【0342】
レンチウイルス形質導入を使用して導入遺伝子発現が達成された。UCART19は、抗CD19 scFvと、CD3ζ + 4-1BBを含む細胞内ドメインとを含む。CAR-T細胞はさらに、トランスに発現されたセーフティ・スイッチされたRQR8(CD20 ミモトープ)を含む。CAR-T細胞は、TALENベースの技術を使用して、さらなるノックアウトによって調製された。特に、TRACが、患者のHLA抗原のTCR媒介性認識を阻止するためにノックアウトされた。CD52をノックアウトして、リンパ枯渇においてCD52抗体を使用することを可能にした。ここで使用されるように(CD19CAR/RQR8+_TCRαβ-_T細胞)例示的なUCART19細胞が、図5で提供される。
【0343】
この研究は、少なくとも三つの目的を持ち、研究デザイン概略の概略図を図6Aおよび図6Bに示す(BMA = 骨髄吸引)。
【0344】
目標#1: 異なる用量でのUCART19の安全性および忍容性の評価、および最大耐用量(MTD)の決定。(図3B)。
【0345】
目標#2: 抗白血病活性の評価
【0346】
目標#3: UCART19の増殖および持続性を評価する。
【0347】
図3Bは、以下の特徴を持つ研究計画を示す。
・ UCART19の最大四つの用量レベル(DL)を評価し、R/R(再発性/難治性)B-ALLを有する成人患者の最大耐用量(MTD)を決定するための、用量漸増、非盲検、非比較研究。
・ 用量漸増、その後に安全性拡大部、MTDで、または推奨用量(RD)で投与された患者が続く
・ リンパ枯渇(LD)レジメンは、UCART19の注入の前にD-7から開始し、CD52抗体無しで(FC)、またはCD52抗体1mg/kgと共に(FCA)、シクロホスファミド1500 mg/m2とフルダラビン90 mg/m2とを組み合わせる。
・ 拡大部の間、CD52抗体の役割が、患者の2コホートで調査されうる(FCまたはFCAを有するLD)
・ D0で、UCART19は、遅いIV注入(5分)によって、単回の非分割用量として投与される。
・ 用量制限毒性の評価は、注入の28日後に行われる(D28)
・ 骨髄吸引/生検は、D-1において、D28及びD84において、LDの前に行われる。
・ 最小残存疾患(MRD)は、骨髄において、10~4未満の芽細胞によって定義され、フローサイトメトリー(FLC)及び/又はqPCRによって評価される
・ 研究完了時(注入後D84)で、患者は15年の期間、長期フォローアップ研究(LTFU)に対してロールオーバーされる。
【0348】
この研究の主な適格性基準は以下のとおりである:
・ 年齢16歳以上、最年長で70歳未満(男性または女性)
・ 全米総合癌ネットワークのガイドライン(NCCN、2017)による、CD19+ 再発性または難治性(再発性/難治性;R/R)B-ALLを有する患者
・ 形態学的またはMRD+ (フローサイトメトリーおよび/またはqPCRにより1x10-3 以上)
・ 使用可能な治療オプションを使い尽くされた人物
・ 治験遺伝子または細胞療法生成物で以前に治療されていない
・ 臨床的に疑われる延髄外併発はない
・ 十分な腎臓、肝臓、肺および心臓機能
・ 活性感染なし
・ 活性CNS白血病なし
【0349】
本明細書に提示されるデータは、6x106合計細胞(約1x105 細胞/キログラム)の第一の用量レベルでの6人の患者、および6~8x107合計細胞(約1x106 細胞/キログラム)の第二の用量レベルでの6人の患者を有する、12人の治療された患者のものである。患者はまだ、1.8~2.4x108 合計細胞の第三、および最終用量レベルで治療されていなかった。12人の患者のうち10人が登録されていたヨーロッパの臨床診療を反映して、3人はブリナツモマブの前治療を受けており、7人は同種SCT(同種幹細胞移植)の前治療を受けており、大部分の患者が前治療方針を三つ以上受けた。
【0350】
患者の特性を以下の表8に示す。
【0351】
安全性
CD52抗体を受けた10人の患者、(FCAレジメン)、およびCD52抗体を受けていない2人の患者の、12人の登録患者はすべて、シクロホスファミドおよびフルダラビンからなるリンパ枯渇化学療法に続き、標的細胞用量でUCART19を受けた。以下の表6は、UCART19注入に関連する有害事象、およびリンパ枯渇レジメンに関連する有害事象をグレードによってまとめたものである。グレード1は軽度の毒性を示し、グレード2は中程度の毒性を示し、グレード3は重度の毒性を示し、グレード4は生命に危険を及ぼす毒性を示す。グレード5の毒性は、死亡につながる毒性を示す。
【0352】
【0353】
最も一般的なUCART19関連有害事象は、CRSであり、患者11人で報告された(2人の患者がCRSの重大な症例を経験した、1人はグレード3および1人はグレード4)。トシリズマブは、患者11人中6人で投与された。CRSは、全患者の血清サイトカイン増加(IL-6、IL-10およびIFNガンマ)および血液中でのUCART19の増殖と相関した。
【0354】
4人の患者(G1~G3)でウイルス再活性化(CMVおよび/またはアデノウイルス)が発生した。
【0355】
3人の患者が長期間にわたる血球減少を発症し、UCART19注入後の42日目を超えて持続性血球減少として定義された。
【0356】
3人の患者が軽度またはグレード1、神経毒性事象を経験した。
【0357】
1人の患者が皮膚のグレード1GvHD有害事象を経験し、局所ステロイドで解消した。
【0358】
2用量制限毒性が報告された。第一の症例は第一の用量レベルで発生し、UCART19に関連するグレード4 CRSであり、リンパ枯渇およびUCART19に関係するグレード5好中球減少性敗血症と関連していた。UCART19注入後の15日目に死亡が発生した。第二の症例、グレード4の長期間にわたる血球減少は、第二の用量レベルで発生し、リンパ枯渇およびUCART19の両方に関連していると報告された。この患者は同種SCTを受け、同種SCT後19日目、またはUCART19注入後の82日目における感染の状況において、無関係なグレード5の肺出血を有した。部分的に疾患の進行段階および付随する交絡状態により、グレード5の有害事象が、他の自己抗CD19CAR T細胞療法試験で報告されている。
【0359】
また、さらに二つのUCART19に起因しない死亡事故も報告されている。1人の患者が進行性疾患によって死亡し、1人は同種SCT関連の合併症によって死亡した。移植関連死亡率は、同種SCTに続く患者の約20~30%で発生する。
【0360】
有効性
図7Aは、研究状態を示す。図7Bは、本試験での奏効、寛解持続期間、およびUCART19の再投与を示す(抗白血病活性)。
【0361】
MRD-CRは、患者がCRを達成した時に発生し、ポリメラーゼ連鎖反応またはフローサイトメトリーなどの感受性検査を使用するときに髄腔内のALL細胞の証拠がない。CRまたはCRiの比率は典型的な規制基準であるが、ALLを有する子供および成人の両方における研究は、最小残存疾患(MRD +)と再発のリスクとの間の強い相関関係を示している。
【0362】
UCART19を投与された12人の患者のうち、2人は評価できなかった(1人は上述のように15日目に死亡、1人はデータ収集時点の28日目の評価に達しなかった)。評価可能な10人の患者のうち8人がCRを達成し、いかなる癌の証拠もまたは症状も存在しないとして、あるいは血球数の不完全な回復を伴うCR(Cri)として定義された。7人の患者がMRD-CRを達成した。
【0363】
難治性疾患を有する2人の患者は、UCART19の増殖を有しなかった。
【0364】
第一の用量のUCART19後の4人の患者、および第二の用量後の2人の患者が含まれる、6人の患者が同種SCTへと進んだ。ここで収集したデータの時点で、4人の患者は、UCART19注入後、12.4、3.6、1.8、及び1.3ヵ月でMRD-CRのままであった(分子学的寛解)。
【0365】
UCART19注入後の7日目から血液中にCAR T細胞の増殖が検出され、10日目~17日目の間にピーク増殖に達した。第二の用量レベルでの患者1人は、42日目までの長い持続性に繋がった最高ピークを示し、データカットオフ時でもまだ進行していた。用量レベル2で、データカットオフ時点で観察された最長持続性は56日目であった。
【0366】
FCレジメンの2人の患者は、CAR-T細胞増殖の証拠を示していなかった。同様のCAR-T細胞増殖の欠如が、FCAレジメンの10人の患者のうち2人で見られた。
【0367】
図8A、および図8Bは、CD19+再発性/難治性B細胞性急性リンパ芽球性白血病を有する成人患者のフローサイトメトリーPKプロファイルおよびUCART19動態を示す。具体的には、図8Aおよび図8Bを参照すると、DL1およびDL2でのフローサイトメトリー上の予備データは、UCART19が、D10~D17の間で増殖ピークを有し、D3~D14の血中で検出可能であることを示す。DL2での患者1人は、最も長い持続性に繋がる最高ピークを示した。細胞増殖を有する患者のうち、DL1で:1人の患者がUCART19持続性を最大D42まで示した;DL2で:2人の患者が最大D42まで持続性を示し、D56で継続的な持続性があった。予備データは、UCART19増殖レベルが、D28の応答と相関しないことを示しており、代わりにD28でのMRD-CRが、低レベルのUCART19増殖であっても、観察された。UCART19の第一の用量の後、FCAを用いたLDを受けた10人の患者のうちの2人、およびFCを受けた2人の患者のうち2人で増殖は観察されなかった。
【0368】
UCART19増殖におけるCD52抗体の役割も評価されている。
【実施例0369】
実施例3:再発性/難治性CD19陽性B-ALLを有する患者におけるUCART19の再投与
本実施例は、UCART19での治療を例示するものであり、ここにおいて治療は、実施例2で投与されたように、UCART19の第一の用量の後に投与されたUCART19の後続用量を含む。
【0370】
実施例2における上記の研究から2人の患者は、第二の用量のUCART19を受け、両方ともMRD-CRを達成した。
【0371】
患者#4:
再発性/難治性CD19陽性B-ALLを有する23歳の男性患者は、単回投与のUCART19(6×106 合計細胞、用量DL1)を、研究中の0日目(D0)に受けた。リンパ枯渇レジメン(フルダラビン122 mg/m2、シクロホスファミド1230 mg/m2、およびCD52抗体1 mg/kg)は、UCART19注入前の6日間の期間にわたり投与された。主要な毒性は観察されなかった。この患者は、第一の用量(FCAを有するLD)に続くD61でのCD19+疾患の再発があった。第二の用量(FCを有するLD )は、この患者がD28でMRD-を達成することを可能にした。次いで、患者は、6日間にわたり減少した強度のリンパ枯渇レジメンを受けた(CD52抗体を含まないフルダラビンおよびシクロホスファミド)。初回のUCART19注入の99日後、患者はUCART19を同じ用量で再投与された(6×106 合計細胞)。
【0372】
データは図2Aのグラフに示されている。後続用量のUCART19投与の直前に、UCART19は患者の体内では検出不可能であった(図2A)。
【0373】
患者は、UCART19の第二の用量の注入後のD28でMRD陰性を達成した。したがって、UCART19の第一用量での治療後の分子学的寛解後の再発後のUCART19の投与は、MRD陰性を達成するために有効であった。患者は、第二の用量の6週間後に同種幹細胞移植へと進んだ。
【0374】
患者#13:
男性患者、31歳、難治性B-ALL 診断。フルダラビン(90 mg/m2 総投与量)およびシクロホスファミド(1500 mg/m2 総投与量)(FC)を組み合わせたリンパ枯渇の後、患者は、UCART19の第一の注入を受け、用量は8×107 合計細胞(用量レベル2)であった。第一の投与後:UCART19は検出不可能であった(<1 細胞/μL、フローサイトメトリーによる)。28日目には(UCAR19注入後28日)、抗白血病活性は観察されなかった(骨髄中の芽細胞89%)。作用に関連した毒性の機構は、UCART19注入後28日以内に報告されなかった。患者は研究を休止され、コンパッショネート使用で(英国において「特殊」)、第二のUCART19注入を受けた(総投与量8×107 合計細胞)(第一の用量の48日後)。リンパ枯渇はフルダラビン(90 mg/m2 総投与量)、シクロホスファミド(1500 mg/m2 総投与量)およびCD52抗体(1 mg/kg総投与量)を組み合わせた(FCA)。患者は10日目に低レベルのUCART19増殖(10細胞/μL)を示し、D14後にはUCART19は検出できなかった。低グレードのCRSが報告された。14日目およびD28にフローサイトメトリーによる、およびqPCRによる、陰性最小残存疾患(MRD陰性)を伴う抗白血病活性が観察された。患者は同種移植を受けた(第二の用量から63日後)。彼は最終的には、2018年8月15日(移植後112日目)に再発し、低レベルのMRDが検出された(分子学的再発)。患者は、第一の用量のUCART19の9.3ヶ月後、および第二の用量のUCART19の7.8ヶ月後まで生存している。データは図2B.fに示されている。
【0375】
両方の患者が次いで同種SCTへと進んだ
【0376】
患者#18:
男性患者、22歳、B-ALL 診断。フルダラビン(90 mg/m2 総投与量)、シクロホスファミド(1500 mg/m2総投与量)およびCD52抗体(40 mg総投与量)(FCA)を組み合わせたリンパ枯渇の後、患者は、1.8 x 108細胞(用量レベル3)のUCART19の第一の注入を受けた。UCART19は検出不可能であり、作用に関連した毒性の機構は報告されなかった。28日目には(UCART19注入から28日後)、抗白血病活性は観察されなかった(髄内生検は15%の芽細胞を示した)。患者は難治性であり、強化されたリンパ枯渇レジメンフルダラビン(120mg/m2 総投与量)、シクロホスファミド(1500 mg/m2 総投与量)、およびCD52抗体(1mg/kg総投与量=65mg)(FCA)と共に、第二のUCART19注入を受けた(第一の用量から75日後)。再投与が修正プロトコルにより許可されたため、患者は研究に残った。UCART19の増殖ピークは7日目で観察され、UCART19は10日目で検出可能であり(10細胞/μL)、14日目から検出可能なUCART19はなかった。第二の用量から28日後に、患者は応答しなかった、そして進行した。再投与に対する患者#18の応答を図14に示す。
【0377】
この結果は、再発後に同種CAR-Tを用いた再投与が、再発後のMRD陰性を効果的に達成することを示す。
【実施例0378】
実施例 4: CD19+再発性/難治性B細胞性急性リンパ芽球性白血病を有するハイリスクな小児患者における、同種抗CD19CAR-T細胞生成物(UCART19)の使用
【0379】
B細胞性急性リンパ芽球性白血病は、子供の最も一般的な悪性疾患であり、小児白血病の80%を占める。最も一般的な年齢は2~10歳であり(3~4歳がピーク)、生存率は約90%である。再発は子供の10%で起こる可能性があり、ハイリスクでない限り、約40%~50%が生存し、ハイリスクな場合は約10%~30%生存である。
【0380】
実施例2に提供された同じUCART19を本研究で使用した。
【0381】
この研究では少なくとも以下の目標があった:
・ 固定用量でのUCART19の安全性および忍容性の評価
・ D28、D56、D84、および/または同種SCT条件レジメンの開始前に分子学的寛解を誘発するためのUCART19の能力の評価。
・ 寛解率、寛解持続期間、寛解時、疾患特異的生存期間、および無増悪生存期間の評価。
・ 同種SCTを受けた患者の割合の評価。
・ UCART19の表現型、輸送、増殖および持続性の評価。
【0382】
この研究の主な適格性基準は以下のとおりである:
・ 6ヶ月間から18歳未満の年齢(男性または女性)
・ CD19+R/R B-ALL形態学的またはMRD +(1x10-3以上フローサイトメトリーおよび/またはqPCRによる)を有する患者
・ 使用可能な治療オプションを使い尽くされた人物
・ 入手可能な適切なドナーを用いた同種SCTに対して適格
・ 治験遺伝子または細胞療法生成物で以前に治療されていない
・ 活性感染なし
・ 活性CNS白血病なし
【0383】
図9は、研究デザインを示す。
【0384】
リンパ枯渇レジメンは、D-7(UCART19注入の前週の間)から開始され、以下を組み合わせた:シクロホスファミド(C)(60mg/kg/日、2日間)、フルダラビン(F)(30mg/m2/日、5日間)、およびw/woCD52抗体(A)(0.2mg/kg/日、5日間)。D0では、UCART19のフラット用量(1.1~2.3x106 細胞/kgに相当する2x107 合計細胞)が、5分間にわたって遅いIV注入によって、単回の非分割用量として投与された。
【0385】
安全性評価は、UCART19投与後のD28で行われた。BMAは、ベースライン、D-1、D14(随意)、D28、D56、D84、または同種SCTコンディショニングレジメン開始の前、または休止来院(治験責任医師の裁量で)時に行われた。12ヶ月のフォローアップ期間中、疾患評価のために同種移植後のM1、M2、M3、M6およびM12でBMAを実施する。難治性患者については、BMAは随意に治験責任医師の判断に従い行われる。
結果
【0386】
6人の患者が登録された。6人の患者は、1.1~2.3x106 細胞/kgに相当する重量バンドされた細胞用量で治療されていた。5人の患者は前治療方針を三つ以上受け、3人は前治療方針を四つ以上受けた。2人の患者は同種SCTの前治療を受けた。患者の特性を以下の表10に示す。
【0387】
安全性
6人の登録患者はすべて、シクロホスファミドおよびフルダラビンからなるリンパ枯渇化学療法に続き、標的細胞用量でUCART19を受けた。5人の患者はCD52抗体も受けた。以下の表11は、UCART19細胞注入に関連する有害事象、およびリンパ枯渇レジメンおよび/またはUCART19に関連する有害事象をグレードによってまとめたものである。[グレード1は軽度の毒性を示し、グレード2は中程度の毒性を示し、グレード3は重度の毒性を示し、グレード4は生命に危険を及ぼす毒性を示す。グレード5の毒性は、死亡につながる毒性を示す。]
【0388】
UCART19に関連する最も頻繁な有害事象は、すべての治療された患者のCRSで、患者の1人はグレード3のCRSを経験した。6人の治療患者のうち3人では、軽度から中程度の神経毒性事象が発生した。3人の患者が長期間にわたる血球減少を経験し、リンパ枯渇に関連している、およびいくつかの場合ではUCART19に関連している可能性があると報告された。サイトメガロウイルス(CMV)、アデノウイルス、BKウイルス、およびメタニューモウイルスによるウイルス再活性化は、リンパ枯渇に起因していた。1人の患者が一過性グレード1皮膚GvHDを経験した。2人の患者が同種SCT後に疾患再発から死亡し、1人の患者は同種SCTの合併症で死亡した。治療関連死亡はなかった。これを表12に示している。
【0389】
有効性
図10は、研究状態を示す。図11は、応答、寛解持続期間を示す(抗白血病活性)。
【0390】
すべての患者は、28日間の評価期間を完了し、抗白血病活性について評価可能であった。6人の患者のうち5人が、MRD- CRを達成し、5人すべてが同種SCTを受けた。2人の患者はデータカットオフの時点で、UCART19注入後13ヵ月を超える寛解であったが、患者3人は同種SCT後に死亡し、2人は疾患再発に起因し、1人は移植関連合併症に起因して死亡した。1人の患者が応答欠如のため、研究から離脱し、研究外でブリナツモマブによる後続の治療を受けた。これは、FCレジメンを受けた唯一の患者である。
【0391】
細胞動態を評価し、図12に示した。UCART19ベクターコピー数(VCN)をqPCRによって血液中および骨髄で測定した。予備データは、6人の患者うち5人が、D7までに血液中でUCART19が検出可能であり、増殖ピークがD14あたりで観察されたことを示した。その後再発した患者1人について、UCART19は検出されなかった。5人中3人の患者では、D28まで血液中でUCART19が持続された。5人中2人の患者では、UCART19はD42においてもまだ、血液中で検出可能であった。UCART19が同種SCTのコンディショニングレジメンによって除去されたため、D42を超える持続性は測定されなかった。
【0392】
サイトカイン動態を評価し、6人の患者のうち2人がIL-6およびIFNγ上昇を有した。6人の患者のうち4人でサイトカインの上昇は観察されなかった。6人の患者はすべてCRSを経験した。患者1でCRS G3が、および患者8でCRS G2が観察された。第一のCRSの症状の発症のための時間は、D5とD9の間の範囲であった。
【0393】
T細胞ドナーキメリズムを評価した(図13A図13B図13C)。UCART19は、すべての患者においてD7から少なくともD42までの血液中で検出可能であったが、一つはT細胞ドナーキメリズムの分子署名によって検出可能であった。
【実施例0394】
実施例5:再発性/難治性大細胞型B細胞および/または濾胞性リンパ腫を有する患者における、同種抗CD19CAR-T細胞生成物(UCART19)の使用
【0395】
治療されない場合、B細胞非ホジキンリンパ腫(B-NHL)の20%~30%を含むびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)は致命的である。縦隔原発大細胞型B細胞リンパ腫(PMBCL)および形質転換濾胞性リンパ腫(FL)は、典型的にはDLBCLパラダイムに沿って治療される。DLBCLは、染色体変化だけでなく、シグナル伝達経路活性化および臨床結果も異なる分子的に多様な侵攻型リンパ腫の群を含む。疾患自体は、デノボであってもよく、または形質転換濾胞性リンパ腫などの緩慢性Bリンパ腫の形質転換から生じてもよい。米国では、DLBCLの年間発生率は100,000当たり6.9であり、B-NHLの最も一般的な形態である。
【0396】
侵攻型B-NHLを有するすべての患者の約半分は、再発性または難治性疾患を有し、原発性難治性疾患を有するDLBCL患者の10%~15%と推定され、および初期客観的応答後には追加的に20~30%の再発がある(Chaganti et al、2016)。「ダブルヒット」および「トリプルヒット」を含む、MYC、BCL2、及び/またはBCL6における異常を有するハイグレードB細胞リンパ腫は、新規診断設定でも、劣った予後と関連付けられる(Rosenthal および Younes、2017)。
【0397】
本研究は、再発性/難治性大細胞型B細胞リンパ腫または濾胞性リンパ腫を有する成人患者におけるUCART19の安全性、有効性、細胞動態、および薬力学を評価する単一アーム、非盲検、多施設共同フェーズ1/2研究である。この研究は、用量漸増(フェーズ1)と用量拡大フェーズ(フェーズ2)に分割される。研究のフェーズ1では、RQR8セーフティ・スイッチを含むCAR-T細胞が使用される(CD19CAR/RQR8+_TCRαβ-_T細胞)。研究のフェーズ2では、1人以上の患者は、RQR8セーフティ・スイッチを含まないCAR-T細胞を受けることができる(CD19CAR/TCRαβ-_T細胞、またはCD19CAR/R2+_TCRαβ-_T細胞)。
【0398】
本研究における組み入れ基準は、以下のうちの一つ以上を含み得る:
1. リンパ腫分類の2018年WHO改訂に定義される大細胞型B細胞リンパ腫の組織学的、または細胞学的診断:びまん性大細胞型B細胞リンパ腫 (DLBCL)‐別途規定されない(NOS)(胚中心B細胞 [GCB]、および非GCB)、DLBCLのあらゆるグレードの濾胞性リンパ腫との共存、血管内大細胞型B細胞リンパ腫、慢性炎症に関連するDLBCL、未分化リンパ腫キナーゼ陽性(ALK+)DLBCL、エプスタイン・バーウイルス陽性 (EBV+)DLBCL-NOS、T細胞/組織球豊富型大細胞型B細胞リンパ腫、IRF4/MUM1再配列を有するDLBCL、MYCおよびBCL2および/またはBCL6の転移を有するハイグレードB細胞リンパ腫(ダブル/トリプルヒット)、原発性皮膚DLBCL-下肢型、濾胞性リンパ腫のDLBCLへの形質転換、縦隔原発 B 細胞リンパ腫(PMBCL)、および濾胞性リンパ腫。
2. 以下により定義されるような、再発性または難治性の侵攻型大細胞型B細胞リンパ腫または濾胞性リンパ腫:
・ 療法の直近の用量から6ヵ月以下の安定した疾患の持続期間を持つ、第一選択治療の少なくとも4サイクル(例えば、RCHOPの4サイクル)後の進行性疾患または安定した疾患の最良応答として定義された原発性難治性
・ 療法の第二選択以降に対する難治性(安定した疾患または進行性疾患の最良の応答として定義される)
・ 再発 ≦自己幹細胞移植(SCT)後1年
3. 患者は、アントラサイクリンおよび抗CD20モノクローナル抗体を含む、少なくとも二つの方針の以前の治療を受けていなければならない。
4. 男性または女性患者 ≧18歳
5. 米国東海岸癌臨床試験グループ(ECOG)パフォーマンスステータス0または1
6. 予想寿命の推定 ≧ALLO-501注入後12週間(治験責任医師の判断による)
7. ドナー特異的抗HLA抗体の不在。
8. 以下を含む、適切な血液学的機能:
・ 絶対好中球数(ANC) ≧1,500/mm3 または ≧1.5×109/L
・ 絶対リンパ球数(ALC) ≧200/mm3 または ≧0.2 x 109/L
・ 血小板数 ≧50,000/mm3 または ≧50×109/L
・ ヘモグロビン ≧9 g/dL
9. 以下を含む、適切な腎機能:
・ 機関の方法標準を使用して計算され、透析依存性ではない、推定クレアチニンクリアランス ≧60mL/分。疑わしい場合、24時間の尿収集試験を使用して、クレアチニンクリアランスをより正確に推定することができる。
10. 以下を含む、適切な肝機能:
・ 総ビリルビン ≦2.0 mg/dLであって、全ビリルビンが3.0 mg/dL未満である必要があるジルベール症候群患者を除く。
・ アスパラギン酸およびアラニンアミノトランスフェラーゼ(ASTおよびALT) ≦3 x ULN、 腫瘍による肝臓併発がある場合は、≦5.0xULN;
・ アルカリホスファターゼ ≦2.5×ULN(骨転移の場合はULNの≦5×ULN)。
11. 正常な血液酸素飽和度(SpO2)91%以上(室内空気で)
12. 左室駆出率(LVEF) ≧45%、およびスクリーニング時に血液学的に有意な心膜液貯留を発生しない。
13. 治験責任医師の判断により安全リスクを構成しない有害事象(AE)を除く、ベースラインの重症度またはCTCAEグレード≦1に対する任意の前の療法の急性効果を解消する。
14. B型肝炎抗原に対する血清反応陰性;陽性B型肝炎検査がさらに確認テストによって評価されることができ、確認テストが陰性である場合、患者は登録されうる。
15. 抗原陰性を除いて、C型肝炎抗体に対する血清反応陰性。C型肝炎抗体試験が陽性の場合、RT-PCRによって抗原の存在に対して患者が試験され、HCV RNA陰性であることが必要である。
16. スクリーニング時の血清妊娠試験(妊娠可能である女性用)が陰性。
17. 妊娠不可能な女性患者は、以下の基準の少なくとも一つを満たす必要がある:
・ 別の病理学的または生理的原因を持たない少なくとも12ヶ月連続した定期的な月経の停止と定義される達成された閉経後状態は、閉経後状態を確認する血清卵胞刺激ホルモン(FSH)レベルで確認されうる。
・ 確認された子宮摘出術および/または両側卵巣摘出術を受けた。
・ 医学的に確認された卵巣不全を持つ。
その他すべての女性患者(卵管結紮を有する女性患者を含む)は、妊娠可能であるとみなされる。
18. 患者は、本研究のすべての関連する態様について通知されていることを示す、個人的に署名され日付が記載されたインフォームドコンセント文書の証拠。
19. 予定された来院、治療計画、研究所の試験、および他の手順に従うことを意図し、それを遵守することができる。
【0399】
フェーズ1およびフェーズ2の研究は、スクリーニング、リンパ枯渇、治療およびフォローアップを含む異なる期間に分割される。単一サイクルは、一つのリンパ枯渇と一つの治療期間の組み合わせとして定義される。
【0400】
スクリーニングは、インフォームドコンセントフォームが署名された後に開始される。患者の適格性基準がチェックされる。スクリーニング期間は最終的に28日間までである。スクリーニング期間の終了時にすべての適格性基準を満たす患者は、リンパ枯渇期間に入る。
【0401】
リンパ枯渇は、-5日目に開始し、UCART19注入0日目に終了する。UCART19で治療する前に、全患者は、-5日目、-4日目および-3日目の外来診療の場における、フルダラビン(30mg/m2/日)、シクロホスファミド(300 mg/m2/日)、およびCD52抗体(13mg/日)を用いた静脈内リンパ枯渇を受ける。CD52抗体は約4時間にわたり投与され、患者は注入完了後2時間まで密接に監視されなければならない。高用量コルチコステロイドを含む事前薬物投与は、CD52抗体投与前に必要とされる。CD52抗体関連用量制限毒性(DLT)が開始用量レベルで観察された場合、より低い総用量である30mg(10mg/日を3日間にわたり投与される)が評価される。リンパ枯渇期間の終了時に、UCART19投与を可能にする適格性基準を評価して、患者の安全性を確保すること。
【0402】
0日目から開始する治療期間は、UCART19の注入後56日目に終了する。患者は、0日目において、約5分間にわたり静脈内注入としてUCART19を受ける。UCART19に関連する毒性を密接に管理するために、患者は0日目から最短でも5日間、またはUCART19関連非血液毒性がグレード≦1に戻るまで入院するか、あるいは患者の直接入院を許可する治験現場の外来診療の場でUCART19を受ける。
【0403】
以下の表13に示すように、二つの異なる重量バンドを使用したUCART19の投与戦略が実施される:
【0404】
フォローアップは56日目~9ヶ月目まで続く。患者は、第一のUCART19注入後9ヵ月目のEOS来院までのフォローアップ期間中、または研究からの早期休止後に監視される。次いで、患者は、別個の長期フォローアップ(LTFU)プロトコル下で、15年の長期的なフォローアップに直ちにロールオーバーされる。
【0405】
細胞動態および/または疾患評価後、UCART19での一つの随意の再治療を患者に投与しうる。UCART19での再治療は、フェーズ1、またはフェーズ2のRP2Dで安全と考えられる最高用量レベルで投与されてもよい。再治療は、初期用量とは異なるバッチおよび/またはドナーを使用しうる。UCART19での各再治療は、56日目、4ヶ月目、及び6ヶ月目の計画された腫瘍評価後初回用量から少なくとも4週間あける必要があり、Flu/Cy、またはFlu/Cy、およびCD52抗体を用いたリンパ枯渇の後である必要がある。D14での全血中の検出不能なUCART19を有する患者は、フェーズ1、またはフェーズ2の28日目におけるDLT観察窓の完了後に始まる後続のリンパ枯渇を用いて再治療されてもよい。再治療資格のある患者は、リンパ枯渇(5日目)に始まり再投与(56日目)後2か月までの新規サイクルを開始し、初回のUCART19注入に関して記載されるのと同じ、来院および評価のスケジュールに従う。最後のUCART19注入後の治療期間の終了時(56日目)において、患者は研究計画でスケジュールされたようにフォローアップ期間を継続する。再治療は、6か月目(最初の0日目に続く6か月)の後に行われることはできない。
【0406】
開示された教示は、様々な用途、方法、および組成物を参照して説明されてきたが、本明細書の教示および以下の特許請求の範囲から逸脱することなく、様々な変更および修正を行うことができることが理解されよう。前述の実施例は、開示された教示をより良く図示するために提供されており、本明細書に提示される教示の範囲を制限することを意図していない。本教示はこれらの例示的実施形態の観点から説明されてきたが、当業者は、これらの例示的な実施形態の多数の変形および修正が、過度の実験を伴わずに可能であることを容易に理解するであろう。こうした変形および修正はすべて、現在の教示の範囲内である。
【0407】
本明細書に引用されたすべての参照文献であって、特許、特許出願、論文、教科書などを含む参照文献、およびそこに引用される参照文献は、それらがまだ参照されていない範囲で、その全体が参照により本明細書に援用される。組み込まれた文献および類似の資料のうちの一つ以上が、本出願とは異なるものであるか、またはこれに矛盾する場合、定義された用語、用語使用、記載された技術、またはこれに類するもの(これらに限定されない)について、本出願が優先する。
【0408】
前述の説明および実施例は、本発明のある特定の実施形態を詳細に説明し、発明者によって意図される最良のモードを記述する。しかしながら、本文中の前述がどれだけ詳細に記載されようとも、本発明は多くの方法で実施されてもよく、本発明は添付の特許請求の範囲およびその任意の均等物に従って解釈されるべきであることが理解される。
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図4A
図4B
図5
図6A
図6B
図7A
図7B
図8A
図8B
図9
図10
図11
図12
図13A
図13B
図13C
図14
【配列表】
2024014911000001.app
【手続補正書】
【提出日】2023-12-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0408
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0408】
前述の説明および実施例は、本発明のある特定の実施形態を詳細に説明し、発明者によって意図される最良のモードを記述する。しかしながら、本文中の前述がどれだけ詳細に記載されようとも、本発明は多くの方法で実施されてもよく、本発明は添付の特許請求の範囲およびその任意の均等物に従って解釈されるべきであることが理解される。
本発明のまた別の態様は、以下のとおりであってもよい。
〔1〕難治性および/または再発性非ホジキンリンパ腫を有する対象を治療する方法であって、前記方法が、抗ヒトCD19 4-1BB/CD3ゼータ CARを含む同種キメラ抗原受容体(CAR)-T細胞(CAR-T 細胞)の少なくとも一用量を前記対象に投与することを含み、ここにおいて、前記少なくとも一用量が、約20x10 6 細胞/用量~約360x10 6 細胞/用量である、方法。
〔2〕前記非ホジキンリンパ腫が、大細胞型B細胞リンパ腫である、前記〔1〕に記載の方法。
〔3〕前記非ホジキンリンパ腫が、濾胞性リンパ腫である、前記〔1〕に記載の方法。
〔4〕前記少なくとも一用量が、約20x10 6 細胞/用量、約40x10 6 細胞/用量、約80x10 6 細胞/用量、約120x10 6 細胞/用量、240x10 6 細胞/用量、および約360x10 6 細胞/用量からなる群から選択される、前記〔1〕~〔3〕のいずれか一項に記載の方法。
〔5〕前記対象が50kg以下の体重である場合、前記少なくとも一用量が、約20x10 6 細胞/用量、約80x10 6 細胞/用量、および約240x10 6 細胞/用量からなる群から選択される、前記〔1〕~〔4〕のいずれか一項に記載の方法。
〔6〕前記対象が50kg超の体重である場合、前記少なくとも一用量が、約20x10 6 細胞/用量、約40x10 6 細胞/用量、約120x10 6 細胞/用量、および約360x10 6 細胞/用量からなる群から選択される、前記〔1〕~〔4〕のいずれか一項に記載の方法。
〔7〕前記CAR-T細胞がCD52欠損である、前記〔1〕~〔6〕のいずれか一項に記載の方法。
〔8〕前記CAR-T細胞が、CD52欠損細胞およびCD-52陽性細胞の混合物を含む、前記〔1〕~〔6〕のいずれか一項に記載の方法。
〔9〕前記CAR-T細胞が、配列番号1のCARを含む、前記〔1〕~〔8〕のいずれか一項に記載の方法。
〔10〕前記CAR-T細胞が、UCART19(CD19)CAR/RQR8+_TCRαβ-_T細胞を含む、前記〔1〕~〔9〕のいずれか一項に記載の方法。
〔11〕前記CAR-T細胞がセーフティ・スイッチを発現しない、前記〔1〕~〔9〕のいずれか一項に記載の方法。
〔12〕CAR 発現が、前記CAR-T細胞の投与後少なくとも14日間まで前記対象において検出可能である、前記〔1〕~〔11〕のいずれか一項に記載の方法。
〔13〕CAR 発現が、前記CAR-T細胞の投与後少なくとも28日間まで前記対象において検出可能である、前記〔1〕~〔12〕のいずれか一項に記載の方法。
〔14〕前記対象が、CAR-T投与後少なくとも1ヶ月間、CRまたはCri状態を示す、前記〔1〕~〔13〕のいずれか一項に記載の方法。
〔15〕前記対象が、CAR-T投与後少なくとも2か月間、CRまたはCri状態を示す、前記〔1〕~〔14〕のいずれか一項に記載の方法。
〔16〕前記対象が、CAR-T投与後少なくとも6ヵ月間、CRまたはCri状態を示す、前記〔1〕~〔15〕のいずれか一項に記載の方法。
〔17〕前記対象が、CAR-T投与後少なくとも12ヶ月間、CRまたはCri状態を示す、前記〔1〕~〔16〕のいずれか一項に記載の方法。
〔18〕前記対象が、前記少なくとも一用量の投与前に、第一のリンパ枯渇レジメンを受ける、前記〔1〕~〔17〕のいずれか一項に記載の方法。
〔19〕前記第一のリンパ枯渇レジメンが、フルダラビンおよびシクロホスファミドを投与することを含む、前記〔18〕に記載の方法。
〔20〕前記第一のリンパ枯渇レジメンが、フルダラビン、シクロホスファミド、および抗CD52抗体を投与することを含む、前記〔18〕に記載の方法。
〔21〕前記第一のリンパ枯渇レジメンが、メンサ(ナトリウム-2-メルカプトエタンソルホナート)を投与することをさらに含む、前記〔19〕または〔20〕に記載の方法。
〔22〕前記第一のリンパ枯渇レジメンが、少なくとも一つのコルチコステロイドを投与することをさらに含む、前記〔19〕~〔21〕のいずれか一項に記載の方法。
〔23〕前記コルチコステロイドが、抗CD52抗体の投与直前に投与される、前記〔22〕に記載の方法。
〔24〕前記コルチコステロイドがメチルプレドニゾロンである、前記〔22〕または〔23〕に記載の方法。
〔25〕前記メチルプレドニゾロンが2 mg/kgの用量で投与される、前記〔24〕に記載の方法。
〔26〕前記患者が、前記リンパ枯渇レジメンの前に注入関連の反応のための事前薬物投与を受ける、前記〔1〕~〔25〕のいずれか一項に記載の方法。
〔27〕前記事前薬物投与が少なくとも一つの抗ヒスタミン薬を含む、前記〔26〕に記載の方法。
〔28〕前記事前薬物投与がアセトアミノフェンを含む、前記〔26〕または〔27〕に記載の方法。
〔29〕フルダラビンが約30mg/m 2 /日の投与量で投与され、シクロホスファミドが約300 mg/m 2 /日の投与量で投与され、またはCD52抗体が約10~約13 mg/日の投与量で投与される、前記〔19〕~〔28〕のいずれか一項に記載の方法。
〔30〕フルダラビンが約30mg/m 2 /日の投与量で投与され、シクロホスファミドが約300 mg/m 2 /日の投与量で投与され、およびCD52抗体が約10~約13 mg/日の投与量で投与される、前記〔20〕~〔28〕のいずれか一項に記載の方法。
〔31〕前記第一のリンパ枯渇レジメンが、少なくとも一用量の投与前約1~15日の間に開始される、前記〔18〕~〔30〕のいずれか一項に記載の方法。
〔32〕前記第一のリンパ枯渇レジメンが、1、2、3、4、または5日の過程にわたり投与される、前記〔18〕~〔31〕のいずれか一項に記載の方法。
〔33〕前記対象が前記CAR-T細胞の後続用量を受ける、前記〔1〕~〔32〕のいずれか一項に記載の方法。
〔34〕前記対象が、前記後続用量の前記投与時に準最適応答を示す、前記〔33〕に記載の方法。
〔35〕前記準最適応答が、
(a) 検出可能な最小残存疾患(白血病患者)および細胞遺伝学的応答の不在を伴う、完全奏効(CR)、血球数の不完全な回復を伴う完全奏効(CRi)、
(b) 骨髄完全奏効、
(c) 部分的奏効、または
(d) 安定奏効を含む、前記〔34〕に記載の方法。
〔36〕前記後続用量が、前記第一の用量の細胞数とほぼ同じ数の細胞を含む、前記〔33〕~〔35〕のいずれか一項に記載の方法。
〔37〕前記後続用量が、前記第一の用量と比較して、増加した数の細胞を含む、前記〔33〕~〔35〕のいずれか一項に記載の方法。
〔38〕前記後続用量が、前記第一の用量と比較して、減少した数の細胞を含む、前記〔33〕~〔35〕のいずれか一項に記載の方法。
〔39〕前記後続用量が、前記第一の用量の少なくとも14、少なくとも28、少なくとも42、または少なくとも56日後に投与される、前記〔33〕~〔38〕のいずれか一項に記載の方法。
〔40〕癌に罹患している患者を治療するための医薬キットであって、前記キットが、
(a) 抗CD19 CAR-T細胞、および
(b) CD52抗体を含む、医薬キット。
〔41〕前記CAR-T細胞がUCART19細胞である、前記〔40〕に記載の医薬キット。
〔42〕前記CAR-T細胞が、配列番号1のCARを発現する、前記〔40〕または〔41〕に記載の医薬キット。
〔43〕前記CD52抗体が、配列番号8および/または配列番号10の配列を含む、前記〔40〕~〔42〕のいずれか一項に記載の医薬キット。
〔44〕前記キットが、前記CAR-T細胞を含む第一の容器と、前記CD52抗体を含む第二の容器とを含む、前記〔40〕~〔43〕のいずれか一項に記載の医薬キット。
〔45〕前記第一と前記第二の容器のうち少なくとも一つが可撓性の細胞注入バッグである、前記〔44〕に記載の医薬キット。
〔46〕前記キットが、前記CAR-T細胞および前記CD52抗体を前記対象に投与するための指示を含む、ラベルまたはパッケージインサートをさらに含む、前記〔40〕~〔45〕のいずれか一項に記載の医薬キット。
〔47〕治療方法であって、
(a) 疾患を有する対象にキメラ抗原受容体(CAR)-T細胞(CAR-T 細胞)の第一の用量を投与すること、および
(b) (a)における前記投与の開始後少なくとも約28日、または約28日超、および(a)における前記投与の開始後約200日未満の時点で、CAR-T細胞の後続用量を前記対象に投与すること、を含む、治療方法。
〔48〕前記CAR-T細胞が同種である、前記〔47〕に記載の方法。
〔49〕前記第一の用量が約1×10 4 ~約5×10 8 の合計細胞を含む、前記〔47〕または〔48〕に記載の方法。
〔50〕前記第一の用量が、約6×10 5 合計細胞、約6×10 6 合計細胞、約6×10 7 合計細胞、約8×10 7 合計細胞、約1.8×10 8 合計細胞、約2.4×10 8 合計細胞、または約5×10 8 合計細胞を含む、前記〔49〕に記載の方法。
〔51〕前記第一の用量が、前記対象の体重のキログラム当たり1×10 4 ~2x10 7 細胞を含む、前記〔47〕または〔48〕に記載の方法。
〔52〕前記第一の用量が、前記対象の体重のキログラム当たり約1×10 4 、約1x10 5 、約1x10 6 、約3x10 6 、または約9x10 6 細胞を含む、前記〔51〕に記載の方法。
〔53〕CAR-T細胞の前記後続用量が、(a)における前記投与開始から約28日、約60日、または約99日後に投与される、前記〔47〕~〔52〕のいずれか一項に記載の方法。
〔54〕CAR-T細胞の前記後続用量が、(a)における前記投与開始から約99日後に投与される、前記〔53〕に記載の方法。
〔55〕ステップ(a)の後、およびステップ(b)の前に、前記対象が暫定リンパ枯渇レジメンを投与される、前記〔47〕~〔54〕のいずれか一項に記載の方法。
〔56〕前記暫定リンパ枯渇レジメンが、ステップ(b)の前に約0~14日の間、前記対象へフルダラビン、シクロホスファミド、およびCD52抗体を投与することを含む、前記〔47〕~〔55〕のいずれか一項に記載の方法。
〔57〕フルダラビンが約90~150 mg/m 2 の投与量で投与され、シクロホスファミドが約1000~4000 mg/m 2 の投与量で投与され、およびCD52抗体が約0.3~1 mg/kgの投与量で投与される、前記〔56〕に記載の方法。
〔58〕前記対象が、第一のリンパ枯渇レジメンを投与される、前記〔47〕~〔57〕のいずれか一項に記載の方法。
〔59〕前記第一のリンパ枯渇レジメンが、前記対象へフルダラビン、シクロホスファミド、およびCD52抗体を投与することを含む、前記〔47〕に記載の方法。
〔60〕フルダラビンが約90~150 mg/m 2 の投与量で投与され、シクロホスファミドが約1000~4000 mg/m 2 の投与量で投与され、およびCD52抗体が約0.3~1 mg/kgの投与量で投与される、前記〔59〕に記載の方法。
〔61〕前記第一のリンパ枯渇レジメンが、ステップ(a)の約15~5日前の間に開始される、前記〔58〕~〔60〕のいずれか一項に記載の方法。
〔62〕前記第一のリンパ枯渇レジメンが、ステップ(a)の約2~10日前の間に完了される、前記〔58〕~〔60〕のいずれか一項に記載の方法。
〔63〕応答がステップ(a)とステップ(b)との間で評価される、前記〔47〕~〔62〕のいずれか一項に記載の方法。
〔64〕前記応答が、暫定リンパ枯渇の前に評価される、前記〔63〕に記載の方法。
〔65〕前記後続用量が約1×10 5 ~約5×10 8 合計細胞を含む、前記〔47〕~〔64〕のいずれか一項に記載の方法。
〔66〕前記後続用量が約6×10 6 合計細胞を含む、前記〔47〕~〔65〕のいずれか一項に記載の方法。
〔67〕(a)における前記投与後の前記疾患の一つ以上の症状の減少によって示されるように、(a)における前記投与が、前記対象の前記疾患の改善をもたらす、前記〔47〕~〔66〕のいずれか一項に記載の方法。
〔68〕(b)における前記投与時に、前記対象が再発している、前記〔67〕に記載の方法。
〔69〕細胞の前記後続用量が、前記対象の前記疾患の改善に十分な量の細胞を含む、前記〔47〕~〔68〕のいずれかに記載の方法。
〔70〕(b)における前記投与が、前記対象の前記疾患のさらなる改善をもたらす、前記〔47〕から〔69〕のいずれかに記載の方法。
〔71〕前記後続用量の前記投与が、前記後続用量の前記投与の開始直前と比較して、前記対象における前記疾患の改善をもたらす、前記〔47〕~〔70〕のいずれかに記載の方法。
〔72〕前記方法が、別の投与レジメンを含む方法と比較して、より大きな程度まで、および/またはより長い期間、前記疾患の改善をもたらし、ここにおいて、前記対象が、(a)における前記細胞と、(b)における前記細胞とを単回投与で投与される、前記〔47〕~〔71〕のいずれかに記載の方法。
〔73〕前記疾患が、前記第一の用量の前記投与後に持続し、および/または前記第一の用量の前記投与が、前記対象の前記疾患を撲滅するためには十分ではない、前記〔47〕~〔72〕のいずれかに記載の方法。
〔74〕前記対象が、(b)における前記投与時にCAR-T細胞の持続性の不在を示す、前記〔47〕~〔73〕のいずれかに記載の方法。
〔75〕前記対象が、(b)における前記投与時に、前記疾患の一つ以上の症状を示す、前記〔47〕~〔74〕のいずれかに記載の方法。
〔76〕前記対象が、(b)における前記投与時に、準最適応答を示す、前記〔47〕~〔75〕のいずれかに記載の方法。
〔77〕前記準最適応答が、
(a) 検出可能な最小残存疾患(白血病患者)および細胞遺伝学的応答の不在を伴う、完全奏効(CR)、血球数の不完全な回復を伴う完全奏効(CRi)、
(b) 骨髄完全奏効、
(c) 部分的奏効、または
(d) 安定奏効を含む、前記〔76〕に記載の方法。
〔78〕(b)における前記投与に続いて、2日目、3日目、4日目、5日目、6日目、7日目、8日目、9日目、10日目、11日目、12日目、13日目、または14日目に前記対象におけるサイトカイン放出症候群(CRS)関連結果が検出不可能か、または別の投与レジメンを含む方法と比較して約20%~約99%低減されており、ここにおいて、前記対象が、前記第一の用量の投与を受けていずに、(b)における前記細胞を投与される、前記〔47〕~〔77〕のいずれかに記載の方法。
〔79〕前記後続用量が、前記第一の用量の細胞数とほぼ同じ数の細胞を含む、前記〔47〕~〔78〕のいずれかに記載の方法。
〔80〕前記後続用量が、前記第一の用量と比較して、増加した数の細胞を含む、前記〔47〕~〔78〕のいずれかに記載の方法。
〔81〕前記後続用量が、前記第一の用量の細胞数より少なくとも約5%多い細胞を含む、前記〔80〕に記載の方法。
〔82〕前記後続用量が、前記第一の用量と比較して、減少した数の細胞を含む、前記〔47〕~〔78〕のいずれかに記載の方法。
〔83〕前記後続用量が、前記第一の用量の細胞数より少なくとも約5%少ない細胞を含む、前記〔82〕に記載の方法。
〔84〕前記疾患が腫瘍または癌である、前記〔47〕~〔83〕のいずれか一項に記載の方法。
〔85〕前記癌が白血病またはリンパ腫である、前記〔84〕に記載の方法。
〔86〕前記腫瘍または癌が、急性リンパ芽球性白血病(ALL)である、慢性リンパ性白血病(CLL)、HNSCC、非ホジキンリンパ腫、急性骨髄性白血病、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫 (DLBCL)、多発性骨髄腫、難治性濾胞性リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、緩慢性B細胞リンパ腫、B細胞悪性疾患、結腸癌、肺癌、肝臓癌、乳癌、前立腺癌、卵巣癌、皮膚癌、メラノーマ、骨癌、および脳癌、卵巣癌、上皮癌、腎細胞癌、膵臓腺癌、ホジキンリンパ腫、子宮頸癌、大腸癌、グリア芽腫、神経芽細胞腫、ユーイング肉腫、髄芽腫、骨肉腫、滑膜肉腫、または中皮腫である、前記〔84〕に記載の方法。
〔87〕前記ALLが再発性または難治性ALLである、前記〔86〕に記載の方法。
〔88〕同種CAR-T細胞の第一の用量を前もって投与された対象に、同種キメラ抗原受容体(CAR)-T細胞の後続用量を投与することを含む治療方法であって、ここにおいて、細胞の前記後続用量を、前記第一の用量の開始後少なくとも約5週間または約5週間超、および前記第一の用量の開始後約24週間未満の時点で、投与する、治療方法。
〔89〕同種キメラ抗原受容体(CAR)-T細胞の後続用量を対象に投与することを含む治療方法であって、ここにおいて、前記投与前に、前記対象が、前記対象において臨床的利益を示すのに十分な量で前記CAR-T細胞の以前の用量を受けており、および投与時に、前記対象が前記CAR-T細胞に対して特異的な検出可能な適応宿主免疫応答を示さず、および/または前記以前の用量と後続用量との間の時間は、約5週間を超え約24週間未満である、治療方法。
〔90〕前記後続用量において投与される細胞数が、前記第一の用量において投与される細胞数と同じである、前記〔88〕または前記〔89〕に記載の方法。
〔91〕前記後続用量において投与される細胞数が、前記第一の用量において投与される細胞数より多い、前記〔88〕または前記〔89〕に記載の方法。
〔92〕前記CAR-T細胞で前もって治療された対象の疾患の治療のための薬剤の製造のための同種キメラ抗原受容体(CAR)-T細胞を含む組成物の使用であって、ここにおいて、前記組成物が、前記以前の治療後約5~約24週間の間に使用されるためのものであり、および/または前記組成物が、前記CAR-T細胞で前もって治療されていた前記対象の疾患の改善に十分な量の後続用量の投与のために処方される、使用。
〔93〕前記CAR-T細胞で前もって治療された対象の疾患の治療に使用するための同種キメラ抗原受容体(CAR)-T細胞を含む組成物であって、ここにおいて、前記細胞が、前記以前の治療後約5~24週間の間に使用されるためのものであり、および前記細胞が、前記CAR-T細胞で前もって治療されていた前記対象の疾患の改善に十分な量の後続用量の投与のために処方される、組成物。
〔94〕前記以前の治療におけるCAR-T細胞の前記用量が、前記後続用量の使用前の前記対象の前記疾患の一つ以上の症状を改善した、前記〔92〕に記載の使用、または前記〔93〕に従った使用のための組成物。
〔95〕疾患を治療するための方法での使用のための薬剤の製造における同種キメラ抗原受容体(CAR)-T細胞の使用であって、前記方法が、
(a) 前記CAR-T細胞の第一の用量を前記疾患を有する対象に投与することであって、前記第一の用量が約1×10 6 ~約5×10 8 合計細胞を含む、投与することと、
(b) (a)における前記投与の開始後少なくとも約5週間、または約5週間超、および(a)における前記投与の開始後約24週間未満の時点で、前記CAR-T細胞の後続用量を前記対象に投与することと、を含む、同種キメラ抗原受容体(CAR)-T細胞の使用。
〔96〕前記疾患が白血病またはリンパ腫である、前記〔92〕、〔94〕、または〔95〕に記載の使用、あるいは前記〔93〕に従った使用のための組成物。
〔97〕前記CAR-T細胞が腫瘍抗原特異的CAR-T細胞である、前記〔47〕~〔83〕のいずれかに記載の方法、前記〔92〕または〔94〕~〔95〕のいずれか一項に記載の使用、あるいは前記〔93〕に従った使用のための組成物。
〔98〕前記CAR-T細胞が UCART19細胞である、前記〔47〕~〔83〕のいずれかに記載の方法、前記〔92〕または〔94〕~〔95〕のいずれか一項に記載の使用、あるいは前記〔93〕に従った使用のための組成物。
〔99〕製造物品であって、
複数の封止可能な容器であって、それぞれが、対象に投与するための、同種キメラ抗原受容体(CAR-T)細胞の単位用量を個別に含み、前記単位用量が、約1 x 10 6 ~約5 x 10 8 細胞を含む、封止可能な容器、
包装材料、および
第一の投与と後続の投与とを実施することによって、前記対象に複数の前記単位用量を投与するための指示を含む、ラベル、またはパッケージインサートであって、前記第一の投与が、前記対象に前記単位用量のうちの一つを送達することを含み、前記後続の投与が、前記対象に前記単位用量のうちの一つ、または複数を投与することを含む、ラベル、またはパッケージインサート、を含む、製造物品。
〔100〕前記指示が、前記第一の投与に続いて、前記後続の投与が、約30~150日の間の時間で、随意に約30日目、約60日目、約90日目、または約99日目に実施されることを指定する、前記〔99〕に記載の製造物品。
〔101〕前記容器が、可撓性の細胞注入バッグであるか、またはこれを含む、前記〔99〕または〔100〕に記載の製造物品。
〔102〕難治性および/または再発性CD19+B細胞性急性リンパ芽球性白血病を有する成人対象を治療する方法であって、抗ヒトCD19 4-1BB/CD3ゼータ CARを含む同種キメラ抗原受容体(CAR)T 細胞(CAR-T細胞)の少なくとも一用量を前記対象に投与することを含み、ここにおいて、前記少なくとも一用量が、約6x10 5 細胞/用量、6x10 6 細胞/用量、約6~8x10 7 細胞/用量、および約1.8~2.4x10 8 細胞/用量からなる群から選択される、方法。
〔103〕難治性および/または再発性CD19+B細胞性急性リンパ芽球性白血病を有する小児対象を治療する方法であって、抗ヒトCD19 4-1BB/CD3ゼータ CARを含む同種キメラ抗原受容体 (CAR)-T細胞(CAR-T細胞)の少なくとも一用量を前記対象に投与することを含み、ここにおいて、前記少なくとも一用量が、約2~8x10 7 細胞/用量である、方法。
〔104〕前記CAR-T細胞がCD52欠損である、前記〔102〕または〔103〕に記載の方法。
〔105〕前記CAR-T細胞が、CD52欠損細胞およびCD-52陽性細胞の混合物を含む、前記〔102〕または〔103〕に記載の方法。
〔106〕前記CAR-T細胞が、配列番号1のCARを発現する、前記〔102〕~〔105〕のいずれか一項に記載の方法。
〔107〕前記CAR-T細胞がUCART19(CD19CAR/RQR8+_TCRαβ-_T細胞)を含む、前記〔102〕~〔106〕のいずれか一項に記載の方法。
〔108〕CAR 発現が、前記CAR-T細胞の投与後少なくとも42日間まで前記対象において検出可能である、前記〔102〕~〔107〕のいずれか一項に記載の方法。
〔109〕CAR 発現が、前記CAR-T細胞の投与後少なくとも56日間まで前記対象において検出可能である、前記〔102〕~〔108〕のいずれか一項に記載の方法。
〔110〕前記対象が、UCART19投与後少なくとも1.3ヶ月間、CRまたはCri状態を示す、前記〔102〕~〔109〕のいずれか一項に記載の方法。
〔111〕前記対象が、UCART19投与後少なくとも1.8ヶ月間、CRまたはCri状態を示す、前記〔102〕~〔110〕のいずれか一項に記載の方法。
〔112〕前記対象が、UCART19投与後少なくとも3.6ヶ月間、CRまたはCri状態を示す、前記〔102〕~〔111〕のいずれか一項に記載の方法。
〔113〕前記対象が、UCART19投与後少なくとも12.4ヵ月間、CRまたはCri状態を示す、前記〔102〕~〔112〕のいずれか一項に記載の方法。
〔114〕前記対象が、前記少なくとも一用量の投与前に、第一のリンパ枯渇レジメンを受ける、前記〔102〕~〔113〕のいずれか一項に記載の方法。
〔115〕前記第一のリンパ枯渇レジメンが、フルダラビンおよびシクロホスファミドを投与することを含む、前記〔114〕に記載の方法。
〔116〕前記第一のリンパ枯渇レジメンが、フルダラビン、シクロホスファミド、および抗CD52抗体を投与することを含む、前記〔114〕に記載の方法。
〔117〕フルダラビンが約30~150mg/m 2 の投与量で投与され、シクロホスファミドが約300~4000 mg/m 2 の投与量で投与され、およびCD52抗体が、約0.3~1mg/kgの投与量で投与される、前記〔115〕または〔116〕に記載の方法。
〔118〕前記第一のリンパ枯渇レジメンが、前記少なくとも一用量の投与前約1~15日の間に開始される、前記〔114〕~〔117〕のいずれか一項に記載の方法。
〔119〕前記対象が、前記CAR-T細胞の後続用量を受ける、前記〔114〕~〔118〕のいずれか一項に記載の方法。
〔120〕前記対象が、前記後続用量の前記投与時に準最適応答を示す、前記〔119〕に記載の方法。
〔121〕前記準最適応答が、
(a) 検出可能な最小残存疾患(白血病患者)および細胞遺伝学的応答の不在を伴う、完全奏効(CR)、血球数の不完全な回復を伴う完全奏効(CRi)、
(b) 骨髄完全奏効、
(c) 部分的奏効、または
(d) 安定奏効を含む、前記〔120〕に記載の方法。
〔122〕前記後続用量が、前記第一の用量の細胞数とほぼ同じ数の細胞を含む、前記〔119〕に記載の方法。
〔123〕前記後続用量が、前記第一の用量と比較して、増加した数の細胞を含む、前記〔119〕に記載の方法。
〔124〕前記後続用量が、前記第一の用量と比較して、減少した数の細胞を含む、前記〔119〕に記載の方法。
〔125〕関心対象標的に向けられた同種キメラ抗原受容体(CAR)-T細胞(CAR-T細胞)の集団を生成する方法であって、
(a) 健康なドナーからの末梢血単核細胞(PBMC)を単離することと、
(b) PBMC内の前記T細胞を活性化することと、
(c) 前記活性化されたT細胞をレンチウイルスベクターで形質導入することであって、ここにおいて、前記レンチウイルスベクターが関心対象のCARを発現する自己不活性化組み換え型ベクターである、形質導入することと、
(d) 前記T細胞のサブセットにおけるTCRαβおよびCD-52遺伝子発現を中断することと、
(e) T細胞の前記集団を増殖させることと、
(f) TCRαβ陰性細胞に対してT細胞の前記集団を濃縮することと、を含み、
それによって、同種キメラ抗原受容体(CAR)-T細胞(CAR-T細胞)の集団を生成する、方法。
〔126〕ステップ(c)が、ステップ(b)の後で約3~4日実施される、前記〔125〕に記載の方法。
〔127〕ステップ(d)が、ステップ(c)の後で約2日実施される、前記〔125〕または〔126〕に記載の方法。
〔128〕ステップ(f)が、ステップ(d)の後で約10~12日実施される、前記〔125〕~〔127〕のいずれか一項に記載の方法。
〔129〕前記CAR-T細胞がCD52欠損である、前記〔125〕~〔128〕のいずれか一項に記載の方法。
〔130〕前記CAR-T細胞が、CD52欠損細胞およびCD-52陽性細胞の混合物を含む、前記〔125〕~〔129〕のいずれか一項に記載の方法。
〔131〕前記CAR-T細胞が、配列番号1のCARを発現する、前記〔125〕~〔130〕のいずれか一項に記載の方法。
〔132〕前記CAR-T細胞がUCART19(CD19CAR/RQR8+_TCRαβ-_T細胞)を含む、前記〔125〕~〔131〕のいずれか一項に記載の方法。
〔133〕ステップ(c)の前記レンチウイルスベクターがさらにセーフティ・スイッチを発現する、前記〔125〕~〔132〕のいずれか一項に記載の方法。
〔134〕前記セーフティ・スイッチがRQR8である、前記〔133〕に記載の方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
難治性および/または再発性非ホジキンリンパ腫を有する対象を治療する方法であって、前記方法が、抗ヒトCD19 4-1BB/CD3ゼータ CARを含む同種キメラ抗原受容体(CAR)-T細胞(CAR-T 細胞)の少なくとも一用量を前記対象に投与することを含み、ここにおいて、前記少なくとも一用量が、約20x106細胞/用量~約360x106細胞/用量である、方法。
【外国語明細書】