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▶ フィッシャー アンド ペイケル ヘルスケア リミテッドの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024014920
(43)【公開日】2024-02-01
(54)【発明の名称】患者用インターフェース
(51)【国際特許分類】
   A61M 16/06 20060101AFI20240125BHJP
【FI】
A61M16/06 A
【審査請求】有
【請求項の数】30
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023191351
(22)【出願日】2023-11-09
(62)【分割の表示】P 2021180764の分割
【原出願日】2015-06-17
(31)【優先権主張番号】62/013,445
(32)【優先日】2014-06-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】513259285
【氏名又は名称】フィッシャー アンド ペイケル ヘルスケア リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(72)【発明者】
【氏名】マーシャル ファディ カリム モハメド
(72)【発明者】
【氏名】ミッデルコープ キルスティン エリザベス
(72)【発明者】
【氏名】パテル ロヒート
(72)【発明者】
【氏名】ベアルン ピーター デイヴィッド アレクサンダー
(72)【発明者】
【氏名】トンプソン マーク アンドリュー
(72)【発明者】
【氏名】ガルガリ アミット
(72)【発明者】
【氏名】コックス マイケル ジョン ヘンリー
(72)【発明者】
【氏名】オルセン グレゴリー ジェームズ
(72)【発明者】
【氏名】マクラレン マーク アーヴィンド
(72)【発明者】
【氏名】ベターリッジ マックス レオン
(72)【発明者】
【氏名】シンティヴ ブルーノ
(57)【要約】
【課題】快適さ及び/又は密封性が改善された鼻下型インターフェースアセンブリを提供すること。
【解決手段】陽圧呼吸療法用のインターフェースが、マスクシールとマスクシェルとを有するマスクアセンブリを含む。マスクアセンブリは、使用者の鼻梁よりも低く位置決めされ、それを露出させる。マスクシールは、鼻領域のそれぞれ第1および第2の側部に、使用者の鼻の対向する側面に接触する第1および第2部分を含む。第1および第2部分は、それぞれ、マスクシールの形状を維持するのを補助する支持体を含む。カバーの対が、マスクアセンブリに対して、およびマスクシールの第1および第2部分のそれぞれ1つに隣接して支持され得る。カバーは、マスクシール内の加圧空気に応答して、マスクシールの第1および第2部分の拡張を制限する。第1および第2部分の支持体は、マスクシールからカバーまで負荷を伝達し得る。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
陽圧呼吸療法を施す際に使用するためのインターフェースであって、
マスクシールとマスクシェルとを含むマスクアセンブリであって、使用者の顔の鼻梁よりも十分に低く位置決めされ、かつ前記使用者の前記鼻梁を露出させるように構成され、前記マスクシールは、前記マスクシェルに接続されており、前記マスクシールは、少なくとも1つの鼻開口部を含む鼻領域を含み、前記マスクシールは、前記鼻領域の第1の側部に第1のパドル、および前記鼻領域の第2の側部に第2のパドルを含み、前記第1のパドルは、前記使用者の前記鼻の一方の側面に接触するように構成され、および前記第2のパドルは、前記使用者の前記鼻の他方の側面に接触するように構成されている、マスクアセンブリ;
前記マスクアセンブリに取り外し可能に結合されたフレーム;
前記マスクアセンブリに対して支持されたカバーの対であって、前記カバーのそれぞれが、前記第1および第2のパドルのそれぞれ1つの一部分に隣接して位置決めされ、前記カバーが、前記第1および第2のパドルの少なくとも前記部分の拡張を制限する、カバーの対
を含む、インターフェース。
【請求項2】
前記カバーが、前記フレームによって支持されている、請求項1に記載のインターフェース。
【請求項3】
前記カバーが、前記フレームと一体的に形成されている、請求項2に記載のインターフェース。
【請求項4】
前記カバーが、前記パドルの一部分のみに隣接して位置決めされ、前記パドルの一部分を露出したままにする、請求項1~3のいずれか一項に記載のインターフェース。
【請求項5】
前記パドルの後方部分が、前記カバーによって露出されたままである、請求項4に記載のインターフェース。
【請求項6】
前記パドルが、前記パドルの隣接部分の高さの実質的に全体を覆う、請求項1~5のいずれか一項に記載のインターフェース。
【請求項7】
前記パドルが、前記パドル間に空間を画成し、それにより、前記マスクシールの上部の一部分を露出させる、請求項1~6のいずれか一項に記載のインターフェース。
【請求項8】
前記カバーが、前記マスクシールの一部として形成され、前記カバーのそれぞれが、前記パドルのそれぞれ1つに隣接する、前記マスクシールから延在するフラップ部分を含む、請求項1~7のいずれか一項に記載のインターフェース。
【請求項9】
前記シールは、前記パドルに隣接しかつその下方に少なくとも1つの一体丁番を含み、前記一体丁番は、前記パドルを前記使用者の前記鼻の方へ内側に曲げることを可能にし、かつ前記使用者の前記鼻から離れる外側への前記パドルの曲がりに対して抵抗するように構成されている、請求項1~8のいずれか一項に記載のインターフェース。
【請求項10】
前記一体丁番が、前記パドルに隣接する前記シールの薄い部分を含む、請求項9に記載のインターフェース。
【請求項11】
前記カバーが、前記マスクアセンブリに対して回動するように構成されている、請求項1~10のいずれか一項に記載のインターフェース。
【請求項12】
前記マスクアセンブリに対する前記カバーの回動を調整できるように構成された調整機構をさらに含む、請求項11に記載のインターフェース。
【請求項13】
前記カバーが、前記フレームまたは前記マスクアセンブリに取り外し可能に取り付け可能である、請求項1~12のいずれか一項に記載のインターフェース。
【請求項14】
前記カバーが、前記マスクアセンブリに対して調整可能である、請求項1~13のいずれか一項に記載のインターフェース。
【請求項15】
前記マスクアセンブリに対する前記カバーの高さが調整可能である、請求項14に記載のインターフェース。
【請求項16】
ヘッドギアをさらに含み、前記ヘッドギアは、前記マスクアセンブリの各側部に上部ストラップおよび下部ストラップを含み、前記ヘッドギアは、前記フレームに取り外し可能に接続され、前記ヘッドギアの前記上部ストラップは、前記カバーを可動式に支持し、それにより、前記カバーが前記上部ストラップに沿って摺動できる、請求項1に記載のインターフェース。
【請求項17】
前記カバーが、前記マスクシェルの一部として形成され、および前記パドルに隣接して前記マスクシールに沿って上方に延在する、請求項1に記載のインターフェース。
【請求項18】
前記マスクアセンブリの一方の側から前記マスクアセンブリの他方の側まで延在するつなぎ綱をさらに含み、前記つなぎ綱は前記カバーを画成する、請求項1に記載のインターフェース。
【請求項19】
前記パドルのそれぞれが、サスペンション部材の形態の支持体を含み、前記支持体が、前記パドルの所望の形状を維持するのを支援する、請求項1~18のいずれか一項に記載のインターフェース。
【請求項20】
前記サスペンション部材が、前記マスクアセンブリの患者側から前記フレームの方へ延在する、前記マスクシールの細長くて厚みのある領域を含む、請求項19に記載のインターフェース。
【請求項21】
前記サスペンション部材が、前記パドルおよび前記鼻領域において、前記マスクシールの他の部分よりも厚い、請求項20に記載のインターフェース。
【請求項22】
前記サスペンション部材のそれぞれが、前記カバーのそれぞれ1つと位置合わせされ、かつ前記シールから前記カバーまで前記サスペンション部材を介して負荷を伝達するように構成されている、請求項19~21のいずれか一項に記載のインターフェース。
【請求項23】
前記サスペンション部材が互いに接続されている、請求項19~22のいずれか一項に記載のインターフェース。
【請求項24】
陽圧呼吸療法を施す際に使用するためのマスクアセンブリであって、
マスクシール;および
マスクシェル
を含み、使用者の顔の鼻梁よりも十分に低く位置決めされ、かつ前記使用者の前記鼻梁を露出させるように構成され、前記マスクシールは、前記マスクシェルに接続されており、前記マスクシールは、少なくとも1つの鼻開口部を含む鼻領域を含み、前記マスクシールは、前記鼻領域の第1の側部に第1のパドル、および前記鼻領域の第2の側部に第2のパドルを含み、前記第1のパドルは、前記使用者の前記鼻の一方の側面に接触するように構成され、および前記第2のパドルは、前記使用者の前記鼻の他方の側面に接触するように構成され;
前記マスクシールの厚さは変化し、前記パドルのそれぞれは、サスペンション部材の形態の支持体を含み、前記支持体が、前記パドルの所望の形状を維持するのを支援する、マスクアセンブリ。
【請求項25】
前記鼻領域が、前記マスクシールの最小厚さを有する、請求項24に記載のマスクアセンブリ。
【請求項26】
前記パドルの前記支持体が、前記マスクシールの最大厚さを有する、請求項24または25に記載のマスクアセンブリ。
【請求項27】
前記サスペンション部材が、前記マスクシールの使用者に接触する面から前記マスクシェルの方へ延在する、請求項24~26のいずれか一項に記載のマスクアセンブリ。
【請求項28】
前記サスペンション部材が互いに接続されて、厚さの増した接続領域を形成する、請求項24~27のいずれか一項に記載のマスクアセンブリ。
【請求項29】
前記マスクシールが、口開口部をさらに含み、前記口開口部を取り囲む領域が、前記最小厚さを有するか、または前記マスクシールの前記最小厚さに等しい、請求項24~28のいずれか一項に記載のマスクアセンブリ。
【請求項30】
前記マスクシールが、前記口開口部の両側に外側周辺部をさらに含み、前記外側周辺部のそれぞれが、前記マスクシールの後ろ向きの側面から、前記マスクシールの横向きの側面の少なくとも一部分に巻き付き、前記外側周辺部の厚さが、前記鼻領域の厚さを上回る、請求項29に記載のマスクアセンブリ。
【請求項31】
前記支持体が、ほぼ三角形の形状を含み、三角形の底辺が、前記三角形の先端の後方に位置決めされている、請求項24~30のいずれか一項に記載のマスクアセンブリ。
【請求項32】
請求項24~31のいずれか一項に記載のマスクアセンブリを含む、インターフェースアセンブリであって、取り外し可能に取り付けることができるフレームをさらに含み、前記フレームは、前記フレームから延在する1つ以上のカバーを含み、かつ加圧空気が前記マスクシールに導入されるときに、前記マスクシールが外側へ膨張して型崩れしないように構成されている、インターフェースアセンブリ。
【請求項33】
前記サスペンション部材のそれぞれが、前記カバーのそれぞれ1つと位置合わせされ、および前記シールから前記カバーまで前記サスペンション部材を介して負荷を伝達するように構成されている、請求項32に記載のインターフェースアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
任意の優先権出願の参照による援用
本出願と関連して特定される外国または国内の優先権を主張するあらゆる出願が、参照により本明細書に援用され、かつ本開示の一部をなす。
【0002】
本開示は、呼吸療法用のインターフェースアセンブリに関する。特に、本開示は、使用者の鼻梁を覆わない鼻下型(under-nose)のインターフェースアセンブリに関する。
【背景技術】
【0003】
閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)を患う患者では、通常、上気道を開いた状態に保つ筋肉が、寝ている間、気道が圧迫されるかまたは完全に塞がれる程度に弛緩し、この現象が、いびきの形態で現れる。これがある期間にわたって生じると、患者の脳は、一般に、低酸素症の恐れを認識し、および気道を開かせるために、部分的に患者を覚醒させて、正常呼吸を再開させ得る。患者は、睡眠セッション当たり数百回も生じ得るこれらの覚醒エピソードに気付かないことがあり得る。この部分的な覚醒状態は、患者の睡眠の質を著しく低下させる可能性があり、時間が経つにつれて、日中の過剰な眠気、慢性疲労、高心拍数、血圧の上昇、体重増加、頭痛、被刺激性、鬱病および不安を含む、様々な症状を生じる可能性がある。
【0004】
閉塞性睡眠時無呼吸は、一般に、気道陽圧(PAP)療法を行うことによって治療される。PAP療法は、大気圧を上回る治療圧力で、患者へガス流を送出することを含み、この治療圧力は、無呼吸、呼吸低下、および/または流れの制限の頻度および/または持続期間を減少させる。この療法は、気道陽圧装置を使用して、加圧気流を、導管を通って、患者の顔に位置決めされた患者用インターフェースまたはマスクによって患者まで送出することによって実施されることが多い。
【0005】
ガスの投与を含む、PAP療法または他の呼吸療法と一緒に使用される一般的なタイプの1つの患者用インターフェースアセンブリは、インターフェースアセンブリの使用者の鼻梁と接触するシールを含む。鼻梁は、インターフェースアセンブリのシールによって加えられる圧力に敏感である。最近になって、鼻梁に接触しないインターフェースアセンブリが入手できるようになってきている。そのようなインターフェースアセンブリは、「鼻下型」インターフェースアセンブリと呼ばれ得る。快適さおよび/または密封性が改善された改良型の鼻下型インターフェースアセンブリを提供するための、または有用な選択肢を公衆に提供するためのニーズが存在する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書で説明するシステム、方法および装置は、発明的な態様を有し、そのうちのいずれの1つも不可欠ではなく、またはそれらの所望の特質について単独でその要因となるものでもない。特許請求の範囲を限定することなく、有利な特徴のいくつかを以下に要約する。
【0007】
いくつかの構成では、陽圧呼吸療法を施す際に使用するためのインターフェースは、マスクシールとマスクシェルとを有するマスクアセンブリを含む。マスクアセンブリは、使用者の顔の鼻梁よりも十分に低く位置決めされ、かつ使用者の鼻梁を露出させるように構成されている。マスクシールはマスクシェルに接続されている。マスクシールは、少なくとも1つの鼻開口部を含む鼻領域を含む。マスクシールは、鼻領域の第1の側部に第1のパドル、および鼻領域の第2の側部に第2のパドルを含む。第1のパドルは、使用者の鼻の一方の側面に接触するように構成され、および第2のパドルは、使用者の鼻の他方の側面に接触するように構成されている。フレームが、マスクアセンブリに取り外し可能に結合される。カバーの対が、マスクアセンブリに対して支持されて、カバーのそれぞれが、第1および第2のパドルのそれぞれ1つの一部分に隣接して位置決めされる。カバーは、第1および第2のパドルの少なくとも部分の拡張を制限する。
【0008】
いくつかの構成では、カバーは、フレームによって支持されている。いくつかの構成では、カバーは、フレームと一体的に形成されている。
【0009】
いくつかの構成では、カバーは、パドルの一部分にのみ隣接して位置決めされ、パドルの一部分を露出したままにする。いくつかの構成では、パドルの後方部分が、カバーによって露出されたままである。
【0010】
いくつかの構成では、パドルは、パドルの隣接部分の高さの実質的に全体を覆う。
【0011】
いくつかの構成では、パドルは、それらのパドル間に空間を画成し、それにより、マスクシールの上部の一部分を露出させる。
【0012】
いくつかの構成では、カバーは、マスクシールの一部として形成され、カバーのそれぞれが、パドルのそれぞれ1つに隣接する、マスクシールから延在するフラップ部分を含む。
【0013】
いくつかの構成では、シールは、パドルに隣接しかつその下方に少なくとも1つの一体丁番を含む。一体丁番は、パドルを使用者の鼻の方へ内側に曲げることを可能にし、かつ使用者の鼻から離れる外側へのパドルの曲がりに対して抵抗するように構成されている。いくつかの構成では、一体丁番は、パドルに隣接するシールの薄い部分を含む。
【0014】
いくつかの構成では、カバーは、マスクアセンブリに対して回動するように構成されている。いくつかの構成では、調整機構は、マスクアセンブリに対するカバーの回動を調整できるように構成されている。
【0015】
いくつかの構成では、カバーは、フレームにまたはマスクアセンブリに取り外し可能に取り付け可能である。
【0016】
いくつかの構成では、カバーは、マスクアセンブリに対して調整可能である。
【0017】
いくつかの構成では、マスクアセンブリに対するカバーの高さは調整可能である。
【0018】
いくつかの構成では、インターフェースは、ヘッドギアをさらに含む。ヘッドギアは、マスクアセンブリの各側部に上部ストラップおよび下部ストラップを含む。ヘッドギアは、フレームに取り外し可能に接続される。ヘッドギアの上部ストラップは、カバーを可動式に支持し、それにより、カバーが上部ストラップに沿って摺動できる。
【0019】
いくつかの構成では、カバーは、マスクシェルの一部として形成され、およびパドルに隣接してマスクシールに沿って上方に延在する。
【0020】
いくつかの構成では、つなぎ綱が、マスクアセンブリの一方の側からマスクアセンブリの他方の側まで延在し、およびつなぎ綱はカバーを画成する。
【0021】
いくつかの構成では、パドルのそれぞれが、サスペンション部材の形態の支持体を含み、この支持体が、パドルの所望の形状を維持するのを支援する。
【0022】
いくつかの構成では、サスペンション部材は、マスクアセンブリの患者側からフレームの方へ延在する、マスクシールの細長くて厚みのある領域を含む。いくつかの構成では、サスペンション部材は、パドルおよび鼻領域において、マスクシールの他の部分よりも厚い。
【0023】
いくつかの構成では、サスペンション部材のそれぞれが、カバーのそれぞれ1つと位置合わせされ、かつシールからカバーまでサスペンション部材を介して負荷を伝達するように構成されている。
【0024】
いくつかの構成では、サスペンション部材は互いに接続される。
【0025】
いくつかの構成では、陽圧呼吸療法を施す際に使用するためのマスクアセンブリが、マスクシールおよびマスクシェルを含む。マスクアセンブリは、使用者の顔の鼻梁よりも十分に低く位置決めされ、かつ使用者の鼻梁を露出させるように構成されている。マスクシールは、マスクシェルに接続されている。マスクシールは、少なくとも1つの鼻開口部を含む鼻領域を含む。マスクシールは、鼻領域の第1の側部に第1のパドル、および鼻領域の第2の側部に第2のパドルを含む。第1のパドルは、使用者の鼻の一方の側面に接触するように構成され、および第2のパドルは、使用者の鼻の他方の側面に接触するように構成されている。マスクシールの厚さは変化し、およびパドルのそれぞれが、サスペンション部材の形態の支持体を含み、その支持体が、パドルの所望の形状を維持するのを支援する。
【0026】
いくつかの構成では、鼻領域は、マスクシールの最小厚さを有する。
【0027】
いくつかの構成では、パドルの支持体は、マスクシールの最大厚さを有する。
【0028】
いくつかの構成では、サスペンション部材は、マスクシールの使用者に接触する面からマスクシェルの方へ延在する。
【0029】
いくつかの構成では、サスペンション部材は互いに接続されて、厚さの増した接続領域を形成する。
【0030】
いくつかの構成では、マスクシールは、口開口部をさらに含み、口開口部を取り囲む領域は、最小厚さを有するか、またはマスクシールの最小厚さに等しい。
【0031】
いくつかの構成では、マスクシールは、口開口部の両側に外側周辺部をさらに含み、外側周辺部のそれぞれが、マスクシールの後ろ向きの側面から、マスクシールの横向きの側面の少なくとも一部分に巻き付く。外側周辺部の厚さは、鼻領域の厚さを上回る。
【0032】
いくつかの構成では、支持体は、ほぼ三角形の形状を含み、三角形の底辺が、三角形の先端の後方に位置決めされている。
【0033】
いくつかの構成では、インターフェースアセンブリは、上述のマスクアセンブリのうちのいずれか1つを含み、インターフェースアセンブリは、取り外し可能に取り付けることができるフレームをさらに含み、フレームは、フレームから延在する1つ以上のカバーを含み、かつ加圧空気がマスクシールに導入されるときに、マスクシールが外側へ拡張して型崩れしないように構成されている。
【0034】
いくつかの構成では、サスペンション部材のそれぞれが、カバーのそれぞれ1つと位置合わせされ、およびシールからカバーまでサスペンション部材を介して負荷を伝達するように構成されている。
【0035】
図面を通して、参照要素の全体的な対応を示すために参照符号を再使用し得る。図面は、本明細書で説明する例示的な実施形態を説明するために提供され、および本開示の範囲を限定することを意図するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1】使用者の頭に位置決めされた、本開示のいくかの特徴、態様および利点を有するインターフェースアセンブリの斜視的な前面図である。
図2】使用者の頭に位置決めされた、図1のインターフェースアセンブリの上面図である。
図3】使用者から離され、かつヘッドギアのない、図1のインターフェースアセンブリのインターフェース部分の斜視的な後面図である。
図4図1のインターフェースアセンブリのマスクアセンブリの斜視的な前面図である。
図5】マスクアセンブリのマスクシールの厚みのある領域を示す、図4のマスクアセンブリの後面図である。
図6】マスクシールの厚みのある領域を示す、図4のマスクアセンブリの側面図である。
図7】マスクシールの異なる厚さの領域を示す、図4のマスクアセンブリのマスクシールの上面図である。
図8】マスクシールの異なる厚さの領域を示す、図7のマスクシールの後面図である。
図9】マスクシールの異なる厚さの領域を示す、図7のマスクシールの側面図である。
図10】マスクシールの異なる厚さの領域を示す、図7のマスクシールの前面図である。
図11図7のマスクシールの後面図である。
図12図11線12-12に沿って取ったマスクシールの断面図である。
図13図11の線13-13に沿って取ったマスクシールの断面図である。
図14図11の線14-14に沿って取ったマスクシールの断面図である。
図15図11の線15-15に沿って取ったマスクシールの断面図である。
図16図11の線16-16に沿って取ったマスクシールの断面図である。
図17図11の線17-17に沿って取ったマスクシールの断面図である。
図18図11の線18-18に沿って取ったマスクシールの断面図である。
図19図11の線19-19に沿って取ったマスクシールの断面図である。
図20図11の線20-20に沿って取ったマスクシールの断面図である。
図21図11の線21-21に沿って取ったマスクシールの断面図である。
図22】マスクシールの支持構造の例示的な配置を示す、図1のインターフェースアセンブリのインターフェース部分の上面図である。
図23図22のインターフェース部分の後面図である。
図24図22のインターフェース部分の一部分の後面図である。
図25】使用者の頭の適所において示す、別のマスクアセンブリの側面図である。
図26図25の線26-26に沿って取ったマスクアセンブリの一部分の断面図である。
図27】使用者の頭の適所において示す、マスクシールの上部用の調整可能な支持体を有する別のマスクアセンブリの側面図である。
図28】使用者の頭の適所において示す、マスクシールの上部用の代替的な調整可能な支持体を有するさらに別のマスクアセンブリの側面図である。
図29図28の線29-29に沿って取ったマスクアセンブリの一部分の断面図である。
図30】マスクシール内に丁番部分を有する別のマスクアセンブリの側面図である。
図31図30の線31-31に沿って取ったマスクアセンブリの一部分の断面図である。
図32】使用者の頭の適所において示す、マスクシールの上部用の代替的な調整可能な支持体を有する別のマスクアセンブリの側面図である。
図33図32の線33-33に沿って取ったマスクアセンブリの一部分の断面図である。
図34】マスクシールの上部用の取り外し可能な支持体を有する、別のマスクアセンブリの斜視図である。
図35】代替的な接続配置構成を含む取り外し可能な支持体を有する、別のマスクアセンブリの一部分の斜視図である。
図36】別の代替的な接続配置構成を含む取り外し可能な支持体を有する、別のマスクアセンブリの一部分の斜視図である。
図37】マスクシールの上部用の支持体としてヘッドギアを用いる別のマスクアセンブリの斜視図である。
図38】ヘッドギアがマスクシールの上部用の支持体を担持する、別のマスクアセンブリの斜視図である。
図39】マスクシールの上部に支持をもたらすつなぎ綱またはストラップを有する、別のマスクアセンブリの斜視図である。
図40】本開示のいくつかの特徴、態様および利点を有する、別のインターフェースアセンブリの斜視図である。
図41図40のインターフェースアセンブリのマスクアセンブリの斜視図である。
図42図41の線42-42に沿って取ったマスクアセンブリの断面図である。
図43図41の線43-43に沿って取ったマスクアセンブリの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
システム、構成要素、ならびに組立および製造方法の実施形態を、以下、添付図面を参照して説明し、図面では、同様の符号は、全体を通して同様のまたは類似の要素を示す。いくつかの実施形態、例および説明を下記に開示するが、当業者には、本明細書で説明する本発明は、具体的に開示した実施形態、例および説明を逸脱し、かつ本発明の他の使用法、ならびに明らかな修正形態およびその均等物を含み得ることを理解されたい。本明細書で提示される説明において使用される用語法は、単に本発明のいくつかの具体的な実施形態の詳細な説明と併せて使用されるため、なんら限定または制限するものであると解釈されるものではない。さらに、本発明の実施形態は、いくつかの新規の特徴を含むことができ、および単一の特徴が、その所望の特性について単独でその要因となるものではなく、または本明細書で説明する本発明を実施するために必須なものでもない。
【0038】
ある種の用語法は、参照するためにのみ以下の説明で使用され得るため、限定を意図するものではない。例えば、「上」および「下」などの用語は、図面における言及される方向を指す。「前」、「後」、「左」、「右」、「後方」、および「側」などの用語は、検討中の構成要素または要素を説明する本文および関連図面を参照することにより明らかにされる、一貫しているが任意の座標系内での構成要素または要素の部分の向きおよび/または位置を説明する。さらに、「第1」、「第2」、「第3」などの用語は、別々の構成要素を説明するために使用され得る。そのような用語法は、具体的に上述した語、その派生語、および同様に重要な語を含み得る。
【0039】
本明細書で説明する実施形態の1つ以上は、フェイスマスクで経験され得る安定性の課題に取り組む。特に、実施形態の少なくともいくつかは、使用者の鼻梁の下を、および外鼻孔の周りを密封する患者用インターフェース、例えばフェイスマスクに関する。しかしながら、本明細書で開示する実施形態はまた、他のフルフェイスマスク(例えば、使用者の鼻梁を部分的に覆うおよび/または密封するものなど)に適合され得る。ほとんどのフルフェイスマスクは、額当て、ヘッドギアマウント、または「T」字形部片を有し、「T」字形部片は、マスクの残りの部分から上方に延在して額上に乗り、「T」字形部片のないフルフェイスマスクと比較して安定性を著しく増す。不安定性は、マスクまたは他の患者用インターフェースに取り付けられる呼吸回路の呼吸管によって加えられる力に起因して、鼻尖または中隔の圧力および/またはシールの漏れの原因となり得る。この力は、「ホース引張力」と呼ばれることが多く、かつ呼吸回路または管から、または使用者の動きから生じ得る。
【0040】
本明細書に示す実施形態は、鼻梁の下方、外鼻孔の周りおよび鼻の下側に、T字形部片およびシールを有しない。少なくともいくつかの構成では、インターフェースまたはマスクはまた、使用者の口の周りを密封する。鼻梁と接触しおよび/またはT字形部片を有する従来のフルフェイスマスクと比べて、使用者の顔上での設置面積が削減された鼻下型の鼻および口複合型マスクは、安定性に対して悪影響を有し得る。同様に、鼻梁と接触しおよび/またはT字形部片を有する従来の鼻マスクと比べて、使用者の顔上での設置面積が削減された鼻下型の鼻マスクもまた、安定性に対して悪影響を有し得る。このようにして、鼻の周りおよびその下方での密封性には、使用者毎の顔の幾何学的形状に見られるばらつきに起因する課題が生じ得る。状況によっては、シールのわずかな動きでも、使用者とのシールの接触を失わせることがあり、これにより漏れを生じ得る。
【0041】
図1~24は、使用者の顔上での位置および使用者の顔から離れた位置の両方にあるマスクアセンブリ2100を示す。図示のマスクアセンブリ2100は、鼻および口複合型マスクであり、本明細書では鼻-口マスクと称し得る。図示のマスクアセンブリ2100は、使用者の鼻の下側を、鼻に対して横方向に延在する顔の一部分に沿って、ならびに使用者の口の周りを密封するように設計されている。マスクアセンブリ2100は、有利には、使用者の鼻梁との接触を必要としない。図示の構成では、マスクアセンブリ2100は、使用者の鼻梁の上側を横切って延在しない。より詳細には、図示のマスクアセンブリ2100は、使用者の鼻梁に接触しない。さらにより詳細には、図示のアセンブリ2100は、使用者の鼻梁の前向きの部分と接触しない。いくつかの構成では、アセンブリ2100は、使用者の眼の下縁に沿って延在するほぼ水平の平面よりも垂直方向に高い領域において、顔と接触しない。マスクアセンブリ2100は、使用者の鼻尖の上方に延在してもまたはしなくてもよい。そのため、いくつかの構成では、マスクアセンブリ2100は、鼻尖を覆う。いくつかの構成では、マスクアセンブリ2100のシールは鼻尖を覆う。いくつかの構成では、図示のマスクアセンブリ2100は、好ましくは、使用者の鼻尖を覆い隠さない。いくつかの構成では、またはいくつかの顔の幾何学的形状に従って、使用者の鼻尖は、マスクアセンブリ2100の隣接部分の上方へ延在する。
【0042】
図示の通り、マスクアセンブリ2100は、好ましくは、鼻孔の周りに丸みを帯びた隆起を形成するように広がる鼻翼または小鼻の周りに延在しかつその上側を密封するように適合されている。図示のマスクアセンブリ2100は、鼻柱(columella)と呼ばれることもある鼻中隔の肉付きのよい外側端部の一部分または全体を含み得る、鼻孔への開口部を画成する表面の周りを密封するように適合されている。いくつかの構成では、マスクアセンブリ2100は、上方に延在して、使用者の鼻の背部の左右の側壁の少なくとも一部分に沿って密封するように適合されている。いくつかの構成では、マスクアセンブリ2100は、使用者の鼻梁の領域まで上方には延在せずに、背部の左右の側壁の少なくとも一部分に沿って、上方に延在するように適合されている。いくつかの構成では、マスクアセンブリ2100の主密封面は、使用者の鼻の下面と、場合により上唇および/または鼻の下面と上唇との間の移行領域とに接触する。マスクの副密封面は、使用者の鼻の側面と、場合により鼻に近い位置にある頬とに接触し得る。そのような主および副密封面は、全ての使用者の顔には接触しないことがあり得る。しかしながら、そのような配置構成は、比較的広範囲の顔の幾何学的形状との好適な密封をもたらし得る。マスクアセンブリ2100はまた、好ましくは、使用者の口の少なくとも一部分の周りを密封する。マスクアセンブリ2100は、使用者の口と鼻との間を密封するように適合されてもよく、またはされなくてもよい。
【0043】
図示の通り、マスクアセンブリ2100は、例えば、ベース、ハウジングまたはシェル2102などのマスク支持体を含む(例えば、図4参照)。マスクシール2104は、マスクシェル2102に取り付けられ、それにより、マスクシェル2102がマスクシール2104にある程度の量の支持をもたらし得る。しかしながら、他の構成では、マスクシール2104は、支持体を含まなくてもよく、および関連のインターフェースアセンブリの別の構成要素に直接組み立てられるように適合され得る。いくつかの構成では、マスク支持体2102は、図示のシェルよりも実質的に小さいことができる。例えば、マスク支持体2102は、マスクアセンブリ2100を別の構成要素、例えばフレームおよび/または導管コネクタ(例えば、エルボー)に取り付けることができるようにする開口部を画成でき、およびマスク支持体2102は、マスクアセンブリ2100の他の部分に直接的な支持をもたらすことなく、開口部に局所化され得る。
【0044】
マスクアセンブリ2100は、任意の好適な配置構成のヘッドストラップまたはヘッドギア2180に接続できるようにするフレーム2178と係合し得るか、または他の方法でそれによって支持され得る。マスクアセンブリ2100は、フレーム2178に調整して固定されて、アセンブリを正しい向きにのみすることを可能にする。いくつかの構成では、ヘッドストラップまたはヘッドギア2180は、マスクアセンブリ2100に直接結合され、およびフレーム2178は、他の目的のために使用され得るか、または省略され得る。導管コネクタ2106がまた、マスクシェル2102、フレーム2178に取り付けられ得るか、または他の方法で、マスクアセンブリ2100の内部空間に対して支持され、かつそれと連通するように適合され得る。同時に、フレーム2178およびヘッドギア2180は、マスクアセンブリ2100を、使用者の顔上で適所に支持し得る。まとめて、マスクアセンブリ2100、フレーム2178およびヘッドギア2180は、インターフェースアセンブリと呼ばれ得る。マスクアセンブリ2100、またはフレーム2178と組み合わせたマスクアセンブリ2100は、インターフェースと呼ばれ得る。
【0045】
図示の導管コネクタ2106は、限定されるものではないが、本出願の他の箇所で説明されるいずれかの方法を含む任意の好適な方法で、フレーム2178および/またはシェル2102に接続され得る。例えば、限定されるものではないが、コネクタ2106がシェル2102に接続され得、それにより、コネクタ2106がシェル2102に対して単軸の周りでまたは複数の軸の周りで旋回、回動また回転できる。いくつの構成では、コネクタ2106は、例えば限定されるものではないが、他の部分を画成するフレーム2178および/またはマスクシェル2102によって、玉継手の一部分を画成し得る。玉継手は、任意の好適な構成を有し得る。コネクタ2106は、マスクアセンブリ2100の内部に加圧呼吸ガスを供給するためのガス導管、例えば供給導管などに接続されるのを容易にする。場合によってはコネクタ2106とガス導管との間の相対的な回転を可能にするスイベル結合または回転結合を含み得る、任意の好適なコネクタ2106が使用され得る。
【0046】
図示の構成では、コネクタ2106は、例えば限定されるものではないがポリカーボネートエルボーなどの、通気口を含むエルボーを含む。図示の配置構成では、通気口は、バイアス流れ孔2110を含む。しかしながら、通気口は、スロットなどの他の幾何学的形状または配置構成、または例えば、構成要素間の制御式の漏れ口を含み得る。通気口はまた、騒音および/または隙間風を低減させる拡散材料を含み得る。バイアス流れ孔2110は、オリフィスの集合であり、これは、使用者によって呼息された二酸化炭素を再呼吸する可能性を低減させるために、排気しかつCO2を流すように構成されている。もっぱらコネクタ2106上にあるバイアス流れ孔2110を示すが、いくつかの構成では、バイアス流れ孔2110は、マスクシェル2102に、マスクシール2104に、またはコネクタ2106、シェル2102およびシール2104のいずれかの組み合わせに、またはインターフェースアセンブリまたは関連の呼吸回路のいずれかの他の構成要素に設けられる。バイアス流れ孔2110は、任意の好適な横断面を有することができ、かつシリンダー状の砂時計形状にされる、両方向にテーパが付けられている、完全にまたは部分的にテーパが付けられている、完全にまたは部分的にシリンダー状で、横断面を変化させるような外形にされているなどであり得る。
【0047】
マスクシェル2102は、概してマスクアセンブリ2100に、およびより具体的にはマスクシール2104に、ある種の支持構造を提供する。マスクシェル2102は、任意の好適な材料から形成され得る。いくつかの構成では、マスクシェル2102は、かなり硬質の材料から形成される。いくつかの構成では、マスクシェル2102は、ポリカーボネート材料などのプラスチック材料から形成される。いくつかの構成では、マスクアセンブリ2100は、マスクシェルから分離されているがそれに取り付けることができるマスクシールクリップを含むマスクシールを含み得る。そのような構成では、マスクシールクリップは、マスクシール2104をマスクシェル2102に接続する。そのような構成では、マスクシールおよびマスクシールクリップは、別々に形成されて、一緒に固定され得るか、またはマスクシールおよびマスクシールクリップは、単一の構成要素に組み込まれ得る。いくつかの構成では、マスクシールは、マスクシールクリップ上にオーバーモールドされることができ、およびいくつかの構成では、マスクシール2104は、マスクシェル2102上に直接オーバーモールドされることができ、これは、例えば、化学的および/または機械的オーバーモールディングを含み得る。
【0048】
いくつかの構成では、マスクシェル2102は、マスクアセンブリ2100の前方壁のかなりの部分を含む。そのような配置構成は、マスクシール2104に有利なレベルの支持をもたらす。例えば、マスクシェル2102は、マスクアセンブリ2100の前方壁の口部分のかなりの部分を含む。いくつかの構成では、マスクシェル2102は、全体的に、マスクアセンブリ2100の口部分に制限されており、および少なくとも影響を与える程度には、マスクアセンブリ2100の鼻部分へと延在していない。そのような配置構成は、マスクシール2104に支持をもたらし得る一方で、有利には、マスクシール2104の鼻部分の動きまたは変形を可能にする。図示の構成では、マスクシェル2102は、中心部分2112から対向する側部部分2116の方へ後方に延びている。中心部分2112は、コネクタ2106を受け入れるためのアパーチャ2114を含む。マスクシェル2102は、中心部分2112および対向する側部部分2116のあらゆる場所で、全体的にまたは実質的に一定の高さを有し得る。他の配置構成では、マスクシェル2102は、マスクシール2104の前部の形状を全体的に模倣する形状を形成することなどによって、高さが変動し得る。マスクシェル2102の高さは、マスクシール2104の口部分の高さに実質的に等しいことができる。マスクシェル2102の幅は、マスクアセンブリ2100の口部分の全幅の少なくとも約4分の3など、マスクアセンブリ2100の口部分の全幅のかなりの部分を含み得る。マスクシェル2102のそのような配置構成は、マスクシール2104の中心および横方向部分を補強し得る。いくつかの構成では、マスクシェル2102は、例えば、環状支持リングまたはフレームなど、最小限であり得る。
【0049】
マスクシール2104は、使用者の顔に対して密封するように設計される。マスクシール2104は、好ましくは、例えば限定されるものではないが、シリコーンなどの軟質材料で形成される。いくつかの構成では、マスクシール2104の少なくとも複数の部分が、使用者の快適さを向上するためにテクスチャー加工され得る。例えば、いくつかの構成では、図示のマスクシール2104を形成するために使用される型の少なくとも複数の部分が、少なくとも使用者の皮膚に接触するマスクシール2104の領域に表面テクスチャーをもたらすために、ビードブラストされ得る。マスクシール2104の1つ以上の表面をテクスチャー加工する他の技術が使用され得る。いくつかの構成では、表面テクスチャー加工を回避し、かつマスクシール2104の少なくとも顔に接触する面に滑らかな表面テクスチャーをもたらし、これにより、使用者の顔上でのマスクシール2104のグリップ力を向上させかつ密封特徴を改善し得ることが望ましくてもよい。
【0050】
上述の通り、図示のマスクシール2104は、鼻-口マスクシールを含み、そのため、少なくとも1つの口開口部2122および少なくとも1つの鼻開口部2124を含む。いくつかの構成では、マスクシール2104は、口-鼻複合型開口部を含み得る。いくつかの構成では、マスクシール2104は、2つ以上の鼻開口部2124を含み得る。いくつかの構成では、マスクシール2104は、例えばピロー、プロングなどの上部構造内に画成された鼻開口部2124を含み得る。いくつかの構成では、鼻開口部2124は、マスクシール2104のベース構造にオーバーモールドされ得るかまたは他の方法で固定され得る鼻用クッションまたはインサートによって画成され得る。そのような配置構成の例は、本出願人の公報国際公開第2014/062070号パンフレットに開示されており、その全体を参照により本明細書に援用する。
【0051】
少なくとも1つの口開口部2122および少なくとも1つの鼻開口部2124は、好ましくは、マスクアセンブリ2100内に画成される単一チャンバーと連通する。図示のマスクアセンブリ2100のチャンバーは、マスクシェル2102およびマスクシール2104によって少なくとも部分的に画成される。少なくとも1つの口開口部2122は、コネクタ2106を受け入れるかまたはそれと連通するアパーチャ2114に実質的に対向する。少なくとも1つの鼻開口部2124は、少なくとも1つの口開口部2122の垂直に上にあり得る。少なくとも1つの鼻開口部2124は、マスクアセンブリ2100の前後方向において、コネクタ2106用のアパーチャ2114と、少なくとも1つの口開口部2122との間に位置決めされ得る。少なくとも1つの鼻開口部は、垂直に対して傾斜している軸を有し、かつ、いくつかの配置構成では、全体的にコネクタ2106用のアパーチャ2114を通って延在し得る。
【0052】
マスクシール2104は、好ましくは、マスクシール2104の中心部分の上部表面2130(図8)の上方へと上側に延在するパドル2126の対を含む。上部表面2130は、前後方向に、マスクシール2104の鼻表面の中心面に沿って存在する線を画成し得る。そのような線は、全体的に、使用者の顔から離れる方向に、鼻中隔に沿って延在する。パドル2126は、外鼻孔と並行に、およびいくつかの構成では外鼻孔の上方へと上側に延在するように構成されている。パドル2126は、外鼻孔の縁および/または鼻の側面に接触し得る。パドル2126、またはパドル2126間のマスクシール2104の複数の部分は、使用者の鼻尖を覆ってもまたは覆わなくてもよい。本明細書で説明するように、好ましくは、マスクシール2104は、使用者の鼻梁に接触しない。
【0053】
いくつかの構成では、パドル2126は、それぞれ、エアポケットを含み、このエアポケットは、コネクタ2106から少なくとも1つの鼻開口部2124および少なくとも1つの口開口部2122までマスクアセンブリ2100を通る空気経路と直接流体連通する。パドル2126は、マスクシール2104内の圧力の上昇に応答して体積が拡張するおよび/または様々な顔および鼻の幾何学的形状に適合するように内側に曲がって、使用者の顔との密封接触を生じるのを支援するように構成され得る。パドル2126の拡張は、特に使用者の鼻でのおよびその周りの様々な外形に沿って使用者の顔に対する密封を支援し得る。パドル2126の内側の曲りによって、マスクシール2104の材料をあまり抑制せずにまたはあまり伸張させずに、中心部分(例えば、上部表面2130)を下方に動かすようにできるため、マスクシール2104は、様々な鼻の幾何学形状により良好に一致できる。
【0054】
上部表面2130の上方のパドル2126の高さは、使用者の顔でのマスクシール2104の安定性(例えば、垂直安定性)と、ある範囲の鼻の幾何学的形状に適合できることまたはパドル2126による視覚的な崩壊の減少との間のバランスを望ましくするように、選択され得る。概して、より高いパドル2126は、マスクアセンブリ2100の追加的な垂直安定性をもたらす傾向を有する一方で、より低いパドル2126は、広範な使用者により良好に適合し、あまり視覚的な崩壊を生じない傾向を有する。いくつかの構成では、パドル高さ2126は、約10mm~約30mmまたは約15mm~約25mmである。いくつかの構成では、パドル高さ2126は、約15mm~約22mmまたは約18mm~約20mmであり、上述の範囲内の値または部分範囲を含む。いくつかの構成では、パドル高さは約18.5mmである。
【0055】
マスクアセンブリ2100の図示のマスクシール2104は、図7~21に示すように、かなり複雑な厚さの範囲および構成を含む。厚さは、図示のマスクシール2104の異なる領域において異なる特徴を利用するかまたは提供するように、様々である。例えば、様々な領域の厚さは、その領域および/またはマスクシール2104全体に対する所望の特性に対処するように選択され得る。そのような特徴は、例えば、マスクシール2104が使用者の顔の幾何学的形状に一致できるようにして、密封性または快適さを高めるようにすること、装着を容易にする著しい内部ガス圧力がなく、および/または内部ガス圧力および/または外圧(例えば、ヘッドギアの力に起因する)に応答してマスクシールの形状を維持すること、または強度または耐久性をもたらすことを含み得る。
【0056】
図7~10は、領域の、異なる厚さの輪郭が描かれている、マスクシール2104の図を示す。概して、マスクシール2104の外表面は、方向の急激な変化がない、比較的滑らかな形状または曲面を画成する。図12~21の断面図に示すように、異なる厚さは、マスクシール2104の内部表面の形状で明らかなまたはその変化によって生じる壁厚さの変化によって生じる。図7~10は、上述の領域または部分におけるものなどの、マスクシール2104の厚さの違いを示す。いくつかの構成では、パドル用の支持構造2163は、鼻領域2168および前面上部2150よりも厚い。いくつかの構成では、厚さの比較的急激な遷移は、鼻領域2168および前面上部2150および支持体2163の間で生じる。対照的に、外側周辺部2162、支持体2163および後面上部2156の間の厚さの遷移は、より漸進的である。さらに、少なくともいくつかの構成では、外側周辺部2162、後面上部2156および口領域2166の間の厚さの遷移は、比較的漸進的である。マスクシール2104の様々な部分が、下記でさらに説明される。
【0057】
使用中に、マスクシール2104の顔に接触する領域の少なくともいくつかでのしわの発生を減少させるために、外側周辺部2162が、隣接する部分またはマスクシール2104の他の部分と比較してかなり硬質または比較的硬質であるとき、一般的にマスクシール2104の顔に接触する部分のいくつかまたは全てに隣接する、マスクシール2104の外側周辺部2162は、所望の性能を提供することが見出された。図示の配置構成では、外側周辺部2162は、マスクシール2104の後部のほぼ垂直に延在する部分に沿って延在し、およびマスクシール2104の後部の底部でわずかに内側に巻き付く。さらに、外側周辺部2162は、マスクシールの後ろ向きの側面から、マスクシール2104の横向きの側面の少なくとも一部分へと巻き付いている。
【0058】
図示の配置構成では、外側周辺部2162は、口開口部2122の各外側部に配置される。いくつかの構成では、外側周辺部2162は、口開口部2122の全高に沿って延在する。外側周辺部2162の上端は、少なくとも口開口部2122の上端のあたりまで延在し得る。外側周辺部2162の下端部は、口開口部2122の下端部の下方に延在する。上述の通り、いくつかの構成では、外側周辺部2162は、口開口部2122の下方で内側に巻き付いて、外側周辺部2162の複数の部分が、口開口部2122の複数の部分の垂直方向に下側に位置決めされるようにする。
【0059】
外側周辺部2162の厚さが比較的厚くなることは、装着を容易にしかつ加えられた力(例えば、ヘッドギアの力)に応答するなどのフィードバックを使用者に提供する著しい内部ガス圧力がないときに、マスクシール2104の潰れに抵抗するかまたはそれを防止するのを支援し得る。外側周辺部2162は、マスクシール2104の外側部の湾曲した形状を維持するのを補助し得るおよび/または少なくとも通常の使用中に経験する力に応答してマスクシール2104の後壁(顔に接触する面を画成する)とマスクシール2104の前壁との間の分離を維持するのを補助し得る。いくつかの構成では、外側周辺部の一部分または全体の厚さは、約1.0mm~約2.0mmであり得る。図示の構成では、外側周辺部2162の一部分または全体の厚さは、好ましくは、約1.5mmである。外側周辺部2162の厚さは、外側周辺部2162の境界線内で一貫性があるまたは様々であり得る。
【0060】
図示のマスクシール2104はまた、口領域2166を含む。図示のマスクシール2104における口領域2166は、口開口部2122の少なくとも一部分に沿って延在する。好ましくは、口領域2166は、口開口部2122の少なくとも下部に沿って延在する。口領域2166は、口開口部2122の少なくとも側部および底部に沿って延在し得る。図示の配置構成では、口領域2166は、口開口部2122の境界を規定する。口領域2166は、口開口部2122の一部または全て、例えば図示の配置構成では側部および上部を取り囲む比較的薄いバンドを含み得る。図示の口領域2166は、口開口部2122から離れるように下方に延在する下部の厚みを付けられたバンド部分を含み、かつマスクシール2104の下縁の方へまたはそこまで延在し得る。口領域2166の下部の厚みを付けられた部分は、使用者の下唇の下方の領域に接触でき、かつマスクシール2104が、ある範囲の頬の幾何学的形状に適合できるようにする。口領域2166の下部の厚みを付けられた部分は、口開口部2122に隣接する縁に対向する、湾曲した縁を画成し得る。
【0061】
口領域2166は、顔に接触する、より柔らかい領域を提供する。従って、口領域2166は、外側周辺部2162および/またはマスクシール2104の他の領域よりも薄い断面を有し得る。いくつかの構成では、口領域2166は、最小厚さを有し得るか、またはマスクシール2104の最小厚さである。例えば、口領域2166の一部分または全体の厚さは、約0.2mm~約0.5mmであり得る。図示の構成では、口領域2166の一部分または全体の厚さは、約0.3mmである。口領域2166の厚さは、口領域2166内で一貫性があるまたは可変であり得る。
【0062】
マスクシール2104はまた、鼻開口部2124の近くに配置された鼻領域2168を含み得る。鼻領域2168は、鼻開口部2124の一部分または全体を取り囲み得る。図示の配置構成では、鼻領域2168は、鼻開口部2124の全体を取り囲み、かつ少なくとも部分的にパドル2126上に配置される側部部分を有する。鼻領域2168は、マスクシール2104の後部から前部の方へ巻き付き得る。図示の配置構成では、鼻領域2168は、鼻開口部2124から半径方向に離間している。鼻の下部に対して優しく密封する要求を仮定すると、図示の構成では、鼻領域2168は、厚さがかなり薄い。いくつかの構成では、マスクシール2104の鼻領域2168は、最小厚さを有し得るか、またはマスクシール2104の最小厚さに等しいか、もしくその最小厚さである。例えば、鼻領域2168の一部分または全体は、口領域2166の厚さと等しいまたはそれよりもわずかに厚い厚さを有し得る。いくつかの構成では、鼻領域2168の一部分または全体の厚さは、約0.3mm~約0.5mmまたは0.6mmである。いくつかの構成では、鼻領域2168の一部分または全体の厚さは、約0.3mmである。鼻領域2168の厚さは、鼻領域2168内で一貫性があってもまたは可変としてもよい。鼻領域2168の一部分または全体の厚さは、約0.3mm未満であり得る。例えば、厚さは、約0.15mmもの薄さであり得る。しかしながら、より薄い厚さは、いくつかの顔の幾何学的形状に対しておよび/またはある程度の動作ガス圧力下で鼻領域2168に折りじわを形成する可能性を生じ得るまたは増やし得ると判断されている。鼻領域2168のかなりの部分または全体において厚さを約0.3mm超に保つことによって、通常動作の全範囲を含み得るかなりの範囲の動作圧力にわたって折りじわの発生率を減少させ得る。
【0063】
マスクシール2104はまた、マスクシェル2102の上方に位置決めされる前面上部2150を含み得る。図示の配置構成では、前面上部2150は、垂直方向においてマスクシェル2102と鼻領域2168との間に、マスクシール2104の前面を横切って横方向に延在する。前面上部2150は、マスクシール2104の幅の実質的に全体に沿って、または少なくとも前面上部2150の箇所におけるマスクシール2104の幅に沿ってなど、マスクシール2104を横切って任意の好適な距離延在し得る。前面上部2150の上縁は、湾曲でき、かつ前面上部2150の側部は、前面上部2150の中心部分よりも高さが高くできるため、中心部分は、前面上部2150の谷を画成する。いくつかの構成では、前面上部2150の側部は、パドル2126を画成するマスクシール2104の部分へと延在し得る。いくつかの構成では、前面上部2150の下縁は、全体的に線形にでき、かつ水平または横方向に延在し得る。前面上部2150の下縁は、マスクシェル2102の上縁とほぼ同じ形状を有し得る。
【0064】
前面上部2150は、好ましくは、かなり厚さが薄く、前面上部2150の柔軟性を促進する。すなわち、好ましくは、前面上部2150は、マスクシール2104の他の部分に作用する圧力、例えば鼻領域2168に加わる下向きの圧力などに応答して、曲がる、折り畳むまたは他の方法で変形することができる。そのような配置構成は、マスクシール2104が、潜在的な使用者の異なる顔の幾何学的形状に一致するのを支援し得る。さらに、そのような配置構成は、少なくともそのような拡張に外部的制約がないと、パドル2126が拡張するまたは膨らむのを促し得る。いくつかの構成では、前面上部2150は、マスクシール2104の最小厚さを有する、またはマスクシール2104の最小厚さと等しいまたはその最小厚さである。例えば、前面上部2150の一部分または全体の厚さは、口領域2166および鼻領域2168の一方または両方の厚さと等しいことができる。いくつかの構成では、前面上部2150の一部分または全体の厚さは、約0.2mm~約0.5mmである。いくつかの構成では、前面上部2150の一部分または全体の厚さは、約0.3mmである。前面上部2150の厚さは、前面上部2150内で一定または可変であり得る。前面上部2150の厚さは、鼻領域2168のコンプライアンスなどのマスクシール2104の所望の特性に依存して、薄くまたは厚くできる。
【0065】
マスクシール2104はまた、パドル2126用の支持構造または支持体2163を含むことができ、これら支持体は、マスクシール2104が使用者によって装用されるときに、パドル2126の形状を保持するために機械的剛性および構造をもたらすサスペンション部材またはバネの形態にあり得る。支持体2163は、シール材料の、厚みのある領域を含み得る。支持体2163は、好ましくは、パドル2126の後方または使用者に接触する面からパドル2126の前方の面の方へまたはそこまで、力を伝達するようなサイズにされ、形状にされおよび/または他の方法で構成され得る。いくつかの構成では、インターフェースは、パドル2126用の支持部分またはカバーを含むことができ、および支持体2163は、パドル2126の後方の面から、支持部分またはカバーに接触するまたは対面するパドル2126またはマスクシール2104の前方の面または他の部分まで力を伝達し得る。いくつかの構成では、支持体2163は、パドル2126の後方の面からマスクシール2104(例えば、マスクシェル2102)またはインターフェースの別の支持部分の方へまたはそこまで、力を伝達し得る。支持体2163は、パドル2126またはマスクシール2104の他の関連のまたは隣接する部分が潰れるのに抵抗するまたはそれを防止して、装着を容易にし、かつ加えられた力(例えば、ヘッドギアの力)に応答してなど、使用者へフィードバックを提供し得る。いくつかの構成では、支持体2163は、著しい内部ガス圧力がない場合、パドル2126またはマスクシール2104の他の関連のまたは隣接する部分が潰れるのに抵抗するまたはそれを防止し得る。支持体2163は、少なくとも通常の使用中に経験する力に応答して、マスクシール2104のパドル2126の形状を維持するのを補助し得るおよび/またはマスクシール2104の後壁(顔に接触する面を画成する)とマスクシール2104の前壁との間の分離を維持するのを補助し得る。さらに、支持体2163は、鼻領域または鼻シール部分2168に支持をもたらし得る。特に、支持体2163は、鼻シール部分2168および/または前面上部2150に構造を提供し、かつそれらの折りじわ、しわまたは潰れを阻止または防止し得る。上述の通り、鼻シール部分2168および/または前面上部2150は、好ましくは、比較的薄く、マスクシール2104のこれらの部分が使用者の鼻に一致できるようにする。比較的薄い鼻シール部分2168および/または前面上部2150は、拡張して、使用者の鼻の周りを密封し得る。使用者が使用者の鼻をマスクアセンブリ2100に係合するときに、支持体2163は、比較的薄い鼻シール部分2168および/または前面上部2150に隣接してまたはそれらの近くにシール2104の硬質部分または要素を提供して、潰れを阻止または防止する。後面上部2156は、鼻シール部分2168および/または前面上部2150の潰れを防止するのを支援し得る。
【0066】
いくつかの構成では、支持体2163は、使用中にパドル2126の顔に接触する部分にしわまたは折りじわが形成される可能性を低減させる一方で、上述のように、横方向内側部分を実際的制限内で必要に応じて可能な限り薄くできるようにするのを促進する。支持体2163は、パドル2126の潰れを阻止もしくは防止するか、またはパドル2126の所望の形状を維持するのを支援し得る。例えば、支持体2163は、パドル2126の所望の前後形状および/またはパドル2126の横方向または左右形状を維持するのを支援し得る。提供される支持レベルは、異なる方向で異なり得る。いくつかの構成では、支持体2163は、シール材料とは別個の部分または別個の構成要素として形成でき、かつ同じまたは異なる材料であり得る。そのような別個の支持体2163は、必要に応じてパドル2126に、またはマスクシール2104の他の部分に結合され得る。本明細書で開示する支持体2163は、特に、鼻マスクおよび鼻-口複合型マスクの両方を含む、鼻下型のマスクアセンブリにおいて有用であり得る。しかしながら、支持体2163はまた、例えば、限定されるものではないが、使用者の鼻梁を覆う、それと接触するまたはそれを密封するおよび/またはT字形部片または他のタイプの額支持体を含むものを含め、他のタイプのマスクアセンブリまたはインターフェースにおいて用いられ得る。支持体2163は、潰れに対する支持および/または過拡張に対する支持が望まれ得るインターフェースのいずれかの箇所で用いられ得るか、またはそこで使用するように修正され得る。そのような個所は、使用者の鼻と一緒に接触または延在するシールの部分にまたはその近くにあり得るか、または他の箇所にあり得る。
【0067】
図示の配置構成では、支持体2163の少なくとも一部分は、全体的にパドル2126に沿って前後方向に延在する。特に、支持体2163は、パドル2126の上縁に沿って、またはパドル2126の上縁に沿った、横方向外表面部分と横方向内表面部分とが接合する領域もしくはリッジに沿って延在し得る。支持体2163は、鼻領域2168の側部の一部分に沿って延在し得る。支持体2163は、全体的に薄くて細長い形状を含み得る。上から見ると、支持体2163は、ほぼ三角形の形状を含むことができ、三角形の底辺が、三角形の頂部または点の後方に位置決めされている。所望の支持レベルを達成するために、または隣接するまたはすぐ近くの構造の所望の形状などの他の設計の検討事項のために、他の形状が可能である。支持体2163は、追加的な部分を有して、他の支持レベルをもたらし得るか、または他の方向に支持をもたらし得る。例えば、支持体2163は、鼻開口部2124の前方側または後方側の一方または両方に沿ってなど、互いに接続し得る。いくつかの構成では、支持体2163は、パドル2126を通って、例えばマスクシェル2102までなど、完全に延在し得る。
【0068】
支持体2163は、パドル2126の他の部分とは異なる厚さを有することができ、およびパドル2126の他の部分よりも厚さが厚くてもよい。いくつかの構成では、支持体2163は、最大厚さを有し得るか、またはマスクシール2104の最大厚さであり得る。いくつかの構成では、支持体2163の一部分または全体の厚さは、約1.5mm~約3.5mmであり得る。図示の構成では、支持体2163の一部分または全体の厚さは、約2.5mmであり得る。支持体2163の厚さは、一定または可変であり得る。
【0069】
図19~21を参照して説明すると、パドル2126を組み込むマスクシール2104の部分が、横断面で示されている。ここに示す通り、および上述の通り、パドル2126は、少なくとも支持体2163以外のセクションにおいて、比較的薄い横断面を有し得る。いくつかの構成では、パドル2126は、少なくとも一部には、典型的な治療温度(例えば、約3~約25cmH2O)において、制御式に膨張または制御式に拡張できるように、十分に薄い横断面で形成され得る。いくつかの構成では、そのような厚さは、パドル2126内の特定の箇所および/または使用される材料に依存して、約0.5または0.6mm以下、0.3mm以下、または約0.2mm以下であり得る。いくつかの構成では、顔に接触するパドル2126の部分は、全体的に一定の横断面厚さを含む。図16~21に示す通り、厚くされた部分は、パドル2126の支持体2163の下方で、パドル2126の下方にあるマスクシール2104の領域内へと延在し続け得る。
【0070】
いくつかの構成では、マスクシール2104は、マスクシール2104の後面に沿って鼻領域2168と口領域2166との間で横方向に延在する後面上部2156を含む。図示の配置構成では、後面上部2156は、内部リブによって画成されたマスクシール2104の細長いストリップ領域である。いくつかの構成では、後面上部2156の端部は、後面上部2156の中心部分よりも高い高さまたは垂直寸法を有し得る。いくつかの構成では、後面上部2156の上縁および下縁は、それぞれ鼻領域2168および口領域2166の対応する部分の湾曲または形状に全体的に従い得る。後面上部2156は、マスクシール2104の実質的な幅に沿って延在し得る。例えば、後面上部2156は、後面上部2156の箇所のマスクシール2104の幅の少なくとも2分の1の長さおよび/または鼻開口部2124の幅よりも長い長さを有し得る。いくつかの構成では、後面上部2156は、口開口部2122の幅よりも長い長さを有し得る。後面上部2156は、マスクシール2104の横方向の中心に置かれ得る。いくつかの構成では、後面上部2156は、外側周辺部2162内へと延在するか、またはそれと接続され得る。そのような配置構成は、使用者の顔の装着を促すために、マスクシール2104の後面の開放形状を維持するのを支援する。
【0071】
後面上部2156は、鼻領域2168と口領域2166との間のマスクシール2104に支持をもたらして、例えば、外側周辺部2162間の横方向におけるおよび/または鼻領域2168と口領域2166との間の垂直方向におけるマスクシール2104の潰れを制限、阻止または防止し得るか、またはそれらの部分2162または領域2168、2166の所望の分離を維持し得る。後面上部2156の厚さは、そのような支持をもたらすのに十分であり、かつ鼻領域2168および口領域2166の一方または両方よりも厚くてもよい。後面上部2156は、外側周辺部2162および支持体2163の一方または両方よりも薄い厚さを有し得る。いくつかの構成では、後面上部2156は、鼻領域2168および口領域2166の両方を上回りかつ外側周辺部2162および支持体2163の両方を下回る厚さを有する。いくつかの構成では、後面上部2156の一部分または全体の厚さは、約0.5mm~約1.5mmであり得る。図示の構成では、後面上部2156の一部分または全体の厚さは、約1.0mmである。厚さは、後面上部2156によって提供された支持体の所望の特性に依存して、薄くまたは厚くできる。
【0072】
マスクシール2104は、上述のものの外側に他の部分を有し得る。例えば、マスクシール2104は、上述の部分間の領域に1つ以上の移行部分2170を有し得る。移行部分2170は、本明細書では単数と称し得る。しかしながら、移行部分2170は、必ずしも、単一の連続的な領域である必要はなく、いくつかの個別のまたは非連続的な領域を含んでもよい。移行部分2170は、前面上部2150、後面上部2156、支持体2163、外側周辺部2162、口領域2166および鼻領域2168のうちのいずれか1つ以上(全てを含む)の間で移行する厚さを画成し得る。移行部分2170は、例えば漸次的なまたは急激な移行などの任意の好適な方法で、2つの領域間から離れるように延在するかまたはそこに位置決めされるまたはそこで移行する厚さを画成し得る。厚さの移行は、例えば移行部分2170内でまたは移行部分2170の縁に沿って生じ得る。図示の構成では、外側周辺部2162は、全体的に、移行部分2170によって取り囲まれる。外側周辺部2162は、支持体2163内へと比較的滑らかに移行できるようにし、図5に示す通り、外側周辺部2162、移行部分2170および支持体2163が、全体的に連続的な厚みのある領域を含むようにする。口領域2166は、移行部分2170によって、外側周辺部2162および/または後面上部2156から分離されている。他の構成も可能である。
【0073】
図示のマスクシール2104は、マスクシェル2102を受け入れかつマスクシール2104をマスクシェル2102に接合するように構成され得る、全体的に開口部を囲む接続領域2160を含む。図示の配置構成では、接続領域2160は、移行部分2170の一部分を形成するまたは移行部分内に含まれるとして説明される。いくつかの構成では、接続領域2160は、マスクシェル2102への接続を可能にするおよび/または耐久性をもたらすなど、所望の特徴を提供する具体的な構成を有し得る。いくつかの構成では、接続領域2160は、シール部材2104の最も厚い部分であり得る。いくつかの構成では、接続領域の厚さは、約2mm~約5mmまたは約3mm~約3.5mmであり得る。他の構成では、厚さは、所望の特性、マスクシェル2102との接続のタイプ(例えば、オーバーモールドされた接続)などに依存して、薄くまたは厚くできる。厚さは、マスクシール2104がマスクシェル2102に機械的に係合する場合など、接続領域2160内で変動し得る。例えば、マスクシェル2102の周辺は、マスクシール2104の材料によって係合されるかまたは通過される凹部または開口部を含み得る。
【0074】
図示のマスクシール2104はまた、鼻開口部2124の一部分または全体を取り囲む鼻開口部支持体2158を含む。鼻開口部支持体2158は、鼻開口部2124の所望の形状を維持するのを支援し得るおよび/または鼻開口部2124の潰れを制限、阻止または防止し得る。図示の配置構成では、鼻開口部支持体2158は、移行部分2170の一部分を形成するとして示される。鼻開口部支持体2158は、可変のまたは比較的一定の厚さを有し得る。鼻開口部支持体2158の厚さは、鼻領域2168の厚さを上回り得る。いくつかの構成では、鼻開口部支持体2158の厚さは、例えば、限定されるものではないが、約1.0mm~約2.5mmであり得る。上述の通り、鼻開口部支持体2158は、マスクシール2104の実質的に全体などの、マスクシール2104の他の部分の材料に結合されるインサートまたはクッションであり得る。
【0075】
さらに図1~3および図22~24を参照して説明すると、上述の通り、マスクシール2104およびマスクシェル2102(マスクアセンブリ2100)は、フレーム2178およびヘッドギア2180を含み得るインターフェースアセンブリの一部分を形成し得る。フレーム2178は、任意の好適な配置構成によって、マスクアセンブリ2100に取り外し可能に接続され得る。例えば、フレーム2178は、いくつかある可能性の中で特に、スナップフィット、摩擦嵌合またはクリップ固着などによって、マスクシェル2102のアパーチャ2114においてまたはその周りに結合され得る。マスクアセンブリ2100は、フレーム2178に調整して固定されて、正しい向きにおいてのみ組み立てを可能にできる。導管コネクタ2106はまた、マスクシェル2102、フレーム2178に取り付けられ得るか、または他の方法でマスクアセンブリ2100の内部空間に対して支持され、かつそれと連通するように適合され得る。
【0076】
図示の配置構成では、フレーム2178は、パドル2126の一部分と隣接してまたは接触して位置決めされる1つ以上の部分を含む。いくつかの構成では、フレーム2178は、支持部分またはカバー2182の対を含み、そのそれぞれが、マスクシール2104のパドル2126の1つと関連付けられる。本明細書のカバー2182への言及は、別段の指示がない限り、パドル2126用の他の好適な支持構造を指し得る。カバー2182は、例えばマスクシール2104内のガス圧力に応答して生じ得るパドル2126の過拡張および/または外向きの膨れを阻止または防止するなど、パドル2126に所望の支持レベルをもたらし得る。上述の通り、マスクシール2104の複数の部分は、使用者の快適さのためにテクスチャー加工され得る。パドルカバー2182に接触するまたは対面するパドル2126の表面のテクスチャー加工は、パドル2126およびパドルカバー2182の相対運動(例えば、摺動運動)を可能にするまたは促進し得る。しかしながら、パドルカバー2182に、パドル2126をグリップしてそれらの間の運動を阻止することが望まれる場合、パドルカバー2182に対面または接触するパドル2126の面は、非テクスチャー加工にされ得るか、または滑らかな表面仕上げを有し得る。マスクシール2104のための型のビードブラストなどの、マスクシール2104をテクスチャー加工するための任意の好適な方法を用いることができる。
【0077】
図示のカバー2182は、フレーム2178と一体的であるが、他の構成では、カバー2182は、他の方法で、インターフェースアセンブリのいずれかの構成要素によって、パドル2126に対して所望の位置に支持され得る。例えば、カバー2182は、フレーム2178、またはマスクシェル2102を含むインターフェースアセンブリの他の部分に結合された別個の構成要素であり得る。そのような別個のカバー2182は、下部の支持構造に接着、クリップ留め、溶接または他の方法で取り付けられ得る。いくつかの構成では、カバー2182は、マスクシェル2102と一体的にされ得る。いくつかの構成では、カバー2182は、マスクシール2104の一部分、例えばパドル2126に対して厚さまたはスティフネスが上回る部分であり得る。図示の配置構成では、カバー2182は、フレーム2178と一体的に形成される。同様に、カバー2182は、マスクシェル2102、マスクシール2104またはインターフェースアセンブリの他の部分と一体的に形成され得る。
【0078】
いくつかの構成では、カバー2182は、パドル2126が加圧される前に、パドル2126の横方向外表面の隣にまたはそれに対して、それらの間に間隙または可変間隙を有してまたは有さずに、位置決めされる。そのような配置構成では、カバー2182は、パドル2126に接触して、マスクシール2104内のガス圧力に起因するなどのパドル2126の望ましくない量の拡張または外向きの動きを、制限、阻止または防止し得る。パドル2126のある程度の拡張は、例えば、パドル2126またはマスクシール2104の上部(例えば、鼻領域2168)の折りじわを制御するために望ましくてもよいが、拡張しすぎは、鼻領域を使用者の鼻の下面に対して押圧させることなどによって、使用者に不快であり得、および/または使用者の顔とパドル2126またはマスクシール2104の他の部分との間のシールを損ない得る。そのため、カバー2182の特性(例えば、サイズ、形状または箇所)は、所望の支持レベルをもたらすおよび/またはパドル2126またはマスクシール2104の他の部分の所望のレベルの拡張を可能にするように、選択され得る。好ましくは、パドル2126または少なくともパドル2126の上部は、カバー2182に結合されず、パドル2126が、カバー2182から離れるように内側に曲がるまたは回動できるようにする。いくつかの構成では、パドル2126の横方向外表面は、カバー2182から離れるように内側に動き得る。そのような配置構成は、有利には、下向きの圧力が鼻領域2168に加えられるときに、パドル2126の横方向内面と使用者の顔との間の接触を維持するのを支援し得る。
【0079】
いくつかの構成では、カバー2182は、パドル2126の横方向外向きのまたは前向きの面の一部分のみを覆う。そのような配置構成では、カバー2182は、使用者の快適さと、パドル2126に支持をもたらすこととの間に所望のバランスをもたらし得る。例えば、カバー2182は、前後方向においてパドル2126の一部分のみを覆い得る。図示の配置構成では、カバー2182は、パドル2126の前方部分を支持し、かつパドル2126の少なくとも後方部分を露出したままにする。図示の配置構成では、カバー2182は、パドル2126の実質的に全高を覆う。いくつかの構成では、カバー2182は、パドル2126の長さの実質的に全体または全体を覆う一方、パドル2126の高さのある程度を露出したままにする。いくつかの構成では、カバー2182は、パドル2126の中間部分を覆い、前方および後方部分を露出したままにし得る。いくつかの構成では、カバー2182は、パドル2126の横方向外向きのまたは前向きの面の少なくとも約3分の1または2分の1を覆うかまたはそれに重なり合う。いくつかの構成では、カバー2182は、パドル2126の横方向外向きのまたは前向きの面の少なくとも約3分の2または4分の3を覆うかまたはそれに重なり合う。
【0080】
いくつかの構成では、パドルカバー2182は、パドル2126の一部分に局所的な支持をもたらすように構成され得る。例えば、パドルカバー2182は、細長いフィンガー構造の形態にあり得る。そのようなフィンガー構造は、パドル2126の比較的小さい部分に支持をもたらし得る。フィンガー構造は、パドル2126に対する任意の所望の箇所、例えばパドル2126の前方端部、後方端部または中間部分から出ていることができる。いくつかの構成では、フィンガー構造は、後方向に向かって湾曲するまたは前方向に向かって湾曲するなど、湾曲している。例えば、フィンガー構造は、パドル2126の上部周辺縁の一部分または全体に従うように湾曲し得る。そのようなフィンガー構造は、パドル2126の周辺縁に配置され得るかまたはそこから離間され得る。いくつかの構成では、フィンガー構造は、下記でさらに説明する支持体2163などのパドル2126の支持構造に重なるように構成され得る。
【0081】
好ましくは、カバー2182間に空間または谷2184が画成される。図示の配置構成では、谷2184は、マスクシール2104の一部分、例えば鼻領域2168の前方部分を露出させて、マスクシール2104の所望量の膨張を可能にする。さらに、そのような配置構成は、使用者の鼻尖を収容できるか、または使用者の鼻によって撓ませられるマスクシール2104の一部分を収容するための空間を設け得る。
【0082】
図22を参照して説明すると、カバー2182は、マスクシール2104の特徴と協働して、所望の性能特性を提供し得る。例えば、パドル2126用の支持体2163は、カバー2182に対して位置決めされて、使用者の顔によってパドル2126に加えられる負荷が、支持体2163によってカバー2182へ伝達されるようにし得る。そのため、支持体2163は、カバー2182と接触するかまたはそれと隣接して位置決めされるマスクシール2104の部分でまたはその直後で終端でき、かつ前面上部2150内へとまたはマスクシェル2102まで完全に延在しなくてもよい。支持体2163は、全体的にマスクシール2104の後方または使用者に接触する面からそのそれぞれのカバー2182に向かう方向に延在し得る。いくつかの構成では、支持体2163のそれぞれが、全体的にまたは実質的に、マスクシール2104の縦方向に延在する。支持体2163は、互いにほぼ平行に延在し得るか、または後方端部と比較して、前方端部においてより近くなり得る。換言すると、支持体2163は、マスクシール2104の後方または使用者に接触する面から、マスクシール2104の前側部分の方に移動する方向において、収束し得る。しかしながら、他の構成では、支持体2163が後から前へ広がり得る。
【0083】
上述の通り、支持体2163は、パドル2126の前後方向において計画された圧縮または潰れに応答して、抵抗力をもたらすように、サスペンション部材またはバネの形態にあり得るかまたはそれと同様に機能し得る。支持体2163が、力をカバー2182へと伝えるため、支持体2163の厚さ、形状、向きおよび/または位置によって、潰れを阻止または防止する。力は、カバー2182へと伝達されるため、支持体2163の近くのまたはそれを取り囲むマスクシール2104の領域(例えば、鼻領域2168および/または前面上部2150)の潰れは、阻止または防止される。マスクシール2104の複数の部分が変形または伸張し得るが、好ましくは、潰れは阻止または防止される。シールの潰れは、型崩れを含み、これは、マスクシール2104の漏れまたは他の有害な性能の原因となり得る。場合によっては、潰れは、マスクシール2104の、通常は離間している壁部分の接触を含む(例えば、比較的後方の壁部分と比較的前方の壁部分との接触)。支持体2163はまた、マスクシール2104の谷の潰れを阻止または防止し得る。換言すると、支持体2163は、横方向に離間したまたは分離された位置付けでパドル2126の維持を支援し得る。
【0084】
少なくともいくつかの構成では、カバー2182はまた、支持体2163がない場合、パドル2126に対する支持をもたらし得る。さらに、カバー2182(または他の同様の支持構造)が、鼻下型の鼻マスクまたは鼻-口複合型マスクに特に有用であるが、カバー2182または同様の構造は、他のタイプのインターフェースにも使用され得る。例えば、カバー2182は、鼻または鼻-口複合型マスクアセンブリにおいて、または例えば、限定されるものではないが、使用者の鼻梁を覆う、それと接触するまたはそれを密封するおよび/またはT字形部片または他のタイプの額支持体を含むインターフェースにおいて用いられ得る。カバー2182は、潰れに対する支持および/または過拡張に対する支持が望まれ得るインターフェースの任意の箇所で、用いられ得るか、またはそこで使用するために修正され得る。そのような個所は、使用者の鼻に接触するかまたはそれと並行して延在するシールの部分にまたはその近くにあり得るか、または他の箇所にあり得る。上述の通り、カバー2182は、対応する支持体2163と一緒にまたはそれがない状態で用いられ得る。
【0085】
カバー2182に対する支持体2163の考えられる位置が、図22に示されている。いくつかの構成では、支持体2163は、一般的に、カバー2182と、使用者の顔に接触するパドル2126の後方の面との間に延在する。そのような面は、例えば、鼻領域2168の側面と一致し得る。支持体2163の前方端部は、横方向において、カバー2182と位置合わせされ得る。いくつかの構成では、支持体2163の前方端部は、例えば、半円形の接合部分などによって互いに接合され得るおよび/またはマスクシェル2102まで完全にまたは実質的に完全に延在し得る。そのような配置構成は、より優れた形状保持機能性およびフィードバックを提供し得る。しかしながら、カバー2182によって、支持体2163が、所望量の形状保持およびフィードバックを依然として提供している間に、より早く終端できるようにすることが決定されている。支持体2163の形状は、相補的にまたは他の方法でカバー2182との所望の相互作用をもたらすように、選択され得る。そのような配置構成は、鼻領域2168全体でない場合、鼻領域2168の少なくとも複数の部分(例えば、鼻尖の領域)を、比較的薄くして、使用者に快適さをもたらすおよび/または所望の密封性を提供することができる。
【0086】
必要に応じて、支持体2163と同様の1つまたは複数の構造(例えば、バネまたはサスペンション構造)は、鼻尖領域(または鼻領域2168の他の領域)に設けられて、マスクシール2104の所望の形状を維持するのを補助し得る。カバー2182の提供は、そのような支持体が、カバー2182がない場合に設けられるものよりも薄い厚さを有することができるようにし、それにより、コンプライアンスを増して、使用者の快適さおよび密封性を向上させることが考えられる。
【0087】
図23および図24を参照すると、マスクシール2104および鼻領域2168の一部分の後方または使用者に接触する面の図が、それぞれ示されている。鼻領域2168の内側部分は、性能に影響を及ぼし得るマスクシール2104の領域であり得ること、およびシールの快適さ、漏れおよび全体的性能を向上させることが分かっているいくつかの特徴または特性があることが見出されている。例えば、鼻領域2168の幅2186、またはバネ構造体間または支持体2163間の幅は、シールの快適さ、漏れおよび全体的性能に影響を及ぼし得る。いくつかの構成では、この幅は、約45mm~約50mmの領域にあるが、異なるサイズのマスクシール2104などには、それよりも小さくまたは大きくできる。
【0088】
図24を参照して説明すると、いくつかの構成では、バネ構造または支持体2163から鼻領域2168の内側部分までのマスクシール2104の外側の幾何学プロファイルは、凸状プロファイルである。そのような配置構成は、使用者の鼻が鼻領域2168に適合しかつ使用者の鼻孔の周りに所望の密封性プロファイルをもたらすとき、パドル2126を変位できるようにする。
【0089】
さらに、上述の通り、いくつかの構成では、鼻領域2168の一部分または全体の厚さは、約0.3mm~約0.5mmまたは0.6mmである。いくつかの構成では、鼻領域2168の少なくとも内側部分(鼻開口部支持体2158を除く)の厚さは、少なくとも約0.3mmであり、所望のレベルのコンプライアンスをもたらす一方で、ある範囲の顔の幾何学的形状および/または動作圧力にわたって、折りじわも阻止する。いくつかの構成では、鼻部分2168の内側領域は、一定の厚さを有する。しかしながら、厚さは、鼻部分2168の内側領域内で可変であり得る。いくつかの構成では、鼻部分2168の内側領域の厚さは、約0.3mmからわずかに厚い値まで変化し得る。いくつかの構成では、鼻領域2168の一部分または全体の厚さは、約0.3mm未満とし、それにより、コンプライアンスを増し得る。しかしながら、そのような厚さは、いくつかの顔の幾何学的形状によっておよび/またはより低い動作圧力で、折りじわを生じ得る。
【0090】
図25~39は、パドル2126と、パドル2126に対して支持をもたらす支持構造2182とを有する追加的なマスクアセンブリ2100を示す。パドル2126および支持構造2182を含む、図25~39のマスクアセンブリ2100は、図1~24のマスクアセンブリ2100を含め、本明細書のいずれかの箇所で説明されているマスクアセンブリ2100、パドル2126および支持構造2182と同様または実質的に同じであり得る。従って、図1~24のマスクアセンブリ2100と関連して使用されるものと同じ参照符号が、図25~39のマスクアセンブリ2100における同じまたは対応する特徴を指すために使用される。図25~39のマスクアセンブリ2100の以下の説明は、主に、上述のマスクアセンブリ2100と比べた違いに向けられている。具体的に説明されない図25~39のマスクアセンブリ2100の特徴または構成要素は、図1~24のマスクアセンブリ2100の同じまたは対応する特徴または構成要素と同じまたは同様であり得るか、または他の好適な配置構成であり得る。
【0091】
図25および図26は、使用者の顔に位置決めされたマスクアセンブリ2100を示す。マスクアセンブリ2100はパドルカバー2182の対を含み、そのそれぞれが、マスクシール2104の対応するパドル2126の少なくとも一部分に重なる。1つのパドル2126およびパドルカバー2182のみを図25および図26に示す。しかしながら、マスクアセンブリ2100は、中心の垂直軸の周りで実質的にまたは完全に対称的である。従って、マスクアセンブリ2100の他方の側のパドル2126およびパドルカバー2182は、図示のパドル2126およびパドルカバー2182と同じまたは実質的に同じであり得る。
【0092】
図25および図26の図示の配置構成では、パドルカバー2182は、マスクシェル2102ではなく、マスクシール2104によって直接担持される。いくつかの構成では、パドルカバー2182は、マスクシール2104の少なくとも一部分と一体的に形成されるまたは一体形で形成されるフラップ部分である。パドルカバー2182は、本明細書で説明する他のパドルカバー2182と、サイズ、形状、位置および剛性が実質的に同様であり得る。図示のパドルカバー2182は、パドル2126の外表面から分離されていて、少なくともマスクアセンブリ2100内の圧力の上昇がない場合、それらの間に空間2200が画成される。パドルカバー2182の形状は、パドル2126の隣接面の形状と対応して、空間2200の幅が一定となるようにし得る。他の構成では、空間2200の幅は変動し得る。
【0093】
いくつかの構成では、パドルカバー2182は、パドルカバー2182によって覆われるかまたは重ねられるパドル2126の部分よりも剛性がある。パドル2126よりも剛性が高いことは、様々な配置構成によって達成され得る。図示の配置構成では、パドルカバー2182は、パドル2126と同じ材料(例えば、シリコーン)を含むが、パドル2126の対応する壁部分の壁厚さよりも厚い壁厚さを有する。いくつかの構成では、パドルカバー2182の壁厚さは、パドル2126の対応する部分の壁厚さの少なくとも2倍である。いくつかの構成では、パドルカバー2182の壁厚さは、パドル2126の対応する部分の壁厚さの少なくとも3倍である。いくつかの構成では、パドルカバー2182の壁厚さは、パドル2126の対応する部分の壁厚さの少なくとも4倍または約4倍である。パドルカバー2182は、一定または可変の壁厚さを有し得る。壁厚さは変化して、パドルカバー2182の剛性を変化させ、パドル2126の異なる部分に異なるレベルの支持をもたらし得る。
【0094】
パドルカバー2182には、他の好適な配置構成も使用し得る。例えば、パドルカバー2182は、全体的にまたは一部では、パドル2126の材料よりも堅固な材料から構成され得る。いくつかの構成では、材料は同様であり得る(例えば、異なるスティフネス特性を有するシリコーン材料)。パドルカバー2182は、任意の好適なプロセスまたは配置構成によって、マスクシール2104の残りの部分に結合または接続され得る。例えば、パドルカバー2182およびマスクシール2104の残りの部分は、マルチショット射出成形プロセス(例えば、オーバーモールディングまたは共成形)において構成され得る。他の構成では、パドルカバー2182は、別個の構成要素として構成され、かつ接着剤、溶接、メカニカルファスナーまたは他の好適な配置構成などによって、マスクシール2104の残りの部分に結合され得る。
【0095】
図27は、パドル2126用の調整可能な支持構造2202を示す。図示の配置構成では、調整可能な支持構造2202は、パドルカバー部分2182(以下、「パドルカバー」)の対を画成する単一の構造である。他の構成では、パドルカバー2182は、別個の構造によって画成され得る。支持構造2202は、パドル2126および/またはマスクアセンブリ2100の残りの部分に対して、動かされ得る。図示の配置構成では、支持構造2202は、複数の考えられる別個の調整位置のうちから所望の1つの位置に動かすことができる。しかしながら、他の構成では、支持構造2202は、無限に調整可能である。
【0096】
図27のマスクアセンブリ2100は、パドル2126および/またはマスクアセンブリ2100の残りの部分に対して支持構造2202の調整を可能にする調整機構2210を含む。調整機構2210は、例えば、限定されるものではないが、3個、4個、または5個の調整位置などの複数の調整位置のうちの選択した1つの位置に支持構造2202を固定できるようにする、戻り止めアセンブリを含む。図示の調整機構2210は、支持構造2202のパドルカバー2182から下方に延在する細長いアーム2212を含む。細長いアーム2212は、間に調整位置を規定する複数の突起を含む。マスクシェル2102(またはマスクアセンブリ2100の別の部分、例えばマスクシール2104)は、細長いアーム2212を受け入れるように構成されたスロット2214を含む。細長いアーム2212は、複数の調整位置のうちのいずれか1つの位置において、スロット2214内に固定され得る。下向きに突出する細長いアーム2212が、使用者の視界から出るように細長いアーム2212を位置決めできる点で有利である。しかしながら、他の構成では、図示の配置構成は逆にでき、および細長いアーム2212は、マスクアセンブリ2100(例えば、マスクシェル2102またはマスクシール2104)に設けることができ、かつスロット2214は、支持構造2202によって画成され得る。他の好適な戻り止め配置構成も使用され得る。
【0097】
支持構造2202は、パドル2126および/またはマスクアセンブリ2100の残りの部分に対して、任意の所望の方向において調整し得る。いくつかの構成では、支持構造2202は、パドル2126および/またはマスクアセンブリ2100の残りの部分に対して、垂直方向に調整可能である。いくつかの構成では、支持構造2202は、パドル2126および/またはマスクアセンブリ2100の残りの部分に対して、水平または前後方向において調整可能である。図示の配置構成では、支持構造2202は、パドル2126および/またはマスクアセンブリ2100の残りの部分に対して、垂直方向および水平方向の両方において調整可能である。そのため、支持構造2202は、1つの調整方向において上方へかつ後方へ、および他の調整方向において下方へおよび前方に動く。調整方向は、マスクシール2104の上部表面2130(図8)に対してほぼ垂直であり得、および/またはマスクアセンブリ2100が使用者の顔上で適切に位置決めされるとき、使用者の鼻の下面にある。調整方向は、パドル2126に提供される支持体に対して所望の調整をもたらすように、他の方法で構成され得る。
【0098】
図28および図29は、パドル2126に調整可能な支持構造2202を含むマスクアセンブリ2100を示す。調整可能な支持構造2202は、多くの点で、図27の調整可能な支持構造2202と同様である。しかしながら、図28および図29の配置構成では、調整可能な支持構造2202は、パドルカバー部分2182(以下、「パドルカバー」)のそれぞれに個々の構造を含む。支持構造2202のそれぞれは、パドル2126および/またはマスクアセンブリ2100の残りの部分に対して個別に動かされ得る。支持構造2202は、複数の考えられる個別の調整位置のうちの所望の1つの位置に動かすことができる。しかしながら、他の構成では、支持構造2202は無限に調整可能である。
【0099】
図28および図29のマスクアセンブリ2100は、各支持構造2202と関連付けられた調整機構2210を含み、パドル2126および/またはマスクアセンブリ2100の残りの部分に対して支持構造2202の調整を可能にする。調整機構2210は、戻り止めアセンブリを含み、戻り止めアセンブリは、例えば、限定されるものではないが、3個、4個または5個の調整位置などの複数の調整位置のうちの選択した1つの位置に支持構造2202を固定できるようにする。図示の調整機構2210のそれぞれは、支持構造2202のパドルカバー2182から下方に延在する細長いアーム2212を含む。細長いアーム2212は、間に調整位置を規定する複数の突起を含む。しかしながら、図27の配置構成とは対照的に、突起は、図27の縁の突起の代わりに、細長いアーム2212の面(例えば、外向きの面)に設けられる。マスクシェル2102(またはマスクアセンブリ2100の別の部分、例えばマスクシール2104)は、細長いアーム2212を受け入れるように構成されたスロット2214を含む。細長いアーム2212は、複数の調整位置のうちのいずれか1つの位置において、スロット2214内に固定され得る。図27にあるように、図28および図29の細長いアーム2212は、下方に突出して、使用者の視界から出るように細長いアーム2212を位置決めする。しかしながら、他の構成では、図示の配置構成は逆にでき、および細長いアーム2212は、マスクアセンブリ2100(例えば、マスクシェル2102またはマスクシール2104)に設けられ、かつスロット2214は、支持構造2202によって画成され得る。他の好適な戻り止め配置構成がまた使用され得る。
【0100】
図27の支持構造2202と同様に、図28および図29の支持構造2202は、パドル2126および/またはマスクアセンブリ2100の残りの部分に対して任意の所望の方向において、例えば、垂直方向、水平方向、または垂直方向と水平方向との組み合わせにおいて、調整可能である。調整方向は、マスクシール2104の上部表面2130(図8)に対して、および/またはマスクアセンブリ2100が使用者の顔上で適切に位置決めされるとき、使用者の鼻の下面に対して、ほぼ垂直であり得る。調整方向は、パドル2126に提供される支持体に対して所望の調整をもたらすように、他の方法で構成され得る。
【0101】
図30および図31は、丁番配置構成2220を含むマスクアセンブリ2100を示し、この丁番配置構成は、マスクシール2104またはマスクアセンブリ2100の別の部分、例えば、パドル2126の下方にあるおよび/またはパドル2126が支持されるマスクシール2104の一部分に対して、パドル2126またはパドル2126の一部分の動きを容易にするように構成されている。いくつかの構成では、丁番配置構成2220は、少なくともパドル2126の一部分を、弛緩した位置または通常の位置から内側に動かすことができるように構成される。特に、図示の配置構成では、丁番配置構成2220は、パドル2126の横方向外壁2222を、弛緩した位置または通常の位置から内側に動かすことができるように構成されている。いくつかの構成では、丁番配置構成2220は、マスクシール2104の上部表面2130(図8)に加えられた十分な力に応答して、パドル2126を内側に動かすことができるように構成される。そのため、丁番配置構成2220は、上部表面2130に力が加えられる前に、任意の開始位置(例えば、膨張または拡張した位置)からパドル2126を内側に動かすことができるようにする。
【0102】
丁番配置構成2220は、実質的にまたは完全に一方向性であり得る。すなわち、丁番配置構成2220は、一方向におけるパドル2126またはその一部分の動きを促し、かつパドル2126またはその一部分の別の方向での動きを抑制、阻止または防止し得る。例えば、図示の丁番配置構成2220は、少なくともパドル2126の外壁2222の内側への動きを可能にし、かつ少なくともパドル2126の外壁2222の外側への動きを抑制するように構成されている。丁番配置構成2220は、少なくともパドル2126の外壁2222の少量の外側への動きを可能にし、これは、好ましくは、可能にされた内側への動きの量よりも遥かに少ない。
【0103】
いくつかの構成では、丁番配置構成2220は、マスクシール2104に画成された、内側に延在するスロット2224によって画成された一体丁番を含む。スロット2224は、好ましくは、スロット2224が延在し始める、パドル2126の横方向の外側面に対して実質的に垂直に延在する。スロット2224は、パドル2126の下端部にまたはその近くに配置され得る。スロット2224は、任意の所望の距離、外壁2222へと延在し、この距離は、外壁2222が、丁番配置構成2220によって画成された丁番軸2226の周りで簡単に撓むまたは動くことに影響を及ぼし得る。概して、スロット2224が外壁2222を通ってより遠くに延在するほど、外壁2222は、スロット2224の端部の壁厚さが薄いことに起因して、より簡単に、丁番軸2226の周りで撓むまたは動くことができる。いくつかの構成では、スロット2224は、丁番配置構成2220の位置の外壁2222の厚さの少なくとも約2分の1延在する。いくつかの構成では、スロット2224は、丁番配置構成2220の位置の外壁2222の厚さの少なくとも約4分の3延在する。
【0104】
スロット2224は、幅2228を画成し得る。幅2228は、外壁2222によって可能にされる外側への動きの量に影響を及ぼし得る。概して、幅2228が広いほど、外壁2222は、丁番配置構成2220の結果、外向きにより遠くへ動くことができる。丁番配置構成2220は、スロット2224の対向する面が互いに接触するまで、外壁2222の外側への動きを可能にする。いくつかの構成では、幅2228は、スロット2224の長さの約2分の1未満である。いくつかの構成では、幅2228は、スロット2224の長さの約4分の1未満である。図示の配置構成では、丁番配置構成2220は、スロット2224の各側で外向きに突出する突起2230を含む。突起2230は、外壁2222の壁厚さを局所的に厚くし、かつ比較的薄い壁厚さによって可能にされる動きと比較して外壁2222の外側への動きを制限できる。なぜなら、スロット2224の対向する面の自由端部は、丁番軸2226からより離れており、かつ丁番軸2226により近い自由端部よりも小さいたわみ角で互いに接触するためである。
【0105】
図示の配置構成では、丁番配置構成2220は、マスクアセンブリ2100の一方の側部のパドル2126からマスクアセンブリ2100の他方の側部のパドル2126まで全体的に横方向に延在する単一のスロット2224を含む。しかしながら、他の構成では、スロット2224の対が、スロット2224のそれぞれがパドル2126の1つと関連付けられて設けられ得る。
【0106】
図30および図31に示すパドル2126は、厚みのある外壁2222を含む。その結果、外壁2222は、パドル2126の他の部分よりも剛性が大きい。外壁2222により大きな剛性を生じる他の好適な方法または配置構成も用いることができる。厚みのある外壁2222は、図30および図31のマスクアセンブリ2100に関してパドル支持体(例えば、パドルカバー2182)の必要性を低減させ得るまたはなくし得る。さらに、厚みのあるまたは他の方法で堅固にされた外壁2222と組み合わせて丁番配置構成2220を設けることによって、パドル2126の外側への動きまたは拡張を制御できる一方で、パドル支持体2182と組み合わせたあまり硬質でないパドル2126と同様に、パドル2126の内側への動きを可能にするようにする。しかしながら、いくつかの構成では、厚みのあるまたは他の方法で堅固にされた外壁2222は、パドルカバー2182、または本明細書で開示されるパドル支持体のいずれかなどの他のパドル支持体と組み合わせて使用され得る。
【0107】
図32および図33は、いくつかの点で図27~29の調整可能な支持構造2202と同様である、パドル2126用の別の調整可能な支持構造2202を示す。図32および図33に関して具体的に説明しない特徴または構成要素は、図27~29の支持構造2202の同じまたは対応する特徴または構成要素と同じまたは同様であり得る。図示の配置構成では、調整可能な支持構造2202は、パドルカバー部分2182(以下、「パドルカバー」)の対を画成する単一の構造である。他の構成では、パドルカバー2182は、別個の構造によって画成され得る。上述の通り、支持構造2202は、パドル2126および/またはマスクアセンブリ2100の残りの部分に対して、垂直方向、水平または前後方向、または垂直方向と水平方向の組み合わせなどの任意の所望の方向において調整し得る。
【0108】
支持構造2202は、ラックアンドピニオン配置構成を含む調整機構2210によって、パドル2126および/またはマスクアセンブリ2100の残りの部分に対して動かされ得る。調整機構2210は、各パドルカバー2182に関連付けられたラックアンドピニオン配置構成を含み得るか、または支持構造2202のパドルカバー2182の両方を調整する単一のラックアンドピニオンを含み得る。図示の調整機構2210は、支持構造2202のパドルカバー2182から下方に延在する細長いアーム2212を含む。細長いアーム2212は、ラック2240を画成する複数の歯を含む。ラック2240は、細長いアーム2212の長さ方向に延在する。マスクシェル2102(またはマスクアセンブリ2100の別の部分、例えばマスクシール2104)は、ラック2240の歯に係合する歯を有するギアまたはピニオン2242を含む。
【0109】
図示の配置構成では、ピニオン2242は、マスクシェル2102の開口部を通過する取り付けシャフト2244を含む。取り付けシャフト2244は、シャフト2244の拡大端部分を含むスナップフィット結合部を介して、ピニオン2242をマスクシェル2102に結合でき、この拡大端部分は、意図的なアセンブリ力に応答して、マスクシェル2102の開口部を通過できるが、開口部を通して戻るように通過することには抵抗して、シャフト2244およびピニオン2242をマスクシェル2102上に保持する。ピニオン2242は、シャフト2244および/またはマスクシェル2102に対して回転可能である。調整ノブ2246などの回転調節器が、ピニオン2242に結合され、かつ支持構造2202の位置または高さを調整するために使用者がノブ2246を手動で回転できるようにする把持面を含む。他の構成では、回転調節器2246は、調整用の道具を可能にし得るまたは必要であり得る。いくつかの構成では、回転調節器2246は、手動で調整可能でなくてもよい。しかしながら、いくつかの構成では、図示の配置構成を逆にでき、および細長いアーム2212は、マスクアセンブリ2100(例えば、マスクシェル2102またはマスクシール2104)上に設けられ、かつピニオン2242は、支持構造2202に結合され得る。調整機構2210は、支持構造2202の動きを案内するおよび/またはマスクシェル2102またはマスクシール2104に対する支持構造2202の回転を阻止または防止する、リブなどのガイド2248を含み得る。
【0110】
代替的な配置構成では、支持構造2202および/またはパドルカバー2182は、他の方向の動きに加えてまたはその代わりに、パドル2126に向かう方向に内側におよびパドル2126から離れる方向に外側に回動するように構成される。そのような配置構成では、調整機構2210は、支持構造2202および/またはパドルカバー2182を、パドル2126の下端部にまたはその近くに配置されたほぼ水平の軸であり得る回動軸の周りで回動させるように構成される。そのような配置構成は、パドル2126にもたらされた支持レベルを調整できるようにする。さらに、そのような配置構成は、必要な場合または所望の場合には、パドル2126の内側の変位を可能にして、特定の使用者の顔の幾何学的形状に対処し得る。さらに、支持構造2202および/またはパドルカバー2182は、パドル2126から離れるように動いて、適切なまたは所望のときに、パドル2126の外側への拡張を可能にする。
【0111】
図34~36は、いくつかの点で図27~29、図32および図33の支持構造2202と同様であるパドル2126用の取り外し可能な支持構造2202の様々な実施形態を示す。図34~36に関して具体的に説明しない特徴または構成要素は、図27~29、図32および図33の支持構造2202の同じまたは対応する特徴または構成要素と同じまたは同様であり得る。図示の配置構成では、取り外し可能な支持構造2202のそれぞれが、パドルカバー部分2182(以下、「パドルカバー」)の対を画成する単一の構造である。他の構成では、パドルカバー2182は、別個の構造によって画成され得る。
【0112】
図34の支持構造2202は、支持構造2202の、下方に延在する各サイドアーム部分2212の下端部分から内側に延在する突出部2250を含む。突出部2250は、支持構造2202がマスクアセンブリ2100の残りの部分に結合されると、マスクシール2104の内側に延在するポケットまたは凹部2252内に受け入れられる。他の構成では、ポケット2252は、マスクアセンブリ2100の別の部分、例えば、限定されるものではないがマスクシェル2102などによって画成され得る。突出部2250は、いくつかある可能性の中で特に、摩擦係合によって、スナップフィットによって、別のインターロッキング配置構成によって、および/または支持構造2202の弾力性によって、ポケット2252内に保持され得る。いくつかの構成では、支持構造2202の複数のサイズおよび/または形状が、例えば、パドル2126の多少の支持または撓みをもたらすために、特定のマスクアセンブリ2100に対して利用可能である。本明細書で開示する他の支持構造2202のように、支持構造2202の剛性は、所望の支持レベルをパドル2126にもたらすように構成され得る。
【0113】
図35の支持構造2202は、多くの点で、図34の支持構造2202と実質的に同様であり得る。図35に関して具体的に説明しない特徴または構成要素は、図34の支持構造2202の同じまたは対応する特徴または構成要素と、本明細書で開示する他の支持構造と同じまたは同様であり得るか、または任意の他の好適な配置構成であり得る。図35の支持構造2202は、マスクシール2104内で垂直の向きにされたポケット2252内に受け入れられるように構成される、サイドアーム2212の端部分2254を有する。しかしながら、他の構成では、ポケット2252は、マスクアセンブリ2100の別の部分、例えば、限定されるものではないが、マスクシェル2102などで画成され得る。
【0114】
図36の支持構造2202は、多くの点で、図34または図35の支持構造2202と実質的に同様であり得る。図36に関して具体的に説明しない特徴または構成要素は、図34または図35の支持構造2202の同じまたは対応する特徴または構成要素と、本明細書で開示する他の支持構造と同じまたは同様であり得るか、または任意の他の好適な配置構成であり得る。図36の支持構造2202のサイドアーム2212の端部分2254は、マスクシール2104またはマスクアセンブリ2100の他の部分(例えば、マスクシェル2102)のそれぞれのスロットまたは開口部2252内に受け入れられるように構成される、突出部分または係合部分2250を含み得る。係合部分2250は、サイドアーム2212の残りの部分と位置合わせされ得る。マスクシール2104またはマスクアセンブリ2100の他の部分は、ストラップ2256、壁、または少なくとも部分的にスロット2252を画成する他の好適な構造を含み得る。そのような配置構成では、支持構造2202は、パドル2126に追加的な支持体が望まれるような場合、マスクアセンブリ2100に留められ得る。図36に示す通り、支持構造2202は、前方向の動きまたは後方向の動きなどによって、複数の方向からマスクアセンブリ2100に留めるように構成され得る。
【0115】
いくつかの構成では、主に別の機能を果たすインターフェースアセンブリの部分も、パドル2126を支持するために用いられ得る。例えば、図37に示す通り、インターフェースアセンブリは、ヘッドギア2180の一部分がパドル2126の少なくとも一部分に重なり合うように位置決めされるように構成され得る。ヘッドギア2180の部分は、本明細書で説明するパドルカバー2182と同じまたは同様の機能をもたらし得る。そのような配置構成では、ヘッドギア2180の調整、例えばヘッドギアの位置および/または張力は、パドル2126によってもたらされる支持の量を調整し得る。概して、ヘッドギア2180における張力が大きいほど、パドル2126の支持が大きくなる、または撓みが大きくなる。ヘッドギア2180の張力は、パドル2126を内側に互いの方に向かって動かすように大きくすることができるか、またはパドル2126が外側に互いから離れることができるように小さくすることができる。
【0116】
図示の配置構成では、ヘッドギア2180は、インターフェースアセンブリの各側に、上部ストラップ2260および下部ストラップ2262を含む。いくつかの構成では、上部ストラップ2260は、パドル2126の少なくとも一部分に重なり合うように位置決めされる。しかしながら、他の構成では、ヘッドギア2180の他の部分は、パドル2126のための支持体として機能するように用いられ得る。図示の配置構成では、上部ストラップ2260および下部ストラップ2262はフレーム2178に接続され、これは、マスクアセンブリ2100に接続される。上部ストラップ2260、またはヘッドギア2180の他の部分は、ヘッドギア2180の形状および/またはフレーム2178上での取り付け位置の結果、パドル2126に重なり合うように位置決めされ得るか、または場合によってはマスクシール2104の一体部分であり得る、スロットまたは経路のような案内構造によって、パドル2126に重なり合うような位置に案内され得るまたは撓まされ得る。上述の通り、および図1~3に示すように、フレーム2178の一部分は、パドル2126の支持体を含み得るまたは担持し得る。従って、いくつかの構成では、ヘッドギア2180の一部分およびフレーム2178の両方とも、パドル2126に支持をもたらし得る。
【0117】
図38を参照して説明すると、ヘッドギア2180は、パドル2126に対して支持をもたらすように構成された、1つ以上のパドル支持体またはパドルカバー2182を担持し得る。例えば、上部ストラップ2260のそれぞれは、ストラップ2260に位置決めされ得るパドルカバー2182を担持して、対応するパドル2126に対して支持をもたらし得る。いくつかの構成では、パドルカバー2182は、ヘッドギアストラップ2260が通過できる開口部2264を含み、およびパドルカバー2182は、ストラップ2260に沿って、パドル2126に対して所望の位置まで摺動できる。パドルカバー2182は、パドルカバー2182とストラップ2260との間の摩擦係合によって、ストラップ2260上で適所に保持され得る。図37の配置構成と同様に、ヘッドギア2180に対する調整によって、パドルカバー2182によってパドル2126にもたらされる支持または撓みレベルを調整できる。パドルカバー2182の異なるサイズおよび/または形状は、パドル2126にもたらされる支持または撓みの量を調整するために設けられ得る。
【0118】
図39は、つなぎ綱またはストラップ2182の形態の、パドル2126用の支持配置構成を示す。ストラップ2182は、マスクアセンブリ2100の各側に結合され、かつマスクアセンブリ2100の各側でパドル2126の上側を通過して、パドル2126を支持し得るおよび/または撓ませ得る。図示の配置構成では、ストラップ2182は、マスクシール2104の頂部の上側を通過して、ストラップ2182の一部分がマスクシール2104の上部表面2130(図8)の上方に配置されるようにする。ストラップ2182は、剛性または半剛性として、ストラップ2182に作用する外力がない場合に、湾曲したまたは他の形状を保持し得るようにする。他の構成では、ストラップ2182は、非剛性または柔軟性であり、およびパドル2126、マスクシール2104の他の部分、マスクシェル2102またはマスクアセンブリ2100の別の部分によってもたらされた抵抗に頼って、使用中のストラップ2182を付形し得る。例えば、パドル2126は、ストラップ2182の中心部分を支持し、かつ使用者の鼻から離れるようにストラップ2182を維持し得る。
【0119】
ストラップ2182は、任意の好適な配置構成によってマスクアセンブリ2100に結合され得る。いくつかの構成では、マスクシール2104、マスクシェル2102またはマスクアセンブリ2100の別の部分は、取り付け要素を含み、この取り付け要素は、ストラップ2182の対応する取り付け要素に係合し得る。ストラップ2182は、マスクアセンブリ2100の各側に結合され得る。図示の配置構成では、マスクシール2104またはマスクシェル2102は取り付けポスト2270を含み、およびストラップ2182は、取り付けポスト2270が通過できる開口部2272を含む。ストラップ2182が取り付けポスト2270に組み立てられると、取り付けポスト2270の残りの拡大部分またはヘッドは、ストラップ2182を適所に保持し得る。他の構成では、この配置構成を逆にできる。タブ/スロット配置構成、スナップフィットまたはフック-バー配置構成などの他の好適な配置構成も使用され得る。さらに他の構成では、ストラップ2182は、ヘッドギア2180に、インターフェースアセンブリの各側にある上部ストラップ2260に取り付けられ得る。ストラップ2182は、マスクアセンブリ2100に対して調整可能であり、ストラップ2182の有効長を調整し、それにより、パドル2126にもたらされる支持または撓みの量を調整し得る。例えば、ストラップ2182は、各側に複数の開口部2272または他の取り付け要素を備え得る。
【0120】
鼻-口マスクアセンブリ2100に関連して示したが、パドル2126、支持構造2163およびパドルカバー2182の特徴および利点は、他のタイプのマスクでも用いられ得る。図40~43は、上述のパドル2126、支持構造2163およびパドルカバー2182と同様の特徴を含む鼻マスクアセンブリ3100を示す。鼻マスクアセンブリ3100は、上述の鼻-口マスクと比較した違いとの関連で説明される。そのため、明白に説明されない特徴、構成要素または他の構造は、本明細書で開示するマスクアセンブリ2100の同じまたは対応する特徴、構成要素または構造と同じまたは同様であり得、または任意の他の好適な配置構成であり得る。
【0121】
図示のマスクアセンブリ3100は、例えばベース、ハウジングまたはシェル2102であり得るマスク支持体を含む。マスクシール2104は、マスクシェル2102に取り付けられ、それにより、マスクシェル2102がマスクシール2104にある程度の支持をもたらす。マスクアセンブリ3100は、フレーム2178に係合されるかまたはそれによって他の方法で支持されて、任意の好適な配置構成のヘッドギア(例えばヘッドギア2180)に接続できるようにする。図示の配置構成では、マスクシェル2102は、マスクアセンブリ3100をフレーム2178に接続できるようにするコネクタの形態にある。図示のマスクシェル2102は、全体的に環状であり、少なくともいくつかの構成では、マスクシール2104の前向きの面のかなりの部分を覆わない。いくつかの構成では、ヘッドギアは、マスクアセンブリ3100に直接結合され、およびフレーム2178は、他の目的に用いることもでき、または省略されることもできる。エルボー2106などの導管コネクタも、マスクシェル2102、フレーム2178に取り付けられ得るか、またはマスクアセンブリ3100の内部空間に対して他の方法で支持され、かつそれと連通するように適合され得る。同時に、フレーム2178およびヘッドギア2180は、マスクアセンブリ3100を使用者の顔上で適所に支持し得る。まとめて、マスクアセンブリ3100、フレーム2178およびヘッドギア2180をインターフェースアセンブリと称し得る。マスクアセンブリ3100、またはフレーム2178と組み合わせたマスクアセンブリ3100は、インターフェースと称し得る。
【0122】
フレーム2178は、任意の好適な配置構成によってマスクアセンブリ3100に取り外し可能に接続され得る。例えば、フレーム2178は、いくつかある可能性の中で特にスナップフィット、摩擦嵌合またはクリップ固着によって、マスクシェル2102のアパーチャ2114にまたはその周りで結合され得る。マスクアセンブリ3100は、フレーム2178に調整して固定されて、アセンブリを正しい向きにのみできるようにする。導管コネクタ2106はまた、マスクシェル2102、フレーム2178に取り付けられ得るか、またはマスクアセンブリ3100の内部空間に対して他の方法で支持され、かつそれと連通するように適合され得る。例えば、限定されるものではないが、コネクタ2106はシェル2102に接続されて、コネクタ2106が、シェル2102に対して単軸または複数の軸の周りで旋回、回動または回転するようにする。いくつかの構成では、コネクタ2106は、フレーム2178および/またはマスクシェル2102と共に玉継手の一部分を画成し、例えば限定されるものではないが、他の部分を画成し得る。玉継手は、任意の好適な構成を有し得る。コネクタ2106は、加圧呼吸ガスをマスクアセンブリ3100の内部に供給するために、例えば供給導管などのガス導管への接続を容易にする。場合によっては、コネクタ2106とガス導管との間の相対的な回転を可能にするスイベル結合または回転結合を含み得る任意の好適なコネクタ2106を使用できる。
【0123】
図示の構成では、コネクタ2106は、例えば限定されるものではないが、通気口を含むポリカーボネートエルボーなどのエルボーを含む。図示の配置構成では、通気口は、バイアス流れ孔2110を含む。しかしながら、通気口は、他の幾何学的形状または配置構成、例えばスロットを含み得るか、または例えば構成要素間の制御式の漏れ口を含み得る。通気口はまた、騒音および/または隙間風を低減させるように拡散材料を含み得る。バイアス流れ孔2110は、オリフィスの集合であり、これは、使用者によって呼息された二酸化炭素を再呼吸する可能性を低減させるために、排気しかつCO2を流すように構成されている。もっぱらコネクタ2106上にあるバイアス流れ孔2110を示すが、いくつかの構成では、バイアス流れ孔2110は、マスクシェル2102に、マスクシール2104に、またはコネクタ2106、シェル2102およびシール2104の任意の組み合わせに、またはインターフェースアセンブリもしくは関連の呼吸回路の任意の他の構成要素に設けられ得る。バイアス流れ孔2110は、任意の好適な横断面を有し、かつシリンダー状の砂時計形状にされる、両方向にテーパが付けられている、全体的にまたは部分的にテーパが付けられている、全体的にまたは部分的にシリンダー状で、断面などを変化させるような外形であり得る。
【0124】
図示のシール2104は、使用者の鼻の下側で、鼻に対して横方向に延在する顔の一部分に沿って、ならびに使用者の上唇に沿って、密封するように構成されている。マスクアセンブリ3100は、有利には、使用者の鼻梁と接触する必要がない。図示の構成では、マスクアセンブリ3100は、使用者の鼻梁の上側を覆うように延在しない。より詳細には、図示のマスクアセンブリ3100は、使用者の鼻梁に接触しない。
【0125】
マスクアセンブリ3100は、使用者の鼻尖の上側を延在してもまたはしなくてもよい。そのため、いくつかの構成では、マスクアセンブリ3100は鼻尖を覆う。いくつかの構成では、マスクアセンブリ3100のシールは鼻尖を覆う。いくつかの構成では、図示のマスクアセンブリ3100は、好ましくは、使用者の鼻尖を覆い隠さない。いくつかの構成では、またはいくつかの顔の幾何学的形状では、使用者の鼻尖は、マスクアセンブリ3100の隣接部分を覆うように延在する。いくつかの構成では、フレーム2178、およびマスクアセンブリ3100の他の部分は、使用者の鼻の複数の部分(例えば、鼻尖)によるマスクシール2104の撓みに適合でき、インターフェースが様々な鼻の長さに適合できるようにする。
【0126】
図示の通り、マスクアセンブリ3100は、好ましくは、鼻孔の周りに丸みを帯びた隆起を形成するように広がる鼻翼の周りに延在しかつその上側を覆うように適合されている。図示のマスクアセンブリ3100は、鼻柱と呼ばれることもある鼻中隔の肉付きのよい外部端の一部分または全体を含み得る、鼻孔への開口部を画成する面の周りを密封するように適合されている。いくつかの構成では、マスクアセンブリ3100は、使用者の鼻の背部の左右の側壁の少なくとも一部分に沿って密封するように、上方に延在するように適合される。いくつかの構成では、マスクアセンブリ3100は、使用者の鼻梁の領域まで上方に延在することなく、背部の左右の側壁の少なくとも一部分に沿って、上方に延在するように適合される。いくつかの構成では、マスクアセンブリ3100の主密封面は、使用者の鼻の下面、上唇、および/または鼻の下面と上唇との間の移行領域に接触する。マスクの副密封面は、場合により鼻の近くの箇所にある頬と一緒に、使用者の鼻の側面に接触し得る。そのような主および副密封面は、全ての使用者の顔に接触しなくてもよい。しかしながら、そのような配置構成は、比較的広範囲の顔の幾何学的形状を備える好適なシールをもたらし得る。
【0127】
マスクシール2104は、少なくとも1つの鼻開口部2124を含む。いくつかの構成では、マスクシール2104は、2つ以上の鼻開口部2124を含み得る。いくつかの構成では、マスクシール2104は、ピロー、プロングなどの上部構造内に画成された鼻開口部2124を含み得る。いくつかの構成では、鼻開口部2124は、マスクシール2104のベース構造にオーバーモールドされ得るまたは他の方法で固定され得る鼻用クッションまたはインサートによって画成され得る。マスクシール2104の好適な配置構成の例は、本出願人の公報国際公開第2014/077708号パンフレットに開示されており、その全体を参照により本明細書に援用する。
【0128】
マスクシール2104は、マスクアセンブリ3100の使用中に、使用者に対面するまたは接触する内向きのまたは後ろ向きの中心部分3102を含む。マスクシール2104はまた、対向する横方向内側部分3104の対および対向する横方向外側部分3106の対を含む。横方向内側部分3104は、鼻の側面および/または鼻のいずれかの側の使用者の顔の部分に接触するように構成される。横方向内側部分3104は、内向きの面および後ろ向きの面の両方を含む。すなわち、横方向内側部分3104のそれぞれが、マスクシール2104の内向きの面からマスクシール2104の後ろ向きの面の方へまたはそこまで巻き付く。横方向外側部分3106は、後ろ向きの面および外向きの面の両方を含み得る。マスクアセンブリ3100の使用中、横方向外側部分3106の後ろ向きの面は、使用者の顔に接触し得る。マスクシール2104はまた、鼻開口部2124を部分的にまたは完全に取り囲みかつそれに対して支持をもたらす鼻開口部支持体3108を含み得る。
【0129】
図1~39を参照して上述したマスクシール2104と同様に、図40~43のマスクシール2104は、様々な厚さの領域を含み、マスクシール2104に、異なる領域内で異なる特性または特徴を備えるようにし得る。例えば、中心部分3102は、比較的薄い厚さを有して、中心部分3102が、使用者の特定の顔の幾何学的形状に一致できるようにし得る。いくつかの構成では、厚さが比較的薄いことによって、中心部分3102が伸張できるようにする。いくつかの構成では、中心部分3102の厚さは、0.3mm~0.5mmまたは0.6mmであり得る。いくつかの構成では、中心部分3102の厚さは、0.3mmである。必要に応じて、中心部分3102の厚さは、0.15mmもの薄さであり得る。しかしながら、厚さが薄いほど、いくつかの顔の幾何学的形状でおよび/またはいくつかの動作ガス圧力において折りじわを生じ得るかまたはその可能性を増大させ得ることが見出されている。中心部分3102のかなりの部分または全体において厚さを0.3mm以上に保つことによって、通常の動作圧力の全範囲を含み得る、かなりの範囲の動作圧力にわたって折りじわの発生を減少させることができる。
【0130】
横方向内側部分3104の厚さは、中心部分3102の厚さを上回り得る。いくつかの構成では、横方向内側部分3104の厚さは、0.4mm~0.6mmであり得る。いくつかの構成では、横方向内側部分3104の厚さは、0.5mmである。鼻開口部支持体3108の厚さは、中心部分3102および横方向内側部分3104の一方または両方を上回る。厚さが比較的厚いと、鼻開口部2124における裂けからマスクシール2104を保護でき、および鼻開口部2124が開放形状を維持するのを補助し得る。いくつかの構成では、鼻開口部支持体3108の厚さは、1mm~2.5mmである。いくつかの構成では、鼻開口部支持体3108の厚さは、1.2mmである。厚さは、中心部分3102、横方向内側部分3104または鼻開口部支持体3108のいずれかのうちで、一定にすることができ、または変化させることができる。
【0131】
マスクアセンブリ3100の横方向部分2126は、横方向内側部分3104および横方向外側部分3106の複数の部分または全体を含め、マスクアセンブリ2100のパドル2126と同じまたは同様の方法で機能し得る。従って、マスクアセンブリ3100の横方向部分2126は、本明細書では、パドルと称し得る。パドル2126は、インターフェースの使用中に使用者の鼻と一緒に位置決めされるインターフェースシールの任意の部分を指し得る。パドル2126は、本明細書では、鼻下型のインターフェースとの関連で開示されるが、別段の指示がない限り、使用者の鼻梁と接触する、それを覆うまたは密封するものなど、他のタイプのインターフェースでも用いられ得る。
【0132】
横方向外側部分3106は、マスクシール2104の形状を維持するのを支援する特徴を含み得る。いくつかの構成では、横方向外側部分3106は、厚さ、剛性またはスティフネスが増大した領域を含み、マスクシール2104の形状を維持するのを支援する。そのような特徴は、マスクアセンブリ2100のパドル2126に関して本明細書で説明する支持構造2163と、構造および/または機能が同様であり得る。従って、同じ参照符号を使用して、マスクアセンブリ3100の支持構造2163およびマスクアセンブリ2100の支持構造2163の両方を指す。マスクアセンブリ3100の支持構造2163は、パドル2126に関連して上述したものと同様の方法で、漏れおよび/またはマスクシール2104の中心部分3102によって使用者の鼻に加えられる不要な圧力を生じ得る、マスクシール2104の横方向端部分の過拡張または不要な拡張を阻止または防止し得る。同様に、支持構造2163は、使用中に鼻に係合するとき、マスクシール2104の少なくとも複数の部分の潰れを阻止または防止し得る。例えば、支持構造2163は、マスクシール3100の鼻領域または中心部分3102の潰れを阻止または防止し得る。
【0133】
支持構造2163はまた、マスクシール2104の1つの部分からマスクシール2104の別の部分まで力を伝達し得る。例えば、支持構造2163は、マスクシール2104の後方部分に加えられる力を、マスクシール2104の前側部分へ伝達し得る。いくつかの構成では、支持構造2163は、使用者の顔によってマスクシール2104の後ろ向きの面に加えられる力を、マスクシール2104の別の部分へ伝達することができ、この部分は、伝達された力の一部または全てに抵抗し得る。いくつかの構成では、支持構造2163は、マスクシール2104の後ろ向きのまたは使用者に接触する面からの力を、マスクシール2104(例えば、マスクシェル2102)を支持するフレーム2178または他の構造へ伝達する。そのため、いくつかの構成では、支持構造2163は、マスクシール2104の後ろ向きの面と、マスクシール2104用のフレーム2178または他の支持構造によって接触されるまたは重ね合わされるマスクシール2104の面との間に延在する。好ましくは、支持構造は、後ろ向きの面から、フレーム2178または他の支持構造によって重ね合わされる面まで延在する。しかしながら、上述の通り、支持構造2163は、必ずしも力を伝達することなく、マスクシール2104に構造をもたらすことができ、およびそのような支持をもたらすように用いられ得る。
【0134】
いくつかの構成では、フレーム2178は、中心部分と、中心部分の各側に横方向部分とを含む。横方向部分は、図1~39のインターフェースに関して説明したパドルカバー2182と同様のまたは同じ方法で機能し得る。従って、パドルカバー2182を示すために使用した同じ参照符号を使用して、フレーム2178の横方向部分2182を示す。さらに、別段の指示がない限り、パドルカバー2182への言及はまた、図40のフレーム2178の横方向部分2182も指し得る。横方向部分またはパドルカバー2182は、支持構造2163を含むマスクシール2104の部分と位置合わせされるかまたは重なって、図1~39を参照して上述したものと同様のまたは同じ方法で、支持構造2163が、フレーム2178の横方向部分2182へと負荷を伝達できるようにする。
【0135】
支持体2163は、一般的に、マスクシール2104の後方または使用者に接触する面から、フレーム2178のカバー2182のそのそれぞれの横方向部分に向かう方向に、延在し得る。いくつかの構成では、支持体2163のそれぞれは、マスクシール2104の縦方向に全体的にまたは実質的に延在する。支持体2163は、互いにほぼ平行に延在し得るか、または後方端部と比較して、前方端部においてより近くなり得る。換言すると、支持体2163は、マスクシール2104の後方または使用者に接触する面から、マスクシール2104の前側部分に向かって移動する方向において収束し得る。しかしながら、他の構成では、支持体2163が後ろから前へ広がり得る。
【0136】
図示の配置構成では、各支持構造2163は、関連の横方向外側部分3106の周辺縁の一部分または全体に従うような形状にされるかまたは他の方法で構成される。各支持構造2163は、マスクシール2104を横から見るとき、ほぼC字形状(または逆C字形状)を含むことができ、これは、後方部分3110、および後方部分3110から前方に延出する、上部延出部または脚3112および下部延出部または脚3114を含む。図示の配置構成では、支持構造2163は、マスクシール2104の厚みのある領域であり、そのそれぞれが、マスクシール2104の内部空間へと内側に突出する。延出部3112、3114の一方または両方のいずれかが、マスクシェル2102へ延在し得るおよび/またはそれと接触し得る。図示の構成では、下部延出部3114のみがマスクシェル2102まで延在し、かつ上部延出部3112は、マスクシェル2102から後方に離間されている。しかしながら、他の構成では、この配置構成は、逆にされ得る。
【0137】
図示の支持構造2163のそれぞれは、支持構造2163内で、厚さ、スティフネスまたは剛性が低減された領域を提供する、切り取りまたはレリーフ3120を含む。図示の配置構成では、レリーフ3120は、支持構造2163の他の部分と比較して厚さが薄い領域である。図示のレリーフ3120はまた、マスクシール2104を横から見ると、ほぼC字形状(または逆C字形状)を含む。いくつかの構成では、レリーフ3120はまた、関連の横方向外側部分3106の周辺縁の一部分または全体に従い得る。しかしながら、好ましくは、レリーフ3120は、横方向外側部分3106の周辺縁から内側に離間している。少なくともいくつかの構成では、レリーフ3120は、支持構造2163内に完全に含まれる。レリーフ3120は、支持構造2163の複数の部分を、互いに対して動くことができるようにする。従って、レリーフ3120は、マスクシール2104の対応する部分が、互いに対して動くことができるようにする。そのため、レリーフ3120の後方の支持構造2163の一部分およびマスクシール2104が、レリーフ3120の前方の支持構造2163の一部分およびマスクシール2104の方に動き得る。
【0138】
支持構造2163は、マスクシール2104に対して異なるレベルの支持をもたらすように、厚さが可変であり得る。例えば、上部延出部3112および/または下部延出部3114の厚さは、後方部分3110の少なくとも一部分の厚さを下回り得る。いくつかの構成では、レリーフ3120の後方のおよび/またはマスクシール2104の後方の面に配置されたまたはそれに隣接する後方部分3110の一部分の厚さは、レリーフ3120の前方の後方部分3110の一部分の厚さを上回る。レリーフ3120の厚さは、レリーフ3120の前方の後方部分3110の部分およびレリーフ3120の後方の後方部分3110の部分の両方の厚さを下回り得る。さらに、支持構造2163の外部(例えば、前方)の横方向外側部分3106の一部分の厚さは、支持構造2163のいずれかの部分の厚さを下回り得る。いくつかの構成では、支持構造2163の外部の横方向外側部分3106の部分の厚さは、レリーフ3120の厚さに等しいまたは実質的に等しいことができる。
【0139】
いくつかの構成では、レリーフ3120の後方のおよび/またはマスクシール2104の後方の面に配置されたまたはそれに隣接する後方部分3110の部分の厚さは、2mm~5mmである。いくつかの構成では、厚さは4mmである。いくつかの構成では、レリーフ3120の前方の後方部分3110の部分の厚さは、1.5mm~3mmである。いくつかの構成では、厚さは2mmである。いくつかの構成では、レリーフ3120の厚さは、0.3mm~0.6mmである。いくつかの構成では、厚さは0.5mmである。いくつかの構成では、支持構造2163の外部の横方向外側部分3106の部分の厚さは、0.3mm~0.6mmであり得る。いくつかの構成では、厚さは0.5mmである。マスクシール2104はまた、開示の特定の厚さのいずれかまたは全てを有することなく、本明細書で開示するものに比例する厚さを有し得る。
【0140】
文脈上明白に他の意味に解釈すべき場合を除いて、説明および特許請求の範囲を通して、語「含む(comprise)」、「含む(comprising)」などは、排他的または徹底的であるのとは対照的に、包括的に、すなわち、「限定されるものではないが、~を含む」と解釈され得る。本明細書で使用される条件付きの文言、例えば、特に、「できる」、「得る」、「ことがあり得る」、「してもよい」、「例えば」などは、具体的に別段の定めをした場合、または使用されるような文脈内で別段の理解がされる場合を除き、一般的に、いくつかの実施形態はいくつかの特徴、要素および/または状態を含むが、他の実施形態は含まないことを伝えるものとする。そのため、そのような条件付きの文言は、特徴、要素および/または状態が含まれるかまたは任意の特定の実施形態において実施されるかに関わらず、著者の入力または指示があってもまたはなくても、一般的に、これらの特徴、要素および/または状態が、1つ以上の実施形態に必要とされること、または1つ以上の実施形態が必然的に、決定するための論理を含むことを暗示するものではない。
【0141】
用語「複数」は、2つ以上のアイテムを指す。量、寸法、サイズ、配合、パラメータ、形状および他の特徴への言及は、量、寸法、サイズ、配合、パラメータ、形状または他の特徴の前に、用語「約」または「ほぼ」が付くかのように解釈する必要がある。用語「約」または「ほぼ」は、量、寸法、サイズ、配合、パラメータ、形状および他の特徴が、正確である必要はないが、容認可能な許容誤差、変換因子、丸め、測定誤差など、および当業者に公知の他の要因を反映して、概算であり得、および/または必要に応じて大きいまたは小さくてもよいことを意味する。量、寸法、サイズ、配合、パラメータ、形状および他の特徴への言及はまた、量、寸法、サイズ、配合、パラメータ、形状または他の特徴の前に、用語「実質的に」が付くかのように解釈する必要がある。用語「実質的に」は、言及した特徴、パラメータ、または値が、正確に達成される必要はないが、例えば、許容誤差、測定誤差、測定精度限界および当業者に公知の他の要因を含む偏差または変化は、特徴がもたらされることを目的とした影響を除外しない程度に発生し得ることを意味する。
【0142】
数値データは、本明細書では、範囲形式で表現または提示され得る。そのような範囲形式は、単に便宜上および簡潔にするために使用されるため、柔軟に、範囲の限界値として明白に言及した数値のみを含むと解釈されるだけでなく、その範囲内に含まれる個々の数値および部分範囲が明白に言及されるかのように、各数値または部分範囲の全てを含むと解釈される必要があることを理解されたい。例として、数の範囲「1~5」は、約1~約5の明白に言及された値を含むと解釈される必要があるだけでなく、その示した範囲内にある個々の値および部分範囲も含むと解釈される必要がある。そのため、この数の範囲内には、2、3および4などの個々の値、および「1~3」、「2~4」および「3~5」などの部分範囲も含まれる。この同じ原理は、1つのみの数値を言及する範囲(例えば、「1を上回る」)にも適用され、かつ範囲の広がりまたは説明される特徴に関わらず、適用される必要がある。
【0143】
複数のアイテムは、便宜上、共通のリストに提示され得る。しかしながら、これらのリストは、あたかもリストの各要素が別個のおよび一意の要素として個々に特定されるかのように解釈される必要がある。そのため、そのようなリストの個々の要素は、これと反対の表示がない場合、単に共通の群における他の提示に基づいて、事実上、同じリストの任意の他の要素と均等であると解釈されるべきではない。さらに、用語「および」および「または」を、アイテムのリストと併せて使用する場合、それらは、列挙したアイテムのうちのいずれかの1つ以上が単独でまたは他の列挙したアイテムと組み合わせて使用され得ると、広義に解釈される。用語「その代わりに」は、2つ以上の代替例のうちの1つを選択することを指し、および文脈上明白に別段の指示がある場合を除いて、選択を、それらの列挙した代替例のみに、または列挙した代替例のうち、一度に1つのみに限定することを意図したものではない。
【0144】
本明細書におけるいずれかの従来技術への言及は、世界中のいずれかの国における努力分野において、従来技術が共通の一般知識の一部を形成するとの承認でも、またはいずれかの形態の提案でもなく、およびそのように取られるべきではない。
【0145】
本発明はまた、部分、要素または特徴の2つ以上の組み合わせのいずれかまたは全てにおいて、個別にまたはまとめて、本出願の明細書に言及されるまたは示される前記部分、要素および特徴にあると広範に言われ得る。
【0146】
上記の説明において、完全体またはそれと均等であると公知の構成要素に言及した場合、それらの完全体は、本明細書では、個々に説明されるかのように組み込まれる。
【0147】
本明細書で説明する現在のところ好ましい実施形態に対する様々な変更形態および修正形態は、当業者に明らかであることに留意する必要がある。そのような変更形態および修正形態は、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、およびその付随する利点を減少させることなくなされ得る。例えば、様々な構成要素が、必要に応じて位置を変更されてもよい。そのため、そのような変更形態および修正形態は、本発明の範囲内に含まれるものとする。さらに、特徴、態様および利点の全てが、必ずしも、本発明の実施に必要なわけではない。従って、本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲によってのみ定義されるものとする。
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【手続補正書】
【提出日】2023-12-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
陽圧呼吸療法を行う際に使用するインターフェースアセンブリであって、
マスクシールとマスクシェルを含むマスクアセンブリと、
中心部分と、該中心部分の両側にある側部部分を含むフレームであって、該側部部分は一対のカバーを封する、フレームと、を備え、
前記マスクアセンブリが、使用者の鼻の下面、使用者の上唇、及び/又は、前記鼻の下面と前記上唇との間の移行領域に接触するように構成された主密封面と、使用者の鼻の側面に接触するように構成された副密封面とを備えており、
前記マスクシェルが、アパーチャ、中心部分、および対向する側部部分を備え、前記マスクシェルが、前記中心部分及び前記対向する側部部分の全体にわたって一定の高さを有し、前記フレームが、前記アパーチャで、または、前記アパーチャの周囲で前記マスクシェルに取り外し可能に接続され、
前記マスクシールが前記マスクシェルに接続され、前記マスクシールが、少なくとも1つの鼻開口部、前記使用者に対面または接触するように構成された中心部分、一対の対向する横方向内側部分、及び、一対の対向する横方向外側部分を含み、
前記マスクシールの各横方向外側部分は、前記マスクシールの後ろ向きの面と、前記フレームに接触または重なる、前記マスクシールの表面との間に延びる支持構造を備え、
各支持構造は、前記マスクシールの少なくとも一部の過膨張および/または崩壊を抑制するように構成され、
各支持構造は、前記フレームの側部部分のそれぞれ1つと位置合わせされているか、または重なっており、前記マスクシールからの荷重を前記フレームの側部部分に伝達するように構成されている、
インターフェースアセンブリ。
【請求項2】
前記マスクシールの内側の側部部分は、内向きの面と後ろ向きの面の両方を含み、前記使用者の鼻の側面に接触するように構成されている、請求項1に記載のインターフェースアセンブリ。
【請求項3】
前記マスクシールの横方向外側部分が、後ろ向きの面と外向きの面の両方からなり、前記後ろ向きの面が使用者の顔に接触するように構成されている、請求項1又は2に記載のインターフェースアセンブリ。
【請求項4】
前記支持構造が、前記マスクシールの内部空間に内向きに突出する厚みのある領域を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載のインターフェースアセンブリ。
【請求項5】
前記マスクシールの中心部分が0.3mmから0.5mmの間の厚さを有する、請求項1~4のいずれか一項に記載のインターフェースアセンブリ。
【請求項6】
前記マスクシールの横方向内側部分は0.4mmから0.6mmの間の厚さを有する、請求項1~5のいずれか一項に記載のインターフェースアセンブリ。
【請求項7】
前記マスクシールの前記横方向外側部分の前記支持構造の外側の部分の厚さが0.3mmから0.6mmである、請求項1から6のいずれか一項に記載のインターフェースアセンブリ。
【請求項8】
各支持構造が、前記マスクシールの前記横方向外側部分の周縁に沿う形状である、請求項1から7のいずれか一項に記載のインターフェースアセンブリ。
【請求項9】
前記支持構造は、前記マスクシールの後ろ向きの面から前記マスクシールの前側部分に向かう方向に収束するように構成されている、請求項8に記載のインターフェースアセンブリ。
【請求項10】
各支持構造が、前記マスクシールを側方から見たときにC字形状からなり、C字形状が、後方部分、上部延長部及び下部延長部を備え、前記上部延長部及び前記下部延長部が前記後方部分の前方に延びている、請求項8又は9に記載のインターフェースアセンブリ。
【請求項11】
前記上部延長部及び下部延長部が、前記マスクシェルに向かって延び、かつ/又は、前記マスクシェルに接触する、請求項10に記載のインターフェースアセンブリ。
【請求項12】
前記下部延長部が前記マスクシェルに向かって延び、かつ/又は、前記マスクシェルに接触し、前記上部延長部が前記マスクシェルから後方に間隔をあけて延びる、請求項10に記載のインターフェースアセンブリ。
【請求項13】
各支持構造が、該支持構造の他の部分に対して厚さの小さい領域を提供するように構成されたレリーフを含む、請求項8~12のいずれか一項に記載のインターフェースアセンブリ。
【請求項14】
レリーフがC字形状からなり、各レリーフが前記マスクシールの前記横方向外側部分のそれぞれの1つの周縁に沿う形状である、請求項13に記載のインターフェースアセンブリ。
【請求項15】
各レリーフが前記マスクシールの横方向外側部分のそれぞれの1つの周縁から内側に間隔をあけて配置されている、請求項13又は14に記載のインターフェースアセンブリ。
【請求項16】
前記マスクシールの後面上または隣接する支持構造の後方部分の一部が、前記レリーフの前方の後方部分の一部よりも大きい厚さを有する、請求項13~15のいずれか1項に記載のインターフェースアセンブリ。
【請求項17】
前記支持構造の外側に位置する前記マスクシールの各横方向外側部分の厚さが、前記レリーフの厚さに実質的に等しい、請求項13~16のいずれか1項に記載のインターフェースアセンブリ。
【請求項18】
前記マスクシールが、使用者の鼻翼または小鼻の周りに延びて密封するように構成されている、請求項1~17のいずれか1項に記載のインターフェースアセンブリ。
【請求項19】
1つ以上の鼻開口部が突起内に画定されている、請求項1~18のいずれか1項記載のインターフェースアセンブリ。
【請求項20】
前記マスクシールが、鼻開口部を部分的にまたは完全に取り囲んで支持する鼻開口部支持体を備える、請求項1~19のいずれか1項に記載のインターフェースアセンブリ。
【請求項21】
前記鼻開口部支持体が、前記マスクシールの中心部分および横方向内側部分の一方または両方よりも大きい厚さを有する、請求項20に記載のインターフェースアセンブリ。
【請求項22】
前記鼻開口部支持体の厚さが1mmから2.5mmである、請求項20又は21に記載のインターフェースアセンブリ。
【請求項23】
前記マスクシェルが、前記マスクアセンブリを前記フレームに接続するように構成されたコネクタを備える、請求項1~22のいずれか一項に記載のインターフェースアセンブリ。
【請求項24】
ヘッドギアをさらに備え、前記ヘッドギアが前記フレームに取り外し可能に接続されている、請求項1~23のいずれか一項に記載のインターフェースアセンブリ。
【請求項25】
前記フレームに接続された導管コネクタをさらに備える、請求項1~24のいずれか一項に記載のインターフェースアセンブリ。
【請求項26】
前記導管コネクタが、前記マスクアセンブリの内部に加圧呼吸ガスを供給するためのガス導管への接続を容易にする、請求項25に記載のインターフェースアセンブリ。
【請求項27】
前記導管コネクタが、前記導管コネクタとガス導管との間の相対回転を可能にするスイベル結合または回転結合を備える、請求項25又は26に記載のインターフェースアセンブリ。
【請求項28】
前記導管コネクタがエルボーを含む、請求項25~27のいずれか1項に記載のインターフェースアセンブリ。
【請求項29】
前記エルボーが通気口を含む、請求項28に記載のインターフェースアセンブリ。
【請求項30】
前記導管コネクタが玉継手の一部を画定するとともに、前記フレームおよび/または前記マスクシェルが前記玉継手の別の部分を画定する、請求項25~29のいずれか一項に記載のインターフェースアセンブリ。
【外国語明細書】