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特開2024-149338ゴルフクラブ、脱着ユニット、ゴルフ練習システム、ゴルフクラブ用インサート及び携帯移動端末
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024149338
(43)【公開日】2024-10-18
(54)【発明の名称】ゴルフクラブ、脱着ユニット、ゴルフ練習システム、ゴルフクラブ用インサート及び携帯移動端末
(51)【国際特許分類】
   A63B 53/04 20150101AFI20241010BHJP
   A63B 60/42 20150101ALI20241010BHJP
   A63B 69/36 20060101ALI20241010BHJP
   A63B 60/08 20150101ALI20241010BHJP
   A63B 60/04 20150101ALI20241010BHJP
   A63B 53/06 20150101ALI20241010BHJP
   A63B 102/32 20150101ALN20241010BHJP
【FI】
A63B53/04 H
A63B60/42
A63B69/36 511H
A63B60/08
A63B60/04
A63B53/06 D
A63B102:32
【審査請求】未請求
【請求項の数】86
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023133687
(22)【出願日】2023-08-18
(31)【優先権主張番号】P 2023062322
(32)【優先日】2023-04-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】517101137
【氏名又は名称】有限会社渥美文次商店
(74)【代理人】
【識別番号】110003649
【氏名又は名称】弁理士法人真田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】渥美 和也
【テーマコード(参考)】
2C002
【Fターム(参考)】
2C002AA04
2C002CH05
2C002LL01
2C002LL02
2C002MM02
2C002MM04
(57)【要約】
【課題】打感を改善できるようにしたゴルフクラブを提供する。
【解決手段】開示のゴルフクラブ1は、軸状に形成されるシャフト5と、前記シャフト5の一端部側に設けられて、ゴルフボールを打撃する打撃面2を有するヘッド3と、前記シャフト5の他端部側に設けられて使用者に把持されるグリップ6と、を備え、前記打撃面2への前記ゴルフボールの打撃時に生じる打撃振動又は打撃音を強調して前記使用者に伝える打撃振動/打撃音強調機構200がヘッド3に設けられている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸状に形成されるシャフトと、
前記シャフトの一端部側に設けられて、ゴルフボールを打撃する打撃面を有するヘッドと、
前記シャフトの他端部側に設けられて使用者に把持されるグリップと、を備え、
前記打撃面への前記ゴルフボールの打撃時に生じる打撃振動又は打撃音を強調して前記使用者に伝える第一打撃振動/打撃音強調機構が前記ヘッドに設けられている
ことを特徴とするゴルフクラブ。
【請求項2】
軸状に形成されるシャフトと、
前記シャフトの一端部側に設けられて、ゴルフボールを打撃する打撃面を有するヘッドと、
前記シャフトの前記一端部と前記ヘッドとを接続するホーゼルと、
前記シャフトの他端部に設けられて使用者に把持されるグリップと、を備え、
前記打撃面への前記ゴルフボールの打撃時に生じる打撃振動又は打撃音を強調して前記使用者に伝える第二打撃振動/打撃音強調機構が前記ホーゼルに設けられている
ことを特徴とするゴルフクラブ。
【請求項3】
軸状に形成されるシャフトと、
前記シャフトの一端部側に設けられて、ゴルフボールを打撃する打撃面を有するヘッドと、
前記シャフトの前記一端部と前記ヘッドとを接続するホーゼルと、
前記シャフトの他端部に設けられて使用者に把持されるグリップと、を備え、
前記打撃面への前記ゴルフボールの打撃時に生じる打撃振動又は打撃音を強調して前記使用者に伝える第三打撃振動/打撃音強調機構が前記ヘッド及び前記ホーゼルの両方に亘り設けられている
ことを特徴とするゴルフクラブ。
【請求項4】
前記第一打撃振動/打撃音強調機構が、前記ゴルフボールとの衝突により面振動する面状に形成された面振動部材を有する
ことを特徴とする請求項1に記載のゴルフクラブ。
【請求項5】
前記第二打撃振動/打撃音強調機構が、前記ゴルフボールとの衝突により面振動する面状に形成された面振動部材を有する
ことを特徴とする請求項2に記載のゴルフクラブ。
【請求項6】
前記第三打撃振動/打撃音強調機構が、前記ゴルフボールとの衝突により面振動する面状に形成された面振動部材を有する
ことを特徴とする請求項3に記載のゴルフクラブ。
【請求項7】
前記面振動部材が、前記ゴルフボールの打撃時に生じる前記打撃振動を強調する振動板部材からなる
ことを特徴とする請求項4に記載のゴルフクラブ。
【請求項8】
前記面振動部材が、前記ゴルフボールの打撃時に生じる前記打撃振動を強調する振動板部材からなる
ことを特徴とする請求項5に記載のゴルフクラブ。
【請求項9】
前記面振動部材が、前記ゴルフボールの打撃時に生じる前記打撃振動を強調する振動板部材からなる
ことを特徴とする請求項6に記載のゴルフクラブ。
【請求項10】
前記第一打撃振動/打撃音強調機構、又は、前記第二打撃振動/打撃音強調機構、又は、前記第三打撃振動/打撃音強調機構が、前記振動板部材に加えて前記ヘッド及び/又は前記ホーゼルに取り付けられて、前記ゴルフボールの打撃時に生じる前記打撃振動を強調する副振動板部材を有する
ことを特徴とする請求項7~9の何れか1項に記載のゴルフクラブ。
【請求項11】
前記振動板部材は、前記打撃面に対して平行な面方向に延伸した平板で形成されている
ことを特徴とする請求項7~9の何れか1項に記載のゴルフクラブ。
【請求項12】
前記振動板部材は円錐台型に形成されている
ことを特徴とする請求項7~9の何れか1項に記載のゴルフクラブ。
【請求項13】
前記振動板部材はドーム型に形成されている
ことを特徴とする請求項7~9の何れか1項に記載のゴルフクラブ。
【請求項14】
前記振動板部材は、ドーム型に形成されたドーム部と前記ドーム部の周囲から円錐台状に延伸した円錐部とを有する
ことを特徴とする請求項7~9の何れか1項に記載のゴルフクラブ。
【請求項15】
前記振動板部材は湾曲した曲げ板状に形成されている
ことを特徴とする請求項7~9の何れか1項に記載のゴルフクラブ。
【請求項16】
前記振動板部材は、前記打撃面とは反対側へ向かって延出する姿勢で取り付けられ、前記打撃面に垂直な縦断面において上向き又は下向きに湾曲した曲げ板状に形成されている
ことを特徴とする請求項7~9の何れか1項に記載のゴルフクラブ。
【請求項17】
前記振動板部材は、前記打撃面に対して垂直な面方向に延伸した平板で形成されている
ことを特徴とする請求項7~9の何れか1項に記載のゴルフクラブ。
【請求項18】
前記振動板部材は、前記打撃面とは反対側を向いた面に取り付けられ、前記ヘッドを上から見て前記打撃面とは反対側へ向かって凸をなす又は前記打撃面とは反対側へ向かって凹をなすように湾曲した曲げ板状に形成されている
ことを特徴とする請求項7~9の何れか1項に記載のゴルフクラブ。
【請求項19】
前記振動板部材は、前記ヘッドの幅方向に沿う軸周りの円筒状に形成されている
ことを特徴とする請求項7~9の何れか1項に記載のゴルフクラブ。
【請求項20】
前記ヘッドは、前記振動板部材の周縁部を囲むフレーム構造を有する
ことを特徴とする請求項7又は9に記載のゴルフクラブ。
【請求項21】
前記ヘッドが、取り替えできない状態で前記シャフトと一体に形成された
ことを特徴とする請求項20に記載のゴルフクラブ。
【請求項22】
前記ホーゼルは、前記振動板部材の周縁部を囲むフレーム構造を有する
ことを特徴とする請求項8又は9に記載のゴルフクラブ。
【請求項23】
前記振動板部材は、取り替えできない状態で前記ヘッドと一体に形成された
ことを特徴とする請求項7又は9に記載のゴルフクラブ。
【請求項24】
前記振動板部材は、取り替えできない状態で前記ホーゼルと一体に形成された
ことを特徴とする請求項8又は9に記載のゴルフクラブ。
【請求項25】
前記振動板部材は、取り替えできない状態で前記シャフトと一体に形成され、
前記ヘッドの前記打撃面をなす領域に前記振動板部材が脱着可能に取り付けられる
ことを特徴とする請求項7又は9に記載のゴルフクラブ。
【請求項26】
前記振動板部材は、取り替えできない状態で前記ホーゼルと一体に形成され、
前記ヘッドの前記打撃面をなす領域に前記振動部材が脱着可能に取り付けられる
ことを特徴とする請求項8又は9に記載のゴルフクラブ。
【請求項27】
前記ヘッドが、中空状に形成されたヘッド中空部と、前記ヘッド中空部に連通する開口部とを有し、
前記第一打撃振動/打撃音強調機構は、前記ヘッド中空部内で前記ゴルフボールの打撃時に生じる前記打撃音を強調して前記開口部から外部へ伝達する共鳴機構として構成されている
ことを特徴とする請求項1に記載のゴルフクラブ。
【請求項28】
前記ヘッドが、中空状に形成されたヘッド中空部を有し、
前記ホーゼルが、前記ヘッド中空部に連通するホーゼル中空部と、前記ホーゼル中空部に連通する開口部とを有し、
前記第二打撃振動/打撃音強調機構は、前記ホーゼル中空部内で前記ゴルフボールの打撃時に生じる前記打撃音を強調して前記開口部から外部へ伝達する共鳴機構として構成されている
ことを特徴とする請求項2に記載のゴルフクラブ。
【請求項29】
前記共鳴機構は、ホーン状の管路を有する
ことを特徴とする請求項27又は28に記載のゴルフクラブ。
【請求項30】
前記共鳴機構は、前記開口を覆うように取り付けられた振動板部材を有する
ことを特徴とする請求項27又は28に記載のゴルフクラブ。
【請求項31】
前記第一打撃振動/打撃音強調機構、又は、前記第二打撃振動/打撃音強調機構、又は、前記第三打撃振動/打撃音強調機構は、前記ヘッドから前記シャフトに亘ってリブ状に延設され、前記ゴルフボールの打撃時に生じる前記打撃振動を前記ヘッドから前記シャフトへ伝達する振動伝達リブを有する
ことを特徴とする請求項1~3の何れか1項に記載のゴルフクラブ。
【請求項32】
前記振動伝達リブは、前記ヘッドに取り付けられた複数の枝部と前記シャフトの軸方向に沿って延設されており前記シャフトの前記一端部側で前記複数の前記枝部に接続された幹部とを有する
ことを特徴とする請求項31に記載のゴルフクラブ。
【請求項33】
前記第一打撃振動/打撃音強調機構、又は、前記第二打撃振動/打撃音強調機構、又は、前記第三打撃振動/打撃音強調機構は、
前記ヘッドに取り付けられて前記打撃音を集音する集音器と、
前記集音器で集音された前記打撃音を伝搬する打撃音伝搬管と、
前記打撃音伝搬管を通じて伝搬されてきた前記打撃音を使用者に伝えるイヤホン部と、を有する
ことを特徴とする請求項1~3の何れか1項に記載のゴルフクラブ。
【請求項34】
前記第一打撃振動/打撃音強調機構、又は、前記第二打撃振動/打撃音強調機構、又は、前記第三打撃振動/打撃音強調機構は、
前記ゴルフボールの打撃時に生じる前記打撃振動を検知して電気信号に変換するピックアップと、
前記ヘッドにおいて前記打撃面とは反対側を向いた面に取り付けられ、前記ピックアップにより変換された前記電気信号に基づく打撃音を増幅して出力するためのスピーカ部と、を有する
ことを特徴とする請求項1~3の何れか1項に記載のゴルフクラブ。
【請求項35】
前記ヘッドが、中空状に形成されたヘッド中空部と、前記ヘッド中空部に連通する開口部とを有し、
前記ピックアップが前記ヘッドに取り付けられるとともに、前記スピーカ部が前記ヘッド中空部内に取り付けられて、前記ヘッド中空部をスピーカボックスとして、前記スピーカ部の出力した前記打撃音を前記開口部から放出する
ことを特徴とする請求項34に記載のゴルフクラブ。
【請求項36】
前記第二打撃振動/打撃音強調機構、又は、前記第三打撃振動/打撃音強調機構は、
前記ゴルフボールの打撃時に生じる前記打撃振動を検知して電気信号に変換するピックアップと、
前記ホーゼルにおいて前記打撃面とは反対側を向いた面に取り付けられ、前記ピックアップにより変換された前記電気信号に基づく打撃音を増幅して出力するためのスピーカ部と、を有する
ことを特徴とする請求項2又は3に記載のゴルフクラブ。
【請求項37】
前記ヘッドが、中空状に形成されたヘッド中空部を有し、
前記ホーゼルが、前記ヘッド中空部に連通するホーゼル中空部と、前記ホーゼル中空部に連通する開口部とを有し、
前記第二打撃振動/打撃音強調機構、又は、前記第三打撃振動/打撃音強調機構は、
前記ピックアップが前記ヘッドに取り付けられるとともに、前記スピーカ部が前記ホーゼル中空部内に取り付けられて、前記ホーゼル中空部をスピーカボックスとして、前記スピーカ部の出力した前記打撃音を前記開口部から放出する
ことを特徴とする請求項36に記載のゴルフクラブ。
【請求項38】
前記シャフトが、中空に形成されたシャフト中空部をその内部に有し、
前記第一打撃振動/打撃音強調機構、又は、前記第二打撃振動/打撃音強調機構、又は、前記第三打撃振動/打撃音強調機構として、更に、前記シャフトが、前記シャフト中空部の内部空間と外部とを連通し、前記シャフト内の反響音を前記シャフトの外部に伝達するための開口部を有する
ことを特徴とする請求項1~3の何れか1項に記載のゴルフクラブ。
【請求項39】
前記シャフト中空部が、前記シャフト中空部内で前記ゴルフボールの打撃時に生じる前記打撃音を強調して前記開口部から外部へ伝達する共鳴機構として構成されている
ことを特徴とする請求項38に記載のゴルフクラブ。
【請求項40】
軸状に形成されるシャフトと、
前記シャフトの一端部側に設けられて、ゴルフボールを打撃する打撃面を有するヘッドと、
前記シャフトの他端部側に設けられて使用者に把持されるグリップと、を備え、
前記シャフトの軸周りの周面に、前記シャフトの軸方向に延在して、前記打撃面への前記ゴルフボールの打撃時に生じる打撃振動を強調して前記使用者に伝える振動強調部材が設けられている
ことを特徴とするゴルフクラブ。
【請求項41】
前記シャフトは、中空に形成されたシャフト中空部をその内部に有し、
前記シャフト中空部の内周面に前記振動強調部材が設けられている
ことを特徴とする請求項40に記載のゴルフクラブ。
【請求項42】
前記振動強調部材は、前記シャフトの外周面に設けられている
ことを特徴とする請求項40又は41に記載のゴルフクラブ。
【請求項43】
前記振動板部材は、
前記ヘッドの前記打撃面に設けられた第一面部と、
前記ホーゼルに設けられた第二面部と、を有する
ことを特徴とする請求項9に記載のゴルフクラブ。
【請求項44】
前記第二面部は、前記ヘッドと前記ホーゼルとの間に設けられた薄板からなるフィン状部位をなす
ことを特徴とする請求項43に記載のゴルフクラブ。
【請求項45】
前記振動板部材は、前記ヘッドと前記ホーゼルとの間に設けられた薄板からなるフィン状部位をなす
ことを特徴とする請求項8に記載のゴルフクラブ。
【請求項46】
上記のフィン状部位の頂面に面状又は鎖状に照明部材が配置されていることを特徴とする、請求項44又は45に記載のゴルフクラブ。
【請求項47】
上記ヘッドの上面に前記フィン状部位が立設されていることを特徴とする、請求項44又は45に記載のゴルフクラブ。
【請求項48】
前記面振動部材が、フレームの内側に紐をネット状に編み込んでなるネット部材を有することを特徴とする、請求項4~6のいずれか1項に記載のゴルフクラブ。
【請求項49】
前記紐が、天然繊維,合成繊維,弾性繊維の少なくともいずれか一つを含むことを特徴とする、請求項48に記載のゴルフクラブ。
【請求項50】
前記面振動部材が、前記打撃面に貼り付けられる膜部材を有することを特徴とする、請求項48に記載のゴルフクラブ。
【請求項51】
前記膜部材が、金属板,樹脂板,ラバー膜及び皮革膜の少なくともいずれか一つを含むことを特徴とする、請求項50に記載のゴルフクラブ。
【請求項52】
前記面振動部材が、前記ヘッドに対して着脱可能に設けられることを特徴とする、請求項4~6のいずれか1項に記載のゴルフクラブ。
【請求項53】
前記ヘッドが、内部を中空に形成されてなるヘッド空洞部を有することを特徴とする、請求項4~6のいずれか1項に記載のゴルフクラブ。
【請求項54】
前記面振動部材が、樹脂繊維からなる紐を平坦なネット状に編み込んだ網目部材、又は、微細樹脂繊維を立体的な網目状に絡み合せたマット体からなる網目部材で形成されることを特徴とする、請求項4~6のいずれか1項に記載のゴルフクラブ。
【請求項55】
前記ヘッドが、前記ヘッド空洞部の内部に張設されるとともに接続ワイヤを介して前記面振動部材に接続されるヘッド内ワイヤを有することを特徴とする、請求項53に記載のゴルフクラブ。
【請求項56】
前記シャフトが、内部を中空に形成されてなるシャフト空洞部を有することを特徴とする、請求項55に記載のゴルフクラブ。
【請求項57】
前記ヘッドが、前記シャフト空洞部の内部に張設されるとともに前記ヘッド内ワイヤに連結されるシャフト内ワイヤを有することを特徴とする、請求項56に記載のゴルフクラブ。
【請求項58】
前記シャフト内ワイヤが、前記グリップと前記ヘッド内ワイヤとを連結するように張設されて、前記面振動部材の振動を前記グリップに伝達することを特徴とする、請求項57に記載のゴルフクラブ。
【請求項59】
ゴルフボールを打撃する打撃面を有するヘッドと、軸状に形成されるシャフトと、前記シャフトの一端部と前記ヘッドとを接続するホーゼルと、前記シャフトの他端部に設けられて使用者に把持されるグリップとを備えるとともに、前記シャフトが中空に形成された第一空洞部を内部に有し、前記グリップが前記第一空洞部と連通する中空に形成された第二空洞部を内部に有するゴルフクラブに対して、着脱可能に取り付けられ、
前記第一空洞部及び第二空洞部に内蔵され、前記シャフトの軸方向に延在するとともに前記第一空洞部及び第二空洞部の内周形状に沿う筒形状をなすとともに、中空に形成された中空部を内部に有する本体部を備えた、
ことを特徴とする、脱着ユニット。
【請求項60】
請求項1、2又は3に記載のゴルフクラブによって打撃されたゴルフボールの転動面(ゴルフボール転動面)に設けられたカップと、
前記カップから離隔し前記ゴルフボール転動面を有する打撃エリアと、前記カップに対し抜き差し可能に立設されて前記カップの目印となる棒状のピンと、
前記ピンに付設され前記ピンから前記打撃エリアに向けてストレートラインを示すガイド用レーザ光を照射する第一照射器と、
前記ゴルフクラブに付設され前記第一照射器からの前記ガイド用レーザ光を受光しうる第一受光器と、
前記ゴルフクラブに付設され前記ゴルフクラブから前記ピンに向けてガイド用サブレーザ光を照射する第二照射器と、
前記ピンに付設され前記第二照射器からの前記ガイド用サブレーザ光を受光しうる第二受光器と、
前記第一受光器で前記ガイド用レーザ光を受光するととともに、前記第二受光器で前記ガイド用サブレーザ光を受光すると、その旨を表示する表示器と、を備えた
ことを特徴とするゴルフ練習システム。
【請求項61】
請求項1、2又は3に記載のゴルフクラブによって打撃されたゴルフボールの転動面(ゴルフボール転動面)に設けられたカップと、前記カップから離隔し前記ゴルフボール転動面を有する打撃エリアとを有しており、前記打撃エリアに立ったユーザが前記カップに向かって前記ゴルフクラブで前記ゴルフボールを打撃するゴルフ練習機と、
前記カップに付設されており、前記ゴルフボールのカップイン情報を検出する第一検出手段と、前記カップイン情報を外部に送信する第一送信装置と、を有するカップユニットと、
前記カップの目印をなす棒状のピンに付設されており、前記ピンから前記打撃エリアに向かって映像を撮影する第一撮影手段と、前記第一撮影手段で撮影された第一映像データを外部に送信する第二送信装置と、前記ピンから前記打撃エリアに向かってガイド用レーザ光を照射する第一照射器と、を有するピンユニットと、
前記打撃エリアにおいて前記ユーザが用いる前記ゴルフクラブに付設されており、前記第一打撃振動/打撃音強調機構、第二打撃振動/打撃音強調機構又は第三打撃振動/打撃音強調機構で強調される前記打撃振動及び前記打撃振動に応じた打撃音に関する打撃振動/打撃音情報を検出する打撃振動/打撃音検出手段と、前記ヘッドに内蔵され前記ゴルフボールの打撃に関する打撃情報を検出する第二検出手段と、前記ヘッドから前方に向かって映像を撮影する第二撮影手段と、前記ヘッドから前方に向かってガイド用サブレーザ光を照射する第二照射器と、前記打撃振動/打撃音情報と前記打撃情報と前記第二撮影手段で撮影された第二映像データとを外部へ送信する第三送信装置と、を有するクラブユニットと、
前記第一送信装置から送信された前記カップイン情報と前記第二送信装置から送信された前記第一映像データと前記第三送信装置から送信された前記打撃振動/打撃音情報、前記打撃情報及び前記第二映像データの少なくとも一つをモニタ情報として受信する第一受信装置と、前記モニタ情報に基づき、前記ユーザのゴルフプレイに対するガイドを提供するためのガイド情報を生成する制御装置と、前記ガイド情報を外部に送信する第四送信装置と、を有する制御ユニットと、
前記第四送信装置から送信された前記ガイド情報を受信する第二受信装置と、前記ガイド情報に基づきゴルフプレイに対するガイドを提示する提示器と、を有しており、前記ユーザが携帯可能な端末装置と、を備えた
ことを特徴とする、ゴルフ練習システム。
【請求項62】
前記グリップには、樹脂繊維をネット状に成形した網目部材からなグリップ部材が設けられている
ことを特徴とする、請求項1~3の何れか1項に記載のゴルフクラブ。
【請求項63】
上記ヘッドの上面に、電気式表示部材が設けられていることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載のゴルフクラブ。
【請求項64】
上記表示部材が外部からの指示により上記ゴルフボールの打ち出し方向および上記ゴルフボールが上記打撃面に当たったときの衝撃データのうちの少なくとも1つの情報を表示しうる液晶ディスプレイであることを特徴とする、請求項63記載のゴルフクラブ。
【請求項65】
上記ゴルフボールの打ち出しの際に、リズムを知らせるリズムボックス機能を有するコントローラと、上記コントローラのリズムボックス機能および合成音声生成機能のいずれか一方の機能により生成されたリズム音および合成音声のうちの一方を出力するスピーカとが設けられた請求項1~3のいずれか一項に記載のゴルフクラブ。
【請求項66】
前記ヘッドの下面に、使用者の体格や打撃フォームに適したアダプターを着脱自在に装着させたことを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載のゴルフクラブ。
【請求項67】
シャフトと前記シャフトの一端部に設けられてゴルフボールの打撃面を有するヘッドと前記シャフトの前記一端部と前記ヘッドとを接続するホーゼルと前記シャフトの他端部に設けられるグリップとを具備するゴルフクラブであって、
前記ヘッドの前記打撃面から前記ホーゼルに亘って一体的に設けられるとともに、前記ゴルフボールとの衝突により面振動するするとともに前記ゴルフボールに反力を与える面振動部材を有するインサートを備えた
ことを特徴とする、ゴルフクラブ。
【請求項68】
前記面振動部材は、前記ヘッドの前記打撃面から前記ホーゼル及び前記シャフトに亘り一体的に設けられることを特徴とする、請求項67記載のゴルフクラブ。
【請求項69】
前記面振動部材が、フレームの内側に紐をネット状に編み込んでなるネット部材を有することを特徴とする、請求項67又は68記載のゴルフクラブ。
【請求項70】
前記紐が、天然繊維,合成繊維,弾性繊維の少なくともいずれか一つを含むことを特徴とする、請求項69記載のゴルフクラブ。
【請求項71】
前記面振動部材が、前記打撃面に貼り付けられる膜部材を有することを特徴とする、請求項67記載のゴルフクラブ。
【請求項72】
前記膜部材が、金属板,樹脂板,ラバー膜及び皮革膜の少なくともいずれか一つを含むことを特徴とする、請求項71記載のゴルフクラブ。
【請求項73】
前記面振動部材が、上記ヘッドに釣り構造により設けられる銅鑼構造を有する振動部材として構成された請求項67記載のゴルフクラブ。
【請求項74】
前記面振動部材が、樹脂繊維からなる紐を平坦なネット状に編み込んだ網目部材、又は、微細樹脂繊維を立体的な網目状に絡み合せたマット体からなる網目部材で形成されることを特徴とする、請求項67又は68記載のゴルフクラブ。
【請求項75】
シャフトと前記シャフトの一端部に設けられてゴルフボールの打撃面を有するヘッドと前記シャフトの前記一端部と前記ヘッドとを接続するホーゼルと前記シャフトの他端部に設けられるグリップとを具備するゴルフクラブにおける前記打撃面に設けられるインサートであって、
前記ヘッドの前記打撃面から前記ホーゼルに亘って一体的に設けられるとともに、前記ゴルフボールとの衝突により面振動する面振動部材を有することを特徴とする、ゴルフクラブ用インサート。
【請求項76】
前記面振動部材は、前記ヘッドの前記打撃面から前記ホーゼル及び前記シャフトに亘り一体的に設けられることを特徴とする、請求項75記載のゴルフクラブ用インサート。
【請求項77】
前記面振動部材が、フレームの内側に紐をネット状に編み込んでなるネット部材を有することを特徴とする、請求項75又は76記載のゴルフクラブ用インサート。
【請求項78】
前記紐が、天然繊維,合成繊維,弾性繊維の少なくともいずれか一つを含むことを特徴とする、請求項77記載のゴルフクラブ用インサート。
【請求項79】
前記面振動部材が、前記打撃面に貼り付けられる膜部材を有することを特徴とする、請求項75記載のゴルフクラブ用インサート。
【請求項80】
前記膜部材が、金属板,樹脂板,ラバー膜及び皮革膜の少なくともいずれか一つを含むことを特徴とする、請求項79記載のゴルフクラブ用インサート。
【請求項81】
前記面振動部材が、上記ヘッドに釣り構造により設けられる銅鑼構造を有する振動部材として構成された請求項75に記載のゴルフクラブ用インサート。
【請求項82】
前記面振動部材が、樹脂繊維からなる紐を平坦なネット状に編み込んだ網目部材、又は、微細樹脂繊維を立体的な網目状に絡み合せたマット体からなる網目部材で形成されることを特徴とする、請求項75記載のゴルフクラブ用インサート。
【請求項83】
前記ヘッドが、前記ヘッドの重心位置を変更するためのウェイト部材を有することを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載のゴルフクラブ。
【請求項84】
前記ウェイト部材が、前記ヘッドの上面に凹設される中空円柱状の凹部の内側に設けられ、
前記ウェイト部材を移動させる駆動源と、
前記駆動源が前記凹部の内周面に沿って前記ウェイト部材を回転移動させるべく、前記駆動源を制御する制御部と、を備えている
ことを特徴とする、請求項83記載のゴルフクラブ。
【請求項85】
前記ウェイト部材が、前記ヘッドの上面に凹設される直線状の凹部の内側に設けられ、
前記ウェイト部材を移動させる駆動源と、
前記駆動源が前記凹部の内周面に沿って前記ウェイト部材をスライド移動させるべく、前記駆動源を制御する制御部と、を備えている
ことを特徴とする、請求項83記載のゴルフクラブ。
【請求項86】
請求項84又は85記載のゴルフクラブの前記制御部との間で制御信号の授受を行う携帯移動端末であって、
前記ウェイト部材の所望の位置への移動指示を入力する入力部と、
前記入力部からの前記移動指示を受けて移動した前記ウェイト部材の位置をモニタ表示する表示部と、を備えている
ことを特徴とする、携帯移動端末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゴルフボールを打撃するためのゴルフクラブ、脱着ユニット、ゴルフクラブを適用したゴルフ練習システム、ゴルフクラブ用インサート及び携帯移動端末に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ウッド,アイアン,ハイブリッド,ユーティリティ,パターなどのゴルフクラブにおいて、グリップが設けられたシャフトとヘッドとをホーゼルで接続したものが知られている。ホーゼルは、例えばシャフトやヘッドに対して着脱可能に固定される。このような構造により、シャフトやヘッドの交換が容易となる(特許文献1,2参照)。
また、ホーゼルを有していないゴルフクラブ、即ちグリップ付きシャフトとヘッドとを接続したゴルフクラブも、従来から一般的に知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-058337号公報
【特許文献2】特開2014-036894号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ホーゼル付きゴルフクラブの場合、ゴルフボールを打撃したときにヘッドで生じる振動は、シャフトを介してグリップを把持する使用者(ゴルファー)の掌へと伝達され、ゴルフクラブの打感の一部として認識される。一方、シャフトとヘッドとの間に介装されるホーゼルは、このような振動の伝達を阻害するように作用しうる。そのため、ホーゼルが形成されたゴルフクラブでは、ホーゼルのないゴルフクラブと比較して、良好な打感が得られにくいという課題がある。なお、打感とは、ゴルフボールの打撃に際して使用者が抱く感触やショット感を意味する。一般的な打感には、物理的な振動だけでなく、打ち心地や節度感や達成感といった感覚的な操作の心地よさ(フィーリング)も含まれる。
また、ホーゼルを有しないゴルフクラブにおいても、何らかの工夫をしなければ、良好な打感が得られにくいとの課題もある。
【0005】
本件の目的の一つは、上記のような課題に照らして創案されたものであり、打感を改善できるようにしたゴルフクラブ、脱着ユニット、ゴルフ練習システム、ゴルフクラブ用インサート及び携帯移動端末を提供することである。また、この目的に限らず、後述する「発明を実施するための形態」に示す各構成から導き出される作用効果であって、従来の技術では得られない作用効果を奏することも、本件の他の目的として位置付けることができる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本件は、以下に開示する態様又は適用例として実現できる。開示のゴルフクラブは、上記の課題の少なくとも一部を解決する。
(1)開示のゴルフクラブは、軸状に形成されるシャフトと、前記シャフトの一端部側に設けられて、ゴルフボールを打撃する打撃面を有するヘッドと、前記シャフトの他端部側に設けられて使用者に把持されるグリップと、を備え、前記打撃面への前記ゴルフボールの打撃時に生じる打撃振動又は打撃音を強調して前記使用者に伝える第一打撃振動/打撃音強調機構が前記ヘッドに設けられている。
(2)また、開示のゴルフクラブは、軸状に形成されるシャフトと、前記シャフトの一端部側に設けられて、ゴルフボールを打撃する打撃面を有するヘッドと、前記シャフトの前記一端部と前記ヘッドとを接続するホーゼルと、前記シャフトの他端部に設けられて使用者に把持されるグリップと、を備え、前記打撃面への前記ゴルフボールの打撃時に生じる打撃振動又は打撃音を強調して前記使用者に伝える第二打撃振動/打撃音強調機構が前記ホーゼルに設けられている。
(3)また、開示のゴルフクラブは、軸状に形成されるシャフトと、前記シャフトの一端部側に設けられて、ゴルフボールを打撃する打撃面を有するヘッドと、前記シャフトの前記一端部と前記ヘッドとを接続するホーゼルと、前記シャフトの他端部に設けられて使用者に把持されるグリップと、を備え、前記打撃面への前記ゴルフボールの打撃時に生じる打撃振動又は打撃音を強調して前記使用者に伝える第三打撃振動/打撃音強調機構が前記ヘッド及び前記ホーゼルの両方に亘り設けられている。
【0007】
(4)また、開示のゴルフクラブは、軸状に形成されるシャフトと、前記シャフトの一端部側に設けられて、ゴルフボールを打撃する打撃面を有するヘッドと、前記シャフトの他端部側に設けられて使用者に把持されるグリップと、を備え、前記シャフトの軸周りの周面に、前記シャフトの軸方向に延在して、前記打撃面への前記ゴルフボールの打撃時に生じる打撃振動を強調して前記使用者に伝える振動強調部材が設けられている。
【0008】
(5)開示の脱着ユニットは、ゴルフボールを打撃する打撃面を有するヘッドと、軸状に形成されるシャフトと、前記シャフトの一端部と前記ヘッドとを接続するホーゼルと、前記シャフトの他端部に設けられて使用者に把持されるグリップとを備えるとともに、前記シャフトが中空に形成された第一空洞部を内部に有し、前記グリップが前記第一空洞部と連通する中空に形成された第二空洞部を内部に有するゴルフクラブに対して、着脱可能に取り付けられ、前記第一空洞部及び第二空洞部に内蔵され、前記シャフトの軸方向に延在するとともに前記第一空洞部及び第二空洞部の内周形状に沿う筒形状をなすとともに、中空に形成された中空部を内部に有する本体部を備えている。
【0009】
(6)開示のゴルフ練習システムは、(1)、(2)又は(3)に記載のゴルフクラブによって打撃されたゴルフボールの転動面(ゴルフボール転動面)に設けられたカップと、前記カップから離隔し前記ゴルフボール転動面を有する打撃エリアと、前記カップに対し抜き差し可能に立設されて前記カップの目印となる棒状のピンと、前記ピンに付設され前記ピンから前記打撃エリアに向けてストレートラインを示すガイド用レーザ光を照射する第一照射器と、前記ゴルフクラブに付設され前記第一照射器からの前記ガイド用レーザ光を受光しうる第一受光器と、前記ゴルフクラブに付設され前記ゴルフクラブから前記ピンに向けてガイド用サブレーザ光を照射する第二照射器と、前記ピンに付設され前記第二照射器からの前記ガイド用サブレーザ光を受光しうる第二受光器と、前記第一受光器で前記ガイド用レーザ光を受光するととともに、前記第二受光器で前記ガイド用サブレーザ光を受光すると、その旨を表示する表示器と、を備えている。
【0010】
(7)開示のゴルフ練習システムは、(1)、(2)又は(3)に記載のゴルフクラブによって打撃されたゴルフボールの転動面(ゴルフボール転動面)に設けられたカップと、前記カップから離隔し前記ゴルフボール転動面を有する打撃エリアとを有しており、前記打撃エリアに立ったユーザが前記カップに向かって前記ゴルフクラブで前記ゴルフボールを打撃するゴルフ練習機と、前記カップに付設されており、前記ゴルフボールのカップイン情報を検出する第一検出手段と、前記カップイン情報を外部に送信する第一送信装置と、を有するカップユニットと、前記カップの目印をなす棒状のピンに付設されており、前記ピンから前記打撃エリアに向かって映像を撮影する第一撮影手段と、前記第一撮影手段で撮影された第一映像データを外部に送信する第二送信装置と、前記ピンから前記打撃エリアに向かってガイド用レーザ光を照射する第一照射器と、を有するピンユニットと、前記打撃エリアにおいて前記ユーザが用いる前記ゴルフクラブに付設されており、前記第一打撃振動/打撃音強調機構、第二打撃振動/打撃音強調機構又は第三打撃振動/打撃音強調機構で強調される前記打撃振動及び前記打撃振動に応じた打撃音に関する打撃振動/打撃音情報を検出する打撃振動/打撃音検出手段と、前記ヘッドに内蔵され前記ゴルフボールの打撃に関する打撃情報を検出する第二検出手段と、前記ヘッドから前方に向かって映像を撮影する第二撮影手段と、前記ヘッドから前方に向かってガイド用サブレーザ光を照射する第二照射器と、前記打撃振動/打撃音情報と前記打撃情報と前記第二撮影手段で撮影された第二映像データとを外部へ送信する第三送信装置と、を有するクラブユニットと、前記第一送信装置から送信された前記カップイン情報と前記第二送信装置から送信された前記第一映像データと前記第三送信装置から送信された前記打撃振動/打撃音情報、前記打撃情報及び前記第二映像データの少なくとも一つをモニタ情報として受信する第一受信装置と、前記モニタ情報に基づき、前記ユーザのゴルフプレイに対するガイドを提供するためのガイド情報を生成する制御装置と、前記ガイド情報を外部に送信する第四送信装置と、を有する制御ユニットと、前記第四送信装置から送信された前記ガイド情報を受信する第二受信装置と、前記ガイド情報に基づきゴルフプレイに対するガイドを提示する提示器と、を有しており、前記ユーザが携帯可能な端末装置と、を備えたている。
【0011】
(8)開示のゴルフクラブは、シャフトと前記シャフトの一端部に設けられてゴルフボールの打撃面を有するヘッドと前記シャフトの前記一端部と前記ヘッドとを接続するホーゼルと前記シャフトの他端部に設けられるグリップとを具備するゴルフクラブであって、前記ヘッドの前記打撃面から前記ホーゼルに亘って一体的に設けられるとともに、前記ゴルフボールとの衝突により面振動する面振動部材を有するインサートを備えている。
(9)開示のゴルフクラブ用インサートは、シャフトと前記シャフトの一端部に設けられてゴルフボールの打撃面を有するヘッドと前記シャフトの前記一端部と前記ヘッドとを接続するホーゼルと前記シャフトの他端部に設けられるグリップとを具備するゴルフクラブにおける前記打撃面に設けられるインサートであって、前記ヘッドの前記打撃面から前記ホーゼルに亘って一体的に設けられるとともに、前記ゴルフボールとの衝突により面振動する面振動部材を有する。
【0012】
(10)開示のゴルフクラブは、上記(1)~(3)のいずれか一項に記載のゴルフクラブにおいて、前記ヘッドが、前記ヘッドの重心位置を変更するためのウェイト部材を有する。
(11)また、開示のゴルフクラブは、上記(10)のゴルフクラブにおいて、前記ウェイト部材が、前記ヘッドの上面に凹設される中空円柱状の凹部の内側に設けられ、前記ウェイト部材を移動させる駆動源と、前記駆動源が前記凹部の内周面に沿って前記ウェイト部材を回転移動させるべく、前記駆動源を制御する制御部と、を備えている。
(12)また、開示のゴルフクラブは、上記(10)のゴルフクラブにおいて、前記ウェイト部材が、前記ヘッドの上面に凹設される直線状の凹部の内側に設けられ、前記ウェイト部材を移動させる駆動源と、前記駆動源が前記凹部の内周面に沿って前記ウェイト部材をスライド移動させるべく、前記駆動源を制御する制御部と、を備えている。
(13)開示の携帯移動端末は、上記の(11)又は(12)記載のゴルフクラブの前記制御部との間で制御信号の授受を行う携帯移動端末であって、前記ウェイト部材の所望の位置への移動指示を入力する入力部と、前記入力部からの前記移動指示を受けて移動した前記ウェイト部材の位置をモニタ表示する表示部と、を備えている。
【発明の効果】
【0013】
開示のゴルフクラブによれば、第一打撃振動/打撃音強調機構、又は、第二打撃振動/打撃音強調機構、又は、第三打撃振動/打撃音強調機構、あるいは、振動強調部材を設けることで、ゴルフボールを打撃したときにヘッドで生じる打撃振動や打撃音を強調することができる。そのため、打感を改善できる。
開示の脱着ユニットによれば、シャフトを補強できる。それにともないシャフトの板厚を薄くできるためで、シャフトの振動伝達性を高めることができる。よって、打撃振動を強調することができ、打感を改善できる。
【0014】
開示のゴルフ練習システムによれば、練習効果を高めることができる。
また、開示のゴルフ練習システムによれば、モニタ情報に振動板部材で生じた(強調された)打撃振動/打撃音に関する打撃振動/打撃音情報が含まれているので、打撃振動/打撃音情報に基づくガイドを提供することが可能となる。例えば、打撃振動/打撃音情報と打撃情報(他のモニタ情報)との相関性(例えば打撃振動や打撃音と打撃良否の関係性など)を分析して分析結果を提示したり、その分析結果を蓄積して、ユーザにフィードバックしたりできる。また、打撃振動/打撃音情報を数値やグラフ等で可視化(見える化)したり、打撃振動/打撃音情報をビッグデータとして蓄積したりすることもできる。
また、開示のゴルフクラブ及びゴルフクラブ用インサートによれば、面振動部材を設けることで、ゴルフボールを打撃したときにヘッドで生じる打撃振動や打撃音を強調することができる。そのため、打感を改善できる。
また、開示の携帯移動端末によれば、ウェイト部材の位置調整を簡単に且つ視覚的にわかりやすく行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】(A)~(C)は第1実施形態としてのゴルフクラブであってホーゼルを有しないものを例示する斜視図である。
図2】(A)~(C)は振動板部材の説明図である。
図3】(A)~(C)は振動板部材の説明図である。
図4】(A)~(C)は第2実施形態としてのゴルフクラブであってホーゼルを有するものを例示する斜視図である。
図5】(A)~(D)は振動板部材の説明図である。
図6】(A)~(E)は振動板部材の説明図である。
図7】(A),(B)は振動板部材の説明図である。
図8】(A)~(F)はホーゼルの変形例の説明図である。
図9】(A)~(D)は振動板部材の変形例の説明図である。
図10】(A)~(D)は振動板部材の別の変形例の説明図である。
図11】(A)~(E)は振動板部材の別の変形例の説明図である。
図12】(A),(B)はフレーム構造をなすヘッド及びホーゼルの説明図である。
図13】(A),(B)はフレーム構造をなすヘッド及びホーゼルの変形例の説明図である。
図14】(A)~(D)はフレーム構造をなすヘッド及びホーゼルの変形例の説明図である。
図15】(A),(B)はフレーム構造をなすヘッド及びホーゼルの変形例の説明図である。
図16】(A)~(F)は振動板部材の変形例の説明図である。
図17】(A)~(H)は振動板部材の変形例の説明図である。
図18】(A)~(C)は振動板部材の変形例の説明図である。
図19】(A)~(E)は振動板部材の変形例の説明図である。
図20】(A)~(D)は第8実施形態としてのゴルフクラブの説明図である。
図21】(A)~(C)は振動板部材の変形例の説明図である。
図22】(A)~(C)は振動板部材の変形例の説明図である。
図23】(A)~(D)は振動板部材の変形例の説明図である。
図24】(A)~(D)は振動板部材の変形例の説明図である。
図25】(A),(B)は第9実施形態としての振動伝達リブの説明図である。
図26】(A)~(F)はその他の変形例の説明図である。
図27】(A),(B)は振動強調部材を備えたシャフトの説明図である。
図28】打撃振動/打撃音強調機構のさらに別の構成例の説明図である。
図29】(A),(B)は、図26(D),(E)の変形例の説明図である。
図30】(A),(B)は、着脱可能なおもりを装着したゴルフクラブの説明図である。
図31】(A)~(F)は振動板部材の更に別の変形例の説明図である。
図32】(A)~(C)は振動板部材の更に別の変形例の説明図である。
図33】(A),(B)は第3実施形態としてのゴルフクラブの変形例の説明図である。
図34】(A),(B)はゴルフクラブの別の変形例の説明図である。
図35】(A),(B)はゴルフクラブの更に別の変形例の説明図である。
図36】(A),(B)はゴルフクラブの更に別の変形例の説明図である。
図37】ゴルフクラブが適用されたゴルフ練習システムの構成を説明するためのブロック図である。
図38】(A)~(D)は振動板部材の変形例の説明図である。
図39】(A)~(D)は振動板部材の変形例の説明図である。
図40】(A)~(D)は振動板部材の変形例の説明図である。
図41】(A)~(D)は着脱ユニットの説明図である。
図42】ゴルフクラブの変形例の説明図である。
図43図42の面振動部材の拡大図である。
図44図42に示すゴルフクラブの説明図である。
図45図42に示すゴルフクラブの説明図である。
図46】(A)~(C)はゴルフクラブの変形例の説明図である。
図47】(A)~(D)はゴルフクラブの変形例の説明図である。
図48】(A)~(E)はゴルフクラブの変形例の説明図である。
図49】ゴルフクラブの変形例の説明図である。
図50】ゴルフクラブの変形例を説明するための斜視図である。
図51図50に示すゴルフクラブの変形例を説明するための説明図である。
図52図50及び図51に示すゴルフクラブにおける処理ブロック図である。
図53】(A),(B)はゴルフクラブの変形例を説明するための説明図である。
図54】(A)~(C)はゴルフクラブのヘッドに関する変形例の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
[I.第1実施形態の説明]
[1.基本構造]
図1(A)~(C)は、第1実施形態としてのゴルフクラブ1(パター)を例示する斜視図である。このゴルフクラブ1は、ヘッド3,シャフト5,グリップ6を備える。ヘッド3の側面には、ゴルフボールを打撃する打撃面2(フェイス)が設けられる。
シャフト5は軸状(細長い棒状)に形成され、その一端部(図1中の下端部)がヘッド3に接続される。シャフト5の断面形状は円形状であってもよいし、楕円形状であってもよく、多角形状であってもよい。また、使用者に把持される部位となるグリップ6は、シャフト5の他端部(図1中の上端部)に設けられる。シャフト5と同様に、グリップ6の断面形状は円形状であってもよいし、楕円形状であってもよく、多角形状であってもよい。
ヘッド3の形状は、図1ではピン型を例に挙げているが、特に限定されるものでなく、ピン型のほか、マレット型、ネオマレット型など、周知のどのような形状であってもよい。
【0017】
ヘッド3には、打撃面へのゴルフボールの打撃時に生じる打撃振動又は打撃音を強調して使用者に伝える第一打撃振動/打撃音強調機構として振動板部材200が取り付けられている。
図1(A)のゴルフクラブ1が、直線状に伸びるシャフト5を有するのに対し、図1(B)のゴルフクラブ1は、シャフト5の下端側でヘッド3の前方(打撃面2の位置する側)へ向かって折れ曲がった屈曲部を有するクランク状のシャフト5を有する。図1(C)のゴルフクラブ1は、シャフト5とヘッド3との間が、ヘッド3の前方(打撃面2の位置する側)へ向かって折れ曲がった屈曲部を有するホーゼル4で接続されたものである。ホーゼル4は、シャフト5の下端部(一端部)とヘッド3とを接続する継ぎ手部材である。シャフト5の下端部とヘッド3とをホーゼル4を介して接続することで、ホーゼルを設けない構造に比べて、シャフト5の下端部とヘッド3とを接続しやすくなっている。ホーゼル4の形状は特に限定されず、周知のどのような形状であってもよい。
ゴルフクラブ1は、ヘッド3とシャフト5との接続構造に関し、図1(A)~(C)に示すようなヘッド3に直線状のシャフト5を接続したもの、ヘッド3にクランク状のシャフト5を接続したもの、ヘッド3にクランク状のホーゼル4を介してシャフト5を接続したものなど、周知のどのような構造を適用してもよい。
【0018】
<平板状の振動板部材>
振動板部材200は、ゴルフボールの打撃時に生じる打撃振動を強調するための板部材であり、打撃振動を強調するように板厚や、剛性、形状、材質等が設定されたものである。この振動板部材200は、ゴルフボールとの衝突により面振動する面状に形成された面振動部材の一例である。すなわち、ゴルフクラブ1は、面振動部材として振動板部材200を有しているものと言える。図1(A)~(C)のゴルフクラブ1における振動板部材200は、打撃面2に対して平行な面方向に延伸した厚みの薄い平板で形成されている。
振動板部材200は、取り替えできない状態(脱着不能)でヘッド3と一体に取り付けられてもよいし、ヘッド3に対して着脱可能(後付け可能,別体)に取り付けられていてもよい。振動板部材200をヘッド3に脱着不能又は脱着可能に取り付ける手法としては、接着、圧着、溶接、篏合式など従来知られるどのような手法が用いられてもよい。
【0019】
図2(A)は、図1(A)のゴルフクラブ1のヘッド3を矢印Aから見た側面図であり、図中左側がヘッド3の打撃面2が形成された面(正面)の側である。
図2(A)の振動板部材200は、ヘッド3に取り付けられたものであり、打撃面2が形成された正面側に貼り付けられている。振動板部材200は、ヘッド3の一部又は全部を覆う形状に形成される。言い換えれば、振動板部材200が打撃面2として機能する。
このゴルフクラブ1によれば、ゴルフボールを打撃した時に生じた打撃振動は、振動板部材200(第一打撃振動/打撃音強調機構)に伝達され振動板部材200(第一打撃振動/打撃音強調機構)で強調される。そのため、シャフト5及びグリップ6を通じて使用者の掌へ伝達される振動や、使用者に聞こえる打音(音響)を強調(増強)することができる。よって、振動板部材200を取り付けていない既存のゴルフクラブと比較して、打感及び打音を改善することができる。
【0020】
図2(B),(C)は、図2(A)の変形例である。図2(B)において、振動板部材200は、ヘッド3において正面とは反対の背面側に貼り付けられている。
図2(C)は、ヘッド3において正面側に取り付けられた振動板部材200に加えて、副振動板部材201を有するものである。副振動板部材201は、ヘッド3において正面とは反対の背面側に貼り付けられている。副振動板部材201は、振動板部材200と同様なゴルフボールの打撃時に生じる打撃振動を強調する機能を有する板部材であり、振動板部材200とは別の板部材として設けられている。
これらの場合も、ゴルフボールを打撃した時に生じた打撃振動は、振動板部材200(第一打撃振動/打撃音強調機構)に伝達され振動板部材200(第一打撃振動/打撃音強調機構)で強調されるので、使用者の掌へ伝達される振動や、使用者に聞こえる打音(音響)を強調し、打感及び打音を改善することができる。
【0021】
<ヘッドの中空部と振動板部材>
図3(A)~(C)にゴルフクラブ1は、図2(A)~(C)の変形例であって、ヘッド3が中空状に形成されたヘッド中空部202(図中破線で示す)を有するものである。
図3(A)のゴルフクラブ1は、ヘッド3の正面側にヘッド中空部202と外部とに連通する開口部202Aが設けられており、開口部202Aを覆うように振動板部材200が取り付けられている。図3(B)のゴルフクラブ1は、ヘッド3の背面側にヘッド中空部202と外部とに連通する開口部202Aが設けられており、開口部202Aを覆うように振動板部材200が取り付けられている。図3(C)のゴルフクラブ1は、ヘッド3の正面側と背面側との両側にヘッド中空部202と外部とに連通する開口部202A,202A′が設けられており、開口部202A,202A′を覆うように振動板部材200と副振動板部材201が取り付けられている。図3(C)のヘッド3はヘッド中空部202の空洞の両側(開口部202A,202A′)を振動板部材200と副振動板部材201とで覆った太鼓型の構造とも言える。
【0022】
図3(A)~(C)のゴルフクラブ1では、ヘッド中空部202が、ゴルフボールの打撃時に生じる打撃音を強調して開口部202A(及び202A′)から外部へ伝達する共鳴機構をなす。すなわち、図3(A)~(C)ののゴルフクラブ1は、第一打撃振動/打撃音強調機構として、共鳴機構をなすヘッド中空部202を有している。そのため、ヘッド中空部202によりゴルフボールを打撃した時に生じた打撃音を強調することで、使用者に聞こえる打音(音響)を改善することができる。
更に、開口部202A(及び202A′)に振動板部材200(及び副振動板部材201)を取り付けているので、打感及び打音を更に改善することができる。
なお、図3(A)~(C)において、共鳴機構をなすヘッド中空部202が開口部202A(及び202A′)を有さない構造であってもよい。また、図3(A)~(C)において振動板部材200(及び副振動板部材201)を有さない構造であってもよい。ヘッド中空部202で打撃音が共鳴することで、打撃音を強調することができる。なお、この場合、少なくとも打撃面2の側は開口部202Aを設けずに閉塞されてもよい。
【0023】
<ホーゼル有り振動板部材>
図4(A)~(C)は、ホーゼル4を有するゴルフクラブ1の斜視図である。図4(A)~(C)に示すゴルフクラブ1は、ホーゼル4を有しており、第二打撃振動/打撃音強調機構としてホーゼル4に振動板部材200が取り付けられたことを除き、図1のゴルフクラブ1と同様に構成される。
図4(A)~(C)のホーゼル4は、打撃面2に対して平行な面方向に延伸し、一定の厚みを有する矩形の平板状に形成されており、ホーゼル4とヘッド3とは打撃面2と面一になる(同一平面を形成する)ように設けられている。このホーゼル4に振動板部材200が設けられている。なお、ホーゼル4の形状は、図示の例に限らず、周知のどのような形状であってもよい。
図4(A)のゴルフクラブ1が、ホーゼル4に直線状に伸びるシャフト5が接続されているのに対し、図4(B)のゴルフクラブ1は、シャフト5の下端側でヘッド3の前方へ向かって折れ曲がった屈曲部を有するクランク状のシャフト5がホーゼル4に接続されたものである。図4(C)のゴルフクラブ1のホーゼル4は、ヘッド3に接続された平板状部位の上端側にヘッド3の前方へ向かって折れ曲がった屈曲部を有するホーゼル4が延設されたものである。
ゴルフクラブ1は、ホーゼル4とシャフト5との接続構造に関し、図4(A)~(C)に示すようなホーゼル4に直線状のシャフト5を接続したもの、ホーゼル4にクランク状のシャフト5を接続したもの、ホーゼル4に更にクランク状のホーゼルを延設したものなど、周知のどのような構造を適用してもよい。
【0024】
図5(A)は、図4(A)のゴルフクラブ1のヘッド3及びホーゼルを矢印Bから見た側面図であり、図中左側がヘッド3の正面の側である。
図5(A)の振動板部材200は、ホーゼル4の正面側に貼り付けられている。振動板部材200は、ホーゼル4の一部又は全部を覆う形状に形成される。振動板部材200は、ホーゼル4と別体で形成されていてもよいし、ホーゼル4と一体で形成されていてもよい。
この場合、ゴルフボールを打撃した時に生じた打撃振動は、ヘッド3からホーゼル4に取り付けられた振動板部材200へ伝達され振動板部材200(第二打撃振動/打撃音強調機構)で強調される。そのため、シャフト5及びグリップ6を通じて使用者の掌へ伝達される振動や、使用者に聞こえる打音(音響)を強調(増強)することができる。よって、振動板部材200を取り付けていない既存のゴルフクラブと比較して、打感及び打音を改善することができる。
【0025】
図5(B),(C),(D)は、図5(A)の変形例である。図5(B)において、振動板部材200は、ホーゼル4の背面側に取り付けられている。また、図5(C)のゴルフクラブ1は、ホーゼル4の正面側に取り付けられた振動板部材200に加えて、ホーゼル4の背面側に取り付けられた副振動板部材201を有する。図5(D)の振動板部材200は、ホーゼル4の正面と背面との中間に取り付けられたものである。
これらの場合も、ゴルフボールを打撃した時に生じた打撃振動は、ヘッド3からホーゼル4に取り付けられた振動板部材200に伝達され振動板部材200で強調されるので、使用者の掌へ伝達される振動や、使用者に聞こえる打音(音響)を強調し、打感及び打音を改善することができる。
なお、図5(A)~(D)のようにホーゼル4を有するゴルフクラブ1において、ホーゼル4に取り付けた振動板部材200(副振動板部材201)に加えて又は替えて、図2(A)~(C)に示したようにヘッド3に振動板部材200(副振動板部材201)が取り付けられてもよい。
【0026】
図6(A)~(D)に示すゴルフクラブ1は、ホーゼル4を有するゴルフクラブ1において、ヘッド3及びホーゼル4の両方に亘り振動板部材200(第三打撃振動/打撃音強調機構)を取り付けたものである。
図6(A)の振動板部材200は、ヘッド3及びホーゼル4の両方の正面側に亘り延在する一枚の板状部材で形成されている。図6(B)のゴルフクラブ1は、図6(A)のゴルフクラブ1に対して、振動板部材200に加えて、副振動板部材201をホーゼル4の背面側に取り付けたものである。
【0027】
<振動板部材の屈曲形状>
また、図6(C)~(D)のゴルフクラブ1において、ヘッド3及びホーゼル4の両方の亘り取り付けられた振動板部材200は、側面から視てクランク状(S字状)に屈曲させた形状をなす。具体的には、図6(C)の振動板部材200は、ヘッド3の背面側に取り付けられた部分とホーゼル4の正面側に取り付けられた部分とは屈曲部を介して連設されている。図6(D)の振動板部材200は、ヘッド3の正面側に取り付けられた部分とホーゼル4の背面側に取り付けられた部分とは屈曲部を介して連設されている。図6(D)の振動板部材200は、ヘッド3の正面側に取り付けられた部分とホーゼル4の背面側に取り付けられた部分とは屈曲部を介して連設されている。
【0028】
図6(A)~(D)のゴルフクラブ1においても、ゴルフボールを打撃した時に生じた打撃振動は、ヘッド3からホーゼル4に取り付けられた振動板部材200(第三打撃振動/打撃音強調機構)に伝達され振動板部材200(第三打撃振動/打撃音強調機構)で強調されるので、使用者の掌へ伝達される振動や、使用者に聞こえる打音(音響)を強調し、打感及び打音を改善することができる。
なお、図6(C)~(D)の各々において、振動板部材200は、屈曲部の角に丸みを付けた形状であってもよい。
【0029】
<ホーゼル中空部と振動板部材>
図7(A)は、図6(B)の変形例であって、ヘッド3がヘッド中空部202(図中破線で示す)と開口部202Aとを有し、ホーゼル4が中空状に形成されたホーゼル中空部203(図中破線で示す)と正面側の開口部203Aと背面側の開口部203A′とを有するものである。
図7(A)において、振動板部材200は、ヘッド中空部202の開口部202Aと、ホーゼル中空部203の正面側の開口部203Aを覆うように取り付けられている。副振動板部材201は、ホーゼル中空部203の背面側の開口部203Aを覆うように取り付けられている。
【0030】
図7(B)は、図7(A)の変形例である。図7(A)ではヘッド中空部202とホーゼル中空部203とは分離して形成されており、連通していない。これに対して、図7(B)では、ヘッド中空部202とホーゼル中空部203とが連通している。
図7(A),(B)のゴルフクラブ1においても、共鳴機構をなすヘッド中空部202及びホーゼル中空部203によりゴルフボールを打撃した時に生じた打撃音を強調することで、使用者に聞こえる打音(音響)を改善することができ、更に、開口部202A,203A(及び203A′)に取り付けた振動板部材200(及び副振動板部材201)により、打感及び打音を更に改善することができる。
【0031】
図7(A),(B)のゴルフクラブ1は、図6(B)のように振動板部材200及び副振動板部材201を有するものを例に挙げたが、図6(A)~(D)の何れのゴルフクラブ1においても、図7(A),(B)のように、共鳴機構をなすヘッド中空部202及びホーゼル中空部203と開口部202A,203A(及び203A′)とを設けて、打感及び打音を改善することができる。
【0032】
<ホーゼルの形状の変形例>
図8(A)~(F)のゴルフクラブ1は、図4(A)のゴルフクラブ1に対しホーゼル4の形状が異なるものである。
図8(A)のゴルフクラブ1は、正面から見て台形状(若しくは略三角形状)をなすホーゼル4を有し、かかる台形状のホーゼル4に振動板部材200が取り付けられたものである。
図8(B)のゴルフクラブ1は、正面から見て半円形状(若しくは円弧状)をなす半円型のホーゼル4を有し、半円型のホーゼル4に振動板部材200が取り付けられたものである。
図8(C)のゴルフクラブ1は、台形状のホーゼル4に振動板部材200が取り付けられたものであって、ホーゼル4の正面がヘッド3の正面(打撃面2)よりも背面側に設けられている(面一でない)点が図8(A)とは異なる。
【0033】
図8(A)~(C)の各ゴルフクラブ1のホーゼル4の形状であっても、図5(A)~(C)及び図6(A)~(D)のような態様で振動板部材200(及び副振動板部材201)を取り付けることができる。図8(A)~(C)は例示であり、ホーゼル4の形状や、大きさ、厚さはどのようなものであってもよい。
すなわち、ホーゼル4の形状や、大きさ、厚さはどのようなものであっても、振動板部材200(及び副振動板部材201)を取り付けることで、打感及び打音を改善することができる。
また、図8(D)~(E)の各ゴルフクラブ1に対してヘッド3の前方へ屈曲したクランク状のシャフト5を接続したものである。各ホーゼル4とシャフト5とを接続する構造は周知のどのような構造であってもよい。
【0034】
<ホーゼルに替えて振動板部材を設ける>
図9(A)~(D)は、ホーゼル4を有さないゴルフクラブ1(図1参照)のヘッド3に取り付ける振動板部材200の変形例である。図9(A)~(D)の振動板部材200は、いずれも打撃面2と平行に延びた板部材からなり、且つ、ヘッド3よりも上方へ延在する部位を有するものであり、上縁に配置された連結部204を介してシャフト5に連結されている。すなわち、図9(A)~(D)は、ホーゼル4の替わりに、振動板部材200を介してヘッド3とシャフト5とが接続された構造と言える。
【0035】
具体的には、図9(A)の振動板部材200は、ヘッド3の上面に立設されたものであり、ヘッド3の打撃面2と面一に設けられている。
図9(B)のゴルフクラブ1は、図9(A)の振動板部材200に加えてヘッド3の上面に立設された副振動板部材201を有しており、この副振動板部材201は振動板部材200よりもヘッド3の背面側に配設されている。
図9(C)の振動板部材200は、その下端がヘッド3の下端まで延びており、ヘッド3の打撃面2に重ね合わせ(貼り合わせ)られている点が、図9(B)のゴルフクラブ1とは異なる。
図9(B),(C)のゴルフクラブ1は、振動板部材200と副振動板部材201とが互いに離隔して向い合せに配設された太鼓構造を有するものと言える。
図9(D)の振動板部材200は、その下端がヘッド3の下端まで延びており、ヘッド3の打撃面2に重ね合わせられている点が、図9(A)のゴルフクラブ1とは異なる。
【0036】
<振動板部材の変形例>
図10(A)~(D)に示すゴルフクラブ1は、図9(A)~(C)の変形例である。図9(A)~(C)の振動板部材200が打撃面2と平行に延びた板部材で形成されたものであるのに対し、図10(A)~(D)の振動板部材200は、打撃面2に垂直な縦断面において湾曲した曲げ板状に形成されている。湾曲部分の寸法や曲率等は、打撃振動及び打撃音を強調できるように適宜に設定することができる。
【0037】
具体的には、図10(A),(B)の振動板部材200は、図9(A)と同様にヘッド3の上面に立設されたものであり、曲げ板状に形成されている点が図9(A)とは異なる。この振動板部材200は、ヘッド3と一体であってもよいし、ヘッド3とは別体であってもよい。
【0038】
図10(A)の振動板部材200は、打撃面2に垂直な縦断面において背面側へ向かって凸をなす曲げ板状に形成されている。図10(B)の振動板部材200は、打撃面2に垂直な縦断面において正面側へ向かって凸をなす曲げ板状に形成されている。
【0039】
図10(C),(D)の振動板部材200は、図9(C)の変形例であって、ヘッド3の下端から連結部204まで延びた振動板部材200のうちヘッド3の上面よりも上方の部分が曲げ板状に形成されている点が図9(C)とは異なる。
図10(C)の振動板部材200は、ヘッド3の上面よりも上方の部分が打撃面2に垂直な縦断面において背面側へ向かって凸をなす曲げ板状に形成されている。図10(D)の振動板部材200は、ヘッド3の上面よりも上方の部分が打撃面2に垂直な縦断面において正面側へ向かって凸をなす曲げ板状に形成されている。
【0040】
図11(A)~(E)の振動板部材200は、ヘッド3の下端から連結部204まで延びたものであって、クランク状(又はS字状)に折り曲げた屈曲部を有する。屈曲部の向きや振動板部材200の形状と、ヘッド3形状と組み合わせに応じて自由に設定できる。
【0041】
<ヘッド・ホーゼルのフレーム構造>
図12(A),(B)は、ゴルフクラブ1を正面から見た図であり、ヘッド3(及びホーゼル4)を断面で示している。図12(A)のゴルフクラブ1は、ホーゼルを有さないゴルフクラブであってヘッド3が振動板部材200の周縁部を囲むフレーム構造3Fを有するものである。フレーム構造3Fは、矩形状の振動板部材200の四辺(周縁部)を囲む枠体である。この場合、フレーム構造3Fにより支持された振動板部材200が、ゴルフボールを打撃した時に生じた打撃振動及び打撃音を強調することで、打感及び打音を改善することができる。また、ヘッド3が枠体で形成されるので、軽量化を図りやすい。
<プラモデル>
また、このゴルフクラブ1は、フレーム構造3Fに対して、振動板部材200や、フェイス(打撃面)、おもり、バランス、インサート、ホーゼル、副振動板部材201などの各種パーツを使用者が自由に選定して組み立てる組み立て式ゴルフクラブ(いわば、パーツを組み合わせる「プラモデル」式ゴルフクラブ)として構成することができる。
【0042】
図12(B)のゴルフクラブ1は、ヘッド3及びホーゼル4が振動板部材200の周縁部を囲むフレーム構造3F及び4Fを有するものである。図12(B)のフレーム構造3F及び4Fは、一体的に形成されている。
図13(A),(B)に例示するゴルフクラブ1は、正面から見て台形状(又は略三角形状)のホーゼル4を有する。図13(A)のゴルフクラブ1はホーゼル4がフレーム構造4Fを有するものであり、図13(B)のゴルフクラブ1はヘッド3及びホーゼル4の両方がフレーム構造3F,4Fを有するものである。
図14(A),(B)に例示するゴルフクラブ1は、半円型のホーゼル4を有する。図14(A)のゴルフクラブ1はホーゼル4がフレーム構造4Fを有するものであり、図14(B)のゴルフクラブ1はヘッド3及びホーゼル4の両方がフレーム構造3F,4Fを有するものである。
図14(C)に例示するゴルフクラブ1は、上部が半円形の輪郭を有する振動板部材200をフレーム構造3Fで支持する構造である。この場合、振動板部材200の上部はフレーム構造3Fよりも上方へ延出しており、振動板部材200の上部にシャフト5が連結されている。
図14(D)に例示するゴルフクラブ1は、上部が半円形の輪郭を有する振動板部材200をフレーム構造3Fで支持する構造の変形例であって、振動板部材200の周囲がフレーム構造3Fによって囲まれた構造である。
図12(B),図13(A),(B)及び図14(A)~(D)の何れのゴルフクラブ1においても、図12(A)と同様な効果を奏する。
【0043】
図15(A)は、フレーム構造3Fを有するヘッド3をシャフト5と取り替えできない状態で一体に形成したゴルフクラブ1である。図15(B)は、フレーム構造3F,4Fを有するヘッド3,ホーゼル4をシャフト5と取り替えできない状態で一体に形成したゴルフクラブ1である。この場合も図12(A)と同様な効果を奏する。
【0044】
図16(A)~(D)は、振動板部材200が円錐台(コーン)型に形成されたゴルフクラブ1の例示である。図16(A)~(D)の各振動板部材200は、円錐台形状の大径側がヘッド3の背面側を向く姿勢で取り付けられている。
図16(A)のゴルフクラブ1は、ホーゼル4を有さないものであり、ヘッド3の背面側に振動板部材200が取り付けられている。図16(B)のゴルフクラブ1は、ホーゼル4を有するものであり、ホーゼル4の背面側に振動板部材200が取り付けられている。
この場合、円錐台型振動板部材200の大径側の向いた方向(ヘッド3の背面側)において、特に打撃音を強調することができる。
【0045】
図16(C)のゴルフクラブ1は、図16(A)のゴルフクラブ1に対して振動板部材200の周囲を囲むエンクロージャ200Eを設けた点が異なる。図16(D)は、二つの振動板部材200,200′を同軸上に配置したものである。
図16(C),(D)の構造によれば、打撃音をより強調することができる。
【0046】
図16(E)の振動板部材200は、ドーム型に形成されたものである。図16(E)のゴルフクラブ1は、ホーゼル4を有さないものであり、ヘッド3の背面側に、ドーム型をなす振動板部材200が取り付けられている。振動板部材200は、ヘッド3の背面側に向かって凸をなす姿勢で取り付けられている。この場合、ドーム型振動板部材200の凸の向いた方向(ヘッド3の背面側)において、特に打撃音を強調することができる。
図16(F)の振動板部材200は、円錐台型の振動板部材とドーム型の振動板部材を組み合わせたものである。すなわち、振動板部材200は、ドーム部(図中破線で示す)とドーム部の周囲から円錐台状に延伸した円錐部とを有する。図16(F)の振動板部材200は、円錐部の大径側とドーム部の凸がヘッド3の背面側に向く姿勢で、ヘッド3の背面側に取り付けられている。この場合、二種の振動板部材の組み合わせにより、打撃音を一層強調することができる。
【0047】
<曲面スピーカタイプの振動板部材>
図17(A)~(H)は、湾曲した曲げ板状に形成された振動板部材200の説明図である。各振動板部材200は、円弧状に湾曲しているもので、円弧状の湾曲面の振動により打撃振動及び打撃音を強調するものである。かかる湾曲面の振動を利用することで、振動に基づく音響を改善(音量,聞こえやすさの改善)し得ることは周知である。
図17(A)~(C),(G)のゴルフクラブ1は、側面から見てL字型のヘッド3を有し、ホーゼルを有さないものである。図17(D),(E)のゴルフクラブ1は、側面から見てコ字型のヘッド3を有し、ホーゼル4を有さないもの、図17(F)は、側面から見てL字型のヘッド3及びホーゼル4を有し、ヘッド3とホーゼル4とは側面視でコの字型に組付けられている。
【0048】
図17(A)~(C)の振動板部材200は、ヘッド3の背面側に向かって延出する姿勢で取り付けられており、打撃面2に垂直な縦断面(ヘッド3を側方から見た面)において、上向き又は下向きに湾曲した曲げ板状に形成されている。図17(A),(C)の振動板部材200は、打撃面2に垂直な縦断面において上向きに湾曲したものである。図17(B)の振動板部材200は、打撃面2に垂直な縦断面において下向きに湾曲したものである。
【0049】
図17(D),(E)のゴルフクラブ1は、ヘッド3の背面側において、二つの曲げ板状振動板部材200,200′が設けられた構成例であり、図17(F)のゴルフクラブ1は、ヘッド3の背面側において、二つの曲げ板状振動板部材200,200′が設けられた構成例である。各振動板部材200,200′は、ヘッド3の背面側に向かって延出する姿勢で取り付けられており、打撃面2に垂直な縦断面において上向き又は下向きに湾曲した曲げ板状に形成されている。また、図17(H)のゴルフクラブ1は、側面視でコの字型のヘッド3に各振動板部材200,200′が取り付けられていることの他は、図17(F)のゴルフクラブ1と共通に構成されている。
各振動板部材200,200′の姿勢や、寸法、曲率等の組み合わせは、図17(D)~(F),(H)の例に限らず自由に設定できる。
【0050】
図17(G)の振動板部材は、図16(A)に例示した円錐台型の振動板部材200と、上記の曲げ板状振動板部材200′とを組み合わせたものである。タイプの異なる二種類の振動板部材を組み合わせることで、打撃音の一層の改善を図ることができる。
図18(A)~(C)は、曲げ板状振動板部材200の曲げ方向に関する変形例である。図18は、ヘッド3を上から見た平面図であり、紙面左側が正面側(前方)である。
図18(A)~(C)の板状振動板部材200は、ヘッド3を上から見た水平面において、幅方向の一方(又は他方)向きに湾曲した曲げ板状をなす振動板部材200である。図18(A),(B)のヘッド3は、二つの曲げ板状振動板部材200,200′を有するものである。図18(C)の板状振動板部材は、図16(A)に例示した円錐台型の振動板部材200と、上記の曲げ板状振動板部材200′とを組み合わせたものである。なお、図18(B)において、板状振動板部材200,200′は一体で形成されてもよい。
【0051】
<曲げ板状振動板部材の変形例>
図19(A)~(E)は、振動板部材200の変形例を示すヘッド3平面図であり、紙面左側が正面側(前方)である。
図19(A)~(C)は、曲げ板状振動板部材200の変形例として、ヘッド3を上から見た水平面においてヘッド3の背面側へ向かって凸をなす円弧状の振動板部材200をヘッド3の背面側に取り付けたものである。図19(A)は、振動板部材200をヘッド3の背面に取り付けたものであり、振動板部材200とヘッド3の背面との間に円弧に交差する向きでリブ200Rが付設されている。リブ200Rは、振動板部材200を補強するとともに、振動伝達を向上させるものである。
【0052】
図19(B)は、ヘッド3の上面に凹設された凹部3X内に振動板部材200を取り付けた例を示す。図19(C)は、図19(B)において振動板部材200を取り付けた凹部3Xを蓋体3Yで覆ったものである。
【0053】
図19(D)は、ヘッド3を上から見た水平面においてヘッド3の背面側へ向かって凹をなす円弧状の振動板部材200をヘッド3の背面側に取り付けたものである。図19(D)では、振動板部材200の曲面において円弧に沿って延在するリブ200Rが付設されている。1以上の複数のリブ200Rが付設されてよい。複数のリブ200Rは、例えば上下方向に並設される。すなわち、複数のリブ200Rは1つでもよいし、複数でもよい。
図19(E)は、ヘッド3が平面側に延びたソール部3Wを有するマレット型で形成されており、ソール部3Wの上面に振動板部材200を取り付けたものである。
【0054】
<ホーン型共鳴構造;ドーム型共鳴構造>
図20(A)~(D)は、第2実施形態に係るゴルフクラブ1を例示しており、ヘッド3を側面から見た断面図で示している。
図20(A)のゴルフクラブ1は、ヘッド3及びホーゼル4が中空部202においてホーン状の管路206が形成されるとともに、管路206に連通する開口部206Aが設けられている。管路206と開口部206Aとは、管路206内でゴルフボールの打撃時に生じる打撃音を強調して開口部206Aから外部へ伝達する共鳴機構(ホーン型共鳴機構,蓄音機型共鳴機構)として構成されている。
図20(B)のゴルフクラブ1は、ヘッド3にホーン状の管路206と、管路206に連通する開口部206Aとが設けられたものである。
管路206が開口部206Aに向かうほど口径の広がるR形状をなし、音響特性に優れるため、打撃音がより改善することができる。
【0055】
図20(C)のゴルフクラブ1は、ヘッド3及びホーゼル4が中空部202においてドーム型(球体状)の管路206が形成されるとともに、管路206に連通する開口部206Aが設けられている。管路206と開口部206Aとは、管路206内でゴルフボールの打撃時に生じる打撃音を強調して開口部206Aから外部へ伝達する共鳴機構(ドーム型共鳴機構)として構成されている。
図20(D)のゴルフクラブ1は、ヘッド3にホーン状の管路206と、管路206に連通する開口部206Aとが設けられたものである。
この場合、ドーム型の管路206により打撃音を共鳴させて、打撃音を改善することができる。
【0056】
振動板部材200の形状は、図21(A)に示す円筒状であってもよい。また、振動板部材200は、図21(B)に示すように、板状部材をヘッド3の背面側から水平方向へ延出させるように配置させてもよい。振動板部材200をヘッド3に取り付ける方法は、振動板部材200の端部をL字型に折り曲げて形成し、L字型に折り曲げた箇所でヘッド3の背面に固定することができる。振動板部材200をヘッド3に取り付ける方法は、上記のほか、例えば、振動板部材200の端部をヘッド3の背面側に差し込んで取り付けたり、振動板部材200の端部をヘッド3の背面に溶接したりすることであってもよい。
図21Cは、図21(B)を上から見た図である。図21(C)に示すように、ヘッド3の背面側において、長さの異なる複数の振動板部材200が、ヘッド3の幅方向に並設されている。すなわち、振動板部材200の枚数は一以上の複数である。図21(B),(C)の場合、ヘッド3の背面側で片持ち状に支持された振動板部材200を振動させる構造であり、楽器のマリンバのように振動板部材200の振動による音響を発生させることができる。
【0057】
また、図22(A)~(C)に示すように、振動板部材200とヘッド3との間にスポイラ200Sを付設することができる。スポイラ200Sはゴルフクラブ1に対して脱着自在であり、後付け可能である。すなわち、既存のゴルフクラブにスポイラ200Sを後付けして打撃振動・打撃音を向上させることができる。
図23(A)~(D)は、振動板部材200の形状の例示であり、振動板部材200を側面側から見た図である。振動板部材200に重りを付けて重心を調整したり、振動板部材200にブレードを脱着可能に取り付けたりすることができる。図23(A)~(D)の振動板部材200の形状は、打撃振動・打撃音を向上させ得る形状の例示である。打撃振動・打撃音を向上させ得る形状として、図23(A)のようなC字型(スティールドラム型)、図23(B)のようなレ字型、図23(C)のようなレ字型と水平方向に延びた板片とを組み合わせた形状、図23(D)のようなC字型でソール部(下面部)がヘッド3の後方へ水平方向に延びた形状などが挙げられる。また、例えば、図23(B)に示すように、振動板部材200の端部に脱着可能なオモリ又はブレード部材200Xが取り付けられてもよい。部材200Xによりゴルフクラブ1の重心を調整することができる。部材200Xにより、ゴルフクラブ1本来の重心に加えて、ヘッド3の背面側にも重心を設定する(ダブルバランス)ことができる。これにより、フォローの際に打ち抜きやすくなる。
【0058】
<振動板部材とシャフト/ホーゼルの一体化>
図24(A)~(E)は、振動板部材200がシャフト5/ホーゼル4に取り替えできない状態で一体的に形成されたものを示す。振動板部材200とシャフト5とが一体であることで、ゴルフボールの打撃時に生じる打撃振動をシャフト5に直接的に伝達することができる。
図24(A)では、フレーム状に形成されたヘッド3に対して、シャフト5と一体化された振動板部材200を脱着自在に装着するようになっている。振動板部材200は、枠状のヘッド3に対して左右両側の隙間を空けて配置され、両隙間を板部材200Yで閉塞している。振動板部材200がヘッド3に離隔して設けられているので、ゴルフボールの打撃時に生じる打撃振動をヘッド3に分散させずに、効率的にシャフト5へ導くことができる。なお、後述の図31(B)のように振動板部材200が枠状のヘッド3に対して左右両側の隙間を空けずに設けられてもよい。なお、板部材200Yが、振動板部材であってもよい。すなわち、シャフト5と一体化された振動板部材200とは材質の異なる振動板部材を板部材200Yに替えて配設する。この場合、異なる種類の振動板部材を組み合わせることができる。
【0059】
図24(B)は、フレーム状に形成されたヘッド3に対して、シャフト5と一体化された振動板部材200を脱着自在に装着するものであり、振動板部材200の上面側左右両側を蓋部材200Zで閉塞している。また、ヘッド3の正面側においてヘッド3の全面を覆う前蓋部材200Kを、振動板部材200に前方から重ね合わせるように脱着可能に取り付けてもよい。
図24(C)は、シャフト5と一体化された振動板部材200が円形状に形成されたものである。円形の場合、ヘッド3に対する取り付け角度を調整可能とすることができる。この場合、ヘッド3に対する取り付け角度を調整した後、調整後の角度で固定するロック機構が付設される。
図24(D)のゴルフクラブ1は、ホーゼル4と一体化された振動板部材200を有するものである。この場合、振動板部材200と一体化されたホーゼル4にシャフト5が連結される。
図24(A)~(D)のゴルフクラブ1では、振動板部材200とシャフト5及び/又はホーゼル4とが一体であり、別体のヘッド3に脱着可能に装着される構造であるため、ヘッド3に対して振動板部材200を自由に組み合わせることができる。ヘッド3に対する振動板部材200の脱着は、カートリッジ(カセットテープ)の交換のように自由に行うことができる。すなわち、このゴルフクラブ1は、ヘッド3に対して、振動板部材200や、フェイス(打撃面)、おもり、バランス、インサート、ホーゼル、副振動板部材201などの各種パーツを使用者が自由に選定して組み立てる組み立て式ゴルフクラブとして構成することができる。
また、図24(A)~(D)のゴルフクラブ1は、直線状のシャフトに限らず図1(B)、(C)、図4(B)、(C)のようなクランク状のホーゼル4/シャフト5に振動板部材200を一体化する構造であってもよい。
振動板部材200の前面にインサートを配設したり、振動板部材200にインサートを内蔵したりしてもよい。振動板部材200は、インサートと一体で形成されてもよいし、インサートを着脱可能に取り付けできてもよい。
振動板部材200の形状は図示の例に限定されず自由である。
【0060】
<振動伝達リブ;団扇の骨>
図25(A),(B)は、第3実施形態に係るゴルフクラブ1であって、打撃振動/打撃音強調機構(第一打撃振動/打撃音強調機構、又は、第二打撃振動/打撃音強調機構、又は、第三打撃振動/打撃音強調機構)として振動伝達リブ210を備えるものである。
振動伝達リブ210は、図25(A),(B)に示すように、ヘッド3からシャフト5に亘ってリブ状に延設されており、ゴルフボールの打撃時に生じる打撃振動をヘッド3からシャフト5へ伝達するものである。振動伝達リブ210は、ヘッド3からシャフト5のおもて面において畝状に凸をなす部位で、打撃振動を強調するように形成されている。
図25(A)のゴルフクラブ1は、ホーゼル4を有するゴルフクラブ1に振動伝達リブ210を設けたものである。図25(B)のゴルフクラブ1は、ホーゼル4を有さないゴルフクラブ1に振動伝達リブ210を設けたものである。
詳しくは、振動伝達リブ210は、ヘッド3(及びホーゼル4)に取り付けられた複数の枝部21Aと、シャフト5の軸方向に沿って延設されておりシャフトの下端部側で枝部210Aに接続された幹部210Bとを有している(譬えれば、団扇の骨のような形状である)。
振動伝達リブ210を設けることで、使用者の掌に伝わる打撃振動を増やして、打感を向上させることができる。
【0061】
その他の変形例を図26(A)~(E),図27に示す。
図26(A)は、椀型(お鈴型)に形成されたヘッド3において、ヘッド中空部202の上面側の開口部202Aを振動板部材200で塞ぐ構造である。この場合、ヘッド3の打撃面2でゴルフボールを打撃した際に生じた打撃音がヘッド中空部202内で共鳴して、開口部202Aから外部へ放出されるとともに、振動板部材200で打撃振動が強調される。
なお、開口部202Aを塞ぐ振動板部材200を設けなくてもよい。その場合も、ヘッド中空部202内で打撃音を強調する効果が得られる。
【0062】
図26(B)は、シャフト5とヘッド3との間にフィン5Xを付設する構成である。フィン5Xが薄板状又は膜状の振動板部材として設けられており、フィン5Xにより打撃振動を強調することができる。フィン5Xは、ゴルフクラブ1(ヘッド3)に対して脱着自在に取り付けられてよい。この場合、既存のゴルフクラブにフィン5Xを付設して、打撃振動を強調させることができる。
図26(C)のゴルフクラブ1は、打撃振動/打撃音強調機構(第一打撃振動/打撃音強調機構)として、ヘッド3の背面側に取り付けられて打撃音を集音する集音器220と、集音器220で集音された打撃音を伝搬する打撃音伝搬管221と、打撃音伝搬管221を通じて伝搬されてきた打撃音を使用者に伝えるイヤホン部222と、を有している。
この場合、使用者は、集音器220で集音した打撃音をイヤホン部222からはっきりと聞くことができる。なお、打撃音伝搬管221を設けず、集音器220とイヤホン部222とを無線接続し、集音器220で集音した打撃音をイヤホン部222に無線通信で伝送するワイヤレス構造としてもよい。
集音器220、打撃音伝搬管221、イヤホン部222とは、ゴルフクラブ1(ヘッド3)に対して脱着自在に取り付けられてよい。この場合、既存のゴルフクラブに集音器220、打撃音伝搬管221、イヤホン部222を自由に付設することができる。
【0063】
図26(D)のゴルフクラブ1は、打撃振動/打撃音強調機構(第一打撃振動/打撃音強調機構、又は、第二打撃振動/打撃音強調機構、又は、第三打撃振動/打撃音強調機構)として、打撃振動を検知して電気信号に変換するピックアップ230と、ピックアップ230で検知された電気信号に基づく打撃音を増幅するアンプ部231と、増幅した打撃音を出力するスピーカ232とを有している。アンプ部231とスピーカ232が「スピーカ部」を構成している。ピックアップ230(図中破線),アンプ部231(図中破線),及び、スピーカ232は、ヘッド3の背面側に取り付けられている。
この場合、打撃振動を電気信号に変換し、スピーカ部から電気的に打撃音を増幅して出力することができるので、打撃音をよりはっきりと出力できる。
【0064】
図26(E)は、図26(D)の変形例であって、ピックアップ230(図中破線),アンプ部231(図中破線),及び、スピーカ232(図中破線)が、ヘッド3のヘッド中空部202内に設けられている。ピックアップ230,アンプ部231,及び、スピーカ232は、ゴルフクラブ1(ヘッド3)に対して脱着自在に取り付けられてよい。この場合、既存のゴルフクラブにピックアップ230,アンプ部231,及び、スピーカ232を自由に付設することができる。
図26(F)に示すヘッド3は、打撃面2を有する正面側が薄板で形成されており、打撃面2側の板厚を薄くすることで打撃振動を強調するものである。図26(F)に示すように、ヘッド3の両側部にバッテリー3Eを着脱可能に設けてし、バッテリー3Eからの電力線を適宜配線することで、ヘッド3に様々な電気的機能を付設することが可能となる。ヘッド3に付設する電気的機能としては、LEDライト、電気装飾、レーザー、センサー、テスター、通信機能などが挙げられる。
【0065】
図27(A),(B)は、シャフト5に振動強調部材を付設したゴルフクラブ1の説明図であって、シャフト5の径方向断面図である。振動強調部材は、打撃面2へのゴルフボールの打撃時に生じる打撃振動を強調して使用者に伝える部材であって、シャフト5の軸周りの周面にシャフト5の軸方向に延在して設けられている。
図27(A)において、中空状に形成されたシャフト5の内周面には、振動強調部材5Aが設けられている。振動強調部材5Aは、例えば、シャフト5の内周面に例えばロジウム、銅、金などのメッキ加工により形成された被覆膜で形成される。また、振動強調部材5Aとしてカーボン繊維を用いる場合、例えば、シャフト5の軸方向に沿って延在する複数のカーボン繊維を束ねて、シャフト5の内周面又は外周面に沿う形状に成形することができる。
図27(B)において、中空状に形成されたシャフト5の外周面には、振動強調部材5Bが設けられている。振動強調部材5Bは、例えば、シャフト5の外周面に例えばロジウム、銅、金などのメッキ加工により形成された被覆膜で形成される。また、振動強調部材5Bとしてカーボン繊維を用いる場合、例えば、シャフト5の軸方向に沿って延在する複数のカーボン繊維を束ねて、シャフト5の内周面又は外周面に沿う形状に成形することができる。
図27(A),(B)の振動強調部材5A,5Bに用いる素材は、打撃振動を強調するものであればなんでもよく、例えば、ロジウム、銅、合金、純金などの各種金属や、カーボン繊維などを素材として用いることができる。カーボン繊維を用いる場合、例えば、シャフト5の軸方向に沿って延在する複数のカーボン繊維を束ねて、シャフト5の内周面又は外周面に沿う形状に成形することができる。
図28のゴルフクラブ1は、打撃振動/打撃音強調機構(第一打撃振動/打撃音強調機構)がヘッド3に取り付けられ打撃面2で生じる振動を検出する振動センサー300と、振動センサー300から出力された電気信号に基づき振動するアクチュエータ301とを有し、アクチュエータ301の振動を振動伝達部材20で使用者に伝達するものである。この場合、実際の打撃振動に加えて電気的駆動による振動を使用者に伝えるので、打撃振動を強調することができる。
【0066】
その他、上述した各実施形態は一例であって、各実施形態を自由に組み合わせることができる。
また、ゴルフクラブ1の形状(ヘッド3、ホーゼル4、シャフト5の形状、大きさ、厚みなど)は、上述した実施形態に限定されず、周知のどのようなものであってもよい。
例えば、シャフト5のヘッド3(又はホーゼル4)に対する取り付け位置は図示したものに限定されない。具体的には、シャフト5のヘッド3の前後方向におけるシャフト5の位置は、ヘッド3の正面側の位置、背面側の位置、正面と背面の中間位置などどこでもよい。ヘッド3の幅方向におけるシャフト5の位置は、ヘッド3幅方向の一端側、中央付近、他端の位置、背面側の位置、正面と背面の中間位置などどこでもよい。
【0067】
例えば、図29(A)に示すように、ホーゼル4とヘッド3とを有するゴルフクラブ1においてピックアップ230と、アンプ部231と、ホーゼル4の背面側に取り付けたスピーカ232とを設けることができる。
また、図29(B)に示すように、ホーゼル4とヘッド3とを有するゴルフクラブ1において、ホーゼル4のホーゼル中空部203とヘッド3のヘッド中空部202とが連通して設けられており、ホーゼル中空部203内にスピーカ232を取り付けて、ホーゼル中空部203をスピーカボックスとして、スピーカ232の出力した打撃音を開口部203Aから放出するように構成することができる。
また、変形例の一つとして、図26(D),(E)のゴルフクラブ1において、ピックアップ230で検知された電気信号に基づき電子音源から電子音を出力するように構成してもよい。電子音の音色は、例えば電子ドラムの音色である。すなわち、ゴルフクラブ1に電子ドラムを付設してもよい。
そのほか、ゴルフクラブ1にラジオ、スマートフォンなどを脱着可能に取り付けることもできる。
【0068】
<プラモデル式>
ゴルフクラブ1は、ヘッド3に対して、振動板部材200や、打撃面(フェース)、おもり、バランス、インサート、ホーゼル、副振動板部材201などの各種パーツを使用者が自由に選定して組み立てる組み立て式ゴルフクラブ、いわばプラモデル式のゴルフクラブとして構成することができる。ここで、インサートは、例えば振動板部材200と一体で形成され得るし、振動板部材200とは別体であってもよい。ヘッド3と打撃面が一体形成されていてもよいし、別体であってもよい。打撃面が振動板部材200と一体で形成されていてもよいし、別体であってもよい。
例えば、図30(A),(B)のゴルフクラブ1は、フレーム状のヘッド3の背面側にオモリ3Zを着脱可能に取り付けるものである。図30(A)のゴルフクラブ1は、ヘッド3背面側の両側にオモリ3Zを着脱可能に取り付けたものである。図30(B)のゴルフクラブ1は、ヘッド3背面側において、背面から後方へ面状に延びたオモリ3Zを着脱可能に取り付けたものである。なお、オモリ3Zの大きさ、形状、数は上記に限定されず、どのようなものであってもよい。
振動板部材200を設ける場合、枚数は1枚以上の複数であってよい。複数の振動板部材200を設ける場合、様々な形状の振動板部材200を自由に組み合わせることができる。
【0069】
振動板部材200の形状、大きさ、厚みは、上記に限定されず、どのようなものであってもよい。
図31(A)~(F)は、振動板部材200とシャフト5とを一体化した構造の変形例である。図31(A)のゴルフクラブ1は、上記の図24(B)に対して、蓋部材200Zが設けられておらず、振動板部材200の上縁がヘッド3の上面と同一面に形成された点が異なり、その他は共通である。図31(B)のゴルフクラブ1は、上記の図24(A)に対して、板部材200Yを設けておらず、振動板部材200が枠状のヘッド3に対して幅方向の隙間を空けず設けられている点が異なり、その他は共通である。
図31(C)のゴルフクラブ1は、シャフト5と一体化した振動板部材200をホーゼル4に取り付けた構造である。図31(D)のゴルフクラブ1は、シャフト5と一体化した振動板部材200をヘッド3及びホーゼル4の両方に亘りに取り付けた構造である。
図31(D),(E)のゴルフクラブ1は、上部の輪郭が正面から見て半円形をなす振動板部材200をシャフト5と一体化したものをヘッド3に取り付けた構造である。図31(D)のゴルフクラブ1は、振動板部材200の上部がヘッド3の上部よりも上方へ突出している。図31(E)のゴルフクラブ1は、振動板部材200の上部がヘッド3の上部から突出しておらず、振動板部材200の周囲(上部、下部、両側)が枠状のヘッド3に囲まれている。
このように、振動板部材200の形状(輪郭や厚さなど)は、どのようなものであってもよい。振動板部材200は、厚さの薄い薄板や、比較的厚みのある板、又は、厚さのきわめて薄い膜状の部材など、どのようなものであってもよい。
また、上記の様々な変形例は適宜に組み合わされてよい。
【0070】
振動板部材200に用いる材料は、特に限定されない。
材料として、打撃振動/打撃音を強調し得る物質が適宜に選択されてよい。一例として、鋼、合金、純金、ロジウム、銅などの各種金属や、陶器、セラミック、プラスチックやウレタン、合成ゴムなどの合成樹脂、天然ゴム(天然樹脂,ラバー)、木材,天然繊維〔ガット(牛,羊の腸)〕,合成繊維(ナイロン繊維,ポリエステル繊維),皮革,和紙,ポリアセタール、PET,ガラス、アルミファイバー、化学繊維、樹脂、ポリプロピレン、アルミ、銅、ナノセルロース、紙、ポリエステルなどが挙げられる。また、振動板部材200は、打撃振動/打撃音を強調するようにコーティング加工されたものであってもよい。
振動板部材200は、一つの材料で形成するものに限らず、上記例示した様々な材料を含む複数の材料を組み合わせて形成することができる。
また、振動板部材200は一枚の板状部材で形成されるものに限らず、例えば棒又は紐状の部材を組み合わせて(編んで)面状(膜状)に形成することができる。
【0071】
図32(A)のゴルフクラブ1は、図24(C)に示す円形の振動板部材200がシャフト5に一体的に形成された構造の変形例であり、図24(C)のゴルフクラブ1に対して、振動板部材200がホーゼル4に取り付けられている点が異なる。この場合、振動板部材200のホーゼル4に対する取り付け角度を調整可能である。振動板部材200のホーゼル4に対する取り付け角度を調整した後、当該角度で固定する固定機構(ロック機構)を付設することができる。
【0072】
図32(B)は、図31(A)の変形例であり、ヘッド3が正面側を塞ぐ壁面を打撃面2として有しており、打撃面2の背面側に振動板部材200が取り付けられる点が異なり、その他は共通である。この場合、ヘッド3に対する振動板部材200の脱着は、ヘッド3の上方から差し込むような方式(カセットテープの交換のように)行うことができる。
図32(C)のゴルフクラブ1は、上記の図32(B)に対して振動板部材200がヘッド3に内蔵される構造である点が異なる。図32(C)のゴルフクラブ1の変形例として、振動板部材200とシャフト5の接続部分がヘッド3に内蔵され、振動板部材200が打撃面として正面側に露出していてもよい。
【0073】
図33(A),(B)は、図20(B),(D)の変形例であり、ヘッド3にホーン状又はドーム型の管路206がくり抜き形成された構造である。
【0074】
また、ヘッド3や、ホーゼル4、シャフト5の形状は周知のどのような形状であってもよく、自由に組み合わせることができる。例えば、上述した様々な実施形態や変形例に係るゴルフクラブ1は、図1(A),図4(A)に示した直線状のシャフト5にヘッド3を接続するものに限らず、図1(B),図4(B)に示したクランク状のシャフト5に接続したものや、図1(C),図4(C)に示したクランク状のホーゼル4を介してヘッド3にシャフト5を接続したものに適用することができる。
クランク状のシャフト5又はホーゼル4の屈曲向きは、図1(B),(C),図4(B)(C)に例示したような正面側へ向かって屈曲するものに限らず、例えば、図34(A),(B),図35(A),(B)に示すように、幅方向の一方へ向かって屈曲したものであってもよい。
【0075】
また、図36(A),(B)は、ヘッド3,ホーゼル4,シャフト5の内部に中空が形成されたゴルフクラブ1の断面図である。ここでは、ホーゼル4が、中空に形成されたホーゼル空洞部8を内部に有する。同様に、シャフト5は、中空に形成されたシャフト空洞部9(シャフト中空部)を内部に有し、ヘッド3は、中空に形成されたヘッド空洞部7を内部に有する。ヘッド空洞部7及びシャフト空洞部9の各々は、ホーゼル空洞部8と連通している。
【0076】
ヘッド3,ホーゼル4,シャフト5,グリップ6等の内部に空洞を設けることで、打撃面2の振動が空洞内の空気の振動にも変換される。これにより、打撃面2の振動を物理的な振動だけでなく音響として使用者に伝達することができる。つまり、使用者は打撃面の振動を音響として確認でき、打感を改善できる。また、図36(B)に破線で示すように、ホーゼル空洞部8の内部空間とホーゼル4の外部とを連通する開口部11を形成してもよいし、ヘッド3の内部空間と外部とを連通するヘッド開口部12を形成してもよいし、シャフト5の内部空間と外部とを連通するシャフト開口部13を形成してもよい。これにより、使用者の耳に入る音を大きくすることができ、打感をさらに改善できる。開口部11~13の位置は、打撃面2が形成される側(正面)でもよいし、反対側(裏面)でもよく、あるいは側面でもよい。
なお、開口部11~13に連通するホーゼル空洞部8,ヘッド空洞部7,シャフト空洞部9が、空洞部7,8,9内でゴルフボールの打撃時に生じる打撃音を強調して開口部11,12,13から外部へ伝達する共鳴室(共鳴機構)として構成されてもよい。このようにすれば、使用者の耳に入る音をより大きくすることができ、打感をより一層改善できる。
【0077】
図36(A),(B)の変形例において、開口部11~13はいずれか一つだけでもよく、あるいは、開口部11~13が存在しなくても(開口部11~13を形成しなくても)よい。また、ヘッド3,ホーゼル4,シャフト5の全部ではなく、ヘッド3,ホーゼル4,シャフト5の何れか一つ又は複数に選択的に内部の中空が形成されてもよい。例えば、ホーゼル4の内部が中空に形成されて、ヘッド3及びシャフト5の内部が中実に形成されてもよいし、ヘッド3の内部が中空に形成されて、ホーゼル4及びシャフト5の内部が中実に形成されてもよいし、シャフト5の内部が中空に形成されて、ヘッド3及びホーゼル4の内部が中実に形成されてもよい。或いは、ヘッド3及びシャフト5の内部が中空に形成されて、ホーゼル4の内部が中実に形成されてもよいし、ホーゼル4及びシャフト5の内部が中空に形成されて、ヘッド3の内部が中実に形成されてもよいし、ヘッド3及びホーゼル4の内部が中空に形成されてシャフト5の内部が中実に形成されてもよい。
【0078】
<ゴルフ練習システム>
[1.システム構成]
次に、上述したゴルフクラブ1を適用したゴルフ練習システムについて説明する。以下に説明するゴルフ練習システムでは、一例として、打撃振動/打撃音強調機構(第一打撃振動/打撃音強調機構、第二打撃振動/打撃音強調機構又は第三打撃振動/打撃音強調機構)として、「振動板部材」を有するゴルフクラブ1を適用した場合を例に挙げる。しかし、本ゴルフ練習システムには、上述した各種ゴルフクラブ1のいずれが適用されてもよい。すなわち、本ゴルフ練習システムに適用されるゴルフクラブ1に設けられた打撃振動/打撃音強調機構は、「振動板部材」に限らず、上述した何れのタイプの打撃振動/打撃音強調機構であってもよい。なお、後述の第四打撃振動/打撃音強調機構および振動板部材を有するゴルフクラブにも適用できる。
図37は、ゴルフ練習システムの全体構成を示す説明図である、本ゴルフ練習システムSには、パッティング練習用のゴルフ練習機Tが含まれている。
ゴルフ競技においてパッティングは、周知のように、ゴルフクラブ(典型的には「パター」)を用いてゴルフボールをカップと呼ばれる穴に入れる(カップインする)ための打撃である。なお、ゴルフ練習機Tは、パターを用いたパッティング練習に限らず、ドライバー,アイアンなどパター以外のゴルフクラブを用いたスイング練習に利用することもできる。
【0079】
練習機Tには、ゴルフボール転動面に設けられたカップCが配備されたカップエリアT1と、カップCから離隔して設けられており、ゴルフボール転動面を有しユーザの打撃位置をなす打撃エリアT2とが設けられている。練習機Tは、例えば練習用グリーンであり、この場合、カップエリアT1のゴルフボール転動面に対しカップCが凹設されている。別の例として、練習機Tは、ゴルフ練習用マットである。この場合、ゴルフ練習用マットの場合、カップCは凹設されずに、ゴルフボール転動面上の所定エリア(平坦面)として設けられている。また、ゴルフ練習用マットの場合、カップCはマット上の浅い窪み部分として形成されていてもよい。すなわち、カップCは穴に限定されずゴルフボールをカップインする目標位置でさえあればよい。以下の説明では、カップCがゴルフボール転動面に対し凹設された穴である場合を専ら述べる。
練習機Tは、打撃エリアT2に立ったユーザ(使用者,ゴルファー)がゴルフクラブ1を用いて、カップエリアT1に設けられたカップCに向かってボールBを打撃して、パッティングを練習するための設備である。ゴルフボール転動面とは、打撃されたボールBが転動する面であり、カップエリアT1及び打撃エリアT2の床面である。
【0080】
本実施形態でゴルフ練習システムSの説明に用いる方向を次のように定義する。打撃エリアT2でパッティングを行うユーザを基準として、ユーザからカップCに向かう方向を「前」(図では「F」と記す)、「前」の反対側を「後」(図では「B」と記す)とし、「前」を基準にして「左」、「右」(図では「L」、「R」と記す)を定める。そのほか、重力の作用する方向を基準に「上」、「下」(図では「U」、「D」)を定める。
【0081】
図37に示すように、練習機TでカップエリアT1に設けられたカップCは、打撃エリアT2に対して前方に配置されている。カップCには、棒状部材からなるピンPが立設されている。ピンPは、打撃エリアT2のユーザに対しカップCの目印として機能する。
【0082】
図37のゴルフ練習システムSには、カップCに付設されたカップユニット250,ピンPに付設されたピンユニット500,ゴルフクラブ1に付設されたクラブユニット700と、打撃エリアT2に配備された撮影ユニット600と、が設けられている。
【0083】
本システムSには、これらのユニット250、500、600及び700のほかに、本システムSを統括管理する制御ユニット350と、ユーザの所有する端末装置400とが含まれている。本システムS内の各装置250、350、400~700は、無線通信ネットワークを介してデータ授受可能に接続されており、互いに連携して動作できる。無線通信ネットワークは、例えばWi-Fi,Bluetooth(登録商標)といった周知の無線通信規格に準拠したネットワークである。
【0084】
本システムSの概要はユニット250、500、600及び700により取得したモニタ情報に基づき、制御ユニット350がユーザのゴルフプレイに対するガイドを提供するためのガイド情報を生成し、制御ユニット350がガイド情報を端末装置400等に送信し、端末装置400等がガイド情報に基づくガイドを、例えばユーザが打撃を行う前に事前に(予め)提供することである。すなわち、本システムSは、各装置250、350、400~700がネットワークを介して連携して、ユーザのゴルフ練習に対して双方向的に(インタラクティブに)ガイドを提供するものである。
ガイドとは、ユーザにゴルフプレイに関するアドバイスや、模範プレイなどである。具体的には、打撃フォームや、ゴルフクラブのスイングリズム,ボールの打ち出し方向、タイミングなどが、アドバイスや、模範プレイとして挙げられる。
【0085】
本システムSでユニット250、500、600及び700により取得するモニタ情報は、ユーザのゴルフプレイに関する測定結果である。モニタ情報には、複数の映像データや、カップイン情報、ボールの打撃情報、ボールの打撃に伴う打撃振動/打撃音情報、ゴルフクラブのヘッド角度等が含まれている。
カップユニット250,ピンユニット500,クラブユニット700及び撮影ユニット600は、制御ユニット350にモニタ情報を提供するモニタ情報源である。
【0086】
<カップユニット>
カップユニット250は、カップCに内蔵(付設)されており、カップCにおけるモニタ情報を制御ユニット350に提供するために設けられた機構である。
カップユニット250には、第一制御装置(図では「制御装置」)251と、第一センサ(第一検出手段,図では「センサ」)252と、第一通信装置(第一送信装置,図では「通信装置」)253とが含まれている。
第一制御装置251は、カップユニット250を制御するプロセッサや記憶装置等を含んで構成された電気的制御装置である。
【0087】
第一制御装置251には、第一センサ252と第一通信装置253とがデータ授受可能に接続されている。
第一センサ252は、ゴルフボールBがカップCにカップインしたことを示すカップイン情報を検知するために設けられた検出手段である。
第一センサ252には、例えばカップC内に落ちたゴルフボールBの衝撃を検知する衝撃センサが用いられる。
【0088】
第一通信装置253は、制御ユニット350(外部)と無線通信ネットワークを介して接続された無線通信装置である。カップユニット250は、第一通信装置253を介して第一センサ252の検出信号(カップイン情報)を制御ユニット350(外部)へ送信したり、外部から情報を受信したりできる。
【0089】
そのほか、カップユニット250には、カップCの周囲を撮影するためのカメラ255や、アンプ、スピーカ及びマイクを含む音響装置256、照明装置257、レーザ照射器258,電力を供給するための電源(図示省略)などの付加的装置が含まれている。これらの装置251~258並びに図示しない様々な装置は、カップユニット250に対して着脱可能に又はカップユニット250と一体的に設けられていてよい。また、センサとして、例えば速度センサ,加速度センサ,ジャイロセンサ,磁気センサ,生体認証センサ,気圧センサ(圧力センサ),温度センサ,マイクロフォン(音圧センサ),方位センサ,近接センサ,輝度センサ(環境光センサ)、人感センサ,風力計,風向計,赤外線センサ,赤外線カメラ,積雪計(レーザ―反射やカメラで撮像された画像に基づく積雪計など)等が設けられていてもよい。
すなわち、カップCは、ゴルフボールBのカップインを自動的に検知したり、音声を出力したり、「Alexa(登録商標)」,「OK Google(登録商標)」,「Hey Siri(登録商標)」といった所定の音声入力を契機として所定の機能を実施したり、発光したり、ボールBを個別に識別したりする多機能を有した「AIカップ」として構成することができる。カップユニット250を用いてカップCに落下したボールBを識別する場合、カップユニット250(カップC)に、カップC内を照明するための光源(照明手段,図37の照明装置257)を用いてカップC内を明るくするとよい。これにより、カップユニット250のカメラ255利用してカップC内に落下したボールBを識別する場合に識別性を向上することができる。
【0090】
<ピンユニット>
ピンユニット500はピンPに付設されており、ピンPの周囲のモニタ情報を制御ユニット350に提供するために設けられた機構である。
ピンユニット500には、第二制御装置(図では「制御装置」)501と、第一カメラ(第一撮影手段,図では「カメラ」)502と、第二通信装置(第二送信装置,図では「通信装置」)503と、第一照射器(図は「レーザー」)504と、第二受光器(図では「受光器」)505とが含まれている。
【0091】
第二制御装置501は、ピンユニット500を制御するプロセッサや記憶装置等を含んで構成された電気的制御装置である。
第二制御装置501には、第一カメラ502と第二通信装置503と第一照射器504と第二受光器505とがデータ授受可能に接続されている。
【0092】
第一カメラ502は、ピンPの周囲の映像(第一映像データ)を撮影するために設けられたイメージセンサである。本実施形態において第一カメラ502は、少なくともピンPから打撃エリアT2に向かって映像を撮影する撮影手段である。一例として、第一カメラ502は、ピンPを中心にした上下方向及び水平方向の360°全方向を撮影可能な「360度カメラ」として構成されていてよい。なお、第一カメラ502は、360度カメラに限らず、360度よりも狭い範囲を撮影するカメラであってもよい。また、第一カメラ502は、3Dカメラとして構成されていてもよい。
【0093】
第二通信装置503は、制御ユニット350(外部)と無線通信ネットワークを介して接続された無線通信装置である。第二通信装置503を介して第一カメラ502で撮影した映像データを制御ユニット350(外部)へ送信したり、外部から情報を受信したりできる。
第一照射器504は、ピンPから打撃エリアT2へ向かってストレートラインを示すガイド用のレーザ光を照射する光源である。ストレートラインとはボールBの転動軌道を示す。レーザ光の軌跡は、ボールBの軌道を示すガイド線として機能する。ここで、ボールBの軌道とは、カップCから所定の打撃位置を結ぶ軌道である。
第二受光器505は、後述するクラブユニット700に設けられた第二照射器705からのガイド用レーザ光(ガイド用サブレーザ光)を受光(検出)するための受光素子(センシングデバイス)である。
【0094】
そのほか、ピンユニット500には、アンプ,スピーカ及びマイクを含む音響装置506や、照明装置507、電力を供給するための電源(図示省略)レーザ照射器などの付加的装置や、第一カメラ502の撮影に関する各種調整(例えば、ピント合わせや、明るさ調整、撮影対象の追跡、撮影方向の切り替えなど)を自動的に操作するための自動操作機構がピンユニット500に対して着脱可能又はピンユニット500と一体的に設けられていてよい。また、センサ508として、例えば速度センサ,加速度センサ,ジャイロセンサ,磁気センサ,生体認証センサ,気圧センサ(圧力センサ),温度センサ,マイクロフォン(音圧センサ),方位センサ,近接センサ,輝度センサ(環境光センサ)、人感センサ,風力計,風向計,赤外線センサ,赤外線カメラ,積雪計(レーザ―反射やカメラで撮像された画像に基づく積雪計など)等が設けられていてもよい。
すなわち、ピンPは周囲の映像を自動的に撮影したり、音声を出力したり、「Alexa(登録商標)」,「OK Google(登録商標)」,「Hey Siri(登録商標)」といった所定の音声入力を契機として所定の機能を実施したり、発光したり、ボールBを個別に識別したりする多機能を有した「AIピン」として構成することができる。ピンユニット500のカメラ502を用いてカップCに落下したボールBを識別する場合、上記のようにカップユニット250(カップC)に付設した光源(照明手段,図25の照明装置257)や、ピンユニット500の照明装置507によりカップC内を明るくするとよい。これにより、第一カメラ502や、カップユニット250のカメラ255を利用してカップC内に落下したボールBを識別する場合に識別性を向上することができる。
また、例えば、視界不良時や夜間のゴルフ練習(ナイトゴルフ)において、ピンPの識別性を高めるためにピンユニット500に付設された発光機能(照明装置507)を利用する(いわば、ピンPに灯台機能を設ける)ことができる。ピンPに付設された照明装置507による照明は、例えばピンP周囲に対する照明、イルミネーション、ネオン、ライト、スポットライト、回転スポットライト、ミラーボール、LED照明等を提供するものである。ピンPに付設された照明装置507は、例えば、ピンユニット500のセンサ508に含まれた人感センサがピンPに接近した人物を検知したときに点灯する。かかる点灯機能はオンオフ切り替えできる。
【0095】
<クラブユニット>
クラブユニット700はゴルフクラブ1に付設されており、ゴルフクラブ1周囲のモニタ情報を制御ユニット350に提供するために設けられた機構である。
クラブユニット700には、第三制御装置(図では「制御装置」)701と、第二カメラ(第二撮影手段,図では「カメラ」)702と、第三通信装置(第三送信装置,図では「通信装置」)703と、第二センサ(第二検出手段、図では「センサ」)704と、第二照射器(図では「レーザー」)705と、ディスプレイ装置(図では「ディスプレイ」)706と、音響装置707と、第一受光器(図では「受光器」)708と、照明装置709と、打撃振動/打撃音センサ(図では「センサ♯2」)710が含まれている。
【0096】
第三制御装置701は、クラブユニット700を制御するプロセッサや記憶装置等を含んで構成された電気的制御装置である。
第三制御装置701には、各要素702~710がデータ授受可能に接続されている。
第二カメラ702は、クラブ1の周囲の映像(第二映像データ)を撮影するために設けられたイメージセンサである。本実施形態において第二カメラ702は、少なくともクラブ1のヘッドから前方に向かって映像を撮影する撮影手段である。
【0097】
第二センサ704は、ゴルフボールの打撃に関する打撃情報をモニタ情報の一つとして検出するための検出手段である。第二センサ704は、例えば、打撃面でゴルフボールを打撃した際の衝撃データを検出する打撃センサと、ゴルフボールを打撃する際のヘッドの角度を検出する角度センサとであり、ヘッド3〔図1(A)など〕に内蔵される。
打撃振動/打撃音センサ710は、ゴルフクラブ1に設けられた振動板部材200(第一打撃振動/打撃音強調機構、第二打撃振動/打撃音強調機構又は第三打撃振動/打撃音強調機構)に付設されており、振動板部材200で強調された打撃振動/打撃音に関する打撃振動/打撃音情報をモニタ情報の一つとして検出するための検出手段である。上記のように、振動板部材200とは、ゴルフボールを打撃した時に生じた打撃振動を強調するものであり、シャフト5及びグリップ6を通じて使用者の掌へ伝達される振動や、使用者に聞こえる打音(すなわち、打撃振動に応じた打撃音)を強調(増強)することができる。
打撃振動/打撃音センサ710は、例えばゴルフボールを打撃した時に振動板部材200に生じた(振動板部材200で強調された)打撃振動を検出する振動センサで構成される。あるいは、打撃振動/打撃音センサ710は、例えばゴルフボールを打撃した時に振動板部材200に生じた(振動板部材200で強調された)打撃音を検出するピックアップで構成される。もしくは、打撃振動/打撃音センサ710は、振動センサとピックアップとの組み合わせで構成されてもよい。打撃振動/打撃音センサ710は、例えば振動板部材200に内蔵されたり、振動板部材200の近傍に配設されたりし得る。なお、打撃振動/打撃音センサ710は、ヘッド3や,ホーゼル4,シャフト5,グリップ6に内蔵されていてもよい。
第二照射器705は、ゴルフクラブ1のヘッドから前方へ向かってガイド用のレーザ光を照射する光源である。レーザ光の軌跡は、ボールBの軌道を示すガイド線として機能する。ここで、ボールBの軌道とは、ヘッドの打撃面に対し略直交し、かつ、打撃面から前方へ向かって直線的に延びる軌道である。
ディスプレイ装置706は視覚的情報を表示する表示器である。ディスプレイ装置706の一例は、LCDである。音響装置707は、アンプ及びスピーカ,マイクを含み音響信号を再生したり、音声を入力したり音入出力装置である。
第一受光器708は、ピンユニット500に設けられた第一照射器504からのガイド用レーザ光を受光(検出)するための受光素子(センシングデバイス)である。
【0098】
第三通信装置703は、制御ユニット350(外部)と無線通信ネットワークを介して接続された無線通信装置である。第三通信装置703を介して第二カメラ702で撮影した映像データや、第二センサ704の検出信号を制御ユニット350(外部)へ送信したり、外部から情報を受信したりできる。
【0099】
そのほか、クラブユニット700には、照明装置709や、図示省略したが、電力を供給するための電源、第二カメラ702の撮影に関する各種調整(例えば、ピント合わせや、明るさ調整、撮影対象の追跡、撮影方向の切り替えなど)を自動的に操作するための自動操作機構がクラブユニット700に対して着脱可能又はクラブユニット700と一体的に設けられている。また、センサとして、例えば速度センサ,加速度センサ,ジャイロセンサ,磁気センサ,生体認証センサ,気圧センサ(圧力センサ),温度センサ,マイクロフォン(音圧センサ),方位センサ,近接センサ,輝度センサ(環境光センサ)、人感センサ,風力計,風向計,赤外線センサ,赤外線カメラ,積雪計(レーザ―反射やカメラで撮像された画像に基づく積雪計など)等が設けられていてもよい。
すなわち、ゴルフクラブ1は周囲の映像を自動的に撮影したり、打撃情報を検出したり、レーザ光を照射したり、音声を出力したり、音声によるコマンド入力により動作したり、発光したりする多機能を有した「AIクラブ」として構成することができる。ゴルフクラブ1に付設された照明装置709による照明は、例えばゴルフクラブ1の周囲に対する照明、イルミネーション、ネオン、ライト、スポットライト、回転スポットライト、ミラーボール、LED照明等を提供するものである。ゴルフクラブ1に付設された照明装置709は、例えば、ゴルフクラブ1に搭載された人感センサがゴルフクラブ1に接近した人物を検知したときに点灯する。かかる点灯機能はオンオフ切り替えできる。
【0100】
<撮影ユニット>
撮影ユニット600は、ゴルフ練習機の打撃エリアT2に付設されており、打撃エリアT2に立ったユーザとユーザの周囲との映像を撮影して、映像データをモニタ情報として制御ユニット350や、端末装置400を含むシステムS内の機器に提供するために設けられた機構である。
図37の撮影ユニット600には、複数のカメラ602が含まれている。具体的に言えば、複数のカメラ602には、打撃エリアT2の左右両側に設けられた左カメラ602L(第三撮影手段の一つ),右カメラ602R(第三撮影手段の一つ)と、打撃エリアT2の後方に設けられた後カメラ602B(第三撮影手段の一つ)と、ユーザの頭部に装着されるヘッドマウント式の頭部カメラ602H(第四撮影手段)と、が含まれている。
【0101】
左右カメラ602L,602Rと後カメラ602Bとは、ユーザを左右両側及び後方から映像(第三映像データ)を撮影する撮影手段である。頭部カメラ602Hは、ゴルフ練習中のユーザの視線の向かう先の映像(第四映像データ)を撮影する撮影手段である。撮影ユニット600で撮影した映像データは、通信装置601(第五送信装置)を介して制御ユニット350や、端末装置400などのシステムS内の機器へ送信される。
撮影ユニット600は、図示しない制御装置を含んでおり、カメラ602の撮影に関する各種調整(例えば、ピント合わせや、明るさ調整、撮影対象の追跡、撮影方向の切り替えなど)が可能である。
【0102】
<制御ユニット>
制御ユニット350は、本システムSを統括管理するコンピュータである。制御ユニット350は、練習機Tの近傍又は練習機Tとは遠隔のシステム拠点など任意に場所に設置される。
制御ユニット350内には、制御装置351,受信装置(第一受信装置、図では「受信装置」)352及び第一送信装置(第四送信装置、図では「送信装置」)353、記憶装置354が含まれている。受信装置352及び送信装置353は無線通信ネットワークを介して外部とデータを授受するための装置である。
【0103】
制御ユニット350は、受信装置352を介して、システムS内の各ユニット250、500、600及び700が取得した各種映像データやセンサ検出データを、モニタ情報として受信する。
制御装置351は、上記のモニタ情報に基づき、所定のガイド情報を生成する装置であり、例えばガイド情報を生成するためのソフトウェアプログラムを実装したプロセッサである。ガイド情報とは、ユーザに上記のゴルフプレイに対するガイドを提供するための情報である。
【0104】
記憶装置354は各種データを記憶するためのストレージである。
記憶装置354には、受信したモニタ情報を一時的に保存する一時記憶装置のほか、或る期間にわたるモニタ情報の履歴がユーザ毎のID情報に対応付けて蓄積されたデータベースが設けられている。モニタ情報の履歴はいわゆる「ビッグデータ」として扱われるデータである。
【0105】
また、記憶装置354にはモニタ情報の他にも様々な情報が記憶される。記憶装置に記憶された他の情報として、本システムSが用いられているゴルフ練習機Tの勾配,芝目などに関する練習機情報、ユーザの年齢,性別,ゴルフ技能などに関する個人情報などが挙げられる。
制御装置351は、ガイド情報の生成に際して、受信したモニタ情報だけでなく、上記の履歴や、その他の情報が加味されてもよい。これにより、ガイド情報の生成の際に加味する情報の量や種類が増えるので、より質の高いガイドをユーザに提供し得る。
【0106】
送信装置353は、制御装置351で生成したガイド情報を端末装置400へ送信する。
また、送信装置353は、端末装置400に加えて又は端末装置400に替えて、カップユニット250、ピンユニット500、クラブユニット700及び撮影ユニット600の少なくとも一つ(つまりシステムS内の任意の装置)に、ガイド情報を送信してよい。
なお、制御装置351におけるガイド情報の生成処理をはじめとする制御ユニット350の各種機能は、クラウド環境(インターネット環境)上のコンピューティングサービスを利用したクラウドコンピューティングにより提供されてもよい。
【0107】
<端末装置>
端末装置400は、ユーザが携帯可能な携帯式情報端末装置である。端末装置400には、第四制御装置(図では「制御装置」)401と、表示器402(提示器、図37で「表示(提示)器」)と、第四通信装置(第二受信装置、図では「通信装置」)403と、入力装置404とが含まれている。
第四制御装置401は、端末装置400を統括制御するためのソフトウェアプログラムを実装したプロセッサや記憶装置等を含んで構成された電気的制御装置である。
第四通信装置403は、制御ユニット350(外部)と無線通信ネットワークを介して接続された無線通信装置である。第四通信装置403を介して制御ユニット350からガイド情報を受信したり、各種情報を外部へ送信したりできる。
【0108】
表示器402は、ユーザに対してガイド情報に基づくガイドを、動画像や静止画像などなんらかの視覚的イメージにより表示(提示)する提示器の一例である。表示器402の一例はLCDである。入力装置404は、例えばタッチパネルセンサやボタンスイッチ等である。
【0109】
表示器402以外の提示器の例としては、音響を出力する音響装置405や、発光する照明具(図示省略),振動(バイブレーション)を発生する振動発生機構(図示省略)などが挙げられる。
ガイドの提示器として音響装置が用いられる場合には、例えば、音楽,声,電子音,効果音その他なんらかの音によりゴルフプレイに対するガイドを提示する。ガイドの提示器として照明具が用いられる場合、光の点滅や、発光色の変更などによりガイドの表示や、支援コンテンツを提示する。振動発生機構の場合、振動によりゴルフプレイに対するガイドを提示する。
【0110】
そのほか、端末装置400には各種センサが内蔵されていてよい。センサの例としては、ジャイロセンサ,磁気センサ,GPS,生体認証センサ,レーダーセンサ,気圧センサ(圧力センサ),気温湿度センサ,マイクロフォン(音圧センサ),方位センサ,近接センサ,輝度センサ(環境光センサ),イメージセンサ(カメラ406),バイタルセンサ,脈拍センサ,体温センサ,水分量センサ,血圧センサ,距離センサ,傾斜センサ,地形センサ、人感センサ,風力計,風向計,赤外線センサ,赤外線カメラ,積雪計(レーザ―反射やカメラで撮像された画像に基づく積雪計など)等が挙げられる。
【0111】
端末装置400に用いるポータブルデバイスには、スマートフォン、タブレット端末などの携帯式情報端末装置や、ユーザが身に着けることが可能なウェアラブル端末などが含まれる。そのほか、端末装置400としては、レーザを用いてユーザから目標までの距離を計測するための周知のゴルフ距離計を用いてもよい。
ゴルフプレイとディスプレイ閲覧性との両立を図る観点から、端末装置400にはウェアラブル端末を用いることが好ましい。
【0112】
ウェアラブル端末の例として、スマートグラス,メガネ型ウェアラブルデバイス,スマートウォッチなどが挙げられる。
ウェアラブル端末の中でも、スマートグラス,メガネ型ウェアラブルデバイスなど頭部に装着するタイプのウェアラブル端末(ヘッドマウント式ウェアラブル端末)は、ゴルフプレイの手を止めることなくガイドの表示や、支援コンテンツの表示を見ることができる点で、より好ましい。
端末装置400としてヘッドマウント式ウェアラブル端末が適用された場合、撮影ユニット600のうち頭部カメラ602Hは、端末装置400として用いられたヘッドマウント式ウェアラブル端末に装備されたカメラ406で構成される。そのほか、端末装置400にはイヤホン、ヘッドホン、マイク等を含む音響装置(音声入出力装置)405が含まれていてもよい。
また、端末装置400は、上記の制御ユニット350の機能(システムSの統括管理機能、ガイド情報の生成及び提供機能等)を実行するためのアプリケーションプログラムを実行可能に搭載することができる。この場合、端末装置400は、上記の制御ユニット350と共に、または、上記の制御ユニット350に替わり、システムSの統括管理機能や、ガイド情報の生成及び提供機能等を担うことができる。
【0113】
[2.制御]
次に、本システムSにおいてガイドを提供する制御の具体例ついて説明する。
制御ユニット350において制御装置351は、カップユニット250のカメラ255と、ピンユニット500の第一カメラ502と、撮影ユニット600のカメラ602L,602R,602B,602Hと、クラブユニット700の第二カメラ702とから取得した映像データと、カップユニット250の第一センサ252からのカップイン情報と、クラブユニット700の第二センサ704に含まれる打撃センサからの打撃情報と角度センサからの角度データと、クラブユニット700の打撃振動/打撃音センサ710からの打撃振動/打撃音情報と、をモニタ情報として、常時受信している。
【0114】
制御装置351は、受信した映像データや、カップイン情報、打撃情報、角度データ、打撃振動/打撃音情報(モニタ情報)を記憶装置に記憶してビッグデータとして蓄積するとともに、これらのモニタ情報に基づき、ユーザのゴルフプレイに対するガイドを提供するためのガイド情報を生成する。
【0115】
<ガイドの提示>
まず、ゴルフプレイに対するガイド(指南)を提示する制御の一例について説明する。
制御装置351は、周知の画像解析技術を用いて取得した映像データを解析して、プレイ状況推定データを算出する。プレイ状況推定データは、現在のプレイ状況を映像から推定したデータである。推定データには、例えば、ユーザの現在位置や、スイング前のユーザの姿勢、ヘッドアップ分析、ヘッドアップチェック,ユーザの目線の位置、頭の位置、スタンス、ピンPまでの距離などが含まれる。プレイ状況推定データにより、制御ユニット350は、モニタ情報に基づくプレイ状況を把握(推定)できる。
【0116】
制御装置351は、算出したプレイ状況推定データと見本(模範プレイ)データとに基づいて、ガイド情報を生成する。ガイド情報は、現在のプレイ状況(ユーザの現在位置や、スイング前のユーザの姿勢、ヘッドアップ分析、ヘッドアップチェック,ユーザの目線の位置、頭の位置、スタンス、ピンPまでの距離など)に対して、より良い打撃を実現するためのアドバイス(ガイド)である。
具体的には、見本となるスイング軌道、見本となるフォーム、スイングリズム,ボールの打ち出し方向、立ち位置、足幅、正確なインパクト等のゴルフプレイのコツを絵柄,写真,動画,音声,リズム音あるいは文字列などで提示することである。そのほか、例えばプロゴルフプレイヤーなど、名人・名手のプレイフォームを模範プレイとして提示することもできる。
【0117】
記憶装置354には、ゴルフプレイのガイドの基準となる手本データと、ガイド情報を生成するための各種映像、画像、音声データなどを予め記憶しているものとする。手本データとしては、例えば、スイング前のユーザの姿勢、ユーザの目線の位置、頭の位置、スタンス、体の動かし方、ゴルフクラブの軌道などの手本が挙げられる。
【0118】
制御装置351は、生成したガイド情報を端末装置400へ送信する。端末装置400は、ガイド情報に基づくゴルフプレイのガイドコンテンツを、表示器402や音響装置405から出力する。ガイド情報の送信先は、端末装置400のほか、クラブユニット700のディスプレイ装置706,音響装置707や、その他ユニット250,500などであってよい。
【0119】
ガイドコンテンツは、ガイド映像及びガイド音声の少なくとも一方である。
ガイド映像としては、スイング時のユーザの目線の位置,頭の位置,姿勢,ヘッドアップ分析、ヘッドアップチェック,打撃フォーム,ゴルフクラブのストローク軌道や、ヘッドの角度,ボールの打ち出し角度,ヘッドのスピード,打撃の強弱,スイングのテンポ,グラブパス(軌道),パターフェースの向き(角度)などが挙げられる。
ガイド音声としては、ゴルフクラブのスイングリズムのガイドとなるメトロノーム音(音楽、声、その他のリズム音を含む)や、ゴルフプレイ上達へのアドバイス(音声コメント)など、が挙げられる。また、インターネット経由で、双方向的なオンラインゴルフレッスンサービスに接続されてもよい。
【0120】
ゴルフプレイのガイドとして、現状のプレイ状況から予測される結果を提示してもよい。現状のプレイ状況から予測される結果とは、例えば予想されるボールの軌跡、予想されるスイングの軌道、予想されるフォームなどである。
【0121】
制御装置351は、ガイド情報の生成にあたり、ビッグデータとして蓄積されたモニタ情報や、グリーンGの勾配,芝目などに関する練習場情報、ユーザの年齢,性別,体格、体質、身長、体重、ゴルフ技能などに関する個人情報等を加味することができる。種々の情報を加味することガイド情報によるゴルフプレイのガイドの精度を高めることができる。また、ユーザについてのゴルフプレイ情報の履歴をガイド情報に加味することで、ユーザの「癖」が反映されやすくなり、個別化されたゴルフプレイのガイドを提供できる。また、制御装置301は、収集及び蓄積された様々なデータを学習して、ガイド情報を自動生成する機能(生成AI)を有していてもよい。
【0122】
<レーザ光によるガイド>
本システムSでは、ピンユニット500の第一照射器504からレーザ光(ガイド用レーザ光)が打撃エリアT2へ向かって照射されている。一方、打撃エリアT2のユーザが用いるゴルフクラブ1のクラブユニット700には第一受光器708が設けられている。そのため、ユーザがピンユニット500に対し適切な位置に立つと、クラブユニット700の第一受光器708は第一照射器504からのレーザ光を受光する。第一受光器708がガイド用レーザ光を受光すると、システムS内の表示器はその旨を表示する。表示器の例としては、端末装置400の表示器402や、クラブユニット700のディスプレイ装置706が挙げられる。また、第一受光器708がガイド用レーザ光を受光すると、システムS内のスピーカからその旨を音声出力により報知してもよい。システムS内のスピーカとしては、端末装置400の音響装置405,カップCの音響装置256,ピンPの音響装置506,クラブユニット700の音響装置707等がある。
【0123】
また、クラブユニット700の第二照射器705からレーザ光(ガイド用サブレーザ光)が照射されている。この第二照射器705からレーザ光は、ユーザがピンPに対して適切な位置に立っている状態では、ピンP(ピンユニット500)へ向けて照射される。一方、ピンユニット500には第二受光器505が設けられている。そのため、ユーザがピンユニット500に対し適切な位置に立つと、ピンユニット500の第二受光器505は、クラブユニット700の第二照射器705からレーザ光を受光する。第二受光器505がガイド用サブレーザ光を受光すると、システムS内の表示器はその旨を表示する。表示器の例としては、端末装置400の表示器402や、クラブユニット700のディスプレイ装置706が挙げられる。また、第二受光器505がガイド用サブレーザ光を受光すると、システムS内のスピーカからその旨を音声出力により報知してもよい。システムS内のスピーカとしては、端末装置400の音響装置405,カップCの音響装置256,ピンPの音響装置506,クラブユニット700の音響装置707等がある。
【0124】
上記のように、第一受光器708がガイド用レーザ光を受光すると、システムS内の表示器はその旨を表示し、また、第二受光器505がガイド用サブレーザ光を受光すると、システムS内の表示器はその旨を表示する構成により、ユーザはピンユニット500に対し適切な位置に立ったことを表示により確認することができる。表示内容は、ユーザがピンユニット500に対し適切な位置に立っていることを知らせる内容であれば、どのようなものであってもよい。
第一受光器708からのレーザ光及び第二受光器505からのレーザ光のそれぞれの軌跡は、ボールBの軌道を示すガイド線として機能するので、ユーザはピンユニット500に対し適切な位置に立ったうえで、ボールBの打ち出し方向を把握することができる。よって、ユーザに対し、パッティング(ボールBの打撃)に関する視覚的ガイドを提供することができる。
【0125】
また、ピンユニット500の第一照射器504と、クラブユニット700の第二照射器705とを用いて、前方からのレーザ光と後方からのレーザ光とで双方向に、ガイド光を提示することが可能である。双方向的のガイド光により、より確実なガイドを提供し得る。
ピンユニット500の第一照射器504と、クラブユニット700の第二照射器705との照射角度は、上記のモニタ情報や映像データの解析結果に基づき自動調整することができる。これにより、レーザ光の向きを調整して、現状のプレイ状況を反映した正確なガイドが可能となる。
【0126】
<現状分析結果のフィードバック>
また、制御装置351は、映像データを解析した結果に基づいて、打撃が終わった後に、プレイ結果のフィードバックを提供することができる。
この場合、制御装置351は、映像データを解析した結果に基づいて、映像内でユーザが行ったスイングを特定して、特定したスイングを分析するとともに、打撃されたゴルフボールBを映像内で追跡して、ゴルフボールBの動きを分析する。ここで、スイングを分析・評価することには、ユーザのフォームを分析することと、ゴルフクラブ(ヘッド)の動きを分析することが含まれる。
【0127】
ユーザのフォームの分析項目の例としては、ユーザの目線の位置、頭の位置、姿勢,ヘッドアップ分析、ヘッドアップチェックが挙げられる。ゴルフクラブ(ヘッド)の動きに関する分析項目の例としては、ゴルフクラブのストローク軌道や、ヘッドの角度,ヘッドのスピード,打撃の強弱,パターフェースの角度,ボールの打ち出し角度,クラブパス(インパクト時のクラブヘッドのインアウト・アウトインの動き),スイングのテンポ,スイング流れ,クラブヘッドの流れなどが挙げられる。
【0128】
ゴルフボールBの動きの分析項目の例としては、ゴルフボールBの速度や、ゴルフボールBの打ち出し角度(打ち出し方向),ゴルフボールBの飛距離などが挙げられる。
制御装置351は、映像データの解析により、上記の各項目に関する分析結果データを算出し、算出した各種分析結果データを練習の支援情報として生成する。
支援情報として生成された分析結果データは、上記の各項目についてゴルフプレイの分析結果や評価を表示するための情報として用いられる。
【0129】
制御装置351は、支援情報として生成された分析結果データを、端末装置400に送信する。端末装置400の第四制御装置401は、受信した分析結果データ(支援情報)に基づいて、上記の各項目についてゴルフプレイの分析結果や評価を、練習の支援コンテンツとして表示器402に表示する。すなわち、ゴルフプレイ結果のフィードバックが提供される。かかるフィードバックはユーザのゴルフ技術向上に寄与する。また、自身のプレイが数値や映像として可視化されることは、ゴルフの楽しみを向上する事にも寄与する。
【0130】
表示器402に支援コンテンツとして表示されるゴルフプレイの分析結果の例を、以下に列挙する。すなわち、ゴルフボールBの速度、ゴルフボールBの打ち出し角度(打ち出し方向),ゴルフボールBの飛距離,ボールBの回転数,ボールBの回転方向,回転速度,球質,回転の質,スイング中のユーザのフォームを記録した動画,スイング中のユーザのフォームをハイスピード撮影で記録した連続写真,スイング時のユーザの目線の位置,頭の位置,姿勢,ヘッドアップ分析、ヘッドアップチェック,ゴルフクラブのストローク軌道や、測定されたヘッドの角度,測定されたヘッドのスピード,測定された打撃の強弱,スイングのテンポ,スイング流れ,クラブヘッドの流れなど、支援コンテンツの一例である。ゴルフクラブのストローク軌道には、いわゆるグラブパスが含まれる。ヘッドの角度には、パターフェースの向き(角度)が含まれる。
【0131】
ゴルフプレイ結果に対するフィードバックは、上記のような視覚的なフィードバックに限らず、音声情報(すなわち、聴覚的なフィードバック)により提供されてもよい。
聴覚的なフィードバックは具体的に言えば、ゴルフプレイの分析結果を音声により伝達することである。具体的に言えば、ユーザが行ったスイングに対して「ナイスショット」,「ぶれています」,「ひっかかっています」,「開いています」,「n(nは任意の数字)度ぶれています」,「n(nは任意の数字)度ひっかかっています」,「n(nは任意の数字)度開いています」などの音声を出力することが挙げられる。これらの音声と上記の視覚的なフィードバックとを組み合わせて提供できる。
【0132】
この場合、制御ユニット350の記憶装置354には、聴覚的なフィードバックに用いる様々な音声データ(オーディオデータ)を蓄積したデータベースが設けられている。
制御装置351は、算出した各種分析結果データに基づき、データベースからユーザに提供すべき音声データを抽出し、この音声データを含む練習の支援情報を生成する。
端末装置400では、送信された音声データに基づく音声が出力される。音声の出力には、例えばヘッドホンやイヤホンを用いることができる。なお、音声の出力は、端末装置400に限らずシステムS内の任意の機器の音響装置が実施してもよい。
【0133】
<バナー広告>
制御装置351は、上記のガイド情報の提供や、ゴルフプレイ結果に対するフィードバックの提供に付随して、バナー広告表示情報を生成し、当該ユーザの端末装置400に送信してもよい。
【0134】
バナー広告表示情報は、バナー広告映像(画面内の一部に表示される小広告)を表示するための情報である。この場合、端末装置400では、ガイド情報の提供や、ゴルフプレイ結果に対するフィードバックの提供に付随してバナー広告が表示される。
バナー広告は、端末装置400のほか、システムS内の任意のディスプレイ装置に表示されてもよい。
制御装置351は、バナー広告表示情報に替えて、または、バナー広告表示情報に加えて広告音声出力情報を生成して、当該ユーザの端末装置400に送信してもよい。この場合、端末装置400では、ゴルフプレイ結果に対するフィードバックに付随して、広告音声が出力される。
出力される映像や音声の内容は、広告に限らず任意の映像又は音声(例えばASMRなど)であってもよい。
【0135】
そのほか、本システムSで制御ユニット350から端末装置400や、その他デバイス250、500、700へ提供されるコンテンツは、上記に限定されない。
例えば、「景品贈呈」の案内音声や案内映像、広告映像や、広告音声,商店やウェブサイトなどにおけるポイント付与,マイル、マイレージ、ステイマイレージ、割引チケット、サービス券、音楽,支援音声,照明演出などが提供されてよい。
【0136】
この場合、制御ユニット350の記憶装置354には、広告映像や、広告音声,商店やウェブサイトなどにおけるポイント付与,音楽,支援音声,照明演出などに関する情報(広告映像信号を含む)を多数蓄積したデータベースが設けられている。制御ユニット350は、例えばカップインに応じて、広告映像や、広告音声,商店やウェブサイトなどにおけるポイント付与,マイル、マイレージ、ステイマイレージ、割引チケット、サービス券、音楽,支援音声,照明演出などに関する情報をデータベースから抽出して、端末装置400へ送信する。なお、支援音声は、ゴルフ中の楽しみを高める音声であり、具体的に言えば、ギャラリーの歓声、声援,拍手などが挙げられる。照明演出は、システムS内の光源装置の点灯・消灯、色彩、明るさ等を制御してユーザのゴルフ中の楽しみを高める演出である。照明は、イルミネーション、ネオン、ライト、スポットライト、回転スポットライト、ミラーボール、LED照明等を提供するものである。照明演出には、音楽の再生が伴われていてよい。ユーザは、ディスコ、グラブミュージック、クラシック音楽、歌謡曲、演歌等、所望の音楽のジャンルや所望の楽曲を選択できる。照明演出では、選択された音楽ジャンルに応じて光源装置の制御を変化させるとよい。
【0137】
バナー広告映像,広告音声,音楽等を提供するタイミングはカップインのときに限らない。練習機Tで練習中の任意のタイミングで、広告映像,広告音声,音楽,ラジオ放送,映画などを提供できる。上記の「音楽」の提供には、ユーザが自身で作成した所望の音楽のジャンルや所望の楽曲に関するプレイリストに基づいて音楽を再生することや、DJ(ディスクジョッキー)により選曲された音楽を再生することが含まれる。DJの選曲に関し、ユーザが所望の楽曲をリクエストできてもよい。また、提供される音楽はいわゆる「カラオケ」であってもよい。この場合、ユーザはカラオケ演奏に合わせて歌うことができる。
ユーザは、広告映像,広告音声,音楽,ラジオ放送,映画、テレビ、動画配信サービスなどの音声や映像の再生を、任意にオンオフ切り替えることができる。すなわち、上述した様々なコンテンツが提供されるか否かは、例えば端末装置400からユーザが個別に選択できる。
【0138】
そのほか、取得したモニタ情報に連動した対戦ゲーム機能,パターゲーム、アプローチゲームなどが端末装置400で提供されてよい。
ユーザの端末装置400が、スマートグラス,メガネ型ウェアラブルデバイスなど頭部に装着するタイプのウェアラブル端末(ヘッドマウント式ウェアラブル端末)である場合、上述した様々なガイドの表示や、支援コンテンツによる映像は、現実世界に重ね合わせて、端末装置400の表示器402上に表示される。このようにAR(Augmented Reality/拡張現実)、VR(Virtual Reality/仮想現実)、あるいは、MR(Mixed Reality/複合現実)としてガイドの表示や、支援コンテンツを提供することで、ユーザのゴルフプレイの楽しみをより高めることができる。
【0139】
ユーザの端末装置400が、スマートグラス,メガネ型ウェアラブルデバイスなど頭部に装着するタイプのウェアラブル端末(ヘッドマウント式ウェアラブル端末)である場合、ゴルフプレイ中やコース間を移動中に、端末装置400の表示器402を用いて、広告映像,広告音声,音楽,ラジオ放送,映画などの音声や映像の再生や、ウェブサイト閲覧、様々なファイルドキュメントの閲覧などが可能である。すなわち、ゴルフプレイをしながら、ゴルフとは別の聴覚的・視覚的体験や聴覚的・視覚的作業を、行うことができる。
ユーザは、端末装置400から、上述した様々なガイドの表示や、支援コンテンツを適宜選択して、所望の組み合わせで支援コンテンツの提供を受けることができる。
【0140】
また、映像データの解析結果や、生成された支援情報はビッグデータとして制御装置351(制御ユニット350)の記憶装置に蓄積されてよい。制御ユニット350に映像データの解析結果や、生成された支援情報等をビッグデータとして保存することで、ゴルフプレイ情報を集積したデータプレットフォームを提供することができる。ビッグデータは、複数のゴルフ練習機で相互に利活用可能である。
【0141】
図37に示すゴルフ練習システムSにおいて打撃エリアT2には、ユーザ用のディスプレイ(モニタ)1Mが配設されている。このモニタ1Mは、様々な情報を表示するための表示器の一例であり、ユーザの近傍に設置される。モニタ1Mには、制御装置901,表示装置902,通信装置903,入力装置904,音響装置905,カメラ906,センサ907,照明装置908等が設けられている。センサとして、例えば速度センサ,加速度センサ,ジャイロセンサ,磁気センサ,生体認証センサ,気圧センサ(圧力センサ),温度センサ,マイクロフォン(音圧センサ),方位センサ,近接センサ,輝度センサ(環境光センサ)、人感センサ,風力計,風向計,赤外線センサ,赤外線カメラ,積雪計(レーザ―反射やカメラで撮像された画像に基づく積雪計など)等が設けられていてもよい。すなわち、モニタ1Mは、練習システムS内の機器の一つとして機能するものであり、システムS内の他の機器と連携したり、ユーザに向けて各種情報を表示したり、音声を出力したり、「Alexa(登録商標)」,「OK Google(登録商標)」,「Hey Siri(登録商標)」といった所定の音声入力を契機として所定の機能を実施したり、発光したりする多機能を有したAIデバイスとして構成することができる。
【0142】
モニタ1Mには、上述した様々なガイドの表示や、支援コンテンツ、ユーザのフォームを撮影した動画像、静止画像などや、天候,時事ニュース,ユーザのスコア,順位などが表示され得る。モニタ1Mにより、ユーザはシステムSで提供された視覚的情報を簡単に確認できる。そのほか、モニタ1MはシステムS内の他の機器と連携してゴルフ練習システムS内の一要素として機能する。例えば、ユーザは、モニタ1Mを用いて、インターネット経由で、双方向的なオンラインゴルフレッスンサービスに接続してもよい。
【0143】
また、ゴルフ練習システムS内の任意の場所(例えばカップエリアT1の後方)に、電光掲示板800(表示器)が設置されていてもよい。電光掲示板800は、ゴルフ練習システムS内で様々な情報を表示するための表示器の一例であり、視認性確保の観点から例えば大型ディスプレイ装置であることが好ましい。ただし電光掲示板800のサイズは特に限定されるものではない。電光掲示板800は、例えば、制御装置801,表示器802,通信装置803,入力装置804,音響装置805,カメラ806,センサ807,照明装置808等の付設機構を備えた情報端末装置として構成されてよく、システムSを構成する装置の1つとして機能することができる。
【0144】
センサ807として、例えば速度センサ,加速度センサ,ジャイロセンサ,磁気センサ,生体認証センサ,気圧センサ(圧力センサ),温度センサ,マイクロフォン(音圧センサ),方位センサ,近接センサ,輝度センサ(環境光センサ)、人感センサ,風力計,風向計,赤外線センサ,赤外線カメラ,積雪計(レーザ―反射やカメラで撮像された画像に基づく積雪計など)等が設けられていてもよい。すなわち、電光掲示板800は、練習システムS内の機器の一つとして機能するものであり、練習システムS内の他の機器と連携したり、ユーザに向けて各種情報を表示したり、音声を出力したり、「Alexa(登録商標)」,「OK Google(登録商標)」,「Hey Siri(登録商標)」といった所定の音声入力を契機として所定の機能を実施したり、発光したりする多機能を有したAIデバイスとして構成することができる。
【0145】
電光掲示板800における各種情報の表示は例えば制御ユニット350により制御される。電光掲示板800は、制御ユニット350に限らず、システムS内のカップユニット250,制御ユニット350,端末装置400,ピンユニット500,撮影ユニット600,クラブユニット700の何れにより制御されてもよい。電光掲示板800には、上述した様々なガイドの表示や、支援コンテンツが表示され得る。上述したガイドやコンテンツのほか、天候,時事ニュース,ユーザのスコア,順位など、どのような情報が電光掲示板800に表示されてもよい。また、電光掲示板800に替えて、又は、加えて、プロジェクターが設けられていてもよい。プロジェクターによりプロジェクションマッピングによる映像をシステムS内に投影できる。
【0146】
ゴルフ練習システムS内に配備されたカメラはいずれも3Dカメラにより構成されていてもよい。
また、ゴルフ練習システムS内の各機器が、それぞれの電力状況(例えばバッテリー残量など)や稼働状況(計器)を共有するように構成されていてもよい。
また、撮影ユニット600が打撃エリアT2に立ったユーザを取り囲むように配置されているため、撮影ユニット600によりユーザの全身(全周)画像を撮影可能である。かかる画像情報を利用して、ゴルフウェアやゴルフキャップ、ゴルフシューズ,ゴルフクラブなど衣料,衣服,装飾品,道具などをカスタムメイドする際の採寸データを取得することができる。また、かかる画像情報を利用して、ユーザがインターネット上のSNS等で用いるアイコン,アバター,キャラクタ(二次元キャラクタ,三次元キャラクタ)を作成することもできる。作成されたアバターは、例えばメタバースのようなコンピュータ上に構築された三次元の仮想空間で利用することができる。
【0147】
[3.作用効果]
本実施形態のゴルフ練習システムSによれば、上述した構成を備えているので、以下に述べる作用効果を奏する。
【0148】
(1)本システムSによれば、カップユニット250の第一センサ252のカップイン情報と、ピンユニット500の第一カメラ502でピンPから打撃エリアT2(後方)へ向かって撮影した映像データと、クラブユニット700の第二カメラ702でヘッドから前方に向かって撮影した映像データと、クラブユニット700の第二センサ704で検出した打撃データ及びヘッドの角度データと、クラブユニット700の打撃振動/打撃音センサで検出した打撃振動/打撃音情報との少なくとも一つをモニタ情報として取得する。制御ユニット350は、モニタ情報に基づき現状のプレイ状況を把握し、プレイ状況に応じてユーザのゴルフプレイに対するガイドを提供するためのガイド情報を生成する。端末装置400では、ユーザが打撃を行う前に事前に(予め)、ガイド情報に応じたガイドをユーザに提供する。
練習機Tの前方(カップC側)と後方(打撃エリアT2側)とに配置された複数のモニタ情報源(カップユニット250、ピンユニット500、クラブユニット700)から得たモニタ情報に基づくガイドが提供される。モニタ情報の種類は、映像データ、打撃情報、振動情報、カップイン情報を含む複数種類である。そのため、多数の要素を加味した精度の高いガイドが提供される。よって、練習効果を高めることができる。
ここで、モニタ情報に振動板部材200で生じた(強調された)打撃振動/打撃音に関する打撃振動/打撃音情報が含まれているので、打撃振動/打撃音情報に基づくガイドを提供することが可能となる。例えば、打撃振動/打撃音情報と打撃情報(他のモニタ情報)との相関性(例えば打撃振動や打撃音と打撃良否の関係性など)を分析して分析結果を提示したり、その分析結果を蓄積して、ユーザにフィードバックしたりできる。また、打撃振動/打撃音情報を数値やグラフ等で可視化(見える化)したり、打撃振動/打撃音情報をビッグデータとして蓄積したりすることもできる。
また、ピンユニット500の第一照射器504と、クラブユニット700の第二照射器705とを用いて、前方からのレーザ光と後方からのレーザ光とで双方向に、ガイド光を提示することが可能である。そのため、ゴルフクラブから一方向にガイド光を照射する構造に比較して、正確なガイドが可能となる。
【0149】
図38(A),(B)はゴルフクラブ1を側面から見た図である。
図38(A)に示すゴルフクラブ1には、ヘッド3とホーゼル4との両方に亘り振動板部材200が設けられている。ホーゼル4は、二カ所の屈曲部を有しておりヘッド3側の下端部よりもシャフト5側の上端部が前方に位置する屈曲形状をなす。ここで、振動板部材200は、ヘッド3の打撃面2と、ホーゼル4の前側を向いた面とに亘り貼り付けられている。すなわち、振動板部材200は、ゴルフクラブ1に対して後付け可能であり、また、ゴルフクラブ1に対する着脱可能である。図38(C)に示すゴルフクラブ1は、図38(A)のゴルフクラブ1の斜視図であり、ゴルフクラブ1と振動板部材200とを分解して示している。
図38(A)に示すゴルフクラブ1に限らず、いずれのゴルフクラブ1においても、振動板部材200の厚さを適宜設定可能であり、肉厚化してもよく、薄板化してもよい。また、ゴルフクラブ1に対して、振動板部材200とバランス部材(ウエイト)とを設けてもよい。また、振動板部材200の重量によりゴルフクラブ1のバランスが調節されてもよい。この場合、振動板部材200はバランス調整機能(ウエイト)を兼ねる。
【0150】
図38(B)に示すゴルフクラブ1において、ヘッド3は、打撃面2の位置する側の厚みが薄く形成されている。このように、打撃面2の位置する側の厚みが薄く形成されたことで、ヘッド3の打撃面2自体がゴルフボールの打撃時に生じる打撃振動や、打音を強調するための機能を発揮する。すなわち、ヘッド3の打撃面2が振動板部材として機能する。この場合も、既存のゴルフクラブと比較して、打感及び打音を改善することができる。なお、図38(B)に示すゴルフクラブ1において、ヘッド3にウエイトを付設してバランスを調節してもよい。
また、図38(D)に示すゴルフクラブ1は、図38(C)に示すゴルフクラブ1の変形例を示す分解斜視図である。図38(D)に示すゴルフクラブ1では、ホーゼル4が直線状に延設されている点が図38(C)に示すゴルフクラブ1とは異なり、その他は共通に構成されている。
【0151】
図39(A)に示すゴルフクラブ1では、振動板部材200(第四打撃振動/打撃音強調機構)がヘッド3、ホーゼル4及びシャフト5に亘って設けられている。ホーゼル4は、二カ所の屈曲部を有しておりヘッド3側の下端部よりもシャフト5側の上端部が前方に位置する屈曲形状をなす。
図39(B)に示すゴルフクラブ1は、ホーゼル4を有しておらず、シャフト5が二カ所の屈曲部を有しヘッド3側の下端部よりも上側が前方に位置する屈曲形状をなす。この図39(B)に示すゴルフクラブ1では、振動板部材200がヘッド3及びシャフト5に亘って設けられている。
【0152】
図39(C)に示すゴルフクラブ1は、ホーゼル4が直線状をなすストレートネックタイプである点を除き、図39(A)に示すゴルフクラブ1と共通の構成である。振動板部材200はヘッド3、ホーゼル4及びシャフト5に亘って設けられている。
図39(D)に示すゴルフクラブ1は、シャフト5が直線状をなすストレートネックタイプである点を除き、図39(B)に示すゴルフクラブ1と共通の構成である。振動板部材200はヘッド3及びシャフト5に亘って設けられている。
図39(A)~(D)に示すゴルフクラブ1によれば、振動板部材200がヘッド3、ホーゼル4及びシャフト5、又は、ヘッド3及びシャフト5に亘って設けられているので、ゴルフボールの打撃により生じた振動がグリップ6に伝達されやすくなる。なお、図39(A)~(D)ではゴルフクラブ1と振動板部材200とを分解して示している。
【0153】
図40(A)に示すゴルフクラブ1には、ヘッド3とホーゼル4との両方に亘り振動板部材200が設けられている。振動板部材200には、ヘッド3の打撃面2に貼り付けられた第一面部200Hと、第一面部200Hから上方へ延出した第二面部200Jとが含まれている。振動板部材200のうち第二面部200Jは、ホーゼル4と一体をなす。ホーゼル4は、二カ所の屈曲部を有しておりヘッド3側の下端部よりもシャフト5側の上端部が前方に位置する屈曲形状をなす。振動板部材200のうちヘッド3の打撃面2に貼り付けられた第一面部200Hは、いわゆるインサートとしても機能するものである。
図40(B)に示すゴルフクラブ1は、図40(A)に示すゴルフクラブ1に対し、第一面部200Hと第二面部200Jとが別部材で形成されている点が異なり、その他は共通である。
【0154】
図40(C)に示すゴルフクラブ1には、ヘッド3とホーゼル4との両方に亘り振動板部材200が設けられている。ここで、ホーゼル4は、二カ所の屈曲部を有しておりヘッド3側の下端部よりもシャフト5側の上端部が前方に位置する屈曲形状をなすとともに、ヘッド3の上面から立設された三角形状の薄板状部分4Tを有している。振動板部材200は、ヘッド3の打撃面2に貼り付けられた第一面部200Hと、ホーゼル4に設けられた第二面部200Fとが含まれている。この第二面部200Fは、ヘッド3とホーゼル4との間に設けられた三角形状の薄板からなるフィン状部位をなす。第二面部200F(フィン状部位)は、ホーゼル4の薄板状部分4Tに設けられている。フィン状の第二面部200Fは、ホーゼル4に一体的に設けられていてもよし、ホーゼル4に対して脱着自在(後付け可能)であってもよい。この場合、振動伝達部材200のうち第一面部200Hは、いわゆるインサートとしても機能するものである。振動伝達部材200のうち第二面部200Fは、いわゆるフィンとして機能するものである。なお、薄板状部分4Tの厚みを薄く設定して、薄板状部分4T自体がフィン状の第二面部200Fとして機能するようにしてもよい。また、図40(C)に破線で示すように、第二面部200F(フィン状部位)と薄板状部分4Tとの頂面に面状又は鎖状に照明部材4Eが配置されていてもよい。照明部材4Eは第二面部200F及び薄板状部分4Tの一方にだけ配置されていてもよい。
【0155】
図40(D)に示すゴルフクラブ1は、ホーゼル4にのみフィン状をなす振動板部材200F(200)が設けられている点が、図40(C)に示すゴルフクラブ1とは異なり、その他の構成は図40(C)に示すゴルフクラブ1と共通している。この振動板部材200Fは、ヘッド3とホーゼル4との間に設けられた三角形状の薄板からなるフィン状部位をなす。フィン状の振動板部材200Fは、ホーゼル4に一体的に設けられていてもよし、ホーゼル4に対して脱着自在(後付け可能)であってもよい。この場合、振動板部材200Fは、いわゆるフィンとして機能するものである。
なお、図40(A)~(D)において、ホーゼル4の形状(ネック形状)は、図示の一例に限定されるものでなく、ストレートネック、グーズネック(グースネック)、クランクネックなど周知の形状を自由に適用できる。
【0156】
図41(A)に示すゴルフクラブ1には、シャフト空洞部9及びグリップ空洞部10内に脱着ユニット70が着脱可能に取り付けられている。
脱着ユニット70には、本体部70Aと、本体部70Aの内部に中空に形成された中空部70Bとが設けられている。本体部70Aは、シャフト5の延在する方向(軸方向)に延在するとともに、シャフト空洞部9及びグリップ空洞部10の内周形状に沿う筒形状をなす部材である。
【0157】
脱着ユニット70の本体部70Aの形状は、シャフト空洞部9及びグリップ空洞部10内の内周形状に沿う筒状をなし、中空部70Bが内部に形成されていれば、任意の形状であってよい。一例として、本体部70Aは、図41(B)に示すように、シャフト5の軸方向に沿って延在する複数の縦梁70Vと、軸方向の横断面に沿う複数の横梁70Hとを組み合わせた骨組み構造をなす。各縦梁70Vは、上端部70Uと下端部70Dとの間に相互に離間して配設されている。各横梁70Hは、各縦梁70Vに対して垂直をなす姿勢で配設されている。各縦梁70Vと各横梁70Hとにより格子状の骨組み構造をなす。
【0158】
本体部70A(脱着ユニット70)は、シャフト5の強度を内周面側から補強する補強部材として機能する。本体部70A(脱着ユニット70)がシャフト5の強度を補強することで、シャフト5の周面(シャフト空洞部9を囲む周面)の板厚を薄くすることができる。これにより、シャフト5が振動を伝達させやすくなるので、グリップ6に伝達される振動を強めることができる。
図41(B)に示す本体部70A(脱着ユニット70)の変形例として、横梁70Hを省略して1又は複数の縦梁70Vで本体部70Aが構成されてもよい。
なお、本体部70Aの形状は、上記の骨組み構造に限らず、周囲が壁面で囲まれた筒状構造であってもよい。また、円筒状に限らず角筒状であってもよい。
【0159】
図41(A)、(B)に示す脱着ユニット70は、シャフト空洞部9及びグリップ空洞部10の内周形状に沿う筒状をなし、シャフト空洞部9及びグリップ空洞部10に対して挿抜されるカートリッジタイプといえる。この場合、ゴルフクラブ1は、脱着ユニット70を内蔵した二重構造と言える。
図41(C)は、脱着ユニット70の形状に関する変形例である。図41(C)に示す脱着ユニット70の形状は、上下両端が略半球状をなすカプセル型である。図41(D)に示す脱着ユニット70の形状は、カプセル型の変形例であって、下端(一端)が上端(他端)よりもとがった曲面状をなすカプセル型である。
【0160】
図41(A)~(D)に示す脱着ユニット70は、その下端部がホーゼル4に接触した状態で脱着可能に装着されてもよいし、ホーゼル4よりも上方へ離隔した状態でシャフト空洞部9及びグリップ空洞部10に内蔵されてもよい。
図41(A)~(D)に示す脱着ユニット70は、その上端部がグリップ空洞部10に内蔵されてもよいし、シャフト空洞部9に内蔵されてもよい。脱着ユニット70の上端部の位置は、グリップ空洞部10やシャフト空洞部9の上端部に位置していてもよいし、グリップ空洞部10やシャフト空洞部9の上端部よりも下方に離隔していてもよい。
【0161】
脱着ユニット70の外周面は、シャフト空洞部9及びグリップ空洞部10の内周面に接触していてもよいし、接触していなくてもよい。脱着ユニット70の外周面がシャフト空洞部9及びグリップ空洞部10の内周面に接触していない場合は、例えば脱着ユニット70の外周面に樹脂リングを設けて、シャフト空洞部9及びグリップ空洞部10の内周面との隙間を塞いでもよい。
脱着ユニット70には、ピックアップや、アンプ、スピーカ、マイクロフォン、アクチュエータ、通信装置、バッテリー、モータ等の各種電気機器72が内蔵されてもよい。例えば脱着ユニット70にセンサを設けた場合、シャフト5内の情報を検出することが可能である。具体的に言えば、脱着ユニット70に振動センサを設けた場合、シャフト5内の振動情報を検出することが可能である。これらシャフト5内の情報は、例えば上記のゴルフ練習システムで扱う情報の一つとすることができる。
振動板部材200が打撃に応じて音を発生しやすい構造、いわば打楽器タイプの構造を有していてもよい。この場合、振動板部材200には、スティールパン、銅鑼、太鼓、ドラム、シンバルなど様々な打楽器の構造を適用できる。
振動板部材200は、ゴルフクラブ1に後付けされてもよいし、ゴルフクラブ1に予め搭載されたもの(純正品)であってもよい。
なお、上記の各実施形態や変形例において、ホーゼル4やシャフト5の形状(ネック形状)は、上記に限定されるものでなく、ストレートネック、グーズネック(グースネック)、クランクネックなど周知の形状を自由に適用できる。
また、上記の各実施形態や変形例において、ゴルフクラブは、パターに限らず、アイアン、ドライバーなどどのような種類であってもよい。
【0162】
図42~45には、ヘッド3の打撃面2に設けられる面振動部材(インサート)に特徴を有するゴルフクラブ1を示す。図42に示すように、このゴルフクラブ1は、ヘッド3,シャフト5,グリップ6を備える。
ヘッド3の側面には、ゴルフボールを打撃する打撃面(フェイス)2が設けられている。打撃面2には、ゴルフボールとの衝突により面振動するとともにゴルフボールに反力を与える面状に形成された面振動部材15からなるインサートを備える。これにより、小さな力で効率よくボールに反力を与えて飛距離を伸ばすことができる。面振動により打感を改善できる。
【0163】
面振動部材15は、例えば図43に示すように、フレーム18の内側に紐19をネット状に編み込んでなるネット部材16を有するとともに、ネット部材16の全面を覆って打撃面2に貼り付けられる膜部材17を有する。このネット部材16は、例えばテニスラケット構造と同様の構造を有している。これにより、効率よくボールに反力を与えることができる。なお、ネット部材16,膜部材17の各々は、ヘッド3の打撃面2に対して個別に着脱自在であることが好ましい。
【0164】
ネット部材16を構成する紐19としては、天然繊維〔ガット(牛,羊の腸)〕,合成繊維(ナイロン繊維,ポリエステル繊維),弾性繊維(天然ゴム繊維,合成ゴム繊維)の少なくともいずれか一つを含み、膜部材17としては、金属板,樹脂板,ラバー膜及び皮革膜の少なくともいずれか一つを含む。これにより、既存の紐(テニス用ストリングやゴムベルトなど)を流用することで、安価にネット部材を実現できるとともに、既存の膜製品(太鼓膜や卓球ラケットのラバー膜など)を流用することで、安価に膜部材を実現できる。さらに、ネット部材16と膜部材17を一体に形成し、卓球用ラケットの打面構造と同様の構造にしたり、ネット部材16として太鼓の皮を枠材に張り渡したりすることもできる。また、インサートを金属製とすることも可能である。この場合、グレーチングの蓋のようにインサートを格子状に形成してもよい。また、面振動部材15(インサート)を構成するネット部材16は、繊維強化プラスチック(FRP)や極細樹脂繊維などの樹脂繊維を用いたネット状(網目状)のネット部材(網目部材)で形成されてもよい。繊維強化プラスチックや極細樹脂繊維を用いた網目部材の具体例として、繊維強化プラスチックからなる紐を平坦なネット状(網目状)に編み込んだ網目部材が挙げられる。別の具体例として、極細樹脂繊維を立体的に絡み合せた網目部材が挙げられる。網目部材を用いた面振動部材(インサート)を有するゴルフクラブ1では、ゴルフボールを打撃した際の振動が面振動部材で増幅されやすくなる傾向がある。よって、打感を改善できる
【0165】
なお、インサートの構造を銅鑼構造に類似するものにしてもよい。即ち、インサートの打撃面2を釣り構造にして、ゴルフボールがこの銅鑼構造の打撃面2に当たると、銅鑼のような音が出るようになる。
ネット部材16として太鼓の皮を枠材に張り渡したり、インサート打撃面2を銅鑼構造にした場合は、太鼓の皮の振動や銅鑼構造のインサートの振動を検出する振動センサーを例えばゴルフクラブのヘッド内又はインサートと一体若しくは近接した場所に設け、太鼓の皮の振動や銅鑼構造のインサートの振動を増幅して、スピーカでこの振動を音として出力することもできる。
【0166】
面振動部材15は、ヘッド3に対して着脱可能に設けられる。これにより、使用者の好みに応じて外したり取り付けたりできる。また、面振動部材15を既存のゴルフクラブに装着できる。また、上述のヘッド空洞部7と同様に、ヘッド3の内部を中空に形成してなるヘッド空洞部7を設けてもよい。例えば、図42図44に示すように、ヘッド本体部14の内部にヘッド空洞部7を形成し、その側面に開口部を設けてもよい。面振動部材15(ネット部材16,膜部材17)は、ヘッド本体部14の開口部を覆うように取り付けられる。これにより、面振動部材15の面振動をヘッド空洞部7の内部で反響させて打感を改善できる。
【0167】
また、ヘッド空洞部7の内部には、ヘッド内ワイヤ(補助振動伝達部材)30を取り付けてもよい。ヘッド内ワイヤ30は、ヘッド空洞部7の内部に張設されるとともに、接続ワイヤ40を介して面振動部材15に接続される。これにより、面振動部材15の面振動を、シャフト5及びグリップ6を通じて伝達するほか、振動ヘッド内ワイヤ30の振動として増幅させることもでき、打感を改善できる。
【0168】
また、図44に示すように、上述のシャフト空洞部9と同様に、シャフト5の内部を中空に形成してなるシャフト空洞部9を設けてもよい。このような構成により、面振動をシャフト空洞部9の内部にも反響させることができ、打感を改善できる。なお、図44に示すように、シャフト空洞部9の内部にシャフト内ワイヤ20Wを設けてもよい。シャフト内ワイヤ20Wは、シャフト空洞部9の内部に張設されるとともに、ヘッド内ワイヤ30に連結される。このような構成により、面振動部材15の面振動を、シャフト5及びグリップ6を通じて伝達するほか、シャフト内ワイヤ20Wの振動として増幅させることもでき、打感を改善できる。
【0169】
また、図45に示すように、グリップ6とヘッド内ワイヤ30とを連結するように、シャフト内ワイヤ20Wを張設してもよい。言い換えれば、シャフト内ワイヤ20Wの上端部をグリップ6の内側に固定して、面振動部材15の振動を、シャフト5及びグリップ6を通じて伝達するほか、シャフト内ワイヤ20Wグリップ6の振動として伝達するようにしてもよい。このような構成により、振動を効率よくグリップへと伝達でき、打感をさらに改善できる。
【0170】
ゴルフクラブのボール打撃に際し、インサートの打撃面2にゴルフボールが当たった場合に、打撃面2のスイートスポットに当たると、チャイムや銅鑼やブザーが電子音として鳴るようにしたり、音声でそれを知らせたり、スイートスポットに当たった場合とそうでない場合とで、チャイムや銅鑼やブザーの音色が異なるようにしたり、音声を変えたりしてもよい。この場合、スイートスポットにゴルフボールが当たったことを検出するセンサーを設け、又はスイートスポットから外れたことを検出するセンサーを設け、このセンサー(又はこれらのセンサー)からの検出情報に基づき、増幅器を介してスピーカで、チャイムや銅鑼の音やブザー音として出力したり、音声として出力する。
また、面振動部材15の振動を検出し、電気的に増幅して発音する機構が付設されてもよい。この機構の具体例として、面振動部材15が紐状の金属(磁性体)素材をネット状に編み込んだネット状に形成されており、面振動部材15に近接して配置されたピックアップコイルで面振動部材15の振動を電気信号に変換して、アンプで信号を増幅して発音する構造が挙げられる。
【0171】
また、図44に示すように、インサートの内面側の部分と、補助振動伝達部材(ヘッド内ワイヤ30)とを直接接続することもでき、このようにすれば、インサートでの振動が直接的にヘッド内ワイヤ30に伝達され、より伝達効率が向上し、打感の改善に寄与する。
勿論、上記の面振動部材15(インサート)をホーゼル付きゴルフクラブに適用することも可能である。例えば、ホーゼル付きゴルフクラブの打撃面のヘッドやホーゼルに、上記の面振動部材15を取り付けることもできる。
【0172】
図46(A)に示すように、ホーゼル付きゴルフクラブ1において、ヘッド3とホーゼル4との両方に亘り、面振動部材15を取り付けることができる。この面振動部材15は、ヘッド3の打撃面2からホーゼル4に亘り一体的に設けられるとともに、ゴルフボールとの衝突により面振動する面状の部材として構成される。この場合、面振動する領域を広く確保できるので、振動を強調しやすい。
図46(B)に示すように、ホーゼル付きゴルフクラブ1において、ヘッド3の打撃面2からホーゼル4及びシャフト5に亘り、面振動部材15が設けられていてもよい。この場合、面振動する領域をより広く確保できるので、振動をより一層強調しやすい。
図46(C)に示すように、ホーゼル付きゴルフクラブ1において、ヘッド3の打撃面2からホーゼル4とシャフト5とグリップ6とに亘り、面振動部材15が設けられていてもよい。この場合、面振動する領域をより広く確保できるとともに、使用者がグリップ6で面振動部材15に直接触れるので、振動をより一層強調しやすい。図46(A)~(C)のゴルフクラブ1において、上記の銅鑼構造を採用する場合、面振動部材15のうち、ヘッド3の打撃面2に設けられた部分が銅鑼構造(釣り構造)をなす。
なお、図46(A)~(C)ではゴルフクラブ1と面振動部材15とを分解して示している。図46(A)~(C)のゴルフクラブ1において、ホーゼル4の形状は図示した形状に限らず、ストレートネック、グーズネック(グースネック)、クランクネック、台形状、矩形状など周知の形状を自由に適用できる。
なお、図46(A)~(C)に示すゴルフクラブ1において、面振動部材15(インサート)は、繊維強化プラスチックや極細樹脂繊維などの樹脂繊維を用いたネット状(網目状)のネット部材(網目部材)で形成されてよい。繊維強化プラスチックや極細樹脂繊維などの樹脂繊維を用いた網目部材の具体例として、繊維強化プラスチックからなる紐を平坦なネット状(網目状)に編み込んだ網目部材が挙げられる。別の具体例として、極細樹脂繊維を立体的な網目状に絡み合せたマット体からなる網目部材が挙げられる。かかる樹脂繊維からなる網目部材を用いた面振動部材15は、振動を伝達しやすい傾向がある。よって、打感を改善できる。
【0173】
図47(A)に示すゴルフクラブ1は、ヘッド3、ホーゼル4及びシャフト5が骨組み体1Fで形成されたものである。骨組み体1Fは、ヘッド3、ホーゼル4及びシャフト5のそれぞれの輪郭をなす骨組み(枠組み、フレーム)部材からなる。かかる骨組み体1Fの前方を向いた面に対して、ヘッド3、ホーゼル4及びシャフト5に亘り設けられた振動板部材200が取り付けられている。なお、ヘッド3、ホーゼル4及びシャフト5の一部だけが骨組み体で形成されていてもよい。例えば、ヘッド3を除く、ホーゼル4及びシャフト5が骨組み体で形成されてもよい。なお、振動板部材200は、図示省略したグリップ6まで延設されてもよい。なお、図示の例では、二本の部材からなる骨組み体1Fがホーゼル4及びシャフト5をなす場合を例に挙げたが、ホーゼル4及びシャフト5をなす骨組み体1Fは一本の部材で構成されてもよいし二本以上の部材で構成されてもよい。
【0174】
図47(B)に示すゴルフクラブ1は、ホーゼル4及びシャフト5のそれぞれが帯状部材4G,5Gで形成されたものである。各帯状部材4G,5Gは、ゴルフクラブ1の軸方向に帯状に延びた板部材である。そして、ヘッド3、ホーゼル4(帯状部材4G)及びシャフト5(帯状部材5G)に亘り設けられた振動板部材200が取り付けられている。なお、ヘッド3、ホーゼル4又はシャフト5だけが帯状部材で形成されていてもよい。ホーゼル4及びシャフト5が帯状部材4G,5Gで形成されるので、振動を伝達しやすい。なお、振動板部材200は、図示省略したグリップ6まで延設されてもよい。
【0175】
図47(C)に示すゴルフクラブ1は、シャフト5のうち上側部分が他部よりも径の太い拡幅部をなす。この拡幅部はグリップ6として機能する。言い換えれば、図47(C)に示すゴルフクラブ1は、シャフト5とグリップ6が一体をなす構造である。このゴルフクラブ1に対して、ヘッド3、ホーゼル4、シャフト5及びグリップ6に亘り設けられた振動板部材200が取り付けられている。この振動板部材200では、グリップ6に対応する部位が他部よりも幅方向の寸法が大きい拡幅部をなす。
シャフト5とグリップ6が一体であることで、シャフト5とグリップ6が別体である構造に比べて、グリップ6に振動を伝達しやすい。また、シャフト5のうち上側部分が拡幅部をなすことでグリップ6に設ける握り手部材(ウレタンなど)の肉厚を薄くすることができる。そのため、使用者の手に振動が伝達されやすくなる。
【0176】
図47(C)に示すゴルフクラブ1は、シャフト5のうち上側部分が他部よりも径の太い拡幅部をなす。この拡幅部はグリップ6として機能する。言い換えれば、図47(C)に示すゴルフクラブ1は、シャフト5とグリップ6が一体をなす構造である。このゴルフクラブ1に対して、ヘッド3、ホーゼル4、シャフト5及びグリップ6に亘り設けられた振動板部材200が取り付けられている。この振動板部材200では、グリップ6に対応する部位が他部よりも幅方向の寸法が大きい拡幅部をなす。
【0177】
図47(D)に示すゴルフクラブ1は、図47(B)に示すゴルフクラブ1の変形例であり、帯状部材5Fからなるシャフト5のうち上側部分が他部よりも径の太い拡幅部をなす。この拡幅部はグリップ6として機能する。このゴルフクラブ1に対して、ヘッド3、ホーゼル4、シャフト5及びグリップ6に亘り設けられた振動板部材200が取り付けられている。この振動板部材200では、グリップ6に対応する部位が他部よりも幅方向の寸法が大きい拡幅部をなす。
なお、図47(A)~(D)の振動板部材200は平板な形状に描かれているが、これに限らず、ヘッド3、ホーゼル4、シャフト5、グリップ6(ゴルフクラブ1)の周囲を囲む筒状(円筒状、価格筒状)など、どのような形状であってもよい。また、上記図47(B),(D)の帯状部材4W,5Wは、平板状に限らず湾曲した半円筒や角筒状など筒型に形成されていてもよい。
【0178】
上記の各実施形態や変形例のゴルフクラブ1において、グリップ6の形状は、図示の形状に限定されず、どのような形状であってもよい。
また、ゴルフクラブ1において、シャフト5とグリップ6とが一体的に形成されていてもよい。この場合、図48(A)に示すように、シャフト5とグリップ6との径が同一に設定されてよい。また、図48(B)に示すゴルフクラブ1は、図48(A)に示すゴルフクラブ1と同様な、シャフト5とグリップ6との径が同一に設定されたものであって、グリップ6には、グリップ6の周囲を覆うグリップ部材6Gが設けられている。グリップ部材6Gは、ゴルフクラブ1の使用者が握る握り手部材である。
また、図48(C)に示すように、グリップ6の部分の径がシャフト5の径よりも大きく設定されてもよい。この場合、グリップ6が握りやすくなる。
【0179】
なお、グリップ部材6Gの素材には、使用者の手に柔らかくフィットする素材が用いられる。具体的には、ラバー(天然ゴム)やエストラマー(樹脂素材)のほか、繊維強化プラスチック(FRP)や、極細樹脂繊維、金属などが挙げられる。なお、図48(B)では、図48(A)と対比してグリップ部材6Gを明示したが、上述した各実施形態や変形例に係るゴルフクラブ1のグリップ6にはグリップ部材6Gが設けられ得る。
繊維強化プラスチック(FRP)や極細樹脂繊維などの樹脂繊維を用いたグリップ部材6Gとしては、繊維強化プラスチックや極細樹脂繊維などの樹脂繊維を用いたネット状(網目状)のネット部材(網目部材)を適用できる。繊維強化プラスチックや極細樹脂繊維を用いた網目部材の具体例として、繊維強化プラスチックからなる紐を平坦なネット状(網目状)に編み込んだ網目部材が挙げられる。別の具体例として、極細樹脂繊維を立体的に絡み合せた網目部材が挙げられる。なお、ネット部材(網目部材)の周囲に更にシート状のカバーを設けてもよい。網目部材を用いたグリップ部材6Gを有するゴルフクラブ1では、シャフト5からの振動がグリップ部材6Gを通じて使用者の手に伝達されやすい傾向がある。よって、打感を改善できる。
【0180】
また、グリップ6に用いる素材は、ラバー(天然ゴム)やエストラマー(樹脂素材)、繊維強化プラスチック(FRP)、極細樹脂繊維、金属などであってもよい。なお、これら素材は一例であって、グリップ6及びグリップ部材6Gに用いる素材はこれに限定されない。
ゴルフクラブ1の各部(ヘッド3、ホーゼル4、シャフト5、グリップ6)に用いる素材は、例えばステンレス,チタン,軟鉄,ブロンズ,アルミニウム,アルミニウム合金,アルミ、銅などの各種金属のほか、カーボン,プラスチック,ナノセルロース,カーボンナノファイバー,和紙,皮革,ポリアセタール、PET,ガラス、アルミファイバー、化学繊維、樹脂、ポリプロピレン、ナノセルロース、ポリエステルなど、どのような素材であってもよい。
【0181】
脱着ユニット70の内部に、シャフト5の強度を補強するための補強部材を内蔵してもよい。図48(D)に示す脱着ユニット70,71の内部には、トラス構造の補強部材73が内蔵されている。
シャフト5のシャフト空洞部9内に、脱着ユニット70,71に替えて、シャフト5の強度を補強するための補強部材を内蔵してもよい。図48(E)に示すシャフト5のシャフト空洞部9内には、トラス構造の補強部材74が内蔵されている。
さらに、シャフト5の厚み(肉厚)を薄くして、振動がシャフト5を通じてグリップ6を握る使用者の手に伝達されやすくなってもよい。この場合、シャフト5自体が振動伝達部材として機能するものと言える。また、シャフト5において、厚み(肉厚)の厚い部分と薄い部分とを設けることで、薄い部分で振動伝達性を確保するとともに厚い部分で強度を確保するようにしてもよい。
【0182】
なお、各実施形態や変形例に係るゴルフクラブ1において、ホーゼル4の軸方向の寸法(長さ)は限定されない。すなわち、ホーゼル4とシャフト5との比率は自由である。例えば、図49に示すゴルフクラブ1は、図1(C)のゴルフクラブ1等に比べて、シャフト5に対するホーゼル4の長さの比率が大きく設定されている。振動板部材200は、ヘッド3とホーゼル4とに亘り設けられている。この場合、振動板部材200の面積が広くなり、また、ヘッド3の上方へ離間した位置まで振動板部材200で振動を伝達できるので、使用者の手に伝わる振動を強調しやすい。
【0183】
なお、図39(A)~(D)に示すゴルフクラブ1の変形例として、振動板部材200がヘッド3、ホーゼル4、シャフト5及びグリップ6まで延設されてもよい。
そのほか、ゴルフクラブ1には、以下に列挙する各種機能が付設されていてもよい。各種機能には、画像システム、バイタルデータ検出機能、スマートフォン搭載機能、スマートフォン機能、通信機能、AI機能、スマートスピーカ機能、ディスプレイ機能、タッチパネル機能、発話機能(会話機能)、GPS機能、ビーコン機能などが含まれてよい。
【0184】
なお、ヘッド3の打撃面2に振動板部材200が設けられる場合、振動板部材200においてゴルフボールを打撃する面(フェース面、打撃面)に、ミーリング加工(溝加工)が施されていてもよい。
また、ヘッド3の打撃面2に振動板部材200が設けられる場合、振動板部材200の上側部分と下側部分とで厚みを変えることで、ロフト角度(クラブフェースの傾き度合い)を調節・変更することができる。
振動板部材200は塗料で塗装されていてもよく、コーティング加工されていてもよい。塗料は周知のどのような種類の塗料を用いてもよい。
【0185】
<振動センサ>
上述したゴルフクラブ1の変形例において、各種電気機器,センサ,制御装置(コントローラ),バッテリー等を内蔵してもよい。
図50は、変形例に係るゴルフクラブ1の斜視図である。ゴルフクラブ1には、図50に示すように、ホーゼル4から振動伝達部材20へ伝達される振動を検出する振動センサ95をホーゼル4に内蔵させてもよい。振動センサ95は、ホーゼル4の外表面に取り付けてもよいし、内蔵させてもよい。ホーゼル4の内部にホーゼル空洞部8が形成されている場合には、その内部に振動センサ95を配置してもよい。振動センサ95で振動を検出することで、振動発生源(打撃面2)の近傍における振動の大きさや波形を客観的に捉えることができ、打感をさらに改善できる。また、振動の大きさや波形を分析でき、その分析結果を活用することでゴルフの練習効果を高めることができる。振動センサ95で検出された情報は、例えば無線接続や有線接続により、図示しないコンピュータに伝達されるようにしてもよい。
【0186】
また、振動センサ95で検出された振動の情報に基づいて振動する振動装置96(アクチュエータ)をホーゼル4に内蔵させてもよい。ホーゼル4の内部にホーゼル空洞部8が形成されている場合には、その内部に振動装置96を配置してもよい。振動装置96は、例えば振動センサ95で検出された振動をそのまま増幅して出力するように機能させてもよい。振動装置96で振動を増幅することで、使用者に実際に伝わる振動を大きくすることができ、打感をさらに改善できる。
【0187】
また、振動センサ95で検出された振動の情報に基づいて音を発するスピーカ96Aをホーゼル4に内蔵させてもよい。ホーゼル4の内部にホーゼル空洞部8が形成されている場合には、その内部に増幅器を含むスピーカ96Aを配置してもよい。スピーカ96Aは、例えば振動センサ95で検出された振動をそのまま音として増幅して出力するように機能させてもよい。これにより、ゴルフクラブの1つの打撃面でゴルフボールを打ち出すと、そのときの振動が振動センサ95で検出されて、音としてスピーカ96Aから聴こえるようになる。このとき、中空のホーゼル4,シャフト5,グリップ6がスピーカボックスとしての機能を発揮し、振動に関する音を拡声して出力する。その結果、ゴルフクラブ1は一種の電子楽器として機能しうる。
【0188】
また、図23に示すように、グリップ6に他の振動装置97(アクチュエータ)及びスピーカ97Aを内蔵させてもよい。振動装置97及びスピーカ97Aは、例えはグリップ6内のグリップ空洞部10の内部に配置される。振動装置97及びスピーカ97Aは、上述した振動装置96及びスピーカ96Aと同様に、振動センサ95で検出された振動をそのまま増幅して出力するように機能したり、振動センサ95で検出された振動をそのまま音として増幅して出力するように機能したりする。
グリップ6内で振動を発生したり、音を出力することにより、使用者に実際に伝わる振動や音を更に大きくすることができ、打感をより一層改善できる。
【0189】
<送信機>
ゴルフクラブ1は、更に、振動センサ95で検出された情報を外部に送信するための送信機101を備えることができる。送信機101は、例えばホーゼル4に内蔵される。ホーゼル4の内部にホーゼル空洞部8が形成されている場合には、その内部に送信機101を配置してもよい。振動センサ95で検出された情報は、送信機101を介して、例えば無線接続や有線接続により図示しないコンピュータなど外部の装置に伝達され得る。
【0190】
<リズムボックス機能>
ゴルフクラブ1は、ゴルフボールの打ち出しの際に、リズムを知らせるリズムボックス機能および合成音声生成機能を有するコントローラ100を備えることができる。コントローラ100は、例えばホーゼル4に内蔵される。ホーゼル4の内部にホーゼル空洞部8が形成されている場合には、その内部にコントローラ100を配置してもよい。コントローラ100の出力側にはスピーカ96Aが接続される。このコントローラ100のリズムボックス機能および合成音声生成機能のいずれか一方の機能により、ゴルフボールの打ち出しの際に、コントローラ100で生成されたリズム音および合成音声のうちの一方を、スピーカ96Aから出力することができる。なお、コントローラ100のリズムボックス機能および合成音声生成機能のオンオフや、音量調整その他の各種操作は、図示しない指示器から入力され得る。指示器はゴルフクラブ1に内蔵されていてもよい。或いは、指示器は、無線接続により接続された外部の装置(例えばスマートフォン)により構成されてもよい。また、コントローラ100の各種機能が、無線接続により接続された外部の装置(例えばスマートフォン)により構成されてもよい。
【0191】
図51に示すゴルフクラブ1は、図50に示すゴルフクラブ1の変形例である。図23に示すゴルフクラブ1のホーゼル4に内蔵された振動センサ95,振動装置96,スピーカ96A,送信機101,コントローラ100は、シャフト5に内蔵されてもよい。
図51では、図50に示すゴルフクラブ1において、更に、振動センサ95′,振動装置96′,スピーカ96A′がシャフト5に内蔵された構成を例に挙げている。
これに限らず、振動センサ,振動装置,スピーカ,送信機,コントローラの全てがシャフト5に内蔵されてもよい。すなわち、振動センサ,振動装置,スピーカ,送信機,コントローラは、ホーゼル4とシャフト5の何れか一方にだけ内蔵されてもよいし、両方に内蔵させもよい。また、振動センサ,振動装置,スピーカ,送信機,コントローラの一部を、ホーゼル4及びシャフト5の一方に内蔵させて、一部以外の残りをホーゼル4及びシャフト5の他方に内蔵させる(分散する、組み合わせる)ようにしてもよい。
【0192】
さらに、図50及び図51に示す各ゴルフクラブ1において、液晶ディスプレイ102(表示器,電気式表示部材)が付設されてもよい(表示機能)。液晶ディスプレイ102は、例えば、ヘッド3の上側を向いた面に配設され、コントローラ100の出力側に接続される。この場合、液晶ディスプレイ102は、振動センサ95,95′で検出した振動データを数値やグラフ等にして表示することができる。また、液晶ディスプレイ102は、ゴルフボールの打ち出し方向を表示してもよい。この場合、コントローラ100は、指示器(図52の符号103参照)から入力された指示に基づき液晶ディスプレイ102に対してゴルフボールの打ち出し方向を表示するための指示信号を送信して、液晶ディスプレイ102にゴルフボールの打ち出し方向を表示させるよう制御する。指示器103(図52)は、ゴルフボールの打ち出し方向の指示を入力する入力手段である。
【0193】
液晶ディスプレイ102による表示は、ゴルフボールの打ち出し方向を示す矢印であってもよく、複数の円が連なったものでもよい。この場合、方向を示す先端側にいくに従い、円が小さくなるようにしてもよい。このような構成により、打感の改善がはかれるほか、液晶ディスプレイ102で自在にゴルフボールの打ち出し方向を表示することができ、利便性が向上する。
なお、指示器103やコントローラ100はスマートフォンで代用することもできる。この場合、コントローラ100と液晶ディスプレイ102との結線は無線回線を使用することが好ましい。また、指示器103に入力される指示の内容は、例えばゴルフクラブ1の使用者や指導者(トレーナー)や補助者(キャディ)が入力可能としてもよい。
【0194】
さらに、上記の表示機能に関し、ヘッド3内に1つ又は複数の衝撃センサ104(図52参照)を設け、打撃面2にゴルフボールが当たったときに、その衝撃データを衝撃センサ104で検出するとともにコントローラ100で収集し、その衝撃データを数値やグラフ等にして液晶ディスプレイ102に表示することもできる。
【0195】
例えば、上記のリズムボックス機能と表示機能との両方を搭載している場合、図52に示すように、切替スイッチSWにより両機能の切り替えを指示できてもよい。この場合、スイッチSWを液晶ディスプレイ102と接続するように切り替えた場合は、液晶ディスプレイ102で打ち出し方向や数値化,グラフ化された衝撃データが表示され、スイッチSWでスピーカ96A,96A′と接続するように切り替えた場合は、スピーカ96A,96A′からコントローラ100のリズムボックス機能および合成音声生成機能のいずれか一方の機能で生成されたリズム音および合成音声のうちの一方が出力される。
スイッチSWで液晶ディスプレイ102及びスピーカ96A,96A′の両方と接続するように切り替えた場合は、液晶ディスプレイ102で打ち出し方向や数値化,グラフ化された打撃データが表示されるとともにスピーカ96A,96A′からリズム音および合成音声のうちの一方が出力される。
【0196】
なお、図50及び図51に示す各ゴルフクラブ1において、振動センサ95,振動装置96,スピーカ96A,送信機101,コントローラ100,振動センサ95′,振動装置96′,スピーカ96A′,液晶ディスプレイ102,振動装置97,スピーカ97Aの取り付け位置は、図示の例に限らず、ゴルフクラブ1における任意の位置であってよい。
【0197】
<アダプター>
図53(A),(B)は、上述したゴルフクラブ1の更に別の変形例を説明するための側面図である。図53(A),(B)には、図1(C)に示すようなクランク形状ホーゼル4を有するゴルフクラブ1を例に挙げているが、ホーゼル4の形状はこれに限定されない。
ゴルフクラブ1のヘッド3の下面側には、複数のアダプター3A,3Bのうちの一つが着脱自在に取り付けられる。これらのアダプター3A,3Bは、例えば形状,質量,重心点等が相違する複数の種類が用意される。例えば、図53(B)に示すアダプター3Aは、図53(A)に示すアダプター3Bよりもライ角Lを増加させたい場合に使用されるものである。
【0198】
アダプター3A,3Bは、例えばゴルフクラブ1の使用者や指導者(トレーナー)がいずれか一つを選択してヘッド3の下面側に装着することが想定されている。アダプター3A,3Bは、好ましくは容易に着脱可能な係止構造(クリップ)や締結構造(ネジ)等を介してヘッド3の下面に装着される。ゴルフクラブ1の使用者の体格や打撃フォームに適したアダプター3A,3Bを使用することで、ゴルフクラブ1のスイング軌跡を適正化しやすくなり、練習効果を向上させることが可能となる。なお、ライ角Lとは、ヘッド3の打撃面2を正面から水平に眺めた状態で、水平面に対してシャフト5がなす角度のうち、シャフト5よりも使用者側の角度を意味する。
なお、図53(A),(B)の例は、上述のゴルフクラブ1のいずれにも適用することができ、その場合、アダプター3A,3B及びその取付方法以外の構成は、各実施形態のものと同種であることはいうまでもない。
【0199】
<ウェイト部材>
図54(A),(B)は、ヘッド3の変形例を説明するための斜視図である。これらの図に示すように、ヘッド3には、ヘッド3の重心位置を変更するためのウェイト部材61を内蔵させてもよい。この場合、ウェイト部材61の取り付け状態(位置や角度)を調節可能にすることで、重心位置を変更できるようにしてもよい。また、ウェイト部材61の取り付け状態は、使用者が手動で調節できるようにしてもよいし、ウェイト部材61を移動させるためのウェイト用モータ62(駆動源)を設けてもよい。
【0200】
図54(A)は、ヘッド3の上面に2組のウェイト部材61及びウェイト用モータ62を内蔵させたものを示す斜視図である。ウェイト部材61は、ヘッド3を構成する素材とは異なる密度の素材からなり、ヘッド3の上面に凹設された中空円柱状の凹部の内側に設けられる。また、ウェイト用モータ62は、凹部の内周面に沿ってウェイト部材61を回転方向に移動させることで、各々のウェイト部材61の位置を変更する。このような構成により、ウェイト部材61の位置を容易に変更してヘッド3の重心を移動させることができ、良好な打感を提供できる。
【0201】
図54(B)は、ヘッド3の上面に凹設された直線状の凹部の内側にウェイト部材61が設けられたものを示す斜視図である。ウェイト用モータ62は、凹部の内周面に沿ってウェイト部材61をスライド移動させることで、各々のウェイト部材61の位置を変更する。このような構成においても、ウェイト部材61の位置を容易に変更してヘッド3の重心を移動させることができ、良好な打感を提供できる。
【0202】
上記のウェイト部材61の移動は、使用者のスマートフォンを用いて制御できてもよい。図54(C)は、ウェイト部材61の移動を使用者のスマートフォンを用いて制御するための処理構成を説明する処理ブロック図である。ウェイト用モータ62は、モータ制御部63に対してデータ送受信可能に接続されている。モータ制御部63は、ウェイト用モータ62がウェイト部材61を移動させるべくウェイト用モータ62を制御するためのコンピュータ装置(制御部)である。
モータ制御部63は、通信部64を介して、スマートフォン65とのデータ通信可能に無線接続されている。スマートフォン65は使用者がウェイト部材61の移動を指示するために用いる携帯移動端末であり、ゴルフクラブ1のモータ制御部63との間で制御信号の授受を行う。スマートフォン65には、タッチ入力式のディスプレイ65Aが設けられている。ディスプレイ65Aは、ウェイト部材61の所望の位置への移動指示を入力する入力部として機能するとともに、移動指示を受けて移動したウェイト部材61の位置をモニタ表示する表示部として機能する。スマートフォン65とモータ制御部63との間の無線接続は、Bluetooth(登録商標)など周知の無線通信規格に基づくものであってよい。
【0203】
スマートフォン65を用いたウェイト部材61の移動制御の一例を説明する。
まず、スマートフォン65とモータ制御部63との間で接続を確立する。
接続を確立した後、モータ制御部63は、ウェイト用モータ62を制御して、ウェイト部材61を所定の初期位置へ移動させるとともに、スマートフォン65にウェイト部材61の現在位置情報を供給する。
ウェイト部材61を所定の初期位置へ移動させた後、使用者は、スマートフォン65からウェイト部材61の移動指示を入力可能となる。
スマートフォン65から移動指示が入力されると、モータ制御部63はウェイト用モータ62を制御し、ウェイト用モータ62がウェイト部材61を移動させる。スマートフォン65では、モータ制御部63から供給されたウェイト部材61の現在位置情報に基づき、移動指示を受けて移動したウェイト部材61の位置を示す画像をディスプレイ65Aにモニタ表示することができる。使用者は、スマートフォン65のディスプレイ65Aでウェイト部材61の現在位置を確認したり、ウェイト部材61の移動を指示したりできる。
【0204】
使用者によりスマートフォン65からウェイト部材61を所望の位置へ移動させる移動指示が入力されると、スマートフォン65からモータ制御部63へ指示信号が送信される。モータ制御部63は、指示信号に基づきウェイト用モータ62を制御して、ウェイト部材61を移動させる。
ウェイト部材61が移動すると、ウェイト部材61の位置情報がモータ制御部63を通じてスマートフォン65へ供給され、スマートフォン65のディスプレイ65Aにおいてウェイト部材61の現在位置が更新される。
この場合、スマートフォン65を用いてウェイト部材61の位置調整を簡単に且つ視覚的にわかりやすく行うことができる。
【0205】
以上の実施形態に関する付記を開示する。
<打撃振動/打撃音強調機構>
[付記1]
軸状に形成されるシャフトと、
前記シャフトの一端部側に設けられて、ゴルフボールを打撃する打撃面を有するヘッドと、
前記シャフトの他端部側に設けられて使用者に把持されるグリップと、を備え、
前記打撃面への前記ゴルフボールの打撃時に生じる打撃振動又は打撃音を強調して前記使用者に伝える第一打撃振動/打撃音強調機構が前記ヘッドに設けられている
ことを特徴とするゴルフクラブ。
[付記2]
軸状に形成されるシャフトと、
前記シャフトの一端部側に設けられて、ゴルフボールを打撃する打撃面を有するヘッドと、
前記シャフトの前記一端部と前記ヘッドとを接続するホーゼルと、
前記シャフトの他端部に設けられて使用者に把持されるグリップと、を備え、
前記打撃面への前記ゴルフボールの打撃時に生じる打撃振動又は打撃音を強調して前記使用者に伝える第二打撃振動/打撃音強調機構が前記ホーゼルに設けられている
ことを特徴とするゴルフクラブ。
[付記3]
軸状に形成されるシャフトと、
前記シャフトの一端部側に設けられて、ゴルフボールを打撃する打撃面を有するヘッドと、
前記シャフトの前記一端部と前記ヘッドとを接続するホーゼルと、
前記シャフトの他端部に設けられて使用者に把持されるグリップと、を備え、
前記打撃面への前記ゴルフボールの打撃時に生じる打撃振動又は打撃音を強調して前記使用者に伝える第三打撃振動/打撃音強調機構が前記ヘッド及び前記ホーゼルの両方に亘り設けられている
ことを特徴とするゴルフクラブ。
【0206】
<面振動部材>
[付記4]
前記第一打撃振動/打撃音強調機構が、前記ゴルフボールとの衝突により面振動する面状に形成された面振動部材を有する
ことを特徴とする付記1に記載のゴルフクラブ。
[付記5]
前記第二打撃振動/打撃音強調機構が、前記ゴルフボールとの衝突により面振動する面状に形成された面振動部材を有する
ことを特徴とする付記2に記載のゴルフクラブ。
[付記6]
前記第三打撃振動/打撃音強調機構が、前記ゴルフボールとの衝突により面振動する面状に形成された面振動部材を有する
ことを特徴とする付記3に記載のゴルフクラブ。
【0207】
<振動板部材>
[付記7]
前記面振動部材が、前記ゴルフボールの打撃時に生じる前記打撃振動を強調する振動板部材からなる
ことを特徴とする付記4に記載のゴルフクラブ。
[付記8]
前記第二打撃振動/打撃音強調機構が、前記ゴルフボールの打撃時に生じる前記打撃振動を強調する振動板部材を有する
ことを特徴とする付記5に記載のゴルフクラブ。
[付記9]
前記第三打撃振動/打撃音強調機構が、前記ゴルフボールの打撃時に生じる前記打撃振動を強調する振動板部材を有する
ことを特徴とする付記6に記載のゴルフクラブ。
[付記10]
前記第一打撃振動/打撃音強調機構、又は、前記第二打撃振動/打撃音強調機構、又は、前記第三打撃振動/打撃音強調機構が、前記振動板部材に加えて前記ヘッド及び/又は前記ホーゼルに取り付けられて、前記ゴルフボールの打撃時に生じる前記打撃振動を強調する副振動板部材を有する
ことを特徴とする付記7~9の何れか1項に記載のゴルフクラブ。
【0208】
<振動板部材の形状>
[付記11]
前記振動板部材は、前記打撃面に対して平行な面方向に延伸した平板で形成されている
ことを特徴とする付記7~9の何れか1項に記載のゴルフクラブ。
[付記12]
前記振動板部材は円錐台型に形成されている
ことを特徴とする付記7~9の何れか1項に記載のゴルフクラブ。
[付記13]
前記振動板部材はドーム型に形成されている
ことを特徴とする請求項7~9の何れか1項に記載のゴルフクラブ。
[付記14]
前記振動板部材は、ドーム型に形成されたドーム部と前記ドーム部の周囲から円錐台状に延伸した円錐部とを有する
ことを特徴とする付記7~9の何れか1項に記載のゴルフクラブ。
[付記15]
前記振動板部材は湾曲した曲げ板状に形成されている
ことを特徴とする付記7~9の何れか1項に記載のゴルフクラブ。
【0209】
<振動板部材の配置:ミライスピーカ,マリンバ>
[付記16]
前記振動板部材は、前記打撃面とは反対側へ向かって延出する姿勢で取り付けられ、前記打撃面に垂直な縦断面において上向き又は下向きに湾曲した曲げ板状に形成されている
ことを特徴とする付記7~9の何れか1項に記載のゴルフクラブ。
[付記17]
前記振動板部材は、前記打撃面に対して垂直な面方向に延伸した平板で形成されている
ことを特徴とする付記7~9の何れか1項に記載のゴルフクラブ。
[付記18]
前記振動板部材は、前記打撃面とは反対側を向いた面に取り付けられ、前記ヘッドを上から見て前記打撃面とは反対側へ向かって凸をなす又は前記打撃面とは反対側へ向かって凹をなすように湾曲した曲げ板状に形成されている
ことを特徴とする付記7~9の何れか1項に記載のゴルフクラブ。
[付記19]
前記振動板部材は、前記ヘッドの幅方向に沿う軸周りの円筒状に形成されている
ことを特徴とする付記7~9の何れか1項に記載のゴルフクラブ。
【0210】
<ヘッド及び/又はホーゼルのフレーム構造>
[付記20]
前記ヘッドは、前記振動板部材の周縁部を囲むフレーム構造を有する
ことを特徴とする付記7又は9に記載のゴルフクラブ。
[付記21]
前記ヘッドが、取り替えできない状態で前記シャフトと一体に形成された
ことを特徴とする付記20に記載のゴルフクラブ。
[付記22]
前記ホーゼルは、前記振動板部材の周縁部を囲むフレーム構造を有する
ことを特徴とする付記8又は9に記載のゴルフクラブ。
【0211】
<振動板部材とヘッド及び/又はホーゼルの一体化>
[付記23]
前記振動板部材は、取り替えできない状態で前記ヘッドと一体に形成された
ことを特徴とする付記7又は9に記載のゴルフクラブ。
[付記24]
前記振動板部材は、取り替えできない状態で前記ホーゼルと一体に形成された
ことを特徴とする付記8又は9に記載のゴルフクラブ。
【0212】
<振動板部材とシャフト/ホーゼルの一体化>
[付記25]
前記振動板部材は、取り替えできない状態で前記シャフトと一体に形成され、
前記ヘッドの前記打撃面をなす領域に前記振動板部材が脱着可能に取り付けられる
ことを特徴とする付記7又は9に記載のゴルフクラブ。
[付記26]
前記振動板部材は、取り替えできない状態で前記ホーゼルと一体に形成され、
前記ヘッドの前記打撃面をなす領域に前記振動部材が脱着可能に取り付けられる
ことを特徴とする付記8又は9に記載のゴルフクラブ。
【0213】
<中空部を用いた共鳴機構;蓄音機型,お鈴型>
[付記27]
前記ヘッドが、中空状に形成されたヘッド中空部と、前記ヘッド中空部に連通する開口部とを有し、
前記第一打撃振動/打撃音強調機構は、前記ヘッド中空部内で前記ゴルフボールの打撃時に生じる前記打撃音を強調して前記開口部から外部へ伝達する共鳴機構として構成されている
ことを特徴とする付記1に記載のゴルフクラブ。
[付記28]
前記ヘッドが、中空状に形成されたヘッド中空部を有し、
前記ホーゼルが、前記ヘッド中空部に連通するホーゼル中空部と、前記ホーゼル中空部に連通する開口部とを有し、
前記第二打撃振動/打撃音強調機構は、前記ホーゼル中空部内で前記ゴルフボールの打撃時に生じる前記打撃音を強調して前記開口部から外部へ伝達する共鳴機構として構成されている
ことを特徴とする付記2に記載のゴルフクラブ。
[付記29]
前記共鳴機構は、ホーン状の管路を有する
ことを特徴とする付記27又は28に記載のゴルフクラブ。
[付記30]
前記共鳴機構は、前記開口を覆うように取り付けられた振動板部材を有する
ことを特徴とする付記27又は28に記載のゴルフクラブ。
【0214】
<振動伝達リブ;団扇の骨>
[付記31]
前記第一打撃振動/打撃音強調機構、又は、前記第二打撃振動/打撃音強調機構、又は、前記第三打撃振動/打撃音強調機構は、前記ヘッドから前記シャフトに亘ってリブ状に延設され、前記ゴルフボールの打撃時に生じる前記打撃振動を前記ヘッドから前記シャフトへ伝達する振動伝達リブを有する
ことを特徴とする付記1~3の何れか1項に記載のゴルフクラブ。
[付記32]
前記振動伝達リブは、前記ヘッドに取り付けられた複数の枝部と前記シャフトの軸方向に沿って延設されており前記シャフトの前記一端部側で前記複数の前記枝部に接続された幹部とを有する
ことを特徴とする付記31に記載のゴルフクラブ。
【0215】
<聴診器>
[付記33]
前記第一打撃振動/打撃音強調機構、又は、前記第二打撃振動/打撃音強調機構、又は、前記第三打撃振動/打撃音強調機構は、
前記ヘッドに取り付けられて前記打撃音を集音する集音器と、
前記集音器で集音された前記打撃音を伝搬する打撃音伝搬管と、
前記打撃音伝搬管を通じて伝搬されてきた前記打撃音を使用者に伝えるイヤホン部と、を有する
ことを特徴とする付記1~3の何れか1項に記載のゴルフクラブ。
【0216】
<電気式スピーカ>
[付記34]
前記第一打撃振動/打撃音強調機構、又は、前記第二打撃振動/打撃音強調機構、又は、前記第三打撃振動/打撃音強調機構は、
前記ゴルフボールの打撃時に生じる前記打撃振動を検知して電気信号に変換するピックアップと、
前記ヘッドにおいて前記打撃面とは反対側を向いた面に取り付けられ、前記ピックアップにより変換された前記電気信号に基づく打撃音を増幅して出力するためのスピーカ部と、を有する
ことを特徴とする付記1~3の何れか1項に記載のゴルフクラブ。
[付記35]
前記ヘッドが、中空状に形成されたヘッド中空部と、前記ヘッド中空部に連通する開口部とを有し、
前記ピックアップが前記ヘッドに取り付けられるとともに、前記スピーカ部が前記ヘッド中空部内に取り付けられて、前記ヘッド中空部をスピーカボックスとして、前記スピーカ部の出力した前記打撃音を前記開口部から放出する
ことを特徴とする付記34に記載のゴルフクラブ。
[付記36]
前記第二打撃振動/打撃音強調機構、又は、前記第三打撃振動/打撃音強調機構は、
前記ゴルフボールの打撃時に生じる前記打撃振動を検知して電気信号に変換するピックアップと、
前記ホーゼルにおいて前記打撃面とは反対側を向いた面に取り付けられ、前記ピックアップにより変換された前記電気信号に基づく打撃音を増幅して出力するためのスピーカ部と、を有する
ことを特徴とする付記2又は3に記載のゴルフクラブ。
[付記37]
前記ヘッドが、中空状に形成されたヘッド中空部を有し、
前記ホーゼルが、前記ヘッド中空部に連通するホーゼル中空部と、前記ホーゼル中空部に連通する開口部とを有し、
前記第二打撃振動/打撃音強調機構、又は、前記第三打撃振動/打撃音強調機構は、
前記ピックアップが前記ヘッドに取り付けられるとともに、前記スピーカ部が前記ホーゼル中空部内に取り付けられて、前記ホーゼル中空部をスピーカボックスとして、前記スピーカ部の出力した前記打撃音を前記開口部から放出する
ことを特徴とする付記36に記載のゴルフクラブ。
【0217】
<シャフトの開口部>
[付記38]
前記シャフトが、中空に形成されたシャフト中空部をその内部に有し、
前記第一打撃振動/打撃音強調機構、又は、前記第二打撃振動/打撃音強調機構、又は、前記第三打撃振動/打撃音強調機構として、更に、前記シャフトが、前記シャフト中空部の内部空間と外部とを連通し、前記シャフト内の反響音を前記シャフトの外部に伝達するための開口部を有する
ことを特徴とする付記1~3の何れか1項に記載のゴルフクラブ。
[付記39]
前記シャフト中空部が、前記シャフト中空部内で前記ゴルフボールの打撃時に生じる前記打撃音を強調して前記開口部から外部へ伝達する共鳴機構として構成されている
ことを特徴とする付記35に記載のゴルフクラブ。
【0218】
<シャフトの振動強調部材;メッキ加工>
[付記40]
軸状に形成されるシャフトと、
前記シャフトの一端部側に設けられて、ゴルフボールを打撃する打撃面を有するヘッドと、
前記シャフトの他端部側に設けられて使用者に把持されるグリップと、を備え、
前記シャフトの軸周りの周面に、前記シャフトの軸方向に延在して、前記打撃面への前記ゴルフボールの打撃時に生じる打撃振動を強調して前記使用者に伝える振動強調部材が設けられている
ことを特徴とするゴルフクラブ。
[付記41]
前記シャフトは、中空に形成されたシャフト中空部をその内部に有し、
前記シャフト中空部の内周面に前記振動強調部材が設けられている
ことを特徴とする付記40に記載のゴルフクラブ。
[付記42]
前記振動強調部材は、前記シャフトの外周面に設けられている
ことを特徴とする付記40又は41に記載のゴルフクラブ。
[付記43]
<ヘッド、ホーゼル、シャフトに亘り振動板部材を設ける>
軸状に形成されるシャフトと、
前記シャフトの一端部側に設けられて、ゴルフボールを打撃する打撃面を有するヘッドと、
前記シャフトの前記一端部と前記ヘッドとを接続するホーゼルと、
前記シャフトの他端部に設けられて使用者に把持されるグリップと、を備え、
前記打撃面への前記ゴルフボールの打撃時に生じる打撃振動又は打撃音を強調して前記使用者に伝える第四打撃振動/打撃音強調機構が、前記ヘッド、前記ホーゼル及び前記シャフトに亘り設けられている
ことを特徴とするゴルフクラブ。
[付記44]
前記第四打撃振動/打撃音強調機構が、前記ゴルフボールの打撃時に生じる前記打撃振動を強調する振動板部材を有する
ことを特徴とする付記43に記載のゴルフクラブ。
[付記45]
<ヘッドからホーゼルに亘り設けられた振動板部材がインサート,フィンとして機能するタイプ>
前記振動板部材は、
前記ヘッドの前記打撃面に設けられた第一面部と、
前記ホーゼルに設けられた第二面部と、を有する
ことを特徴とする付記9に記載のゴルフクラブ。
[付記46]
前記第二面部は、前記ヘッドと前記ホーゼルとの間に設けられた薄板からなるフィン状部位をなす
ことを特徴とする付記45に記載のゴルフクラブ。
[付記47]
<ホーゼルに設けられた振動板部材がフィンとして機能するタイプ>
前記振動板部材は、前記ヘッドと前記ホーゼルとの間に設けられた薄板からなるフィン状部位をなす
ことを特徴とする付記8に記載のゴルフクラブ。
[付記48]
上記のフィン状部位の頂面に面状又は鎖状に照明部材が配置されていることを特徴とする、付記46又は47に記載のゴルフクラブ。
[請求項49]
上記ヘッドの上面に前記フィン状部位が立設されていることを特徴とする、付記46又は47に記載のゴルフクラブ。
[付記50]
前記面振動部材が、フレームの内側に紐をネット状に編み込んでなるネット部材を有することを特徴とする、付記4~6のいずれか1項に記載のゴルフクラブ。
[付記51]
前記紐が、天然繊維,合成繊維,弾性繊維の少なくともいずれか一つを含むことを特徴とする、付記50に記載のゴルフクラブ。
[付記52]
前記面振動部材が、前記打撃面に貼り付けられる膜部材を有することを特徴とする、付記50に記載のゴルフクラブ。
[付記53]
前記膜部材が、金属板,樹脂板,ラバー膜及び皮革膜の少なくともいずれか一つを含むことを特徴とする、付記52に記載のゴルフクラブ。
[付記54]
前記面振動部材が、前記ヘッドに対して着脱可能に設けられることを特徴とする、付記4~6のいずれか1項に記載のゴルフクラブ。
[付記55]
前記面振動部材が、樹脂繊維からなる紐を平坦なネット状に編み込んだ網目部材、又は、微細樹脂繊維を立体的な網目状に絡み合せたマット体からなる網目部材で形成されることを特徴とする、付記4~6のいずれか1項に記載のゴルフクラブ。
[付記56]
前記ヘッドが、内部を中空に形成されてなるヘッド空洞部を有することを特徴とする、付記4~6のいずれか1項に記載のゴルフクラブ。
[付記57]
前記ヘッドが、前記ヘッド空洞部の内部に張設されるとともに接続ワイヤを介して前記面振動部材に接続されるヘッド内ワイヤを有することを特徴とする、付記56に記載のゴルフクラブ。
[付記58]
前記シャフトが、内部を中空に形成されてなるシャフト空洞部を有することを特徴とする、付記57に記載のゴルフクラブ。
[付記59]
前記ヘッドが、前記シャフト空洞部の内部に張設されるとともに前記ヘッド内ワイヤに連結されるシャフト内ワイヤを有することを特徴とする、付記58に記載のゴルフクラブ。
[付記60]
前記シャフト内ワイヤが、前記グリップと前記ヘッド内ワイヤとを連結するように張設されて、前記面振動部材の振動を前記グリップに伝達することを特徴とする、付記59に記載のゴルフクラブ。
[付記61]
<カートリッジ/カプセル>
ゴルフボールを打撃する打撃面を有するヘッドと、軸状に形成されるシャフトと、前記シャフトの一端部と前記ヘッドとを接続するホーゼルと、前記シャフトの他端部に設けられて使用者に把持されるグリップとを備えるとともに、前記シャフトが中空に形成された第一空洞部を内部に有し、前記グリップが前記第一空洞部と連通する中空に形成された第二空洞部を内部に有するゴルフクラブに対して、着脱可能に取り付けられ、
前記第一空洞部及び第二空洞部に内蔵され、前記シャフトの軸方向に延在するとともに前記第一空洞部及び第二空洞部の内周形状に沿う筒形状をなすとともに、中空に形成された中空部を内部に有する本体部を備え、
ことを特徴とする、脱着ユニット。
[付記62]
<レーザー光の照射>
付記1、2又は3又は43に記載のゴルフクラブによって打撃されたゴルフボールの転動面(ゴルフボール転動面)に設けられたカップと、
前記カップから離隔し前記ゴルフボール転動面を有する打撃エリアと、前記カップに対し抜き差し可能に立設されて前記カップの目印となる棒状のピンと、
前記ピンに付設され前記ピンから前記打撃エリアに向けてストレートラインを示すガイド用レーザ光を照射する第一照射器と、
前記ゴルフクラブに付設され前記第一照射器からの前記ガイド用レーザ光を受光しうる第一受光器と、
前記ゴルフクラブに付設され前記ゴルフクラブから前記ピンに向けてガイド用サブレーザ光を照射する第二照射器と、
前記ピンに付設され前記第二照射器からの前記ガイド用サブレーザ光を受光しうる第二受光器と、
前記第一受光器で前記ガイド用レーザ光を受光するととともに、前記第二受光器で前記ガイド用サブレーザ光を受光すると、その旨を表示する表示器と、を備えた
ことを特徴とするゴルフ練習システム。
[付記63]
<ゴルフ練習システムへの適用>
付記1、2又は3又は43に記載のゴルフクラブによって打撃されたゴルフボールの転動面(ゴルフボール転動面)に設けられたカップと、前記カップから離隔し前記ゴルフボール転動面を有する打撃エリアとを有しており、前記打撃エリアに立ったユーザが前記カップに向かって前記ゴルフクラブで前記ゴルフボールを打撃するゴルフ練習機と、
前記カップに付設されており、前記ゴルフボールのカップイン情報を検出する第一検出手段と、前記カップイン情報を外部に送信する第一送信装置と、を有するカップユニットと、
前記カップの目印をなす棒状のピンに付設されており、前記ピンから前記打撃エリアに向かって映像を撮影する第一撮影手段と、前記第一撮影手段で撮影された第一映像データを外部に送信する第二送信装置と、前記ピンから前記打撃エリアに向かってガイド用レーザ光を照射する第一照射器と、を有するピンユニットと、
前記打撃エリアにおいて前記ユーザが用いる前記ゴルフクラブに付設されており、前記第一打撃振動/打撃音強調機構、第二打撃振動/打撃音強調機構又は第三打撃振動/打撃音強調機構で強調される前記打撃振動及び前記打撃振動に応じた打撃音に関する打撃振動/打撃音情報を検出する打撃振動/打撃音検出手段と、前記ヘッドに内蔵され前記ゴルフボールの打撃に関する打撃情報を検出する第二検出手段と、前記ヘッドから前方に向かって映像を撮影する第二撮影手段と、前記ヘッドから前方に向かってガイド用サブレーザ光を照射する第二照射器と、前記打撃振動/打撃音情報と前記打撃情報と前記第二撮影手段で撮影された第二映像データとを外部へ送信する第三送信装置と、を有するクラブユニットと、
前記第一送信装置から送信された前記カップイン情報と前記第二送信装置から送信された前記第一映像データと前記第三送信装置から送信された前記打撃振動/打撃音情報、前記打撃情報及び前記第二映像データの少なくとも一つをモニタ情報として受信する第一受信装置と、前記モニタ情報に基づき、前記ユーザのゴルフプレイに対するガイドを提供するためのガイド情報を生成する制御装置と、前記ガイド情報を外部に送信する第四送信装置と、を有する制御ユニットと、
前記第四送信装置から送信された前記ガイド情報を受信する第二受信装置と、前記ガイド情報に基づきゴルフプレイに対するガイドを提示する提示器と、を有しており、前記ユーザが携帯可能な端末装置と、を備えた
ことを特徴とする、ゴルフ練習システム。
[付記64]
<グリップ>
前記グリップには、樹脂繊維をネット状に成形した網目部材からなグリップ部材が設けられている
ことを特徴とする、付記1~3の何れか一つに記載のゴルフクラブ。
[付記65]
上記ヘッドの上面に、電気式表示部材が設けられていることを特徴とする、付記1~3のいずれか一項に記載のゴルフクラブ。
[付記66]
上記表示部材が外部からの指示により上記ゴルフボールの打ち出し方向および上記ゴルフボールが上記打撃面に当たったときの衝撃データのうちの少なくとも1つの情報を表示しうる液晶ディスプレイであることを特徴とする、付記65記載のゴルフクラブ。
[付記67]
上記ゴルフボールの打ち出しの際に、リズムを知らせるリズムボックス機能を有するコントローラと、上記コントローラのリズムボックス機能および合成音声生成機能のいずれか一方の機能により生成されたリズム音および合成音声のうちの一方を出力するスピーカとが設けられた付記1~3のいずれか一項に記載のゴルフクラブ。
[付記68]
前記ヘッドの下面に、使用者の体格や打撃フォームに適したアダプターを着脱自在に装着させたことを特徴とする、付記1~3のいずれか一項に記載のゴルフクラブ。
[付記69]
シャフトと前記シャフトの一端部に設けられてゴルフボールの打撃面を有するヘッドと前記シャフトの前記一端部と前記ヘッドとを接続するホーゼルと前記シャフトの他端部に設けられるグリップとを具備するゴルフクラブであって、
前記ヘッドの前記打撃面から前記ホーゼルに亘って一体的に設けられるとともに、前記ゴルフボールとの衝突により面振動するとともに前記ゴルフボールに反力を与える面振動部材からなるインサートを備えた
ことを特徴とする、ゴルフクラブ。
[付記70]
前記面振動部材は、前記ヘッドの前記打撃面から前記ホーゼル及び前記シャフトに亘り一体的に設けられることを特徴とする、付記69記載のゴルフクラブ。
[付記71]
前記面振動部材が、フレームの内側に紐をネット状に編み込んでなるネット部材を有することを特徴とする、付記69又は70記載のゴルフクラブ。
[付記72]
前記紐が、天然繊維,合成繊維,弾性繊維の少なくともいずれか一つを含むことを特徴とする、付記71記載のゴルフクラブ。
[付記73]
前記面振動部材が、前記打撃面に貼り付けられる膜部材を有することを特徴とする、付記69記載のゴルフクラブ。
[付記74]
前記膜部材が、金属板,樹脂板,ラバー膜及び皮革膜の少なくともいずれか一つを含むことを特徴とする、付記73記載のゴルフクラブ。
[付記75]
前記面振動部材が、上記ヘッドに釣り構造により設けられる銅鑼構造を有する振動部材として構成された付記69記載のゴルフクラブ。
[付記76]
前記面振動部材が、樹脂繊維からなる紐を平坦なネット状に編み込んだ網目部材、又は、微細樹脂繊維を立体的な網目状に絡み合せたマット体からなる網目部材で形成されることを特徴とする、付記69又は70記載のゴルフクラブ。
[付記77]
シャフトと前記シャフトの一端部に設けられてゴルフボールの打撃面を有するヘッドと前記シャフトの前記一端部と前記ヘッドとを接続するホーゼルと前記シャフトの他端部に設けられるグリップとを具備するゴルフクラブにおける前記打撃面に設けられるインサートであって、
前記ヘッドの前記打撃面から前記ホーゼルに亘って一体的に設けられるとともに、前記ゴルフボールとの衝突により面振動するとともに前記ゴルフボールに反力を与える面振動部材を有することを特徴とする、ゴルフクラブ用インサート。
[付記78]
前記面振動部材は、前記ヘッドの前記打撃面から前記ホーゼル及び前記シャフトに亘り一体的に設けられることを特徴とする、付記77記載のゴルフクラブ用インサート。
[付記79]
前記面振動部材が、フレームの内側に紐をネット状に編み込んでなるネット部材を有することを特徴とする、付記77又は78記載のゴルフクラブ用インサート。
[付記80]
前記紐が、天然繊維,合成繊維,弾性繊維の少なくともいずれか一つを含むことを特徴とする、付記79記載のゴルフクラブ用インサート。
[付記81]
前記面振動部材が、前記打撃面に貼り付けられる膜部材を有することを特徴とする、付記77記載のゴルフクラブ用インサート。
[付記82]
前記膜部材が、金属板,樹脂板,ラバー膜及び皮革膜の少なくともいずれか一つを含むことを特徴とする、付記81記載のゴルフクラブ用インサート。
[付記83]
前記面振動部材が、上記ヘッドに釣り構造により設けられる銅鑼構造を有する振動部材として構成された付記77に記載のゴルフクラブ用インサート。
[付記84]
前記面振動部材が、樹脂繊維からなる紐を平坦なネット状に編み込んだ網目部材、又は、微細樹脂繊維を立体的な網目状に絡み合せたマット体からなる網目部材で形成されることを特徴とする、付記77記載のゴルフクラブ用インサート。
[付記85]
前記ヘッドが、前記ヘッドの重心位置を変更するためのウェイト部材を有することを特徴とする、付記1~3のいずれか一項に記載のゴルフクラブ。
[付記86]
前記ウェイト部材が、前記ヘッドの上面に凹設される中空円柱状の凹部の内側に設けられ、
前記ウェイト部材を移動させる駆動源と、
前記駆動源が前記凹部の内周面に沿って前記ウェイト部材を回転移動させるべく、前記駆動源を制御する制御部と、を備えた
ことを特徴とする、付記85記載のゴルフクラブ。
[付記87]
前記ウェイト部材が、前記ヘッドの上面に凹設される直線状の凹部の内側に設けられ、
前記ウェイト部材を移動させる駆動源と、
前記駆動源が前記凹部の内周面に沿って前記ウェイト部材をスライド移動させるべく、前記駆動源を制御する制御部と、を備えた
ことを特徴とする、付記85記載のゴルフクラブ。
[付記88]
付記86又は87記載のゴルフクラブの前記制御部との間で制御信号の授受を行う携帯移動端末であって、
前記ウェイト部材の所望の位置への移動指示を入力する入力部と、
前記入力部からの前記移動指示を受けて移動した前記ウェイト部材の位置をモニタ表示する表示部と、を備えている
ことを特徴とする、携帯移動端末。
【符号の説明】
【0219】
1 ゴルフクラブ(パター)
2,2′ 打撃面(フェイス)
3 ヘッド
4 ホーゼル
5 シャフト
6 グリップ
9 シャフト空洞部(シャフト中空部)
13 シャフト開口部
15 面振動部材
200 振動板部材(第一打撃振動/打撃音強調機構,第二打撃振動/打撃音強調機構,第三打撃振動/打撃音強調機構,第四打撃振動/打撃音強調機構,面振動部材)
201 副振動板部材
202 ヘッド中空部
202A 開口部
203 ホーゼル中空部
203A 開口部
206 管路
206A 開口部
210 振動伝達リブ
220 集音器
221 打撃音伝搬管
222 イヤホン部
230 ピックアップ
231 アンプ部(スピーカ部)
232 スピーカ(スピ―カ部)
300 振動センサー
301 アクチュエータ
250 カップユニット
251 第一制御装置
252 第一センサ(第一検出手段)
253 第一通信装置(第一送信装置)
255 カメラ
256 音響装置
257 照明装置
258 レーザ照射器
350 制御ユニット
351 制御装置
352 受信装置(第一送信装置)
353 送信装置(第四送信装置)
354 記憶装置
400 端末装置
401 第四制御装置
402 表示器(提示器)
403 第四通信装置(第二受信装置)
404 入力装置
405 音響装置
406 カメラ
500 ピンユニット
501 第二制御装置
502 第一カメラ(第一撮影手段)
503 第二通信装置(第二送信装置)
504 第一照射器
505 第二受光器
506 音響装置
507 照明装置
508 センサ
600 撮影ユニット
601 通信装置
602 カメラ
700 クラブユニット
701 第三制御装置
702 第二カメラ(第二撮影手段)
703 第三通信装置(第三送信装置)
704 第二センサ(第二検出手段)
705 第二照射器(第二照射器)
706 ディスプレイ装置
707 音響装置
708 第一受光器
709 照明装置
710 振動センサ(振動検出手段)
800 電光掲示板
801 制御装置
802 表示器
803 通信装置
804 入力装置
805 音響装置
806 カメラ
807 センサ
808 照明装置
901 制御装置
902 表示装置
903 通信装置
904 入力装置
905 音響装置
906 カメラ
907 センサ
908 照明装置
S ゴルフ練習システム
T 練習機
T ゴルフ練習機
T1 カップエリア
T2 打撃エリア
図1
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