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特開2024-149340変電所環境用の帯電作業プラットフォームの測位方法およびシステム
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  • 特開-変電所環境用の帯電作業プラットフォームの測位方法およびシステム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024149340
(43)【公開日】2024-10-18
(54)【発明の名称】変電所環境用の帯電作業プラットフォームの測位方法およびシステム
(51)【国際特許分類】
   G01S 5/02 20100101AFI20241010BHJP
   G01S 5/14 20060101ALI20241010BHJP
【FI】
G01S5/02 A
G01S5/14
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023143322
(22)【出願日】2023-09-05
(31)【優先権主張番号】202310362408.2
(32)【優先日】2023-04-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】523260303
【氏名又は名称】雲南電網有限責任公司徳宏供電局
(74)【代理人】
【識別番号】100216471
【弁理士】
【氏名又は名称】瀬戸 麻希
(72)【発明者】
【氏名】番禹
(72)【発明者】
【氏名】李勁松
(72)【発明者】
【氏名】沈忠亮
(72)【発明者】
【氏名】陳叡
(72)【発明者】
【氏名】陳興国
(72)【発明者】
【氏名】張富栄
(72)【発明者】
【氏名】董亮
(72)【発明者】
【氏名】張屹
(72)【発明者】
【氏名】雷波
(72)【発明者】
【氏名】廖竜
(72)【発明者】
【氏名】陳超
(72)【発明者】
【氏名】楊韓
(72)【発明者】
【氏名】王騰
(72)【発明者】
【氏名】寧暁楠
(72)【発明者】
【氏名】陳松
(72)【発明者】
【氏名】黄楠
【テーマコード(参考)】
5J062
【Fターム(参考)】
5J062AA01
5J062AA12
5J062BB05
5J062CC11
5J062FF01
5J062FF04
(57)【要約】      (修正有)
【課題】変電所環境用の帯電作業プラットフォームの測位方法およびシステムを提供する。
【解決手段】キャリアの角速度および比推力情報を測定し、両者をストラップダウン慣性ナビゲーションシステムに入力するステップと、ストラップダウン慣性ナビゲーションシステムはキャリアの位置情報を解析する同時に、UWBタブからストラップダウン慣性ナビゲーションシステムに送信された基地局位置と結合して、ストラップダウン慣性ナビゲーションシステムに対応するRTT距離情報を導出するステップと、RTT距離情報とUWB測位システムによって得られたRTT測距値の差を用いて観測量を取得し、状態量と結合してカルマンフィルタモデルを確立するステップと、カルマンフィルタモデルの状態推定によりストラップダウン慣性ナビゲーションシステム中の最適推定値を求め、校正によりキャリア最終位置、速度および姿勢角情報を取得するステップと、を含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャリアの角速度および比推力情報を測定し、両者をストラップダウン慣性ナビゲーショ
ンシステムに入力するステップと、
前記ストラップダウン慣性ナビゲーションシステムによりキャリアの位置情報を解析する
同時に、UWBタブからストラップダウン慣性ナビゲーションシステムに送信された基地
局位置と結合して、ストラップダウン慣性ナビゲーションシステムに対応するRTT距離
情報を導出するステップと、
RTT距離情報とUWB測位システムによって得られたRTT測距値の差を用いて観測量
を取得し、状態量と結合してカルマンフィルタモデルを確立するステップと、
前記カルマンフィルタモデルの状態推定によりストラップダウン慣性ナビゲーションシス
テム中の最適推定値を求め、ストラップダウン慣性ナビゲーションシステムにフィードバ
ックし、校正によりキャリア最終位置、速度および姿勢角情報を取得するステップと、を
含む、ことを特徴とする変電所環境用の帯電作業プラットフォーム測位方法。
【請求項2】
前記ストラップダウン慣性ナビゲーションシステムはキャリアの位置情報を解析する同時
に、UWBタブからストラップダウン慣性ナビゲーションシステムに送信された基地局位
置と結合して、ストラップダウン慣性ナビゲーションシステムに対応するRTT距離情報
を導出するステップは、前記ストラップダウン慣性ナビゲーションシステムで解析したキ
ャリア位置座標を地理座標系に変換し、解析してキャリアと基地局間のRTT距離情報を
取得することを含む、ことを特徴とする請求項1に記載の変電所環境用の帯電作業プラッ
トフォーム測位方法。
【請求項3】
前記観測量は、前記RTT距離情報と前記RTT測距値の差を含む、ことを特徴とする請
求項1に記載の変電所環境用の帯電作業プラットフォーム測位方法。
【請求項4】
前記ストラップダウン慣性ナビゲーションシステムで解析したキャリア位置座標を地理座
標系に変換することは、
ストラップダウン慣性ナビゲーションシステムで解析したキャリア位置座標は、経度
、緯度
および高度
であり、地理座標系に変換してそれぞれ
で示すと、以下の式を得、
ここで、
は地球楕円の長半軸長さであり、
は地球楕円扁平率である、ことを特徴とする請求項2に記載の変電所環境用の帯電作業プ
ラットフォーム測位方法。
【請求項5】
前記RTT距離情報は具体的に次の式を含み、
ここで、
はSINSで推定されたキャリアと第
基地局のRTT測距情報であり、
は地理座標系における第
基地局の座標である、ことを特徴とする請求項2または4に記載の変電所環境用の帯電作
業プラットフォーム測位方法。
【請求項6】
前記観測量は次の式で示され、
ここで、
はカルマンフィルタの観測量であり、
はUWBシステムで測定された基地局とタブ間のRTT測距値である、ことを特徴とする
請求項1に記載の変電所環境用の帯電作業プラットフォーム測位方法。
【請求項7】
前記状態量は、ジャイロスコープの3軸方向の測定ガウスノイズ、加速度計の3軸方向の
測定ガウスノイズ、プラットフォームの経度、緯度、高度方向の位置誤差、3軸方向の速
度誤差およびUWB測距誤差を含む、ことを特徴とする請求項1に記載の変電所環境用の
帯電作業プラットフォーム測位方法。
【請求項8】
キャリアの角速度および比推力情報を測定し、両者をストラップダウン慣性ナビゲーショ
ンシステムに入力するための収集モジュールと、
前記ストラップダウン慣性ナビゲーションシステムによりキャリアの位置情報を解析する
同時に、UWBタブからストラップダウン慣性ナビゲーションシステムに送信された基地
局位置と結合して、ストラップダウン慣性ナビゲーションシステムに対応するRTT距離
情報を導出し、前記RTT距離情報とUWB測位システムで得られたRTT測距値の差を
用いて観測量を取得し、状態量と結合してカルマンフィルタモデルを構築するためのモデ
ル構築モジュールと、
前記カルマンフィルタモデルの状態推定によりストラップダウン慣性ナビゲーションシス
テム中の最適推定値を求め、ストラップダウン慣性ナビゲーションシステムにフィードバ
ックし、校正によりキャリア最終位置、速度および姿勢角情報を取得するための推定モジ
ュールと、を備える、ことを特徴とする変電所環境用の帯電作業プラットフォーム測位シ
ステム。
【請求項9】
メモリとプロセッサからなり、
前記メモリはコンピュータ実行可能命令を記憶するために使用され、前記プロセッサは前
記コンピュータ実行可能命令を実行するために使用され、前記コンピュータ実行可能命令
がプロセッサによって実行されると、請求項1~7のいずれか1項に記載の変電所環境用
の帯電作業プラットフォーム測位方法のステップが実現される、ことを特徴とするコンピ
ューティングデバイス。
【請求項10】
コンピュータ実行可能命令が記憶されており、前記コンピュータ実行可能命令がプロセッ
サによって実行されると、請求項1~7のいずれか1項に記載の変電所環境用の帯電作業
プラットフォーム測位方法のステップが実現される、ことを特徴とするコンピュータ可読
記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、帯電作業プラットフォーム測位の技術分野に関し、特に、変電所環境用の帯電
作業プラットフォームの測位方法およびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、比較的成熟した帯電作業プラットフォームは、主に配電線と送電線用であり、主に
絶縁バケットアーム車の形式であり、変電所の帯電作業プラットフォームの設計はまだ予
備開発の段階であり、変電所の電力設備の数と種類が多く、電磁環境が複雑であり、変電
所環境用の帯電作業プラットフォームの安全作業距離は厳しい要求を突きつけている。
現在、主流の帯電作業プラットフォームの測位方法は、目視測位、衛星ナビゲーション測
位、視覚測位などがあり、目視測位とは、具体的に作業者がプラットフォームと帯電作業
領域位置を目視し、人工的に遠隔操作し、多くのシナリオに使用できるが、作業者の経験
に依存し、作業者の作業強度を高め、安全上のリスクなどの問題があり、インテリジェン
ト程度が高くなく、衛星ナビゲーション測位は主に屋外の配電線、送電線に使用され、衛
星強化技術によりセンチメートルレベルの測位精度を達成することができるが、変電所環
境では、変電設備、複雑な電磁信号干渉などの問題があり、測位精度が低下したり測位機
能が失われたり、環境への依存度が高く、変電所環境では同様に安全上のリスクがあり、
視覚測位の場合、カメラにより画像を収集し、画像処理アルゴリズムを用いて帯電作業プ
ラットフォームを測位し、外部条件に依存しないが、帯電作業プラットフォームは剛性が
弱く、屋外の変電所の光照射条件の変化が大きく、画像背景が複雑で、誘導アーク放電干
渉、識別物体輪郭の曖昧などの問題があり、測位精度が高くない。
【発明の概要】
【0003】
上記従来の問題を鑑み、本発明を提案する。
したがって、本発明の目的は、帯電作業プラットフォームは剛性が弱く、屋外の変電所の
光照射条件の変化が大きく、画像背景が複雑で、誘導アーク放電干渉、識別物体輪郭の曖
昧などに起因して測位精度が高くないという問題を解決するための、変電所環境用の帯電
作業プラットフォーム測位方法を提供することである。
上記の技術的問題を解決するために、本発明は以下の技術的解決策を提供する。
第1態様において、本発明の実施例は、変電所環境用の帯電作業プラットフォーム測位方
法を提供し、この方法は、キャリアの角速度および比推力情報を測定し、両者をストラッ
プダウン慣性ナビゲーションシステムに入力するステップと、
前記ストラップダウン慣性ナビゲーションシステムによりキャリアの位置情報を解析する
同時に、UWBタブからストラップダウン慣性ナビゲーションシステムに送信された基地
局位置と結合して、ストラップダウン慣性ナビゲーションシステムに対応するRTT距離
情報を導出するステップと、
前記RTT距離情報とUWB測位システムによって得られたRTT測距値の差を用いて観
測量を取得し、状態量と結合してカルマンフィルタモデルを確立するステップと、
前記カルマンフィルタモデルの状態推定によりストラップダウン慣性ナビゲーションシス
テム中の最適推定値を求め、ストラップダウン慣性ナビゲーションシステムにフィードバ
ックし、校正によりキャリア最終位置、速度および姿勢角情報を取得するステップと、を
含む。
本発明に記載の変電所環境用の帯電作業プラットフォーム測位方法として、前記ストラッ
プダウン慣性ナビゲーションシステムはキャリアの位置情報を解析する同時に、UWBタ
ブからストラップダウン慣性ナビゲーションシステムに送信された基地局位置と結合して
、ストラップダウン慣性ナビゲーションシステムに対応するRTT距離情報を導出するス
テップは、前記ストラップダウン慣性ナビゲーションシステムで解析したキャリア位置座
標を地理座標系に変換し、解析してキャリアと基地局間のRTT距離情報を取得すること
を含む。
本発明に記載の変電所環境用の帯電作業プラットフォーム測位方法として、前記観測量は
、前記RTT距離情報と前記RTT測距値の差を含む。
本発明に記載の変電所環境用の帯電作業プラットフォーム測位方法として、前記ストラッ
プダウン慣性ナビゲーションシステムで解析したキャリア位置座標を地理座標系に変換す
ることは、
ストラップダウン慣性ナビゲーションシステムで解析したキャリア位置座標は、経度
、緯度
および高度
であり、地理座標系に変換してそれぞれ
で示すと、以下の式を得、
ここで、
は地球楕円の長半軸長さであり、
は地球楕円扁平率である。
本発明に記載の変電所環境用の帯電作業プラットフォーム測位方法として、前記RTT距
離情報は具体的に次の式を含み、
ここで、
はSINSで推定されたキャリアと第
基地局のRTT測距情報であり、
は地理座標系における第
基地局の座標である。
本発明に記載の変電所環境用の帯電作業プラットフォーム測位方法として、前記観測量は
次の式で示され、
ここで、
はカルマンフィルタの観測量であり、
はUWBシステムで測定された基地局とタブ間のRTT測距値である。
本発明に記載の変電所環境用の帯電作業プラットフォーム測位方法として、前記状態量は
、ジャイロスコープの3軸方向の測定ガウスノイズ、加速度計の3軸方向の測定ガウスノ
イズ、プラットフォームの経度、緯度、高度方向の位置誤差、3軸方向の速度誤差および
UWB測距誤差を含む。
第2態様として、本発明の実施例は、変電所環境用の帯電作業プラットフォーム測位シス
テムを提供し、このシステムは、
キャリアの角速度および比推力情報を測定し、両者をストラップダウン慣性ナビゲーショ
ンシステムに入力するための収集モジュールと、
前記ストラップダウン慣性ナビゲーションシステムによりキャリアの位置情報を解析する
同時に、UWBタブからストラップダウン慣性ナビゲーションシステムに送信された基地
局位置と結合して、ストラップダウン慣性ナビゲーションシステムに対応するRTT距離
情報を導出し、前記RTT距離情報とUWB測位システムで得られたRTT測距値の差を
用いて観測量を取得し、状態量と結合してカルマンフィルタモデルを構築するためのモデ
ル構築モジュールと、
前記カルマンフィルタモデルの状態推定によりストラップダウン慣性ナビゲーションシス
テム中の最適推定値を求め、ストラップダウン慣性ナビゲーションシステムにフィードバ
ックし、校正によりキャリア最終位置、速度および姿勢角情報を取得するための推定モジ
ュールと、を備える。
第3態様として、本発明の実施例は、コンピューティングデバイスを提供し、
メモリとプロセッサからなり、
前記メモリはコンピュータ実行可能命令を記憶するために使用され、前記プロセッサは前
記コンピュータ実行可能命令を実行するために使用され、前記コンピュータ実行可能命令
がプロセッサによって実行されると、本発明のいずれか1つの実施例に記載の変電所環境
用の帯電作業プラットフォーム測位方法のステップが実現される。
第4態様として、本発明の実施例は、コンピュータ可読記憶媒体を提供し、コンピュータ
実行可能命令が記憶されており、前記コンピュータ実行可能命令がプロセッサによって実
行されると、前記変電所環境用の帯電作業プラットフォーム測位方法のステップが実現さ
れる。
【発明の効果】
【0004】
本発明は以下の有益な効果を有する。本発明の変電所環境用の帯電作業プラットフォーム
測位方法によれば、帯電作業プラットフォームが自律的かつインテリジェントに自身の位
置情報を取得することができ、作業者によってもたらされる安全上リスクを回避する同時
に、衛星信号に依存することなく、屋内外の変電所環境での測位機能を実現し、最終的に
、視覚測位と比較すると、全天候型、全時間型の測位機能を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0005】
本発明の実施例の技術的解決策をより明確に説明するために、以下、実施例の説明におい
て使用される必要のある添付図面を簡単に説明するが、明らかに、以下の説明における添
付図面は本発明のいくつかの実施例に過ぎず、当業者であれば、創造的な労働をすること
なく、これらの図面に基づいて他の図面を得ることができる。
図1】本発明に係る変電所環境用の帯電作業プラットフォーム測位方法の全体フレーム図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本発明の上記目的、特徴および利点をより明白かつ理解しやすくするために、以下、明細
書および添付図面と併せて本発明の具体的な実施形態を詳細に説明する。
以下の説明において、本発明を十分に理解するために、多くの具体的な詳細を説明するが
、本発明は、明細書に記載されたものと異なる他の形態で実施され得、当業者であれば、
本発明の意味合いを侵すことなく同様の推進を行うことができるため、本発明は以下に開
示される具体的な実施例によって限定されるものではない。
また、ここでの「一実施例」または「実施例」とは、本発明の少なくとも1つの実施形態
に含まれ得る特定の特徴、構造または特性を指す。本明細書において様々な場所に現れる
「一実施例」とは、すべてが同じ実施例を指すものではなく、他の実施例とは別個または
選択的に互いに排他的な実施例を指すものでもない。
さらに、本発明は概略図と併せて詳細に説明され、本発明の実施例を詳細に説明するとき
、装置構造を示す断面図は説明の便宜上、一般的な比率に従って拡大されず、前記概略図
は例示に過ぎず、本発明の保護範囲を限定すべきではない。また、実際の製作には長さ、
幅および深さの3次元空間寸法を含むべきである。
実施例1
図1を参照すると、本発明の一実施例は、変電所環境用の帯電作業プラットフォーム測位
方法を提供し、この方法は、以下のステップを含む。
S1:慣性測定ユニットIMUによりキャリアの角速度および比推力情報を測定し、両者
をストラップダウン慣性ナビゲーションシステムに入力する。
S2:ストラップダウン慣性ナビゲーションシステムによりキャリアの位置情報を解析す
る同時に、UWBタブからストラップダウン慣性ナビゲーションシステムに送信された基
地局位置と結合して、ストラップダウン慣性ナビゲーションシステムに対応するRTT距
離情報を導出する。なお、ストラップダウン慣性ナビゲーションシステムで解析したキャ
リア位置座標は経度
、緯度
および高度
であり、地理座標系に変換し、それぞれ
で示すと、以下の式を得:
ここで、
は地球楕円長半軸長さであり、
は地球楕円扁平率である。
対応するストラップダウン慣性ナビゲーションシステムで解析したキャリア座標を解析し
、キャリアと基地局間のRTTの距離情報は次の式に示され:
ここで、
はSINSで推定されたキャリアと第
基地局のRTT測距情報であり、
は地理座標系にける第
基地局の座標である。
S3:RTT距離情報とUWB測位システムによって得られたRTT測距値の差を用いて
観測量を取得し、状態量と結合してカルマンフィルタモデルを確立する。なお、
RTT距離情報とRTT測距値の差は具体的に次の式で示され:
ここで、
はカルマンフィルタの観測量であり、
はUWBシステムで測定された基地局とタブ間のRTT測距値である。
なお、RTT距離情報とRTT測距値の差を観測量としてカルマンフィルタに入力し、カ
ルマンフィルタのパラメータを減らし、上記方法の計算量を削減し、2つのセンサのデー
タ融合度を向上させ、上記方法は帯電作業プラットフォームの正確な測位機能を実現し、
UWB測距情報が部分的に失われた場合でも正常に動作することができる。
状態量は、ジャイロスコープの3軸方向の測定ガウスノイズ、加速度計の3軸方向の測定
ガウスノイズ、プラットフォームの経度、緯度、高度方向の位置誤差、3軸方向の速度誤
差およびUWB測距誤差を含む。
S4:カルマンフィルタモデルの状態推定によりストラップダウン慣性ナビゲーションシ
ステム中の最適推定値を求め、ストラップダウン慣性ナビゲーションシステムにフィード
バックし、校正によりキャリア最終位置、速度および姿勢角情報を取得する。なお、
カルマンフィルタモデルの具体的なアルゴリズムの流れは次の通りであり:
状態行列および
時点からフィルタリングして状態推定を行い、
時点の状態予測を得:
状態予測の平均二乗誤差を計算し:
カルマンフィルタのゲイン行列を計算し:
ゲイン行列からシステム状態を推定し:
状態推定の平均二乗誤差を計算し:
ここで、

時点の状態予測であり、

時点で得られたフィルタリング後の状態推定であり、

時点~
時点の転送行列であり、
は状態予測の平均二乗誤差であり、

時点~
時点のノイズ割当行列であり、
はカルマンフィルタのゲイン行列であり、

時点の計測行列であり、

時点の観測ノイズ割当行列であり、
はシステム計測値であり、

時点の状態推定の平均二乗誤差である。
最適推定値は、ジャイロスコープ、加速度計、プラットフォーム姿勢角、速度および位置
誤差の最適推定値を含む。
本実施例は、変電所環境用の帯電作業プラットフォーム測位システムをさらに提供し、こ
のシステムは、
キャリアの角速度および比推力情報を測定し、両者をストラップダウン慣性ナビゲーショ
ンシステムに入力するための収集モジュールと、
前記ストラップダウン慣性ナビゲーションシステムによりキャリアの位置情報を解析する
同時に、UWBタブからストラップダウン慣性ナビゲーションシステムに送信された基地
局位置と結合して、ストラップダウン慣性ナビゲーションシステムに対応するRTT距離
情報を導出し、前記RTT距離情報とUWB測位システムで得られたRTT測距値の差を
用いて観測量を取得し、状態量と結合してカルマンフィルタモデルを構築するためのモデ
ル構築モジュールと、
前記カルマンフィルタモデルの状態推定によりストラップダウン慣性ナビゲーションシス
テム中の最適推定値を求め、ストラップダウン慣性ナビゲーションシステムにフィードバ
ックし、校正によりキャリア最終位置、速度および姿勢角情報を取得するための推定モジ
ュールと、を備える。
本実施例は、コンピューティングデバイスをさらに提供し、変電所環境用の帯電作業プラ
ットフォーム測位方法の場合に適用され、
メモリとプロセッサからなり、メモリはコンピュータ実行可能命令を記憶するために使用
され、前記プロセッサは前記コンピュータ実行可能命令を実行するために使用され、前記
コンピュータ実行可能命令がプロセッサによって実行されると、上記実施例に記載の変電
所環境用の帯電作業プラットフォーム測位方法のステップが実現される。
このコンピュータ装置は端末であり得、コンピュータ装置は、システムバスを介して接続
されたプロセッサ、メモリ、通信インタフェース、ディスプレイおよび入力装置を備える
。ここで、このコンピュータ装置のプロセッサは計算および制御能力を提供するために使
用される。このコンピュータ装置のメモリは非揮発性記憶媒体、内部メモリを含む。この
非揮発性記憶媒体にオペレーティングシステムおよびコンピュータプログラムが含まれる
。この内部メモリは、非揮発性記憶媒体中のオペレーティングシステムおよびコンピュー
タプログラムの動作環境を提供する。このコンピュータ装置の通信インタフェースは、有
線または無線方式で外部の端末と通信するために使用され、無線方式は、WIFI、サー
ビスプロバイダネットワーク、NFC(近距離無線通信)または他の技術によって実現する
ことができる。このコンピュータ装置のディスプレイは液晶ディスプレイまたは電子イン
クディスプレイであり得、このコンピュータ装置の入力装置はディスプレイに覆われたタ
ッチ層、コンピュータ装置の筐体に設けられたボタン、トラックボールまたはタッチパッ
ド、外部キーボード、タッチパッドまたはマウスなどであってもよい。
本実施例は、コンピュータプログラムが記憶された記憶媒体をさらに提供し、このプログ
ラムがプロセッサによって実行されると、上記実施例に記載の変電所環境用の帯電作業プ
ラットフォーム測位方法が実現される。
本実施例が提出する記憶媒体と上記実施例が提出するデータ記憶方法は同一の発明思想に
属するものであり、本実施例で網羅的に説明しない技術的詳細は上記実施例に記載されて
おり、本実施例と上記実施例とは同じ有益な効果を奏する。
【0007】
実施例2
本発明の別の実施例について、本方法で採用する技術的効果を検証および説明するために
、変電所環境用の帯電作業プラットフォーム測位方法の検証実験を提供する。
本発明が提出する変電所環境用の帯電作業プラットフォーム測位方法によれば、帯電作業
プラットフォームが自律的かつインテリジェントに自身の位置情報を取得し、作業者によ
ってもたらされる安全上のリスクを回避することができる同時に、衛星信号に依存するこ
となく、視覚測位と比較すると、屋内外の変電所環境において全天候型および全時間型の
測位を実現する。表1に示されるように、単純なUWB、IMU測位方法、従来のルース
・カップリング・アルゴリズムよりも、測位精度が大幅に向上する。
表1:比較結果
【0008】
【0009】
実験結果から分かるように、単純なUWBの位置誤差は約0.4メートルであり、プラッ
トフォームの移動速度を測定することができず、従来のUWB/IMUルース・カップリ
ング・アルゴリズム方法の測位精度は単純なUWBよりも向上するが、向上程度が大きく
なく、本特許が提出する測位方法は、単純なUWBおよび従来のルース・カップリング・
アルゴリズム方法よりも、測位精度が大幅に向上し、速度測定精度も明らかに向上する。
なお、以上の実施例は、限定ではなく、本発明の技術的解決策を説明するために用いられ
るに過ぎず、好ましい実施例を参照して本発明を詳細に説明したが、本分野の当業者であ
れば、本発明の技術的解決策の精神および範囲から逸脱することなく、本発明の技術的解
決策に加えられた修正や等価置換は、すべて本発明の特許請求の範囲に含まれるべきであ
る。
図1
【手続補正書】
【提出日】2024-08-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャリアの角速度および加速度情報を測定し、両者をストラップダウン慣性ナビゲーショ
ンシステムに入力するステップと、
前記ストラップダウン慣性ナビゲーションシステムによりキャリアの位置情報を解析する
同時に、UWBタブからストラップダウン慣性ナビゲーションシステムに送信された基地
局位置と結合して、ストラップダウン慣性ナビゲーションシステムに対応するRTT距離
情報を導出するステップと、
RTT距離情報とUWB測位システムによって得られたRTT測距値の差を用いて観測量
を取得し、状態量と結合してカルマンフィルタモデルを確立するステップと、
前記カルマンフィルタモデルの状態推定によりストラップダウン慣性ナビゲーションシス
テム中の最適推定値を求め、ストラップダウン慣性ナビゲーションシステムにフィードバ
ックし、校正によりキャリア最終位置、速度および姿勢角情報を取得するステップと、を
含む、ことを特徴とする変電所環境用の帯電作業プラットフォーム測位方法。
【請求項2】
前記ストラップダウン慣性ナビゲーションシステムはキャリアの位置情報を解析する同時
に、UWBタブからストラップダウン慣性ナビゲーションシステムに送信された基地局位
置と結合して、ストラップダウン慣性ナビゲーションシステムに対応するRTT距離情報
を導出するステップは、前記ストラップダウン慣性ナビゲーションシステムで解析したキ
ャリア位置座標を地理座標系に変換し、解析してキャリアと基地局間のRTT距離情報を
取得することを含む、ことを特徴とする請求項1に記載の変電所環境用の帯電作業プラッ
トフォーム測位方法。
【請求項3】
前記観測量は、前記RTT距離情報と前記RTT測距値の差を含む、ことを特徴とする請
求項1に記載の変電所環境用の帯電作業プラットフォーム測位方法。
【請求項4】
前記ストラップダウン慣性ナビゲーションシステムで解析したキャリア位置座標を地理座
標系に変換することは、
ストラップダウン慣性ナビゲーションシステムで解析したキャリア位置座標は、経度
、緯度
および高度
であり、地理座標系に変換してそれぞれ
で示すと、以下の式を得、
ここで、
は地球楕円の長半軸長さであり、
は地球楕円扁平率である、ことを特徴とする請求項2に記載の変電所環境用の帯電作業プ
ラットフォーム測位方法。
【請求項5】
前記RTT距離情報は具体的に次の式を含み、
ここで、
はSINSで推定されたキャリアと第
基地局のRTT測距情報であり、
は地理座標系における第
基地局の座標である、ことを特徴とする請求項2または4に記載の変電所環境用の帯電作
業プラットフォーム測位方法。
【請求項6】
前記観測量は次の式で示され、
ここで、
はカルマンフィルタの観測量であり、
はUWBシステムで測定された基地局とタブ間のRTT測距値である、ことを特徴とする
請求項1に記載の変電所環境用の帯電作業プラットフォーム測位方法。
【請求項7】
前記状態量は、ジャイロスコープの3軸方向の測定ガウスノイズ、加速度計の3軸方向の
測定ガウスノイズ、プラットフォームの経度、緯度、高度方向の位置誤差、3軸方向の速
度誤差およびUWB測距誤差を含む、ことを特徴とする請求項1に記載の変電所環境用の
帯電作業プラットフォーム測位方法。
【請求項8】
キャリアの角速度および加速度情報を測定し、両者をストラップダウン慣性ナビゲーショ
ンシステムに入力するための収集モジュールと、
前記ストラップダウン慣性ナビゲーションシステムによりキャリアの位置情報を解析する
同時に、UWBタブからストラップダウン慣性ナビゲーションシステムに送信された基地
局位置と結合して、ストラップダウン慣性ナビゲーションシステムに対応するRTT距離
情報を導出し、前記RTT距離情報とUWB測位システムで得られたRTT測距値の差を
用いて観測量を取得し、状態量と結合してカルマンフィルタモデルを構築するためのモデ
ル構築モジュールと、
前記カルマンフィルタモデルの状態推定によりストラップダウン慣性ナビゲーションシス
テム中の最適推定値を求め、ストラップダウン慣性ナビゲーションシステムにフィードバ
ックし、校正によりキャリア最終位置、速度および姿勢角情報を取得するための推定モジ
ュールと、を備える、ことを特徴とする変電所環境用の帯電作業プラットフォーム測位シ
ステム。
【請求項9】
メモリとプロセッサからなり、
前記メモリはコンピュータ実行可能命令を記憶するために使用され、前記プロセッサは前
記コンピュータ実行可能命令を実行するために使用され、前記コンピュータ実行可能命令
がプロセッサによって実行されると、請求項7に記載の変電所環境用の帯電作業プラット
フォーム測位方法のステップが実現される、ことを特徴とするコンピューティングデバイ
ス。
【請求項10】
コンピュータ実行可能命令が記憶されており、前記コンピュータ実行可能命令がプロセッ
サによって実行されると、請求項7に記載の変電所環境用の帯電作業プラットフォーム測
位方法のステップが実現される、ことを特徴とするコンピュータ可読記憶媒体。