(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024149342
(43)【公開日】2024-10-18
(54)【発明の名称】唐辛子粉の品質モニタリング方法及びそのシステム
(51)【国際特許分類】
G01N 21/27 20060101AFI20241010BHJP
G01N 33/02 20060101ALI20241010BHJP
【FI】
G01N21/27 B
G01N33/02
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023172942
(22)【出願日】2023-10-04
(31)【優先権主張番号】10-2023-0044596
(32)【優先日】2023-04-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り https://doi.org/10.11002/kjfp.2022.29.6.918 公開日 2022年10月31日 https://doi.org/10.3390/foods11244086 公開日 2022年12月17日
(71)【出願人】
【識別番号】519359723
【氏名又は名称】コリア フード リサーチ インスティテュート
(74)【代理人】
【識別番号】100112656
【弁理士】
【氏名又は名称】宮田 英毅
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】チョン-ホ リム
(72)【発明者】
【氏名】キ-ジャイ パク
(72)【発明者】
【氏名】キョンシク オク
(72)【発明者】
【氏名】ジョンソク チョ
(72)【発明者】
【氏名】デ-ヨン ユン
(72)【発明者】
【氏名】ソル-キ パク
(72)【発明者】
【氏名】ギョソク イ
(72)【発明者】
【氏名】ジョン ヒ チェ
(72)【発明者】
【氏名】キョン-ヒョン ク
(72)【発明者】
【氏名】サンソプ キム
(72)【発明者】
【氏名】ジヒョン イ
(72)【発明者】
【氏名】ハヒョン ユ
(72)【発明者】
【氏名】チ-ヨン チェ
【テーマコード(参考)】
2G059
【Fターム(参考)】
2G059AA03
2G059AA05
2G059BB09
2G059BB11
2G059CC09
2G059DD12
2G059EE02
2G059EE12
2G059FF01
2G059HH01
2G059HH02
2G059JJ01
2G059KK04
2G059MM01
(57)【要約】 (修正有)
【課題】唐辛子粉の品質をモニタリングする方法を提供する。
【解決手段】唐辛子粉の粉砕工程、濾過工程、および殺菌工程のうちの少なくとも1つの工程または工程の前後で分光装置10により取得された第1唐辛子粉に関する分光画像データに基づいて、第1唐辛子粉の第1粒度及び第1水分含量のうち少なくとも1つを推定する段階、第1粒度及び第1水分含量のうち少なくとも1つと分光画像データに基づいて第2辛さ度を算出する段階、および第1粒度と第1水分含量のうち少なくとも1つと第2辛さ度及び第1唐辛子粉の投入量に基づいて、混合工程の第1混合唐辛子粉の第3辛さ度を推定する段階を含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
唐辛子粉の品質をモニタリングする方法として、
唐辛子粉の粉砕工程、濾過工程、及び殺菌工程のうち少なくとも1つの工程又は工程前後で取得した第1唐辛子粉に関する分光画像データに基づいて、前記第1唐辛子粉の第1粒度及び第1水分含量のうち少なくとも1つを推定する段階、
前記第1粒度および前記第1水分含量のうち少なくとも1つと前記分光画像データに基づいて第2辛さ度を算出する段階、および
前記第1粒度と前記第1水分含量のうち少なくとも1つと前記第2辛さ度及び第1唐辛子粉の投入量に基づいて、混合工程の第1混合唐辛子粉の第3辛さ度を推定する段階を含む、唐辛子粉の品質モニタリング方法。
【請求項2】
前記分光画像データに基づいて第1唐辛子粉の第1辛さ度を推定する段階をさらに含み、
前記第2辛さ度は、前記第1粒度と前記第1水分含量のうち少なくとも1つに基づいて前記第1辛さ度を補正して算出する、
請求項1に記載の唐辛子粉の品質モニタリング方法。
【請求項3】
前記第1粒度と前記第1水分含量のうち少なくとも1つと前記第1唐辛子粉の投入量に基づいて、前記第1混合唐辛子粉の第2粒度と第2水分含量のうち少なくとも1つを推定する段階をさらに含む、
請求項1に記載の唐辛子粉の品質モニタリング方法。
【請求項4】
予め設定された第1混合唐辛子粉の目標辛さ度及び目標粒度と、前記第3辛さ度及び前記第2粒度とを比較し、今後粉砕工程に投入される乾唐辛子の種類、投入量、水分含量、及び粉砕程度のうち少なくとも1つ以上を決定する段階、または今後混合工程に投入される第2唐辛子粉の辛さ度、投入量、水分含量、および粒度のうち少なくとも1つ以上を決定する段階をさらに含む、
請求項3に記載の唐辛子粉の品質モニタリング方法。
【請求項5】
前記分光画像データに基づいて、前記第1唐辛子粉の第1糖含量を推定する段階、
前記第1混合唐辛子粉の第2糖含量を推定する段階、および
予め設定された第1混合唐辛子粉の目標糖含量と前記第2糖含量とを比較して、今後粉砕工程に投入される乾唐辛子の種類又は投入量を決定する段階、又は今後混合工程に投入される第2唐辛子粉の糖含量又は投入量を決定する段階をさらに含む、
請求項1に記載の唐辛子粉の品質モニタリング方法。
【請求項6】
前記分光画像データに基づいて、前記第1唐辛子粉の第1ASTA値を推定する段階、
前記第1混合唐辛子粉の第2ASTA値を推定する段階、および
予め設定された第1混合唐辛子粉の目標ASTA値と前記第2ASTA値とを比較して、今後粉砕工程に投入される乾唐辛子のASTA値又は投入量を決定する段階、又は今後混合工程に投入される第2唐辛子粉のASTA値または投入量を決定する段階をさらに含む、
請求項1に記載の唐辛子粉の品質モニタリング方法。
【請求項7】
前記第1粒度、前記第1水分含量、前記第2粒度、前記第2水分含量、前記第2辛さ度、前記第3辛さ度に関する視覚化マップを生成する段階をさらに含む、
請求項3に記載の唐辛子粉の品質モニタリング方法。
【請求項8】
第1唐辛子粉、第2唐辛子粉、および第1混合唐辛子粉に関して推定または決定されたデータをメモリに保存する段階、または制御部に送受信する段階をさらに含む、
請求項1~7のいずれか一項に記載の唐辛子粉の品質モニタリング方法。
【請求項9】
命令を含む非一時的記録媒体に保存されたコンピュータプログラムとして、命令は、プロセスによって請求項1~7のいずれか一項に記載の方法を実行するように構成された、非一時的記録媒体に保存されたコンピュータプログラム。
【請求項10】
第1唐辛子粉、第2唐辛子粉、および第1混合唐辛子粉に関して推定または決定されたデータをメモリに保存する段階、または制御部に送受信する段階をさらに実行するように構成された、
請求項9に記載の非一時的記録媒体に保存されたコンピュータプログラム。
【請求項11】
唐辛子粉の品質モニタリングシステムとして、
唐辛子粉の粉砕工程、濾過工程、および殺菌工程のうち少なくとも1つの工程または工程の前後で第1唐辛子粉に関する分光画像データを取得するように構成された1つ以上の分光装置、および
前記分光装置から分光画像データを受信するように構成されたモニタリング装置を含み、
前記モニタリング装置は、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法を実行するように構成された、唐辛子粉の品質モニタリングシステム。
【請求項12】
前記分光装置は、周期的または間欠的に第1唐辛子粉に関する分光画像データを取得するように構成された、
請求項11に記載の唐辛子粉の品質モニタリングシステム。
【請求項13】
前記モニタリング装置は、第1唐辛子粉、第2唐辛子粉、および第1混合唐辛子粉に関して推定または決定されたデータをメモリに保存または制御部に送受信するように構成された、
請求項11に記載の唐辛子粉の品質モニタリングシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、唐辛子粉の品質モニタリング方法及びそのシステムに関するもので、より詳細には、唐辛子粉の製造工程で唐辛子粉の品質、例えば、辛さ度、粒度などをモニタリングする方法及びシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
赤唐辛子はナス科に属する単一作物で、赤色を帯びて辛味を持つ。一般的に、赤唐辛子は乾燥させて粉にし、食品添加物の香辛料として使用する。唐辛子の品質に対する選好度は、最終的に唐辛子粉に含まれる辛味、甘味、その他の風味成分などが混合された味によって決定される。唐辛子の辛さを決める成分であるカプサイシノイドの同族体には、カプサイシン、ジヒドロカプサイシン、ノルジヒドロカプサイシンなどがある。
【0003】
このような唐辛子は様々な品種があり、同一品種であっても、日光、降水量、土壌の特性などの栽培条件や収穫時期によって、カプサイシノイドなどの含量が異なるため、同一品種の唐辛子で作った唐辛子粉であっても唐辛子粉の味と品質を均一に生産しにくい問題点がある。
【0004】
現在、韓国農林畜産食品部は、多様な企業、農家、地域で生産される唐辛子粉の粒度の場合、例えば、粗挽き唐辛子粉、中挽き唐辛子粉、細挽き唐辛子粉などの3種類に規格化基準を提示しており、辛味の場合は辛い程度を5段階に規格化するための基準を提示している。しかし、現在では、唐辛子粉の辛い程度(辛さ度)と粒度をリアルタイムでモニタリングする技術が具現されておらず、実際の製造工程上で品質管理をするのが難しい実情である。現在、唐辛子粉の品質分析のためには、唐辛子粉のサンプルを採取し、前処理過程を経て成分を直接測定する含量測定法を利用しているが、これらの方法は分析及び処理に数日又は少なくとも数時間かかるため、実際の製造工程上で適用しにくいという問題点が発生する。例えば、唐辛子粉の辛味成分は、高性能液体クロマトグラフィー(HPLC)およびガスクロマトグラフィー/質量分析法(GC/MS)を用いてカプサイシノイド含量を測定することができる。しかしながら、このような方法もサンプルの前処理過程を経て破壊的な方法を用いるため、分析結果を確認するには長時間がかかる。
【0005】
一方、分光画像を用いて唐辛子粉の品質を分析する方法は、韓国特許登録番号第10-1135505号に紹介されている。しかしながら、市販されている唐辛子粉は様々な大きさの粒子を有しているため、分光による辛味測定の正確度が低下すると知られている。さらに、従来の分光(画像)を用いて唐辛子粉を分析する場合、スポット(spot)分析を用いるため、正確度がさらに低下するという問題点が発生する。また、唐辛子粉の粒度による水分含量の差によって辛味の測定値が異なるという問題点も発生する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このような従来の問題点を解決するための本発明の一実施形態は、唐辛子粉の製造工程中にリアルタイムで唐辛子粉の分光画像データを取得し、唐辛子粉の辛さ度、粒度、又は水分含量等を推定し、唐辛子粉の製造工程上で混合工程後に排出される混合唐辛子粉の最終辛さ度を予測することにより、所望の辛味の唐辛子粉を製造できる唐辛子粉の品質モニタリング方法及びそのシステムを提供することを目的とする。
【0007】
また、分光画像データに基づいて、唐辛子粉の辛さ度の他に、ASTA値及び糖含量等の唐辛子粉の品質を推定することにより、所望の味や品質の唐辛子粉を製造できる唐辛子粉の品質モニタリング方法及びそのシステムを提供することを目的とする。
【0008】
本明細書に開示された技術の技術的思想による技術的課題は、前記の課題に制限されず、言及されていない他の課題は、以下の記載から通常の技術者には明確に理解できるだろう。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記目的は、唐辛子粉の品質をモニタリングする方法であって、唐辛子粉の粉砕工程、濾過工程、及び殺菌工程のうち少なくとも1つの工程又は工程前後で取得された第1唐辛子粉に関する分光画像データに基づいて、前記第1唐辛子粉の第1粒度と第1水分含量のうち少なくとも1つと第1辛さ度を推定する段階、前記第1粒度と前記第1水分含量のうち少なくとも1つに基づいて、前記第1辛さ度を補正した第2辛さ度を算出する段階、推定された前記第1粒度と前記第1水分含量のうち少なくともいずれか及び第2辛さ度に対するデータをメモリに保存する段階、および前記保存されたデータ及び第1唐辛子粉の投入量に基づいて、混合工程の第1混合唐辛子粉の第3辛さ度を推定する段階を含んで達成することができる。
【0010】
また、前記目的は、唐辛子粉の品質をモニタリングする方法であって、唐辛子粉の粉砕工程、濾過工程、及び殺菌工程のうち少なくとも1つの工程又は工程の前後で取得された第1唐辛子粉に関する分光画像データに基づいて、前記第1唐辛子粉の第1粒度および第1水分含量のうち少なくとも1つを推定する段階、前記第1粒度および前記第1水分含量のうち少なくとも1つと前記分光画像データに基づいて、第2辛さ度を推定する段階、および前記第1粒度と前記第1水分含量のうち少なくとも1つと前記第2辛さ度および第1唐辛子粉の投入量に基づいて、混合工程の第1混合唐辛子粉の第3辛さ度を推定する段階を含んで達成することができる。
【0011】
また、前記第1粒度と前記第1水分含量のうち少なくとも1つと前記唐辛子粉の投入量に基づいて、前記第1混合唐辛子粉の第2粒度と第2水分含量のうち少なくとも1つを推定する段階をさらに含むことができる。
【0012】
また、予め設定された前記第1混合唐辛子粉の目標辛さ度及び目標粒度を前記第3辛さ度及び前記第2粒度と比較して、今後の粉砕工程に投入予定の乾唐辛子の種類、投入量、水分含量、及び粉砕程度のうち少なくとも1つ以上を決定するか、または今後の混合機に投入する第2唐辛子粉の辛さ度、投入量、水分含量、および粒度のうち少なくとも1つ以上を決定する段階をさらに含むことができる。
【0013】
また、前記分光画像データに基づいて、前記唐辛子粉の第1糖含量を推定する段階;前記第1混合唐辛子粉の第2糖含量を予測する段階;および前記第2糖含量を前記設定された前記第1混合唐辛子粉の目標糖含量と比較して、今後前記粉砕工程に投入する乾唐辛子の種類及び投入量を決定するか、または今後混合機に投入する第2唐辛子粉の糖含量及び投入量を決定する段階をさらに含むことができる。
【0014】
または、前記分光画像データに基づいて、前記唐辛子粉の第1ASTA値を推定する段階;前記第1混合唐辛子粉の第2ASTA値を推定する段階;および前記第2ASTA値を前記設定された前記第1混合唐辛子粉の目標ASTA値と比較して、今後の前記粉砕工程に投入する乾唐辛子のASTA値及び投入量を決定するか、または今後の混合機に投入する第2唐辛子粉のASTA値及び投入量を決定する段階をさらに含むことができる。
【0015】
また、前記第1粒度、前記第1水分含量、前記第2粒度、前記第2水分含量、前記第2辛さ度、第3辛さ度を視覚化マップとして生成する段階をさらに含むことができる。
【0016】
また、前記のような目的を達成するために、前記唐辛子粉の品質モニタリング方法を実行するように構成された非一時的記録媒体に保存されたコンピュータプログラムであり得る。
【0017】
他の技術的思想による一実施形態による唐辛子粉の品質モニタリングシステムにおいて、唐辛子粉の粉砕工程、濾過工程、及び殺菌工程のうち少なくとも1つの工程内または前後に設置され、唐辛子粉に関する分光画像データを取得する1つ以上の分光装置、および分光装置と連動して分光画像データを受信するモニタリング装置を含むことができ、前記モニタリング装置は、上述の唐辛子粉の品質をモニタリングする方法を実行するように構成することができる。
【0018】
また、前記分光装置は、周期的または間欠的に第1唐辛子粉に関する分光画像データを取得するように構成することができる。
【0019】
また、前記モニタリング装置は、第1唐辛子粉、第2唐辛子粉、および第1混合唐辛子粉に関して推定または決定されたデータをメモリに保存または制御部に送受信するように構成することができる。
【発明の効果】
【0020】
上述したように、本発明の一実施形態による唐辛子粉の品質モニタリング方法及びそのシステムは、唐辛子粉製造工程中にリアルタイムで唐辛子粉の分光画像データを取得し、唐辛子粉の辛さ度、粒度、又は水分含量などを推定し、これに基づいて唐辛子粉の製造工程上で混合工程後に排出される混合唐辛子粉の最終辛さ度を予測することにより、所望の辛味の唐辛子粉を製造することができる。
【0021】
また、分光画像データに基づいて唐辛子粉の辛さ度以外にASTA値および糖含量などの唐辛子粉の品質を推定することにより、所望の味や品質の唐辛子粉を製造することができる。
【0022】
一方、前述の効果は例示的なものに過ぎず、当業者の観点から本発明の詳細な構成から予測または期待される効果も本発明固有の効果に加えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態による唐辛子粉の品質モニタリングシステムを概略的に示す図である。
【
図2】
図2は、本発明の一実施形態による唐辛子粉の品質モニタリングシステムを概略的に示す図である。
【
図3】
図3は、本発明の一実施形態によるモニタリング装置で分析した唐辛子粉の分光画像データに基づいて、唐辛子粉の品質を空間的に視覚化したマップを示す図である。
【
図4】
図4は、本発明の一実施形態によるモニタリング装置で分析した唐辛子粉の粒度による分光スペクトル分布を示す図である。
【
図5】
図5は、唐辛子粉の粒度判別のための分析結果を示す図である。
【
図6】
図6は、本発明の一実施形態によるモニタリング装置で分析した唐辛子粉の水分含量による分光スペクトル分布を示す図である。
【
図7】
図7は、唐辛子粉の水分含量分析結果を示す図である。
【
図8】
図8の(a)は、本発明の一実施形態によるモニタリング装置で分析した唐辛子粉の粒度と辛さ度による超分光スペクトルデータを示し、(b)はPCAプロットを示す図である。
【
図9】
図9は、本発明の一実施形態によるモニタリング装置で分析した辛さ度推定のためのSWIRの全波長帯域(900~1700nm)のスペクトルでのPLS―DAの分析結果から導出された回帰係数を示す図である。
【
図10】
図10は、本発明の一実施形態による分光分析モデルの辛さ度推定モデリング結果値を示す図である。
【
図11】
図11は、本発明の一実施形態によるモニタリング装置による唐辛子粉の品質モニタリング方法に関するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、添付の図面を参照して本明細書に開示された一実施形態を詳細に説明するが、図面符号にかかわらず同一または類似の構成要素には同一の参照番号を付し、これに対する重複説明は省略する。以下の説明で使用される構成要素の接尾辞「モジュール」および「部」は、明細書の作成の容易さのみが考慮され、付与または混用されるものであり、それ自体が互いに区別される意味または役割を有するものではない。また、本明細書に開示された一実施形態を説明するにあたって、関連する公知技術の具体的な説明が本明細書に開示された一実施形態の要旨を不明瞭にすると判断される場合、その詳細な説明を省略する。さらに、添付の図面は、本明細書に開示された一実施形態を容易に理解できるようにするためのものであり、添付の図面によって本明細書に開示される技術的思想は制限されず、本発明の思想および技術範囲に含まれるすべての変更、均等物ないし代替物を含むものと理解されなければならない。
【0025】
第1、第2などの序数を含む用語は、様々な構成要素を説明するために使用することができるが、前記構成要素は前記用語によって限定されない。前記用語は、1つの構成要素を他の構成要素と区別する目的でのみ使用される。
【0026】
ある構成要素が他の構成要素に「連結されている」または「接続されている」と訳された場合には、他の構成要素に直接的に連結されているか、または接続されている可能性があるが、中間に他の構成要素が存在する可能性もあると理解する必要がある。一方、ある構成要素が他の構成要素に「直接連結されている」または「直接接続されている」と言及された場合には、中間に他の構成要素が存在しないと理解する必要かある。
【0027】
単数の表現は、文脈上明らかに他に意味がない限り、複数の表現を含む。
【0028】
本出願において、「含む」または「有する」などの用語は、明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品、またはそれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとするものであり、1つまたはそれ以上の他の特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品、またはそれらを組み合わせたものの存在または付加可能性を予め排除しないことと理解しなければならない。
【0029】
本開示内容は、図面および以上の説明で詳細に例示され説明されたが、本開示内容は特徴が制限的なものではなく例示的なものとして考慮されなければならず、単に所定の実施形態が図示され説明されており、本開示内容の精神内に入る全ての変化と変形は保護されることが望ましいと理解されるだろう。
【0030】
図1および
図2は、本発明の一実施形態による唐辛子粉の品質モニタリングシステムの概略図である。
【0031】
図1を参照すると、本発明の一実施形態による唐辛子粉の品質モニタリングシステムは、唐辛子粉の製造工程システム(200)に設置され、製造中の唐辛子粉に関する分光画像データを取得する分光装置(10)、及び分光装置(10)と連動して製造中の唐辛子粉の品質をモニタリングするモニタリング装置(100)を含む。
【0032】
本発明の一実施形態による唐辛子粉の製造工程システム(200)は、唐辛子粉を製造するための工程施設として、粉砕機(210)、濾過機(220)、殺菌機(230)、及び混合機(240)を含む。
【0033】
粉砕機(210)は、乾唐辛子を粉砕して粉にするためのものであり、粉砕工程に使用される。粉砕機(210)の剪断に、必要に応じて乾唐辛子の洗浄、異物選別、乾燥、水分調節、破砕、および種と果肉分離などの工程を追加することができる。粉砕機(210)は、ロールミルを用いて多段階を経て乾唐辛子を所望の粒度に粉砕する。
【0034】
濾過機(220)は、粉砕機(210)の後端に設けられて粉砕された唐辛子粉を所望の粒度に選別するためのものであり、例えば、必要に応じて様々な大きさに粉体をすることができる。粉体は、必要に応じて小さいサイズから大きなサイズの順に多段階にわたって行うことができ、これを適宜混合して所望の粒度の唐辛子粉を製造することができる。例えば、政府の唐辛子粉の大きさの基準によれば、細挽き唐辛子粉の規格基準は、ふるい2.00mmの上に10%未満残り、ふるい1.00mmの上に40%以上残るものであり、中挽き唐辛子粉の規格基準は、ふるい1.00mmの上に40%未満残り、ふるい500μmの上に40%以上残るものであり、粗挽き唐辛子粉の規格基準は、試験用ふるい1.00mmの上に10%未満残り、試験用ふるい500μmの上に40%未満残るものであるため、これらの基準に合うように粉体された唐辛子粉を適切に配合して所望の規格の唐辛子粉を生産することができる。
【0035】
殺菌機(230)は、唐辛子粉の殺菌のためのもので、濾過機(220)の後端に設けられ、殺菌工程に使用される。殺菌機(230)には紫外線殺菌装置を用いることができる。殺菌工程は、必要に応じて省略してもよく、濾過工程後ではなくその前に配置してもよい。
【0036】
混合機(240)は、唐辛子粉を混合するためのものであり、濾過および殺菌された唐辛子粉を混合するためにミキサーを使用することができる。前述した一連の製造工程を経た唐辛子粉が、定められた一定量が集められると、混合機(240)を介した混合工程が行われる。例えば、濾過および殺菌された唐辛子粉が混合機(240)に投入され、混合機(240)に唐辛子粉が一定量が集められると、混合機(240)を動作させることができる。他の実施形態では、濾過及び殺菌された唐辛子粉を容器に集め、一定量が集められるとこれを混合機(240)に投入して混合工程を行うこともできる。さらに他の実施形態では、濾過機(220)を介して粒度別に選別した唐辛子粉を別々に集めた後、目標粒度に対応する粒度別唐辛子粉の量を決定し、これを混合機(240)に投入して唐辛子粉を生産することもできる。
【0037】
一方、
図1で混合機(240)の後端には、殺菌、乾燥、異物除去、包装などの工程をさらに追加することもできる。
【0038】
分光装置(10)は、唐辛子粉の分光画像データを取得するためのものであり、唐辛子粉の製造工程上に少なくとも1つを設けることができる。例えば、分光装置(10)は、唐辛子粉の粉砕工程、濾過工程、及び殺菌工程のうち少なくとも1つの工程又は工程の前後に設けられ、周期的又は間欠的に製造工程上の唐辛子粉に関する分光画像データを取得する。分光装置(10)は、混合工程前または粉砕工程後の工程前または工程後に設置されることが好ましく、場合によっては工程中に設置することかできる。例えば、分光装置(10)は、粉砕機(210)後端の連結ライン、濾過機(220)後端の連結ライン、殺菌機(230)後端の連結ライン、または殺菌機(230)に設置することができる。
【0039】
分光装置(10)は、後述するモニタリング装置(100)と連動するための有線または無線通信インターフェースを備え、分光装置(10)で取得した分光画像データは、通信インターフェースを介してモニタリング装置(100)に送信される。分光装置(10)は、SWIR(Short Wave InfraRed)領域である900~1700 nmの範囲内の波長領域帯の反射スペクトルを取得するための超分光装置であることができ、その他に近赤外線領域やRGB領域のイメージ取得のための分光装置(10)をさらに含むことができる。
【0040】
分光装置(10)は、InGaAsセンサと2つのハロゲン光源を含むことができ、ラインスキャン方式で分光イメージを取得することができる。分光装置(10)は、特定スポットの分光データではなく、一定サイズの領域の分光画像データとして取得される。これにより、唐辛子粉の品質を一定スポットではなく一定領域でどのような分布で形成されているかを確認することができる。
【0041】
唐辛子粉試料の表面が不均一であると吸光度に影響を及ぼす可能性があるので、分光装置(10)は表面を均一に平坦化するための機構的構成をさらに含むことができる。また、分光イメージ取得時の周辺環境による影響を排除するための機構的な構成をさらに含むことができる。分光装置(10)は、周期的または間欠的に分光イメージを取得するように設定することができる。例えば、10分、30分、1時間に1回、または新しい唐辛子粉が投入されるたびに分光イメージを取得するように命令を送信することができる。
【0042】
モニタリング装置(100)は、少なくとも1つの分光装置(10)と連動して分光装置(10)が取得した分光画像データを受信し、製造工程中の唐辛子粉の品質を分析してモニタリングするためのものであり、プロセッサ(110)およびプロセッサ(110)で実行される少なくとも1つのプログラムコードとデータが保存されたメモリ(120)とを含む少なくとも1つのコンピューティング装置またはコンピュータシステムによって実装可能である。一方、モニタリング装置(100)は、ネットワーク(300)を介して製造工程システム(200)および使用者端末(400)などの制御部と連動し、これにより製造工程システム(200)に制御信号を送信したり、使用者端末(400)などの制御部から命令を受信し、要請されたデータを送信したりすることもできる。
【0043】
プロセッサ(110)は、基本的なロジック、算出、演算などを実行してコンピュータプログラム命令を実行および処理するためのものであり、メモリ(120)に保存されたコンピュータプログラムコードがプロセッサ(110)にロードされて実行される。
【0044】
メモリ(120)は、コンピュータで可読記録媒体として、RAM(ランダムアクセスメモリ、random access memory)、ROM(読み取り専用メモリ、 read only memory)、およびディスクドライブのような非消滅性大容量記録装置(permanent mass storage device)を含むことができる。さらに、メモリ(120)にはプロセッサ(110)によって実行される少なくとも1つのプログラムコードを保存することができる。このようなプログラムコードは、メモリ(120)とは別のフロッピードライブ、ディスク、テープ、DVD/CD―ROMドライブ、メモリカードなどからメモリにロードすることもできる。
【0045】
モニタリング装置(100)は、DB(130)、通信インターフェース(140)、および入出力インターフェース(150)をさらに含むことができる。DB(130)は、唐辛子粉の品質に関するDB(130)として、品種、産地、生産者、収穫時期、乾燥等の栽培環境及び乾燥工程に関するデータと分光データ等の品質データ等を含むことができる。通信インターフェース(140)は、ネットワークを介して他の装置、例えば分光装置(10)、唐辛子粉製造工程システム(200)、または各工程上の装置(例えば、粉砕機(210)、濾過機(220)、殺菌機(230)、および混合機(240)など)をはじめ、工程を管理するための使用者端末(400)などと互いに通信するためのものであり、例えば、PAN(personal area network)、LAN(local area network)、CAN(campus area network)、MAN(metropolitan area network)、WAN(wide area network)、BBN(broadband network)、インターネットなどのネットワークのうちの1つ以上の任意のネットワークを含むことができる。入出力インターフェース(150)は、入出力装置(160)との連動のためのものであり、有無線通信インターフェースなどを含む。入出力装置(160)は、マイク、キーボード、またはマウスなどの入力装置、そして、ディスプレイ、スピーカーなどの出力装置を含むことができる。
【0046】
モニタリング装置(100)(プロセッサ)は、周期的または間欠的に受信される分光画像データを分析して、唐辛子粉の品質を推定し、メモリ(120)に保存する。メモリ(120)に保存される情報は、分析時間、唐辛子粉の品質、及び当該品質に対応する唐辛子粉の投入量(生産量)等である。唐辛子粉の投入量(生産量)は、時間に比例して自動的に、または使用者によって設定または入力されることが可能である。
【0047】
モニタリング装置(100)は、分光画像データに基づいて、唐辛子粉の品質、例えば粒度、水分含量、辛さ度、糖含量、またはASTA値などを推定するための分光分析モデルを含むことができる。分光分析モデルは、例えば、多変量統計モデル、マシンラーニング、またはディープラーニングによる分析モデルを含むことができ、実際の多様な産地、収穫時期、粒度、辛さ度を有する唐辛子粉の分光データを学習データとして確保し、教師なし学習または教師あり学習をすることができる。
【0048】
分光分析モデルは、多変量統計分析および計量化学モデリング(Chemometrics Modeling)などを介して、唐辛子粉の品質因子と分光画像データとの関連性を導出して用意することができる。本発明による分光分析モデルは、唐辛子粉の分光画像データに基づいて唐辛子粉の粒度、水分含量、及び/又は辛さ度などの品質因子を予測することができるモデルであって、主成分分析と多重回帰分析などを組み合わせたPLSR( Partial Least Square Regression)統計技術などを使用することができる。
【0049】
PLSRでは、予測値Yは次の式で計算できる。
Y=βX+b
(ここで、Yは、唐辛子粉品質等級、特定成分含量、粒度、水分含量、または辛さ度などであり、Xは、分光画像データ、βは回帰係数ベクトル、bはモデルオフセットである)
【0050】
モニタリング装置(100)は、導出された分光分析モデルの性能を評価するためのモデル評価部をさらに含むことができる。モデル評価部は分光画像データを用いたPLSRモデルの結果を基に、PLSR予測モデルの性能を評価し、予測モデルの性能は正確度、精度、敏感度、特異度、F1 scoreなどで評価する評価プログラムで実現可能である。
【0051】
一方、モニタリング装置(100)は、分光装置(10)から受信した分光画像から特徴を抽出して分類する特徴抽出モジュールと、分光画像データから散乱効果やノイズを除去するための前処理モジュールとをさらに含むことができる。特徴抽出モジュールは、イメージ抽出、分類、および統合などのイメージ分析を行うソフトウェアとしてENVIプログラムおよびPerClassプログラムを用いて唐辛子粉の分光画像の特徴抽出、例えば、分光パターン、質感、形状などを考慮した分類などのための固有のアルゴリズムをさらに拡張して用意することができる。前処理モジュールは、試料の不均一な外観や周辺の環境条件の変化によるスペクトルの散乱効果やノイズを除去するためのもので、 Normalization、Smoothing、SNR(Standard Normal Variate)、MSC(Multi Scatter Correction)、SG(Savitzky-Golay)1次または2次 derivativeなどの前処理などを行うことができ、例えば、Unscramblerなどのプログラムを用いて具現することができる。
【0052】
本発明による分光分析モデルは、分光画像データに基づいて、唐辛子粉の品質、例えば、粒度(例えば、粒径または粒度レベル)、水分含量、糖含量、辛さ度(例えば、カプサイシノイド含量または辛さの程度など)、またはASTA値等を推定することができる。ここで、唐辛子粉の品質推定値は、一定の数値または一定の数値範囲を有するレベル(または段階)で表すことができる。例えば、粒度は3レベル(例えば、S(細挽き唐辛子粉、425μm以下)、M(中挽き唐辛子粉、425~850μm)、L(粗挽き唐辛子粉、850μm~2mm))、辛さ度は5段階( 例えば、「まろやかな味」(カプサノイド含量が150 mg/kg 未満)、「まろやかな辛味」(150~300 mg/kg)、「通常の辛味」(300~500 mg/kg)、「辛味」(500~1,000 mg/kg)、「非常に辛味」(1,000 mg/kg以上))、または3段階(例えば、まろやかな辛味、普通の辛味、辛味)などで表すことができる。
【0053】
分光分析モデルは、受信したSWIR分光データに基づいて、PLS―DA(Discriminant Analysis)分析による粒子のサイズ(第1粒度)、水分含量(第1水分含量)、糖含量、および/または辛さ度(製1辛さ度)を推定することができる。
【0054】
モニタリング装置(100)は、分光分析モデルを介して予測した唐辛子粉の品質に関するデータを視覚化マップで生成する視覚化モジュールをさらに含むことができる。
図3は、本発明の一実施形態によるモニタリング装置(100)で分析した唐辛子粉の画像分光データに基づいて唐辛子粉の品質を空間的に視覚化したマップの一例であり、(a)は辛さ度(カプサイシノイド含量など)、(b)は遊離糖含量、(c)は粒度(粒径)の空間分布を視覚化した結果を図示したものである。
図3において、CYはそれぞれ唐辛子粉の産地を表し、-S(small、425μm以下)、-M(medium、425~850μm)、-L(large、850μm~2mm)はそれぞれ粒度を表し、0、25 、50、75、100は、清陽唐辛子の混合割合(すなわち辛い程度)を表す。例えば、CYL25は、CY地域で生産されて、粒度が大きく、清陽唐辛子が25%混合された唐辛子粉を意味する。本発明は、単に品質値だけでなく、唐辛子粉試料の空間に応じた品質分布と変化を視覚化することにより、使用者が直観的に唐辛子粉の品質を確認することができる。
【0055】
図4は、唐辛子粉の粒度による分光スペクトル分布を示したものであり、(a)は細かい粒子(S)、(b)は普通粒子(M)、(c)は太い粒子(L)を有する唐辛子粉の分光スペクトルの結果を示したものである。
図4に参照すると、唐辛子粉が細かい粒子の場合、反射率が著しく高く表れており、サンプル間のばらつきが低かった。反面、太い粒子の唐辛子粉であるほど反射度が低くデータ偏差が大きい方である。
【0056】
図5は、唐辛子粉の粒度判別のための分析結果を示したものであり、(a)はPLS―DA分析結果、(b)はモデルの回帰係数を示す。
図5を参照すると、PLS―DA分析の際に、細かい粒子(S、赤色)、普通粒子(M、緑色)、太い粒子(L、青色)が明確に区別されるが、これらの結果から唐辛子粉の分光スペクトルによる粒度推定が可能なモデルを生成することができる。
【0057】
図6は、唐辛子粉の水分含量による分光スペクトル分布を示したものであり、(a)は水分含量が第1レベル(4~8%)、第2レベル(8~12%)、第3レベル(12~16%)などの唐辛子粉の分光データを示し、
図7は唐辛子粉の水分含量分析結果を示したものであり、(a)はPLS―DA分析結果、(b)は回帰係数を示す。
図6及び
図7を参照すると、唐辛子粉の水分含量分析の際に、スコアプロット(score plot)でグループ化されることが確認でき、特に、1200nm、1480nmの波長帯域が水分をなすO-H結合の影響による吸光現象を示すことが分かる。これらの結果から、唐辛子粉の分光スペクトルによる水分含量推定が可能なモデルを生成することができる。
【0058】
本発明による分光分析モデルは、分光画像データに基づいて、唐辛子粉の第1粒度及び/又は第1水分含量を推定し、第1粒度及び/又は第1水分含量に基づいて第1辛さ度を補正し、第2辛さ度を算出することができる。
【0059】
唐辛子粉の辛味成分は、カプサイシノイド系化合物として、カプサイシン、ジヒドロカプサイシンが主をなし、それぞれ70%、21~40%の組成比で存在し、本明細書では、カプサイノイド系化合物の合計を総カプサイシノイドと称する。唐辛子は大きく果肉、種、胎座で構成され、キャプサイシノイドが主に胎座に分布するため、粉砕過程で組織が相対的に弱い胎座と胎座が付いている隔膜が一番先に粉砕されることにより粒度が小さい唐辛子粉ほど辛さ度が増加する。したがって、粒度の混合分布が異なると、唐辛子粉の色や辛さが変わるため、本発明では粒度を考慮して辛さ度を補正する。辛さ度推定のためのモデル学習の際に、総カプサイシノイド含量に応じた辛さの段階を3つまたは6つに分類して学習することができる。
【0060】
以下の表1は、清陽唐辛子の混合比率(0、25、50、75、100(%))および粒度(S、M、L)によるカプサイシノイド含量を示す。
【0061】
【0062】
表1を参照すると、清陽の割合が同じであっても粒子が大きい場合、辛味が減少することがわかる。例えば、CYS50、CYM50、CYL50の総カプサイシノイド含量は、それぞれ609.33、565.14、477.68mg/kgであるので、CYS100、CYM100、CYL100はそれぞれ875.73、814.69、664.26mg/kgであり、唐辛子粉の粒度が低いほどカプサイノイド含量が増加することがわかる。本発明はこのような粒度の差による辛味の変化を考慮した分光分析モデルを用いて辛味を推定することができる。
【0063】
一方、本発明の他の実施形態によれば、粒度の代わりに水分含量に基づいて辛さ度を補正することができる。粒度が大きいほど水分含量が大きくなるため、これに応じて辛さ度を補正することができる。辛さ度推定のための分析モデルは、入力変数として唐辛子粉の分光画像データ以外に粒度または水分含量データを含むことができ、場合によっては唐辛子粉の産地、収穫時期などの変数をさらに含むこともできる。
【0064】
本発明の他の実施形態によれば、分光分析モデルにおいて第1辛さ度を補正して第2辛さ度を算出する代わりに、第1辛さ度算出過程を省略し、予め推定された粒度または水分含量のうち少なくともいずれか1つと、分光画像データを考慮して直ちに第2辛さ度を算出することができる。すなわち、辛さ度算出に影響を与える因子として分光画像データ以外に、粒度または水分含量を考慮することにより正確な辛さ度を算出することができる。
【0065】
図8の(a)は、唐辛子粉の粒度と辛さ度による超分光スペクトルデータを示し、(b)はPCAプロットを示す。
図8の(a)において、CY、MR、JCは、それぞれ唐辛子粉の産地を表し、―S、―M、―Lは、それぞれ粒度を表す。例えば、CYLは、CY地域で生産された粒度が大きい唐辛子粉であり、CYSは、CY地域で生産された粒度が細かい唐辛子粉を意味する。
図8の(a)から主に吸光領域帯が約1120、1220、1510nmであり、辛味が強いほど1490~1600nmで反射強度が高い傾向を示すことが分かる。
図8の(b)は、主成分分析による結果を2次元及び3次元スコアプロット(score plot)で表したものであり、2次元プロットでは小さい粒子ほど正の方向に群集しているのに対し、3次元プロットでは粒度に関係なく辛味の程度に応じて3つの段階(例えば、まろやかな味(0.5~1.5段階)、通常辛味(1.5~2.5段階)、辛味(2.5~3.5段階))にグループ化されることがわかる。このような分析結果から正確な辛さ度を補正または推定できる分析モデルを生成することができる。
【0066】
図9は、辛さ度推定のためのSWIRの全波長帯域(900~1700nm)でのスペクトルにおけるPLS―DAの分析結果から導出された回帰係数を示す。
図9を参照すると、1214、1399、1518nmを含む1201~1226nm領域、1387~1411nm領域、1508~1529nm領域が最適判別波長帯域であることが分かり、分光分析モデルで分光データ処理の際に電波長帯域のデータの代わりに最適判別波長帯域のデータに基づいて唐辛子粉の品質を判別することができる。これにより、データの処理速度や負担を減らすことができる。カプサイシンとジヒドロカプサイシンは、それぞれ分子式がC
18H
27NO
3とC
18H
29NO
3のアルカロイドであり、これらは芳香環、アミド結合、疎水性側鎖で構成される。OH基の1st overtone stretchingとN-H 1st overtone stretchingは、それぞれ395-1452nm、1520nm波長帯で読まれ、2次倍音はヒドロキシル基(-OH)の存在によって発生し、カプサンチン及びカプサイシンのような唐辛子の様々な抗酸化物質から派生する。
【0067】
図10は、本発明の一実施形態による分光分析モデルの辛さ度推定モデリング結果値を示す。
図10の(a)は全波長帯で開発した辛さ度判別モデル(PLS―DA)のモデリング結果値であり、(b)は最適判別波長帯域(例えば、1214、1399、1518nmを含む1201~1226nm領域、 1387~1411nm領域、及び1508~1529nm領域)で開発した辛さ度判別モデル(PLS―DA)のモデリング結果値を示す。また、上側から順次に、RAWデータ、正規化、SNV、MSC、SGなどの前処理による予測モデルの結果値を示す。
図10において、辛味は3段階、すなわち、1はまろやかな味、2は通常辛味、3は辛味で区別した。
【0068】
図10を参照すると、本発明の一実施形態による分光分析モデルによれば、Rawデータをはじめ、全ての前処理モデルにおいて成功的に辛味予測が行われ、特に、SNVとMSC前処理モデルの予測性能が高いと分析された。また、全波長帯域データに基づく分析結果と、最適判別波長帯域に選定された特定波長帯域のデータに基づく分析結果が性能に大きな差がなく、特定波長帯域のデータだけでも十分な性能が確保できることがわかる。
【0069】
前述した過程を経て、モニタリング装置(100)は、分光装置(10)から周期的または間欠的に受信される分光画像データに基づいて、第1粒度および/または第1水分含量、第1辛さ度および/または第2辛さ度を推定及び算出し、それをメモリ(120)に保存する。そして、メモリ(120)に保存されたデータに基づいて、混合機(240)で同一回次に混合されて排出予定の唐辛子粉に対する品質、例えば、第3辛さ度(最終辛さ度)、第2粒度(最終粒度)、第2水分含量(最終水分含量)、第2糖含量(最終糖含量)、または第2ASTA値(最終ASTA値)を予測することができる。
【0070】
混合機(240)は、唐辛子粉製造工程の後端に配置され、粉砕、濾過、および殺菌過程をすべて経た唐辛子粉を混合機(240)で最終的に配合することができる。このとき、混合機(240)は、配合される唐辛子粉が一定量を満たすと動作することになる。
【0071】
本発明では、同一回次の混合機(240)に投入及び配合され、同一品質の唐辛子粉として生産される予定の第1混合唐辛子粉の品質、例えば、第3辛さ度、第2粒度、第2水分含量、第2糖含量、または第2ASTA値を算出するために、メモリ(120)に既に保存されている第1粒度、第1水分含量、第2辛さ度、第1糖含量、又は第1ASTA値、及びこれに対応する唐辛子粉の投入量(生産量)に関するデータを利用することができる。例えば、30分毎に5回にわたって分光装置(10)から測定が行われ、それぞれの唐辛子粉の投入量(生産量)が10キロ、8キロ、10キロ、9キロ、10キロであれば、それぞれの品質予測値が唐辛子粉の投入量に掛けられ、最終唐辛子粉(第1混合唐辛子粉)の第3辛さ度、最終粒度(第2粒度)、最終水分含量(第2水分含量)、最終糖含量(第2糖含量)、または最終ASTA値(第2ASTA値)を算出することができる。
【0072】
また、本発明において、第2辛さ度は、それぞれ粒度または水分含量が考慮されて補正または算出された値に該当するが、混合機(240)において互いに異なる粒度分布を有する唐辛子粉が配合されるため、第1混合唐辛子粉の最終辛さ度(すなわち、第3辛さ度)を計算する際に、第2粒度を考慮することもできる。したがって、本発明によれば、混合機(240)で配合される前に、予め第1混合唐辛子粉の品質(例えば、辛さ度、粒度など)を推定することができる。
【0073】
第1混合唐辛子粉の目標品質、例えば、目標辛さ度、目標粒度、目標糖含量、または目標ASTA値に関する情報は、使用者によって設定されてもよく、メモリ(120)に保存されてもよい。モニタリング装置(100)(プロセッサ)は、使用者が設定することができ、メモリ(120)に保存した目標基準値に該当する品質(例えば、目標辛さ度、目標粒度、目標糖含量、または目標ASTA値)に関するデータと、算出された第1混合唐辛子粉の品質(例えば、第3辛さ度、第2粒度、第2糖含量、または第2ASTA値)に関するデータと比較して、目標基準値を達成するために、今後粉砕工程に投入予定である乾唐辛子の種類、投入量、水分含量、及び粉砕程度のうち少なくとも1つ以上を決定することができ、今後混合機(240)に投入される唐辛子粉の種類(辛さ度)、投入量、水分含量、及び粒度のうち少なくとも1つを決定することができる。
【0074】
ここで、目標品質(例えば、辛さ度、粒度、水分含量、ASTA値など)は、数値または一定の数値範囲を有するレベル(または段階)に設定することができ、同様にモニタリング装置(100)で算出または予測される品質データ、例えば、辛さ度(第1辛さ度、第2辛さ度、および第3辛さ度)、粒度(第1粒度、第2粒度)なども数値またはレベルに算出することができる。
【0075】
ここで、乾唐辛子の種類は、品質、例えば、辛さ度(例えば、辛味の唐辛子粉、普通辛味の唐辛子粉、まろやかな辛味の唐辛子粉など)、乾燥程度などの分類による種類を示し、粉砕程度は粗破砕又は破砕程度、破砕方法 、粉砕強度、粉砕時間などの粉砕機(210)における工程制御値に該当する。もし、製造工程システム(200)に乾唐辛子生産システム、例えば、乾燥工程が含まれている場合、モニタリング装置(100)は、乾燥工程上の制御値、例えば、乾燥時間、乾燥強度、乾燥温度などを算出して製造工程システム(200)を制御することができる。
【0076】
算出された品質(例えば、第3辛さ度、第2粒度、第2水分含量、または第2ASTA値)がそれぞれの目標品質基準値(例えば、目標辛さ度、目標粒度、目標糖含量、または目標ASTA値)と一致するか、または該当するレベルに属する場合、モニタリング装置(100)は、特別な処置なしに、混合機(240)がその間に濾過および殺菌された唐辛子粉を配合してもよいというメッセージをディスプレイ部に表示することができる。
【0077】
一方、算出された品質(例えば、第3辛さ度、第2粒度、第2水分含量、または第2ASTA値)のいずれかが目標品質基準値と一致しない場合又は属さない場合、モニタリング装置(100)は第1混合唐辛子粉の品質が目標品質基準値と一致するか、または目標レベルに属するようにするために、今後粉砕工程に投入される乾唐辛子の種類(辛さ度など)、投入量、水分含量、及び粉砕程度(破砕程度)のうち少なくとも1つ 以上を算出する。例えば、目標辛さ度が3レベルである唐辛子粉15kgを製造するために、現在混合機(240)に投入される第1混合唐辛子粉10kgの第3辛さ度が2.5レベルと予測された場合、辛さ度が4レベルである乾唐辛子5kgを粉砕機(210)に投入するように決定することができる。他の例としては、目標辛さ度が3レベルである唐辛子粉15kgを製造するために、現在混合機(240)に投入される第1混合唐辛子粉10kgの第3辛さ度が2.5レベルと予測された場合、辛さ度が4レベルである乾唐辛子5kgを粉砕機(210)に投入するように決定することができる。
【0078】
他の実施形態では、混合機(240)に追加的に投入される第2唐辛子粉の種類(例えば、辛さ度など)、投入量、水分含量、および粒度のうち少なくとも1つを決定することができる。例えば、目標辛さ度が3レベルであり、現在混合機(240)で混合される第1混合唐辛子粉10kgの第3辛さ度が2.5レベルと予測された場合、辛さ度が4レベルの唐辛子粉5kgを混合機(240)に追加するように決定することができる。他の例としては、目標粒度が2レベルであり、現在混合機(240)で混合される第1混合唐辛子粉10kgの粒度が3レベルと推定された場合、粒度が1レベルの唐辛子粉5kgを混合機(240)に投入するように決定することができる。
【0079】
モニタリング装置(100)は、分光装置(10)から周期的または間欠的に送信される唐辛子粉の分光画像データを分析して算出された唐辛子粉の品質(例えば、第1粒度、第1水分含量、および第1辛さ度および/または第2辛さ度)データを、対応する製造唐辛子粉生産量とともにメモリ(120)に保存し、これらの品質データに基づいて生産された唐辛子粉を集めて混合機(240)に投入し、今後生産される第1混合唐辛子粉の第3辛さ度及び第2粒度を予測しながら、品質目標値を外れた場合、粉砕機(210)に投入される乾唐辛子や混合機(240)に投入される唐辛子粉の品質(例えば、辛さ度、粒度、水分含量、糖含量、ASTA値など)及び量を決定して、工程制御値を制御するか、または当該品質の乾唐辛子や唐辛子粉をさらに投入することにより、所望の目標レベルの粒度及び辛さ度を有する唐辛子粉を製造することができるようにする。
【0080】
このように、本発明によれば、現在の唐辛子粉製造工程で生産中の唐辛子粉の品質をモニタリングし、目標とする唐辛子粉の品質に一致する唐辛子粉を生産するために、今後粉砕機(210)や混合機(240)に投入される乾唐辛子や唐辛子粉の品質、または工程制御値を決定することにより、所望の品質の唐辛子粉を生産することができるだけでなく、規格に合った唐辛子粉を生産することができる。
【0081】
本発明の一実施形態によるモニタリング装置(100)の唐辛子粉の品質モニタリング方法については、
図11を参照して説明する。
図11は、本発明の一実施形態によるモニタリング装置(100)による唐辛子粉の品質モニタリング方法に関するフローチャートである。
【0082】
分光装置(10)は、唐辛子粉の粉砕工程、濾過工程、及び殺菌工程のうち少なくとも1つの工程又は工程の前後に設けられ、周期的又は間欠的に唐辛子粉に関する分光画像データを取得してモニタリング装置(100)に送信する。モニタリング装置(100)は、分光装置(10)から製造工程中にある唐辛子粉に関する分光画像データを受信する(S10)。
【0083】
モニタリング装置(100)は、受信した分光画像データに基づいて、唐辛子粉の品質、例えば、第1粒度と第1水分含量のうち少なくとも1つと第1辛さ度を推定する(S11)。前述のように、辛さ度は粒度と水分含量に影響を受けるため、辛さ度を推定する際に粒度または水分含量を考慮する。モニタリング装置(100)は、第1粒度または第1水分含量に基づいて第1辛さ度を補正して第2辛さ度を算出し、メモリ(120)に保存する(S12)。前述したように、辛さ度を補正する方式ではなく、第1辛さ度算出の際に、粒度または水分含量を考慮して算出することもできる。
【0084】
一方、測定に応じて生産された唐辛子粉の量を自動的に算出するか、または使用者の入力に応じてメモリ(120)に記憶する。例えば、30分間隔で唐辛子粉の分光画像を取得し、通常30分間生産される唐辛子粉の量が20kgの場合、測定時間、分光画像、第1粒度、第1水分含量、第1辛さ度または第2辛さ度、および生産量(20kg)がメモリ(120)に記録され、このようなデータは、30分ごとに記録される。前述のように、追加的にの唐辛子粉の第1糖含量、第1ASTA値を推定して保存することができる。
【0085】
モニタリング装置(100)は、メモリ(120)に記録されたデータに基づいて、将来の混合機(240)に投入され製造される第1混合唐辛子粉の品質、例えば、第3辛さ度、第2粒度、第2水分含量、さらに第2糖含量または第2ASTA値を算出することができる(S13)。分光装置(10)で分光画像データが送信され、分析が行われるたびに第1混合唐辛子粉の品質に対する予測値が更新される。
【0086】
モニタリング装置(100)は、唐辛子粉の品質予測値と目標基準値とを比較し(S14)、もし目標基準値を満たさない場合(S15)、粉砕機(210)に投入される乾唐辛子または混合機(240)に今後投入される唐辛子粉の品質や工程制御値、量を決定し、それに基づいて唐辛子粉の製造工程を制御することができる(S16)。
【0087】
このように、本発明によれば、現在の唐辛子粉製造工程で生産中の唐辛子粉の品質を継続的にモニタリングし、生産される唐辛子粉の品質を予測することにより、目標とする唐辛子粉の品質に一致する唐辛子粉を生産するために今後粉砕機(210)や混合機(240)に投入される乾唐辛子や唐辛子粉の品質または工程制御値を決定することにより、所望の品質の唐辛子粉を製造することができる。
【0088】
以上で説明した装置およびそれに対する制御は、ハードウェア構成要素、ソフトウェア構成要素、および/またはハードウェア構成要素およびソフトウェア構成要素の組み合わせで具現することができる。例えば、一実施形態で説明された装置および構成要素は、プロセッサ、コントローラ、ALU(arithmetic logic unit、算術論理演算回路)、デジタル信号プロセッサ(digital signal processor)、マイクロコンピュータ、 FPGA(field programmable gate array、現場プログラミング可能ゲートアレイ)、PLU(programmable logic unit、プログラマブル論理ユニット)、マイクロプロセッサ、または命令(instruction)を実行及び応答することができる他の任意の装置のように、1つ以上の汎用コンピュータまたは特殊目的コンピュータを使用して具現することができる。処理装置は、オペレーティングシステム(OS)および前記オペレーティングシステム上で実行される1つ以上のソフトウェアアプリケーションを行うことができる。さらに、処理装置は、ソフトウェアの実行に応答して、データをアクセス、保存、操作、処理、および生成することができる。理解の便宜のために、処理装置は1つが使用されると説明されている場合もあるが、当該技術分野で通常の知識を有する者は、処理装置が複数個の処理要素及び/又は複数タイプの処理要素を含むことができることがわかる。例えば、処理装置は、複数個のプロセッサまたは1つのプロセッサおよび1つのコントローラを含むことができる。さらに、パラレルプロセッサのような、他の処理構成も可能である。
【0089】
ソフトウェアは、コンピュータプログラム(computer program)、コード(code)、命令(instruction)、またはこれらのうち1つ以上の組み合わせを含むことができ、所望の動作をするように処理装置を構成したり、独立的にまたは結合的に処理装置に命令したりすることができる。ソフトウェアおよび/またはデータは、処理装置によって解釈されるか、処理装置に命令またはデータを提供するために、ある種類の機械、構成要素、物理的装置、仮想装置、コンピュータ記憶媒体または装置に永久的に、または一時的に具体化することができる。ソフトウェアはネットワークで連結されたコンピュータシステム上に分散され、分散した方法で保存または実行することができる。ソフトウェアおよびデータは、1つ以上のコンピュータ可読記録媒体に保存することができる。
【0090】
一実施形態による方法は、様々なコンピュータ手段を介して実行できるプログラム命令の形態で具現され、コンピュータ可読媒体に記録されることが可能である。前記コンピュータ可読媒体は、プログラム命令、データファイル、データ構造などを単独でまたは組み合わせて含むことができる。前記媒体に記録されたプログラム命令は、一実施形態のために特別に設計され構成されたものであるか、コンピュータソフトウェア当業者に公知され使用可能なものであり得る。コンピュータ可読記録媒体の例には、ハードディスク、フロッピーディスク、および磁気テープのような磁気媒体(magnetic media)、CD-ROM、DVDのような光記録媒体(optical media)、フロプティカルディスク(floptical disk)のような光磁気媒体(magneto-optical media)、及びロム(ROM)、ラム(RAM)、フラッシュメモリなどのようなプログラム命令を保存および実行するように特別に構成されたハードウェア装置が含まれる。プログラム命令の例には、コンパイラによって作成されるような機械語コードだけでなく、インタプリタなどを使用してコンピュータによって実行できる高級言語コードがある。前記のハードウェア装置は、一実施形態の動作を実行するために1つ以上のソフトウェアモジュールとして作動するように構成することができ、その逆も同様である。
【0091】
以上のように、一実施形態が限定された一実施形態および図面によって説明されたが、当該技術分野において通常の知識を有する者であれば、前記の記載から様々な修正および変形が可能である。例えば、説明された技術は、説明された方法とは異なる順序で実行されたり、および/または説明されたシステム、構造、装置、回路などの構成要素が説明された方法とは異なる形態で結合また組み合わせられたり、他の構成要素または均等物によって対置または置換されたりしても、適切な結果を達成することができる。
【0092】
したがって、他の具現、他の実施形態、および特許請求の範囲と均等なものも、後述する特許請求範囲の範囲に属する。
【符号の説明】
【0093】
10: 分光装置
100: モニタリング装置
110: プロセッサ
120: メモリ
130: DB
140: 通信インターフェース
150:入出力インターフェース
160:入出力装置
200: 製造工程システム
210: 粉砕機
220: 濾過機
230: 殺菌機
240: 混合機
300: ネットワーク
400: 使用者端末(制御部)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0094】
【特許文献1】韓国特許第10-1135505号公報
【外国語明細書】