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特開2024-149374発光ダイオードのパッケージ構造及びその製造方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024149374
(43)【公開日】2024-10-18
(54)【発明の名称】発光ダイオードのパッケージ構造及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 33/54 20100101AFI20241010BHJP
   H01L 33/62 20100101ALI20241010BHJP
   H01L 33/56 20100101ALI20241010BHJP
【FI】
H01L33/54
H01L33/62
H01L33/56
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024001388
(22)【出願日】2024-01-09
(31)【優先権主張番号】112113070
(32)【優先日】2023-04-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】517370630
【氏名又は名称】晶呈科技股▲分▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100102532
【弁理士】
【氏名又は名称】好宮 幹夫
(74)【代理人】
【識別番号】100194881
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 俊弘
(74)【代理人】
【識別番号】100215142
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 徹
(72)【発明者】
【氏名】劉 埃森
(72)【発明者】
【氏名】陳 筱儒
(72)【発明者】
【氏名】黄 乙川
(72)【発明者】
【氏名】馮 祥▲アン▼
【テーマコード(参考)】
5F142
【Fターム(参考)】
5F142AA82
5F142AA86
5F142CB23
5F142CG03
5F142CG13
5F142CG32
5F142FA14
5F142FA30
5F142FA32
(57)【要約】
【課題】発光ダイオードのパッケージ構造の製造方法を提供する。
【解決手段】基板を提供する工程と、発光ダイオードとダミープラグを基板に設ける配置工程と、パターン化可能な材料を基板にコーティングし、且つ発光ダイオードとダミープラグを被覆するコーティング工程と、パターン化可能な材料をパターン化するパターン化工程と、導電層をパターン化可能な材料の一面に形成し、且つ発光ダイオードとダミープラグに接触させて電気的に接続する堆積工程と、保護層を導電層の一面に形成する保護層形成工程と、発光ダイオードのパッケージ構造を形成する剥離工程と、を含み、導電層の材質は、酸化インジウムスズ材料又は透明導電性材料を含む発光ダイオードのパッケージ構造の製造方法。これにより、プロセス効率と歩留まりを向上させ、且つコストを削減することができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を提供する工程と、
少なくとも1つの発光ダイオードと少なくとも1つのダミープラグを前記基板の表面に設ける配置工程と、
パターン化可能な材料を前記基板の前記表面にコーティングし、且つ前記パターン化可能な材料で前記少なくとも1つの発光ダイオードと前記少なくとも1つのダミープラグを被覆するコーティング工程と、
前記パターン化可能な材料をパターン化することで、前記少なくとも1つの発光ダイオードの一部と前記少なくとも1つのダミープラグの一部を前記パターン化可能な材料から露出させるパターン化工程と、
導電層を前記パターン化可能な材料の前記基板から離れた側の一面に形成し、且つ前記導電層を前記少なくとも1つの発光ダイオードの露出した部分と前記少なくとも1つのダミープラグの露出した部分に接触させて電気的に接続する堆積工程と、
保護層を前記導電層の前記基板から離れた側の一面に形成する保護層形成工程と、
発光ダイオードのパッケージ構造を形成するように、前記基板を、前記パターン化可能な材料、前記少なくとも1つの発光ダイオード、及び前記少なくとも1つのダミープラグから分離させる剥離工程と、
を含み、
前記導電層の材質は、酸化インジウムスズ材料又は透明導電性材料を含む発光ダイオードのパッケージ構造の製造方法。
【請求項2】
前記堆積工程において、室温でスパッタリングによって前記導電層を前記パターン化可能な材料に形成する請求項1に記載の発光ダイオードのパッケージ構造の製造方法。
【請求項3】
前記酸化インジウムスズ材料は、酸化インジウムスズ成分と遷移金属成分を含む請求項1に記載の発光ダイオードのパッケージ構造の製造方法。
【請求項4】
前記導電層は、それぞれ前記酸化インジウムスズ成分又は前記遷移金属成分で製造される少なくとも3つの膜層を有し、且つ前記酸化インジウムスズ成分で製造された前記膜層と前記遷移金属成分で製造された前記膜層は、交互に積層される請求項3に記載の発光ダイオードのパッケージ構造の製造方法。
【請求項5】
前記導電層の前記基板に最も近い前記膜層と前記基板に最も遠い前記膜層は、何れも前記酸化インジウムスズ成分で製造された膜層である請求項4に記載の発光ダイオードのパッケージ構造の製造方法。
【請求項6】
前記酸化インジウムスズ成分で製造された各前記膜層の厚さは、20nm~100nmであり、且つ前記遷移金属成分で製造された各前記膜層の厚さは、1nm~10nmである請求項4に記載の発光ダイオードのパッケージ構造の製造方法。
【請求項7】
前記導電層の厚さは、50nm~200nmである請求項1に記載の発光ダイオードのパッケージ構造の製造方法。
【請求項8】
前記基板の前記表面は、前記基板と、前記少なくとも1つの発光ダイオード、前記少なくとも1つのダミープラグ、及び前記パターン化可能な材料との間に位置する剥離可能な層を有し、且つ前記剥離工程において、前記基板に対し、光照射、加熱、又は冷却を行うことで、前記剥離可能な層を、前記少なくとも1つの発光ダイオード、前記少なくとも1つのダミープラグ、及び前記パターン化可能な材料から分離させる請求項1に記載の発光ダイオードのパッケージ構造の製造方法。
【請求項9】
請求項1~8の何れか一項に記載の発光ダイオードのパッケージ構造の製造方法により製造された発光ダイオードのパッケージ構造。
【請求項10】
上面及び下面を含むパターン化可能な材料層と、
前記パターン化可能な材料層に埋設され、第1の表面が前記パターン化可能な材料層の前記下面から露出する少なくとも1つの発光ダイオードと、
前記パターン化可能な材料層に埋設され、且つ第3の表面が前記パターン化可能な材料層の前記下面から露出する少なくとも1つのダミープラグと、
前記パターン化可能な材料層の前記上面を覆い、且つ前記少なくとも1つの発光ダイオード及び前記少なくとも1つのダミープラグに接触して電気的に接続される導電層と、
前記導電層を覆う保護層と、
を含み、
前記パターン化可能な材料層は、少なくとも2つの貫通孔を含み、前記少なくとも1つの発光ダイオードは、前記第1の表面に対向する第2の表面を有し、前記少なくとも1つのダミープラグは、前記第3の表面に対向する第4の表面を有し、前記貫通孔は、前記パターン化可能な材料層の前記上面から前記少なくとも1つの発光ダイオードの前記第2の表面及び前記少なくとも1つのダミープラグの前記第4の表面まで延伸し、且つ前記導電層は、前記貫通孔を介して前記少なくとも1つの発光ダイオードの前記第2の表面及び前記少なくとも1つのダミープラグの前記第4の表面に接触し、
前記導電層の材質は、酸化インジウムスズ材料又は透明導電性材料を含む発光ダイオードのパッケージ構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光ダイオードのパッケージ構造に関し、特に、プロセス効率と歩留まりを向上させ、且つコストを削減することができる発光ダイオードのパッケージ構造及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の発光ダイオードのパッケージ構造の製造方法は、発光ダイオードとダミープラグ(dummy plug)を基板に固定した後に、ワイヤボンディングを行うことで、発光ダイオードとダミープラグを電気的接続して、コロイドパッケージを行うことである。しかしながら、上記製造方法の工程は、煩雑であり、プロセス効率及び歩留まりに影響を与え、且つ前述の基板を繰り返して使用することができず、製造コストが大幅に増加する。
【0003】
これに鑑みて、如何に発光ダイオードのパッケージ効率と歩留まりを向上させ、且つコストを削減するかは、依然として関連業者が努力する目標である。
【発明の概要】
【0004】
本発明の一態様は、基板を提供する工程と、少なくとも1つの発光ダイオードと少なくとも1つのダミープラグを基板の表面に設ける配置工程と、パターン化可能な材料を基板の表面にコーティングし、且つパターン化可能な材料で少なくとも1つの発光ダイオードと少なくとも1つのダミープラグを被覆するコーティング工程と、パターン化可能な材料をパターン化することで、少なくとも1つの発光ダイオードの一部と少なくとも1つのダミープラグの一部をパターン化可能な材料から露出させるパターン化工程と、導電層をパターン化可能な材料の基板から離れた側の一面に形成し、且つ導電層を少なくとも1つの発光ダイオードの露出した部分と少なくとも1つのダミープラグの露出した部分に接触させて電気的に接続する堆積工程と、保護層を導電層の基板から離れた側の一面に形成する保護層形成工程と、発光ダイオードのパッケージ構造を形成するように、基板を、パターン化可能な材料、少なくとも1つの発光ダイオード、及び少なくとも1つのダミープラグから分離させる剥離工程と、を含み、導電層の材質は、酸化インジウムスズ材料又は透明導電性材料を含む発光ダイオードのパッケージ構造の製造方法を提供する。
【0005】
前述の発光ダイオードのパッケージ構造の製造方法によれば、堆積工程において、室温でスパッタリングによって導電層をパターン化可能な材料に形成してよい。
【0006】
前述の発光ダイオードのパッケージ構造の製造方法によれば、酸化インジウムスズ材料は、酸化インジウムスズ成分と遷移金属成分を含んでよい。
【0007】
前述の発光ダイオードのパッケージ構造の製造方法によれば、導電層は、それぞれ酸化インジウムスズ成分又は遷移金属成分で製造される少なくとも3つの膜層を有してよく、且つ酸化インジウムスズ成分で製造された膜層と遷移金属成分で製造された膜層は、交互に積層されてよい。
【0008】
前述の発光ダイオードのパッケージ構造の製造方法によれば、導電層の基板に最も近い膜層と基板に最も遠い膜層は、何れも酸化インジウムスズ成分で製造された膜層であってよい。
【0009】
前述の発光ダイオードのパッケージ構造の製造方法によれば、酸化インジウムスズ成分で製造された各膜層の厚さは、20nm~100nmであってよく、且つ遷移金属成分で製造された各膜層の厚さは、1nm~10nmであってよい。
【0010】
前述の発光ダイオードのパッケージ構造の製造方法によれば、導電層の厚さは、50nm~200nmであってよい。
【0011】
前述の発光ダイオードのパッケージ構造の製造方法によれば、基板の表面は、剥離可能な層を有してよく、剥離可能な層は、基板と、少なくとも1つの発光ダイオード、少なくとも1つのダミープラグ、及びパターン化可能な材料との間に位置してよく、且つ剥離工程において、紫外光で基板を照射することで、剥離可能な層を、少なくとも1つの発光ダイオード、少なくとも1つのダミープラグ、及びパターン化可能な材料から分離させる。
【0012】
本発明の別の態様は、前述の発光ダイオードのパッケージ構造の製造方法により製造された発光ダイオードのパッケージ構造を提供する。
【0013】
本発明の別の態様は、上面及び下面を含むパターン化可能な材料層と、パターン化可能な材料層に埋設され、且つ第1の表面がパターン化可能な材料層の下面から露出する少なくとも1つの発光ダイオードと、パターン化可能な材料層に埋設され、且つ第3の表面がパターン化可能な材料層の下面から露出する少なくとも1つのダミープラグと、パターン化可能な材料層の上面を覆い、且つ少なくとも1つの発光ダイオード及び少なくとも1つのダミープラグに接触して電気的に接続される導電層と、導電層を覆う保護層と、を含み、パターン化可能な材料層は、少なくとも2つの貫通孔を含み、少なくとも1つの発光ダイオードは、第1の表面に対向する第2の表面を有し、少なくとも1つのダミープラグは、第3の表面に対向する第4の表面を有し、貫通孔は、パターン化可能な材料層の上面から少なくとも1つの発光ダイオードの第2の表面及び少なくとも1つのダミープラグの第4の表面まで延伸し、且つ導電層は、貫通孔を介して少なくとも1つの発光ダイオードの第2の表面及び少なくとも1つのダミープラグの第4の表面に接触し、導電層の材質は、酸化インジウムスズ材料又は透明導電性材料を含む発光ダイオードのパッケージ構造を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の一実施形態による発光ダイオードのパッケージ構造の製造方法の工程フローチャートである。
図2A図1の工程110の構造模式図である。
図2B図1の工程120の構造模式図である。
図2C図1の工程130の構造模式図である。
図2D図1の工程140の構造模式図である。
図2E図1の工程150の構造模式図である。
図2F図1の工程160の構造模式図である。
図2G図1の工程170の構造模式図である。
図2H図1の発光ダイオードのパッケージ構造の製造方法による完成品の構造模式図である。
図3A】本発明の一実施形態による発光ダイオードのパッケージ構造を模式的に示す上面図である。
図3B図3Aの発光ダイオードのパッケージ構造を模式的に示す底面図である。
図3C図3Aの発光ダイオードのパッケージ構造の3C-3C線に沿った模式的に示す断面図である。
図4】第1の実施例、第2の実施例、第1の比較例、及び第2の比較例のシート抵抗と導電層の厚さとの関係図である。
図5】第1の実施例、第2の実施例、第1の比較例、及び第2の比較例の透過率と導電層の厚さとの関係図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の各実施形態をより詳しく説明する。しかしながら、この実施形態は、様々な発明概念の応用であってよく、様々な特定の範囲内に具体的に実施されてよい。特定の実施形態は、説明のみを目的とするものであり、開示された範囲に限定されない。
【0016】
図1を参照されたい。図1は、本発明の一実施形態による発光ダイオードのパッケージ構造の製造方法100の工程フローチャートである。発光ダイオードのパッケージ構造の製造方法100は、工程110、工程120、工程130、工程140、工程150、工程160、及び工程170を含む。
【0017】
図2Aを参照されたい。図2Aは、図1の工程110の構造模式図である。工程110では基板210を提供し、基板210はガラス基板であってよく、且つその表面に剥離可能な層211があってよく、剥離可能な層211は、基板210と後に形成される発光ダイオードのパッケージ構造とを分離することができ、詳細な製造過程は、以下の段落で説明し、ここで説明を省略する。
【0018】
図2Bを参照されたい。図2Bは、図1の工程120の構造模式図である。工程120は、少なくとも1つの発光ダイオード220と少なくとも1つのダミープラグ230を基板210の表面に設ける配置工程である。
【0019】
図2Cを参照されたい。図2Cは、図1の工程130の構造模式図である。工程130は、パターン化可能な材料240を基板210の表面にコーティングし、且つパターン化可能な材料240で発光ダイオード220及びダミープラグ230を被覆するコーティング工程である。また、前述の剥離可能な層211は、基板210と、発光ダイオード220、ダミープラグ230、及びパターン化可能な材料240との間に位置してよい。
【0020】
図2Dを参照されたい。図2Dは、図1の工程140の構造模式図である。工程140は、パターン化可能な材料240をパターン化することで、発光ダイオード220の一部とダミープラグ230の一部をパターン化可能な材料240から露出させるパターン化工程である。具体的には、パターン化可能な材料240の上方にフォトマスクMを配置した後に、パターン化可能な材料240をエッチングしてよく、このように、フォトマスクMに遮断されないパターン化可能な材料240が除去されることによって、発光ダイオード220とダミープラグ230が露出される。
【0021】
具体的には、パターン化可能な材料240は、フォトレジスト又は接着材を含んでよい。パターン化可能な材料240がフォトレジストを含むと、前述のフォトレジストは、紫外光又は電子ビームによって照射されて局所的な未硬化の状態となり、それにより、未硬化のフォトレジストを除去することで発光ダイオード220及びダミープラグ230を露出させることができる。パターン化可能な材料240が接着材を含むと、前述の接着材にレーザーエッチングを行ってよく、発光ダイオード220とダミープラグ230の頂部の電極が金属で、レーザーの金属と接着材に対する選択性が高いため、接着材を効果的に除去することができ、且つレーザーエッチングの採用は製造コストの削減にも役立つ。
【0022】
図2Eを参照されたい。図2Eは、図1の工程150の構造模式図である。工程150は、導電層250をパターン化可能な材料240の基板210から離れた側の一面に形成し、且つ導電層250を発光ダイオード220の露出した部分とダミープラグ230の露出した部分に接触させて電気的に接続する堆積工程である。
【0023】
詳しくは、導電層250の材質は、酸化インジウムスズ(indium tin oxide;ITO)材料又は透明導電性材料を含み、且つ酸化インジウムスズ材料は、酸化インジウムスズ成分及び遷移金属成分を含んでよい。導電層250は、それぞれ酸化インジウムスズ成分又は遷移金属成分で製造されてよい少なくとも3つの膜層(図示せず)を有してよく、且つ酸化インジウムスズ成分で製造された膜層と遷移金属成分で製造された膜層は、交互に積層されてよく、導電層250の基板210に最も近い膜層と基板210に最も遠い膜層は、何れも酸化インジウムスズ成分で製造された膜層であってよい。上記材質を採用することで、室温でスパッタリング(sputtering)によって導電層250をパターン化可能な材料240に形成することができ、且つ導電層250を形成したら、アニーリング(annealing)を行う必要がなく、低シート抵抗(sheet resistance)の要求を満たすことができる。本発明でいう遷移金属成分は、遷移金属元素又は後遷移金属元素、特に低融点の遷移金属元素又は後遷移金属元素であってよい。遷移金属成分は、スズ、インジウム、ガリウム、アルミニウム、亜鉛、及び銀からなる群から選択されてよいが、本発明は上記材料の種類に限定されない。
【0024】
なお、酸化インジウムスズ成分で製造された各膜層の厚さは、20nm~100nmであり、且つ遷移金属成分で製造された各膜層の厚さは、1nm~10nmである。又は、導電層250の厚さは、50nm~200nmであってよい。これにより、導電層250の厚さが適切であり、良好な導電性を提供し、プロセス時間を短縮し、且つ適度な透過率を有することができる。
【0025】
図2Fを参照されたい。図2Fは、図1の工程160の構造模式図である。工程160は、保護層260を導電層250の基板210から離れた側の一面に形成する保護層形成工程である。
【0026】
図2G及び図2Hを参照されたい。図2Gは、図1の工程170の構造模式図であり、図2Hは、図1の発光ダイオードのパッケージ構造の製造方法100による完成品の構造模式図である。工程170は、発光ダイオードのパッケージ構造300を形成するように、基板210を、パターン化可能な材料240、発光ダイオード220、及びダミープラグ230から分離させる剥離工程である。剥離工程では、基板210に対し、光照射、加熱、又は冷却を行うことで、剥離可能な層211を、発光ダイオード220、ダミープラグ230、及びパターン化可能な材料240から分離する。この工程では、例えば、紫外光Lが基板210に照射される。また、加熱又は機械的方法のような方法によって、基板210を他の素子から分離することも可能であり、本発明は上記剥離方法に限定されない。
【0027】
本発明の別の態様は、前述の発光ダイオードのパッケージ構造の製造方法100により製造された発光ダイオードのパッケージ構造300を提供する。
【0028】
図3A図3Cを参照されたい。図3Aは、本発明の一実施形態による発光ダイオードのパッケージ構造400を模式的に示す上面図であり、図3Bは、図3Aの発光ダイオードのパッケージ構造400を模式的に示す底面図であり、図3Cは、図3Aの発光ダイオードのパッケージ構造400の3C-3C線に沿った模式的に示す断面図である。発光ダイオードのパッケージ構造400は、パターン化可能な材料層410、少なくとも1つの発光ダイオード420、少なくとも1つのダミープラグ430、導電層440、及び保護層450を含み、それらはそれぞれ、前述のパターン化可能な材料240、発光ダイオード220、ダミープラグ230、導電層250、及び保護層260と同じ性質を有するため、ここで説明を省略する。
【0029】
パターン化可能な材料層410は、上面411及び下面412を含む。発光ダイオード420とダミープラグ430は、パターン化可能な材料層410に埋設され、且つ発光ダイオード420の第1の表面421とダミープラグ430の第3の表面431はそれぞれ、パターン化可能な材料層410の下面412から露出し、第1の表面421と第3の表面431は、電流伝達に用いられてよい。
【0030】
導電層440は、パターン化可能な材料層410の上面411を覆い、且つ導電層440は、発光ダイオード420及びダミープラグ430に接触して電気的に接続され、保護層450は、導電層440を覆う。詳しくは、パターン化可能な材料層410は、少なくとも2つの貫通孔413を含み、発光ダイオード420は、第1の表面421に対向する第2の表面422を有し、ダミープラグ430は、第3の表面431に対向する第4の表面432を有し、貫通孔413は、パターン化可能な材料層410の上面411から発光ダイオード420の第2の表面422とダミープラグ430の第4の表面432まで延伸し、且つ導電層440は、貫通孔413を介して発光ダイオード420の第2の表面422とダミープラグ430の第4の表面432に接触する。
【0031】
以下の具体的な実施例で本発明を更に例示的に説明することで、当業者が、過度に解読する必要がない状況で本発明を完全に利用して実施することができることに役立ち、これらの実施例を、本発明の材料及び方法を如何に実施するかを説明するために用いるが、本発明の範囲を限定するものと見なすべきではない。
【0032】
第1の実施例、第2の実施例、第1の比較例、及び第2の比較例は、異なる構造の導電層が備える電気的性質と光学的性質を開示する。上記実施例及び比較例に係る導電層の構成は、下記の表1に示される。
【0033】
上記表1の膜層1~膜層5は順に、基板に最も近い膜層から基板に最も遠い膜層である。上記実施例及び比較例のシート抵抗と透過率の測定結果は、下記の表2に示される。
【0034】
図4及び図5を併せて参照されたい。図4は、第1の実施例、第2の実施例、第1の比較例、及び第2の比較例のシート抵抗と導電層の厚さとの関係図であり、図5は、第1の実施例、第2の実施例、第1の比較例、及び第2の比較例の透過率と導電層の厚さとの関係図である。実験結果から分かるように、第1の実施例と第2の実施例のシート抵抗は、第1の比較例と第2の比較例よりも明らかに小さく、これは、本発明に使用される導電層構造及び関連する製造方法が導電性を明らかに改善することができることを示す。なお、第1の実施例の透過率は、第1の比較例と第2の比較例よりも明らかに高く、第2の実施例の透過率は低下するが、依然として第2の比較例と同等で、且つ70%を超え、これは、本発明に使用される導電層構造及び関連する製造方法が良好な透過率をもたらすことができることを示す。
【0035】
以上より、本発明は、発光ダイオードとダミープラグに導電層を堆積することで、ワイヤボンディングせずに回路を配置することができ、それによりプロセス効率と歩留まりを向上させる。更に、本発明は、基板剥離によって発光ダイオードのパッケージ構造を製造し、基板を繰り返して使用してよく、それによりコストを削減し、発光ダイオードのパッケージ構造の小型化にもつながる。
【0036】
本発明は、実施例に基づいて以上のように開示されたが、実施例は本発明を制限するものではなく、当業者であれば、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、様々な変更及び修正を行うことができ、よって、本発明の保護範囲は、添付の特許請求の範囲に定義されたものを基準とする。
【符号の説明】
【0037】
100 発光ダイオードのパッケージ構造の製造方法
110、120、130、140、150、160、170 工程
210 基板
211 剥離可能な層
220、420 発光ダイオード
230、430 ダミープラグ
240 パターン化可能な材料
250、440 導電層
260、450 保護層
300、400 発光ダイオードのパッケージ構造
410 パターン化可能な材料層
411 上面
412 下面
413 貫通孔
421 第1の表面
422 第2の表面
431 第3の表面
432 第4の表面
M フォトマスク
L 紫外光
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図2F
図2G
図2H
図3A
図3B
図3C
図4
図5