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特開2024-149378複数の電気車両に適用可能なバッテリ管理方法、その電気車両、及びコンピュータープログラム
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  • 特開-複数の電気車両に適用可能なバッテリ管理方法、その電気車両、及びコンピュータープログラム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024149378
(43)【公開日】2024-10-18
(54)【発明の名称】複数の電気車両に適用可能なバッテリ管理方法、その電気車両、及びコンピュータープログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20241010BHJP
   B60L 50/60 20190101ALI20241010BHJP
   B60L 53/65 20190101ALI20241010BHJP
   B60L 53/80 20190101ALI20241010BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20241010BHJP
【FI】
G06Q50/10
B60L50/60
B60L53/65
B60L53/80
H02J7/00 P
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024003079
(22)【出願日】2024-01-12
(31)【優先権主張番号】112112901
(32)【優先日】2023-04-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】597127029
【氏名又は名称】光陽工業股▲分▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】黄明三
【テーマコード(参考)】
5G503
5H125
【Fターム(参考)】
5G503AA01
5G503BA04
5G503BB01
5G503GD05
5H125AA01
5H125AC12
5H125BA00
5H125CC04
5H125CD02
5H125CD10
5H125DD05
5H125EE21
5H125EE47
(57)【要約】
【課題】電気車両の複数の電気車両に適用可能なバッテリ管理方法を提供する。
【解決手段】 方法は、電気車両に適用される。まず、電気車両内において少なくとも1つの目標バッテリの存在を検知する。目標バッテリが電気車両に存在する場合において、目標バッテリから第1のグループ識別データを取得し、かつ、電気車両に対応する第2のグループ識別データを取得する。そして、第1のグループ識別データと第2のグループ識別データとが互いに符合するかどうかを判断する。第1のグループ識別データと第2のグループ識別データとが互いに符合する場合において、目標バッテリを受け入れて、電気車両を起動することができる。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気車両に適用される、複数の電気車両に適用可能なバッテリ管理方法であって、
前記電気車両内において少なくとも1つの目標バッテリの存在を検知することと、
前記目標バッテリが前記電気車両に存在する場合において、前記目標バッテリから第1のグループ識別データを取得することと、
前記電気車両に対応する第2のグループ識別データを取得することと、
前記第1のグループ識別データと前記第2のグループ識別データとが互いに符合するかどうかを判断することと、
前記第1のグループ識別データと前記第2のグループ識別データとが互いに符合する場合において、前記目標バッテリを受け入れて、前記電気車両を起動することができることと、を含む、
複数の電気車両に適用可能なバッテリ管理方法。
【請求項2】
前記第1のグループ識別データと前記第2のグループ識別データとが互いに符合しない場合、前記目標バッテリを受け入れず、前記電気車両を起動することができないこと、をさらに含む、請求項1に記載の複数の電気車両に適用可能なバッテリ管理方法。
【請求項3】
前記目標バッテリが第1の車両識別データと紐付けられているかどうかを判断することと、
前記目標バッテリが前記第1の車両識別データと紐付けられていて、かつ、前記第1のグループ識別データと前記第2のグループ識別データとが互いに符合しない場合、前記目標バッテリを受け入れず、前記電気車両を起動することができないことと、をさらに含む、
請求項2に記載の複数の電気車両に適用可能なバッテリ管理方法。
【請求項4】
前記電気車両に対応する第2の車両識別データを取得することと、
前記目標バッテリを前記第2の車両識別データと紐付けることと、をさらに含む、
請求項1に記載の複数の電気車両に適用可能なバッテリ管理方法。
【請求項5】
目標バッテリが第1の車両識別データと紐付けられているかどうかを判断することと、
前記目標バッテリが前記第1の車両識別データと紐付けられていて、かつ、前記第1のグループ識別データと前記第2のグループ識別データとが互いに符合する場合において、前記目標バッテリの前記第1の車両識別データに対応する紐付けを解除し、前記目標バッテリを前記第2の車両識別データと紐付けることと、をさらに含む、
請求項4に記載の複数の電気車両に適用可能なバッテリ管理方法。
【請求項6】
前記電気車両が、ネットワークを介して、前記第1のグループ識別データと前記第2のグループ識別データとをリモートサーバに送信することと、
前記リモートサーバを用いて、前記第1のグループ識別データと前記第2のグループ識別データとが符合するかどうかを判断し、判断結果を前記ネットワークを介して、前記電気車両に送信することと、をさらに含む、
請求項1に記載の複数の電気車両に適用可能なバッテリ管理方法。
【請求項7】
前記電気車両を起動することができることは、前記電気車両の電源スイッチを入れることができること、または、モータを起動することができることである、請求項1に記載の複数の電気車両に適用可能なバッテリ管理方法。
【請求項8】
前記第1のグループ識別データと前記第2のグループ識別データとが符合しない場合において、前記電気車両の表示ユニットを介して異常通知を表示し、あるいは、ネットワークを介して異常通知を前記電気車両に対応するモバイル装置に送信する、請求項1に記載の複数の電気車両に適用可能なバッテリ管理方法。
【請求項9】
バッテリ収納ユニットと、記憶ユニットと、処理ユニットと、を含む電気車両であって、
前記バッテリ収納ユニットは、少なくとも1つの目標バッテリを収納するように用いられ、前記目標バッテリは、第1のグループ識別データを有し、
前記記憶ユニットは、前記電気車両に対応する前記第2のグループ識別データを記録し、
前記処理ユニットは、前記バッテリ収納ユニットと前記記憶ユニットとに接続し、前記目標バッテリの存在を検知し、前記目標バッテリが前記電気車両に存在する場合において、前記目標バッテリから前記第1のグループ識別データを取得し、前記第1のグループ識別データと前記第2のグループ識別データとが互いに符合するがどうかを判断し、前記第1のグループ識別データと前記第2のグループ識別データとが互いに符合する場合において、前記目標バッテリを受け入れて、前記電気車両を起動することができるように用いられる、
電気車両。
【請求項10】
機器によりロードされて、複数の電気車両に適用可能なバッテリ管理方法を実行するための、電子装置に適用されるコンピュータープログラムであって、
前記電気車両内において少なくとも1つの目標バッテリの存在を検知するための第1のプログラムコードと、
前記目標バッテリが前記電気車両に存在する場合において、前記目標バッテリから第1のグループ識別データを取得するための第2のプログラムコードと、
前記電気車両に対応する第2のグループ識別データを取得するための第3のプログラムコードと、
前記第1のグループ識別データと前記第2のグループ識別データとが互いに符合するかどうかを判断するための第4のプログラムコードと、
前記第1のグループ識別データと前記第2のグループ識別データとが互いに符合する場合において、前記目標バッテリを受け入れて、前記電気車両を起動することができるようにするための第5のプログラムコードと、を含む、
コンピュータープログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッテリ管理方法に関し、特に、複数の電気車両で共有されるバッテリを管理できる方法に関する。本発明はさらに、複数の電気車両で共用されるバッテリを管理できる電気車両とコンピュータープログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、環境問題への意識の高まりや電気車両の著しい進歩に伴い、電気エネルギーを動力源とする電気車両を開発して、化石燃料を動力源とする従来の車両に代えることが、車両分野において重要な目標となりつつある。よって、電気車両の普及率は、ますます上がっている。電気車両の航続距離の向上や電気車両に対する使用意欲を促進するために、多くの国や都市では、公の場所に充電ステーションやバッテリエネルギーステーションが広く設置されて、電気自動車や電気二輪車に対して充電やバッテリ交換を行なうサービスが提供されている。これによって、電気車両の使用はより便利になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】台湾特許第I705379号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の電気車両において、充電式バッテリは、電気車両のメーカーにとって大きなコストの一つであり、且つその充電式バッテリには、ライフサイクルの制限がある。電気スクータのような電気車両にとっては、バッテリがパワー不足状態にある場合、それぞれの充電式バッテリの間でバッテリ容量の差異が大きい場合、又はそれぞれの充電式バッテリの間で使用サイクルの差異が大きい場合、これらの充電式バッテリを組み合わせて電気車両を始動させると、電気車両や充電式バッテリに異常が発生したり寿命が減少したりするおそれがある。
【0005】
従来技術において、バッテリエネルギーステーションでバッテリ交換をしない限り、各電気車両に搭載されるバッテリは、その電気車両でしか使用することができない。しかしながら、郵便局、警察署、飲食店などの一部の企業・組織は、電気車両に対する需要があり、更には複数の電気車両を既に有する場合もある。グループ内の電気車両が従来のバッテリ紐付け技術を使用すると、電気車両とバッテリの使用における柔軟性に欠け、予期せぬ状況が発生した時に制限となる可能性もある。したがって、複数の電気車両のバッテリを如何に適切に管理するかは、業界にとって解決しようとする課題となっている。
【0006】
したがって、本発明の目的は、従来技術の欠点を少なくとも1つ軽減することができる複数の電気車両に適用可能なバッテリ管理方法、その電気車両、及びコンピュータープログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る一実施形態の電気車両の複数の電気車両に適用可能なバッテリ管理方法は、電気車両に適用される。まず、電気車両内において少なくとも1つの目標バッテリの存在を検知する。目標バッテリが電気車両に存在する場合において、目標バッテリから第1のグループ識別データを取得し、かつ、電気車両に対応する第2のグループ識別データを取得する。そして、第1のグループ識別データと第2のグループ識別データとが互いに符合するかどうかを判断する。第1のグループ識別データと第2のグループ識別データとが互いに符合する場合において、目標バッテリを受け入れて、電気車両を起動することができる。
【0008】
本発明に係る一実施形態の電気車両は、バッテリ収納ユニットと、記憶ユニットと、処理ユニットと、を含む。バッテリ収納ユニットは、少なくとも1つの目標バッテリを収納し、目標バッテリは、第1のグループ識別データを有する。記憶ユニットは、電気車両に対応する第2のグループ識別データを記録する。処理ユニットは、バッテリ収納ユニットと記憶ユニットとに接続し、目標バッテリの存在を検知するように用いられる。目標バッテリが電気車両に存在する場合において、処理ユニットは、目標バッテリから第1のグループ識別データを取得し、第1のグループ識別データと第2のグループ識別データとが互いに符合するがどうかを判断する。第1のグループ識別データと第2のグループ識別データとが互いに符合する場合において、処理ユニットは、目標バッテリを受け入れて、電気車両を起動することができる。
【0009】
いくつかの実施形態において、第1のグループ識別データと第2のグループ識別データとが互いに符合しない場合、目標バッテリを受け入れず、電気車両を起動することができない。
【0010】
いくつかの実施形態において、目標バッテリが第1の車両識別データと紐付けられているかどうかを判断することができる。目標バッテリが第1の車両識別データと紐付けられていて、かつ、第1のグループ識別データと第2のグループ識別データとが互いに符合しない場合、目標バッテリを受け入れず、電気車両を起動することができない。
【0011】
いくつかの実施形態において、電気車両に対応する第2の車両識別データを取得し、目標バッテリを第2の車両識別データと紐付ける。
【0012】
いくつかの実施形態において、目標バッテリが第1の車両識別データと紐付けられているかどうかを判断することができる。目標バッテリが第1の車両識別データと紐付けられていて、かつ、第1のグループ識別データと第2のグループ識別データとが互いに符合する場合において、目標バッテリの第1の車両識別データに対応する紐付けを解除し、目標バッテリを第2の車両識別データと紐付ける。
【0013】
いくつかの実施形態において、電気車両が、ネットワークを介して、第1のグループ識別データと第2のグループ識別データとをリモートサーバに送信し、リモートサーバを用いて、第1のグループ識別データと第2のグループ識別データとが符合するかどうかを判断し、判断結果をネットワークを介して、電気車両に送信する。
【0014】
いくつかの実施形態において、電気車両を起動することができることは、電気車両の電源スイッチを入れることができること、または、モータを起動することができることである。
【0015】
いくつかの実施形態において、第1のグループ識別データと第2のグループ識別データとが符合しない場合において、電気車両の表示ユニットを介して異常通知を表示し、および/または、ネットワークを介して異常通知を電気車両に対応するモバイル装置に送信する。
【0016】
いくつかの実施形態において、第1のグループ識別データと第2のグループ識別データとが符合するするかどうかの判断は、第1のグループ識別データが第2の車両識別データに等しいかどうかを判断する、および/または第1のグループ識別データと第2の識別データとが1つの符号化アルゴリズムに準拠しているかどうかを判断することである。
【0017】
本発明の上記方法は、プログラムコードのセットとして実施される。プログラムコードのセットが機器によってロードされて実行されると、機器が本発明を実行する装置となる。
【0018】
本発明に係る一実施形態のコンピュータープログラムは、機器によりロードされて、複数の電気車両に適用可能なバッテリ管理方法を実行し、電子装置に適用される。コンピュータープログラムは、電気車両内において少なくとも1つの目標バッテリの存在を検知するための第1のプログラムコードと、目標バッテリが電気車両に存在する場合において、目標バッテリから第1のグループ識別データを取得するための第2のプログラムコードと、電気車両に対応する第2のグループ識別データを取得するための第3のプログラムコードと、第1のグループ識別データと第2のグループ識別データとが互いに符合するかどうかを判断するための第4のプログラムコードと、第1のグループ識別データと第2のグループ識別データとが互いに符合する場合において、目標バッテリを受け入れて、電気車両を起動することができるようにするための第5のプログラムコードと、を含む。
【発明の効果】
【0019】
本発明の複数の電気車両に適用可能なバッテリ管理方法及びその電気車両を介して、複数の電気車両で共用されるバッテリを管理することができ、ひいては企業・組織の電気車両とバッテリの使用の柔軟性を向上することができ、さらに、適切な管理メカニズムの提供により、電気車両とバッテリをより良く保護する。
【0020】
本発明の他の特徴及び利点は、添付の図面を参照する以下の実施形態の詳細な説明において明白になる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明に係る一実施形態の電気車両を示す模式図である。
図2】本発明に係る他の実施形態の電気車両を示す模式図である。
図3】本発明に係る一実施形態のリモートサーバに接続する電気車両を示す模式図である。
図4】本発明に係る一実施形態の複数の電気車両に適用可能なバッテリ管理方法を示すフローチャートである。
図5】本発明に係る他の実施形態の複数の電気車両に適用可能なバッテリ管理方法を示すフローチャートである。
図6】本発明に係る一実施形態の車両識別データの紐付け方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1は、本発明に係る一実施形態の電気車両を示す。本発明に係る一実施形態の電気車両100は、例えば、バッテリを動力源とする電気スクータであってもよい。図に示されるように、電気車両100は少なくとも、バッテリ収納ユニット110と、モータユニット120と、記憶ユニット130と、処理ユニット140と、を含む。バッテリ収納ユニット110は、少なくとも1つのバッテリ(例えば、目標バッテリ112)を収納することができる。少なくとも1つのバッテリが、互いに並列または直列に接続されて、例えば電気車両100のモータユニット120に電気エネルギーを提供して動作させることができる。モータユニット120は、動作して、車両及び他の回転する車両部品を駆動することができる。記憶ユニット130は、電気車両および/またはバッテリの関連情報を記憶することができる。例えば、記憶ユニット130は、電気車両100に対応する車両識別データを記憶することができる。処理ユニット140は、電気車両内のすべてのハードウェア及びソフトウェアの動作を制御して、本発明の複数の電気車両に適用可能なバッテリ管理方法を実行することができ、その詳細については後述する。
【0023】
図2は、本発明に係る他の実施形態の電気車両を示す。本発明に係る実施形態の電気車両200は、例えば、バッテリを動力源とする電気スクータであってもよい。図に示されるように、電気車両200は少なくとも、バッテリ収納ユニット210と、モータユニット220と、記憶ユニット230と、ネットワーク接続ユニット240と、処理ユニット250と、を含む。同様に、バッテリ収納ユニット210は、少なくとも1つのバッテリ(例えば、目標バッテリ212)を収納することができる。少なくとも1つのバッテリが、互いに並列または直列に接続されて、例えば電気車両200のモータユニット220、に電気エネルギーを提供して動作させることができる。モータユニット220は、動作して、車両及び他の回転する車両部品を駆動することができる。記憶ユニット230は、電気車両および/またはバッテリの関連情報、例えば、電気車両200に対応する車両識別データを記憶することができる。ネットワーク接続ユニット240は、ネットワークに接続することができる。ネットワーク接続ユニット240により、電気車両は、ネットワーク接続機能を有する。いくつかの実施形態において、ネットワークは、有線ネットワーク、電気通信ネットワーク、及び無線ネットワーク(例えば、ブルートゥース(登録商標)、Wi-Fiなど)であってもよい。処理ユニット250は、電気車両内のすべてのハードウェア及びソフトウェアの動作を制御して、本発明の複数の電気車両に適用可能なバッテリ管理方法を実行することができ、その詳細については後述する。
【0024】
図3は、本発明に係る一実施形態のリモートサーバに接続する電気車両を示す。図に示されるように、電気車両200は、ネットワーク300(有線ネットワーク、電気通信ネットワーク、およびブルートゥースやWi-Fiなどの無線ネットワーク)を介して、リモートサーバ400に接続することができる。なお、リモートサーバ400は、ネットワーク接続機能を有する任意の電子装置であってもよい。なお、いくつかの実施形態において、リモートサーバ400は、同じ位置または異なる位置にある電気車両を同時に管理することができる。
【0025】
図4は、本発明に係る一実施形態の複数の電気車両に適用可能なバッテリ管理方法を示す。本発明に係る一実施形態の複数の電気車両に適用可能なバッテリ管理方法は、電気車両(例えば、電気スクータ)に適用される。
【0026】
まず、ステップS410では、電気車両内において少なくとも1つの目標バッテリの存在を検知する。なお、電気車両は、バッテリにより駆動することができ、少なくとも1つのバッテリを収納するためのバッテリ収納ユニットを含む。目標バッテリが電気車両に存在しない場合(ステップS420の「いいえ」)、フローは、ステップS410に戻る。目標バッテリが電気車両に存在する場合(ステップS420の「はい」)、ステップS430において、目標バッテリから第1のグループ識別データを取得し、そして、ステップS440において、電気車両に対応する第2のグループ識別データを取得する。なお、いくつかの実施形態において、同一企業/組織に対応するすべての電気車両は、共同のグループ識別データと紐付けることができ、該グループ識別データは該企業/組織を示すように用いられる。そして、ステップS450において、第1のグループ識別データと第2のグループ識別データとが互いに符合するかどうかを判断する。なお、いくつかの実施形態において、第1のグループ識別データと第2のグループ識別データとが互いに符合するかどうかの判断は、第1のグループ識別データが第2のグループ識別データと等しいかどうかを判断することにより行う。いくつかの実施形態において、第1のグループ識別データと第2のグループ識別データとが互いに符合するかどうかの判断は、第1のグループ識別データと第2のグループ識別データとが1つの符号化アルゴリズムに準拠しているかどうかを判断することにより行う。また、いくつかの実施形態において、電気車両は、ネットワークを介して第1のグループ識別データと第2のグループ識別データとをリモートサーバに送信し、リモートサーバを用いて、第1のグループ識別データと第2のグループ識別データとが互いに符合するかどうかを判断し、判断結果をネットワークを介して電気車両に送信する。第1のグループ識別データと第2のグループ識別データとが互いに符合しない場合(ステップS460の「いいえ」)、フローは完了する。第1のグループ識別データと第2のグループ識別データとが互いに符合する場合(ステップS460の「はい」)、ステップS470において、目標バッテリを受け入れて、電気車両を起動することができる。なお、いくつかの実施形態において、電気車両を起動することができることは、電気車両の電源スイッチを入れることができることである。いくつかの実施形態において、電気車両を起動することができることは、電気車両のモータを起動することができることである。言い換えると、第1のグループ識別データと第2のグループ識別データとが符合しない場合、電気車両を起動することができない。
【0027】
図5は、本発明に係る他の実施形態の複数の電気車両に適用可能なバッテリ管理方法を示す。本発明に係る実施形態の複数の電気車両に適用可能なバッテリ管理方法は、電気車両(例えば、電気スクータ)に適用される。
【0028】
まず、ステップS510では、電気車両内において少なくとも1つの目標バッテリの存在を検知する。同様に、電気車両は、バッテリにより駆動することができ、少なくとも1つのバッテリを収納するためのバッテリ収納ユニットを含む。目標バッテリが電気車両に存在しない場合(ステップS520の「いいえ」)、フローは、ステップS510に戻る。目標バッテリが電気車両に存在する場合(ステップS520の「はい」)、ステップS530において、目標バッテリから第1のグループ識別データを取得し、そして、ステップS540において、電気車両に対応する第2のグループ識別データを取得する。同様に、いくつかの実施形態において、同一企業/組織に対応するすべての電気車両は、共同のグループ識別データと紐付けることができ、該グループ識別データは該企業/組織を示すように用いられる。そして、ステップS550において、第1のグループ識別データと第2のグループ識別データとが互いに符合するかどうかを判断する。同様に、いくつかの実施形態において、第1のグループ識別データと第2のグループ識別データとが互いに符合するかどうかの判断は、第1のグループ識別データが第2のグループ識別データと等しいかどうかを判断することにより行う。いくつかの実施形態において、第1のグループ識別データと第2のグループ識別データとが互いに符合するかどうかの判断は、第1のグループ識別データと第2のグループ識別データとが1つの符号化アルゴリズムに準拠しているかどうかを判断することにより行う。また、いくつかの実施形態において、電気車両は、ネットワークを介して第1のグループ識別データと第2のグループ識別データとをリモートサーバに送信し、リモートサーバを用いて、第1のグループ識別データと第2のグループ識別データとが互いに符合するかどうかを判断し、判断結果をネットワークを介して電気車両に送信する。第1のグループ識別データと第2のグループ識別データとが互いに符合する場合(ステップS560の「はい」)、ステップS570において、目標バッテリを受け入れて、電気車両を起動することができる。同様に、いくつかの実施形態において、電気車両を起動することができることは、電気車両の電源スイッチを入れることができることである。いくつかの実施形態において、電気車両を起動することができることは、電気車両のモータを起動することができることである。第1のグループ識別データと第2のグループ識別データとが互いに符合しない場合(ステップS560の「いいえ」)、ステップS580において、目標バッテリを受け入れず、電気車両を起動することができない。そして、ステップS590において、電気車両の表示ユニットを介して異常通知を表示し、および/または、ネットワークを介して異常通知を電気車両に対応するモバイル装置に送信する。なお、いくつかの実施形態において、電気車両は、ネットワーク(例えば、ブルートゥースやWi-Fi)を介して、異常通知を電気車両に対応するモバイル装置に直接送信することができる。いくつかの実施形態において、電気車両がネットワークを介して異常通知をリモートサーバに送信してから、リモートサーバが異常通知を電気車両に対応するモバイル装置に送信する。
【0029】
なお、いくつかの実施形態において、バッテリ管理の目的のもと、目下使用中の電気車両に基づいて、バッテリについて関連の紐付け作業がやはり行われる。図6は、本発明に係る一実施形態の車両識別データの紐付け方法を示す。本実施形態において、第1のグループ識別データと第2のグループ識別データとが互いに符合する場合に、その後の判断を行うことができる。まず、ステップS610において、目標バッテリが第1の車両識別データと紐付けられているかどうかを判断する。目標バッテリがどの車両識別データとも紐付けられていない場合(ステップS610の「いいえ」)、そのままステップS630に進む。目標バッテリが既に第1の車両識別データと紐付けられている場合(ステップS610の「はい」)、ステップS620において、目標バッテリの第1の車両識別データに対応する紐付けを解除し、目標バッテリを第2の車両識別データと紐付ける。なお、いくつかの実施形態において、目標バッテリが第1の車両識別データと紐付けられていて、かつ、第1の車両識別データと第2の車両識別データとが互いに符合しない場合、目標バッテリを受け入れず、電気車両を起動することができない。
【0030】
したがって、本発明の複数の電気車両に適用可能なバッテリ管理方法及びその電気車両を介して、複数の電気車両で共用されるバッテリを管理することができ、ひいては企業・組織の電気車両とバッテリの使用上の柔軟性を向上することができ、さらに、適切な管理メカニズムを提供することで、電気車両とバッテリをより良く保護する。
【0031】
また、本発明に係る方法又はその一部は、プログラムコードのセットとして実施され得る。プログラムコードのセットは、フロッピー(登録商標)ディスク、コンパクトディスク、ハードディスク、任意の機器読取(例えば、コンピュータ読取)可能な記憶媒体といった物理記憶媒体に記憶されることができ、或いは、物理的な形態に限定されないコンピュータのプログラムとして実行されることができる。ここで、そのプログラムコードが機器(例えば、コンピュータ)により実行されると、その機器が本発明の方法を実施するための装置に変わる。更に、該プログラムコードは、1つ又はそれ以上の電線、ケーブル、光ファイバ、又は任意の伝送手段といった伝送媒体により伝送されることもできる。且つ、該プログラムコードが機器(例えば、コンピュータ)により受けられてロードされて実行されると、そのような機器が本発明の方法を実施するための装置に変わる。この方法が汎用プロセッサにより実行されると、プログラムコードは、プロセッサが特定用途向け集積回路(ASIC)と同様な機能のある特定の装置として作動するようにさせることができる。
【0032】
具体的には、本発明に係るコンピュータープログラムは、機械によりロードされて、複数の電気車両に適用可能なバッテリ管理方法を実行し、電気装置に適用される。コンピュータープログラムは、電気車両内において少なくとも1つの目標バッテリの存在を検知するための第1のプログラムコードと、目標バッテリが電気車両に存在する場合において、目標バッテリから第1のグループ識別データを取得するための第2のプログラムコードと、電気車両に対応する第2のグループ識別データを取得するための第3のプログラムコードと、第1のグループ識別データと第2のグループ識別データとが互いに符合するかどうかを判断するための第4のプログラムコードと、第1のグループ識別データと第2のグループ識別データとが互いに符合する場合において、目標バッテリを受け入れて、電気車両を起動することができるようにするための第5のプログラムコードと、を含む。
【0033】
上記においては、本発明の全体的な理解を促すべく、多くの具体的な詳細が示された。しかしながら、当業者であれば、一またはそれ以上の他の実施形態が具体的な詳細を示さなくとも実施され得ることが明らかである。
【0034】
以上、本発明の好ましい実施形態及び変化例を説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、最も広い解釈の精神および範囲内に含まれる様々な構成として、全ての修飾および均等な構成を包含するものとする。
【符号の説明】
【0035】
100、200 電気車両
110、210 バッテリ収納ユニット
112、212 目標バッテリ
120、220 モータユニット
130、230 記憶ユニット
140、250 処理ユニット
240 ネットワーク接続ユニット
300 ネットワーク
400 リモートサーバ
S410、S420、S430、S440、S450、S460、S470 ステップ
S510、S520、S530、S540、S550、S560、S570、S580、S590 ステップ
S610、S620、S630 ステップ
図1
図2
図3
図4
図5
図6